(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】体外循環用カセット
(51)【国際特許分類】
A61M 1/16 20060101AFI20220325BHJP
A61M 1/36 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A61M1/16 155
A61M1/36 103
(21)【出願番号】P 2018500045
(86)(22)【出願日】2017-02-06
(86)【国際出願番号】 JP2017004170
(87)【国際公開番号】W WO2017141747
(87)【国際公開日】2017-08-24
【審査請求日】2019-11-20
(31)【優先権主張番号】P 2016028737
(32)【優先日】2016-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】JP
(73)【特許権者】
【識別番号】000226242
【氏名又は名称】日機装株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100112427
【氏名又は名称】藤本 芳洋
(72)【発明者】
【氏名】二村 寛
(72)【発明者】
【氏名】増田 吉通
(72)【発明者】
【氏名】藤原 真人
【審査官】小林 睦
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-022226(JP,A)
【文献】特表2014-516255(JP,A)
【文献】特表2008-539849(JP,A)
【文献】特開平06-292722(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 1/16
A61M 1/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置のカセットスロット内に挿入して使用するための体外循環用カセットであって、
可撓性チューブで構成され、
前記カセットスロット内に挿入される血液チューブアクセス部を有する血液回路と、
前記血液回路を両側から挟んだ状態で一体化する剛性を有する第1パネル及び第2パネルと、
前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方で
前記カセットスロット内に挿入される部分に形成された窓部とを備え、
前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される空間に収納されている前記血液回路の前記血液チューブアクセス部を前記窓部に位置させ
、
前記体外循環用カセットの前記カセットスロットに挿入されない部分において、前記血液回路の前記血液チューブアクセス部以外の部分の一部は、前記体外循環用カセットが前記カセットスロットに挿入されたとき、前記カセットスロットから露出する部分であることを特徴とする体外循環用カセット。
【請求項2】
前記血液回路の前記血液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部は、前記第1パネル及び前記第2パネル
を一体化させることにより形成された空間に
収容される請求項1記載の体外循環用カセット。
【請求項3】
可撓性のチューブで構成され、
前記カセットスロット内に挿入される透析液チューブアクセス部を有する透析液回路を更に備え、
前記透析液回路は、前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される前記空間に収納され、
前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部を前記窓部に位置させる
請求項1または2記載の体外循環用カセット。
【請求項4】
前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部は、前記第1パネル及び前記第2パネル
を一体化させることにより形成された空間に
収容される請求項3記載の体外循環用カセット。
【請求項5】
前記窓部は、開口部を有し該開口部において前記血液回路の前記血液チューブアクセス部及び前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部が露出している
請求項3または4記載の体外循環用カセット。
【請求項6】
前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方に設けられた、前記血液チューブアクセス部の両端及び前記透析液チューブアクセス部の両端に接続されたコネクタを嵌合させる狭小部を備える
請求項3~5の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項7】
前記透析液チューブアクセス部は、
前記装置内に配置される透析液の流量を制御する透析液流量制御部、血液の検出を行う血液検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、前記透析液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、透析液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定位置にセットされる
請求項3~6の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項8】
前記血液チューブアクセス部は、
