(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】付設部品のための取付部材を有するコネクタ
(51)【国際特許分類】
F16B 5/06 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
F16B5/06 A
(21)【出願番号】P 2020515038
(86)(22)【出願日】2018-09-04
(86)【国際出願番号】 EP2018073669
(87)【国際公開番号】W WO2019052847
(87)【国際公開日】2019-03-21
【審査請求日】2020-03-12
(32)【優先日】2017-09-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】591010170
【氏名又は名称】ヒルティ アクチエンゲゼルシャフト
【住所又は居所原語表記】Feldkircherstrasse 100, 9494 Schaan, LIECHTENSTEIN
(74)【代理人】
【識別番号】110002664
【氏名又は名称】特許業務法人ナガトアンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】ミュラー, マヌエル
(72)【発明者】
【氏名】マンドヴィラー, ルーカス
【審査官】後藤 健志
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2008/0193253(US,A1)
【文献】特開平08-123329(JP,A)
【文献】特開2000-002208(JP,A)
【文献】特開2013-253695(JP,A)
【文献】米国特許第05655865(US,A)
【文献】米国特許出願公開第2004/0165943(US,A1)
【文献】欧州特許出願公開第02405147(EP,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16B 1/00-1/04
F16B 5/00-5/12
F16B 37/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
コネクタ(2)をプロファイルレール(6)のレールスロット(69)に止着するための後方係合部材(27)と、
前記後方係合部材(27)と
付設部品(5)の貫通開口部(51)を通して接続され、
前記貫通開口部(51)の周囲において前記付設部品(5)上に載置
される載置部材(20)と、
を備える、
前記貫通開口部(51)を有する前記付設部品(5)を、前記レールスロット(69)を有する前記プロファイルレール(6)と接続するためのコネクタ(2)において、
前記コネクタ(2)が少なくとも1つの取付部材(4)を有し、前記付設部品(5)の前記貫通開口部(51)を前記コネクタが突き抜ける前組付位置で、前記取付部材によって、前記コネクタ(2)を前記付設部品(5)に取り付け可能で
あり、
前記取付部材(4)は、前記載置部材(20)が収容される環状フレーム(40)を有している、ことを特徴とする、コネクタ。
【請求項2】
前記取付部材(4)は前記載置部材(20)に配置されていることを特徴とする、
請求項1に記載のコネクタ(2)。
【請求項3】
前記載置部材(20)は、前記前組付位置で前記付設部品(5)上に載ることを特徴とする、
請求項1または2に記載のコネクタ(2)。
【請求項4】
前記取付部材(4)は、
前記付設部品(5)と係止する、少なくとも1つのスナップフック(41、42)を有することを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ(2)。
【請求項5】
前記取付部材(4)は、少なくとも1つの指置き窪み(43、44)を有することを特徴とする、
請求項1から4のいずれか1項に記載のコネクタ(2)。
【請求項6】
前記取付部材(4)は、少なくとも1つのスナップフック(41、42)を有すると共に、少なくとも1つの指置き窪み(43、44)を有しており、
前記指置き窪み(43または44)は、前記スナップフック(41もしくは42)の
上端に近接して配置されていることを特徴とする、
請求項1から3のいずれか1項に記載のコネクタ(2)。
【請求項7】
前記載置部材(20)は、前記スナップフック(41もしくは42)を収容するための少なくとも1つの湾入部(31または32)を有することを特徴とする、
請求項4または6に記載のコネクタ(2)。
【請求項8】
