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特許7046028ハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】ハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法
(51)【国際特許分類】
   F01N 3/24 20060101AFI20220325BHJP
   F01N 3/20 20060101ALI20220325BHJP
   F01N 3/28 20060101ALI20220325BHJP
   F01N 3/00 20060101ALI20220325BHJP
   C04B 41/88 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
F01N3/24 L
F01N3/20 K
F01N3/28 301Z
F01N3/00 G
C04B41/88 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019053788
(22)【出願日】2019-03-20
(65)【公開番号】P2020153325
(43)【公開日】2020-09-24
【審査請求日】2021-03-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004064
【氏名又は名称】日本碍子株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】高瀬 尚哉
【審査官】北村 亮
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-153725(JP,A)
【文献】特開2016-74589(JP,A)
【文献】特開2016-196887(JP,A)
【文献】特開2011-256816(JP,A)
【文献】米国特許第5259190(US,A)
【文献】特開2014-51402(JP,A)
【文献】特開平5-179939(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 3/24
F01N 3/20
F01N 3/28
F01N 3/00
C04B 41/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、を有する柱状ハニカム構造部、及び、
前記柱状ハニカム構造部の外周壁の表面に、前記柱状ハニカム構造部の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定方法であって、
前記一対の電極層に電圧を印加することで、前記ハニカム構造体を通電状態にする工程と、
前記通電状態の前記柱状ハニカム構造部の外周壁表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する工程と、
前記複数箇所で測定された異なる2地点間の各抵抗値Rnに基づき、キルヒホッフの法則を用いて前記2地点間に流れる電流値Inを推定し、前記各抵抗値Rn及び前記電流値Inに基づき、前記各抵抗値Rnに生じる発熱量を算出する工程と、
前記ハニカム構造体において、前記各抵抗値Rnを測定した部位と、前記各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、前記ハニカム構造体内の発熱分布を推定する工程と、
を含むハニカム構造体の発熱分布測定方法。
【請求項2】
前記抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ前記柱状ハニカム構造部の外周壁の周方向に沿って離間した2地点を選択する請求項1に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法。
【請求項3】
前記抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ前記柱状ハニカム構造部のセルの延伸方向に沿って離間した2地点を選択する請求項1または2に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法。
【請求項4】
外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、を有する柱状ハニカム構造部、及び、
前記柱状ハニカム構造部の外周壁の表面に、前記柱状ハニカム構造部の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定システムであって、
前記一対の電極層に電圧を印加することで、前記ハニカム構造体を通電状態にする電源部と、
前記通電状態の前記柱状ハニカム構造部の外周壁表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する抵抗測定部と、
