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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】框接合構造
(51)【国際特許分類】
   E06B 3/96 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
E06B3/96 A
【請求項の数】 1
(21)【出願番号】P 2020195136
(22)【出願日】2020-11-25
(62)【分割の表示】P 2016073009の分割
【原出願日】2016-03-31
(65)【公開番号】P2021038656
(43)【公開日】2021-03-11
【審査請求日】2020-11-27
(73)【特許権者】
【識別番号】504163612
【氏名又は名称】株式会社LIXIL
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100161506
【弁理士】
【氏名又は名称】川渕 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100169764
【弁理士】
【氏名又は名称】清水 雄一郎
(72)【発明者】
【氏名】伊坂 友和
【審査官】芝沼 隆太
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-150910(JP,A)
【文献】実開昭55-22417(JP,U)
【文献】実開昭54-95138(JP,U)
【文献】実開平6-71869(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 3/96- 3/99
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠体の内部に配置される障子の縦框と横框との框接合構造であって、
前記縦框の屋内側に設けられ、見付け面に沿って配置される縦框面部と、
前記横框の前記屋内側に設けられ、前記縦框面部と同一平面上に配置される横框面部と、
前記縦框に設けられ、前記縦框面部よりも屋外側で、前記横框の端部を、見込み方向に挟む一対の挟持部と、を備え、
前記縦框面部の端面と前記横框面部の端面とは当接し、
前記障子が閉じた状態で、前記縦框面部の一部及び前記横框面部の一部は、前記枠体と見込み方向に重なって配置されず、屋内側から視認可能な位置に配置され
前記一対の挟持部は、前記縦框面部よりも屋外側に設けられていることを特徴とする框接合構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開口部に設けられる建具の框接合構造に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、開口部に設けられる建具では、四方枠状に形成された框体の内部にガラスパネルが納められたものが広く知られている。框体として、例えば特許文献1に記載のように、竪框の見込み面に沿う段部の下部が切り欠かれ、当該切り欠かれた部分に下框の見付け面に沿う肩部及び見込み面に沿う段部が嵌め込まれた印籠継ぎの構成が提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】実開平6-37487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記の特許文献1に記載された竪框と下框との接合構造では、竪框の段部に切欠きを設けなくてはならず、当該切欠きの加工が複雑で手間がかかるという問題点がある。さらに、竪框の見込み面に沿う段部の切り欠かれた部分に下框を嵌め込む構成であるため、竪框と下框との接合部分では見付け面において、段差が生じてしまい、外観が好ましくないという問題点もある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、簡易な構成でありつつ、外観品質を向上させた框接合構造を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を採用している。
