(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】蒸気ヘアスタイリングアプライアンス
(51)【国際特許分類】
A45D 1/00 20060101AFI20220325BHJP
A45D 1/02 20060101ALI20220325BHJP
A45D 1/06 20060101ALI20220325BHJP
A45D 1/10 20060101ALI20220325BHJP
A45D 1/14 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
A45D1/00 D
A45D1/00 C
A45D1/00 502B
A45D1/00 503A
A45D1/02 B
A45D1/02 D
A45D1/06 B
A45D1/10 D
A45D1/14 D
(21)【出願番号】P 2019500369
(86)(22)【出願日】2017-07-04
(86)【国際出願番号】 FR2017051822
(87)【国際公開番号】W WO2018007753
(87)【国際公開日】2018-01-11
【審査請求日】2020-06-19
(32)【優先日】2016-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】594034072
【氏名又は名称】セブ ソシエテ アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】特許業務法人 谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】レジス フェレイレ
(72)【発明者】
【氏名】ジョアン サバティエ
(72)【発明者】
【氏名】ニコラス ロウシェ
【審査官】石井 茂
(56)【参考文献】
【文献】特表2011-502720(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 1/00- 1/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアスタイリングアプライアンス(2)であって、少なくとも、
それぞれ第1の接触表面(7)および第2の接触表面(8)を含む第1のアーム(5)および第2のアーム(6)であって、開構成と閉構成との間で、互いに対して関節式に移動されるように取り付けられており、前記開構成では、前記第1の接触表面(7)および前記第2の接触表面(8)が、互いに離間して配置されており、一房の髪が、前記第1の接触表面(7)と前記第2の接触表面(8)との間に導入されることができ、前記閉構成では、前記第1の接触表面(7)および前記第2の接触表面(8)が、互いに近くにあり、一房の髪を挟むことができる、第1のアーム(5)および第2のアーム(6)と、
前記第1のアーム(5)の上に取り付けられており、気化されることになる流体を含むことが意図されているリザーバ(13)と、
前記第1のアーム(5)の上に取り付けられており、蒸気を作り出すように構成されている気化デバイス(19)と、
前記リザーバ(13)に固定されており、前記リザーバ(13)の中に含まれている前記流体を前記気化デバイス(19)に向けて搬送するように構成されている流体コンベヤエレメント(18)と
を含み、
前記リザーバ(13)は、それがレスト位置と気化位置との間で移動することができるように取り付けられており、前記レスト位置では、前記流体コンベヤエレメント(18)が、前記気化デバイス(19)から離れており、前記気化位置では、前記流体コンベヤエレメント(18)が、前記気化デバイス(19)の近くにあり、前記気化デバイス(19)が、前記流体コンベヤエレメント(18)によって搬送される前記流体を気化させるように構成されており、前記ヘアスタイリングアプライアンス(2)は、作動エレメント(25)をさらに含み、前記作動エレメント(25)は、前記第1のアーム(5)および前記第2のアーム(6)が前記開構成から前記閉構成へ移動されるときに、前記レスト位置から前記気化位置へ前記リザーバ(13)を移動させるように構成されて
おり、前記作動エレメント(25)は、カム表面(26)を含み、前記カム表面(26)は、前記リザーバ(13)と協働するように構成されており、前記カム表面(26)は、連続的な湾曲したプロファイルを有していることを特徴とする、ヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項2】
前記カム表面(26)は、一連のカム表面部分を含み、前記カム表面部分は、異なる曲げ半径を有している請求項
1に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項3】
前記カム表面(26)は、円形のインボリュートである請求項
1又は2に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項4】
