(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】コネクタ
(51)【国際特許分類】
H01R 24/30 20110101AFI20220325BHJP
H01R 13/52 20060101ALI20220325BHJP
H01R 24/38 20110101ALI20220325BHJP
【FI】
H01R24/30
H01R13/52 301A
H01R13/52 301E
H01R24/38
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017205760
(22)【出願日】2017-10-25
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】201610957121.4
(32)【優先日】2016-10-27
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】508079120
【氏名又は名称】タイコ エレクトロニクス (シャンハイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100100077
【氏名又は名称】大場 充
(74)【代理人】
【識別番号】100136010
【氏名又は名称】堀川 美夕紀
(74)【代理人】
【識別番号】100130030
【氏名又は名称】大竹 夕香子
(74)【代理人】
【識別番号】100203046
【氏名又は名称】山下 聖子
(72)【発明者】
【氏名】チャン,ジィェフェン
(72)【発明者】
【氏名】ワン,ハオ
(72)【発明者】
【氏名】パン,ビィアオ
(72)【発明者】
【氏名】ガオ,ボ
【審査官】井上 信
(56)【参考文献】
【文献】実開平4-35378(JP,U)
【文献】実開昭48-105079(JP,U)
【文献】実開平6-68346(JP,U)
【文献】特開平7-211399(JP,A)
【文献】実開昭63-118175(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2007/0155232(US,A1)
【文献】特開平5-326076(JP,A)
【文献】実開平5-81971(JP,U)
【文献】実開昭59-49381(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 24/38
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属ハウジング(300)と、
前記金属ハウジング(300)内に受け取られた絶縁体(100)と、
前記絶縁体(100)内に設けられ、前記金属ハウジング(300)内へ挿入すべきワイアに電気的に接続されるように適合された導電端子(200)と、
前記金属ハウジング(300)内に取り付けられ、前記ワイアの導電遮蔽層の上に嵌合するように適合された導電遮蔽スリーブ(700)とを備え、
前記導電遮蔽スリーブ(700)が前記金属ハウジング(300)内に取り付けられたとき、前記導電遮蔽スリーブ(700)の外端(720)の少なくとも一部は、前記金属ハウジング(300)の外側まで延びて
おり、
前記ワイアの外側クラッド層の上に嵌合するように適合された密封スリーブ(900)と、
前記密封スリーブ(900)の上に嵌合されて取り付けられたクランプリング(800)と、
前記金属ハウジング(300)にねじ接続されたねじ付きスリーブ(600)とをさらに備え、
前記ねじ付きスリーブ(600)は、前記クランプリング(800)を圧締めし、前記クランプリング(800)を介して前記密封スリーブ(900)を前記ワイアに押し付けて保持するように適合されている、
コネクタ。
【請求項2】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外端(720)は、外方に曲がったリップ部分(721)を有するように形成され、前記外方に曲がったリップ部分(721)は、前記金属ハウジング(300)の外側に位置し、前記金属ハウジング(300)から所定の距離だけ隔置されている、請求項1に記載のコネクタ。
【請求項3】
前記密封スリーブ(900)および前記密封スリーブ(900)の上に嵌合されて取り付けられた前記クランプリング(800)は、前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外端(720)内に部分的に受け取られて位置するように適合されている、請求項
2に記載のコネクタ。
【請求項4】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外方に曲がったリップ部分(721)は、先細りした開口(721a)を有するように形成され、前記先細りした開口(721a)は、内方に徐々に狭くなっており、前記密封スリーブ(900)および前記クランプリング(800)を前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外端(720)内へ案内するように構成されている、請求項
2又は3に記載のコネクタ。
