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特許7046051医療用流体移送モジュールおよびシステムの中の空気バブルをトラップするためのシステムおよびコンポーネント
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】医療用流体移送モジュールおよびシステムの中の空気バブルをトラップするためのシステムおよびコンポーネント
(51)【国際特許分類】
   A61M 5/36 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
A61M5/36
【請求項の数】 12
(21)【出願番号】P 2019503721
(86)(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-09-12
(86)【国際出願番号】 US2017043761
(87)【国際公開番号】W WO2018022640
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-06
(31)【優先権主張番号】62/366,509
(32)【優先日】2016-07-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】508004797
【氏名又は名称】アイシーユー・メディカル・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】トーマス・エフ・ファングロウ
(72)【発明者】
【氏名】ジェイ・ハチェイ
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第05830185(US,A)
【文献】国際公開第99/019012(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/122921(WO,A1)
【文献】特表2004-505732(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61M 5/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
医療用流体ラインに流体連通しているように構成されているインラインバブルトラップであって、前記インラインバブルトラップは、前記インラインバブルトラップ及び前記医療用流体ラインをパージするために、かつ、前記インラインバブルトラップ及び前記医療用流体ラインを通して医療用流体を移送する前に空気の量を低減するために、真空にさらされるように構成されており、前記インラインバブルトラップは、
入口開口部中心軸線を有する、入口部ルアー端部及び入口開口部を含む入口部と、
出口開口部中心軸線を有する、出口部ルアー端部及び出口開口部を含む出口部と、
内部体積を有するチャンバーと、
前記チャンバーを少なくとも部分的に画定する弾性ハウジングであって、前記弾性ハウジングは、前記チャンバーの前記内部体積を低減するために真空にさらされるときに、少なくとも部分的に崩壊するように構成されており、前記チャンバーの前記内部体積を増やすために前記真空が除去されるときに、前記弾性ハウジングは膨張するように更に構成されている、弾性ハウジングと、
を含み、
前記入口開口部中心軸線および前記出口開口部中心軸線は、互いに異なっており、前記入口開口部が前記出口開口部とは整合されないようになっており、
バブルトラップは、前記入口部から前記出口部へのガスのフローを抑制するように構成されている、インラインバブルトラップ。
【請求項2】
前記チャンバーは、前記バブルトラップの中へ流入するガスをトラップするように構成されている、請求項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項3】
前記出口部は、出口突起部を含む、請求項1又は2に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項4】
前記出口突起部は、前記出口開口部と、前記出口部に流体連通しているチャネルとを含む、請求項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項5】
前記出口突起部は、前記チャンバーの内側表面から離れるように、前記チャンバーの中へ延在しており、
前記出口突起部の前記出口開口部は、前記チャンバーの中心の近くまたは前記チャンバーの中心に位置決めされている、請求項またはに記載のインラインバブルトラップ。
【請求項6】
前記入口部は、入口突起部を含む、請求項1からのいずれか一項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項7】
前記入口突起部は、前記入口開口部と、前記入口部に流体連通しているチャネルとを含む、請求項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項8】
前記入口突起部は、前記チャンバーの内側表面から離れるように、前記チャンバーの中へ延在しており、かつ、
前記入口開口部は、前記チャンバーの中心の近くまたは前記チャンバーの中心に位置決めされている、請求項またはに記載のインラインバブルトラップ。
【請求項9】
前記入口部および前記出口部は、前記チャンバーの反対側端部にある、請求項1からのいずれか一項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項10】
前記入口部ルアー端部は、オス型ルアー端部を備える、請求項1からのいずれか一項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項11】
前記出口部ルアー端部は、メス型ルアー端部を備える、請求項1から10のいずれか一項に記載のインラインバブルトラップ。
【請求項12】
医療用流体の移送の間に空気をトラップするように構成されている医療用流体移送システムであって、前記医療用流体移送システムは、
流体供給源から流体デスティネーションへ流体を移送するように構成されている流体移送デバイスと、
請求項1から11のいずれか一項に記載のインラインバブルトラップと、
を含み、
前記バブルトラップは、前記流体移送デバイス、流体供給源、および流体デスティネーションのうちの少なくとも1つに流体連通しているように構成されており、
前記バブルトラップは、前記流体供給源から、前記バブルトラップの前記出口部を通して、前記流体デスティネーションの中への、ガスの移送を抑制するように構成されている、医療用流体移送システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療用流体の移送を制御することに関し、より具体的には、医療用流体の中のガスバブルの伝送を制限することに関する。
【背景技術】
【0002】
多くのタイプの医療用流体が、患者を治療するためにルーチン的に使用されており、それらは、化学療法薬物、抗生物質、免疫抑制薬物、抗ウイルス薬物、水和流体、栄養流体、抗凝固剤、疼痛管理薬物、医療用イメージングのための造影流体などを含む。そして、これらの流体のすべては、さまざまなタイプの病気、病状、怪我、または療法に関して、多くの異なる種類の利点および不利益を伴う。そのうえ、特定の患者は、自身の特定の医学的ニーズに対処するために、最適化された投与量、濃度、および、これらの薬物または他の医療用流体の組み合わせを必要とする。結果として、医療施設は、個々の患者ニーズに応えるために、継続的なベースで、多くの異なるタイプのカスタマイズされた医療用流体を提供することを要求されている。これらのニーズに応える際に、少量の空気が、準備された医療用流体の中に存在することが多い。
【0003】
本明細書で開示されているシステムおよび方法は、医療用流体移送システム、および、医療用流体の中の空気の存在に関するさまざまな課題に対処する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】米国特許第8,522,832号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0299221号明細書
【文献】PCT国際出願第US2015/040174号明細書
【文献】米国特許出願公開第2015/0283322号明細書
【文献】米国特許第5,873,862号明細書
【文献】米国特許第7,998,134号明細書
【文献】米国特許出願公開第2014/0246616号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態では、医療用流体ラインの中で使用するためのバブルトラップが開示されている。
【0006】
いくつかの実施形態では、医療用流体バブルトラップシステムが開示されている。システムは、供給源コンテナおよびデスティネーションコンテナのうちの少なくとも1つに流体連通しているように構成されているバブルトラップを含むことが可能である。バブルトラップは、バブルトラップの中へ流入するガスをトラップするように構成され得る。
【0007】
いくつかの実施形態では、医療用流体バブルトラップシステムが開示されている。システムは、供給源コンテナと、バブルトラップを含む流体移送モジュールと、デスティネーションコンテナとを含むことが可能である。バブルトラップは、バブルトラップの中へ流入するガスをトラップするように構成され得る。
【0008】
いくつかの実施形態では、チャンバーの中のガスをトラップするように構成されているバブルトラップを含む医療用流体移送モジュールが開示されている。
【0009】
いくつかの実施形態では、チャンバーの中のガスをトラップするように構成されているバブルトラップを含む電子的な医療用流体移送デバイスが開示されている。
【0010】
いくつかの実施形態では、インラインバブルトラップデバイスは、医療用流体ラインに流体連通しているように構成されており、入口部から出口部へのガスのフローを抑制する。バブルトラップデバイスは、入口開口部中心軸線を有する入口開口部を含む入口部と、出口開口部中心軸線を有する出口開口部を含む出口部と、チャンバーとを含むことが可能である。入口開口部中心軸線および出口開口部中心軸線は、互いに異なっていることが可能であり、入口開口部が出口開口部とは整合されないようになっている。いくつかの実施形態では、入口開口部が出口開口部とは整合していないことは、入口開口部から出口開口部への流体通路を分裂させる。チャンバーは、バブルトラップの中へ流入するガスをトラップするように構成され得る。チャンバーは、入口部と出口部との間に位置付けされ得る。
【0011】
いくつかの実施形態では、出口部は、出口突起部を含むことが可能である。出口突起部は、出口開口部と、出口部に流体連通しているチャネルとを含むことが可能である。出口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように、チャンバーの中へ延在することが可能である。出口突起部の出口開口部は、チャンバーの中心の近くまたはチャンバーの中心に位置決めされ得る。出口突起部の出口開口部は、出口突起部の側部に位置決めされ得る。
【0012】
いくつかの実施形態では、入口部は、入口突起部を含む。入口突起部は、入口開口部と、入口部に流体連通しているチャネルとを含むことが可能である。入口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように、チャンバーの中へ延在することが可能である。入口開口部は、チャンバーの中心の近くまたはチャンバーの中心に位置決めされ得る。入口開口部は、入口突起部の側部に位置決めされ得る。
【0013】
いくつかの実施形態では、入口突起部および出口突起部は、互いを越えて延在することが可能であり、入口開口部が、出口開口部よりも、出口部の近くに位置決めされている。
【0014】
いくつかの実施形態では、入口開口部から出口開口部へのすべての流路は、ベンドを含む。入口部および出口部は、チャンバーの反対側端部にあることが可能である。
【0015】
いくつかの実施形態では、バブルトラップは、静止体積を有するチャンバーを少なくとも部分的に画定する弾性ハウジングを含むことが可能である。ハウジングは、真空にさらされるときに少なくとも部分的に崩壊するように構成され得、チャンバーの体積を低減させるようになっており、また、真空が除去されるときに、静止体積に戻るように構成され得る。
【0016】
いくつかの実施形態では、医療用流体移送システムは、医療用流体の移送の間に空気をトラップするように構成されている。医療用流体移送システムは、流体供給源から流体デスティネーションへ流体を移送するように構成されている流体移送デバイスと、本明細書で説明されているようなインラインバブルトラップとを含むことが可能である。インラインバブルトラップは、メス型ルアー端部およびオス型ルアー端部を含むことが可能である。バブルトラップは、流体移送デバイス、流体供給源、および流体デスティネーションのうちの少なくとも1つに流体連通しているように構成され得る。バブルトラップは、流体供給源から、バブルトラップの出口部を通して、流体デスティネーションの中への、ガスの移送を抑制するように構成され得る。バブルトラップは、流体供給源に流体連通していることが可能である。バブルトラップは、流体デスティネーションに流体連通していることが可能である。メス型ルアー端部は、出口部に隣接していることが可能である。オス型ルアー端部は、入口部に隣接していることが可能である。
【0017】
いくつかの実施形態では、供給源コンテナからデスティネーションコンテナへ流体を移送する方法は、供給源コンテナからデスティネーションコンテナへのガスの移送を抑制するように構成されている流体移送モジュールを取得するステップを含むことが可能である。流体移送モジュールは、インラインバブルトラップを含むことが可能である。バブルトラップは、チャンバー、入口部中心軸線を有する入口開口部、および、出口部中心軸線を有する出口開口部を含むことが可能であり、出口部中心軸線は、入口部中心軸線とは異なっており、入口開口部が出口開口部とは整合されないようになっている。流体を移送する方法は、流体移送モジュールが供給源コンテナおよびデスティネーションコンテナに流体連通していることを確保するステップと、供給源コンテナから、流体移送モジュールを通して、デスティネーションコンテナの中へ流体を移送するステップとをさらに含むことが可能である。方法は、デスティネーションコンテナおよび流体移送モジュールの中に真空を開始させるステップであって、移送するステップを開始させる前に、流体移送モジュールのチャンバーによって画定される体積が低減されるようになっている、ステップをさらに含むことが可能である。入口開口部が出口開口部とは整合されていないということは、入口開口部から出口開口部への流体通路を分裂させることが可能である。流体移送モジュールは、出口開口部と、出口部に流体連通しているチャネルとを有する出口突起部をさらに含むことが可能である。出口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように、チャンバーの中へ延在することが可能である。出口突起部の出口開口部は、出口突起部の側部に位置決めされ得る。流体移送モジュールは、入口開口部と、入口部に流体連通しているチャネルとを有する入口突起部をさらに含むことが可能である。入口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように、チャンバーの中へ延在することが可能である。入口開口部は、入口突起部の側部に位置決めされ得る。方法は、供給源コンテナおよびデスティネーションコンテナから流体移送モジュールを切り離すステップをさらに含むことが可能である。
【0018】
いくつかの実施形態では、インラインバブルトラップデバイスは、医療用流体ラインに流体連通しているように構成されており、入口部から出口部へのガスのフローを抑制する。バブルトラップデバイスは、内側表面および外側表面を含むチャンバーと、チャンバーの中へ延在する入口突起部を含む入口部であって、入口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように変位させられている入口部チャネルおよび入口開口部を有する、入口部と、チャンバーの中へ延在する出口突起部を含む出口部であって、出口突起部は、チャンバーの内側表面から離れるように変位させられている出口部チャネルおよび出口開口部を有する、出口部とを含むことが可能である。入口開口部および出口開口部は、互いから離れるように配向され得、開口部同士の間を移動する流体が間接的な経路を取る必要があるようになっている。入口部チャネルおよび出口部チャネルのうちの少なくとも1つは、カーブを含むことが可能であり、カーブは、入口開口部を出口開口部とは整合させず、チャンバーを通る入口開口部から出口開口部への流体通路を分裂させる。チャンバーは、バブルトラップの中へ流入するガスをトラップするように構成され得る。チャンバーは、崩壊可能であり得る。出口突起部の出口開口部は、チャンバーの中心の近くまたはチャンバーの中心に位置決めされ得る。入口開口部は、チャンバーの中心の近くまたはチャンバーの中心に位置決めされ得る。入口突起部および出口突起部は、チャンバーの中で互いを越えて突起することが可能である。
