(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】無線通信におけるランダムアクセスに関する改善
(51)【国際特許分類】
H04W 72/02 20090101AFI20220325BHJP
H04W 74/08 20090101ALI20220325BHJP
H04W 72/04 20090101ALI20220325BHJP
【FI】
H04W72/02
H04W74/08
H04W72/04 132
(21)【出願番号】P 2020526271
(86)(22)【出願日】2018-10-30
(86)【国際出願番号】 SE2018051114
(87)【国際公開番号】W WO2019098906
(87)【国際公開日】2019-05-23
【審査請求日】2020-07-29
(32)【優先日】2017-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598036300
【氏名又は名称】テレフオンアクチーボラゲット エルエム エリクソン(パブル)
(74)【代理人】
【識別番号】100109726
【氏名又は名称】園田 吉隆
(74)【代理人】
【識別番号】100161470
【氏名又は名称】冨樫 義孝
(74)【代理人】
【識別番号】100194294
【氏名又は名称】石岡 利康
(74)【代理人】
【識別番号】100194320
【氏名又は名称】藤井 亮
(72)【発明者】
【氏名】ダールマン, エーリク
(72)【発明者】
【氏名】パルクヴァル, ステファン
(72)【発明者】
【氏名】バルデメイレ, ロベルト
【審査官】伊藤 嘉彦
(56)【参考文献】
【文献】特表2017-516348(JP,A)
【文献】特表2016-538781(JP,A)
【文献】Samsung,Random Access in RRC Connected: Bandwidth Part Aspects[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1713372,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1713372.zip>,2017年11月16日
【文献】ASUSTeK,Details of BWP inactivity timer[online],3GPP TSG RAN WG2 #100 R2-1712212,Internet<URL:http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG2_RL2/TSGR2_100/Docs/R2-1712212.zip>,2017年11月16日
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
3GPP TSG RAN WG1-4
SA WG1-4
CT WG1,4
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスによって行われる方法であって、
選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を前記ネットワークノードに送信すること(S11)であって、前記選択されたプリアンブルは前記ネットワークノードから前記無線デバイスに前記RARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信することと、
前記特定のDLリソース上で前記RARメッセージ(RA Msg2)を前記ネットワークノードから受信すること(S13)と、を含
み、
帯域幅部分(BWP)の関連のタイマーであって、
前記無線デバイスは新しいアクティブなダウンリンクBWPに切り替える時に前記タイマーを開始する、
前記無線デバイスは前記アクティブなダウンリンクBWP上でスケジューリングされる時に前記タイマーを再始動する、および、
前記無線デバイスは前記タイマーが時間切れになる時にデフォルトのダウンリンクBWPをアクティブ化する、
という特性を有する、タイマーがあり、
前記タイマーはランダムアクセス手順中に実行し続け、前記タイマーがランダムアクセス手順中に時間切れになる場合、前記ランダムアクセス手順は終了するまで継続し、
前記タイマーが時間切れになっており、かつ前記ランダムアクセスが成功して終了される場合、前記無線デバイスは、タイマーがリセットされるとともに前記ランダムアクセス手順を開始する前に使用された前記BWPに戻り、
前記タイマーが時間切れになっており、かつ前記ランダムアクセスが成功せずに終了される場合、前記無線デバイスはデフォルトの前記BWPに切り替える、
方法。
【請求項2】
前記ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択すること(S10)であって、前記ランダムアクセスプリアンブルは、前記ネットワークノードから前記無線デバイスに前記RARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、ランダムアクセスプリアンブルを選択することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記無線デバイスは、使用するために選択されたプリアンブルがどれかについて通知される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ランダムアクセスプリアンブルは、ランダムアクセスに対して利用可能なプリアンブルから選択される、請求項2または3に記載の方法。
【請求項5】
前記選択されたプリアンブルに基づいて、前記RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための対応する前記特定のDLリソースを監視すること(S12)をさらに含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記選択されたランダムアクセスプリアンブルは利用可能なランダムアクセスプリアンブルのプリアンブルサブセットの一部であり、前記特定のDLリソースは、前記選択されたランダムアクセスプリアンブルが一部となっている前記プリアンブルサブセットにリンクされる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記利用可能なランダムアクセスプリアンブルは2つ以上のサブセットに分割される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記利用可能なランダムアクセスプリアンブルは、2つのサブセット、AとBとに分割され、前記サブセットAは競合ベースランダムアクセスに使用され、前記サブセットBは無競合ランダムアクセスに使用される、請求項6または7に記載の方法。
【請求項9】
前記特定のDLリソースは、前記選択されたランダムアクセスプリアンブルがサブセットAの一部である場合はリソースAであり、前記選択されたランダムアクセスプリアンブルがサブセットBの一部である場合はリソースBである、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記特定のDLリソースは、競合ベースランダムアクセスに対する共通のリソースを含み、前記特定のDLリソースは、無競合ランダム
アクセスに対する前記無線デバイスの現在アクティブな帯域幅部分(BWP)を含む、請求項8または9に記載の方法。
【請求項11】
前記特定のDLリソースは、制御リソースセット(CORESET)、帯域幅部分(BWP)、または監視するための探索空間の1つまたは複数である、請求項1から10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記方法は、接続状態における無線デバイスのための接続状態ランダムアクセスに対して行われる、請求項1から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
無線通信システム(100)において動作するように設定され、かつネットワークノード(20)からランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するように設定された無線デバイス(10)であって、
前記ネットワークノードと通信するように設定された通信インターフェース(11)と、
選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を前記ネットワークノードに送信することであって、前記選択されたプリアンブルは前記ネットワークノードから前記無線デバイスに前記RARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、
前記特定のDLリソース上で前記RARメッセージ(RA Msg2)を前記ネットワークノードから受信すること、
を前記無線デバイス(10)に行わせるように設定された処理回路(12)と、を備え
、
帯域幅部分(BWP)の関連のタイマーであって、
前記無線デバイスは新しいアクティブなダウンリンクBWPに切り替える時に前記タイマーを開始する、
前記無線デバイスは前記アクティブなダウンリンクBWP上でスケジューリングされる時に前記タイマーを再始動する、および、
前記無線デバイスは前記タイマーが時間切れになる時にデフォルトのダウンリンクBWPをアクティブ化する、
という特性を有する、タイマーがあり、
前記タイマーはランダムアクセス手順中に実行し続け、前記タイマーがランダムアクセス手順中に時間切れになる場合、前記ランダムアクセス手順は終了するまで継続し、
前記タイマーが時間切れになっており、かつ前記ランダムアクセスが成功して終了される場合、前記無線デバイスは、タイマーがリセットされるとともに前記ランダムアクセス手順を開始する前に使用された前記BWPに戻り、
前記タイマーが時間切れになっており、かつ前記ランダムアクセスが成功せずに終了される場合、前記無線デバイスはデフォルトの前記BWPに切り替える、
無線デバイス(10)。
【請求項14】
前記処理回路(12)は、
前記ネットワークノード(20)への送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、前記ランダムアクセスプリアンブルは、前記ネットワークノードから前記無線デバイスに前記RARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、選択することを
前記無線デバイス(10)に行わせるようにさらに設定されている、請求項13に記載の無線デバイス(10)。
【請求項15】
前記処理回路(12)は、前記無線デバイス(10)に、
前記選択されたプリアンブルに基づいて、前記RARメッセージ(RA Msg2)の前記受信のための特定のDLリソースを監視させるようにさらに設定されている、請求項13または14に記載の無線デバイス(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は無線通信におけるランダムアクセスに関する。より具体的には、提案の技法は、リソース選択およびランダムアクセスメッセージの指示のための方法に関し、とりわけ、ランダムアクセス応答メッセージをネットワークノードから受信するための方法、およびランダムアクセス応答メッセージを無線デバイスに送信するための方法に関する。本開示はまた、対応するデバイスおよびネットワークノード、提案された方法を実行するための1つまたは複数のコンピュータプログラム、ならびにコンピュータプログラムなどを含むキャリアに関する。さらに、実施形態は、ホストコンピュータおよびここでのアクティビティを含む通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
最近の無線通信システムは常に進化している。例えば、第5世代の移動通信および無線技術は、まだ完全に規定されていないが、3GPPの範囲内の進行した草案段階にある。5G無線アクセスは、主として新たなスペクトルを対象にする新無線アクセス技術と組み合わせた既存のスペクトルに対するLong Term Evolution(LTE)の進展によって実現されるものになる。利用可能なスペクトルの不足により、10GHz以上といった、(これまで無線通信に使用されていた周波数と比較して)非常に高い周波数範囲にあるスペクトルは、将来のモバイル通信システムに利用されることが計画されている。よって、5Gへの進展は、5Gまたは次世代(NX)としても知られている新無線(NR)アクセス技術(RAT)についての取り組みを含む。NR無線インターフェースは、LTEによって利用されない周波数帯において予想される初期展開による1GHz未満(1GHzより下)から最高100GHzまでの範囲におけるスペクトルを対象にする。いくつかのLTE専門用語は、同等の5Gエンティティまたは機能性を含むように将来を考慮した意味で本開示において使用されるが、異なる用語が5Gにおいて指定可能である。
【0003】
LTEおよびNRネットワークなどの無線通信において使用されるRATに対する物理リソースは、15kHzのサブキャリア間隔について
図1に示されるように、時間領域における時間シンボル(例えば、直交周波数分割多重(OFDM)シンボル)、および周波数領域におけるサブキャリアから成る時間および周波数グリッドとして見られ得るものにおける時間および周波数においてスケジューリングされてよい。しかしながら、リソースが必ずしも時間/周波数リソースではない他の適用可能な事例があり得るが、オプションとして、コード領域などの他の領域におけるリソースを含めてよいことは理解されるべきである。新たなRAT NRは、物理リソースブロックのリソースエレメントを規定する、周波数における複数のキャリアおよび時間領域におけるシンボルを使用して、LTEと同様の物理リソースの構造を使用することになる。物理リソースパラメータはNRにおいて変化し得る。例えば、キャリアは可変の周波数領域に及んでよく、キャリア間の、周波数サブキャリア間隔(SCS)または密度は変化する場合があり、サイクリックプレフィックス(CP)は使用されてよい。サブキャリア間の周波数間隔は、サブキャリアの中心と隣接するサブキャリアとの間の周波数帯域幅、または周波数帯におけるそれぞれのサブキャリアが占める帯域幅として見られ得る。NRにおけるリソース割り当てユニットはLTEの事例と同様であるが、数個の新しいユニット(例えば、REGバンドル、CORESET)がNRに導入される。これらのユニットおよびこれらのユニット間の関係の基本的な規定は38.211-7.3.2.2に記載されている。
【0004】
NRにおける規定は下記を含む。
【0005】
リソースエレメント:これはLTEにおけるものと同じであり、周波数領域における1つのサブキャリアおよび時間領域における1つのOFDMシンボルで構成されているリソースグリッドの最小単位である。
【0006】
リソースエレメントグループ(REG):1つのREGは1つのリソースブロック(周波数領域の12のリソースエレメント)および時間領域の1つのOFDMシンボルで構成されている。
【0007】
REGバンドル:1つのREGバンドルは複数のREGで構成されている。
【0008】
制御チャネルエレメント(CCE):CCEは6のREGで構成されている。CCE内のREGバンドルの数は変化する。
【0009】
制御リソースセット(CORESET):CORESETは、周波数領域における複数のリソースブロック(すなわち、12のREの倍数)、および時間領域における「1または2または3」のOFDMシンボルで構成されている。所与のCORESETでは、異なるDCIフォーマットまたは異なる探索空間は異なる監視周期を有することができる。
【0010】
ヌメロロジーは、サブフレーム構造といった基本的な物理層パラメータを規定し、送信帯域幅、サブフレーム持続時間、フレーム持続時間、スロット持続時間、シンボル持続時間、サブキャリア間隔、サンプリング周波数、サブキャリア数、1サブフレーム当たりのRB、1サブフレーム当たりのシンボル、CP長などを含んでよい。異なるRATにおけるヌメロロジーエレメントに対する厳密値は、典型的には、性能目標によって決定される。例えば、性能要件として、使用可能なサブキャリア間隔サイズに関して制約が課せられ、例えば、最大許容位相ノイズは最小サブキャリア帯域幅を設定し、(フィルタリング複雑性および保護帯域サイズに影響を与える)スペクトルの緩慢な減衰は、一定のキャリア周波数に対するより小さいサブキャリア帯域幅に有利であり、必要とされるサイクリックプレフィックスは、オーバーヘッドを低くし続けるために一定のキャリア周波数に対する最大サブキャリア帯域幅を設定する。しかしながら、既存のRAT(例えば、LTE)においてこれまで使用されていたヌメロロジーは、むしろ静的であり、典型的には、ユーザ機器(UE)または無線デバイスによって、例えば、RATへの1対1マッピング、周波数帯、サービスタイプ(例えば、マルチメディアブロードキャストマルチキャストサービス(MBMS))などによって自明に導出可能である。OFDMベースであるLTEダウンリンクにおいて、サブキャリア間隔は、通常のCPに対して15kHzであり、拡張CPに対して15kHzおよび7.5kHz(すなわち、低減したキャリア間隔)であり、後者はMBMS専用キャリアのみに可能である。
【0011】
複数のヌメロロジーのサポートはNRに対して合意されており、このヌメロロジーは、同じまたは異なるUEに対する周波数および/または時間領域において多重化可能である。異なるヌメロロジーはよって、同じサブキャリア上で共存する場合がある。NRにおけるヌメロロジーは、サブキャリア間隔およびCPオーバーヘッドによって規定されてよい。複数のサブキャリア間隔は、基本サブキャリア間隔を整数Nによってスケーリングすることによって導出可能である。使用されるヌメロロジーは、周波数帯と無関係に選択可能であるが、非常に高いキャリア周波数において非常に低いサブキャリア間隔を使用しないことが想定される。柔軟なネットワークおよびUEチャネル帯域幅がサポートされる。ここで論述されているサブキャリア帯域幅の値は、とりわけ、3.75kHz、15kHz、30kHz、60kHzを含む。ヌメロロジー固有のスロット持続時間はさらにまた、サブキャリア間隔:mが整数である(2∧m*15)kHzのサブキャリア間隔に基づいてmsで判断可能であり、15kHzのヌメロロジーにおいて0.5msであるスロットに対して、1/2∧m、0.5msが与えられる。よって、それぞれのヌメロロジーは、nが非負の整数であるnの値に関連しており、サブキャリア間隔はヌメロロジーnに対して15kHz*2nとして規定される。15kHzのサブキャリア間隔のそれぞれのシンボル長(CPを含む)は、スケーリングされたサブキャリア間隔の対応する2nのシンボルの合計に等しい。
【0012】
NRにおけるサブフレームの持続時間が常に1msの持続時間を有し、かつ送信がスロットを使用することによって柔軟に規定可能であることが提案されており、かつ現在実際にNRの一部であり、該スロットはOFDM(DFTS-OFDM(離散フーリエ変換拡散OFDMA))またはSC-FDMAといった14の時間シンボル(規定される継続時間のシンボル)を含有することが提案されている。可変長(任意のシンボルの持続時間)および開始位置を有することが可能である、いわゆる「ミニスロット」の使用も提案されているため、これらはスロットのどこにでも位置することが可能であり、かつ1つのシンボルの長さと同じくらい短くすることが可能である。NRにおいて、(gNBとしても知られている)ネットワークノードによって送信されるシングルキャリアの送信帯域幅は、UE帯域幅能力、または(UEなどの)接続済みデバイスの設定された受信側帯域幅より大きい場合がある。それぞれのgNBはまた、時間分割多重化(TDM)または周波数分割多重化(FDM)される異なるヌメロロジーを使用して送信してもよい。少なくとも最高480kHzまでのサブキャリア間隔は、現在、NRについて論じられている(最も大きく論じられた値はミリ波ベースの技術に相当する)。異なるヌメロロジーを使用する複数の周波数/時間部分は同期信号を共有し、この場合、同期信号は信号自体を指し、時間/周波数リソースは同期信号を送信するために使用されることがさらに合意されている。
【0013】
DL無線フレームにおける物理ダウンリング制御チャネル(PDCCH)領域において、特定のPDCCHが位置する多くの場所があり得、UEは可能な場所全てを探索する。PDCCHの可能な場所は、PDCCHがUE固有または共通であるかどうかに応じて異なり、また、何のアグリゲーションレベルが使用されるかに左右される。PDCCHの全ての可能な場所は「探索空間」と呼ばれ、可能な場所のそれぞれは「PDCCH候補」と呼ばれる。探索空間は、UEがこのPDCCHを見つけることができるCCEの場所のセットを指示する。それぞれのPDCCHは1つのDCI(ダウンリンク制御情報)を伝達し、かつ無線ネットワーク一時識別子(RNTI)によって識別される。RNTIはDCIのCRC(巡回冗長検査)アタッチメントにおいて暗黙的に符号化される。共通探索空間およびUE固有探索空間という2つのタイプの探索空間がある。UEは、共通探索空間およびUE固有探索空間を両方共監視する必要がある。UEの、共通探索空間とUE固有探索空間との間に重複があり得る。共通探索空間はUE全てに共通であるDCIを伝達することが考えられる。例えば、(SI-RNTIを使用する)システム情報、ページング(P-RNTI)、PRACH応答(RA-RNTI)、またはUL TPCコマンド(TPC-PUCCH/PUSCH-RNTI)がある。UEは、アグリゲーションレベル4および8を使用して共通探索空間を監視する。UE固有探索空間はUEのアサインされたC-RNTI、半永続的スケジューリング(SPS C-RNTI)、または初期割り当て(一時C-RNTI)を使用してUE固有割り当てについてのDCIを伝達することができる。UEは、全てのアグリゲーションレベル(1、2、4、および8)におけるUE固有探索空間を監視する。NRにおいて、少なくとも1つの探索空間を含有する時間/周波数リソースは、MIB/システム情報から得られる/初期アクセス情報から暗黙的に導出される。追加の探索空間を含有する時間/周波数リソースは、専用RRCシグナリングを使用して設定可能である。複数の制御リソースセットはUEに対して周波数および時間が重複され得る。NRにおける探索空間は単一の制御リソースセットと関連付けられる。異なる制御リソースセットにおける探索空間は単独で規定される。UEに対するBD候補の最大数は、制御リソースセットの数および探索空間の数と無関係に規定される。所与のCORESETにおいて、2つのタイプの探索空間(例えば、UE共通探索空間およびUE固有探索空間)は、監視するUEに対する異なる周期性を有することができる。下記のパラメータの1つのセットは、アグリゲーションレベルのセット、それぞれのアグリゲーションレベルに対するPDCCH候補の数、または探索空間のセットに対するPDCCH監視機会という、探索空間のセットを判断する。CORESETにおけるアグリゲーションレベルでのPDCCH探索空間は、PDCCH候補のセットによって規定される。CORESETでの最高アグリゲーションレベルでの探索空間について、PDCCH候補に対応するCCEは下記のように導出される。PDCCH候補の第1のCCEインデックスは、以下の、(1)UE-ID、(2)候補番号、(3)PDCCH候補に対するCCEの総数、(4)CORESETにおけるCCEの総数、および(5)ランダム化係数の少なくともいくつかを使用することによって識別される。PDCCH候補の他のCCEインデックスは第1のCCEインデックスから連続している。
