(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】組み合わせカードパズル
(51)【国際特許分類】
A63F 1/02 20060101AFI20220325BHJP
A63F 9/08 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A63F1/02 A
A63F9/08 501Z
(21)【出願番号】P 2022003094
(22)【出願日】2022-01-12
【審査請求日】2022-01-12
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】507197867
【氏名又は名称】小野 雅之
(74)【代理人】
【識別番号】110000800
【氏名又は名称】特許業務法人創成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小野 雅之
【審査官】金子 和孝
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3187137(JP,U)
【文献】実開平6-36064(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0147481(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63F1/00
A63F9/08
A63F9/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正方形の9枚のカードを用い、当該9枚のカードの各々の四辺の少なくとも一つを互いに合わせながら全体として正方形に組み合わせて並べることにより、正しい並べ方である2種類の正解例を完成可能な組み合わせカードパズルであって、
前記各カードの四辺には、絵柄が当該四辺に臨んだ状態で配置されており、
当該絵柄は、4種類の絵柄を上下に2分割した際の上側部分の絵柄及び下側部分の絵柄をそれぞれ4種類の上側絵柄及び4種類の下側絵柄としたときの、2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄を少なくとも含んでいるとともに、当該2種類の上側絵柄及び当該2種類の下側絵柄は、当該各カードの中心を間にして互いに並ぶように配置されており、
前記9枚のカードは、互いに異なる第1中央カード及び第2中央カードと、当該第1中央カード及び当該第2中央カード以外の7枚のカードとで構成され、
前記第1中央カード及び前記第2中央カードは、前記7枚のカードと識別可能に構成されており、
前記2種類の正解例は、隣り合う前記カード間で前記上側絵柄及び前記下側絵柄が互いに一致する並べ方であり、前記第1中央カードを中心に配置した正解例1と、前記第2中央カードを中心に配置した正解例2とであることを特徴とする組み合わせカードパズル。
【請求項2】
請求項1に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
前記正解例1及び前記正解例2の一方では、隣り合うカード間において前記上側絵柄及び前記下側絵柄が互いに一致する方向が、互いに直交する2方向に設定されているとともに、前記正解例1及び前記正解例2の他方では、隣り合うカード間において前記上側絵柄及び前記下側絵柄が互いに一致する方向が、互いに直交する4方向を含むように設定されており、
前記各カードには、2種類の前記上側絵柄の一方と2種類の前記下側絵柄の一方が当該各カードの前記中心を間にして当該各カードの対向する二辺に臨むように配置されているとともに、前記2種類の前記上側絵柄の他方と前記2種類の前記下側絵柄の他方が当該各カードの前記中心を間にして当該各カードの残りの二辺に臨んだ状態で配置されており、
前記7枚のカードは、4枚の第1種カード及び3枚の第2種カードを含んでおり、
前記第1中央カード、前記第2中央カード及び前記4枚の第1種カードの各々には、互いに異なる4種類の前記上側絵柄及び前記下側絵柄が配置されており、
前記3枚の第2種カードの各々には、互いに異なる2種類の前記上側絵柄及び前記下側絵柄と、同一種類の前記上側絵柄及び前記下側絵柄とが配置されていることを特徴とする組み合わせカードパズル。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
