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特許7045956通気路形成用スペーサ、屋根裏構造および通気路形成用板材
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】通気路形成用スペーサ、屋根裏構造および通気路形成用板材
(51)【国際特許分類】
   E04B 1/76 20060101AFI20220325BHJP
   E04B 7/18 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
E04B1/76 200A
E04B1/76 400G
E04B7/18 B
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2018141628
(22)【出願日】2018-07-27
(65)【公開番号】P2020016126
(43)【公開日】2020-01-30
【審査請求日】2021-02-01
(73)【特許権者】
【識別番号】000010065
【氏名又は名称】フクビ化学工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100161207
【弁理士】
【氏名又は名称】西澤 和純
(74)【代理人】
【識別番号】100140774
【弁理士】
【氏名又は名称】大浪 一徳
(74)【代理人】
【識別番号】100196058
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 彰雄
(72)【発明者】
【氏名】星野 敦実
(72)【発明者】
【氏名】田中 芳真
(72)【発明者】
【氏名】田中 俊也
【審査官】河内 悠
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3156279(JP,U)
【文献】特許第5477990(JP,B1)
【文献】特許第5058241(JP,B2)
【文献】米国特許第04292777(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04B 1/62-1/99
E04B 7/00-7/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同方向に延在する一対の垂木間に設けられて屋根裏側に通気路を形成する通気路形成用スペーサであって、
同方向に延在する一対の第1端縁部および前記一対の第1端縁部に交差する一対の第2端縁部を有する本体部と、
前記一対の第1端縁部から立ち上がる一対の起立部と、
前記第1端縁部の延在方向における前記一対の起立部の両端部から、前記第2端縁部の延在方向における前記本体部とは反対側に折り曲げられて該本体部よりも前記起立部とは反対方向に突出する折曲突出部と、を有することを特徴とする通気路形成用スペーサ。
【請求項2】
前記折曲突出部は、折り曲げ前は前記起立部から前記第1端縁部に沿って延出しており、前記起立部の基端縁部に対し鋭角をなす折り線で折り曲げられていることを特徴とする請求項1に記載の通気路形成用スペーサ。
【請求項3】
前記本体部は、前記折曲突出部よりも前記第1端縁部の延在方向外側に突出する本体突出部を有することを特徴とする請求項1または2に記載の通気路形成用スペーサ。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の通気路形成用スペーサが、前記一対の起立部を前記一対の垂木に沿って配置し、前記折曲突出部を前記本体部よりも室内側に突出させて、前記折曲突出部において前記垂木に取り付けられていることを特徴とする屋根裏構造。
【請求項5】
請求項3に記載の通気路形成用スペーサが、前記一対の起立部を前記一対の垂木に沿って配置し、前記折曲突出部を前記本体部よりも室内側に突出させて、前記折曲突出部において前記垂木に取り付けられるとともに、前記本体部同士を重ね合わせて前記垂木の延在方向に複数連設されていることを特徴とする屋根裏構造。
【請求項6】
前記本体部の室内側に断熱材が吹き付けられていることを特徴とする請求項4または5に記載の屋根裏構造。
【請求項7】
同方向に延在する一対の垂木間に設けられて屋根裏側に通気路を形成する通気路形成用スペーサとなる通気路形成用板材であって、
同方向に延在する一対の第1辺部と、
前記一対の第1辺部に交差する一対の第2辺部とを有し、
前記一対の第2辺部から前記一対の第1辺部に沿って延びるスリットが四隅に形成されており、
一方の前記第1辺部に近い両側の前記スリットを結んで延在する折り曲げ容易な一側の側部易折曲部と、
他方の前記第1辺部に近い両側の前記スリットを結んで延在する折り曲げ容易な他側の側部易折曲部と、
各前記スリットから、鈍角をなしてそれぞれ近い側の前記第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部と、を有することを特徴とする通気路形成用板材。
【請求項8】
前記一側の側部易折曲部および前記他側の側部易折曲部は谷折り容易であり、各前記隅側易折曲部は山折り容易であることを特徴とする請求項7に記載の通気路形成用板材。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気路形成用スペーサ、屋根裏構造および通気路形成用板材に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、家屋の屋根は、平行に設置された複数本の垂木の上に野地板が取り付けられて形成されている。このような屋根の屋根裏側に通気路を形成するために、垂木間に通気路形成用スペーサを設置することが行われている(例えば、特許文献1参照)。また、このように垂木間に設置された通気路形成用スペーサの室内側に断熱材を設置することも行われている(例えば、特許文献2,3参照)。また、垂木間に設置された通気路形成用スペーサの室内側に発泡する断熱材を吹き付けて断熱層を形成することも行われている(例えば、特許文献4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2012-41741号公報
【文献】特許第3400766号公報
【文献】特許第5058241号公報
【文献】特許第5477990号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、通気路形成用スペーサは、垂木の延在方向に複数連設されて垂木に取り付けられることになるが、その際の施工性の向上が求められている。
【0005】
したがって、本発明は、施工性を向上させることが可能な通気路形成用スペーサ、屋根裏構造および通気路形成用板材の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の通気路形成用スペーサは、同方向に延在する一対の垂木間に設けられて屋根裏側に通気路を形成する通気路形成用スペーサであって、同方向に延在する一対の第1端縁部および前記一対の第1端縁部に交差する一対の第2端縁部を有する本体部と、前記一対の第1端縁部から立ち上がる一対の起立部と、前記第1端縁部の延在方向における前記一対の起立部の両端部から、前記第2端縁部の延在方向における前記本体部とは反対側に折り曲げられて該本体部よりも前記起立部とは反対方向に突出する折曲突出部と、を有することを特徴とする。
【0007】
このように、本体部の一対の第1端縁部から立ち上がる一対の起立部の、第1端縁部の延在方向における両端部から、本体部とは反対側に折り曲げられて本体部よりも起立部とは反対方向に突出する折曲突出部を有する。作業者は、一対の起立部を一対の垂木に沿って配置し、折曲突出部を本体部よりも室内側に突出させた状態で、折曲突出部において通気路形成用スペーサを垂木に取り付けることになる。その際に、通気路形成用スペーサは、垂木の延在方向において折曲突出部が通気路形成用スペーサの端部近傍に配置されることになる。よって、通気路形成用スペーサを垂木の延在方向に複数連設する際に、既設のものの折曲突出部の近傍に次設のものの折曲突出部が位置することになり、既設のものに対する位置を合わせての次設のものの垂木への取り付けが容易となる。よって、通気路形成用スペーサを垂木の延在方向に複数連設して垂木に取り付ける際の施工性を向上させることが可能となる。