前記装置内に配置される血液の流量を制御する血液流量制御部、気泡の検出を行う気泡検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、血液の検出を行う血液検出器、前記血液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、血液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定位置にセットされる請求項1~
7の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項9】
一体化した前記第1パネル及び前記第2パネル
は、一方の側部形状
が他方の側部形状
と非対称である請求項1~
8の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項10】
一体化した前記第1パネル及び前記第2パネル
は、一方の側部の厚さ
が他方の側部の厚さ
と異なる請求項1~
8の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項11】
一体化した前記第1パネル及び前記第2パネルは、
前記カセットスロットに前記体外循環用カセットを挿入するとき、前記カセットスロット内に設けられたレールに嵌合するガイドを有する請求項1~
8の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項12】
前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方の前記
カセットスロット内に挿入する部分には、
前記カセットスロット内に設けられたカセットスロット側嵌合部と嵌合するカセット側嵌合部が形成されている請求項1~
8の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項13】
前記第1パネル及び前記第2パネルは、1つのパネルを折り曲げて形成されている請求項1~
12の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項14】
更に血液浄化手段を備える請求項1~
13の何れか一項に記載の体外循環用カセット。
【請求項15】
前記血液浄化手段と前記第1パネル及び前記第2パネルとの間には、空間が形成されている請求項
14記載の体外循環用カセット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、血液浄化療法に使用される体外循環用カセットに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、採取した患者の血液を体外循環させ浄化して治療を行う血液浄化装置として、血液透析装置、血液濾過装置などが存在する。これらの血液浄化装置においては、患者の治療を行う毎に新しい血液回路、透析液回路や血液浄化手段を血液浄化装置に装着する必要があり、装着のための作業が煩雑となることから、血液回路や透析液回路等を一体化させて血液浄化装置に装着することにより作業の効率化を図っている。
【0003】
ここで血液回路や透析液回路等を一体化させる方式としては、パネルに血液回路を構成するチューブ等を貼り付け、チューブを貼り付けたパネルを血液浄化装置の筐体に装着する方式や、血液回路を構成する流路等をカセット内に一体成型する方式(特許文献1参照)が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、パネルに血液回路を構成するチューブ等を貼り付ける方式を採取した場合、パネルにチューブを貼り付けることによりチューブの位置決めは可能となるが、パネルの周囲にチューブが露出しているため血液浄化装置に装着する際にチューブが邪魔になり操作性が悪いという問題がある。また血液回路を構成する流路等をカセット内に一体成型する方式を採用した場合には、カセットの構造が複雑になり体外循環用カセット自体のコストが高くなるという問題がある。
【0006】
本発明の目的は、着脱操作性に優れ安価な体外循環用カセットを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1)可撓性チューブで構成され、装置の所定の位置にセットされる血液チューブアクセス部を有する血液回路と、前記血液回路を両側から挟んだ状態で一体化する剛性を有する第1パネル及び第2パネルと、前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方で装置の所定の位置に配置される部分に形成された窓部とを備え、前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される空間に収納されている前記血液回路の前記血液チューブアクセス部を前記窓部に位置させる体外循環用カセット。
【0008】
(2)前記装置の所定の位置に配置される部分は、前記装置に挿入される部分である(1)記載の体外循環用カセット。
【0009】
(3)前記血液回路の前記血液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部は、前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される空間に位置する(1)または(2)記載の体外循環用カセット。
【0010】
(4)可撓性のチューブで構成され、装置の所定の位置にセットされる透析液チューブアクセス部を有する透析液回路を更に備え、前記透析液回路は、前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される前記空間に収納され、前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部を前記窓部に位置させる(1)~(3)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0011】
