(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】サーバ、情報処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 30/02 20120101AFI20220325BHJP
G06F 13/00 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
G06Q30/02 312
G06F13/00
(21)【出願番号】P 2020142840
(22)【出願日】2020-08-26
【審査請求日】2020-08-26
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天グループ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】萬代 和明
【審査官】竹下 翔平
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第111177561(CN,A)
【文献】特開2020-024736(JP,A)
【文献】特表2016-522475(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0189156(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
G06F 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供手段と、
前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得手段と、
前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から第1及び第2グループを選択する選択手段と、
所定のテスト期間において、前
記第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前
記第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、
前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得手段と、
を含み、
前記第1及び第2グループは、前記第1及び第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択される、
サーバ。
【請求項2】
前記第1及び第2グループのテスト情報に基づいて前記第1及び第2グループの評価値を比較する評価手段をさらに含む、
請求項1に記載のサーバ。
【請求項3】
前記統計値は、ユニークユーザ数、CVR、平均利用額のうち少なくとも一つである、
請求項1
又は2に記載のサーバ。
【請求項4】
前記共通コンテンツは、前記第1コンテンツである、
請求項1~
3のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項5】
前記コンテンツ提供手段は、前記第1グループ、及び前記複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第3グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記第2グループ、及び前記複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第4グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第2コンテンツを提供する、
請求項1~
4のいずれか一項に記載のサーバ。
【請求項6】
所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供手段と、
前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得手段と、
所定のテスト期間において、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、
前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得手段と、
を含み、
前記第1及び第2グループは、前記第1及び第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択され、
前記コンテンツ提供手段は、前記第1グループ、及び前記複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第3グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記第2グループ、及び前記複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第4グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第2コンテンツを提供する、
サーバ。
【請求項7】
サーバが実行する情報処理方法であって、
共通コンテンツ提供手段が、所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供ステップと、
準備情報取得手段が、前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得ステップと、
選択手段が、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から第1及び第2グループを選択する選択ステップと、
コンテンツ提供手段が、所定のテスト期間において、前
記第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前
記第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供ステップと、
テスト情報取得手段が、前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得ステップと、
を含み、
前記第1及び第2グループは、前記第1及び第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択される、