前記作動エレメント(25)は、それが枢動軸線(A)周りで枢動することができるように取り付けられており、前記ヘアスタイリングアプライアンス(2)は、付勢エレメント(27)をさらに含み、前記付勢エレメント(27)は、前記作動エレメント(25)を作動位置に向けて付勢するように構成されており、前記作動位置では、前記作動エレメント(25)が、前記リザーバ(13)に押し込み力を働かせることができる請求項1乃至
3のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項5】
前記流体コンベヤエレメント(18)は、吸い上げ芯である請求項1乃至
4のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項6】
前記リザーバ(13)は、前記第1のアーム(5)の上に取外し可能に位置決めされている請求項1乃至
5のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項7】
前記第1のアーム(5)は、ハウジング(15)と、貫通開口部(16)と、クロージャエレメント(17)とを含み、前記リザーバ(13)は、前記ハウジング(15)の中に取り付けられており、前記貫通開口部(16)は、前記ハウジング(15)につながっており、前記リザーバ(13)の通過を意図されており、前記クロージャエレメント(17)は、それが開位置と閉位置との間で前記第1のアーム(5)の上を移動することができるように取り付けられており、前記開位置では、前記クロージャエレメント(17)は、前記貫通開口部(16)を少なくとも部分的に解放し、前記リザーバ(13)が前記ハウジング(15)から除去されるかまたは前記ハウジング(15)の中に取り付けられることを可能にし、前記閉位置では、前記クロージャエレメント(17)は、前記貫通開口部(16)を少なくとも部分的に閉じ、前記リザーバ(13)が前記ハウジング(15)から除去されるかまたは前記ハウジング(15)の中に取り付けられることを防止する請求項
6に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項8】
前記ヘアスタイリングアプライアンス(2)は、少なくとも1つのリターンエレメント(24)を含み、前記少なくとも1つのリターンエレメント(24)は、前記リザーバ(13)を前記レスト位置へ戻すように構成されている請求項1乃至
7のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項9】
前記第1のアーム(5)および前記第2のアーム(6)のうちの少なくとも1つは、加熱プレート(11、12)を含む請求項1乃至
8のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項10】
前記リザーバ(13)は、細長くなっており、前記気化デバイス(19)側に位置している第1の末端部分と、前記第1の末端部分の反対側にある第2の末端部分とを含み、前記作動エレメント(25)は、前記リザーバ(13)の前記第2の末端部分と協働するように構成されている請求項1乃至
9のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項11】
前記ヘアスタイリングアプライアンス(2)は、蒸気拡散デバイス(28)をさらに含み、前記蒸気拡散デバイス(28)は、前記気化デバイス(19)によって作り出される前記蒸気を、前記ヘアスタイリングアプライアンスの外部に向けて拡散させるように構成されている請求項1乃至
10のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【請求項12】
前記作動エレメント(25)は、前記第2のアーム(6)の上に取り付けられている、請求項1乃至
11のいずれか一項に記載のヘアスタイリングアプライアンス(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアスタイリングアプライアンスに関し、より具体的には、気化によって髪をトリートメントし、それを形状決めするように意図されているポータブル蒸気ヘアスタイリングアプライアンスに関する。髪にスチーミングを行うことに加えて、ヘアスタイリングアプライアンスは、一般的に、髪を加熱し、それを形状するように構成されている。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、ヘアスタイリングアプライアンスを開示しており、ヘアスタイリングアプライアンスは、とりわけ、
- それぞれ第1の接触表面および第2の接触表面を含む第1のアームおよび第2のアームであって、開位置と閉構成との間で、互いに対して関節式に移動されるように取り付けられており、開位置では、第1の接触表面および第2の接触表面が、互いに離間して配置されており、一房の髪が、第1の接触表面と第2の接触表面との間に導入されることができ、閉構成では、第1の接触表面および第2の接触表面が、互いに近くにあり、一房の髪を挟むことができる、第1のアームおよび第2のアームと、
