IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セブ ソシエテ アノニムの特許一覧

特許7046008動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法
<>
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図1
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図2
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図3
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図4
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図5a
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図5b
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図6
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図7
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図8
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図9
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図10
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図11
  • 特許-動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】動物飼料を調理するための調理器用の混合パドル、および動物飼料を調理するための方法
(51)【国際特許分類】
   A23N 17/00 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
A23N17/00 E
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018561665
(86)(22)【出願日】2017-05-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 FR2017051258
(87)【国際公開番号】W WO2017203149
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-20
(31)【優先権主張番号】1654599
(32)【優先日】2016-05-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ジル モラン
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05967657(US,A)
【文献】欧州特許出願公開第00809934(EP,A2)
【文献】米国特許出願公開第2006/0268659(US,A1)
【文献】特開2016-049533(JP,A)
【文献】国際公開第2006/113446(WO,A1)
【文献】国際公開第2007/007202(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23N 1/00-17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定分量の原料をその中で液体と混合するために、動物飼料を調理するための調理器(500)における混合チャンバ(200)内に受容されるように設計されている混合パドル(100)であって、
前記混合パドル(100)は、水平方向の回転軸線(150)の周りに回転するように設計されており、前記回転軸線(150)に対して、少なくとも1つの偏心アーム(110、120)を含む、混合パドル(100)において、
前記少なくとも1つの偏心アーム(110、120)は、
- 前記回転軸線(150)を含む平面に対して傾斜しており、前記混合パドル(100)が第1の回転方向に回転するときに、前記混合チャンバ(200)内に収容されている前記原料が第1の軸線方向に移動することを引き起こすようになっている、第1の部分(110a、120a)と、
- 前記第1の軸線方向に対して、前記第1の部分(110a、120a)の上流に配置された第2の部分(110b、120b)であって、前記回転軸線(150)に対して半径方向に配向された断面を有しており、前記混合パドル(100)が第2の回転方向に回転するときに、前記混合チャンバ(200)の外側に向けての、前記混合チャンバ(200)内に収容されている前記原料の半径方向の移動をもたらすようになっており、次いで、これらの原料は、前記第1の部分(110a、120a)によって、前記第2の部分(110b、120b)に向けて戻される、第2の部分(110b、120b)とを含むことを特徴とする混合パドル(100)。
