(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】車両用照明システム及び車両
(51)【国際特許分類】
B60Q 1/50 20060101AFI20220325BHJP
G08G 1/09 20060101ALI20220325BHJP
B60Q 1/00 20060101ALN20220325BHJP
【FI】
B60Q1/50 Z ZJT
G08G1/09 E
B60Q1/00 G
(21)【出願番号】P 2018021920
(22)【出願日】2018-02-09
【審査請求日】2021-01-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000001133
【氏名又は名称】株式会社小糸製作所
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】滝井 直樹
(72)【発明者】
【氏名】杉本 篤
(72)【発明者】
【氏名】神谷 美紗子
【審査官】山崎 晶
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2017/056995(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/50
G08G 1/09
B60Q 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動運転モードで走行可能な車両に設けられた車両用照明システムであって、
前記車両の外部に向けて光を出射するように構成された照明ユニットと、
前記車両の待機時間に応じて、前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成された照明制御部と、を備え、
前記車両が合流車線から本線に入る前に停止したときに、前記照明制御部は、前記車両の待機時間に応じて前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成されている
、車両用照明システム。
【請求項2】
自動運転モードで走行可能な車両に設けられた車両用照明システムであって、
前記車両の外部に向けて光を出射するように構成された照明ユニットと、
前記車両の待機時間に応じて、前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成された照明制御部と、を備え、
前記車両が所定の敷地から車道に入る前に停止したときに、前記照明制御部は、前記車両の待機時間に応じて前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成されている
、車両用照明システム。
【請求項3】
前記車両が合流車線から本線に移動できたときに、前記照明制御部は、前記照明ユニットを消灯させるように構成されている、請求項
1に記載の車両用照明システム。
【請求項4】
前記車両が前記所定の敷地から前記車道に入ることができたときに、前記照明制御部は、前記照明ユニットを消灯させるように構成されている、請求項
2に記載の車両用照明システム。
【請求項5】
前記照明ユニットは、前記車両の待機時間に関連した情報を視覚的に提示するように構成されている、請求項1から
4のうちいずれか一項に記載の車両用照明システム。
【請求項6】
請求項1から
5のうちいずれか一項に記載の車両用照明システムを備えた、自動運転モードで走行可能な車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、車両用照明システムに関する。特に、本開示は、自動運転モードで走行可能な車両に設けられた車両用照明システムに関する。さらに、本開示は、当該車両用照明システムを備えた車両に関する。
【背景技術】
【0002】
現在、自動車の自動運転技術の研究が各国で盛んに行われており、自動運転モードで車両(以下、「車両」は自動車のことを指す。)が公道を走行することができるための法整備が各国で検討されている。ここで、自動運転モードでは、車両システムが車両の走行を自動的に制御する。具体的には、自動運転モードでは、車両システムは、カメラ、レーダ(例えば、レーザレーダやミリ波レーダ)等のセンサから得られる車両の周辺環境を示す情報(周辺環境情報)に基づいてステアリング制御(車両の進行方向の制御)、ブレーキ制御及びアクセル制御(車両の制動、加減速の制御)のうちの少なくとも1つを自動的に行う。一方、以下に述べる手動運転モードでは、従来型の車両の多くがそうであるように、運転者が車両の走行を制御する。具体的には、手動運転モードでは、運転者の操作(ステアリング操作、ブレーキ操作、アクセル操作)に従って車両の走行が制御され、車両システムはステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御を自動的に行わない。尚、車両の運転モードとは、一部の車両のみに存在する概念ではなく、自動運転機能を有さない従来型の車両も含めた全ての車両において存在する概念であって、例えば、車両制御方法等に応じて分類される。
【0003】
このように、将来において、公道上では自動運転モードで走行中の車両(以下、適宜、「自動運転車」という。)と手動運転モードで走行中の車両(以下、適宜、「手動運転車」という。)が混在することが予想される。
【0004】
自動運転技術の一例として、特許文献1には、先行車に後続車が自動追従走行した自動追従走行システムが開示されている。当該自動追従走行システムでは、先行車と後続車の各々が照明システムを備えており、先行車と後続車との間に他車が割り込むことを防止するための文字情報が先行車の照明システムに表示されると共に、自動追従走行である旨を示す文字情報が後続車の照明システムに表示される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、自動運転車が街中を至る所で走行する自動運転社会では、車両と当該車両の外部に存在する他車両との間の視覚的なコミュニケーションがより重要になることが予想される。特に、合流地点等では車車間における視覚的なコミュニケーションがより重要になることが考えられ、車車間における視覚的なコミュニケーションが十分でない場合には、合流車線を走行中の車両は、スムーズに本線に移動できない可能性がある。このように、車車間における視覚的コミュニケーションについて更に検討する余地がある。
