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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】塗布方法、塗布装置および発光デバイス
(51)【国際特許分類】
   B05D 1/26 20060101AFI20220325BHJP
   B05C 5/00 20060101ALI20220325BHJP
   B05C 11/10 20060101ALI20220325BHJP
   B05D 3/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
B05D1/26 Z
B05C5/00 101
B05C11/10
B05D3/00 D
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2019521114
(86)(22)【出願日】2017-08-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-14
(86)【国際出願番号】 CN2017097854
(87)【国際公開番号】W WO2018072545
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-06-08
(31)【優先権主張番号】201610919798.9
(32)【優先日】2016-10-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519001844
【氏名又は名称】▲納▼晶科技股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】▲顧▼ 辛▲艶▼
【審査官】鏡 宣宏
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-029912(JP,A)
【文献】特開平05-192611(JP,A)
【文献】特開2009-148744(JP,A)
【文献】特開2008-296067(JP,A)
【文献】特開2005-131500(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B05C 1/00-21/00
B05D 1/00- 7/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マイクロニードル(40)の端部が第1位置にあるように制御することと、
液体供給装置が液体供給を開始するように制御することと、
前記マイクロニードル(40)から出た液滴(50)の最下端が第位置に到達したと判定されると、前記液体供給装置が前記マイクロニードル(40)への液体供給を停止するように制御し、前記第1位置から前記第2位置までの距離は、予め設定された第1距離であり、基板(20)に対して、前記第2位置が前記第1位置より下方にあることと、
前記マイクロニードル(40)が落下するように制御し、前記マイクロニードル(40)の端部から基板(20)までの距離が、予め設定された第2距離に到達したと判定されることと、
前記液体供給装置が液体供給を続けるように制御するとともに、前記マイクロニードル(40)が前記基板(20)と相対移動してパターンを塗布するように制御することと、
を含み
前記第2距離は第1距離以下であり、かつ前記第2距離は0を超えることを特徴とする塗布方法。
【請求項2】
前記マイクロニードル(40)の端部又は前記液滴(50)の最下端の位置を、レーザによって検出する、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1距離は、前記液滴(50)の大きさを制御することに用いられ、及び/又は、前記第2距離は、前記マイクロニードル(40)から前記基板(20)における画素隔壁の前記基板(20)から離れた上面までの高さを、前記マイクロニードル(40)が前記画素隔壁の前記上面を通過する際に持ち上げられ、かつ前記基板(20)の露出面の上方を通過する際に落下するように制御することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記第2距離は、液滴(50)で塗布されたパターンの線幅を制御することに用いられる、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
塗布終了後に、前記マイクロニードル(40)を持ち上げ、前記マイクロニードル(40)の端部と前記基板(20)との距離が前記第2距離を超えた場合、液体供給装置が液体供給を停止するように制御すること、をさらに含む、
ことを特徴とする請求項1乃至4のうち何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
基板(20)を載置する載置ステージ(10)と、
液体を吐出し、前記基板(20)と相対移動してパターンを塗布するように制御される少なくとも1つのマイクロニードル(40)と、
前記マイクロニードル(40)の端部から前記基板(20)までの距離を測定する位置決め装置と、
前記位置決め装置で測定した前記マイクロニードル(40)の端部から前記基板(20)までの距離に基づいて、前記少なくとも1つのマイクロニードル(40)への液体供給を行う液体供給装置と、
を備え、
前記位置決め装置は、レーザ位置決め装置(30)を含むことを特徴とする塗布装置。
【請求項7】
