(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】接続アセンブリ及びタイヤ補修機
(51)【国際特許分類】
F16L 37/248 20060101AFI20220325BHJP
B29C 73/02 20060101ALI20220325BHJP
【FI】
F16L37/248
B29C73/02
(21)【出願番号】P 2020529380
(86)(22)【出願日】2017-11-29
(86)【国際出願番号】 CN2017113495
(87)【国際公開番号】W WO2019104512
(87)【国際公開日】2019-06-06
【審査請求日】2020-09-23
(73)【特許権者】
【識別番号】518293516
【氏名又は名称】アクティブ ツールズ インターナショナル(ホンコン)リミティド
【氏名又は名称原語表記】ACTIVE TOOLS INTERNATIONAL(HK)LTD.
【住所又は居所原語表記】25/F COFCO Tower,262 Gloucester Road,Causeway Bay,Hong Kong,CHINA
(74)【代理人】
【識別番号】100115381
【氏名又は名称】小谷 昌崇
(74)【代理人】
【識別番号】100067828
【氏名又は名称】小谷 悦司
(74)【代理人】
【識別番号】100155848
【氏名又は名称】福山 東成
(72)【発明者】
【氏名】ラム クーン ファン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン ジアンフア
【審査官】▲高▼藤 啓
(56)【参考文献】
【文献】英国特許出願公告第00785310(GB,A)
【文献】欧州特許出願公開第01726863(EP,A1)
【文献】実開平02-030599(JP,U)
【文献】米国特許第01596645(US,A)
【文献】特開2006-117193(JP,A)
【文献】実開平01-166195(JP,U)
【文献】特表2008-540942(JP,A)
【文献】米国特許第00337867(US,A)
【文献】特開平07-317983(JP,A)
【文献】特開2006-118522(JP,A)
【文献】実開昭57-144659(JP,U)
【文献】国際公開第00/09932(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16L 37/248
B29C 73/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1管部を有する第1被接続部品と、
第2管部を有する第2被接続部品と、
前記第1被接続部品と前記第2被接続部品を接続し、前記第1被接続部品と前記第2被接続部品とを接続することで、流体を前記第1管部と前記第2管部の間で流通させる接続部品と、
を備えた接続アセンブリであって、
前記第1被接続部品はその先端側に第1接続ヘッドを有し、前記第1接続ヘッドは前記第1管部と連通する第1開口端を有する第1円柱部と、前記第1円柱部の外周面に設けられた第1突起と、前記第1円柱部の基端から拡径して前記第1円柱部と段差を形成する第1拡径部とを含み、
前記第2被接続部品はその先端側に第2接続ヘッドを有し、前記第2接続ヘッドは前記第2管部と連通する第2開口端を有する第2円柱部と、前記第2円柱部の外周面に設けられた第2突起と、前記第2円柱部の基端から拡径して前記第2円柱部と段差を形成する第2拡径部とを含み、
前記第1円柱部の外径は前記第2開口端の内径と対応し、前記第1円柱部が前記第2開口端内に進入することで、前記第1管部と前記第2管部によって流体通路が形成され、
前記接続部品
は、
前記接続部品における前記流体の流通方向である第1方向に延伸して前記接続部品の内部空間を規定する周方向側壁と、
前記周方向側壁の前記第1方向の一端側に配置された第1端壁であって、当該第1端壁を貫通する第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔が前記内部空間と前記接続部品の外部とを連通する
