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特許7046012モーターコネクター及びこれを有するモーター
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】モーターコネクター及びこれを有するモーター
(51)【国際特許分類】
   H02K 5/10 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
H02K5/10 Z
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2018564895
(86)(22)【出願日】2017-05-18
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-08
(86)【国際出願番号】 KR2017005156
(87)【国際公開番号】W WO2017217665
(87)【国際公開日】2017-12-21
【審査請求日】2020-04-17
(31)【優先権主張番号】10-2016-0074250
(32)【優先日】2016-06-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】517099982
【氏名又は名称】エルジー イノテック カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100114188
【弁理士】
【氏名又は名称】小野 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100119253
【弁理士】
【氏名又は名称】金山 賢教
(74)【代理人】
【識別番号】100129713
【弁理士】
【氏名又は名称】重森 一輝
(74)【代理人】
【識別番号】100137213
【弁理士】
【氏名又は名称】安藤 健司
(74)【代理人】
【識別番号】100143823
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 英彦
(74)【代理人】
【識別番号】100151448
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 孝博
(74)【代理人】
【識別番号】100183519
【弁理士】
【氏名又は名称】櫻田 芳恵
(74)【代理人】
【識別番号】100196483
【弁理士】
【氏名又は名称】川嵜 洋祐
(74)【代理人】
【識別番号】100203035
【弁理士】
【氏名又は名称】五味渕 琢也
(74)【代理人】
【識別番号】100185959
【弁理士】
【氏名又は名称】今藤 敏和
(74)【代理人】
【識別番号】100160749
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100160255
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 祐輔
(74)【代理人】
【識別番号】100202267
【弁理士】
【氏名又は名称】森山 正浩
(74)【代理人】
【識別番号】100146318
【弁理士】
【氏名又は名称】岩瀬 吉和
(72)【発明者】
【氏名】イ,ヘスク
【審査官】三島木 英宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-149852(JP,A)
【文献】特開2010-178537(JP,A)
【文献】特開2007-166682(JP,A)
【文献】特開2016-21811(JP,A)
【文献】特開2013-207141(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02K 5/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
絶縁被覆及び導電線を含む電線及び前記導電線と結合して端部に端子を有するターミナルを含む配線ユニットと;
前記端子が配置される第1モールディング部及び前記第1モールディング部から延びて前記導電線及び前記絶縁被覆の一部が配置される空間を有する第2モールディング部を含むベースと;
前記第2モールディング部と結合して前記電線を固定する固定部材と;及び
前記空間に満たされて前記第1モールディング部及び前記第2モールディング部をモールディングするモールディング部材
前記固定部材及び前記第2モールディング部の間に配置され、前記電線外側に配置されて前記電線を加圧する円筒状のグロメットと;を含み、
前記グロメットの内径は、前記電線の中心を基準に前記絶縁被覆の外径より小さく形成され、
前記モールディング部材は前記グロメットの外面を覆い、
前記グロメットは、前記モールディング部材の射出圧力によって縮された状態でありかつ、収縮する収縮力を有する収縮部材を含む、モーターコネクター。
【請求項2】
前記グロメットは内部に中孔が形成され、
前記グロメットは前記絶縁被覆の外側面を覆う請求項1に記載のモーターコネクター。
【請求項3】
前記グロメットの内径は、前記電線の中心を基準に前記絶縁被覆の外径の60%乃至75%である請求項1又は2に記載のモーターコネクター。