前記レーザ位置決め装置(30)は、第1のレーザ位置決め装置(31)と第2のレーザ位置決め装置(32)とを含み、前記第1のレーザ位置決め装置(31)から出射されるレーザは、上レーザと下レーザとを含み、前記上レーザは、前記マイクロニードル(40)の端部を位置決めし、前記下レーザは、液滴(50)の最下端位置を位置決めする
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記第2のレーザ位置決め装置(32)は、前記マイクロニードル(40)の端部と前記基板(20)との距離を位置決めする、
ことを特徴とする請求項7に記載の装置。
【請求項9】
前記マイクロニードル(40)の内径は1μm~1mmであり、前記マイクロニードル(40)の内径と塗布されたパターンの線幅との比の範囲は1:0.5~1:1.5である、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【請求項10】
前記マイクロニードル(40)の外壁及び前記端部表面には表面張力が閾値よりも小さいコーティングが塗布され、前記閾値は、前記マイクロニードル(40)の外壁及び前記端部表面の前記コーティングが液滴(50)で濡れる表面張力である、
ことを特徴とする請求項6に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子デバイスの分野に関し、具体的には、塗布方法、塗布装置および発光デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイ業界の急速な発展に伴って、人々はますます高品質の画質を追求し、有機発光ダイオード(Organic Light-Emitting Diode、OLED)を代表とした次世代の表示技術は大きく注目されている。OLEDは、薄型化、フレキシブル化、広視野角に恵まれて人々の注目を集める一方、真空熱蒸着を主としたOLEDの製造はエネルギー消費が高く、大きいサイズのマスク板の寸法ばらつきは、色正確度に影響を与える。これに比べ、量子ドット溶液を用いて湿式塗布プロセスで製造された量子ドット発光ダイオード(Quantum Dots Light-Emitting Diode、QLED)は、明らかにより優位である。
【0003】
現在、比較的に成熟した湿式塗布プロセス、例えばスピンコーティング法(spin coating)は、材料利用率が僅か5%程度であり、スプレーコーティング法(spray coating)の材料利用率が約90%であるが、これらの塗布プロセスは、いずれもパターン(pattern)を直接作ることができず、後で膜除去プロセスを導入して対応する位置の材料を除去したり、塗布する前にバリア用のマスク板を追加する必要があり、材料の浪費になるだけでなく、製造プロセスも複雑になる。現在、人気の研究でありながらパターン化された図形を正確に製造できる塗布プロセス、例えば、インクジェットプリント(inkjet coating)は、基板に塗布領域を予め設置すれば、一般的には、画素画定層が一周囲んで「バンク」が形成され、材料が正確に落ち込むことができ、画素(pixel)のような精細なパターンを製造することができる。インクジェットプリント装置で精密な区域への塗布を実現するには、装置の製造が高コストであるとともに、インクの調製も困難であり、装置とインクとがマッチしなければ、プリントした液滴がたくさん飛散し、即ち、主滴の周囲に多くの小液滴が生じ、基板が汚染され、プリント量を安定して制御することができず、また、プリンティングが中断すると、溶媒が揮発してノズルの詰まりを招く。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の実施例は、塗布方法、塗布装置および発光デバイスを提供し、インクジェットプリント装置のノズルの詰まりが極めて容易に発生する課題を回避する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の実施例の一態様によれば、塗布方法を提供し、該方法は、マイクロニードルから出た液滴の最下端が第位置に到達したと判定されると、液体供給装置がマイクロニードルへの液体供給を停止するように制御することと、マイクロニードルの端部から基板までの距離が、予め設定された第2距離に到達したと判定されることと、液体供給装置が液体供給を続けるように制御するとともに、マイクロニードルが基板と相対移動してパターンを塗布するように制御することと、を含む。
【0006】
さらに、マイクロニードルから出た液滴の最下端が第位置に到達したと判定されると、液体供給装置がマイクロニードルへの液体供給を停止するように制御する前に、該方法は、マイクロニードルの端部が第2位置にあるように制御し、第1位置から第2位置までの距離は予め設定された第1距離であり、基板に対して、第位置が第位置より下方にあることと、液体供給装置が液体供給を開始するように制御することと、をさらに含む。
【0007】
さらに、マイクロニードルの端部又は液滴の最下端の位置を、レーザ、マイクロニードルの液出口の圧力のうちの少なくとも一方によって検出する。
【0008】
さらに、第1距離は、液滴の大きさを制御することに用いられ、及び/又は、第2距離は、さらに、マイクロニードルが画素隔壁の上面を通過する際に持ち上げられ、かつ基板の露出面の上方を通過する際に落下するように、マイクロニードルから基板における画素隔壁の基板から離れた上面までの高さを制御することに用いられる。
【0009】
さらに、第2距離は第1距離以下であり、かつ第2距離は0を超える。
【0010】