【0008】
また、本体部から立ち上がる一対の起立部の両端部から本体部とは反対側に折り曲げられて本体部よりも起立部とは反対方向に突出する折曲突出部を有するため、一枚の板材を折り曲げて容易に製造することができる。また、本体部から立ち上がる一対の起立部の両端部から本体部とは反対側に折り曲げられて本体部よりも起立部とは反対方向に突出する折曲突出部を有するため、垂木に取り付けられる折曲突出部を形成しても、本体部の範囲内に切欠きや穴、スリット等、本体部を板厚方向に貫通する部分を形成する必要がなく、室内側から断熱材を吹き付けても断熱材が通気路側に入り込むことを抑制することができる。
【0009】
この場合、前記折曲突出部は、折り曲げ前は前記起立部から前記第1端縁部に沿って延出しており、前記起立部の基端縁部に対し鋭角をなす折り線で折り曲げられていても良い。
【0010】
このように、折り曲げ前は起立部から第1端縁部に沿って延出している折曲突出部を、起立部の基端縁部に対し鋭角をなす折り線で折り曲げて、本体部よりも起立部とは反対方向に突出させるため、折曲突出部の形成が容易となる。
【0011】
この場合、前記本体部は、前記折曲突出部よりも前記第1端縁部の延在方向外側に突出する本体突出部を有していても良い。
【0012】
このように、本体部が折曲突出部よりも第1端縁部の延在方向外側に突出する本体突出部を有することで、通気路形成用スペーサを垂木の延在方向に複数連設する際に、隣り合うもの同士の本体部を重ね合わせることができる。よって、通気路の室内側への連通を抑制することができる。
【0013】
本発明の屋根裏構造は、上記した通気路形成用スペーサが、前記一対の起立部を前記一対の垂木に沿って配置し、前記折曲突出部を前記本体部よりも室内側に突出させて、前記折曲突出部において前記垂木に取り付けられていることを特徴とする。
【0014】
このように、通気路形成用スペーサが、一対の起立部を一対の垂木に沿って配置し、折曲突出部を本体部よりも室内側に突出させて、折曲突出部において垂木に取り付けられているため、通気路形成用スペーサを垂木の延在方向に複数連設して垂木に取り付ける際の施工性を向上させることが可能となる。
【0015】
本発明の屋根裏構造は、上記した通気路形成用スペーサが、前記一対の起立部を前記一対の垂木に沿って配置し、前記折曲突出部を前記本体部よりも室内側に突出させて、前記折曲突出部において前記垂木に取り付けられるとともに、前記本体部同士を重ね合わせて前記垂木の延在方向に複数連設されていることを特徴とする。
【0016】
このように、通気路形成用スペーサが、一対の起立部を一対の垂木に沿って配置し、折曲突出部を本体部よりも室内側に突出させて、折曲突出部において垂木に取り付けられ、しかも、本体部同士を重ね合わせて垂木の延在方向に複数連設されているため、通気路の室内側への連通を抑制することができる。
【0017】
この場合、前記本体部の室内側に断熱材が吹き付けられていても良い。
【0018】
このように、本体部の室内側に断熱材が吹き付けられる際に、通気路形成用スペーサが、本体部から立ち上がる一対の起立部の両端部から本体部とは反対側に折り曲げられて本体部よりも起立部とは反対方向に突出する折曲突出部を有するため、垂木に取り付けられる折曲突出部を形成しても、本体部の範囲内に、切欠きや穴、スリット等、本体部を板厚方向に貫通する部分を形成する必要がなく、室内側から断熱材を吹き付けても断熱材が通気路側に入り込むことを抑制することができる。
【0019】
本発明の通気路形成用板材は、同方向に延在する一対の垂木間に設けられて屋根裏側に通気路を形成する通気路形成用スペーサとなる通気路形成用板材であって、同方向に延在する一対の第1辺部と、前記一対の第1辺部に交差する一対の第2辺部とを有し、前記一対の第2辺部から前記一対の第1辺部に沿って延びるスリットが四隅に形成されており、一方の前記第1辺部に近い両側の前記スリットを結んで延在する折り曲げ容易な一側の側部易折曲部と、他方の前記第1辺部に近い両側の前記スリットを結んで延在する折り曲げ容易な他側の側部易折曲部と、各前記スリットから、鈍角をなしてそれぞれ近い側の前記第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部と、を有することを特徴とする。
【0020】
このように、一方の第1辺部に近い両側のスリットを結んで延在する折り曲げ容易な一側の側部易折曲部と、他方の第1辺部に近い両側のスリットを結んで延在する折り曲げ容易な他側の側部易折曲部と、各スリットから、それぞれ近い側の第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部と、を有するため、一方の第1辺部に近い折り曲げ容易な一側の側部易折曲部を谷折りし、他方の第1辺部に近い折り曲げ容易な他側の側部易折曲部を谷折りし、各スリットから鈍角をなしてそれぞれ近い側の第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部を山折りすると、本体部から立ち上がる一対の起立部の両端部から本体部とは反対側に折り曲げられて本体部よりも起立部とは反対方向に突出する折曲突出部を有する通気路形成用スペーサとなる。よって、容易に通気路形成用スペーサを形成することができる。
【0021】
この場合、前記一側の側部易折曲部および前記他側の側部易折曲部は谷折り容易であり、各前記隅側折曲部は山折り容易であっても良い。
【0022】
このように、一側の側部易折曲部および他側の側部易折曲部は谷折り容易であり、各隅側折曲部は山折り容易であるため、一側の側部易折曲部の谷折りが容易となり、他側の側部易折曲部の谷折りが容易となり、各隅側易折曲部の山折りが容易となる。よって、さらに容易に通気路形成用スペーサを形成することができる。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、施工性を向上させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明に係る一実施形態の通気路形成用板材を示す平面図である。
図2】本発明に係る一実施形態の通気路形成用板材の要部を示す部分拡大平面図である。
図3】本発明に係る一実施形態の通気路形成用板材の側部易折曲部近傍を示す部分拡大断面図である。
図4】本発明に係る一実施形態の通気路形成用板材の隅側易折曲部近傍を示す部分拡大断面図である。
図5】本発明に係る一実施形態の通気路形成用板材の要部の変形例を示す部分拡大平面図である。
図6】本発明に係る一実施形態の通気路形成用スペーサを示す斜視図である。
図7】本発明に係る一実施形態の屋根裏構造を示す斜視図である。
図8】本発明に係る一実施形態の屋根裏構造を示す部分拡大正断面図である。
図9】本発明に係る一実施形態の屋根裏構造を示す部分拡大側断面図である。
図10】本発明に係る一実施形態の屋根裏構造を示す部分拡大正断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の一実施形態を図面を参照して以下に説明する。
【0026】
[通気路形成用板材]
まず、図1図5を参照して本実施形態の通気路形成用板材10について説明する。
【0027】
通気路形成用板材10は、全体として平板状に形成されている。図1に示すように、通気路形成用板材10は、同方向に延在する一対の第1辺部11a,11bと、一対の第1辺部11a,11bに交差する一対の第2辺部11c,11dとを有している。具体的に、一対の第1辺部11a,11bは、いずれも直線状に形成されており、長さが同等で互いに平行に形成されている。一対の第2辺部11c,11dは、いずれも直線状に形成されており、長さが同等で互いに平行に形成されている。第1辺部11a,11bと第2辺部11c,11dとは直交している。
【0028】
通気路形成用板材10は、第1辺部11a,11bの長さが第2辺部11c,11dの長さよりも長く、全体として長方形状に形成されている。なお、第1辺部11a,11bおよび第2辺部11c,11dの長さを同等にして全体として正方形状に形成することも可能であり、第1辺部11a,11bの長さが第2辺部11c,11dの長さよりも短い長方形状に形成することも可能である。しなしながら、通気路形成用板材10は、後述する通気路形成用スペーサ100となって、複数連設されることから、連設方向に長い長方形状とするのが好ましい。
