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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】太陽光発電接続箱
(51)【国際特許分類】
   H02S 40/34 20140101AFI20220325BHJP
【FI】
H02S40/34
【請求項の数】 16
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2016161656
(22)【出願日】2016-08-22
(65)【公開番号】P2017046573
(43)【公開日】2017-03-02
【審査請求日】2019-08-07
(31)【優先権主張番号】201520650940.5
(32)【優先日】2015-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【弁理士】
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【弁理士】
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【弁理士】
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 聖子
(74)【代理人】
【識別番号】100189360
【弁理士】
【氏名又は名称】緒方 昭典
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ウェンボ
(72)【発明者】
【氏名】リー,クイ
(72)【発明者】
【氏名】ツォン,ユェン
(72)【発明者】
【氏名】シァン,シュ
【審査官】佐竹 政彦
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第202601664(CN,U)
【文献】中国実用新案第201623420(CN,U)
【文献】国際公開第2007/060787(WO,A1)
【文献】特開2012-074630(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0052719(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02S 40/34
IEEE Xplore
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
平面視して長さ方向と短手方向を有する矩形の受容領域を有する箱本体(100)と、
前記箱本体の前記受容領域に受容される複数の導通端子(210,220,230,240)と、
表面実装技術によって前記複数の導通端子上に取り付けられる少なくとも1つの表面実装ダイオードを含むソーラーパネル上に取り付けられるように構成された太陽光発電接続箱であって、
各表面実装ダイオードは、
平らな本体と、前記平らな本体の縁から外方に延出する少なくとも1つのアノードピンと、前記平らな本体の底部上に位置するカソードパッドとを含み、
前記複数の導通端子のうち、表面積が最も大きくかつ最大の放熱負荷を有する第3の導通端子(230)第3縁には、前記第3縁から内方に窪んだ切欠き(231)が形成され、
前記表面積および前記放熱負荷が前記第3の導通端子(230)の次に大きく、かつ、前記第3の導通端子(230)に隣接する第2の導通端子(220)の第2縁には、前記第2縁から外方に突出し、前記切欠き内に突出される突出部(221)が形成され、
前記切欠き(231)は、真っ直ぐでかつ前記長さ方向に傾斜する底縁(231c)と、前記底縁(231c)の両側に位置し、前記長さ方向に沿う第1の側縁(231a)および前記短手方向に沿う第2の側縁(231b)とを有する台形又は扇形をなし、第1の角度αが、前記第1の側縁(231a)と前記底縁(231c)との間に画定され、第2の角度βが、前記第2の側縁(231b)と前記底縁(231c)との間に画定され、
前記少なくとも1つの表面実装ダイオード(320)の前記カソードパッド(322)は、前記切欠き(231)を備える前記導通端子(230)上に表面実装され、
前記カソードパッド(322)の前縁が、前記カソードパッド(322)の熱伝導角度γを増加するように前記切欠き(231)の前記底縁(231c)と略整列し、前記熱伝導角度γは、下記の式(1)によって計算され、前記熱伝導角度γは、180度よりも大きく、360度未満である、太陽光発電接続箱。
γ=540度-α-β (1)
【請求項2】
前記第1の角度αおよび前記第2の角度βは、0度よりも大きく、180度未満に設定される、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項3】
前記突出部の前記第2縁と前記突出部に対応する前記切欠きの前記第3縁は、互いに平行に配置され、互いに離間している、
請求項に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項4】
前記少なくとも1つの表面実装ダイオードの前記アノードピンは、対応する導通端子の前記突出部上に表面実装される、