【請求項5】
前記クランプリング(800)は、筒状体(820)と、前記筒状体(820)に接続された複数の弾性爪(810)とを備え、前記複数の弾性爪(810)は、前記筒状体(820)の周りで円周方向に隔置され、
前記ねじ付きスリーブ(600)は、先細りした内壁面(610)を備え、前記先細りした内壁面(610)は、外方に徐々に狭くなっており、前記密封スリーブ(900)に対して前記クランプリング(800)の前記複数の弾性爪(810)を圧締めするように構成されている、請求項
2~4のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項6】
前記金属ハウジング(300)は、第1の端部(310)および第2の端部(320)を備え、前記導電遮蔽スリーブ(700)は、前記金属ハウジング(300)の前記第2の端部(320)内に取り付けられ、前記ねじ付きスリーブ(600)は、前記第2の端部(320)上へねじ接続されている、請求項
2~5のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項7】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外方に曲がったリップ部分(721)は、前記金属ハウジング(300)の前記第2の端部(320)の端面(321)から前記所定の距離だけ隔置されている、請求項
6に記載のコネクタ。
【請求項8】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記外端(720)の内径は、前記導電遮蔽スリーブ(700)の本体(710)の内径より大きい、請求項1
~7のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項9】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記本体(710)と前記金属ハウジング(300)との間に密封リング(12)が設けられ、前記密封リング(12)は、前記導電遮蔽スリーブ(700)と前記金属ハウジング(300)との間で圧縮されている、請求項
8に記載のコネクタ。
【請求項10】
前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記本体(710)内に円形溝(711)が形成され、前記密封リング(12)は、前記導電遮蔽スリーブ(700)の前記円形溝(711)内に位置決めされている、請求項
9に記載のコネクタ。
【請求項11】
前記金属ハウジング(300)を前記導電端子(200)から電気的に分離するように前記絶縁体(100)と前記金属ハウジング(300)との間に設けられた絶縁および分離スリーブ(400)をさらに備えている、請求項1
~10のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項12】
前記金属ハウジング(300)は、第1の端部(310)および第2の端部(320)を備え、前記金属ハウジング(300)の前記第1の端部(310)は前記第2の端部(320)に直交しており、それにより前記コネクタは、直角のエルボコネクタとして形成されている、請求項1
~11のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項13】
前記絶縁体(100)は、前記金属ハウジング(300)の前記第1の端部(310)内に受け取られており、前記ワイアは、前記金属ハウジング(300)の前記第2の端部(320)から前記コネクタ内へ延びている、請求項
12に記載のコネクタ。
【請求項14】
前記金属ハウジング(300)の
前記第1の端部(310)にねじ接続された第1のナット(510)をさらに備え、前記第1のナット(510)は、前記金属ハウジング(300)内で前記絶縁体(100)を位置決めするように適合されている、請求項
13に記載のコネクタ。
【請求項15】
前記絶縁体(100)の一方の端部は、前記金属ハウジング(300)の前記第1の端部(310)から外方に延びており、
前記コネクタは、前記金属ハウジング(300)の前記第1の端部(310)から外方に延びる前記絶縁体(100)の前記一方の端部の上に嵌合されて取り付けられた第2のナット(520)をさらに備え、前記第2のナット(520)は、相手コネクタにねじ接続されるように適合されている、請求項
14に記載のコネクタ。
【請求項16】
前記第1のナット(510)と前記第2のナット(520)との間に弾性導電素子(530)が設けられて圧縮され、それにより前記第1のナット(510)および前記第2のナット(520)は、互いに電気的に接続されている、請求項
15に記載のコネクタ。
【請求項17】
前記コネクタは、円形の断面を有する円形のコネクタとして形成されている、請求項1
~16のいずれか一項に記載のコネクタ。
【請求項18】
前記ワイアを前記導電端子(200)に電気的に接続するために、前記導電端子(200)の一方の端部にねじ接続され、前記コネクタ内へ延びる前記ワイアの一方の端部を前記導電端子(200)の一方の端部上へ圧締めして固定するように適合されたねじ(210)をさらに備えている、請求項1