(5)前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部は、前記第1パネル及び前記第2パネルにより形成される空間に位置する(4)記載の体外循環用カセット。
【0012】
(6)前記窓部は、開口部を有し該開口部において前記血液回路の前記血液チューブアクセス部及び前記透析液回路の前記透析液チューブアクセス部が露出している(4)または(5)記載の体外循環用カセット。
【0013】
(7)前記血液チューブアクセス部は、血液の流量を制御する血液流量制御部、気泡の検出を行う気泡検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、血液の検出を行う血液検出器、前記血液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、血液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定位置にセットされる(1)~(6)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0014】
(8)前記透析液チューブアクセス部は、透析液の流量を制御する透析液流量制御部、血液の検出を行う血液検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、前記透析液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、透析液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定位置にセットされる(4)~(6)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0015】
(9)一体化した前記第1パネル及び前記第2パネルの一方の側部形状と他方の側部形状が非対称である(1)~(8)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0016】
(10)一体化した前記第1パネル及び前記第2パネルの一方の側部の厚さと他方の側部の厚さが異なる(1)~(8)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0017】
(11)一体化した前記第1パネル及び前記第2パネルの一方の側部及び他方の側部は、前記装置に形成されたカセットスロット内に設けられたレールに嵌合するガイドを有する(1)~(8)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0018】
(12)前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方の前記装置に挿入する部分には、前記装置に形成されたカセットスロット内に設けられたカセットスロット側嵌合部と嵌合するカセット側嵌合部が形成されている(1)~(8)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0019】
(13)前記第1パネル及び前記第2パネルは、1つのパネルを折り曲げて形成されている(1)~(12)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0020】
(14)更に血液浄化手段を備える(1)~(13)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【0021】
(15)前記血液浄化手段と前記第1パネル及び前記第2パネルとの間には、空間が形成されている(14)記載の体外循環用カセット。
【0022】
(16)前記第1パネル及び前記第2パネルの少なくとも一方に設けられた、前記血液チューブアクセス部の両端及び前記透析液チューブアクセス部の両端に接続されたコネクタを嵌合させる狭小部を備える(1)~(15)の何れかに記載の体外循環用カセット。
【発明の効果】
【0023】
(1)記載の体外循環用カセットによれば、可撓性チューブにより構成される血液回路を剛性を有する第1パネル及び第2パネルにより形成される空間に収納し、血液回路の血液チューブアクセス部を第1パネル及び第2パネルの窓部に位置させるため、装置の所定の位置への配置を容易に行うことができ、血液チューブアクセス部の位置決めも正確に行うことができる。また、第1パネル及び第2パネルにより形成された空間に血液回路を収納する構造であるため、体外循環用カセットを安価に製造することができる。
【0024】
(2)記載の体外循環用カセットによれば、可撓性チューブにより構成される血液回路を剛性を有する第1パネル及び第2パネルにより形成される空間に収納し、血液回路の血液チューブアクセス部を第1パネル及び第2パネルの窓部に位置させるため、装置への挿入を容易に行うことができ、血液チューブアクセス部の位置決めも正確に行うことができる。
【0025】
(3)記載の体外循環用カセットによれば、血液回路の血液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部を第1パネル及び第2パネルにより形成された空間に位置させるため、装置の所定の位置に配置する際にチューブが邪魔にならず容易に挿入することができる。
【0026】
(4)記載の体外循環用カセットによれば、可撓性チューブにより構成される透析液回路を第1パネル及び第2パネルにより形成される空間に収納し、透析液回路の透析液チューブアクセス部を第1パネル及び第2パネルの窓部に位置させるため、装置の所定の位置に配置する際にチューブが邪魔にならず容易に挿入することができる。
【0027】
