(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】上げ床の後処理装置
(51)【国際特許分類】
B23Q 41/08 20060101AFI20220325BHJP
B23P 23/02 20060101ALI20220325BHJP
B23C 3/12 20060101ALI20220325BHJP
B23B 47/00 20060101ALI20220325BHJP
E04F 15/024 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
B23Q41/08 Z
B23P23/02 Z
B23C3/12 B
B23B47/00 A
E04F15/024
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2019133820
(22)【出願日】2019-07-19
【審査請求日】2019-09-24
(31)【優先権主張番号】201821155680.4
(32)【優先日】2018-07-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519264254
【氏名又は名称】ベロ テクノロジーズ (ドンタイ) カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169960
【氏名又は名称】清水 貴光
(72)【発明者】
【氏名】黄建徳
【審査官】中川 康文
(56)【参考文献】
【文献】実公昭59-043073(JP,Y2)
【文献】特開昭61-061748(JP,A)
【文献】特開昭63-169209(JP,A)
【文献】特開平02-034299(JP,A)
【文献】実開昭61-172732(JP,U)
【文献】米国特許第05321874(US,A)
【文献】特開平06-179154(JP,A)
【文献】特開平08-066827(JP,A)
【文献】特開平09-225782(JP,A)
【文献】特開平10-217022(JP,A)
【文献】特開平11-165213(JP,A)
【文献】特開2001-232509(JP,A)
【文献】特開2002-273610(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0189085(US,A1)
【文献】特開2010-043449(JP,A)
【文献】特開2010-255039(JP,A)
【文献】特開2015-051471(JP,A)
【文献】韓国登録特許第10-1804746(KR,B1)
【文献】中国特許出願公開第110653405(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23B 35/00-49/06
B23C 1/00-9/00
B23D 67/00-81/00
B23P 19/00-21/00
B23P 23/02
B23Q 1/00-1/76
B23Q 7/00-7/18
B23Q 9/00-9/02
B23Q 37/00-41/08
E04F 15/00-15/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
上げ床の後処理装置であって、
移動・摺動レールと、前記移動・摺動レール上に移動可能に設置された複数の把持部と、を含み、上げ床を把持して各作業ステーション上に運送するための把持機構と、
高さミーリングベースを含み、前記高さミーリングベースの平面から視た略中央に床高さミーリング固定フレームが設置され、前記床高さミーリング固定フレームの両側に高さミーリング部が夫々設置され、前記高さミーリング部は高さミーリング摺動レールと、高さミーリング移動モータと、二つの高さミーリング駆動モータ及び二つの高さミーリングヘッドを含み、前記二つの高さミーリング駆動モータ及び前記二つの高さミーリングヘッドは2本のL字形連接ブラケットの両端にそれぞれペアに設置され、且つ前記2本のL字形連接ブラケットの間が連接ブロックにより連接され、前記連接ブロックは高さミーリング摺動レール上に設置されると共に高さミーリング移動モータに連通し、高さミーリング移動モータは連接ブロックを駆動して移動させることによりL字形連接ブラケットを駆動して二つの高さミーリングヘッドを上げ床の4本の足部まで移動させ、並びに高さミーリング駆動モータにより高さミーリングヘッドを駆動して、上げ床の底部の4本の足部のバリを取り除いて上げ床の高さ寸法を加工する