~17のいずれか一項に記載のコネクタ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、開示全体が参照により本明細書に組み込まれている、中国国家知識産権局に2016年10月27日に出願された中国特許出願第CN201610957121.4号の利益を主張するものである。
【0002】
本開示の実施形態は、一般に、コネクタに関する。
【背景技術】
【0003】
従来技術では、計器、制御機器、および電気機器内に適用される円形のコネクタは、概して、絶縁体と、絶縁体内に保持された導電端子と、絶縁体の上に嵌合されて取り付けられた金属ハウジングと、金属ハウジングの一方の端部内に取り付けられた導電遮蔽スリーブとを含む。金属ハウジングの一方の端部からコネクタ内へワイアを挿入し、コネクタ内で導電端子に電気的に接続することができる。導電遮蔽スリーブは、ワイアの導電遮蔽層の上に嵌合されて、信号伝送品質を確保するために、ワイアに対する電磁遮蔽を提供する。
【0004】
従来技術では、導電遮蔽スリーブは通常、金属ハウジングの一方の端部内に完全に収容されており、したがって使用者の指が金属ハウジングの外側から導電遮蔽スリーブに直接接触することはできず、金属ハウジングから導電遮蔽スリーブを手動で取り外すことは困難であり、したがってコネクタの分解にとって不都合を生じている。
【0005】
加えて、従来技術では通常、ワイアの外側クラッド層の上に嵌合された密封スリーブが、導電遮蔽スリーブの外側に位置しており、導電遮蔽スリーブによって位置決めすることはできず、その結果、密封スリーブが容易に傾斜し、それによって密封スリーブの密封作用が損なわれる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本開示は、上記その他の問題および欠点のうちの少なくとも1つを克服または軽減するためになされたものである。
【0007】
本開示の目的によれば、導電遮蔽スリーブを金属ハウジングから手で容易に取り出すことができ、コネクタの分解の効率および利便性を改善するコネクタが提供される。
【0008】
本開示の別の目的によれば、導電遮蔽スリーブ内に密封スリーブが受け取られて位置決めされ、密封スリーブが適切な位置に設置されることを確実にし、したがって密封スリーブの密封作用が改善されるコネクタが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本開示の一態様によれば、金属ハウジングと、金属ハウジング内に受け取られた絶縁体と、絶縁体内に設けられ、金属ハウジング内へ挿入すべきワイアに電気的に接続されるように適合された導電端子と、金属ハウジング内に取り付けられ、ワイアの導電遮蔽層の上に嵌合するように適合された導電遮蔽スリーブとを備えるコネクタが提供される。導電遮蔽スリーブが金属ハウジング内に取り付けられたとき、導電遮蔽スリーブの外端の少なくとも一部は、金属ハウジングの外側まで延びる。
【0010】
本開示の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの外端は、外方に曲がったリップ部分を有するように形成され、外方に曲がったリップ部分は、金属ハウジングの外側に位置し、金属ハウジングから所定の距離だけ隔置される。
【0011】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタは、ワイアの外側クラッド層の上に嵌合するように適合された密封スリーブと、密封スリーブの上に嵌合されて取り付けられたクランプリングと、金属ハウジングにねじ接続されたねじ付きスリーブとをさらに備える。ねじ付きスリーブは、クランプリングを圧締めし、クランプリングを介して密封スリーブをワイアに押し付けて保持するように適合される。
【0012】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、密封スリーブおよび密封スリーブの上に嵌合されて取り付けられたクランプリングは、導電遮蔽スリーブの外端内に部分的に受け取られて位置するように適合される。
【0013】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの外方に曲がったリップ部分は、先細りした開口を有するように形成され、先細りした開口は、内方に徐々に狭くなっており、密封スリーブおよびクランプリングを導電遮蔽スリーブの外端内へ案内するように構成される。
【0014】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、クランプリングは、筒状体と、筒状体に接続された複数の弾性爪とを備え、複数の弾性爪は、筒状体の周りで円周方向に隔置される。ねじ付きスリーブは、先細りした内壁面を備え、先細りした内壁面は、外方に徐々に狭くなっており、密封スリーブに対してクランプリングの複数の弾性爪を圧締めするように構成される。
【0015】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、金属ハウジングは、第1の端部および第2の端部を備え、導電遮蔽スリーブは、金属ハウジングの第2の端部内に取り付けられ、ねじ付きスリーブは、第2の端部上へねじ接続される。