【請求項4】
前記モールディング部材は、伸縮性及び接着性を有するゴム、エポキシ及びシリコーンのうちのいずれかを含む請求項1乃至3のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項5】
前記第1モールディング部は、前記第1モールディング部の中心を基準に前記第1モールディング部の上面枠に沿って形成されるトレンチ形状の溝を含み、
前記溝には前記第2モールディング部に形成された前記モールディング部材が満たされて密封リングを形成する請求項1乃至4のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項6】
前記固定部材は前記グロメットに結合される請求項1乃至5のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項7】
前記グロメットは、シリコーン及びゴム中いずれかを含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項8】
前記電線は、電源が印加される複数の電源線及びセンシング信号が入出力される複数のセンシング線を含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項9】
前記第2モールディング部は、底部及び前記底部の枠から上側に延びて前記空間を形成する複数の側壁部を含み、
前記底部は、前記底部の上面で上側に突出して形成される段差を含み、
前記底部は、前記段差の上面で窪んで形成されるスリット状を有するターミナル収納溝を含み、
前記複数の側壁部中いずれかには前記電線が配置される電線収納溝が形成される請求項1乃至8のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項10】
前記電線収納溝が形成される前記第2モールディング部の前記側壁部は、前記固定部材と結合する第1結合部が形成されて、
前記固定部材には前記第1結合部と結合する第2結合部が形成された請求項9に記載のモーターコネクター。
【請求項11】
前記第1モールディング部と前記第2モールディング部との間には前記モールディング部材の漏洩を防止する遮断壁が配置される請求項1乃至10のいずれか1項に記載のモーターコネクター。
【請求項12】
絶縁被覆及び導電線を含む電線及び前記導電線と結合して端部に端子を有するターミナルを含む配線ユニットと、前記端子が配置される第1モールディング部及び前記第1モールディング部から延びて前記導電線及び前記絶縁被覆の一部が配置される空間を有する第2モールディング部を含むベースと、前記第2モールディング部と結合して前記電線を固定する固定部材と、 前記空間に満たされて前記第1モールディング部及び前記第2モールディング部をモールディングするモールディング部材;及び前記固定部材及び前記第2モールディング部の間に配置され、前記電線外側に配置されて前記電線を加圧する円筒状のグロメットと、を含むモーターコネクターと;
前記ベースの中央に配置されるベアリングと;及び
前記ベアリングに結合された軸を含むモーター本体と;を含み、
前記グロメットの内径は、前記電線の中心を基準に前記絶縁被覆の外径より小さく形成され、
前記モールディング部材は前記グロメットの外面を覆い、
前記グロメットは、前記モールディング部材の射出圧力によって縮された状態でありかつ、収縮する収縮力を有する収縮部材を含む、モーター。
【請求項13】
前記グロメットの内径は、前記電線の中心を基準に前記絶縁被覆の外径の60%乃至75%である請求項12に記載のモーター。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、モーターコネクター及びこれを有するモーターに関し、特に外部から水分または異物の流入を防止して機密性を向上させたデュアルクラッチトランスミッションなどに使用されるモーターのコネクター及びこれを有するモーターに関する。
【背景技術】
【0002】
一般にモーターは非常に多様な産業分野に広く使用されている。モーターの一種であるBLDCモーターは、自動車のトランスミッション、電気推進エンジン、電気自動車などに適用されているデュアルクラッチトランスミッション(DCT)等に使用されている。
【0003】
デュアルクラッチトランスミッションなどで使用されるモーターは外部から電源または制御信号をモーターに提供するためのコネクターを含む。
【0004】
自動車のように路面の湿気、水分、道路に積った雪のように劣悪な環境で作動するモーター及びモーターに取る付けられたコネクターは、湿気及び水分の浸透によってモーターの誤作動が発生し得るため、水分及び湿気について高い密封特性及び高い機密性が求められる。
【0005】
デュアルクラッチトランスミッションに使用されるモーターに結合されるコネクターは、一般にエアーリークテスト(air leak test)を介してコネクターの密封特性及び機密性が間接的に測定される。
【0006】
エアーリークテストは、モーター及びモーターに結合されたコネクターの内部に一定圧力の空気を提供した後、空気の漏れ程度を測定してモーター及びコネクターの密封特性及び機密性がテストされる。
【0007】