情報処理方法。
【請求項8】
所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供手段、
前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得手段、
前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から第1及び第2グループを選択する選択手段、
所定のテスト期間において、前
記第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前
記第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供手段、
前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得手段、
としてサーバのコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記第1及び第2グループは、前記第1及び第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択される、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバ、情報処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ウェブサイトにおいて、コンテンツの変更を行う場合、A/Bテストを行い、コンテンツの変更の可否を判断している。A/Bテストは、現行コンテンツと新コンテンツをユーザに公開し、現行コンテンツに対するユーザの反応と新コンテンツに対するユーザの反応を比較し、現行コンテンツと新コンテンツの優劣を評価するものである。このとき、従来はA/Bテストにおいて、現行コンテンツと新コンテンツはランダムにユーザに配分されていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記先行技術では、現行コンテンツと新コンテンツをランダムにユーザに配分するため、必ずしもA/Bテストを適切に行うことができない。例えば、現行コンテンツが提供されるユーザと、新コンテンツが提供されるユーザとに、有意な行動差が存在する場合には、現行コンテンツに対するユーザの反応と、新コンテンツに対するユーザの反応を比較しても、現行コンテンツと新コンテンツの優劣を適切に判断することはできない。なお、現行コンテンツと新コンテンツの優劣を評価する場合のみならず、例えば2つの新コンテンツの優劣を評価する場合など、広く第1コンテンツと第2コンテンツの優劣を評価する場合に同様の問題を有する。
【0005】
本発明では、第1コンテンツと第2コンテンツを適切にユーザに配分し、A/Bテストを行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一態様に係るサーバは、所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供手段と、前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得手段と、所定のテスト期間において、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供手段と、前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得手段と、を含む。
【0007】
本発明の一態様に係る情報処理方法は、サーバが実行する情報処理方法であって、共通コンテンツ提供手段が、所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供ステップと、準備情報取得手段が、前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得ステップと、コンテンツ提供手段が、所定のテスト期間において、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供ステップと、テスト情報取得手段が、前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得ステップと、を含む。
【0008】
本発明の一態様に係るプログラムは、所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する共通コンテンツ提供手段、前記所定の準備期間において、前記複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、該準備情報を記憶手段に記憶する準備情報取得手段、所定のテスト期間において、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、前記各グループの準備情報に基づいて前記複数グループの中から選択される第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するコンテンツ提供手段、前記所定のテスト期間において、前記第1及び第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶するテスト情報取得手段、としてサーバのコンピュータを機能させる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、第1コンテンツと第2コンテンツを適切にユーザに配分し、A/Bテストを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】情報処理システムの全体構成を示す図である。
【
図5】準備期間の記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
【
図9】準備期間の各ユーザ端末に対するサーバの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図10】準備期間終了後のサーバの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図11】テスト期間の各ユーザ端末に対するサーバの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図12】テスト期間終了後のサーバの情報処理の一例を示すフロー図である。