前記取付部材(4)は、前記環状フレーム(40)の両側に配置されている2つのスナップフック(41、42)を有することを特徴とする、
請求項1に記載のコネクタ(2)。
【請求項9】
前記取付部材(4)はプラスチック部品であることを特徴とする、
請求項1から8のいずれか1項に記載のコネクタ(2)。
【請求項10】
前記後方係合部材(27)は、前記レールスロット(69)に挿入するための挿入位置と前記レールスロット(69)に後方から係合するための止着位置との間で前記載置部材(20)に相対して旋回可能であることを特徴とする、
請求項1から9のいずれか1項に記載のコネクタ(2)。
【請求項11】
貫通開口部(51)を有する付設部品(5)と、前記付設部品(5)を、レールスロット(69)を有するプロファイルレール(6)と接続するための
請求項1から10のいずれか1項に記載のコネクタ(2)と、好ましくはさらに前記プロファイルレール(6)と、を備える取付けアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載の、貫通開口部を有する付設部品を、レールスロットを有するプロファイルレールと接続するためのコネクタに関する。このようなコネクタは、コネクタをプロファイルレールのレールスロットに止着するための後方係合部材と、後方係合部材と接続され、付設部品の貫通開口部によってコネクタの動作距離を制限するべく付設部品の貫通開口部の周囲において付設部品上に載置するための載置部材と、を備えている。本発明は、さらに請求項16に記載のこのようなコネクタを有する取付けアセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
米国特許第6719481号明細書は、プロファイルレールと、プロファイルレールと接続される付設部品とからなるアセンブリを示す。接続のために、付設部品における貫通開口部を通り抜けてプロファイルレールに差し込まれる別個の、かつ非固定の(lose)コネクタが予定されている。接続部材は、差し込み後に止着位置へ移される後方係合部材を有している。次いでコネクタは付設部品をプロファイルレールにしっかり取り付ける。付設部品における貫通開口部を通り抜けてプロファイルレールに差し込まれるさらに別のコネクタが独国特許出願公開第102015118314号明細書および独国特許出願公開第102014110192号明細書から知られている。後方係合部材がばね作用によって挿入位置から止着位置へ飛び移るコネクタが独国特許出願公開第102009000786号明細書から知られている。
英国特許出願第1579941号明細書は、2つのプロファイルレールを接続するアングル部材を示す。アングル部材には後方係合部材が永続的に取り付けられており、これらの後方係合部材によってアングル部材を2つのプロファイルレールに固定可能である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第6719481号明細書
【文献】独国特許出願公開第102015118314号明細書
【文献】独国特許出願公開第102014110192号明細書
【文献】独国特許出願公開第102009000786号明細書
【文献】英国特許出願第1579941号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、低コストで、わずかな組付時間と高い信頼性で特に安価な、迅速な、かつフレキシブルな組付けを可能にするコネクタ、ならびにこのようなコネクタを有する取付けアセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題は、本発明により、請求項1の特徴を有するコネクタおよび請求項16の特徴を有する取付けアセンブリによって解決される。コネクタの好ましい実施形態は従属請求項に記載されている。
【0006】
本発明によるコネクタは、コネクタが少なくとも1つの取付部材を有し、該取付部材によって、付設部品の貫通開口部をコネクタが特にその後方係合部材および/またはそのネック区分で突き抜ける前組付位置で付設部品に取り付け可能であることを特徴とする。
【0007】
