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特許7046019基板処理装置用ガス噴射装置および基板処理装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】基板処理装置用ガス噴射装置および基板処理装置
(51)【国際特許分類】
   C23C 16/455 20060101AFI20220325BHJP
   C23C 16/509 20060101ALI20220325BHJP
   H01L 21/31 20060101ALI20220325BHJP
   H05H 1/46 20060101ALN20220325BHJP
【FI】
C23C16/455
C23C16/509
H01L21/31 C
H05H1/46 M
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2018568719
(86)(22)【出願日】2017-07-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-05
(86)【国際出願番号】 KR2017007564
(87)【国際公開番号】W WO2018016802
(87)【国際公開日】2018-01-25
【審査請求日】2020-07-09
(31)【優先権主張番号】10-2016-0091082
(32)【優先日】2016-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0089261
(32)【優先日】2017-07-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504210651
【氏名又は名称】ジュスン エンジニアリング カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ユン ホ ビン
(72)【発明者】
【氏名】シン スン チュル
(72)【発明者】
【氏名】ユ ジン ヒョク
(72)【発明者】
【氏名】チョ ビョン ハ
【審査官】▲高▼橋 真由
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2015-0051834(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C23C 16/00-16/56
H01L 21/31
H05H 1/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
処理チャンバー、
複数の基板を支持するように前記処理チャンバー内に設けられて回転軸を中心に回転する基板支持部、
前記処理チャンバーの上部を覆うチャンバーリッド
前記基板支持部に向かってプラズマを生成するプラズマ生成部、
前記プラズマ生成部が生成する前記プラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部、および
前記チャンバーリッドに設けられた接地本体、を含み、
前記プラズマ生成部は、プラズマ電源が印加されるようになった第1電極と、前記第1電極から離隔した位置で前記接地本体に結合する第2電極を含み、
ガス噴射空間が前記第2電極の内部に位置し、
前記第1電極の一部が、前記ガス噴射空間に位置するように、前記接地本体に挿入され、
前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間の下側を遮らないように配置され、前記第2電極に結合された第1遮蔽部材を含み、
前記第1遮蔽部材は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板支持部の前記回転軸に向かう側である前記基板の前方側に位置することを特徴とする基板処理装置。
【請求項2】
前記第2電極及び前記プラズマ遮蔽部が、異なる材質で形成されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項3】
前記第2電極が、導体で形成され、
前記プラズマ遮蔽部は、不導体または絶縁体で形成されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項4】
前記第2電極が、導体で形成され、
前記プラズマ遮蔽部は、セラミックで形成されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項5】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第1遮蔽部材を前記第2電極に結合させる第1結合部材を含み、
前記第1結合部材と前記第1遮蔽部材は、互いに同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項6】
前記第1遮蔽部材は、前記第1電極に接触するように前記第2電極に結合されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項7】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第1遮蔽部材から離隔された位置に位置する第2遮蔽部材を含み、
前記第1電極は、前記第1遮蔽部材と前記第2遮蔽部材の間に位置し、
前記第2電極は、前記第1遮蔽部材と前記第2遮蔽部材の間に位置することを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項8】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第2遮蔽部材を前記第2電極に結合させる第2結合部材を含み、
前記第2結合部材と前記第2遮蔽部材は、互いに同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項9】
前記チャンバーリッドに設けられて前記基板支持部に向かってソースガスを噴射するソースガス噴射部、前記チャンバーリッドに設けられて前記基板支持部に向かって反応ガスを噴射する反応ガス噴射部、前記基板支持部の回転方向に沿って前記ソースガス噴射部から離隔した位置で前記チャンバーリッドに設けられる第1パージガス噴射部、及び前記基板支持部の回転方向に沿って前記反応ガス噴射部から離隔した位置で前記チャンバーリッドに設けられる第2パージガス噴射部を含み、
前記反応ガス噴射部が、前記基板支持部の回転方向に沿って前記第1パージガス噴射部から離隔した位置で前記チャンバーリッドに設けられ、
前記ソースガス噴射部は、前記基板支持部の回転方向に沿って前記第2パージガス噴射部から離隔した位置で前記チャンバーリッドに設けられることを特徴とする、請求項1に記載の基板処理装置。
【請求項10】
前記第1パージガス噴射部と前記第2パージガス噴射部との間には、前記反応ガス噴射部が複数個設けられ、前記反応ガス噴射部は、前記基板支持部の回転方向に沿って互いに離隔した位置で前記チャンバーリッドに設けられることを特徴とする、請求項に記載の基板処理装置。
【請求項11】
基板支持部に支持された基板に対して処理工程を実行するために、プラズマを生成するプラズマ生成部と、
前記プラズマ生成部が結合する接地本体、および
前記プラズマ生成部が生成する前記プラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部を含み、
前記プラズマ生成部は、プラズマ電源が印加されるようになった第1電極、及び前記第1電極から離隔した位置で前記接地本体に結合する第2電極を含み、
ガス噴射空間が前記第2電極の内部に位置し、
前記第1電極の一部が、前記ガス噴射空間に位置するように、前記接地本体に挿入され、
前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間の下側を遮らないように配置され、前記第2電極に結合された第1遮蔽部材を含み、