すなわち、本発明に係る框接合構造は、枠体の内部に配置される障子の縦框と横框との框接合構造であって、前記縦框の屋内側に設けられ、見付け面に沿って配置される縦框面部と、前記横框の前記屋内側に設けられ、前記縦框面部と同一平面上に配置される横框面部と、前記縦框に設けられ、前記縦框面部よりも屋外側で、前記横框の端部を、見込み方向に挟む一対の挟持部と、を備え、前記縦框面部の端面と前記横框面部の端面とは当接し、前記障子が閉じた状態で、前記縦框面部の一部及び前記横框面部の一部は、前記枠体と見込み方向に重なって配置されず、屋内側から視認可能な位置に配置され、前記一対の挟持部は、前記縦框面部よりも屋外側に設けられていることを特徴とする。
【0007】
このように構成された框接合構造では、縦框の見付け面に沿う縦框面部と横框の横框面部とは同一平面上に配置されるため、当該縦框面部と横框面部との接合部分で段差が生じない。よって、縦框と横框との接合部分の外観品質を向上させることができる。
また、縦框面部の端面と横框面部の端面とは当接しつつ、縦框及び横框のいずれか一方に設けられた挟持部が、縦框及び横框の他方の端部を見込み方向に挟み込みことにより、縦框と横框とは接合されるため、縦框及び横框を簡易な構成としつつ、縦框と横框とを接合することができる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る框接合構造によれば、簡易な構成でありつつ、外観品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明の第一実施形態に係る框接合構造を示す縦断面図である。
図2】本発明の第一実施形態に係る框接合構造を示す横断面図である。
図3】本発明の第一実施形態に係る框接合構造を屋内側から見た斜視図である。
図4図3のA部拡大図である。
図5図3のB部拡大図である。
図6】下框と戸先框との連結部分の構成を示す斜視図である。
図7図6の分解斜視図である。
図8】下框と戸先框との連結部分の構成を示す横断面図である。
図9】下框と吊元框との連結部分の構成を示す斜視図である。
図10図9の分解斜視図である。
図11】下框と吊元框との連結部分の構成を示す横断面図である。
図12】本発明の第二実施形態に係る框接合構造を示す縦断面図である。
図13】本発明の第二実施形態に係る框接合構造を示す横断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
(第一実施形態)
以下、本発明の第一実施形態に係る框接合構造について、図1から図11を用いて説明する。框接合構造を備えた建具として、縦辷り出し窓を例に挙げて説明する。
図1は、本発明の第一実施形態に係る框接合構造を示す縦断面図である。図2は、本発明の第一実施形態に係る框接合構造を示す横断面図である。図3は、本発明の第一実施形態に係る框接合構造を屋内側から見た斜視図である。なお、図3において、後述する枠体及び複層ガラスの図示を省略している。
図1から図3に示すように、縦辷り出し窓100は、四角形枠状に形成された枠体1と、枠体1内に納められた障子2と、を備えている。
なお、以下の説明において、正面視における左右方向を見付け方向と称することがある。見付け方向のうち複層ガラス80の中心に向かう方向を見付け方向の内側とし、反対方向を見付け方向の外側と称することがある。また、複層ガラス80の厚み方向を見込み方向と称することがある。
【0013】
枠体1は、水平方向に延在する上枠11及び下枠12と、上枠11の両端部と下枠12の両端部とをそれぞれ連結し上下方向に延在する縦枠13と、を有している。
【0014】
上枠11は、屋外側に設けられ金属製の金属上枠11Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂上枠11Bと、を有している。金属上枠11Aと樹脂上枠11Bとは連結されている。
【0015】
下枠12は、屋外側に設けられ金属製の金属下枠12Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂下枠12Bと、を有している。金属下枠12Aと樹脂下枠12Bとは連結されている。
【0016】
縦枠13は、屋外側に設けられ金属製の金属縦枠13Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂縦枠13Bと、を有している。金属縦枠13Aと樹脂縦枠13Bとは連結されている。
【0017】