- 第1のアームの上に取り付けられているリザーバであって、気化されることになる流体を含むことが意図されているリザーバと、
- 第1のアームの上に取り付けられており、蒸気を作り出すように構成されている気化デバイスと、
- リザーバに固定されており、リザーバの中に含まれる流体を気化デバイスに向けて搬送するように構成されている流体コンベヤエレメントと、
- 気化デバイスによって作り出される蒸気を、ヘアスタイリングアプライアンスの外部に向けて、および、第1の接触表面の近くに拡散させるように構成されている蒸気拡散デバイスと
を含む。
【0003】
公知の様式では、気化デバイスは、第1および第2のアームをそれらの閉構成に向けて移動させることによって活性化される。したがって、そのようなヘアスタイリングアプライアンスは、とりわけ、検出エレメント、たとえば、リードスイッチ磁気センサまたは磁気抵抗センサ(MRS)など、ならびに、制御ユニットをさらに含み、検出エレメントは、第1および第2のアームの閉構成を検出するように構成されており、制御ユニットは、検出エレメントが第1および第2のアームの閉構成を検出するときに、気化デバイスの活性化を制御するように構成されており、より具体的には、気化デバイスに所属する加熱エレメントの活性化を制御するように構成されている。
【0004】
しかし、ヘアスタイリングアプライアンスのそのような構成は、満足のいく蒸気流を保証するために、流体コンベヤエレメントおよび気化デバイスの複雑で正確な定義を必要とし、そのようなヘアスタイリングアプライアンスを製造するコストを増加させる。それに加えて、ヘアスタイリングアプライアンスのそのような構成は、気化デバイスの気化チャンバの中の流体の蓄積を引き起こす可能性があり、したがって、ヘアスタイリングアプライアンスの機能性または完全性までも害する可能性がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、これらの不利益を是正することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
したがって、本発明の基礎における技術的な問題は、とりわけ、満足のいく蒸気流を保証しながら、簡単で信頼性の高い経済的な構造を有するヘアスタイリングアプライアンスを提供することから構成されている。
【0008】
この目的のために、本発明は、ヘアスタイリングアプライアンスに関し、ヘアスタイリングアプライアンスは、少なくとも、
- それぞれ第1の接触表面および第2の接触表面を含む第1のアームおよび第2のアームであって、開構成と閉構成との間で、互いに対して関節式に移動されるように取り付けられており、開構成では、第1の接触表面および第2の接触表面が、互いに離間して配置されており、一房の髪が、第1の接触表面と第2の接触表面との間に導入されることができ、閉構成では、第1の接触表面および第2の接触表面が、互いに近くにあり、一房の髪を挟むことができる、第1のアームおよび第2のアームと、
- 第1のアームの上に取り付けられており、気化されることになる流体を含むことが意図されているリザーバと、
- 第1のアームの上に取り付けられており、蒸気を作り出すように構成されている気化デバイスと、
- リザーバに固定されており、リザーバの中に含まれている流体を気化デバイスに向けて搬送するように構成されている流体コンベヤエレメントと
を含み、
リザーバは、それがレスト位置と気化位置との間で移動することができるように取り付けられており、レスト位置では、流体コンベヤエレメントが、気化デバイスから離れており、気化位置では、流体コンベヤエレメントが、気化デバイスの近くにあり、気化デバイスが、流体コンベヤエレメントによって搬送される流体を気化させるように構成されており、ヘアスタイリングアプライアンスは、作動エレメントをさらに含み、作動エレメントは、第1のアームおよび第2のアームが開構成から閉構成へ移動されるときに、レスト位置から気化位置へリザーバを移動させるように構成されていることを特徴とする。
【0009】
したがって、本発明は、第1および第2のアームがそれらの開構成からそれらの閉構成に向けて移動するときに、そのレスト位置からその気化位置へリザーバを自動的に移動させることを著しく可能にする。
【0010】
ヘアスタイリングアプライアンスのそのような構成は、第1および第2のアームが開構成にあるときに、気化デバイスから流体コンベヤエレメントを分離することを可能にし、したがって、とりわけ、気化デバイスの気化チャンバの中の流体の蓄積を回避する。
【0011】
それに加えて、ヘアスタイリングアプライアンスのそのような構成、および、とりわけ、作動エレメントのそのような構成は、ユーザによる特定のアクションを必要とすることなく、リザーバをその気化位置に向けて移動させることが容易であることを保証する。換言すれば、リザーバの移動は、したがって、自動的に実施される。
【0012】