当該第1端壁と、
前記周方向側壁の前記第1方向の他端側に配置された第2端壁であって、当該第2端壁を貫通する第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔が前記内部空間と前記接続部品の外部とを連通する
当該第2端壁とを備え、
前記周方向側壁は、前記周方向側壁の周面に沿って形成され且つ前記周方向側壁を貫通する周方向孔を有し、前記周方向孔は前記内部空間と前記周方向側壁の外部とを連通し、
前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔はいずれも非円形形状であ
り、
前記第1貫通孔は、第1丸孔と、前記第1丸孔の周縁に位置する第1案内溝とを含み、前記第2貫通孔は、第2丸孔と、前記第2丸孔の周縁に位置する第2案内溝とを含み、
前記第1端壁の前記内部空間内における一方の側に、前記第1案内溝から周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第1凸部が設けられ、前記第2端壁の前記内部空間内における一方の側に、前記第2案内溝から周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第2凸部が設けられ、
前記第1丸孔と前記第1案内溝は、前記第1丸孔を前記第1方向から見た形状が前記第1円柱部を前記第1被接続部品の長手方向から見た形状と対応し、且つ前記第1案内溝を前記第1方向から見た形状が前記第1突起を前記第1被接続部品の長手方向から見た形状と対応し、これにより、前記第1円柱部と前記第1突起が前記第1丸孔と前記第1案内溝を通過するように構成され、
前記第2丸孔と前記第2案内溝は、前記第2丸孔を前記第1方向から見た形状が前記第2円柱部を前記第2被接続部品の長手方向から見た形状と対応し、且つ前記第2案内溝を前記第1方向から見た形状が前記第2突起を前記第2被接続部品の長手方向から見た形状と対応し、これにより、前記第2円柱部と前記第2突起が前記第2丸孔と前記第2案内溝を通過するように構成され、
前記第1端壁は、前記第1円柱部と前記第1突起とが前記第1丸孔と前記第1案内溝とを通過して前記内部空間に進入した後に、当該第1端壁が前記第1拡径部に当接することにより、前記第1円柱部の前記内部空間への更なる進入を停止するように構成され、
前記第2端壁は、前記第2円柱部と前記第2突起とが前記第2丸孔と前記第2案内溝とを通過して前記内部空間に進入した後に、当該第2端壁が前記第2拡径部に当接することにより、前記第2円柱部の前記内部空間への更なる進入を停止するように構成され、
前記第1凸部は、前記第1円柱部と前記第1突起とが前記内部空間に進入して前記第1拡径部が前記第1端壁に当接した後に、前記第1突起を前記内部空間内で回転させたときに、当該第1凸部が前記第1突起に当接することにより、前記第1突起の前記内部空間内での更なる回転を規制するように構成され、
前記第2凸部は、前記第2円柱部と前記第2突起とが前記内部空間に進入して前記第2拡径部が前記第2端壁に当接した後に、前記第2突起を前記内部空間内で回転させたときに、当該第2凸部が前記第2突起に当接することにより、前記第2突起の前記内部空間内での更なる回転を規制するように構成され、
前記第1凸部と前記第2凸部とは、前記第1突起と前記第2突起が前記第1方向において並ぶように、前記第1被接続部品と前記第2被接続部品の前記接続部品に対する回転を規制し、前記周方向孔は前記第1方向において並んだ前記第1突起と前記第2突起を外部から視認させる接続
アセンブリ。
【請求項2】
前記第1円柱部はその先端寄りの外周上に凹溝を有し、前記凹溝には前記第2円柱部の内周面と流体シールを形成するパッキンが取り付けられている請求項1に記載の接続
アセンブリ。
【請求項3】
前記第1案内溝の数
が2つであり、且つ、
2つの前記第1案内溝が前記第1丸孔の周方向に均一に分布し、前記第2案内溝の数
が2つであり、且つ、
2つの前記第2案内溝が前記第2丸孔の周方向に均一に分布し
、