障子2は、四角枠上に形成された框体20と、框体20内に納められた例えばペアガラス等の複層ガラス(ガラスパネル)80と、を有している。
【0018】
框体20は、水平方向に延在する上框21及び下框31と、上框21の戸先側及び吊元側と下框31の戸先側及び吊元側とをそれぞれ連結し上下方向に延在する戸先框41及び吊元框51と、を有している。
【0019】
上框21は、屋外側に設けられ金属製の金属上框21Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂上框21Bと、を有している。金属上框21Aと樹脂上框21Bとは連結されている。
【0020】
図4は、図3のA部拡大図である。図5は、図3のB部拡大図である。
図4及び図5に示すように、下框31は、屋外側に設けられ金属製の金属下框(横框)31Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂下框31Bと、を有している。金属下框31Aと樹脂下框31Bとは連結されている。
【0021】
金属下框31Aの構成について詳細に説明する。
図1に示すように、金属下框31Aは、下框本体部32と、下框本体部32の屋内側に係止された下框前側部39と、を有している。
図6は、金属下框31Aと金属戸先框41Aとの連結部分の構成を示す斜視図である。
図7は、図6の分解斜視図である。図8は、金属下框31Aと金属戸先框41Aとの連結部分の構成を示す横断面図である。
図1及び図6から図8に示すように、下框本体部32は、水平面に沿って配置される底板部33と、底板部33の屋内側の端部及び屋外側の端部からそれぞれ立ち上がる内立設板部(横框面部)34及び外立設板部35と、を有している。
【0022】
内立設板部34の上端部には、屋外側に向かって屈曲された屈曲片部34aが設けられている。外立設板部35の上端部には、屋内側に向かって屈曲され、先端が下方に向かって屈曲された支持片部35aが設けられている。
【0023】
底板部33における内立設板部34と外立設板部35の間には、上方に立ち上がる第一中間板部36及び第二中間板部37が設けられている。第一中間板部36は、第二中間板部37よりも屋内側に設けられている。
【0024】
第一中間板部36及び第二中間板部37の上端部には、それぞれ屋外側に向かって屈曲された係止片部36a,37aが設けられている。これら係止片部36a,37aに、下框前側部39が係止されている。
【0025】
外立設板部35の上下方向の途中部分と第二中間板部37の上部とは、水平面に沿って配置された支持板部38で連結されている。支持板部38の下面に沿って、螺子溝38gが設けられている。
【0026】
図1に示すように、下框本体部32の外立設板部35、支持板部38及び下框前側部39の屋外側の面により、複層ガラス80の端部が配置されるガラス支持溝101が形成されている。また、支持板部38の支持片部38a及び下框前側部39の屋外側の面と複層ガラス80との間には、シーリング材102が挟み込まれている。
【0027】
図4に示すように、戸先框41は、屋外側に設けられ金属製の金属戸先框(縦框)41Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂戸先框41Bと、を有している。金属戸先框41Aと樹脂戸先框41Bとは連結されている。
【0028】
次に、金属戸先框41Aの構成について詳細に説明する。
図2及び図6から図8に示すように、金属戸先框41Aは、鉛直面に沿って配置される側板部42と、側板部42の屋内側の端部及び屋外側の端部からそれぞれ見付け方向の内側に向かって突出する内板部(縦框面部)43及び外板部(挟持部)44と、を有している。側板部42の下端部には、螺子孔42xが設けられている。
【0029】
内板部43の見付け方向の内側の端部には、屋外側に向かって屈曲された係止片部43aが設けられている。外板部44の見付け方向の内側の端部には、屋内側に屈曲され、先端が見付け方向の外側に向かって屈曲された支持片部44aが設けられている。外板部44の下端部では、支持片部44aが切り欠かれた切欠き部44zが形成されている。
【0030】
側板部42における内板部43と外板部44との間には、見付け方向の内側に向かって突出する係止板部(挟持部)45が設けられている。
【0031】