前記9枚のカードは、前記正解例1及び前記正解例2の一方の状態でシート部材に一体に設けられており、当該組み合わせカードパズルの遊技時には、当該シート部材から切り離されて用いられることを特徴とする組み合わせカードパズル。
【請求項4】
請求項3に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
前記シート部材には、前記正解例1及び前記正解例2における前記4種類の絵柄の配置方向を矢印でそれぞれ示す第1配置方向図及び第2配置方向図が表示されていることを特徴とする組み合わせカードパズル。
【請求項5】
請求項1又は2に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
前記9枚のカードとは別個の表示部をさらに備え、
当該表示部には、前記正解例1及び前記正解例2における前記4種類の絵柄の配置方向を矢印でそれぞれ示す第1配置方向図及び第2配置方向図とが表示されていることを特徴とする組み合わせカードパズル。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、9枚のカードを用いて遊ぶ組み合わせカードパズルに関する。
【背景技術】
【0002】
本出願人は、組み合わせカードパズルとして、特許文献1に記載されたものを既に提案している。この組み合わせカードパズルは、正方形の9枚のカードを用いるものであり、9枚のカードの各々では、4種類の絵柄を上下に分割した4種類の上側絵柄及び下側絵柄が各カードの四辺に臨んだ状態で当該各カードの中心に対して十字状に配置されている。
【0003】
この組み合わせカードパズルの場合、正解の並ベ方である2種類の正解配置状態が存在しており、これらの正解配置状態では、9枚のカードを全体として正方形に並べた状態で、隣り合うカード間において上側絵柄及び下側絵柄が一致する状態となる。遊技者は、2種類の正解配置状態のいずれかを完成させるために、9枚のカードを並び変えながら、上側絵柄及び下側絵柄の絵合わせを行う。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の組み合わせカードパズルによれば、遊技者が正解配置状態に到達しにくかったり、到達しなかったりした場合、遊技に飽きてしまい、遊技を実施しなくなる可能性がある。この傾向は、遊技者が比較的、低年齢の幼児である場合などに顕著である。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、遊技者の興趣を高めることができ、遊技の実施頻度を向上させることができる組み合わせカードパズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、
正方形の9枚のカードを用い、9枚のカードの各々の四辺の少なくとも一つを互いに合わせながら全体として正方形に組み合わせて並べることにより、正しい並べ方である2種類の正解例を完成可能な組み合わせカードパズルであって、
各カードの四辺には、絵柄が四辺に臨んだ状態で配置されており、
絵柄は、4種類の絵柄を上下に2分割した際の上側部分の絵柄及び下側部分の絵柄をそれぞれ4種類の上側絵柄及び4種類の下側絵柄としたときの、2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄を少なくとも含んでいるとともに、2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄は、各カードの中心を間にして互いに並ぶように配置されており、
9枚のカードは、互いに異なる第1中央カード及び第2中央カードと、第1中央カード及び第2中央カード以外の7枚のカードとで構成され、
第1中央カード及び第2中央カードは、7枚のカードと識別可能に構成されており、
2種類の正解例は、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する並べ方であり、第1中央カードを中心に配置した正解例1と、第2中央カードを中心に配置した正解例2とであることを特徴とする。
【0008】