(5)記載の体外循環用カセットによれば、透析液回路の透析液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部を第1パネル及び第2パネルにより形成された空間に位置させるため、装置の所定の位置に配置する際にチューブが邪魔にならず容易に挿入することができ、透析液チューブアクセス部の位置決めも正確に行うことができる。
【0028】
(6)記載の体外循環用カセットによれば、開口部において血液回路の血液チューブアクセス部及び透析液回路の透析液チューブアクセス部が露出しているため、血液チューブアクセス部及び透析液チューブアクセス部を所定の位置にセットすることができる。
【0029】
(7)記載の体外循環用カセットによれば、血液の流量を制御する血液流量制御部、気泡の検出を行う気泡検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、血液の検出を行う血液検出器、前記血液チューブアクセス部を閉塞させるクランプ手段、血液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定の位置に血液チューブアクセス部を正確にセットすることができる。
【0030】
(8)記載の体外循環用カセットによれば、透析液の流量を制御する透析液流量制御部、血液の検出を行う血液検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、前記透析液チューブアクセス部を閉塞させるクランプ手段、透析液の流量を検出する流量検出器の何れかの所定の位置に透析液チューブアクセス部を正確にセットすることができる。
【0031】
(9)記載の体外循環用カセットによれば、一体化した第1パネル及び第2パネルの一方の側部形状と他方の側部形状が非対称であるため、装置のカセットスロットに体外循環用カセットを装着する際に、体外循環用カセットの向きを間違えて挿入するのを防止することができる。
【0032】
(10)記載の体外循環用カセットによれば、一体化した第1パネル及び第2パネルの一方の側部の厚さと他方の側部の厚さが異なるため、装置のカセットスロットに体外循環用カセットを装着する際に、体外循環用カセットの向きを間違えて挿入するのを防止することができる。
【0033】
(11)記載の体外循環用カセットによれば、体外循環用カセットをカセットスロットに挿入する際の操作性を向上させることができる。
【0034】
(12)記載の体外循環用カセットによれば、体外循環用カセットのカセットスロットへの挿入が完了したことを感知でき操作性を向上させることができる。
【0035】
(13)記載の体外循環用カセットによれば、第1パネル及び第2パネルを1つのパネルを折り曲げて形成するため、製造コストの削減を図ることができる。
【0036】
(14)記載の体外循環用カセットによれば、血液回路や透析液回路だけでなく、血液浄化手段も同時に装置に着脱することができ着脱操作性を更に向上させることができる。
【0037】
(15)記載の体外循環用カセットによれば、血液浄化手段と第1パネル及び第2パネルとの間には空間が形成されているため、血液浄化手段を手で持ち体外循環用カセットを装置に着脱することができる。
【0038】
(16)記載の体外循環用カセットによれば、血液チューブアクセス部の両端及び透析液チューブアクセス部の両端に接続されたコネクタを狭小部に固定することができ、体外循環用カセットの組み立ての作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【
図1】実施の形態に係る血液浄化装置及び体外循環用カセットの斜視図である。
【
図2】実施の形態に係る体外循環用カセットを構成するパネル(一体化前)の斜視図である。
【
図3】実施の形態に係る体外循環用カセットの正面図である。
【
図4】実施の形態に係る体外循環用カセットに収納されている血液回路、透析液回路を示す図である。
【
図5】実施の形態に係る血液浄化装置に体外循環用カセットを装着した状態を示す斜視図である。
【
図6】実施の形態に係る体外循環用カセットの正面図である。
【
図7】実施の形態に係る体外循環用カセットを血液浄化装置の所定位置に配置する状態を示す図である。
【
図8】実施の形態に係る体外循環用カセットの正面図である。
【
図9】実施の形態に係る体外循環用カセットをカセットスロットに挿入した状態を示す図である。
【
図10】実施の形態に係る体外循環用カセットの正面図である。
【
図11】実施の形態に係る体外循環用カセットの凹部にカセットスロット内に形成されている突起部が嵌合した状態を示す図である。
【
図12】実施の形態に係る体外循環用カセットに形成された嵌合部及びコネクタを示す図である。
【
図13】実施の形態に係る体外循環用カセットの嵌合部に形成された狭小部を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して、実施の形態に係る血液浄化装置に着脱可能に装着される体外循環用カセットについて説明する。
図1は血液浄化装置及び体外循環用カセットを示す斜視図である。
図1に示すように血液浄化装置1の前面には、体外循環用カセット2を挿入することにより装着するカセットスロット1aが設けられている。
【0041】
体外循環用カセット2は、剛性を有する第1パネル4及び第2パネル6を備えている。
図2に示すように第1パネル4は、血液浄化装置1により、後述する血液チューブアクセス部10a,10b,10cや透析液チューブアクセス部12a,12bの外から内部のセンシングやチューブ内の液体の流量制御等を行う際に血液チューブアクセス部10a,10b,10cや透析液チューブアクセス部12a,12bが所定の位置にセットされる窓部として用いられる開口部4aを有する平面視矩形状のチューブ収納部4bを備えている。ここで開口部4aは、チューブ収納部4bの略中央部に形成されており体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに装着した際に、カセットスロット1a内に挿入される。