高さミーリング操作を行う高さミーリング機構と、
辺ミーリングベースを含み、前記辺ミーリングベースの平面から視た略中央に床辺ミーリング固定フレームが設置され、前記床辺ミーリング固定フレームの4側辺に4つの辺ミーリング部がそれぞれ設置され、前記辺ミーリング部は、辺ミーリング摺動レールと、辺ミーリング移動モータと、辺ミーリング駆動モータと、辺ミーリングヘッドとを含み、前記辺ミーリングヘッドと辺ミーリング駆動モータとが連接されて辺ミーリング摺動レール上に設置され、辺ミーリング移動モータは辺ミーリング摺動レールを駆動して床辺ミーリング固定フレームの辺側まで移動させた後、辺ミーリング駆動モータは辺ミーリングヘッドを駆動して辺ミーリング摺動レール上に移動させて床辺ミーリング固定フレームに固定された上げ床の4側辺のバリを取り除いて上げ床の4辺の寸法を加工する
辺ミーリング操作を行う辺ミーリング機構と、
反転ラックと、反転プレートとを含み、前記反転プレートと前記反転ラックの間が回動軸により連接され、バリが取り除かれた上げ床をその表面が上向きになるよう反転する反転機構と、
穴開けベースと、穴開けカッターヘッドとを含み、上げ床の表面に穴開けをし、上げ床表面の位置決め穴を加工するための穴あけ機構と、
を含み、
前記高さミーリング機構と、前記辺ミーリング機構と、前記反転機構及び前記穴あけ機構はこの順に設置され、且つその設置方向を生産の前進方向と定義し、前記反転機構と前記穴あけ機構とが同一の作業ステーションに設置され、前記把持機構は生産の連接部材として前記高さミーリング機構と、前記辺ミーリング機構と、前記反転機構との間に
それぞれ設置されることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の上げ床の後処理装置において、前記把持機構は、固定フレームをさらに含み、前記固定フレームは、前記高さミーリング機構、辺ミーリング機構及び反転機構の垂直な上方に跨るように設けられ、前記固定フレーム上に移動・摺動レールが設置され、前記把持部は、
前記高さミーリング機構を基準にして前記辺ミーリング機構とは反対側の位置に、前記高さミーリング機構と前記辺ミーリング機構の間に、前記辺ミーリング機構と前記反転機構の間にそれぞれ設置されることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項3】
請求項2に記載の上げ床の後処理装置において、前記把持部は、把持駆動モータと、移動ラックと、伸縮ラックと、把持手と、を含み、前記移動ラックと前記把持駆動モータとが連接され、前記移動ラック
が前記固定フレーム
に吊り下げられるように設置されると共に滑動可能に前記移動・摺動レール上に固定され、前記移動ラックの底部は伸縮ラックを介して前記把持手と連接され、前記把持手の両端に幅調整可能な固定フレームが設けられ、幅の異なる上げ床を把持することを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項4】
請求項
1に記載の上げ床の後処理装置において、前記高さミーリング摺動レールは、高さミーリングベース幅方向に沿って敷設される一対のY方向摺動レールと、高さミーリングベース両側面に設置されると共に高さミーリングベース高さ方向に沿って設置されるZ方向摺動レールとを含み、前記Z方向摺動レール上に高さミーリング移動モータと連接される高さミーリング移動シリンダが設置され、前記高さミーリング移動シリンダは、X向移動用の伸縮ロッドを介して前記Y方向摺動レールに連接され、前記Y方向摺動レール上には摺動可能に前記連接ブロックが設置され、且つY方向摺動レールと前記高さミーリングベースの
上面と
の間に隙間
が設けられ、高さミーリング移動シリンダは、高さミーリング移動モータにより駆動されてZ方向摺動レール上に移動して高さミーリング
ヘッドの高さを調整し
、高さミーリング
ヘッドの
高さミーリングベース上での位置
が、伸縮ロッドの伸縮及び連接ブロックのY方向摺動レール上での移動により調整
されることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項5】
請求項