前記第1遮蔽部材は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板支持部の回転軸に向かう側である前記基板の前方側に位置し、
前記ガス噴射空間は、前記接地本体に形成されたガス供給孔に連通し、前記ガス供給孔を介して処理ガス供給源に連結し、
前記処理ガス供給源から供給された処理ガスは、前記ガス供給孔を介して前記ガス噴射空間に供給され、その後、前記処理ガスは、前記ガス噴射空間を介して前記基板支持部に向かって噴射されるようになっていることを特徴とする基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項12】
前記第2電極が、導体で形成され、
前記プラズマ遮蔽部は、不導体または絶縁体で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項13】
前記第2電極が、導体で形成され、
前記プラズマ遮蔽部は、セラミックで形成されることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項14】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第1遮蔽部材を前記第2電極に結合させる第1結合部材を含み、
前記第1結合部材と前記第1遮蔽部材は、互いに同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項15】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第1電極に接触するように前記第2電極に結合されることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項16】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第1遮蔽部材から離隔した位置に位置する第2遮蔽部材を含み、
前記第1電極は、前記第1遮蔽部材と前記第2遮蔽部材の間に位置し、
前記第2電極は、前記第1遮蔽部材と前記第2遮蔽部材の間に位置して、
前記第2遮蔽部材は、前記第2電極と異なる材質で形成されることを特徴とする、請求項11に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項17】
前記第2遮蔽部材が、不導体または絶縁体で形成され、前記第1遮蔽部材と同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項18】
前記プラズマ遮蔽部が、前記第2遮蔽部材を前記第2電極に結合させる第2結合部材を含み、
前記第2結合部材と前記第2遮蔽部材は、互いに同じ材質で形成されることを特徴とする、請求項16に記載の基板処理装置用ガス噴射装置。
【請求項19】
処理チャンバー、
複数の基板を支持するように前記処理チャンバー内に設けられて回転軸を中心に回転する基板支持部、
前記処理チャンバーの上部を覆うチャンバーリッド、
前記基板支持部に向かってプラズマを生成するプラズマ生成部、
前記プラズマ生成部が生成する前記プラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部、および、
前記チャンバーリッドに設けられた接地本体、を含み、
前記プラズマ生成部は、プラズマ電源が印加されるようになった第1電極と、前記第1電極から離隔した位置で前記接地本体に結合する第2電極を含み、
ガス噴射空間が前記第2電極の内部に位置し、
前記第1電極の一部が、前記ガス噴射空間に位置するように、前記接地本体に挿入され、
前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間の下側を遮らないように配置され、前記第2電極に結合された遮蔽部材を含み、
前記遮蔽部材は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板の前方側とは反対の後方側に位置し、前記基板の前記前方側は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板支持部の前記回転軸に向かう側であることを特徴とする基板処理装置。
【請求項20】
基板支持部に支持された基板に対して処理工程を実行するために、プラズマを生成するプラズマ生成部、
前記プラズマ生成部が結合する接地本体、および、
前記プラズマ生成部が生成する前記プラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部、を含み、
前記プラズマ生成部は、プラズマ電源が印加されるようになった第1電極、及び前記第1電極から離隔した位置で前記接地本体に結合する第2電極を含み、
ガス噴射空間が前記第2電極の内部に位置し、
前記第1電極の一部が、前記ガス噴射空間に位置するように、前記接地本体に挿入され、
前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間の下側を遮らないように配置され、前記第2電極に結合された遮蔽部材を含み、
前記遮蔽部材は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板の前方側とは反対の後方側に位置し、前記基板の前記前方側は、前記ガス噴射空間を基準に、前記基板支持部の回転軸に向かう側であり、
前記ガス噴射空間は、前記接地本体に形成されたガス供給孔に連通し、前記ガス供給孔を介して処理ガス供給源に連結し、
前記処理ガス供給源から供給された処理ガスは、前記ガス供給孔を介して前記ガス噴射空間に供給され、その後、前記処理ガスは、前記ガス噴射空間を介して前記基板支持部に向かって噴射されるようになっていることを特徴とする基板処理装置用ガス噴射装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基板上に薄膜を蒸着する蒸着工程などの基板処理工程を実行する基板処理装置用ガス噴射装置および基板処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般的に、太陽電池(Solar Cell)、半導体素子、フラットパネルディスプレイ等を製造するためには、基板上に所定の薄膜層、薄膜回路パターン、または光学的パターンを形成しなければならず、そのためには、基板上に特定物質の薄膜を蒸着する薄膜蒸着工程、感光性物質を用いて薄膜を選択的に露出させるフォト工程、選択的に露出させた部分の薄膜を除去してパターンを形成するエッチング工程などの半導体製造工程を行うことになる。
【0003】
これらの半導体製造工程は、工程のために最適の環境に設計された基板処理装置の内部で行われ、最近では、プラズマを用いて蒸着工程またはエッチング工程を行なう基板処理装置が多用されている。
【0004】
プラズマを用いた基板処理装置には、プラズマを用いて薄膜を形成するPECVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)装置、および薄膜をエッチングしてパターニングするプラズマエッチング装置などがある。
【0005】
図1は、従来技術によるガス噴射装置の概念的な側面図である。
【0006】
図1を参照すると、従来技術によるガス噴射装置100は、第1電極110、接地本体120、及び第2電極130を含む。
【0007】
前記第1電極110は、基板処理のためのプラズマを生成するものである。前記接地本体120には、前記第1電極110が結合する。前記第2電極130は、前記接地本体120に結合する。前記第2電極130の前方には、前記第1電極110が位置する。前記第2電極130は、前記第1電極110の外側を囲むように形成され、前方に前記第1電極110を収容する。前記第2電極130は、電気的に接地する。
【0008】