【0029】
通気路形成用板材10には、一対の第2辺部11c,11dから一対の第1辺部11a,11bに沿って延びるスリット15ac,15bc,15ad,15bdが四隅に形成されている。すなわち、スリット15ac,15bc,15ad,15bdは、通気路形成用板材10の長さ方向に沿って延びている。
【0030】
スリット15acは、図2に示すように、一方の第2辺部11cの一方の第1辺部11aに近い側の所定位置から第1辺部11a,11bに平行に所定の長さ延びる直線状である。スリット15acは、通気路形成用板材10の厚さ方向に貫通し、一方の第2辺部11cの位置において他方の第2辺部11dとは反対方向に開口している。言い換えれば、スリット15acは、その基端部16acから第1辺部11a,11bに平行に直線状に延びて一方の第2辺部11cに抜けている。
【0031】
図1に示すように、スリット15bcは、スリット15acと同形状であり、一方の第2辺部11cの他方の第1辺部11bに近い側の所定位置から第1辺部11a,11bに平行に所定の長さ延びる直線状である。スリット15bcは、通気路形成用板材10の厚さ方向に貫通し、一方の第2辺部11cの位置において他方の第2辺部11dとは反対方向に開口している。言い換えれば、スリット15bcは、その基端部16bcから第1辺部11a,11bに平行に直線状に延びて一方の第2辺部11cに抜けている。
【0032】
スリット15adは、スリット15acと同形状であり、他方の第2辺部11dの一方の第1辺部11aに近い側の所定位置から第1辺部11a,11bに平行に所定の長さ延びる直線状である。スリット15adは、通気路形成用板材10の厚さ方向に貫通し、他方の第2辺部11dの位置において一方の第2辺部11cとは反対方向に開口している。言い換えれば、スリット15adは、その基端部16adから第1辺部11a,11bに平行に直線状に延びて一方の第2辺部11dに抜けている。
【0033】
スリット15bdは、スリット15acと同形状であり、他方の第2辺部11dの他方の第1辺部11bに近い側の所定位置から第1辺部11a,11bに平行に所定の長さ延びる直線状である。スリット15bdは、通気路形成用板材10の厚さ方向に貫通し、他方の第2辺部11dの位置において一方の第2辺部11cとは反対方向に開口している。言い換えれば、スリット15bdは、その基端部16bdから第1辺部11a,11bに平行に直線状に延びて一方の第2辺部11dに抜けている。
【0034】
一方の第1辺部11aに近い側の2カ所のスリット15ac,15adは、この第1辺部11aから等距離の位置に形成されており、この第1辺部11aと平行な同一直線上に配置されている。同様に、他方の第1辺部11bに近い側の2カ所のスリット15bc,15bdは、この第1辺部11bから等距離の位置に形成されており、この第1辺部11bと平行な同一直線上に配置されている。スリット15ac,15bc,15ad,15bdは同形状であることから、長さも同等であり、幅も同等となっている。
【0035】
ここで、通気路形成用板材10は、第1辺部11a,11bの長さが第2辺部11c,11dの長さよりも長いため、スリット15ac,15bc,15ad,15bdは、いずれも通気路形成用板材10の長さ方向に沿って延在するように形成されている。
【0036】
一方の第2辺部11cは、スリット15ac,15bcが形成されることにより、スリット15ac,15bc間の中間辺部17cと、スリット15acよりも中間辺部17cとは反対側の端辺部18acと、スリット15bcよりも中間辺部17cとは反対側の端辺部18bcと、からなっている。中間辺部17cおよび端辺部18ac,18bcは、同一直線上に配置されている。
【0037】
スリット15acは、端辺部18acの中間辺部17c側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部19acと、中間辺部17cの端辺部18ac側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部20acとを有している。スリット15bcは、端辺部18bcの中間辺部17c側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部19bcと、中間辺部17cの端辺部18bc側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部20bcとを有している。
【0038】
他方の第2辺部11dは、スリット15ad,15bdが形成されることにより、スリット15ad,15bd間の中間辺部17dと、スリット15adよりも中間辺部17dとは反対側の端辺部18adと、スリット15bdよりも中間辺部17dとは反対側の端辺部18bdと、からなっている。中間辺部17dおよび端辺部18ad,18bdは、同一直線上に配置されている。
【0039】
スリット15adは、端辺部18adの中間辺部17d側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部19adと、中間辺部17dの端辺部18ad側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部20adとを有している。スリット15bdは、端辺部18bdの中間辺部17d側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部19bdと、中間辺部17dの端辺部18bd側の端部から第1辺部11a,11bと平行に延出する辺部20bdとを有している。
【0040】
通気路形成用板材10は、一方の第1辺部11aに近い両側のスリット15ac,15adを結んで延在する折り曲げ容易な側部易折曲部25aと、他方の第1辺部11bに近い両側のスリット15bc,15bdを結んで延在する折り曲げ容易な側部易折曲部25bと、を有している。
【0041】
側部易折曲部25aは、第1辺部11a,11bに平行な直線状であり、スリット15ac,15adと連続しこれらと同一直線上に配置されている。側部易折曲部25aは、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に谷を形成する谷折りを容易とする。側部易折曲部25aは、例えば、図3に示すように、通気路形成用板材10の厚さ方向一側の面28eから厚さ方向他側の面28f側に向けて凹む凹溝形状である。
【0042】
図1に示すように、側部易折曲部25bは、第1辺部11a,11bに平行な直線状であり、スリット15bc,15bdと連続しこれらと同一直線上に配置されている。側部易折曲部25bは、側部易折曲部25aと同様、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に谷を形成する谷折りを容易とする。側部易折曲部25bは、側部易折曲部25aと同形状であり、例えば、通気路形成用板材10の厚さ方向一側の面28eから厚さ方向他側の面28f側に向けて凹む凹溝形状である。
【0043】
通気路形成用板材10は、スリット15ac,15bc,15ad,15bdから、それぞれ、第1辺部11a,11bのうちの近い側の第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部31ac,31bc,31ad,31bdを有している。
【0044】
図2に示すように、隅側易折曲部31acは、スリット15acの、これが開口する第2辺部11cとは反対側の端部である基端部16acから、第1辺部11a,11bのうちの、スリット15acに近い第1辺部11aに直線状に延びている。言い換えれば、隅側易折曲部31acは、第1辺部11aから直線状に延びて、スリット15acの第2辺部11cとは反対側の端部である基端部16acに交差している。
【0045】