1に記載の上げ床の後処理装置において、前記辺ミーリング摺動レールは、辺ミーリングベース辺側に固定された第一のレールと、前記第一のレールと垂直に連接された第二のレールとを含み、前記辺ミーリング駆動モータと辺ミーリングヘッドとが、何れも移動可能に
前記第二のレール上に設置され、前記辺ミーリング移動モータは、第一のレール上に設置されると共に第二のレールを第一のレール上において床辺ミーリング固定フレーム辺側に対して垂直方向に沿って辺ミーリングヘッド
を移動させて上げ床辺側に凭れかかり、辺ミーリング駆動モータは、辺ミーリングヘッドを駆動して第二のレール上において床辺ミーリング固定フレーム辺側に沿って平行に移動し、即ち辺ミーリングヘッドは、上げ床辺側に凭れかかった後、移動して辺ミーリング操作を行なうことを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項6】
請求項
1に記載の上げ床の後処理装置において、前記床辺ミーリング固定フレームの対角位置に締付け用手部がさらに設置されることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項7】
請求項1に記載の上げ床の後処理装置において、前記反転機構は
、送りプレー
トをさらに含み
、前記反転ラック上に持ち上げロッドが設置され、前記持ち上げロッドは、前記反転プレートの底部に位置され且つその一端が反転プレート底部に連接され、前記送りプレートは、摺動レールを介して活動可能に反転プレートと前記穴あけ機構との間に設置されることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【請求項8】
請求項
7に記載の上げ床の後処理装置において、前記穴あけ機構は
、穴開けシリンダと
、穴開け固定フレームとを含み、前記穴開けベースと前記反転ラックとが同一の平面に設置され、前記摺動レールは、延伸して前記穴あけ機構を貫通して、前記穴開け固定フレームは、前記摺動レールの穴あけ機構における部分の垂直上方に設置され、摺動レールを通過して穴あけ機構まで移動した送りプレートの固定に用いられ、前記穴開けカッターヘッドと穴開けシリンダとが連通し並びに固定フレーム体を介して穴開けベースの垂直上方に用いられることを特徴とする上げ床の後処理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機械設備の技術領域に関わり、具体的には上げ床の後処理装置に関わるものである。
【背景技術】
【0002】
現在、上げ床装置は静電防止の機械室やクリーンルームで広く使用されている。上げ床装置は、主に、フラットなフレームと、フラットフレームの下に固定配置されフラットなフレームを地面よりもある程度高くするための複数の支持足と、フラットなフレームの上方に固定配置され複数の荷重プレートが互いにスプライスされて形成されるフロアを含んでいる。
【0003】
既存のアルミニウム合金ダイカストの上げ床は、金型の開き、アルミニウムの溶解、ダイカスト、成形、トリミングなどの5つの主要な工程を経つことが必要である。成型プロセスにおいて、上げ床の表面および底部には多くのバリが存在する。これらの瑕疵であるバリの存在のため、取り付けプロセスにおいて上げ床がきつく張り合わなくなることだけでなく、フラットなフレームにも張り合わなくなる。一方、このような態様は床の設置に不利であると共に作業員にとってある安全上のおそれもある。そのため、足のミーリングの製造工程では、成型された上げ床の4本の足部のバリを取り除き、上げ床の高さ寸法を加工する必要がある。辺のミーリングの製造工程では、成型された上げ床の4側辺のバリを取り除き、上げ床の寸法を加工する必要がある。同時に設置固定するためには、上げ床の表面に複数の位置決め穴を開ける必要がある。従って、辺のミーリングの製造工程の後、必要に応じてさらに穴あけ工程を追加する。
【0004】
既存の生産では、上げ床の加工工程における4つの隅の高さ、4つの辺の寸法、穴あけ工程は何れも別々に設定される。すなわち作業者が上げ床をまとめて対応する作業ステーションまで搬送して作業を行わせる必要があり、生産のリズムが不連続で生産効率が低下してしまう。同時に各々の作業ステーションで加工する度には、作業者が手作業でプレートを送ったり、収集したりする必要があるため、作業者にとって多大な労力となり、長時間の作業のため、生産上の事故が発生しやすい。
【0005】