【
図13】変形例における準備期間の記憶部のデータ構造の一例を示す図である。
【
図14】変形例における準備期間の統計を示す図である。
【
図15】変形例におけるテスト期間の統計を示す図である。
【
図16】変形例における準備期間の統計を示す図である。
【
図17】変形例におけるテスト期間の統計を示す図である。
【
図18】変形例におけるテスト期間終了後のサーバの情報処理の一例を示すフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態を説明する。本実施形態では、A/Bテストの例として、施設予約を行うサーバにおいて、施設予約のウェブサイトのコンテンツを現行バージョンにするか、それとも、新バージョンにするかを決定する情報処理システムを説明する。
【0012】
[情報処理システム1の概要]
以下、本実施形態の情報処理システム1の概要を説明する。
図1は、情報処理システム1の全体構成を示す図である。情報処理システム1は、サーバ100と複数のユーザ端末200を備える。各装置は、ネットワークNを介して、有線又は無線により通信可能に接続される。本実施形態の情報処理は、準備段階とテスト段階からなる。
【0013】
(準備段階)
図2は、準備段階の概念図である。
図2では、準備段階において、施設予約を行うサーバ100が、複数のユーザ端末200に対して、現行バージョンの施設予約のウェブサイトのコンテンツを提供し、ユーザ端末200から施設予約を受け付ける例を示す。
【0014】
以下、準備段階における、準備期間の情報処理を説明する。ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200のウェブブラウザは、サーバ100にアクセスし、サーバ100に対して施設予約のウェブサイトのコンテンツの提供要求を行う。サーバ100は、ユーザ端末200に対して、ユーザ識別子とグループ識別子を割り当て、ユーザ識別子とグループ識別子を含むクッキー(Cookie)をユーザ端末200に送信し、記憶させる。サーバ100は、ユーザに割り当てたユーザ識別子とグループ識別子を対応付けて、記憶部160に格納する。ユーザ識別子は、ユーザ端末200を特定する情報である。グループ識別子は、ユーザ端末200が属するグループを特定する情報である。
【0015】
サーバ100は、ユーザ端末200に対して、データベース110に格納された現行バージョンのコンテンツを提供する。ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200は、サーバ100に対して、ユーザ識別子を含むクッキーと施設予約に関する情報を送信する。サーバ100は、ユーザ端末200から送信される施設予約に関する情報に基づき、施設の予約処理を行う。サーバ100は、ユーザ識別子に対応付けて、準備情報として施設の予約日時と準備期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を記憶部160に格納する。
【0016】
以下、準備段階における、準備期間終了後の情報処理を説明する。サーバ100は、準備期間において、サーバ100にアクセスしたユーザ端末200が属する、複数グループを作成する。サーバ100は、同一のグループ識別子を付与されたユーザ端末200が同一のグループとなるように、複数グループを作成する。
図2において、同一のグループ識別子を付与されたユーザ端末200-1~ユーザ端末200-100は、グループ「G001」に属する。同様に、ユーザ端末200-101~ユーザ端末200-200は、グループ「G002」に属し、ユーザ端末200-201~ユーザ端末200-300は、グループ「G003」に属する。
【0017】
サーバ100は、各グループの準備期間のCVR(ConVersion Rate)を算出する。CVRは、(施設の予約回数/ユニークユーザ数)で示される。
図2において、グループ「G001」は、ユニークユーザ数「100」(ユーザ端末200-1~ユーザ端末200-100)であり、施設の予約回数「2」であるため、CVR「2」である。同様に、グループ「G002」は、CVR「2」であり、グループ「G003」は、CVR「1」である。
【0018】
サーバ100は、複数グループから、準備期間のCVRが近似する2つのグループを選択し、一方をコントロールグループ、他方をテストグループとして特定する。コントロールグループは、現行バージョンのコンテンツを提供するグループであり、テストグループは、新バージョンのコンテンツを提供するグループである。
図2において、サーバ100は、準備期間のCVRが近似するグループ「G001」とグループ「G002」を選択し、グループ「G001」をコントロールグループ、グループ「G002」をテストグループとして特定する。
【0019】
(テスト段階)
図3は、テスト段階の概念図である。
図3では、テスト段階において、施設予約を行うサーバ100が、複数のユーザ端末200に対して、現行バージョン又は新バージョンの施設予約のウェブサイトのコンテンツを提供し、ユーザ端末200から施設予約を受け付ける例を示す。
【0020】
以下、テスト段階における、テスト期間の情報処理を説明する。ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200のウェブブラウザは、サーバ100にアクセスし、サーバ100に対して施設予約のウェブサイトのコンテンツの提供要求を行う。サーバ100は、ユーザ端末200のウェブブラウザから、クッキーを取得し、ユーザ識別子とユーザグループ識別子を特定する。サーバ100は、記憶部160を参照し、ユーザ端末200がテストグループに属するか否かを判断する。すなわち、クッキーから特定されるユーザグループ識別子が、記憶部160に記憶されたテストグループに対応するユーザグループ識別子と一致するか否かにより、ユーザ端末200がテストグループに属するか否かを判断する。サーバ100は、ユーザ端末200がテストグループに属しないと判断した場合には、データベース110に格納された現行バージョンのコンテンツを提供する。サーバ100は、ユーザ端末200がテストグループに属すると判定した場合には、データベース110に格納された新バージョンのコンテンツを提供する。
図3において、サーバ100は、コントロールグループ(グループ「G001」)に現行バージョンのコンテンツを提供し、テストグループ(グループ「G002」)に新バージョンのコンテンツを提供する。