このように、本発明によるヘアスタイリングアプライアンスは、同じ程度に使用しやすいままであるのに、先行技術からのヘアスタイリングアプライアンスよりも信頼性が高い。
【0013】
ヘアスタイリングアプライアンスは、単独でまたは組み合わせて、以下の特性のうちの1つまたは複数を有することが可能である。
【0014】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバの中に含まれることが意図されている気化されることになる流体は、水または水溶性の化粧品、たとえば、水の中で希釈された化粧品などである。
【0015】
本発明の1つの実施形態によれば、作動エレメントは、第2のアームの上に取り付けられている。
【0016】
本発明の1つの実施形態によれば、作動エレメントは、カム表面を含み、カム表面は、リザーバと協働するように構成されている。
【0017】
本発明の1つの実施形態によれば、カム表面は、連続的な湾曲したプロファイルを有している。カム表面のそのような構成は、とりわけ、作動エレメントがより一定の力をリザーバに印加することを可能にし、したがって、ヘアスタイリングアプライアンスの性能を改善する。
【0018】
本発明の1つの実施形態によれば、カム表面は、一連のカム表面部分を含み、カム表面部分は、異なる曲げ半径を有している。流体コンベヤエレメントの摩耗の場合には、カム表面のそのような構成は、第1および第2のアームが閉構成に向けて移動するときに、その気化位置に向けてのリザーバの移動経路を増加させることを可能にし、したがって、第1および第2のアームが閉構成にあるときに、気化デバイスによって流体コンベヤエレメントに加えられる実質的に一定の圧力を維持する。したがって、これらの装備は、長期間にわたって実質的に一定の蒸気流を維持することを可能にし、したがって、流体コンベヤエレメントの摩耗にもかかわらず、ヘアスタイリングアプライアンスの性能レベルを維持することを可能にする。
【0019】
本発明の1つの実施形態によれば、カム表面は、それぞれのカム表面部分が、それに先行するカム表面部分の曲げ半径よりも大きい曲げ半径を有するように構成されている。
【0020】
本発明の1つの実施形態によれば、カム表面は、円形のインボリュートである。
【0021】
本発明の1つの実施形態によれば、作動エレメントは、それが、たとえば、第1のアームの上で、枢動軸線周りで枢動することができるように取り付けられており、ヘアスタイリングアプライアンスは、付勢エレメントをさらに含み、付勢エレメントは、作動エレメントを作動位置に向けて付勢するように構成されており、作動位置では、作動エレメントが、リザーバに押し込み力を働かせることができる。これらの装備は、とりわけ、第1および第2のアームの製造公差、リザーバの製造公差、流体コンベヤエレメントの製造公差、および、作動エレメントの製造公差にもかかわらず(それらは、流体コンベヤエレメントと気化デバイスとの間の満足のいく協働を害する可能性がある)、最適な蒸気流を保証し、したがって、ヘアスタイリングアプライアンスの最適な性能レベルを保証する。また、これらの装備は、ユーザによって第1および第2のアームに加えられる支持力に依存しないことを可能にし、したがって、第1および第2のアームに対するユーザの労力にかかわらず、実質的に一定の流れを保証する。
【0022】
本発明の1つの実施形態によれば、カム表面は、楕円体の表面部分から少なくとも部分的に形成されている。
【0023】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、リザーバが気化位置にあるときに、気化デバイスと接触しているように構成されている。
【0024】
本発明の1つの実施形態によれば、気化デバイスは、気化表面を含む。有利には、流体コンベヤエレメントは、リザーバが気化位置にあるときに、気化表面と接触しているように構成されている。
【0025】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、吸い上げ芯である。
【0026】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、吸収性材料のものである。
【0027】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、不織繊維のものである。
【0028】
流体コンベヤエレメントは、たとえば、ポリエチレンテレフタレートから、ポリエチレンから、または、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンの混合物から作製され得る。
【0029】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分は、リザーバの中へ延在しており、リザーバの中に含まれている気化されることになる流体と接触していることが意図されており、第2の部分は、リザーバの外部へ延在している。
【0030】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、出口開口部を含み、流体コンベヤエレメントは、出口開口部を通って延在している。