既存の生産に存在する問題について考慮すると、足のミーリング、辺のミーリング及び穴あけ等の工程を統合し、連続した生産リズムを有し、さらに作業者の労働を減少させる新規な上げ床の後処理装置を提案する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は以上の事情を鑑みて、トリム工程における4本の足部の高さの加工と、4側辺のミーリング及び穴開けなどの工程を全て統合し、上げ床の全ての後処理を一括してでき、生産のリズムを加速させ、生産効率が向上すると共に労働が減少する上げ床の後処理装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、上述した目的を達成するために、下記の構成をとる。
上げ床の後処理装置であって、
上げ床を把持して各作業ステーション上に運送するための把持機構と、
上げ床の底部の4本の足部のバリを取り除いて上げ床の高さ寸法を加工するための高さミーリング機構と、
上げ床の4側辺のバリを取り除いて上げ床の4辺の寸法を加工するための辺ミーリング機構と、
バリが取り除かれた上げ床をその表面が上向きになるよう反転する反転機構と、
上げ床の表面に穴開けをし、上げ床表面の位置決め穴を加工するための穴あけ機構と、を含み、
前記高さミーリング機構と、前記辺ミーリング機構と、前記反転機構及び前記穴あけ機構はこの順に設置され、且つその設置方向を生産の前進方向と定義し、前記反転機構と前記穴あけ機構とが同一の作業ステーションに設置され、前記把持機構は生産の連接部材として前記高さミーリング機構と、前記辺ミーリング機構と、前記反転機構との間に順次に設置されることを特徴とする。
【0008】
好ましくは、前記把持機構は、複数の把持部と固定フレームを含み、前記固定フレームは、前記高さミーリング機構、辺ミーリング機構及び反転機構の垂直な上方にカバーするように設けられ、前記固定フレーム上に移動・摺動レールが設置され、前記把持部は移動可能に前記移動・摺動レール上に設置され、前記把持部は前記高さミーリング機構の前端に、前記高さミーリング機構と前記辺ミーリング機構の間に、前記辺ミーリング機構と前記反転機構の間にそれぞれ設置されることを特徴とする。
【0009】
好ましくは、前記把持部は、把持駆動モータと、移動ラックと、伸縮ラックと、把持手と、を含み、前記移動ラックと前記把持駆動モータとが連接され、前記移動ラックと前記固定フレームとが垂直に設置されると共に滑動可能に前記移動・摺動レール上に固定され、前記移動ラックの底部は伸縮ラックを介して前記把持手と連接され、前記把持手の両端に幅調整可能な固定フレームが設けられ、幅の異なる上げ床を把持することを特徴とする。
【0010】
好ましくは、前記高さミーリング機構は、高さミーリングベースを含み、前記高さミーリングベースの中心箇所に床高さミーリング固定フレームが設置され、前記床高さミーリング固定フレームの両側に高さミーリング部が夫々設置され、前記高さミーリング部は高さミーリング摺動レールと、高さミーリング移動モータと、二つの高さミーリング駆動モータ及び二つの高さミーリングヘッドを含み、前記二つの高さミーリング駆動モータ及び前記二つの高さミーリングヘッドは2本のL字形連接ブラケットの両端にそれぞれペアに設置され、且つ前記2本のL字形連接ブラケットの間が連接ブロックにより連接され、前記連接ブロックは高さミーリング摺動レール上に設置されると共に高さミーリング移動モータに連通し、高さミーリング移動モータは連接ブロックを駆動して移動させることによりL字形連接ブラケットを駆動して二つの高さミーリングヘッドを上げ床の4本の足部まで移動させ、並びに高さミーリング駆動モータにより高さミーリングヘッドを駆動して高さミーリング操作を行なわせることを特徴とする。
【0011】