請求項に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項5】
前記第1の角度αは、前記第2の角度βに等しい、又は前記第2の角度β未満、又は前記第2の角度βよりも大きく設定される、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項6】
前記第1の側縁(231a)に連なる前記第3縁の部分は、前記長さ方向に傾斜し前記底縁(231c)と平行をなす、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項7】
前記熱伝導角度γは、200度よりも大きく、360度未満に設定される、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項8】
前記熱伝導角度γは、270度よりも大きく、360度未満に設定される、
請求項に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項9】
前記切欠きの前記底縁の長さが、前記表面実装ダイオードの前記平らな本体の前記前縁の長さに略等しく設定される、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項10】
前記各導通端子には、複数の位置決め孔が形成され、前記箱本体の内部の底壁には、前記導通端子を配置して固定するように、前記位置決め孔とそれぞれ係合する複数の位置決めスタブが形成される、
請求項1に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項11】
当該太陽光発電接続箱は、4つの導通端子と、3つの表面実装ダイオードとを含み、1つのダイオードは、2つの隣接する前記第3の導通端子と前記第2の導通端子上に表面実装される、
請求項2に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項12】
前記4つの導通端子は、前記箱本体の長さ方向に連続的に配置された第1の導通端子、前記第2の導通端子、前記第3の導通端子および第4の導通端子を含む、
請求項11に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項13】
一端が前記箱本体の一端から前記箱本体へ挿入され、前記第1の導通端子に電気的に接続される第1のワイヤと、
一端が前記箱本体の他端から前記箱本体へ挿入され、前記第4の導通端子に電気的に接続される第2のワイヤをさらに含む、
請求項12に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項14】
前記第1のワイヤの一端における導体が、前記第1の導通端子上に半田付け又は圧着され、前記第2のワイヤの一端における導体が、前記第4の導通端子上に半田付け又は圧着される、
請求項13に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項15】
前記第3の導通端子の表面積が、他の導通端子の表面積よりも大きい、
請求項14に記載の太陽光発電接続箱。
【請求項16】
前記第3の導通端子の前記表面積は、前記第2の導通端子の表面積よりも大きく、前記第2の導通端子の前記表面積は、前記第4の導通端子の表面積よりも大きく、前記第4の導通端子の前記表面積は、前記第1の導通端子の表面積よりも大きい、
請求項15に記載の太陽光発電接続箱。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、中国知識産権局にて2015年8月26日に出願された中国特許出願第201520650940.5号の利益を主張し、その全開示は、参照によって本明細書に援用される。
【技術分野】
【0002】
本開示は、ソーラーパネル上に取り付けられる太陽光発電接続箱に関する。
【背景技術】
【0003】
ソーラーパネル(又はソーラーセルパネル)は、一般的に、太陽エネルギーを収集し、収集した太陽エネルギーを電気エネルギーに変換するように構成されている。ソーラーパネルが雲又は木の葉などによって遮蔽され、ソーラーパネル上に影を作ると、遮蔽されたセル片にヒートプレート効果を生じ、従って、セル片のオーバーバーニングに至る。接続箱におけるダイオードは、セル片がオーバーバーンすることを防止するように、ヒートプレート効果を生じるときにバイパスとして機能する。
【0004】
先行技術では、太陽光発電接続箱は、ソーラーパネル上に直接取り付けられ、ソーラーパネルのバスバーと電気的に接続される。太陽光発電接続箱は、複数の導通端子と、これらの導通端子に電気的に接続された複数のダイオードとを備え、各ダイオードのアノードおよびカソードが、一対の隣接する導通端子上にそれぞれ半田付けされる。動作中、ダイオードは熱を生じ、次に、生じた熱は、導通端子に伝達される。
【0005】