本発明の基本思想は、組付レールを付設部品と接続するように予定されているコネクタが付設部品とは別個の部品ではあるが、その一方で取付部材が設けられており、この取付部材によって、それ自体別個のコネクタが、プロファイルレールとの接続を作成するために有利な前組付位置で付設部品に少なくとも一時的に取り付け可能であることとみなすことができる。これによって、一体化されたコネクタの利点を別個のコネクタの利点と組み合わせることができる。つまり一体化されたコネクタでは、プロファイルレールへのコネクタの特に簡単な、迅速な、かつ信頼できる組付けが可能になり得る。なぜならコネクタが前組付位置に、いわば自動的に正しく位置決めされる一方で、それと同時に、組付作業員が用途に応じてコネクタを簡単に別の箇所に位置決めできることから明らかになる、別個のコネクタに典型的なフレキシビリティを得ることができるからである。さらに、本発明による取付部材をもってすれば、例えば手の届き難い場所および/または複雑な形状の付設部品での、特に頭上組付けでの使用など、一体化されたコネクタまたは完全に別個のコネクタによって少なくとも正当化できる製造コストでは通常手の届かない使用領域を開拓することができる。さらに本発明によれば、取付部材がコネクタに割り当てられているので、通常、コネクタがあるのと同じ数の取付部材が設けられさえすればよく、このことによりコスト負担をさらに低減することができる。付設部品に標準化された接続部、例えば標準化された貫通開口部が提供されることで、組付作業員は同じコネクタを異なった付設部品に使用することができ、それにより適用範囲をさらに拡大することができる。
【0008】
レールスロットは、プロファイルレールの2つのレールリップ間に形成されていることが合目的的である。プロファイルレールは、特にC形プロファイルレールであってもよい。付設部品は、例えばアングル部材またはレール脚であってもよい。付設部品における貫通開口部は、後方係合部材が貫通開口部を通り抜けることができるように寸法設定されていることが合目的的である。載置部材は、少なくとも領域的に、付設部品における貫通開口部より断面が大きいことが合目的的であり、それにより載置部材が、貫通開口部の周囲において付設部品上に載り、このようにしてコネクタの動作距離を貫通開口部によって制限することができる。
【0009】
付設部品は、貫通開口部を環状に取り囲むことが合目的的である。この場合、付設部品によって形成されるリングは荷重の理由から通常閉じているが、リングは、特別な用途については基本的に開いていてもよく、すなわち特別な用途では付設部品は貫通開口部を、例えばC形状に取り囲んでもよい。貫通開口部は付設部品に形成されている。貫通開口部は、特にコネクタの挿通のために設けられている。貫通開口部は、例えばコネクタによって突き破ることができる薄板で、この場合も一時的に閉鎖されていてもよい。
【0010】
後方係合部材は、特に長尺状に形成されており、特に第1寸法がプロファイルレールのレールスロットより幅狭に、かつ第2寸法がプロファイルレールのレールスロットより幅広に形成されている。したがって後方係合部材を、第1寸法がレールスロットの幅に沿って方向付けられている(ausgereichtet)挿入位置でレールスロットを通り抜けてプロファイルレールの内部空間に案内することができる。続いてプロファイルレールの内部空間に配置された後方係合部材を回動させることによって、後方係合部材を止着位置へ移すことができ、この止着位置において第2寸法がレールスロットの幅に沿って方向付けられ(ausgereichtet)、かつ後方係合部材がレールスロットに後方から係合し、それにより後方係合部材がレールスロットに止着される。上記の寸法にもとづいて、後方係合部材をハンマーヘッド部材と呼ぶこともできる。
【0011】
前組付位置において、コネクタは貫通開口部を突き抜け、すなわちコネクタは、前組付位置で少なくとも貫通開口部に入り、殊にコネクタは、前組付位置で貫通開口部を通り抜ける。特に前組付位置において、載置部材と後方係合部材とは、付設部品の両側に配置されていてもよい。コネクタの前組付位置において、後方係合部材が後方係合部材の挿入位置にあることが合目的的である。前組付位置に取り付けられたコネクタを用いて付設部品にプロファイルレールを置くことができ、続いて後方係合部材を止着位置へ移すことによって付設部品とプロファイルレールとを接続することができる。
【0012】
載置部材は、付設部品上に、例えば取付部材を越えて間接的に載置されるように予定されていてもよい。しかし、載置部材が付設部品上に直接載置されるように予定されていることが特に好ましい。このことは特に長時間使用の場合に、力の流れに関して有利であり得る。
【0013】
後方係合部材は、殊にネック区分を介して載置部材と接続されている。このネック区分は、特に付設部品における貫通開口部に、およびプロファイルレールにおけるレールスロットに挿通するように予定されている。前組付位置は、有利にもネック区分がこの前組付位置で貫通開口部を貫通することを特徴とする。ネック区分は、後方係合部材および/または載置部材と少なくとも部分的に一体型に形成されていてもよい。特にネック区分はコネクタの局所的狭窄部をなしてもよい。