さらに、第2距離は、液滴で塗布されたパターンの線幅を制御することに用いられる。
【0011】
さらに、該方法は、塗布終了後に、マイクロニードルを持ち上げられ、マイクロニードルの端部と基板との距離が第2距離を超えた時に、液体供給装置が液体供給を停止するように制御することをさらに含む。
【0012】
本発明の他の一態様によれば、塗布装置をさらに提供し、該装置は、基板を載置する載置ステージと、液体を吐出し、基板と相対移動してパターンを塗布するように制御される少なくとも1つのマイクロニードルと、マイクロニードルの端部から基板までの距離を測定する位置決め装置と、位置決め装置で測定したマイクロニードルの端部から基板までの距離に基づいて、少なくとも1つのマイクロニードルへの液体供給を行う液体供給装置と、を備える。
【0013】
さらに、位置決め装置は、レーザ位置決め装置、少なくとも1つのマイクロニードルの液出口の圧力検出装置のうちの少なくとも一方を含む。
さらに、レーザ位置決め装置は、第1のレーザ位置決め装置と第2のレーザ位置決め装置とを含み、第1のレーザ位置決め装置から出射されるレーザは、上レーザと下レーザとを含む。
【0014】
さらに、レーザ位置決め装置は、第1のレーザ位置決め装置と第2のレーザ位置決め装置とを含み、第1のレーザ位置決め装置から出射されるレーザは、上レーザと下レーザとを含む。
【0015】
さらに、上レーザは、マイクロニードルの端部を位置決めし、下レーザは、液滴の最下端位置を位置決めする。
【0016】
さらに、第2のレーザ位置決め装置は、マイクロニードルの端部と基板との距離を位置決めする。
【0017】
さらに、マイクロニードルの内径は1μm~1mmであり、好ましくは、マイクロニードルの内径と塗布されたパターンの線幅との比の範囲は1:0.5~1:1.5である。
【0018】
さらに、マイクロニードルの外壁及び端部表面には表面張力が閾値よりも小さいコーティングが塗布され、閾値は、マイクロニードルの外壁及び端部表面のコーティングが液滴で濡れる表面張力である。
【0019】
本発明の更なる態様によれば、発光デバイスをさらに提供し、前記発光デバイスは上記方法で製造される。
【発明の効果】
【0020】
本発明の実施例において、マイクロニードルから出た液滴の最下端が第位置に到達したと判定されると、液体供給装置がマイクロニードルへの液体供給を停止するように制御し、マイクロニードルの端部から基板までの距離が、予め設定された第2距離に達すると判定した後、液体供給装置が液体供給を続けるように制御するとともに、マイクロニードルが基板と相対移動してパターンを塗布するように制御する。本発明によれば、まずマイクロニードルから出た液滴の大きさを制御し、それから、マイクロニードルの端部から基板までの距離の大きさに応じてマイクロニードルへの液体供給を行うか否かを制御し、これにより、塗布過程においてマイクロニードルが液体供給を連続的に行う状態にあることを保証し、従来のようにインクジェットプリント方法を用いて基板にパターンを塗布することに比べ、機器は非連続的な液体吐出過程において液出口の詰まりが発生しやすい現象を回避し、パターンの塗布時にマイクロニードルの液出口の詰まりが発生する確率を低減し、これにより、従来技術におけるインクジェットプリント装置のノズルの詰まりが極めて容易に発生する問題を回避し、好適な対応策を提案する。
【0021】
ここで説明する図面は、本発明をさらに理解させるためのものであり、本願の一部を構成し、また、本発明における模式的実施例及びその説明は本発明を説明するものであり、本発明を不当に限定するものではない。図面において、
【図面の簡単な説明】
【0022】
図1】本発明の実施例による塗布方法のフローチャートである。
図2】本発明の実施例による塗布装置の構造ブロック図である。
図3】本発明の実施例によるマイクロニードルの位置決めの模式図である。
図4】本発明の実施例による塗布の模式図である。
図5】本発明の実施例による塗布終了時の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
当業者に本発明の構成をよりよく理解してもらうように、以下、本発明の実施例の図面を結合して本発明の実施例の技術的構成を明瞭かつ完全に説明する。説明される実施例は本発明の実施例の一部に過ぎず、全部ではないことは、言うまでもないことである。当業者が本発明の実施例に基づいて、創造的な労働無しに得られた他の実施例も、全て本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【0024】
なお、本発明の明細書及び特許請求の範囲並びに上記図面における「第1」、「第2」等の用語は、類似した対象を区別するためのものであり、特定の順番又は前後順序を説明するためのものではない。ここで説明した本発明の実施例をここで示した又は説明した順番以外の順番で実施可能なものにするために、このように使用されたデータは適した場合であれば互いに取り替え可能なことは、理解されるべきである。また、用語である「含む」、「有する」及びそれらの如何なる変形は、排他的にならずに含まれたものをカバーすることがその意図である。
【0025】
本実施例において、塗布方法を提供し、図1は、本発明の実施例による塗布方法のフローチャートであり、図1に示すように、そのフローは、以下のステップS102~ステップS106を含む。
【0026】
ステップS102:マイクロニードル40から出た液滴50の最下端が第位置に到達したと判定されると、液体供給装置がマイクロニードル40への液体供給を停止するように制御する。