【0014】
帯域幅部分(BWP)と呼ばれるものを使用する利用可能なキャリア帯域幅の一部分のみを設定できることは、NRにおいて合意されている。典型的には、1つまたは複数のこのような帯域幅部分はUEに対して設定可能であり、この場合1つのみがアクティブであり、UEはさらにまた、これらの帯域幅部分の間で切り替えてよい、すなわち、アクティブなものになるように変更してよい。これは特に、キャリアの帯域幅全体をハンドリングすることができないデバイス(限定された能力のデバイス)にとって有用である。初期のおよび/またはデフォルトのBWPがある可能性があり、アクティブ化は時間ベースであり得、時間がタイムアウトになった時、初期値またはデフォルトに戻るように切り替える。UEについて、設定されたDL(またはUL)BWPは、周波数領域において、サービングセルにおける別の設定済みDL(またはUL)BWPと重複する場合がある。それぞれのサービングセルについて、DL/UL BWP設定の最大数は、対のスペクトルについて、4のDL BWPおよび4のUL BWPであり、不対のスペクトルについて、4のDL/UL BWP対であり、補足アップリンク(SUL)について、4のUL BWPである。対のスペクトルについて、時間ベースのアクティブなDL BWPをデフォルトのDL BWPに切り替えるための専用タイマーをサポートする。UEは、そのアクティブなDL BWPを、デフォルトのDL BWP以外のDL BWPに切り替える時にタイマーを開始する。UEは、このアクティブなDL BWPにおいて、うまくDCIを復号して物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)をスケジューリングする時に初期値にしてタイマーを再始動する。UEは、タイマーが時間切れになると、このアクティブなDL BWPをデフォルトのDL BWPに切り替える。それぞれの帯域幅部分は、特定のヌメロロジー(サブキャリア間隔、CPタイプ)と関連付けられる。UEは、少なくとも1つのDL帯域幅部分および1つのUL帯域幅部分が、所定の時刻に対する設定済み帯域幅部分のセットの間でアクティブであると予想する。UEは、少なくとも、DLに対してPDSCHおよび/またはPDCCH、ならびに、ULに対してPUCCH(物理アップリンク制御チャネル)および/またはPUSCH(物理アップリンク共有チャネル)について、関連付けられたヌメロロジーを使用してアクティブなDL/UL帯域幅部分内で受信/送信することのみが想定される。現在、同じまたは異なるヌメロロジーによる複数の帯域幅部分がUEに対して同時にアクティブとすることができるかどうか審議中である。これは、UEが、同じインスタンスにおいて異なるヌメロロジーをサポートすることが必要とされることを暗示していない。アクティブなDL/UL帯域幅部分は、コンポーネントキャリアにおけるUEのDL/UL帯域幅能力より大きい周波数範囲に及ぶことが想定されていない。UE RFが帯域幅部分の切り替えのために戻ることを可能にするための必要な機構を指定することが合意されている。所定の時刻に対する1つのアクティブなDL BWPの場合、DL帯域幅部分の設定は、少なくとも1つのCORESETを含む。UEは、PDSCHおよび対応するPDCCH(PDSCHに対するスケジューリングアサインメントを伝達するPDCCH)が、PDSCH送信がPDCCH送信の終了後にKのシンボル以内に開始する場合に同じBWP内で送信されることを想定できる。対応するPDCCHの終了後にKのシンボルより後に開始するPDSCH送信の場合、PDCCHおよびPDSCHは異なるBWPにおいて送信されてよい。UEに対するアクティブなDL/UL帯域幅部分の指示のために、以下のオプション:オプション#1:DCI(明示的および/または暗黙的)、オプション#2:MAC CE、オプション#3:時間パターン(例えば、DRXのような)が(これらの組み合わせを含んで)考慮される。BWPの設定において、UEはPRB(物理リソースブロック)に関してBWPが設定される。BWPと基準点との間のオフセットは、UEに暗黙的にまたは明示的に指示される。共通のPRBインデックス作成は、少なくとも、RRC接続状態におけるDL BWP設定に対して使用され、基準点はPRB 0であり、これは、NB、CA、またはWBのUEであるかどうかに関係なく、ネットワークの観点から、広帯域CCを共有するUE全てに共通である。UEがアクセスするSSブロックのPRB 0から最低PRBまでのオフセットは、上層シグナリングによって設定される。共通のPRBインデックス作成は、38.211における表4.3.2-1において規定される所定のヌメロロジーに対する最大数のPRBに対するものである。
【0015】
PDCCHに対するQCL設定は、TCI状態への参照を提供する情報を含有する。選択肢1:QCL設定/指示はCORESET数に基づく。UEは、関連するCORESET監視機会に対するQCL推定を与える。CORESET内の全ての探索空間は同じQCLを利用する。選択肢2:QCL設定/指示は、探索空間数に基づく。UEは、関連する探索空間に対するQCL推定を与える。これは、CORESET内に複数の探索空間がある場合に、UEは、異なる探索空間に対して異なるQCL推定が設定される場合があることを意味し得る。QCL設定の指示が、RRC、またはRRC+MAC CEによって、恐らく今後のDCIにおいて行われることは留意されたい。
【0016】
設定されたDL BWPのうちの少なくとも1つは、少なくとも、プライマリコンポーネントキャリアにおける共通探索空間による1つのCORESETを含む。それぞれの設定されたDL BWPは、所定の時間に単一のアクティブなBWPの場合のUE固有探索空間による少なくとも1つのCORESETを含む。所定の時間の単一のアクティブなBWPの場合、アクティブなDL BWPが共通探索空間を含まない場合、UEは共通探索空間を監視する必要はない。Pcellにおいて、UEについて、少なくともRACH手順に対する共通探索空間はそれぞれのBWPにおいて設定可能である。サービングセルにおいて、UEについて、グループ共通PDCCHに対する共通探索空間(例えば、SFI、プリエンプション指示など)はそれぞれのBWPにおいて設定可能である。複数のビーム対リンクに対するNR-PDCCHを監視するためのUE Rxビーム設定に関するパラメータは、上位層シグナリングまたはMAC CEによって設定される、および/または探索空間設計で考慮される。
【0017】
セル探索および同期
ユーザ機器(UE)などの無線デバイスは、ネットワーク、例えば、LTEまたはNRネットワークと通信することができる前に、ネットワークに接続しなければならない。ネットワークにアクセスするために、UEは、ネットワーク内のセルへの同期を見出しかつ取得し、セルにおいて、セル探索と称されるプロセスを通信かつ動作可能にするための情報(セルシステム情報)を受信しかつ復号する必要がある。ここで、上記のセルは、LTEにおけるエボルブドNodeB(eNB)またはNRにおけるgNodeB(gNB)など、ネットワークノード(NN)または基地局(BS)によってサーブされる。
【0018】
LTEにおいて、例えば、eNBは、セル探索/同期において支援するために物理ブロードキャストチャネル(PBCH)上の2つのダウンリンク(DL)同期信号(SS)、プライマリ同期信号(PSS)およびセカンダリ同期信号(SSS)を送信する。UEは、DL同期に対するeNBからブロードキャストされる同期信号を検出し、この同期信号は、事前に既知の周波数割り当てで送信される。UEは、同期信号に符号化されるアクセスノードの物理セル識別子を検出後、チャネルを推定する、またはシステム情報(SI)を復号するためにアクセスノードのセル固有参照信号(CRS)を使用することが可能である。同期後、UEは、アップリンク(UL)信号をシステムに送ってよく、アップリンク同期信号によって、UL同期を達成する、または、ネットワークに参加するための要求としてランダムアクセスメッセージ(ランダムアクセス(RA)プリアンブル)を送信することによってRAを行ってよい。RAプリアンブルを送ることができるように、UEは、eNBから送信されるシステム情報ブロック(SIB)メッセージをリッスンすることによって、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)がどのようにUL帯域において多重化されるのかについての情報を取得しなければならない。典型的には、このようなRAメッセージは、eNBが可能なRAメッセージをいつリッスンするのかを知ることを可能にする同期信号を聴いてからある特定の時間に送られるものとする。
【0019】
NRは、少なくとも、NRセルへの初期シンボル境界同期で使用されるNR-PSS、および、少なくとも、NRセルIDまたはNRセルIDの少なくとも一部の検出のために使用されるNR-SSSという、少なくとも2つのタイプの同期信号を規定する。NR-SSS検出は、典型的には、少なくとも、所与の周波数範囲およびサイクリックプレフィックス(CP)オーバーヘッド内のデュプレックスモードおよびビーム動作タイプに関係なくNR-PSSリソース位置との定時/周波数関係に基づいてよい。NRは、少なくとも1つの共通制御信号を、ブロードキャストチャネル:NR-PBCH(物理ブロードキャストチャネル)としてさらに規定する。NR-PBCH復号は、少なくとも、所与の周波数範囲およびCPオーバーヘッド内で使用されるデュプレックスモードおよび使用されるビーム動作タイプに関係なく、NR-PSSおよび/またはNR-SSSリソース位置との固定関係に基づいてよい。SS、SSS、および/またはPBCHは、「SSブロック」と称される同期信号内で送信されてよい。1つまたは複数の「SSブロック」は「SSバースト」を構成してよい。1つまたは複数の「SSバースト」は「SSバーストセット」を構成してよい。SSバーストセット内のSSバーストの数は有限である。
【0020】
ランダムアクセス
UE/デバイスが、ランダムアクセス(RA)と称される手順の接続セットアップを要求できることは、任意のセルラーシステムに対する基本的要件である。セル探索および選択の手順では、LTEにおけるシステムのいくつかの目的またはイベントを受信する。無線リンクを確立するための初期アクセス(UEがアイドルモードから接続モードに移動する)に加えて、RAは、接続モードの時にUL/DLデータを受信するためにアップリンク同期を確立するために、無線リンク障害、ハンドオーバー、ポジショニング後に無線リンクを再確立するためにも使用され、ULは、現在同期されておらず、スケジューリング要求として専用のスケジューリング要求がない場合、リソースはPUCCH上で設定されている。アップリンクタイミングの取得は、これらの手順全ての主要目的である。さらに、初期無線リンクを確立する時、RA手順ではまた、一意の識別子であるC-RNTI(セル無線ネットワーク一時識別子)をUE/デバイスにアサインする目的をサーブする。
【0021】
RA手順では、目的に応じて、競合ベース方式または無競合(非競合ベース)方式のどちらかを使用可能である。競合ベースプロトコルによって、多くのユーザは、事前調整なしで同じ無線チャネルを使用することが可能である。これは、いくつかのUEが同じリソースにアクセス可能である状況であるため、これらの間で衝突する可能性がある。無競合モードでは、eNBは、別個のプリアンブルをそれぞれのUEにアサインするため、衝突および他の衝突に関する問題の懸念は存在しない。例えば、ハンドオーバー中、一時的に有効なプリアンブルが発行されることになる。このプリアンブルはこのUE専用である。プリアンブルは、専用プリアンブルが割り当てられなかったUEには使用されることはない、すなわちランダムに選択するため、競合解消は必要ではない。無競合ランダムアクセスは、UEのダウンリンクトラフィックのハンドオーバーおよび再開など、低レイテンシが必要とされるエリアで使用可能である。ここで、専用シグネチャは必要に応じてUEに割り当てられる。無競合はハンドオーバーにおいて使用されてよく、これは、1つの無線アクセス技術内にあるRAT内(すなわち、1つのeNBから別のeNBへのLTE間)、および、無線アクセス技術間、例えば、LTEと、GSM、または3G WCDMA、WIMAX、さらにまたは無線LANとの間のRAT間という2つのタイプから成る。競合ベースランダムアクセスは上記のRA目的全てに使用可能であるが、無競合ランダムアクセスは、例えば、ダウンリンクデータ到達時のアップリンク同期、セカンダリコンポーネントキャリアのアップリンク同期、ハンドオーバー、およびポジショニングを再確立するために、場合によってのみ使用可能である。
【0022】
例えば、LTEにおける競合ベースランダムアクセスの基本手順は、ランダムアクセスプリアンブル送信、ランダムアクセス応答、無線リソース制御(RRC)接続要求、および媒体アクセス制御(MAC)競合解消を含む、
図2に示される4つのステップの手順から成る。第1のステップでは、UEまたはデバイスは、eNBに対するランダムアクセスプリアンブルを選択しかつ送信し、このメッセージはメッセージ1(Msg1)と称されることが多い。相互関係に基づいて、NBは、アクセスを検出可能であり、さらに、UE送信のタイミングを測定できる。第2のステップでは、eNBはランダムアクセス応答(RAR)をUEに送り、このメッセージはメッセージ2(Msg2)と称される。メッセージ1によって、ネットワークはUEの送信タイミングを推定できるため、アップリンク同期が可能になる。UL同期はUEがULデータを送信できるようにするために必要である。メッセージ2では、eNBは、ステップ1で得られたタイミング推定に基づいて、デバイス送信タイミングを調節するためにタイミングアドバンスコマンドを送信することで、UL同期が可能になる。eNBの応答、およびeNBが検出したプリアンブルの識別子は応答メッセージに含まれ、この時点でタイミングアドバンスは固定されることになる。スケジューリングされたリソースに関する情報は交換されることになり、一時C-RNTIがアサインされることになる。メッセージ2は、ランダムアクセス手順における第3のステップにおいて使用されるデバイスにリソースをさらにアサインする。第3のステップは、Msg2において指示されるリソースを使用して送信されるメッセージ3(Msg3)と称されるRRCシグナリングである。メッセージ3は、通常のスケジューリングされたデータと同様のUL共有チャネル(UL-SCH)を使用する、ネットワークへのこのUE識別子のUE送信である。このシグナリングの厳密なコンテンツは、UEの状態に、とりわけ、ネットワークに先に知られているか否かに左右される。アイドル状態の場合、NAS情報は提供されなければならず(IMSI、TMSI)、さもなければ、C-RNTIが使用される。第4のステップは、DL共有チャネル(DL-SCH)に対する、競合解消メッセージであるメッセージ4(Msg4)の、eNBからUEへのRRCシグナリングであるRRC接続セットアップである。このステップではまた、同じランダムアクセスリソースを使用してシステムにアクセスしようとする複数のデバイスによるいずれの競合も解消する。よって、競合解消が行われる、すなわち、eNBはC-RNTIを使用してUEをアドレス指定し、C-RNTIは競合に「勝った」場合にUEに通知するものである。第1のステップのみが、具体的にランダムアクセスのために設計された物理層処理を使用する。その後の3つのステップでは、通常のULおよびDLデータ送信に使用されるのと同じ物理層処理を利用する。無競合方式では競合解消が必要ではないため、無競合ランダムアクセスには上述された最初の2つのステップのみが使用される。その代わりに、eNBが、RRCシグナリングまたは物理ダウンリンク制御チャネル(PDCCH)順序を使用してRA試行を開始する場合に、メッセージ0という、RAプリアンブルアサインメントを含む別のメッセージが、Msg1の前にeNBからUEに送られ得る。PDCCH順序は、ランダムアクセス手順を開始する場所、無競合ランダムアクセスの場合は使用するプリアンブルについての情報を含有する、PDCCH上で送信される具体的なメッセージである。
【0023】
上記のように、LTEにおいてプリアンブルを受信すると(Msg1)、eNBは、一時セルRNTI(C-RNTI)、ならびにスケジューリングのためのアップリンクリソースおよびダウンリンクリソースをアサインする。さらにまた、eNBは、それぞれのUEに対して、ダウンリンク共有チャネル/物理ダウンリンク共有チャネル(DL-SCH/PDSCH)上でランダムアクセス応答(RAR、Msg2)を送る。1つのDL-SCHは複数のUEにランダムアクセス応答を伝達できる。UEは、プリアンブルを送った後、以下のように、物理専用制御チャネル(PDCCH)を監視し、かつランダムアクセス応答ウィンドウ内のランダムアクセス応答を待機する。
- UEが、送信されるランダムアクセスプリアンブルに一致するRAプリアンブル識別子を含有する応答を受信する場合、応答は成功する。
- UEが応答を受信しない、または応答受信の検証に失敗する場合、応答は失敗する。この場合、ランダムアクセス試行数が最大値より小さい場合、UEは再びランダムアクセスを試行する。その他の場合、ランダムアクセスは失敗する。UEのランダムアクセス試行の最大数はSIB2から得られ得る。
【0024】
よって、RARは物理ダウンリンク共有チャネル(PDSCH)上でeNBによって送られる。プリアンブルが検出された時間/周波数スロットを識別するIDである、ランダムアクセス無線ネットワーク一時識別子(RA-RNTI)でアドレス指定されてよい。複数のUEは、同じプリアンブル時間/周波数リソースで同じシグネチャを選択することによって衝突した場合、この両方が同じRARを受信すると思われる。
【0025】
NRにおいて、同様のプロセスはLTEのようにランダムアクセスに使用されるものになることが合意されている。物理層の観点から、NRランダムアクセス手順は、PRACHにおけるランダムアクセスプリアンブル(Msg1)、PDSCHにおけるランダムアクセス応答(RAR)(Msg2)、Msg3 PUSCH、およびMsg4 PDSCHを包含する。手順が同様のメッセージを使用するLTEに使用されるものと同様のものになっても、全てのステップを、フレキシブルキャリア周波数、および異なる能力を有するデバイスなどのNRの特質、特に、NRにおけるBWPの使用により同じように行うことができるわけではない。それ故に、NRおよび他の同様のシステムのための機能的なRA手順を確立することが必要とされている。
【発明の概要】
【0026】
本発明の目的は、当技術分野における上記の欠陥および不利点を単独でまたは組み合わせて、軽減する、緩和する、または排除することを求める方法およびデバイスを提供することである。
【0027】
具体的な目的は、ネットワークノードからランダムアクセス応答メッセージを受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスによって行われる方法を提供することである。
【0028】
別の目的は、無線デバイスにランダムアクセス応答メッセージを送信するための、無線通信システムにおけるネットワークノードによって行われる方法を提供することである。
【0029】
無線デバイスを提供することも本発明の目的である。
【0030】
具体的な目的は、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつネットワークノードからランダムアクセス応答メッセージを受信するように設定される無線デバイスを提供することである。
【0031】
別の目的はネットワークノードを提供することである。
【0032】
具体的な目的は、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつ無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージを送信するように設定されるネットワークノードを提供することである。
【0033】
さらなる目的は、対応するコンピュータプログラム、およびこのようなコンピュータプログラムを含む非一時的キャリアを提供することである。
【0034】
さらなる別の目的は、無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択のための方法および対応するシステムを提供することである。
【0035】
さらに別の目的は、ホストコンピュータを含む1つまたは複数の通信システムを提供することである。
【0036】
これらのおよび他の目的は、本明細書に開示される実施形態のうちの少なくとも1つによって満たされる。
【0037】
第1の態様によると、ネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスによって行われる方法が提供される。基本的に、方法は、