前記複数箇所で測定された異なる2地点間の各抵抗値Rnに基づき、キルヒホッフの法則を用いて前記2地点間に流れる電流値Inを推定し、前記各抵抗値Rn及び前記電流値Inに基づき、前記各抵抗値Rnに生じる発熱量を算出する発熱量演算部と、
前記ハニカム構造体において、前記各抵抗値Rnを測定した部位と、前記各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、前記ハニカム構造体内の発熱分布を推定する発熱分布推定部と、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定システム。
【請求項5】
前記発熱分布推定部は、前記発熱量演算部を兼ねている請求項4に記載の発熱分布測定システム。
【請求項6】
前記抵抗測定部は、前記ハニカム構造体を、前記ハニカム構造体の中心軸を中心として回転させるハニカム構造体回転部を更に備える請求項4または5に記載の発熱分布測定システム。
【請求項7】
前記抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ前記柱状ハニカム構造部の外周壁の周方向に沿って離間した2地点を選択する請求項4~6のいずれか一項に記載のハニカム構造体の発熱分布測定システム。
【請求項8】
前記抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ前記柱状ハニカム構造部のセルの延伸方向に沿って離間した2地点を選択する請求項4~7のいずれか一項に記載のハニカム構造体の発熱分布測定システム。
【請求項9】
請求項1~3のいずれか一項に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法によって前記ハニカム構造体内の発熱分布を測定する工程と、
前記ハニカム構造体の発熱分布を評価して、合格品を選別する工程と、
を含むハニカム構造体の製造方法。
【請求項10】
請求項1~3のいずれか一項に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法によって前記ハニカム構造体内の発熱分布を測定する工程と、
前記ハニカム構造体の発熱分布を評価して、合格品を選別する工程と、
前記選別されたハニカム構造体に対し、前記一対の電極層上に一対の金属端子を設ける工程と、
を含む電気加熱式担体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法に関する。とりわけ、ハニカム構造体の発熱分布の測定効率が向上し、安定した正確な評価が可能なハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車等のエンジンから排出される排ガス中に含まれるHC、CO、NOx等の有害物質の浄化処理のため、一方の底面から他方の底面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する複数の隔壁を有する柱状のハニカム構造体に触媒を担持したものが使用されている。このように、ハニカム構造体に担持した触媒によって排ガスを処理する場合、触媒をその活性温度まで昇温する必要があるが、エンジン始動時には、触媒が活性温度に達していないため、排ガスが十分に浄化されないという問題があった。特に、プラグインハイブリッド車(PHEV)やハイブリッド車(HV)は、その走行に、モーターのみによる走行を含むことから、エンジン始動頻度が少なく、エンジン始動時の触媒温度が低いため、エンジン始動直後の排ガス浄化性能が悪化し易い。
【0003】
この問題を解決するため、導電性セラミックスからなる柱状のハニカム構造体に一対の端子を接続し、通電によりハニカム構造体自体を発熱させることで、触媒をエンジン始動前に活性温度まで昇温できるようにした電気加熱触媒(EHC)が提案されている。EHCにおいては、触媒効果を十分に得られるようにするために、ハニカム構造体内での温度ムラを少なくして均一な温度分布にすることが望まれている。
【0004】
ハニカム構造体の性能評価として、ハニカム構造体を発熱させたときの、ハニカム構造体内の温度分布の検査が行われている。ハニカム構造体の発熱方法としては、特許文献1に開示されているように、通電経路を直列回路にしてハニカム構造体に電圧を印加することで発熱させる方法が知られている。また、特許文献2に開示されているように、ハニカム構造体に電極を配設し、通電経路を並列回路にしてハニカム構造体に電圧を印加することで発熱させる方法が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開平5-179939号公報
【文献】特開2014-51402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示されているハニカム構造体の発熱方法では、通電経路を直列回路にしているため、ハニカム構造体のどの場所でも均一な電流が流れる。従って、発熱パターンはハニカム構造体全体にわたり均一となる。