先行技術では、隣接する導通端子の対向する縁同士が、互いに平行な線を示し、ダイオードのアノードおよびカソードは、それぞれ、それらの隣接する導通端子の縁の付近の領域上に半田付けされる。導通端子の現在の設計に関して、導通端子上に溶接されたダイオードは、180度以下にしかなり得ない熱伝導角度を有する。このようにして、導通端子の熱伝導効率が低下し、ダイオードが生じる熱は、十分に早く導通端子へ放散することができず、経時的にダイオードを劣化又は損傷させ、従って、太陽光発電接続箱の電流容量を制限する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示の目的は、先行技術の上述の技術的課題又はその他の技術的課題の少なくとも1一部を解決することである。
【0007】
本発明の1つの目的は、導通端子上に半田付けされたダイオードの熱伝導角度を増加し、ダイオードが生じる熱を十分に早く導通端子に迅速に伝達し、放熱率を改善し、太陽光発電接続箱の電流容量および動作安定性を改善し得る太陽光発電接続箱を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
ソーラーパネル上に取り付けられるように構成された本開示の一態様によれば、箱本体と、前記箱本体に受容される複数の導通端子と、表面実装技術によって前記複数の導通端子上に取り付けられる少なくとも1つの表面実装ダイオードとを含む。各表面実装ダイオードは、平らな本体と、前記平らな本体の縁から外方に延出する少なくとも1つのアノードピンと、前記平らな本体の底部上に位置するカソードパッドとを含む。前記導通端子の表面上に取り付けられた少なくとも1つの表面実装ダイオードの前記カソードパッドは、180度よりも大きく、360度未満の熱伝導角度γを有する。
【0009】
本開示の例示的実施形態によれば、少なくとも1つの前記複数の導通端子の縁には、前記縁から内方に窪んだ切欠きが形成され、前記切欠きは、真っ直ぐな底縁と、前記底縁の両側に位置する第1の側縁および第2の側縁とを有する。第1の角度αが、前記第1の側縁と前記底縁との間に画定され、第2の角度βが、前記第2の側縁と前記底縁との間に画定される。前記少なくとも1つの表面実装ダイオードの前記カソードパッドは、前記切欠きを備える前記導通端子上に表面実装され、前記カソードパッドの前縁が、前記カソードパッドの前記熱伝導角度γを増加するように前記切欠きの前記底縁と略整列し、前記熱伝導角度γは、次式γ=540度-α-βによって計算される。
【0010】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第1の角度αおよび前記第2の角度βは、0度よりも大きく、180度未満である。
【0011】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、少なくとも1つの前記複数の導通端子の縁には、前記縁から外方に突出する突出部が形成され、前記突出部は、対応する導通端子の前記切欠き内へ突出させる。
【0012】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記突出部の前記縁と前記突出部に対応する前記切欠きの前記縁は、互いに平行に配置され、互いに離間している。
【0013】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記少なくとも1つの表面実装ダイオードの前記アノードピンは、対応する導通端子の前記突出部上に表面実装される。
【0014】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第1の角度αは、前記第2の角度βに等しい、又は前記第2の角度β未満、又は前記第2の角度βよりも大きい。
【0015】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記切欠きは台形又は扇形である。
【0016】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記熱伝導角度γは、200度よりも大きく、360度未満である。
【0017】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記熱伝導角度γは、270度よりも大きく、360度未満である。
【0018】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記切欠きの前記底縁の長さが、前記表面実装ダイオードの前記平らな本体の前記前縁の長さに略等しい。
【0019】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、各導通端子には、複数の位置決め孔が形成され、前記箱本体の内部の底壁には、前記導通端子を配置して固定するように、前記位置決め孔とそれぞれ係合する複数の位置決めスタブが形成される。
【0020】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記ソーラー平面上に設けられたバスバー401が、前記箱本体に挿入され、前記導通端子にそれぞれ半田付けされる。
【0021】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、当該太陽光発電接続箱は、4つの導通端子と、3つの表面実装ダイオードとを含み、1つのダイオードは、2つの隣接する導通端子上に表面実装される。