前記第1突起の数が2つであり、且つ、2つの前記第1突起が前記第1円柱部の周方向に均一に分布し、前記第2突起の数が2つであり、且つ、2つの前記第2突起が前記第2円柱部の周方向に均一に分布し、
前記周方向孔の数が1つであり、
前記第1被接続部品と前記第2被接続部品が接続された後に、2つの前記第1突起の一方と2つの前記第2突起の一方が前記周方向孔を介して視認される請求項
1又は
2に記載の接続
アセンブリ。
【請求項4】
前記接続部品の外周に
、前記第1方向に延伸した突条が形成された請求項1
~3のいずれか1項に記載の接続
アセンブリ。
【請求項5】
請求項
1~
4のいずれか1項に記載された接続アセンブリが設けられたタイヤ補修機。
【請求項6】
前記タイヤ補修機は、弁体と、タイヤ補修液接続管と、空気圧縮機接続管とを備え、
前記タイヤ補修液接続管及び前記空気圧縮機接続管は、それぞれ前記弁体を介して前記タイヤ補修機の排出ノズルに連通し、且つ、
前記弁体内に往復摺動可能な栓が設けられ、
前記タイヤ補修液接続管と前記弁体との間は前記接続アセンブリを介して接続され、前記タイヤ補修液接続管及び前記弁体は、それぞれ前記第1被接続部品及び前記第2被接続部品である請求項
5に記載のタイヤ補修機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は機械接続の技術分野に関し、具体的には、本発明は接続部品に関し、更には、接続アセンブリ及びタイヤ補修機に関する。
【背景技術】
【0002】
常用される部品の密封接続(例えば、ボルト接続やフランジ接続等)は、組み付けを保証するためにやや長い渡り部分を必要とする。そのため、密封接続構造自体が比較的長い縦方向のスペースを占有することになり、構造のコンパクト化に不利である。このほか、取り外し時に比較的大きな操作スペースを必要とするため、小さなスペースでの着脱を実現できない。
【0003】
又、その他の部品の密封接続のうち、取り外しが容易な部品の密封接続では、組み付け寸法要求が厳しいことが多く、且つ、構造がより複雑となり、抜け落ちやすいというリスクも存在する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の一局面における目的は、改良された接続部品を提供することにある。
【0005】
本発明の他の局面における目的は、改良された接続アセンブリを提供することにある。
【0006】
本発明の更なる局面の目的は、改良されたタイヤ補修機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を実現するために、本発明は第1の局面において接続部品を提供する。前記接続部品は、前記接続部品の内部空間を規定する周方向側壁と、第1貫通孔が設けられ、前記第1貫通孔が前記内部空間と前記接続部品の外部とを連通する第1端壁と、第2貫通孔が設けられ、前記第2貫通孔が前記内部空間と前記接続部品の外部とを連通する第2端壁とを備え、前記第1貫通孔及び前記第2貫通孔はいずれも非円形形状である。
【0008】
前記接続部品において、前記第1貫通孔は、第1丸孔と、前記第1丸孔の周縁に位置する第1案内溝とを含み、及び/又は、前記第2貫通孔は、第2丸孔と、前記第2丸孔の周縁に位置する第2案内溝とを含んでもよい。
【0009】
前記接続部品において、前記第1端壁の前記内部空間内における一方の側に、前記第1案内溝から周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第1凸部が設けられ、及び/又は、前記第2端壁の前記内部空間内における一方の側に、前記第2案内溝から周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第2凸部が設けられてもよい。
【0010】
前記接続部品において、前記第1案内溝の数は1よりも大きく、且つ、前記第1丸孔の周方向に均一に分布し、及び/又は、前記第2案内溝の数は1よりも大きく、且つ、前記第2丸孔の周方向に均一に分布してもよい。
【0011】
前記接続部品において、前記第1端壁は、前記第1丸孔の円周に形成された第1周方向位置規制切欠きを有し、及び/又は、前記第2端壁は、前記第2丸孔の円周に形成された第2周方向位置規制切欠きを有してもよい。