【0014】
コネクタが取付部材によって前組付位置で着脱可能に付設部品に取り付け可能であることが特に好ましい。「着脱可能」とは、技術常識では、特に「破壊せずに分離可能」と解することができる。この実施形態では、取付部材を必要に応じて簡単にずらすことができ、特に取付部材の交換は必要でなく、このことが取り扱いやすさと適用多様性をさらに向上させることができる。殊に、付設部品を外すときにコネクタと取付部材との結合がそのまま維持され、すなわち特に取付部材が付設部品にとどまらないことが予定されてもよく、このことは特に迅速な新規組付けを可能にする。必要な場合に組付作業員が迅速かつ簡単に空間的にずらすことができる、前組付けされるが着脱可能であるコネクタを付設部品に提供することによって特に短い組付時間で特に高いフレキシビリティが保証される。
【0015】
基本的に、取付部材はコネクタの構成部品と一体型に、例えば一実施形態では打抜き曲げ加工部品として形成されていてもよく、このことは製造技術的に有利であり得る。例えば取付部材は、載置部材と一体型に形成されているスナップフックであってもよい。しかし取付部材が別個の構成部品であり、特にコネクタとは別個の構成部品であることが特に好ましい。特に取付部材は載置部材とは別個の構成部品であってもよい。これにより、とりわけ異なったコンポーネントに対して異なった、それぞれの使用目的のために特に適した材料を使用できるので、わずかな製造コストで特に性能のよいコネクタを得ることができる。
【0016】
取付部材が殊に直接載置部材に配置されていることが合目的的である。すなわち付設部品へのコネクタの取り付けはコネクタの載置部材で行われる。載置部材はいずれにしても付設部品と相互作用するように予定されているので、これによってコネクタおよび/または取付部材を構造上特に簡単に形成することができる。この実施形態は、特に、コネクタが載置部材における取付部材によって前組付位置で付設部品に取り付け可能であることを含み得る。
【0017】
特に、載置部材は前組付位置で付設部品上に載り、好ましくは直接載ることが予定されていてもよい。このことにより取り扱いやすさをさらに向上させることができる。なぜなら、載置部材はすでに前組付位置で、組付過程の終了後と同じところに配置されているからである。すなわち、特に取付部材は前組付位置で、付設部品からの載置部材の離脱を防ぐ作用をすることができる。
【0018】
例えば、取付部材は、コネクタに配置され付設部品を引き付ける磁石であってもよい。しかし取付部材が付設部品のためのスナップ機構をなすことが特に好ましい。スナップ機構とは、技術常識では、特に、例えば取付け時にまず弾性的に押しのけられ、続いて引っかかるスナップフックなどの部材を有する機構と解され得る。これによって特に安価であると同時に簡単かつ信頼できる取り付けが可能である。
【0019】
特に、取付部材が付設部品の貫通開口部において作用する付設部品のためのスナップ機構をなすことが予定されていてもよい。この場合、取付部材は、付設部品の貫通開口部の領域において付設部品に作用する。それに応じて貫通開口部が前組付位置でのコネクタの取り付けに寄与し得るので、貫通開口部は二重の機能を担当し、システムをさらに簡単に構成することができる。殊に、付設部品のためのスナップ機構および/または少なくとも1つのスナップフックが前組付位置で貫通開口部を突き抜けることが予定されてもよい。
【0020】
これに代えて、またはこれに加えて、取付部材が載置部材のためのスナップ機構をなすことが予定されていてもよい。それに応じて、取付部材が付設部品と係止されてもよいが、このことによりコストをさらに低減することができる。
【0021】
すでに上記したように、取付部材が少なくとも1つのスナップフックを有することが特に有利であり得る。これによって、特に有利な簡単で信頼できる前組付位置での取り付けが可能である。スナップフックは、殊に撓みスナップフックであり、および/または殊にプラスチックからなる。少なくとも1つのスナップフックは、付設部品のためのスナップ機構をなし得る。スナップフックには、載置部材のための係止ウェブが設けられていてもよく、それによりスナップフックが載置部材のためのスナップ機構をもなし得る。
【0022】
殊に、取付部材は少なくとも1つの指置き窪み(Fingermulde)、すなわち典型的な人の指を受けるための窪みを有する。これによって、特に信頼できる設置が可能である。特に、ばね操作による後方係合部材を有するコネクタの場合にコネクタを取り付けるときに後方係合部材のばね機構が誤って解放されないことを保証することができる。取付部材がフレームを有するならば、少なくとも1つの指置き窪みがフレームに形成されていることが合目的的である。2つの指置き窪みが設けられていることが好ましい。