これにより、前記第1電極110にプラズマ電源が印加されると、プラズマは、前記第1電極110と前記第2電極130間にかかる電場によってプラズマ領域(PA)に生成され得る。
【0009】
ここで、従来技術によるガス噴射装置100は、前記第1電極110の前方側及び後方側それぞれに第2電極130が位置するので、第1電極110の前方側及び前記第1電極110の後方側それぞれに、前記プラズマ領域(PA)が拡大される。これにより、従来技術によるガス噴射装置100は、次のような問題がある。
【0010】
第一に、従来技術によるガス噴射装置100は、前記プラズマ領域(PA)が、前記第1電極110の前方側及び前記第1電極110の後方側に向かって拡大するにしたがって前記プラズマ領域(PA)に生成されたプラズマの密度が低下するという問題がある。
【0011】
第二に、従来技術によるガス噴射装置100は、プラズマの密度が低下するにしたがって未反応の処理ガスの流量が増大し、これにより、処理ガスの消費量が増大するという問題がある。また、従来技術によるガス噴射装置100は、未反応の処理ガスの流量が増大することによってパーティクル発生量が増大して、基板の品質が低下する問題がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上述のような問題点を解決するために案出されたもので、プラズマ領域が拡大するにしたがって、プラズマ領域に生成されたプラズマの密度低下を低減させることができる基板処理装置用ガス噴射装置および基板処理装置を提供する。
【0013】
本発明は、未反応の処理ガスが発生することにより、処理ガスの消費量が増大することを防止することができ、未反応の処理ガスに起因するパーティクルの発生量が増大することによる基板の品質低下を防止することができる基板処理装置用ガス噴射装置および基板処理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述したような課題を解決するために、本発明は、下記のような構成を含むことができる。
【0015】
本発明に係る基板処理装置は、処理チャンバー、複数の基板を支持するように前記処理チャンバー内に設けられて回転軸を中心に回転する基板支持部、前記処理チャンバーの上部を覆うチャンバーリッド、前記基板支持部に向かってプラズマを生成するプラズマ生成部および、前記基板の前方側または前記基板の後方側の中の少なくとも一方において前記プラズマ生成部が生成するプラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部を含むことができる。
【0016】
本発明に係る基板処理装置用のガス噴射装置は、基板支持部に支持された基板に対して処理工程を実行するために、プラズマを生成するプラズマ生成部と、前記プラズマ生成部に結合する接地本体、前記プラズマ生成部の生成するプラズマを遮蔽するプラズマ遮蔽部を含む、前記プラズマ生成部のプラズマ生成のための第1電極、及び前記第1電極との間に処理ガスを噴射するためのガス噴射空間が形成されるように前記第1電極から離隔した位置で前記接地本体に結合する第2電極を含み、前記プラズマ遮蔽部は、前記基板の前方側または前記基板の後方側の中の少なくとも一方において、前記プラズマ生成部が生成するプラズマを遮蔽することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によると、次のような効果を図ることができる。
【0018】
本発明は、基板支持部の回転軸に向かってプラズマが生成されるプラズマ領域が拡大する程度を減少させることができるよう具現することによって、プラズマ領域に高密度プラズマを生成することができるので、基板の処理工程を行なうにあたって、化学反応の効率を増大させて処理工程の効率を増大させることができる。
【0019】
本発明は、未反応の処理ガスを減少させて処理ガスの消費量を減らすことにより、処理工程の工程コストを削減することができ、未反応の処理ガスに起因するパーティクルの発生量を減少させて処理工程が完了した基板の品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】従来技術によるガス噴射装置の概念的な側面図。
図2】本発明に係る基板処理装置の概略的な分解斜視図。
図3】本発明に係る基板処理装置におけるガス噴射装置の概略的な底面図。
図4】本発明に係る基板処理装置におけるガス噴射装置を図3のI-I線を基準に示した概略的な正断面図。
図5】本発明に係る基板処理装置におけるガス噴射装置を図3のII-II線を基準に示した概略的な側断面図。
図6】本発明に係る基板処理装置の概念的な平断面図。
図7】本発明に係る基板処理装置の概念的な斜視図。
図8】本発明に係る基板処理装置におけるソースガス噴射部を図3のI-I線を基準に示した概略的な正断面図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下では、本発明に係る基板処理装置の実施例を添付の図を参照して詳細に説明する。本発明に係る基板処理装置用のガス噴射装置は、本発明に係る基板処理装置に含まれ得るため、本発明に係る基板処理装置の実施例を説明しながら、一緒に説明する。
【0022】
図2を参照すると、本発明に係る基板処理装置1は、基板(S)の処理工程を行うものである。例えば、本発明に係る基板処理装置1は、前記基板(S)に薄膜を蒸着する蒸着工程を行うことができる。本発明に係る基板処理装置1は、前記蒸着工程が行われる処理チャンバー2、前記処理チャンバー2内に設けられる基板支持部3、前記処理チャンバー2の上部を覆うチャンバーリッド4、および処理ガスを噴射するガス噴射装置5を含む。
【0023】
図2を参照すると、前記処理チャンバー2は、前記の処理工程が行われる工程空間を提供するものである。前記処理チャンバー2には、前記基板支持部3と前記チャンバーリッド4を設置することができる。前記処理チャンバー2には、前記の工程空間に存在するガスなどを排気するための排気部を設けることができる。
【0024】
図2を参照すると、前記基板支持部3は、複数の基板(S)を支持するものである。前記基板(S)は、前記処理チャンバー2の外部に設けられたロード装置(未図示)によって搬入されたものである。前記基板(S)は、半導体基板またはウェハーであり得る。前記処理工程が完了した基板(S)は、前記処理チャンバー2の外部に設けられたアンローディング装置(未図示)によって搬出され得る。前記アンローディング装置及び前記ローディング装置は、一つの設備で具現することもできる。
【0025】
前記基板支持部3は、前記処理チャンバー2の内部に位置するように、前記処理チャンバー2に設置することができる。前記基板支持部3は、前記処理チャンバー2に回転可能に設置することができる。前記基板支持部3は、回転軸3aを中心に時計回りおよび反時計回りに回転可能に前記処理チャンバー2に設置することができる。この場合、前記基板(S)は、前記基板支持部3の回転方向(以下、「第1回転方向(R1矢印方向)」という)に沿って互いに同じ角度で離間して配置されるように前記基板支持部3に支持することができる。図2には、前記第1回転方向(R1矢印方向)が、前記回転軸3aを中心に時計回りであることを示しているが、これに限定されず、前記第1回転方向(R1、矢印の方向)は、前記回転軸3aを中心に反時計回りでもあり得る。前記基板支持部3は、駆動部(未図示)によって前記第1回転方向(R1矢印の方向)に回転することができる。前記駆動部は、前記基板支持部3を回転させるための回転力を発生させるモーターを含むことができる。前記駆動部は、前記モーターおよび前記基板支持部3に接続する動力伝達部(未図示)をさらに含むこともできる。前記動力伝達部はプーリー、ベルト、チェーン、ギア等であり得る。前記駆動部は、前記処理チャンバー2の外部に位置するように、前記処理チャンバー2に設置することができる。
【0026】
