(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】ビーム障害に対処するための方法および装置
(51)【国際特許分類】
H04W 24/04 20090101AFI20220325BHJP
H04W 16/28 20090101ALI20220325BHJP
H04B 7/06 20060101ALI20220325BHJP
H04W 36/00 20090101ALI20220325BHJP
【FI】
H04W24/04
H04W16/28
H04B7/06 956
H04B7/06 986
H04W36/00
(21)【出願番号】P 2019522469
(86)(22)【出願日】2017-11-02
(86)【国際出願番号】 IB2017056826
(87)【国際公開番号】W WO2018083624
(87)【国際公開日】2018-05-11
【審査請求日】2019-06-27
(32)【優先日】2016-11-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】グラント, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】フレンヌ, マティス
(72)【発明者】
【氏名】ニルソン, アンドレアス
(72)【発明者】
【氏名】ティデスタフ, クラース
【審査官】石原 由晴
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2016/0183233(US,A1)
【文献】国際公開第2016/086144(WO,A1)
【文献】特表2014-527367(JP,A)
【文献】InterDigital Communications,Beam-based aspects for New Radio[online],3GPP TSG-RAN WG2 #95-BIS R2-167137,インターネット<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_95bis/Docs/R2-167137.zip>,2016年10月01日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/06
H04B 7/24-7/26
H04W 4/00-99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1、4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザ機器(UE)(101)と通信するのに、少なくとも1つの送信ポイント(TRP)(150、950)によって行われる方法(700)であって、
前記少なくとも1つのTRPが、i)信頼性のある送受信のために、第1のTRP(150)によって使用される第1の送信(TX)ビーム(102)及び前記UEによって使用される第1の受信(RX)ビーム(106)を含むビームのペアとして規定される第1のビーム対リンク(BPL)
と、ii)信頼性のある送受信のために、第2のTRP(150、950)によって使用される第2のTXビーム(104)及び前記UEによって使用される第2のRXビーム(108)を含むビームのペアとして規定される第2のBPL
とを使用し、前記第1のTRP及び第2のTRPが同一又は異なるTRPであり、前記方法が、
前記UE(101)と通信するのに前記第1のTXビーム(102)を使用すること(s702)と、
前記UE(101)から、前記第1のTXビーム(102)がビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示す情報を受信すること(s704)と、
前記情報が受信された後、前記UE(101)と通信するのに第2のTXビーム(104)を使用すること(s706)と、を含み、
前記第1のTXビーム(102)がビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示す前記情報が、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルであり、
前記UE(101)から前記RACHプリアンブルを受信することが、TRP(150、950)がRACH上で前記UE(101)からの送信を受信することを含み、前記送信が、前記RACHプリアンブルを含み、
前記RACHプリアンブルが、前記UE(101)が無線リソース制御(RRC)接続の再確立要求を行っているときに前記UE(101)が送信するように構成されているRACHプリアンブルとは区別できる、ビーム対リンクスイッチ(BPS)プリアンブルであ
り、
前記方法が、前記UE(101)から前記情報を受信した結果として、前記TRP(150、950)のうちの1つが、TRP(150、950)が前記UE(101)と通信するのに前記第2のTXビーム(104)を使用しているまたは使用するようになることを、前記UE(101)に知らせるビームアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む、
方法。
【請求項2】
前記方法が、
前記UE用のアクティブBPLとして前記第1のBPLを使用し(s302)、
前記UE用のモニタリング対象BPLとして前記第2のBPLを使用し(s304)、
前記第1のBPLが前記アクティブBPLとして使用されており、前記第2のBPLが前記モニタリング対象BPLとして使用されている間に、i)前記第1のBPLを使用して制御情報を前記UEに送信すること(s306)、及び、ii)前記第2のBPLを使用して制御情報を前記UEに送信すること(s306)、
前記第2のTRPが、前記UEから、前記UE用のアクティブBPLとして前記第2のBPLを使用し始めるという要求を受信すること(s308)、および、
前記要求が受信された後に、前記第2のTRPが、前記UE用のアクティブBPLとして前記第2のBPLを使用すること(s310)、をさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記UE(101)と通信するのに前記第2のTXビーム(104)を使用することが、TRP(150、950)が、前記第2のTXビーム(104)を使用して、スケジューリングコマンドをPDCCH上で前記UE(101)に送信することを含む、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記情報を受信する前に、i)前記第1のTXビーム(102)を使用して、参照信号を前記UE(101)に送信することと、ii)前記第2のTXビーム(104)を使用して、前記参照信号を前記UE(101)に送信することとをさらに含み、
任意で、前記参照信号が、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS)である、
請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
ユーザ機器(UE)(101)と通信するのに、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)(150、950)によって行われる方法(800)であって、
前記1つまたは複数のTRPが、i)信頼性のある送受信のために、第1のTRP(150)によって使用される第1の送信(TX)ビーム(102)及び前記UEによって使用される第1の受信(RX)ビーム(106)を含むビームのペアとして規定される第1のビーム対リンク(BPL)
と、ii)信頼性のある送受信のために、第2のTRP(150、950)によって使用される第2の送信(TX)ビーム(104)及び前記UEによって使用される第2のRXビーム(108)を含むビームのペアとして規定される第2のBPL
とを使用し、前記第1のTRP及び第2のTRPが同一又は異なるTRPであり、前記方法が、
前記第1のTRP(15
0)の
第1のアンテナポート
セットを前記UE(101)用のアクティブアンテナポートセットとして使用すること(s802)と、
前記第1のアンテナポートセットが前記アクティブアンテナポートセットとして使用されている間、前記UE(101)から、前記第1のアンテナポートセットに関連付けられた第1のTXビーム(102)がビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示す情報を受信すること(s804)と、を含み、
前記情報が、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルであり、
前記UE(101)から前記RACHプリアンブルを受信することが、TRP(150、950)がRACH上で前記UE(101)からの送信を受信することを含み、前記送信が、前記RACHプリアンブルを含み、
前記RACHプリアンブルが、前記UE(101)が無線リソース制御(RRC)接続の再確立要求を行っているときに前記UE(101)が送信するように構成されているRACHプリアンブルとは区別できる、ビーム対リンクスイッチ(BPS)プリアンブルであ
り、
前記方法が、前記UE(101)から前記情報を受信した結果として、前記TRP(150、950)のうちの1つが、TRP(150、950)が前記UE(101)と通信するのに前記第2のTXビーム(104)を使用しているまたは使用するようになることを、前記UE(101)に知らせるビームアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む、
方法(800)。
【請求項6】
前記第1のアンテナポートセットが、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートである、および/または、
前記方法が、前記UE(101)に、第1の閾値(Bout)及び第2の閾値(Nout)を含むBPL障害(BPLF)パラメータを提供すること、さらに含む、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記TRP(150、950)が、前記RACHプリアンブルを受信した結果として、前記UE(101)と通信するために第2のTXビーム(104)を使用し、前記第2のTXビーム(104)が、第2のアンテナポートセットに関連付けられている、請求項5に記載の方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項の前記方法を行うように構成されている、送信ポイント(TRP)(150、950)。
【請求項9】
1つまたは複数の送信ポイント(TRP)(150、950)と通信するユーザ機器(UE)(101)によって行われる方法(900)であって、前記1つまたは複数のTRP(150、950)が、
i)信頼性のある送受信のために、第1のTRP(150)によって使用される第1の送信(TX)ビーム(102)及び前記UEによって使用される第1の受信(RX)ビーム(106)を含むビームのペアとして規定される第1のビーム対リンク(BPL)
と、ii)信頼性のある送受信のために、第2のTRP(150、950)によって使用される第2のTXビーム(104)及び前記UEによって使用される第2のRXビーム(108)を含むビームのペアとして規定される第2のBPL
とを使用し
て、メッセージを前記UE(101)に送信するように構成され、前記第1のTRP及び第2のTRPが同一又は異なるTRPであり、前記1つまたは複数のTRP(150、950)が、前記第1のBPLを前記UE(101)用のアクティブBPLとして使用し、前記方法が、
前記UE(101)が、前記第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かを判断すること(s902)と、
前記第1のBPLがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、前記UE(101)が、前記第1のBPLがビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示すメッセージを送信すること(s904)と、を含み、
前記第1のBPLがビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示
すメッセージが、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルであり、
前記RACHプリアンブルを前記TRP(150、950)に送信することが、RACH上で行われ、前記送信が、前記RACHプリアンブルを含み、
前記RACHプリアンブルが、前記UE(101)が無線リソース制御(RRC)接続の再確立要求を行っているときに前記UE(101)が送信するように構成されている前記RACHプリアンブルとは区別できる、ビーム対リンクスイッチ(BPS)プリアンブルであ
り、
前記方法が、前記UE(101)から前記メッセージを受信した結果として前記TRP(150、950)のうちの1つから送信されるビームアクティブ化コマンドを受信することであって、TRP(150、950)が前記UE(101)と通信するのに前記第2のTXビーム(104)を使用しているまたは使用するようになることを、前記UE(101)に知らせる前記ビームアクティブ化コマンドを受信することをさらに含む、
方法(900)。
【請求項10】
前記方法が、
前記UE(101)が、前記第2のTXビーム(104)を使用して前記TRP(150、950)のうちの1つまたは複数によって送信された参照信号を受信するのに、第2のBPLの第2のRXビームを使用することをさらに含む、および/または、
前記参照信号がチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)である、および/または、
前記UE(101)が前記メッセージを送信した後、前記UE(101)が、前記UE(101)に送信されたスケジューリングコマンドを探すのに第2のRXビームを使用することをさらに含む、および/または、