隅側易折曲部31acは、スリット15ac側よりも第1辺部11a側の方が、第2辺部11cから距離が遠くなるようにスリット15acおよび第1辺部11aに対し傾斜している。言い換えれば、隅側易折曲部31acは、スリット15acとのなす角が鈍角となるように形成されている。さらに言い換えれば、隅側易折曲部31acは、スリット15acから鈍角をなして近い側の第1辺部11aまで延びている。隅側易折曲部31acは、側部易折曲部25aに対しては鋭角をなしている。隅側易折曲部31acは、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に山を形成する山折りを容易とする。隅側易折曲部31acは、例えば、図4に示すように、通気路形成用板材10の厚さ方向他側の面28fから厚さ方向一側の面28e側に向けて凹む凹溝形状である。
【0046】
図1に示すように、隅側易折曲部31bcは、スリット15bcの、これが開口する第2辺部11cとは反対側の端部である基端部16bcから、第1辺部11a,11bのうちの、スリット15bcに近い第1辺部11bに直線状に延びている。言い換えれば、隅側易折曲部31bcは、第1辺部11bから直線状に延びて、スリット15bcの基端部16bcに交差している。
【0047】
隅側易折曲部31bcは、スリット15bc側よりも第1辺部11b側の方が、第2辺部11cから距離が遠くなるようにスリット15bcおよび第1辺部11bに対し傾斜している。言い換えれば、隅側易折曲部31bcは、スリット15bcとのなす角が鈍角となるように形成されている。さらに言い換えれば、隅側易折曲部31bcは、スリット15bcから鈍角をなして近い側の第1辺部11bまで延びている。隅側易折曲部31bcは、側部易折曲部25bに対しては鋭角をなしている。隅側易折曲部31bcは、隅側易折曲部31acと同様、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に山を形成する山折りを容易とする。隅側易折曲部31bcは、例えば、通気路形成用板材10の厚さ方向他側の面28fから厚さ方向一側の面28e側に向けて凹む凹溝形状である。
【0048】
隅側易折曲部31adは、スリット15adの、これが開口する第2辺部11dとは反対側の端部である基端部16adから、第1辺部11a,11bのうちの、スリット15adに近い第1辺部11aに直線状に延びている。言い換えれば、隅側易折曲部31adは、第1辺部11aから直線状に延びて、スリット15adの基端部16adに交差している。
【0049】
隅側易折曲部31adは、スリット15ad側よりも第1辺部11a側の方が、第2辺部11dから距離が遠くなるようにスリット15adおよび第1辺部11aに対し傾斜している。言い換えれば、隅側易折曲部31adは、スリット15adとのなす角が鈍角となるように形成されている。さらに言い換えれば、隅側易折曲部31adは、スリット15adから鈍角をなして近い側の第1辺部11aまで延びている。隅側易折曲部31adは、側部易折曲部25aに対しては鋭角をなしている。隅側易折曲部31adは、隅側易折曲部31acと同様、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に山を形成する山折りを容易とする。隅側易折曲部31adは、例えば、通気路形成用板材10の厚さ方向他側の面28fから厚さ方向一側の面28e側に向けて凹む凹溝形状である。
【0050】
隅側易折曲部31bdは、スリット15bdの、これが開口する第2辺部11dとは反対側の端部である基端部16bdから、第1辺部11a,11bのうちの、スリット15bdに近い第1辺部11bに直線状に延びている。言い換えれば、隅側易折曲部31bdは、第1辺部11bから直線状に延びて、スリット15bdの基端部16bdに交差している。
【0051】
隅側易折曲部31bdは、スリット15bd側よりも第1辺部11b側の方が、第2辺部11dから距離が遠くなるようにスリット15bdおよび第1辺部11bに対し傾斜している。言い換えれば、隅側易折曲部31bdは、スリット15bdとのなす角が鈍角となるように形成されている。さらに言い換えれば、隅側易折曲部31bdは、スリット15bdから鈍角をなして近い側の第1辺部11bまで延びている。隅側易折曲部31bdは、側部易折曲部25bに対しては鋭角をなしている。隅側易折曲部31bdは、隅側易折曲部31acと同様、通気路形成用板材10に、その厚さ方向一側の面28e側に山を形成する山折りを容易とする。隅側易折曲部31bdは、例えば、通気路形成用板材10の厚さ方向他側の面28fから厚さ方向一側の面28e側に向けて凹む凹溝形状である。
【0052】
なお、図5に示すように、隅側易折曲部31acが、スリット15acの基端部16acよりも第2辺部11c側の中間位置に交差していても良い。具体的には、隅側易折曲部31acが、スリット15acの第2辺部11c側の開口部よりも基端部16acに近い側の中間位置に交差していても良い。言い換えれば、隅側易折曲部31acは、スリット15acの長さ方向の基端部16ac側の中間位置に交差していても良い。
【0053】
同様に、図1に示す隅側易折曲部31bcは、スリット15bcの基端部16bcよりも所定距離第2辺部11c側の中間位置に交差していても良い。同様に、隅側易折曲部31adは、スリット15adの基端部16adよりも所定距離第2辺部11d側の中間位置に交差していても良い。同様に、隅側易折曲部31bdは、スリット15bdの基端部16bdよりも所定距離第2辺部11d側の中間位置に交差していても良い。
【0054】
通気路形成用板材10は、ダンボール紙からなっている。通気路形成用板材10は、ダンボール紙からなる板材に限らず、樹脂材料からなる板材で形成することも可能である。ダンボール紙を用いる場合、平面状に広がる上板紙と、平面状に広がる下板紙と、これらの間に配置される波板紙とを有し、上板紙および下板紙が接着剤によって波板紙に貼り合わされたダンボール紙を用いることができる。あるいは、通気路形成用板材10を、ダンボール紙からなる板材または樹脂材料からなる板材を芯材とし、芯材に、アルミニウム蒸着フィルムおよび不織布の少なくともいずれか一方が貼り合わされた複合板材で形成することも可能である。
【0055】
通気路形成用板材10は、一例として、その長さ(すなわち第1辺部11a,11bの長さ)が900mmに、その幅(すなわち第2辺部11c,11dの長さ)が464mmに、スリット15ac,15bc,15ad,15bdのそれぞれの長さが30mmに、スリット15ac,15adとこれらに近い側の一方の第1辺部11aとの距離が30mmに、スリット15bc,15bdとこれらに近い側の他方の第1辺部11bとの距離が30mmに、隅側易折曲部31acとスリット15acとのなす角、隅側易折曲部31bcとスリット15bcとのなす角、隅側易折曲部31adとスリット15adとのなす角、及び、隅側易折曲部31bdとスリット15bdとのなす角が、それぞれ135度に、形成されている。
【0056】
通気路形成用板材10は、工場で製造され、工場で製造された平板状をなす状態のまま出荷されて施工現場に搬送される。そして、通気路形成用板材10は、施工現場において、側部易折曲部25a,25bが、面28e側に谷を形成するように谷折りされることになり、隅側易折曲部31ac,31bc,31ad,31bdが、面28e側に山を形成するように山折りされて、図6に示すように通気路形成用スペーサ100となる。
【0057】
通気路形成用スペーサ100は、図1に示す側部易折曲部25a,25bの間が、図6に示す平面状の本体部101となる。本体部101は、図1に示す一方の側部易折曲部25aおよびこれと同一直線上に配置されるスリット15ac,15adの辺部20ac,20adが、図6に示す一方の第1端縁部102aとなる。また、本体部101は、図1に示す他方の側部易折曲部25bおよびこれと同一直線上に配置されるスリット15bc,15bdの辺部20bc,20bdが、図6に示す他方の第1端縁部102bとなる。
【0058】
また、本体部101は、図1に示す一方の第2辺部11cのスリット15ac,15bc間の中間辺部17cが、図6に示す一方の第2端縁部17cとなる。また、本体部101は、図1に示す他方の第2辺部11dのスリット15ad,15bd間の中間辺部17dが、図6に示す他方の第2端縁部17dとなる。本体部101は、同方向に延在する一対の同長さの第1端縁部102a,102bと、一対の第1端縁部102a,102bに交差する一対の同長さの第2端縁部17c,17dとを有する。一対の第2端縁部17c,17dは、一対の第1端縁部102a,102bに直交している。