【0023】
指置き窪みがスナップフックの上方に配置されている、すなわち特にスナップフックの想像上の延長線上に配置されていることが特に好ましい。それによりスナップフックが指置き窪みの直ぐ下にあるので、指置き窪みに加えられる押圧力を、特に取付部材を乗り越えることなしにスナップフックに直接伝達することができ、このことにより信頼性をさらに高めることができる。
【0024】
載置部材がスナップフックを収容するための少なくとも1つの湾入部を有することが合目的的である。これによって取付部材を特に簡単に、かつ信頼できる仕方で載置部材に位置決めすることができる。湾入部は、殊に後方係合部材の位置を調べるための覗き窓として用いることもできる。
【0025】
さらに、取付部材が環状の、殊に閉じた環状のフレームを有することが特に好ましい。殊に載置部材はフレームに収容されている。すなわち載置部材はフレームに埋設されている。これによって取付部材と載置部材との間に特に簡単な、かつ信頼できる接続を提供することができる。少なくとも1つの指置き窪みが設けられている限り、この指置き窪みは殊にフレームに配置され、フレームにおいて突き出す。少なくとも1つのスナップフックが設けられている限り、このスナップフックはフレームに配置され、フレームにおいて突き出す。載置部材が殊にフレームに当接し、特に遊びを有さず、このことはさらに良好な取り扱いやすさを可能にする。
【0026】
特に、取付部材がフレームの両側に配置されている2つのスナップフックを有することが予定されていてもよい。フレームが引っ張られるとスナップフックが、コネクタの取り付けが前組付位置から解除され得るようにロック位置から外へ旋回する配置により、付設部品からのスナップフックのロック解除機能を特に簡単に実現することができる。2つのスナップフックが、特に挿入位置にある後方係合部材に沿って延びる線上に配置されていることが特に合目的的であり、このことは、構造上、および力の流れに関して特に有利であり得る。2つのスナップフックが載置部材のためのそれぞれ1つの係止ウェブを有することが合目的的である。この係止ウェブは、載置部材とのスナップ接続を形成することができる一方で、フレームが引っ張られスナップフックがロック位置から外へ旋回するときに中心となるそれぞれ1つの旋回軸線を定義する。
【0027】
コネクタが付設部品のための取付部材のスナップ機構の保持力を低減するための機構を有することが特に好ましい。したがって、特に付設部品のためのスナップ機構は輸送時に高い保持力を有することができるとともに、付設部品からコネクタを外すために保持力を的確に低減することができる。付設部品のためのスナップ機構の保持力を低減する機構は、特に上記したように、すなわちフレームが引っ張られるとロック位置から外へ旋回するスナップフックによって実現することができる。
【0028】
取付部材は、殊にプラスチック部品であってもよく、このことは製造技術上の、および機能上の利点を有し得る。載置部材および/または後方係合部材はそれ自体生じる力を特に良好に受けることができる金属部品であることが有利である。
【0029】
特に、後方係合部材がレールスロットへ挿入する挿入位置とレールスロットに後方から係合する止着位置との間で載置部材に相対して旋回可能であることが予定されてもよい。そのような種類のコネクタでは、後方係合部材を載置部材に相対して回転させることによってコネクタの止着が行われる。特に、コネクタは、トリガ機構の操作によって後方係合部材を挿入位置から止着位置へ押しやるばねを有していてもよく、このことにより組付コストをさらに低減することができる。しかし本発明を、例えば、後方係合部材を手動で載置部材に相対して旋回させるコネクタ、または基本的に後方係合部材が載置部材と相対回動不能に接続されているコネクタ、および後方係合部材を載置部材と一緒に挿入位置から止着位置へ旋回させるコネクタにも使用することができる。
【0030】
本発明は、本発明によるコネクタの規定どおりの使用にも関する。特に本発明は、貫通開口部を有する付設部品と、付設部品を、レールスロットを有するプロファイルレールと接続するための本発明によるコネクタと、殊にこのプロファイルレールとを備える取付けアセンブリに関する。特に、取付けアセンブリでは、コネクタが取付部材によってコネクタの前組付位置で付設部品に取り付けられてもよい。
【0031】