コネクター及びモーターで発生し得るエアーリークは、電源及びセンシング信号を伝達するターミナル及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差、電線の被覆及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差及び電線の被覆によって取り囲まれた芯線及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差によって主に発生される。
【0008】
さらに、コネクター及びモーターで生じ得るエアーリークは、電線の導電線及び絶縁被覆の間で発生する隙間によっても発生する。
【0009】
このような様々な理由によりコネクターを介して水分または湿気が浸透する場合、コネクターに流入した水分または湿気がモーターに流入してモーターの誤作動が発生し得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、電源及びセンシング信号を伝達するターミナル及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差、電線の被覆及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差及び電線の被覆によって取り囲まれた芯線及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差に起因した湿気及び水分浸透を防止してモーターの誤作動を防止したモーターコネクター及びこれを有するモーターを提供する。
【0011】
さらに本発明は、電線の導電線と絶縁被覆との間に形成された隙間及び絶縁被覆とモールディング部材との間に形成された隙間が形成されるのを防止して湿気及び水分の浸透を防止してモーターの誤作動を防止したモーターコネクター及びこれを有するモーターを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0012】
一実施形態において、モーターコネクターは、絶縁被覆及び導電線を含む電線及び前記導電線と結合して端部に端子を有するターミナルを含む配線ユニット、前記端子が配置される第1モールディング部及び前記第1モールディング部から延びて前記導電線及び前記絶縁被覆の一部が配置される空間を有する第2モールディング部を含むべース、前記第2モールディング部と結合して前記電線を固定する固定部材及び前記固定部材及び前記第2モールディング部の間に配置されて前記電線外側に配置されて前記電線を加圧するグロメットを含んでもよい。
【0013】
モーターコネクターの前記グロメットは、円筒状で形成されてもよい。
【0014】
モーターコネクターの前記グロメットの内径は、前記絶縁被覆の外径より小さく形成されてもよい。
【0015】
モーターコネクターの前記グロメットの内径は、前記絶縁被覆の外径の60%乃至75%であり得る。
【0016】
モーターコネクターの前記空間に満たされて前記第1モールディング部及び前記第2モールディング部をモールディングするモールディング部材をさらに含んでもよい。
【0017】
モーターコネクターの前記グロメットは、前記モールディング部材によって加圧されながら収縮する収縮力を有する収縮部材を含むことができる。
【0018】
モーターコネクターの前記モールディング部材は、伸縮性及び接着性を有するゴム、エポキシ及びシリコーン中いずれかを含むことができる。
【0019】
モーターコネクターの前記第1モールディング部は、前記第1モールディング部の中心を基準に前記第1モールディング部の上面枠に沿って形成されるトレンチ形状の溝を含み、前記溝には前記第2モールディング部に形成された前記モールディング部材が満たされて密封リングを形成することができる。
【0020】
モーターコネクターの前記グロメットはシリコーン及びゴム中いずれかを含むことができる。
【0021】
モーターコネクターの前記電線は、電源が印加される複数の電源線及びセンシング信号が入出力される複数のセンシング線を含むことができる。
【0022】
モーターコネクターの前記第2モールディング部は、底部及び前記底部の枠から上側に延びて前記空間を形成する複数の側壁部を含み、前記底部は、前記底部の上面で上側に突出して形成される段差を含み、前記底部は、前記段差の上面で凹んで形成されるスリット状を有するターミナル収納溝を含み、前記複数の側壁部中いずれかには前記電線が配置される電線収納溝が形成されてもよい。
【0023】
モーターコネクターの前記電線収納溝が形成される前記第2モールディング部の前記側壁部は、前記固定部材と結合する第1結合部が形成されて、前記固定部材には前記第1結合部と結合する第2結合部が形成され得る。
【0024】
一実施形態として、モーターは、絶縁被覆及び導電線を含む電線及び前記導電線と結合して端部に端子を有するターミナルを含む配線ユニット;前記端子が配置される第1モールディング部及び前記第1モールディング部から延びて前記導電線及び前記絶縁被覆の一部が配置される空間を有する第2モールディング部を含むべース;前記第2モールディング部と結合して前記電線を固定する固定部材;及び前記固定部材及び前記第2モールディング部の間に配置されて前記電線外側に配置されて前記電線を加圧するグロメットを含むモーターコネクター、前記べースの中央に配置されるベアリング及び前記ベアリングに結合された軸を含むモーター本体を含むことができる。