【0059】
通気路形成用スペーサ100は、図1に示す側部易折曲部25aと第1辺部11aとの間の部分であって隅側易折曲部31ac,31ad間の部分が、図6に示す本体部101から立ち上がる起立部111aとなる。また、通気路形成用スペーサ100は、図1に示す側部易折曲部25bと第1辺部11bとの間の部分であって隅側易折曲部31bc,31bd間の部分が、図6に示す本体部101から立ち上がる起立部111bとなる。一方の起立部111aは本体部101の一方の第1端縁部102aから立ち上がり、他方の起立部111bは本体部101の他方の第1端縁部102bから立ち上がる。一方の起立部111aは、第1端縁部102aのうちの側部易折曲部25aが本体部101との境界の基端縁部25aとなり、他方の起立部111bは、第1端縁部102bのうちの側部易折曲部25bが本体部101との境界の基端縁部25bとなる。
【0060】
よって、通気路形成用スペーサ100は、本体部101の一対の第1端縁部102a,102bから立ち上がる一対の起立部111a,111bを有している。起立部111a,111bは、本体部101に対しほぼ垂直に立ち上がる。なお、本体部101の範囲内には、起立部111a,111bとの境界部分を含めて、切欠きや穴、スリット等、本体部101を板厚方向に貫通する部分は形成されていない。
【0061】
通気路形成用スペーサ100は、図1に示す隅側易折曲部31acと端辺部18acとの間の部分が、図6に示すように起立部111aの厚さ方向において本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも本体部101の厚さ方向において起立部111aとは反対方向に突出する折曲突出部121acとなる。隅側易折曲部31acは、起立部111aと折曲突出部121acとの間の折り線31acとなる。折曲突出部121acは、本体部101の厚さ方向において本体部101よりも起立部111aとは反対方向に突出する部分が先端突出部122acとなっている。この先端突出部122acの突出方向先端は端辺部18acである。折曲突出部121acは、起立部111aにおける第2端縁部17cに近い側に設けられている。折曲突出部121acは、折り曲げ前は起立部111aから第1端縁部102aに沿って延出しており、第1端縁部102aに対し傾斜する直線状の折り線31acで折り曲げられることで本体部101よりも起立部111aとは反対方向に突出する。この折り線31acは、起立部111aの基端縁部25aとのなす角が鋭角、具体的には45度となっている。
【0062】
また、通気路形成用スペーサ100は、図1に示す隅側易折曲部31adと端辺部18adとの間の部分が、図6に示すように起立部111aの厚さ方向において本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも本体部101の厚さ方向において起立部111aとは反対方向に突出する折曲突出部121adとなる。隅側易折曲部31adは、起立部111aと折曲突出部121adとの間の折り線31adとなる。折曲突出部121adは、本体部101の厚さ方向において本体部101よりも起立部111aとは反対方向に突出する部分が先端突出部122adとなっている。この先端突出部122adの突出方向先端は端辺部18adである。折曲突出部121adは、起立部111aにおける第2端縁部17dに近い側に設けられている。折曲突出部121adは、折り曲げ前は起立部111aから第1端縁部102aに沿って延出しており、第1端縁部102aに対し傾斜する直線状の折り線31adで折り曲げられることで本体部101よりも起立部111aとは反対方向に突出する。この折り線31adは、起立部111aの基端縁部25aとのなす角が鋭角、具体的には45度となっている。
【0063】
また、通気路形成用スペーサ100は、図1に示す隅側易折曲部31bcと端辺部18bcとの間の部分が、図6に示すように起立部111bの厚さ方向において本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも本体部101の厚さ方向において起立部111bとは反対方向に突出する折曲突出部121bcとなる。隅側易折曲部31bcは、起立部111bと折曲突出部121bcとの間の折り線31bcとなる。折曲突出部121bcは、本体部101の厚さ方向において本体部101よりも起立部111bとは反対方向に突出する部分が先端突出部122bcとなっている。この先端突出部122bcの突出方向先端は端辺部18bcである。折曲突出部121bcは、起立部111bにおける第2端縁部17cに近い側に設けられている。折曲突出部121bcは、折り曲げ前は起立部111bから第1端縁部102bに沿って延出しており、第1端縁部102bに対し傾斜する直線状の折り線31bcで折り曲げられることで本体部101よりも起立部111bとは反対方向に突出する。この折り線31bcは、起立部111bの基端縁部25bとのなす角が鋭角、具体的には45度となっている。
【0064】
また、通気路形成用スペーサ100は、図1に示す隅側易折曲部31bdと端辺部18bdとの間の部分が、図6に示すように起立部111bの厚さ方向において本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも本体部101の厚さ方向において起立部111bとは反対方向に突出する折曲突出部121bdとなる。隅側易折曲部31bdは、起立部111bと折曲突出部121bdとの間の折り線31bdとなる。折曲突出部121bdは、本体部101の厚さ方向において本体部101よりも起立部111bとは反対方向に突出する部分が先端突出部122bdとなっている。この先端突出部122bdの突出方向先端は端辺部18bdである。折曲突出部121bdは、起立部111bにおける第2端縁部17dに近い側に設けられている。折曲突出部121bdは、折り曲げ前は起立部111bから第1端縁部102bに沿って延出しており、第1端縁部102bに対し傾斜する直線状の折り線31bdで折り曲げられることで本体部101よりも起立部111bとは反対方向に突出する。この折り線31bdは、起立部111bの基端縁部25bとのなす角が鋭角、具体的には45度となっている。
【0065】
図1に示すスリット15acを形成していた辺部19acが、図6に示すように先端突出部122acの先端突出部122adとは反対側の端縁部19acとなり、図1に示すスリット15adを形成していた辺部19adが、図6に示すように先端突出部122adの先端突出部122acとは反対側の端縁部19adとなり、図1に示すスリット15bcを形成していた辺部19bcが、図6に示すように先端突出部122bcの先端突出部122bdとは反対側の端縁部19bcとなり、図1に示すスリット15bdを形成していた辺部19bdが、図6に示すように先端突出部122bdの先端突出部122bcとは反対側の端縁部19bdとなる。
【0066】
よって、通気路形成用スペーサ100は、第1端縁部102a,102bの延在方向における一対の起立部111a,111bの両端部から、本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有する。
【0067】
通気路形成用スペーサ100は、折曲突出部121ac,121bcが形成されることで、本体部101に、折曲突出部121ac,121bcよりも第1端縁部102a,102bの延在方向外側に突出する本体突出部125cが形成されることになり、折曲突出部121ad,121bdが形成されることで、本体部101に、折曲突出部121ad,121bdよりも第1端縁部102a,102bの延在方向外側に突出する本体突出部125dが形成されることになる。本体突出部125cは突出方向先端が第2端縁部17cとなっており、本体突出部125dは突出方向先端が第2端縁部17dとなっている。本体部101は、これら本体突出部125c,125dと、これらの間の主体部126とを有している。主体部126は、第1端縁部102a,102bの延在方向において、折曲突出部121ac,121bc,121ad,121bdを含む、これらの内側範囲に設けられている。本体突出部125c,125dは主体部126から反対方向に突出している。