この組み合わせカードパズルによれば、正しい並べ方として、第1中央カードを中心に配置した正解例1と、第2中央カードを中心に配置した正解例2とが完成可能になっている。これらの第1中央カード及び第2中央カードは、互いに異なっているとともに、他の7枚のカードと識別可能に構成されている。それにより、遊技者は、第1中央カード又は第2中央カードを中心として、残りの8枚のカードを並べ変えることにより、正解例1又は正解例2を、従来の組み合わせカードパズルよりも容易に完成することができる。その結果、遊技者が比較的、低年齢の幼児である場合においても、遊技者の興趣を高めることができ、遊技者による遊技の実施頻度を向上させることができるとともに、商品性を向上させることができる。
【0009】
請求項2に係る発明は、請求項1に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
正解例1及び正解例2の一方では、隣り合うカード間において上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が、互いに直交する2方向に設定されているとともに、正解例1及び正解例2の他方では、隣り合うカード間において上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が、互いに直交する4方向を含むように設定されており、
各カードには、2種類の上側絵柄の一方と2種類の下側絵柄の一方が各カードの中心を間にして各カードの対向する二辺に臨むように配置されているとともに、2種類の上側絵柄の他方と2種類の下側絵柄の他方が各カードの中心を間にして各カードの残りの二辺に臨んだ状態で配置されており、
7枚のカードは、4枚の第1種カード及び3枚の第2種カードを含んでおり、
第1中央カード、第2中央カード及び4枚の第1種カードの各々には、互いに異なる4種類の上側絵柄及び下側絵柄が配置されており、
3枚の第2種カードの各々には、互いに異なる2種類の上側絵柄及び下側絵柄と、同一種類の上側絵柄及び下側絵柄とが配置されていることを特徴とする。
【0010】
この組み合わせカードパズルの場合、9枚のカードの各々には、2種類の上側絵柄の一方と2種類の下側絵柄の一方が各カードの中心を間にして対向するとともに、2種類の上側絵柄の他方と2種類の下側絵柄の他方が各カードの中心を間にして対向するように配置されている。このような9枚のカードを用いて2つの正解例が存在するように構成した場合において、2つの正解例の一方において、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向を互いに直交する2方向に設定し、2つの正解例の他方において、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が互いに直交する4方向を含むように設定するには、6枚の各カードには、互いに異なる4種類の上側絵柄及び下側絵柄が配置し、残り3枚のカードの各々には、互いに異なる2種類の上側絵柄及び下側絵柄と、同一種類の上側絵柄及び下側絵柄とを配置する必要があるという事実が、本出願人の試行により確認できた。したがって、この組み合わせカードパズルによれば、上記のような9枚のカードを用いて2つの正解例が存在するように構成した場合、2つの正解例の一方において、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向を互いに直交する2方向に設定し、2つの正解例の他方において、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が互いに直交する4方向を含むように設定することができる。それにより、遊技者は、2つの正解例の一方を他方よりも容易に完成させることができ、遊技者の興趣をより一層、高めることができる。
【0011】
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
9枚のカードは、正解例1及び正解例2の一方の状態でシート部材に一体に設けられており、組み合わせカードパズルの遊技時には、シート部材から切り離されて用いられることを特徴とする
【0012】
この組み合わせカードパズルによれば、遊技者は、組み合わせカードパズルの遊技を開始する際、9枚のカードをシート部材から切り離して遊技することになる。その場合、遊技者は、遊技開始前にシート部材を参照することにより、正解例1及び正解例2の一方を視認することができ、それにより、正解例1及び正解例2の一方に対する遊技者の完成意欲が高められることになる。その結果、遊技者による遊技の実施頻度をさらに向上させることができる。
【0013】