【0012】
前記接続部品において、前記接続部品の外周に減衰部が形成されてもよい。
【0013】
上記の目的を実現するために、本発明は第2の局面において接続アセンブリを提供する。前記接続アセンブリは、前記第1の局面のいずれかに記載された接続部品と、第1被接続部品において前記第1貫通孔と形状が一致する第1接続ヘッドと、第2被接続部品において前記第2貫通孔と形状が一致する第2接続ヘッドとを備え、前記第1接続ヘッドは前記第1貫通孔を通過して前記内部空間に進入するように構成され、前記第2接続ヘッドは前記第2貫通孔を通過して前記内部空間に進入するように構成され、且つ、前記接続部品の所定角度回転後に、前記内部空間内で、前記第1接続ヘッドが前記第1端壁に係合し、前記第2接続ヘッドが前記第2端壁に係合する。
【0014】
前記接続アセンブリにおいて、前記係合した状態で、前記第1接続ヘッドの第1開口端は前記第2接続ヘッドの第2開口端内に密封で差し込まれてもよい。
【0015】
前記接続アセンブリにおいて、前記第1接続ヘッドは、前記第1開口端を有する第1円柱部と、前記第1円柱部に設けられた第1突起とを含み、及び/又は、第2接続ヘッドは、前記第2開口端を有する第2円柱部と、前記第2円柱部に設けられた第2突起とを含んでもよい。
【0016】
前記接続アセンブリにおいて、前記第1円柱部の外周に第1周方向位置規制突起が形成され、及び/又は、前記第2円柱部の外周に第2周方向位置規制突起が形成されてもよい。
【0017】
上記の目的を実現するために、本発明は第3の局面においてタイヤ補修機を提供する。前記タイヤ補修機には、前記第2の局面のいずれかに記載された接続アセンブリが設けられている。
【0018】
前記タイヤ補修機において、前記タイヤ補修機は、弁体と、タイヤ補修液接続管と、空気圧縮機接続管とを備え、前記タイヤ補修液接続管及び前記空気圧縮機接続管は、それぞれ前記弁体を介して前記タイヤ補修機の排出ノズルに連通し、且つ、前記弁体内に往復摺動可能な栓が設けられ、前記タイヤ補修液接続管と前記弁体との間は前記接続アセンブリを介して接続され、前記タイヤ補修液接続管及び前記弁体は、それぞれ前記第1被接続部品及び前記第2被接続部品であってもよい。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図面を参照することで、本発明の開示内容はより明確となる。これらの図面は、説明のために用いられたものに過ぎず、本発明の技術的範囲に対して制限を構成するものを意図していないと解釈すべきである。
【
図1】
図1は、本発明の一実施形態に係る接続部品の模式的斜視図である。
【
図5】
図5は、
図2のA-Aに沿って切り取った断面図である。
【
図6】
図6は、
図3のB-Bに沿って切り取った断面図である。
【
図7】
図7は、
図4のC-Cに沿って切り取った断面図である。
【
図8】
図8は、本発明の一実施形態に係る接続アセンブリの模式図であり、接続アセンブリは取り外された状態にある。
【
図9】
図9は、
図8の接続アセンブリの模式図であり、接続アセンブリは接続された状態にある。
【
図12】
図12は、本発明の一実施形態に係るタイヤ補修機の排出機構の模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に、図面を参照して本発明の具体的実施形態について詳細に説明する。各図面において、同じ符号は同一又は対応する技術的特徴を示している。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態に係る接続部品の模式的斜視図である。
図2及び
図3は、
図1の接続部品の両端それぞれの模式的端面図である。
図4は、
図1の接続部品の模式的側面図である。
【0022】