ネットワークノードに選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信することであって、選択されたプリアンブルはネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信することと、
特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信することと、を含む。
【0038】
第2の態様によると、無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するための、無線通信システムにおけるネットワークノードによって行われる方法が提供される。基本的に、方法は、
無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信することと、
特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信することと、を含む。
【0039】
第3の態様によると、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するように設定される無線デバイスが提供される。無線デバイスは、
- ネットワークノードと通信するように設定される通信インターフェースと、
- 選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することであって、選択されたプリアンブルはネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信すること、を無線デバイスに行わせるように設定される処理回路と、を備える。
【0040】
第4の態様によると、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつ無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するように設定されるネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、
- 無線デバイスと通信するように設定される通信インターフェースと、
- 無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信すること、をネットワークノードに行わせるように設定される処理回路と、を備える。
【0041】
第5の態様によると、ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、選択されたランダムアクセスプリアンブルはネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、選択すること、
選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信すること、
選択されたプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための特定のDLリソースを監視すること、および、
特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信すること、を行うように設定される無線デバイスが提供される。
【0042】
第6の態様によると、無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、
受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)を無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを得ること、および、
特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信すること、を行うように設定されるネットワークノードが提供される。
【0043】
第7の態様によると、無線デバイスにおいて実行される時、無線デバイスに本明細書に説明される方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0044】
第8の態様によると、ネットワークノードにおいて実行される時、ネットワークノードに本明細書に説明される方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0045】
第9の態様によると、このようなコンピュータプログラムを含む非一時的キャリアであって、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである、非一時的キャリアが提供される。
【0046】
第10の態様によると、無線通信システムにおいてランダムアクセスメッセージに対するリソース選択のための方法が提供される。方法は、無線デバイスによって使用されるランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)に基づいて、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを判断することを含み、ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択される。
【0047】
第11の態様によると、無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択を行うように設定されるシステムであって、該システムは、無線デバイスによって使用されるランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)に基づいて、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを判断するように設定され、ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択される、システムが提供される。
【0048】
第12の態様によると、ホストコンピュータを含む通信システムであって、ユーザ機器(UE)から基地局への送信によって生じるユーザデータを受信するように設定される通信インターフェースを備え、UEは、無線インターフェースと処理回路とを備え、UEの処理回路は選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信することを行うように設定される、通信システムが提供される。
【0049】
第13の態様によると、ユーザデータを提供するように設定される処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにユーザデータをセルラーネットワークに転送するように設定される通信インターフェースと、を備える、ホストコンピュータを含む通信システムであって、セルラーネットワークは、無線インターフェースおよび処理回路を有する基地局を備え、基地局の処理回路は無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信することを行うように設定される、通信システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【
図1】時間/周波数グリッドとして見られるLTEダウンリンク物理リソースを示す概略図である。
【
図2】LTEにおける競合ベースランダムアクセス手順の例を示す概略シグナリング図である。
【
図3】LTEにおけるプリアンブルサブセットの実例を示す概略図である。
【
図4】LTEにおけるランダムアクセスプリアンブル送信の主な実例を示す概略図である。
【
図5】異なるPRACHシーケンスおよびこれらの異なる特性を示す表の概略図である。
【
図6】NRにおける異なる可能なプリアンブルフォーマットを示す表の概略図である。
【
図7】一実施形態による、ネットワークノードからランダムアクセス応答メッセージを受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスでの使用のための方法についての例示的なプロセスを示す概略フローチャートである。
【
図8】一実施形態による、無線デバイスにランダムアクセス応答メッセージを送信するための、無線通信システムにおけるネットワークノードでの使用のための方法についての例示的なプロセスを示す概略フローチャートである。
【
図9】ネットワークノードからランダムアクセス応答メッセージを受信するように設定される無線デバイスの一例を示す概略ブロック図である。
【
図10】一実施形態による、無線デバイスにランダムアクセス応答メッセージを送信するように設定されるネットワークノードの一例を示す概略ブロック図である。
【
図11】中間ネットワークを介してホストコンピュータに接続される電気通信ネットワークの一例を示す概略図である。
【
図12】部分的に無線接続で基地局を介してユーザ機器と通信するホストコンピュータの一例を示す概略ブロック図である。
【
図13】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される方法の例を示す概略フローチャートである。
【
図14】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される方法の例を示す概略フローチャートである。
【
図15】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される方法の例を示す概略フローチャートである。
【
図16】ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器を含む通信システムにおいて実施される方法の例を示す概略フローチャートである。
【
図17】一実施形態による、無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択のための方法の一例を示す概略フローチャートである。
【
図18】一実施形態によるコンピュータ実装形態の一例を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0051】
本開示の態様について、以降、添付の図面を参照してより詳しく説明する。しかしながら、本明細書に開示される装置および方法は、多くの異なる形態で実現可能であり、本明細書に示される態様に限定されると解釈されるべきではない。図面における同様の番号は全体を通して同様の要素を指す。
【0052】
本明細書において使用される専門用語は、本開示の特定の態様のみを説明する目的のものであり、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書において使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、別段文脈において明確に指示されない限り、複数形も含むことが意図される。
【0053】
いくつかの実施形態では、非限定的な用語「UE」が使用される。本明細書におけるUEは、無線信号によってネットワークノードまたは別のUEと通信することが可能である任意のタイプの無線デバイスとすることができる。UEは、無線通信デバイス、対象デバイス、デバイスツーデバイス(D2D)UE、マシン型UE、またはマシンツーマシン通信(M2M)対応UE、UEに装備されたセンサ、iPad、タブレット、移動端末、スマートフォン、ラップトップ埋め込み機器(LEE)、ラップトップ搭載機器(LME)、USBドングル、宅内機器(CPE)などであってもよい。
【0054】
また、いくつかの実施形態では、一般的専門用語の「ネットワークノード」が使用される。これは、基地局、無線基地局、ベーストランシーバ基地局、基地局コントローラ、ネットワークコントローラ、gNodeB(gNB)、NR BS、エボルブドNodeB(eNB)、NodeB、マルチセル/マルチキャスト協調エンティティ(MCE)、中継ノード、アクセスポイント、無線アクセスポイント、リモートラジオユニット(RRU)、リモートラジオヘッド(RRH)、マルチスタンダードBS(別称、MSR BS)、TP(送信点)、TRP(送受信点)、コアネットワークノード(例えば、MME、SONノード、協調ノード、測位ノード、MDTノードなど)、またはさらには外部ノード(例えば、サードパーティノード、現在のネットワークの外部のノード)などの無線ネットワークノードで構成可能である任意の種類のネットワークノードとすることができる。ネットワークノードはテスト機器を含んでもよい。
【0055】
「特定のリソース」という用語は、特定のプリアンブルまたはプリアンブルサブセットにリンクされるリソース、すなわち、ネットワークノードが特定のプリアンブルの受信時に使用することになるリソースを指す。よって、UE/無線デバイスは、特定のサブセットから特定のプリアンブルを選択することによってRARに対するリソースを間接的に選択し、かつ、この選択を、選択されたプリアンブルを介してネットワークノードに「指示する」。ネットワークノードは、例えば、表を調べることによってRARに対するプリアンブルとリソースとの間のリンクについての情報を得ることによって、プリアンブル/プリアンブルサブセット間の所定のリンクを使用することによって、または、受信したプリアンブルに組み込まれる情報からリンクについての情報を得ることによって、どのリソースを使用するかを知ることになる。「選択されたプリアンブル」という用語は、ランダムアクセスに使用されているプリアンブルを指し、この用語は、UEが選択を行ったことを必ずしも含意するものではない。
【0056】
述べられるように、NRおよび他の同様のシステム、既存のおよび将来のシステムのための機能的なランダムアクセス手順を確立することが必要とされている。
【0057】
第1の態様によると、ネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスによって行われる方法が提供される。
【0058】
基本的に、
図7を参照すると、方法は、
S11:ネットワークノードに選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信することであって、選択されたプリアンブルはネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信することと、
S13:特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信することと、を含む。
【0059】
オプションのステップは破線によって指示される。
【0060】
特定の例では、方法は、ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することS10であって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、選択することをさらに含む。
【0061】
オプションの実施形態では、無線デバイスは、使用するために選択されたプリアンブルはどれかについて通知されてよい。
【0062】
例として、ランダムアクセスプリアンブルは、ランダムアクセスに対して利用可能なプリアンブルから選択されてよい。
【0063】
具体的な例では、方法は、選択されたプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための対応する特定のDLリソースを監視することS12をさらに含む。
【0064】
例として、選択されたランダムアクセスプリアンブルは利用可能なランダムアクセスプリアンブルのプリアンブルサブセットの一部であってよく、特定のDLリソースは、選択されたランダムアクセスプリアンブルが一部となっているプリアンブルサブセットにリンクされてよい。
【0065】
例えば、利用可能なランダムアクセスプリアンブルは2つ以上のサブセットに分割されてよい。
【0066】
特定の例では、利用可能なランダムアクセスプリアンブルは、2つのサブセット、AおよびBに分割され、サブセットAは競合ベースランダムアクセスに使用され、サブセットBは無競合ランダムアクセスに使用される。
例えば、特定のDLリソースは、選択されたランダムアクセスプリアンブルがサブセットAの一部である場合はリソースAであってよく、選択されたランダムアクセスプリアンブルがサブセットBの一部である場合はリソースBであってよい。
【0067】
オプションとして、特定のDLリソースは、競合ベースランダムアクセスに対する共通のリソースを含み、特定のDLリソースは、無競合ランダムアクセスに対する無線デバイスの現在アクティブな帯域幅部分(BWP)を含む。
【0068】
例として、特定のDLリソースは、
- 制御リソースセット(CORESET)、
- 帯域幅部分(BWP)、または
- 監視するための探索空間
の1つまたは複数であってよい。
【0069】
特定の実施形態では、方法は、接続状態における無線デバイスのための接続状態ランダムアクセスに対して行われる。
【0070】
具体的な例では、下記:
- 無線デバイスは新しいアクティブなダウンリンクBWPに切り替える時にタイマーを開始する、
- 無線デバイスはアクティブなダウンリンクBWP上でスケジューリングされる時にタイマーを再始動する、および
- 無線デバイスはタイマーが時間切れになるとデフォルトのダウンリンクBWPをアクティブ化する、
という特性を有する帯域幅部分(BWP)に関連したタイマーがあってよい。
【0071】
この例では、タイマーはランダムアクセス手順中に実行し続け、タイマーはランダムアクセス手順中に時間切れになり、ランダムアクセス手順は終了するまで継続する。タイマーが時間切れになっており、かつランダムアクセスが成功して終了される場合、無線デバイスは、タイマーがリセットされるとともにランダムアクセス手順を開始する前に使用されるBWPに戻る。タイマーが時間切れになっており、かつランダムアクセスが成功せずに終了される場合、無線デバイスはデフォルトのBWPに切り替える。
【0072】
別の態様によると、ランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を無線デバイスに送信するための、無線通信システムにおけるネットワークノードによって行われる方法が提供される。
【0073】
基本的に、
図8を参照して、方法は、
S1:無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信することと、
S3:特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信することと、を含む。
【0074】
オプションのステップは破線によって指示される。
【0075】
特定の例では、方法は、受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)を無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを得ることS2をさらに含む。
【0076】
例として、ネットワークノードは、受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージを送信するために使用するための特定のDLリソースを選択し、かつ特定のDLリソース上でRARメッセージによって無線デバイスに応答してよい。
【0077】
例えば、ネットワークノードは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルサブセットかに属するかに応じて、RARメッセージを無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを選択してよい。
【0078】
特定の例では、受信したランダムアクセスプリアンブルは、利用可能なランダムアクセスプリアンブルのランダムアクセスプリアンブルサブセットの一部であり、プリアンブルサブセットは特定のDLリソースにリンクされる。
【0079】
例として、利用可能なランダムアクセスプリアンブルは2つのサブセット、競合ベースランダムアクセスのサブセット、および無競合ランダムアクセスのサブセットに分割されてよく、特定のDLリソースは、受信したランダムアクセスプリアンブルが一部となっているのはどのサブセットかに基づいてよい。
【0080】
オプションとして、特定のDLリソースは競合ベースランダムアクセスに対する共通リソースを含んでよく、特定のDLリソースは、無競合ランダムアクセスに対する無線デバイスの現在アクティブな帯域幅部分(BWP)を含んでよい。
【0081】
具体的な例示の実施形態では、無競合ランダムアクセスに対して、特定のDLリソースは、無線デバイスが設定される任意の制御リソースセット(CORESET)を含む。
【0082】
例として、指示されたリソースは、
- 制御リソースセット(CORESET)、
- 帯域幅部分(BWP)、または
- 無線デバイスが監視するための探索空間
の1つまたは複数であってよい。
【0083】
例えば、方法は、接続状態における無線デバイスのための接続状態ランダムアクセスに対して行われてよい。
【0084】
例示の実施形態の具体的なセットでは、無線デバイスはユーザ機器であってよく、ネットワークノードは基地局であってよい。
【0085】
例えば、無線デバイスおよびネットワークノードは、無線アクセス技術(RAT)の新無線(NR)など、キャリア帯域幅をBWPに分割することを可能にするRATを使用して動作してよい。
【0086】
下記では、本発明について、特にNRおよび同様のシステムに言及して、非限定的な例示の実施形態を参照して説明する。
【0087】