請求項4に係る発明は、請求項3に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
シート部材には、正解例1及び正解例2における4種類の絵柄の配置方向を矢印でそれぞれ示す第1配置方向図及び第2配置方向図が表示されていることを特徴とする。
【0014】
この組み合わせカードパズルによれば、遊技者は、シート部材に表示された第1配置方向図及び第2配置方向図を参照することにより、正解例1及び正解例2における4種類の絵柄の配置方向を視認することができ、正解例1及び正解例2に対する完成意欲が高められることになる。その結果、遊技者による遊技の実施頻度をさらに向上させることができる。
【0015】
請求項5に係る発明は、請求項1又は2に記載の組み合わせカードパズルにおいて、
9枚のカードとは別個の表示部をさらに備え、
表示部には、正解例1及び正解例2における4種類の絵柄の配置方向を矢印でそれぞれ示す第1配置方向図及び第2配置方向図が表示されていることを特徴とする。
【0016】
この組み合わせカードパズルによれば、遊技者は、9枚のカードとは別個の表示部を参照することにより、正解例1及び正解例2における4種類の絵柄の配置方向を視認することができ、正解例1及び正解例2に対する完成意欲が高められることになる。その結果、遊技者による遊技の実施頻度をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明の一実施形態に係る組み合わせカードパズルの第1~第9カードを示す図である。
【
図2】組み合わせカードパズルにおけるパズルシートを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図面を参照しながら、本発明の一実施形態に係る組み合わせカードパズルについて説明する。本実施形態の組み合わせカードパズル1は、
図2に示すパズルシートSから
図1に示す9枚の第1~第9カードC1~C9を切り離して遊技するものである。
【0019】
このパズルシートSは、例えば、厚紙製のもので構成されている。なお、第1~第9カードC1~C9及びパズルシートSの材質は、厚紙に限らず、樹脂コート紙、合成樹脂、金属、ガラス又は陶製のものであってもよい。
【0020】
本実施形態の組み合わせカードパズル1では、後述するように、2つの正解の並ベ方である正解例1及び正解例2が存在しており、遊技者は、これらの正解例1及び正解例2を完成させるために、第1~第9カードC1~C9を並び替えながら、第1~第9カードC1~C9の間での絵合わせを行う。
【0021】
図1に示すように、第1~第9カードC1~C9の各々は、正方形に形成されており、そのパズル用の表面の中央部には、中央図形Mが配置されている。以下の説明では、第1~第9カードC1~C9の各々を適宜「各カードC」という。
【0022】
この中央図形Mは、二重円形のドーナッツ状に形成され、各カードCの中央部に配置されている。
図1に示すように、第1カードC1の場合、中央図形Mの中心部が点描部分になっており、第2カードC2の場合、中央図形Mの中心部が黒塗り部分になっている。さらに、それら以外の第3~第9カードC3~C9の場合、中央図形Mの中央部が空白部分になっている。
【0023】
これは、後述するように、正解例1では第1カードC1が中心に配置され、正解例2では第2カードC2が中心に配置される関係上、第1カードC1又は第2カードC2を、それ以外の8枚のカードと識別するためである。なお、実際には、第1カードC1の網掛け部分と第2カードC2の黒塗り部分は、互いに異なる2色(例えば、黄色と赤色)に着色される。
【0024】
なお、本実施形態では、第1カードC1が第1中央カードに相当し、第2カードC2が第2中央カードに相当する。さらに、第4カードC4、第5カードC5、第8カードC8及び第9カードC9が第1種カードに相当し、第3カードC3、第6カードC6及び第7カードC7が第2種カードに相当する。
【0025】
さらに、各カードCには、4つの絵柄がその四辺に臨む状態で配置されており、これら4つの絵柄の各々は、第1~第4上側絵柄D1a~D4a及び第1~第4下側絵柄D1b~D4bのいずれかで構成されている。
【0026】
ここで、
図3に示すように、第1上側絵柄D1a及び第1下側絵柄D1bは、インコを模した第1絵柄D1を、境界線L1に沿って上下に分割したものである。また、第2上側絵柄D2a及び第2下側絵柄D2bは、子鹿を模した第2絵柄D2を境界線L2に沿ってそれぞれ上下に分割したものである。