【0007】
しかしながら、特許文献2に開示されているハニカム構造体の発熱方法では、ハニカム構造体に電極を配設し、通電経路を並列回路にしているため、ハニカム構造体内部の抵抗分布や電極内部の抵抗分布によって発熱パターンが変わる。従って、ハニカム構造体の性能を確認するためには、実際にハニカム構造体を発熱させて、サーモグラフィーによって温度分布を確認したり、ハニカム構造体に排ガスを流して浄化性能を確認することが必要となる。
【0008】
このように、従来、電極を配設して通電経路を並列回路にしたハニカム構造体の発熱分布を評価する際は、ハニカム構造体を実際に発熱させる必要があり、測定効率の向上が望まれている。また、サーモグラフィーによって温度分布を確認してハニカム構造体の発熱分布を評価する方法は、人の感覚に頼る部分があり、安定した正確な評価が困難である。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みて創作されたものであり、ハニカム構造体の発熱分布の測定効率が向上し、安定した正確な評価が可能なハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明者は鋭意検討したところ、電極が配設されたハニカム構造体表面において、異なる2地点間の抵抗値を複数箇所で測定することで、ハニカム構造体内部の抵抗分布を測定し、これに基づいて発熱パターンを推定することで、上記課題が解決されることを見出した。すなわち、本発明は以下のように特定される。
(1)外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、を有する柱状ハニカム構造部、及び、
前記柱状ハニカム構造部の外周壁の表面に、前記柱状ハニカム構造部の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定方法であって、
前記一対の電極層に電圧を印加することで、前記ハニカム構造体を通電状態にする工程と、
前記通電状態の前記柱状ハニカム構造部の外周壁表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する工程と、
前記複数箇所で測定された異なる2地点間の各抵抗値Rnに基づき、キルヒホッフの法則を用いて前記2地点間に流れる電流値Inを推定し、前記各抵抗値Rn及び前記電流値Inに基づき、前記各抵抗値Rnに生じる発熱量を算出する工程と、
前記ハニカム構造体において、前記各抵抗値Rnを測定した部位と、前記各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、前記ハニカム構造体内の発熱分布を推定する工程と、
を含むハニカム構造体の発熱分布測定方法。
(2)外周壁と、前記外周壁の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセルを区画形成する多孔質の隔壁と、を有する柱状ハニカム構造部、及び、
前記柱状ハニカム構造部の外周壁の表面に、前記柱状ハニカム構造部の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の電極層、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定システムであって、
前記一対の電極層に電圧を印加することで、前記ハニカム構造体を通電状態にする電源部と、
前記通電状態の前記柱状ハニカム構造部の外周壁表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する抵抗測定部と、
前記複数箇所で測定された異なる2地点間の各抵抗値Rnに基づき、キルヒホッフの法則を用いて前記2地点間に流れる電流値Inを推定し、前記各抵抗値Rn及び前記電流値Inに基づき、前記各抵抗値Rnに生じる発熱量を算出する発熱量演算部と、
前記ハニカム構造体において、前記各抵抗値Rnを測定した部位と、前記各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、前記ハニカム構造体内の発熱分布を推定する発熱分布推定部と、
を備えたハニカム構造体の発熱分布測定システム。
(3)(1)に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法によって前記ハニカム構造体内の発熱分布を測定する工程と、
前記ハニカム構造体の発熱分布を評価して、合格品を選別する工程と、
を含むハニカム構造体の製造方法。
(4)(1)に記載のハニカム構造体の発熱分布測定方法によって前記ハニカム構造体内の発熱分布を測定する工程と、
前記ハニカム構造体の発熱分布を評価して、合格品を選別する工程と、
前記選別されたハニカム構造体に対し、前記一対の電極層上に一対の金属端子を設ける工程と、