好ましくは、前記高さミーリング摺動レールは、高さミーリングベース幅方向に沿って敷設される一対のY方向摺動レールと、高さミーリングベース両側面に設置されると共に高さミーリングベース高さ方向に沿って設置されるZ方向摺動レールとを含み、前記Z方向摺動レール上に高さミーリング移動モータと連接される高さミーリング移動シリンダが設置され、前記高さミーリング移動シリンダは、X向移動用の伸縮ロッドを介して前記Y方向摺動レールに連接され、前記Y方向摺動レール上には摺動可能に前記連接ブロックが設置され、且つY方向摺動レールと前記高さミーリングベースの面とに隙間を有し、高さミーリング移動シリンダは、高さミーリング移動モータにより駆動されてZ方向摺動レール上に移動して高さミーリング部の高さを調整し、且つ伸縮ロッドの伸縮及び連接ブロックのY方向摺動レール上での移動により高さミーリング部のベース上での位置を調整することを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記辺ミーリング機構は、辺ミーリングベースを含み、前記辺ミーリングベースの中心箇所に床辺ミーリング固定フレームが設置され、前記床辺ミーリング固定フレームの4側辺に4つの辺ミーリング部がそれぞれ設置され、前記辺ミーリング部は、辺ミーリング摺動レールと、辺ミーリング移動モータと、辺ミーリング駆動モータと、辺ミーリングヘッドとを含み、前記辺ミーリングヘッドと辺ミーリング駆動モータとが連接されてから辺ミーリング移動・摺動レール上に設置され、辺ミーリング移動モータは辺ミーリング摺動レールを駆動して床辺ミーリング固定フレームの辺側まで移動させた後、辺ミーリング駆動モータは辺ミーリングヘッドを駆動して辺ミーリング移動・摺動レール上に移動させて床辺ミーリング固定フレームに固定された上げ床の一側面に対し辺ミーリング操作を行なわせることを特徴とする。
【0013】
好ましくは、前記辺ミーリング摺動レールは、辺ミーリングベース辺側に固定された第一のレールと、前記第一のレールと垂直に連接された第二のレールとを含み、前記辺ミーリング駆動モータと辺ミーリングヘッドとが、何れも移動可能に第二のレール上に設置され、前記辺ミーリング移動モータは、第一のレール上に設置されると共に第二のレールを第一のレール上において床辺ミーリング固定フレーム辺側に対して垂直に辺ミーリングヘッドに移動させて上げ床辺側に凭れかかり、辺ミーリング駆動モータは、辺ミーリングヘッドを駆動して第二のレール上において床辺ミーリング固定フレーム辺側に平行に移動し、即ち辺ミーリングヘッドは、上げ床辺側に凭れかかった後に移動して辺ミーリング操作を行なうことを特徴とする。
【0014】
好ましくは、前記床辺ミーリング固定フレームの対角位置に締付け用手部がさらに設置されることを特徴とする。
【0015】
好ましくは、前記反転機構は、反転ラックと、反転プレートと、送りプレートとを含み、前記反転プレートと反転ラックの間が回動軸により連接され、前記反転ラック上に持ち上げロッドが設置され、前記持ち上げロッドは、前記反転プレートの底部に位置され且つその一端が反転プレート底部に連接され、前記送りプレートは、摺動レールを介して活動可能に反転プレートと前記穴あけ機構との間に設置されることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、前記穴あけ機構は、穴開けベースと、穴開けシリンダと、穴開けカッターヘッドと、穴開け固定フレームとを含み、前記穴開けベースと前記反転ラックとが同一の平面に設置され、前記摺動レールは、延伸して前記穴あけ機構を貫通して、前記穴開け固定フレームは、前記摺動レールの穴あけ機構内に位置する部分の垂直上方に設置され、摺動レールを通過して穴あけ機構に移動した送りプレートの固定に用いられ、前記穴開けカッターヘッドと穴開けシリンダとが連通し並びに固定フレーム体を介して穴開けベースの垂直上方に設置されることを特徴とする。
【0017】
本発明は、現有の技術に比べて、上げ床の後処理装置を提供し、当該装置は辺のトリム工程における4本の足の高さ加工、4側辺の辺ミーリング及び穴開け等の工程を統合すると共に辺のトリム工程と穴開け工程の間に反転工程を更に設けている。それにより、上げ床の後處理工程の全体はスムーズとなる。作業員は、供給および排出の箇所で材料を供給および受取るだけでよいため、処理過程中にリアルタイムで各機構を監視することができる。上げ床の後処理は一括に完成できるため、生産のリズムを加速させ、生産効率が向上すると共に労働者の労働も低下する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
本発明の実施形態または従来技術の技術的解決策をより明確に説明するために、実施例または従来技術の説明に必要となる添付の図面を簡単に紹介するが、以下に説明する添付の図面は本発明の幾つかの実施例に過ぎないことは明らかである。当業者にとって、創造的な労力なしにこれらに基づいて他の添付図面を取得することが可能であろう。