係止板部45の見付け方向の内側の端部には、屋外側に向かって屈曲され、先端が見付け方向の外側に向かって屈曲された支持片部45aが設けられている。係止板部45の下端部では、支持片部45aが切り欠かれた切欠き部45zが形成されている。
【0032】
係止板部45の屋内側の面には、屋内側に向かって突出する係止突起45dが設けられている。
【0033】
係止板部45の見付け方向の途中部分と内板部43の端部とは、見込み方向に沿って配置された連結壁部46で連結されている。これら内板部43の見付け方向の内側の部分及び連結壁部46の下端部の位置は、内板部43の見付け方向の外側の部分よりも短い。つまり、内板部43の下端部には、見付け方向の内側で切欠き部43zが形成されている。
【0034】
切欠き部43zは、内板部43の見付け方向の内側の端部から見付け方向の外側にセットバックして設けられた縦辺部(端面)47と、内板部43の下端部から上方にセットバックして設けられた横辺部48と、を有している。
【0035】
内板部43の係止片部43a及び係止板部45の係止突起45dには、樹脂戸先框41Bが係止されている。
【0036】
図2に示すように、金属戸先框41Aの外板部44、側板部42及び係止板部45により、複層ガラス80の端部が配置されるガラス支持溝101が形成されている。また、金属戸先框41Aの外板部44の支持片部44aと複層ガラス80との間には、シーリング材102が挟み込まれている。また、金属戸先框41Aの係止板部45の支持片部45a及び樹脂戸先框41Bの屋外側の端部と複層ガラス80との間にも、シーリング材102が挟み込まれている。
【0037】
図5に示すように、吊元框51は、屋外側に設けられ金属製の金属吊元框(縦框)51Aで構成されている。
【0038】
次に、金属吊元框51Aの構成について詳細に説明する。
図9は、金属下框31Aと金属吊元框51Aとの連結部分の構成を示す斜視図である。
図10は、図9の分解斜視図である。図11は、金属下框31Aと金属吊元框51Aとの連結部分の構成を示す横断面図である。
【0039】
図2及び図9から図11に示すように、金属吊元框51Aは、鉛直面に沿って配置される側板部52と、側板部52の屋外側の端部から見付け方向の内側に向かって突出する外板部(挟持部)53と、を有している。側板部52の下端部には、螺子孔52xが設けられている。
【0040】
外板部53の見付け方向の内側の端部には、屋内側に屈曲され、先端が見付け方向の外側に向かって屈曲された支持片部53aが設けられている。外板部53の下端部では、支持片部53aが切り欠かれた切欠き部53zが形成されている。
【0041】
側板部52には、屋内側に向かって突出する内側壁部(縦框面部)54、第一係止壁部55及び第二係止壁部(挟持部、係止部)56が設けられている。内側壁部54、第一係止壁部55及び第二係止壁部56は、屋内側から屋外側に向かって順に配置されている。
【0042】
内側壁部54は、側板部52の屋内側の端部に設けられている。内側壁部54の見付け方向の内側の端部には、屋外側に向かって屈曲された支持片部54aが設けられている。
内側壁部54の下端部には、見付け方向の内側で切欠き部54zが形成されている。
【0043】
切欠き部54zは、内側壁部54の見付け方向の内側の端部から見付け方向の外側にセットバックして設けられた縦辺部(端面)57と、内側壁部54の下端部から上方にセットバックして設けられた横辺部58と、を有している。
【0044】
第一係止壁部55及び第二係止壁部56の見付け方向の内側の端部には、屋外側に向かって屈曲された係止片部55a,56aが設けられている。
【0045】
第一係止壁部55及び第二係止壁部56は、上下方向に分断されている。第一係止壁部55及び第二係止壁部56は、それぞれ上側に配置された上係止部55u,56uと、上係止部55u,56uと隙間を有して下側に配置された下係止部55d,56dと、を有している。
【0046】
図2に示すように、金属吊元框51Aには、押縁61が設けられている。押縁61は、屋外側に設けられ金属製の金属押縁61Aと、屋内側に設けられ樹脂製の樹脂押縁61Bと、を有している。金属押縁61Aと樹脂押縁61Bとは連結されている。
【0047】
金属押縁61Aは、見付け面に沿って配置された見付け面部62と、見付け面部62の見付け方向の屋外側の端部近傍から屋内側に向かって屈曲された見込み面部66と、を有している。