【0042】
チューブ収納部4bは一方の端部(
図2における右端部)の一方の側部(
図2における上部)及び他方の側部(
図2における下部)に延設され、ダイアライザー(血液浄化手段)8を保持する2つの保持部4cを有する。またチューブ収納部4bは他方の端部(
図2における左端部)の一方の側部及び他方の側部に第2パネル6と一体化する際に用いられる嵌合凹部4dを有すると共に、2つの保持部4cのそれぞれの端部に第2パネル6と一体化する際に用いられる嵌合凹部4eを有する。
【0043】
第2パネル6は、
図2に示すように第1パネル4に対応する形状を有している。即ち血液浄化装置1により血液チューブアクセス部10a,10b,10cや透析液チューブアクセス部12a,12bの外から内部のセンシングやチューブ内の液体の流量制御等を行う際に血液チューブアクセス部10a,10b,10cや透析液チューブアクセス部12a,12bが所定の位置にセットされる窓部として用いられる開口部6aを有する平面視矩形状のチューブ収納部6bを備えている。ここで開口部6aは、チューブ収納部6bの略中央部の開口部4aに対応する位置に形成されており、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに装着した際に、カセットスロット1a内に挿入される。
【0044】
チューブ収納部6bは一方の端部(
図2における右端部)の一方の側部(
図2における上部)及び他方の側部(
図2における下部)に延設されダイアライザー8を保持する2つの保持部6cを有する。またチューブ収納部6bは他方の端部(
図2における左端部)の一方の側部及び他方の側部に第1パネル4と一体化する際に用いられる嵌合凸部6dを有すると共に、2つの保持部6cのそれぞれの端部に第1パネル4と一体化する際に用いられる嵌合凸部6eを有する。
【0045】
図3に示すように、第1パネル4及び第2パネル6は、可撓性のチューブにより構成される血液回路10及び可撓性のチューブにより構成される透析液回路12を第1パネル4のチューブ収納部4bと第2パネル6のチューブ収納部6bにより挟み、血液回路10及び透析液回路12をチューブ収納部4bとチューブ収納部6bとの間に形成される空間に収納する。またダイアライザー8を保持部4c及び保持部6cで保持する。そして第1パネル4及び第2パネル6は、第1パネル4のチューブ収納部4bに形成されている嵌合凹部4d及び保持部4cに形成されている嵌合凹部4eを、第2パネル6のチューブ収納部6bに形成されている嵌合凸部6d及び保持部6cに形成されている嵌合凸部6eに嵌合することにより一体化される。
【0046】
ここで保持部4c及び保持部6cは、それぞれチューブ収納部4b及びチューブ収納部6bの一方の端部から延設されている。従って第1パネル4及び第2パネル6を一体化させ、保持部4c及び保持部6cによりダイアライザー8を保持した場合に、ダイアライザー8とチューブ収納部4b及びチューブ収納部6bの一方の端部との間に所定の空間20が形成される。
【0047】
また第1パネル4のチューブ収納部4bの一方の側部に延設されている保持部4c及び第2パネル6のチューブ収納部6bの一方の側部に延設されている保持部6cは、チューブ収納部4b及びチューブ収納部6bの一方の側部よりも外側に位置するように設けられている。従って一体化した第1パネル4及び第2パネル6は、それぞれ一方の側部形状(一体化した第1パネル4及び第2パネル6の
図2における上側部の形状)と他方の側部形状(一体化した第1パネル4及び第2パネル6の
図2における下側部の形状)が非対称となる形状を有している。
【0048】
図4に示すように血液回路10は、途中にダイアライザー8が接続されると共に、血液浄化装置1により、例えば気泡の検出を行う気泡検出器(図示せず)や圧力の検出を行う圧力検出器(図示せず)等の所定の位置にセットされる血液チューブアクセス部10a,10b,10cを有している。血液回路10は、血液チューブアクセス部10a,10b,10cを開口部4a,6aにより形成される窓部に位置させ、血液チューブアクセス部10a,10b,10cを露出させた状態でチューブ収納部4bとチューブ収納部6bにより形成される空間内に収納されている。
【0049】
ここで血液チューブアクセス部10a,10bはそれぞれ、気泡の検出を行う気泡検出器及び圧力の検出を行う圧力検出器により、気泡の検出や圧力の検出を直接行うことができる所定の位置にセットされる。また血液チューブアクセス部10cは、血液回路10内の血液の流量を制御する流量制御部としての血液ポンプ(図示せず)により、血液の流量の制御を直接行うことができる所定の位置にセットされる。
【0050】
血液回路10の血液チューブアクセス部10a,10b,10c以外の部分は、チューブ収納部4bの開口部4a及びチューブ収納部6bの開口部6a以外の部分、即ち開口部4a,6aの周囲においてチューブ収納部4bとチューブ収納部6bにより形成される空間内に収容されている。
【0051】
なお、血液浄化装置1のカセットスロット1aに体外循環用カセット2を装着した際に、体外循環用カセット2のカセットスロット1aに挿入されない部分においては、血液回路10の血液チューブアクセス部10a,10b,10c以外の部分の一部が体外循環用カセット2から露出している。また血液回路10の血液チューブアクセス部10a,10b,10c以外の部分の一部が、開口部4a及び開口部6aにより形成される空間に露出していてもよい。
【0052】