本発明によるコネクタとの関連で説明される特徴を、本発明による取付けアセンブリにも使用することができ、その逆に本発明による取付けアセンブリとの関連で説明される特徴を本発明によるコネクタにも使用することができる。
【0032】
以下、本発明を、添付の図に模式的に示されている好ましい実施例をもとにして詳しく説明する。その際、以下に示される実施例の個々の特徴は、本発明の範囲内で基本的に個々に実現されてもよいし、または任意に組み合わせて実現されてもよい。図は模式図である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【
図2】
図1からのコネクタのための本発明による取付部材の斜視図である。
【
図3】
図2による取付部材が本発明に従って組み付けられた
図1からのコネクタの斜視図である。
【
図4】
図3からのコネクタのための可能な付設部品の斜視図であり、付設部品がレール脚として形成されている。
【
図5】
図3によるコネクタと、例えば
図4に示されるように形成されていてもよい付設部品の単に大きく短縮して示された一例と、プロファイルレールとを有する取付けアセンブリの斜視図である。
【
図6】
図5からの取付けアセンブリの前からの図である。
【
図7】コネクタを付設部品に取り付ける前の
図3からのコネクタと付設部品の単に大きく短縮して示された一例との側面図である。
【
図8】コネクタを前組付位置に取り付けた後の
図7に対応する図である。
【
図9】コネクタを前組付位置から取り外すためにフレームが引っ張られたときの取付部材の形が点線を重ねて模式的に示された
図8に対応する図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図は、本発明による取付けアセンブリもしくは取付けアセンブリの構成部品の一実施例を示す。取付けアセンブリは、プロファイルレール6と、付設部品5と、付設部品5をプロファイルレール6に取り付けるためのコネクタ2とを有する。
【0035】
付設部品5の可能な実施形態が
図4に詳しく示されている。付設部品は、コネクタ2を差し込むことができる少なくとも1つの貫通開口部51を有する。
図4に示されるように、付設部品5は、コネクタ2のための複数の同じような貫通開口部51も有していてもよい。この場合、付設部品5は、複数のコネクタ2によってプロファイルレール6に取り付けられてもよく、および/または1つまたは複数のコネクタ2が異なった用途のために付設部品5に空間的に置き換えられてもよい。
図4によれば、付設部品5はレール脚として形成されている。しかし当然のことながら付設部品5がコネクタ2のための1つまたは複数の貫通開口部51を有する限りで付設部品の別の実施形態も可能である。
【0036】
経済レール6の詳細が特に
図5および
図6に見て取れる。プロファイルレール6は、プロファイルレール6に沿って延びるレールスロット69を有し、このレールスロットを通ってプロファイルレール6の内部空間へのアクセスが可能である。レールスロット69はアンダーカットを形成する2つのレールリップ63、64によって区画され、アンダーカットにはずっと後に説明されるコネクタ2の後方係合部材27が形状結合的に固定可能である。
【0037】
図示される実施例では、プロファイルレール6はC形プロファイルレールとして形成されており、第1側壁61と第2側壁62とを有する。第1レールリップ63は、第1側壁61の上に配置され、第1側壁61から第2側壁62に向かって突出する。第2レールリップ64は、第2側壁62の上に配置され、第2側壁62から第1側壁61に向かって突出する。2つの側壁61、62はレール下側でレール底65によって接続されている。図示された実施形態では2つの側壁61、62が互いに平行に延び、レール底65は平らに形成されている。しかし基本的に、例えばV字形のレール底を有する別の形態も考えられる。
【0038】
コネクタ2は後方係合部材27と載置部材20とを有し、後方係合部材27と載置部材20とはコネクタ2のネック区分25を介して接続されている。後方係合部材27は長尺状に形成されているとともに、レールスロット69の幅より小さい幅と、レールスロット69の幅より大きい長さとを有する。したがって挿入位置において後方係合部材27の幅がレールスロット69の幅と平行に延びる場合、後方係合部材27をレールスロット69に挿通することができる。次にプロファイルレール6の内部空間において、レールスロット69に対して垂直に延びる軸線を中心として後方係合部材27を、後方係合部材27の長さがレールスロット69の幅と平行に延びる止着位置へ回動させた場合、後方係合部材27をレールスロット69から引き抜くことができなくなり、それにより後方係合部材27、したがってコネクタ2がレールに止着される。
