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特許7046123軌道搬送車システム、軌道搬送車、及びビジョンセンシング装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】軌道搬送車システム、軌道搬送車、及びビジョンセンシング装置
(51)【国際特許分類】
   G05D 1/02 20200101AFI20220325BHJP
【FI】
G05D1/02 G
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2020122550
(22)【出願日】2020-07-17
(65)【公開番号】P2021034032
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-07-17
(31)【優先権主張番号】62/891173
(32)【優先日】2019-08-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】109105084
(32)【優先日】2020-02-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】TW
(73)【特許権者】
【識別番号】517224908
【氏名又は名称】盟立自動化股▲フン▼有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】徐敏修
(72)【発明者】
【氏名】▲ホアン▼星陸
(72)【発明者】
【氏名】▲ライ▼隆億
【審査官】杉山 悟史
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-136844(JP,A)
【文献】特開2018-128914(JP,A)
【文献】国際公開第2016/103562(WO,A1)
【文献】特開昭62-296208(JP,A)
【文献】特開2018-180702(JP,A)
【文献】特開2017-211195(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G05D 1/00 ー 1/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
システム制御装置、少なくとも1つのレール、及び少なくとも1つの軌道搬送車を備える軌道搬送車システムであって、
前記軌道搬送車は、前記レールを走行する車本体と、前記車本体に配置される処理装置と、前記車本体に配置されかつ前記処理装置に電気的に接続される少なくとも1つのビジョンセンシング装置と、前記車本体に配置される位置決め装置とを備え、
前記処理装置は、
前記システム制御装置と通信接続し、前記システム制御装置から送信した走行情報を受信する通信モジュールと、
前記通信モジュールに電気的に接続され、前記通信モジュールから前記走行情報を受信したときに、前記車本体が前記レールを走行方向に沿って走行するように制御する計算モジュールと、
を含み、
前記ビジョンセンシング装置は、
前記車本体に配置され、前記車本体から一側方に向かって画像を撮像することにより画像撮像情報を生成して、前記処理装置に送信する画像撮像モジュールと、
前記車本体に、前記画像撮像モジュールに近接する位置に配置され、前記車本体の前記一側方に向かってレーザーを射出するレーザー発射モジュールと、
前記車本体における前記画像撮像モジュールに近接する位置に配置され、前記車本体の前記一側方にある物体で反射された前記レーザーを受光してから、対応的にレーザー検知情報を生成して前記処理装置に送信するレーザー受光モジュールと、
を含み、
前記車本体が前記レールを前記走行方向に沿って走行する間に、前記画像撮像モジュールは、継続的に画像を撮像して、継続的に前記画像撮像情報を前記処理装置に送信し、前記レーザー発射モジュールは、継続的に前記レーザーを射出し、前記レーザー受光モジュールは、継続的に反射された前記レーザーを受光して、継続的に前記レーザー検知情報を前記処理装置に送信し、
前記処理装置は、前記車本体が前記レールを前記走行方向に沿って走行するように制御する間に、前記計算モジュールが、少なくとも1つの前記画像撮像情報及び少なくとも1つの前記レーザー検知情報に基づいて、前記車本体の走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するかどうかを決定し、
前記軌道搬送車システムは、複数のレール位置決めユニットを更に含み、
複数の前記レール位置決めユニットは、前記レールの周辺に、互いに間隔をあけて配置され、
前記車本体が前記レールを走行する間に、前記位置決め装置は、前記車本体の周辺にある前記レール位置決めユニットを検知して、位置決め検知情報を対応的に生成し、
さらに前記位置決め装置は、前記処理装置に電気的に接続されかつ前記位置決め検知情報を前記処理装置に送信し、
さらに前記処理装置は、前記位置決め検知情報を受信したときに、前記通信モジュールが現在位置情報を前記システム制御装置に送信するように制御し、
前記現在位置情報が前記システム制御装置に送信された後、前記処理装置は、所定の時間内に前記システム制御装置からフィードバックした別の走行情報を受信したときには、前記別の走行情報に基づいて、前記車本体の走行を制御するようになる一方、前記所定の時間内に前記別の走行情報を受信しなかったとき、若しくは前記別の走行情報を受信したタイミングが前記所定の時間を超えているときには、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するかどうかを決定する
ことを特徴とする軌道搬送車システム。
【請求項2】
前記軌道搬送車システムは、少なくとも2つの前記レールを含み、
少なくとも2つの前記レールにおける少なくとも1つは本線レールと、少なくとも1つは支線レールと定義され、
前記支線レールの一端は、前記本線レールの一端と連接しており、
前記本線レールを走行する前記軌道搬送車は、前記本線レールから前記支線レールに移動し得て、或いは、前記支線レールを走行する前記軌道搬送車は、前記支線レールから前記本線レールに移動することができ、
前記軌道搬送車システムは、少なくとも1つの標示ユニットを更に含み、
前記標示ユニットは、前記本線レールと前記支線レールとが連接する箇所に近接するように配置され、
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に前記標示ユニットが現れるかどうかを判断し、前記視認範囲内に前記標示ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の走行を停止するか、または前記走行速度を変更する、請求項1に記載の軌道搬送車システム。
【請求項3】
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記視認範囲内に前記標示ユニットが現れると判断したときには、前記車本体を所定の時間まで停止させる、請求項に記載の軌道搬送車システム。
【請求項4】
前記軌道搬送車システムは、複数の前記軌道搬送車を含み、
各前記軌道搬送車の前記計算モジュールは、前記車本体を前記所定の時間を停止させた後、前記車本体が前記走行方向に沿う走行を再開する前に、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記視認範囲内、及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内または前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に別の前記軌道搬送車が現れると判断したときには、前記車本体を所定の時間まで停止させる一方、前記視認範囲内、または前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に別の前記軌道搬送車が現れないときには、前記車本体の走行を再開する、請求項に記載の軌道搬送車システム。
【請求項5】
前記軌道搬送車システムは、複数の前記軌道搬送車を含み、
各前記軌道搬送車の前記計算モジュールは、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内、及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れるかどうかを判断して、前記画像撮像モジュールの視認範囲内、または前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の軌道搬送車システム。
【請求項6】
前記軌道搬送車システムは、複数の前記軌道搬送車を含み、
少なくとも1つの前記軌道搬送車は、少なくとも1つの警告モジュールを含み、
前記警告モジュールは、前記車本体に配置されかつ前記処理装置に電気的に接続されかつ前記計算モジュールが前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するときに、警告情報を生成し、
各前記軌道搬送車の前記計算モジュールは、前記警告情報に基づいて、前記軌道搬送車の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の軌道搬送車システム。
【請求項7】
前記各軌道搬送車に前記警告モジュールが配置され、
前記各警告モジュールに複数の発光ユニットが含まれ、
前記各計算モジュールは、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの前記発光ユニットの発光を制御し、
少なくとも1つの前記発光ユニットが発光する光束は、対応的に少なくとも一種の予定パターンに形成され、
さらに前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に前記予定パターンが現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内に前記予定パターンが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項に記載の軌道搬送車システム。
【請求項8】
前記軌道搬送車は、照明装置を含み、
前記照明装置は、前記車本体に配置されかつ前記処理装置に電気的に接続され、
前記処理装置は、前記照明装置が光束を発光するように制御し、
前記照明装置が発光する光束は、前記画像撮像モジュールが画像を撮像する場合に使用される光源として利用される、請求項1に記載の軌道搬送車システム。
【請求項9】
前記軌道搬送車システムは、複数の前記軌道搬送車を含み、
少なくとも1つの前記軌道搬送車は、少なくとも1つの認識ユニットを更に含み、
前記認識ユニットは、前記軌道搬送車に配置され、