【0021】
なお、クッキーにユーザグループ識別子を含めず、ユーザ識別子のみを含める場合、サーバ100は、記憶部160を参照して、クッキーに含まれるユーザ識別子に関連づけられたユーザグループがテストグループであるか否か判断してよい。
【0022】
ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200は、サーバ100に対して、ユーザ識別子を含むクッキーと施設予約に関する情報を送信する。サーバ100は、ユーザ端末200から送信される施設予約に関する情報に基づき、施設の予約処理を行う。サーバ100は、ユーザ識別子に対応付けて、テスト情報として施設の予約日時とテスト期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を記憶部160に格納する。
【0023】
以下、テスト段階における、テスト期間終了後の情報処理を説明する。サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを算出する。
図3において、コントロールグループは、ユニークユーザ数「100」(ユーザ端末200-1~ユーザ端末200-100)であり、施設の予約回数「2」であるため、CVR「2」である。同様に、テストグループは、CVR「4」である。
【0024】
サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを比較する。サーバ100は、コントロールグループのCVRが、テストグループのCVRより高い場合、現行バージョンのコンテンツが優れていると評価し、テストグループのCVRが、コントロールグループのCVRより高い場合、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。
図3において、サーバ100は、テストグループのCVR「4」が、コントロールグループのCVR「2」より高いため、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。
【0025】
[サーバ100の構成]
以下、本実施形態のサーバ100の構成を説明する。
図4は、サーバ100の構成を示す図である。サーバ100は、所定のウェブサイトにおいて、ユーザ端末200にコンテンツを配信する情報処理装置(コンピュータ)である。ウェブサイトは、例えば、施設予約サイト、ショッピングサイト、配信サイト、検索エンジン等である。なお、サーバ100は、1台のサーバ装置から構成されてもよいし、複数台のサーバ装置から構成されてもよい。
【0026】
サーバ100は、データベース110、通信部120、入力部130、表示部140、制御部150と記憶部160を備える。データベース110、通信部120、入力部130、表示部140、制御部150と記憶部160は、バスを介して接続される。
【0027】
データベース110は、共通コンテンツ、第1コンテンツと第2コンテンツを格納する。共通コンテンツは、後述する所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通に提供されるコンテンツであればよく、第1コンテンツでもよい。第1コンテンツと第2コンテンツは、比較する2つのコンテンツであり、例えば、現行コンテンツと新コンテンツ、2つの新コンテンツ等である。コンテンツは、例えば、機能、デザイン、画像、動画、楽曲、音声、テキスト、アプリケーション等の電子的に提供される情報である。本実施形態では、共通コンテンツと第1コンテンツが現行コンテンツであり、第2コンテンツが新コンテンツである例を中心に説明する。
【0028】
通信部120は、例えば、NIC(Network Interface Card)等を備える。通信部120は、制御部150の制御にしたがって、有線又は無線により、サーバ100とユーザ端末200の間で情報を送受信する。入力部130は、例えば、キーボード、マウス等を備える。入力部130は、サーバ100の管理者による操作内容を制御部150に伝達する。表示部140は、例えば、ディスプレイ等を備える。表示部140は、サーバ100の管理者が操作するための画像を表示する。なお、サーバ100は、入力部130と表示部140を備えなくてもよい。
【0029】
制御部150は、例えば、CPU等によって、サーバ100に記憶されているプログラムを実行することにより、制御部150の機能構成を実現する。プログラムは、例えば、記憶部160、CD-ROM、DVD-ROM等のコンピュータ可読情報記憶媒体に格納されるものでもよいし、ネットワークNを介してサーバ100に供給されるものでもよい。制御部150は、機能構成として、識別子付与部151、共通コンテンツ提供部152、準備情報取得部153、選択部154、コンテンツ提供部155、テスト情報取得部156と評価部157を備える。これらの機能構成は、本実施形態に係るプログラムを制御部150が実行することにより、サーバ100において実現されるものである。なお、制御部150の内部構成は、このような構成に限られず、本実施形態の情報処理を行なう構成であれば、他の構成であってもよい。
【0030】
識別子付与部151は、所定の準備期間において、ユーザにユーザ識別子とグループ識別子を付与する。所定の準備期間は、予め設定された期間(例えば、1月)でもよいし、管理者の指示により開始してから終了するまでの期間でもよい。ユーザ識別子とグループ識別子は、ユーザ端末200のウェブブラウザにクッキーとして付与される。識別子付与部151は、ユーザ端末200に対して、複数のグループ識別子のうち、無作為に選択した一のグループ識別子を割り当ててもよいし、順番に選択した一のグループ識別子を割り当ててもよい。以下、ユーザ端末200をユーザと呼ぶ場合がある。
【0031】
共通コンテンツ提供部152は、所定の準備期間において、複数グループの各ユーザに共通コンテンツを提供する。グループは、同一のグループ識別子を付与された複数のユーザ端末200からなるグループである。
【0032】
準備情報取得部153は、所定の準備期間において、複数グループの各グループのユーザのアクセス情報を準備情報として取得し、準備情報を記憶手段に記憶する。準備情報は、コンバージョンに関する情報であり、例えば、商品の注文又は購入、サービス又は施設の予約、サービス又は施設の利用、コンテンツ再生、会員登録、資料の申込み、アンケートへの回答等に関する情報のうち少なくとも一つである。本実施形態では、準備情報が、施設の予約日時と予約回数である例を中心に説明する。