【0007】
本開示は、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な車両用照明システム及び車両を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示の一態様の車両用照明システムは、自動運転モードで走行可能な車両に設けられており、
前記車両の外部に向けて光を出射するように構成された照明ユニットと、
前記車両の待機時間に応じて、前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成された照明制御部と、
を備える。
【0009】
上記構成によれば、車両の待機時間に応じて照明ユニットの照明態様が変更される。このように、車両の外部に存在する他車両の運転者は、照明ユニットの照明態様の変化を視認することで、所定の時間の間、車両が待機している事実等の車両の現在の状況を推認することができる。したがって、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な車両用照明システムを提供することができる。
【0010】
また、前記車両が合流車線から本線に入る前に停止したときに、前記照明制御部は、前記車両の待機時間に応じて前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成されてもよい。
【0011】
上記構成によれば、車両が合流車線から本線に入る前に停止したときに、車両の待機時間に応じて照明ユニットの照明態様が変更される。このように、車両の外部に存在する他車両の運転者は、照明ユニットの照明態様の変化を視認することで、所定の時間の間、車両が合流車線から本線に入ることができていない事実等の車両の現在の状況を推認することができる。このため、当該車両が本線に入ることができるように他車両は待機するように促される。したがって、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現することができる。
【0012】
また、前記車両が所定の敷地から車道に入る前に停止したときに、前記照明制御部は、前記車両の待機時間に応じて前記照明ユニットの照明態様を変更するように構成されてもよい。
【0013】
上記構成によれば、車両が所定の敷地(例えば、駐車場等)から車道に入る前に停止したときに、車両の待機時間に応じて照明ユニットの照明態様が変更される。このように、車両の外部に存在する他車両の運転者は、照明ユニットの照明態様の変化を視認することで、所定の時間の間、車両が所定の敷地から車道に入ることができていない事実等の現在の状況を推認することができる。このため、当該車両が車道に入ることができるように他車両は待機するように促される。したがって、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現することができる。
【0014】
また、前記車両が合流車線から本線に移動できたときに、前記照明制御部は、前記照明ユニットを消灯させるように構成されてもよい。
【0015】
上記構成によれば、車両が合流車線から本線に移動できたときに照明ユニットが消灯するので、他車両の運転者は、車両の待機時間に応じて照明ユニットの照明態様が変化していたことを認識することができる。
【0016】
また、前記車両が前記所定の敷地から前記車道に入ることができたときに、前記照明制御部は、前記照明ユニットを消灯させるように構成されてもよい。
【0017】
上記構成によれば、車両が所定の敷地から車両に入ることができたときに、照明ユニットが消灯するので、他車両の運転者は、車両の待機時間に応じて照明ユニットの照明態様が変化していたことを認識することができる。
【0018】
また、前記照明ユニットは、前記車両の待機時間に関連した情報を視覚的に提示するように構成されてもよい。
【0019】
上記構成によれば、車両の外部に存在する他車両の運転者は、車両の待機時間に関連した情報を視認することで、車両の待機時間を把握することができる。
【0020】
上記の車両用照明システムを備えた、自動運転モードで走行可能な車両が提供される。
【0021】
上記構成によれば、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な車両を提供することができる。
【発明の効果】
【0022】
本開示によれば、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な車両用照明システム及び車両を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】本発明の実施形態(以下、単に本実施形態という。)に係る車両用照明システムが搭載された車両の正面図である。
【
図2】本実施形態に係る車両用照明システムを備えた車両システムのブロック図である。
【
図3】本実施形態に係る車両用照明システムの動作フローの第1の例を示すフローチャートである。
【
図4】合流車線に存在する車両が本線に入ろうとする様子を示す図である。
【
図5】本実施形態に係る車両用照明システムの動作フローの第2の例を示すフローチャートである。
【
図6】車両が駐車場から車道に入る前に停止する様子を示す図である。
【
図7】本実施形態の変形例に係る車両用照明システムが搭載された車両の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、本発明の実施形態(以下、本実施形態という。)について図面を参照しながら説明する。また、本図面に示された各部材の寸法は、説明の便宜上、実際の各部材の寸法とは異なる場合がある。