【0027】
ステップS104:マイクロニードル40の端部から基板20までの距離が、予め設定された第2距離に到達したと判定される。
【0028】
ステップS106:液体供給装置が液体供給を続けるように制御するとともに、マイクロニードル40が基板20と相対移動してパターンを塗布するように制御される。
【0029】
上述したステップを通じて、まず第位置で液滴50の最下端の位置を制御することで、液滴50の大きさを制御することができ、液滴50が適切な大きさに達した後塗布を行うことができ、塗布する際に基板とマイクロニードル40とが接触しておらず、塗布中、マイクロニードル40の端部の液出口を損なうことはないとともに、最初に液滴50が出るため、塗布を行うマイクロニードル40の詰まりが発生しないことをある程度確保することができ、詰まったノズル又はマイクロニードル40で塗布を行うことに起因したパターン線が不均一又は不完全になる現象を回避される。上記から分かるように、上述したステップの塗布方法によれば、液滴50の大きさを制御してから塗布を行い、これはマイクロニードル40の液出口の保護に有益であり、例えば、マイクロニードルの液出口の詰まりが発生する確率をある程度低減することができ、好適な塗布方法を提供する。
【0030】
具体的には、本発明によれば、まずマイクロニードル40から出た液滴50の大きさを制御し、それから、マイクロニードル40の端部から基板20までの距離の大きさに応じてマイクロニードル40への液体供給を行うか否かを制御し、これにより、塗布過程(塗布する際にマイクロニードル40から基板20までの距離が第2距離以下である)においてマイクロニードル40が液体供給を連続的に行う状態にあることを保証するとともに、複数回にわたる非連続的な塗布を行う際に、毎回塗布の前にマイクロニードル40の端部から液滴50が出てき、その後塗布を行い、このように、塗布の前に液滴50が常にマイクロニードルにぶらさがることを保証し、マイクロニードル40の端部が濡れた状態にあり、従来のようにインクジェットプリント方法を用いて基板20にパターンを塗布することに比べ、機器は、非連続的なインクジェット過程において、マイクロニードルの液出口の詰まりが発生しやすい現象を回避し、パターンの塗布時にマイクロニードルの液出口の詰まりが発生する確率を低減し、これにより、従来技術におけるインクジェットプリント装置を用いるとノズルの詰まりが極めて容易に発生する問題を回避し、好適な対応策を提案する。
【0031】
上述した実施例における第位置は、さらに、マイクロニードル40から出た液滴の大きさを制御することができ、つまり、液滴50の最下端からマイクロニードル40の端部までの距離の大きさを制御し、第位置がマイクロニードル40の端部から鉛直方向の離れた距離が大きいほど、液滴50の出る量が多くなり、液滴50の最下端からマイクロニードル40の端部までの距離が大きくなる。逆に、第位置がマイクロニードル40の端部から離れた鉛直方向の距離が小さいほど、液滴50の出る量が少なくなり、液滴50の最下端からマイクロニードル40の端部までの距離が小さくなる。
【0032】
1つ又は複数の代替的な実施例において、上記マイクロニードルで塗布したパターンの線幅は、該マイクロニードル40の内径以上であることができる。
【0033】
1つの代替的な実施例において、マイクロニードル40から出た液滴50の最下端が第位置に到達したと判定されると、液体供給装置が前記マイクロニードル40への液体供給を停止するように制御する前、上記方法は、マイクロニードル40の端部が第位置にあるように制御し、第1位置から前記第2位置までの距離は予め設定された第1距離であり、基板20に対して、第位置が第位置より下方にあることと、液体供給装置が液体供給を開始するように制御することと、をさらに含む。上述した実施例における第1距離は、液滴50の大きさを制御することに用いられ、及び/又は、第2距離は、さらに、マイクロニードルが画素隔壁の上面を通過する際に持ち上げられ、かつ基板20の露出面の上方を通過する際に落下するように、マイクロニードルから基板20における画素隔壁の基板20から離れた上面までの高さを制御することに用いられる。
【0034】
上述した実施例における基板20は、表面が平坦な基板20であることができるし、表面に凹凸構造が設けられた基板20であることもできる。基板20は、表面に凹凸構造が設けられたものである場合、例えばTFT基板20上には複数の画素隔壁が設けられ、即ち、複数の溝を有する場合、マイクロニードル40の端部から基板20の露出面(2つの画素隔壁からなる凹凸構造であり、即ち、副画素領域の底部である)までの距離が第2距離に達したか否かを判定すればよい。マイクロニードル40で塗布する際に、マイクロニードル40の端部が基板20の画素隔壁の基板から離れた上面に接触しないように保証すればよい。
【0035】
上記2つの溝間の画素隔壁のある領域は、一般的には非塗布領域であり、マイクロニードル40が2つの溝間の画素隔壁を通過する際に、塗布が、1つ目の溝の塗布終了と2つ目の溝の塗布開始の段階にあると理解されることができ、この場合、マイクロニードル40の端部が基板20の露出面から離れた実際の距離をD1とし、上述した第2距離(所定距離)をD2とし、2つの溝間の画素隔壁の高さをD3とすると、下記2つの状況がある。状況1:D2>D3の場合、D2>D1>D3となるようにD1を制御することができ、このようにすれば、マイクロニードル40は液体供給を連続的に行い、その利点は、基板20への塗布過程を連続的な塗布過程とみなすことができ、液体が連続して供給され、塗布がすばやくて制御されやすく、かつ画素隔壁は、液滴40をカットする機能を担い、液滴40がその表面に粘着することなく溝の底面に落ちることにある。状況2:D2≦D3の場合、D2≦D3<D1となるようにD1を制御することができ、このようにすれば、1つ目の溝が塗布された後、マイクロニードル40と画素隔壁との接触又は衝突を回避するために、マイクロニードル40の端部が画素隔壁よりも高く持ち上げられるように制御することができ、1つの好適な実施例において、液体供給装置が液体供給を停止するように制御することができる。