【0033】
選択部154は、各グループの準備情報に基づいて複数グループの中から第1グループと第2グループを選択する。第1グループと第2グループは、第1グループと第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択される。所定の関係とは、統計値が近似する関係であり、例えば、統計値が最も近い関係、統計値の差が一定範囲内(例えば、プラスマイナス1%以内、プラスマイナス10%以内等)の関係等である。統計値は、ユニークユーザ数、CVR、平均利用額のうち少なくとも一つである。CVRは、(コンバージョン回数/ユニークユーザ数)で示される。コンバージョン回数は、例えば、商品の注文又は購入、サービス又は施設の予約、サービス又は施設の利用、コンテンツ再生、会員登録、資料の申込み、アンケートへの回答等の回数である。平均利用額は、コンバージョンに関する平均額であり、例えば、商品の注文額又は購入額、サービス又は施設の利用額等の平均額である。本実施形態では、準備情報の統計値が、ユニークユーザ数とCVRである例を中心に説明する。以下、第1グループをコントロールグループと呼び、第2グループをテストグループと呼ぶ場合がある。
【0034】
コンテンツ提供部155は、所定のテスト期間において、各グループの準備情報に基づいて複数グループの中から選択される第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、各グループの準備情報に基づいて複数グループの中から選択される第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供する。所定のテスト期間は、準備期間より後の期間である。準備期間とテスト期間は連続していてもよいし、連続していなくてもよい。所定のテスト期間は、予め設定された期間(例えば、1月)でもよいし、管理者の指示により開始してから終了するまでの期間でもよい。
【0035】
テスト情報取得部156は、所定のテスト期間において、第1グループと第2グループのユーザのアクセス情報をテスト情報として取得し、それらテスト情報を記憶手段に記憶する。テスト情報は、コンバージョンに関する情報であり、例えば、商品の注文又は購入、サービス又は施設の予約、サービス又は施設の利用、コンテンツ再生、会員登録、資料の申込み、アンケートへの回答等に関する情報のうち少なくとも一つである。本実施形態では、テスト情報が、施設の予約日時と予約回数である例を中心に説明する。
【0036】
評価部157は、第1グループと第2グループのテスト情報に基づいて第1グループと第2グループの評価値を比較する。評価値は、CVR、平均利用額のうち少なくとも一つである。本実施形態では、評価値が、CVRである例を中心に説明する。
【0037】
記憶部160は、例えば、RAM、フラッシュメモリ、ハードディスク、光ディスク等の記憶装置によって実現される。記憶部160は、制御部150のワークメモリとして動作する。記憶部160は、準備情報とテスト情報を記憶する。
【0038】
[サーバ100の情報処理]
以下、本実施形態のサーバ100の情報処理を説明する。
【0039】
(準備段階)
図5は、準備期間の記憶部160のデータ構造の一例を示す図である。
図5(A)に示すように、識別子付与部151は、ユーザ端末200に付与したユーザ識別子とグループ識別子を記憶部160に記憶する。準備情報取得部153は、準備期間においてユーザ端末200がサーバ100に最初にアクセスした日時であるアクセス日時を取得し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、ユーザ識別子「U0001」、グループ識別子「G001」とアクセス日時「2020/7/3/09:53:36」を対応付けて記憶する。なお、記憶部160は、アクセス日時を記憶しなくてもよい。
図5(B)に示すように、準備情報取得部153は、ユーザ端末200から送信されるユーザ識別子、グループ識別子と施設の予約処理を行った予約日時を取得し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、ユーザ識別子「U0002」、グループ識別子「G002」と予約日時「2020/7/3/12:25:34」を対応付けて記憶する。
図5(C)に示すように、準備情報取得部153は、準備期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を算出し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、ユーザ識別子「U0001」、グループ識別子「G001」と予約回数「0」を対応付けて記憶する。
【0040】
図6は、準備期間の統計を示す図である。準備情報取得部153は、各グループに属するユーザ識別子を集計し、各グループのユニークユーザ数を算出する。準備情報取得部153は、各グループに属するユーザ端末200による施設の予約回数を集計し、各グループの予約回数をユニークユーザ数で割ることで、各グループの準備期間のCVRを算出する。例えば、準備情報取得部153は、グループ「G001」について、ユニークユーザ数「500」、予約回数「10」と準備期間のCVR「2」を算出する。なお、準備期間の統計は、管理者が算出してもよい。
【0041】
選択部154は、準備期間の統計に基づいて、CVRが近似する2つのグループを選択し、一方をコントロールグループ、他方をテストグループとして特定する。例えば、選択部154は、CVRが近似するグループ「G001」とグループ「G002」を選択し、グループ「G001」をコントロールグループ、グループ「G002」をテストグループとして特定する。なお、選択部154は、グループ「G001」をテストグループ、グループ「G002」をコントロールグループとして特定してもよい。
【0042】
図7は、表示部140の表示画面141の一例を示す図である。選択部154は、表示画面141の選択ボタン142により、管理者がコントロールグループとテストグループを選択するものでもよい。管理者は、選択ボタン141を操作することにより、各グループについて、コントロールグループ、テストグループとテスト対象外のいずれとするかを選択する。
【0043】
(テスト段階)