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に別の前記軌道搬送車の前記認識ユニットが現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内に別の前記軌道搬送車の前記認識ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項1に記載の軌道搬送車システム。
【請求項10】
前記各軌道搬送車に複数の前記認識ユニットが配置され、
前記認識ユニット同士は互いに異なる模様を有し、
前記複数の認識ユニットは、前記車本体の異なる側面に配置され、
前記計算モジュールは、前記視認範囲内に別の前記軌道搬送車におけるいずれか1つの前記認識ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項に記載の軌道搬送車システム。
【請求項11】
レールを走行するために用いられる軌道搬送車であって、
前記軌道搬送車は、前記レールを走行する車本体と、前記車本体に配置される処理装置と、前記車本体に配置され前記処理装置に電気的に接続されるビジョンセンシング装置と、前記車本体に配置される位置決め装置とを備え、
前記処理装置は、
リモート装置と通信接続し、前記リモート装置から送信した走行情報を受信する通信モジュールと、
前記通信モジュールに電気的に接続され、前記通信モジュールから前記走行情報を受信したときに、前記車本体が前記レールを走行方向に沿って走行するように制御する計算モジュールと、
を含み、
前記ビジョンセンシング装置は、
前記車本体に配置され、前記車本体から一側方に向かって画像を撮像することにより画像撮像情報を生成し、前記処理装置に送信する画像撮像モジュールと、
前記車本体に、前記画像撮像モジュールに近接する位置に配置され、前記車本体の前記一側方に向かってレーザーを射出するレーザー発射モジュールと、
前記車本体に、前記画像撮像モジュールに近接する位置に配置され、前記車本体の前記一側方にある物体で反射された前記レーザーを受光してから、対応的にレーザー検知情報を生成して、前記処理装置に送信するレーザー受光モジュールと、
を含み、
前記車本体が前記レールを前記走行方向に沿って走行する間に、前記画像撮像モジュールは、継続的に画像を撮像して、継続的に前記画像撮像情報を前記処理装置に送信し、前記レーザー発射モジュールは、継続的に前記レーザーを射出し、前記レーザー受光モジュールは、継続的に反射された前記レーザーを受光して、継続的に前記レーザー検知情報を前記処理装置に送信し、
前記処理装置は、前記車本体が前記レールを前記走行方向に沿って走行するように制御する間に、前記計算モジュールが、少なくとも1つの前記画像撮像情報及び少なくとも1つの前記レーザー検知情報に基づいて、前記車本体の走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するかどうかを決定し、
前記位置決め装置は、前記レールの周辺にある少なくとも1つのレール位置決めユニットを検知して、位置決め検知情報を対応的に生成し、
さらに前記位置決め装置は、前記処理装置に電気的に接続されかつ前記位置決め検知情報を前記処理装置に送信し、
さらに前記処理装置は、前記位置決め検知情報を受信したときに、前記通信モジュールが現在位置情報を前記リモート装置に送信するように制御し、
前記現在位置情報が前記リモート装置に送信された後、前記処理装置は、所定の時間内に前記リモート装置からフィードバックした別の走行情報を受信したときには、前記別の走行情報に基づいて、前記車本体の走行を制御するようになる一方、前記所定の時間内に前記別の走行情報を受信しなかったとき、若しくは前記別の走行情報を受信したタイミングが前記所定の時間を超えているときには、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するかどうかを決定する
ことを特徴とする軌道搬送車。
【請求項12】
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に標示ユニットが現れるかどうかを判断し、前記視認範囲内に標示ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の走行を停止するか、または前記走行速度を変更する、請求項11に記載の軌道搬送車。
【請求項13】
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記視認範囲内に前記標示ユニットが現れると判断したときには、前記車本体を所定の時間まで停止させる、請求項12に記載の軌道搬送車。
【請求項14】
前記計算モジュールは、前記車本体を前記所定の時間を停止させた後、前記車本体が前記走行方向に沿う走行を再開する前に、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記視認範囲内、及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に別の前記軌道搬送車が現れると判断したときには、前記車本体を所定の時間まで停止させる一方、前記視認範囲内及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に別の前記軌道搬送車が現れないときには、前記車本体の走行を再開する、請求項13に記載の軌道搬送車。
【請求項15】
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報及び前記レーザー検知情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内、及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内及び前記レーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の前記軌道搬送車が現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項11に記載の軌道搬送車。
【請求項16】
前記軌道搬送車は、少なくとも1つの警告モジュールを含み、
前記警告モジュールは、前記車本体に配置されかつ前記処理装置に電気的に接続されかつ前記計算モジュールが前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更するときに、警告情報を生成し、
各前記軌道搬送車の前記計算モジュールは、前記警告情報に基づいて、前記軌道搬送車の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項11に記載の軌道搬送車。
【請求項17】
前記警告モジュールに複数の発光ユニットが含まれ、
前記計算モジュールは、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの前記発光ユニットの発光を制御し、
少なくとも1つの前記発光ユニットが発光する光束は、対応的に少なくとも一種の予定パターンに形成され、
さらに前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に前記予定パターンが現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内に前記予定パターンが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項16に記載の軌道搬送車。
【請求項18】
前記軌道搬送車は、照明装置を含み、
前記照明装置は、前記車本体に配置されかつ前記処理装置に電気的に接続され、
前記処理装置は、前記照明装置が光束を発光するように制御し、
前記照明装置が発光する光束は、前記画像撮像モジュールが画像を撮像する場合に使用される光源として利用される、請求項11に記載の軌道搬送車。
【請求項19】
前記軌道搬送車は、少なくとも1つの認識ユニットを更に含み、
前記認識ユニットは、前記軌道搬送車の一端に配置され、
前記計算モジュールは、前記画像撮像情報に基づいて、前記画像撮像モジュールの視認範囲内に別の前記軌道搬送車の前記認識ユニットが現れるかどうかを判断して、前記視認範囲内に別の前記軌道搬送車の前記認識ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項11に記載の軌道搬送車。
【請求項20】
前記各軌道搬送車に複数の前記認識ユニットが配置され、
前記認識ユニット同士は互いに異なる模様を有し、
前記複数の認識ユニットは、前記車本体の異なる側面に配置され、
前記計算モジュールは、前記視認範囲内に別の前記軌道搬送車におけるいずれか1つの前記認識ユニットが現れると判断したときには、前記車本体の前記走行速度及び前記走行方向の少なくとも1つを変更する、請求項19に記載の軌道搬送車。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道搬送車システム、軌道搬送車及びビジョンセンシング装置に関し、特に物を搬送する軌道搬送車システム及び軌道搬送車、並びに、軌道搬送車に適用するビジョンセンシング装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、一般的な軌道搬送車システムの仕組みは、軌道搬送車がサーバーからの命令を受信した後、軌道搬送車は、レールに沿って特定の位置に移動する。軌道搬送車は、特定の位置に到着するまで、基本的に、サーバーとの情報交換が行われない。軌道搬送車は、サーバーが指定した位置に到着してから、サーバーとの情報交換を再開し、次の命令を受信するように構成される。
【0003】
各軌道搬送車は、サーバーのみと情報交換を行って、各軌道搬送車同士では情報交換が行われないため、サーバーだけが各軌道搬送車の現在位置を知ることになる。なお、サーバーは、各軌道搬送車の現在の位置に基づいて、命令を出すことにより、軌道搬送車同士の衝突を防止する。
【0004】