【0036】
また、上記液滴50は発光材料を含む液体であることができ、発光材料は、量子ドット、蛍光体、蛍光ナノミクロスフェア(量子ドットと蛍光物質の混合物)、有機発光材料であることができるし、電子輸送材料、電子注入材料、正孔輸送材料、正孔注入材料、電極材料等であることもできる。塗布材料、即ち液滴50の構成材料の粘度範囲は、1~30cpsであることができ、1~10cpsであることが好ましく、上述した粘度範囲を選択する利点は、このような材料を用いると塗布の制御をより容易にすることができ、粘度が大きすぎて液滴がマイクロニードルの端部から出るのが困難になるか、或いは、マイクロニードルの詰まりが発生する現象を回避することにある。上記パターン(pattern)は、画素隔壁で形成される副画素領域に塗布されたパターンであることができる。上記画素隔壁は、側断面が柱状の分離構造に限られず、副画素領域を分離するための他の形状の分離構造を広く指してもよく、例えば画素画定層、ブラックマトリックス等である。
【0037】
マイクロニードル40の液滴50の形成開始位置は、どの位置にあってもよく、1つの代替的な実施形態として、まずマイクロニードル40の端部が第位置にあるか否かを検出されることができ、マイクロニードル40の端部が第位置にないと検出されていれば、上記マイクロニードル40の端部が第位置にあるように制御し、マイクロニードル40の端部が第位置にある場合、液体供給を開始する。ここで、第1位置から第2位置までの距離を第1距離とみなすことができ、この第1距離は、予め設定されたものである。第1距離の選択は、実際のニーズに応じて行われることができる。第1距離は、液滴50の開始部分(最初に形成した液滴の最下端の位置)から終了部分(最後に形成した液滴の最下端の位置)までの距離を意味するため、1つの代替的な実施形態において、液滴50の大きさは、第1距離に関係することができ、大きい液滴50を得ることを望めば、第1距離を大きくすることができ、小さい液滴50を得ることを望めば、第1距離を小さくすることができる。
【0038】
検出方式も様々であり、例えば、マイクロニードル40の端部又は液滴50の最下端の位置を、レーザ又はマイクロニードル40の液出口の圧力の少なくとも一方によって検出される。レーザ検出方式は優れた方式であり、精度が相対的に高く、実際の応用に使用されることができる。
【0039】
第1距離が液滴50の大きさを示すため、1つの代替的な実施形態において、第2距離をも第1距離で計ることができ、例えば、第2距離は、第1距離以下であることができ、かつ第2距離は0を超える。このようにして、塗布を精確に行うことができる。
【0040】
第2距離は、さらに、マイクロニードルが画素隔壁の上面を通過する際に持ち上げられ、かつ基板20の露出面の上方を通過する際に下降させ、マイクロニードルから基板20に位置する画素隔壁の基板20と離れた上面までの高さを制御することに用いられる。
【0041】
1つの代替的な実施例において、マイクロニードル40から複数の画素隔壁が設けられた基板20の露出面までの距離が第2距離となるように制御するとともに、マイクロニードル40から該複数の画素隔壁を有する基板20と離れた上面までの距離も第2距離となるように制御し、つまり、マイクロニードル40が、画素隔壁にて持ち上げられ、基板20の画素隔壁のない箇所にて落下するようにされ、基板20の露出面は、画素隔壁が設けられていない基板20(層構造が付いたものであってもよい)の上面であることができる。
【0042】
1つ又は複数の代替的な実施例において、上記基板20は、狭義の基板であることができるし、広義の基板、即ち表面が加工された基板であることもでき、例えば層構造が設けられた基板であり、つまり、基板20は、基板と上記層構造とを含み、好ましくは、該層構造は、電極層、機能層、発光層のうちの1種又は複数種を組み合わせた層構造である。1つ又は複数の好適な実施例において、本願における基板20の露出面は、基板の画素隔壁が設けられていない一部の表面と理解されることができ、基板20が基板と表面に設けられた層構造とを含む場合、基板20の露出面は、画素隔壁が設けられていない部分の層構造が付いた基板の表面、即ち層構造の表面であることができる。
【0043】