記憶部160は、コントロールグループとテストグループに属するユーザ端末200について、テスト期間のデータを記憶する。テスト情報取得部156は、テスト期間においてユーザ端末200がサーバ100に最初にアクセスした日時であるアクセス日時を取得し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、
図5(A)に示すデータ構造と同様に、ユーザ識別子、グループ識別子とアクセス日時を対応付けて記憶する。なお、記憶部160は、アクセス日時を記憶しなくてもよい。テスト情報取得部156は、ユーザ端末200から送信されるユーザ識別子、グループ識別子と施設の予約処理を行った予約日時を取得し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、
図5(B)に示すデータ構造と同様に、ユーザ識別子、グループ識別子と予約日時を対応付けて記憶する。テスト情報取得部156は、テスト期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を算出し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、
図5(C)に示すデータ構造と同様に、ユーザ識別子、グループ識別子と予約回数を対応付けて記憶する。
【0044】
図8は、テスト期間の統計を示す図である。テスト情報取得部156は、準備期間のコントロールグループとテストグループのユニークユーザ数を、テスト期間のコントロールグループとテストグループのユニークユーザ数として取得する。テスト情報取得部156は、コントロールグループとテストグループに属するユーザ端末200による施設の予約回数を集計し、コントロールグループとテストグループの予約回数をユニークユーザ数で割ることで、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを算出する。例えば、テスト情報取得部156は、コントロールグループ「G001」について、ユニークユーザ数「500」、予約回数「10」とテスト期間のCVR「2」を算出する。なお、テスト情報取得部156は、テスト期間においてサーバ100にアクセスしたユーザ端末200のユーザ識別子を集計し、コントロールグループとテストグループのユニークユーザ数を算出してもよい。テスト期間の統計は、管理者が算出してもよい。
【0045】
評価部157は、テスト期間の統計に基づいて、コントロールグループとテストグループのCVRを比較する。評価部157は、コントロールグループのCVRが、テストグループのCVRより高い場合、現行バージョンのコンテンツが優れていると評価し、テストグループのCVRが、コントロールグループのCVRより高い場合、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。例えば、評価部157は、テストグループのCVR「4」が、コントロールグループのCVR「2」より高いため、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。なお、コントロールグループとテストグループのCVRの比較と、現行バージョンのコンテンツと新バージョンのコンテンツの評価は、管理者が行ってもよい。
【0046】
[サーバ100の動作]
以下、本実施形態のサーバ100の動作を説明する。
【0047】
(準備段階)
図9は、準備期間の各ユーザ端末200に対するサーバ100の情報処理の一例を示すフロー図である。本情報処理のフローは、サーバ100により準備期間が開始され、ユーザ端末200のウェブブラウザがサーバ100に対して施設予約のウェブサイトのコンテンツの提供要求を行うことを契機として開始する。
【0048】
サーバ100は、ユーザ端末200からクッキーを取得し、既にユーザ識別子とグループ識別子が付与されているか否かを判断することで、ユーザ端末200が、準備期間において既にアクセスしたユーザ端末であるか否かを判断する(ステップS11)。ユーザ端末200が、準備期間において既にアクセスしたユーザ端末でない場合、サーバ100は、ユーザ端末200に対して、ユーザ識別子とグループ識別子を割り当て、ユーザ識別子とグループ識別子を含むクッキーをユーザ端末200に送信し、記憶させる(ステップS12)。サーバ100は、ユーザに割り当てたユーザ識別子とグループ識別子を対応付けて、記憶部160に格納する(ステップS13)。サーバ100は、ユーザ端末200に対して、データベース110に格納された現行バージョンのコンテンツを提供する(ステップS14)。ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200は、サーバ100に対して、ユーザ識別子を含むクッキーと施設予約に関する情報を送信する。サーバ100は、ユーザ端末200から施設予約に関する情報が送信されたか否かを判断する(ステップS15)。ユーザ端末200から施設予約に関する情報が送信された場合、サーバ100は、施設の予約処理を行う(ステップS16)。サーバ100は、ユーザ識別子に対応付けて、準備情報である施設の予約日時と準備期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を記憶部160に格納する(ステップS17)。
【0049】
図10は、準備期間終了後のサーバ100の情報処理の一例を示すフロー図である。本情報処理のフローは、準備期間の終了を契機として開始する。
【0050】
サーバ100は、準備期間において、サーバ100にアクセスしたユーザ端末200について、同一のグループ識別子を付与されたユーザ端末200が同一のグループとなるように、複数グループを作成する(ステップS21)。サーバ100は、各グループの準備期間のCVRを算出する(ステップS22)。サーバ100は、複数グループから、準備期間のCVRが近似する2つのグループを選択し、一方をコントロールグループ、他方をテストグループとして特定する(ステップS23)。
【0051】
(テスト段階)
図11は、テスト期間の各ユーザ端末200に対するサーバ100の情報処理の一例を示すフロー図である。本情報処理のフローは、サーバ100によりテスト期間が開始され、ユーザ端末200のウェブブラウザがサーバ100に対して施設予約のウェブサイトのコンテンツの提供要求を行うことを契機として開始する。
【0052】