【0025】
また、本実施形態の説明では、説明の便宜上、「左右方向」、「上下方向」、「前後方向」について適宜言及する。これらの方向は、
図1に示す車両1について設定された相対的な方向である。ここで、「左右方向」は、「左方向」及び「右方向」を含む方向である。「上下方向」は、「上方向」及び「下方向」を含む方向である。「前後方向」は、「前方向」及び「後方向」を含む方向である。前後方向は、
図1では示されていないが、左右方向及び上下方向に直交する方向である。
【0026】
最初に、
図1及び
図2を参照して、本実施形態に係る車両用照明システム4(以下、単に「照明システム4」という。)について以下に説明する。
図1は、照明システム4が搭載された車両1の正面図である。
図2は、照明システム4を有する車両システム2のブロック図である。車両1は、自動運転モードで走行可能な車両(自動車)であって、車両システム2を備える。
【0027】
図1及び
図2に示すように、照明システム4は、照明ユニット44と、照明制御部47とを備える。照明ユニット44は、歩行者や他車両等の対象物と車両1との間の視覚的コミュニケーションを支援するためのランプであって、車両1の外部に向けて視覚的にメッセージを提示するように構成されている。照明ユニット44は、左側コミュニケーション支援ランプ40L(以下、単に「左側CSL40L」という。)と、右側コミュニケーション支援ランプ40R(以下、単に「右側CSL40R」という。)を備える。
【0028】
左側CSL40Lは、車両1の外部に向けて光を出射するように構成されており、車両1の左前側に搭載された左側ヘッドランプ20Lの灯室内に配置されている。左側ヘッドランプ20Lの灯室は、ランプハウジング(図示せず)と、当該ランプハウジングに接続された透光カバー(図示せず)により形成されている。左側CSL40Lは、車両1の左右方向に延びるように配置されており、6つの発光セグメント43Lを有する。6つの発光セグメント43Lは、車両1の左右方向に並んで配置される。各発光セグメント43Lは、赤色光を出射するように構成された赤色LED(Light Emitting Diode)と、緑色光を出射するように構成された緑色LEDと、青色光を出射するように構成された青色LEDとを有する。左側ヘッドランプ20Lは、ロービームを車両1の前方に向けて出射するように構成されたロービームランプ60Lと、ハイビームを車両1の前方に向けて出射するように構成されたハイビームランプ70Lとを有する。
【0029】
右側CSL40Rは、車両1の外部に向けて光を出射するように構成されており、車両1の右前側に搭載された右側ヘッドランプ20Rの灯室内に配置されている。右側ヘッドランプ20Rの灯室は、ランプハウジング(図示せず)と、当該ランプハウジングに接続された透光カバー(図示せず)により形成されている。右側CSL40Rは、車両1の左右方向に延びるように配置されており、6つの発光セグメント43Rを有する。6つの発光セグメント43Rは、車両1の左右方向に並んで配置される。各発光セグメント43Rは、赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDとを有する。右側ヘッドランプ20Rは、ロービームを車両1の前方に向けて出射するように構成されたロービームランプ60Rと、ハイビームを車両1の前方に向けて出射するように構成されたハイビームランプ70Rとを有する。
【0030】
尚、左側CSL40Lと右側CSL40Rの配置場所は、特に限定されない。例えば、左側CSL40Lは、左側ヘッドランプ20Lの付近に配置されてもよいし、車両1のグリル140上に配置されてもよい。右側CSL40Rは、右側ヘッドランプ20Rの付近に配置されてもよいし、グリル140上に配置されてもよい。また、本実施形態では、左側CSL40Lは、6つの発光セグメント43Lを有しているが、発光セグメント43Lの数は特に限定されるものではない。同様に、右側CSL40Rは、6つの発光セグメント43Rを有しているが、発光セグメント43Rの数は特に限定されるものではない。
【0031】
さらに、本実施形態では、照明ユニット44は、左側CSL40Lと右側CSL40Rによって構成されているが、本実施形態の照明ユニット44の構造はこれに限定されない。例えば、照明ユニット44は、複数の発光セグメントを備えると共に、車両1の外部に向けて水平方向における車両1の全周囲(360度)に光を出射するように構成されてもよい。この点において、照明ユニット44は、車両1の車体を囲むように配置されてもよいし、又は車体ルーフ110上に配置されてもよい。
【0032】
次に、
図2を参照して車両1の車両システム2について説明する。
図2は、車両システム2のブロック図を示している。
図2に示すように、車両システム2は、車両制御部3と、照明システム4と、センサ5と、カメラ6と、レーダ7と、HMI(Human Machine Interface)8と、GPS(Global Positioning System)9と、無線通信部10と、記憶装置11とを備える。さらに、車両システム2は、ステアリングアクチュエータ12と、ステアリング装置13と、ブレーキアクチュエータ14と、ブレーキ装置15と、アクセルアクチュエータ16と、アクセル装置17とを備える。
【0033】