また透析液回路12は、途中に血液浄化装置1により、例えば透析液ポンプ(図示せず)の所定の位置にセットされる透析液チューブアクセス部12a,12bを有している。透析液回路12は、透析液チューブアクセス部12a,12bを開口部4a,6aにより形成される窓部に位置させ、透析液チューブアクセス部12a,12bを露出させた状態でチューブ収納部4bとチューブ収納部6bにより形成される空間内に収納されている。
【0053】
ここで透析液チューブアクセス部12a,12bはそれぞれ、透析液回路12内の透析液の流量を制御する流量制御部としての透析液ポンプにより透析液の流量を直接制御することができる所定の位置にセットされる。透析液回路12の透析液チューブアクセス部12a,12b以外の部分は、チューブ収納部4bの開口部4a及びチューブ収納部6bの開口部6a以外の部分、即ち開口部4a,6aの周囲においてチューブ収納部4bとチューブ収納部6bにより形成される空間内に収容されている。
【0054】
なお、血液浄化装置1のカセットスロット1aに体外循環用カセット2を装着した際に、体外循環用カセット2のカセットスロット1aに挿入されない部分においては、透析液回路12の透析液チューブアクセス部12a,12b以外の部分の一部が体外循環用カセット2から露出している。また透析液回路12の透析液チューブアクセス部12a,12b以外の部分の一部が、開口部4a及び開口部6aにより形成される空間に露出していてもよい。
【0055】
なお、血液ポンプには、血液チューブアクセス部10cをフィンガーによりしごくフィンガーポンプ等が用いられる。また透析液ポンプには、透析液チューブアクセス部12a,12bをフィンガーによりしごくフィンガーポンプ等が用いられる。
【0056】
図5は、血液浄化装置に体外循環用カセットを装着した状態を示す斜視図である。体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入し装着すると、血液浄化装置1内において血液チューブアクセス部10a,10b,10c、透析液チューブアクセス部12a,12bが所定の位置にセットされる。即ち、血液チューブアクセス部10a,10bは、それぞれ気泡検出器及び圧力検出器により検出可能な位置にセットされ、血液チューブアクセス部10cは、血液ポンプにより血液流量の制御が可能な位置にセットされる。また、透析液チューブアクセス部12a,12bは、それぞれ透析液ポンプにより透析液の流量制御が可能な位置にセットされる。
【0057】
従って、この実施の形態に係る体外循環用カセット2によれば、可撓性チューブにより構成される血液回路10及び透析液回路12を剛性を有する第1パネル4及び第2パネル6により形成される空間に収納し、血液回路10の血液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部及び透析液回路12の透析液チューブアクセス部以外の部分の少なくとも一部を窓部以外の位置に位置させるため、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aへ挿入する際にチューブが邪魔にならず容易に挿入することができる。
【0058】
また血液回路10の血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液回路12の透析液チューブアクセス部12a、12bを第1パネル4及び第2パネル6の窓部に位置させているため、血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a、12bの所定位置へのセットも正確に行うことができる。更に第1パネル4及び第2パネル6を一体化させることにより形成された空間に血液回路10及び透析液回路12を収納する構造であるため、体外循環用カセット2を安価に製造することができる。
【0059】
またこの実施の形態に係る体外循環用カセット2によれば、一体化した第1パネル4及び第2パネル6の一方の側部形状と他方の側部形状が非対称であるため、血液浄化装置1のカセットスロット1aに体外循環用カセット2を装着する際に、体外循環用カセット2の向きを間違えて挿入するのを防止することができる。
【0060】
またこの実施の形態に係る体外循環用カセットによれば、ダイアライザー8と第1パネル4及び第2パネル6との間には空間20が形成されているため、ダイアライザー8を手で持って体外循環用カセット2を血液浄化装置1に着脱することができる。
【0061】
なお上述の実施の形態においては、2枚のパネルである第1パネル4及び第2パネル6を一体化させることにより形成された空間に血液回路10及び透析液回路12を収納しているが、1つのパネルを折り曲げて血液回路10及び透析液回路12を収納する第1パネル及び第2パネルを形成してもよい。このような構成にすることで更に製造コストの削減を図ることができる。
【0062】
また上述の実施の形態においては、第1パネル4及び第2パネル6により形成された空間に血液回路路10と透析液回路12とを収納しているが、血液回路10のみを収納するようにしてもよい。
【0063】
また上述の実施の形態においては、第1パネル4及び第2パネル6に窓部である開口部を設けているが、これに限らず窓部の全体が第1パネル4及び第2パネル6と同一の材料で第1パネル4及び第2パネル6と一体に形成された薄いシート状の部位で覆われるようにしてもよい。即ち血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bのそれぞれの間が第1パネル4及び第2パネル6と同一の材料のシート状の部位で接続されるようにしてもよい。この場合には血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bを、窓部を覆うシート状の部位と一体に形成してもよい。
【0064】
また上述の実施の形態においては、血液透析用のダイアライザー(血液浄化手段)8を有する体外循環用カセット2について説明したが、ダイアライザー8を有さない体外循環用カセットであってもよい。またダイアライザー8に代えて他の血液浄化手段を備えてもよい。