前記第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かを判断することが、前記UE(101)が、参照信号の測定に基づき、複数の参照信号品質値を計算し、前記複数の計算された参照信号品質値のそれぞれに対して、前記計算された参照信号品質値またはそれの関数が閾値よりも小さいか否かを、前記UE(101)が判断すること、を含む、および/または、
前記第1のBPLがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、前記UE(101)が、複数の前記メッセージを送信する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
1つまたは複数の送信ポイント(TRP)(150、950)と通信するユーザ機器(UE)(101)によって行われる方法(1000)であって、
前記1つまたは複数のTRPが、i)信頼性のある送受信のために、第1のTRP(150)によって使用される第1の送信(TX)ビーム(102)及び前記UEによって使用される第1の受信(RX)ビーム(106)を含むビームのペアとして規定される第1のビーム対リンク(BPL)
と、ii)信頼性のある送受信のために、第2のTRP(150、950)によって使用される第2のTXビーム(104)及び前記UEによって使用される第2のRXビーム(108)を含むビームのペアとして規定される第2のBPL
とを使用し、前記第1のTRP及び第2のTRPが同一又は異なるTRPであり、前記UE(101)がTRP(150、950)から送信されたチャネル推定のために使用
される
第1の
参照信号(RS)のセットおよび第2の
参照信号(RS)のセットを測定しており、前記TRP(150、950)が、前記第1のRSのセットを前記UE(101)用のアンテナポートのアクティブセットとして使用し、前記方法が、
前記UE(101)が、前記第1のRSのセットがビーム障害に見舞われているか否かを判断すること(s1002)と、
前記第1のRSのセットがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、前記UE(101)が、前記第1のRSのセットがビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示すメッセージを送信すること(s1004)と、を含み、
前記第1のRSのセットがビーム障害に見舞われていると前記UE(101)が判断したことを示
すメッセージが、ランダムアクセスチャネル(RACH)プリアンブルであり、
前記RACHプリアンブルを前記TRP(150、950)に送信することが、RACH上で行われ、前記送信が前記RACHプリアンブルを含み、
前記RACHプリアンブルが、前記UE(101)が無線リソース制御(RRC)接続の再確立要求を行っているときに前記UE(101)が送信するように構成されている前記RACHプリアンブルとは区別できる、ビーム対リンクスイッチ(BPS)プリアンブルであ
り、
前記方法が、前記UE(101)から前記メッセージを受信した結果として前記TRP(150、950)のうちの1つから送信されるビームアクティブ化コマンドを受信することであって、TRP(150、950)が前記UE(101)と通信するのに前記第2のTXビーム(104)を使用しているまたは使用するようになることを、前記UE(101)に知らせる前記ビームアクティブ化コマンドを受信することをさらに含む、
方法(1000)。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一項の前記方法を行うように構成されている、ユーザ機器(UE)(101)。
【請求項13】
プロセッサ(1155、1255)上で実行されたときに、請求項1から7、9から11のいずれか一項の前記方法の全てのステップを行うように前記プロセッサを設定するコンピュータ可読命令(1144、1244)を含む、コンピュータ可読媒体(1142、1242)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
ビーム障害に対処するための実施形態が開示される。
【背景技術】
【0002】
「5G」と呼ばれる次世代移動体無線通信システムは、多様なユースケースおよび多様な展開シナリオに対応するであろう。5Gは、今日の4Gネットワークの進化と、「新しい無線」(NR:New Radio)として知られる新しい世界標準の無線アクセステクノロジーの追加に及ぶであろう。
【0003】
多様な展開シナリオには、今日のLTEと同様の低周波(数百MHz)、および超高周波(数十GHzのミリ波)の両方における展開が含まれる。高周波では、伝搬特性が、良好なカバレッジの実現を難しくする。このカバレッジ問題に対する1つの解決策は、高利得ビームフォーミングを採用して、十分なリンクバジェットを実現することである。このような高利得ビームフォーミングの場合、ビームは、通常、かなり狭く、ビームトラッキングを難しくし、すなわち、UEがマルチビーム送信ポイント(TRP)(別名、「送受信ポイント」)のカバレッジエリア内およびカバレッジエリア間の両方で動くのに従って、適切なビームを見つける、維持する、それらのビーム間で切り替えを行うことを難しくする。
【0004】
ビームフォーミングは、アンテナ素子ごとの信号に振幅シフトおよび/または位相シフトが適用されるアンテナアレイの複数のアンテナ素子から同じ信号を送信することを意味する。これらの振幅/位相シフトは、一般にアンテナウェイトとされ、アンテナのそれぞれに対するアンテナウェイトの集まりは、プリコーディングベクトルである。異なるプリコーディングベクトルが、送信信号のビームフォーミングを生じさせ、アンテナウェイトは、信号がアンテナアレイから見てある角度方向にコヒーレント結合しているように制御され得、この場合、ビームがその方向に形成されると言われる。アレイのアンテナが二次元に、すなわち、平面に置かれている場合、ビームは、アンテナアレイに直角の平面に関して方位角方向および仰角方向の両方に向けられ得る。
【0005】
3GPPでは、マルチビームシステム用に、ビーム対処に対する少なくとも2つの大きな区分が定められており、(1)ソース(または、サービング)TRPにより送信されるビームとターゲットTRPによって送信されるビームとの間の接続モード移動性の区分であって、この場合、ターゲットとは、UEが同期を確立することも維持することもしていないTRPである、区分と、(2)UE移動によりビームトラッキングが必要とされ、UEが絶えずそれとの時間および周波数の同期を維持する同じ(サービング)TRPによって、ビームが通常送信されるビーム管理の区分と、である。本開示のいくつかの実施形態は、後者の手順、すなわち、ビーム管理に当てはまる。以下では、確実な送受信に向けて、TRPによって使用される適切な送信(TX)ビームとUEによって使用される適切な受信(RX)ビームとから成るビーム対として規定されているビーム対リンク(BPL:Beam-Pair Link)に触れる。
【0006】
Long Term Evolution(LTE)無線リンク障害(RLF:Radio Link Failure)の対処
【0007】
LTEでは、RLF宣言が、無線リソース制御(RRC:Radio Resource Control)接続再確立試行をトリガし、このプロセスは、以下のように進む。UEは、常時オンのセル固有参照信号(CRS:Cell-specific Reference Signal)に基づき信号対干渉比(SINR:Signal-to-INterference Ratio)を測定することによって、進行中の接続の「健康状態」を絶えずモニタする。物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH:Physical Downlink Control Channel)の確実な受信が可能ではないほどに無線状態が良くないとUEが見なすと、RLFがUEによって宣言される。「十分に良くない」基準は、上位層によって設定されている少なくとも4つのパラメータ、閾値Qout、閾値Qin、非同期(OOS:Out-Of-Sync)カウントN310、およびタイマT310によって制御される。N310連続測定間隔において、CRSに対して測定されたSINRが閾値Qoutを下回る場合、タイマT310が開始される。閾値Qoutは、通常、10%のPDCCH上のターゲットブロック誤り率(BLER:BLock-Error-Rate)に対応するように選択される。測定SINRが、T310が終了する前に、十分に改善されない場合(すなわち、第2の閾値Qinを上回る)、UEは、RLFを宣言する。これにより、RRC接続再確立試行-3GPP無線リソース制御規格36.331で指定される上位層、すなわちレイヤ3(RRC)の規定プロセスがトリガされる。これは、UE環境が、ソース基地局(eNB)および/またはモビリティ管理エンティティ(MME:Mobility Management Entity)から追い出されていない場合にコアネットネットワークシグナリングが少ないことを除いて、UEがRRC_IDLEからRRC_CONNECTEDモードへの移行時に経る一連のステップと同様である。
【0008】
基本接続再確立ステップは、UEがセル調査を開始することで始まる。最も良いセル(「ターゲットセル」と呼ばれる)が決定されると、UEは、ターゲットセルのブロードキャストチャネルからシステム情報を取得する。UEは、次に、システム情報に明示されたRACHリソース(時間/周波数リソース)を使用して、ランダムアクセス手順(RACH)を始める。RACH手順のステップ1は、UEがターゲットセルによって検出可能であるRACHプリアンブルを送信することである。ターゲットeNBがRACHプリアンブルを検出すると、ターゲットeNBは、うまくいったプリアンブル検出を肯定応答するステップ2において、ランダムアクセス応答(RAR:Random Access Response)を送る。ステップ3において、UEは、「RRC接続再確立要求」メッセージをターゲットeNBに送る。これにより、ターゲットeNBが元のサービングセル(「ソースセル」と呼ばれる)からのコンテキストフェッチ(前のRRC接続についての情報)を試行することを伴うことがある手順組がトリガされる。UEセルサーチによって決定された最も良いセル、すなわちターゲットセルがソースセルとは異なる場合、コンテキストフェッチが必要とされる。コンテキストフェッチは、ターゲットセルをホストするeNBとソースセルをホストするeNBとの間のX2接続にわたり起こる。コンテキストファッチがうまくいくと、接続が再確立される。うまくいかなかった場合、真新しいRRC接続が設定され、追加のコアネットワークシグナリングを伴うさらなるレイヤ3(L3)手順(例えば、RRC手順)を伴うことになる。
【0009】
上記の無線リンクモニタリング(RLM:Radio Link Monitoring)手順は、5G NRに対してはまだ規定されていないが、同様の機構が新しい標準に向けての適切な修正を加えて導入されることが期待されることに留意されたい。
【0010】
参照信号、アンテナポート、および疑似コロケーション(QCL:Quasi Co-Location)
【0011】
LTEでは、チャネル推定に使用される参照信号(RS:Reference Signal)は、同等にアンテナポートとされる。したがって、UEは、関連付けられたRSを使用することによって、1つのアンテナポートからチャネルを推定することができる。あるデータまたは制御送信をアンテナポートに関連付けることができ、これは、UEが、そのアンテナポート用のRSを使用して、関連付けられた制御チャネルまたはデータチャネルを復調するのに使用されるチャネルを推定するものであると言うのと同じである。データチャネルまたは制御チャネルがそのアンテナポートを使用して送信されると言ってもよい。
【0012】
LTEでは、制御チャネルまたはデータチャネルを復調する際のチャネル推定パフォーマンスを向上させるために、疑似コロケーションの概念が導入されている。この概念は、UEが、そのチャネル推定アルゴリズムをチューニングするために、1つの参照信号から長期チャネル特性を推定することができるということに頼っている。例えば、平均チャネル遅延スプレッドは、1つのアンテナポートを使用して推定され得、別のアンテナポートを使用して送信されたデータチャネルを復調するときに使用され得る。このことが許される場合、第1のアンテナポートと第2のアンテナポートとが平均チャネル遅延スプレッドに関して疑似コロケート(QCL)されると定められる。
【0013】
したがって、LTE規格において使用される際、1つのアンテナポートのシンボルが付いているチャネルの大規模チャネル特性が、他のアンテナポートのシンボルが付いているチャネルから推測され得る場合、2つのアンテナポートは、「疑似コロケート」されている。大規模チャネル特性が、遅延スプレッド、ドップラースプレッド、ドップラーシフト、平均利得、および平均遅延のうちの1つまたは複数を含むのが好ましい。
【0014】
さらにまたは別法として、大規模チャネル特性には、ポートごとの受信電力、受信タイミング(すなわち、最初の有意なチャネルタップのタイミング)、有意なチャネルタップ数、および周波数シフトのうちの1つまたは複数を含めることができる。疑似コロケートされたアンテナポートに対応するRSに基づき、チャネル推定アルゴリズムチューニングを行うことによって、チャネル推定の品質は、大幅に向上する。
【0015】
NRでは、LTEに対するそれらのQCLパラメータ使用に加えて、チャネルの空間特性に対してQCLを導入することが認められている。既存のQCL枠組みを、空間チャネル特性によって決まってくる新しいQCLパラメータで補うことによって、UEが、明示されていない限り、1つの参照信号からの測定値を使用して、別の信号の受信または処理を助けることが許されないという規則に背くことなく、UEに、様々な信号タイプにわたって空間処理を行うことを可能にさせることができる。
【0016】