【0019】
いくつかの実施形態では、患者供給源バッグは、医療用流体注入ポンプと共に使用するためのものである。患者供給源バッグは、チャンバーと、チャンバーに流体連通している出口部領域を含む出口部と、出口部に流体連通している空気収集領域を画定するバリアとを含むことが可能である。バリアは、空気収集領域の中に空気を維持するように構成され得る。バリアは、出口部領域を通るガスの移送を抑制するように構成され得る。空気収集領域は、チャンバーと出口部領域との間の連続的な流体流路の外側に位置付けされ得る。空気収集領域は、出口部から間隔を離して配置され得る。出口部は、チャンバーの上側領域に位置付けされ得る。出口部は、チャンバーの中へのおよびチャンバーからの流体の通過を可能にするように構成され得る。患者供給源バッグは、チャンバーからの空気の除去を可能にするように構成されているポートをさらに含むことが可能である。患者供給源バッグは、少なくとも1つのアクセスポートをさらに含むことが可能である。アクセスポートは、閉止可能なメス型ルアーコネクターであることが可能である。アクセスポートは、閉止可能なオス型ルアーコネクターであることが可能である。患者供給源バッグは、チャンバーの外側にあり、チャンバーに流体連通している、バブルトラップをさらに含むことが可能である。
【0020】
ここで、実施形態が、以下の図面を参照して説明されることとなり、図面は、例として提供されおり、限定として提供されてはいない。同様の参照番号は、同一のまたは機能的に同様のエレメントを示している。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1A】流体移送デバイスの例の概略図であり、流体移送デバイスが、流体移送システムの他のコンポーネントに除去可能に取り付けられており、および/または、それらと選択的に連通していることを示す図である。
図1B図1Aの流体移送デバイスを含む、医療用流体を移送するためのシステムの例の概略図である。
図2Ai】医療用流体を移送するための電気機械式システムの例の正面斜視図である。
図2Bi】流体移送デバイスの例の背面図である。
図2Ci図2Bの流体移送デバイスがそれに取り付けられている状態の、図2Aの医療用流体を移送するための電気機械式システムの正面斜視図である。
図2Di】ドライバーの例を図示している、図2Aの電気機械式システムの拡大された部分的な正面図である。
図2Aii】別の実施形態による、医療用流体を移送するための電気機械式システムの例の正面斜視図である。
図2Bii】別の実施形態による流体移送デバイスの例の背面図である。
図2Cii図2Biiの流体移送デバイスがそれに取り付けられている状態の、図2Aiiの医療用流体を移送するための電気機械式システムの正面斜視図である。
図2Dii】ドライバーの例を図示している、図2Aiiの電気機械式システムの拡大された部分的な正面図である。
図2Eii図2Ciiに示されている電気機械式システムおよび流体移送デバイスの後方斜視断面図である。
図3】ユーザー制御デバイスの例の正面平面図である。
図4】複数の異なるタイプの医療用流体移送デバイスと電子的に通信するように構成されているユーザーインターフェースの概略図である。
図5A】供給源コンテナに流体連通しているバブルトラップを有する流体移送モジュールの概略図である。
図5B】供給源コンテナから切り離されており、患者に流体連通している、図5Aの流体移送モジュールの概略図である。
図5C図1Aの流体移送デバイスに流体連通しているバブルトラップを有する流体移送モジュールの概略図である。
図6A図6Aは、いくつかの実施形態によるバブルトラップの概略図であり、図6A’は、ルアーコネクターを備えた図6Aのバブルトラップの概略図である。
図6B】いくつかの実施形態によるバブルトラップの別の概略図である。
図6C】いくつかの実施形態によるバブルトラップの別の概略図である。
図7A】いくつかの実施形態による、第1の位置にある流体フローを有するバブルトラップの概略図である。
図7B】反時計回りに45度回転させられている、図7Aのバブルトラップの概略図である。
図7C】反時計回りに45度回転させられている、図7Bのバブルトラップの概略図である。
図7D】反時計回りに45度回転させられている、図7Cのバブルトラップの概略図である。
図7E】反時計回りに45度回転させられている、図7Dのバブルトラップの概略図である。
図7F】反時計回りに45度回転させられている、図7Eのバブルトラップの概略図である。
図7G】反時計回りに45度回転させられている、図7Fのバブルトラップの概略図である。
図7H】反時計回りに45度回転させられている、図7Gのバブルトラップの概略図である。
図8A】いくつかの実施形態による、真空が印加されている状態のバブルトラップの概略図である。
図8B】流体によって充填されている、図8Aのバブルトラップの概略図である。
図9A】いくつかの実施形態による、リザーバーを備えたカセットに取り付けられているバブルトラップの概略図である。
図9B】いくつかの実施形態による、リザーバーを備えていないカセットに取り付けられているバブルトラップの概略図である。
図9C】医療用流体によって図9Aのカセットを充填するための例示的なプロトコルを示す図である。
図10A】いくつかの実施形態による、空気をトラップするように構成されているカセットの概略図である。
図10B】いくつかの実施形態による、空気をトラップするように構成されているカセットの別の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
さまざまなシステム、方法、およびコンポーネントが、本発明の異なる実施形態において使用され得る。いくつかの実施形態は、添付の図に図示されている。しかし、図は、図示の便宜上のためだけに提供されており、示されている特徴の特定の組み合わせに本発明を限定するように解釈されるべきではない。むしろ、本明細書に説明および/または図示されている任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、またはコンポーネントは、それ自身によって、あるいは、本明細書に説明および/もしくは図示されている任意の他の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、ステップ、もしくはコンポーネントと共に、または、その代わりに使用され得る。本明細書におけるものはいずれも、本質的または不可欠のものではない。
【0023】
図1Aは、流体移送デバイス30の例の概略図であり、流体移送デバイス30は、流体移送システムの他のコンポーネントに除去可能に取り付けられており、および/または、それらと選択的に連通している。いくつかの実施形態では、流体移送デバイス30は、供給源コンテナ39、流体移送モジュール31、電気機械式コントローラー36、およびデスティネーションコンテナ44を含むことが可能である。供給源コンテナ39および流体デスティネーションコンテナ44は、医療用流体を保持または供給するのに適切な任意のデバイス、たとえば、バイアル、ボトル、バッグ、ホース、チューブ、タンク、キャニスターなどをそれぞれ含むことが可能である。いくつかの実施形態では、流体デスティネーションコンテナ44は、とりわけ、容易で便利な貯蔵、または、流体移送ステーションから患者治療場所への輸送に十分に適するようにサイズおよび構造が選択されたコンテナのタイプ、たとえば、静脈注射用流体貯蔵バッグまたはIVバッグなどであり、個々の患者の単回用量供給の医療用流体を提供する。いくつかの実施形態では、供給源コンテナ39は、(直列または並列のいずれかによって)複数のデスティネーションコンテナ44の中へ移送されることとなる複数の単一の患者用量を提供するのに十分に大きいコンテナのタイプである。流体移送デバイス30のいくつかの例は、特許文献1、特許文献2、特許文献3、および特許文献4に図示および説明されており、これらの文献のすべては、その全体が参照により組み込まれており、本明細書の一部をなすものであり、これらのいずれかに説明および/または図示されている任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、またはコンポーネントは、本明細書の他の場所に説明および/もしくは図示されている任意の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、ステップ、もしくはコンポーネントと共に、または、それらに代えて、使用され得る。
【0024】
流体移送モジュール31は、多方向フロー制御弁41と、中間コンテナもしくはポンピング領域40と、流体移送モジュール31のこれらのもしくは任意の他のコンポーネントの間に延在することができる任意のコネクターおよび/もしくは導管、ならびに/または、流体移送モジュール31および供給源コンテナ39、および/または、デスティネーションコンテナ44の間に延在することができる任意のコネクターおよび/もしくは導管とを含むことが可能である。たとえば、流体移送モジュール31は、入口流体コネクター32およびチュービングを含むことが可能であり、入口流体コネクター32およびチュービングは、多方向フロー制御弁を供給源コンテナ39に除去可能に取り付けるように構成され得、ならびに/または、流体移送モジュール31は、出口流体コネクター42およびチュービングを含むことが可能であり、出口流体コネクター42およびチュービングは、多方向フロー制御弁をデスティネーションコンテナ44に除去可能に取り付けるように構成され得る。
【0025】
図1Aに示されているように、流体移送モジュール31は、中間流体コネクター38を含むことが可能であり、中間流体コネクター38は、多方向フロー制御弁41と中間コンテナまたはポンピング領域40とを流体接続している。いくつかの実施形態では、中間流体コネクター38は、多方向フロー制御弁41と中間コンテナまたはポンピング領域40との間に適当な恒久的な流体密封の方法(たとえば、接着剤、結合、超音波溶接など)によって取り付けられている導管および/またはチューブである。中間コンテナまたはポンピング領域40は、流体を保持および測定するように構成されており、ならびに/または、流体搬送経路に沿った流体フローのための推進力を提供することを支援するように構成されている、任意の適切なコンテナまたは領域を含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、中間コンテナまたはポンピング領域40は、シリンジまたは導管の領域であることが可能であり、それは、蠕動ポンプ、または任意の他の適切な中間デバイスとインターフェース接続するように構成されている。すべての流体移送モジュール31が、本明細書に図示または説明されているコンポーネントまたは特徴のすべてを含むこととなるわけではなく、むしろ、任意の適切な実施形態において、1つまたは複数のコンポーネントまたは特徴が省略され得る。
【0026】
多方向フロー制御弁41は、電気機械式コントローラー36に機械的に取り付けるか、または、それとインターフェース接続するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、多方向フロー制御弁41は、ドライビングインターフェース33を含むことが可能であり、ドライビングインターフェース33は、電気機械式コントローラー36の対応する電気機械式ドライバー(たとえば、図2Ai、図2Di、図2Aii、図2Diiを参照)に取り付けるか、および/または、それとインターフェース接続するように構成されている。電気機械式コントローラー36は、流体移送管理システム74(図1Bを参照)の中のコンピュータープロセッサーまたは複数のコンピュータープロセッサーによって提供される、1つまたは複数のアルゴリズムまたはインストラクションの制御の下で、多方向フロー制御弁41を作動させることが可能であり、流体移送管理システム74の中のコンピュータープロセッサーまたは複数のコンピュータープロセッサーは、1つまたは複数の電子信号を電気機械式コントローラー36に送信するように構成されており、多方向フロー制御弁41の上の複数の機能的な位置の間で選択する。しかし、多方向フロー制御弁41を制御することができる任意の適切なコンピューター処理構成体が使用され得、また、本明細書で想定および企図されている。本明細書における単一のコンピュータープロセッサーの任意の開示は、複数のコンピュータープロセッサーに適用され、それらと共に使用され得る。
【0027】
いくつかの実施形態では、多方向フロー制御弁41は、複数の機能的な位置を有するストップコックを含むことが可能であり、複数の機能的な位置は、たとえば、第1の位置、第2の位置、および第3の位置などであり、第1の位置は、出口流体コネクター42と(いくつかの実施形態では、入口流体コネクター32ではなく)中間コンテナまたはポンピング領域40との間の流体連通を可能にし、第2の位置は、入口流体コネクター32と(いくつかの実施形態では、出口流体コネクター42ではなく)中間コンテナまたはポンピング領域40との間の流体連通を可能にし、第3の位置は、出口流体コネクター42と(いくつかの実施形態では、中間コンテナまたはポンピング領域40ではなく)入口流体コネクター32との間の流体連通を可能にする。たとえば、いくつかの実施形態では、ストップコックが第1の位置にあるときに、流体は、中間コンテナまたはポンピング領域40からデスティネーションコンテナ44へ流れることが可能であり、または、その逆も同様であり、ストップコックが第2の位置にあるときに、流体は、供給源コンテナ39から中間コンテナまたはポンピング領域40へ流れることが可能であり、または、その逆も同様であり、ストップコックが第3の位置にあるときに、流体は、供給源コンテナ39からデスティネーションコンテナ44へ流れることが可能であり、または、その逆も同様である。さらに、いくつかの実施形態では、ストップコックが第1の位置にあるときに、中間流体コネクター38、ストップコック、および出口流体コネクター42は、中間コンテナまたはポンピング領域40とデスティネーションコンテナ44との間の流路の少なくとも一部分を構成することが可能であり、ストップコックが第2または第4の位置にあるときに、入口流体コネクター32、ストップコック、および中間流体コネクター38は、供給源コンテナ39と中間コンテナまたはポンピング領域40との間の流路の少なくとも一部分を構成することが可能であり、ストップコックが第3の位置にあるときに、入口流体コネクター32、ストップコック、および出口流体コネクター42は、供給源コンテナ39とデスティネーションコンテナ44との間の流路の少なくとも一部分を構成することが可能である。いくつかの実施形態では、第1の、第2の、第3の、および/または第4の位置にあるときに、ストップコックは、任意のコネクター(たとえば、入口流体コネクター32、中間流体コネクター38、および/または出口流体コネクター42)の使用なしに、2つ以上のコンテナ(たとえば、供給源コンテナ39、中間コンテナまたはポンピング領域40、および/またはデスティネーションコンテナ44)の間の1つまたは複数の流路の少なくとも一部分を構成することが可能である。また、使用され得る他の配置も、本明細書で認識および企図され、他の配置は、たとえば、3つよりも多いまたは3つよりも少ない位置を有するように構成されているストップコック(たとえば、2つ、4つ、5つまたはそれ以上の位置を有するように構成されているストップコック)を含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、流体移送モジュール31は、単回使用のまたは限定使用の使い捨てのデバイスであることが可能であり、それは、たとえば、特定の患者に関する薬剤の単回用量が移送された後、および/または、1つの特定のタイプの薬剤が流体移送モジュール31を通過した後(たとえば、薬剤の混合が望ましくないときにそれを回避するために)、流体移送デバイス30から定期的に除去され、流体移送デバイス30の中で交換されるように構成されている。
【0029】