【0022】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記4つの導通端子は、前記箱本体の長さ方向に連続的に配置された第1の導通端子、第2の導通端子、第3の導通端子および第4の導通端子を含む。
【0023】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、一端が前記箱本体の一端から前記箱本体へ挿入され、前記第1の導通端子に電気的に接続される第1のワイヤと、一端が前記箱本体の他端から前記箱本体へ挿入され、前記第4の導通端子に電気的に接続される第2のワイヤとをさらに含む。
【0024】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第1のワイヤの一端における導体が、前記第1の導通端子上に半田付け又は圧着され、前記第2のワイヤの一端における導体が、前記第4の導通端子上に半田付け又は圧着される。
【0025】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第3の導通端子には前記切欠きが形成され、前記第2の導通端子には前記突出部が形成される。
【0026】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第3の導通端子の表面積が、他の導通端子の表面積よりも大きい。
【0027】
本開示の他の一例示的実施形態によれば、前記第3の導通端子の前記表面積は、前記第2の導通端子の表面積よりも大きく、前記第2の導通端子の前記表面積は、前記第4の導通端子の表面積よりも大きく、前記第4の導通端子の前記表面積は、前記第1の導通端子の表面積よりも大きい。
【0028】
本開示の様々な例示的実施形態では、前記導通端子の縁には切欠きが形成され、前記ダイオードの前記カソードパッドは、前記ダイオードの前記熱伝導角度が増加するように前記導通端子の前記切欠きの前記底縁の付近の領域に半田付けされ、前記ダイオードが発生する熱は、十分に早く前記導通端子に迅速に伝達され、放熱率を改善し、当該太陽光発電接続箱の電流容量および動作安定性を改善し得る。
【図面の簡単な説明】
【0029】
本開示の上記およびその他の特徴は、その例示的実施形態を、添付の図面を参照して詳細に説明することによってより明らかになるだろう。
図1】本開示の例示的実施形態に係る太陽光発電接続箱の概略的な斜視図を示す。
図2図1に示す太陽光発電接続箱における4つの導通端子の概略図を示す。
図3図2に示す4つの導通端子のうちの第2の導通端子の縁領域に対向する第3の導通端子の縁領域の拡大図を示す。
図4図2に示す4つの導通端子のうちの第3の導通端子および第2の導通端子の対向する縁領域の拡大図を示す。
図5図4に示す第3の導通端子および第2の導通端子の対向する縁領域上に半田付けされた表面実装ダイオードの概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本開示の技術的な課題解決法は、添付の図面を参照し且つ実施形態を組み合わせて詳細に以下に説明されるが、同様の参照番号は、同様の要素を指す。しかし、本開示は、様々な形態で実施されることができ、本明細書で示される実施形態に制限されるものとみなされるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、本開示が、十分かつ完全なものになり、当業者に本開示の概念を十分に伝えるように提供されるものである。
【0031】
さらに、以下の詳細な説明では、説明のために、開示の実施形態の十分な理解を提供するために多くの具体的な細部が示される。しかし、これらの具体的な細部を備えずに1つ以上の実施形態が実施され得ることは明らかだろう。場合によっては、図面を簡素にするために、既知の構造および装置が概略的に示されている。
【0032】
本発明の一般的な技術的概念によれば、箱本体と、前記箱本体に受容される複数の導通端子と、表面実装技術によって前記複数の導通端子上に取り付けられる少なくとも1つの表面実装ダイオードとを含むソーラーパネル上に取り付けられるように構成された太陽光発電接続箱が提供される。各表面実装ダイオードは、平らな本体と、前記平らな本体の縁から外方に延出する少なくとも1つのアノードピンと、前記平らな本体の底部上に位置するカソードパッドとを含む。前記導通端子の表面上に取り付けられた少なくとも1つの表面実装ダイオードの前記カソードパッドは、180度よりも大きく、360度未満の熱伝導角度γを有する。
【0033】
図1は、本開示の例示的実施形態に係る太陽光発電接続箱の概略的な斜視図を示す。
【0034】
本開示の例示的実施形態では、ソーラーパネル上に取り付けられるように構成された太陽光発電接続箱が提供される。図1に示すように、この太陽光発電接続箱は、主に、箱本体100と、複数の導通端子210,220,230および240と、少なくとも1つの表面実装ダイオード310,320および330とを含む。
【0035】
図1に示すように、図示の実施形態では、導通端子210,220,230および240は、箱本体100に受容され、表面実装ダイオード310,320および330は、表面実装技術によって導通端子210,220,230および240上に取り付けられている。