【請求項2】
前記第2の部分(110b、120b)は可撓性のパーツを含む請求項1に記載の混合パドル(100)。
【請求項3】
前記可撓性のパーツはシリコーンから作製されている請求項2に記載の混合パドル(100)。
【請求項4】
前記第1の部分(110a、120a)は、細長い断面を有しており、前記細長い断面の長さは、前記第1の部分(110a、120a)の移動方向に対して垂直になっている請求項1乃至3のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項5】
前記第2の部分(110b、120b)は、前記回転軸線(150)を含む平面に対して平行になっている請求項1乃至4のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項6】
2つの偏心アーム(110、120)を含む請求項1乃至5のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項7】
前記2つの偏心アーム(110、120)を取り付ける少なくとも1つの半径方向のタブ(141)を含む請求項6に記載の混合パドル(100)。
【請求項8】
前記混合チャンバ(200)の上の2つのアンカー部と、前記2つのアンカー部を取り付ける長手方向のタブ(151)とを含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項9】
前記第1の部分および前記第2の部分(110b、120b)は、前記2つのアンカー部の間に配置されている請求項8に記載の混合パドル(100)。
【請求項10】
前記アンカー部のうちの1つは、前記調理器(500)のモーターに接続されているドライバーに取り付けるように設計されている請求項8または9に記載の混合パドル(100)。
【請求項11】
前記第1の部分(110a、120a)は、螺旋状の形状を有している請求項1乃至10のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項12】
前記少なくとも1つの偏心アーム(110、120)は、長さが12mm以下であり、好ましくは10mm以下である断面を有している請求項1乃至11のいずれか一項に記載の混合パドル(100)。
【請求項13】
動物飼料を調理するための方法であって、
- 所定分量の原料を混合チャンバ(200)に導入するステップと、
- 前記混合チャンバ(200)内に収容されている前記原料を第1の軸線方向に移動させ、回転軸線(150)の周りに回転する混合パドル(100)によってそれらを混合するステップと、
- 前記第1の軸線方向と反対の第2の軸線方向に、前記混合チャンバ(200)内に収容されている前記原料を、前記混合パドル(100)によって移動させるステップと、
- 前記混合チャンバ(200)内に収容されている前記原料を、前記混合パドル(100)によって、半径方向に排出するステップと
を含む方法。
【請求項14】
請求項1乃至12のいずれか一項に記載の混合パドル(100)を含む動物飼料を調理するための調理器(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、動物飼料を調理するための調理器の混合チャンバの中に受容されるように設計されている混合パドルに関する。また、本発明は、動物飼料を混合するための方法、および動物飼料を調理するための調理器に関する。
【背景技術】
【0002】
家畜のための飼料を調理するためのデバイス、たとえば、特許文献1に説明されているものなどが、先行技術において知られている。他方では、このシステムは、とりわけ、固体の形態でしか飼料を提供できないという不利益を有しており、それは、特定の動物には適切でない可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8511519号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の1つの目的は、先行技術の上述の不利益に応えることであり、とりわけ、まず第1に、動物飼料を調理するための調理器の混合チャンバの中に受容されることとなる混合パドルを提案することであり、この混合パドルにより、調理器をより複雑にすることなく、乾燥飼料が液体と混合されることが可能になる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
これを実現するために、本発明の第1の態様は、所定分量(serving)の乾燥飼料などの原料をその中で液体と混合するために、動物飼料を調理するための調理器における混合チャンバ内に受容されるように設計されている混合パドルであって、