図面から明らかなように、当該接続部品10は、周方向側壁11、第1端壁12及び第2端壁13を備えることができる。図中に示す実施形態において、第1端壁12及び第2端壁13は、周方向側壁11の両端位置にそれぞれ設置することができる。第1端壁12及び第2端壁13は、前記周方向側壁11にそれぞれ接続又は固定され、例えば、前記周方向側壁11に組み付けられるか、前記周方向側壁11と一体的に形成される。当該接続部品10は、例えばプラスチックや金属といった適切な材料からなり、具体的状況に応じて適切な厚さ及び剛性を有し、これにより、接続力の要求を満たすものと解釈できる。
【0023】
図中の周方向側壁11における周方向孔(又は貫通部)11aは、金型を開くのに必要な、或いは、加工の便宜上、追加された生産技術用の孔であり、切削工具を内部空間に差し込んで切削する場合等にも利用できる。これにより、加工手順が簡略化され、加工コストを効果的に削減できる。具体的な加工の必要に応じて、生産技術用の孔として適切な形状を採用すればよく、当該生産技術用の孔自体は接続部品10の使用に影響を及ぼさない。生産技術のレベルが許容するのであれば、当該生産技術用の孔を省略してもよいと解釈できる。
【0024】
図面から明らかなように、周方向側壁11は接続部品10の内部空間14を規定する。選択可能な実施形態において、加工や操作等の便宜上、周方向側壁11の内周面及び外周面は円形の柱面に規定すればよいと解釈できる。又、その他の選択可能な実施形態において、例えばスペース等の具体的必要性に応じて、周方向側壁11の内周面及び外周面はその他の形状の柱面に設計してもよく、或いは、柱面に設計することに限られることなく、錐面又は不規則形状面等に設計してもよい。
【0025】
図示の実施形態において、接続部品の外周面には、接続部品10の軸方向に延伸し、且つ周方向に分布する突条15が配置されている。突条15は、手作業又は工具による操作で接続部品10を捩じる際に、所定の減衰力を付与するのに適している。これにより、抵抗力が増加し、操作時の空回りが回避されることから、操作がより確実となり、ユーザエクスペリエンスが強化される。接続部品10の具体的な接続方式や操作方式については、後に
図8~10を組み合わせて詳細に記載する。
【0026】
選択可能な実施形態において、代替的に、接続部品の外周面にその他のタイプの減衰部を形成し、これらその他のタイプの減衰部を突条15の代わりに用いてもよい。例えば、これらの突条を曲線状に設計してもよいし、更には、痕跡、凹溝、凹又は凸のパターン等に変更してもよい。又、例えば、これらその他のタイプの減衰部は、接続部品の外周面に分布する分散した点状の凸部又は凹部とすることができる。又、その他の実施形態において、接続部品の外周面の表面粗さを増加させることでその他のタイプの減衰部を実現してもよい。
【0027】
図示するように、当該接続部品10は第1端壁12を有してもよい。第1端壁12に第1貫通孔16を設けることができ、第1貫通孔16は内部空間14と接続部品10の外部とを連通する。図示の実施形態に基づけば、当該第1貫通孔16は、第1丸孔16aと、第1丸孔16aの周縁に位置する第1案内溝16bを含んでもよい。
【0028】
選択可能な実施形態において、第1案内溝16bはその数が1よりも大きくなるように設置してもよく、且つ第1丸孔16aの周方向に均一に分布させてもよい。図示の例では、2つの第1案内溝16bを示しており、且つ2つの第1案内溝16bが第1丸孔16aの直径に沿って対向するよう分布している。その他の実施形態において、第1案内溝16aが3つや4つ等存在する場合には、円周沿いに120度ごと、90度ごと等の間隔で均一に分布させればよいと解釈できる。又、不均一な分布としてもよい。
【0029】
図示の実施形態において、第1端壁12は、第1丸孔16aの円周に形成された第1周方向位置規制切欠き19aを更に有してもよい。具体的実施形態に応じて、当該第1周方向位置規制切欠き19aを設けなくてもよいし、より多くの当該第1周方向位置規制切欠き19aを設けてもよいと解釈できる。第1周方向位置規制切欠き19aの作用については、後に
図8~10を組み合わせて詳述する。
【0030】
図2に示すように、当該接続部品10は第2端壁13を更に有してもよい。第2端壁13に第2貫通孔17を設けることができ、第2貫通孔17は内部空間14と接続部品10の外部とを連通する。図示の実施形態に基づけば、第2貫通孔17は、第2丸孔17aと、第1丸孔17aの周縁に位置する第2案内溝17bを含んでもよい。