を含む電気加熱式担体の製造方法。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、ハニカム構造体の発熱分布の測定効率が向上し、安定した正確な評価が可能なハニカム構造体の発熱分布測定方法、ハニカム構造体の発熱分布測定システム、ハニカム構造体の製造方法及び電気加熱式担体の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】本発明の実施形態における発熱分布測定方法で発熱分布の測定対象となるハニカム構造体の外観模式図である。
図2】本発明の実施形態におけるハニカム構造体のセルの延伸方向に垂直な断面模式図である。
図3】本発明の実施形態におけるハニカム構造体のセルの延伸方向に垂直な断面上に描いた抵抗回路の例を示す模式図である。
図4図3のハニカム構造体で測定された抵抗値とその測定位置に基づき、簡略化して作製した抵抗回路である。
図5】本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定システムの概略模式図である。
図6】本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定システムにおける抵抗測定部のハニカム構造体回転部で支持されたハニカム構造体の外観模式図である。
図7】本発明の実施形態に係る電気加熱式担体のセルの延伸方向に垂直な断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に本発明を実施するための形態を図面を参照しながら詳細に説明する。本発明は以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、当業者の通常の知識に基づいて、適宜設計の変更、改良等が加えられることが理解されるべきである。
【0014】
<ハニカム構造体の発熱分布測定方法>
(1.ハニカム構造体)
図1は本発明の実施形態における発熱分布測定方法で発熱分布の測定対象となるハニカム構造体10の外観模式図を示すものであり、図2はハニカム構造体10のセル15の延伸方向に垂直な断面模式図である。
【0015】
ハニカム構造体10は、外周壁12と、外周壁12の内側に配設され、一方の端面から他方の端面まで貫通して流路を形成する複数のセル15を区画形成する多孔質の隔壁13とを有する柱状ハニカム構造部11を備えている。
【0016】
柱状ハニカム構造部11の外形は柱状である限り特に限定されず、例えば、底面が円形の柱状(円柱形状)、底面がオーバル形状の柱状、底面が多角形(四角形、五角形、六角形、七角形、八角形等)の柱状等の形状とすることができる。また、柱状ハニカム構造部11の大きさも特に限定されないが、例えば、底面の面積が2000~20000mm2であってもよい。
【0017】
柱状ハニカム構造部11は、導電性を有するセラミックスで構成されている。ハニカム構造体10が通電してジュール熱により発熱可能である限り、当該セラミックスの電気抵抗率については特に制限はないが、1~200Ωcmの電気抵抗率を有してもよい。本発明において、柱状ハニカム構造部11の電気抵抗率は、四端子法により400℃で測定した値とする。
【0018】
柱状ハニカム構造部11を構成するセラミックスとしては、限定的ではないが、アルミナ、ムライト、ジルコニア及びコージェライト等の酸化物系セラミックス、炭化珪素、窒化珪素及び窒化アルミ等の非酸化物系セラミックス等を挙げることができる。また、炭化珪素-金属珪素複合材や炭化珪素/グラファイト複合材等を用いることもできる。
【0019】
セル15の延伸方向に垂直な断面におけるセルの形状に制限はないが、四角形、六角形、八角形、又はこれらの組み合わせであってもよい。
【0020】
セル15を区画形成する隔壁13の厚みは、限定的ではないが、0.1~0.3mmであってもよい。本発明において、隔壁13の厚みは、セル15の延伸方向に垂直な断面において、隣接するセル15の重心同士を結ぶ線分のうち、隔壁13を通過する部分の長さとして定義される。
【0021】
ハニカム構造体10は、セル15の流路方向に垂直な断面において、セル密度が40~150セル/cm2であってもよい。セル密度は、外側壁12部分を除く柱状ハニカム構造部11の一つの底面部分の面積でセル数を除して得られる値である。
【0022】
ハニカム構造体10の外周壁12の厚みは、限定的ではないが、0.1mm~1.0mmとすることができる。ここで、外周壁12の厚みは、厚みを測定しようとする外周壁12の箇所をセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、当該測定箇所における外周壁12の接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
【0023】
隔壁13は多孔質とすることができる。隔壁13の気孔率は、限定的ではないが、35~60%とすることができる。気孔率は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
【0024】