図1Bは、いくつかの実施形態による、図1Aの流体移送デバイス30を含む、医療用流体を移送するための流体移送システム86の概略図である。たとえば、図1Bに示されているように、1つまたは複数の流体移送デバイス30は、流体移送システム86の一部を形成することが可能であり、流体移送システム86は、互いの間で電子通信した状態で選択的に位置決めされ得る以下のコンポーネントのうちの1つまたは複数を含むことが可能であり、すなわち、1つまたは複数の電子的な患者および/または薬物情報記憶デバイスまたはネットワーク70と、1つもしくは複数の流体移送デバイス30、ユーザーインターフェース78、および/または1つもしくは複数のメモリー84を含む、1つまたは複数の流体移送管理システム74とのうちの1つまたは複数を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の電子的な患者および/または薬物情報記憶デバイスまたはネットワーク70は、流体移送管理システム74から物理的に遠隔にあることが可能である。たとえば、診療所または病院において、1つまたは複数の電子的な患者および/または薬物情報記憶デバイスまたはネットワーク70は、データベースを備えた遠隔の患者情報管理システムを含むことが可能であり、データベースは、医療用流体に関する特定の患者のニーズについての情報(たとえば、薬物処方)を提供するようにクエリーを行われ得、その情報は、タイプ、投与量、ロット番号、有効期限、ならびに/または、患者に提供されることとなる1つもしくは複数の薬物もしくは他の医療用流体の濃度、ならびに/または、デスティネーションコンテナを処方し、要求し、および/もしくは充填した1つもしくは複数のヘルスケア提供者に関する識別情報、ならびに/または、これらの活動のいずれかもしくはすべてに関連付けられる時間および/もしくは日付を含むことが可能である。先述の医療情報のいずれかなどのような、任意の医療情報は、患者情報管理システムにおいて記録および貯蔵するために1つまたは複数の流体移送デバイス30によって提供され得る。
【0030】
流体移送システム86のさまざまなコンポーネントは、図1Bにおいて識別されているように、任意の適切な様式で、それら自体の間で通信することが可能である。たとえば、図示されているように、1つまたは複数の患者および/または薬物情報記憶デバイスまたはネットワーク70は、電子通信リンク72によって、流体移送管理システム74またはその任意のコンポーネントと電子的に通信することが可能であり、電子通信リンク72は、任意の適切な電子通信デバイス、たとえば、有線接続、ローカルエリアネットワーク、ワイドエリアネットワーク、インターネット、および/もしくは無線接続(たとえば、Wi-Fi、Bluetooth、Ant+、ZigBee、セルラーなどを含む)、または、任意の他の電子通信デバイス(集合的に「電子コミュニケーター」と称される)などによって形成されている。流体移送管理システム74は、データを送信および/または受信するように構成されているWi-Fiボックスなどのような、無線通信コンソールを含むことが可能であり、データは、患者データ、流体移送に関するデータ、タイプ、投与量、濃度、体積、イメージ、技術者、医師、および/もしくは流体移送の時間に関するデータ、ならびに/または、電子的な流体移送システム86を制御するためのデータなどを含む。流体移送デバイス30は、線接続などのような任意の適切な電子的な接続によって、または、任意の他の電子コミュニケーターによって、メモリー84と通信することが可能である。いくつかの実施形態では、メモリー84は、流体移送デバイス30の一部であり、その両方を含有または支持するために、共通のハウジングが設けられている。
【0031】
ユーザーインターフェース78は、(任意の無線デバイス、または、電子コミュニケーターの任意の他のものを含む)任意の適切な電子通信デバイス76によって、1つもしくは複数の流体移送デバイス30と、および/または、1つもしくは複数の患者および/もしくは薬物情報記憶デバイスもしくはネットワーク70と通信することが可能である。複数の流体移送デバイス30が存在する流体移送管理システム74のいくつかの実施形態では、単一のユーザーインターフェース78は、複数の流体移送デバイス30と電子的に通信し、概して同時にまたは概して並列に動作する、複数の流体移送を制御および/またはモニタリングすることが可能である。複数の流体移送デバイス30が存在する流体移送管理システム74のいくつかの実施形態では、1つまたは複数のユーザーインターフェース78は、複数の流体移送デバイス30と電子的に通信し、概して同時にまたは概して並列に動作する、複数の流体移送を制御および/またはモニタリングすることが可能である。ユーザーインターフェース78は、流体移送デバイス30と同様に、有線コネクター80または電子コミュニケーターの任意の他のものによって、メモリー84と電子的に通信するか、または、メモリー84を含むことが可能である。ユーザーインターフェース78のメモリー84は、ユーザーインターフェース78の一部であることが可能であり、その両方を含有または支持するために、共通のハウジングが設けられ得る。図1Bに示されているような流体移送管理システム74のコンポーネントのそれぞれ(たとえば、流体移送デバイス30、ユーザーインターフェース78、および、1つまたは複数のメモリー84)は、単一のハウジングの中に設けられ得、または、別個のコンポーネント、もしくは、コンポーネントの別個の集合として設けられ得る。
【0032】
図2A図2Dは、図1Aに示されている流体移送デバイス30および流体移送モジュール31、ならびに、図1Bに示されている流体移送管理システム74のいくつかの実施形態の中に含まれ得る、さまざまな特徴、コンポーネント、および配置を図示している。より詳細に下記に説明されることとなるように、図2Aは、電気機械式システム200(流体移送ユニット200とも称される)の例を図示しており、図2Bは、この例における流体ポンプアッセンブリ224の形態における流体移送モジュール31の例を図示しており、図2Cは、図2Aの流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられている図2Bの流体ポンプアッセンブリ224を図示しており、図2Dは、この例におけるドライバー212の形態における電子機械式コントローラー36の一部分の例を図示している。別段の注記がない限り、図2A図2Dの間の同様の参照番号は、同一のエレメント、または、機能的におよび/もしくは構造的に同様のエレメントを示しており、図1Aおよび図1Bの中でラベルを付されているエレメントに対応する下記の議論の中の参照番号は、図1Aおよび図1Bのエレメントと同じかまたは概して同様のエレメントを表している。
【0033】
図2Aを見てみると、この図は、遠隔のユーザーインターフェース78を備えた流体移送管理システム74の一部分の例を図示している。たとえば、いくつかの実施形態では、図2Aは、医療用流体を移送するための流体移送ユニット200の正面斜視図を図示している。いくつかの実施形態では、流体移送ユニット200は、図1Aに示されている流体移送デバイス30、または、図1Bに示されている流体移送システム86の一部分の例である。図に示されているように、流体移送管理システム74は、流体移送ユニット200を含むことが可能であり、流体移送ユニット200は、ハウジング202、1つまたは複数の運搬用ハンドル208、1つまたは複数のベースサポート223、デスティネーションコンテナサポート(たとえば、概して垂直方向のポールスタンド204、および/または、概して水平方向のサポートアーム242)、および、流体移送モジュール31の少なくとも一部分を受け入れて保持するように構成されている1つまたは複数のサポート(たとえば、中間コンテナまたはポンピング領域40)を含む。いくつかの実施形態では、サポートは、1つもしくは複数の突出したホルダー220、1つもしくは複数の受容部218(図示されているように、たとえば、凹部218など)、1つもしくは複数のセンサー215を含む1つもしくは複数のチャネルを備えた1つもしくは複数のセンサーデバイス214、流体移送モジュール31の少なくとも一部分を受け入れるための、および/もしくは、流体の移送を促進させるための、1つもしくは複数の可動プラットフォーム222、ならびに/または、多方向フロー制御弁41に取り付けるかもしくは多方向フロー制御弁41を受け入れるための1つもしくは複数の取り付け領域210を含むことが可能である。より詳細に下記に説明されることとなるように、流体移送デバイス30または流体移送ユニット200は、ドライバー212を含むことが可能であり、ドライバー212は、図1Aの電子機械式コントローラー36の一部を形成することが可能であり、1つまたは複数のセンサーデバイス214は、1つまたは複数のインジケーター216を含むことが可能である。1つまたは複数のベースサポート223は、ハウジング202に取り付けられ得るか、または、ハウジング202と一体的に形成され得、流体移送ユニット200を安定化させることを助ける(たとえば、それが転倒しないように防止することを助ける)。図2Aには示されていないが、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のベースサポート223は、ハウジング202の下側を横切って延在することが可能である。
【0034】
いくつかの実施形態では、ハウジング202の少なくとも1つのまたは複数の部分、たとえば、1つまたは複数の受容部218(たとえば、図2Aに図示されている凹部218)などは、透明になっていることが可能であり、ハウジング202の内側に位置決めされている1つまたは複数の測定器具がハウジングの外側でイメージまたは他のデータをキャプチャーすることを可能にする。たとえば、体積センサー(図2Eiiを参照)は、1つまたは複数のコンテナ(たとえば、供給源コンテナ39、中間コンテナまたはポンピング領域40、および/またはデスティネーションコンテナ44)へ移送される液体の体積を決定することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、体積センサーは、透明な凹部218を通して中間コンテナまたはポンピング領域40の中の体積をセンシングするように構成され得る。この同じ体積センサーまたは1つもしくは複数の他の体積センサーは、たとえば、1つもしくは複数の透明な受容部218を通して、および/または、透明であるハウジング202の1つもしくは複数の他のセクションを通して、中間コンテナまたはポンピング領域40(たとえば、なかでも、供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ44)に加えて、または、その代わりに、1つまたは複数の他のコンテナの体積をセンシングするように構成され得るということが理解されることとなる。体積センサーは、たとえば、コンテナの中の液体の体積についての情報を提供するための任意の適当なセンサーまたはセンサーの組み合わせを含むことが可能であり、たとえば、それは、なかでも、光学センサー(たとえば、カメラまたはブレイクビームセンサー)、赤外線センサー、音響センサー(たとえば、超音波センサー)、および/または、質量もしくは重量センサーなどである。
【0035】
体積センサーは、たとえば、患者へ移送された流体の体積および/またはタイプの記録を制御および/または提供するために使用され得、それは、たとえば、それが患者へ移送される前に、その間に、および/またはその後に、たとえば、コンテナ(たとえば、中間コンテナ、もしくはポンピング領域40、および/または供給源コンテナ39、および/またはデスティネーションコンテナ44)の中の液体の体積および/または1つもしくは複数の他の特性(たとえば、色、粘度、濃度、ロット番号、有効期限など)をセンシングおよび/または記録することなどによって使用され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、カメラが、中間コンテナまたはポンピング領域40のイメージをキャプチャーするために使用され、その中の体積を確認または測定することが可能である。次いで、データファイルは、メモリー84の中で生成および格納され得、メモリー84は、1つまたは複数の情報のアイテム、たとえば、患者識別情報、液体が移送された日付および時間、ならびに/または、液体の体積もしくは他の特性が確認および記録された日付および時間、移送された医療用流体のタイプ(名称、ブランド、および/または濃度など)、移送された医療用流体の体積、ならびに/または、液体を内側に有する中間コンテナもしくはポンピング領域40の1つもしくは複数のイメージなどを有している。同じまたは同様のデータファイルが、上記に説明されている適切な体積センサーのうちの任意の1つに関して生成され得る。いくつかの実施形態では、流体移送ユニット200、流体移送デバイス30、および/または流体移送システム86は、1つまたは複数の測定器具、たとえば、1つまたは複数の体積センサーなどを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の測定器具または体積センサーは、流体移送ユニット220の内部および/もしくは外部にあることが可能であり、または、器具もしくはセンサーの一部分がハウジング212の内側にあり、センサーの一部分がハウジング212から突出しているときなどは、流体移送ユニット220の部分的に外部および部分的に内部にあることが可能である。
【0036】
図2Bは、マルチストローク流体ポンプアッセンブリ224などのような、この例における流体ポンプアッセンブリ224の形態における図1Aの流体移送モジュール31の例の背面図を図示している。図に示されているように、いくつかの実施形態では、流体ポンプアッセンブリ224は、この例における導管232および選択的に開閉可能な流体コネクター226の形態における入口流体コネクター32と、この例における流体ストップコック230の形態における多方向フロー制御弁41と、この例における導管236および選択的に開閉可能な流体コネクター234の形態における出口流体コネクター42と、導管238を介して流体ストップコック230に取り付けられている(たとえば、結合されている)、この例におけるシリンジポンプ240の形態における中間コンテナ40と、を含む。流体ポンプアッセンブリ224は、限定使用のまたは単回使用の使い捨てのデバイスであることが可能であり、それは、ルーチン的に除去され、廃棄され、流体移送ユニット200の上の適切な位置において新しい使い捨てのデバイスと交換されるように構成されている。
【0037】
流体ストップコック230などのような多方向フロー制御弁41は、流体移送モジュール31の中の流体経路の方向および/または配向の可変性および制御を可能にすることができるので、いくつかの実施形態では、とりわけ有用である可能性がある。いくつかの実施形態では、フロー制御弁41は、本明細書の全体を通して図示されているように、複数の別個の設定を選択的に可能にするように構成され得、それぞれの設定は、流体移送モジュール31の2つ以上の異なるコンポーネントの間の、流体移送モジュール31の流体経路の中の流体接続を可能にし、また、流体移送モジュール31の流体経路からの1つまたは複数の他のコンポーネントの1つまたは複数の他の流体接続を閉鎖または隔離する。フロー制御弁41は、複数の別個の設定の間で変化するように構成され得る。
【0038】
いくつかの実施形態では、図示されているように、フロー制御弁41の中の設定または接続のそのような1つまたは複数の変化は、電子的に達成され、また、流体移送モジュール31の中の流体圧力に対する変化から独立して達成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、流体移送モジュール31の中の2つ以上のパーツまたはコンポーネントの間で、圧力差が生じる可能性があり、それは、流体移送モジュール31の中の接続の任意の変化を伴わず、および/または、そのような圧力差の前には、互いに以前には流体連通していなかった流体移送モジュール31の異なる部分の間の流体連通を可能にすることを伴わない。
【0039】
いくつかの実施形態では、多方向フロー制御弁41は、一方向弁または一連の一方向弁ではなく、むしろ、多方向フロー制御弁41は、それぞれの特定の電子的に選択可能な設定において、流体移送モジュール31の2つ以上のコンポーネントの間に完全な2方向の流体経路を提供することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の別個の電子的に選択可能な設定において、フロー制御弁41は、入口流体コネクター226と出口流体コネクター234との間に2方向の流体経路を提供することが可能であり、および/または、入口流体コネクター226と中間コンテナ40もしくはシリンジポンプ240との間に2方向の流体経路を提供することが可能であり、および/または、中間コンテナ40もしくはシリンジポンプ240と出口流体コネクター234との間に2方向の流体経路を提供することが可能である。いくつかの実施形態では、多方向フロー制御弁41は、供給源コンテナ39から引き出される流体が部分的にまたは完全に供給源コンテナ39へ戻されることを可能にすることができ、それは、いくつかの状況では、たとえば、流体移送モジュール31のプライミングおよび/またはパージングの間などに、とりわけ有利であることが可能であるが、このタイプの流体フローが企図される他の状況も使用され得る。
【0040】