このような空間処理の例には、アナログ受信機ビームフォーミングと、空間処理利得を使用してチャネル推定を向上させるチャネル推定とがある。
【0017】
あるネットワークにおける2つのノード、TXノードとRXノードとの間の通信を想定してみる。TXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートから第1の参照信号(RS)集合を送信する。RXノードは、1つまたは複数の受信アンテナポートを使用して送信参照信号を受信し、受信された第1の送信RS集合に基づき、そのチャネルの空間特性を捕捉する1つまたは複数のパラメータを決定または推定する。RXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートからの第2の送信RS集合が、前記第1のRSと疑似コロケート(QCL)されているという表示を決定し、QCLは、そのチャネルの空間特性を捕捉する1つまたは複数のパラメータに関して与えられている。TXノードは、1つまたは複数の送信アンテナポートから第2の送信RS集合を送信する。RXノードは、第1のRS集合に基づいているチャネルの空間特性を捕捉する決定されたパラメータのうちの1つまたは複数を利用して、第2のRS集合の受信を助ける。
【0018】
言い換えれば、RXノード、通常UEは、同じRXビームフォーミングウェイト(別名、アンテナウェイトまたは「RXビーム」)を使用して、第2のRSが空間パラメータに関して第1のRSとQCLである場合、UEが第1の信号(例えば、測定信号、例えばCSI-RS)を受信したときにUEが使用したRXビームフォーミングウェイト(「RXビーム」)として、第2の信号および関連付けられたRS(制御送信DMRSまたはデータ送信DMRSなど)を受信することができる。
【0019】
空間特性に関連付けられたQCLパラメータは、UE RXビームフォーミングまたはUE RX受信パラメータに関連付けられる。したがって、UEが2つの異なる空間QCLパラメータを使用する場合、UEが2つの異なるRXビームフォーミングウェイト(または同等に、UE RXアンテナからの信号を結合する2つの異なる手法)を使用することを示すことができる。
【0020】
空間パラメータは、RX側またはTX側における、到来角、角度広がり、または空間相関の空間相関行列であり得る。
【0021】
データ受信に使用されるUE側ビームフォーミング/受信手順に関わる情報がQCLを通してUEに示され得ることが(5G基地局(gNBと表示)から)、NRに対して認められている。
【0022】
NRビーム障害および/または遮断に取り組むための機構が求められる。
【発明の概要】
【0023】
一態様において、ユーザ機器(UE)と通信するのに、1つまたは複数の送信ポイント、TRPによって行われる方法が提供される。実施形態によっては、方法は、UEと通信するのに第1の送信(TX)ビームを使用し、UEから、第1のTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す情報を受信し、情報が受信された後、UEと通信するのに第2のTXビームを使用すること、を含む。一実施形態において、方法は、UEから情報を受信した結果として、TRPのうちの1つが、TRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることを、UEに知らせるビームアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む。一実施形態において、方法は、UEから情報を受信した結果として、第1のTRPが、第1のTRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第1のビームアクティブ化コマンドを送信するのに、第1のTXビームを使用し、第2のTRPが、第2のTRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第2のビームアクティブ化コマンドを送信するのに、第2のTXビームを使用することをさらに含む。
【0024】
別の態様において、方法は、第1の集合の1つまたは複数のアンテナポートをUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し、第1のアンテナポート集合がアクティブアンテナポート集合として使用されている間、UEから、第1のアンテナポート集合に関連付けられたTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す情報を受信することを含む。実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートである。実施形態によっては、方法は、UEに特定のパラメータを提供することをさらに含み、特定のパラメータは、UEが無線リンク障害(RLF)を検出する前にビームリンク障害を検出する高い確率を有するように、設定されている。実施形態によっては、情報は、プリアンブルである。実施形態によっては、UEからプリアンブルを受信することは、TRPが、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、プリアンブルを含む。
【0025】
別の態様において、送信機と、受信機と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムと、を含むTRPが提供され、TRPは、上記の方法のいずれかを行うように設定されている。
【0026】
別の態様において、1つまたは複数の送信ポイント、TRPと通信するユーザ機器(UE)によって行われる方法が提供され、1つまたは複数のTRPは、第1のビーム対リンク(BPL)を使用して、情報をUEに送信するように設定され、1つまたは複数のTRPは、第1のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用する。方法は、第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かをUEが判断し、第1のBPLがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、第1のBPLがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示すメッセージをUEが送信することを含む。実施形態によっては、メッセージの方法は、ビーム切り替え要求である。実施形態によっては、第1のBPLは、第1の受信(RX)ビーム、および第1の送信(TX)ビームを含み、方法は、UEが、第1のTXビームを使用してTRPのうちの1つまたは複数によって送信された参照信号を受信するのに第1のBPLの第1のRXビームを使用することをさらに含む。実施形態によっては、方法は、UEが、第2のTXビームを使用してTRPのうちの1つまたは複数によって送信された参照信号を受信するのに第2のBPLの第2のRXビームを使用することをさらに含む。実施形態によっては、参照信号は、チャネル状態情報参照信号(CSI-RS:Channel State Information-Reference Signal)である。実施形態によっては、方法は、メッセージを送信した後、TRPから、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることを、UEに知らせるメッセージを受信することをさらに含む。実施形態によっては、方法は、UEがメッセージを送信した後、UEが、UEに送信されたスケジューリングコマンドを探すのに第2のRXビームを使用することをさらに含む。実施形態によっては、メッセージは、プリアンブルである。実施形態によっては、プリアンブルは、UEがRACH試行を行っているときに送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものである。実施形態によっては、プリアンブルを送信することは、ランダムアクスルチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む。
【0027】
別の態様において、1つまたは複数の送信ポイント、TRPと通信するユーザ機器(UE)によって行われる方法が提供され、UEは、TRPから送信された2つのアンテナポート集合、第1の集合および第2の集合を測定しており、TRPは、第1のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用する。実施形態によっては、方法は、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われているか否かをUEが判断し、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われていると判断した結果として、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示すメッセージをUEが送信することを含む。実施形態によっては、メッセージは、ビーム切り替え要求である。実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートを含む。実施形態によっては、方法は、ビーム障害パラメータを受信することをさらに含み、パラメータは、UE(101)が、無線リンク障害(RLF)を検出する前にビーム障害を検出する高い確率を有するように、設定されている。実施形態によっては、メッセージは、プリアンブルである。
【0028】
別の態様において、送信機と、受信機と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムとを含むUEが提供され、UEは、上記の方法のいずれかを行うように設定されている。
【0029】
本明細書に組み込まれ、かつ本明細書の一部を形成している添付図面は、様々な実施形態を示す。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【
図1】TRPとUEとの間の通信の際のアクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの使用を示す図である。
【
図2】ビームリンクモニタリング(BPLM)プロセスを示す図である。
【
図3】一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図4】一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図5】一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図6】一実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図7】いくつかの実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図8】いくつかの実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図9】いくつかの実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図10】いくつかの実施形態によるプロセスを示す流れ図である。
【
図11】いくつかの実施形態によるUEのブロック図である。
【
図12】いくつかの実施形態によるTRPのブロック図である。
【
図13】2つのTRPが異なるTXビームを使用してUEと通信しているのを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0031】
いくつかの実施形態によれば、マルチビームシステムにおけるロバストなビーム管理に向けての1つの手法は、データ信号および制御信号の進行中の送受信に使用されるアクティブBPLと、フォールバック(バックアップ)目的に使用されるモニタリング対象BPLとの両方の維持である。通常、アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの両方は、UEが移動するのに従って更新され、新しい/より良いBPLが見つけられる。BPLの維持は、様々なビーム上でTRPから半持続的に/周期的に送信される参照信号(RS)の受信品質(強度)のUE測定およびTRPへのフィードバックを通して実現され得る。さらに、UEに、それの受信(RX)ビームを調整/最適化する機会を与えるために、所与のTPRビーム上の参照信号送信が繰り返されてもよい。
【0032】
アクティブBPLパスに入る物体によって、またはその背後にUEが移動して陰になってしまう物体によってアクティブBPLが遮断した場合のロバストな通信に、モニタリング対象BPLの維持が重要であることがある。遮断は、物体による透過損失が高く、物体の縁の周りの回折が弱い高周波数においてよくあることである。このような遮断が起こる場合(または、リンクの品質の他の低下が起こる場合)、この事象は、「ビーム対リンク障害」すなわちBPLFまたは簡単に「ビーム障害」と呼ばれる。BPLFは、その環境内のUE速度、および物体の運動に応じて、ゆっくり/徐々に、または非常に突然に起こり得る。ビームが狭いほど、突然のBPLFsが起こる可能性が高くなる。アクティブBPL上のBPLFから回復させるには、TRPおよびUEがともにモニタリング対象BPLに切り替わることが望ましいと考えられる。このプロセスは、
図1A、1B、および1Cに示されている。
【0033】
図1Aでは、TRP150(例えば、基地局)が、制御シグナリングおよびユーザデータをUEに送信するのに、UE101用の1つのアクティブBPLを使用し、さらにUE用の1つのモニタリング対象(バックアップ)BPLを使用することが示されている。
図1A、1B、および1Cは、ただ1つのTRPがUEと通信しているのを示すが、他の実施形態では、2つ以上のTRPが、TRPと通信していてもよく(例えば、