【0048】
見付け面部62の見付け方向の外側の端部には、屋内側に向かって屈曲された係止片部63が設けられている。見付け面部62の見付け方向の内側の端部近傍には、屋内側に向かって突出する係止片部64が設けられている。
【0049】
見付け面部62の見付け方向の内側の端部には、屋外側に向かって屈曲され、先端が見付け方向の内側に向かって屈曲された支持片部65が設けられている。
【0050】
見込み面部66の屋内側の端部近傍には、見付け方向の外側に向かって突出する係止片部67が設けられている。見込み面部66の屋内側の端部には、見付け方向の内側に向かって屈曲され、先端が屋内側に向かって屈曲された係止壁部68が設けられている。
【0051】
樹脂押縁61Bは、中空状に形成された本体部71と、本体部71から屋外側に向かって延びる支持片部72と、本体部71の屋外側から見付け方向の外側に向かって延びる係止片部73と、を有している。
【0052】
さらに、樹脂押縁61Bは、本体部71の見付け方向の外側から屋外側に向かって延びる係止壁部74及び見付け方向外側に突出する当接片部75と、を有している。
【0053】
樹脂押縁61Bの係止片部73は、金属押縁61Aの見付け面部62に設けられた係止片部64に係止されている。樹脂押縁61Bの係止壁部74は、金属押縁61Aの係止壁部68に係止されている。これにより、樹脂押縁61Bと金属押縁61Aとは連結されている。
【0054】
金属押縁61Aの見付け面部62に設けられた係止片部63は、金属吊元框51Aの第二係止壁部56の係止片部56aに係止されている。金属押縁61Aの見込み面部66に設けられた係止片部67は、金属吊元框51Aの第一係止壁部55の係止片部55aに係止されている。樹脂押縁61Bの当接片部75は、金属吊元框51Aの内側壁部54の支持片部54aに当接している。これにより、押縁61は、金属吊元框51Aに取り付けられている。
【0055】
金属吊元框51Aの外板部53、側板部52及び金属押縁61Aの見付け面部62により、複層ガラス80の端部が配置されるガラス支持溝101が形成されている。また、金属吊元框51Aの外板部53の支持片部53aと複層ガラス80との間には、シーリング材102が挟み込まれている。また、金属押縁61Aの支持片部65及び樹脂押縁61Bの支持片部72の端部と複層ガラス80との間にも、シーリング材102が挟み込まれている。
【0056】
次に、金属下框31Aと金属戸先框41Aとの連結部分の構成について説明する。
金属下框31Aと金属戸先框41Aでは、金属下框31Aの見付け方向の端部が金属戸先框41Aの側板部42の見付け方向の内側の面に当接するように配置されるとともに、金属戸先框41Aの側板部42の螺子孔42xから挿通された不図示の螺子が金属下框31Aの螺子溝38gに螺合されて、金属下框31Aと金属戸先框41Aとは連結されている。
【0057】
このような金属下框31Aと金属戸先框41Aとの連結された状態で、金属戸先框41Aの外板部44に設けられた支持板部38の切欠き部44zには、金属下框31Aの外立設板部(端部)35が嵌め込まれている。金属戸先框41Aの外板部44に設けられた支持片部44aの下端部は、金属下框31Aの外立設板部35の支持片部35aに当接している。また、金属戸先框41Aの外板部44の屋内側の面には、金属下框31Aの外立設板部35の屋外側の面が当接している。
【0058】
また、金属戸先框41Aの係止板部45に設けられた支持片部45aの切欠き部45zには、金属下框31Aの第二中間板部37が嵌め込まれている。金属戸先框41Aの係止板部45に設けられた支持片部45aの下端部は、金属下框31Aの第二中間板部37の係止片部37aに当接している。金属戸先框41Aの係止板部45の屋外側の面には、金属下框31Aの第二中間板部37の屋内側の面が当接している。
【0059】
つまり、金属戸先框41Aの外板部44と係止板部45との間に、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部が嵌め込まれて、挟み込まれている。
【0060】
金属戸先框41Aの連結壁部46の下端部は、金属下框31Aの第一中間板部36の係止片部36aに当接している。
【0061】