【発明の効果】
【0025】
本発明に係るモーターコネクター及びこれを有するモーターは、電源及びセンシング信号を伝達するターミナル及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差、電線の被覆及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差及び電線の被覆によって取り囲まれた芯線及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差にもかかわらず、機密性を向上させてモーターの誤作動を防止することができる。
【0026】
また、本発明に係るモーターコネクター及びこれを有するモーターは、電線の導電線と絶縁被覆との間に形成された隙間及び絶縁被覆とモールディング部材の間に形成された隙間が形成されるのを防止して湿気及び水分の浸透を防止してモーターの誤作動を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】本発明の一実施形態に係るモーターコネクターの外観斜視図である。
図2図1のモーターコネクターのカバーとを分離した分解斜視図である。
図3図2に図示された配線ユニットを図示した斜視図である。
図4】本発明の一実施形態に係るグロメットの外観斜視図である。
図5図3のI-I’線に沿って切断した断面図である。
図6】電線、グロメット及びモールディング部材を図示した断面図である。
図7図2のべースを図示した斜視図である。
図8】べースに形成された離脱防止突起を図示した斜視図である。
図9】本発明の一実施形態に係る固定部材を図示した斜視図である。
図10】配線ユニット、電線及び固定部材が結合されたのを図示した平面図である。
図11】本発明の一実施形態に係るモーターコネクターを有するモーターの分解図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、説明される本発明は種々の変換を加えることができて、多様な実施形態を有することができ、特定実施形態を図面に例示して詳細な説明で詳細に説明する。
【0029】
しかし、これは本発明を特定の実施形態に対して限定しようとするものではなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるいずれの変換、均等物乃至代替物を含むものと理解されなければならない。本発明を説明するに当たり関連した公示技術に対する具体的な説明が本発明の要旨を不明瞭にすると判断される場合、その詳細な説明を省略する。
【0030】
本出願で使用した用語は、単に特定の実施形態を説明するために使用されたもので、本発明を限定しようとする意図はない。単数の表現は、文脈上明らかに異なるように意味しない限り、複数の表現を含む。本出願で、「含む」または「有する」等の用語は、明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれらの組み合わせが存在することを指定しようとするものであって、一つまたはそれ以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部品またはこれちの組み合わせなどの存在または付加の可能性をあらかじめ排除しないものと理解されなければならない。
【0031】
さらに第1、第2等の用語は、様々な構成要素を区分して説明するために使用され得るが、前記構成要素は、前記用語によって限定されてはならない。前記用語は、1つの構成要素を他の構成要素と区別する目的にだけ使用される。
【0032】
図1は、本発明の一実施形態に係るモーターコネクターの外観斜視図である。図2は、図1のモーターコネクターのカバーを分離した分解斜視図である。
【0033】
図1及び図2を参照すると、モーターコネクター800は、配線ユニット100、べース200、固定部材300及びモールディング部材400を含む。またモーターコネクター800はべース200に結合されるカバー500をさらに含むことができる。
【0034】
図3は、図2に図示された配線ユニットを図示した斜視図である。
【0035】
図3を参照すると、配線ユニット100は、電線110及びターミナル120を含む。
【0036】
電線110は、絶縁被覆112及び絶縁被覆112に取り囲まれた導電線114(または芯線)を含み、絶縁被覆112の端部は、導電線114から除去されてこれによって導電線114の端部は外部に露出する。
【0037】
ターミナル120は、絶縁被覆112によって露出した導電線114の端部と電気的に接続される。例えば、ターミナル120は、絶縁被覆112によって露出した導電線114にクランピング方式で接続される。これとは異なって、ターミナル120及び導電線114は溶接、接合など様々な方法によって電気的に接続され得る。
【0038】
ターミナル120は、例えば、導電性素材で製作されて、ターミナル120の端部には環状または折り曲げられた形状を有する端子122が形成され得る。ターミナル120の端子は、モーターの端子と電気的に連結され得る。
【0039】