混合パドルは、水平方向の回転軸線の周りに回転するように設計されており、回転軸線に対して、少なくとも1つの偏心アームを含む、混合パドルにおいて、
前記少なくとも1つの偏心アームは、
- 回転軸線を含む平面に対して傾斜しており、混合パドルが第1の回転方向に回転するときに、混合チャンバ内に収容されている原料が第1の軸線方向に移動することを引き起こすようになっている、第1の部分と、
- 第1の軸線方向に対して、第1の部分の上流に配置された第2の部分であって、回転軸線に対して半径方向に配向された断面を有しており、混合パドルが第2の回転方向に回転するときに、混合チャンバの外側に向けての、混合チャンバ内に収容されている原料の半径方向の移動をもたらすようになっており、次いで、これらの原料は、第1の部分によって、第2の部分に向けて戻される、第2の部分と
を含むことを特徴とする、混合パドルに関する。この実装形態による混合パドルは、原料を混合することができるということに加えて、2つの異なる機能が実施されることを可能にし、第1の回転方向において、混合パドルは、その第1の部分によって、(混合パドルの回転軸線によって定義される)第1の軸線方向に原料を押すかまたは変位させることを可能にし、また、第2の回転方向において、混合パドルは、その第2の部分によって、外側に向けて半径方向に原料を排出することを可能にし、一方、混合パドルが第1の回転方向と反対の方向に回転するので、第1の部分は、第1の方向と反対の方向への移動をもたらす。第2の回転方向において、混合パドルは、第1の部分によって、第2の部分に向けて原料を戻し、混合チャンバの外側に向けてそれらを移動させる。
【0006】
換言すれば、混合チャンバが細長く、第1の閉じた端部、および、半径方向の開口部を備えた第2の端部を備える場合には、混合チャンバは、第1の回転方向に回転することによって、第1の部分によって、第2の端部における開口部を通して導入される原料を、第1の端部に向けてガイドするかまたは押すこととなる。次いで、第1の回転方向と反対の第2の回転方向を混合パドルに課すことによって、第1の部分は、第1の端部から第2の端部に向けての飼料の移動をもたらすこととなり、次いで、第2の部分は、混合チャンバ開口部によって、外側に向けて半径方向に飼料を押すこととなる。
【0007】
有利には、混合パドルの第1の部分は、混合チャンバの第1の端部の側にあり、第2の部分は、混合チャンバの第2の端部の側にある。
【0008】
有利には、第2の部分および/または第1の部分は、混合チャンバを掻き取るように配置されている。この実装形態による混合パドルは、混合チャンバの壁部の上に原料を残すことを回避する。
【0009】
有利には、第2の部分は、可撓性のパーツを含む。そのような可撓性のパーツは、混合チャンバの中に顆粒または固体パーツが存在する場合に、挟まりまたは閉塞を防止する。
【0010】
有利には、可撓性のパーツは、シリコーンから作製されている。そのような材料は、食品の制約に良く適している。
【0011】
有利には、第1の部分は、細長い断面を有しており、細長い断面の長さは、第1の部分の移動方向に対して垂直になっている。この実装形態は、原料が効率的に混合されることを可能にする。
【0012】
有利には、第2の部分は、回転軸線を含む平面に対して平行になっている。
【0013】
有利には、混合パドルは、2つの偏心アームを含む。
【0014】
有利には、混合パドルは、2つの偏心アームを取り付ける少なくとも1つの半径方向のタブを含む。この半径方向のタブは、混合パドルの変形を限定し、挟まりのリスクを低減させる。
【0015】
有利には、混合パドルは、混合チャンバの上の2つのアンカー部(anchorage)と、2つのアンカー部を取り付ける長手方向のタブとを含む。この軸線方向のタブは、混合パドルの変形を限定し、挟まりのリスクを低減させる。
【0016】
有利には、第1の部分および第2の部分は、2つのアンカー部の間に配置されている。
【0017】
有利には、アンカー部のうちの1つは、調理器のモーターに接続されているドライバーに取り付けるように設計されている。
【0018】
有利には、第1の部分は、螺旋状の形状を有している。
【0019】
有利には、前記少なくとも1つの偏心アームは、長さが12mm以下であり、好ましくは10mm以下である断面を有している。この実装形態は、混合パドルの汚れを限定する。
【0020】
本発明の第2の態様は、動物飼料を調理するための方法であって、方法は、
- 所定分量の乾燥飼料および液体などの原料を混合チャンバに導入するステップと、
- 混合チャンバ内に収容されている原料を第1の軸線方向に移動させ、回転軸線の周りに回転する混合パドルによってそれらを混合するステップと、
- 第1の軸線方向と反対の第2の軸線方向に、混合チャンバ内に収容されている原料を、混合パドルによって移動させるステップと、
- 混合チャンバ内に収容されている原料を、混合パドルによって、半径方向に排出するステップと
を含む、方法に関する。
【0021】
有利には、原料は、混合チャンバの開口部を通して導入される。
【0022】