図2を参照すると、前記チャンバーリッド4は、前記処理チャンバー2の上部を覆うように、前記処理チャンバー2に設けられる。これにより、前記チャンバーリッド4は、前記工程空間を密閉することができる。前記チャンバーリッド4及び前記処理チャンバー2は、図2に示すように六角形構造で形成することができるが、これに限定されず、円筒形構造、楕円形構造、多角形構造などで形成することもできる。
【0027】
図2を参照すると、前記ガス噴射装置5は、前記基板支持部3に向かって処理ガスを噴射するものである。前記ガス噴射装置5は、前記チャンバーリッド4に設けられる。前記ガス噴射装置5は、前記基板支持部3の上側に位置するように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記チャンバーリッド4には、前記ガス噴射装置5が設けられるように設置孔41を形成することができる。前記ガス噴射装置5は、前記設置孔41に挿入することにより、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記の設置孔41は、前記チャンバーリッド4を貫通して形成することができる。
【0028】
ここで、本発明に係る基板処理装置1は、前記ガス噴射装置5を複数個含むことができる。前記ガス噴射装置5のうちの少なくとも一部は、プラズマを用いて処理ガスを活性化させて噴射するように具現することができる。前記ガス噴射装置5のうちの少なくとも一部は、プラズマを用いずに処理ガスを噴射するように具現することができる。プラズマを用いて、処理ガスを活性化させて噴射するガス噴射装置5について、図2図5を参照して詳細に見ると、以下のとおりである。
【0029】
前記ガス噴射装置5は、プラズマ生成部を含むことができる。
【0030】
前記プラズマ生成部は、前記基板支持部3に向かってプラズマを生成するものである。前記プラズマ生成部は、処理ガスを活性化させることでプラズマを生成することができる。そのために、前記プラズマ生成部に複数の電極を用いてプラズマを生成する電場を生成することができる。前記プラズマ生成部は、前記ガス噴射装置5に前記基板(S)の方を向くように配置することができる。
【0031】
前記プラズマ生成部は、第1電極51及び第2電極53を含むことができる。
【0032】
前記第1電極51は、プラズマを生成するために用いられるものである。前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記回転軸3aを中心に回転しながら、前記第1電極51の下側を通る。前記第1電極51は、プラズマ電源10(図4に示す)から印加されたプラズマ電源を用いてプラズマを生成することができる。すなわち、前記第1電極51は、プラズマ電源が印加されるプラズマ電極として具現することができる。この場合、プラズマは、プラズマ電源によって前記第1電極51と前記第2電極53間にかかる電場によって生成され得る。これにより、処理ガスは、プラズマにより活性化されて噴射され得る。前記プラズマ電源10は、高周波電力またはRF(Radio Frequency)電力からなるプラズマ電源を前記第1電極51に印加することができる。前記プラズマ電源10がRF電力からなるプラズマ電源を印加する場合、LF(Low Frequency)電力、MF(Middle Frequency)電力、HF(High Frequency)電力、またはVHF(Very High Frequency)電力からなるプラズマ電源を印加することができる。LF電力は3kHz~300kHz範囲の周波数を有することができる。MF電力は300kHz~3MHz範囲の周波数を有することができる。HF電力は3MHz~30MHz範囲の周波数を有することができる。VHF電力は30MHz~300MHz範囲の周波数を有することができる。
【0033】
前記第1電極51は、前記第2電極53に結合することができる。前記第1電極51は、接地本体52に結合することにより、前記第2電極53に結合することもできる。前記接地本体52は、前記チャンバーリッド4に結合することができる。前記接地本体52は、前記チャンバーリッド4に電気的に接続することで、前記チャンバーリッド4を介して電気的に接地することができる。前記接地本体52は、前記の設置孔41に挿入することにより、前記チャンバーリッド4に結合することができる。
【0034】
前記第1電極51は、前記第2電極53の間に位置するように、前記接地本体52に結合することができる。前記第1電極51は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って前記第2電極53の間に位置することができる。前記第1電極51は、一部が前記第2電極53の間に位置するように、前記接地本体52に挿入して結合することができる。この場合、前記第1電極51から前記第2電極53の間に位置する部分は、前記第2電極53に対して平行に配置することができる。
【0035】
前記第1電極51および前記接地本体52の間には、絶縁部材521(図4に示す)が位置することができる。前記絶縁部材521は、前記第1電極51および前記接地本体52を電気的に絶縁することができる。前記絶縁部材521は、前記接地本体52に挿入することにより、前記接地本体52に結合することができる。前記第1電極51は、前記絶縁部材521に形成された貫通孔に挿入することにより、前記絶縁部材521を介して前記接地本体52に結合することができる。
【0036】
前記第2電極53には、前記第1電極51が結合することができる。この場合、前記第1電極51は、前記接地本体52に結合することにより、前記第2電極53に結合することができる。前記第2電極53は、前記接地本体52から前記基板支持部3に向かう方向に突出するように、前記接地本体52に結合することができる。前記第2電極53は、前記第1電極51の両側に位置するように、前記接地本体52に結合することができる。この場合、前記第2電極53は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って前記第1電極51の両側に位置することができる。前記第1電極51にプラズマ電源が印加されると、前記第2電極53と前記第1電極51との間にかかる電場によってプラズマが生成され得る。この場合、前記第2電極53は、プラズマを生成する過程で接地のための接地電極として具現することができる。前記第2電極53と前記接地本体52は、一体に形成することもできる。
【0037】
前記第2電極53には、ガス噴射空間531を形成することができる。処理ガスは、ガス噴射空間531を介して噴射することができる。前記ガス噴射空間531は、前記第2電極53の内部に位置することができる。前記ガス噴射空間531を介して前記第2電極53は、一側が開放された形態で形成することができる。前記第2電極53は、開放された一側が前記基板支持部3を向くように設置することができる。前記第1電極51は、一部が前記ガス噴射空間531に位置するように、前記接地本体52に挿入して結合することができる。この場合、前記第1電極51と前記接地本体52の間に前記ガス噴射空間531が位置することができる。前記第2電極53は、前記第1電極51との間に前記ガス噴射空間531が形成されるように前記第1電極51から離隔した位置で前記接地本体52に結合することができる。
【0038】
前記ガス噴射空間531は、前記接地本体52に形成されたガス供給孔522に連通するように連結することができる。前記ガス供給孔522は、前記接地本体52を貫通して形成されるものである。前記ガス供給孔522は、処理ガス供給源20に連結することができる。これにより、前記処理ガス供給源20に供給された処理ガスは、前記ガス供給孔522を介して前記ガス噴射空間531に供給された後、前記ガス噴射空間531を介して前記基板支持部3に向かって噴射され得る。前記接地本体52には、前記ガス供給孔522を複数個形成することができる。この場合、前記ガス供給孔522は、前記第1電極51の両側に位置することができる。前記接地本体52に前記絶縁部材521が結合された場合、前記絶縁部材521は、前記ガス供給孔522の間に位置するように、前記接地本体52に結合することができる。