柱状ハニカム構造部11の隔壁13の平均細孔径は、限定的ではないが、2~15μmとすることができる。平均細孔径は、水銀ポロシメータにより測定した値である。
【0025】
ハニカム構造体10は、柱状ハニカム構造部11の外周壁12の表面に、柱状ハニカム構造部11の中心軸を挟んで対向するように配設された一対の導電性セラミックスからなる電極層14a、14bを有している。一対の電極層14a、14bは、一方の電極層14aが他方の電極層に対して、柱状ハニカム構造部11の中心軸を挟んで対向するように設けられている。
【0026】
電極層14a、14bの形成領域に特段の制約はないが、柱状ハニカム構造部11の均一発熱性を高めるという観点から、各電極層14a、14bは外周壁12の外面上で外周壁12の周方向及びセルの延伸方向に帯状に延設することができる。具体的には、各電極層14a、14bは、柱状ハニカム構造部11の両底面間の80%以上の長さに亘って延設することができる。
【0027】
各電極層14a、14bの厚みは、限定的ではないが、0.01~5mmとすることができる。各電極層14a、14bの厚みは、厚みを測定しようとする電極層の箇所をセルの延伸方向に垂直な断面で観察したときに、各電極層14a、14bの外面の当該測定箇所における接線に対する法線方向の厚みとして定義される。
【0028】
各電極層14a、14bの電気抵抗率を柱状ハニカム構造部11の電気抵抗率より低くすることにより、電極層に優先的に電気が流れやすくなり、通電時に電気がセルの流路方向及び周方向に広がりやすくなる。電極層14a、14bの電気抵抗率は、限定的ではないが、柱状ハニカム構造部11の電気抵抗率の1/10以下とすることができる。本発明において、電極層14a、14bの電気抵抗率は、四端子法により400℃で測定した値とする。
【0029】
各電極層14a、14bの材質としては、金属及び導電性セラミックスを使用することができる。金属としては、例えばCr、Fe、Co、Ni、Si又はTiの単体金属又はこれらの金属よりなる群から選択される少なくとも一種の金属を含有する合金が挙げられる。導電性セラミックスとしては、限定的ではないが、炭化珪素(SiC)が挙げられ、珪化タンタル(TaSi2)及び珪化クロム(CrSi2)等の金属珪化物等の金属化合物が挙げられ、更には、上記導電性セラミックスの一種以上と上記金属の一種以上の組み合わせからなる複合材(サーメット)を挙げることができる。サーメットの具体例としては、金属珪素と炭化珪素の複合材、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材、更には上記の一種又は二種以上の金属に熱膨張低減の観点から、アルミナ、ムライト、ジルコニア、コージェライト、窒化珪素及び窒化アルミ等の絶縁性セラミックスを一種又は二種以上添加した複合材が挙げられる。電極層14a、14bの材質としては、上記の各種金属及び導電性セラミックスの中で、例えば、珪化タンタルや珪化クロム等の金属珪化物と金属珪素と炭化珪素の複合材との組合せとすることができる。
【0030】
(2.ハニカム構造体の発熱分布測定方法)
次に、本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定方法について詳述する。まず、ハニカム構造体10の一対の電極層14a、14bに電圧を印加することで、ハニカム構造体10を通電状態にする。ハニカム構造体10は、一対の電極層14a、14bが配設されており、通電経路が並列回路となっている。ハニカム構造体10の大きさや材質等にもよるが、ハニカム構造体10に、0.01~1.0Aの範囲内で一定の電流を流すことで、ハニカム構造体10の発熱分布測定を行うことができる。
【0031】
次に、通電状態の柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する。図3は、ハニカム構造体10のセル15の延伸方向に垂直な断面上に描いた抵抗回路16の例を示す模式図である。本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定方法では、図3に示すように、ハニカム構造体10の内部の抵抗分布が抵抗回路16を構成していると見なしている。図3に示すような抵抗回路16において、柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面の異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定することで、通電時の電圧V、測定された各抵抗値、及び、各抵抗値の測定箇所に基づいて、図4に示すような簡略化された抵抗回路を想定する。
【0032】
図4に示す抵抗回路をどのように想定するかについて、より具体的に説明する。まず、図3に示すように、通電状態の柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定し、表1に示すような結果を得る。
【0033】
【表1】
【0034】