有利には、第1の方向への原料の移動は、原料がそれを通して導入される開口部から離れるように原料を移動させる。次いで、混合パドルは、第1の回転方向に回転軸線の周りに回転する。
【0023】
有利には、飼料が導入され、原料が少なくとも部分的に同時に移動させられる。これは、開口部が閉塞されることを防止し、混合チャンバの均一な充填を可能にする。
【0024】
有利には、第2の方向への原料の移動は、原料がそれを通して導入された開口部のより近くへ原料を移動させる。次いで、混合パドルは、第2の回転方向に回転軸線の周りに回転する。
【0025】
有利には、原料導入ステップと飼料放出ステップとの間に、方法は、混合チャンバに関して高い位置から低い位置へ開口部を変化させるために、混合チャンバを移動させるステップを含む。
【0026】
本発明の第3の態様は、本発明の第1の態様による混合パドルを含み、および/または、本発明の第2の態様による方法を実装するように設計されている、動物飼料を調理するための調理器に関する。
【0027】
本発明の他の特性および利点は、本発明の実施形態の以下の詳細な説明を読むことによって、より明確に理解されることとなり、本発明の実施形態は、非限定的な例として提供されており、添付の図面によって図示されている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明による、調理器の混合チャンバの中に受容されるように設計されている混合パドルの側面図である。
図2図1の方向IIにしたがって見た、図1の混合パドルを表す図である。
図3図1の方向IIIにしたがって見た、図1の混合パドルを表す図である。
図4図1の軸線IV-IVにしたがって見た、図1の混合パドルの断面を表す図である。
図5a】本発明による、調理器の混合チャンバの中に設置されている図1の混合パドルを表す図である。
図5b図5aの混合チャンバの一部を形成するポットを表す図である。
図6図5aの混合チャンバを収容する、本発明による動物飼料調理器の斜視図である。
図7図6の動物飼料調理器の断面を表す図である。
図8図6の調理器のハウジングの底部の斜視図である。
図9図6の調理器の分配エリアの斜視図である。
図10図6の調理器の背面図である。
図11図6の調理器の分解図である。
図12図6の調理器の取り外し可能なカートリッジを詳述する図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図6図10図11、および図12は、本発明による調理器500の全体的な図を表しており、それは、ブラケット401によって支持されている主本体部を含み、ブラケット401は、食物容器400(たとえば、ボウルなど)も支持している。
【0030】
図10は、主本体部がブラケット401に対して異なる高さに位置決めされ得、餌を与えられることとなる動物のサイズに応じて、主本体部と食物容器400との間の高さを調節することができるようになっているということを示している。この目的のために、複数の孔部が、ブラケット401の中に設けられており、適切な高さにおいて、主本体部の中のネジ孔部の中にそれをねじ込むことができるようになっている。ブラケット401に関して、それは、たとえば、調理器500および食物容器400を適切な場所に保持するために、壁部に固定されている。
【0031】
図11は、調理器500が、液体リザーバー800、取り外し可能なカートリッジ610、および混合チャンバ200を含む、いくつかのエレメントを取り外し可能に受容することが可能であるということを示しており、混合チャンバ200の中において、少なくとも1つの液体(たとえば、水など)および乾燥飼料が混合され、マッシュの形態の配合飼料(feed ration)を形成するようになっており、次いで、配合飼料は、食物容器400の中へ分配されることとなる。また、トレイ410が、調理器500の本体部の中に設けられており、乾燥飼料のための貯蔵手段としての役割を果たす。
【0032】
また、調理器500は、取り外し可能なカートリッジ610およびそのサポート611を取り外し可能に受容することが可能であり、その非常に単純な組み立てが図12に示されている。実際に、取り外し可能なカートリッジ610は、必要である場合には混合されることとなる原料の中に含まれるべき食品サプリメントを収容しており、取り外し可能なカートリッジ610は、そのサポート611の中に装着され得、サブアッセンブリは、次いで、混合チャンバの上方において、調理器500の主本体部の中へスナップフィットまたは挿入され、後に説明されるように、所定量の食品サプリメントが、動物の配合飼料の中に容易に含まれ得るようになっている。
【0033】
図1は、本発明による、調理器500の混合チャンバ200の中に受容されるように設計されている混合パドル100を表しており、それは、第1の偏心アーム110および第2の偏心アーム120を含み、それらの両方は、回転軸線150に対して偏心しており、それが動物飼料調理器500の中で使用されるときに、混合パドルは回転軸線150の周りに回転する。