【
図1】本発明に係る上げ床の後処理装置の構成を示す模式図。
【
図2】本発明に係る上げ床の後処理装置の把持機構の構成を示す模式図。
【
図3】本発明に係る上げ床の後処理装置の高さミーリング機構の正面図。
【
図4】本発明に係る上げ床の後処理装置の高さミーリング機構の上面図。
【
図5】本発明に係る上げ床の後処理装置の辺ミーリング機構の上面図。
【
図6】本発明に係る上げ床の後処理装置の反転機構及び穴あけ機構の正面図。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下に、具体的な実施形態を以って本発明の技術的解決策を詳細に説明する。説明する実施形態は本発明の一実施形態であって、全ての実施形態ではない。当業者が本発明の実施形態に基づいて創造的な労力なしに得られたその他の実施形態は、何れも本発明の保護範囲に属する。
【0020】
図1に示すように、上げ床の後処理装置であって、
上げ床を把持して各作業ステーション上に運送するための把持機構1と、
上げ床の底部の4本の足部のバリを取り除いて上げ床の高さ寸法を加工するための高さミーリング機構2と、
上げ床の4側辺のバリを取り除いて上げ床の4辺の寸法を加工するための辺ミーリング機構3と、
バリが取り除かれた上げ床をその表面が上向きになるよう反転する反転機構4と、
上げ床の表面に穴開けをし、上げ床表面の位置決め穴を加工するための穴あけ機構5と、を含み、
前記高さミーリング機構2と、前記辺ミーリング機構3と、前記反転機構4及び前記穴あけ機構5はこの順に設置され、且つその設置方向を生産の前進方向と定義し、前記反転機構4と前記穴あけ機構5とが同一の作業ステーションに設置され、前記把持機構1は生産の連接部材として前記高さミーリング機構2と、前記辺ミーリング機構3と、前記反転機構4との間に順次に設置される。
【0021】
この生産方向から分かるように、把持機構1は、処理対象となる上げ床を把持してそれを高さミーリング機構2まで送る。高さミーリング機構2は、上げ床の底部の4本の足に対しミーリング操作をする。その後、上げ床は、把持機構1により把持されて辺ミーリング機構3に送られる。辺ミーリング機構3は、上げ床の4側辺に対しミーリング操作をする。その後、上げ床は、把持機構1により把持されて反転機構4に送られる。また、上述した高さミーリング及び辺ミーリング操作は、何れも上げ床の底面及び側面を対象とする。また、穴開け操作は上げ床の表面に対して穴開けを行う必要があるため、上げ床を180度反転した後に穴あけ機構5に進行して穴開け操作を行うことができる。そして、上げ床全ての後処理の操作を完成させる。
【0022】
また、
図2に示すように、把持機構1は、複数の把持部と、固定フレーム101とを含み、固定フレーム101は、高さミーリング機構2、辺ミーリング機構3及び反転機構4の垂直な上方にカバーするように設けられ、固定フレーム101上に移動・摺動レール102が設置され、把持部は、移動・摺動レール102上に移動可能に設置され、把持部は、高さミーリング機構2の先端と、高さミーリング機構2と辺ミーリング機構3の間と、辺ミーリング機構3と反転機構4の間とにそれぞれ設置される。移動する把持部は、中間の連続部材として連続に上げ床を把持して各機構まで搬送して全ての後処理を完成させる。
【0023】
また、把持部は、把持駆動モータ103と、移動ラック104と、伸縮ラック105と、把持手106とを含み、移動ラック104は、把持駆動モータ103に連接され、移動ラック104は、固定フレーム101と垂直に設置されると共にスライド可能に移動・摺動レール102上に固定され、移動ラック104の底部は、伸縮ラック105を介して把持手106に連接され、把持手106の両端には、幅調整可能な固定フレーム107が設けられ、異なる幅の上げ床を把持する。
【0024】
また、
図3~