【0027】
さらに、第3上側絵柄D3a及び第3下側絵柄D3bは、鳩を模した第3絵柄D3を境界線L3に沿ってそれぞれ上下に分割したものであり、第4上側絵柄D4a及び第4下側絵柄D4bは、コアラを模した第4絵柄D4を境界線L4に沿ってそれぞれ上下に分割したものである。
【0028】
さらに、
図1に示すように、各カードCの四辺のうち、互いに対向する二辺においては、第1~第4上側絵柄D1a~D4aのいずれか1つと、第1~第4下側絵柄D1b~D4bのいずれか1つとが、中央図形Mを間にして同一方向に向いた状態で配置されている。また、第1~第9カードC1~C9においては、4つの絵柄の配置状態は、互いに異なるように構成されている。
【0029】
例えば、第1~第9カードC1~C9が
図1に示す姿勢にある場合、第4カードC4では、第1上側絵柄D1a及び第3下側絵柄D3bが、第4カードC4の左辺及び右辺にそれぞれ臨むとともに、右向きの状態(すなわち第4カードC4の右側を絵柄の上側にした状態)で並ぶようにされている。さらに、第4カードC4では、第2下側絵柄D2b及び第4上側絵柄D4aが、第4カードC4の上辺及び下辺にそれぞれ臨むとともに、上向きの状態(すなわち上方を絵柄の上側にした状態)で並ぶように構成されている。
【0030】
一方、第1カードC1では、第2下側絵柄D2b及び第3上側絵柄D3aが、第1カードC1の左辺及び右辺にそれぞれ臨むとともに、左向きの状態(すなわち第1カードC1の左側を絵柄の上側にした状態)で並ぶように構成されている。さらに、第1カードC1では、第1上側絵柄D1a及び第4下側絵柄D4bが、第1カードC1の上辺及び下辺にそれぞれ臨むとともに、下向きの状態(すなわち第1カードC1の下側を絵柄の上側にした状態)で並ぶように構成されている。
【0031】
また、
図1に示すように、第1~第9カードC1~C9のうちの6枚のカードC1~C2,C4~C5,C8~C9においては、2つの上側絵柄と2つの下側絵柄が各カードの四辺に配置されているとともに、これらの4つの絵柄は互いに異なる種類の絵柄になっている。
【0032】
一方、残りの3枚のカードC3,C6,C7においては、同一種類の上側絵柄と下側絵柄が各カードのいずれか二辺に配置され、これらの上側絵柄と下側絵柄と異なる2種類の上側絵柄及び下側絵柄が残りの二辺に配置されている。
【0033】
例えば、
図1に示す姿勢にある第3カードC3では、第3下側絵柄D3b及び第3上側絵柄D3aが、第3カードC3の左辺及び右辺にそれぞれ臨むように、左向きの状態で並んでいるとともに、第4下側絵柄D4b及び第2上側絵柄D2aが、第3カードC3の上辺及び下辺にそれぞれ臨むように、上向きの状態で並んでいる。
【0034】
また、
図1に示す姿勢にある第6カードC6では、第2上側絵柄D2a及び第1下側絵柄D1bが、第6カードC6の左辺及び右辺にそれぞれ臨むように、右向きの状態で並んでいるとともに、第2下側絵柄D2b及び第4上側絵柄D4aが、第6カードC6の上辺及び下辺にそれぞれ臨むように、上向きの状態で並んでいる。
【0035】
さらに、
図1に示す姿勢にある第7カードC7では、第4上側絵柄D4a及び第2下側絵柄D2bが、第7カードC7の左辺及び右辺にそれぞれ臨むように、右向きの状態で並んでいるとともに、第1下側絵柄D1b及び第2上側絵柄D2aが、第7カードC7の上辺及び下辺にそれぞれ臨むように、上向きの状態で並んでいる。
【0036】
以上のように、第1~第9カードC1~C9が構成されている理由については後述する。
【0037】
次に、
図2を参照しながら、パズルシートSについて説明する。このパズルシートSの場合、前述した9枚のカードC1~C9が一体に設けられているとともに、組み合わせカードパズル1の遊技方法が記載されている。なお、本実施形態では、パズルシートSがシート部材に相当する。
【0038】
図2に示すように、このパズルシートSには、第1配置方向
図E1と、第2配置方向
図E2と、9枚のカードC1~C9が正解例1の状態で配置されたカード群E3と、遊技方法の説明文(図示せず)とが記載されている。
【0039】
このパズルシートSでは、カード群E3の9枚のカードC1~C9の各々の四辺に沿って、ミシン目(又は切れ目)が形成されている(図示せず)。それにより、遊技者は、遊技を開始する際、指を使って、9枚のカードC1~C9をパズルシートSから切り離すとともに、9枚のカードC1~C9の各々の間を切り離すことができる。その結果、遊技者は、9枚のカードC1~C9を並び替えて遊技することが可能になる。