いくつかの実施形態では、流体コネクター226、234のいずれかまたは両方は、再シール可能で流体密封である業界標準医療用コネクター(たとえば、ISO594または任意の他の業界標準に準拠するルアーコネクター)であることが可能であり、それは、たとえば、Clave(登録商標)メス型医療用コネクターもしくはSpiros(登録商標)オス型医療用コネクター、または、Chemolock(登録商標)医療用コネクターシステムのオス型側もしくはメス型側のいずれかなどであり、それらは、すべてICU Medical, Inc.によって販売されている。多くの他のものの中から、流体コネクター226、234として、または、その任意の部分として使用され得る、これらのデバイスおよび他のデバイスの実施形態の例が、特許文献5、特許文献6、および特許文献7に含まれており、それらのすべては、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。先述の特許または公開された出願のいずれかに説明および/または図示されている任意の特徴、構造、材料、ステップ、またはコンポーネントは、本明細書の任意の他の部分に説明および/もしくは図示されている任意の特徴、構造、材料、ステップ、もしくはコンポーネントと共に、または、その代わりに使用され得る。
【0041】
いくつかの実施形態では、流体ストップコック230は、ストップコック230の中の複数のアパーチャーおよび/またはチャネルの間の流体連通を選択的に可能にするデバイスを含むことが可能である。たとえば、図2Bに示されているように、および、上記に説明されているように、流体ストップコック230は、入口流体コネクター226、出口流体コネクター234、および、中間コンテナ40またはシリンジポンプ240のうちの任意の2つの間の流体連通を選択的に可能にすることができる。ストップコック230の間の複数のアパーチャーおよび/またはチャネルの間の選択は、この例における回転可能なアクチュエーター228の形態におけるなどの、ストップコック230の上のドライビングインターフェース33を作動させるために、流体移送ユニット200の中の電気機械式コントローラー36を利用することなどによって、ストップコック230を作動させることによって達成され得る。上記に説明されているように、流体移送デバイス30に関連付けられた1つまたは複数のコンピュータープロセッサーから1つの電子信号または一連の電子信号を送信することによって、電気機械式コントローラー36は制御され得る。図2Bに示されているように、回転可能なアクチュエーター228は、1つまたは複数の凹部および/または突出部を含むことが可能であり、それは、流体移送ユニットのドライバー212とインターフェース接続するように構成されており、それは、たとえば、アクチュエーター228の凹部および/または突出部と相補的であるか、それに概してマッチしているか、または、それに対応する1つまたは複数の形状を含む1つまたは複数の凹部および/または突出部を含むドライバー212とインターフェース接続するように構成されている。ドライバー212は、ドライバーモーターおよびドライバーシャフトを介して制御され得る。電気機械式コントローラー36は、ドライバー212の移動を開始させるため、ならびに/または、ドライバー212の移動を継続および/もしくは停止させるため、ドライバーモーターおよびドライバーシャフトを活性化させる信号を送信することが可能である。回転可能なアクチュエーターがドライバー212とインターフェース接続しているとき、ドライバー212は、電気機械式コントローラーがストップコック230の中の複数のアパーチャーおよび/またはチャネルの間から選択することを可能にすることができる。本明細書におけるすべての実施形態と同様に、図2Eiiに関連して図示および/または説明されている任意のコンポーネント、構造、特徴、またはステップ(内部コンポーネントを含む)は、本明細書における任意の他の図もしくは実施形態に関連して図示および/もしくは説明されている任意のコンポーネント、構造、特徴、もしくはステップと共に、またはその代わりに使用され得る。
【0042】
図2Dは、図2Aの流体移送ユニット200の拡大された部分的な正面図であり、それは、いくつかの実施形態による、取り付け領域210、ならびに、ドライバー212の凹部および/または突出部を図示している。しかし、凹部および/または突出部の多くの異なるタイプおよび/またはパターンが、たとえば、機能的なおよび審美的な好みに応じて使用され得るということが理解されることとなる。いくつかの実施形態では、凹部および/もしくは突出部のタイプおよび/もしくはパターンのうちの1つもしくは複数、ならびに/または、材料のタイプのうちの1つもしくは複数(たとえば、高い摩擦係数を有する粘着性のまたは摺動抵抗性の材料など)が、作動の間の回転方向の解除または滑りに対する抵抗を提供することが可能である。
【0043】
図2Bに戻ると、この図は、また、シリンジポンプ240の例を図示している。いくつかの実施形態では、シリンジポンプ240は、作動ステム241などのようなアクチュエーターを含み、作動ステム241は、前後にまたは上下に往復運動させられ、内部プランジャーを移動させることが可能であり、それによって、シリンジポンプ240の内側の流体運搬体積を減少または増加させる。この例におけるシリンジポンプ240の形態におけるマルチストローク流体ポンプアッセンブリ224の第1のストロークは、シリンジポンプ240の本体部から外へ作動ステム241を少なくとも部分的に引き抜くことによって達成され得、それによって、シリンジポンプ240の中へ流体を引き込み、次いで、シリンジポンプ240の方向を逆転させ、シリンジポンプ240の本体部に向けて作動ステム241を押し戻し、それによって、引き込まれた流体をシリンジポンプ240から外へ排出する。
【0044】
いくつかの実施形態では、たとえば、図2Bに示されているように、マルチストロークポンプアッセンブリ224の導管238は、流体ストップコック230と流体コネクター226、235との間に延在する導管232、236よりも長くなっていることが可能である。導管238は、一方の端部において流体ストップコック230に、および、他方の端部においてシリンジポンプ240に恒久的に連結され得る。また、他の配置も企図され、使用され得る。
【0045】
図示されているように、いくつかの実施形態では、流体移送モジュール31(たとえば、流体ポンプアッセンブリ224など)は、クローズドシステムの一部を形成するか、または、クローズドシステムを構成することが可能であり、(i)流体移送モジュール31の中に含有されているかもしくはシールされている液体、もしくは流体、および/もしくは蒸気は、流体移送モジュール31から出ていくかもしくは逃げることを防止され、および/または、(ii)流体移送モジュール31が流体移送デバイス30の他のコンポーネントから切り離されているときに、液体、もしくは流体、および/もしくは蒸気が出ていくかもしくは逃げることは、臨床的に有意な様式で抵抗され、1つもしくは複数の臨床的なリスクもしくはマイナスの結果を減らすかもしくは回避する。示されているように、いくつかの実施形態では、流体移送デバイス30の中の流体経路全体が、クローズドシステムまたはシールシステムを構成することが可能である。本明細書において使用されているように、「クローズドシステム」もしくは「シールされている」という用語、または、任意の同様の用語は、医学的注入の分野における慣習的な意味にしたがって使用されており、これらの用語は、任意の少量の逃げる流体または蒸気が通常の条件または使用の下で任意の重大で有害な臨床的影響を有しないこととなるように、通常の条件または使用の下で、流体が、流体移送モジュール31または流体移送デバイス30(または、そのコンポーネント)の内側に留まるという要件を含む。いくつかの実施形態では、図1Aおよび図2Bに示されているように、流体移送モジュール31は、モジュール31のそれぞれの終端端部において(たとえば、入口流体コネクター32において、中間流体コネクター38において、および/または、出口流体コネクター42において)、自動的に閉止可能および再シール可能であり得る。流体移送モジュール31および/または流体移送デバイス30のいずれかまたは両方がシールされ、および/または、クローズドシステムの一部を構成するときに、有害物質(たとえば、細菌もしくはウイルス、または他の微生物)が流体経路の中へ侵入するリスクが減らされ、また、有害物質(たとえば、化学療法薬物または免疫抑制薬物)が流体移送デバイス30または流体移送モジュール31からヘルスケア施設の周囲環境へ流出するリスクが減らされる。
【0046】
図2Cは、図2Aの流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられている流体移送モジュール31の別のタイプの正面斜視図である。流体移送モジュール31は、この例ではSpirosコネクターというよりもむしろ、Chemolockコネクター234a、226aが使用されているという点を除いて、図2Bの流体ポンプアッセンブリ224と同一である。コネクターまたはコネクターの組み合わせの任意の適切なタイプが使用され得る。図2Cに図示されているように、流体移送モジュール31(マルチストローク流体ポンプアッセンブリ224とも称される)は、たとえば、流体移送ユニット200の上のサポートのうちの1つまたは複数を使用することなどによって、流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられ得る。たとえば、図2Cに示されているように、作動ステム241の平坦な部分または端部は、可動プラットフォーム222の受け入れ領域の中へ挿入され得るか、または、それと連結され得、シリンジポンプ240の上の1つまたは複数のタブが、突出したホルダー220のうちの1つまたは複数の上に位置決めされ得るか、または、それらの間に挿入され得、シリンジポンプ240の本体部は、受容部218の中に受け入れられ得、導管238は、センサーデバイス214の中にまたはセンサーデバイス214の上に挿入され得、たとえば、1つまたは複数のセンサー215(1つまたは複数のセンシング領域215とも称される)を含むセンサーデバイス214の中のチャネルの中などに挿入され得、および/あるいは、流体ストップコック230の本体部は、流体移送ユニット200の取り付け領域210の中もしくは上に位置決めされ得、または、その中へ挿入され得る。いくつかの実施形態では、流体移送デバイス30(たとえば、この例におけるマルチストローク流体ポンプアッセンブリ224の形態のものなど)は、サポート220のうちの1つまたは複数を含む流体移送ユニット200の上の面と接触した状態になるように、移送デバイス30を単に前進させることによって、単一の運動で流体移送ユニット200に取り付けられ得る。流体移送デバイス30は、スナップフィット、摩擦嵌め、留め金、クリップ、保持アームもしくはドア、弾性的なバンド、または、任意の他の取り付け構造を含む、任意の適切な取り付け構造によって、流体移送ユニット200の上に除去可能に保持され得る。
【0047】
流体移送モジュール31(たとえば、流体ポンプアッセンブリ224)が流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられると、流体移送デバイス30の導管238の上の流体観察領域が、1つもしくは複数のセンサー215に隣接して、または、1つもしくは複数のセンサー215から適当なセンシング距離の中に、位置決めされ得る。図示されている例では、流体移送デバイス30の流体観察領域は、多方向フロー制御弁41(たとえば、流体ストップコック230)および/または中間コンテナもしくはポンピング領域40(たとえば、シリンジポンプ240)の間に位置決めされている導管238の少なくとも一部分である。いくつかの実施形態では、流体移送デバイス30の流体観察領域は、多方向フロー制御弁41(たとえば、流体ストップコック230)および/または中間コンテナもしくはポンピング領域40(たとえば、シリンジポンプ240)の間に位置決めされている導管238の一部分を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、流体観察領域は、流体移送デバイス30の上の別の位置に位置決めされ得、または、流体移送デバイス30の上の複数の位置に位置付けされている複数の流体観察領域30が存在することが可能である。
【0048】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサー215は、流体移送モジュール31(たとえば、流体ポンプアッセンブリ224)の特定の1つまたは複数の領域の中に、液体、ガス(たとえば、1つまたは複数のバブル)、および/または、真空もしくは部分真空が存在しているかどうかということを決定するように構成され得る。たとえば、図に図示されているように、1つまたは複数のセンサー215は、導管238の少なくとも一部分の中に医療用流体が存在しているかどうか、または、導管238の中にガス(たとえば、大気もしくは空気バブル)または真空もしくは部分真空が存在しているかどうかということを決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のセンサー215は、導管238の一部分の中に医療用流体が存在しているかどうか、または、導管238の一部分の中にガス(たとえば、大気)または真空もしくは部分真空が存在しているかどうかということを決定することが可能である。1つまたは複数のセンサー215は、それに限定されないが、1つまたは複数の音響センサー(たとえば、超音波センサー)、赤外線センサー、レーザーセンサー、可視スペクトル光学センサー、モーションフローセンサー、または任意の他の適切なセンサーを含む、任意の適切なタイプのセンサーであることが可能である。インジケーターライトもしくはインジケータースピーカーまたは他のインジケーターなどのような、1つまたは複数のインジケーター216は、センサーデバイス214の上に位置決めされており、たとえば、液体が流体観察設定領域の中に存在しているときなど、センサーデバイス214が特定の条件をセンシングしているときを示すことが可能である。
【0049】
また、図2Cは、この例における反転されたバイアル246の形態における流体供給源コンテナ39を図示しており、反転されたバイアル246は、バイアルアダプター248に取り付けられており、そして、バイアルアダプター248は、この例における長手方向のロッキングメカニズムを備えたオス型流体コネクター226aの形態における入口部コネクター32に取り付けられている。いくつかの実施形態では、バイアルアダプター248は、フィルター付きの流体入口部および/または出口部250と、固定アームとを含み、固定アームは、バイアルをしっかりと受け入れるように構成されている。また、図2Cは、この例におけるIVバッグ244の形態における流体デスティネーションコンテナ44を図示しており、IVバッグ244は、(この例では、バッグスパイク254または他の流体接続ポイントによって)導管またはホース252に取り付けられており、そして、導管またはホース252は、流体移送モジュール31の出口部コネクター42に取り付けられている。図2Cの出口部コネクターは、この例における長手方向のロッキングメカニズムを備えたオス型流体コネクター234aの形態になっている。IVバッグ244は、サポートアーム242によってポールスタンド204から懸架されている。
【0050】
図2Aii図2Diiは、図1Aに示されている流体移送デバイス30および図1Bに示されている流体移送システム86のいくつかの実施形態に含まれ得る、さまざまな特徴、コンポーネント、および配置を図示している。図2A図2Dと同様に、図2Aiiは、電気機械式システム200(流体移送ユニット200とも称される)の例を図示しており、図2Biiは、この例における流体ポンプアッセンブリ224の形態における流体移送モジュール31の例を図示しており、図2Ciiは、図2Aiiの流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられている図2Biiの流体ポンプアッセンブリ224を図示しており、図2Diiは、ドライバー212の例を図示している。別段の注記がない限り、図2Aii図2Diiの中の参照番号は、図1A図2Dのコンポーネントと同じであるかまたはそれと概して同様のエレメントを表している。たとえば、図2Aiiの流体移送ユニット200は、1つまたは複数のベースサポート223がベースサポート領域223aにおいてハウジング202の下側を横切って延在しているという点を除いて、図2Aに示されている流体移送ユニット200と概して同様である。また、図2Aiiは、1つまたは複数のトレイ280を図示しており、1つまたは複数のトレイ280は、本明細書で説明および企図される1つまたは複数のコンテナおよび/または導管を支持するように構成されたハウジング202に取り付けられている。1つまたは複数のトレイ280は、コンテナおよび/または導管を支持するためのさまざまな構造のうちのいずれか1つを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトレイ280は、バイアルを保持することができる1つまたは複数のスロットを備えた1つまたは複数のラックを含むことが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のトレイ280は、供給源バッグおよび/またはIVバッグ、たとえば、生理食塩水もしくは希釈剤バッグおよび/または治療用液体もしくは医療用液体を含有するバッグなどを支持するように構成され得る。1つまたは複数のトレイ280は、ハウジング202に除去可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、1つのトレイ280は、生理食塩水または希釈剤供給源コンテナを支持するように構成され得、別のトレイ280は、治療用液体または医療用液体を備えた供給源コンテナを支持するように構成され得る。他の構造的な違いの中でも、図2Aiiのサポート220は、図2Aに示されているものとは異なって形状決めされているが、それらの機能は同じであるかまたは同様である。本明細書のすべての実施形態と同様に、図2A図2Dに関連して説明および/または図示されている任意の実施形態の任意の特徴、構造、材料、ステップ、またはコンポーネントは、それ自体によって、または、図2Aii図2Eiiに関連して説明および/もしくは図示されている任意の他の実施形態の任意の他の特徴、構造、材料、ステップ、もしくはコンポーネントと共に、もしくはそれらの代わりに使用され得る。