また、金属戸先框41Aの内板部43の切欠き部43zに、金属下框31Aの内立設板部34が嵌め込まれている。内板部43の切欠き部43zの横辺部48は、金属下框31Aの内立設板部34の屈曲片部34aに当接している。内板部43の切欠き部43zの縦辺部57は、金属下框31Aの内立設板部34の見付け方向の端面(端面)に当接している。
【0062】
図6に示すように、金属下框31Aの内立設板部34の屋内側の面34sと、金属戸先框41Aの内板部43の屋内側の面43sとは、鉛直方向及び見付け方向に沿う同一平面上に配置されている。
【0063】
次に、金属下框31Aと金属吊元框51Aとの連結部分の構成について説明する。
金属下框31Aと金属吊元框51Aでは、金属下框31Aの見付け方向の端部が金属吊元框51Aの側板部52の見付け方向の内側の面に当接するように配置されるとともに、金属吊元框51Aの側板部52の螺子孔52xから挿通された不図示の螺子が金属下框31Aの螺子溝38gに螺合されて、金属下框31Aと金属吊元框51Aとは連結されている。
【0064】
このような金属下框31Aと金属吊元框51Aとの連結された状態で、金属吊元框51Aの外板部53に設けられた支持片部53aの切欠き部53zには、金属下框31Aの外立設板部35が嵌め込まれている。金属吊元框51Aの外板部53に設けられた支持片部53aの下端部は、金属下框31Aの外立設板部35の支持片部35aに当接している。
また、金属吊元框51Aの外板部53の屋内側の面には、金属下框31Aの外立設板部35の屋外側の面が当接している。
【0065】
また、金属吊元框51Aの第二係止壁部56の下係止部56dの係止片部56aの先端は、金属下框31Aの第二中間板部37の屋内側の面に当接している。つまり、金属吊元框51Aの外板部53と第二係止壁部56の係止片部56aとの間に、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部が嵌め込まれて、挟み込まれている。
【0066】
金属吊元框51Aの下係止部55dの下端部は、金属下框31Aの第一中間板部36の上面に当接している。
【0067】
また、金属吊元框51Aの内側壁部54の切欠き部54zに、金属下框31Aの内立設板部34が嵌め込まれている。内側壁部54の切欠き部54zの横辺部58は、金属下框31Aの内立設板部34の屈曲片部34aに当接している。内側壁部54の切欠き部54zの縦辺部57は、金属下框31Aの内立設板部34の見付け方向の端面(端面)に当接している。
【0068】
図9に示すように、金属下框31Aの内立設板部34の屋内側の面34sと、金属吊元框51Aの内側壁部54の屋内側の面54sとは、鉛直方向及び見付け方向に沿う同一平面上に配置されている。
【0069】
このように構成された縦辷り出し窓100では、金属戸先框41Aの内板部43の屋内側の面43s及び金属吊元框51Aの内側壁部54の屋内側の面54sと、金属下框31Aの内立設板部34の屋内側の面34sとは、同一平面上に配置される。よって、当該内板部43の屋内側の面43s及び内側壁部54の屋内側の面54sと内立設板部34の屋内側の面34sとの間で、見込み方向に段差が生じない。したがって、金属戸先框41A及び金属吊元框51Aと金属下框31Aとの接合部分の外観品質を向上させることができる。
【0070】
また、金属戸先框41Aの外板部44と係止板部45とが、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部を挟み込むことにより、金属戸先框41Aと金属下框31Aとは接合される。また、金属吊元框51Aの外板部53と第二係止壁部56の係止片部56aとが、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部を挟み込むことにより、金属吊元框51Aと金属下框31Aとは接合される。よって、金属戸先框41A、金属吊元框51A及び金属下框31Aを簡易な構成としつつ、金属戸先框41A及び金属吊元框51Aと金属下框31Aとを接合することができる。
【0071】
また、金属吊元框51Aの第二係止壁部56は、金属押縁61Aを係止する部材の機能を兼ねている。よって、金属押縁61Aを係止する部材とは別に、金属下框31Aの端部を挟む挟持部を設ける必要がないため、金属吊元框51Aの構成を簡易にすることができる。
【0072】