図13参照)、この場合、TRPのうちの1つ(例えば、TRP150)は、アクティブBPLを使用して(例えば、TXビーム102、すなわち特定のアンテナウェイトを使用して)、UEと通信し、TRPのうちのもう一つ(例えば、TRP950)は、モニタリング対象BPLを使用して(例えば、TXビーム104を使用して)、UEと通信する。アクティブBPLは、アクティブTXビーム102および対応するアクティブRXビーム106を含み、モニタリング対象BPLは、モニタリング対象TXビーム104および対応するモニタリング対象RXビーム108を含む。
【0034】
図1Bには、アクティブBPLを遮断し、それにより、UEに、アクティブBPL(すなわち、アクティブTXビーム/アクティブRXビーム対)に関してBPLFを検出させている物体190が示されている。UEが遮断に気付いていないので、UEが依存としてアクティブTXビーム102に対応するUE RXビーム106をモニタリングしていることから、TRPがモニタリング対象BPLに切り替わることができないという問題が起こる。その上、TRPもこの遮断状況に気付いていないことがある。
【0035】
TRPとUEとの間の接続を回復させるために、TRPは、
図1Cに示されるように、モニタリング対象BPLをUE用のアクティブBPLとして使用することができる。しかし、このビーム切り替えを効果的に行うには、TRPが、最初に、自分がモニタリング対象BPLをアクティブBPLとして使用することを始めるようになることをUEに信号で知らせる必要があり、そうしなければ、UEは、受信の際にいずれのUE RXビーム(すなわち、RXビーム106またはRXビーム108)を使用すべきかを知らないことになる。このことは、制御シグナリングに使用されているアクティブBPLが遮断され、劣ったまたはあり得ないチャネル品質を有することから、問題のあるものである。遮断がゆっくり起こる場合、信号の質がかなり下がってしまう前にこのシグナリングを行うための時間があり得る。TRPに「ビーム切り替え」(別名、「BPL切り替え」)をUEに信号で知らせる時間がないような、遮断が非常に急に起こるリスクがあり、この場合、UEは、そのとき遮断されているTXビーム102に対応するRXビーム106を使い続けることになる。
【0036】
本開示のいくつかの実施形態は、特に突然のビーム遮断が起こった場合のモニタリング対象BPLへのフォールバックを通したBPLF回復に、ロバストな機構を提供する。この状況では、上記のように、TRPには、UEにモニタリング対象BPLに切り替わるように告げる制御メッセージをアクティブBPL上で送るための時間がない可能性がある。同様に、UEには、TRPにBPLFを知らせるBPL品質レポートをアクティブBPL上で提供するための時間がない可能性がある。高いレベルで、BPLFが、今日のLTEにおける無線リンク障害(RLF)とのいくつかの類似点(7つの重要な違いを除く)を有することから、BPLFという用語が選ばれている。
【0037】
無線リンクモニタリング(RLM)に関する上記考察から目を向けるべき2つの側面は、(1)RRC接続再確立がそのシステム内のいくつかのノード(ソースeNB、ターゲットeNB、および潜在的にMME)間のシグナリングを伴うL3(RRC)手順であることと、(2)今日規定されている手順が、ビーム指向手順ではなくセル固有手順であることである。
【0038】
5G NR用のビーム指向システムの場面において求められるものは、例えば、アクティブBPLの突然の遮断によるBPLFの場合のアクティブBPLとモニタリング対象BPLとの間の切り替えのためのロバストで素早い手法である。これは、可能な限り接続ギャップをエンドユーザには分からないようにすることを確実にする。BPLFへの素早い反応のための重要な側面は、切り替えプロセスが、L1および/またはL2がただ1つのTRPと、またはせいぜいしっかり同期されたTRP間でシグナリングすることのみに関わることを確実にすることである。RLFによってトリガされる接続再確立を伴う無線リンクモニタニングは、壊滅的なリンク障害には適するが、アクティブBPLとモニタリング対象BPLとの間の素早い切り替えには、それの比較的遅い反応時間により適さない。さらに、今日規定されている無線リンクモニタリングは、ビーム指向プロセスではない。
【0039】
本開示のいくつかの実施形態は、アクティブBPLがBPLFに見舞われている(例えば、アクティブBPLの品質が閾値を下回っている)ときに、ネットワーク(NW)に、アクティブBPLからモニタリング対象(バックアップ)BPLに切り替わることを可能にさせることによる、ビーム対リンク障害(BPLF)からの回復のための低レイヤ(L1/L2)機構を提供する。この機構は、壊滅的なリンク障害に対処する無線リンクモニタリングと並行して動くように意図されているが、より素早い反応時間によって、アクティブBPLとモニタリング対象BPLとの間の素早い切り替えが可能になるように働く。
【0040】
一態様において、機構は、アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの品質の継続的なUEモニタリングに基づいており、UEが、アクティブBPLの深刻な性能低下によりBPLFを認めた場合、UEは、NWに通知する(すなわち、信号を送信する)。通知は、ビーム対リンク切り替え(BPS:Beam Pair link Switch)プリアンブルと呼ばれ、RRC接続再確立手順に使用されるそれらのRACHプルアンブルとは異なる、特定のRACHプリアンブルなどのプリアンブルの形式である。BPSプリアンブルの重要な側面は、BPSプリアンブルがUE要求の(ただし、依然としてネットワーク制御の)アクティブ/モニタリング対象ビーム切り替え要求であることをNW(例えば、TRP)が理解しているという点である。したがって、NWは、BPSプリアンブルを受信した結果としてのRRC接続再確立手順を進めないことになる。そのため、ネットワークは、BPSプリアンブルを受信するのを受けてのランダムアクセス応答(RAR)も送らず、NWは、BPSプリアンブルに基づくUEからの接続再確立を求める要求も待たないことになる。
【0041】
このことの利点は、機構が、ビーム対リンク障害(BPLF)が起こったことをNWに知らせる非常に素早いやり方を提供し、無線リンク障害(RLF)が検出される前のアクティブBPLからモニタリング対象BPLへの素早い切り替えを容易にするという点である。
【0042】
本開示のいくつかの実施形態は、BPLモニタリング(BPLM)のための手法を提供する。ある実施形態例において、BPLMは、1)アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの品質(例えば、信号強度または信号対雑音および干渉比)の継続的なモニタリング、2)少なくともアクティブリンクの品質に基づくBPLFの検出、3)初期システムアクセス要求試行またはRRC再確立要求試行に使用されるそれらのプリアンブルとは異なる、ビームリンク対切り替え(BPS)プリアンブルと呼ばれるプリアンブル送信(例えば、特定のRACHプリアンブル)の送信を通したネットワークへのBPLFの通知、の態様を含む。BPSプリアンブル送信は、アクティブ/モニタリング対象BPL切り替え要求としてネットワークによって解釈されるべきものである。
【0043】
図2は、BPLMプロセス(内側ループ)202が、無線リンクモニタリング(RLM)プロセス(外側ループ)204と並行して(すなわち、同時に)実行することができることを示す。重要な違いは、BPLMが厳密にL1/L2プロセスである一方、RLMがL3(RRC)に関わる点である。その結果として、BPLMは、BPLF検出/BPL切り替えに関して、RLF検出/RRC接続再確立よりも速い反応速度を有するように設計されている。それにより、BPL切り替えは、UEがRLFを宣言する前に起こるとされている。
【0044】
BPLMを有効にするために、UEは、BPLごとに送信されるUE固有のまたはセル固有の参照信号(RS)に基づき、BPL品質、例えば、信号強度または信号対雑音および干渉比を測定するように設定されている。ある例は、今日のLTEに使用されるいわゆるチャネル状態情報参照信号(CSI-RS)である。この信号の異形が、5G NRに対して標準化されることが期待される。アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの両方は、例えば、アクティブBPLを使用して、UEからNWに継続的にフィードバックされるCSI-RSRP/RSRQ測定値に基づき、UEが1つまたは複数のTRPのカバレッジエリア内で移動するのに従って更新される。
【0045】
これらの測定値およびフィードバックレポートに基づき、通常、UEおよびNWの両方は、アクティブBPLが低下し始めたときまたは場合のビューを有する。この低下は比較的ゆっくり、または非常に突然起こる可能性がある。前者の場合、NWには、通常、アクティブBPLとモニタリング対象BPLとを切り替え、この切り替えをUEに伝えるように働き出す時間がある。しかし、後者(より問題のある)の状況では、UEには、アクティブBPLが遮断される前にBPL品質レポートをネットワークにフィードバックする機会がない可能性がある。この場合、ネットワークは、フィードバックレポートを運ぶアクティブBPLが使用不可能になることから、障害が起こった場合にそれを認めるその能力を失う。
【0046】
したがって、ネットワークにビーム対リンク障害(BPLF)を知らせるための代替的な機構が導入される。
【0047】
実施形態#1
【0048】
一実施形態において、BPLF表示機構は、BPL切り替え(BPS)プリアンブルと呼ばれる特別なプリアンブルを利用する。UEは、NWがBPSプリアンブルを受信すると、BPSプリアンブルがRACH試行要求またはRRC接続再確立要求ではなくビーム対リンク切り替え要求として解釈されるべきであることをNWが理解するような、NWによる1つまたは複数のBPSプリアンブルで事前設定される。うまくいったBPSプリアンブル検出に基づき、NWは、アクティブBPLとモニタリング対象BPLとを切り替え、モニタリング対象BPL上でデータおよび/または制御の送信を始める。次に、UEは、新しいアクティブBPL(前は、モニタリング対象BPL)を使用して、PDCCH上でスケジューリングコマンドを探す。必要に応じて、NWは、UEにBPL切り替えを知らせ、それにより、切り替え要求の肯定応答形式として働く明確な「BPLアクティブ化」コマンドを送ってもよい。
【0049】
BPLFのUE宣言は、例えば、アクティブBPL上のCSI-RSRP/RSRQが、Nout測定実施時に閾値Boutを下回る事象に基づいている。閾値は、モニタリング対象BPLに対する絶対閾値またはある閾値とすることができる。パラメータBoutおよびNoutは、より動的に、高レイヤ(RRC)を通して、またはより低いレイヤ(L1/L2)によって事前設定されている。UEがQout、Qin、N310、およびT310のパラメータに基づいてRLFを宣言する前にBPLF宣言が行われることの高い確率を確保するように、BoutおよびNoutのパラメータが選ばれるのが好ましい。
【0050】
実施形態#2
【0051】
別の実施形態において、ビーム対リンク障害(BPLF)のUE宣言は、UEが所定の時間ToutにPDCCHをうまく受信しなかった事象に基づいている。パラメータToutは、より動的に、高レイヤ(RRC)を通して、またはより低いレイヤ(L1/L2)によって事前設定されている。UEがQout、Qin、N310、およびT310のパラメータに基づいてRLFを宣言する前にBPLF宣言が行われることの高い確率を確保するように、Toutが選ばれるのが好ましい。
【0052】
実施形態#3
【0053】
また別の実施形態において、複数のBPSプリアンブルが使用され、各BPSプリアンブルが異なるUE TXビームにおいて送信され、すなわち、様々な送信が、空間特性に関して相互にQCLではない。このやり方では、送信がネットワークノードに達することの確率が高くなり得る。
【0054】
実施形態#4
【0055】
また別の実施形態において、UEは、特定の順番で様々なUE TXビームにわたり、また特定の時刻および周波数位置で、複数回BPSプリアンブルを送信し、この場合、あるUE TXビームの順番(または、それの空間QCLパラメータ特性)は、ネットワーク(またはTRP(例えば、gNB))が対応するRXビームを使用して、BPSプリアンブルを受信することができるように、ネットワークによって知られている。例えば、UEは、アクティブリンクに対応するUE TXビームで第1のプリアンブルを、また第1および第2のモニタリング対象リンクにそれぞれ対応するUE TXビームで第2および第3のプリアンブルを、などと送信してもよい。このようにして、TRPは、必ず、UEからの個々の予測されるBPSプリアンブル送信ごとに、それの受信ビームを導くことができ、これは、あるTRP RXビームに関連付けられているのがいずれのUE TXビームであるかをTRPが知っているからである。
【0056】
実施形態#5
【0057】
さらに別の実施形態において、UEがNWから切り替え要求の肯定応答をもらわず、UEは、新しいUE RXビーム(モニタリング対象BPLからのUE RXビームに対応する)におけるPDCCHを検出することができなかった場合、NWがBPSプリアンブルを検出できなかった大きな可能性がある。この場合では、遮断が消え、NWが依然としてアクティブBPLを使用している場合に、UEが、N(Nはネットワークによって設定される)個の時間枠後に古いRXビーム(アクティブBPLに対応する)に自動的に戻れば、有益であると考えられる。
【0058】
実施形態#6
【0059】
アクティブBPLがBPLFに見舞われているが、障害が壊滅的ではない(例えば、アクティブBPLが低下しているが完全には遮断されていない)実施形態では、ネットワークがUEからBPSプリアンブルを受信すると、NWは、UEにBPL切り替えを知らせる「BPLアクティブ化」コマンドと一緒に、アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの両方で次のPDCCHを送信する。2つのPDCCHsは、UE RXビームを切り替え、PDCCHsおよび「BPLアクティブ化」コマンドの両方を聞き入れようとする時間がUEにあるような時間分で(可能性として同じ時間枠内で)OFDMシンボルで送信されてもよい。このことは、BPL切り替えコマンドをUEにたどり着かせる可能性を高める。切り替えコマンドが受信されると、UEは、モニタリング対象BPLを使用することを始める。