【0039】
前記ガス噴射装置5は、プラズマ遮蔽部を含むことができる。
【0040】
前記プラズマ遮蔽部は、前記基板(S)の前方側または前記基板(S)の後方側の中の少なくとも一方に位置するものである。前記基板(S)の前方側は、前記基板(S)を基準に前記基板支持部3の回転軸3aに向かう側である。前記基板(S)の後方側は、前記基板(S)を基準に前記基板(S)の前方側に対して反対の側である。つまり、前方(Top)は、前記処理チャンバー2の中央(center)部に向かう方向を意味し、後方(Bottom)は、前記処理チャンバー2の外縁(edge)部に向かう方向を意味することができる。前記基板(S)を基準に、前記基板(S)の中で、前記処理チャンバー2の中央部に向かう部分は前記基板(S)の前方部に該当し、前記処理チャンバー2の外縁部に向かう部分は前記基板(S)の後方部に該当する。
【0041】
前記プラズマ遮蔽部は、前記基板(S)の前方(Top)側に位置することにより、前記基板(S)の前方側に生成し得るプラズマの一部を遮蔽することができる。前記プラズマ遮蔽部は、前記基板(S)の後方(Bottom)側に位置することにより、前記基板(S)の後方側に生成し得るプラズマの一部を遮蔽することができる。前記プラズマ遮蔽部は、前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側、つまり両側に位置することにより、前記基板(S)の両方で生成し得るプラズマの一部を遮蔽することができる。
【0042】
これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記プラズマ遮蔽部を用いて前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側の中の少なくとも一方を遮蔽することにより、前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側の中の少なくとも一方の側にプラズマ領域(PA)が拡大する程度を減少させることができる。前記プラズマ領域(PA)は、プラズマが生成される領域を意味する。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記プラズマ生成部の下側に、前記プラズマ領域(PA)が集中するように具現することで、高密度プラズマの生成を介して前記基板(S)上の化学反応の効率を増大させることができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記処理工程の効率をより向上させることができるだけでなく、未反応の処理ガスの減少を介して処理ガスの消費量を減らして、前記処理工程の工程コストを削減することができる。また、本発明に係る基板処理装置1は、未反応の処理ガスに起因するパーティクルの発生量をさらに減少させることができるので、前記の処理工程が完了した基板(S)の品質を向上させることができる。
【0043】
前記プラズマ遮蔽部および前記第2電極53は、互いに異なる材質で形成することができる。これにより、前記プラズマ遮蔽部は、前記第2電極53と区別され、前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側の中の少なくとも一方を効果的に遮蔽することができる。前記プラズマ遮蔽部は、不導体または絶縁体で形成することができる。これにより、前記第1電極51にプラズマ電源が印加されると、前記プラズマ遮蔽部および前記第1電極51の間に電場がかからないように具現される。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側の中の少なくとも一方の側に前記プラズマ領域(PA)が拡大する程度を減少させることができる。この場合、前記第2電極53は、導体で形成することができる。例えば、前記第2電極53は、アルミニウム(Aluminum)で形成することができる。前記プラズマ遮蔽部は、セラミック(Ceramic)で形成することができる。
【0044】
前記プラズマ遮蔽部は、前記接地本体52および前記プラズマ生成部の間に位置することができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記プラズマ生成部および前記接地本体52の間での電場の形成を前記プラズマ遮蔽部によって遮断できるように具現される。従って、本発明に係る基板処理装置は、前記基板(S)の前方側及び前記基板(S)の後方側の中の少なくともいずれかの側に位置した前記接地本体52と前記プラズマ生成部によって前記プラズマ領域(PA)が拡大する程度をさらに減少させることができる。
【0045】
前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間531の下側を遮らないように配置することができる。例えば、前記プラズマ遮蔽部は、前記第1電極51、及び前記第2電極53の下側を遮らないように配置することによって、前記ガス噴射空間531の下側を遮らないことが可能になる。このため、前記プラズマ遮蔽部は、前記ガス噴射空間531を基準に前記基板支持部3の回転軸3aに向かう前方側、及び前記前方側に反対の後方側の中の少なくとも一方に配置することができる。
【0046】
これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記プラズマ遮蔽部がプラズマを遮蔽するために前記ガス噴射空間531の下側を一部遮るように形成された比較例に比べて、処理ガスが前記基板(S)側に向かって噴射される過程で、前記プラズマ遮蔽部に遮られて蓄積されることを防止することができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記基板(S)上に噴射されずに、前記プラズマ遮蔽部によって浪費される処理ガスを減少させることにより、処理ガスの消費量をより低減させることができるだけでなく、未反応処理ガスに起因するパーティクルの発生量をさらに減少させることができる。
【0047】
前記プラズマ遮蔽部は、第1遮蔽部材54を含むことができる。
【0048】
前記第1遮蔽部材54は、前記基板(S)の前方側に位置するように前記基板支持部3の回転軸3aおよび前記第1電極51の間に位置するものである。前記第1遮蔽部材54は、前記第2電極53と異なる材質で形成することができる。これにより、前記第1遮蔽部材54は、前記第1電極51と前記基板支持部3の回転軸3aとの間を遮蔽することができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、次のような作用効果を図ることができる。
【0049】
第一に、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1遮蔽部材54を用いて前記基板(S)の前方に向かって前記プラズマ領域(PA)が拡大される程度を減少させることによって、前記第1電極51の下側にプラズマ領域(PA)が集中するように具現される。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記プラズマ領域(PA)に高密度プラズマを生成することができるので、前記基板(S)の処理工程を行なうにあたって、化学反応の効率を増大させて前記処理工程の効率を増大させることができる。
【0050】
第二に、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1遮蔽部材54を用いた高密度プラズマを生成することにより、未反応の処理ガスを減少させることができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、処理ガスの消費量を減らすことにより、前記処理工程の工程コストを削減することができる。また、本発明に係る基板処理装置1は、未反応の処理ガスに起因するパーティクルの発生量を減少させることができるので、前記の処理工程が完了した基板(S)の品質を向上させることができる。