なお、本発明に係る框接合構造は、上述した第一実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で適宜の変更や置換等が可能である。
以下に、本発明の他の実施形態について説明するが、上述した実施形態で説明した部品や部材等と同一または同様なものについては、同一の符号を用いて説明する。
【0073】
(第二実施形態)
次に、第二実施形態に係る框接合構造について、主に図12及び図13を用いて説明する。
上記に示す実施形態に係る建具では、金属枠と樹脂枠とが組み付けられるとともに金属框と樹脂框とが組み付けられた複合サッシであるが、本実施形態に係る金属枠及び金属框で構成された金属サッシである。
【0074】
図12は、本発明の第二実施形態に係る框接合構造を示す縦断面図である。図13は、本発明の第二実施形態に係る框接合構造を示す横断面図である。
図12及び図13に示すように、本実施形態に係る縦辷り出し窓100Xでは、金属下框31Aの内立設板部34の屋内側の面と、金属戸先框41Aの内板部43の屋内側の面とは、鉛直方向及び見付け方向に沿う同一平面上に配置されている。また、金属下框31Aの内立設板部34の屋内側の面と、金属吊元框51Aの内側壁部54の屋内側の面とは、鉛直方向及び見付け方向に沿う同一平面上に配置されている。
【0075】
また、金属戸先框41Aの内板部43の端面には、金属下框31Aの内立設板部34の見付け方向の端面が当接している。また、金属吊元框51Aの内側壁部54の端面は、金属下框31Aの内立設板部34の見付け方向の端面が当接している。
【0076】
また、金属戸先框41Aの外板部44と係止板部45との間に、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部が嵌め込まれて、挟み込まれている。また、金属吊元框51Aの外板部53と第二係止壁部56の係止片部56aとの間に、金属下框31Aの外立設板部35及び第二中間板部37の見付け方向の端部が嵌め込まれて、挟み込まれている。
【0077】
なお、上述した実施の形態において示した各構成部材の諸形状や組み合わせ等は一例であって、本発明の主旨から逸脱しない範囲において設計要求等に基づき種々変更可能である。
【0078】
例えば、上記に示す実施形態では、縦框及び横框の接合部分において、屋内側の面が同一平面上に配置されているが、本発明はこれに限られず、屋内側の面が同一平面上に配置されていてもよい。あるいは、屋外側の面及び屋内側の面の両方が同一平面上に配置されていてもよい。
【0079】
また、上記に示す実施形態では、縦框と下框とが同一平面上に配置されているが、本発明はこれに限られず、縦框と上框とが同一平面上に配置されていてもよい。
【0080】
また、上記に示す実施形態では、下框に挟持部が設けられているが、本発明はこれに限られず、縦框に挟持部が設けられていてもよい。
【0081】
また、框接合構造を有する建具の一例として、縦辷り出し窓100,100Xを例に挙げて説明したが、本発明はこれに限られず、引違い窓、框ドア等他の建具であってもよい。
【符号の説明】
【0082】
100…縦辷り出し窓
1…枠体
2…障子
11…上枠
11A…金属上枠
11B…樹脂上枠
12…下枠
12A…金属下枠
12B…樹脂下枠
13…縦枠
13A…金属縦枠
13B…樹脂縦枠
20…框体
21…上框
21A…金属上框
21B…樹脂上框
31…下框
31A…金属下框(横框)
33…底板部
34…内立設板部(横框面部)
35…外立設板部
36…第一中間板部
37…第二中間板部
38…支持板部
39…下框前側部
31B…樹脂下框
41…戸先框
41A…金属戸先框(縦框)
42…側板部
43…内板部(縦框面部)
44…外板部(挟持部)
45…係止板部(挟持部)
46…連結壁部
47…縦辺部(端面)
48…横辺部
41B…樹脂戸先框
51…吊元框
51A…金属吊元框(縦框)
52…側板部
53…外板部(挟持部)
54…内側壁部(縦框面部)
55…第一係止壁部
56…第二係止壁部(挟持部、係止部)
57…縦辺部(端面)
58…横辺部
61…押縁
61A…金属押縁
61B…樹脂押縁
62…見付け面部
66…見込み面部
71…本体部
80…複層ガラス(ガラスパネル)
101…ガラス支持溝
102…シーリング材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13