【0040】
第1配置方向
図E1は、正解例1の並べ方(すなわち正解例1における各カードCの絵柄の配置方向)を説明するためのものである。この正解例1の並べ方は、
図4に示すように、中央図形Mの中心部が点描部分になっている第1カードC1を中心として残り8枚のカードをその周りに並べた場合において、隣り合うカード間で第1~第4絵柄D1~D4が完成するときの並べ方である。
【0041】
この正解例1の並べ方では、完成した第1~第4絵柄D1~D4の姿勢が、4種類の矢印A1~A4で示されている。ここで、上向きの矢印A1は、第1~第4絵柄D1~D4が上向きの姿勢(すなわち絵柄の上側が上方になる姿勢)になることを表しており、下向きの矢印A2は、第1~第4絵柄D1~D4が下向きの姿勢(すなわち絵柄の上側が下方になる姿勢)になることを表している。
【0042】
さらに、左向きの矢印A3は、第1~第4絵柄D1~D4が左向きの姿勢(すなわち絵柄の上側が左方になる姿勢)になることを表しており、右向きの矢印A4は、第1~第4絵柄D1~D4が右向きの姿勢(すなわち絵柄の上側が右方になる姿勢)になることを表している。
【0043】
また、第2配置方向
図E2は、正解例2の並べ方における絵柄の姿勢の向きを説明するためのものであり、この正解例2の並べ方は、中央図形Mの中心部が黒塗り部分になっている第2カードC2を中心として、残り8枚のカードをその周りに並べた場合において、隣り合うカード間で第1~第4絵柄D1~D4が完成するときの並べ方である(後述する
図7参照)。
【0044】
この正解例2の並べ方の場合、第2配置方向
図E2に示すように、その完成時に、第1~第4絵柄D1~D4は、すべて上向きの矢印A1と右向きの矢印A4で示される姿勢となるように構成されている。
【0045】
次に、
図6~7を参照しながら、正解例2の具体的な並べ方について説明する。
図7に示すように、正解例2は、隣り合うカード間で第1~第4絵柄D1~D4が完成するように、中央図形Mの中心部が黒塗りになっている第2カードC2を中心として残り8枚のカードをその周りに並べた状態のものである。
【0046】
この正解例2の場合、遊技者は、例えば以下に述べる手順で、各カードCを並べることにより、正解例2を完成させることができる。遊技者は、まず、第2カードC2を
図1に示す姿勢から時計回りに90゜回転させることにより、
図6に示す姿勢にする。
【0047】
そして、遊技者は、第9カードC9を
図1と同じ姿勢で第2カードC2の左側に配置し、第8カードC8を
図1に示す姿勢から反時計回りに90゜回転させた姿勢で、第2カードC2の右側に配置する。
【0048】
次いで、遊技者は、第3カードC3を、
図1に示す姿勢から時計回りに90゜回転させた姿勢で、第2カードC2の上側に配置し、第6カードC6を、
図1と同じ姿勢で第2カードC2の下側に配置する。
【0049】
さらに、遊技者は、第7カードC7及び第4カードC4をそれぞれ、
図1と同じ姿勢で第2カードC2の斜め左上側及び斜め右下側に配置する。次いで、遊技者は、第5カードC5を、
図1に示す姿勢から反時計回りに90゜回転させた姿勢で、第2カードC2の斜め右上側に配置し、第1カードC1を
図1に示す姿勢から時計回りに180゜回転させた姿勢で、第2カードC2の斜め左下側に配置する。
【0050】
そして、遊技者が第1カードC1及び第3~第9カードC3~C9を第2カードC2に近づけて一体化することにより、
図7に示す正解例2が完成する。
【0051】
以上のように、本実施形態の組み合わせカードパズル1によれば、正しい並べ方として、第1カードC1を中心に配置した正解例1と、第2カードC2を中心に配置した正解例2とが完成可能に構成されている。これらの第1カードC1及び第2カードC2は、互いに異なっているとともに、他の7枚のカードC3~C9と識別可能に構成されている。それにより、遊技者は、第1カードC1又は第2カードC2を中心として、残りの8枚のカードを並べ変えることにより、正解例1又は正解例2を、従来の組み合わせカードパズルよりも容易に完成することができる。その結果、遊技者が比較的、低年齢の幼児である場合においても、遊技者の興趣を高めることができ、遊技者による遊技の実施頻度を向上させることができるとともに、商品性を向上させることができる。