しかしながら、上記の仕組みでは、軌道搬送車のいずれもサーバーとの情報交換が不足し得る。万が一、軌道搬送車とサーバーとの通信に遅れが発生したり、レールに突然に障害物が現れたりする場合では、軌道搬送車同士では互いに衝突しやすく、さらに、軌道搬送車が搬送する物が壊れてしまうこともある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2017-211195号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、軌道搬送車システムを公開して、主に、既存の軌道搬送車システムにおいて、様々な状況で、軌道搬送車同士が互いに衝突しやすいという課題を解決するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る1つの実施形態は、システム制御装置、少なくとも1つのレール及び少なくとも1つの軌道搬送車を具備する軌道搬送車システムを開示する。軌道搬送車は、車本体、処理装置、及び少なくとも1つのビジョンセンシング装置を備える。車本体は、レールを走行し得る。処理装置は、車本体に配置されており、処理装置には、通信モジュール及び計算モジュールが含まれる。通信モジュールは、システム制御装置と通信接続し得て、システム制御装置から送信した走行情報を受信する。計算モジュールは、通信モジュールに電気的に接続される。通信モジュールが走行情報を受信したときには、計算モジュールは、車本体がレールに沿って所定の走行方向に走行するように制御することができる。ビジョンセンシング装置は、処理装置に電気的に接続され、車本体に配置される。ビジョンセンシング装置は、画像撮像モジュール、レーザー発射モジュール、及びレーザー受光モジュールを含む。画像撮像モジュールは車本体に配置される。画像撮像モジュールは、車本体の一側方に向かって画像を撮像することができ、それにより、画像撮像情報を生成する。画像撮像モジュールは、画像撮像情報を処理装置に伝送する。レーザー発射モジュールは、車本体に配置されるとともに、画像撮像モジュールと近接して位置する。レーザー発射モジュールは、車本体の一側方に向かってレーザーを射出するために用いられる。レーザー受光モジュールは車本体に配置される。さらにレーザー受光モジュールは、画像撮像モジュールと近接して位置する。レーザー受光モジュールは、車本体の一側にある物体から反射されたレーザーを受光するために用いされる。レーザー受光モジュールは、反射されたレーザーを受光すると、対応的にレーザー検知情報を生成する。レーザー受光モジュールは、レーザー検知情報を処理装置に送信する。なかでも、処理装置は、車本体がレールに沿って走行方向に走行するように制御する間に、画像撮像モジュールが、継続的に画像を撮像しながら画像撮像情報を処理装置に送信し得る。さらに、レーザー発射モジュールは、継続的にレーザーを射出し得る一方、レーザー受光モジュールは、継続的に、反射されたレーザーを受光しながら継続的にレーザー検知情報を処理装置に送信し得る。なかでも、処理装置が、車本体がレールを走行方向に沿って走行するように制御する間に、計算モジュールは、少なくとも1つの画像撮像情報と少なくとも1つのレーザー検知情報と基づいて、車本体の走行方向または走行速度の少なくとも一方を変更するか否かについて決定する。
【0008】
本発明にかかる特定の実施形態は、レールを走行する軌道搬送車を開示する。軌道搬送車は、車本体、処理装置、及びビジョンセンシング装置を具備する。車本体はレールを走行する。処理装置は、車本体に配置される。処理装置は、通信モジュール及び計算モジュールを含む。通信モジュールはリモート装置と通信接続しかつリモート装置から送信した走行情報を受信し得るように構成される。計算モジュールは通信モジュールに電気的に接続される。通信モジュールが走行情報を受信したときに、計算モジュールは、車本体がレールを走行方向に沿って走行するように制御し得る。ビジョンセンシング装置は車本体に配置される。ビジョンセンシング装置は処理装置に電気的に接続される。ビジョンセンシング装置は、画像撮像モジュール、レーザー発射モジュール、及びレーザー受光モジュールを含む。画像撮像モジュールは車本体に配置されており、車本体の一側方に向かって画像を撮像することにより、画像撮像情報を生成するために用いられる。画像撮像モジュールは、画像撮像情報を処理装置に送信し得る。レーザー発射モジュールは、車本体に配置されており、画像撮像モジュールに近接するように位置する。レーザー発射モジュールは、車本体の一側方に向かってレーザーを射出するために用いられる。レーザー受光モジュールは、車本体に配置されており、画像撮像モジュールに近接するように位置する。レーザー受光モジュールは、車本体の一側方に位置する物体で反射されたレーザーを受光するために用いられる。レーザー受光モジュールは、反射されたレーザーを受光してから、対応的にレーザー検知情報を生成する。レーザー受光モジュールは、レーザー検知情報を処理装置に送信し得る。なかでも、処理装置は、車本体がレールを走行方向に沿って走行するように制御する間に、画像撮像モジュールが、継続的に画像を撮像しながら、継続的に画像撮像情報を処理装置に送信し得る。さらに、レーザー発射モジュールは継続的にレーザーを射出し、レーザー受光モジュールは、継続的に、反射されたレーザーを受信しながら継続的にレーザー検知情報を処理装置に送信し得る。なかでも、処理装置は、車本体がレールを走行方向に沿って走行するように制御する間に、計算モジュールが、少なくとも1つの画像撮像情報と少なくとも1つのレーザー検知情報とに基づいて、車本体の走行方向または走行速度の少なくとも一方を変更するか否かについて決定する。
【0009】
本発明に係る特定の実施形態は、軌道搬送車に配置し得るビジョンセンシング装置を開示する。軌道搬送車は、レールを走行方向に沿って走行し得る。軌道搬送車は処理装置を含む。ビジョンセンシング装置は、視覚計算モジュール、画像撮像モジュール、レーザー発射モジュール、レーザー受光モジュール及び接続ユニットを含む。画像撮像モジュールは、軌道搬送車の一側方に向かって画像を撮像することにより、画像撮像情報を生成するために用いられる。画像撮像モジュールは、計算モジュールに電気的に接続されていて、画像撮像情報を視覚計算モジュールに送信する。レーザー発射モジュールは画像撮像モジュールに近接するように配置される。レーザー発射モジュールは、軌道搬送車の一側方に向かってレーザーを射出するために用いられる。レーザー受光モジュールは、画像撮像モジュールに近接するように配置される。レーザー受光モジュールは、軌道搬送車の一側方に位置する物体で反射されたレーザーを受光するために用いられる。レーザー受光モジュールは、反射されたレーザーを受光してから、対応的にレーザー検知情報を生成する。レーザー受光モジュールは、レーザー検知情報を視覚計算モジュールに送信し得る。接続ユニットは、視覚計算モジュールに電気的に接続されており、処理装置と接続するために用いられる。なお、接続ユニットは、画像撮像情報及びレーザー検知情報を処理装置に送信し得る。視覚計算モジュールは、接続ユニットを通して処理装置から送信した起動信号を受信し得る。なかでも、視覚計算モジュールは、接続ユニットを通して起動信号を受信したときに、画像撮像モジュール、レーザー発射モジュール及びレーザー受光モジュールを作動させるように制御するとともに、接続ユニットを通して、画像撮像情報及びレーザー検知情報を処理装置に送信する。これにより、軌道搬送車が走行する最中に、処理装置は、画像撮像情報及びレーザー検知情報に基づいて、軌道搬送車の走行方向または走行速度の少なくとも一方を変更するか否かについて判断し得る。
【発明の効果】
【0010】
以上を踏まえて、本発明に係る軌道搬送車システム、及び軌道搬送車は、軌道搬送車にビジョンセンシング装置が配置されたデザインにより、軌道搬送車がレールを走行する際に、前方側にある他の軌道搬送車、または障害物に容易に衝突することがないようにすることができる。本発明に係るビジョンセンシング装置は、レールに沿って走行する際に、軌道搬送車が他の軌道搬送車や障害物と容易に衝突しないように、レール車両に搭載されることが好適である。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。
図2】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図3】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。
図4】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図5】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図6】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図7】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図8】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。
図9】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。
図10】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態的軌道搬送車を示す模式図である。
図11】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。
図12】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態における軌道搬送車を示す模式図である。
図13】本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。
図14】本発明に係る軌道搬送車の特定の実施形態を示すブロック図である。
図15】本発明に係るビジョンセンシング装置の特定の実施形態を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
発明の特徴及び技術内容がより一層分かるように、以下本発明に関する詳細な説明と添付図面を参照する。しかし、提供される添付図面は参考と説明のために提供するものに過ぎず、本発明の特許請求の範囲を制限するためのものではない。
【0013】
図1及び図2を共に参照されたい。図1は、本発明に係る軌道搬送車システムを示すブロック図である。図2は、本発明に係る軌道搬送車システムを示す模式図である。本発明に係る軌道搬送車システムSは、システム制御装置1、レール2、及び軌道搬送車3を具備する。本発明に係る軌道搬送車システムSは、例えば、半導体製造工場等、様々な工場または製造工場での使用に適している。実用化の例では、システム制御装置1としては、例えば、コンピューター、サーバーなどの設備が挙げられる。また、システム制御装置1は、例えば、レール2及び軌道搬送車3と同じ工場に配置されたものであってもよいが、この例に制限されない。例えば、システム制御装置1は、レール2及び軌道搬送車3と同じ工場に配置されるものではなくてもよく、リモートサーバーであってもよい。
【0014】