具体的には、塗布対象である基板20は、下記2つの場面に適用されることができる。表面が平坦で画素隔壁が設けられていない基板20に塗布すれば、マイクロニードル40の端部から基板20までの距離が第2距離になる時、マイクロニードル40への液体供給を行うように制御するとともに、マイクロニードル40が基板20に対してこの延伸方向に運動してパターンを塗布するように制御することができる。画素隔壁のある基板20に塗布すれば、画素隔壁は、任意の形状及び高さであることができ、例えば、エレクトロルミネッセンスデバイスにおいて、画素隔壁の高さは1.5μm程度であることができ、その断面は台形であることができ、例えば貯水池のダムのような形状であり、その中央に形成された溝底面は、ITO電極面が設けられた基板20であることができ、マイクロニードル40の端部から出た液滴50は、この溝底面のITO電極面が設けられた基板20に塗布され、基板20上には、画素隔壁以外に、他の用途の分離構造が設けられてもよく、画素隔壁と他の分離構造の両方が重畳した高さは、より高くなることができ、他の分離構造が2μmであることを例として、重畳後の高さが3.5μmである。異なる形状の画素隔壁又は画素分離構造に適応するために、該塗布方法の上記ステップS106で該マイクロニードル40が基板20と相対移動してパターンを塗布するように制御する過程中、まず各画素溝の幅及び画素隔壁の高さなどのパラメータを取得し、それから、上記パラメータに基づいてマイクロニードル40の端部のxyz方向における運動経路を算出することができる。
【0044】
1つの代替的な実施例において、塗布されたパターンの線幅は2μmであることができ、内径が3μmであるマイクロニードル40を利用することができ、この場合、画素(即ち、画素隔壁で囲まれた基板20のある領域)を列ごとに塗布する際に、マイクロニードル40の端部が基板20における画素隔壁又は他の分離構造に衝突することを回避するために、第2距離の大きさを制御することで、マイクロニードル40から基板20上の画素隔壁までの高さを制御することができ、マイクロニードル40が画素隔壁にて持ち上げられ、基板20にて落下するように制御することができる。この場合、パターンを基板20に塗布するたびに、マイクロニードル40をやや持ち上げさせ、移動させ、落下させる必要があり、その後、次のパターンを塗布する。
【0045】
他の代替的な実施例において、異なる内径のマイクロニードル40を利用して塗布されたパターンの線幅を制御することもでき、例えば、希望の塗布線幅は相変わらず2μmであれば、10μmの内径のマイクロニードル40を選択することができ、この場合、マイクロニードル40の端部と基板20との最短距離が第2距離以下となるように、マイクロニードル40を短距離で落下させればよく、液滴50と基板20との接触面の幅を2μmに制御すれば、この線幅を満足することができ、塗布する際に連続的な運転することができる。また、例えば、希望の塗布線は相変わらず2μmであれば、1.7μmの内径のマイクロニードル40を選択することもでき、この場合、マイクロニードルの端部と基板との最短距離が第2距離以下となるように、マイクロニードル40を長距離で落下させ、この時、マイクロニードル40の端部から出た液滴は、基板とマイクロニードルの端部の両方からの圧力を受け、液滴50と基板20との接触面の幅がマイクロニードル40の内径より若干大きく、該接触面の幅は2μmに達することができ、この時、上記線幅の要求を満足することもできる。基板20と分離構造(材料は樹脂又は他の適切な材料である)は、通常、異なる表面化学特性を有するため、塗布された材料が分離構造の表面に付着するのを回避することができる。
【0046】
1つの代替的な実施形態として、第2距離は、液滴50塗布されたパターンの線幅を制御することができ、例えば、第2距離が小さいほど線幅が大きくなることができ、逆に小さくなり、これにより線幅を制御することができる。
【0047】
具体的には、本実施例において、第2距離が大きい場合、液滴50と基板20との接触面が小さければ、塗布の線幅が小さい。また、第2距離が小さく、即ち、マイクロニードル40の端部が基板20に非常に接近していれば、塗布された線幅が大きい。
【0048】
1つの代替的な実施形態として、マイクロニードル40の内径は1μm~1mmであり、好ましくは、マイクロニードル40の内径と塗布されたパターンの線幅との比の範囲は1:0.5~1:1.5である。これは、マイクロニードルと基板との距離 (塗布時)が上下変動する際に、塗布された線幅も激しく変動することがないように、塗布の安定性を向上させるためである一方、塗布された線幅がマイクロニードルの内径を遥かに超えるため、押圧された液滴50が「フラットすぎ」、塗布する際に安定して制御しにくい現象を回避するように、液滴50への制御性を向上させるためでもある。
【0049】
上述した代替的な実施形態によれば、塗布中の線幅を制御しにくい問題を解決することができ、1つの代替的な実施形態において、塗布終了後の液体供給の停止を制御するステップをさらに追加することができ、例えば、塗布終了後に、マイクロニードル40を持ち上げられ(即ち、マイクロニードル40が基板から離れた方向へ移動するように制御する)、マイクロニードル40の端部と基板20との距離が第2距離を超えた場合、液体供給を停止する。この場合、塗布用の液体供給の停止への制御をある程度より精確に行うことができる。
【0050】
本実施例において、塗布装置をさらに提供し、図2は、本発明の実施例による塗布装置の構造ブロック図であり、図2に示すように、該装置は、
液体を吐出し、前記基板20と相対移動してパターンを塗布するように制御される少なくとも1つのマイクロニードル40と、
基板20を載置する載置ステージ10と、
マイクロニードル40の端部から基板20までの距離を測定する位置決め装置(図においてレーザ位置決めが利用されているが、これは1つの実施形態に過ぎず、他のタイプの位置決め装置を利用してもよい。レーザ位置決めを行う時にレーザ位置決め群を利用することができ、このようにして比較的に正確であり、もちろん、他の位置決め方式を利用してもよい)と、