【0016】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの外方に曲がったリップ部分は、金属ハウジングの第2の端部の端面から所定の距離だけ隔置される。
【0017】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの外端の内径は、導電遮蔽スリーブの本体の内径より大きい。
【0018】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの本体と金属ハウジングとの間に密封リングが設けられ、密封リングは、導電遮蔽スリーブと金属ハウジングとの間で圧縮される。
【0019】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、導電遮蔽スリーブの本体内に円形溝が形成され、密封リングは、導電遮蔽スリーブの円形溝内に位置決めされる。
【0020】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタは、金属ハウジングを導電端子から電気的に分離するように絶縁体と金属ハウジングとの間に配置された絶縁および分離スリーブをさらに備える。
【0021】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、金属ハウジングは、第1の端部および第2の端部を備え、金属ハウジングの第1の端部は第2の端部に直交しており、それによりコネクタは、直角のエルボコネクタとして形成される。
【0022】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体は、金属ハウジングの第1の端部内に受け取られており、ワイアは、金属ハウジングの第2の端部からコネクタ内へ延びる。
【0023】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタは、金属ハウジングの第1の端部にねじ接続された第1のナットをさらに備え、第1のナットは、金属ハウジング内で絶縁体を位置決めするように適合される。
【0024】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、絶縁体の一方の端部は、金属ハウジングの第1の端部から外方に延びており、コネクタは、金属ハウジングの第1の端部から外方に延びる絶縁体の一方の端部の上に嵌合されて取り付けられた第2のナットをさらに備え、第2のナットは、相手コネクタにねじ接続されるように適合される。
【0025】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、第1のナットと第2のナットとの間に弾性導電素子が設けられて圧縮され、それにより第1のナットおよび第2のナットは、互いに電気的に接続される。
【0026】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタは、円形の断面を有する円形のコネクタとして形成される。
【0027】
本開示の別の例示的な実施形態によれば、コネクタは、ワイアを導電端子に電気的に接続するために、導電端子の一方の端部にねじ接続され、コネクタ内へ延びるワイアの一方の端部を導電端子の一方の端部上へ圧締めして固定するように適合されたねじをさらに備える。
【0028】
本開示の例示的な実施形態では、導電遮蔽スリーブの外端が金属ハウジングの外側まで延びているため、操作者は、導電遮蔽スリーブの外端を手で直接保持することができ、それにより導電遮蔽スリーブを金属ハウジングから容易に取り外すことができ、コネクタの分解の効率および利便性が改善される。
【0029】
加えて、本開示のいくつかの例示的な実施形態では、コネクタの密封スリーブは、導電遮蔽スリーブ内に受け取られて位置決めされ、それにより密封スリーブが正しい位置に設置されることを保証し、密封スリーブの密封作用を改善することができる。
【0030】
本開示の他の目的および利点は、添付の図面と併せて本開示の以下の説明から明らかになり、本開示の包括的な理解を与えることができる。
【0031】
本開示の上記その他の特徴について、添付の図面を参照して説明する。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【
図1】本開示の例示的な実施形態によるコネクタの斜視概略図である。
【
図2】
図1に示すコネクタの長手方向断面図である。
【
図3】
図2に示すコネクタの導電遮蔽スリーブの断面図である。
【
図4】
図2に示すコネクタの導電遮蔽スリーブの斜視概略図である。
【
図5】コネクタの金属ハウジング内に取り付けられた
図3に示す導電遮蔽スリーブの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