本発明の一実施形態において、電線110及びターミナル120を含む配線ユニット100は、印加される信号の種類によって電源線130及びセンシング線140に区分され得る。
【0040】
電源線130は、モーターに電源を提供して、センシング線140は、制御信号またはセンシング信号が入出される。
【0041】
本発明の一実施形態において、電源線130は、例えば、3相電源が印加できるように3つからなり、センシング線140は、例えば、5つからなる。
【0042】
本発明の一実施形態において、配線ユニット100の電線110は、導電線112及び絶縁被覆114を含むが、絶縁被覆114及び導電線112の間に微細な隙間が形成される場合、絶縁被覆114及び導電線112の間に形成された隙間に水分または湿気が流入し得る。
【0043】
また、電線110の絶縁被覆114は、絶縁性及び耐久性が優秀なポリエチレン(PE)樹脂が主に使用されるが、ポリエチレン樹脂は、他の樹脂と接着性が悪く後述するモールディング部材400に接着性がない場合、モールディング部材400と接着されずモールディング部材400及び絶縁被覆114の間に隙間が発生され、この隙間に水分または湿気が流入し得る。
【0044】
本発明の一実施形態では、絶縁被覆114及び導電線112の間に形成され得る隙間及び後述するモールディング部材400及び絶縁被覆114の間に形成され得る隙間に水分または湿気が流入するのを防止するために、電線110の絶縁被覆114には後述するグロメット150が結合される。
【0045】
図4は、本発明の一実施形態に係るグロメットの外観斜視図である。図5は、図3のI-I’線に沿って切断した断面図である。図6は、電線、グロメット及びモールディング部材を図示した断面図である。
【0046】
図4乃至図6を参照すると、グロメット150は、絶縁被覆114の外側面に挿入される形状で形成される。
【0047】
例えば、絶縁被覆114及び導電線112を含む電線110の断面が円形で形成される場合、グロメット150は、例えば、円筒状で形成されてもよい。
【0048】
たとえ本発明の一実施形態で、グロメット150が円筒状で形成されたのが図示及び説明されているが、これとは異なりグロメット150は、内部に中空が形成された様々な立体形状で形成され得る。
【0049】
グロメット150は、傾倒が低く収縮力があるシリコーン素材またはゴム素材などで製作されることができて、グロメット150は、外部から印加された圧力によって収縮したり形状が変形され種々の素材が使用され得る。
【0050】
グロメット150は、電線110の絶縁被覆114を局部的に加圧してグロメット150に対応する絶縁被覆114及び導電線112の間に存在する隙間を除去して、絶縁被覆114及び導電線112の間で湿気または水分が浸透するのを防止する。
【0051】
グロメット150が電線110の絶縁被覆114を局部的に加圧するために、グロメット150が電線110の絶縁被覆114に結合される以前グロメット150の内径は、電線110の絶縁被覆114の外径(または外側面の直径)より小さく形成される。
【0052】
本発明の一実施形態において、グロメット150の内径は、電線110の絶縁被覆114の外径の約60%乃至約75%であり得る。例えば、電線110の絶縁被覆114の外径がφ2mmの場合、グロメット150の内径はφ1.2mm乃至φ1.5mmであり得る。
【0053】
図6は電線、モールディング部材及び絶縁被覆の間の関係を図示した断面図である。
【0054】
図6を参照すると、本発明の一実施形態において、グロメット150の外側に後述するモールディング部材400が射出される場合モールディング部材400の射出圧力によってグロメット150が圧縮されながら接着性が悪い電線110の絶縁被覆114を加圧して絶縁被覆114及びグロメット150またはグロメット150またはモールディング部材400の間に形成される隙間を除去して湿気及び水分の流入を防止することができる。
【0055】
図7は、図2のべースを図示した斜視図である。
【0056】
図7を参照すると、べース200は、第1モールディング部210及び第2モールディング部220を含む。
【0057】
第1モールディング部210は、モーターの軸と結合される部分で、第1モールディング部210は、中央部にモーターの軸と結合されるベアリングを取り付けるための貫通孔212が形成される。
【0058】
第1モールディング部210は、様々な形状で製作が可能であるが、本発明の一実施形態において第1モールディング部210は、長さが短い円筒状で形成される。
【0059】
第1モールディング部210中、貫通孔212の周辺には第1モールディング部210を貫通する3つの孔214が、例えば、等間隔で形成される。第1モールディング部210の貫通孔212の周辺に形成された3つの孔214には各々ターミナル120の端子122が配置される。
【0060】
一方、第1モールディング部210の上面には上面の枠に沿ってトレンチ形状で形成された溝216が形成される。
【0061】
第2モールディング部220は、第1モールディング部210の外側に延びて形成され得る。
【0062】
第2モールディング部220は、図3に図示された電線110及びターミナル120の一部を固定及び収容して、水分及び湿気が第2モールディング部220から第1モールディング部210に流入するのを防止するモールディング部材400(図2参照)及びグロメット150を収容する空間を提供する。