【0031】
選択可能な実施形態において、第2案内溝17bはその数が1よりも大きくなるように設置してもよく、且つ第2丸孔17aの周方向に均一に分布させてもよい。図示の例では、2つの第2案内溝17bを示しており、且つ2つの第2案内溝17bが第2丸孔17bの直径に沿って対向するよう分布している。その他の実施形態において、第2案内溝17bが3つや4つ等存在する場合には、円周沿いに120度ごと、90度ごと等の間隔で分布させればよいと解釈できる。又、不均一な分布としてもよい。
【0032】
第2端壁13における第2貫通孔17の形状、サイズ、分布の角度及び位置等は、第1端壁12における第1貫通孔16の形状、サイズ、分布の角度及び位置等と同じである必要はないと解釈できる。
【0033】
図示の実施形態において、第2端壁13は、第2丸孔17aの円周に形成された第2周方向位置規制切欠き19bを更に有してもよい。具体的実施形態に応じて、当該第2周方向位置規制切欠き19bを設けなくてもよいし、より多くの当該第2周方向位置規制切欠き19bを設けてもよいと解釈できる。第2周方向位置規制切欠き19bの結合及び動作原理は、第1周方向位置規制切欠き19aと類似している。
【0034】
選択可能な実施形態において、第1貫通孔16及び第2貫通孔17は図示の具体的形状に限らないと解釈できる。例えば、第1貫通孔16及び第2貫通孔17は非円形形状であればよく、軸方向における接続機能を実現できる。
【0035】
図5は、
図2のA-Aに沿って切り取った断面図である。
図6は、
図3のB-Bに沿って切り取った断面図である。
図7は、
図4のC-Cに沿って切り取った断面図である。
【0036】
これらの断面図の組み合わせから明らかなように、当該実施形態において、第1端壁12の内部空間14内における一方の側に、第1案内溝16bから周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第1凸部18を設置してもよい。
【0037】
同様に、選択可能な実施形態において、第2端壁13の内部空間14内における一方の側にも、第2案内溝17bから周方向に沿って所定の距離を隔てたところに第2凸部(図示しない)を設置してもよいと解釈できる。
【0038】
更に、
図5及び
図6から明らかなように、当該実施形態において、第1端壁12及び第2端壁13の厚さは同一ではない。選択可能な実施形態では、具体的必要性に応じて、例えば、接続力、製造材料、装着スペース等(ただし、これらに限らない)の各種状況を考慮して、第1端壁12、第2端壁13及び周方向側壁11各々の厚さを設計すればよいと解釈できる。
【0039】
本発明は一局面において、更に、上記いずれかの実施形態の接続部品を備えた接続アセンブリを提供する。この接続アセンブリは、第1被接続部品(図示しない)において第1貫通孔と形状が一致する第1接続ヘッドと、第2被接続部品(図示しない)において第2貫通孔と形状が一致する第2接続ヘッドとを更に備えてもよい。第1貫通孔及び第2貫通孔の形状は非円形形状で構成されているため、第1接続ヘッドは第1貫通孔を通過して内部空間に進入するように構成可能であり、第2接続ヘッドは第2貫通孔を通過して内部空間に進入するように構成可能であり、且つ、接続部品の所定角度回転後に、内部空間内で第1接続ヘッドと第2接続ヘッドがそれぞれ第1端壁、第2端壁に係合され、その結果、第1被接続部品と第2被接続部品の間で軸方向における確実な接続が実現される。
【0040】
図8~
図10の接続アセンブリの例を組み合わせれば、本局面における接続アセンブリの構造、原理及び利点をより理解しやすくなる。
【0041】
図8は、本発明の一実施形態に係る接続アセンブリの模式図であり、接続アセンブリは取り外された状態にある。
図9は、
図8の接続アセンブリの模式図であり、接続アセンブリは接続された状態にある。
図10は、接続された状態にある
図9の接続アセンブリの断面図である。
【0042】