少なくとも1つのマイクロニードル40への液体供給を行う液体供給装置(図2に示されていない)と、を備え、位置決め装置で測定した前記マイクロニードル40の端部から前記基板20までの距離は、液体供給を行う根拠であり、つまり、位置決め装置で位置決められたマイクロニードル40の端部から基板20までの距離に基づいて少なくとも1つのマイクロニードル40への液体供給を行う。
【0051】
上記装置によれば、マイクロニードル40から基板20までの距離を検出してから、液滴50の大きさを制御し塗布を行う。これはマイクロニードル40の液出口の保護に有益であり、溶媒の早期揮発によって液滴50によってマイクロニードル40が詰まってしまう確率をある程度低減することができ、好適な塗布ソリューションを提供する。
【0052】
以下の代替的な実施形態の効果は、上記方法に記述されているため、ここではその詳細な説明を省略する。
【0053】
1つの代替的な実施形態として、位置決め装置は、レーザ位置決め装置30、少なくとも1つのマイクロニードル40の液出口の圧力検出装置のうちの少なくとも一方を含む。
【0054】
1つの代替的な実施形態として、レーザ位置決め装置30は、第1のレーザ位置決め装置31と第2のレーザ位置決め装置32とを含み、第1のレーザ位置決め装置31は、上レーザと下レーザとを含む。
【0055】
1つの代替的な実施形態として、上レーザは、マイクロニードル40の端部を位置決めし、下レーザは、液滴50の最下端位置を位置決めする。
【0056】
1つの代替的な実施形態として、第2のレーザ位置決め装置32は、マイクロニードル40の端部と基板20との距離を位置決めする。
【0057】
1つの代替的な実施形態として、マイクロニードル40の内径は1μm~1mmであり、好ましくは、マイクロニードル40の内径と塗布されたパターンの線幅との比の範囲は1:0.5~1:1.5である。
【0058】
上述した比の範囲の調整は、マイクロニードル40の端部から出た液滴50の大きさ、塗布する際にマイクロニードル40の端部が基板20と離れた距離の大きさ、塗布時のマイクロニードル40の移動速度の大きさ、液滴50の粘度の大きさ等の要素を制御することで実現されることができる。例えば、上述した内径と線幅との比が1:1.5であることを実現するために、出た液滴50が大きくなるように第1距離を内径の半分に制御し、塗布する際に基板20から離れた距離を小さく制御し、かつ粘度が小さい材料で液滴50を形成することができ、このように塗布する際に、液滴50は、基板20及びマイクロニードル40の端部からの押圧作用を受けたため、基板との接触面の幅が大きくなる、さらに、マイクロニードル40の移動に伴って液体供給装置が液体供給を継続して行い、マイクロニードル40への液体供給が充分であり、そして液滴50の粘度が小さく、流動拡散しやすいため、上述した1:1.5の比を実現することができる。同様に、上述した要素を調整することで内径と線幅との比が1:0.5であることを実現することができ、ここではその詳細な説明を省略する。
【0059】
1つの代替的な実施形態として、マイクロニードル40の外壁及び横截面には表面張力が閾値よりも小さいコーティングを塗布され、閾値は、マイクロニードル40の外壁及び前記端部表面のコーティングが液滴50で濡れるほどの表面張力である。
【0060】
以下、1つの代替的な実施例を結合して上述した代替的な実施形態について説明する。
【0061】
該装置は、以下の部材を備えることができる。
【0062】
1、マイクロニードル40(複数であってもよい)、
【0063】
2、マイクロニードル40のXYZ軸における移動を制御可能な移動装置、
【0064】
3、基板20を載置する載置ステージ10(さらに、XYZ軸に精密に移動可能な載置ステージ10であることが好ましい)、
【0065】
4、レーザ位置決め装置30(2対あり、一対は、マイクロニードル40の位置決めを行うものであるレーザ位置決め群1であり、一対は塗布平面において、マイクロニードル40に垂直な方向にあるものであるレーザ位置決め群2である)、
【0066】
レーザ位置決めの代替案:他の方式(例えば、液出口の圧力検出等)によって液滴50が吊り下げられるように制御することで塗布を実現することも予期できる。
【0067】
5、液体供給装置(模式図2には示されていない)。
【0068】
本実施例の塗布過程は、以下のように行われることができる。
【0069】
一、マイクロニードル40の位置決めを行う。図3は、本発明の実施例によるマイクロニードルの位置決めの模式図であり、以下、図3を結合して説明する。
【0070】
レーザ位置決め群1(即ち、第1のレーザ位置決め装置31)の上下レーザをオンにし、上下レーザは、図3における破線に示すように、上方の破線は上レーザを示し、該上レーザはマイクロニードル40の端部にアライメントされ、液体供給装置が液体吐出を開始しマイクロニードル40の端部から液滴50が出ていき、図3における下方の破線は下レーザを示し、下レーザで液滴50の最下端位置を検出した時、液体供給装置は液体供給を停止し、この場合、上下レーザ間の距離を所定値1と呼び、該所定位置1は、上述した第1距離に相当する。
【0071】
所定値1は、予め設定されたものであり、吊り下げられた液滴50の大きさはこの所定値1によって間接的に制御される。液滴50が吊り下げられ、かつニードルを降りて塗布を行っていないうちに、溶媒が揮発して液滴50が収縮し、下レーザで液滴50の最下端が検出されなかった間に、液体供給装置は、下レーザで液滴50の最下端の信号が検出されるまで、液体供給を続け、液滴50を成長させる。このメカニズムは、マイクロニードル40を詰まりから有効に保護できる。
【0072】