【0060】
図3は、ユーザ機器(UE)と通信するのに、またビーム対リンク障害(BPLF)から回復させるのに、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス300を示す流れ図である。
【0061】
プロセス300は、第1のビーム対リンク(BPL)がUE用のアクティブBPLとして使用されるステップs302において始めることができ、第1のBPLを使用することは、第1のTXビームを使用することを含む。ステップs304において、第2のBPLがUE用のモニタリング対象BPLとして使用され、第2のBPLを使用することは、第2のTXビームを使用することを含む。ステップs306において、第1のBPLがアクティブBPLとして使用されている一方、第2のBPLが、モニタリング対象BPLとして使用されており、i)第1のBPLを使用して(例えば、第1のプリコーディングベクトルを使用して)制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信し、ii)第2のBPLを使用して(例えば、第2のプリコーディングベクトルを使用して)、制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信する。ステップs308において、TRPは、UEから、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという要求(例えば、BPL切り替えプリアンブル)を受信する。ステップs310において、要求が受信された後、TRPは、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用する。
【0062】
実施形態によっては、プロセス300は、TRPのうちの1つが、UEから要求を受信した結果として、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせるBPLアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む。
【0063】
実施形態によっては、プロセス300は、TRPが、UEから要求を受信した結果として、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第1のビーム対アクティブ化コマンドを送信し、TRPが、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第2のビーム対アクティブ化コマンドを送信し、第1のビーム対アクティブ化コマンドをUEに送信するのに第1のBPLが使用され、第2のビーム対アクティブ化コマンドをUEに送信するのに第2のBPLが使用されることをさらに含む。
【0064】
実施形態によっては、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用することは、TRPが、第2のBPLを使用して、スケジューリングコマンドをPDCCH上でUEに送信することを含む。
【0065】
要求がBPL切り替えプリアンブルである実施形態の場合、UEからBPL切り替えプリアンブルを受信することは、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、BPL切り替えプリアンブルを含み、BPL切り替えプリアンブルは、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、TRPは、BPL切り替えプリアンブルを受信した結果として、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用する。
【0066】
実施形態によっては、UEは、UE TXビームを使用して要求を送信するように設定され、UEから要求を受信するステップは、TRPが、UE TXビームに対応するRXビームを使用して要求を受信することを含む。
【0067】
図4は、ユーザ機器(UE)と通信するのに、またビーム対リンク障害(BPLF)から回復させるのに、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス400を示す流れ図である。
【0068】
プロセス400は、第1のアンテナポート集合がUE用のアクティブアンテナポート集合として使用されるステップs402において始めることができる。ステップs404において、第2のアンテナポート集合がUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用される。ステップs406において、第1のアンテナポート集合がアクティブアンテナポート集合として使用されている一方、第2のアンテナポート集合がモニタリング対象アンテナポート集合として使用されており、i)第1のアンテナポート集合を使用して、制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信し、ii)第2のアンテナポート集合を使用して、制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信する。ステップs408において、UEから、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し始めるという要求(例えば、BPL切り替えプリアンブル)を受信する。ステップs410において、要求が受信された後、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用する。要求が受信された後、第1のアンテナポート集合および第3のアンテナポート集合のうちの少なくとも1つがUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用される。実施形態によっては、アンテナポート集合ごとに、異なるビームを使用して送信している。実施形態によっては、アンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートである。
【0069】
要求がBPL切り替えプリアンブルである実施形態の場合、UEからBPL切り替えプリアンブルを受信することは、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、BPL切り替えプリアンブルを含み、BPL切り替えプリアンブルは、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、TRPは、BPL切り替えプリアンブルを受信した結果として、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用する。
【0070】
実施形態によっては、プロセス300および400は、UEにBPLFパラメータ(例えば、Bout、Nout、およびTout)を提供することをさらに含み、パラメータは、UEがRLFを検出する前にBPLFを検出する(例えば、Qin、Qout、N310、T310などに基づいて)高い確率を有するように設定される(例えば、UEに提供されるBPLFパラメータは、RLFパラメータに比べて、Boutが低すぎないように、またはNoutが大きすぎないように設定され得る)。
【0071】
図5は、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス500を示す流れ図であり、TRPは、第1のビーム対リンク(BPL)を使用して、情報をUEに送信するように設定され、TRPは、第1のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し、また第2のBPLをUE用のモニタリング対象BPLとして使用し、第1のBPLは、第1のTXビーム、および第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含み、第2のBPLは、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含む。
【0072】
プロセス500は、UEが、第1のBPLの第1のRXビームを使用して、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された参照信号を受信するステップs502で始めることができる。第1のRXビームを使用して信号を受信することは、実施形態によっては、UEがあるパラメータを使用して信号を受信することを意味する。例えば、実施形態によっては、UEは、複数の受信アンテナを介して受信された信号ごとに位相および/または振幅調整パラメータを使用し、パラメータは、信号の結合または合計の前に、信号に適用される。ステップs504において、UEは、第2のBPLの第2のRXビームを使用して、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された第2の参照信号を受信する。ステップs506において、UEは、第1のBPLがビーム対リンク障害(BPLF)に見舞われているか否かを判断する。ステップs508において、UEは、第1のBPLがBPLFに見舞われていると判断した結果として、1つまたは複数のTRPのうちの少なくとも1つに、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという要求を送信する。実施形態によっては、プロセス500は、UEが、要求を送信した後、TRPから、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせるビーム対アクティブ化コマンドを受信することも含む。
【0073】
実施形態によっては、ビーム対アクティブ化コマンドを受信することは、UEが、第1のRXビームを使用してビーム対アクティブ化コマンドを受信すること、およびUEが、第2のRXビームを使用してビーム対アクティブ化コマンドを受信することのうちの1つを含む。
【0074】
実施形態によっては、プロセス500は、UEが要求を送信した後、UEが、第2のRXビームを使用して、UEに送信されたスケジューリングコマンドを探すことをさらに含む。
【0075】
実施形態によっては、要求は、BPL切り替えプリアンブルであり、BPL切り替えプリアンブルは、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、BPL切り替えプリアンブルを送信することは、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む。
【0076】
実施形態によっては、第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することは、UEが参照信号品質値を計算し、計算された参照信号品質値が閾値(Bout)を下回っているか否かをUEが判断することを含む。実施形態によっては、閾値は、第2のBPLの品質によって決まってくる。実施形態によっては、参照信号品質値を計算することは、第1のRXビームを使用して、UEによって受信された第1の参照信号に基づいて、RSRPおよびRSRQのうちの1つまたは複数を計算することを含む。
【0077】
実施形態によっては、第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することは、UEが複数の参照信号品質値を計算し、複数の計算された参照信号品質値のそれぞれに対して、UEが、計算された参照信号品質値(または、それの関数)が閾値(Bout)よりも小さいか否かを判断することを含む。実施形態によっては、UEは、閾値よりも小さい参照信号品質値の数字が第2の閾値(Nout)を満たすか、またはそれを超えるかを判断する。
【0078】
実施形態によっては、第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することは、UEが、UEが所定の時間(Tout)で第1のBPLを介して、PDCCHをうまく受信していないと判断することを含む。
【0079】
実施形態によっては、第1のBPLがBPLFに見舞われていると判断した結果として、UEは、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという複数の要求を送信する。複数の要求の送信は、UEが、第1のUE TXビームを使用して、BLP切り替えプリアンブルを送信し、UEが、第2のUE TXビームを使用して、BLP切り替えプリアンブルを送信し、第1のUE TXビームと第2のUE TXビームとが、空間特性に関して相互にQCLではないこと、を含み得る。
【0080】
図6は、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス600を示す流れ図であり、ここでは、UEは、TRPから送信された、2つのアンテナポート集合、第1の集合および第2の集合を測定しており、TRPは、第1のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し、また第2のアンテナポート集合をUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用する。
【0081】
プロセス600は、UEが、第1のアンテナポート集合の品質を推定するステップs602において始めることができる。ステップs604において、UEは、第2のアンテナポート集合の品質を推定する。ステップs606において、UEは、第1のアンテナポート集合の推定品質を使用して、第1のアンテナポート集合がリンク障害に見舞われているか否かを判断する。ステップs608において、第1のアンテナポート集合がリンク障害に見舞われていると判断した結果として、UEが、TRPのうちのいずれか1つまたは複数に、TRPの少なくとも1つが第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し始めるという要求を送信する。