【0068】
図1に示す隅側易折曲部31acとスリット15acとのなす角が135度に形成されているため、図6に示すように、先端突出部122acは、本体部101からほぼ垂直に突出し、その突出方向先端の端辺部18acが本体部101とほぼ平行をなす。同様に、図1に示す隅側易折曲部31bcとスリット15bcとのなす角、隅側易折曲部31adとスリット15adとのなす角、及び、隅側易折曲部31bdとスリット15bdとのなす角が、それぞれ135度に形成されているため、図6に示すように、先端突出部122bcは、本体部101からほぼ垂直に突出して端辺部18bcが本体部101とほぼ平行をなし、先端突出部122adは、本体部101からほぼ垂直に突出して端辺部18adが本体部101とほぼ平行をなし、先端突出部122bdは、本体部101からほぼ垂直に突出して端辺部18bdが本体部101とほぼ平行をなす。
【0069】
なお、図1に示すスリット15ac,15bc,15ad,15bdが同方向に沿うように形成された状態において、隅側易折曲部31acとスリット15acとのなす角、隅側易折曲部31bcとスリット15bcとのなす角、隅側易折曲部31adとスリット15adとのなす角、及び、隅側易折曲部31bdとスリット15bdとのなす角は、鈍角であれば、135度に限らない。これらのなす角を、それぞれ135度よりも大きい例えば150度としたり、135度よりも小さい例えば120度としたりしても、図6に示す先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdは、本体部101から起立部111a,111bとは反対側に突出することになる。
【0070】
通気路形成用スペーサ100は、図7に示す屋根201の平板状の野地板202を支持する平行な垂木203a,203b間に取り付けられる。垂木203a,203bは、いずれも同サイズの角材であり、垂木203aの垂木203b側の側面211aと、垂木203bの垂木203a側の側面211bとが互いに平行をなして対向する。垂木203aの野地板202とは反対側に向く下面212aと、垂木203bの野地板202とは反対側に向く下面212bとは、野地板202と平行な同一平面に配置される。
【0071】
作業者は、通気路形成用スペーサ100を施工する場合、通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203b間に配置する。例えば、垂木203a,203b間に野地板202とは反対側、言い換えれば室内側から通気路形成用スペーサ100を施工する場合、作業者は、通気路形成用スペーサ100を、垂木203a,203b間に野地板202とは反対側、言い換えれば室内側から挿入することになる。その際に、作業者は、折曲突出部121ac,121bc,121ad,121bdの先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdが本体部101から野地板202とは反対側、すなわち室内側に突出する向きで、起立部111a,111bが野地板202に当接するまで挿入する。すると、通気路形成用スペーサ100は、本体部101が野地板202と平行をなし、一方の起立部111aが垂木203aの側面211aに、図6に示す他方の起立部111bが図7に示す垂木203bの側面211bに当接する。また、折曲突出部121ac,121bc,121ad,121bdの先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdが本体部101よりも垂木203a,203bの下面212a,212b側に突出して、折曲突出部121ac,121adが垂木203aの側面211aに、折曲突出部121bc,121bdが垂木203bの側面211bに、それぞれ当接する。
【0072】
ここで、通気路形成用スペーサ100が、野地板202および垂木203a,203bに対し、このような関係になるように、図1に示す通気路形成用板材10は形成されている。すなわち、通気路形成用板材10は、スリット15ac,15adと、スリット15bc,15bdとの間隔が、図7に示す垂木203a,203bの側面211a,211b間の間隔とほぼ同等となるように形成されている。また、図1に示す通気路形成用板材10は、スリット15ac,15adおよび第1辺部11aの距離と、スリット15bc,15bdおよび第1辺部11bの距離とが、図7に示す野地板202と垂木203a,203bの下面212a,212bとの距離、すなわち垂木203a,203bの側面211a,211bの高さよりも短く形成されている。
【0073】
そして、作業者は、上記のように配置された通気路形成用スペーサ100の先端突出部122acに垂木203aとは反対側からタッカーで、図8に示すように針221を打って先端突出部122acを垂木203aの側面211aに押し当てて固定する。同様にして、図7に示す先端突出部122adに垂木203aとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122adを垂木203aの側面211aに押し当てて固定する。同様に、先端突出部122bcに垂木203bとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122bcを垂木203bの側面211bに押し当てて固定し、先端突出部122bdに垂木203bとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122bdを垂木203bの側面211bに押し当てて固定する。
【0074】
これにより、屋根201は、通気路形成用スペーサ100が、一対の起立部111a,111bを一対の垂木203a,203bに沿って配置し、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを本体部101よりも室内側に突出させて、折曲突出部121ac,121adの先端突出部122ac,122adにおいて垂木203aに、折曲突出部121bc,121bdの先端突出部122bc,122bdにおいて垂木203bに、それぞれ取り付けられた屋根裏構造になる。
【0075】
ここで、垂木203a,203bの長さは、通気路形成用スペーサ100よりも長いため、垂木203a,203bの延在方向に沿って通気路形成用スペーサ100が複数連設されることになる。
【0076】
例えば、上記のようにして垂木203a,203bに取り付けられた既設の通気路形成用スペーサ100の第2端縁部17c側に、図9に示すように、次設の通気路形成用スペーサ100を配置する場合、作業者は、次設の通気路形成用スペーサ100を、上記と同様に、折曲突出部121ac,121bc,121ad,121bdの先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdが本体部101から野地板202とは反対側に突出する向きで、垂木203a,203b間に野地板202とは反対側から起立部111a,111bが野地板202に当接するまで挿入する。
【0077】
その際に、図9に示すように、垂木203aの延在方向において、既設の通気路形成用スペーサ100の本体部101の主体部126に、次設の通気路形成用スペーサ100の本体突出部125dを、既設の通気路形成用スペーサ100の本体突出部125cに、次設の通気路形成用スペーサ100の主体部126を、それぞれ重ね合わせる。また、既設の通気路形成用スペーサ100の先端突出部122acの本体突出部125c側の端縁部19acに、次設の通気路形成用スペーサ100の先端突出部122adの本体突出部125d側の端縁部19adを突き当てる。それとともに、既設の通気路形成用スペーサ100の先端突出部122bcの本体突出部125c側の端縁部19bcに、次設の通気路形成用スペーサ100の先端突出部122bdの本体突出部125d側の端縁部19bdを突き当てる。なお、このとき、端縁部19acと端縁部19adとを突き当てなくても良く、同様に、端縁部19bcと端縁部19bdとを突き当てなくても良い。
【0078】