【0034】
実際に、混合パドル100は、所定分量の乾燥飼料などの原料をその中で液体と混合するために、動物飼料調理器500(図6に見ることができる)の混合チャンバ200(図5a、図6図7、および図11に見ることができる)の中に受容されるように設計されている。この目的のために、回転軸線150の周りの回転で混合パドル100を駆動し、最初に、水などの液体と乾燥飼料を混合し、次いで、この混合物を練り、均質なペーストを取得するようになっており、次いで、食物容器400(図6に見ることができる)の中へペーストを分配し、食物容器400は、動物にとってアクセス可能であり、動物がこの新鮮に調理されたマッシュを消費することができるようになっているということが想定される。
【0035】
図1に戻ると、それぞれの偏心アーム110および120は、それぞれ、第1の部分110aおよび120aを含み、第1の部分110aおよび120aは、回転軸線150を含む平面に対して傾斜しており、混合パドルが第1の回転方向に回転するときに、混合チャンバ内に収容されている原料が第1の軸線方向(図1の中の方向II)に移動することを引き起こすようになっている。有利には、第1の部分110aおよび120aは、スクリューコンベヤーの一部分を形成するために、形状が螺旋状になっている。このように、混合パドルが第1の回転方向と反対の第2の回転方向に回転するときに、第1の部分110aおよび120aは、混合チャンバ内に収容されている原料が第2の軸線方向(図1の中の方向III)に移動することを引き起こす。
【0036】
それに加えて、それぞれの偏心アーム110および120は、それぞれ、第2の部分110bおよび120bを含み、第2の部分110bおよび120bは、第1の軸線方向IIに対して、第1の部分110aおよび120aの上流に配置されており、回転軸線150に対して半径方向に配向された断面を有しており、混合パドル100が第2の回転方向に回転するときに、混合チャンバ200の外側に向けての、混合チャンバ200内に収容されている原料の半径方向の移動をもたらすようになっており、次いで、これらの原料は、第1の部分110aおよび120aによって、第2の部分110bおよび120bに向けて戻される。
【0037】
実際に、本発明は、下記に説明されているように、実現されることとなる結果に応じて、混合パドル100を2つの正反対の回転方向に回転させることを提案している。
【0038】
図5aに示されているように、混合チャンバ200は、カバー220によって閉じられたポット210を含み、混合パドル100は、カバー220によって閉じられたポット210の内側に配置されている。また、混合チャンバ200は、開口部211を含み、開口部211は、カバー220を通して部分的な断面で示されている。図5aおよび図5bにおいて見られるように、開口部211は、ポットの中に形成されているが、カバーの中に開口部211を確立することを想定することが可能であることとなる。
【0039】
調理器500は、ピニオン341を備えたギヤードモーター340を含み、ピニオン341は、それが調理器500のハウジング350の中に設置されているときに、混合チャンバ200が枢動することを引き起こすことが可能である。本説明の残りの部分において、ポット210の底部は、混合チャンバ200の第1の端部を形成すると考えられることとなり、次いで、カバー220が、混合チャンバ200の第2の端部に設置されている。
【0040】
第1の位置において、混合チャンバ200は、開口部211が混合チャンバ200の上部にある状態で、ハウジング350の中に設置されており、原料(乾燥飼料、液体、および、場合によっては、食品サプリメント)が、重力によって、混合チャンバ200の中へ、したがって、第2の端部の側に、落下するようになっている。
【0041】
したがって、第1の調理局面の間に、混合パドル100を第1の回転方向に回転させ、原料が、第1の部分110aおよび120aによって、混合チャンバ200の第1の端部に向けて(したがって、図1の中の方向IIと一致して)押されまたは変位させられ、開口部211における原料の蓄積を防止するようになっているということが想定される。
【0042】
この第1の調理局面は、数分間続くことが可能であり、それは、ポット210の底部に向けて原料を押し、それらを混合し、それらを練り、動物によって消費される用意ができた均質なペーストまたはマッシュを取得するための時間である。また、回転を一時的に中断し、液体が乾燥飼料に適正に浸透することを可能にするということが想定され得る。効果的に原料を混合するために、第1の部分110aおよび120aは、それらの移動方向に対して実質的に垂直の細長い断面を有しているが、この断面の長さは、たとえば、12mmに限定されており、より具体的には、10mmに限定されており、混合パドルの周りの任意の汚れを防止する。それに加えて、この断面は、20mm2の最小表面積を有することが可能であり、20mm2の最小表面積は、それに十分な強度を提供する。
【0043】