【0031】
本発明の1つの実施形態によれば、流体コンベヤエレメントは、リザーバの出口開口部に固定されている。本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、第1のアームの上に取外し可能に取り付けられている。
【0032】
本発明の1つの実施形態によれば、第1のアームは、ハウジングと、貫通開口部と、クロージャエレメントとを含み、リザーバは、ハウジングの中に取り付けられており、貫通開口部は、ハウジングにつながっており、リザーバの通過を意図されており、クロージャエレメントは、それが開位置と閉位置との間で第1のアームの上を移動すること、および、たとえば、枢動することができるように取り付けられており、開位置では、クロージャエレメントは、貫通開口部を少なくとも部分的に解放し、リザーバがハウジングから除去されるかまたはハウジングの中に取り付けられることを可能にし、閉位置では、クロージャエレメントは、貫通開口部を少なくとも部分的に閉じ、リザーバがハウジングから除去されるかまたはハウジングの中に取り付けられることを防止する。
【0033】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、それが第1のアームに対して並進して移動することができるように取り付けられている。
【0034】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、それが第1のアームの延在の方向に実質的に平行の変位方向にしたがって第1のアームに対して移動することができるように取り付けられている。
【0035】
本発明の1つの実施形態によれば、ヘアスタイリングアプライアンスは、少なくとも1つのリターンエレメントを含み、少なくとも1つのリターンエレメントは、リザーバをレスト位置へ戻すように構成されている。
【0036】
本発明の1つの実施形態によれば、気化デバイスは、気化チャンバを含み、リザーバが気化位置にあるときに、流体コンベヤエレメントが、気化チャンバの中に少なくとも部分的に配置されている。
【0037】
有利には、気化表面は、気化チャンバの境界を少なくとも部分的に定めている。
【0038】
本発明の1つの実施形態によれば、気化デバイスは、加熱エレメントを含む。加熱エレメントは、たとえば、抵抗エレメントであってもよい。
【0039】
本発明の1つの実施形態によれば、第1および第2のアームのうちの少なくとも1つは、加熱プレートを含み、加熱プレートは、たとえば、実質的に平坦になっていることが可能である。
【0040】
本発明の1つの実施形態によれば、第1および第2のアームは、それぞれ、第1の加熱プレートおよび第2の加熱プレートを含む。次いで、第1および第2の加熱プレートは、有利には、第1および第2の接触表面を画定している。
【0041】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、細長くなっており、気化デバイス側に位置している第1の末端部分と、第1の末端部分の反対側にある第2の末端部分とを含み、作動エレメントは、リザーバの第2の末端部分と協働するように構成されている。
【0042】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、1つの延在方向に沿って全体的に延在している。
【0043】
本発明の1つの実施形態によれば、リザーバは、リザーバ部分および保持部分を含み、リザーバ部分は、気化されることになる流体を含むことが意図されており、保持部分は、リザーバ部分に固定されている、保持部分は、流体コンベヤエレメントを保持するように構成されている。保持部分は、たとえば、リザーバ部分の上にねじ込むことによって固定され得る。
【0044】
本発明の1つの実施形態によれば、保持部分は、出口開口部の境界を定めている。
【0045】
本発明の1つの実施形態によれば、ヘアスタイリングアプライアンスは、蒸気拡散デバイスをさらに含み、蒸気拡散デバイスは、気化デバイスによって作り出される蒸気を、ヘアスタイリングアプライアンスの外部に向けて拡散させるように構成されている。また、蒸気拡散デバイスは、気化デバイスによって作り出される蒸気を、第1の接触表面の近くに拡散させるように構成され得る。「第1の接触表面の近くに」は、とりわけ、第1の接触表面に隣接して、または、第1の接触表面のレベルにおいて、ことを意味するように理解される。
【0046】
本発明の1つの実施形態によれば、蒸気拡散デバイスは、第1および第2のアームが閉構成にあるときに、第2の接触表面に向けて蒸気を拡散させるように構成されている。
【0047】
本発明の1つの実施形態によれば、蒸気拡散デバイスは、少なくとも1つの拡散開口部を含み、少なくとも1つの拡散開口部は、気化デバイスに、たとえば、気化チャンバに流体接続されており、少なくとも1つの拡散開口部は、気化デバイスによって作り出される蒸気を、ヘアスタイリングアプライアンスの外部に向けて、および、第1の接触表面の近くに拡散させるように構成されている。