【0051】
前記第1遮蔽部材54は、不導体または絶縁体で形成することができる。これにより、前記第1電極51にプラズマ電源が印加されると、第1遮蔽部材54および前記第1電極51の間に電場がかからないように具現される。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1電極51と前記基板支持部3の回転軸3aとの間で前記基板支持部3の回転軸3aに向かって、前記プラズマ領域(PA)が拡大される程度を減少させることができる。この場合、前記第2電極53は、導体で形成することができる。例えば、前記第2電極53は、アルミニウムで形成することができる。前記第1遮蔽部材54は、セラミックで形成することができる。
【0052】
前記第1遮蔽部材54は、前記第1電極51に接触するよう前記第2電極53に結合することができる。これにより、前記ガス噴射空間531の前記第1遮蔽部材54および前記第1電極51との間に位置する部分は、第1遮蔽部材54および前記第1電極51によって塞がれる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1遮蔽部材54および前記第1電極51の間に噴射される処理ガスの流量を減少させることによって、前記プラズマ領域(PA)に噴射される処理ガスが、他の領域の処理ガスと混合する程度を減少させることができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、プラズマを生成する際、通常の点火が行われない、またはアークが発生するなどの異常が発生することを防止することができるだけでなく、前記プラズマ領域(PA)に高密度プラズマが生成されるよう具現することができる。
【0053】
前記第1遮蔽部材54は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に前記第1電極51の両側に位置する第2電極53に接触するよう前記第2電極53に結合することができる。前記第1遮蔽部材54は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)を基準として、前記第2電極53、前記第1電極51、及び前記第1電極51と前記第2電極53の間に位置するガス噴射空間531を合わせた長さに対応する長さに形成することができる。前記第1遮蔽部材54は、前記第1電極51に結合することもできる。
【0054】
前記プラズマ遮蔽部は、第1結合部材55(図3に示す)を含むことができる。
【0055】
前記第1結合部材55は、前記第1遮蔽部材54を前記第2電極53に結合させるものである。前記第1結合部材55は、前記第1遮蔽部材54および前記第2電極53のそれぞれに挿入することにより、第1遮蔽部材54を前記第2電極53に結合させることができる。前記第1結合部材55および前記第1遮蔽部材54は、互いに同一の材質で形成することができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1結合部材55を用いて前記プラズマ領域(PA)に高密度プラズマを生成することができ、かつ前記第1遮蔽部材54を前記第2電極53に結合させることができるように具現される。
【0056】
前記第1結合部材55および前記第1遮蔽部材54は、それぞれ不導体または絶縁体で形成することができる。この場合、前記第2電極53は、導体で形成することができる。前記第1結合部材55および前記第1遮蔽部材54は、それぞれ、セラミックで形成することができる。前記第1結合部材55は、外周面にネジ山が形成されたボルトの形態で具現することができる。この場合、前記第1遮蔽部材54および前記第2電極53には、前記第1結合部材55に形成されたネジ山に対応するネジ山が形成された第1締結孔を形成することができる。
【0057】
前記プラズマ遮蔽部は、第2遮蔽部材56を含むことができる。
【0058】
前記第2遮蔽部材56は、前記基板(S)の後方側に位置するように前記第1遮蔽部材54から離隔した位置に配置することができる。前記第1電極51は、前記第2遮蔽部材56および前記第1遮蔽部材54の間に位置することができる。前記第2電極53は、前記第2遮蔽部材56および前記第1遮蔽部材54の間に位置することができる。この場合、前記第1遮蔽部材54は、前記基板支持部3の回転軸3aに向かう前記第1電極51の前方側位置することができる。前記第2遮蔽部材56は、前記第1電極51の後方側に位置することができる。前記第2遮蔽部材56は、前記第2電極53と異なる材質で形成することができる。これにより、前記第2遮蔽部材56は、前記第1電極51の後方側を遮蔽することができる。前記第1遮蔽部材54は、前記第1電極51の前方側を遮蔽することができる。
【0059】
従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第2遮蔽部材56および前記第1遮蔽部材54を用いて前記第1電極51の前方側及び前記第1電極51の後方側を遮蔽することにより、前記第1電極51の前方側及び前記第1電極51の外側に向かって、前記プラズマ領域(PA)が拡大する程度を減少させることができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1電極51の下側に前記プラズマ領域(PA)が集中するように具現することで、高密度プラズマの生成を介して前記基板(S)上の化学反応の効率をより向上させることができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記処理工程の効率をより向上させることができるだけでなく、未反応の処理ガスの減少を介して処理ガスの消費量を減らして、前記処理工程の工程コストをさらに減らすことができる。また、本発明に係る基板処理装置1は、未反応の処理ガスに起因するパーティクルの発生量をさらに減少させることができるので、前記の処理工程が完了した基板(S)の品質をより向上させることができる。
【0060】
前記第2遮蔽部材56は、不導体または絶縁体で形成することができる。これにより、前記第1電極51にプラズマ電源が印加されると、前記第2遮蔽部材56および前記第1電極51の間に電場がかからないように具現される。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第1電極51の外側に向かって、前記プラズマ領域(PA)が拡大する程度を減少させることができる。前記第2遮蔽部材56は、セラミックで形成することができる。前記第2遮蔽部材56および前記第1遮蔽部材54は、同じ材質で形成することができる。
【0061】
前記第2遮蔽部材56は、前記第1電極51に接触するよう前記第2電極53に結合することができる。これにより、前記ガス噴射空間531で前記第2遮蔽部材56および前記第1電極51との間に位置する部分は、第2遮蔽部材56および前記第1電極51によって塞がれる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第2遮蔽部材56および前記第1電極51の間に噴射される処理ガスの流量を減少させることによって、前記プラズマ領域(PA)に噴射される処理ガスが、他の領域の処理ガスと混合する程度を減少させることができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、プラズマを生成するに当たり、通常の点火が行われない、またはアークが発生するなどの異常が発生することを防止することができるだけでなく、前記プラズマ領域(PA)に高密度プラズマが生成されるよう具現することができる。
【0062】