【0039】
付設部品5における貫通開口部51は、後方係合部材27を少なくとも所定の向きで、そしてさらにネック区分25を少なくとも領域的に貫通開口部51から、厳密には載置部材20が付設部品5上に載り、それによりコネクタ2のさらに深い差込み、すなわちコネクタ2の動作距離を制限するまで差し込むことができるように形成されている。
【0040】
コネクタ2は、さらに取付部材4を有する。この取付部材4は、環状のフレーム40を有し、コネクタ2をつなぎ合わせた場合、このフレームに載置部材20が埋設される。殊に、フレーム40の内断面は載置部材20の外断面と実質的に一致する。フレーム40はその上側に2つの指置き窪み43、44を有し、これらの指置き窪みはフレーム40の両端に配置されている。取付部材4は、さらに2つのスナップフック41、42を有している。これらのスナップフック41、42は、フレーム40の両側で、フレーム40の下側に配置されており、フレームから下へ突出する。特に、第1スナップフック41は第1指置き窪み43の下方に、第2スナップフック42は第2指置き窪み44の下方に配置されている。図示される実施例では、取付部材4はワンピースに、かつプラスチック部品として形成されており、すなわち、特にスナップフック41、42はフレーム40と一体型に形成されている。しかしこれは一例にすぎないと解されるべきであり、他の実施形態も可能である。
【0041】
殊に金属の載置部材20に2つの湾入部31、32が設けられており、これらの湾入部31、32の各々がそれぞれ1つのスナップフック41もしくは42を収容する。
【0042】
作動時、
図7に示されるように、コネクタ2は後方係合部材27で付設部品5における貫通開口部51に前方へ差し込まれる。次いで、特に、これらのスナップフック41、42は、指置き窪み43、44への圧力によって貫通開口部51に押し込まれ、そこでこれらのスナップフックは、
図8に示されるように付設部品5と係止し、それによりコネクタ2を前組付位置で付設部品5に取り付ける。次いで、付設部品5はコネクタ2とともにプロファイルレール6に配置され、挿入位置にある後方係合部材27は、レールスロット69を通ってプロファイルレール6の内部空間に導かれ、そこで後方係合部材27は、続いて止着位置へ移され、それにより付設部品5がコネクタ2によってプロファイルレール6に止着される。
【0043】
図示された実施例において、後方係合部材27はばね操作され、挿入位置と止着位置との間で載置部材20に相対して旋回可能である。それに応じて、ネック区分25には旋回動作距離を定義するためのばねとリンク機構とが配置されている。しかしこれは例示とみなされるべきである。基本的に、ばね機構を用いない実施例、または後方係合部材27が載置部材20に回動不能に配置される実施例も考えられる。
【0044】
特に
図3が示すように、スナップフック41、42は、挿入位置にある後方係合部材27に沿って延びる線95上に配置されており、このことは力に関して有利であり得る。しかし基本的に他の実施形態も考えられる。
【0045】
取付部材4は載置部材20のためのスナップ機構も有する。載置部材20のためのこのスナップ機構は、第1スナップフック41もしくは第2スナップフック42に配置されている係止ウェブ48、49によって形成される。係止ウェブ48もしくは49は、載置部材20の、付設部品5の方を向いた下側で第1湾入部31もしくは第2湾入部32の領域に係止する。
【0046】
コネクタ2と付設部品5との組合せの組み付けの範囲で、殊に輸送時にも通常生じる力でコネクタ2が確実に前組付位置にとどまるようにするために、取付部材4は、スナップフック41、42によって形成される付設部品5のためのスナップ機構により十分に高い保持力を提供する。しかし、例えばコネクタ2が同じ付設部品5または別の付設部品の別の貫通開口部51に配置されるべき場合に、コネクタ2を再び前組付位置から外すことが必要になるかもしれない。これは
図9に模式的に図示された付設部品5のためのスナップ機構の保持力を低減するための機構によって可能である。すなわちフレーム40の側方で、2つの指置き窪み43、44間に載置部材20から離れる方向を向く引張力をフレーム40に加えた場合、フレーム40が
図9に点線で示されるように丸く膨らみ、殊に係止ウェブ48もしくは49におけるスナップフック41、42が旋回し、その自由端が互いに向かって、かつ貫通開口部51の壁から離れる方向に動き、取付部材4を付設部品5から解放する。