図中に例示したように、接続アセンブリ100は、上記いずれかの実施形態の接続部品10を備えてもよい。又、接続アセンブリ100は、第1被接続部品(完全には図示しない)において接続部品10の第1貫通孔16と形状が一致する第1接続ヘッド20と、第2被接続部品(完全には図示しない)において第2貫通孔17と形状が一致する第2接続ヘッド30とを更に備える。
【0043】
より具体的には、
図8~
図10に例示しているのはタイヤ補修機の接続アセンブリである。この場合、第1被接続部品はタイヤ補修機のタイヤ補修液接続管210(
図12参照)であり、第2被接続部品はタイヤ補修機の弁体220(
図12参照)である。
【0044】
図面から明らかなように、当該実施形態において、第1接続ヘッド20は、第1開口端を有する第1円柱部21と、第1円柱部に設けられた第1突起22とを含んでもよい。又、第2接続ヘッド30は、第2開口端を有する第2円柱部31と、第2円柱部に設けられた第2突起32とを含んでもよい。第1円柱部21の外周に、第1周方向位置規制突起23を形成してもよく、第2円柱部31の外周に、第2周方向位置規制突起33を形成してもよい。
【0045】
図8~
図10の組み合わせから理解可能なように、第1接続ヘッド20における第1円柱部21及び第1突起22の形状は、接続部品10における第1丸孔16a及び第1案内溝16bの形状とそれぞれ一致する。接続を要する場合には、第1円柱部21及び第1突起22を第1丸孔16a及び第1案内溝16bに挿通した後、接続部品10を所定の角度だけ回転させることで、第1突起22が内部空間内で第1端壁12の内側面に係合可能となる。これにより、第1接続ヘッド20と接続部品10の間の軸方向における接続が実現される。図示の例では、接続部品10を90度回転させることにより、確実な接続が実現可能となる。
【0046】
同様に、第2接続ヘッド30における第2円柱部31及び第2突起32の形状は、接続部品10における第2丸孔17a及び第2案内溝17bの形状とそれぞれ一致する。接続を要する場合には、第2円柱部31及び第2突起32を第2丸孔17a及び第2案内溝17bに挿通した後、接続部品10を所定の角度だけ回転させることで、第2突起32が内部空間内で第2端壁13の内側面に係合可能となる。これにより、第2接続ヘッド30と接続部品10の間の接続が実現される。
【0047】
実際の操作では、まず第1接続ヘッド20及び第2接続ヘッド30を接続部品10内に差し込んでから、接続部品10を所定の角度だけ回転させることで接続が実現可能となると解釈できる。
【0048】
上記では、
図5及び
図7を組み合わせて、第1端壁12の内側の第1凸部18について記載するとともに、第2端壁13の内側の第2凸部について言及した。第1突起22及び第2突起32が接続部品10に係合する際には、当該第1凸部及び第2凸部が第1突起及び第2突起とそれぞれ係合することで、第1接続ヘッド及び第2接続ヘッドに対する接続部品の周方向の係合位置が規定可能となる。これにより、第1突起22及び第2突起32を接続部品10の第1端壁及び第2端壁に効果的に係合させられる。具体的には、接続部品を適切な周方向位置まで回転させると、第1突起及び第2突起が第1凸部及び第2凸部を制止することで、第1接続ヘッド及び/又は第2接続ヘッドに対する接続部品の更なる回動を規制して最適な接続位置に維持する。第1突起及び第2突起の個数に関わらず、第1凸部及び/又は第2凸部はいずれも1つ設けるだけで良好な位置決め効果を同様に実現できる。
【0049】
図10に示すように、当該実施形態において、第1被接続部品はタイヤ補修機のタイヤ補修液接続管であり、第2被接続部品はタイヤ補修機の弁体である。そのため、第1接続ヘッド20が第1開口端を有してもよく、且つ、第2接続ヘッド30が第2開口端を有してもよい。具体的には、当該実施形態において、第1開口端は第1円柱部21の端部に位置し、第2開口端は第2円柱部31の端部に位置する。これにより、第1接続ヘッド20及び第2接続ヘッド30が接続部品10と係合した状態で、第1接続ヘッドの第1開口端が前記第2接続ヘッドの第2開口端内に密封で差し込むことができ、第1開口端と第2開口端が接続されることで流体通路を形成できる。