車両制御部3は、車両1の走行を制御するように構成されている。車両制御部3は、例えば、少なくとも一つの電子制御ユニット(ECU:Electronic Control Unit)により構成されている。電子制御ユニットは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステム(例えば、SoC(System on a Chip)等)と、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子から構成される電子回路を含む。プロセッサは、例えば、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)、GPU(Graphics Processing Unit)及びTPU(Tensor Processing Unit)のうち少なくとも一つを含む。CPUは、複数のCPUコアによって構成されてもよい。GPUは、複数のGPUコアによって構成されてもよい。メモリは、ROM(Read Only Memory)と、RAM(Random Access Memory)を含む。ROMには、車両制御プログラムが記憶されてもよい。例えば、車両制御プログラムは、自動運転用の人工知能(AI)プログラムを含んでもよい。AIプログラムは、多層のニューラルネットワークを用いた教師有り又は教師なし機械学習(特に、ディープラーニング)によって構築されたプログラムである。RAMには、車両制御プログラム、車両制御データ及び/又は車両の周辺環境を示す周辺環境情報が一時的に記憶されてもよい。プロセッサは、ROMに記憶された各種車両制御プログラムから指定されたプログラムをRAM上に展開し、RAMとの協働で各種処理を実行するように構成されてもよい。また、コンピュータシステムは、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)やFPGA(Field-Programmable Gate Array)等の非ノイマン型コンピュータによって構成されてもよい。さらに、コンピュータシステムは、ノイマン型コンピュータと非ノイマン型コンピュータの組み合わせによって構成されてもよい。
【0034】
照明システム4は、既に説明したように、照明ユニット44と、照明制御部47とを備える。照明制御部47は、照明ユニット44(特に、左側CSL40Lと右側CS40R)を制御するように構成されている。特に、照明制御部47は、左側CSL40Lと右側CSL40Rの照明態様(例えば、照明色、照明強度、点滅周期、照明箇所等)を変化させるように構成されている。また、照明制御部47及び/又は車両制御部3は、時間をカウントするタイマー機能を有してもよい。
【0035】
照明制御部47は、電子制御ユニット(ECU)により構成されており、図示しない電源に電気的に接続されている。電子制御ユニットは、1以上のプロセッサと1以上のメモリを含むコンピュータシステム(例えば、SoC等)と、トランジスタ等のアクティブ素子及びパッシブ素子から構成されるアナログ処理回路とを含む。プロセッサは、例えば、CPU、MPU、GPU及びTPUのうちの少なくとも一つを含む。メモリは、ROMと、RAMを含む。また、コンピュータシステムは、ASICやFPGA等の非ノイマン型コンピュータによって構成されてもよい。アナログ処理回路は、左側CSL40Lと右側CSL40Rの駆動を制御するように構成されたランプ駆動回路(例えば、LEDドライバ等)を備える。
【0036】
例えば、照明制御部47は、各発光セグメント43L,43Rの各LEDに電気的に接続されている。例えば、6つの発光セグメント43Lのうちの一つが赤色光を出射する場合、照明制御部47は当該一の発光セグメント43Lに属する赤色LEDに電気信号(例えば、PWM(Pulse Width Modulation)信号)を供給する。その後、当該赤色LEDは、照明制御部47から供給された電気信号に応じて、赤色光を出射する。このようにして、当該発光セグメント43Lから赤色光が出射される。また、6つの発光セグメント43Lの全てが白色光を出射する場合、照明制御部47は、各発光セグメント43Lに属する赤色LEDと、緑色LEDと、青色LEDに電気信号を供給する。その後、赤色LEDから出射された赤色光と、緑色LEDから出射された緑色光と、青色LEDから出射された青色光とを合成することで白色光が生成される。このようにして、6つの発光セグメント43Lの全てから白色光が出射される。また、照明制御部47は、各LEDに供給される電気信号を調整することで、各発光セグメント43Lから様々な色の光を出射させることが可能である。
【0037】
このように、照明制御部47は、各発光セグメント43Lに属する各LEDを個別に点灯制御することで(つまり、各LEDに個別に電気信号を供給することで)、各発光セグメント43Lの照明状態(例えば、照明色、照明強度、点滅周期、照明箇所等)を変化させることができる。
【0038】
センサ5は、加速度センサ、速度センサ及びジャイロセンサ等を備える。センサ5は、車両1の走行状態を検出して、走行状態情報を車両制御部3に出力するように構成されている。センサ5は、運転者が運転席に座っているかどうかを検出する着座センサ、運転者の顔の方向を検出する顔向きセンサ、外部天候状態を検出する外部天候センサ及び車内に人がいるかどうかを検出する人感センサ等をさらに備えてもよい。
【0039】
カメラ6は、例えば、CCD(Charge-Coupled Device)やCMOS(相補型MOS)等の撮像素子を含むカメラである。カメラ6は、車両1の周辺環境を示す画像データを取得した上で、当該画像データを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された画像データに基づいて、周辺環境情報を特定する。ここで、周辺環境情報は、車両1の外部に存在する対象物(歩行者、他車両、標識等)に関する情報を含んでもよい。例えば、周辺環境情報は、車両1の外部に存在する対象物の属性に関する情報と、車両1に対する対象物の距離や位置に関する情報とを含んでもよい。カメラ6は、単眼カメラとしても構成されてもよいし、ステレオカメラとして構成されてもよい。
【0040】
レーダ7は、ミリ波レーダ、マイクロ波レーダ及び/又はレーザーレーダ(例えば、LiDARユニット)等である。例えば、LiDARユニットは、車両1の周辺環境を検出するように構成されている。特に、LiDARユニットは、車両1の周辺環境を示す3Dマッピングデータ(点群データ)を取得した上で、当該3Dマッピングデータを車両制御部3に送信するように構成されている。車両制御部3は、送信された3Dマッピングデータに基づいて、周辺環境情報を特定する。