【0036】
本開示の例示的実施形態では、図1に示すように、各表面実装ダイオード310,320又は330は、平らな本体と、その平らな本体の縁から外方に延出する少なくとも1つのアノードピン311,321又は331と、平らな本体の底部上に位置するカソードパッド312,322又は332とを含む。
【0037】
図示の実施形態では、図1に示すように、当該太陽光発電接続箱は、4つの導通端子210,220,230および240と、3つの表面実装ダイオード310,320および330とを含み、1つのダイオード310,320又は330は、2つの隣接する導通端子210と220,220と230又は230と240上に表面実装されている。
【0038】
図2は、図1に示す太陽光発電接続箱における4つの導通端子210,220,230および240の概略図を示す。
【0039】
図1および2に示すように、図示の実施形態では、4つの導通端子210,220,230および240は、箱本体100の長さ方向に配列されている。説明を容易にするために、これらの4つの導通端子210,220,230および240は、図1の左側から右側へ順に配列された第1の導通端子210、第2の導通端子220、第3の導通端子230および第4の導通端子240を含む。前記3つの表面実装ダイオード310,320および330は、図1の左側から右側へ順に配列された第1の表面実装ダイオード310、第2の表面実装ダイオード320および第3の表面実装ダイオード330を含む。
【0040】
図1に示すように、図示の実施形態では、第1の表面実装ダイオード310のアノードピン311およびカソードパッド312は、表面実装技術によって第1の導通端子210および第2の導通端子220上にそれぞれ半田付けされ、第2の表面実装ダイオード320のアノードピン321およびカソードパッド322は、表面実装技術によって第2の導通端子220および第3の導通端子230上にそれぞれ半田付けされ、第3の表面実装ダイオード330のアノードピン331およびカソードパッド332は、表面実装技術によって第3の導通端子230および第4の導通端子240上にそれぞれ半田付けされている。
【0041】
引き続き図1を参照すると、図示の実施形態では、当該太陽光発電接続箱は、第1のワイヤ10および第2のワイヤ20をさらに含む。第1のワイヤ10の一端は、箱本体100の一端から箱本体100に挿入され、第1のワイヤ10の導体11は、第1の導通端子210に電気的に接続されている。具体的には、第1のワイヤ10の導体11は、第1の導通端子210上に半田付け又は圧着されてもよい。第2のワイヤ20の一端は、箱本体100の他端から箱本体100に挿入され、第2のワイヤ20の導体21は、第4の導通端子240に電気的に接続されている。具体的には、第2のワイヤ20の導体21は、第4の導通端子240上に半田付け又は圧着されてもよい。
【0042】
なお、動作中にダイオードが生じる熱は、主に、カソードパッド上に集中し、アノードピン上には僅かな熱が存在する。従って、カソードパッドが半田付けされる導通端子の熱伝導率を改善する必要がある。
【0043】
図示の実施形態では、図1に示すように、第1の導通端子210には、アノードピン311のみが溶接され、第2の導通端子220には、カソードパッド312とともにアノードピン321が溶接され、第3の導通端子230には、カソードパッド322とともにアノードピン331が溶接され、第4の導通端子240には、カソードパッド332のみが溶接されている。このように、図示の実施形態では、動作中、第1の導通端子210に伝達される熱は最小であり、第4の導通端子240に伝達される熱は、第1の導通端子210に伝達される熱よりも多く、第2の導通端子220又は第3の導通端子230に伝達される熱は、第4の導通端子240に伝達される熱よりも多い。さらに、第3の導通端子230の大部分が箱本体100の中心領域に位置するため、第3の導通端子230の放熱性能は、第2の導通端子220の放熱能力よりもはるかに悪いはずである。従って、第3の導通端子230は、これらの4つの導通端子210,220,230および240の中で最も大きな放熱負荷を有し、従って、第3の導通端子230の熱伝導率を改善する必要がある。
【0044】
図3は、図2に示す4つの導通端子210,220,230および240のうちの第2の導通端子220の縁領域に対向する第3の導通端子230の縁領域の拡大図を示し、図4は、図2に示す4つの導通端子210,220,230および240のうちの第3の導通端子230および第2の導通端子220の対向する縁領域の拡大図を示し、図5は、図4に示す第3の導通端子230および第2の導通端子220の対向する縁領域上に半田付けされた表面実装ダイオード320の概略図を示す。
【0045】
第3の導通端子230の熱伝導率を改善するために、本開示の例示的実施形態では、図2図5に示すように、第2の導通端子220の縁領域に対向する第3の導通端子230の縁には、そこから内方に引っ込んだ切欠き230が形成され、切欠き231は、真っ直ぐな底縁231cと、底縁の両側に位置する第1の側縁231aおよび第2の側縁231bとを有する。