【0048】
本発明の1つの実施形態によれば、第1の接触表面は、底部を備えた溝部を含み、少なくとも1つの拡散開口部は、溝部の底部につながっている。
【0049】
本発明の1つの実施形態によれば、蒸気拡散デバイスは、複数の拡散開口部を含む。
【0050】
本発明の1つの実施形態によれば、拡散開口部は、溝部に沿って分配されている。
【0051】
いずれにせよ、本発明は、非限定的な例として、このヘアスタイリングアプライアンスの実行のいくつかの形態を表す添付の概略的な図面を参照する以下の説明の支援によって理解される。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【
図1】本発明の第1の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンスの斜視図である。
【
図2】
図1のヘアスタイリングアプライアンスの縦断面図であり、ヘアスタイリングアプライアンスのアームが開構成にあることを示す図である。
【
図3】
図1のヘアスタイリングアプライアンスの縦断面図であり、ヘアスタイリングアプライアンスのアームが閉構成にあることを示す図である。
【
図4】
図1のヘアスタイリングアプライアンスの縦断面図であり、より具体的には、リザーバをレスト位置へ戻すように構成されているリターン手段を示す図である。
【
図7】
図1のヘアスタイリングアプライアンスの加熱プレートの斜視図である。
【
図8】本発明の第2の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンスの部分断面図である。
【
図9】本発明の第3の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンスの部分断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0053】
図1から
図7は、本発明の第1の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンス2を表しており、より具体的には、ヘアストレイトナーを表している。
【0054】
ヘアスタイリングアプライアンス2は、ポータブルトリートメントユニット3を含み、ポータブルトリートメントユニット3は、有利には、電気接続ケーブル4によって給電され得る。
【0055】
ポータブルトリートメントユニット3は、それぞれ、第1の接触表面7および第2の接触表面8を含む、第1のアーム5および第2のアーム6を含む(ジョーとも呼ばれる)。第1のアーム5および第2のアーム6は、より具体的には、枢動リンク9によって、および、開構成と閉構成との間で、互いに対して関節式に移動されるように取り付けられており、開構成では、第1の接触表面7および第2の接触表面8が、互いに離間して配置されており、一房の髪が、第1の接触表面と第2の接触表面との間に導入されることができ、閉構成では、第1の接触表面7および第2の接触表面8が、互いに近くにあり、一房の髪を挟むことができる。
【0056】
図1から
図7に表されている実施形態によれば、第1の接触表面7および第2の接触表面8は、平坦になっており、第1のアーム5および第2のアーム6は、それぞれ、第1の加熱プレート11および第2の加熱プレート12(より具体的には、
図7に示されている)を含み、第1の加熱プレート11および第2の加熱プレート12は、それぞれ、第1の接触表面7および第2の接触表面8を画定している。それにもかかわらず、ヘアスタイリングアプライアンスの実施形態変形例によれば、第1のアーム5および第2のアーム6のうちの1つのみが、加熱プレートを備えることも可能であり、第1の接触表面7および第2の接触表面8のうちの少なくとも1つが、たとえば、第1の接触表面7と第2の接触表面8との間に導入された髪の房のカーリングまたはクリーピングを可能にするために、湾曲しているかまたは波状になっていることが可能である。
【0057】
ポータブルトリートメントユニット3は、第1の加熱プレート11および第2の加熱プレート12を加熱するように構成されている加熱手段をさらに含む。これらの加熱手段は、それらが当業者に良く知られているので、この特許出願において詳細に説明されていない。これらの加熱手段は、たとえば、第1のアーム5の中に配置されている第1の加熱デバイス(図には表されていない)と、第2のアーム6の中に配置されている第2の加熱デバイス(図には表されていない)とを含むことが可能である。第1および第2の加熱デバイスのそれぞれは、たとえば、正温度係数サーミスタ(PTC)を含むことが可能である。
【0058】
また、ポータブルトリートメントユニット3は、リザーバ13を含み、リザーバ13は、気化されることになる流体、たとえば、水または水溶性の化粧品などを含むことが意図されている。
図1から