そして、図9に示すように、次設の通気路形成用スペーサ100の先端突出部122adに垂木203aとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122adを垂木203aの側面211aに固定する。それとともに、先端突出部122bdに、垂木203bとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122bdを垂木203bの側面211bに固定し、先端突出部122acに垂木203aとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122acを垂木203aの側面211aに固定し、先端突出部122bcに垂木203bとは反対側からタッカーで針221を打って先端突出部122bcを垂木203bの側面211bに固定する。
【0079】
以上を繰り返すことにより、垂木203a,203b間に適宜の数の通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203bの延在方向に直列に連設し、野地板202の垂木203a,203b間の部分を、このように連設された複数の通気路形成用スペーサ100で覆うことになる。その結果、垂木203a,203bと、これらの間の野地板202と、複数の直列に連設された通気路形成用スペーサ100との間に通気路231が形成されることになる。通気路231は、垂木203a,203bに沿って延在して家屋の軒から棟に向けて通気を行う。よって、通気路形成用スペーサ100は、同方向に延在する一対の垂木203a,203b間に設けられて屋根裏側に通気路231を形成することになる。通気路形成用板材10は、折り曲げられて、同方向に延在する一対の垂木203a,203b間に設けられて屋根裏側に通気路231を形成する通気路形成用スペーサ100となる。
【0080】
なお、屋根側からの輻射熱を反射させるためには、芯材にアルミニウム蒸着フィルムを貼り合わせることで、通気路形成用板材10の面28eをアルミニウム蒸着フィルムで構成し、通気路形成用スペーサ100の本体部101の板厚方向における起立部111a,111b側および起立部111a,111bの板厚方向における本体部101側、すなわち通気路形成用スペーサ100の室外側(屋根側)をアルミニウム蒸着フィルムで構成するのが良い。この場合、通気路形成用板材10の成形上、通気路形成用板材10の面28eの全面をアルミニウム蒸着フィルムで構成するのが好ましい。
【0081】
また、通気路形成用スペーサ100の補強および防水のため芯材に不織布を貼り合わせる場合、通気路形成用板材10の面28fを不織布で構成し、通気路形成用スペーサ100の本体部101の板厚方向における起立部111a,111bとは反対側および起立部111a,111bの板厚方向における本体部101とは反対側、すなわち通気路形成用スペーサ100の室内側を不織布で構成するのが良い。この場合も、通気路形成用板材10の成形上、通気路形成用板材10の面28fの全面を不織布で構成するのが好ましい。
【0082】
以上により、屋根201は、複数の通気路形成用スペーサ100が、それぞれ、一対の起立部111a,111bを一対の垂木203a,203bに沿って配置し、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを本体部101よりも室内側に突出させて、折曲突出部121ac,121adの先端突出部122ac,122adにおいて垂木203aに取り付けられ、折曲突出部121bc,121bdの先端突出部122bc,122bdにおいて垂木203bに取り付けられることになる。その際に、複数の通気路形成用スペーサ100は、隣り合うもの同士が、本体部101,101同士を重ね合わせて垂木203a,203bの延在方向に連設された構造になる。
【0083】
そして、屋根201の必要なすべての部分に、上記のようにして通気路形成用スペーサ100を設置して通気路231を形成する。その後、作業者は、必要なすべての通気路形成用スペーサ100の主に本体部101と垂木203a,203bとに、図10に示すように室内側からウレタン等の発泡性の断熱材241を吹き付け固化させる。ここで、このようにウレタンを吹き付けることから、通気路形成用スペーサ100は、ダンボール紙で形成されるのが好ましい。
【0084】
これにより、屋根201が通気路形成用スペーサ100の主に本体部101および先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdと垂木203a,203bの下面212a,212bおよび側面211a,211bとに室内側から断熱材241が吹き付けられた構造となる。
【0085】
以上に述べたように、本実施形態の通気路形成用スペーサ100は、本体部101の一対の第1端縁部102a,102bから立ち上がる一対の起立部111a,111bの、第1端縁部102a,102bの延在方向における両端部から、本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有する。作業者は、一対の起立部111a,111bを一対の垂木203a,203bに沿って配置し、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを本体部101よりも室内側に突出させた状態で、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdにおいて通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203bに取り付けることになる。その際に、通気路形成用スペーサ100は、垂木203a,203bの延在方向において、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdが通気路形成用スペーサ100の端部近傍に配置されることになる。
【0086】
よって、通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203bの延在方向に複数連設する際に、既設のものの折曲突出部121ac,121bcあるいは折曲突出部121ad,121bdの近傍に次設のものの折曲突出部121ad,121bdあるいは折曲突出部121ac,121bcが位置することになり、既設のものに対する位置を合わせての次設のものの垂木203a,203bへの取り付けが容易となる。よって、通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203bの延在方向に複数連設して垂木203a,203bに取り付ける際の施工性を向上させることが可能となる。
【0087】
また、本体部101から立ち上がる一対の起立部111a,111bの両端部から本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有するため、一枚の通気路形成用板材10を折り曲げて容易に通気路形成用スペーサ100を製造することができる。
【0088】
また、本体部101から立ち上がる一対の起立部111a,111bの両端部から本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有するため、垂木203a,203bに取り付けられる折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを形成しても、本体部101の範囲内に起立部111a,111bとの境界部分を含めて、切欠きや穴、スリット等、本体部101を板厚方向に貫通する部分を形成する必要がない。通気路形成用スペーサ100に、このような貫通部分が形成されていないため、室内側から断熱材241を吹き付けても断熱材241が通気路231側に入り込むことを抑制することができる。
【0089】
また、折曲突出部121ac,121adは、折り曲げ前は起立部111aの両端部から第1端縁部102aに沿って延出しており、起立部111aの基端縁部25aに対し鋭角をなす折り線31ac,31adで折り曲げられることになり、折曲突出部121bc,121bdは、折り曲げ前は起立部111bの両端部から第1端縁部102bに沿って延出しており、起立部111bの基端縁部25bに対し鋭角をなす折り線31bc,31bdで折り曲げられることになる。このため、本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを容易に形成することができる。