前記第2遮蔽部材56は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に前記第1電極51の両側に位置する第2電極53に接触するよう前記第2電極53に結合することができる。前記第2遮蔽部材56は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)を基準として、前記第2電極53、前記第1電極51、及び前記第1電極51と前記第2電極53の間に位置するガス噴射空間531を合わせた長さに対応する長さに形成することができる。この場合、前記第2遮蔽部材56および前記第1遮蔽部材54の間には、前記第2電極53、前記ガス噴射空間531および前記第1電極51が位置することができる。前記ガス噴射空間531は、前記第2遮蔽部材56、第1遮蔽部材54および前記第2電極53の内部に位置することができる。前記第2遮蔽部材56は、前記第1電極51に結合することもできる。
【0063】
前記プラズマ遮蔽部は、第2結合部材57(図3に示す)を含むことができる。
【0064】
前記第2結合部材57は、前記第2遮蔽部材56を前記第2電極53に結合させるものである。前記第2結合部材57は、前記第2遮蔽部材56および前記第2電極53のそれぞれに挿入することにより、第2遮蔽部材56を前記第2電極53に結合させることができる。前記第2結合部材57及び前記第2遮蔽部材56は、互いに同一の材質で形成することができる。従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記第2結合部材57を用いて前記プラズマ領域(PA)に高密度プラズマを生成することができ、かつ前記第2遮蔽部材56を前記第2電極53に結合させることができるように具現される。
【0065】
前記第2結合部材57および前記第2遮蔽部材56は、それぞれ不導体または絶縁体で形成することができる。この場合、前記第2電極53は導体で形成することができる。前記第2結合部材57及び前記第2遮蔽部材56は、それぞれ、セラミックで形成することができる。前記第2結合部材57は、外周面にネジ山が形成されたボルトの形態で具現することができる。この場合、前記第2遮蔽部材56および前記第2電極53には、前記第2結合部材57に形成されたネジ山に対応するネジ山が形成された第1締結孔を形成することができる。
【0066】
図2図7を参照すると、本発明に係る基板処理装置1は、反応ガス噴射部5a(図7に示す)を含むことができる。
【0067】
前記反応ガス噴射部5aは、反応ガスを噴射するものである。反応ガスは、前記処理工程に用いられる処理ガスに属するものである。前記反応ガス噴射部5aは、前記チャンバーリッド4に取り付けて前記基板支持部3に向かって反応ガスを噴射することができる。
この場合、前記反応ガス噴射部5aは、前記基板支持部3の上側に位置するように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記反応ガス噴射部5aは、前記の設置孔41に挿入することにより、前記チャンバーリッド4に設置することができる。
【0068】
前記反応ガス噴射部5aは、プラズマを用いて反応ガスを活性化させて前記基板支持部3に向かって噴射することができる。この場合、前記反応ガス噴射部5aは、前記第1電極51、前記接地本体52、前記第2電極53、及び前記プラズマ遮蔽部を含むことができる。前記プラズマ遮蔽部は、前記第1遮蔽部材54を含むことができる。前記プラズマ遮蔽部は、前記第1遮蔽部材54及び前記第2遮蔽部材56を含むこともできる。前記第1電極51、前記接地本体52、前記第2電極53、及び前記プラズマ遮蔽部は、上述した前記ガス噴射装置5で処理ガスを反応ガスに変更することを除けばほぼ一致するので、これに対する具体的な説明は省略する。前記反応ガス噴射部5aを具現するにおいて、前記プラズマ遮蔽部が有する第1結合部材55及び前記第2結合部材57を適用することができる。
【0069】
前記反応ガス噴射部5aは、反応ガス噴射領域50a(図7に示す)に反応ガスを噴射することができる。この場合、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記基板支持部3が前記第1回転方向(R1矢印の方向)に回転することにより前記反応ガス噴射領域50aを通ることができる。これにより、前記反応ガス噴射部5aは、前記反応ガス噴射領域50aに位置する基板(S)に反応ガスを噴射することができる。前記反応ガス噴射領域50aは、前記反応ガス噴射部5aおよび前記基板支持部3の間に位置することができる。
【0070】
図2及び図7を参照すると、本発明に係る基板処理装置1は、ソースガス噴射部5b(図7に示す)を含むことができる。
【0071】
前記ソースガス噴射部5bは、ソースガスを噴射するものである。ソースガスは、前記処理工程に用いられる処理ガスに属するものである。前記ソースガス噴射部5bは、前記チャンバーリッド4に取り付けて前記基板支持部3に向かってソースガスを噴射することができる。この場合、前記ソースガス噴射部5bは、前記基板支持部3の上側に位置するように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記ソースガス噴射部5bは、前記設置孔41に挿入することにより、前記チャンバーリッド4に設置することができる。
【0072】
前記ソースガス噴射部5bは、ソースガス噴射領域50b(図7に示す)にソースガスを噴射することができる。この場合、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記基板支持部3が前記第1回転方向(R1矢印の方向)に回転することにより、前記のソースガス噴射領域50bを通ることができる。これにより、前記ソースガス噴射部5bは、前記ソースガス噴射領域50bに位置する基板(S)にソースガスを噴射することができる。前記ソースガス噴射領域50bは、前記ソースガス噴射部5bおよび前記基板支持部3の間に位置することができる。本発明に係る基板処理装置1が前記基板(S)に薄膜を蒸着する蒸着工程を実行する場合、前記ソースガス噴射部5bは、前記基板(S)に蒸着する薄膜物質を含んだソースガスを噴射するように具現することができる。
【0073】
図2図7及び図8を参照すると、前記ソースガス噴射部5bは、ソースガスハウジング51b(図8に示す)、ソースガス噴射空間52b(図8に示す)およびソースガス供給孔53b(図8に示す)を含むことができる。
【0074】
前記ソースガスハウジング51bは、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記ソースガスハウジング51bは、前記チャンバーリッド4に形成された設置孔41
図2に示す)に挿入することにより、前記チャンバーリッド4に設置することができる。この場合、前記チャンバーリッド4には、複数の設置孔41を形成することができる。
前記ソースガスハウジング51bは、全体的に直方体の形態に形成することができるが、これに限定されず、前記チャンバーリッド4に設置して、ソースガスを噴射することができる形態であれば、円筒形などの他の形態で形成することもできる。
【0075】
前記ソースガス噴射空間52bは、前記ソースガスハウジング51bに形成することができる。前記ソースガス噴射空間52bは、前記ソースガスハウジング51bの内部に位置することができる。前記ソースガスハウジング51bは、前記ソースガス噴射空間52bを介して一側が開放された形態で形成することができる。前記ソースガスハウジング51bは、開放された一側が前記基板支持部3を向くように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。ソースガスは、前記ソースガス噴射空間52bを経て、前記基板支持部3に向かって噴射されることにより、前記ソースガス噴射領域50bに位置する基板(S)に噴射される。