図7に表されている実施形態によれば、リザーバ13は、細長くなっており、1つの延在方向に沿って全体的に延在している。それにもかかわらず、リザーバ13は、本発明の文脈から逸脱することなく、異なる形態を有することが可能である。それに加えて、本発明の1つの実施形態によれば、リザーバ13は、リザーバ部分13.1および保持部分13.2を含み、リザーバ部分13.1は、気化されることになる流体を含むことが意図されており、保持部分13.2は、リザーバ部分13.1に固定されており、出口開口部14の境界を定める。保持部分13.2は、たとえば、リザーバ部分13.1の上にねじ込むことによって固定され得る。
【0059】
図1から
図7に表されている実施形態によれば、リザーバ13は、第1のアーム5の中に設けられているハウジング15の中に取外し可能に取り付けられている。有利には、第1のアーム5は、貫通開口部16およびクロージャエレメント17を含み、貫通開口部16は、ハウジング15につながっており、リザーバ13の通過を意図されており、クロージャエレメント17、たとえば、クロージングシャッタなどは、それが開位置と閉位置との間で第1のアーム5の上で枢動することができるように取り付けられており、開位置では、クロージャエレメント17は、貫通開口部16を少なくとも部分的に解放し、リザーバ13がハウジング15から除去されるかまたはハウジング15の中に取り付けられることを可能にし、閉位置では、クロージャエレメント17は、貫通開口部16を少なくとも部分的に閉じ、リザーバ13がハウジング15から除去されるかまたはハウジング15の中に取り付けられることを防止する。
【0060】
ポータブルトリートメントユニット3は、流体コンベヤエレメント18をさらに含み、流体コンベヤエレメント18は、リザーバ13に固定されており、より具体的には、保持部分13.2に固定されており、リザーバ13の出口開口部14を通って延在している。流体コンベヤエレメント18は、リザーバ13の中に含まれている流体をリザーバの外部に向けて搬送するように構成されている。
図1から
図7に表されている実施形態によれば、流体コンベヤエレメント18は、吸収性材料の吸い上げ芯であり、第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分は、リザーバ13の中へ延在しており、リザーバ13の中に含まれている気化されることになる流体と接触していることが意図されており、第2の部分は、リザーバ13の外部へ延在している。流体コンベヤエレメント18は、たとえば、不織繊維から作製され得、また、ポリエチレンテレフタレートから、ポリエチレンから、または、ポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンの混合物から作製され得る。それにもかかわらず、流体コンベヤエレメント18は、任意の他の適当な材料から作製されることも可能である。
【0061】
図6に示されているように、ポータブルトリートメントユニット3は、また、気化デバイス19を含み、気化デバイス19は、第1のアーム5の上に取り付けられており、蒸気を作り出すように構成されている。気化デバイス19は、より具体的には、気化チャンバ21を含み、リザーバ13が気化位置にあるときに、流体コンベヤエレメント18が、気化チャンバ21の中に少なくとも部分的に配置されている。気化デバイス19は、気化表面22および加熱エレメント23をさらに含み、気化表面22は、気化チャンバ21の境界を部分的に定めており、加熱エレメント23は、気化表面22を加熱するように構成されている。加熱エレメント23は、たとえば、正温度係数サーミスタ(PTC)などのような抵抗エレメントであってもよい。
【0062】
リザーバ13は、より具体的には、それがレスト位置(
図2を参照)と気化位置(
図6を参照)との間で変位方向Dにしたがって移動することができるように取り付けられており、レスト位置では、流体コンベヤエレメント18が、気化表面22から離れており、気化位置では、流体コンベヤエレメント18が、気化表面22の近くにあり、たとえば、気化表面22と接触しており、気化デバイス19は、流体コンベヤエレメント18によって搬送される流体を気化させるように構成されている。有利には、リザーバ13の変位方向Dは、第1のアーム5の延在方向に実質的に平行になっている。ポータブルトリートメントユニット3は、有利には、1つまたは複数のリターンエレメント24(
図4を参照)を含み、1つまたは複数のリターンエレメント24は、リザーバ13をレスト位置へ戻すように構成されていることに留意されたい。そのリターンエレメント24またはそれぞれのリターンエレメント24は、たとえば、ヘリカルスプリングによって形成されてもよい。
【0063】
ポータブルトリートメントユニット3は、作動エレメント25をさらに含み、作動エレメント25は、第2のアーム5の上に取り付けられており、第1のアーム5および第2のアーム6が開構成から閉構成へ移動されるときに、レスト位置から気化位置へリザーバ13を移動させるように構成されている。作動エレメント25は、カム表面26を含み、カム表面26は、リザーバ13と協働するように構成されており、より具体的には、気化デバイス19の反対側にあるリザーバ13の末端部分と協働するように構成されている。