特筆に値するのは、別の実施形態において、本発明に係る軌道搬送車システムSは、システム制御装置1を含まなく、軌道搬送車3が直接に元々工場に配置された関連コンピューター、サーバー等の設備に接続して、それをシステム制御装置1として使用してもよい。すなわち、システム制御装置1は、元々工場に配置された関連コンピューター、サーバー等の設備に取り換えられるものである。なお、本発明に係る軌道搬送車システムSを販売する際には、それがレール2及び少なくとも1つの軌道搬送車3のみを包含してもよい。もちろん、元々工場に配置されたコンピューター、サーバー等の設備を、前記システム制御装置1の代わりに使用するときには、元々工場に配置されたコンピューター、サーバー等の設備に関連ソフトウェアをインストールする必要がある。これにより、軌道搬送車3は、元々工場に配置されたコンピューター、サーバー等の設備と情報交換を行うことができる。
【0015】
レール2は、工場に固設される。軌道搬送車3は、前記レール2に摺動可能に配置される。実用化の例では、レール2は、ニーズに応じて床または天井に近接する位置に配置されてもよい。なお、軌道搬送車3は、対応的にレール2に沿って、床または天井に近接する位置で移動し得る。具体的に、床の近くに配置されたレール2及び軌道搬送車3は、例えば、有軌道式無人搬送車(Rail Guided Vehicle, RGV)に似ているものであり、一方、天井の近くに配置されたレール2及び軌道搬送車3は、例えば、天井走行式無人搬送車(Overhead Hoist Transfer, OHT)に似ているものである。レール2の数または種類は、実際のニーズに応じて変更できるものであり、ここで制限される意図はない。
【0016】
システム制御装置1は、軌道搬送車3と通信接続しかつ軌道搬送車3がレール2に沿って移動するように制御し得る。システム制御装置1及び軌道搬送車3に使用される無線通信システムについては、ここでは制限されない。例えば、システム制御装置1は、WiFi(登録商標)、5G等様々な無線通信システムによって通信し得る。
【0017】
軌道搬送車3は、車本体30、処理装置31、及びビジョンセンシング装置32を含む。車本体30は、レール2を走行する。車本体30に、搬送対象物を載せるための収容空間が含まれてもよい。なお、車本体30は搬送対象物を搬送するために用いられる。例えば、軌道搬送車システムSが半導体生産工場に適用される場合、軌道搬送車3は、ウエハーが載った箱を搬送するためのものであってもよい。なお、ウエハーが載った箱は、軌道搬送車3に連れて、レール2に沿って種々のワークステーションに搬送される。車本体30の外観、寸法等は、それに載せる搬送対象物の種類、形式等に応じて変更できるものであり、ここでは制限する意図はない。
【0018】
処理装置31は、車本体30に配置されてもいて、通信モジュール311及び計算モジュール312を含む。通信モジュール311は、システム制御装置1と通信接続しかつシステム制御装置1が送信した走行情報10を受信し得る。通信モジュール311としては、例えば、WiFiチップ、5Gチップ等様々な無線通信チップが挙げられるが、ここでは制限されない。前記走行情報10は、主に、システム制御装置1において、軌道搬送車3に、どのレール2に沿ってどこに移動するかを命令するための情報である。例えば、レール2の近傍には、種々のワークステーションを配置してもよい。システム制御装置1が走行情報10を軌道搬送車3に送信することにより、軌道搬送車3は、走行情報10に基づいて、レール2に沿って、システム制御装置1が指定したワークステーションまで移動する。
【0019】
計算モジュール312は、通信モジュール311に電気的に接続される。前記計算モジュール312としては、例えば、様々なマイクロプロセッサ、処理チップが挙げられるが、それに制限されない。具体的に、通信モジュール311及び計算モジュール312は、別々独立したチップであってもよいが、それに制限されない。別の実施形態において、通信モジュール311及び計算モジュール312は、同じチップモジュールに形成されたものであってもよい。
【0020】
通信モジュール311は、システム制御装置1が送信した走行情報10を受信したときに、その走行情報10を計算モジュール312に送信する。そして、計算モジュール312は、走行情報10を受信したときに、走行情報10に基づいて、車本体30がレール2を走行方向に沿って走行するように制御する。具体的に、軌道搬送車3に駆動装置が配置されてもよい。駆動装置は、車本体30に配置されており、複数のホイール及び少なくとも1つのモーターを含む。複数のホイールとモーターとは互いに連接し、モーターと計算モジュール312とは電気的に接続される。計算モジュール312は、走行情報10を受信したときに、モーターを作動させることにより、複数のホイールを同じ方向に同期に回転させる。これにより、軌道搬送車3がレール2を前記走行方向に沿って走行する。軌道搬送車3には、例えば、動力装置、ブレーキ装置等、車本体30、処理装置31及びビジョンセンシング装置32が正常に作動するために必要な装置が含まれる。なお、それらの装置は、一般的な軌道搬送車にあるものと同様するため、ここでは説明を省略する。
【0021】
ビジョンセンシング装置32は、車本体30の一端に配置される。ビジョンセンシング装置32は、処理装置31に電気的に接続されており、その電気的接続方式は、有線または無線のいずれであってもよい。ビジョンセンシング装置32は、情報を処理装置31に送信し得る。実用化の例では、ビジョンセンシング装置32は、処理装置31が送信した命令を受信して、その命令に応じて作動するように構成されてもよい。例えば、処理装置31は、電源オン命令または電源オフ命令をビジョンセンシング装置32に送信して、ビジョンセンシング装置32がその電源オン命令または電源オフ命令を受信したときに、対応的に電源オンまたは電源オフにする。
【0022】
ビジョンセンシング装置32は、画像撮像モジュール321、レーザー発射モジュール322、及びレーザー受光モジュール323を含む。画像撮像モジュール321、レーザー発射モジュール322、及びレーザー受光モジュール323は、車本体30の前端に配置される。実用化の例では、ビジョンセンシング装置32に含まれる画像撮像モジュール321、レーザー発射モジュール322、及びレーザー受光モジュール323の数は、実際のニーズに応じて変更できここでは制限されない。
【0023】
画像撮像モジュール321は、車本体30から前方側に向かって画像を撮像して、それにより、画像撮像情報3211を生成するために用いられる。また、画像撮像モジュール321は、画像撮像情報3211を処理装置31に送信し得る。ここでの画像撮像モジュール321としては、実際のニーズに応じて、例えば、電荷結合素子 (Charge Coupled Device, CCD)または相補型金属酸化膜半導体(Complementary Metal-Oxide Semiconductor, CMOS)等様々な感光素子が挙げられる。また、画像撮像モジュール321に、レンズ、画像処理チップ等が更に含まれてもよい。画像撮像モジュール321は主に、軌道搬送車3における前記車本体30の前方または後方の周りの画像を撮像するために用いられる。画像撮像モジュール321は、有線または無線で画像撮像情報3211を処理装置31に送信する。実用化の例では、画像撮像モジュール321の画像撮像範囲(視認範囲)は、レール2の設置様式、各車本体30のサイズによって選択されるものであってもよい。
【0024】
レーザー発射モジュール322は、車本体30から前方側に向かってレーザーを射出するために用いられる。レーザー受光モジュール323は、例えば、別の軌道搬送車3等車本体30の前にある物体で反射されたレーザーを受光して、対応的にレーザー検知情報3231を生成するために用いられる。レーザー受光モジュール323は、レーザー検知情報3231を処理装置31に送信し得る。具体的に、レーザー発射モジュール322及びレーザー受光モジュール323は一緒に同じモジュールに配置されてもよいが、レーザー発射モジュール322及びレーザー受光モジュール323は、別々に独立な部材とされてもよい。実用化の例では、レーザー受光モジュール323の検知範囲は、レール2の配置様式、各車本体30のサイズによって選択し得るものである。
【0025】
図1及び図2に示すように、上記本発明に係る軌道搬送車システムSの実際の応用では、まず、システム制御装置1が走行情報10をレール2に位置する特定の軌道搬送車3に送信する。その走行情報10に軌道搬送車3がどのワークステーションPに移動するかに係る情報が含まれている。軌道搬送車3の通信モジュール311は、前記走行情報10を受信したときには、走行情報10を計算モジュール312に送信する。そして、計算モジュール312は、走行情報10に基づいて、軌道搬送車3の駆動装置を作動させる。これにより、車本体30がレール2を走行方向Lに沿って所定の速さで走行するようになる。
【0026】
軌道搬送車3が走行方向Lに沿って前記所定の速さで走行する間に、処理装置31は同時に、画像撮像モジュール321が継続的に画像撮像モジュール321の前方の画像を撮像するように制御する。それにより、画像撮像モジュール321は、継続的に画像撮像情報3211を生成するとともに、継続的に前記画像撮像情報3211を処理装置31に送信する。軌道搬送車3が走行方向Lに沿って前記所定の速さで走行する間に、処理装置31は同時に、レーザー発射モジュール322が継続的に走行方向Lに向かってレーザーを射出するように制御する。レーザー受光モジュール323は同時に、継続的に、反射されたレーザーを受光しながら継続的にレーザー検知情報3231を生成する。さらにレーザー受光モジュール323は、継続的にレーザー検知情報3231を処理装置31に送信する。
【0027】
言い換えれば、軌道搬送車3が走行方向Lに沿って前記所定の速さで走行する間に、処理装置31は同時に、画像撮像モジュール321及びレーザー発射モジュール322を作動させて、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231を継続的に受信する。処理装置31の計算モジュール312は、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231を受信したときには、現在の画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、車本体30による現在の走行方向または走行速度の少なくとも一方を変更するか否かを決める。
【0028】
実用化の例では、計算モジュール312は、例えば、様々な機械学習等、既存の各種の画像認識技術によって、画像撮像情報3211にある物体を認識することにより、車本体30の走行経路では、例えば、別の軌道搬送車3、または別の障害物等、任意の障害物があるかどうかについて判断できる。計算モジュール312は、画像撮像情報3211によって、車本体30の走行経路に別の軌道搬送車3または別の障害物があると判断したときには、軌道搬送車3のブレーキ装置を対応的に制御することにより、軌道搬送車3の走行速度を下げることができる。
【0029】