例えば、NRに対する機能的なRA手順を確立する時、確実に、送られるメッセージが相手方で受信されるようにすることは重要である。よって、受信されるメッセージをどのリソースで送信するのかを確立することは、とりわけ重要である。1つのこのような問題点は、無線デバイスがRARを受信するように、ネットワークノードにおけるプリアンブルの受信時にネットワークノードから無線デバイスにRARをどのリソースでどこに送信するかである。LTEでは、全てのUEは同じ単一のBWPを監視しているため、ネットワークは、どこにRA応答を送ることができるかを知っている。NRに対して、これは当てはまらないため、ネットワークは共通リソースにおいて競合ベースアクセスへの応答を送らなければならない。NRシステムでは非常に広帯域のCC内で動作するようにサポートするが、UEの全てが広帯域動作に関する能力を提供できるわけではない。それ故に、システム帯域幅内で初期アクセスを動作させることは困難である。その代わりに、NRは初期アクセス動作に対するBWPを規定することができる。BWP内で、NRシステムは、SS/PBCHブロック送信、システム情報配信、ページング、およびRACH手順についての初期アクセス手順を動作させることができる。設定されたDL BWPのうちの少なくとも1つは、少なくともプライマリコンポーネントキャリアにおける共通探索空間による1つのCORESETを含むことが合意されている。よって、例えばNRにおいて、ある特定の帯域幅のキャリアBWcがあってよいが、UEは、そのUEの「アクティブな帯域幅部分」または「アクティブなBWP」とも称される、この帯域幅の小部分のみを受信するように設定可能である。異なるUEは異なるアクティブなBWPを有することができる。一般に、ネットワークは、UEが競合ベースアクセスを行うようにする、UEのアクティブなBWPを知っているが、ネットワークは、どのUEからランダムアクセス応答が生じるかを知らない。さらに、ネットワークのRA応答は、UEのアクティブなBWPの範囲内になければならないようにしなければならない。これは、競合ベースRAの場合、gNBメッセージがある所定の周波数範囲において送信されなければならず、UEはそこに移動しなければならない、すなわち、このメッセージを受信するためにこの現在アクティブなBWPを離れなければならないことを意味する。他方では、無競合アクセスの場合、ネットワークは、どのUEがアクセスを行っているかを知っており、UEの現在アクティブなBWPにおいてRA応答を送信することができる。
【0088】
例として、いくつかの例示的な実施形態では、本発明は、ランダムアクセスプリアンブルを異なるセットまたはグループに分割するように提案することによって、上述した問題および欠点に対する解決策を提供する。UEがどれを選ぶかに応じて、gNBは特定のリソースでのランダムアクセス応答(RAR)によって応答する。UEはさらにまた、上記の特定のリソースでのRARを監視してよい。特定のリソースは、応答が送信されることになるのは、どのBW部分、CORESET、または関連する探索空間であるかであり得る。ランダムアクセスプリアンブルの1つの可能なグループ化は、競合ベースRAに使用されるプリアンブルに対してはセットA、および無競合(非競合ベース)RAに使用されるプリアンブルに対してはセットBである。UEはさらにまた、セットAからのプリアンブルが選択される場合はリソースAを、セットBからのプリアンブルが選択される場合はリソースBを監視する。NRにおいて、ネットワークは、共通リソースにおける競合ベースアクセスへの応答を送らなければならない。しかしながら、無競合アクセスに対して、UEのアクティブなBWPにおいて送ることができるが、これは、ネットワークが、誰がアクセスしているかを知っているため、異なるリソースが使用される場合があるからである。リソース情報は、例えば、関連のDL送信を探す場所といった探索空間情報の他、特定のPRBまたはさらにはREなど、特定の時間/周波数リソースも含むことができる。指示によってUEに、PDCCHスケジューリングメッセージ4に対するCORESETおよび探索空間が伝えられることになる。この指示は、UEにBWP指示がなされる、および特定のBWP自体が特定の共通探索空間と関連付けられるという意味で、明示的または暗黙的のどちらかであり得る。
【0089】
LTEにおけるランダムアクセス
ステップ1、プリアンブル選択および送信
上述されるように、ランダムアクセス手順における第1のステップは、ランダムアクセスプリアンブルの送信である。プリアンブル送信の主要な目的は、基地局(eNB)にランダムアクセス試行の存在を指示すること、および基地局がeNBとUEとの間の遅延を推定できるようにすることである。遅延推定は、アップリンクタイミングを調節するために第2のステップにおいて使用されることになる。
【0090】
ランダムアクセスプリアンブルが送信される時間/周波数リソースは、物理ランダムアクセスチャネル(PRACH)として知られている。ネットワークは、どの時間/周波数リソースにおいてランダムアクセスプリアンブル送信が可能であるかの情報を全てのUEにブロードキャストする(すなわち、システム情報ブロック2(SIB-2)におけるPRACHリソース)。ランダムアクセス手順の第1のステップの一部として、UEはPRACH上で送信するための1つのプリアンブルを選択する。
【0091】
それぞれのセルにおいて、利用可能な64のプリアンブルシーケンスがある。64のシーケンスの2つのサブセットは
図3に示されるように規定され、この場合、それぞれのサブセットにおけるシーケンスのセットはシステム情報の一部としてシグナリングされる。(競合ベース)ランダムアクセス試行を行う時、UEはサブセットのうちの1つにおける1つのシーケンスを無作為に選択する。他のUEが同じ時刻に同じシーケンスを使用してランダムアクセス試行を行っていない限り、生じる衝突はなく、試行は、eNBによって検出される可能性が高くなる。プリアンブルシーケンスを選択するためのサブセットは、UEが第3のランダムアクセスステップにおいてUL-SCH上で送信したい(および、電力の観点から送信できる)データの量によって与えられる。それ故に、UEが使用したプリアンブルから、eNBはUEに付与されるアップリンクリソースの量に関して案内を受けることになる。UEが、例えば、新しいセルへのハンドオーバーについて、無競合ランダムアクセスを行うように要求されている場合、使用するプリアンブルはeNBから明示的に指示される。衝突を回避するために、eNBは好ましくは、競合ベースランダムアクセスに使用される2つのサブセット外のシーケンスから無競合プリアンブルを選択するものとする。
【0092】
周波数領域において、
図4に示されるPRACHリソースは、6つのリソースブロックに対応する帯域幅(1.08MHz)を有する。これは、LTEが動作できる6つのリソースブロックの最小のアップリンクセル帯域幅にうまく一致する。それ故に、セルにおける送信帯域幅に関係なく、同じランダムアクセスプリアンブル構造が使用可能である。時間領域において、プリアンブル領域の長さは設定されたプリアンブルに左右される。基本的なランダムアクセスリソースは持続時間が1msであるが、より長いプリアンブルを設定することも可能である。また、eNBアップリンクスケジューラが原則として、複数の後続のサブフレームにおいてUEをスケジューリングすることを単に回避することによって任意の長いランダムアクセス領域を予約できることは留意されたい。典型的には、eNBは、ランダムアクセスに使用される時間/周波数リソースにおけるいずれのアップリンク送信のスケジューリングも回避することによって、ランダムアクセスプリアンブルはユーザデータに直交することになる。これによって、UL-SCH送信と、異なるUEからのランダムアクセス試行との間の干渉が回避される。LTEにおけるランダムアクセスプリアンブル送信の主な実例は、
図4にも見られ得る。
【0093】
FDDについて、1サブフレーム当たり最大で1つのランダムアクセス領域があり、すなわち、複数のランダムアクセス試行は周波数領域において多重化されない。遅延の観点から、ランダムアクセス試行が初期化できる前の平均待機時間を最小化するために時間領域においてランダムアクセス機会を広げることはより良好である。TDDについて、複数のランダムアクセス領域は、単一のサブフレームにおいて設定可能である。これは、TDDにおける1無線フレーム当たりのアップリンクサブフレームの数がより少ないことが理由である。FDDにおけるのと同じランダムアクセス容量を維持するために、周波数領域多重化が必要である時がある。ランダムアクセス領域の数は、設定可能であり、かつ、FDDについて、20ms当たりに1つから1ms当たりに1つへと変化する可能性があり、TDDについて、10msの無線フレームごとに6試行までが設定可能である。
【0094】
プリアンブルは、2つの部分:プリアンブルシーケンスおよびサイクリックプレフィックス(CP)から成る。また、プリアンブル送信は、タイミング不確定性をハンドリングするためにガード期間を使用する。ランダムアクセス手順を開始する前に、UEはセル探索手順からダウンリンク同期を得ている。しかしながら、アップリンク同期はランダムアクセスの前にまだ確立されていないため、セルにおけるUEの場所が未知であることでアップリンクタイミングにおいて不確定性がある。アップリンクタイミング不確定性は、セルサイズに比例し、6.7μs/kmになる。タイミング不確定性を考慮し、かつランダムアクセスに使用されない後続のサブフレームとの干渉を回避するために、ガード時間はプリアンブル送信の一部として使用され、すなわち、実際のプリアンブルの長さは1msより短い。プリアンブルの一部としてサイクリックプレフィックスを含むことは、基地局での周波数領域処理を可能にするため有益であり、これは、複雑性の観点から有利であり得る。好ましくは、サイクリックプレフィックスの長さは、ガード期間の長さとおおよそ等しい。プリアンブルシーケンス長がおよそ0.8msである場合、サイクリックプレフィックスは0.1msであり、ガード時間は0.1msである。これによって、セルサイズを最高15kmまでにすることができ、これは、設定0などの典型的なランダムアクセス設定である。より大きいセルをハンドリングするために、タイミング不確定性がより大きい場合、プリアンブル設定1~3を使用することができる。これらの設定のいくつかはまた、検出器のプリアンブルエネルギーを増大させるためにより長いプリアンブルシーケンスをサポートし、これはより大きいセルにおいて有益であり得る。セルで使用されるプリアンブル設定は、システム情報の一部としてシグナリングされる。
【0095】
ステップ2、ランダムアクセス応答
検出されたランダムアクセス試行に応答して、eNBは、ランダムアクセス手順の第2のステップとして、
・ネットワークが検出し、かつ応答が有効であるランダムアクセスプリアンブルシーケンスのインデックス、
・ランダムアクセスプリアンブル受信部によって算出されるタイミング補正、
・UEが第3のステップでメッセージの送信に使用することになるリソースを指示するスケジューリンググラント、
・UEとネットワークとの間のさらなる通信に使用される一時識別子であるTC-RNTI
を含有するDL-SCH上のメッセージを送信することになる。
【0096】
ネットワークが(異なるUEから)複数のランダムアクセス試行を検出する場合、複数のUEの個々の応答メッセージは1回の送信において組み合わせ可能である。従って、応答メッセージは、DL-SCH上でスケジューリングされ、かつランダムアクセス応答のために予約された識別子(RA-RNTI)を使用してPDCCH上で指示される。プリアンブルを送信した全てのUEは、設定可能時間ウィンドウ内のランダムアクセス応答に対するL1/L2制御チャネルを監視する。応答メッセージのタイミングは、十分に多くの同時アクセスに応答できるように仕様において固定されず、基地局の実装形態においていくらかの柔軟性も与えられる。UEが時間ウィンドウ内でランダムアクセス応答を検出しない場合、試行は失敗であると宣言されることになり、手順は、場合によって、プリアンブル送信電力を増大させて、第1のステップから再び繰り返されることになる。
【0097】
同じリソースにおけるランダムアクセスを行ったUEが異なるプリアンブルを使用している限り、衝突は生じることはなく、ダウンリンクシグナリングによって、情報が関連しているのはどのUEかが明らかである。しかしながら、競合、すなわち、複数のUEが同じ時間に同じランダムアクセスプリアンブルを使用しているというある特定の可能性がある。この場合、複数のUEは同じダウンリンク応答メッセージに反応することになり、衝突が生じる。これらの衝突を解消することは、上記のように、後続のステップの一部である。競合はまた、ハイブリッドARQがランダムアクセス応答の送信に使用されない理由のうちの1つである。別のUEを対象としたランダムアクセス応答を受信するUEは、不正確なアップリンクタイミングを有することになる。ハイブリッドARQが使用されたとしたら、このようなUEに対するハイブリッドARQ肯定応答のタイミングは、不正確であると思われ、他のユーザからのアップリンク制御シグナリングを妨害する場合がある。
【0098】
第2のステップにおいてランダムアクセス応答を受信すると、UEは、このアップリンク送信タイミングを調節し、かつ第3のステップに進むことになる。専用プリアンブルを使用する無競合ランダムアクセスが使用される場合、この場合、競合をハンドリングする必要はないため、これはランダムアクセス手順の最後のステップである。さらに、UEは既に、C-RNTIの形態で割り当てられた一意の識別子を有している。
【0099】
ステップ3、UE識別
第2のステップの後、UEのアップリンクは時間同期される。しかしながら、ユーザデータがUEに/から送信可能である前に、セル内の一意の識別子(C-RNTI)はUEにアサインされなければならない。UEの状態に応じて、接続をセットアップするための追加のメッセージ交換も必要とされる場合がある。
【0100】
第3のステップでは、UEは、第2のステップにおけるランダムアクセス応答においてアサインされたUL-SCHリソースを使用してeNBに必要なメッセージを送信する。第1のステップにおいてプリアンブルにアタッチする代わりにスケジューリング済みアップリンクデータと同じようにアップリンクメッセージを送信することは、いくつかの理由で有益である。第一に、アップリンク同期がなく送信される情報の量は、長いガード時間の必要性によってこのような送信は比較的費用が掛かるため、最小化されるべきである。第二に、メッセージ送信に対する「通常の」アップリンク送信方式の使用によって、グラントサイズおよび変調方式は、例えば、異なる無線条件に調節可能になる。最後に、アップリンクメッセージに対するソフトコンバイニングによるハイブリッドARQが可能になり、これは、確実に、送信の成功の可能性を十分高くするためにアップリンクシグナリングに対する十分なエネルギーを収集するように1つまたはいくつかの再送信の使用を可能にするために、特にカバレッジ限定シナリオでは重要な側面である。RLC再送信がステップ3においてアップリンクRRCシグナリングに使用されないことは留意されたい。
【0101】
アップリンクメッセージの重要な部分は、UE識別子が第4のステップにおける競合解消機構の一部として使用されるため、このUE識別子が含まれていることである。UEがRRC_CONNECTED状態、すなわち、既知のセルに接続されているため、C-RNTIがアサインされている場合、このC-RNTIはアップリンクメッセージにおけるUE識別子として使用される。その他の場合、コアネットワークのUE識別子が使用され、eNBは、ステップ3におけるアップリンクメッセージへの応答の前にコアネットワークに関わる必要がある。UE固有のスクランブリングがUL-SCH上の送信に使用される。しかしながら、UEにまだこの最後の識別子が割り当てられていない場合があるため、スクランブリングはC-RNTIに基づくことができない。その代わりに、一時識別子が使用される(TC-RNTI)。
【0102】
ステップ4、競合解消
ランダムアクセス手順における最後のステップは、競合解消のダウンリンクメッセージから成る。第2のステップにより、同時ランダムアクセスを行う複数のUEは、第1のステップにおける同じプリアンブルシーケンスを使用して、第2のステップにおいて同じ応答メッセージをリッスンすることを試みるため、同じ一時識別子を有する。それ故に、第4のステップでは、ダウンリンクメッセージを受信するそれぞれのUEは、メッセージにおける識別子を第3のステップにおいて送信される識別子と比較することになる。第4のステップにおいて受信される識別子と第3のステップの一部として送信される識別子との間の一致を観察するUEのみがランダムアクセス手順の成功を宣言することになる。UEにC-RNTIがまだアサインされていない場合、第2のステップによるTC-RNTIはC-RNTIに昇格し、その他の場合、UEはこの既にアサインされたC-RNTIを保有する。
【0103】
競合解消メッセージは、L1/L2制御チャネル上でUEをアドレス指定するために第2のステップから一時識別子を使用してDL-SCH上で送信される。アップリンク同期が既に確立されているため、ハイブリッドARQはこのステップにおいてダウンリンクシグナリングに適用される。第3のステップで送信した識別子と第4のステップで受信したメッセージとの間の一致を有するUEはまた、アップリンクにおいてハイブリッドARQ肯定応答を送信することになる。第4のステップにおいて受信された識別子と第3のステップの一部として送信されたそれぞれの識別子との間の一致が見つからないUEは、ランダムアクセス手順が失敗したとみなされ、第1のステップから手順を再始動する必要がある。明らかに、これらのUEから送信されるハイブリッドARQフィードバックはない。さらに、ステップ3におけるアップリンクメッセージの送信からある特定の時間内にステップ4においてダウンリンクメッセージを受信していないUEは、ランダムアクセス手順を失敗と宣言し、かつ第1のステップから再始動する必要がある。
【0104】
NRにおけるランダムアクセス
NRにおけるランダムアクセスに関する電気通信標準化機関の3GPPにおいていくつか合意されている。下記が合意されている。
【0105】
RACHプリアンブル(Msg1)、ランダムアクセス応答(Msg2)、メッセージ3、およびメッセージ4を含むRACH手順は、少なくとも、RAN1の観点からNRに対して想定される。簡略化されたRACH手順、例えば、Msg1(UL)およびMsg2(DL)は、さらに検討されるべきである。NRは、Msg2/Msg3/Msg4送信に対して、スロットベースのPDCCH、PDSCH、およびPUSCH送信、ならびにノンスロットベースのPDSCH/PUSCH送信の両方をサポートする。物理層の観点から、RA手順は、PRACHにおけるRAプリアンブル、PDSCHにおけるRAR、PUSCH上のMsg3、およびPDSCH上のMsg4の送信を含む。ノンスロットベースの送信について、PDSCH/PUSCHに対する2、4、および7のOFDMシンボル持続時間がサポートされる。4ステップのRACH手順について、RACH送信機会は、単一の特定のTxビームによる設定済みPRACHプリアンブルフォーマットを使用してPRACHメッセージ1が送信される時間/周波数リソースとして規定される。NRは、接続モードのUEに対してもランダムアクセス手順をサポートする。RAN1は、CSI-RSに基づくリソースにおいて接続モードでPRACHプリアンブルを送信することを検討してもよい。
【0106】
NR物理ブロードキャストチャネルNR-PBCHは、かつキャリア周波数範囲に応じて仕様であらかじめ規定される固定のペイロードのサイズと周波数による最小システム情報の少なくとも一部を伝達する非スケジューリングブロードキャストチャネルである。最初に、下記の2つのオプションが論じられた。選択肢1:NR-PBCHは最小システム情報の一部を伝達し、この場合、残りの最小システム情報は、NR-PBCHによって少なくとも部分的に指示される他のチャネルを介して送信される、または残りの最小システム情報は、NR-PBCHにおいて指示されない別のチャネルを介して送信される。例えば、NR-PBCHは、UEが残りの最小システム情報を伝達するチャネルを受信するために必要な情報を含む最小システム情報の一部を伝達する、または、NR-PBCHは、UEが(NR-PRACH、例えば、PRACH Msg1に限定されない)初期UL送信を行うために必要な情報、場合によって、第1の例における情報に加えて初期UL送信(例えば、PRACH Msg2)への応答を受信するために必要な情報を伝達する、または、NR-PBCHは、UEが(NR-PRACH、例えば、PRACH Msg1に限定されない)初期UL送信を行うために必要な情報、および必要な情報を伝達する。残りの最小システム情報を受信するために必要な情報は、初期UL送信(例えば、PRACH Msg.2)への応答を受信するための初期UL送信後に提供される。選択肢2:NR-PBCHは最小システム情報の全てを伝達する。ランダムアクセス設定は残りの最小SIに含まれる。全てのランダムアクセス設定情報は、セル内の残りの最小システム情報(RMSI)に使用される全てのビームにおいてブロードキャストされる、すなわち、RMSI情報は全てのビームに共通である。PBCHがスケジューリングされたPDSCHを受信可能にするために必要とされる少量の情報を伝達することは、NRにおいてその後規定されている。PDSCH上で、残りの最小システム情報(RMSI、別称Sib1)は、他のSIB(SIB2以上)であるため、送信される。SIB1は、他のSIBを予想すべき時に関する情報を含む。SIB1はRAを行うのに十分である。
【0107】
1つのPRACHフォーマットは、さらに検討中であるセルが、影響帯域幅部分/補助アップリンク(BWP)/SULであるように設定される。短いシーケンス長に基づくPRACHフォーマットについて、フォーマットAおよびフォーマットBは、PRACH設定に対するパッケージとみなされ、フォーマットA/BまたはフォーマットCのどちらかを設定する。フォーマットA/Bが設定される場合、RACHスロット内の最後のPRACHリソースはフォーマットBを使用し、RACHスロット内の他のPRACHリソースはフォーマットAを使用する。RACHスロット内の1回のPRACH機会の場合、少なくとも、RACHスロット内のフォーマットB4のみをサポートする。
【0108】