【0052】
また、第1配置方向
図E1及び第2配置方向
図E2に示すように、正解例1では、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が、4方向に設定されているのに対して、正解例2では、隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する方向が、互いに直交する2方向に設定されている。それにより、遊技者は、第2配置方向
図E2を参照しながら、正解例2を、正解例1よりも容易に完成させることができる。
【0053】
さらに、以上のような組み合わせカードパズル1を実現するには、9枚のカードC1~C9において、6枚のカードでは、互いに異なる4種類の上側絵柄及び下側絵柄を四辺に配置し、残りの3枚のカードにおいて、互いに異なる2種類の上側絵柄及び下側絵柄を二辺に配置するとともに、同一種類の上側絵柄及び下側絵柄を残りの二辺に配置する必要があるという事実が、本出願人の試行により確認できた。そのため、本実施形態では、第1~第9カードC1~C9が前述したように構成されている。
【0054】
なお、実施形態は、4種類の絵柄を上下方向に分割した4種類の上側絵柄及び4種類の下側絵柄のいずれかを各カードCの四辺に配置した例であるが、各カードCの四辺における絵柄は、2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄を少なくとも含んでいるように構成されていればよい。例えば、各カードCにおいて、5~8種類の絵柄を上下方向に分割した5~8種類の上側絵柄及び5~8種類の下側絵柄が配置されているように構成してもよい。その場合には、2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄を各カードの四辺の少なくとも一つに配置すればよい。
【0055】
また、実施形態は、4種類の絵柄として、オウム、インコ、子鹿及びコアラをそれぞれ摸した第1~第4絵柄を用いた例であるが、これら以外の4種類の絵柄を用いてもよい。例えば、4種類の絵柄として、オウム、インコ、子鹿及びコアラ以外の4種類の動物(例えば、虎、ライオン、キリン、象)を模した4つの絵柄を用いもよく、4種類の車両の絵柄又は4種類の電車の絵柄などを用いてもよい。さらに、4種類の食品の絵柄、4種類の日用品の絵柄、4種類の建物の絵柄、4種類の美術品の絵柄、又は4種類の風景の絵柄などを用いてもよく、互いに識別可能な4種類の絵柄であればよい。
【0056】
さらに、実施形態は、パズルシートSにおいて、第1~第9カードC1~C9を正解例1の状態(カード群E3の状態)で配置した例であるが、これに代えて、第1~第9カードC1~C9を正解例2の状態で並べて配置するように構成してもよい。
【0057】
さらに、組み合わせカードパズル1において、正解例1における絵柄の配置状態と、正解例2における絵柄の配置状態とを入れ替えてもよい。
【0058】
一方、実施形態は、第1配置方向
図E1及び第2配置方向
図E2において、第1~第4絵柄D1~D4の配置方向を矢印で示した例であるが、矢印に変えて、他の記号又は文字により、第1~第4絵柄D1~D4の配置方向が判るように構成してもよい。例えば、第1~第4絵柄D1~D4の配置方向が判るように、「上」及び「下」の文字が第1配置方向
図E1及び第2配置方向
図E2に記載されているように構成してもよい。
【0059】
また、実施形態は、組み合わせカードパズルを厚紙製の9枚のカードC1~C9を用いて遊技するように構成した例であるが、本発明の組み合わせカードパズルは、これに限らず、正方形の9枚のカードを用いて遊べるものであればよい。例えば、本発明の組み合わせカードパズルをゲームのプログラムとしてパーソナルコンピュータ、スマートフォン又は専用ゲーム機に適用されたものとし、遊技者がパーソナルコンピュータ、スマートフォン又は専用ゲーム機で組み合わせカードパズルを遊技するように構成してもよい。
【0060】
その場合には、9枚のカードC1~C9がパーソナルコンピュータ、スマートフォン又は専用ゲーム機のディスプレイに表示されるように構成すればよく、これに加えて、パズルシートSにおける2つの
図E1,E2及びカード群E3が、パーソナルコンピュータ、スマートフォン又は専用ゲーム機のディスプレイに表示されるように構成してもよい。この場合には、ディスプレイが表示部に相当する。