【0090】
また、本体部101が折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdよりも第1端縁部102a,102bの延在方向外側に突出する本体突出部125c,125dを有することで、垂木203a,203bの延在方向に通気路形成用スペーサ100を複数連設する際に、隣り合うもの同士の本体部101,101を重ね合わせることができる。よって、通気路231の室内側への連通を抑制することができる。
【0091】
また、通気路形成用スペーサ100は、複数が連設される際に、このように、一方の通気路形成用スペーサ100の本体部101と他方の通気路形成用スペーサ100の本体部101とを重ね合わせるため、本体部101の範囲のうち、起立部111a,111bとの境界部分を含む主体部126の範囲内に、切欠きや穴、スリット等、本体部101を板厚方向に貫通する部分が形成されていないことと合わせて、室内側から断熱材241を吹き付けても断熱材241が通気路231側に入り込むことを抑制することができる。
【0092】
このような通気路形成用スペーサ100を用いた屋根裏構造は、通気路形成用スペーサ100が、一対の起立部111a,111bを一対の垂木203a,203bに沿って配置し、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを本体部101よりも室内側に突出させて、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdにおいて垂木203a,203bに取り付けられている。よって、通気路形成用スペーサ100を垂木203a,203bの延在方向に複数連設して垂木203a,203bに取り付ける際の施工性を向上させることが可能となる。
【0093】
また、通気路形成用スペーサ100を用いた屋根裏構造は、通気路形成用スペーサ100が、一対の起立部111a,111bを一対の垂木203a,203bに沿って配置し、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを本体部101よりも室内側に突出させて、折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdにおいて垂木203a,203bに取り付けられ、しかも、本体部101,101同士を重ね合わせて垂木203a,203bの延在方向に複数連設されているため、通気路231の室内側への連通を抑制することができる。
【0094】
また、本体部101の室内側に断熱材241が吹き付けられることになるが、通気路形成用スペーサ100が、本体部101から立ち上がる一対の起立部111a,111bの両端部から本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有するため、垂木203a,203bに取り付けられる折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを形成しても、本体部101の範囲内に起立部111a,111bとの境界部分を含んで、切欠きや穴、スリット等、本体部101を板厚方向に貫通する部分を形成する必要がなく、室内側から断熱材241を吹き付けても断熱材241が通気路231側に入り込むことを抑制することができる。
【0095】
通気路形成用板材10は、一方の第1辺部11aに近い両側のスリット15ac,15adを結んで延在する折り曲げ容易な一側の側部易折曲部25aと、他方の第1辺部11bに近い両側のスリット15bc,15bdを結んで延在する折り曲げ容易な他側の側部易折曲部25bと、各スリット15ac,15bc,15ad,15bdから、第1辺部11a,11bのうちのそれぞれ近い側に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部31ac,31bc,31ad,31bdとを有する。このため、一方の第1辺部11aに近い折り曲げ容易な一側の側部易折曲部25aを谷折りし、他方の第1辺部11bに近い折り曲げ容易な他側の側部易折曲部25bを谷折りし、各スリット15ac,15bc,15ad,15bdから鈍角をなしてそれぞれ第1辺部11a,11bのうち近い側の第1辺部に延びる折り曲げ容易な隅側易折曲部31ac,31bc,31ad,31bdを山折りすると、本体部101から立ち上がる一対の起立部111a,111bの両端部から本体部101とは反対側に折り曲げられて本体部101よりも起立部111a,111bとは反対方向に突出する折曲突出部121ac,121ad,121bc,121bdを有する通気路形成用スペーサ100となる。よって、容易に通気路形成用スペーサ100を形成することができる。
【0096】
また、通気路形成用板材10は、一側の側部易折曲部25aおよび他側の側部易折曲部25bは谷折り容易であり、各隅側折曲部は山折り容易31ac,31bc,31ad,31bdであるため、側部易折曲部25a,25bの谷折りが容易となり、各隅側易折曲部31ac,31bc,31ad,31bdの山折りが容易となる。よって、さらに容易に通気路形成用スペーサ100を形成することができる。
【0097】
以上の実施形態においては、既設の通気路形成用スペーサ100の本体部101の主体部126に、次設の通気路形成用スペーサ100の例えば本体突出部125dを、既設の通気路形成用スペーサ100の例えば本体突出部125cに、次設の通気路形成用スペーサ100の主体部126を、それぞれ重ね合わせる場合を例にとり説明した。しかし、これに限らない。既設の通気路形成用スペーサ100の例えば本体突出部125cに、次設の通気路形成用スペーサ100の例えば本体突出部125dを重ね合わせても良い。また、既設の通気路形成用スペーサ100の本体部101と次設の通気路形成用スペーサ100の本体部101とを重ね合わせなくても良い。
【0098】
また、以上の実施形態においては、通気路形成用スペーサ100の先端突出部122ac,122adをそれぞれ垂木203aに針221で固定するととともに、先端突出部122bc,122bdをそれぞれ垂木203bに針221で固定する場合を例にとり説明した。しかし、これに限らない。先設の通気路形成用スペーサ100の次設の通気路形成用スペーサ100とは反対側の例えば先端突出部122ad,122bdを垂木203a,203bに針221で固定する一方で先設の通気路形成用スペーサ100の次設の通気路形成用スペーサ100側の例えば先端突出部122ac,122bcを垂木203a,203bに針221で固定せず、先設の通気路形成用スペーサ100の本体部101の下側に次設の通気路形成用スペーサ100の本体部101を重ねつつ、次設の通気路形成用スペーサ100の先設の通気路形成用スペーサ100側の例えば先端突出部122ad,122bdを垂木203a,203bに針221で固定する。これにより、先設の通気路形成用スペーサ100の本体部101の次設の通気路形成用スペーサ100側を、次設の通気路形成用スペーサ100の本体部101の先設の通気路形成用スペーサ100側で支持することができる。
【0099】
また、以上の実施形態においては、室内側から通気路形成用スペーサ100を施工する場合を例にとり説明したが、例えば、野地板202の施工前に室外側から施工することも勿論可能である。このような場合、通気路形成用スペーサ100を、起立部111a,111bが本体部101から室内側に突出し、先端突出部122ac,122bc,122ad,122bdが本体部101から室外側に突出する向きで施工する。
【符号の説明】
【0100】
10 通気路形成用板材
11a,11b 第1辺部
11c,11d 第2辺部
15ac,15bc,15ad,15bd スリット
25a,25b 側部易折曲部
31ac,31bc,31ad,31bd 隅側易折曲部
100 通気路形成用スペーサ
101 本体部
102a,102b 第1端縁部
17c,17d 第2端縁部
111a,111b 起立部
121ac,121ad,121bc,121bd 折曲突出部
125c,125d 本体突出部
203a,203b 垂木
231 通気路
241 断熱材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10