【0064】
図1から
図7に表されている実施形態によれば、カム表面26は、連続的な湾曲したプロファイルを有しており、異なる曲げ半径を有する一連のカム表面部分を含む。カム表面26は、より具体的には、それぞれのカム表面部分が、それに先行するカム表面部分の曲げ半径よりも大きい曲げ半径を有するように構成されている。この実施形態によれば、カム表面26は、実質的に、円形のインボリュートである。
【0065】
それに加えて、
図1から
図7に表されている実施形態によれば、作動エレメント25は、それが第1のアーム5の上で枢動軸線A周りで枢動することができるように取り付けられており、ポータブルトリートメントユニット3は、圧縮スプリングまたはトーションスプリングなどのような、付勢エレメント27をさらに含み、付勢エレメント27は、作動エレメント25を作動位置に向けて付勢するように構成されており、作動位置では、作動エレメント25が、リザーバ13に押し込み力を働かせることができる。付勢エレメント27は、より具体的には、作動エレメント25を回転させて付勢するように構成されており、カム表面末端26(枢動軸線Aの反対側にある)を第2のアーム6から分離するようになっている。
【0066】
カム表面26のそのような構成は、第1のアーム5および第2のアーム6が閉構成へと移動されるときに、作動エレメント25がより一定の力をリザーバ13に印加することを可能にし、したがって、ヘアスタイリングアプライアンス2の性能を改善する。それに加えて、流体コンベヤエレメント18の摩耗の場合には、カム表面26のそのような構成は、その気化位置に向けてのリザーバ13の移動経路を増加させることを可能にし、したがって、第1のアーム5および第2のアーム6が閉構成にあるときに、気化デバイス19によって流体コンベヤエレメント18に加えられる圧力を長期間にわたって実質的に一定に維持する。結果として、蒸気流は、流体コンベヤエレメント18の摩耗にもかかわらず、長期間にわたって実質的に一定に維持される。
【0067】
それに加えて、第2のアーム6の上への作動エレメント25のそのような取付け、および、付勢エレメント27の存在は、とりわけ、第1のアーム5および第2のアーム6の、リザーバ13の、流体コンベヤエレメント18の、および、作動エレメント25の製造公差をオフセットすることを可能にし、したがって、最適な蒸気流を保証し、したがって、ヘアスタイリングアプライアンス2の最適な性能レベルを保証する。また、これらの装備は、ユーザによって第1のアーム5および第2のアーム6に加えられる支持力に依存しないことを可能にし、したがって、第1のアーム5および第2のアーム6に対するユーザの労力にかかわらず、実質的に一定の流れを保証する。
【0068】
ポータブルトリートメントユニット3は、気化デバイス19に流体接続された蒸気拡散デバイス28をさらに含み、また、第1のアーム5および第2のアーム6が閉構成にあるときに、第1の接触表面7において気化デバイス19によって作り出された蒸気を、とりわけ、第2の接触表面8に向けて拡散させるように構成されている。
【0069】
図1から
図7に表されている実施形態によれば、第1の接触表面7は、底部31を備えた溝部29を含み、蒸気拡散デバイス28は、複数の拡散開口部32を含み、複数の拡散開口部32は、気化チャンバ21に流体接続されており、溝部29の底部31につながっている。有利には、拡散開口部32は、溝部29に沿って規則的に分配されている。第2の接触表面8は、有利には、閉じ込め溝部33を含むことが可能であり、閉じ込め溝部33は、第1のアーム5および第2のアーム6が閉構成にあるときに、溝部29に面して提供されるように構成されており、拡散開口部32によって拡散された蒸気を閉じ込めるようになっていることに留意されたい。
【0070】
図8は、本発明の第2の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンス2を表しており、それは、作動エレメント25のカム表面26が、第1の表面部分26aおよび第2の表面部分26bを含み、第1の表面部分26aおよび第2の表面部分26bは、実質的に平坦になっており、異なる傾斜を有しており、丸みを付けられた中間表面部分26cが、第1の表面部分26aと第2の表面部分26bとの間に配置されているという点において、第1の実施形態とは本質的に異なっている。
【0071】
図9は、本発明の第3の実施形態によるヘアスタイリングアプライアンス2を表しており、それは、作動エレメント25が第2のアーム6の上に固定して取り付けられているという点において、第2の実施形態とは本質的に異なっている。
【0072】
言うまでもなく、本発明は、例として上記に説明されているこのヘアスタイリングアプライアンスの実行の形態のみに限定されず、それとは対照的に、それは、すべての実施形態変形例を包含する。