【0061】
また、実施形態は、第1カードC1及び第2カードC2を他のカードと区別するために、中央図形Mの中心部を点描部分及び黒塗り部分とした例であるが、第1カードC1及び第2カードC2は、互いに異なるとともに他のカードと区別可能に構成されていればよい。例えば、第1カードC1及び第2カードC2の中央部において、中央図形Mに代えて、「☆」及び「△」のマークを配置するように構成してもよい。
【0062】
また、実施形態の組み合わせカードパズル1は、第1~第9カードC1~C9をパズルシートSに一体に設けた例であるが、パズルシートSと第1~第9カードC1~C9とを別個のものとして構成し、これらのパズルシートS及び第1~第9カードC1~C9を1組の組み合わせカードパズルとしてもよい。その場合には、2つの
図E1~E2がパズルシートSに表示されるように構成してもよく、2つの
図E1,E2及びカード群E3の状態の図がパズルシートSに表示されるように構成してもよい。なお、この場合、パズルシートSが表示部に相当する。
【0063】
このように構成した場合、遊技者は、9枚のカードC1~C9とは別個のパズルシートSの2つの
図E1,E2及びカード群E3の状態の図を参照することにより、正解例1と、正解例1及び正解例2における4種類の絵柄の配置方向とを視認することができる。それにより、正解例1及び正解例2に対する完成意欲が高められることになり、遊技者による遊技の実施頻度をさらに向上させることができる。
【0064】
なお、実施形態は、シート部材としてのパズルシートSにおいて、9枚のカードC1~C9の各々の四辺に沿って、ミシン目(又は切れ目)を形成した例であるが、本発明の組み合わせカードパズルはこれに限らず、遊技時に、9枚のカードがシート部材から容易に切り離されるものであればよい。例えば、予め切り離した9枚のカードC1~C9をパズルシートSに形成した開口に圧入し、1枚のパズルシートSとして形を保つように、接着剤又は粘着テープなどで仮止めするように構成してもよい。
【0065】
また、別の紙製シートをパズルシートSの裏側に配置し、この紙製シートを9枚のカードC1~C9以外の部分に裏側から貼り付けるとともに、この紙製シートの表面側に9枚のカードC1~C9の位置を示すマス目を表示するように構成してもよい。このように構成した場合、遊技者は、遊技時、9枚のカードC1~C9をパズルシートSから切り離した後、これらをパズルシートSにおける紙製シート上に並べる際、その作業が容易になる。これに加えて、電車などの9枚のカードC1~C9を並べる平面部分がない条件下でも、組み合わせカードパズル1を容易に遊技することができる。それにより、組み合わせカードパズル1の商品性を向上させることができる。
【0066】
また、実施形態は、パズルシートSにおいて、9枚のカードC1~C9の各々の四辺に沿ってミシン目(又は切れ目)を形成した例であるが、パズルシートSにおいて、ミシン目(又は切れ目)を省略してもよい。その場合には、遊技者は、遊技を開始する際、刃物(例えば、ハサミ)を用いて、9枚のカードC1~C9をパズルシートSから切り離せばよい。
【符号の説明】
【0067】
1 組み合わせカードパズル
C1 第1カード(第1中央カード)
C2 第2カード(第2中央カード)
C3 第3カード(第2種カード)
C4 第4カード(第1種カード)
C5 第5カード(第1種カード)
C6 第6カード(第2種カード)
C7 第7カード(第2種カード)
C8 第8カード(第1種カード)
C9 第9カード(第1種カード)
D1 第1絵柄
D1a 第1上側絵柄
D1b 第1下側絵柄
D2 第2絵柄
D2a 第2上側絵柄
D2b 第2下側絵柄
D3 第3絵柄
D3a 第3上側絵柄
D3b 第3下側絵柄
D4 第4絵柄
D4a 第4上側絵柄
D4b 第4下側絵柄
S パズルシート(シート部材)
E1 第1配置方向図
E2 第2配置方向図
【要約】
【課題】遊技者の興趣を高めることができ、遊技の実施頻度を向上させることができる組み合わせカードパズルを提供する。
【解決手段】組み合わせカードパズル1では、4種類の上側絵柄D1a~D4a及び4種類の下側絵柄D1b~D4bのうちの2種類の上側絵柄及び2種類の下側絵柄がカードC1~C9の各々に配置されており、2つのカードC1,C2の一方を中心に配置し、互いに隣り合うカード間で上側絵柄及び下側絵柄が互いに一致する2つの正解例を完成可能に構成されている。
【選択図】
図2