【0082】
実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、第1の集合の1つまたは複数のビームを使用して送信しており、第2のアンテナポート集合は、第2の集合の1つまたは複数のビームを使用して送信している。実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートを含む。
【0083】
実施形態によっては、プロセス600は、UEがBPLFパラメータ(例えば、Bout、Nout、およびTout)を受信することをさらに含み、パラメータは、UEがRLFを検出する前にBPLFを検出する(例えば、Qin、Qout、N310、T310などに基づいて)高い確率を有するように設定されている。(例えば、UEに提供されるBPLFパラメータは、RLFパラメータに比べて、Boutが低すぎないように、またはNoutが大きすぎないように設定され得る)。
【0084】
実施形態によっては、プロセス600は、UEが、要求を送信した後、N個の時間枠内(N>1)でPDCCHを検出することができなかったか否かを判断することと、N個の時間枠内でPDCCHを検出することができなかったと判断した結果として、UEがPDCCHsを検出するのに前の設定を使用することに戻ることと、をさらに含む。
【0085】
実施形態によっては、要求は、BPL切り替えプリアンブルであり、BPL切り替えプリアンブルは、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、BPL切り替えプリアンブルを送信することは、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む。
【0086】
図7は、TRP(例えば、TRP150またはTRP950)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス700を示す流れ図である。ステップs702において、TRPは、第1の送信(TX)ビームを使用してUE101と通信する。ステップs704において、TRPは、UEから、第1のTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す情報を受信する。ステップs706において、情報が受信された後、TRPは、第2のTXビームを使用して、UEと通信する。
【0087】
実施形態によっては、プロセス700は、UEから情報を受信した結果として、TRPのうちの1つが、TRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせるビームアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む。
【0088】
実施形態によっては、プロセス700は、UEから情報を受信した結果として、第1のTRPが、第1のTXビームを使用して、第1のTRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第1のビームアクティブ化コマンドを送信し、第2のTRPが、第2のTXビームを使用して、第2のTRPがUEと通信するのに第2のTXビームを使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第2のビームアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む。
【0089】
実施形態によっては、第2のTXビームを使用してUEと通信することは、TRPが、第2のTXビームを使用して、スケジューリングコマンドをPDCCH上でUEに送信することを含む。
【0090】
実施形態によっては、第1のTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す受信情報は、プリアンブルである。実施形態によっては、UEからプリアンブルを受信することは、TRPが、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、プリアンブルを含む。実施形態によっては、プリアンブルは、UEがRACH試行を行っているときに送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものである。実施形態によっては、TRPは、プリアンブルを受信した結果として、UEと通信するのに第2のTXビームを使用する。
【0091】
実施形態によっては、プロセス700は、情報を受信する前に、i)第1のTXビームを使用して、参照信号をUEに送信し、ii)第2のTXビームを使用して、参照信号をUEに送信することをさらに含む。
【0092】
実施形態によっては、第1のTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す受信情報は、ビーム切り替え要求である。
【0093】
図8は、TRP(例えば、TRP150またはTRP950)によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス800を示す流れ図である。ステップs802において、TRPは、第1の集合の1つまたは複数のアンテナポートをUE101用のアクティブアンテナポート集合として使用する。ステップs804において、TRPは、第1のアンテナポート集合がアクティブアンテナポート集合として使用されている間、UEから、第1のアンテナポート集合に関連付けられたTXビームがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示す情報を受信する。
【0094】
実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートである。
【0095】
実施形態によっては、プロセスは、UEに特定のパラメータを提供することをさらに含み、特定のパラメータは、UEが無線リンク障害(RLF)を検出する前にビームリンク障害を検出する高い確率を有するように、設定されている。
【0096】
実施形態によっては、受信情報は、プリアンブルである。実施形態によっては、UEからプリアンブルを受信することは、TRPが、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、プリアンブルを含む。実施形態によっては、プリアンブルは、UEがRACH試行を行っているときに送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、TRPは、プリアンブルを受信した結果として、UEと通信するのに第2のTXビームを使用し、第2のTXビームは、第2のアンテナポート集合に関連付けられている。
【0097】
図9は、TRPと通信しているUE101によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス900を示す流れ図であり、TRPは、第1のビーム対リンク(BPL)を使用して、情報をUEに送信するように設定され、TRPは、第1のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用する。ステップs902において、UE101は、第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かを判断する。ステップs904において、UEは、第1のBPLがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、第1のBPLがビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示すメッセージを送信する。
【0098】
実施形態によっては、メッセージは、ビーム切り替え要求である。
【0099】
実施形態によっては、第1のBPLは、第1の受信(RX)ビームおよび第1の送信(TX)ビームを含む。実施形態によっては、プロセスは、UEが、第1のBPLの第1の第1のRXビームを使用して、第1のTXビームを使用してTRPのうちの1つまたは複数によって送信された参照信号を受信することをさらに含む。
【0100】
実施形態によっては、プロセスは、UEが、第2のBPLの第2のRXビームを使用して、第2のTXビームを使用してTRPのうちの1つまたは複数によって送信された参照信号を受信することをさらに含む。
【0101】
実施形態によっては、プロセスは、メッセージを送信した後、TRPから、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることを、UEに知らせるメッセージを受信することをさらに含む。
【0102】
実施形態によっては、プロセスは、UEがメッセージを送信した後、UEが、第2のRXビームを使用して、UEに送信されたスケジューリングコマンドを探すことをさらに含む。
【0103】
実施形態によっては、要求は、プリアンブルである。実施形態によっては、プリアンブルは、UEがRACH試行を行っているときに送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものである。実施形態によっては、プリアンブルを送信することは、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む。
【0104】
実施形態によっては、第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かを判断することは、UEが参照信号品質値を計算し、UEが、計算された参照信号品質値が閾値を下回っているか否かを判断することを含む。
【0105】
実施形態によっては、第1のBPLがビーム障害に見舞われているか否かを判断することは、UEが参照信号の測定値に基づいて複数の参照信号品質値を計算し、複数の計算された参照信号品質値のそれぞれに対して、UEが、計算された参照信号品質値またはそれの関数が閾値より小さいか否かを判断することを含む。
【0106】
実施形態によっては、プロセスは、閾値より小さい参照信号品質値の数字が、第2の閾値を満たすかまたは超えるかを判断することも含む。
【0107】
実施形態によっては、第1のBPLがビーム障害に見舞われていると判断した結果として、UEが複数の前記メッセージを送信する。
【0108】
図10は、UE101によって行われる、いくつかの実施形態による、プロセス1000を示す流れ図であり、UEは、1つまたは複数のTRPから送信された、2つのアンテナポート集合、第1の集合および第2の集合を測定しており、第1のアンテナポート集合は、UE用のアクティブアンテナポート集合として使用されている。ステップs1002において、UEは、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われているか否かを判断する。ステップs1004において、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われていると判断した結果として、UEが、第1のアンテナポート集合がビーム障害に見舞われているとUEが判断したことを示すメッセージを送信する。
【0109】
実施形態によっては、メッセージは、ビーム切り替え要求である。
【0110】
実施形態によっては、第1のアンテナポート集合は、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートを含む。
【0111】
実施形態によっては、プロセスは、UEがビーム障害パラメータを受信することも含み、パラメータは、UEが無線リンク障害(RLF)を検出する前にビーム障害を検出する高い確率を有するように、設定されている。
【0112】
実施形態によっては、メッセージは、プリアンブルである。実施形態によっては、プリアンブルは、UEがRACH試行を行っているときに送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものである。
【0113】
実施形態によっては、プリアンブルを送信することは、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む。
【0114】
図11は、いくつかの実施形態によるUE101のブロック図である。
図11に示されるように、UEは、1つまたは複数のプロセッサ1155(例えば、汎用マイクロプロセッサおよび/または、特定用途向け集積回路(ASIC:Application Specific Integrated Circuit)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA:Field-Programmable Gate Array)などの1つまたは複数の他のプロセッサ)を含み得るデータ処理システム(DPS:Data Processing System)1102と、無線アクセスネットワーク(RAN:Radio Access Network)ノード(例えば、TRP)との無線通信用で、アンテナ1122に結合された無線送信機1105および無線受信機1106と、1つまたは複数の不揮発性記憶デバイスおよび/または1つまたは複数の揮発性記憶デバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM:Random Access Memory))を含み得るローカル記憶ユニット(別名、「データ記憶システム」)1112と、を備え得る。UEが汎用マイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータプログラム製品(CPP:Computer Program Product)1141が提供され得る。CPP1141は、コンピュータ可読命令(CRI:Computer Readable Instruction)1144を含むコンピュータプログラム(CP:Conputer Program)1143を記憶するコンピュータ可読媒体(CRM:Computer Readable Medium)1142を含む。CRM1142は、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光媒体(例えば、DVD)、記憶素子(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)などだが、それらに限定されない、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。実施形態によっては、コンピュータプログラム1143のCRI1144は、データ処理システム1102によって実行されると、CRIがUEに上記のステップ(例えば、流れ図に関連して上に説明されたステップ)を行わせるように、設定されている。他の実施形態において、UEは、コードを必要とすることなく本明細書に記載のステップを行うように設定され得る。すなわち、例えば、データ処理システム1102が、単に1つまたは複数のASICsから成っていてもよい。したがって、本明細書に記載の実施形態の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装され得る。