軌道搬送車3が走行方向Lに沿って走行する間に、計算モジュール312は同時に、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231を受信するため、計算モジュール312はさらに、レーザー検知情報3231を使用して、車本体30の走行経路にある別の軌道搬送車または障害物と現在軌道搬送車3との距離を判断し得る。それにより、計算モジュール312は、現在の軌道搬送車3の走行速度を下げるかどうかについて、きちんと決定することができる。
【0030】
計算モジュール312は、画像撮像情報3211基づいて、軌道搬送車3の前に別の軌道搬送車3があると判断しかつレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3と前の別の軌道搬送車3との距離が5メートル以上といった相対的に遠いと判断するときには、軌道搬送車3の現在の走行速度を下げなくてもよい。一方、計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、軌道搬送車3の前に別の軌道搬送車3がある判断しかつレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3と別の軌道搬送車3との距離が5メートルよりも小さいといった相対的に近いと判断するときには、軌道搬送車3の現在の走行速度を下げるまたはそれを停止させるように制御してもよい。
【0031】
図1及び図2に示すように、画像撮像モジュール321の視認範囲Rは、レーザー受光モジュール323がレーザーを受光し得る検知範囲R2よりも大きいのが一般的である。そのため、軌道搬送車3がレール2の曲線部を曲がっている際に、レール2の曲線部に別の軌道搬送車3が存在するときには、計算モジュール312は、レーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の走行経路に別の軌道搬送車3がないと判断するが、それとともに、画像撮像情報3211に基づいて、軌道搬送車3の前方に、レール2の曲線部に別の軌道搬送車3が存在することを正確に判断し得る。それにより、計算モジュール312は、即座に軌道搬送車3の走行速度を下げるように制御し得て、軌道搬送車3と前の別の軌道搬送車3との衝突から避けることができる。言い換えれば、本発明に係る軌道搬送車システムSは、軌道搬送車3がレール2に沿って走行する間に、画像撮像情報3211とレーザー検知情報3231とを両方とも利用して、軌道搬送車3の現在の走行速度及び現在の走行方向を変更するか否かについて判断するという仕組みによって、軌道搬送車3が前方にある別の軌道搬送車3に追突する問題を大幅に抑制し得る。画像撮像モジュール321の撮像速度や、レーザー発射モジュール322によるレーザーの発射周波数は、軌道搬送車3がレール2を走行する走行速度に応じて変更できるものであり、ここでは制限されない。また、計算モジュール312が画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて判断を行う時間の間隔についても、ここでは制限されない。
【0032】
上記の説明では、軌道搬送車3が、車本体30の前部に配置される1つのビジョンセンシング装置32を備える場合を例示する。それにより、軌道搬送車3が走行する間に、前方に障害物があるかどうかを判断し得る。しかし、実用化の例では、軌道搬送車3は1つのビジョンセンシング装置32を備えるとは限らない。特定の実施形態において、軌道搬送車3では、車本体30の前部及び後部に、それぞれビジョンセンシング装置32が配置されてもよい。それにより、軌道搬送車3がレール2を走行する間に、処理装置31は、軌道搬送車3の前部に配置されるビジョンセンシング装置32で前方のレール2に障害物が現れるかどうかについて検出し得るとともに、軌道搬送車3の後部に配置されるビジョンセンシング装置32で後方のレール2に別の軌道搬送車3が現れるかどうかについて検出し得る。それに基づいて、即座に走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更し得る。具体的に、軌道搬送車3は、車本体30の前部に配置されたビジョンセンシング装置32によって、前方に障害物が存在するかについて判断し得る。また、軌道搬送車3は、車本体30の後部に配置されたビジョンセンシング装置32により、後方に別の軌道搬送車3が高速で近づくかどうかを判断し得る。その場合、処理装置31は、後方にある軌道搬送車3により追突されることから避けるために、軌道搬送車3の走行速度を高めるようにしてもよい。もちろん、同時に、処理装置31は、警告信号をシステム制御装置1に送信するか、または例えば、ライトまたは音等の提示信号を作業員に提示してもよい。
【0033】
特定の実施形態において、軌道搬送車3には、さらに速度センサが含まれてもよい。速度センサは、車本体30に固定され、軌道搬送車3の速度(走行方向、走行速度を含む)を即座に検出し、それに基づいて速度情報を生成する。速度センサは、処理装置31に電気的に接続される。なお、速度センサが速度情報を処理装置31に送信することにより、計算モジュール312は、軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを変更するかどうかを判断する。それと同時に、計算モジュール312は、画像撮像情報3211、レーザー検知情報3231及び速度情報に基づいて、軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを低減するかどうかを一層正確に判断し得る。
【0034】
具体的に、軌道搬送車3がレール2を走行する間に、計算モジュール312は、画像撮像情報3211を、さまざまな機械学習、ディープラーニング、その他の画像認識方法と一緒に利用することにより、軌道搬送車3の前方にある別の軌道搬送車3に係る走行方向及び走行速度を予測してもよい。さらに、計算モジュール312は、レーザー検知情報3231により、軌道搬送車3と前方にある別の軌道搬送車3との距離を判断する。計算モジュール312は、速度情報によって、現在の軌道搬送車3の速度及び走行方向を判断することにより、軌道搬送車3の現在の速度及び走行方向を減らすかどうかを判断し得る。例えば、計算モジュール312は、画像撮像情報3211、レーザー検知情報3231及び速度情報に基づいて、軌道搬送車3と前方にある別の軌道搬送車3との走行方向が同じでかつ軌道搬送車3の現在の走行速度が前方にある別の軌道搬送車3の走行速度よりも低いとともに、軌道搬送車3と前にある別の軌道搬送車3との距離が相対的に遠い(例えば5メートルよりも大きい)と判断したときには、軌道搬送車3の移動速度を減らさないようにしてもよい。
【0035】
前記を踏まえて、軌道搬送車3は、走行情報10に基づいて、レール2を前記走行方向に沿って走行する間に、計算モジュール312は、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231等の情報に基づいて、軌道搬送車3の現在の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを、例えば、軌道搬送車3の走行を停止させ、走行速度を減らし、または走行速度を増やすように変更するかどうかを決定する。また、計算モジュール312は、軌道搬送車3を停止させてから逆方向に走行させるように制御してもよい。簡単に言えば、軌道搬送車3がレール2を前に向かって走行する間に、計算モジュール312は、受信した情報に基づいて、軌道搬送車3を停止させ、加速させまたは減速させるかどうかを判断する。さらに、計算モジュール312の制御により、軌道搬送車3が停止した後、計算モジュール312は、さらに軌道搬送車3を逆走させるように制御する。本発明に係る軌道搬送車システムSは、軌道搬送車3にビジョンセンシング装置32を配置するデザインにより、軌道搬送車3がレール2を走行するときには、前方にある別の軌道搬送車3または他の障害物と衝突されない。
【0036】
特筆に値するのは、既存の軌道搬送車システム(RGV System)または天井走行式無人搬送車システム(OHT System)において、軌道搬送車(RGV)または天井走行式無人搬送車(OHT)が関連コンピューター設備から送信した命令を受信すると、軌道搬送車は、直接に前記に従って、レールに沿って所定の位置に移動するようになる。なお、軌道搬送車が走行する間に、前方の状況を検出しないため、関連コンピューター設備が誤り命令を命じた場合、または関連コンピューター設備と軌道搬送車との通信が悪い場合等、軌道搬送車同士が追突することが発生されやい。また、軌道搬送車が走行する間に、軌道搬送車の走行経路に障害物が現れる場合でも、軌道搬送車が前記障害物と衝突しやすい。一方、本発明に係る軌道搬送車システムSが軌道搬送車3をレール2に沿って走行する間に、処理装置31は、即座に画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを変更するかを決定する。そのため、本発明に係る軌道搬送車システムSは、上記既存の軌道搬送車システムに比べて、軌道搬送車3が前方にある別の軌道搬送車3を追突したり、または他の障害物と衝突したりすることが発生し難いため、軌道搬送車3とシステム制御装置1との通信が悪い場合でも、本発明に係る軌道搬送車システムSにおける軌道搬送車3は、追突事故が発生しにくい。
【0037】
図3及び図4を共に参照されたい。図3は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。図4は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。図3及び図4に示すように、本実施形態と上述の実施形態との最大の差異点として、軌道搬送車システムSは、さらに複数のレール位置決めユニット4を含み得て、軌道搬送車3は、さらに位置決め装置33を含み得る。複数のレール位置決めユニット4は、互いに間隔をあけてレール2の周りに配置される。位置決め装置33は車本体30に配置される。レール位置決めユニット4の数は、実際のニーズに応じて変更でき、本発明はこの例に制限されない。
【0038】
車本体30がレール2を走行する間に、位置決め装置33は、車本体30の周りの少なくとも1つのレール位置決めユニット4を検知することにより、位置決め検知情報331を生成する。位置決め装置33は、処理装置31に電気的に接続されておりかつ位置決め検知情報331を処理装置31に送信する。処理装置31が位置決め検知情報331を受信したときには、通信モジュール311が現在位置情報3121をシステム制御装置1に送信するように制御する。なお、システム制御装置1が現在位置情報3121を受信することにより、前記軌道搬送車3の現在の位置を検出することができる。
【0039】