NRは、UEに対する非競合ベースランダムアクセスのためのPRACHリソース割り当ての指示をサポートし、この場合、PRACHリソースはPRACHプリアンブルの時間/周波数/コードリソースを指す。無競合ランダムアクセスについて、以下のオプションが評価段階にある。オプション1:監視されるRARウィンドウの終了前の単一のMsg1のみの送信。オプション2:UEは複数の同時のMsg1を送信するように設定可能である。複数の同時のMsg1の送信が、異なる周波数リソースを使用する、および/または異なるプリアンブルインデックスを有する同じ周波数リソースを使用することに留意されたい。オプション3:UEは、監視されるRARウィンドウの終了前の時間領域における複数のRACH送信機会にわたって複数のMsg1を送信するように設定可能である。ハンドオーバーに対する無競合RA手順について、Msg1に対するSCSおよびMsg2に対するSCSはハンドオーバーコマンドにおいて提供される。
【0109】
競合ベースランダムアクセスについて、SSバーストセットにおけるSSブロックと、RACHリソースおよび/またはプリアンブルインデックスのサブセットとの間の関連性は、RMSIにおけるパラメータのセットによって設定可能である。競合ベースランダムアクセス手順について、UEがMsg1送信に対して1つのPRACH送信機会を選択した後、UEはRel-15における同じMsg1送信に対するRARウィンドウの時間切れの前に別のものを選択することができない。競合ベースNRの4ステップRA手順について、Msg1に対するSCSはRACH設定で設定され、Msg2に対するSCSはRMSIのヌメロロジーと同じであり、Msg3に対するSCSはMsg1に対するSCSと別個にRACH設定で設定され、Msg4に対するSCSはMsg2のものと同じである。
【0110】
RACHリソースは、RACHプリアンブルを送るために時間/周波数リソースとして規定される。初期アクセスに必要とされる情報の送信(例えば、ランダムアクセスリソースの設定)のために、少なくとも以下のオプションが検討されるものとする。オプション1:送信は動的シグナリング(例えば、制御チャネル)によってスケジューリングされる。オプション2:送信は(例えば、前の部分を介して)半静的シグナリングによってスケジューリングされる。オプション3:送信は(例えば、仕様であらかじめ規定された)関連付けられたシグナリングなく単独で行われる。現在、大まかにオプション2に基づく解決策がNRにおいて選択されている。NRは、例えば、異なるヌメロロジーの事例、およびTx/Rx相反性がgNBで利用可能であるか否かを考慮して、異なるPRACH設定をサポートすることになる。PRACH送信のための領域は、アップリンクシンボル/スロット/サブフレームの境界に整合されるものとする。RACH PRB割り当てはRACHスロット内のRACHに割り当てられるPRBである。
図5には、保護帯域として異なる数のサブキャリアをサポートするNRを含む表が示されている。
【0111】
Tx/Rx相反性がgNBで少なくとも複数のビーム動作に利用可能である時、以下のRACH手順は少なくともアイドルモードにおけるUEに対して考慮される。
・DLブロードキャストチャネル/信号に対する1または複数の機会とRACHリソースのサブセットとの間の関連性について、ブロードキャストシステム情報によってUEに通知される、またはUEに知られている。
・DL測定および対応する関連性に基づいて、UEはRACHリソースのサブセットを選択する。RACHプリアンブル送信のTxビーム選択はさらに検討されるものとする。
・gNBにおいて、UEに対するDL Txビームは、検出されるRACHプリアンブルに基づいて得られ得、かつメッセージ2に適用されることも考えられる。メッセージ2におけるULグラントはメッセージ3の送信タイミングを指示することができる。
【0112】
Tx/Rx相反性がある場合およびない場合は、共通ランダムアクセス手順が追求されるべきである。Tx/Rx相反性が利用可能でない場合、少なくともアイドルモードのUEに対して、以下の、DL TxビームをgNB、例えば、RACHプリアンブル/リソースまたはMsg.3に報告するかどうかまたはどのように報告するか、および、UL TxビームをUE、例えば、RARに指示するかどうかまたはどのように指示するかがさらに考慮可能である。
【0113】
ステップ1、プリアンブル選択および送信、Msg1 PRACH
正規のNRランダムアクセス手順の第1のステップは、UEからgNBへのプリアンブルの送信である。NRは、より長いプリアンブル長を有するRACHプリアンブルフォーマット、およびより短いプリアンブル長を有するRACHプリアンブルフォーマットを少なくとも含む複数のRACHプリアンブルフォーマットをサポートする。シグネチャはどれくらいあるか(例えば、RACHシーケンスの数、ペイロードサイズなど)についてさらに検討されるものとする。初期アクセスについて、長シーケンスベースのプリアンブルまたは短シーケンスベースのプリアンブルのどちらかがRACH設定において設定される。PRACH送信に対する上位層による設定は、PRACH設定パラメータ、サービングセルインデックス、プリアンブルインデックス、PRACHフォーマット、対応するRA-RNTI、およびPRACHリソースを含む。PRACHフォーマットは、プリアンブルインデックスを使用して対応するプリアンブルシーケンス長に対するプリアンブルシーケンスセットから選択される。
【0114】
NRは、ランダムアクセスプリアンブルフォーマットが、1つまたは複数のランダムアクセスプリアンブルから成り、ランダムアクセスプリアンブルが1つのプリアンブルシーケンスに加えてCPから成り、1つのプリアンブルシーケンスが1つまたは複数のRACH OFDMシンボルから成ることを規定する。UEは、設定されたランダムアクセスプリアンブルフォーマットに従ってPRACHを送信する。PRACH送信に対する領域は、アップリンクシンボル/スロット/サブフレームの境界に整合されるものとする。NRにおいて、RACH設定は、少なくとも、RACH時間/周波数情報およびRACHプリアンブルフォーマットを提供する。NRは、より長いプリアンブル長を有するRACHプリアンブルフォーマットおよびより短いプリアンブル長を有するRACHプリアンブルフォーマットを少なくとも含む複数のRACHプリアンブルフォーマットをサポートする。
【0115】
RACHプリアンブルに対するヌメロロジーは、他のULデータ/制御チャネルに対するものと異なるまたは同じである可能性がある。UEがRACHリソースのサブセット内の1つまたは複数の/繰り返されるプリアンブルを送信する必要があるかどうかは、ブロードキャストシステム情報によって通知可能である。例えば、gNBにおけるNO Tx/Rx相反性の場合のgNB Rxビーム掃引をカバーすることである。短いプリアンブルフォーマット(すなわち、L=139)に対するPRACHリソースマッピングのスロット持続時間は、RACH Msg1ヌメロロジー、すなわち、SCSに基づく。長いプリアンブルフォーマット(すなわち、L=839)に対するPRACHリソースマッピングのスロット持続時間は、15kHz SCSに基づく。RACHプリアンブル送信に対する最大帯域幅は、6GHzを下回る搬送周波数に対して5MHzより広くなく、かつ6GHzから52.6GHzまでの範囲の搬送周波数に対してX MHzより広くない。Xは、5、10、および20MHzから絞り込んで選択されることになる。少なくとも、RACHプリアンブルに対する1つの参照ヌメロロジーは、1.25×n kHzまたは15×n kHzと規定される。RACHプリアンブルに対する参照ヌメロロジーに基づいて、スケーラブルヌメロロジーによる複数のRACHプリアンブルは、搬送周波数に応じてサポートされる。SCS=1.25kHzでL=839のNR PRACHプリアンブルについて、Ncs制限セットタイプBは、制限セットタイプAに加えてサポートされる。SCS=5kHzでL=839のNR PRACHプリアンブルについて、Ncs制限セットタイプAおよびタイプBがサポートされる。
【0116】
セルにおけるランダムアクセスプリアンブルは、ランダムプリアンブルおよび専用プリアンブルにグループ化され、これは、競合ベースランダムアクセスおよび無競合ベースランダムアクセスそれぞれに使用される。さらに、ランダムプリアンブルは、2つのサブグループ、グループAおよびBに分割されてよい。UEは、以下:ランダムグループBが存在する、Msg3(上記に示されるランダムアクセス手順において送信される第3のメッセージ)のサイズがランダムグループAに対して設定される対応する閾値より大きい、および、UEの伝搬路損失が閾値より小さいという条件が満たされる場合、ランダムグループBを選択する。前述の条件のいずれかが満たされない場合、UEはランダムグループAを選択する。ランダムグループが判断された後、UEはグループからプリアンブルをランダムに選択する。
【0117】
RACHリソースにおける複数の/繰り返されるRACHプリアンブルがサポートされる。単一ビームおよび/またはマルチビーム動作をどのようにサポートするのか、および、プリアンブルが同じであるまたは異なる可能性があるかどうかは、さらに検討されるものとする。ランダムアクセス手順の設計は、BSまたはUEにおける非Rx/Tx相反性、およびBSまたはUEにおける完全なまたは部分的なRx/Tx相反性を含む、単一ビームおよびマルチビーム動作の可能な使用を考慮に入れるべきである。マルチビーム形成が初期アクセスに対するDLブロードキャストチャネル/信号に提供される場合、RACHリソースはUEによって、検出されるDLブロードキャストチャネル/信号から得られる。一定の時間間隔におけるRACHプリアンブル送信に対する複数の機会が考慮される。RACHプリアンブルに対するヌメロロジーは周波数範囲に応じて異なる可能性がある。1周波数範囲当たりどれくらいのヌメロロジーがサポートされることになるのかはまだ判断されていない。DLブロードキャストチャネル/信号に対する1または複数の機会と関連付けられる異なるRACHリソースサブセットサイズのサポートは合意されており、マルチビームのシナリオにおいて異なる方向にわたって、DLブロードキャストチャネル/信号に対する1または複数の機会、およびDLブロードキャストチャネル/信号の不均一送信と関連付けられる同じRACHリソースサブセットサイズのサポート。RACHプリアンブル送信およびRACHリソース選択に対する評価では、企業は、以下:例えば、TR38.913において規定される値といった、基地局におけるRxビーム掃引のサポートおよびカバレッジのサポートの想定を報告している。
【0118】
プリアンブル送信に対するUE Txビームは、UEによって選択される。ブロードキャストシステム情報によって通知されるような単一のまたは複数の/繰り返されるプリアンブルのRACH送信機会の間、UEは同じUE Txビームを使用する。プリアンブルインデックスは、OCCがサポートされる場合、プリアンブルシーケンスインデックスおよびOCCインデックスから成る。プリアンブルのサブセットはOCCインデックスによって指示可能である。Nのプリアンブルインデックスが1回のRACH送信機会で利用可能であると想定すると、1つのSSBのみが1回だけのRACH送信機会にマッピングされる場合、それぞれのRACH送信機会は0~N-1のプリアンブルインデックスを有する。
図6には、異なる可能なNRプリアンブルフォーマットが示されている。15kHzのサブキャリア間隔について、プリアンブルフォーマットA2、A3、B4が合意されており、プリアンブルフォーマットA0、A1、B0、B1、B2、B3、C0、C1は作業仮説である。単位はTsであり、ここで、Ts=1/30.72MHzである。PRACHプリアンブルは同じヌメロロジーによるデータに対するOFDMシンボル境界と整合される。0.5msごとのさらなる16Tsは、RACHプリアンブルが、0.5ms境界を超えて、または0.5ms境界から送信される時に、TCPに含まれるものとする。フォーマットAについて、GPは連続して送信されるRACHプリアンブルの間の最後のRACHプリアンブルの範囲内で既定可能である。30/60/120kHzのサブキャリア間隔について、プリアンブルフォーマットはサブキャリア間隔に従ってスケーリング可能である。例えば、30kHzサブキャリア間隔に対してTs=1/(2*30720)ms、60kHzサブキャリア間隔に対してTs=1/(4*30720)ms、120kHzサブキャリア間隔に対してTs=1/(8*30720)msである。フォーマットのいくつが全てのサブキャリア間隔に適用可能でない場合があることは留意されたい。
【0119】
NRは、以下の、電力ランピング、UEビーム切替、およびRACHリソース切替の選択の絞り込みまたは組み合わせの、Msg1再送信に対する手順をサポートする。送受信点(TRP)Rxビームの数、UE Txビーム、RACHリソースの数に応じて電力ランピング、UEビーム切替、およびRACHリソース切替をどのように組み合わせるか、および、単一TRP/ビームまたはマルチTRP/ビームに応じて異なる手順を考慮するかどうかについて、さらに検討する。
【0120】
SSブロックに対する1または複数の機会と、RACHリソースのサブセットおよび/またはプリアンブルインデックスのサブセットとの間の関連性は、ブロードキャストシステム情報によってUEに通知される、またはUEにまたはひいては専用のシグナリングで知られる。Msg2 DL Txビームを判断するために、gNBが、L3モビリティに対するCSI-RSと、RACHリソースのサブセットおよび/またはプリアンブルインデックスのサブセットとの間の関連性を設定可能であるかどうかが、さらに論じられる/判断される。Msg1におけるUE識別子にアドレス指定されるRA応答を含む、Msg1におけるUE識別子の使用は審議中である。
【0121】
ステップ2、RAR Msg2 PDSCH
NRにおいても、第2のRAステップは、gNBからUEにRARを送信することである。少なくとも初期アクセスについて、RARに対するPDSCHは、所定の周波数帯域に対するNR UEの最小DL BW内に制限される。
【0122】
UEは、上位層によって制御されるウィンドウの間に指示されるRA-RNTIによるPDCCHを検出することを試みる。ウィンドウは、プリアンブルシーケンス送信の最後のシンボルの後の一定数のシンボルである、UEがタイプ1のPDCCH共通探索空間に対して設定される最も早い制御リソースセットのシンボルにおいて開始する。UEは、指示されたRA-RNTIおよびウィンドウ内の対応するDL-SCHトランスポートブロックによるPDCCH、および、ウィンドウ内の対応するDL-SCHトランスポートブロックを検出する、すなわち、ULグラント、別称RARグラントの指示を受ける。
【0123】
Tx/Rx相反性が、少なくともマルチビーム動作に対してgNBで利用可能であるか否かに関係なく、gNBにおいて、メッセージ2に対するDL Txビームは、検出されるRACHプリアンブル/リソースおよび対応する関連性に基づいて得られ得る。メッセージ2におけるULグラントは、メッセージ3の送信タイミングを指示してよい。少なくとも、gNB Tx/Rxビーム相関性がない場合に、gNBは、Msg2 DL Txビームを判断するために、DL信号/チャネルと、RACHリソースのサブセットおよび/またはプリアンブルインデックスのサブセットとの間の関連性を設定可能である。DL測定および対応する関連性に基づいて、UEはRACHリソースのサブセットおよび/またはRACHプリアンブルインデックスのサブセットを選択する。プリアンブルインデックスは、プリアンブルシーケンスインデックス、および直交カバーコード(OCC)がサポートされる場合はOCCインデックスから成る。プリアンブルのサブセットはOCCインデックスによって指示可能である。
【0124】
RARについて、Xは、Msg1送信の終わりと、RARに対するCORESETの開始位置との間のタイミングギャップに対してサポート可能である。Xの値=シーリング(Δ/(シンボル持続時間))*シンボル持続時間であり、ここで、シンボル持続時間はRARヌメロロジーに基づき、Δは、必要に応じてUE Tx-Rx切り替えのための(例えば、TDDのための)十分な時間を供給するためのものである。
【0125】
UEは、所定のRARウィンドウ内のUEにおいて単一のRAR受信を想定するが、NRランダムアクセス設計は、必要性が生じる場合、所定のRARウィンドウ内の複数のRARのUE受信を除外しないものとする。1つの送信同期信号以外のTRP/ビームにおけるRACH受信/RAR送信について、さらに検討する必要がある。また、さらなる検討として、メッセージ2 PDCCH/PDSCHは、送られたUEが関連付けられるのはどのプリアンブル/RACH機会かというメッセージ2を伝えるPDCCH/PDSCH DMRSが、SSブロックと準同一位置にあることを想定してUEによって受信される。
【0126】
少なくとも、初期アクセスについて、RARは、RACH設定において設定されるCORESETにおけるNR-PDCCHによってスケジューリングされるNR-PDSCHにおいて伝達される。RACH設定において設定されるCORESETは、NR-PBCHにおいて設定されるCORESETと同じであるまたは異なっている可能性がある。単一のMsg1 RACHについて、RARウィンドウは、Msg1送信の終わりから固定持続時間後に第1の利用可能なCORESETから開始し、ここで、固定持続時間はX T_sであり、Xは全てのRACH機会に対して同じである。UEからの単一のMsg1 RACHについて、RARウィンドウのサイズは全てのRACH機会に対して同じであり、かつRMSIで設定され、RARウィンドウはgNBにおいて処理時間を供給できる。最大ウィンドウサイズは、処理遅延、スケジューリング遅延などを含むMsg1受信後のgNB遅延という最悪の場合に左右される。最小ウィンドウサイズは、Msg2またはCORESETの持続時間およびスケジューリング遅延に左右される。
【0127】
ステップ3、Msg3 PUSCH
NRにおいても、第3のメッセージ(Msg3)は、RAR Msg2への応答としてUEからgNBに送られる。Msg3は、RARにおいてアップリンクグラントによってスケジューリングされ、かつMsg2の無線による受信の終わりから最小の時間のずれの後に送信される。gNBは、Msg3の送信時間をスケジューリングしながら、最小の時間のずれを保証するという柔軟性を有する。Msg3は、上層からサブミットされ、かつUE競合解消識別子と関連付けられた、C-RNTI MAC CEまたはCCCH SDUを含有するUL-SCH上で送信される。
【0128】
RACH手順において、以下は、少なくともアイドルモードのUEに対して考慮される。Msg3送信に対するUL TxビームはUEによって判断され、UEはMsg1送信に対して使用される同じUL Txビームを使用してよく、すなわち、メッセージ3は、同じRxビームが、受信したRARが関連付けられるgNBによるPRACHプリアンブル受信に使用されたと想定して、UEによって送信される。必要に応じて、判断が、gNBからの追加のシグナリングによって支援可能であるかどうか、およびMsg3に対するUL Txビームをどのように判断するかは、さらに検討されるものとする。
【0129】
NRは、Msg3のSCSを伝えるために1ビットを含有するRMSIにおけるRACH設定をサポートする。6GHz未満で、Msg3のサブキャリア間隔は15kHzまたは30kHzのどちらかとすることができる。6GHzを超える場合、Msg3のサブキャリア間隔は60または120kHzのどちらかとすることができる。Msg3 PUSCH送信に対するサブキャリア間隔は、上位層パラメータによって提供される。UEは、同じサービングセル上でPRACHおよびMsg3 PUSCHを送信するものとする。
【0130】
ステップ4、Msg4 PDSCH
第4のメッセージ(Msg4)は、gNBからUEに送られる。少なくとも初期アクセスについて、Msg4に対するPDSCHは、所定の周波数帯に対するNR UEの最小DL BW内に制限される。
【0131】
RACHメッセージ3におけるビーム報告がない場合、メッセージ4 PDCCH/PDSCHは、メッセージ4を伝えるPDCCH/PDSCH DMRSがMsg2のものと準同一位置(QCL’ed)であると想定してUEによって受信される。RACHメッセージ3におけるビーム報告がある場合にどのようにするのか、およびRACHメッセージ3におけるビーム報告が、メッセージ4 Tx QCL想定に影響するのかどうか、また、どのように影響するかについては、さらに検討中である。Msg4 PDSCH送信に対するサブキャリア間隔は、ランダムアクセス応答を提供するPDSCHのものと同じである。
【0132】
プリアンブルの選択およびUEへのRARリソースの指示
UEが最初にネットワークに参加する初期RA、およびUEがUL同期を失っているUL同期RAを含む、RAの少なくとも2つの異なる「タイプ」がある。また、ランダムアクセスに対する他の理由があり得る。ランダムアクセスの第1のステップは、UEからgNBへのRAプリアンブルを選択および送信することを含む。ランダムアクセスプリアンブルを異なるセットに分割することが提案される。プリアンブルは例えば、競合ベースRAのセット、および無競合のセットの、2つのセットAおよびBに分割可能である。RAが無競合である場合、gNBは、RARを送信するために任意のCORSETを選んでよく、UEは、RAが競合ベースか無競合かに応じてRARに対する異なる場所での探索によって応答する。プリアンブルは、競合に無関係の2つ以上のセットに分割されてもよい。
【0133】
例として、いくつかの例示の実施形態において、本発明は、二段階の方法とみなされる可能性があり、この場合、第1のステップは、いくつかの基準、例えば、競合ベース対無競合に基づいてプリアンブルを選択後、プリアンブルに基づいてRA応答に対するリソースを選択することである。選定したプリアンブルセットに応じて、gNBは特定のリソースで、ひいてはプリアンブルに基づいて、RARを送り、UEは、例えば、リソースA対リソースBにおいてRA応答を監視する。1つの例では、UEによって選定されたのはどのRAプリアンブルか(どのRAプリアンブルセットからか)、およびどこに送信されるかに応じて、UEは特定のリソースで応答を監視する。1つの例では、選定されるのはどのRAプリアンブルかおよび送信されるのはどのUL-BWPかに応じて、UEは特定のリソースで応答を監視する。DL-BWPは、プリアンブル、ならびに上記の送信に使用される時間および周波数リソース、場合によって、使用されるUL-BWPの関数とすることができ、例えば、DL-BWP=f(UL-BWP、プリアンブル、リソース(f/t))である。プリアンブルに応じて、ネットワークは、リソースの第1のセットまたはリソースの第2のセットからRARに対するリソースを選択することになる。これらのリソースのセットは、異なるCORESET、異なる探索空間、および異なるBWPに対応してよい。