【0041】
HMI8は、運転者からの入力操作を受付ける入力部と、走行情報等を運転者に向けて出力する出力部とから構成される。入力部は、ステアリングホイール、アクセルペダル、ブレーキペダル、車両1の運転モードを切替える運転モード切替スイッチ等を含む。出力部は、各種走行情報を表示するディスプレイである。GPS9は、車両1の現在位置情報を取得し、当該取得された現在位置情報を車両制御部3に出力するように構成されている。
【0042】
無線通信部10は、車両1の周囲にいる他車に関する情報(例えば、走行情報等)を他車から受信すると共に、車両1に関する情報(例えば、走行情報等)を他車に送信するように構成されている(車車間通信)。また、無線通信部10は、信号機や標識灯等のインフラ設備からインフラ情報を受信すると共に、車両1の走行情報をインフラ設備に送信するように構成されている(路車間通信)。また、無線通信部10は、歩行者が携帯する携帯型電子機器(スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイス等)から歩行者に関する情報を受信すると共に、車両1の自車走行情報を携帯型電子機器に送信するように構成されている(歩車間通信)。車両1は、他車両、インフラ設備又は携帯型電子機器とアドホックモードにより直接通信してもよいし、アクセスポイントを介して通信してもよい。さらに、車両1は、図示しないインターネット等の通信ネットワークを介して他車両、インフラ設備又は携帯型電子機器と通信してもよい。無線通信規格は、例えば、Wi-Fi(登録商標),Bluetooth(登録商標),ZigBee(登録商標)、LPWA、DSRC(登録商標)又はLi-Fiである。また、車両1は、他車両、インフラ設備又は携帯型電子機器と第5世代移動通信システム(5G)を用いて通信してもよい。
【0043】
記憶装置11は、ハードディスクドライブ(HDD)やSSD(Solid State Drive)等の外部記憶装置である。記憶装置11には、2D又は3Dの地図情報及び/又は車両制御プログラムが記憶されてもよい。例えば、3Dの地図情報は、点群データによって構成されてもよい。記憶装置11は、車両制御部3からの要求に応じて、地図情報や車両制御プログラムを車両制御部3に出力するように構成されている。地図情報や車両制御プログラムは、無線通信部10とインターネット等の通信ネットワークを介して更新されてもよい。
【0044】
車両1が自動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号のうち少なくとも一つを自動的に生成する。ステアリングアクチュエータ12は、ステアリング制御信号を車両制御部3から受信して、受信したステアリング制御信号に基づいてステアリング装置13を制御するように構成されている。ブレーキアクチュエータ14は、ブレーキ制御信号を車両制御部3から受信して、受信したブレーキ制御信号に基づいてブレーキ装置15を制御するように構成されている。アクセルアクチュエータ16は、アクセル制御信号を車両制御部3から受信して、受信したアクセル制御信号に基づいてアクセル装置17を制御するように構成されている。このように、車両制御部3は、走行状態情報、周辺環境情報、現在位置情報、地図情報等に基づいて、車両1の走行を自動的に制御する。つまり、自動運転モードでは、車両1の走行は車両システム2により自動制御される。
【0045】
一方、車両1が手動運転モードで走行する場合、車両制御部3は、アクセルペダル、ブレーキペダル及びステアリングホイールに対する運転者の手動操作に従って、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号を生成する。このように、手動運転モードでは、ステアリング制御信号、アクセル制御信号及びブレーキ制御信号が運転者の手動操作によって生成されるので、車両1の走行は運転者により制御される。
【0046】
次に、車両1の運転モードについて説明する。運転モードは、自動運転モードと手動運転モードとからなる。自動運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードとからなる。完全自動運転モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはない。高度運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御の全ての走行制御を自動的に行うと共に、運転者は車両1を運転できる状態にはあるものの車両1を運転しない。運転支援モードでは、車両システム2がステアリング制御、ブレーキ制御及びアクセル制御のうち一部の走行制御を自動的に行うと共に、車両システム2の運転支援の下で運転者が車両1を運転する。一方、手動運転モードでは、車両システム2が走行制御を自動的に行わないと共に、車両システム2の運転支援なしに運転者が車両1を運転する。
【0047】
また、車両1の運転モードは、運転モード切替スイッチを操作することで切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、運転モード切替スイッチに対する運転者の操作に応じて、車両1の運転モードを4つの運転モード(完全自動運転モード、高度運転支援モード、運転支援モード、手動運転モード)の間で切り替える。また、車両1の運転モードは、自動運転車が走行可能である走行可能区間や自動運転車の走行が禁止されている走行禁止区間についての情報または外部天候状態についての情報に基づいて自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、これらの情報に基づいて車両1の運転モードを切り替える。さらに、車両1の運転モードは、着座センサや顔向きセンサ等を用いることで自動的に切り替えられてもよい。この場合、車両制御部3は、着座センサや顔向きセンサからの出力信号に基づいて、車両1の運転モードを切り替える。