【0065】
また上述の実施の形態に係る体外循環用カセット2において、一体化した第1パネル4及び第2パネル6の一方の側部の厚さと他方の側部の厚さ、即ち体外循環用カセット2の
図2における上部である一方の端部の厚さ(
図2における第1パネル4の上部の外壁から第2パネル6の上部の外壁までの厚さ)と下部である他方の端部の厚さ(
図2における第1パネル4の下部の外壁から第2パネル6の下部の外壁までの厚さ)を異ならせるようにしてもよい。このような構成にすることで、血液浄化装置1のカセットスロット1aに体外循環用カセット2を装着する際に、体外循環用カセット2の向きを間違えて挿入するのを防止することができる。
【0066】
また上述の実施の形態においては、体外循環用カセット2の第1パネル4及び第2パネル6のそれぞれ対応する部分に、開口部4a,6aにより構成される窓部を形成しているが、体外循環用カセット2の第1パネル4または第2パネル6のいずれか一方に開口部により構成される窓部を形成するようにしてもよい。
【0067】
また上述の実施の形態においては、第1パネル4及び第2パネル6は、チューブ収納部4b及びチューブ収納部6bの略中央に窓部を有しているが、窓部の位置は、チューブ収納部4b及びチューブ収納部6bの中央部に限らず、第1パネル4及び第2パネル6の周縁部に設けてもよい。
【0068】
また上述の実施の形態においては、血液チューブアクセス部10a,10bは、気泡検出器及び圧力検出器の所定の位置にセットされているが、これに限らず血液の流量を制御する血液流量制御部(血液ポンプ)、血液の検出を行う血液検出器、血液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、血液の流量を検出する流量検出器等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。即ち血液チューブアクセス部10a,10bが血液流量制御部(血液ポンプ)により血液の流量を制御可能な位置、クランプ手段によりクランプ可能な位置、血液検出器や流量検出器によりセンシング可能な位置等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。
【0069】
また血液チューブアクセス部10cは、血液流量制御部(血液ポンプ)の所定の位置にセットされているが、これに限らず血液の検出を行う血液検出器、血液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、血液の流量を検出する流量検出器、気泡検出器、圧力検出器等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。即ち血液チューブアクセス部10cが血液検出器、流量検出器、気泡検出器、圧力検出器によりセンシング可能な位置、クランプ手段によりクランプ可能な位置等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。
【0070】
また透析液チューブアクセス部12a,12bはそれぞれ、透析液流量制御部(透析液ポンプ)の所定の位置にセットされているが、血液の検出を行う血液検出器、圧力の検出を行う圧力検出器、透析液チューブアクセス部を閉塞するクランプ手段、透析液の流量を検出する流量検出器等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。即ち透析液チューブアクセス部12a,12bが血液検出器、圧力検出器、流量検出器によりセンシング可能な位置、クランプ手段によりクランプ可能な位置等の所定の位置にセットされるようにしてもよい。
【0071】
また上述の実施の形態においては、第1パネル4のチューブ収納部4bに形成されている嵌合凹部4d及び保持部4cに形成されている嵌合凹部4eを、第2パネル6のチューブ収納部6bに形成されている嵌合凸部6d及び保持部6cに形成されている嵌合凸部6eに嵌合することにより第1パネル4及び第2パネル6を一体化させているが、これに限らず第1パネル4及び第2パネル6を接着剤等により接着させることにより一体化するようにしてもよい。
【0072】
また上述の実施の形態においては、剛性を有する第1パネル4及び第2パネル6により体外循環用カセット2を構成しているが、剛性を有する第1パネル4及び第2パネル6は、樹脂製であってもよく、更に剛性を有するものであれば材質は限定されない。
【0073】
また上述の実施の形態においては、体外循環用カセット2の第1パネル4または第2パネル6の窓部に、血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bが、体外循環用カセット2の他方の端部側から順に、血液チューブアクセス部10a,10b,10c、透析液チューブアクセス部12a,12bの順番で配置されているが、配置の順番は上述の実施形態の順番に限定されない。
【0074】
また上述の実施の形態においては、血液浄化装置1の前面に、垂直方向に延びる開口を有するカセットスロット1aが設けられているが、水平方向に延びる開口を有するカセットスロットを設け、体外循環用カセット2を水平に向けてカセットスロットに挿入するようにしてもよい。
【0075】
また上述の実施の形態の体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入するのではなく、血液浄化装置1の壁面に引っ掛けることにより血液浄化装置1の所定の位置に配置するようにしてもよい。即ち
図6に示すように体外循環用カセット2に2つの貫通穴5aを形成し、