【0134】
UEが選定するのはどのプリアンブル/プリアンブルセットかに応じて、gNBは特定のリソースにおいてランダムアクセス応答(RAR)で応答する。UEはさらにまた、上記の特定のリソースでRARを監視する。特定のリソースは、どの監視する探索空間で、応答が送信されるのはどのBW部分またはCORESETかとすることができる。それぞれのBW部分はRAに対する共通探索空間を含有することが合意されている。BW部分はUE固有のCORESETを有しなければならないが、共通CORESETを有することも可能である。
【0135】
プリアンブルを競合ベースおよび無競合で使用されるものに分割する場合、これは、競合ベースアクセスを行うUEに対して、ネットワークはどのUEからランダムアクセス応答が生じるのかを知らないが、無競合アクセスの場合、ネットワークは、どのUEがアクセスを行っているかを知っており、かつUEの現在アクティブなBWPでRA応答を送信することができる、という事実に基づく。無競合の場合、gNBはUEが構成される任意のCORESETを選ぶことができる。無競合RAについて、UEは特定のプリアンブルを使用し、かつgNBは特定のBW部分/CORESET上でRARを送る。例えば、gNBは、
- プリアンブルがセットAからのものである場合CRBリソース1
- プリアンブルがセットBからのものである場合CRBリソース2
上でRARを送ってよい。この場合、キャリアリソースブロック(CRB)リソースi(i≧1、2)は上位層によって設定される。AおよびBは競合に基づいて異なるセットである可能性があるが、リソースはまた、他のプリアンブルセット/グループに基づくことが可能である。
【0136】
例示の動作
提案された方法について、もう一度
図7および
図8を参照してここでより詳細に説明する。
図7および
図8において、破線で示された動作およびモジュールがオプションであることは理解されるべきである。また、動作が順番に行われる必要がないことは理解されるべきである。さらに、動作全てが行われる必要がないことは理解されるべきである。
【0137】
図7は、ネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するための、無線通信システムにおける無線デバイスにおいて行われる方法を示す。方法は、選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することS11であって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信することと、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信することS13と、を含む。よって、プリアンブルは、ネットワークノードがプリアンブルを受信することに応答してRARに対して使用することになる、特定のDLリソースと称されるいくつかのDLリソースにリンクされる。
【0138】
いくつかの態様によると、方法は、ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、選択することをさらに含んでよい。無線デバイスは、ランダムアクセスに対して利用可能なプリアンブルからどのプリアンブルを使用するかを選択してよい。このステップは、どのプリアンブルを使用するかを無線デバイスが知らされる場合でも、後続のステップの方法は影響を受けないため、オプションである。
【0139】
いくつかの態様によると、方法は、選択されたプリアンブルに基づいて、RA Msg2の受信のための特定のDLリソースを監視することをさらに含んでよい。このステップはまた、受信するステップにおいて固有であると見られ得るためオプションとみなされる。
【0140】
無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するための、ネットワークノードにおいて行われる対応する方法について、
図8を参照してここで説明する。
図8は、無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するための、無線通信システムにおけるネットワークノードにおいて使用するための方法を示す。方法は、無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信すること(S1)であって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信することと、特定のDLリソース上で無線デバイスにRAR Msg2を送信すること(S3)と、を含む。よって、ネットワークノードは、どのプリアンブルが受信されているかに基づいて、RARに使用するのはどのリソースかを知ることになる。
【0141】
1つの態様では、方法は、受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RAR Msg2を無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを得ることをさらに含んでよい。得ることは、ネットワークノードにおいてあらかじめ規定されるまたはあらかじめ設定される情報を有する表を調べるといった、関連した情報におけるリソース指示がなされることによるものであってよい。このステップは、明示的に行われない場合があるため、オプションである。
【0142】
図17は、一実施形態による、無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択のための方法の一例を示す概略フローチャートである。基本的に、方法は、無線デバイスによって使用されるランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)に基づいて、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを判断するステップS21を含む。より具体的には、ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択される。
【0143】
本明細書で説明される方法および配置が、さまざまなやり方で、実施、組み合わせ、および再配置可能であることは、理解されるであろう。
【0144】
例えば、実施形態は、ハードウェアにおいて、適した処理回路による実行のためのソフトウェアにおいて、またはこれらの組み合わせにおいて実施可能である。
【0145】
本明細書に説明されるステップ、機能、手順、モジュール、および/またはブロックは、汎用電子回路および特定用途向け回路両方を含む、ディスクリート回路または集積回路技術などの任意の従来の技術を使用するハードウェアにおいて実装されてよい。
【0146】
代替的には、または補足として、本明細書に説明されるステップ、機能、手順、モジュール、および/またはブロックの少なくともいくつかは、1つまたは複数のプロセッサまたは処理ユニットなどの適した処理回路による実行のためのコンピュータプログラムなどのソフトウェアで実装されてよい。
【0147】
処理回路の例には、1つもしくは複数のマイクロプロセッサ、1つもしくは複数のデジタル信号プロセッサ(DSP)、1つもしくは複数の中央処理装置(CPU)、ビデオアクセラレーションハードウェア、および/または1つもしくは複数のフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)または1つもしくは複数のプログラマブル論理制御装置(PLC)などの任意の適したプログラマブル論理回路が挙げられるが、これらに限定されない。
【0148】
また、提案される技術が実装される任意の従来のデバイスまたはユニットの汎用処理能力を再利用可能にしてよいことは理解されるべきである。さらには、既存のソフトウェアの再プログラミングによって、または新しいソフトウェアコンポーネントの追加によって既存のソフトウェアを再利用可能としてよい。
【0149】
本発明の一態様によると、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつネットワークノードからランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するように設定される無線デバイスが提供される。無線デバイスは、
- ネットワークノードと通信するように設定される通信インターフェースと、
- 選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することであって、選択されたプリアンブルはネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、
特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信すること、を
無線デバイスに行わせるように設定される処理回路と、を備える。
【0150】
特定の例では、処理回路は、ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、選択することを無線デバイスに行わせるようにさらに設定される。
【0151】
例として、処理回路は、無線デバイスに、選択されたプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための特定のDLリソースを監視させるようにさらに設定されてよい。
【0152】
別の態様によると、無線通信システムにおいて動作するように設定され、かつ無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するように設定されるネットワークノードが提供される。ネットワークノードは、
- 無線デバイスと通信するように設定される通信インターフェースと、
- 無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、
特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信すること、
をネットワークノードに行わせるように設定される処理回路と、を備える。
【0153】
例として、処理回路は、受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RAR Msg2)を無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを得ることをネットワークノードに行わせるようにさらに設定されてよい。
【0154】
特定の例では、ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、処理回路は、ネットワークノードに、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択させるようにさらに設定される。
【0155】
さらに別の態様によると、ネットワークノードへの送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、選択されたランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、選択すること、
選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信すること、
選択されたプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための特定のDLリソースを監視すること、および、
特定のDLリソース上でネットワークノードからRARメッセージ(RA Msg2)を受信すること、を行うように設定される無線デバイスが提供される。
【0156】
さらに別の態様によると、無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を通信するために使用される特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、
受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)を無線デバイスに送信するために使用するための特定のDLリソースを得ること、および、
特定のDLリソース上で無線デバイスにRARメッセージ(RA Msg2)を送信すること、を行うように設定されるネットワークノードが提供される。
【0157】
無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択を行うように設定されるシステムであって、
該システムは、無線デバイスによって使用されるランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)に基づいて、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを判断するように設定され、
ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択される、システムも提供される。
【0158】
例示のノード設定
ここで、ネットワークノード20からランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するように設定される無線デバイスの例示の実施形態のいくつかのモジュールを示す概略ブロック図である
図9に移る。無線デバイスは、
図7との関連で説明される方法の態様全てを実施するように設定される。
【0159】
無線デバイス10は、ネットワークノードと通信するように設定される無線通信インターフェース(i/f)11を備える。無線通信インターフェース11は、1つまたはいくつかの無線アクセス技術によって通信するように適応されてよい。いくつかの技術がサポートされる場合、ノードは典型的には、いくつかの通信インターフェース、例えば、LTEまたはNRを含む、1つのWLANまたはBluetooth通信インターフェースおよび1つのセルラー通信インターフェースを含む。
【0160】
無線デバイス10は、コントローラ(CTL)、または、コンピュータプログラムコードを実行することが可能な、任意の適した中央処理装置(CPU)、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ(DSP)などによって構成されてよい処理回路12を備える。コンピュータプログラムは、メモリ(MEM)13に記憶されてよい。メモリ13は、読み出しおよび書き込みメモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)の任意の組み合わせとすることができる。メモリ13は、例えば、磁気メモリ、光メモリ、またはソリッドステートメモリもしくはさらには遠隔装着メモリの任意の1つまたは組み合わせとすることができる永続記憶装置も含んでよい。
【0161】
いくつかの態様によると、本開示は、実行される時、無線デバイスに上記および以下に説明される方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムに関する。いくつかの態様によると、本開示は、上記のコンピュータプログラムを保持する、コンピュータプログラム製品またはコンピュータ可読媒体に関する。処理回路は、コンピュータプログラムを記憶するメモリ13、およびプロセッサ14両方をさらに備えてよく、プロセッサは、コンピュータプログラムの方法を実行するように構成される。
【0162】
1つの実施形態は、ネットワークノード20からランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を受信するように設定される無線通信システム100において動作するように設定される無線デバイス10を含む。無線デバイス10は、ネットワークノードと通信するように設定される通信インターフェース11と、選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノード20に送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノード20からRARメッセージ(RA Msg2)を受信すること、を無線デバイス10に行わせるように設定される処理回路12と、備える。
【0163】
1つの態様では、処理回路12は、ネットワークノード20への送信に使用するためのランダムアクセスプリアンブルを選択することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、選択することを行うようにさらに設定される。さらなる態様では、処理回路12は、選択されたプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)の受信のための特定のDLリソースを監視するようにさらに設定される。
【0164】
図10は、上で論じられる例示の実施形態のいくつかを組み込むネットワークノード20の例を示す。
図10は、無線通信システム100において動作するように設定され、かつ無線デバイス10にランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するように設定されるネットワークノード20であって、無線デバイスと通信するように設定される通信インターフェース21と、無線デバイス10からランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイス10にRARメッセージ(RA Msg2)を送信すること、をネットワークノード20に行わせるように設定される処理回路22と、を備える、ネットワークノード20を開示している。
【0165】
1つの態様では、処理回路22は、受信したランダムアクセスプリアンブルに基づいて、RARメッセージ(RA Msg2)を無線デバイス10に送信するために使用するための特定のDLリソースを得るようにさらに設定される。
【0166】
図10に示されるように、ネットワークノード20は、無線デバイスとの通信を含む、ネットワーク内の通信または制御信号の任意の形態を受信および送信するように設定される無線通信インターフェースまたは無線回路21を備える。通信インターフェース(無線回路)21が、いくつかの態様によると、任意の数の、送受信、受信、および/もしくは送信ユニットまたは回路として構成されることは、理解されるべきである。無線回路21が、例えば、当技術分野で知られている任意の入力/出力通信ポートの形態であり得ることは、さらに理解されるべきである。無線回路21は、例えば、RF回路およびベースバンド処理回路(図示せず)を含む。
【0167】
いくつかの態様によるネットワークノード20は、無線回路21と通信する少なくとも1つのメモリユニットまたは回路23をさらに備える。メモリ23は、例えば、受信もしくは送信されたデータおよび/または実行可能プログラム命令を記憶するように設定可能である。メモリ23は、例えば、任意の形態のコンテキストデータを記憶するように設定される。メモリ23は、例えば、任意の適したタイプのコンピュータ可読メモリとすることができ、例えば、揮発性タイプおよび/または不揮発性タイプとすることができる。ネットワークノード20は、無線デバイス(10)からランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイス(10)にRAR Msg2を送信すること、をネットワークノード20に行わせるように設定される処理回路22をさらに備える。
【0168】
処理回路22は、例えば、任意の適したタイプの計算ユニット、例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、もしくは特定用途向け集積回路(ASIC)、または、任意の他の形態の回路である。処理回路が、単一ユニットとして提供される必要はなく、いくつかの態様によると、任意の数のユニットまたは回路として提供されることは理解されるべきである。よって、処理回路は、コンピュータプログラムを記憶するためのメモリ23、およびプロセッサ24両方を備えてよく、プロセッサはコンピュータプログラムの方法を実行するように設定される。
【0169】
コントローラ(CTL)または処理回路22は、いくつかの態様によると、コンピュータプログラムコードを実行することが可能である。コンピュータプログラムは、例えば、メモリ(MEM)23に記憶される。メモリ23は、読み出しおよび書き込みメモリ(RAM)および読み出し専用メモリ(ROM)の任意の組み合わせとすることができる。メモリ23は、ある状況において、例えば、磁気メモリ、光メモリ、またはソリッドステートメモリもしくはさらには遠隔装着メモリの任意の1つまたは組み合わせとすることができる永続記憶装置も含む。処理回路が、単一ユニットとして提供される必要はなく、いくつかの態様によると、任意の数のユニットまたは回路として提供されることは理解されるべきである。
【0170】
いくつかの態様によると、本開示は、実行される時、ネットワークノードに上記および以下に説明される方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムに関する。
【0171】
適したコンピュータ実装形態の例を示す
図18も参照することが可能である。
【0172】