サーバ100は、ユーザ端末200のウェブブラウザから、クッキーを取得し、ユーザ識別子とユーザグループ識別子を特定する。サーバ100は、記憶部160を参照し、ユーザ端末200がテストグループに属するか否かを判断する(ステップS31)。サーバ100は、ユーザ端末200がテストグループに属さないと判断した場合には、データベース110に格納された現行バージョンのコンテンツを提供する(ステップS32)。すなわち、サーバ100は、コントロールグループに属するユーザ端末200と、コントロールグループとテストグループのいずれにも属さないユーザ端末200に、現行バージョンのコンテンツを提供する。なお、コントロールグループとテストグループのいずれにも属さないユーザ端末200には、現行バージョンのコンテンツとは異なるコンテンツを提供してもよい。サーバ100は、ユーザ端末200がテストグループに属すると判断した場合には、データベース110に格納された新バージョンのコンテンツを提供する(ステップS33)。ユーザが施設予約を行う場合、ユーザ端末200は、サーバ100に対して、ユーザ識別子を含むクッキーと施設予約に関する情報を送信する。サーバ100は、ユーザ端末200から施設予約に関する情報が送信されたか否かを判断する(ステップS34)。ユーザ端末200から施設予約に関する情報が送信された場合、サーバ100は、施設の予約処理を行う(ステップS35)。サーバ100は、ユーザ識別子に対応付けて、テスト情報である施設の予約日時とテスト期間の各ユーザ端末200による施設の予約回数を記憶部160に格納する(ステップS36)。
【0053】
図12は、テスト期間終了後のサーバ100の情報処理の一例を示すフロー図である。本情報処理のフローは、テスト期間の終了を契機として開始する。
【0054】
サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを算出する(ステップS41)。サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを比較する(ステップS42)。サーバ100は、コントロールグループのCVRが、テストグループのCVRより高い場合、現行バージョンのコンテンツが優れていると評価し、テストグループのCVRが、コントロールグループのCVRより高い場合、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する(ステップS43)。
【0055】
[サーバ100の効果]
以下、本実施形態のサーバ100の効果を説明する。
【0056】
本実施形態では、準備情報に基づいて複数グループの中から選択される、第1グループのユーザからアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、第2グループのユーザからアクセスがある場合に第2コンテンツを提供する。そのため、第1コンテンツと第2コンテンツを適切にユーザに配分し、A/Bテストを行うことができる。
【0057】
本実施形態では、準備情報の統計値が近似する第1グループと第2グループを特定する。そのため、第1コンテンツと第2コンテンツを、特性が近似するグループによって比較することで、第1コンテンツと第2コンテンツの優劣を適切に評価することができる。
【0058】
本実施形態では、複数グループの中から第1グループと第2グループを選択する。そのため、複数グループの中から2つのグループを選択するという簡易な手順により、A/Bテストを行うことができる。
【0059】
本実施形態では、テスト情報に基づいて第1グループと第2グループの評価値を比較する。そのため、第1コンテンツと第2コンテンツの優劣を適切に評価することができる。
【0060】
[サーバ100の変形例]
本発明は上記実施形態に限定されず、種々の変形が可能である。以下、サーバ100の変形例について、上記実施形態と異なる点を中心に説明する。
【0061】
(変形例1)
上記実施形態では、準備情報取得部153が、準備期間の予約回数をユニークユーザ数で割ることで、準備期間のCVRを算出する例を示した。変形例として、準備情報取得部153は、準備期間における所定期間(例えば、1日)毎の予約回数をユニークユーザ数で割ることで、所定期間毎のCVRを算出してもよい。準備情報取得部153は、所定期間毎のCVRの平均値を算出することで、準備期間のCVRを算出する。
【0062】
本変形例によれば、所定期間毎のCVRを算出するため、準備期間の開始後に、準備期間を短縮又は延長することができる。
【0063】
(変形例2)
上記実施形態では、テスト情報取得部156が、テスト期間の予約回数をユニークユーザ数で割ることで、テスト期間のCVRを算出する例を示した。変形例として、テスト情報取得部156は、テスト期間における所定期間(例えば、1日)毎の予約回数をユニークユーザ数で割ることで、所定期間毎のCVRを算出してもよい。テスト情報取得部156は、所定期間毎のCVRの平均値を算出することで、テスト期間のCVRを算出する。
【0064】
本変形例によれば、所定期間毎のCVRを算出するため、テスト期間の開始後に、テスト期間を短縮又は延長することができる。
【0065】
(変形例3)
上記実施形態では、準備情報が、施設の予約日時と予約回数である例を示した。変形例として、準備情報は、施設の利用額でもよい。
【0066】
図13は、変形例における準備期間の記憶部のデータ構造の一例を示す図である。準備情報取得部153は、ユーザ端末200から送信されるユーザ識別子、グループ識別子と施設の利用額を取得し、記憶部160に記憶する。準備情報取得部153は、準備期間の各ユーザ端末200による施設の総利用額を算出し、記憶部160に記憶する。
【0067】
図14は、変形例における準備期間の統計を示す図である。準備情報取得部153は、各グループに属するユーザ端末200による総利用額を集計し、各グループの総利用額をユニークユーザ数で割ることで、各グループの準備期間の施設の平均利用額を算出する。選択部154は、準備期間の統計に基づいて、平均利用額が近似するコントロールグループとテストグループを特定する。
【0068】
本変形例によれば、準備情報を利用額とするため、第1コンテンツと第2コンテンツを、平均利用額が近似するグループによって比較することで、第1コンテンツと第2コンテンツの優劣を適切に評価することができる。
【0069】
(変形例4)
上記実施形態では、テスト情報が、施設の予約日時と予約回数である例を示した。変形例として、テスト情報は、施設の利用額でもよい。