【0063】
第2モールディング部220は、空間を形成するために底部222及び側壁部224を含む。
【0064】
第2モールディング部220の底部222は、板状で第1モールディング部210から外側に延びる。本発明の一実施形態において、第2モールディング部220の底部222には高さの差を有する段差部(stepped portion)が形成され得る。
【0065】
段差部が形成された底部222中、相対的に高さが高い部分には上面から下面に向かう方向でターミナル収納溝223が形成される。
【0066】
ターミナル収納溝223は、例えば、スリット状で形成されて、ターミナル収納溝223にはターミナル120が挿入されて、ターミナル収納溝223に挿入されたターミナル120は、第2モールディング部220の内部で水平方向に移動できなくなる。
【0067】
ターミナル収納溝223の内部に挿入されたターミナル120は、第2モールディング部220の内部で移動できないが、ターミナル120は、第2モールディング部220の内部で垂直方向には依然として移動することができる。
【0068】
図8は、べースに形成された離脱防止突起を図示した斜視図である。
【0069】
図8を参照すると、本発明の一実施形態において、ターミナル収納溝223の内部に挿入されたターミナル120がターミナル収納溝223の内部で垂直方向に移動するのを防止するために、ターミナル収納溝223によって形成された内側面には離脱防止突起223aが形成され得る。
【0070】
離脱防止突起223aは、例えば、ターミナル収納溝223に挿入されたターミナル120の上面を押してターミナル120がターミナル収納溝223の内部で垂直方向に流動されるのを防止する。
【0071】
離脱防止突起223aは、例えば、ターミナル収納溝223にターミナル120を挿入する際にはスムーズに挿入されて挿入された後にはターミナル120が任意に離脱しないように離脱防止突起223aの側面はターミナル収納溝223によって形成された内側面に対して傾斜するように形成されて、離脱防止突起223aの下面は、底部222と平行するように形成され得る。
【0072】
図7を再び参照すると、第2モールディング部220の側壁部224は、第1側壁部224a、第2側壁部224b及び第3側壁部224cを含む。
【0073】
第1乃至第3側壁部224a、224b、224cは、各々底部222の枠から上部に向かって延びて、第1乃至第3側壁部224a、224b、224c及び底部222によって第2モールディング部220の内部には収納空間が形成される。
【0074】
第3側壁部224cと会う第1及び第2側壁部224a、224bの端部には、各々第1結合部225が形成される。第1結合部225は、例えば、突出した柱状でもよく、第1結合部225は後述される固定部材300に結合される。
【0075】
第3側壁部224cには、図3に図示された配線ユニット100の電線110と干渉を防止するための電線収納溝226が形成される。
【0076】
電線収納溝226のサイズ及び深さは、電線110の直径に対応して形成されて、電線収納溝226は、電線110の直径に応じて各々異なるように形成され得る。
【0077】
本発明の一実施形態において、第1モールディング部210及び第2モールディング部220との問には、モールディング部材400が過度に漏洩するのを防止するための遮断壁218が形成されてもよく、遮断壁218にはターミナル120との干渉を防止するための溝が形成される。
【0078】
図9は、本発明の一実施形態に係る固定部材を図示した斜視図である。図10は、配線ユニット、電線及び固定部材が結合されたのを図示した平面図である。
【0079】
図9及び図10を参照すると、固定部材300は、第2モールディング部220に挿入された配線ユニット100中、絶縁被覆112を押して絶縁被覆112が第2モールディング部220の第3側壁部224cから離脱するのを防止及び第2モールディング部220の内部に収納空間が形成されるようにする。
【0080】
たとえ本発明の一実施形態において、固定部材300が絶縁被覆112を押すことが図示及び説明されているが、固定部材300は、絶縁被覆112に結合したグロメット150に結合され得る。
【0081】
固定部材300は、第3側壁部224cと対応する棒状で形成され得る。
【0082】
例えば、棒状で形成された固定部材300中、第3側壁部224cと向かい合う下面には電線110の絶縁被覆112を押す凹凸部310が形成され得る。固定部材300に形成された凹凸部310の長さは、電線110の直径によって各々異なるように形成され得る。
【0083】
固定部材300には第2モールディング部220に形成されて図7に図示された第1結合部225と結合される第2結合部320が形成される。
【0084】
本発明の一実施形態において、第2モールディング部220に形成された第1結合部225は、例えば、柱状で形成されてもよく、固定部材300に形成された第2結合部320は、第1結合部225に挿入されて結合される溝またはホール形状で形成され得る。
【0085】