この特定の例では、本明細書に説明されるステップ、機能、手順、モジュール、および/またはブロックの少なくともいくつかは、1つまたは複数のプロセッサ110を含む処理回路による実行のためにメモリ120にロードされるコンピュータプログラム125;135において実装される。プロセッサ110およびメモリ120は、通常のソフトウェア実行を可能にするために互いに相互接続される。オプションの入力/出力デバイス140はまた、入力パラメータおよび/または結果として生じる出力パラメータなどの関連データの入力および/または出力を可能にするためにプロセッサ110および/またはメモリ120に相互接続されてよい。
【0173】
「プロセッサ」という用語は、一般的な意味で、特定の処理、判断、または計算タスクを行うようにプログラムコードまたはコンピュータプログラム命令を実行することが可能な任意のシステムまたはデバイスと解釈されるべきである。
【0174】
よって、1つまたは複数のプロセッサ110を含む処理回路は、コンピュータプログラム125を実行する時、本明細書に説明されるような明確に定義された処理タスクを行うように設定される。
【0175】
処理回路は、上述したステップ、機能、手順、および/またはブロックを実行することだけを専用とする必要はなく、他のタスクを実行してもよい。
【0176】
提案された技術はまた、無線通信システムにおけるランダムアクセスメッセージに対するリソース選択を行うように設定されるシステムに関する。該システムは、無線デバイスによって使用されるランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)に基づいて、ネットワークノードから無線デバイスにランダムアクセス応答(RAR)メッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースを判断するように設定される。より具体的には、ランダムアクセスプリアンブルはプリアンブルのいくつかの異なるセットまたはグループのうちの1つに属し、RARメッセージ(RA Msg2)を送信するために使用するための特定のDLリソースは、ランダムアクセスプリアンブルがどのプリアンブルセットに属するかに応じて選択される。
【0177】
例として、ランダムアクセスメッセージに対するリソース選択のためのシステムはまた、上述されるように、プロセッサ/メモリベースの実装形態で実装されてよい。
【0178】
代替的には、または補足として、本明細書に説明されるステップ、機能、手順、モジュール、および/またはブロックは、汎用電子回路および特定用途向け回路両方を含む、ディスクリート回路または集積回路技術などの任意の従来の技術を使用するハードウェアにおいて実装されてよいことは理解されるべきである。
【0179】
以下では、さまざまなオプションの実施形態の例について説明する。
【0180】
ランダムアクセスリソース
NRにおいて、ランダムアクセス手順は、アイドル/非アクティブ状態のUE、および接続状態のUEによって開始可能である。前者の場合、ランダムアクセスは典型的には、接続セットアップを要求することを目的として開始される。後者の場合、ランダムアクセスは、例えば、アップリンクデータ送信に対するリソースを要求することを目的として開始されてよい。
【0181】
アイドル/非アクティブ状態のUEについて、ランダムアクセス関連の送信と帯域幅部分(BWP)との間の関係は、比較的単純である。
- ランダムアクセス関連ダウンリンク送信(ランダムアクセスメッセージ2およびメッセージ4)は、初期ダウンリンクBWP、すなわち、システム情報によってアイドル状態の全てのデバイスにアサインされるダウンリンク帯域幅部分内で送信されると想定可能である。
- アップリンクランダムアクセスメッセージ3、およびメッセージ4に関連している可能なHARQフィードバックは、対応する初期アップリンクBWP内で送信されると想定可能である。
- ランダムアクセスプリアンブルは、初期アップリンクBWPの周波数範囲内に完全に制限される周波数範囲内で送信されると想定可能である(プリアンブルは、BWPがヌメロロジー固有であり、かつプリアンブルが恐らく異なるヌメロロジーを有し得るため、初期アップリンクBWP内で送信されると実際には言えない可能性がある)。
【0182】
接続状態では、ランダムアクセス関連の送信と帯域幅部分との間の関係は、UEが、ランダムアクセス関連の送信が行われる周波数領域リソースをカバーしないアクティブなBWP(ダウンリンクおよび/またはアップリンク)を有する場合があるため、より複雑である。よって、ランダムアクセス関連の送信/受信と潜在的な他のUEの送信/受信との間に潜在的な衝突があり、ネットワークが想定する送信/受信はアクティブなダウンリンク/アップリンクBWP内で行われることになる。
【0183】
アップリンクについて、これは、比較的容易にハンドリング可能である。UEが、このアクティブなアップリンクBWP内に制限されないアップリンク周波数リソース上でランダムアクセスを開始しており、かつある理由で、UEが、ランダムアクセス手順が終了される前に(例えば、ダウンリンク送信に対するハイブリッドARQフィードバックを提供するために)このアクティブなアップリンクBWP内で送信する必要がある場合、UEは、たいていの場合、送信のためにこの元のアクティブなアップリンクBWPに戻すように切り替えることができる。
【0184】
ダウンリンクについて、状況はより複雑である。3つの可能なシナリオがある。
- ランダムアクセス関連のダウンリンク送信はUEのアクティブなダウンリンクBWP内で行われる。
- ランダムアクセス関連のダウンリンク送信は、UEのアクティブなダウンリンクBWPと異なるダウンリンクBWP内で行われるが、UEのアクティブなダウンリンクBWPがこの「ランダムアクセス」ダウンリンクBWP内に完全に制限されるように行われる。典型的な事例は、アクティブなダウンリンクBWPが(「帯域幅適応」によってUEのエネルギー消費を低減するために)比較的狭い帯域であり、かつランダムアクセス関連の送信がより狭帯域のBWPを完全にカバーするより広帯域のBWP内にある時である。
- ランダムアクセス関連のダウンリンク送信は、UEが、アクティブなダウンリンクBWPおよび「ランダムアクセス」ダウンリンクBWP上で同時に受信できないように、UEのアクティブなダウンリンクBWPと異なるダウンリンクBWP内で行われる。
【0185】
最初の2つのシナリオでは、UEは、「ランダムアクセス」ダウンリンクBWP上のランダムアクセス関連のダウンリンク送信を監視しながらこのアクティブなダウンリンクBWP上で受信することができる。しかしながら、第3のシナリオでは、これは不可能である。よって、ランダムアクセス手順中に、接続モードのUEは、ネットワークが、ランダムアクセス試行に気付かないことで、UEが依然アクティブなダウンリンクBWP上で受信できると想定するため、ネットワークによって到達できない。
【0186】
第1のオプションの実施形態によると、それぞれの設定されたダウンリンクBWPは、下記についての情報を提供するランダムアクセス設定と関連付けられる。
- 設定されたBWPがアクティブである時にランダムアクセスが開始される場合、ランダムアクセス関連のダウンリンク送信にはどのダウンリンクBWPが使用されるのか(メッセージ2およびメッセージ4)。この「ランダムアクセス」ダウンリンクBWPは、共通の探索空間を含むものとする。
典型的な事例として下記があり得る。
・RA設定におけるダウンリンク帯域幅部分(「ランダムアクセス」ダウンリンクBWP)は、設定されたダウンリンクBWPそのものである
・RA設定におけるダウンリンク帯域幅は設定されたダウンリンクBWPの上位集合である
・RA設定におけるダウンリンク帯域幅部分はUEに設定されたデフォルトのダウンリンクBWPである
- メッセージ3、およびメッセージ4に関連している潜在的なハイブリッドARQフィードバックにはどのアップリンクBWPが使用されるか
- プリアンブル設定(時間/周波数リソースおよびプリアンブルフォーマット)。プリアンブルがメッセージ3に対するアップリンクBWPの周波数範囲内に完全に制限される(上記の2番目の黒丸)ものとすると想定することは合理的であると思われる
【0187】
受信したプリアンブルに基づいて、ランダムアクセス関連のダウンリンク送信を送信するためのダウンリンクBWPはどれかについて確実に判断することができるようにすることは、ネットワーク次第である。
【0188】
ランダムアクセスリソースおよびBWPタイマー
合意に従って以下の特性を有するBWP関連のタイマーを設定する可能性がある。
- UEは、新しいアクティブなダウンリンクBWPに切り替える時タイマーを開始する
- UEは、アクティブなダウンリンクBWP上でスケジューリングされる時タイマーを再始動する
- タイマーが時間切れになる時、UEはデフォルトのダウンリンクBWPをアクティブ化する
【0189】
しかしながら、このBWPタイマーが接続状態ランダムアクセスとどのように相互作用するものになるのかは明らかではない。いくつかの代替策が想像できる。
- タイマーはランダムアクセス手順中に実行し続け、タイマーが時間切れになる場合、UEは、デフォルトのダウンリンクBWPに切り替えるため、いずれの依然受信されていないダウンリンクランダムアクセス関連の送信も失敗する
- タイマーはランダムアクセス手順中に実行し続け、タイマーが時間切れになる場合、UEは、ランダムアクセス手順が終了するとデフォルトのダウンリンクBWPに切り替える
- タイマーはランダムアクセス手順中に停止し、かつランダムアクセス手順が終了すると再始動される
- タイマーはランダムアクセス手順中に停止し、かつランダムアクセス手順が終了するとリセットされる
【0190】
接続状態のUEは、リソースを要求するためにまたは同期を再確立するためにランダムアクセスを開始していてよい。これは、UEがランダムアクセスを終了する前にデフォルトのBWPに切り替えることによって解決されない。よって、任意の帯域幅の切り替えがタイマーの時間切れによってトリガされる前にUEがランダムアクセスを終了しようとするものとすることは適切であるように思われる。
【0191】
成功した接続状態のランダムアクセスは、ある種のUEスケジューリングと見られるべきであり、ひいてはタイマーは時間切れであるが、ランダムアクセスは成功しており、UEは、デフォルトのBWPに切り替えないものとするが、この以前のアクティブなダウンリンクBWPに戻ることも、合意され得る。
【0192】
第2のオプションの実施形態によると、BWPタイマーはランダムアクセス手順中に実行し続ける。タイマーがランダムアクセス手順中に時間切れになる場合、ランダムアクセス手順は、以下を終了するまで継続する。
- タイマーが時間切れであり、かつランダムアクセスが成功して終了される場合、デバイスはタイマーがリセットされるとともに以前の(ランダムアクセス手順を開始する前の)BWPに戻る。
- タイマーが時間切れであり、かつランダムアクセスが成功せずに終了される場合、デバイスはデフォルトのBWPに切り替える。
【0193】
図11を参照すると、一実施形態によると、通信システムは、無線アクセスネットワークおよびコアネットワーク3214などのアクセスネットワーク3211を含む、3GPPタイプのセルラーネットワークなどの電気通信ネットワーク3210を含む。アクセスネットワーク3211は、それぞれが対応するカバレッジエリア3213a、3213b、3213cを規定する、NB、eNB、gNB、または他のタイプの無線アクセスポイントなどの複数の基地局3212a、3212b、3212cを含む。それぞれの基地局3212a、3212b、3212cは、有線または無線接続3215によってコアネットワーク3214に接続可能である。カバレッジエリア3213cに位置する第1のユーザ機器(UE)3291は、対応する基地局3212cに無線で接続するように、またはこれによってページングされるように設定される。カバレッジエリア3213aにおける第2のUE3292は、対応する基地局3212aに無線で接続可能である。複数のUE3291、3292がこの例で示されているが、開示された実施形態は、単独のUEがカバレッジエリアにある状況、または、単独のUEが対応する基地局3212に接続している状況に等しく適用可能である。
【0194】
電気通信ネットワーク3210はこれ自体、スタンドアローンサーバ、クラウド実装サーバ、分散サーバのハードウェアおよび/もしくはソフトウェアにおいて、またはサーバファームにおける処理リソースとして具現化されてよい、ホストコンピュータ3230に接続される。ホストコンピュータ3230は、サービスプロバイダの所有または制御の下にあってよい、または、サービスプロバイダによって、またはサービスプロバイダの代わりに動作させてよい。電気通信ネットワーク3210とホストコンピュータ3230との間の接続3221、3222は、コアネットワーク3214からホストコンピュータ3230に直接拡張されてよい、またはオプションの中間ネットワーク3220を介してよい。中間ネットワーク3220は、パブリック、プライベート、またはホストされたネットワークの、1つ、または複数の組み合わせであってよく、もしあれば、中間ネットワーク3220は、バックボーンネットワークまたはインターネットであってよく、とりわけ、中間ネットワーク3220は2つ以上のサブネットワーク(図示せず)を含んでよい。
【0195】
図11の通信システムは、全体として、接続されたUE3291、3292のうちの1つとホストコンピュータ3230との間の接続性を可能にする。接続性は、オーバーザトップ(「OTT」)接続3250として説明されてよい。ホストコンピュータ3230および接続されたUE3291、3292は、アクセスネットワーク3211、コアネットワーク3214、任意の中間ネットワーク3220、および仲介物として可能なさらなるインフラ(図示せず)を使用して、OTT接続3250を介してデータおよび/またはシグナリングを通信するように設定される。OTT接続3250は、OTT接続3250が通過する関与する通信デバイスがアップリンクおよびダウンリンク通信のルーティングに気付かないという意味において、透過であり得る。例えば、基地局3212は、ホストコンピュータ3230から発して、接続されたUE3291に転送される(例えば、ハンドオーバーされる)データを伴う着信ダウンリンク通信の過去のルーティングについて通知されなくてよい、または通知される必要がなくてよい。同様に、基地局3212は、UE3291からホストコンピュータ3230に向けて発する発信アップリンク通信の将来のルーティングを知っておく必要はない。
【0196】
前述の段落で論じられた、UE、基地局、およびホストコンピュータの、一実施形態による例示の実装形態について、ここで、
図12を参照して説明する。通信システム3300では、ホストコンピュータ3310は、通信システム3300の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップしかつ維持するように設定される通信インターフェース3316を含むハードウェア3315を備える。ホストコンピュータ3310はさらに、記憶および/または処理能力を有してよい処理回路3318を備える。とりわけ、処理回路3318は、命令を実行するように適応される、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(図示せず)を備えてよい。ホストコンピュータ3310はさらに、ホストコンピュータ3310に記憶されるまたはこれによってアクセス可能であり、かつ処理回路3318によって実行可能であるソフトウェア3311をさらに備える。ソフトウェア3311はホストアプリケーション3312を含む。ホストアプリケーション3312は、UE3330およびホストコンピュータ3310で終端するOTT接続3350を介して接続するUE3330などのリモートユーザにサービスを提供するように動作可能であってよい。サービスをリモートユーザに提供する際に、ホストアプリケーション3312はOTT接続3350を使用して送信されるユーザデータを提供してよい。
【0197】
通信システム3300は、電気通信システムにおいて提供され、かつホストコンピュータ3310およびUE3330と通信することを可能にするハードウェア3325を備える基地局3320をさらに含む。ハードウェア3325は、通信システム3300の異なる通信デバイスのインターフェースとの有線または無線接続をセットアップしかつ維持するための通信インターフェース3326、および基地局3320によってサーブされる(
図12に示されない)カバレッジエリアに位置するUE3330との少なくとも無線接続3370をセットアップしかつ維持するための無線インターフェース3327を含んでよい。通信インターフェース3326は、ホストコンピュータ3310への接続3360を容易にするように設定され得る。接続3360は、直接であってよく、または電気通信システムのコアネットワーク(
図12に図示せず)、および/または通信システム外の1つもしくは複数の中間ネットワークを通過してよい。示される実施形態において、基地局3320のハードウェア3325は、処理回路3328をさらに含み、処理回路3328は、命令を実行するように適応される、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(図示せず)を含んでよい。基地局3320は、内部に記憶された、または外部接続によってアクセス可能なソフトウェア3321をさらに有する。
【0198】
通信システム3300は、既に言及されているUE3330をさらに含む。このハードウェア3335は、UE3330が現在位置するカバレッジエリアをサーブする基地局との無線接続3370をセットアップしかつ維持するように設定される無線インターフェース3337を含んでよい。UE3330のハードウェア3335は、処理回路3338をさらに含み、処理回路3338は、命令を実行するように適応される、1つまたは複数のプログラマブルプロセッサ、特定用途向け集積回路、フィールドプログラマブルゲートアレイ、またはこれらの組み合わせ(図示せず)を含んでよい。UE3330は、UE3330に記憶されるまたはこれによってアクセス可能であり、かつ処理回路3338によって実行可能なソフトウェア3331をさらに備える。ソフトウェア3331はクライアントアプリケーション3332を含む。クライアントアプリケーション3332は、ホストコンピュータ3310のサポートでUE3330を介して人間のユーザ、または人間ではないユーザにサービスを提供するように動作可能であってよい。ホストコンピュータ3310において、実行中のホストアプリケーション3312は、UE3330およびホストコンピュータ3310において終端するOTT接続3350を介して実行中のクライアントアプリケーション3332と通信してよい。サービスをユーザに提供する際に、クライアントアプリケーション3332は、ホストアプリケーション3312から要求データを受信し、かつ要求データに応答してユーザデータを提供してよい。OTT接続3350は、要求データおよびユーザデータの両方を移送してよい。クライアントアプリケーション3332は、ユーザと対話して提供するユーザデータを生成してよい。
【0199】
図12に示されるホストコンピュータ3310、基地局3320、およびUE3330が、
図11の、ホストコンピュータ3230、基地局3212a、3212b、3212cのうちの1つ、およびUE3291、3292のうちの1つとそれぞれ同一であってよいことは留意されたい。すなわち、これらのエンティティの内部機能は、
図12に示される通りであってよく、独立して、周囲のネットワークトポロジーは、
図11のものであってもよい。
【0200】
図12において、OTT接続3350は、任意の仲介デバイスへの明示的な参照およびこれらのデバイスを介したメッセージの正確なルーティングなしで、基地局3320を介したホストコンピュータ3310とユーザ機器3330との間の通信を示すように抽象的に描かれている。ネットワークインフラは、ルーティングを判断してよく、ルーティングは、UE3330から、またはホストコンピュータ3310を動作させるサービスプロバイダから、またはこの両方から隠すように設定され得る。OTT接続3350がアクティブである間、ネットワークインフラは、(例えば、ロードバランシングの考慮、またはネットワークの再設定に基づいて)ルーティングを動的に変更する決断をさらに行ってよい。
【0201】
UE3330と基地局3320との間の無線接続3370は、本開示全体を通して説明される実施形態の教示に従うものである。さまざまな実施形態の1つまたは複数によって、無線接続3370が最終セグメントを形成するOTT接続3350を使用してUE3330に提供されるOTTサービスの性能が改善される。より正確には、これらの実施形態の教示は、接続のためのメッセージの受信を改善することができ、それによって、より良いシステムロバスト性、より良い応答性、接続セットアップのより短い待機時間などの利益を提供することができる。
【0202】
測定手順は、1つまたは複数の実施形態が改善させるデータ速度、レイテンシ、および他の因子を監視する目的で提供されてよい。測定結果の変化に応答して、ホストコンピュータ3310とUE3330との間のOTT接続3350を再設定するためのオプションのネットワーク機能性がさらにあってよい。測定手順および/またはOTT接続3350を再設定するためのネットワーク機能性は、ホストコンピュータ3310のソフトウェア3311、UE3330のソフトウェア3331、またはこの両方において実装されてよい。実施形態において、センサ(図示せず)は、OTT接続3350が通る通信デバイスにまたはこれと関連して配備されてよく、センサは、上に例示される監視量の値を供給することによって、または、ソフトウェア3311、3331が監視量を計算するまたは概算することができる他の物理量の値を供給することによって、測定手順に関与することができる。OTT接続3350の再設定は、メッセージフォーマット、再送信設定、好ましいルーティングなどを含むことができ、再設定は、基地局3320に影響を与える必要はなく、再設定は基地局3320に知られていなくても感知できなくてもよい。このような手順および機能性は、当技術分野において知られておりかつ実践されてよい。ある特定の実施形態において、測定は、スループット、伝搬時間、およびレイテンシなどのホストコンピュータ3310の測定を容易にする専有のUEシグナリングを伴ってよい。測定は、ソフトウェア3311、3331が、伝搬時間、エラーなどを監視しながら、OTT接続3350を使用して、とりわけ空のまたは「ダミー」メッセージで、メッセージを送信させるように実施されてよい。