二、塗布を行う。図4は、本発明の実施例による塗布の模式図であり、以下、図4を結合して説明する。
【0073】
塗布が開始すると、マイクロニードル40が落下し、落下方向は、図4における矢印に示すようなものであり、吊り下げられた液滴50の最下端が基板20に接触し、マイクロニードル40の端部と基板20との間隔が所定値2(第2距離に対応する)であるとレーザ位置決め群2(即ち、第2のレーザ位置決め装置32)で検出された場合、液体供給装置は液体吐出を開始する。XYZ軸に移動可能な移動装置の制御により、マイクロニードル40は、要求に応じて対応するパターン(pattern)を塗布する。
【0074】
例えば、0<所定値2≦所定値1(両者が等しければ、点接触するとみなすことができる)の場合、基板20に凹凸構造が予め設置されていれば、マイクロニードル40が基板20及び凹凸構造に衝突しないように、マイクロニードル40を持ち上げる。
【0075】
所定値2も予め設定されたものであり、この値は、液滴50で塗布されたパターン(pattern)の線幅を間接的に制御する。
【0076】
三、塗布終了する。図5は、本発明の実施例による塗布終了時の模式図であり、以下、図5を結合して説明する。
【0077】
塗布が済むと、マイクロニードル40が持ち上げられ、持ち上げ方向は、図5における矢印に示すようなものであり、レーザ位置決め群2の上レーザでマイクロニードル40の信号がモニタされなかったら(即ち、マイクロニードル40の端口と基板20との間隔が所定値2を超えた場合)、液体供給装置は液体吐出を停止する。
【0078】
上述した実施例におけるマイクロニードル40の内径範囲は1μm~1mmであることができ、マイクロニードル40の内径と塗布されたパターンの線幅との比の範囲は1:0.5~1:1.5であることが好ましい。
【0079】
塗布材料の粘度範囲は1~30cpsであり、1~10cpsであることが好ましい。
【0080】
上述した実施例において、内径が異なるマイクロニードル40を選択し、液滴50と基板20との接触位置を制御することで、異なる幅のパターン(pattern)を塗布することができる。マイクロニードル40が所定の位置について塗布しようとする際に、マイクロニードル40の端部から一定の大きさの液滴50が出るように制御してから塗布を行い、マイクロニードル40による塗布終了時に、マイクロニードル40の端部の液滴50が基板20に接触しなくなる時からマイクロニードル40が持ち上げられて液体供給の停止時まで時間差がある可能性があり、この間、マイクロニードル40の端部にて液体供給に液滴50が吊り上げられることもあるため、マイクロニードル40の所定の位置に到着時から塗布終了までの全過程において、マイクロニードル40の端部にて常に液滴50が吊り下げられ、それゆえ、マイクロニードル40の液出口の詰まりが発生しにくい。複数のマイクロニードル40を利用すれば、複数種のコーティング及び異なる線幅のパターンを同時に塗布することができ、上述した実施例により、全面にわたる塗布ではなく、精密なパターンを塗布できる。パターンを精密に塗布できるインクジェットプリントに比べ、該方法はマイクロニードル40の液出口(即ち、上述したマイクロニードルの端部)の詰まりが発生しにくい。
【0081】
本発明の上述した実施例において、各実施例に対する記述はそれぞれ独自の重点があり、ある実施例について詳しく説明していない部分は、他の実施例の関連記述を参照することができる。
【0082】
本願に提供されるいくつかの実施例において、開示された技術内容を他の方式で実現可能なことは、理解されるべきである。以上で説明した装置実施例はあくまでも概念的なものであり、例えば、上記ユニットの分類は論理的な機能によって分類したものであることができるが、実際の実現にあたり他の分類方式を用いてもよい。例えば、複数のユニット又はアセンブリを組み合わせたり、他のシステムに集積したりすることができ、或いは、いくつかの特徴を省略するか実行しなくてもよい。
【0083】
上記分離した部材として説明したユニットは、物理的に分離したものであってもよいし、物理的に分離したものでなくてもよく、ユニットとして示した部材は、物理的ユニットであってもよいし、物理的ユニットでなくてもよく、つまり、同一場所に配置されてもよいし、複数のユニットに分布されてもよい。実際のニーズに応じて、その一部又は全てのユニットにより本実施例案の目的を達成することができる。
【0084】
本発明の技術的構成により、以下の技術効果を達成する。
【0085】
マイクロニードル40の下端での液滴50の大きさ、マイクロニードル40の孔径の大きさによって、本方法は、領域への塗布(pattern)を容易に行うことができる。マイクロニードル40の下端に常に液滴50が吊り下げられ、液滴50の溶媒が揮発して液滴50が小さくなると、液体供給装置は液体供給を継続して行い、液滴50を元の体積に復帰させるため、マイクロニードル40の液出口の詰まりが発生しにくい。
【0086】
本発明は、発光デバイスをさらに含み、前記発光デバイスは、上記方法で製造される。上述した方法を採用すれば、発光デバイスの製造を低コスト化することができる。
【0087】
以上、本発明の好適な実施形態のみについて説明したが、当業者であれば、本発明の原則から逸脱しない前提において若干の改善や修飾が可能であることは指摘されるべきである。これら改善や修飾も、本発明の保護範囲内に含まれるべきである。
【符号の説明】
【0088】
10 載置ステージ
20 TFT基板
30 装置
31 装置
32 装置
40 マイクロニードル
50 液滴
図1
図2
図3
図4
図5