すなわち、軌道搬送車3がレール2を走行する間に、車本体30に配置された位置決め装置33は継続的に、レール2の周りの異なるに配置されたレール位置決めユニット4を検知して、継続的に位置決め検知情報331を生成する。それに対応するように、処理装置31は、継続的に現在位置情報3121を生成して、システム制御装置1に送信する。システム制御装置1は、軌道搬送車3から送信された現在位置情報3121に基づいて、継続的に軌道搬送車3の現在位置を更新する。
【0040】
システム制御装置1が軌道搬送車3から送信された現在位置情報3121を受信すると、システム制御装置1は、別の走行情報10を軌道搬送車3に送信して、軌道搬送車3が、別の走行情報10がレール2に基づいて、走行するように構成されてもよい。実用化の例では、処理装置31が現在位置情報3121をシステム制御装置1に送信すると、処理装置31は時間を図り始めて、処理装置31が所定の時間内にシステム制御装置1からフィードバックする別の走行情報10を受信しない場合、処理装置31は、軌道搬送車3の走行速度を減らすかまたはそれを停止させる。それにより、軌道搬送車3がその走行経路にある別の軌道搬送車3と衝突することから避けることができる。
【0041】
特筆に値するのは、前記位置決め検知情報331は、例えば、位置決め装置33が検知した前記レール位置決めユニット4に係る、例えば、レール位置決めユニット4のシリアルナンバー等の基礎認識データを含んでもよい。なお、現在位置情報3121は、前記位置決め検知情報331以外、さらに前記軌道搬送車3に係る、例えば、軌道搬送車3のシリアルナンバー等の認証データを含んでもよい。すなわち、システム制御装置1がいずれかの現在位置情報3121を受信すると、前記現在位置情報3121を介して、どの軌道搬送車3がどのレール位置決めユニット4を通りかかっているかを検出することができる。
【0042】
具体的な特定の実施形態において、各レール位置決めユニット4としては、例えば、バーコード(1Dバーコードまたは2Dバーコード等)が挙げられる。各バーコードには、レール位置決めユニットのシリアルナンバー等が記録される。なお、車本体30における位置決め装置33は、バーコードリーダーであってもよい。車本体30がレール位置決めユニット4を通りかかる際には、バーコードリーダー(位置決め装置33)は、バーコード(レール位置決めユニット4)を読み込む。バーコードリーダー(位置決め装置33)は、対応的にそのバーコードに対応して記録されたレール位置決めユニットのシリアルナンバー等を保存する。バーコードリーダーは、対応的にレール位置決めユニットのシリアルナンバー等を含む位置決め検知情報331を生成する。その後、処理装置31は、レール位置決めユニットが含まれたシリアルナンバー情報を含む位置決め検知情報331を受信すると、その位置決め検知情報331内に軌道搬送車のシリアルナンバーを加えて、それにより、現在位置情報3121を生成する。
【0043】
図3及び図4に示すように、本実施形態に係る軌道搬送車システムの具体例では、まず、軌道搬送車3がレール2の所定位置に静止した際に、システム制御装置1が前記軌道搬送車3に走行情報10を送信する。そして、軌道搬送車3は、前記走行情報10を受信したときに、走行情報10に基づいて、レール2を所定の速さで走行方向を走行する。軌道搬送車3が走行情報10に基づいてレール2を走行する間に、軌道搬送車3がレール位置決めユニット4を通りかかるたびに、軌道搬送車3がシステム制御装置1に現在位置情報3121を送信する。軌道搬送車3が現在位置情報3121を送信する度に、軌道搬送車3は、システム制御装置1からフィードバックした別の走行情報10を受信して、さらにその別の走行情報10にしたがって、レール2を走行するまで、その走行速度を減らし、または停止させる。すなわち、軌道搬送車3は、継続的に現在位置情報3121をシステム制御装置1に送信して、継続的にシステム制御装置1からの走行情報10を受信することにより、レール2を走行することになる。
【0044】
特筆に値するのは、軌道搬送車3の処理装置31とシステム制御装置1とが互いに現在位置情報3121及び走行情報10を送信する場合、軌道搬送車3に配置されるビジョンセンシング装置32は、画像の撮像及びレーザーの検出を継続的に行っている。なお、軌道搬送車3は、システム制御装置1から送信した走行情報10に基づいてレール2を走行する間に、もしレール2に追突の可能性を有する別の軌道搬送車3または障害物が現れたときには、処理装置31の制御により、軌道搬送車3は、現在の走行速度が減らされ、さらに停止される場合もある。すなわち、軌道搬送車3が走行情報10に基づいてレール2を走行する間に、処理装置31は、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを変更することにより、軌道搬送車3がその走行経路に現れた別の軌道搬送車3または他の障害物と衝突することから避けるかどうかについて、判断する。
【0045】
本発明に係る軌道搬送車3の車本体30には、ビジョンセンシング装置32が配置されるため、軌道搬送車3がシステム制御装置1の現在位置情報3121に送信した後、所定の時間内に、処理装置31がシステム制御装置1からフィードバックした別の走行情報10を受信しないとき、或いは、所定の時間を超えてから、処理装置31がシステム制御装置1からフィードバックされた別の走行情報10を受信した時には、軌道搬送車3は、リアルタイムの画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを変更するかどうかについて判断し得る。もし、軌道搬送車3がリアルタイムの画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度を変更することはないと判断するときには、軌道搬送車3は、レール2を継続的に走行し得て、次のレール位置決めユニット4を通りかかった時に、また再びシステム制御装置1に現在位置情報3121を送信する。この場合、処理装置31はまた同様に、所定の時間内に、システム制御装置1が別の走行情報10をフィードバックするかどうかを判断する。
【0046】
上記を踏まえて、具体的に、処理装置31は連続的に複数回でシステム制御装置1に現在位置情報3121を送信したが、複数回で、所定の時間内にシステム制御装置1からフィードバックされた別の走行情報10を受信しないときには、処理装置31が直接に、軌道搬送車3を停止させるように制御してもよい。また、処理装置31は、関連警告信号(例えば、所定のライト、音声等)を発すことにより、関連者に、今、軌道搬送車3がシステム制御装置1と正常に通信することができないことを知らせる。
【0047】
図1図5乃至図8を共に参照されたい。図5乃至図8は、それぞれ本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示す模式図である。本実施形態と上述した特定の実施形態との相違点の1つでは、軌道搬送車システムSは、少なくとも2本のレールを含んで、それぞれが、本線レール2A及び支線レール2Bと定義される。また、軌道搬送車システムSは、複数の標示ユニット5を有する。
【0048】
支線レール2Bの一端は、本線レール2Aの一端と連接される。本線レール2Aを走行する軌道搬送車3は、本線レール2Aから支線レール2Bに移動し得る。同じように、支線レール2Bを走行する軌道搬送車3は、支線レール2Bから本線レール2Aに移動し得る。本実施形態の図面において、本線レール2Aが直線レールに形成され、支線レール2Bが曲線レールに形成される場合を例示したが、この例に制限されない。
【0049】
複数の標示ユニット5は、本線レール2Aと支線レール2Bと連接する位置(以下、合流点Wと略称する)に配置される。実用化の例では、合流点Wの周りに配置された標示ユニット5の数及び配置位置は、実際のニーズに応じて変更でき、図面に示された例に制限されない。標示ユニット5は、種々の方法でレール2の周辺に固定されるか、軌道搬送車3の走行に影響がかからない限りに、レール2に固定されてもよい。標示ユニット5の具体的な位置は、レール2を走行する軌道搬送車3の画像撮像モジュール321の視認範囲R内に配置すればよい。
【0050】
軌道搬送車3が本線レール2Aを走行するときには、軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、画像撮像モジュール321の視認範囲Rに、いずれかの前記標示ユニット5が現れるかどうかについて判断する。計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、前記視認範囲R内に何れかの標示ユニットが現れると判断するときには、車本体30が停止するかまたは車本体30の走行速度を変更するように制御する。それにより、軌道搬送車3が高速に合流点Wに到着して、2つの軌道搬送車3が互いに衝突したり、軌道搬送車3が順調に合流点Wを通過できなかったりなどの問題から避けることができる。
【0051】
具体的に、軌道搬送車3の計算モジュール312は、既存の各種類の画像認識技法で、画像撮像情報3211にいずれかの標示ユニット5が現れるかどうかを判断し得る。それに基づいて、車本体30を停止させるか、その走行速度を減らすかを決定することができる。標示ユニット5の外観、または模様は、実際のニーズに応じて変更でき、本発明には制限されない。
【0052】
図1及び図5に示すように、実用化の例では、合流点Wの周辺には、4つの標示ユニット5が配置されてもよい。それらはそれぞれ、2つの第1の標示ユニット5A及び2つの第2の標示ユニット5Bに定義付けられる。なかでも、一方の第1の標示ユニット5A及び一方の第2の標示ユニット5Bは、本線レール2Aの周辺に配置され、他方の第1の標示ユニット5A及び他方の第2の標示ユニット5Bは、支線レール2Bの周辺に配置される。また、2つの第2の標示ユニット5Bは、合流点Wにより近接するように配置され、2つの第1の標示ユニット5Aは、合流点Wからより離れて配置される。なかでも、第1の標示ユニット5A及び第2の標示ユニット5Bはそれぞれ異なる模様を有している。
【0053】
本線レール2Aを走行する軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲R内に、第1の標示ユニット5Aが現れると判断したときには、軌道搬送車3の走行速度を減らすように制御し得る。その後、計算モジュール312は、軌道搬送車3が緩々に第1の標示ユニット5Aを通過して、画像撮像モジュール321の視認範囲R内に第2の標示ユニット5Bが現れると判断したときには、軌道搬送車3を所定の時間まで、しばらく停止させてもよい。同じように、支線レール2Bを走行する軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲R内に第1の標示ユニット5Aが現れると判断したときには、軌道搬送車3の走行速度を減らすようにする。支線レール2Bを走行する軌道搬送車3が徐々に第1の標示ユニット5Aを通過した後、軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲R内に第2の標示ユニット5Bが現れると判断したときには、軌道搬送車3を所定の時間までしばらく停止させる。