上記図3及び表1に示す抵抗測定位置と2地点間の抵抗値Rnとから、ハニカム構造体10の内部抵抗の分布に対応していると仮定した、図4に示すような並列の抵抗回路を想定する。図4に示す抵抗回路では、キルヒホッフの法則を用いて、2地点間に流れる電流値Inを推定している。すなわち、図4に示す抵抗回路では、通電時の電圧をV、回路を流れる総電流(電流値IAll)とし、総電流が、「REL1+Rs1+REL2」、「Rs2」及び「RER1+Rs3+RER2」の3つの並列する抵抗部へと、それぞれ3つの経路に分かれて流れる。当該3つの経路に分かれた電流は、それぞれ、「REL1+Rs1+REL2」を通る電流(電流値I1)、「Rs2」を通る電流(電流値I2)及び「RER1+Rs3+RER2」を通る電流(電流値I3)である。これらの電圧、電流値及び抵抗値は、それぞれ以下の式(A)及び(B)に示される関係を有する。
式(A):V=(REL1+Rs1+REL2)×I1=Rs2×I2=(RER1+Rs3+RER2)×I3
式(B):IAll=I1+I2+I3
【0035】
次に、ハニカム構造体10において、各抵抗値Rnを測定した部位と、各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、ハニカム構造体内の発熱分布を推定する。以下、図3及び図4で例示した抵抗回路図において、ハニカム構造体内の発熱分布を推定する。
【0036】
図3で示されるハニカム構造体10の並列の抵抗回路16の全抵抗Rは、以下の関係式(C)を満たす。
式(C):1/R=1/(REL1+Rs1+REL2)+1/Rs2+1/(RER1+Rs3+RER2
式(C)を変形して、以下の式(D1)及び(D2)が得られる。
式(D1):1/(REL1+Rs1+REL2)=1/R-1/Rs2-1/(RER1+Rs3+RER2)={Rs2・(RER1+Rs3+RER2)-R・(RER1+Rs3+RER2)-R・Rs2}/R・Rs2・(RER1+Rs3+RER2
式(D2):REL1+Rs1+REL2=R・Rs2・(RER1+Rs3+RER2)/{Rs2・(RER1+Rs3+RER2)-R・(RER1+Rs3+RER2)-R・Rs2
【0037】
また、図3における(1)-(2)間に流れる電流値I1は、V/(RER1+Rs3+RER2)であるため、(1)-(2)間の発熱量PER1は、以下の式(E)で表される。
式(E):PER1=RER1・I1 2=RER1・{V/(RER1+Rs3+RER2)}2
【0038】
このようにして、全ての2地点間の各抵抗に生じる発熱量を算出することで、ハニカム構造体10内における発熱分布を推定することができる。このため、ハニカム構造体の発熱分布を評価する際に、ハニカム構造体を実際に発熱させる必要がなくなり、ハニカム構造体の発熱分布の測定効率が向上する。また、サーモグラフィーによって温度分布を確認してハニカム構造体の発熱分布を評価する必要がないため、人の感覚に頼る部分がなく、安定した正確な評価が可能となる。
【0039】
上述した例では、図3に示すように、通電状態の柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面において、(1)~(6)に示す6地点の中から、異なる2地点を選択し、それらの間の抵抗値Rnを測定した。そして、当該抵抗値Rnを用いて、図4に示すような抵抗回路を想定し、当該抵抗回路に基づいて、ハニカム構造体10内の発熱分布を測定した。しかしながら、当該抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、これに限られず、自由に選択することができる。当該抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、通電状態の柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面において、均等に且つ広範囲にわたって、多数の地点を選択することがより好ましい。このような観点から、当該抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ柱状ハニカム構造部11の外周壁12の周方向に沿って離間した2地点を選択するのが好ましい。また、抵抗値Rnを測定する異なる2地点は、少なくとも、それぞれ柱状ハニカム構造部11のセル15の延伸方向に沿って離間した2地点を選択するのが好ましい。このような構成によれば、ハニカム構造体10内の抵抗回路をより細かく設定することができるため、発熱分布測定の精度がより向上する。
【0040】
<ハニカム構造体の発熱分布測定システム>
次に、本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定システムについて詳述する。本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定システムは、上述の本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定方法を実施することができるシステムである。