本開示の技術的な解決策について、添付の図面と併せて、以下の実施形態を参照してさらに詳細に説明する。添付の図面を参照する本開示の実施形態の以下の説明は、本開示の発明の一般概念について説明することが意図されるものであり、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【0034】
以下の詳細な説明において、説明の目的で、開示する実施形態の徹底的な理解を提供するために、多数の特有の詳細について述べる。しかし、これらの特有の詳細がなくても1つまたは複数の実施形態を実施することができることが明らかである。他の例では、図面を簡略化するために、よく知られている構造およびデバイスは概略的に示す。
【0035】
本開示の一般概念によれば、金属ハウジングと、金属ハウジング内に受け取られた絶縁体と、絶縁体内に設けられ、金属ハウジング内へ挿入すべきワイアに電気的に接続されるように適合された導電端子と、金属ハウジング内に取り付けられ、ワイアの導電遮蔽層の上に嵌合するように適合された導電遮蔽スリーブとを備えるコネクタが提供される。導電遮蔽スリーブが金属ハウジング内に取り付けられたとき、導電遮蔽スリーブの外端の少なくとも一部は、金属ハウジングの外側まで延びる。
【0036】
図1は、本開示の例示的な実施形態によるコネクタの概略斜視図を示す。
図2は、
図1に示すコネクタの長手方向断面図を示す。
【0037】
図示の実施形態では、
図1および
図2に示すように、コネクタは主に、絶縁体100と、導電端子200と、金属ハウジング300と、導電遮蔽スリーブ700とを備える。絶縁体100は、金属ハウジング300内に受け取られる。導電端子200は、絶縁体100内に保持され、金属ハウジング300内へ挿入されたワイア(図示せず)に電気的に接続されるように適合または構成される。導電遮蔽スリーブ700は、金属ハウジング300内に取り付けられ、ワイアの導電遮蔽層の上に嵌合するように適合または構成される。
【0038】
図5は、コネクタの金属ハウジング300内に取り付けられた導電遮蔽スリーブ700の概略図を示す。
【0039】
図示の実施形態では、
図5に示すように、導電遮蔽スリーブ700が金属ハウジング300内に取り付けられたとき、導電遮蔽スリーブ700の外端720の少なくとも一部は、金属ハウジング300の外側まで延びる。したがって、操作者は、導電遮蔽スリーブ700の外端720を手で直接保持することができ、それにより導電遮蔽スリーブ700を金属ハウジング300から手で容易に取り外すことができ、コネクタの分解の効率および利便性が改善される。
【0040】
図3は、
図2に示すコネクタの導電遮蔽スリーブ700の断面図を示す。
図4は、
図2に示すコネクタの導電遮蔽スリーブ700の斜視概略図を示す。
【0041】
図示の実施形態では、
図3~5に示すように、導電遮蔽スリーブ700の外端720は、外方に曲がりまたは延びるリップ部分721を有するように形成され、外方に曲がりまたは延びるリップ部分721は、金属ハウジング300の外側に位置し、金属ハウジング300から所定の距離だけ隔置される。
【0042】
図示の実施形態では、
図2に示すように、コネクタは、ワイアの外側クラッド層の上に嵌合するように適合された密封スリーブ900と、密封スリーブ900の上に嵌合されて取り付けられたクランプリング800と、金属ハウジング300にねじ接続されたねじ付きスリーブ600とをさらに備える。ねじ付きスリーブ600は、クランプリング800を圧締めし、クランプリング800を介して密封スリーブ900をワイアに押し付けて保持するように適合される。
【0043】
図示の実施形態では、
図2に示すように、密封スリーブ900および密封スリーブ900の上に嵌合されたクランプリング800は、導電遮蔽スリーブ700の外端720内に部分的に受け取られて位置するように適合され、密封スリーブ900およびクランプリング800が適切な位置に設置されることを確実にし、したがって密封スリーブ900の密封作用が改善される。
【0044】
図示の実施形態では、
図3および
図5に示すように、導電遮蔽スリーブ700の外方に曲がりまたは延びるリップ部分721は、先細りした開口721aを有するように形成され、先細りした開口721aは、内方に徐々に狭くなっており、密封スリーブ900およびクランプリング800を導電遮蔽スリーブ700の外端720内へ案内するように構成される。
【0045】
図示の実施形態では、
図2に示すように、クランプリング800は、筒状体820と、筒状体820に接続された複数の弾性爪810とを備え、複数の弾性爪810は、筒状体820の周りで円周方向に隔置される。ねじ付きスリーブ600は、先細りした内壁面610を備え、先細りした内壁面610は、外方に徐々に狭くなっており、密封スリーブ900に対してクランプリング800の複数の弾性爪810を圧締めするように構成される。
【0046】
図示の実施形態では、
図2に示すように、金属ハウジング300は、第1の端部310および第2の端部320を備え、導電遮蔽スリーブ700は、金属ハウジング300の第2の端部320内に取り付けられ、ねじ付きスリーブ600は、第2の端部320にねじ接続される。導電遮蔽スリーブ700の外方に曲がりまたは延びるリップ部分721は、金属ハウジング300の第2の端部320の端面321から所定の距離だけ隔置される。したがって、導電遮蔽スリーブ700の外方に曲がりまたは延びるリップ部分721と金属ハウジング300の第2の端部320の端面321との間の間隙内へ使用者の指を差し入れることができ、導電遮蔽スリーブ700を手で把持して引き出すことが容易になる。