【0203】
図13は、1つの実施形態による通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図11および
図12を参照して説明されるものであってよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡略化のために、この節では
図13の図面への言及のみが含まれる。方法の第1のステップ3410において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。第1のステップ3410のオプションのサブステップ3411において、ホストコンピュータはホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第2のステップ3420において、ホストコンピュータはユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。オプションの第3のステップ3430において、基地局はUEに、本開示全体を通して説明される実施形態の教示に従って、ホストコンピュータが開始した送信において伝達されたユーザデータを送信する。オプションの第4のステップ3440において、UEは、ホストコンピュータによって実行されるホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行する。
【0204】
図14は、1つの実施形態による通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図11および
図12を参照して説明されるものであってよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡略化のために、この節では
図14の図面への言及のみが含まれる。方法の第1のステップ3510において、ホストコンピュータはユーザデータを提供する。(示されない)オプションのサブステップにおいて、ホストコンピュータはホストアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第2のステップ3520において、ホストコンピュータはユーザデータをUEに伝達する送信を開始する。送信は、本開示全体を通して説明される実施形態の教示に従って、基地局を介して通過するものであってよい。オプションの第3のステップ3530において、UEは送信において伝達されるユーザデータを受信する。
【0205】
図15は、1つの実施形態による通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図11および
図12を参照して説明されるものであってよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡略化のために、この節では
図15の図面への言及のみが含まれる。方法のオプションの第1のステップ3610において、UEはホストコンピュータによって提供される入力データを受信する。さらにまたは代替的には、オプションの第2のステップ3620において、UEはユーザデータを提供する。第2のステップ3620のオプションのサブステップ3621において、UEは、クライアントアプリケーションを実行することによってユーザデータを提供する。第1のステップ3610のさらなるオプションのサブステップ3611において、UEは、ホストコンピュータによって提供される受信した入力データを受けてユーザデータを提供するクライアントアプリケーションを実行する。ユーザデータを提供する際に、実行したクライアントアプリケーションは、ユーザから受信したユーザ入力をさらに考慮してよい。ユーザデータが提供された特定のやり方に関係なく、UEは、オプションの第3のサブステップ3630において、ホストコンピュータへのユーザデータの送信を開始する。方法の第4のステップ3640において、ホストコンピュータは、本開示全体を通して説明される実施形態の教示に従って、UEから送信されたユーザデータを受信する。
【0206】
図16は、1つの実施形態による通信システムにおいて実施される方法を示すフローチャートである。通信システムは、
図11および
図12を参照して説明されるものであってよい、ホストコンピュータ、基地局、およびUEを含む。本開示の簡略化のために、この節では
図16の図面への言及のみが含まれる。方法のオプションの第1のステップ3710では、本開示全体を通して説明される実施形態の教示に従って、基地局はUEからユーザデータを受信する。オプションの第2のステップ3720において、基地局は、ホストコンピュータへの受信したユーザデータの送信を開始する。第3のステップ3730において、ホストコンピュータは基地局によって開始される送信において伝達されるユーザデータを受信する。
【0207】
いくつかの態様によると、処理回路12または無線デバイス10は、上述される方法を実行するように設定されるユニットを含む。ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実装される。モジュールは、1つの態様によると、処理回路12上で実行するメモリ13に記憶されるコンピュータプログラムとして実装される。
【0208】
いくつかの態様によると、処理回路22またはネットワークノードは、上述される方法を実行するように設定されるユニットを含む。ユニットは、ハードウェア、ソフトウェア、またはこれらの組み合わせで実装される。モジュールは、1つの態様によると、処理回路22上で実行するメモリ23に記憶されるコンピュータプログラムとして実装される。
【0209】
よって、本開示の内容によって、UEにおけるgNBからのRARの信頼できる低レイテンシの受信が可能になるが、これは、UEがgNBに送信したプリアンブルに応じて、どのリソースにおいてRARが生じることになるのかをUEが知っているからである。
【0210】
本開示の態様は、図面、例えば、ブロック図および/またはフローチャートを参照して説明される。図面におけるいくつかのエンティティ、例えば、ブロック図のブロック、また、図面におけるエンティティの組み合わせが、コンピュータプログラム命令によって実施可能であり、この命令がコンピュータ可読メモリに記憶可能であり、また、コンピュータまたは他のプログラマブルデータ処理装置にロード可能であることは、理解されたい。このようなコンピュータプログラム命令を、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、および/または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサに提供して、マシンを製造することで、コンピュータおよび/または他のプログラマブルデータ処理装置のプロセッサによって実行する命令が、ブロック図および/またはフローチャートの1つまたは複数のブロックにおいて指定される機能/作用を実装するための手段を作り出すようにすることができる。
【0211】
本明細書に提示されるフロー図(単数または複数)は、1つまたは複数のプロセッサによって実行される時、コンピュータフロー図(単数または複数)とみなされてよい。対応する装置は、機能モジュール群として規定されてよく、ここで、プロセッサによって行われるそれぞれのステップは機能モジュールに対応する。この場合、機能モジュールはプロセッサ上で実行するコンピュータプログラムとして実装される。
【0212】
メモリに常駐するコンピュータプログラムは、よって、プロセッサによって実行される時、本明細書に説明されるステップおよび/またはタスクの少なくとも一部を行うように設定される適切な機能モジュールとして組織化されてよい。
【0213】
代替的には、関連モジュール間の適した相互接続によって、主としてハードウェアモジュールによってまたは代替的にはハードウェアによって、このようなモジュールを実現することが可能である。特定の例には、1つまたは複数の適当に設定されたデジタル信号プロセッサおよび他の知られている電子回路、例えば、特殊機能を実行するために相互接続された個別論理ゲート、および/または先述されるような特定用途向け集積回路(ASIC)が挙げられる。使用可能なハードウェアの他の例には、入力/出力(I/O)回路、および/または信号を受信および/または送るための回路が挙げられる。ソフトウェア対ハードウェアの範囲は、純粋に実施の選択である。
【0214】
図面および明細書において、本開示の例示の態様が開示されている。しかしながら、本開示の原理からおおむね逸脱することなくこれらの態様に対して多くの変形および修正をなすことができる。よって、本開示は、制限するものではなく例示とみなされるべきであり、上で論じられた特定の態様に限定されるとみなされるべきではない。それ故に、特有の用語が用いられるが、それら用語は、一般的かつ記述的な意味でのみ使用され、限定の目的のために使用されない。
【0215】
本明細書に提供される例示の実施形態の説明は、例証の目的で提示されている。この説明は、羅的であることは意図されていないし、例示の実施形態を開示される正確な形態に限定することも意図されておらず、修正および変形は、上記の教示を考慮して可能である、または提供される実施形態に対するさまざまな代替策の実践から得られてよい。本明細書に論じられる例は、さまざまな例示の実施形態の原理および性質、ならびにこの実践的な応用を説明して、考えられる特定の使用に適するようにさまざまなやり方でさまざまな修正と共に当業者が例示の実施形態を利用することができるようにするために、選定されかつ説明された。本明細書で説明される実施形態の特徴は、方法、装置、モジュール、システム、およびコンピュータプログラム製品の全ての可能な組み合わせで組み合わせられてよい。本明細書に提示される例示の実施形態がそれぞれとのいずれの組み合わせにおいても実践可能であることは理解されるべきである。
【0216】
「comprising(含む)」という語が列挙されるもの以外の要素またはステップの存在を必ずしも除外するわけではなく、ある要素に先行する語「a」または「an」が、このような要素が複数存在することを除外しないことは留意されるべきである。いずれの参照記号も特許請求の範囲を限定するものではなく、例示の実施形態は少なくとも一部分がハードウェアおよびソフトウェア両方によって実施されてよく、いくつかの「手段」、「ユニット」、または「デバイス」がハードウェアの同じ項目によって表されてよいことは、さらに留意されるべきである。
【0217】
本明細書に説明されるさまざまな例示の実施形態は、方法ステップまたはプロセスの一般的な文脈で説明され、これらは、1つの態様において、ネットワーク化された環境におけるコンピュータによって実行されるプログラムコードなどのコンピュータ実行可能命令を含む、コンピュータ可読媒体に具現化されたコンピュータプログラム製品によって実施可能である。コンピュータ可読媒体は、読み出し専用メモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、コンパクトディスク(CD)、デジタル多用途ディスク(DVD)などを含むがこれらに限定されない取り外し可能および取り外し不可能記憶デバイスを含んでよい。一般的に、プログラムモジュールは、特定のタスクを実行する、または特定の抽象データ型を実装する、ルーチン、プログラム、オブジェクト、コンポーネント、データ構造などを含んでよい。コンピュータ実行可能命令、関連データ構造、およびプログラムモジュールは、本明細書に開示される方法のステップを実行するためのプログラムコードの例を表す。このような実行可能命令の特定のシーケンスまたは関連データ構造は、このようなステップまたはプロセスにおいて説明した機能を実施するための対応する作用の例を表す。
【0218】
いくつかの態様によると、無線デバイスにおいて実行される時、無線デバイスに、上述される無線デバイスにおける方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0219】
いくつかの態様によると、ネットワークノードにおいて実行される時、ネットワークノードに、上述されるネットワークノードにおける方法を実行させるコンピュータプログラムコードを含むコンピュータプログラムが提供される。
【0220】
いくつかの態様によると、上述されるコンピュータプログラムの任意の1つを含む非一時的キャリアが提供され、このキャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0221】
一実施形態によるコンピュータ実装形態の一例を示す概略ブロック図である、先に説明した
図18をもう一度参照することができる。
【0222】
さらに、ホストコンピュータ、およびここでのアクティビティに関連する実施形態はまた、本開示に含まれる。サービスプロバイダが所有もしくは制御している、または、サービスプロバイダによってまたはこれらの代わりに動作させる、ホストコンピュータ(またはサーバ、またはアプリケーションサーバ)は、コアネットワークを介してRAN(例えば、セルラーネットワーク)に接続される。
【0223】
1つの態様では、基地局またはネットワークノードと通信するように設定されるユーザ機器(UE)または無線デバイスが含まれる。UEは、ネットワークノードに選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信することを行うように設定される、無線インターフェースおよび処理回路を備える。
【0224】
さらなる態様では、ホストコンピュータを含む通信システムが含まれる。この通信システムは、ユーザ機器(UE)から基地局への送信によって生じるユーザデータを受信するように設定される通信インターフェースを備え、UEは、無線インターフェースと処理回路とを備え、UEの処理回路は、選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信することを行うように設定される。
【0225】
1つの態様では、通信システムはUEをさらに含む。別の態様では、通信システムは基地局をさらに含み、基地局は、UEと通信するように設定される無線インターフェースと、UEから基地局への送信によって伝達されるユーザデータをホストコンピュータに転送するように設定される通信インターフェースとを備える。さらなる態様では、ホストコンピュータの処理回路はホストアプリケーションを実行するように設定され、UEの処理回路は、ホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供するように設定される。さらなる態様では、ホストコンピュータの処理回路は、ホストアプリケーションを実行することによって、要求データを提供するように設定され、UEの処理回路は、ホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行することによって、要求データに応答してユーザデータを提供するように設定される。
【0226】
さらなる態様では、UEにおいて実施される方法が含まれる。方法は、ネットワークノードに選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信すること(S11)であって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信することと、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信すること(S13)と、を含む。1つの態様では、方法は、ユーザデータを提供することと、基地局への送信によってユーザデータをホストコンピュータに転送することと、をさらに含む。
【0227】
さらなる実施形態では、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムにおいて実施される方法であって、ホストコンピュータにおいて、UEから基地局に送信されるユーザデータを受信することを含み、UEは、ネットワークノードに選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信することを行う。1つの態様では、方法は、UEにおいて、ユーザデータを基地局に提供することをさらに含む。方法は、UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行することによって、送信されるユーザデータを提供することと、ホストコンピュータにおいて、クライアントアプリケーションと関連付けられたホストアプリケーションを実行することと、をさらに含む。方法は、UEにおいて、クライアントアプリケーションを実行することと、UEにおいて、クライアントアプリケーションへの入力データを受信することであって、入力データはホストコンピュータにおいて、クライアントアプリケーションと関連付けられたホストアプリケーションを実行することによって提供される、受信することと、をさらに含み、送信されるユーザデータは入力データに応答してクライアントアプリケーションによって提供される。
【0228】
さらなる実施形態では、ユーザ機器(UE)と通信するように設定される基地局が含まれる。基地局は、無線デバイス(10)からランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイス(10)にRAR Msg2を送信すること、を行うように設定される、無線インターフェースおよび処理回路を備える。
【0229】
さらなる実施形態では、ユーザデータを提供するように設定される処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにユーザデータをセルラーネットワークに転送するように設定される通信インターフェースと、を備える、ホストコンピュータを含む通信システムであって、セルラーネットワークは、無線インターフェースおよび処理回路を有する基地局を備え、基地局の処理回路は無線デバイス(10)からランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイス(10)にRAR Msg2を送信することを行うように設定される、通信システムが含まれる。
【0230】
1つの態様では、通信システムは基地局をさらに含む。さらなる態様では、通信システムはUEをさらに含み、UEは基地局と通信するように設定される。さらなる態様において、通信システムが提供され、ここで、ホストコンピュータの処理回路はホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供するように設定され、UEは、ホストアプリケーションと関連付けられるクライアントアプリケーションを実行するように設定される処理回路を備える。
【0231】
さらなる実施形態では、基地局において実施される方法であって、無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信すること(S1)であって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信することと、特定のDLリソース上で無線デバイスにRAR Msg2を送信すること(S3)と、を含む、方法が含まれる。
【0232】
さらなる実施形態では、ホストコンピュータ、基地局、およびユーザ機器(UE)を含む通信システムにおいて実施される方法であって、ホストコンピュータにおいてユーザデータを提供することと、ホストコンピュータにおいて、基地局を含むセルラーネットワークを介してUEにユーザデータを伝達する送信を開始することと、を含み、基地局は、無線デバイスからランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)を受信することであって、ランダムアクセスプリアンブルは特定のDLリソースにリンクされる、受信すること、および、特定のDLリソース上で無線デバイスにRAR Msg2を送信すること、を行う。1つの態様では、方法は基地局においてユーザデータを送信することをさらに含む。さらなる態様では、ユーザデータはホストコンピュータにおいて、ホストアプリケーションを実行することによって提供され、方法は、UEにおいて、ホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行することをさらに含む。
【0233】
さらなる実施形態では、ユーザデータを提供するように設定される処理回路と、ユーザ機器(UE)への送信のためにユーザデータをセルラーネットワークに転送するように設定される通信インターフェースと、を備える、ホストコンピュータを含む通信システムであって、UEは、無線インターフェースと処理回路とを備え、UEの処理回路は選択されたランダムアクセスプリアンブル(RA Msg1)をネットワークノードに送信することであって、選択されたプリアンブルは特定のダウンリンク(DL)リソースにリンクされる、送信すること、および、特定のDLリソース上でネットワークノードからRA Msg2を受信することを行うように設定される、通信システムが含まれる。1つの態様では、通信システムはUEをさらに含む。さらなる態様において、通信システムが提供され、ここで、セルラーネットワークはUEと通信するように設定される基地局をさらに含む。さらなる態様において、上記のような実施形態の通信システムが提供され、ここで、ホストコンピュータの処理回路はホストアプリケーションを実行することによって、ユーザデータを提供するように設定され、UEの処理回路は、ホストアプリケーションと関連付けられたクライアントアプリケーションを実行するように設定される。
【0234】
上述された実施形態は単に例として挙げられており、提案される技術がこれらに限定されないことは理解されるべきである。添付の特許請求の範囲によって規定される本発明の範囲から逸脱することなく、さまざまな修正、組み合わせ、および変更が実施形態になされてよいことは、当業者によって理解されるであろう。とりわけ、技術的に可能な場合、異なる実施形態における異なる一部の解決策は他の設定において組み合わせ可能である。