【0048】
次に、
図3及び
図4を参照して本実施形態に係る照明システム4の動作フローの第1の例について説明する。特に、本例では、合流車線R1を走行中の車両1が本線R2に入る前に停止した場合における照明システム4の動作フローについて説明を行う。
図3は、照明システム4の動作フローの第1の例を示すフローチャートである。
図4は、合流車線R1に存在する車両1が本線R2に入ろうとする様子を示す図である。
【0049】
図3に示すように、ステップS1において、照明制御部47は、車両1が合流車線R1から本線R2に入る前に停止したかどうかを判定する。例えば、照明制御部47は、車両1が合流車線R1から本線R2に入る前に停止したことを示す信号を車両制御部3から受信した場合に、車両1が本線R2に入る前に停止したと判定する。ステップS1の判定結果がYESである場合、本処理はステップS2に進む。一方、ステップS1の判定結果がNOである場合、本処理は終了する。尚、車両1が高度運転支援モード又は完全自動運転モードで走行中である場合には、車両制御部3は、カメラ6及び/又はレーダ7によって取得された車両1の周辺環境を示す検出データに基づいて、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができるかどうかを自動的に判定する。その後、車両制御部3は、車両1の将来進路上に存在する他車両のために車両1が本線R2に入ることができないと判定した場合に、合流車線R1と本線R2との間の合流地点の付近で車両1を停止させる。
【0050】
次に、ステップS2において、照明制御部47は、車両1が停止した後に車両1の待機時間のカウントを開始する。この点において、照明制御部47は、車両1が停止した直後に車両1の待機時間のカウントを開始してもよいし、又は車両1の停止時から所定時間が経過したときに、車両1の待機時間のカウントを開始してもよい。ここで、車両1の待機時間とは、車両1が合流車線R2の手前で停止した後に、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができない間の時間を意味してもよい。つまり、車両1の待機時間とは、車両1が完全に停止している間の時間だけでなく、合流車線R1において車両1が徐行している間の時間を含んでもよい。このため、停止している車両1が合流車線R1上で徐行を開始したときであっても、車両1の待機時間はリセットされなくてもよい。この場合、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができた場合に、車両1の待機時間がリセットされる。
【0051】
次に、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44(左側CSL40Lと右側CSL40R)の照明態様(例えば、照明色、明るさ、点滅周期、照明箇所等)を変更する(ステップS3)。例えば、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44(詳細には、各発光セグメント43L,43R)の点滅周期を変更してもよい。この点において、照明制御部47は、車両1の待機時間の増加に応じて照明ユニット44の点滅周期を徐々に短くしてもよい。また、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44(各発光セグメント43L,43R)の明るさ(光度)を変更してもよい。この点において、照明制御部47は、車両1の待機時間の増加に応じて照明ユニット44の明るさを徐々に増大させてもよい。さらに、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明箇所を変更してもよい。この点において、照明制御部47は、車両1の待機時間の増加に応じて、点灯すべき発光セグメントの数を徐々に増大させてもよい。
【0052】
さらに、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44(詳細には、各発光セグメント43L,43R)の照明色を変更してもよい。例えば、車両1の待機時間が第1の閾値Tth1を超えた場合に、照明制御部47は、照明ユニット44の照明色を白色から黄色に変更してもよい。さらに、車両1の待機時間が第2の閾値Tth2(>Tth1)を超えた場合に、照明制御部47は、照明ユニット44の照明色を黄色から赤色に変更してもよい。
【0053】
次に、ステップS4において、照明制御部47は、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができたかどうかを判定する。例えば、照明制御部47は、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができたことを示す信号を車両制御部3から受信した場合に、車両1が合流車線R1から本線R2に入ることができたと判定する。ステップS4の判定結果がYESの場合、本処理はステップS5に進む。一方、ステップS4の判定結果がNOである場合、ステップS3の処理が再び実行される。
【0054】
次に、ステップS5において、照明制御部47は、車両1の待機時間をリセットすると共に、照明ユニット44を消灯する。このように、照明システム4の一連の動作が実行される。
【0055】
本実施形態によれば、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更される。このように、本線R2を走行中の他車両100A(
図4参照)の運転者は、車両1の照明ユニット44の照明態様の変化を視認することで、所定の時間の間、車両1が待機している事実等の車両1の現在の状況を推認することができる。このため、車両1が本線R2に入ることができるように他車両100Aは待機するように促される。したがって、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な照明システム4及び車両1を提供することができる。