【0054】
軌道搬送車3が前記所定の時間が経過したところで、計算モジュール312は、車本体30が走行方向に沿って走行するように制御する前に、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、車本体30の前方に別の軌道搬送車3が現れるかどうかについて判断する。計算モジュール312は、車本体30の前方に別の軌道搬送車3が現れると判断したときには、車本体30が所定の時間まで待機するように制御する一方、車本体30の前方に別の軌道搬送車3が現れないと判断したときには、車本体30が合流点Wを通過するように制御する。
【0055】
上述によれば、まとめると、各軌道搬送車3の処理装置31は、画像撮像情報3211を基に、軌道搬送車3が2つのレール2の連接位置(合流点W)を通過する前に、軌道搬送車3の走行を所定の時間停止させてから、軌道搬送車3の走行を再開させるとともに、軌道搬送車3が走行を再開する時には、画像撮像情報3211及びレーザー検知情報3231に基づいて、軌道搬送車3の前方に別の軌道搬送車3または他の障害物があるかどうかを判断することにより、軌道搬送車3の走行を許可するかどうかを決定する。
【0056】
上記を踏まえて、本実施形態の軌道搬送車システムSは、上述のように、標示ユニット5の配置により、異なるレール2を走行する軌道搬送車3が、2つのレール2の合流点Wで衝突するという問題を大幅に抑えることができる。
【0057】
特筆に値するのは、異なる実施形態において、本線レール2Aの周辺に配置される標示ユニット5に示される模様を、支線レール2Bの周辺に配置される標示ユニット5に示される模様と異なるようにしてもよい。それにより、計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、軌道搬送車3が、現在、本線レール2Aにあるが、または支線レール2Bにあるかを判断し得る。計算モジュール312は、軌道搬送車3が現在、本線レール2Aにあるか、または支線レール2Bにあるかを判断することにより、ニーズに応じて、本線レール2Aにある軌道搬送車3と支線レール2Bにある軌道搬送車3とが、同時に合流点Wと近接する位置にあるときには、本線レール2Aにある軌道搬送車3(または、支線レール2Bにある軌道搬送車3)を支線レール2Bにある軌道搬送車3(または本線レール2Aにある軌道搬送車3)よりも優先的に合流点Wを通過させる。
【0058】
例えば、本線レール2Aにある軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像情報3211に本線レール2Aと対応する標示ユニット5が存在すると判断したときには、軌道搬送車3の走行速度を減らすのみで済んでもよい。なお、支線レール2Bにある軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像情報3211に支線レール2Bに対応する標示ユニット5が存在すると判断したときには、軌道搬送車3を所定の時間まで停止させる。それにより、本線レール2Aにある軌道搬送車3が優先的に合流点Wを通過した後、続いて、支線レール2Bにある軌道搬送車3が合流点Wを通過する。もちろん、別の実施形態において、支線レール2Bにある軌道搬送車3が本線レール2Aにある軌道搬送車3よりも合流点Wを優先的に通過するように設定してもよい。
【0059】
軌道搬送車3が本線レール2Aを走行する走行方向と軌道搬送車3が支線レール2Bを走行する走行方向とは、実際のニーズに応じて変更できる。例えば、図5では、軌道搬送車3が本線レール2Aを走行する走行方向L1と、軌道搬送車3が支線レール2Bを走行する走行方向L2とは、合流点Wを近づく方向である。或いは、図6では、軌道搬送車3が本線レール2Aを走行する走行方向L1は、合流点Wに近づく方向であり、軌道搬送車3が支線レール2Bを走行する走行方向L2は、合流点Wから離れる方向である。或いは、図7では、軌道搬送車3が本線レール2Aを走行する走行方向L1は、合流点Wから離れる方向であり、軌道搬送車3が支線レール2Bを走行する走行方向L2は、合流点Wに近づく方向である。或いは、図8では、軌道搬送車3が本線レール2Aを走行する走行方向L1と軌道搬送車3が支線レール2Bを走行する走行方向L2とのいずれも、合流点Wから離れる方向である。
【0060】
具体的に、前記標示ユニット5は、例えば、複数の発光ユニット(例えば、発光ダイオード)を含んでもよい。各標示ユニット5における複数の発光ユニットは、所定の模様を示すように制御される。或いは、前記標示ユニット5は、所定の模様を示す標示(sign)であってもよい。
【0061】
図9及び図10を共に参照されたい。図9は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。図10は、本発明に係る軌道搬送車の特定の実施形態を示す斜視模式図である。本実施形態と上述した実施形態との最大の差異点は、軌道搬送車3は、警告モジュール34をさらに含むという点である。警告モジュール34は、車本体30にビジョンセンシング装置32が配置された側と反対側に配置される。警告モジュール34は、処理装置31に電気的に接続される。計算モジュール312の制御により、車本体30の走行速度及び走行方向の少なくとも1つが変更されたときには、該計算モジュール312は、警告モジュール34が警告情報341を生成するように制御する。
【0062】
具体的に、警告モジュール34は、複数の発光ユニット342を含む。計算モジュール312は、車本体30の走行速度及び走行方向の少なくとも1つに基づいて、少なくとも1つの発光ユニット342が発光するように制御し得る。それにより、複数の発光ユニット342が発光する光束が予定パターンFを示すようになる。
【0063】
軌道搬送車3がレール2を走行する際に、計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、画像撮像モジュール321の視認範囲に、前記予定パターンFが現れるかどうかを判断する。計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲内に予定パターンFが現れると判断したときには、車本体30の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更させる。もちろん、別の実施形態において、計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲内に予定パターンFが現れると判断したときには、車本体30の走行速度または走行方向を変更しないようにしてもよい。
【0064】
図10に示すように、実用化の例では、計算モジュール312が、警告情報341を生成するように警告モジュール34を制御する技法では、該計算モジュール312が、複数の発光ユニット342を駆動して、それらが共に、軌道搬送車3の現在の走行速度情報F1(例えば、図面に示した数値10)及び走行方向情報F2(例えば、図面に示した矢印)を示すようにさせてもよい。それにより、1つの軌道搬送車3の警告モジュール34が別の軌道搬送車3の画像撮像モジュール321の視認範囲内にあるときに、後方にある軌道搬送車3の計算モジュール312は、前方にある軌道搬送車3の現在の走行速度及び走行方向を検知し得る。それにより、計算モジュール312は、より正確に軌道搬送車3の現在の走行速度及び走行方向を制御して、さらに軌道搬送車3が互いに衝突する確率を減らすことができる。特筆に値するのは、図10に示した走行速度情報F1及び走行方向情報F2は、例示に過ぎず、実用化の例では、走行速度情報F1及び走行方向情報F2が示すパターンでは、別の軌道搬送車3が認識できればよく、実際のニーズに応じて変更できる。
【0065】
ところで、警告モジュール34が複数の発光ユニット342を含み、計算モジュール312が、複数の発光ユニット342が即座に軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度を示すようにすることができる実施形態において、警告モジュール34が走行速度情報F1及び走行方向情報F2を示し得る構成にすることにより、別の軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像情報3211を認識する時に、さらに早めに前方の軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度を認識できる。すなわち、計算モジュール312は、複雑な計算がなくても、前方にある軌道搬送車3の走行方向及び走行速度を知ることができる。
【0066】
図11及び図12に示すように、図11は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。図12は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態の軌道搬送車を示す模式図である。本実施形態と上述した実施形態との最大の差異点は、軌道搬送車3には、さらに認識ユニット35が含まれるという点である。認識ユニット35は、軌道搬送車3に一端に配置される。計算モジュール312は、画像撮像情報3211に基づいて、画像撮像モジュール321の視認範囲内に、別の軌道搬送車3に配置された認識ユニット35が現れるかどうかを判断する。計算モジュール312は、視認範囲に別の軌道搬送車3に配置された認識ユニット35が現れると判断したときには、車本体30の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更する。具体的に、認識ユニット35は、平面または立体的な標記(sign)であってもよい。また、認識ユニット35は主に、別の軌道搬送車3が当該軌道搬送車3の走行方向を認識できるように配置されるものである。例えば、認識ユニット35は所定のパターンを有するシール、車本体30のケーシングに形成された凹入または凸出の所定パターンであってもよい。前記所定のパターンは、実際のニーズに応じて変更でき、ここでは上記の例に制限されない。
【0067】
別の実施形態において、軌道搬送車3には、2つ以上の認識ユニット35が配置されてもよい。軌道搬送車3における異なる位置にある認識ユニット35は、互いに異なる模様または外観をなしてもよい。なお、軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像認識を介して、画像撮像モジュール321の視認範囲内にある軌道搬送車3の現在の走行方向及びその姿勢を認識することにより、軌道搬送車3の現在の走行方向及び走行速度の少なくとも1つを変更するかどうかを決定する。