【0051】
別の例として、図2Biiおよび図2Ciiは、また、ストップコックハンドル245の例を図示している。とりわけ、図2Biiは、流体ポンプアッセンブリ224に取り付けられているストップコックハンドル245の背面図を図示しており、図2Ciiは、流体ポンプアッセンブリ224に取り付けられ、流体移送ユニット200に除去可能に取り付けられているストップコックハンドル245の正面斜視図を図示している。いくつかの実施形態では、ストップコックハンドル245は、流体ポンプアッセンブリを把持するための、および/または、流体移送ユニット200に対して流体ポンプアッセンブリ224を位置決めするための、補助具を含む。たとえば、いくつかの実施形態では、ストップコックハンドル245は、流体移送ユニット200の1つまたは複数の特徴へのおよび/またはそれからの、流体ポンプアッセンブリ224の位置決め(たとえば、取り付ける、係合させる、除去する、および/または解除する)を助けるように構成され得る。任意の他の適切な使用の中でも、ストップコックハンドル245は、たとえば、回転可能なアクチュエーター228をドライバー212に係合させるか、もしくは回転可能なアクチュエーター228をドライバー212から解除することを助けることが可能であり、センサーデバイス214の中もしくは上へ導管238を押し込むことを助けることが可能であり、導管238をセンサーデバイス214から除去することを助けることが可能であり、可動プラットフォーム222の受け入れ領域に作動ステム246を取り付けるか、もしくは可動プラットフォーム222の受け入れ領域から作動ステム246を除去することを助けることが可能であり、シリンジポンプ240の上の1つもしくは複数のタブを、突出したホルダー220の1つもしくは複数の上もしくは間に位置決めすることを助けることが可能であり、シリンジポンプ240の本体部を1つもしくは複数の受容部218の中へ位置決めすることを助けることが可能であり、および/または、ストップコック230の本体部を取り付け領域210の中もしくは上へ位置決めすることを助けることが可能である。
【0052】
いくつかの実施形態では、ストップコックハンドル245は、ストップコック230に除去可能に取り付けられ得る。いくつかの実施形態では、ハンドルは、たとえば、図1Aを参照して上記に説明されているさまざまな位置へストップコックを手動で作動させるために、操作される(たとえば、回転させられる、スライドさせられる、押される、および/または引かれる)ように構成されている。ストップコックハンドル245は、たとえば、図1A図1B、および図2A図2Dに示されている実施形態を含む、本明細書で図示および企図される任意の実施形態において利用され得るということが理解されることとなる。
【0053】
図2Eiiは、図2Ciiに示されている流体移送ユニット200および流体ポンプアッセンブリ224の後方斜視断面図であり、さまざまな内部および外部の機能的なコンポーネントを図示している。たとえば、図2Eiiに示されているように、いくつかの実施形態では、センサー225(たとえば、カメラ)などのような測定器具が、ハウジング202の中に位置決めされており、(たとえば、流体移送モジュール31または流体ポンプアッセンブリ224のイメージをキャプチャーすることによって)中間コンテナまたはポンピング領域40の中の流体の体積、またはタイプ、または濃度、または色、および/または粘度などのような、流体移送モジュール31または流体ポンプアッセンブリ224の内容物の1つまたは複数の特徴を決定し、上記に説明されているようなデータファイルを提供することが可能である。いくつかの実施形態では、シュラウド255が、1つまたは複数の透明な受容部218に隣接して、またはその近くに、または概してその周りに位置決めされており、有利には、センサー225の精度を高めるために、異常な供給源からの望ましくないライトの進入に抵抗することが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、シュラウド255は、1つまたは複数の透明な受容部218を通過する光をセンサー225に向けて方向付けするように構成されており、それによって、センサー225に利用可能な光の量を増加させることが可能である。センサー225がカメラであるとき、シュラウド255は、イメージをより正確にし、流体移送ユニット200のプロセッサーによってより容易におよびより高速に処理できるようにすることを助けることが可能である。
【0054】
流体移送ユニット200は、1つまたは複数のコンピュータープロセッサー297、298を含むことが可能であり、1つまたは複数のコンピュータープロセッサー297、298は、図1Aの電子機械式コントローラー36、センサー214、体積センサー225、ストップコックモーター290、および/もしくはプラットフォームモーター296などのうちのいずれかもしくはすべての一部を形成するか、または、それらと電子通信していることが可能である。いくつかの実施形態では、1つまたは複数のコンピュータープロセッサー297、298は、pi boxおよび/または制御ボードを含むことが可能である。流体移送ユニット200は、電源295を含有するかまたは支持することが可能であり、電源295は、流体移送ユニット200の1つまたは複数のコンポーネントに電力を提供するように構成されている。ハウジング202は、シール293を含むことが可能であり、シール293は、ハウジング202の中への進入、および/または、ハウジング202から流体が逃げることに抵抗するかまたは防止するように構成されている。
【0055】
いくつかの実施形態では、流体移送ユニット200は、1つまたは複数の存在センサー294a、294b、294cを含むことが可能である。1つまたは複数のセンサー294a、294b、294cは、ハウジング202の中および/または上に位置決めされ得、1つまたは複数の構造の存在または不存在を決定することが可能である。いくつかの実施形態では、センサー294a、294b、294cのうちの1つまたは複数は、赤外線センサーまたは任意の他の適切なセンサーであることが可能である。センサー294a、294bのうちの1つまたは複数は、流体供給源コンテナ39(たとえば、バイアル246など)、供給源アダプター250、および/または供給源流体コネクターが、存在しているか、および/または流体移送ユニット200に接続されているかどうかを決定することが可能である。いくつかの実施形態では、センサー294aは、供給源コンテナ246コネクター(たとえば、Chemolock(登録商標)医療用コネクターシステムのオス側またはメス側など)が、Chemolock(登録商標)コネクター226aなどのような流体移送ユニット200の上の対応するコネクターと適正に係合されているかどうかということを決定することが可能である。センサー294bは、中間コンテナ40、たとえば、流体ポンプアッセンブリ224など、および/または、コネクター226a、たとえば、Chemolock(登録商標)コネクターのオス側またはメス側などが、存在しているか、ならびに/または、ハウジング202および/もしくは供給源コンテナ246の上の対応するコネクターと適正に係合されているかどうかということを決定することが可能である。センサー294cは、デスティネーションコンテナ44、たとえば、IVバッグ244など、および/または、デスティネーション流体コネクターが、存在しているか、および/または、流体移送ユニット200に接続されているかどうかということを決定することが可能である。いくつかの実施形態では、センサー294cは、デスティネーションコンテナ44コネクター、たとえば、Chemolock(登録商標)医療用コネクターシステムのオス側またはメス側などが、Chemolock(登録商標)コネクター234aなどのような、流体移送ユニット200の上の対応するコネクターと適正に係合されているかどうかということを決定することが可能である。いくつかの実施形態では、センサー294a、294b、294cのいずれかが、流体移送ユニット200のコンポーネントが存在していないということを決定する場合には、センサー294a、294b、294cは、コントローラー36に信号を送信し、流体移送プロセスの開始を防止し、および/または、進行中の流体移送を終了させることが可能である。センサー294a、294b、294cは、すべてのコンポーネントが存在しているわけではない、または流体移送ユニット200と適正に係合されているわけではないということをユーザーに信号で伝えるインジケーターをトリガーすることが可能である。
【0056】
図2Ai、図2Aii、および図2Ciiに示されているように、いくつかの実施形態では、ハウジングの中の1つまたは複数のアパーチャーは、存在センサー294a、294b、294cのうちの1つまたは複数が、ハウジングの中から本質的にまたは完全に妨げられずに、ハウジングの外側の領域に通信することを許容することが可能である。図示されているように、存在センサー294a、294b、294cのうちの1つまたは複数は、互いに実質的に同一線上の様式で位置決めされ得、および/または、流体移送モジュール31の主長手方向軸線と実質的に同一線上の様式で位置決めされ得(たとえば、存在センサー294a、294b)、および/あるいは、存在センサー294a、294b、294cのうちの1つまたは複数の他のものは、非同一線上の様式で、または、流体移送モジュール31の主長手方向軸線に対して所定の角度でもしくは垂直に、位置決めされ得る(たとえば、存在センサー294c)。いくつかの実施形態では、示されているように、センサーのうちの1つもしくは複数またはすべては、電子的な流体移送システムのハウジングの内側に位置決めされ、および/または凹んでおり、パネル(センサーは、パネルを通してアイテムを検出するように構成されている)が、本質的に、実質的に、または完全に平面的になっている。図示されているように、センサーのうちの1つまたは複数は、電子的な流体移送システムのハウジングの外側の任意の外部ワイヤーを含まず、および/または、それによって取り付けられていない。
【0057】
いくつかの実施形態では、センサー294a、294b、294cのうちの1つまたは複数は、流体移送デバイスの上のコネクターなどのような、電子的な流体移送デバイスに取り付けられている流体移送モジュールの少なくとも一部分の存在または不存在を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサーのうちの1つまたは複数(たとえば、294a、294b)は、追加的にまたは代替的に、流体供給源システムの一部を形成するかまたはそれに接続されている、コネクター、バイアルアダプター、バイアル、バッグ、または導管などのような、流体供給源システムの少なくとも一部分の存在もしくは不存在、または、流体供給源システムの少なくとも一部分との接続を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、センサーのうちの1つまたは複数(たとえば、294c)は、追加的にまたは代替的に、流体デスティネーションシステムの一部を形成するかまたはそれに接続されている、コネクター、バッグ、または導管などのような、流体デスティネーションシステムの少なくとも一部分の存在もしくは不存在、または、流体デスティネーションシステムの少なくとも一部分との接続を検出するように構成され得る。いくつかの実施形態では、流体移送モジュール31の1つもしくは複数の検出、流体供給源システムへの接続の検出、および/または、流体デスティネーションシステムへの接続の検出は、コンピュータープロセッサーまたは電子機械式コントローラーの他のコンポーネントに関する、流体移送が開始または継続することを可能にするためのゲーティングステップまたは必要なステップであることが可能である。
【0058】
図3は、ユーザーインターフェース78を図示しており、ユーザーインターフェース78は、この例における遠隔タブレットの形態における流体移送ユニット200と共に使用され得る。ユーザーインターフェース78は、再充電可能な内部バッテリー、スクリーンによるユーザー選択および入力を可能にするタッチセンサー式のスクリーン、ならびに、1つまたは複数の追加的なまたは代替的なユーザー入力256、たとえば、(示されているような)ボタン、ノブ、スライダー、もしくはロッキングスイッチ、または、ローリングダイアル、または任意の他のユーザー入力などを含むことが可能である。ユーザーインターフェース78は、任意の適切な電子的なプロトコルまたは電子コミュニケーターを利用して、1つまたは複数の流体移送ユニット200と、ならびに/または、1つもしくは複数の患者および/もしくは薬物情報記憶デバイスもしくはネットワーク70と電子的に通信することが可能である。いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェース78は、流体移送ユニット200に固定されており、たとえば、流体移送ユニット200のハウジングの中に取り付けられているか、または、流体移送ユニット200のハウジングの中に少なくとも部分的に含有されている。
【0059】
ユーザーインターフェース78は、ユーザーと電子的な記憶媒体との間で、情報のさまざまなアイテムを表示もしくは搬送することが可能であり、および/または、1つもしくは複数の実行可能なインストラクションを、流体移送ユニット200の中のコンピュータープロセッサーへ、もしくは、流体移送ユニット200の中の電気機械式ハードウェアへ搬送し、流体移送に関する1つもしくは複数のアクションを実施することが可能である。たとえば、ユーザーインターフェース78は、(たとえば、ユーザー入力または電子的な伝送によって、)流体移送を実施している薬剤師もしくは技術者の身元、患者の身元、医療用流体の名称、移送されることとなる医療用流体の体積、ロット番号、医療用流体の有効期限、ならびに/または、流体移送が実施された日付および時間などを受け入れ、および/または記憶することが可能である。また、他の例として、ユーザーインターフェース78は、ユーザーインターフェース78を介してユーザーからのコマンドを受信および搬送することによって、ならびに/または、流体移送の進行および/もしくは状態に関する流体移送ユニット200からのメッセージを表示することによって、流体移送を制御することを支援することが可能であり、それは、たとえば、流体移送を開始させるコマンド、および/あるいは、流体移送を中止するコマンド、および/あるいは、任意の所与の瞬間に移送される流体の量を示す1つまたは複数のメッセージ、あるいは、特定の期間にわたる特定の患者または薬剤師に関する流体移送の履歴、あるいは、流体移送が完了しなかったということ、または、流体供給源コンテナ39が接続されてないかもしくは空であるということ、または、流体デスティネーションコンテナ44が接続されていないかもしくは満杯であるということを示す、1つまたは複数のエラーメッセージ、あるいは、任意の他の有用なメッセージなどである。
【0060】
図4に示されているように、いくつかの実施形態では、ユーザーインターフェース78は、複数の異なる流体移送デバイス30、および、流体移送デバイス30の複数の異なるタイプと広く互換性があることが可能である。たとえば、単一のユーザーインターフェース78は、同じタイプの複数の異なる流体移送デバイス30、または、異なるタイプの複数の異なる流体移送デバイス30と、(たとえば、それらへおよび/またはそれらからデータを移送することによって)電子的に通信するように構成され得、それらは、たとえば、複数の異なる治療用流体によって、および/または、複数の異なる患者に関して、デスティネーションコンテナを充填することなど、別々の流体移送動作を実施している。ユーザーインターフェース78は、そのような動作のうちのいずれかまたは複数またはすべてからの情報を同時にまたは概して同時に制御および/または記録するように構成され得る。ユーザーインターフェース78は、複数の異なる電子コミュニケーター、および/または、そのような電子コミュニケーターのいずれかと共に使用するための複数の異なる通信プロトコルを含む、複数の異なる通信能力を含むことが可能である。ユーザーインターフェース78は、電子的に更新され得、もともとはユーザーインターフェースの上で使用されていないかまたはインストールされていないプロトコルを使用して、それが電子的に通信することを可能にし、それは、電子通信システムの基本コンポーネントの交換を必要とすることなく、ユーザーインターフェース78が将来のまたは異なるタイプの流体移送デバイス30と互換性を持つようになることを可能にすることができる。