【0076】
前記ソースガス供給孔53bは、前記ソースガスハウジング51bを貫通して形成することができる。前記ソースガス供給孔53bは、前記ソースガス噴射空間52bに連通するように形成することができる。前記ソースガス供給孔53bは、ソースガスを供給するソースガス供給源30に連結することができる。これにより、前記ソースガス供給源30から供給されたソースガスは、前記ソースガス供給孔53bを介して前記ソースガス噴射空間52bに移動した後、前記ソースガス噴射空間52bを経て、前記ソースガス噴射領域50bに噴射される。
【0077】
前記ソースガス噴射部5bは、プラズマを用いずにソースガスを前記ソースガス噴射領域50bに噴射するように具現することができる。この場合、前記ソースガス噴射部5bは、前記第1電極51、第1遮蔽部材54、前記第1結合部材55、第2遮蔽部材56、及び前記第2結合部材57を含まないように具現される。
【0078】
前記ソースガス噴射部5bおよび前記反応ガス噴射部5aは、互いに離隔した位置に位置するように配置することができる。前記ソースガス噴射部5bおよび前記反応ガス噴射部5aは、前記チャンバーリッド4に形成された設置孔41の中で、互いに異なる設置孔41に挿入することにより、互いに離隔した位置で前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記反応ガス噴射部5aは、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って、前記ソースガス噴射部5bから離隔した位置で前記チャンバーリッド4に設置することができる。これにより、前記反応ガス噴射部5aは、前記ソースガス噴射領域50bを経て、前記反応ガス噴射領域50aに位置する基板(S)に反応ガスを噴射することができる。この場合、前記基板支持部3に支持された基板(S)は、前記基板支持部3が前記第1の回転方向(R1矢印の方向)に回転することにより、前記のソースガス噴射領域50bと前記反応ガス噴射領域50aを順に経て、前記の処理工程を行なうことができる。
【0079】
従って、本発明に係る基板処理装置1は、前記ソースガス噴射領域50bと前記反応ガス噴射領域50aで、それぞれ別個の基板(S)の処理工程を行なうように具現することができる。これにより、本発明に係る基板処理装置1は、前記処理工程が完了した基板(S)の生産性を向上させることができる。
【0080】
図2及び図8を参照すると、本発明に係る基板処理装置1は、第1パージガス噴射部および第2パージガス噴射部を含むことができる。
【0081】
前記第1パージガス噴射部は、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記第1パージガス噴射部は、前記基板支持部3に向かってパージガスを噴射することができる。これにより、前記第1パージガス噴射部はパージ機能を具現することができるのみならず、前記基板支持部3と前記チャンバーリッド4との間の空間を前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って複数の領域に区画することができる。前記第1パージガス噴射部は、前記基板支持部3の上側に位置するように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。
【0082】
前記第1パージガス噴射部は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って、前記ソースガス噴射部5bから離隔された位置で前記チャンバーリッド4に設置することができる。これにより、前記第1パージガス噴射部は、前記ソースガス噴射領域50bと前記反応ガス噴射領域50aとの間にエアカーテンを具現することにより、前記ソースガス噴射領域50bと前記反応ガス噴射領域50aを空間的に区画することができる。また、前記第1パージガス噴射部は、前記ソースガス噴射領域50bを経て基板(S)にパージガスを噴射することにより、前記基板(S)上に蒸着されずに残存するソースガスをパージすることができる。前記第1パージガス噴射部は不活性ガスをパージガスとして前記基板支持部3に向かって噴射することができる。例えば、前記第1パージガス噴射部はアルゴン(Argon)をパージガスとして前記基板支持部3に向かって噴射することができる。
【0083】
前記第2パージガス噴射部は、前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記第2パージガス噴射部は、前記基板支持部3に向かってパージガスを噴射することができる。これにより、前記第2パージガス噴射部はパージ機能を具現することができるのみならず、前記基板支持部3と前記チャンバーリッド4との間の空間を前記第1の回転方向(R1矢印の方向)に沿って複数の領域に区画することができる。前記第2パージガス噴射部は、前記基板支持部3の上側に位置するように、前記チャンバーリッド4に設置することができる。
【0084】
前記第2パージガス噴射部は、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って前記反応ガス噴射部5aから離隔した位置で前記チャンバーリッド4に設置することができる。これにより、前記第2パージガス噴射部は、前記反応ガス噴射領域50aと、前記ソースガス噴射領域50bの間にエアカーテンを具現することにより、前記反応ガス噴射領域50aと、前記ソースガス噴射領域50bを空間的に区画することができる。また、前記第2パージガス噴射部は、前記反応ガス噴射領域50aを経て基板(S)にパージガスを噴射することにより、前記基板(S)上に蒸着されずに残存する反応ガスなどをパージすることができる。
前記第2パージガス噴射部は不活性ガスをパージガスとして前記基板支持部3に向かって噴射することができる。例えば、前記第2パージガス噴射部はアルゴンをパージガスにして前記基板支持部3に向かって噴射することができる。
【0085】
前記第2パージガス噴射部と前記第1パージガス噴射部は、相互に接続するように具現することができる。この場合には、前記第2パージガス噴射部と前記第1パージガス噴射部は、一つのパージガス供給源から供給されたパージガスを分配して噴射することができる。前記第2パージガス噴射部と前記第1パージガス噴射部は、一体に形成することもできる。
【0086】
前記第1パージガス噴射部と前記第2パージガス噴射部との間には、前記反応ガス噴射部5aを複数個設置することができる。前記反応ガス噴射部5aは、前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って互いに離隔した位置で前記チャンバーリッド4に設置することができる。前記ソースガス噴射部5bおよび前記反応ガス噴射部5aとの間に前記第1パージガス噴射部を複数個位置するように、前記チャンバーリッド4には複数の第1パージガス噴射部を前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って互いに離隔して設置することもできる。
図に示していないが、前記反応ガス噴射部5a及び前記ソースガス噴射部5bの間に前記第2パージガス噴射部が複数個位置するように、前記チャンバーリッド4には複数の第2パージガス噴射部を前記第1回転方向(R1矢印の方向)に沿って互いに離隔して設置することもできる。
【0087】
以上で説明した本発明は、前述した実施例及び添付の図に限定されるものではなく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲内で、複数の置換、変形及び変更が可能であることは、本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者にとって明らかであろう。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8