図4に示すように、高さミーリング機構2は、全ての後処理装置の最先端に設けられ、高さミーリングベース201を含み、高さミーリングベース201の中心箇所には、床高さミーリング固定フレーム202が設置され、把持部は、フィード処から処理対象となる上げ床を床高さミーリング固定フレーム202に置く。床高さミーリング固定フレーム202の両側には、高さミーリング部がそれぞれ設置され、高さミーリング部は、高さミーリング摺動レールと、高さミーリング移動モータ203とを含み、二つの高さミーリング駆動モータ204と、二つの高さミーリングヘッド205と、二つの高さミーリング駆動モータ204と、二つの高さミーリングヘッド205とが、2本のL字形連接ブラケット206の両端にそれぞれペアに設置され、且つ2本のL字形連接ブラケット206の間は、連接ブロック207を介して連接され、連接ブロック207は、高さミーリング摺動レール上に設置されると共に高さミーリング移動モータ203に連通され、高さミーリング移動モータ203は、連接ブロック207を駆動して移動させることにより、L字形連接ブラケット206を駆動して二つの高さミーリングヘッド205を上げ床の4本の足部まで移動させる。また、高さミーリング駆動モータ204を駆動させて、高さミーリングヘッド205が4本の足部に対して高さ加工を行う。
【0025】
高さミーリング摺動レールについてさらに詳細に説明すると、高さミーリング摺動レールは、高さミーリングベース201の幅方向に設置される一対のY方向摺動レール208と、高さミーリングベース201両側面に設置されると共に高さミーリングベース201高さ方向に沿って設置されるZ方向摺動レール209とを含み、Z方向摺動レール209上には、高さミーリング移動モータ203と連接される高さミーリング移動シリンダ210が設置され、高さミーリング移動シリンダ210は、X方向移動用としての伸縮ロッド211を介してY方向摺動レール208に連接され、Y方向摺動レール208上には、連接ブロック207がスライド可能に設置され、且つY方向摺動レール208と高さミーリングベース201の面には、隙間が存在する。それにより、高さミーリング移動シリンダ210は、高さミーリング移動モータ203により駆動されてZ方向摺動レール209上を移動して高さミーリング部全体の高さを調整することにより、高さミーリング部上の高さミーリングヘッド205の高さを上げ床の4本の足の高さと一致させることができる。そして伸縮ロッド211の伸縮及び連接ブロック207のY方向摺動レール208上の移動により高さミーリング部の高さミーリングベース201上の位置を調整する。それにより、高さミーリングヘッド205全体を規定される上げ床の4本の足の位置に移動させる,高さミーリング駆動モータ204は高さミーリングヘッド205を駆動して上げ床の4本の足に対し高さ加工をする。
【0026】
高さミーリング操作が完成されると、把持部は、高さミーリング機構2から上げ床を把持して、次の辺ミーリング機構3に搬送して辺ミーリング操作を行なわせる。
【0027】
また、
図5に示すように、辺ミーリング機構3は、辺ミーリングベース301と、辺ミーリングベース301の中心箇所に設置される床辺ミーリング固定フレーム302と、床辺ミーリング固定フレーム302の対角位置に設置される締付け用手部303とを、上げ床が床辺ミーリング固定フレーム302に置かれた後、締付け用手部303に合わせて更に締め付け操作をし、辺ミーリング過程に生じるシフトを防止する。
【0028】
床辺ミーリング固定フレーム302は、4側辺に4つの辺ミーリング部がそれぞれ設置され、辺ミーリング部は、辺ミーリング摺動レールと、辺ミーリング移動モータ304と、辺ミーリング駆動モータ305と、辺ミーリングヘッド306とを含み、辺ミーリングヘッド306は、辺ミーリング駆動モータ305に連接された後、辺ミーリング移動・摺動レール上に設置される。辺ミーリング移動モータ304は、辺ミーリング摺動レールを駆動して床辺ミーリング固定フレーム302の辺側まで移動させた後、辺ミーリング駆動モータ305は、辺ミーリングヘッド306を駆動して辺ミーリング移動・摺動レール上を移動して床辺ミーリング固定フレーム302に固定された上げ床の一側面に対して辺ミーリング操作を行なわせる。
【0029】
辺ミーリング摺動レールは、辺ミーリングベース301辺側に固定された第一のレール307と、第一のレール307に垂直に連接された第二のレール308とを含み、辺ミーリング駆動モータ305と辺ミーリングヘッド306とは、何れも第二のレール308上に移動可能に設置され、辺ミーリング移動モータ304は、第一のレール307上に設置されると共に第二のレール308を駆動して第一のレール307上において辺ミーリング床固定フレーム302の辺側に沿って垂直方向に辺ミーリングヘッド306に移動させて上げ床辺側に凭れかかり、辺ミーリング駆動モータ305は、辺ミーリングヘッド306を駆動して第二のレール308上において辺ミーリング床固定フレーム302の辺側に沿って平行に移動し、即ち辺ミーリングヘッド306を上げ床の辺側に凭れかかった後に移動して辺ミーリング操作を行なわせる。