【0061】
図5A図5Cは、いくつかの実施形態による、流体移送モジュール45のさまざまな概略図である。図5Aは、供給源コンテナ39に流体連通しているバブルトラップ15を有する流体移送モジュール45の概略図である。図5Bは、供給源コンテナ39から切り離されており、患者70に流体連通している、図5Aの流体移送モジュール45の概略図である。図5Cは、図1Aの流体移送モジュール31に流体連通しているバブルトラップ15を有する流体移送モジュール45の概略図である。別段の注記がない限り、図5A図5Cの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じまたは概して同様のコンポーネントを表している。
【0062】
図5Aに示されているように、流体移送モジュール45は、バブルトラップ15と、供給源コンテナ39に流体連通しているデスティネーションコンテナ44とを含むことが可能である。デスティネーションおよび供給源コンテナ44、39は、図1Aを参照して上記に説明されているような任意の適切なコンテナを含むことが可能である。たとえば、いくつかの実施形態では、供給源コンテナ39は、バイアルまたはシリンジであることが可能であり、デスティネーションコンテナ44は、IVバッグまたはカセットリザーバー(たとえば、CADD(登録商標)カセットリザーバー)であることが可能である。図5Aに示されていないが、バブルトラップ15は、任意の適切なコネクターまたはコネクターの配置によって、デスティネーションおよび供給源コンテナ44、39に接続され得る。たとえば、バブルトラップ15の入口部は、ニードルレスコネクター(たとえば、NEUTRON CLAVE(登録商標)コネクター、MICROCLAVE(登録商標)Neutral Displacementコネクターなど)に取り付けるように構成され得、ニードルレスコネクターの反対側端部は、たとえば、シリンジに取り付けるように構成され得る。別の例として、バブルトラップ15の出口部は、たとえば、CADD(登録商標)カセットの流体ラインの端部において、オープンメス型ハブに取り付けるように構成され得る。オープンメス型ハブは、なかでも、たとえば、CLAVE(登録商標)コネクターを含む、任意のクローズドコネクター(ルアーであるかまたはルアーでない)であることが可能であるということが認識されることとなる。
【0063】
いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、コンテナ(たとえば、デスティネーションおよび供給源コンテナ44、39)に連結されることとなるアダプターとして提供され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、コンテナとのパッケージにおいて提供され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、シリンジ、カセット、流体バッグ、流体ラインなどとのパッケージにおいて提供され得る。パッケージは、組み立てられているかまたは分解されている、より多くのまたはより少ないコンポーネントを含むことが可能であるということが認識されることとなる。
【0064】
図5Aをさらに参照すると、医療用流体は、供給源コンテナ39から、バブルトラップ15を通して、デスティネーションコンテナ44の中へ移送され得る。供給源コンテナ39および流体モジュール45のさまざまなコンポーネント(たとえば、コネクターおよび流体ライン)は、ガス(たとえば、空気)を含有することが多いので、医療用流体が供給源コンテナ39から移送されるときに、供給源コンテナ39、または、さまざまなコンポーネントのうちの1つのいずれかから、経路に沿って、ガスも同様に移送されることが多い。しかし、ガスの存在は、デスティネーションコンテナ44の中で望ましくない。その理由は、それが、患者の血液ストリームに進入した場合に、患者にリスクをもたらすからである(たとえば、空気塞栓症は、不快感から死に至るまでの範囲の医学的合併症を引き起こす可能性がある)。結果として、典型的に、デスティネーションコンテナ44が患者に流体接続される前に、デスティネーションコンテナ44からガスのすべてを手動で除去することに、かなりの労力が費やされる。有利には、図5Aのバブルトラップ15は、デスティネーションコンテナ44の中へのガスのフローを防止するかまたはそうでなければ抑制するように構成され得る。より詳細に下記に説明されることとなるように、バブルトラップ15は、ガスをキャプチャーすること、および、液体がその中を通って流れることを可能にすることの両方を行うように構成され得る。
【0065】
いくつかの実施形態では、デスティネーションコンテナ44が流体によって充填されると、流体移送モジュール45は、流体供給源39から切り離され、次いで、患者に接続され得る。たとえば、図5Bは、供給源コンテナ39から切り離されており、患者70に流体連通している、図5Aの流体移送モジュール45の例示的な概略図である。供給源コンテナ39は、流体移送モジュール45から切り離されて示されている。図5Bのデスティネーションコンテナ44は、供給源コンテナとして作用しているということ、ならびに、その名称は、これを反映するように調節されてはおらず、流体移送モジュール45のモジュール性が強調および図示され得るようになっているということが認識されることとなる。図5Bでは、バブルトラップ15は、患者に到達する前にデスティネーションコンテナ44または流体ラインから排出される空気をトラップする(キャプチャーするとも称される)ように構成され得る。図5Bに示されていないが、いくつかの実施形態では、空気検出システムが、バブルトラップ15と患者70との間に位置決めされており、それがガスまたはバブルを検出する場合には、アラームを鳴らし、および/または、流体の移送を停止させることが可能である。
【0066】
図5Cは、図1Aの流体移送モジュール31に流体連通しているバブルトラップ15を有する流体移送モジュール45の概略図である。いくつかの実施形態では、流体移送モジュール45は、流体移送モジュール31に除去可能に取り付けられ得、流体移送モジュール45が、たとえば、図5Bに示されているように、患者に接続され得るようになっている。
【0067】
図6A図6Cは、いくつかの実施形態によるバブルトラップ15のさまざまな概略図である。図6Aは、細長いチャンバー17および出口突起部18を有するバブルトラップ15の概略図である。図6A’は、入口部ルアーコネクター20aおよび出口部ルアーコネクター20bを備えた図6Aのバブルトラップ15の概略図である。図6Bは、湾曲したチャンバー17および出口突起部18を有するバブルトラップ15の概略図である。図6Cは、湾曲したチャンバー17ならびに入口突起部12および出口突起部18を有するバブルトラップ15の概略図である。別段の注記がない限り、図6A図6Cの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じであるかまたは概して同様のコンポーネントを表している。
【0068】
図6Aに示されているように、バブルトラップ15は、入口部16a、出口部16b、およびチャンバー17を含むことが可能である。チャンバー17は、入口部16aと出口部16bとの間に1つまたは複数の流路を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、入口部16aおよび出口部16bは、チャンバー17の反対側端部に位置決めされ得るが、任意の適切な配置も認識される(たとえば、同じ側など)。いくつかの実施形態では、チャンバー17は、入口部16aから流入するガス(たとえば、空気)をトラップするように構成され得る。チャンバー17に流入する空気をトラップすることを助けるために、入口部16aおよび/または出口部16bは、チャンバー17の中へ延在する1つまたは複数の突起部を含むことが可能である。これは、有利には、流れる間にバブルが典型的に静止および/または蓄積するようになるチャンバーの壁部から離れるように、入口部16Aおよび/または出口部16bの開口部を位置決めすることが可能である。このように、バブルトラップ15は、チャンバー17の周辺領域に空気を閉じ込めることによって、空気をトラップするように構成され得る。
【0069】
図6Aに示されているように、トラップ15は、出口突起部18を含むことが可能であり、出口突起部18は、たとえば、出口部16bに流体連通している出口突起部チャネル19を含む。そのような実施形態では、バブルトラップ15は、流路を画定していることが可能であり、流体が出口部16bに到達し、出口部16bを越えて流れる前に、流体がチャンバー17および出口突起部チャネル19を通ってその流路の中を流れることを強制され得る。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の突起部(たとえば、突起部18)は、バブルが入口部16aから出口部16bへ直接的に流れることを抑制するように構成され得る。空気が液体の中にあるときに重力に逆らって上向きに移動しようとするので、バブルが、流れる間のバブルトラップの配向にかかわらず、チャンバー17の周囲に向けて移動しようとする。有利には、出口部16bが、たとえば、出口突起部18などを介して、チャンバー17の周辺から離れるように位置決めされているときに、バブルトラップ15は、全方向性のトラップになることが可能であり、流体フローまたは規準系(たとえば、中立位置)に対するその配向にかかわらず、それがチャンバー17の中の空気をトラップするように構成されるようになっている。突起部チャネルが、本明細書で議論されており、出口部16aに流体連通しているものとして図示されているが、本明細書で議論されている任意の突起部チャネルが、入口部16aに流体連通している入口突起部チャネルとなり得るということが理解されることとなる。
【0070】
いくつかの実施形態では、1つまたは複数の突起部は、チャンバー17の空気トラップ能力および/または容量を最大化するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、1つまたは複数の突起部(たとえば、突起部18)は、出口突起部チャネル19の開口部16cがチャンバー17の中心の近くにまたは中心にあるように位置決めされ得る。これは、有利には、空気がチャンバー17の周辺に沿ってどこかに静止した後に、空気(たとえば、1つまたは複数の空気バブル)が出口部16bに進入する可能性を最小化することが可能である。いくつかの実施形態では、図面に示されているように、出口突起部チャネル19の開口部16cは、出口部中心軸線を有することが可能であり、出口部中心軸線は、入口部16aの入口部中心軸線とは整合されておらず、および/または、それからオフセットされている。たとえば、図面に示されているように、開口部16cは、開口部16cによって画定される平面に対して概して垂直の中心軸線を有することが可能である。いくつかの実施形態では、開口部16cの中心軸線は、入口部16aの中心軸線および出口部16bの中心軸線のうちの少なくとも1つからオフセットされ得る。開口部16cが入口部16aおよび出口部16bのうちの1つまたは複数とは整合されていないということは、入口部16aから出口部16bへの流体経路を分裂させ、それによって、任意の空気バブルがチャンバー17の周辺に沿って静止することを引き起こす。これは、バブルトラップ15の中の空気の収集を促進させることが可能である。図6Aに示されているように、いくつかの実施形態では、出口突起部チャネル19は、出口突起部18の先端部の近くに、湾曲した領域を有することが可能であり、出口突起部チャネル19の開口部16cが出口突起部18の側部にあるようになっている。これは、出口突起部チャネル19の入口部16aから開口部16cへの直接的な経路のすべてまたは大部分を除去することによって、空気が出口突起部チャネル19に進入する可能性をさらに低減させることが可能であり、その経路は、たとえば、出口突起部チャネル19がその代わりに真っ直ぐになっており、入口部16aに面する出口突起部18の先端部の上に開口されているとした場合に、図6Aの中の入口部16aから出口部16bへ(たとえば、真っ直ぐに)存在することとなる経路を含む。出口突起部チャネル19は、出口突起部18の中へ任意の適切な距離だけ延在することが可能であるということ、および、湾曲した領域は、その任意の適切な部分に沿って位置決めされ得るということが認識されることとなる。
【0071】
いくつかの実施形態では、図面に示されているように、出口突起部チャネル19の開口部16cは、バブルトラップ15の入口部16aに対して、より小さくなっていることが可能である。開口部16cのより小さいサイズは、有利には、出口突起部チャネル19を通して移送される空気のその量を最小化することが可能である。開口部16cのサイズは、出口突起部チャネル19の中へおよび/またはそれを通して流体を押し込むために必要とされる力を増加させることが可能である。バブルトラップ15は、本明細書で説明されているように、自動コンパウンダー(compounder)と共に使用され、バブルトラップ15の開口部16cを通して流体を駆動することが可能である。しかし、バブルトラップ15の開口部16cは、任意の適切なサイズおよび/または形状を含むことが可能であり、出口突起部チャネル19の中へのおよび/またはそれを通した流体の移送を可能にするということが理解されることとなる。たとえば、出口突起部チャネル19の開口部16cは、手動コンパウンダー(たとえば、シリンジ)の使用によって、流体の移送を可能にするように構成され得る。また、1つまたは複数の突起部(たとえば、突起部18)の先端部が、出口突起部18に衝突するかまたはそうでなければ出口突起部18の直ぐ近くに来るバブルを偏向させるように構成され得るということが認識されることとなる。1つまたは複数の突起部の形状は、たとえば、真っ直ぐな、湾曲した、円筒形状の、テーパー付きの、円錐形状の(たとえば、突起部18)などのような、任意の適切な形状を有することが可能であるということがさらに認識されることとなる。チャンバー17を通る流体およびガスのフローは、図7A図7Hを参照して下記により詳細に説明されることとなる。
【0072】
バブルトラップ15は、任意の適切な流体容量、または内部体積を有することが可能であり、それは、なかでも、約1ccから約2cc、約1ccから約5cc、約1ccから約10cc、約1ccよりも大きい、約2ccよりも大きい、および/または、約20ccよりも小さい(たとえば、約3ccから約4cc、約5ccから約10ccなど)ものを含む。この流体容量の任意の適切な部分は、たとえば、容量の10%以下、容量の20%以下、容量の30%以下、容量の40%以下、容量の50%以下、容量の60%以下、または、容量の70%以下などのような、空気をトラップするように使用され得る。また、他のパーセンテージ(より多いかまたはより少ない)および範囲(より狭いかまたはより広い)が認識される。いくつかの実施形態では、バブルトラップ15のトラップ容量は、バブルトラップ15の位置に関係なく一定であることが可能である。他の実施形態では、バブルトラップ15のトラップ容量は、チャンバー17のサイズおよび形状、1つまたは複数の突起部の長さ、および、それらの開口部の場所、ならびに/または、流体フローおよび重力に対するバブルトラップ15の配向などのような、数え切れないほどの要因に依存する可能性がある。たとえば、図6Aに示されている配向にあるときに、バブルトラップ15は、トラップ領域を有するように構成され得、トラップ領域は、チャンバー17の上部表面から出口突起部チャネル19の開口部16cへ下向きに延在している。いくつかの実施形態では、このトラップ領域は、なかでも、上述の容量のうちの1つに対応することが可能である。図6Aに図示されているバブルトラップ15は、たとえば、それが任意の軸線もしくは組み合わせ軸線に沿って90度回転させられるときに、および/または、それが軸線(たとえば、1つの、2つの、および/または3つの軸線)の任意の組み合わせに沿って任意の数の度数だけ回転させられるときに、同じまたはほぼ同じ容量を有することが可能である。そして、他の実施形態では、図6Aに図示されているバブルトラップ15は、たとえば、それが任意の軸線もしくは組み合わせ軸線に沿って90度回転させられるときに、および/または、それが軸線(たとえば、1つの、2つの、および/または3つの軸線)の任意の組み合わせに沿って任意の数の度数だけ回転させられるときに、1つまたは複数の異なる容量を有することが可能である。さまざまなトラップ容量が、バブルトラップの配向の関数として、図7A図7Hに図示されており、下記に説明されることとなる。