【0041】
図5に、本発明の実施形態に係るハニカム構造体10の発熱分布測定システムの概略模式図を示す。ハニカム構造体の発熱分布測定システムは、一対の電極層14a、14bに電圧を印加することで、ハニカム構造体10を通電状態にする電源部31を備える。電源部31は、直流電源が用いられる。電源部31は、定電流制御が可能な構成であるのが好ましい。電源部31は、制御部38からの制御信号によって、電源のオン/オフ、または、電圧の調整等を行うことができる。電源部31の仕様は、特に限定されないが、例えばハニカム構造体10の柱状ハニカム構造部11が、断面が80~120mm径を有し、長さが50~120mmである円柱状のハニカム構造部である場合、例えば600V-25Aで15kWの直流電源とすることができる。
【0042】
ハニカム構造体の発熱分布測定システムは、通電状態の柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面において、異なる2地点間の抵抗値Rnを複数箇所で測定する抵抗測定部32を備えている。抵抗測定部32は、四端子プローブ37とマルチメーター35とで構成することができる。すなわち、抵抗測定部32は、柱状ハニカム構造部11の外周壁12表面の異なる2地点に四端子プローブ37を押し当て、四端子プローブ37に接続されたマルチメーター35によって、当該異なる2地点間の抵抗値Rnを測定してもよい。マルチメーター35は、複数の四端子プローブ37を同時に押し当てて得られた、異なる2地点間の抵抗値Rnが、複数個、例えば20個以上であっても、それらを同時に測定できるものが好ましい。
【0043】
図6に、本発明の実施形態に係るハニカム構造体10の発熱分布測定システムにおける抵抗測定部32のハニカム構造体回転部41で支持されたハニカム構造体10の外観模式図を示す。図6に示す例では、24本の四端子プローブ37を、柱状ハニカム構造部11の外周壁12の周方向に沿って離間した2地点を選択し、かつ、柱状ハニカム構造部11のセルの延伸方向に沿って離間した2地点を選択して押し当てている。また、電源部31から電気的に接続された2本の電流端子36が、ハニカム構造体10の両側面の電極層14a、14bにそれぞれ押し当てられており、通電状態を保っている。
【0044】
四端子プローブ37は、PLC(Programmable Logic Controller)40によって、自動的かつ連続的に、ハニカム構造体10の所定位置に、次々と押し当てられるように制御されていてもよい。PLC40は、制御部38で制御することができる。
【0045】
図6に示すハニカム構造体10は、抵抗測定部32の円柱状の2本のハニカム構造体回転部41で支持されており、円柱状の2本のハニカム構造体回転部41が同一方向に所定角度だけ回転することによって、ハニカム構造体10を、ハニカム構造体10の中心軸を中心として回転させることができる。このような構成によれば、四端子プローブ37の位置は変えずに、ハニカム構造体10を、例えば180度回転させて、ハニカム構造体10の中心軸を対称とした2側面で、抵抗を測定することができる。従って、ハニカム構造体10の抵抗測定効率が良好となる。
【0046】
ハニカム構造体10の通電時には、ハニカム構造体10の一方の端面と他方の端面を観察するためのサーモビューワ39を設置してもよい。サーモビューワ39で通電時のハニカム構造体10の端面を観察することで、ハニカム構造体10の内部に生じる欠陥の有無を確認することができる。サーモビューワ39によって得られたデータは、制御部38で収集して解析されてもよい。
【0047】
本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定システムは、発熱量演算部33と、発熱分布推定部34とを備える。発熱量演算部33は、抵抗測定部32によって、複数箇所で測定された異なる2地点間の各抵抗値Rnに基づき、キルヒホッフの法則を用いて、2地点間に流れる電流値Inを推定し、各抵抗値Rn及び電流値Inに基づき、各抵抗値Rnに生じる発熱量を算出する。発熱分布推定部34は、ハニカム構造体10において、各抵抗値Rnを測定した部位と、各抵抗値Rnから算出される発熱量とに基づき、ハニカム構造体10内の発熱分布を推定する。発熱量演算部33による各抵抗値Rnに生じる発熱量の算出、及び、発熱分布推定部34によるハニカム構造体10内の発熱分布の推定は、上述のハニカム構造体の発熱分布測定方法において説明した通りである。発熱分布推定部34は、発熱量演算部33を兼ねていてもよい。さらに、発熱分布推定部34と発熱量演算部33とが、制御部38を兼ねていてもよい。すなわち、発熱分布推定部34、発熱量演算部33、及び制御部38が、1台のコンピューターで構成されていてもよい。
【0048】
<ハニカム構造体の製造方法>