【0056】
また、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更されるので、車両1(若しくは車両1の運転者)の感情を外部に対して提示することが可能となる。このように、車両1の感情を表現することが可能な照明システム4を提供することができる。
【0057】
また、本実施形態によれば、車両1が合流車線R1から本線R2に移動できたときに照明ユニット44が消灯するので、他車両100Aの運転者は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変化していたことを認識することができる。
【0058】
尚、本実施形態では、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更されるが、本実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、車両1が完全に停止している間の停止時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更されてもよい。この場合、車両1の速度が零でなくなった場合に、車両1の停止時間がリセットされてもよい。このように、照明ユニット44の照明態様を変更させることで車両1の停止時間を車両1の外部に対して提示することが可能となる。
【0059】
次に、
図5及び
図6を参照して本実施形態に係る照明システム4の動作フローの第2の例について説明する。特に、本例では、駐車場P(所定の敷地の一例)に存在する車両1が車道R3に入る前に停止した場合における照明システム4の動作フローについて説明を行う。
図5は、照明システム4の動作フローの第2の例を示すフローチャートである。
図6は、車両1が駐車場Pから車道R3に入る前に停止する様子を示す図である。
【0060】
図5に示すように、ステップS10において、照明制御部47は、車両1が駐車場Pから車道R3に入る前に停止したかどうかを判定する。例えば、照明制御部47は、車両1が駐車場Pから車道R3に入る前に停止したことを示す信号を車両制御部3から受信した場合に、車両1が車道R3に入る前に停止したと判定する。ステップS10の判定結果がYESである場合、本処理はステップS11に進む。ステップS10の判定結果がNOである場合、本処理は終了する。次に、ステップS11において、照明制御部47は、車両1が停止した後に車両1の待機時間のカウントを開始する。ここで、車両1の待機時間とは、車両1が車道R3の手前で停止した後に、車両1が駐車場Pから車道R3に入ることができない間の時間を意味してもよい。この場合、車両1が車道R3に入ることができた場合に、車両1の待機時間がリセットされる。
【0061】
次に、照明制御部47は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44(左側CSL40Lと右側CSL40R)の照明態様(例えば、照明色、明るさ、点滅周期、照明箇所等)を変更する(ステップS12)。次に、ステップS13において、照明制御部47は、車両1が駐車場Pから車道R3に入ることができたかどうかを判定する。例えば、照明制御部47は、車両1が車道R3に入ることができたことを示す信号を車両制御部3から受信した場合に、車両1が車道R3に入ることができたと判定する。ステップS13の判定結果がYESの場合、本処理はステップS14に進む。一方、ステップS13の判定結果がNOである場合、ステップS12の処理が再び実行される。
【0062】
次に、ステップS14において、照明制御部47は、車両1の待機時間をリセットすると共に、照明ユニット44を消灯する。このように、照明システム4の一連の動作が実行される。
【0063】
本実施形態によれば、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更される。このように、車道R3を走行中の他車両100B(
図6参照)の運転者は、車両1の照明ユニット44の照明態様の変化を視認することで、所定の時間の間、車両1が待機している事実等の車両1の現在の状況を推認することができる。このため、車両1が車道R3に入ることができるように他車両100Bは待機するように促される。したがって、車車間におけるリッチな視覚的コミュニケーションを実現可能な照明システム4及び車両1を提供することができる。
【0064】
また、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変更されるので、車両1(若しくは車両1の運転者)の感情を歩行者P1や他車両に対して提示することが可能となる。このように、車両1の感情を表現することが可能な照明システム4を提供することができる。
【0065】
また、本実施形態によれば、車両1が駐車場Pから車道R3に入ることができたときに照明ユニット44が消灯するので、他車両100Bの運転者は、車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様が変化していたことを認識することができる。
【0066】
次に、
図7を参照して本実施形態の変形例に係る照明ユニット44Aについて以下に説明する。
図7は、照明ユニット44Aが搭載された車両1Aの正面図である。車両1Aは、照明ユニット44の代わりに照明ユニット44Aを搭載している点で本実施形態に係る車両1とは相違する。以降では、照明ユニット44Aについて詳しく説明する。
【0067】
図7に示すように、照明ユニット44Aは、車両1Aの外部に向けて車両1Aの待機時間に関連した情報M1(以下、待機時間情報M1)を視覚的に提示するように構成されている。特に、照明ユニット44Aは、車両1Aのフロントガラス120F上に待機時間情報M1を表示するように構成されている。本例では、待機時間15秒を示す待機時間情報M1がフロントガラス120F上に表示されている。