混合パドル100は、アクリロニトリルブタジエンスチレンもしくはABS、ポリオキシメチレン(もしくは、ポリホルムアルデヒド)(POMと略される)、またはポリアミド(PAと略される)から作製され得る。当然のことながら、強化用繊維を材料に追加することを想定することが可能である。
【0044】
次いで、食物容器400の中のマッシュを分配するために、第2の調理局面が始まることが可能である。この目的のために、ポット210の歯付き部分212(図5bに見ることができる)と係合しているピニオン341によって、ギヤードモーター340は、開口部211を混合チャンバの底部に持っていくために、混合チャンバ200がハウジング350の中で枢動することを引き起こす。
【0045】
この瞬間において、混合パドル100が第2の回転方向に(第1の調理局面の第1の回転方向と反対に)回転することを引き起こすことによって、原料は、次いで、第1の部分110aおよび120aによって、混合チャンバの第2の端部に向けて、すなわち、開口部211に向かい合って位置づけられる第2の部分110bおよび120bに向けて持っていかれる。
【0046】
図4において見ることができるように、2つの部分110bおよび120bの配向される断面は、次いで、混合チャンバの外側に向けて原料を押す効果を有しており、このように、マッシュが開口部211を通過し、次いで、ちょうど下に置かれた食物容器400の中へ重力によって落下することを引き起こす。第2の部分110bおよび120bの長さは、これらの第2の部分110bおよび120bの少なくとも一部が開口部211に向かい合うように計算されている。
【0047】
それが第1の回転方向に回るときには、混合パドル100は、したがって、混合チャンバ200の第1の端部に向けて原料を変位させる効果、および、そこでそれらを混合する効果を有しており、それが第2の回転方向に回転するときには、混合パドル100は、したがって、混合チャンバ200の第2の端部に向けて原料を変位させる効果、および、開口部211を通してそれらを押し出す効果を有している。
【0048】
図5aにおいて見られるように、第2の部分110bおよび120bは、ポット210の直径に調節されており、混合パドル100とポット210との間において、マッシュの中に顆粒または固体粒子が存在している場合に、挟まりのリスクを制限するために、第2の部分110bおよび120bは、少なくとも部分的に可撓性であり、形状を変化させることができ、「これらの顆粒または固体粒子の上を通過する」ことができるようになっているということが想定される。したがって、第2の部分110bおよび120bの上のシリコーンパーツが想定され得る。
【0049】
図1図2、および図3に表されているように、混合パドル100は、混合パドル100の剛性を確保するために、偏心アーム110と120との間に接続タブを含む。とりわけ、2つの半径方向のアーム142および143が、混合パドル100の端部に設けられており、偏心アーム110および120、ならびに、混合パドル100の中央パーツを取り付けている。
【0050】
それに加えて、半径方向のタブ141が、混合パドル100の中央に設けられており、長手方向のタブ151が、回転軸線150に設けられており、アッセンブリの剛性をさらに高め、混合パドル100が混合チャンバ200の中で動きが取れなくなることにつながる可能性のある、捩じりまたは曲げによる変形を防止する。
【0051】
また、図2は、センタリング131(ドリリング)を示しており、センタリング131は、混合チャンバ200との高品質の枢動接続を確保するためにアンカー部を形成しており、そこでは、対応するピンがカバー220の中に配置されている。
【0052】
最後に、図3は、スクエアドライブ(square drive)132を示しており、スクエアドライブ132は、別のアンカー部を形成し、ハウジング350の底部に置かれている、調理器500のドライバーと係合するように設計されている。異なる非対称的な形状が、混合パドル100を駆動するために、スクエアドライブ132の代わりに提供され得、回転を防止する形状であれば十分である。
【0053】
図8は、調理器500のハウジング350の底部の斜視図を表している。ギヤードモーター340およびそのピニオン341がそこに見られるが、ギヤードモーター330も見られ、ギヤードモーター330は、ハウジング350の底部に見ることができるドライバー331によって、混合パドル100を回転で駆動するように配置されている。
【0054】
また、ハウジング350の円筒形状の壁部の中に配置されているスロット351が見られ、スロット351は、ポット210のフック213(図5bに見ることができる)の通過を可能にし、それが適切な場所へまたは調理器500の上に置かれると、開口部211が混合チャンバ200の上側部の中にあることを保証するようになっている。
【0055】
スロット351は、ストリップまたは可撓性のタブ352の上で終了し、ストリップまたは可撓性のタブ352は、ハウジング350の内側面の上に360°にわたって配置されているスロート332の一部分を構成している。