【0030】
上述した高さミーリング及び辺ミーリングの操作時は、何れも上げ床の底部、側辺を対象とする。後述する穴開けは、上げ床の表面に対して操作を行なう。穴開け操作の前に上げ床を反転させる必要があるために反転機構4がデザインされた。その詳細は
図6に示した通りである。反転機構4は、反転ラック401と、反転プレート402と、送りプレート403とを含み、反転プレート402と反転ラック401とは回動軸404を介して連接され、反転ラック401上に持ち上げロッド405が設置され、持ち上げロッド405は、反転プレート402の底部に位置されると共にその一端が反転プレート402底部に連接され、送りプレート403は、摺動レール406を介して活動可能に反転プレート402と穴あけ機構5との間に設置される。
【0031】
把持部は、辺ミーリング機構3から上げ床を反転プレート402上まで送り、持ち上げロッド405により持ち上げられ、反転プレート402を回動軸404に沿って反転させる。また、反転プレート402上に載置された上げ床が180度反転された後、送りプレート403上に落とされる。そして、送りプレート403からスライドして穴あけ機構5に送られて穴開け操作が行なわれる。
【0032】
また、
図6に示すように、穴あけ機構5は、穴開けベース501と、穴開けシリンダ502と、穴開けカッターヘッド503と、穴開け固定フレーム504と、を含み、穴開けベース501と反転ラック401とが同一の平面に設置され、摺動レール406は、延伸して穴あけ機構5を貫通し、穴開け固定フレーム504は、摺動レール406の穴あけ機構5内における部分の垂直上方に設置され、摺動レール406を介して穴あけ機構5まで移動される送りプレート403の固定に用いられる。穴開けカッターヘッド503と穴開けシリンダ502とが連通するとともに固定フレーム体505を介して穴開けベース501の垂直上方に設置される。送りプレート403は、上げ床を穴開けカッターヘッド503の垂直下方に搬送し、穴開け固定フレーム504は、送りプレート403上の上げ床を固定し、穴開け過程にシフトを生じることを防止する。穴開けシリンダ502は、穴開けカッターヘッド503を垂直に落下させて上げ床に対して穴開けを行う。穴開けが終了した後に、穴開け固定フレーム504は、上げ床に対する固定を解除し、送りプレート403は、継続し摺動レール406上を移動して上げ床を放出口まで送り、作業員は放出口で後処理操作が完了した上げ床を収集して、処理過程が終了する。
【0033】
以上開示された実施形態の説明により、本発明の分野における技芸者は本発明を実現又は使用することができる。当業者にとっては、これらの実施形態に基づいて様々な修正を行なえることが明らかである。また、本明細書に定義された一般の原理は本発明の精神や範囲を離脱しなく他の実施形態で実現できる。従って、本発明は、上述した各実施形態に限定されるものではなく、本明細書に開示した原理及び新規な特徴に一致する最大な範囲を有している。
【符号の説明】
【0034】
1 把持機構
2 高さミーリング機構
3 辺ミーリング機構
4 反転機構
5 穴あけ機構
101 固定フレーム
102 移動・摺動レール
103 把持駆動モータ
104 移動ラック
105 伸縮ラック
106 把持手
107 固定フレーム
201 高さミーリングベース
202 床高さミーリング固定フレーム
203 高さミーリング移動モータ
204 高さミーリング駆動モータ
205 高さミーリングヘッド
206 L字形連接ブラケット
207 連接ブロック
208 Y方向摺動レール
209 Z方向摺動レール
210 高さミーリング移動シリンダ
211 伸縮ロッド
301 辺ミーリングベース
302 床辺ミーリング固定フレーム
303 締付け用手部
304 辺ミーリング移動モータ
305 辺ミーリング駆動モータ
306 辺ミーリングヘッド
307 第一のレール
308 第二のレール
401 反転ラック
402 反転プレート
403 送りプレート
404 回動軸
405 持ち上げロッド
406 摺動レール
501 穴開けベース
502 穴開けシリンダ
503 穴開けカッターヘッド
504 穴開け固定フレーム
505 固定フレーム体