図7に示すように2つの貫通穴5aに血液浄化装置1の側壁等に設けられた2つのボス1bをそれぞれ貫通させることにより、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のボス1bに引っ掛け、血液浄化装置1の所定の位置に配置するようにしてもよい。このような構成とした場合、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のボス1bに引っ掛けることにより、血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bが血液浄化装置1の所定の位置にセットされる。またこのような構成とした場合、血液浄化装置1の幅方向(
図7の左右方向)の大きさを小さくすることができる。また体外循環用カセット2を血液浄化装置1に引っ掛ける方式であるため、清掃やメンテナンスを容易に行うことができる。
【0076】
なお貫通穴5aの数、形成する位置は、血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bが血液浄化装置1の所定の位置にセットできるように適宜選択すればよい。さらに血液浄化装置1に形成するボス1bの数は、貫通穴5aの数に基づき決定され、血液チューブアクセス部10a,10b,10c及び透析液チューブアクセス部12a,12bが血液浄化装置1の所定の位置にセットできる位置に形成される。
【0077】
また上述の実施の形態において、体外循環用カセット2を構成する一体化した第1パネル及び第2パネルに血液浄化装置1に形成されたカセットスロット1a内に設けられたレールに嵌合するガイドを備えてもよい。即ち
図8に示すように一体化した第1パネル4及び第2パネル6の一方の側部及び他方の側部にガイド5bを形成し、
図9に示すように血液浄化装置1に形成されたカセットスロット1aに体外循環用カセット2を挿入した場合に、一体化した第1パネル4及び第2パネル6の一方の側部及び他方の側部に形成されたガイド5bがカセットスロット1a内に設けられたレール1cに嵌合するようにしてもよい。ここで
図9はカセットスロット1a内に設けられたレール1c及びレール1cに嵌合したガイド5bを見ることができるようにカセットスロット1a内を示す図である。なおガイド5bを形成する位置は、体外循環用カセット2のカセットスロット1aに挿入される第1パネル及び第2パネルの一方の側部の何れかの位置、及び他方の側部の何れかの位置である。
【0078】
体外循環用カセット2を構成する第1パネル及び第2パネルに血液浄化装置1に形成されたカセットスロット1a内に設けられたレールに嵌合するガイドを備えることにより、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入する際の操作性を向上させることができる。
【0079】
また上述の実施の形態において、体外循環用カセット2を構成する第1パネル4及び第2パネル6少なくとも一方の血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入する部分に、カセット側嵌合部である凹部を形成し、この凹部がカセットスロット
1a内に設けられたカセットスロット側嵌合部である突起部と嵌合するようにしてもよい。即ち
図10に示すように第1パネル4のカセットスロット1aに挿入する部分に凹部4fを設け、体外循環用カセット2を血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入(
図11に示す矢印方向に挿入)した場合に、カセットスロット
1a内に設けられた、例えば板バネ等の突起部1dに嵌合させる。これにより体外循環用カセット2のカセットスロット1aへの挿入が完了したことを感知でき、操作性を向上させることができる。なお凹部4fを設ける位置は、血液浄化装置1のカセットスロット1aに挿入する何れかの位置であればよく、カセットスロット
1a内に設ける突起部1dは、凹部4fの位置に対応する位置に設けられる。またカセット側嵌合部は、凹部4fに限定されるものではなく、カセットスロット側嵌合部は、突起部1dに限定されるものではない。カセット側嵌合部及びカセットスロット側嵌合部は、体外循環用カセット2のカセットスロット1aへの挿入の完了を感知できる構造のものであればよい。
【0080】
また上述の実施の形態において、体外循環用カセット2に血液チューブアクセス部10a,10b,10cの両端及び透析液チューブアクセス部12a,12bの両端に接続されたコネクタを備え、このコネクタを嵌合する狭小部を設けてもよい。
図12は体外循環用カセット2から第1パネル4を取り除いた状態を示す図である。この図に示すように体外循環用カセット2には、血液チューブアクセス部10a,10b,10cの両端及び透析液チューブアクセス部12a,12bの両端に接続されたコネクタ13を嵌合させる複数の嵌合部7が設けられている。
図13は
図12に示す円内を示す拡大図であるが、嵌合部7内にはコネクタ13の外径よりも内径が小さい狭小部7aが形成されている。嵌合部7内に狭小部7aを形成することにより第2パネル6に血液チューブアクセス部10a,10b,10cの両端及び透析液チューブアクセス部12a,12bの両端に接続されたコネクタ13を固定することができ、体外循環用カセット2の組み立ての作業性を向上させることができる。なお狭小部7aは第1パネル4に形成してもよく、更に第1パネル4及び第2パネル6の両方に形成してもよい。
【符号の説明】
【0081】
1…血液浄化装置、1a…カセットスロット、2…体外循環用カセット、4…第1パネル、4a…開口部、4b…チューブ収納部、4c…保持部、4d,4e…嵌合凹部、6…第2パネル、6a…開口部、6b…チューブ収納部、6c…保持部、6d,6e…嵌合凸部、8…ダイアライザー、10…血液回路、10a,10b,10c…血液チューブアクセス部、12…透析液回路、12a、12b…透析液チューブアクセス部