【0073】
先述の特徴のうちのいくつかまたはすべての結果として、バブルトラップ15は、供給源コンテナ(たとえば、供給源コンテナ39)、デスティネーションコンテナ(たとえば、デスティネーションコンテナ44)、および/または、流体ラインに接続されているコンポーネントから放出されたバブルをトラップすることが可能である。図6Aに示されているように、チャンバー17は、バブルが収集するための、および、液体がそれを通って流れるためのスペースを提供する。このトラップ容量の結果として、バブルトラップ15は、有利には、空気塞栓症のリスクを低減させるために使用され得、または、最小でも、それらが起こる頻度を低減させるために使用され得る。液体のフローを許容しながらバブルのフローを抑制することによって、バブルトラップ15は、空気フィルターとして作用し、流路から外へ空気を濾過することが可能である。
【0074】
図6A’は、入口部ルアーコネクター20aおよび出口部ルアーコネクター20bを備えた図6Aのバブルトラップ15の概略図である。オス型ルアーコネクター20aは、任意の適切なオス型ルアーであることが可能であり、メス型ルアーコネクター20bは、任意の適切なメス型ルアーであることが可能である。また、いくつかの実施形態では、オス型ルアーコネクター20aおよびメス型ルアーコネクター20bの任意の適切な配置が認識されるということも理解されることとなる。たとえば、バブルトラップ15は、入口部16aおよび出口部16bのうちの少なくとも1つに位置付けされているオス型ルアーコネクターと、入口部16aおよび出口部16bのうちの少なくとも1つに位置付けされているメス型ルアーコネクターとを含むことが可能である。上記に説明されているように、図6Bは、出口突起部18と、細長いのとは対照的に湾曲したチャンバー17とを有する、バブルトラップ15の概略図である。図6Bでは、入口部16aおよび出口部16bは、ハウジング17の同じ側に位置決めされており、または、そうでなければ、互いに直ぐ近くに位置決めされており、入口部16aおよび出口部16bが互いに面しておらず、互いの方を向いていないようになっている。そのような実施形態では、出口突起部チャネル19の開口部16cは、空気をトラップするためのバブルトラップ15の能力を損なうことなく、出口突起部18の端部に位置決めされ得る。いくつかの実施形態では、入口部導管14aは、入口部16aに接続され得(たとえば、取り付けられている、結合されている、接着されている、溶接されている、スナップされている、摩擦嵌めされている、除去可能に取り付けられているなど)、出口部導管14bは、出口部16bに接続され得る。
【0075】
図6Cは、湾曲したチャンバー17および出口部、ならびに、入口部ルアーコネクター20aおよび出口部ルアーコネクター20bを有する、バブルトラップ15の概略図である。図6Cに示されているように、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、入口突起部チャネル13を有する入口突起部12と、出口突起部チャネル19を有する出口突起部18を含むことが可能である。入口突起部12および出口突起部18は、出口部16bの中へのおよび/またはそれを超えるバブルのフローを抑制する任意の適切な形状および/または構成を有することが可能である。たとえば、図6Cに示されているように、入口突起部12および出口突起部18は、それぞれがその中心に向けて延在する状態で、チャンバー17の反対側端部に位置決めされ得る。そのような実施形態では、入口突起部12および出口突起部18の両方は、チャンバー17の中心を越えて延在するように構成され得、直接的な流路が入口部16aと出口部16bとの間に存在しないようになっている。しかし、図6Aを参照して上記に説明されているように、図6Cに示されている1つまたは複数の入口突起部および出口突起部は、任意の適切な形態をとる。たとえば、示されていないが、いくつかの実施形態では、入口突起部チャネル13および出口突起部チャネル19のいずれかまたは両方は、それらのそれぞれの入口突起部12または出口突起部18の先端部の近くにカーブを有することが可能である。いくつかの実施形態では、入口突起部チャネル18は、有利には、チャンバー17の周辺から離れるように入口部16aを位置決めすることによって、入口部16aの近くに形成された可能性のある任意のバブルを、入口部16aがかき乱すことを抑制することが可能である。入口突起部12がない場合には、入口部16aは、たとえば、チャンバーの周辺から離れるように(たとえば、出口突起部チャネル19の開口部16cに向けて)バブルを押し出すことによって、大きいバブルをより小さいバブルへと分割することによって、および、チャンバー17を通してバブルを分散させることなどによって、その他の方法でバブルをかき乱す傾向があり得る。
【0076】
図7A図7Hは、45度のインクリメントで、いくつかの実施形態による、流体フローの間のバブルをトラップするバブルトラップ15(たとえば、図6A’に示されているバブルトラップ15)の簡略図を図示している。別段の注記がない限り、図7A図7Hの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じであるかまたは概して同様のコンポーネントを表している。それぞれの図7A図7Hは、入口部16a、チャンバー17、出口突起部18、出口突起部チャネル19、および出口部16bを図示している。また、より多くのまたはより少ない特徴が認識される。流体フローの方向は、矢印によって示されており、空気バブルは、小さい円形によって表されている。これらの図のそれぞれの中のバブルトラップ15の空気トラップ容量が、たとえば、「C」のラベルを付されている点線の上方に存在するチャンバー17のエリアによって示されている。図7A図7Hに示されているように、いくつかの実施形態では、ラインCの上方のエリアは、任意の所与の配向において、チャンバー17の合計流体容量の約50%を表すことが可能であり、有利には、図7A図7Hの中のバブルトラップ15が全方向性であるだけでなく、実質的に均一に全方向性であるということを示している。バブルトラップ15は、いくつかの実施形態では、2つ以上の異なる配向に対応する複数の異なるトラップ容量を有することが可能であるということが認識されることとなる。本明細書で開示されているいくつかの実施形態による全方向性のバブルトラップは、バブルトラップ15がすべての配向においてガスに関して最小容量を有しているということを意味しているということが理解されるべきである。いくつかの実施形態では、その最小は、約0.5cc、約1cc、約2cc、約3cc、またはそれ以上である。上記に説明されているように、トラップ容量は、チャンバー17のサイズおよび形状、出口突起部18および/もしくは入口突起部12(図示せず)の長さおよび配置、流体フローおよび重力に対するバブルトラップ15の配向、ならびに/または、流体フローのレートを含む、複数の要因に依存し得る。たとえば、いくつかの実施形態では、フローレートが閾値レートを超えて増加した場合には、トラップ容量は、ラインCの上方の空気をかき乱す可能性があるチャンバー17を通る乱流の結果として、減少する可能性がある。しかし、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、任意の配向において、任意の適切なフローレートに関してその最大容量をトラップするように構成され得る。たとえば、図7A図7Hに示されているように、点線「C」の上方のエリアは、空気が出口突起部チャネル19を通って、および、出口部16bを越えて流体ラインの中へ流れ始める前に、バブルトラップ15がトラップすることができる空気の最大量を概略的に表している。いくつかの実施形態では、チャンバー17が空気によって充填するにつれて、デッドスペースの量が等しく低減され得る。いくつかの実施形態では、センサーは、バブルチャンバー15の中の空気の量をモニタリングおよび/または決定し、また、バブルトラップ15がそのトラップ容量に接近しているときを(たとえば、聴覚的に、視覚的に、など)示すように構成され得る。
【0077】
図8Aおよび図8Bは、真空が印加された状態および真空が印加されていない状態のバブルトラップ15の2つの概略図である。図8Aは、真空が印加された状態のバブルトラップの概略図であり、図8Bは、流体によって充填された図8Aのバブルトラップの概略図である。別段の注記がない限り、図8Aおよび図8Bの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じであるかまたは概して同様のコンポーネントを表している。いくつかの実施形態では、供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ45を流体によって充填する前に、ガスのバブルトラップ15(たとえば、流体移送モジュール45)を有する流体ラインをパージすることが有利である可能性がある。パージの間に、真空圧力は、バブルトラップ15に印加され得る。パージの間にバブルトラップ15から除去され得る空気の量を最適化するために、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、リジッドのおよび/またはセミリジッドの外側ハウジングを含むことが可能であり、リジッドのおよび/またはセミリジッドの外側ハウジングは、真空がチャンバー17に印加されるときに、屈曲する(たとえば、収縮する、崩壊するなど)ように構成されている。このように、空気は、パージの間にチャンバー17から抜かれ得る(引き出されるとも称される)。これは、有利には、供給源コンテナ39から患者へ流体を送達するときに、および/または、デスティネーションコンテナ44を充填するときに、バブルトラップ15によってトラップされることを必要とする空気の量を低減させることが可能である。たとえば、真空がチャンバー17に印加されるときに、リジッドのおよび/またはセミリジッドの外側ハウジングは、真空が増加するにつれてチャンバー17のサイズが減少するので、形状を変化させ収縮するように構成され得る。いくつかの実施形態では、リジッドのおよび/またはセミリジッドの外側ハウジングは、真空の印加によって崩壊させられた後に、膨張した状態(たとえば、真空が印加された前のそのオリジナルの状態)に戻るように構成され得る。いくつかの実施形態では、バブルトラップ15の形状復元メカニズムは、材料(たとえば、リジッドのおよび/またはセミリジッドの外側ハウジングの材料)の記憶、バブルトラップ15の中へのおよび/もしくはバブルトラップ15を通る流体のその後のフロー、ならびに/または、1つもしくは複数の別々の形状復元構造に対応することが可能である。いくつかの実施形態では、バブルトラップ15全体は、真空が印加すると崩壊するように構成されているリジッドのおよび/またはセミリジッドの材料を含むことが可能である。いくつかの実施形態では、リジッドのおよび/またはセミリジッドの材料は、たとえば、ポリ塩化ビニル(PVC)を含むことが可能であるが、任意の適切な材料も認識される。いくつかの実施形態では、壁部は、真空の下で崩壊せず、印加される真空は、所望の量のガスをシステムから除去するのに十分である。
【0078】
いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、任意の適切なポンプおよび/または流体移送デバイス(たとえば、流体移送デバイス30、流体移送ユニット200、および/または流体ポンプアッセンブリ224など)と共に使用するために、流体ラインに取り付けられ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、コンピューター化された歩行可能な薬物送達を提供するように構成されている注入ポンプを含む、歩行用注入ポンプと共に使用されるように、および/または、歩行用注入ポンプに流体接続されるように構成され得る。バブルトラップ15は、流体移送ポンプと共に使用することに関して本明細書で議論されているが、流体移送は、バブルトラップ15と共に使用される必要はないということが当業者によって理解されることとなる。たとえば、バブルトラップ15は、手でデスティネーションコンテナを手動で充填するために使用され得る。
【0079】
いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、SMITHS MEDICAL(登録商標)によって製造されているCADD(登録商標)ポンプと共に使用され、および/または、それに流体接続されるように構成され得る。図9Aおよび図9Bは、カセットに接続されている流体移送モジュールとインラインになったバブルトラップ15の概略図である。図9Aは、リザーバーを備えたカセットに流体連通しているバブルトラップ15の概略図であり、図9Bは、いくつかの実施形態による、リザーバーなしのカセットに流体連通しているバブルトラップ15の概略図である。図9Cは、図9Aのカセットを医療用流体によって充填するための例示的な流体移送プロトコルである。別段の注記がない限り、図9A図9Cの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じであるかまたは概して同様のコンポーネントを表している。
【0080】
図9Aに示されているように、ポンプ22は、リザーバー25(たとえば、供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ44)を備えた除去可能に取り付けられたカセット24、ならびに、空気検出センサー26を含むことが可能である。空気検出センサー26は、たとえば、リザーバー25から排出される流体ラインの中のガス(たとえば、空気)の存在を(たとえば、聴覚的におよび/または視覚的に)示すように構成され得る。いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、カセットの中のリザーバー25に接続されている流体ラインに接続され得る。図9Aでは、バブルトラップ15、カセット24、および、それらの間の流体ラインは、流体移送モジュール(たとえば、流体移送モジュール45)を含むことが可能であるが、より多くのまたはより少ないコンポーネントおよび/または特徴も認識される。たとえば、いくつかの実施形態では、オス型-オス型間の導管28の一方の端部は、バブルトラップ15の出力16bに取り付けられ得、オス型-オス型間の導管28の他方の端部は、患者および/または流体デスティネーションコンテナ44に流体連通しているように構成され得る。オス型-オス型間の導管28の一部分は、空気検出センサー26の中に位置決めされ得る。オス型-オス型間の導管28は、たとえば、メス型-メス型、メス型-オス型、オス型-メス型、および/またはオス型-オス型を含む、任意のジェンダーコネクター組み合わせを有することが可能であるということが認識されることとなる。
【0081】
上記に説明されているように、カセット24aと空気検出センサー26との間のバブルトラップ15の位置は、有利には、空気がバブルトラップ15の出口部16b通ってオス型-オス型間の導管28の中へ入ることを許容される前に、空気をトラップすることによって、空気検出アラーム(たとえば、インディケーション)の数を低減させることが可能である。結果として、バブルトラップ15の使用は、有利には、より少ない治療中断につながることが可能であり、したがって、ポンプ22がより一貫したおよび連続的な治療を患者に提供することを可能にする。これは、空気塞栓症のリスクを低減させるバブルトラップ15の能力と組み合わせて、ポンプ22への患者の信頼を増加させることが可能である。空気をトラップすることによって、バブルトラップ15は、軽度の空気塞栓症を低減および/または排除することによって、患者の快適性を強化することが可能であり、軽度の空気塞栓症は、命に関わるものではないが、それにもかかわらず、痛みを伴うかまたは不快なものである可能性がある。また、バブルトラップ15は、深刻な空気塞栓症を防止することが可能であり、深刻な空気塞栓症は、潜在的に命に関わるものであり、または、そうでなければ、患者の中へ注入されることが防止されない場合には、医学的介入を必要とすることとなる。図9Cを参照してより詳細に下記に説明されることとなるように、バブルトラップ15、リザーバー25、および、それらの間の流体ラインを含む、図9Aの流体移送モジュール45は、所望の量の流体をリザーバー25に追加するように手動でまたは自動的に複合され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、流体移送モジュール45は、流体移送デバイス(たとえば、流体移送デバイス30、流体移送ユニット200、および/または流体ポンプアッセンブリ224など)に流体接続され得る。
【0082】