【0056】
混合チャンバが調理器500に挿入されるとき、フック213は、次いで、スロット351によってガイドされ、可撓性のタブ352を上昇させ、スロート332に到達する。したがって、混合チャンバは、ハウジング350と一体になり、開口部211が上部にある。第1の調理局面は、重力によって混合チャンバ200の中へ原料を供給すること、および、第1の回転方向に回転する混合パドル100によって混合することから始まることが可能である。
【0057】
次いで、混合パドルが停止され、混合チャンバ200は、ギヤードモーター340によって枢動させられ、開口部211が混合チャンバ200の下側部を通るようにさせる。この移動は、フック213を収容するスロート332によって許容およびガイドされる。
【0058】
混合チャンバ200は、分配位置に停止され、開口部211が低い位置にある状態になり、次いで、混合パドルは、第2の回転方向にしたがった回転の状態にされ、開口部211を通して原料をマッシュの形態で排出することが可能である。開口部は、面取りされた縁部を有しており、マッシュが開口部211の縁部に詰まることを防止する。
【0059】
最後に、混合チャンバ200が空になると、混合パドル100は、再び停止され得、混合チャンバ200は、再び枢動させられ、混合位置へ戻ることが可能である。キャップ(たとえば、カバー220)において、混合チャンバ200の外側部分をつかむことによって、可撓性のタブがフック213を解放することが可能であるので、新しい調理を開始すること、またはユーザーによって混合チャンバ200を取り外すことができる。
【0060】
再び、図7において、スクリュー420とともに、乾燥飼料を貯蔵するための手段を形成するトレイ410を見ることが可能であり、スクリュー420は、螺旋形スクリューであることが可能であり、電気モーター430に接続されており、電気モーター430は、ギヤードモーターであることが可能である。したがって、スクリュー420は、トレイ410から乾燥飼料を移動し、分配エリア700へ、すなわち(混合チャンバ200が第1の位置にあるため)開口部211の上方にそれを輸送するように設計されている。
【0061】
図7では、取り外し可能なカートリッジ610も見ることができ、取り外し可能なカートリッジ610は、分配エリア700の上方に位置決めされており、ビタミン、微量元素、健康製品(たとえば、駆虫製品など)などの食品サプリメントを収容しており、動物の必要に応じて、調理されることとなる配合飼料をパーソナライズおよび調整するようになっている。取り外し可能なカートリッジ610は、理想的には、液体またはペーストの形態で食品サプリメントを収容しており、調理器500は、モーター630を含み、モーター630は、ピストン620を移動させるように設計されており、混合チャンバ200の中へ落下するように所定の量の食品サプリメントを押し込むようになっている。
【0062】
取り外し可能なカートリッジ610は、サポート611の上に装着されており、サポート611は、それを受容し、割り出しピン612(図12に見ることができる)を介してそれを割り出すことを可能にし、調理器500の中にそれを正しく位置決めするようになっている。
【0063】
図11において見られるように、調理器500は、液体リザーバー800を含み、液体リザーバー800は、液体貯留手段を形成するように設計されており、たとえば、水を貯留するように設計されている。液体リザーバー800は、取り外し可能に装着されており、それが、容易に充填され、洗浄され、または、乾燥され得るようになっている。
【0064】
液体リザーバー800は、供給チャネル810に接続されており、供給チャネル810の下流端部811が、図9に見られる。この断面図において、開口部211の一部、および、分配エリア700を画定する壁部710を見ることができる。したがって、供給チャネル810の下流端部811は、開口部211の上方に位置決めされているが、それは、また、壁部710に対してオフセットされており、分配エリアの壁部710の上の、また、開口部211の壁部との、水の任意の接触または流出を防止し、それは、乾燥飼料がこれらの壁部に付着して汚すことを防止することとなる。したがって、下流端部811は、開口部211に向かい合っており、それは、乾燥飼料および食品サプリメントの供給に対してオフセットされており、これらの3つの原料が、互いに接触することなく、混合チャンバ200に同時に加えられ得るようになっており、分配エリア700の中の汚れ(それは、取り外し可能でない)を防止する。
【0065】
当業者に明らかなさまざまな修正および/または改善が、添付の特許請求の範囲によって定義されている本発明の文脈から逸脱することなく、本明細書で説明されている本発明のさまざまな実施形態に対して行われ得るということが理解されることとなる。
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12