たとえ本発明の一実施形態において、第1結合部225が柱状で形成され、第2結合部320は溝またはホール形状で形成されることが図示及び説明されているが、これと異なって、第1結合部225を溝またはホール形状で形成して、第2結合部320を柱状で形成しても構わない。
【0086】
図2を再び参照すると、モールディング部材400は、第2モールディング部220に形成された収納空間を満たして第2モールディング部220を介して第1モールディング部210で水分または湿気が流入するのを遮断する。
【0087】
モールディング部材400は、例えば、LSR(liquid Silicon Rubber)射出方式によって形成され得る。
【0088】
モールディング部材400を形成するための素材としては、液状で射出された後硬化された時伸縮性(または弾性)があるか接着性がある素材が使用され得る。
【0089】
例えば、モールディング部材400として使用され得る素材としては、液状で射出された後硬化しても伸縮性及び接着性中いずれかを有するゴム素材、エポキシ系列素材及びシリコーン素材の少なくとも1つを含むことができる。
【0090】
本発明の一実施形態において、モールディング部材400が第2モールディング部220に形成された収納空間に形成される場合、モールディング部材400は電線110の絶縁被覆112、電線110の導電線114及び導電線114とターミナル120の接合部、グロメット150を各々取り囲むか加圧するので、絶縁被覆112及び第2モールディング部220、導電線114と第2モールディング部220、ターミナル120と第2モールディング部220の間の膨張係数が各々異なるかグロメット150及び絶縁被覆112の間の接着性能が低くてもモールディング性能低下を防止することができる。
【0091】
特にモールディング部材400は、伸縮性と共に接着性を有する場合、膨張係数の偏差による様々な部位で隙間が発生するのを防止して第2モールディング部220を介して水分または湿気が流入した後、第1モールディング部210に流入するのを根本的に防止することができる。
【0092】
一方、本発明の一実施形態において、モールディング部材400がLSR射出方式で第2モールディング部120に形成される時、モールディング部材400の一部は、第1モールディング部210に形成されたトレンチ形状の溝216としても提供されるが、トレンチ形状の溝216で提供されたモールディング部材400は、モルディングリング(またはオーリング(O-ring))として役割をする。
【0093】
このようにモールディング部材400の一部を第1モールディング部210に形成されたトレンチ形状の溝216に提供して別途のモルディングリングを使用しないことによって組み立て部品数及び組み立て工程数を減少させることができる。
【0094】
図11は、本発明の一実施形態に係るモーターコネクターを有するモーターの分解図である。図11に図示されたモーターのモーターコネクターは、前記の図1乃至図10に図示されたモーターコネクターと実質的に同一構成を有する。従って、同一構成に対する重複した説明は省略し、同一構成については同一名称及び同一参照符号を付与する。
【0095】
図11を参照すると、モーター900は、ベアリング850、モーターコネクター800及びモーター本体870を含む。
【0096】
モーターコネクター800のべース200にはベアリング850が結合される。
【0097】
モーター本体870は、回転軸872及び回転軸872を回転させるローター及びローターを取り囲むステーターを含むことができ、モーター本体870の上段にはモーターコネクター800のべース200と結合する結合部874を含むことができる。
【0098】
結合部874は、べース200と結合された際に外部から水分または異質の流入を防止する役割をする。
【0099】
以上で詳細に説明したように、電源及びセンシング信号を伝達するターミナル及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差、電線の被覆及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差及び電線の被覆によって取り囲まれた芯線及びコネクターの本体をなすモールドの間の膨張係数の差にもかかわらず、機密性を向上させてモーターの誤作動を防止することができる。
【0100】
また、本発明によると、電線の導電線と絶縁被覆との間に形成された隙間及び絶縁被覆とモールディング部材との間に形成された隙間が形成されるのを防止して、湿気及び水分の浸透を防止してモーターの誤作動を防止することができる。
【0101】
一方、本図面に開示された実施形態は、理解を助けるために特定例を提示したことに過ぎず、本発明の範囲を限定するのではない。ここに開示された実施形態以外にも本発明の技術的思想に基づいた他の変形例が実施可能であることは、本発明が属する技術分野において通常の知識を有する者には自明である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明は、デュアルクラッチトランスミッションに使用されるモーターに適用されるコネクターまたはデュアルクラッチトランスミッションに適用されるモーターに利用される。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11