図9Bは、カセット24がリザーバー25を含まないという点を除いて、図9Aと同様である。図9Bの流体モジュール45は、代わりに、外部供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ44、たとえば、IVバッグなどを含み、IVバッグとバブルトラップ15との間の導管の一部分がカセット24の中に位置決めされている状態になっている。
【0083】
図9Cは、図9Aのカセットを医療用流体によって充填するための例示的な流体移送プロトコルである。図9Cに関連して図示および/または説明されているステップのそれぞれは、たとえば、シリンジを使用して実施され得、または、たとえば、全体的にもしくは部分的に、手動で(たとえば、人)もしくは自動的に(たとえば、ポンプ22のコンピュータープロセッサーによって、および/もしくは、流体移送管理システム74の中にもしくはそれに関連付けられて位置決めされているコンピュータープロセッサーによって)、制御もしくは作動させられ得る。この流体移送プロトコル900のいくつかの実施形態の利点は、リザーバー25が流体によって充填されるまでに、それがカセット24のリザーバー25からの空気の実質的にすべてを除去することが可能であるということである。充填プロセスの間のデスティネーションコンテナ44(たとえば、カセット24、リザーバー25、コンテナ44など)の中の空気の最小化は、デスティネーションコンテナが充填されたときに上部からアクセスされるように構成されているときに、とりわけ有利である可能性がある。空気バブルがデスティネーションコンテナの上部へ上昇するので、それらは、コンテナから引き抜かれやすく、患者に向けて伝送されやすくなっている。バブルトラップ15は、上記に説明されているように、フローが患者に到達する前に、リザーバー25とインラインになったどこかに位置決めされることによって、リザーバー25の中に残っている残留空気を捕まえるように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、この流体移送プロトコル900のいくつかの実施形態の利点は、リザーバー25が流体によって充填される前に、それがカセット24のリザーバー25からの空気の約98%を除去することができるということである。バブルトラップ15は、上記に説明されているように、フローが患者に到達する前に、リザーバー25とインラインになったどこかに位置決めされることによって、リザーバー25の中に残っている残留空気の2%を捕まえるように構成され得る。また、他のパーセンテージも認識される。本明細書の中のすべての実施形態と同様に、流体移送プロトコル900のステップの1つまたは複数は、単独で、1つもしくは複数のグループで、または、図9Cに図示されているものおよび/もしくは本明細書で説明されているものとは異なる順序で、実施され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、任意の他の流体移送システムのなかでも、図1Aに示されている流体移送デバイス30、図1Bに図示されている流体移送システム86、ならびに/または、図2Aおよび図2Aiiに示されている流体移送ユニット200(たとえば、たとえば、図2Cおよび図2Ciiに示されている)に取り付けられている流体移送モジュール45から空気を除去するために、それに続くステップが修正および/または並べ替えられ得る。同様に、いくつかの実施形態では、バブルトラップ15は、充填プロセスの間に使用され、デスティネーションコンテナの中の空気を制限することが可能であり、デスティネーションコンテナから患者への流体の投与の間に使用される必要はない。「の前に」、「の後に」、「始める」、「開始」、もしくは「終了」などのような時系列的な用語、または、任意の同様の用語は、単に例として提供されており、すべての実施形態において必要とされるわけではない。これらのステップのいずれも、本質的または不可欠のものではない。
【0084】
流体移送プロトコル900は、開始ブロック902において始まる。プロトコル900は、ブロック904において、パッケージからカセット24を除去することによって継続する。いくつかの実施形態では、カセット24は、リザーバー25を含むことが可能である。ブロック906において、プロトコルは、バブルトラップ15(たとえば、全方向性のバブルトラップ)を、カセット24、供給源コンテナ39、および/またはデスティネーションコンテナ44に取り付けることによって継続する。ブロック908において、バブルトラップ15およびカセット24は、自動または手動コンパウンダー(または、その両方を行うことができるコンパウンダー)に流体接続されており、たとえば、流体移送デバイス(たとえば、カセット24に流体を手動で送達するように構成されている流体移送デバイス30またはシリンジ)などに流体接続されている。910において、プロトコルは、コンパウンダーによってバブルトラップ15およびカセット24に真空を印加し、それぞれの内側の空気を除去し、供給源コンテナ(たとえば、供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ44)の中へそれを押し込むことによって継続する。いくつかの実施形態では、コンパウンダー(または、任意の適切な流体移送デバイス)は、バブルトラップ15および/またはカセット24の中に(たとえば、カセット24のリザーバー25の中に)真空を発生させることができる。たとえば、いくつかの実施形態では、真空は、大気圧力の上方または下方にあることが可能である。上記に説明されているように、印加される真空は、たとえば、バブルトラップ15のチャンバー17を崩壊させることなどによって、バブルトラップ15の体積を低減させるのに十分であることが可能である。バブルトラップ15の可撓性の(たとえば、崩壊可能な)リジッドのおよび/またはセミリジッドの材料は、有利には、材料が可撓性のリジッドのおよび/またはセミリジッドの材料を含まなかった場合に、バブルトラップ15から同等の量のガスを除去するために必要とされることとなる真空に対して、より低い真空圧力において、ガスがバブルトラップ15から除去されることを可能にすることができる。ブロック912において、プロトコルは、コンパウンダーによって、カセット24のリザーバー25の中へ医療用流体を押し込むことによって継続する。いくつかの実施形態では、1つまたは複数の流体は、コンパウンダーによって、リザーバー25の中へ押し込まれ得る。プロトコルのブロック914および916は、バブルトラップ15およびカセット24を流体移送デバイスから取り外し、次いで、それぞれ、バブルトラップ15およびカセット24をポンプ22に取り付けることによって継続する。ブロック918において、プロセスは、カセット24のリザーバー25の中の流体を、バブルトラップ15を越えて患者の中へポンプ送りすることによって終了する。しかし、いくつかの実施形態では、プロセスは、バブルトラップ15を越えて供給源コンテナ39および/またはデスティネーションコンテナ44の中へ流体をポンプ送りすることによって終了することが可能であるということが理解されることとなる。そこから、いくつかの実施形態では、流体は、バブルトラップ15の使用なしに、供給源コンテナ39から患者へポンプ送りされ得る。同様に、いくつかの実施形態では、流体は、バブルトラップ15の使用なしに、デスティネーションコンテナ44から患者へポンプ送りされ得る。
【0085】
図9Aおよび図9Bに図示されているポンプ22などのような注入ポンプを引き続き参照すると、図10Aおよび図10Bは、カセット24が空気をトラップおよび/または除去するように修正され得る、概略図の例を図示している。これは、図9Aおよび図9Bとは対照的であり、図9Aおよび図9Bは、たとえば、バブルトラップ15の追加などによって、流体ラインが空気をトラップおよび/または除去するように修正され得る、概略図の例を図示している。たとえば、図10Aは、バリア101と共に構成されているカセットの概略図である。別の例として、図10Bは、ポート104によって空気をトラップおよび/または除去するように構成されているカセットの概略図である。さまざまな実施形態では、なかでも、たとえば、図9A図9B図10A、および/または図10Bに示されている実施形態(たとえば、図1図8Bおよび図9Cを含む、本明細書で企図される開示)を含む、本明細書で説明されている特徴および/または実施形態のいずれかが組み合わせられ得るということが認識されることとなる。別段の注記がない限り、図10Aおよび図10Bの中の参照番号は、先行する図の中のコンポーネントと同じであるかまたは概して同様のコンポーネントを表している。
【0086】
図10Aに示されているように、バリア101は、カセット24のリザーバー25に追加され、リザーバー25の中にパーティションを生成させることが可能である。いくつかの実施形態では、バリアは、たとえば、ヒートシールされたバリアであることが可能であるが、任意の適切なバリアも認識される。いくつかの実施形態では、リザーバー25は、1つまたは複数のバリアを含むことが可能である。バリア101は、有利には、リザーバー25の出口部から間隔を離して配置されているバブル収集領域102(サブリザーバーまたはサブチャンバーとも称される)、および、出口部領域103(出口部チャンバーとも称される)を生成させることが可能である。バリア101は、リザーバー25に関して特定の形状およびサイズを有するものとして、図10Aに図示されているが、バリア101は、バブル収集領域102を生成させることができる任意の形状またはサイズを含むことが可能であるということが当業者によって理解されることとなる。いくつかの実施形態では、バリア101は、リザーバー25の中の空気のいくらかまたはすべてをバブル収集領域102の中にトラップすることによって、それがリザーバー25からポンプ送りされることを防止することが可能である。
【0087】
いくつかの実施形態では、出口部領域103は、リザーバー25の底部部分に位置付けされ得る。空気バブルはリザーバー25の上部へ上昇するので、底部部分の上の出口部領域103の場所は、出口部領域103および1つまたは複数のコネクター105、106を通過させられる空気バブルの量を低減させることが可能である。結果として、出口部領域103の場所は、有利には、空気検出アラームの数を低減させることが可能であり、より少ない治療中断につながることが可能であり、したがって、ポンプ22がより一貫したおよび連続的な治療を患者に提供することが可能である。これは、空気塞栓症のリスクを低減させるバブルトラップ15の能力と組み合わせて、ポンプ22への患者の信頼を増加させることが可能である。
【0088】
図10Bに図示されているように、ポート104は、たとえば、アダプターであることが可能であり、アダプターは、流体移送デバイス(たとえば、流体移送デバイス30、シリンジなど)に取り付けるように構成されており、流体移送デバイスは、リザーバー25が流体によって充填される前に、リザーバー25に真空を印加するように構成されている。いくつかの実施形態では、ポート104は、ポンプ22が流体によってリザーバー25を充填した後に、リザーバー25の中に存在する空気バブルを除去するように構成され得る。ポート104は、図10Bに示されているように、リザーバー25の上部部分に位置付けされており、リザーバー25の上部へ上昇する空気バブルの除去を促進させることが可能である。上記に説明されているように、これは、有利には、リザーバー25の中の空気の量を低減させることが可能であり、それによって、空気塞栓症を患者に与える可能性を低減させることが可能である。また、それは、有利には、空気検出センサー26がラインの中の空気の存在を示す頻度を低減させることが可能である。いくつかの実施形態では、ポート104は、ガスがリザーバー25から抜かれることを可能にすることができ、ならびに/または、必要とされるときにリザーバー25の中への薬物の注入および/もしくは挿入を可能にすることができる。図10A図10Bに図示されているように、いくつかの実施形態では、カセットは、1つまたは複数のコネクター105、106に流体連通していることが可能である。コネクター105、106は、1つまたは複数のルアーコネクター、たとえば、ルアーフィッティングを有するメス型またはオス型の医療用コネクターを含むことが可能である。
【0089】
本出願において説明されている任意のシステム、方法、およびデバイスは、その後の段落において説明されている特徴および組み合わせを含む、本明細書で説明されている他の特徴および組み合わせのなかでも、この段落および他の段落において説明されている先行する特徴の任意の組み合わせを含むことが可能である。
【0090】
本発明は、特定の実施形態および例の文脈において開示されてきたが、本発明は、具体的に開示されている実施形態を超えて、他の代替的な実施形態まで、ならびに/または、本発明の使用、および、自明の修正例およびその均等物まで及ぶということが当業者によって理解されることとなる。それに加えて、本発明のいくつかの変形例が詳細に示されて説明されてきたが、本発明の範囲内にある他の修正例が、この開示に基づいて当業者に容易に明らかになることとなる。また、実施形態の特定の特徴および態様のさまざまな組み合わせまたはサブコンビネーションが行われ得、依然として本発明の範囲内に入るということが企図される。開示されている実施形態のさまざまな特徴および態様は、開示されている発明のさまざまなモードを形成するために、互いに組み合わせられ、または、互いに置き換えられ得るということが理解されるべきである。したがって、本明細書に開示されている本発明の範囲は、上記に説明されている特定の開示されている実施形態によって限定されるべきではなく、以下に続く特許請求の範囲を公正に読むことによってのみ決定されるべきであるということが意図されている。そのうえ、「最大で」、「少なくとも」、「よりも多い」、「よりも少ない」、「の間」などのような語句は、記載されている数を含む。本明細書で使用されているような「おおよそ」、「約」、および「実質的に」などのような用語が先行している数は、記載されている数(たとえば、約10%=10%)を含み、また、依然として所望の機能を果たしまたは所望の結果を実現する、記述されている量の近くの量も表している。たとえば、「おおよそ」、「約」、および「実質的に」という用語は、記述されている量の10%よりも少ない範囲内、5%よりも少ない範囲内、1%よりも少ない範囲内、0.1%よりも少ない範囲内、および、0.01%よりも少ない範囲内の量を表すことが可能である。
【符号の説明】
【0091】
12 入口突起部
13 入口突起部チャネル
14a 入口部導管
14b 出口部導管
15 バブルトラップ
16a 入口部
16b 出口部
16c 開口部
17 チャンバー
18 出口突起部
19 出口突起部チャネル
20a 入口部ルアーコネクター、オス型ルアーコネクター
20b 出口部ルアーコネクター、メス型ルアーコネクター
22 ポンプ
24 カセット
24a カセット
25 リザーバー
26 空気検出センサー
28 導管
30 流体移送デバイス
31 流体移送モジュール
32 入口流体コネクター
33 ドライビングインターフェース
36 電気機械式コントローラー
38 中間流体コネクター
39 供給源コンテナ
40 中間コンテナまたはポンピング領域
42 出口流体コネクター
41 多方向フロー制御弁
44 デスティネーションコンテナ
45 流体移送モジュール
70 患者、患者および/もしくは薬物情報記憶デバイスまたはネットワーク
72 電子通信リンク
74 流体移送管理システム
76 電子通信デバイス
78 ユーザーインターフェース
80 有線コネクター
84 メモリー
86 流体移送システム
101 バリア
102 バブル収集領域
103 出口部領域
104 ポート
105 コネクター
106 コネクター
200 電気機械式システム
202 ハウジング
204 ポールスタンド
208 運搬用ハンドル
210 取り付け領域
212 ドライバー
214 センサーデバイス
215 センサー
216 インジケーター
218 受容部
220 突出したホルダー
222 可動プラットフォーム
223 ベースサポート
223a ベースサポート領域
224 流体ポンプアッセンブリ
225 センサー
226 入口流体コネクター
226a オス型流体コネクター、Chemolock(登録商標)コネクター
228 回転可能なアクチュエーター
230 ストップコック
232 導管
234 出口流体コネクター
234a オス型流体コネクター、Chemolock(登録商標)コネクター
238 導管
240 シリンジポンプ
242 サポートアーム
244 IVバッグ
245 ストップコックハンドル
246 作動ステム
248 バイアルアダプター
250 供給源アダプター
252 導管またはホース
254 バッグスパイク
255 シュラウド
256 ユーザー入力
280 トレイ
図1A
図1B
図2Ai
図2Aii
図2Bi
図2Bii
図2Ci
図2Cii
図2Di
図2Dii
図2Eii
図3
図4
図5A
図5B
図5C
図6A
図6B
図6C
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図7G
図7H
図8A-8B】
図9A
図9B
図9C
図10A
図10B