【0046】
図3にて明確に説明するように、図示の実施形態では、第1の角度αが、第1の側縁231aと底縁231cとの間に画定され、第2の角度βが、第2の側縁231bと底縁231cとの間に画定され、第1の角度αおよび第2の角度βは、0度よりも大きく、かつ180度未満に設定されている。図3および5に示すように、図示の実施形態では、第2の表面実装ダイオード320のカソードパッド322は、切欠き231を備える第3の導通端子230上に表面実装されており、第3の導通端子230上に表面実装されたカソードパッド322の前縁は、第3の導通端子230上に表面実装されたカソードパッド322の熱伝導角度γを増加するように切欠き231の底縁231cとほぼ整列しており、熱伝導角度γは、以下の式で計算され、熱伝導角度γは、180度より大きく、かつ360度未満に設定されている。
γ=540度-α-β (1)
【0047】
図2および図4に示すように、図示の実施形態では、第2の導通端子220の縁には、そこから外方に突出する突出部221が形成され、突出部221は、第3の導通端子230の切欠き231内に突出させる。図示の実施形態では、図2および4に示すように、第2の導通端子220の突出部221の縁と第3の導通端子230の切欠き231の縁とは、互いに平行に配置され、所定の距離だけ互いに離間している。第2の表面実装ダイオード320のアノードピン322は、第2の導通端子220の突出部221上に表面実装されている。
【0048】
図示の実施形態では、図3に示すように、第1の角度αは、第2の角度βに等しくなるように設定されている。しかし、本開示は、図示の実施形態に限定されず、第1の角度αは、第2の角度β未満又はそれより大きく設定されてもよい。
【0049】
図示の実施形態では、図3に示すように、第3の導通端子230の切欠き231は、台形又は扇形として形成される。従って、図4に示すように、第2の導通端子220の突出部221は、台形又は扇形として形成され、第3の導通端子230の切欠き231の台形又は扇形と嵌合する。
【0050】
図示の実施形態では、図3に示すように、第1の角度αおよび第2の角度βを適宜設計することによって、前述の熱伝導角度γは、180度より大きく、360度未満でもよく、例えば、熱伝導角度γは、200度より大きく、360度未満でもよく、好ましくは、270度よりも大きく、360度未満でもよい。
【0051】
本開示の例示的実施形態では、図2図5に示すように、第3の導通端子230の切欠き231の底縁231cの長さは、第2の表面実装ダイオード320の平らな本体の前縁の長さにほぼ等しい。
【0052】
図1および図2に示すように、図示の実施形態では、導通端子210,220,230および240の各々には、複数の位置決め孔201が形成され、箱本体100の内部の底壁には、導通端子210,220,230および240を配置して固定するように、位置決め孔201とそれぞれ係合する複数の位置決めスタブ101が形成されている。
【0053】
図1および図2に示すように、図示の実施形態では、ソーラー平面(図示せず)上に設けられたバスバー401が箱本体100に挿入され、導通端子210,220,230および240にそれぞれ半田付けされる。
【0054】
前述のように、第3の導通端子230の放熱負荷が最も大きいため、第3の導通端子230の放熱効率をさらに向上するために、図1および2に示すように、図示の実施形態では、第3の導通端子230の表面積は、他の導通端子210,220および240の表面積よりも大きい。
【0055】
さらに、前述のように、第3の導通端子230の放熱負荷は、第2の導通端子220の放熱負荷よりも大きく、第2の導通端子220の放熱負荷は、第4の導通端子240の放熱負荷よりも大きく、第4の導通端子240の放熱負荷は、第1の導通端子210の放熱負荷よりも大きい。従って、本開示の例示的実施形態では、図1および2に示すように、太陽光発電接続箱の全体的な放熱効率を最適化するために、第3の導通端子230の表面積は、第2の導通端子220の表面積よりも大きく、第2の導通端子220の表面積は、第4の導通端子240の表面積よりも大きく、第4の導通端子240の表面積は、第1の導通端子210の表面積よりも大きい。
【0056】
本開示は添付の図面を参照して説明されたが、添付の図面に開示された実施形態は、本開示の好適な実施形態を例示的に説明することを意図しているが、本開示の制限とみなされるべきではない。
【0057】
本開示の一般的概念のいくつかの実施形態が示され、説明されたが、当業者には、これらの実施形態において、請求項およびそれらの均等物によってその範囲が定められる本開示の原理および精神から逸脱することなく、様々な変更又は修正がなされ得ることが理解されるだろう。
【0058】
本明細書にて使用されるように、「含む(comprising)」又は「有する(having)」という用語は、その他の要素又はステップを排除しないものと理解されるべきであり、「1つの(a)」又は「1つの(an)」という用語は、複数の要素又はステップを排除しないものと理解されるべきである。さらに、請求項におけるいずれの参照番号も、本開示の範囲の制限として理解されるべきではない。
図1
図2
図3
図4
図5