【0047】
図示の実施形態では、
図2に示すように、導電遮蔽スリーブ700の外端720の内径は、導電遮蔽スリーブ700の本体710の内径より大きい。導電遮蔽スリーブ700の本体710は、金属ハウジング300の第2の端部320内に完全に受け取られる。
【0048】
図示の実施形態では、
図2に示すように、導電遮蔽スリーブ700の本体710と金属ハウジング300との間に密封リング12が設けられ、密封リング12は、導電遮蔽スリーブ700と金属ハウジング300との間で圧縮される。導電遮蔽スリーブ700の本体710内に円形溝711が形成され、密封リング12は、導電遮蔽スリーブ700の円形溝711内に位置決めされる。
【0049】
図示の実施形態では、
図2に示すように、コネクタは、金属ハウジング300を導電端子200から電気的に分離するように絶縁体100と金属ハウジング300との間に設けられた絶縁および分離スリーブ400をさらに備える。
【0050】
図示の実施形態では、
図2に示すように、金属ハウジング300の第1の端部310は第2の端部320に直交しており、それによりコネクタは、直角のエルボコネクタとして形成される。
【0051】
図示の実施形態では、
図2に示すように、絶縁体100は、金属ハウジング300の第1の端部310内に受け取られており、ワイアは、金属ハウジング300の第2の端部320からコネクタ内へ延びる。
【0052】
図示の実施形態では、
図2に示すように、絶縁体100の外壁内に円形溝が形成され、円形溝内に密封リング11を受け取る。密封リング11は、絶縁体100と金属ハウジング300との間に圧縮される。
【0053】
図示の実施形態では、
図2に示すように、コネクタは、ワイアを導電端子200に電気的に接続するために、導電端子200の一方の端部にねじ接続され、コネクタ内へ延びるワイアの一方の端部を導電端子200の一方の端部上へ圧締めして固定するように適合されたねじ210をさらに備える。
【0054】
図示の実施形態では、
図2に示すように、コネクタは、金属ハウジング300の第1の端部310にねじ接続された第1のナット510をさらに備え、第1のナット510は、金属ハウジング300内で絶縁体100を位置決めするように適合される。
【0055】
図示の実施形態では、
図2に示すように、絶縁体100の一方の端部は、金属ハウジング300の第1の端部310から外方に延びており、コネクタは、金属ハウジング300の第1の端部310から外方に延びる絶縁体100の一方の端部の上に嵌合されて取り付けられた第2のナット520をさらに備え、第2のナット520は、相手コネクタにねじ接続されるように適合される。
【0056】
図示の実施形態では、
図2に示すように、第1のナット510と第2のナット520との間に弾性導電素子530が設けられて圧縮され、それにより第1のナット510および第2のナット520は、互いに電気的に接続される。
【0057】
図示の実施形態では、
図2に示すように、コネクタは、円形の断面を有する円形のコネクタとして形成される。
【0058】
本開示の前述の例示的な実施形態では、導電遮蔽スリーブの外端が金属ハウジングの外側まで延びているため、操作者は、導電遮蔽スリーブの外端を手で直接保持することができ、それにより導電遮蔽スリーブを金属ハウジングから容易に取り外すことができ、コネクタの分解の効率および利便性が改善される。
【0059】
加えて、本開示のいくつかの例示的な実施形態では、コネクタの密封スリーブは、導電遮蔽スリーブ内に受け取られて位置決めされ、それにより密封スリーブが適切な位置に設置されることを保証し、密封スリーブの密封作用を改善することができる。
【0060】
上記の実施形態は例示的であることが意図されることを、当業者には理解されたい。当業者であれば、上記の実施形態に多くの修正を加えることができ、異なる実施形態に記載した様々な特徴は、構成上または原理上矛盾することなく、互いに自由に組み合わせることができる。
【0061】
本開示について、添付の図面を参照して説明したが、これらの図面に開示した実施形態は、本開示の好ましい実施形態の例示であることが意図され、本開示を限定すると解釈されるべきではない。
【0062】
いくつかの例示的な実施形態について図示および説明したが、これらの実施形態では、本開示の原理および精神から逸脱することなく、様々な変更または修正を加えることができ、本開示の範囲は、特許請求の範囲およびその均等物に定義されることが、当業者には理解されよう。
【0063】
本明細書では、「備える、含む(comprises)」および/または「備える、含む(comprising)」という用語は、他の要素またはステップを除外するものではなく、単数形の「a」、「an」、および「the」は、複数形も同様に含むことが意図されることに留意されたい。加えて、特許請求の範囲内のあらゆる参照番号は、本開示の範囲を限定すると理解されるべきではない。