【0070】
テスト情報取得部156は、ユーザ端末200から送信されるユーザ識別子、グループ識別子と施設の利用額を取得し、記憶部160に記憶する。テスト情報取得部156は、テスト期間の各ユーザ端末200による施設の総利用額を算出し、記憶部160に記憶する。例えば、記憶部160は、
図13に示すデータ構造と同様のデータ構造を記憶する。
【0071】
図15は、変形例におけるテスト期間の統計を示す図である。テスト情報取得部156は、コントロールグループとテストグループに属するユーザ端末200による総利用額を集計し、コントロールグループとテストグループの総利用額をユニークユーザ数で割ることで、コントロールグループとテストグループのテスト期間の施設の平均利用額を算出する。評価部157は、コントロールグループとテストグループの平均利用額を比較する。評価部157は、コントロールグループの平均利用額が、テストグループの平均利用額より高い場合、現行バージョンのコンテンツが優れていると評価し、テストグループの平均利用額が、コントロールグループの平均利用額より高い場合、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。
【0072】
本変形例によれば、テスト情報を利用額とするため、第1グループと第2グループの平均利用額を比較することで、第1コンテンツと第2コンテンツの優劣を適切に評価することができる。
【0073】
(変形例5)
上記実施形態では、テスト期間を設ける例を示した。変形例として、テスト期間に加えて、第2テスト期間を設けてもよい。
【0074】
コンテンツ提供部155は、第1グループ、及び複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第3グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、第2グループ、及び複数グループの中からそれらグループのアクセス情報に基づいて選択される第4グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第2コンテンツを提供する。アクセス情報は、準備情報でもよいし、テスト情報でもよい。所定の第2テスト期間は、テスト期間より後の期間である。テスト期間と第2テスト期間は連続していてもよいし、連続していなくてもよい。所定の第2テスト期間は、予め設定された期間(例えば、1月)でもよいし、管理者の指示により開始してから終了するまでの期間でもよい。
【0075】
選択部154は、第1グループと第2グループを選択する場合と同様に、アクセス情報の統計値が所定の関係を満たすように、第3グループと第4グループを選択する。
【0076】
図16は、変形例における準備期間の統計を示す図である。選択部154は、準備期間の統計に基づいて、ユニークユーザ数と予約回数が近似するグループ「G001」とグループ「G002」を選択するとともに、グループ「G003」とグループ「G004」を選択する。選択部154は、グループ「G001」と「G003」をコントロールグループ、グループ「G002」と「G004」をテストグループとして特定する。
【0077】
図17は、変形例におけるテスト期間の統計を示す図である。評価部157は、コントロールグループとテストグループのCVRを比較する。評価部157は、テストグループのCVR「4」が、コントロールグループのCVR「2」より高いため、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する。
【0078】
図18は、変形例におけるテスト期間終了後のサーバ100の情報処理の一例を示すフロー図である。サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを算出する(ステップS141)。サーバ100は、コントロールグループとテストグループのテスト期間のCVRを比較する(ステップS142)。サーバ100は、コントロールグループのCVRが、テストグループのCVRより高い場合、現行バージョンのコンテンツが優れていると評価し、テストグループのCVRが、コントロールグループのCVRより高い場合、新バージョンのコンテンツが優れていると評価する(ステップS143)。サーバ100は、複数グループから、準備期間のCVRが近似する新たな2つのグループを選択し、一方をコントロールグループ、他方をテストグループに加える(ステップS144)。サーバ100は、第2テスト期間の処理として、ステップS31の処理へ移行し、ステップS31~S36の処理と同様の処理を行う。なお、ステップS141~S143の各処理は行わなくてもよい。
【0079】
本変形例によれば、第1グループ及び第3グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第1コンテンツを提供し、第2グループ及び第4グループのユーザから、所定の第2テスト期間においてアクセスがある場合に第2コンテンツを提供するため、第1コンテンツと第2コンテンツを配分するユーザを徐々に増加させることができる。
【0080】
(変形例6)
上記実施形態では、第1グループと第2グループが、それぞれ、1のグループからなる例を示した。変形例として、第1グループと第2グループは、それぞれ、複数のグループからなるものであってもよい。
【0081】
選択部154は、複数のグループからなる第1グループと、複数のグループからなる第2グループを選択する。例えば、選択部154は、100のグループの中から、10のグループからなる第1グループと、10のグループからなる第2グループを選択する。第1グループと第2グループは、上記実施形態と同様に、第1グループと第2グループの準備情報の統計値が、所定の関係を満たすように選択される。
【0082】
本変形例によれば、複数のグループからなる第1グループと、複数のグループからなる第2グループを選択するため、第1コンテンツと第2コンテンツを適切にユーザに配分し、A/Bテストを行うことができる。
【符号の説明】
【0083】
1 情報処理システム
100 サーバ
110 データベース
120 通信部
130 入力部
140 表示部
141 表示画面
142 選択ボタン
150 制御部
151 識別子付与部
152 共通コンテンツ提供部
153 準備情報取得部
154 選択部
155 コンテンツ提供部
156 テスト情報取得部
157 評価部
160 記憶部
200 ユーザ端末