【0068】
例えば、車本体30の前部、後部、左部、右部に、それぞれに異なる認識ユニット35が配置されてもよい。近くにある軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像情報3211を分析するときに、画像撮像モジュール321の視認範囲内に、別の軌道搬送車3の車本体30の前部(または後部)に配置された認識ユニット35が現れると判断したときには、別の軌道搬送車3が正面に近づいている(または離れている)ことを判断し得る。計算モジュール312が画像撮像モジュール321の視認範囲内に別の軌道搬送車3の車本体30の左部または右部の認識ユニット35が現れると判断したときには、計算モジュール312は、別の軌道搬送車3が左または右に向かって曲がっていると判断し得る。また、計算モジュール312が画像撮像モジュール321の視認範囲内に別の軌道搬送車3の車本体30の左部(または右部)の認識ユニット35並びに前部の認識ユニット35が現れると判断したときには、計算モジュール312は、別の軌道搬送車3が左(または右)から曲がって近づいてくると判断し得る。計算モジュール312が画像撮像モジュール321の視認範囲内に別の軌道搬送車3の車本体30の左部(または右部)の認識ユニット35並びに後部の認識ユニット35が現れると判断したときには、計算モジュール312は、別の軌道搬送車3が左(または)右に曲がって離れていると判断し得る。
【0069】
上述に示すように、車本体30に少なくとも1つの認識ユニット35が配置される構成により、軌道搬送車3の計算モジュール312は、画像撮像モジュール321の視認範囲内にある別の軌道搬送車3の走行方向をより正確に判断し得る。それにより、計算モジュール312は、より正確に制御信号を出し、別の軌道搬送車3との衝突から避けることができる。
【0070】
ところで、上記の実施形態に例示された警告モジュール34(図9に示すように)は、上記と同様に、車本体30の異なる側面に配置され、異なる模様を示してもよい。それにより、軌道搬送車3は、画像撮像情報内に現れた異なる警告モジュール34が示す異なる模様により、別の軌道搬送車3の現在の走行方向及び姿勢を判断し得る。
【0071】
図13を参照されたい。図13は、本発明に係る軌道搬送車システムの特定の実施形態を示すブロック図である。本実施形態と上記実施形態との最大の差異点は、軌道搬送車3は更に照明装置6を含むという点である。照明装置6は車本体30に配置され、照明装置6は処理装置31に電気的に接続され、処理装置31は、照明装置6が車本体30の前方へ光束を発光するように制御し得る。照明装置6は、主に、画像撮像モジュール321が軌道搬送車3の前方の画像を撮像する際に必要な光源を提供するために用いられる。本発明に係る軌道搬送車システムSにおけるいずれの軌道搬送車3にも、照明装置6が配置される実施形態において、軌道搬送車システムSは、節電工場(即ち、工場は、基本的にライトオフ、照明のない状態にされる)において使用されるため、節電することができる。
【0072】
特筆に値するのは、実用化の例では、軌道搬送車システムSは、上記実施形態に例示したレール位置決めユニット4、標示ユニット5、位置決め装置33、警告モジュール34、認識ユニット35及び照明装置6から選ばれる少なくとも1つを含んでもよい。
【0073】
図14を参照されたい。図14は、本発明に係る軌道搬送車を示すブロック図である。本発明の軌道搬送車3は、少なくとも1つの車本体30、処理装置31、及びビジョンセンシング装置32を含む。処理装置31は、通信モジュール311、及び計算モジュール312を含む。ビジョンセンシング装置32は、画像撮像モジュール321、レーザー発射モジュール322、及びレーザー受光モジュール323を含む。通信モジュール311は、リモート装置と通信接続されるとともに、前記リモート装置から送信した走行情報を受信し得る。前記リモート装置は、例えば様々なコンピューター、サーバー、或いは、前記実施形態に示したシステム制御装置1(図1)であり得る。
【0074】
実用化の例では、本発明の軌道搬送車3は、ニーズに応じて、位置決め装置33、警告モジュール34、及び認識ユニット35の少なくとも1つを含んでもよい。本発明の軌道搬送車3及びそれに含まれる各モジュール、装置、ユニットに係る詳しい説明は、各実施形態における軌道搬送車3に係る説明を参照でき、ここでは、説明を省略する。本発明の軌道搬送車3は、単独に販売及び製造でき、本発明の軌道搬送車3は、前記軌道搬送車システムにおける別の部材、装置と一緒に販売、製造しなければならないと制限されない。
【0075】
図15を参照されたい。図15は、本発明のビジョンセンシング装置を示すブロック図である。本発明のビジョンセンシング装置7は、軌道搬送車の一端に配置されるために使用され、軌道搬送車は、レールを走行方向に沿って走行し得る。軌道搬送車は、処理装置を含む。ここでは、軌道搬送車は、一般的な軌道搬送車(RGV)または天井走行式無人搬送車(OHT)であってもよい。或いは、前記軌道搬送車は、前記各実施形態に例示された軌道搬送車であってもよい。
【0076】
ビジョンセンシング装置7は、視覚計算モジュール71、画像撮像モジュール72、レーザー発射モジュール73、レーザー受光モジュール74、及び接続ユニット75を含む。画像撮像モジュール72、レーザー発射モジュール73、レーザー受光モジュール74、及び接続ユニット75は、いずれも視覚計算モジュール71と電気的に接続される。画像撮像モジュール72、レーザー発射モジュール73、及びレーザー受光モジュール74に係る詳細な説明は、前記各実施形態(図1乃至図13)における、画像撮像モジュール321、レーザー発射モジュール322、レーザー受光モジュール323に係る説明を参照されたく、ここでは説明を省略する。本実施形態に例示した視覚計算モジュール71と前記各実施形態(図1乃至図13)に示した計算モジュール312は、同じ機能を有しており、ここでは説明を省略する。
【0077】
接続ユニット75は、処理装置31と連接するために用いられる。接続ユニット75は、画像撮像モジュール72が生成した画像撮像情報721とレーザー受光モジュール74が生成したレーザー検知情報741とを、軌道搬送車の処理装置に送信し得る。視覚計算モジュール71は、接続ユニット75で処理装置が送信した起動信号を受信し得る。
【0078】
接続ユニット75が起動信号を受信したときに、視覚計算モジュール71は、画像撮像モジュール72、レーザー発射モジュール73、及びレーザー受光モジュール74を動作させるとともに、接続ユニット75が画像撮像情報721及びレーザー検知情報741を処理装置に送信するように制御する。それにより、処理装置は、軌道搬送車が走行している時に、画像撮像情報721及びレーザー検知情報741に基づいて、軌道搬送車の走行速度及び走行方向の少なくとも1つを変更するかどうかを判断し得る。
【0079】
前記接続ユニット75は主に、軌道搬送車の処理装置とビジョンセンシング装置7の視覚計算モジュール71とを電気的に接続するように使用される。なお、接続ユニット75の具体的な構成は、実際のニーズに応じて変更できる。例えば、接続ユニット75は、1つの連接線路または2つの連接端子を含んでもよい。2つの連接端子は、連接線路の両端に配置され、一方の端子は、視覚計算モジュール71における対応的なソケットに挿着し、他方の端子は、軌道搬送車の処理装置における対応的なソケットに挿着してもよい。或いは、接続ユニット75は、通信用チップであってもよい。処理装置は無線で、ビジョンセンシング装置7と互いに通信できる。
【0080】
実用化の例では、ビジョンセンシング装置7における視覚計算モジュール71は、画像撮像情報721及びレーザー検知情報741に基づいて、画像撮像モジュール72の視認範囲内及びレーザー受光モジュールの検知範囲内に、別の軌道搬送車または障害物が現れるかどうかを判断して、停止信号または減速信号を生成し、軌道搬送車の処理装置に送信し得る。軌道搬送車の処理装置が停止信号また減速信号を受信したときには、対応的に、軌道搬送車を停止または減速させる。
【0081】
すなわち、実用化の例では、ビジョンセンシング装置7の視覚計算モジュール71自身は、画像撮像情報721及びレーザー検知情報741に基づいて、軌道搬送車の前方に別の軌道搬送車または障害物が現れると判断し得て、その判断結果に基づいて、関連信号を軌道搬送車に送信する。それにより、軌道搬送車は、停止され、または減速される。また、別の実施形態において、ビジョンセンシング装置7は、画像撮像情報721及びレーザー検知情報741を処理装置に送信するのものに過ぎなくてもよい。
【0082】
上記を踏まえて、本発明に係る軌道搬送車システム、軌道搬送車及びビジョンセンシング装置によれば、レールを走行する2つの軌道搬送車が互いに衝突する確率を大幅に減少し得て、軌道搬送車とシステム制御装置(または、工場における中央コンピューター設備、中央サーバー等)との通信が不良な状況においても、レールを走行する軌道搬送車が互いに衝突しないように確保することができる。
【0083】
以上に開示された内容は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、これにより本発明の特許請求の範囲を制限するものではない。そのため、本発明の明細書及び添付図面の内容に基づき為された等価の技術変形は、全て本発明の特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0084】
S 軌道搬送車システム
1 システム制御装置
10 走行情報
2 レール
2A 本線レール
2B 支線レール
3 軌道搬送車
30 車本体
31 処理装置
311 通信モジュール
312 計算モジュール
3121 現在位置情報
32 ビジョンセンシング装置
321 画像撮像モジュール
3211 画像撮像情報
322 レーザー発射モジュール
323 レーザー受光モジュール
3231 レーザー検知情報
33 位置決め装置
331 位置決め検知情報
34 警告モジュール
341 警告情報
342 発光ユニット
35 認識ユニット
4 レール位置決めユニット
5 標示ユニット
5A 第1の標示ユニット
5B 第2の標示ユニット
6 照明装置
7 ビジョンセンシング装置
71 視覚計算モジュール
72 画像撮像モジュール
721 画像撮像情報
73 レーザー発射モジュール
74 レーザー受光モジュール
741 レーザー検知情報
75 接続ユニット
L 走行方向
L1 走行方向
L2 走行方向
P ワークステーション
R 視認範囲
R2 検知範囲
F 予定パターン
F1 走行速度情報
F2 走行方向情報
W 合流点

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15