本発明の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法は、まず、上述のように本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定方法によってハニカム構造体10内の発熱分布を測定する。
次に、測定したハニカム構造体10の発熱分布を評価して、合格品を選別する。合格品の選別基準は、ハニカム構造体10に必要な発熱分布に基づいて適宜設定することができる。例えば、無風時に400Vで20秒間通電後のハニカム構造体10の温度分布が200℃以下であることを満たすように、当該選別基準を、2地点間の各抵抗に生じる発熱量を所定の閾値以下とし、各箇所での発熱量のばらつきが所定の範囲内とすることができる。
本発明の実施形態に係るハニカム構造体の製造方法によれば、上述のように発熱分布を測定し、所定の選別基準を設け、合格品に選別されたハニカム構造体が得られるため、発熱分布の測定を効率良く行うことができ、安定した正確な評価に基づく選別がなされたハニカム構造体を得ることができる。
【0049】
<電気加熱式担体の製造方法>
(1.電気加熱式担体)
図7は、本発明の実施形態に係る電気加熱式担体20のセルの延伸方向に垂直な断面模式図である。電気加熱式担体20は、ハニカム構造体10と、一対の金属端子21a、21bとを備える。
【0050】
(2.金属端子)
一対の金属端子21a、21bは、ハニカム構造体10の柱状ハニカム構造部11の中心軸を挟んで対向するように配設され、それぞれ一対の電極層14a、14b上に設けられており、電気的に接合されている。これにより、金属端子21a、21bは、電極層14a、14bを介して電圧を印加すると通電してジュール熱によりハニカム構造体10を発熱させることが可能である。
【0051】
金属端子21a、21bの材質としては、金属であれば特段の制約はなく、単体金属及び合金等を採用することもできるが、耐食性、電気抵抗率及び線膨張率の観点から例えば、Cr、Fe、Co、Ni及びTiよりなる群から選択される少なくとも一種を含む合金とすることが好ましく、ステンレス鋼及びFe-Ni合金がより好ましい。金属端子21a、21bの形状及び大きさは、特に限定されず、電気加熱式担体20の大きさや通電性能等に応じて、適宜設計することができる。
【0052】
電気加熱式担体20に触媒を担持することにより、電気加熱式担体20を触媒体として使用することができる。複数のセル15の流路には、例えば、自動車排ガス等の流体を流すことができる。触媒としては、例えば、貴金属系触媒又はこれら以外の触媒が挙げられる。貴金属系触媒としては、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、ロジウム(Rh)といった貴金属をアルミナ細孔表面に担持し、セリア、ジルコニア等の助触媒を含む三元触媒や酸化触媒、又は、アルカリ土類金属と白金を窒素酸化物(NOx)の吸蔵成分として含むNOx吸蔵還元触媒(LNT触媒)が例示される。貴金属を用いない触媒として、銅置換又は鉄置換ゼオライトを含むNOx選択還元触媒(SCR触媒)等が例示される。また、これらの触媒からなる群から選択される2種以上の触媒を用いてもよい。なお、触媒の担持方法についても特に制限はなく、従来、ハニカム構造体に触媒を担持する担持方法に準じて行うことができる。
【0053】
(3.電気加熱式担体の製造方法)
本発明の実施形態に係る電気加熱式担体の製造方法は、まず、上述のように本発明の実施形態に係るハニカム構造体の発熱分布測定方法によってハニカム構造体10内の発熱分布を測定する。
次に、測定したハニカム構造体10の発熱分布を評価して、合格品を選別する。合格品の選別基準は、ハニカム構造体10に必要な発熱分布に基づいて適宜設定することができる。例えば、当該選別基準は、上述のハニカム構造体の製造方法で示した合格品の選別基準を用いることができる。
次に、合格品として選別されたハニカム構造体10に対し、一対の電極層14a、14b上に一対の金属端子21a、21bを溶接や溶射などで設けることで、電気加熱式担体20を作製することができる。
本発明の実施形態に係る電気加熱式担体の製造方法によれば、上述のように発熱分布を測定し、所定の選別基準を設け、合格品に選別されたハニカム構造体が得られる。従って、発熱分布の測定を効率良く行うことができ、安定した正確な評価に基づく選別がなされたハニカム構造体を得ることができる。また、安定した正確な評価に基づく選別がなされたハニカム構造体を用いた電気加熱式担体を作製することができる。
【符号の説明】
【0054】
10 ハニカム構造体
11 柱状ハニカム構造部
12 外周壁
13 隔壁
14a、14b 電極層
15 セル
16 抵抗回路
20 電気加熱式担体
21a、21b 金属端子
31 電源部
32 抵抗測定部
33 発熱量演算部
34 発熱分布推定部
35 マルチメーター
36 電流端子
37 四端子プローブ
38 制御部
39 サーモビューワ
40 PLC
41 ハニカム構造体回転部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7