【0068】
照明ユニット44Aは、待機時間情報M1をフロントガラス120F上に投影するプロジェクタ装置として構成されてもよい。また、照明ユニット44Aは、レーザ光をフロントガラス120F上に照射することで、待機時間情報M1をフロントガラス120F上に直接描画してもよい。この場合、車両1Aのフロントガラス120Fは、HUD(Head-Up Display)用のフロントガラスであって、2枚のガラス板と、2枚のガラス板の間に設けられた蛍光体材料からなる発光層を含んでもよい。また、照明ユニット44Aのレーザ光源は、短波長帯(例えば、波長λ=350nm~410nm)のレーザ光を照射するように構成されてもよい。短波長帯のレーザ光がフロントガラス120Fに照射されることで、フロントガラス120Fの発光層が発光し、待機時間情報M1がフロントガラス120F上に表示される。また、照明ユニット44Aが待機時間情報M1をフロントガラス120F上に表示可能な限りにおいて照明ユニット44Aの取付け位置は特に限定されない。
【0069】
尚、車両1Aは、複数の照明ユニット44Aを搭載してもよい。この場合、複数の照明ユニット44Aの一つがサイドガラス120L上に待機時間情報M1を表示してもよい。さらに、複数の照明ユニット44Aの別の一つがサイドガラス120R上に待機時間情報M1を表示してもよい。さらに、照明ユニット44Aは、フロントガラス120Fに代わって車両1Aのボンネット上に待機時間情報M1を表示してもよい。
【0070】
本変形例によれば、
図3のステップS3の処理又は
図5のステップS12の処理において、照明制御部47は、車両1Aの待機時間に応じて、照明ユニット44Aによって提示される待機時間情報M1を変更する。つまり、照明ユニット44Aは、車両1Aの待機時間を示す待機時間情報M1を車両1Aの外部に向けて視覚的に提示する。例えば、車両1Aの待機時間が15秒である場合、照明ユニット44Aは、15秒を示す待機時間情報M1を外部に向けて視覚的に提示する。このように、他車両の運転者は、照明ユニット44Aによって提示される待機時間情報M1を視認することで、車両1Aの待機時間を確実に把握することができる。
【0071】
以上、本発明の実施形態について説明をしたが、本発明の技術的範囲が本実施形態の説明によって限定的に解釈されるべきではないのは言うまでもない。本実施形態は単なる一例であって、特許請求の範囲に記載された発明の範囲内において、様々な実施形態の変更が可能であることが当業者によって理解されるところである。本発明の技術的範囲は特許請求の範囲に記載された発明の範囲及びその均等の範囲に基づいて定められるべきである。
【0072】
本実施形態では、照明制御部47が車両1の待機時間に応じて照明ユニット44の照明態様を変更しているが、本実施形態はこれには限定されない。例えば、車両1が本線R2の手前で停止した後に、車両制御部3は、無線通信部10を介して車両1の外部に存在するインフラ設備に車両1が本線R2の手前で停止したことを示すトリガー信号を送信してもよい。インフラ設備は、例えば、合流車線R1と本線R2との間の合流地点の付近に設置されていてもよい。この場合、インフラ設備は、受信したトリガー信号に応じて車両1の待機時間のカウントを開始してもよい。次に、インフラ設備は、車両1の待機時間に応じてインフラ設備の照明ユニットの照明態様を変更してもよい。このように、車両1の外部に存在する他車両の運転者は、インフラ設備の照明ユニットの照明態様の変化を視認することで、車両1が待機している事実を推認することができる。尚、
図6に示すように、インフラ設備は、駐車場Pの出口付近に設置されてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、車両1が合流車線から本線に入る前に停止したときの車両1の待機時間及び車両1が駐車場から車道に入る前に停止したときの車両1の待機時間について説明をしたが、車両1の待機時間はこれらには限定されない。例えば、車両1の待機時間は、以下であってもよい。
・車両1が右折又は左折する前に停止したときの車両1の待機時間
・狭い道路を走行中の車両が対向車とすれ違う前に停止したときの車両1の待機時間
・車両1が横断歩道の手前で停止したときの車両1の待機時間
照明制御部47は、上記の車両1の待機時間に応じて、照明ユニット44の照明態様(例えば、照明色、照明強度、点滅周期、照明箇所等)を変更してもよい。
【0074】
本実施形態では、車両の運転モードは、完全自動運転モードと、高度運転支援モードと、運転支援モードと、手動運転モードとを含むものとして説明したが、車両の運転モードは、これら4つのモードに限定されるべきではない。車両の運転モードの区分は、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って適宜変更されてもよい。同様に、本実施形態の説明で記載された「完全自動運転モード」、「高度運転支援モード」、「運転支援モード」のそれぞれの定義はあくまでも一例であって、各国における自動運転に係る法令又は規則に沿って、これらの定義は適宜変更されてもよい。
【符号の説明】
【0075】
1,1A:車両
2:車両システム
3:車両制御部
4:車両用照明システム(照明システム)
5:センサ
6:カメラ
7:レーダ
10:無線通信部
11:記憶装置
12:ステアリングアクチュエータ
13:ステアリング装置
14:ブレーキアクチュエータ
15:ブレーキ装置
16:アクセルアクチュエータ
17:アクセル装置
20L:左側ヘッドランプ
20R:右側ヘッドランプ
40L:左側コミュニケーション支援ランプ(左側CSL)
40R:右側コミュニケーション支援ランプ(右側CSL)
43L:発光セグメント
43R:発光セグメント
44,44A:照明ユニット
47:照明制御部
120F:フロントガラス
120L,120R:サイドガラス
140:グリル
110:車体ルーフ