【0115】
図12は、いくつかの実施形態によるTRP(例えば、TRP150またはTRP950)のブロック図である。
図12に示されるように、TRPは、1つまたは複数のプロセッサ1255(例えば、汎用マイクロプロセッサおよび/または、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つまたは複数の他のプロセッサ)を含み得るデータ処理システム(DPS)1202と、UEとの無線通信用で、アンテナ1222に結合された無線送信機1205および無線受信機1206と、1つまたは複数の不揮発性記憶デバイスおよび/または1つまたは複数の揮発性記憶デバイス(例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM))を含み得るローカル記憶ユニット(別名、「データ記憶システム」)1212と、を備え得る。TRPが汎用マイクロプロセッサを含む実施形態では、コンピュータプログラム製品(CPP)1241が提供され得る。CPP1241は、コンピュータ可読命令(CRI)1244を含むコンピュータプログラム(CP)1243を記憶するコンピュータ可読媒体(CRM)1242を含む。CRM1242は、磁気媒体(例えば、ハードディスク)、光媒体(例えば、DVD)、記憶素子(例えば、ランダムアクセスメモリ、フラッシュメモリ)などだが、それらに限定されない、非一時的コンピュータ可読媒体であり得る。実施形態によっては、コンピュータプログラム1243のCRI1244は、データ処理システム1202によって実行されると、CRIがTRPに上記のステップ(例えば、流れ図に関連して上に説明されたステップ)を行わせるように、設定されている。他の実施形態において、TRPは、コードを必要とすることなく本明細書に記載のステップを行うように設定され得る。すなわち、例えば、データ処理システム1202が、単に1つまたは複数のASICsから成っていてもよい。したがって、本明細書に記載の実施形態の特徴は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアにおいて実装され得る。
【0116】
追加の実施形態
【0117】
TRP実施形態
【0118】
1.ユーザ機器(UE)と通信するのに、またビーム対リンク障害(BPLF)から回復させるのに、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)によって行われる方法であって、方法は、第1のビーム対リンク(BPL)をUE用のアクティブBPLとして使用することであって、第1のBPLを使用することが第1のTXビームを使用することを含む、ことと、第2のBPLをUE用のモニタリング対象BPLとして使用することであって、第2のBPLを使用することが第2のTXビームを使用することを含む、ことと、第1のBPLがアクティブBPLとして使用され、第2のBPLがモニタリング対象BPLとして使用されている間、i)第1のBPLを使用して、UEに制御情報(例えば、参照信号)を送信し、ii)第2のBPLを使用して、UEに制御情報(例えば、参照信号)を送信することと、UEから、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという要求を受信することと、要求が受信された後、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用することと、を含む。
【0119】
2.UEから要求を受信した結果として、TRPのうちの1つが、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせるBPLアクティブ化コマンドを送信することをさらに含む、実施形態1の方法。
【0120】
3.UEから要求を受信した結果として、TRPが、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第1のビーム対アクティブ化コマンドを送信し、TRPが、TRPが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせる第2のビーム対アクティブ化コマンドを送信することをさらに含み、第1のBPLは、第1のビーム対アクティブ化コマンドをUEに送信するのに使用され、第2のBPLは、第2のビーム対アクティブ化コマンドをUEに送信するのに使用される、実施形態1の方法。
【0121】
4.第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用することが、TRPが、スケジューリングコマンドを、第2のBPLを使用してPDCCH上でUEに送信することを含む、実施形態1~3のいずれか1つの方法。
【0122】
5.要求がBPL切り替え要求である、実施形態1~4のいずれか1つの方法。
【0123】
6.UEからBPL切り替えプリアンブルを受信することが、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信は、BPL切り替えプリアンブルを含み、BPL切り替えプリアンブルは、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、TRPは、BPL切り替えプリアンブルを受信した結果として、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用する、実施形態5の方法。
【0124】
7.UEが、UE TXビームを使用して要求を送信するように設定され、UEから要求を受信するステップが、TRPが、UE TXビームに対応するRXビームを使用して、要求を受信することを含む、実施形態1~6のいずれか1つの方法。
【0125】
8.ユーザ機器(UE)と通信するのに、またビーム対リンク障害(BPLF)から回復させるのに、1つまたは複数の送信ポイント(TRP)によって行われる方法であって、方法は、第1のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナボート集合として使用することと、第2のアンテナポート集合をUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用することと、第1のアンテナポート集合がアクティブアンテナポート集合として使用され、第2のアンテナポート集合がモニタリング対象アンテナポート集合として使用されている間、i)第1のアンテナポート集合を使用して、制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信し、ii)第2のアンテナポート集合を使用して、制御情報(例えば、参照信号)をUEに送信することと、UEから、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し始めるという要求を受信することと、要求が受信された後、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用することと、を含む。
【0126】
9.要求が受信された後、第1のアンテナポート集合および第3のアンテナポート集合のうちの少なくとも1つをUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用することをさらに含む、実施形態8の方法。
【0127】
10.アンテナポート集合ごとに、異なるビームを使用して送信している、実施形態8または9の方法。
【0128】
11.アンテナポート集合が、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートである、実施形態8または9の方法。
【0129】
12.UE BPLFパラメータ(例えば、Bout、Nout、およびTout)を提供することをさらに含み、パラメータは、UEがRLFを検出する前にBPLFを検出する(例えば、Qin、Qout、N310、T310などに基づいて)高い確率を有するように構成されている(例えば、UEに提供されるBPLFパラメータは、RLFパラメータに比べて、Boutが低すぎないように、またはNoutが大きすぎないように設定され得る)、実施形態1~11のいずれか1つの方法。
【0130】
13.要求がBPL切り替えプリアンブルである、実施形態8~12のいずれか1つの方法。
【0131】
14.UEからBPL切り替えプリアンブルを受信することが、ランダムアクセスチャネル上でUEから送信を受信することを含み、送信が、BPL切り替えプリアンブルを含み、BPL切り替えプリアンブルが、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、TRPが、BPL切り替えプリアンブルを受信した結果として、第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用する、実施形態13の方法。
【0132】
15.送信機と、受信機と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムと、を備えるTRPであって、実施形態1~14のUE実施形態のいずれか1つの方法を行うように設定されている、TRP。
【0133】
16.1つまたは複数の送信ポイント(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって行われる方法であって、TRPが、第1のビーム対リンク(BPL)を使用して情報をUEに送信するように設定され、TRPが、第1のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し、第2のBPLをUE用のモニタリング対象BPLとして使用し、第1のBPLが、第1のTXビーム、および第1のTXビームに対応する第1のRXビームを含み、第2のBPLが、第2のTXビーム、および第2のTXビームに対応する第2のRXビームを含み、方法は、UEが、第1のBPLの第1のRXビームを使用して、第1のBPLを使用してTRPによってUEに送信された参照信号を受信することと、UEが、第2のBPLの第2のRXビームを使用して、第2のBPLを使用してTRPによってUEに送信された第2の参照信号を受信することと、UEが、第1のBPLがビーム対リンク障害(BPLF)に見舞われているか否かを判断することと、第1のBPLがBPLFに見舞われていると判断した結果として、UEが、第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという要求を、1つまたは複数のTRPのうちの少なくとも1つに送信することと、を含む。
【0134】
17.要求を送信した後、TRPから、TPRが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用しているまたは使用するようになることをUEに知らせるビーム対アクティブ化コマンドを受信することをさらに含む、実施形態16の方法。
【0135】
18.ビーム対アクティブ化コマンドを受信することが、UEが第1のRXビームを使用してビーム対アクティブ化コマンドを受信すること、およびUEが第2のRXビームを使用してビーム対アクティブ化コマンドを受信することのうちの1つを含む、実施形態17の方法。
【0136】
19.UEが要求を送信した後、UEが、第2のRXビームを使用して、UEに送信されたスケジューリングコマンドを探すことをさらに含む、実施形態16~18のいずれか1つの方法。
【0137】
20.要求がBPL切り替えプリアンブルであり、BPL切り替えプリアンブルが、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、BPL切り替えプリアンブルを送信することが、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む、実施形態16~19のいずれか1つの方法。
【0138】
21.第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することが、UEが参照信号品質値を計算し、計算された参照信号品質値が閾値(Bout)を下回っているか否かをUEが判断することを含む、実施形態16~20のいずれか1つの方法。
【0139】
22.閾値が第2のBPLの品質により決まるものである、実施形態21の方法。
【0140】
23.参照信号品質値を計算することが、第1のRXビームを使用してUEによって受信された第1の参照信号に基づき、RSRPおよびRSRQのうちの1つまたは複数を計算することを含む、実施形態18~22のいずれか1つの方法。
【0141】
24.第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することが、UEが、複数の参照信号品質値を計算し、複数の計算された参照信号品質値のそれぞれに対して、計算された参照信号品質値(または、それの関数)が閾値(Bout)よりも小さいか否かをUEが判断することを含む、実施形態18~23のいずれか1つの方法。
【0142】
25.閾値よりも小さい参照信号品質値の数字が、第2の閾値(Nout)を満たしているかまたは超えているかを判断することをさらに含む、実施形態24の方法。
【0143】
26.第1のBPLがBPLFに見舞われているか否かを判断することが、UEが所定時間(Tout)で第1のBPLを介してPDCCHをうまく受信できなかったと、UEが判断することを含む、実施形態16~20のいずれか1つの方法。
【0144】
27.第1のBPLがBPLFに見舞われていると判断した結果として、UEが、TRRsが第2のBPLをUE用のアクティブBPLとして使用し始めるという複数の要求を送信し、複数の要求を送信することが、UEが第1のUE TXビームを使用して、BLP切り替えプリアンブルを送信し、UEが第2のUE TXビームを使用して、BLP切り替えプリアンブルを送信し、第1のUE TXビームと第2のUE TXビームとが、空間特性に関して相互にQCLではないこと、を含む、実施形態16~20のいずれか1つの方法。
【0145】
28.1つまたは複数の送信ポイント(TRP)と通信するユーザ機器(UE)によって行われる方法であって、UEが、TRPから送信された、2つのアンテナポート集合、第1の集合および第2の集合を測定しており、TRPが、第1のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し、第2のアンテナポート集合をUE用のモニタリング対象アンテナポート集合として使用し、方法は、UEが第1のアンテナポート集合の品質を推定することと、UEが第2のアンテナポート集合の品質を推定することと、UEが、第1のアンテナポート集合の推定品質を使用することによって、第1のアンテナポート集合がリンク障害に見舞われているか否かを判断することと、第1のアンテナポート集合がリンク障害に見舞われていると判断した結果として、UEが、TRPのうちの少なくとも1つが第2のアンテナポート集合をUE用のアクティブアンテナポート集合として使用し始めるという要求を、TRPのうちのいずれか1つまたは複数に送信することと、を含む。
【0146】
29.第1のアンテナポート集合が、第1の集合の1つまたは複数のビームを使用して送信しており、第2のアンテナポート集合が、第2の集合の1つまたは複数のビームを使用して送信している、実施形態28の方法。
【0147】
30.第1のアンテナポート集合が、1つまたは複数のCSI-RSアンテナポートを含む、実施形態28または29の方法。
【0148】
31.BPLFパラメータ(例えば、Bout、Nout、およびTout)を受信することをさらに含み、パラメータは、UEがRLFを検出する前にBPLFを検出する(例えば、Qin、Qout、N310、T310などに基づいて)高い確率を有するように設定されている(例えば、UEに提供されるBPLFパラメータは、RLFパラメータに比べて、Boutが低すぎないように、またはNoutが大きすぎないように設定され得る)、実施形態16~30のいずれか1つの方法。
【0149】
32.要求を送信した後、UEが、N個の時間枠内(N>1)でPDCCHを検出することができなかったか否かを判断することと、N個の時間枠内でPDCCHを検出することができなかったと判断した結果として、UEが、PDCCHsを検出するのに前の設定を使用することに戻ることと、をさらに含む実施形態16~31のいずれか1つの方法。
【0150】
33.要求が、BPL切り替え要求であり、BPL切り替えプリアンブルが、UEがRACH試行を行っているとき、例えば、接続設定中、接続再確立中、またはハンドオーバ中に送信するようにUEが設定されているプリアンブルとは区別できるものであり、BPL切り替えプリアンブルを送信することが、ランダムアクセスチャネルを使用してプリアンブルを送信することを含む、実施形態28~32のいずれか1つの方法。
【0151】
34.送信機と、受信機と、メモリと、1つまたは複数のプロセッサを備えるデータ処理システムと、を備えるUEであって、実施形態16~33のいずれか1つの方法を行うように設定されている、UE。
【0152】
追加の開示
【0153】
以下の文は、本出願が優先権を主張する、2016年11月4日に出願された米国特許仮出願第62/417,607号とともに提出された付属書類からの資料に基づいている。
【0154】
表題:ロバストなビーム管理に関して
【0155】
アジェンダ項目:7.1.3.3
【0156】
書類目的:考察および決定
【0157】
1.序文
【0158】
RAN1#86bisにおいて、以下の同意がなされた。
【0159】
同意:
【0160】
1)NRでのリンク障害および/または遮断の場合、NRは、機構をサポートする(新しい製品を使用するか否かは、FFSである)。
【0161】
2)少なくとも、a)この機構に、DLまたはULの信号送信が必要とされるか否か(例えば、RACHプリアンブルシーケンス、DL/UL参照信号、制御チャネルなど)、b)必要に応じて、この機構へのリソース割り当て(例えば、機構に対応するRACHリソースなど)、の側面を検討する。
【0162】
本開示では、複数のビーム対リンクの必要性と、どのようにビーム対リンク障害に対処するかが考察される。
【0163】
2.考察
【0164】
高い伝搬損失を補うには、狭ビーム送受信方策がより高い周波数において必要とされるであろう。所与の通信リンクに対して、TRPおよびUEの両方にビームが印加され得、このビームは、本寄書ではビーム対リンク(BPL)と呼ばれる。ビーム管理手順のタスクは、ビーム対リンクを見つけ、維持することにある。
【0165】
図13の例では、ネットワークによって、2つのBPLが見つけられ、維持されている。ただ1つのTRPの場合でも、意見などを考慮すると、複数のBPLがなお可能であることに留意されたい。アップリンクサウンディングを使用するアップリンク測定、またはビーム管理に使用される参照信号、すなわちCSI-RSを使用するダウンリンク測定の測定を使用して、ネットワークによってBPLが見つけられ、モニタリングされる。
【0166】
高周波数における、物体を通した高い透過損失と、物体の縁の周りの不十分な回折により、BPLは遮断しやすくなる。遮断は、UE速度およびその環境内の物体の動きに応じて、ゆっくり/徐々にまたは非常に突然に起こる可能性がある。ビームが狭ければ狭いほど、突然の遮断が起こる可能性が大きくなる。マルチビームシステムにおいてよりロバストな通信を確立するために、TRP(または複数のTRP)とUEとの間に複数のBPLが使用され得る。データ信号および制御信号の進行中の送受信に使用される1つまたは複数のアクティブBPLがあってもよく、バックアップ目的で使用される1つまたは複数のモニタリング対象BPLがあってもよい。
【0167】
したがって、所与のUEに対して複数のBPLを並行してモニタリングすることが有用であると思われる。
・BPLが突然遮断されると、制御およびデータ送信が即座に代替のBPLへ引き継がれることができることから、ロバスト性が実現される。
・同時に複数のTRPからUEへのSU-MIMO送信を使用することによって、分散型MIMO送信に対応することができる。
○LOS条件では、BPLごとの位階は、2つに限られるが(二重偏波)、分散型MIMOは、より上位の送信を可能にする。
【0168】
1つまたは複数のBPLが、UE用に同時に使用される場合、また複数のBPLの場合、例えばPDCCH探索空間モニタリング目的で、何らかの優先権を持ち込むのが有用である。したがって、UEがPDCCHをモニタリングする場合のアクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの概念は、少なくとも、モニタリング対象BPLが、バックアップとして働くように、または新しいBPLを見つけるために維持される間のアクティブBPLを想定する。したがって、ビーム改善またはビーム発見に向けてBPLごとに別々に測定がスケジューリングされ、発見は、モニタリング対象リンクが導入されることよりも目標とされるものである。
【0169】
TRPは、BPL切り替えコマンドをUEにシグナリングすることによって、アクティブBPLをモニタリング対象BPLに切り替えることができる。TRPがBPLの遅い遮断に気付いた場合、TRPは、BPL切り替えコマンドを、アクティブBPLを通して、モニタリング対象BPLが新しいアクティブBPLになるようなUEに信号で知らせることができる。しかし、遮断が非常に突然である場合、TRPには、BLP切り替えコマンドをUEに信号で知らせる時間がないことになり、TRPとUEとの間の制御信号およびデータ信号に使用されるリンクが失われることになる。このような遮断が起こった場合、この事象は、「ビーム対リンク障害」すなわち「BPLF」または「ビーム障害」と呼ばれ得る。ユーザに対して高く確実なパフォーマンスを維持するために、NRが素早く効果的にBPLFに対処することが求められる。
【0170】
所見1:複数のビーム対リンクを使用することで、ビームベースのシステムにおけるロバスト性を高めることができる。
【0171】
提案1:UEがPDCCHをモニタリングしているアクティブビーム対リンクがサポートされる。
【0172】
提案2:ロバスト性を高め、新しいリンクを見つけるために、1つまたは複数のモニタリング対象ビーム対リンクがサポートされる。
【0173】
所見2:ユーザに対して高く確実なパフォーマンスを維持するために、素早く効果的にBPL障害に対処することが求められる。
【0174】
BPLFを軽減する1つのやり方は、UEが、アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの両方の上で、ただしデューティサイクルがアクティブBPLに比べてモニタリング対象BPLが大きい状態で、DL制御シグナリング(PDCCH)を受信することである。例えば、制御シグナリングが、アクティブリンクに対しては時間枠ごとにスケジューリングされ、モニタリング対象リンクに対してはN時間枠ごとにスケジューリングされ得る。このようにして、アクティブBPLが遮断され、UEが制御シグナリングを復号することができない場合、UEは、モニタリング対象リンク上で送信された制御シグナリング を受信することができる。
【0175】
提案3:BPL遮断に対するロバスト性を高めるための手段として、モニタリング対象BPL上のPDCCH受信を検討する。
【0176】
モニタリング対象リンク上の制御シグナリングには、使い古しのBPLをアクティブであるように変えるためのBPL切り替えコマンドを含めることができる。
【0177】
アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの取り扱いとともに、新しいBPLを見つけることは、可能な限りネットワークによって制御されなければならない。しかし、BPLFが起こったときに、ネットワークが接続を再確立するのが、すなわち、TRPとUEとの間に新しい適切なBPLを見つけるのが難しい場合がある。BPLFが非常に長く続く場合、過度のレイテンシおよびオーバーヘッドシグナリングをもたらす、無線リンク障害(RLF)を引き起こすようになる。
【0178】
UEが、特定のRACHプリアンブルを使用して、BPLFが起こったことをTRPに信号で知らせ、このようにして、新しいBPLを素早く見つけるのにネットワークを手助けすることが可能であり得ることが述べられてきた。特定のRACHプリアンブルとは、BPLFsに対処するのに専用のものとすることができ、このRACHプリアンブルが検出されるときには、BPLFが起こっているということをネットワークが知っているようなものである。
【0179】
提案4:アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの取り扱いとともに、潜在的なBPLFsは、可能な限りネットワークによって制御されなければならない。
【0180】
3.結論
【0181】
本開示において、以下の所見が記される。
【0182】
所見1:複数のビーム対リンクを使用することで、ビームベースのシステムにおけるロバスト性を高めることができる。
【0183】
所見2:ユーザに対して高く確実なパフォーマンスを維持するために、素早く効果的にBPL障害に対処することが求められる。
【0184】
本開示に述べられている態様に基づき、他の本開示の実施形態とともに、以下が提案される。
【0185】
提案1:UEがPDCCHをモニタリングしているアクティブビーム対リンクがサポートされる。
【0186】
提案2:ロバスト性を高めるため、また新しいリンクを見つけるために、1つまたは複数のモニタリング対象ビーム対リンクがサポートされる。
【0187】
提案3:BPL遮断に対するロバスト性を高めるための手段として、モニタリング対象BPL上のPDCCH受信を検討する。
【0188】
提案4:アクティブBPLおよびモニタリング対象BPLの取り扱いとともに、潜在的なBPLFsは、可能な限りネットワークによって制御されなければならない。
【0189】
本明細書において、本開示の様々な実施形態が説明されてきたが、それらが単に例として提示され、限定ではないことが理解されるべきである。したがって、本開示の幅および範囲は、上記の例示的な実施形態のいずれによっても限定されるべきではない。また、それらのすべての考えられる変形形態における上記の要素のいずれの組み合わせも、本明細書に別段の指示がない限り、または文脈上明らかに矛盾しない限り、本開示に含まれる。
【0190】
したがって、上に説明され、図面に示されたプロセスは、一連のステップとして表されているが、これは単に説明のためのものである。したがって、加えられるステップがあってもよく、省かれるステップがあってもよく、ステップの順番が並べ替えられてもよく、いくつかのステップが並行して行われてもよいことが考えられている。