【0050】
図11は、
図8の接続アセンブリにおける一方のヘッドの模式図である。
図11から明らかなように、第1接続ヘッド20の第1円柱部のうち基端寄りの外周上には、パッキン40(
図10参照)を嵌入可能な凹溝24を設けてもよい。これにより、第1接続ヘッド20と第2接続ヘッド30の内周における流体の密封を実現し、媒体の漏出を防止するとともに、接続部分の確実な動作を保証する。
【0051】
図8及び
図11において、第1接続ヘッド20及び第2接続ヘッド30の外周側に、第1周方向位置規制突起23及び第2周方向位置規制突起33がそれぞれ形成されている。第1接続ヘッド20を接続部品10に接続する際には、まず第1接続ヘッド20を接続部品10の第1貫通孔16に差し込んでから、所定の方向に接続部品10を回転させる。これにより所定の位置で係合すると、第1周方向位置規制突起23が第1端壁12の第1丸孔16a内における第1周方向位置規制切欠き19aに軽く係接し、所定の位置に到達したとの感触が生じて、これが位置整合を示す合図となる。又、類似の設計が、第2接続ヘッド33の第2周方向位置規制突起及び第2端壁12の第1丸孔17a内における第2周方向位置規制切欠き19bにも同様に適用されるものと解釈できる。第1周方向位置規制突起及び第2周方向位置規制突起は、それぞれ第1周方向位置規制切欠き及び第2周方向位置規制切欠きの個数及び周方向の分布位置に対応するように構成されている。
【0052】
ここで特記すべきことは、第1端壁の第1貫通孔及び/又は第2端壁の第2貫通孔が、例えば楕円形、多角形、不規則形状等といった他の非円形形状である場合には、第1接続ヘッド及び第2接続ヘッドも、対応した形状を採用すればよいということである。これにより、第1接続ヘッド及び第2接続ヘッドを第1貫通孔及び第2貫通孔に挿通でき、且つ、接続部品を所定の角度だけ回転させると、第1接続ヘッド及び第2接続ヘッドが第1端壁及び第2端壁の内側に係合して軸方向における確実な接続が形成される。
【0053】
選択可能な他の実施形態において、接続アセンブリがタイヤ補修機用でない場合にも、流体の確実な搬送に適するよう、相応の第1開口端、第2開口端等の対応する特徴を同様に設置すればよいと解釈できる。
【0054】
本発明は他の局面において、タイヤ補修機を提供する。当該タイヤ補修機には、上記いずれかの実施形態に記載された接続アセンブリを設ければよい。
【0055】
例えば、選択可能な実施形態において、タイヤ補修機は、弁体と、タイヤ補修液接続管と、空気圧縮機接続管とを備えてもよい。タイヤ補修液接続管及び空気圧縮機接続管はそれぞれ弁体を介してタイヤ補修機の排出ノズルに連通可能してもよく、タイヤ補修液接続管と弁体の間は接続アセンブリを介して接続してもよい。この場合には、タイヤ補修液接続管と弁体がそれぞれ第1被接続部品及び第2被接続部品であってもよい。又、上記から明らかなように、このように設けられたものは、排出ノズルからタイヤ補修液を排出してタイヤを補修可能であるとともに、タイヤに対し空気を排出して充填可能な両用のタイヤ補修機である。
【0056】
図12は、当該実施形態におけるタイヤ補修機の排出機構の模式図である。
【0057】
図中の例に基づけば、当該排出機構200において、タイヤ補修液接続管210の一端と空気圧縮機接続管230の一端は、それぞれ弁体220に接続されている。タイヤ補修液接続管210の他端はタイヤ補修液容器(図示しない)に接続でき、空気圧縮機接続管230の他端は空気圧縮機(図示しない)に接続できる。弁体220内に栓260を設置してもよい。栓260は、弁体220内で往復摺動することで、タイヤ補修液容器と空気圧縮機の間で弁体の連通切替を実現できる。空気圧縮機接続管230の圧力がタイヤ補修液接続管210の圧力よりも大きいときには、栓260がタイヤ補修液接続管210まで移動することで、排出ノズル250がタイヤへの空気充填に適するようになる。一方、空気圧縮機接続管230の圧力がタイヤ補修液接続管210の圧力よりも小さいときには、栓260が空気圧縮機接続管230まで移動することで、排出ノズル250がタイヤ補修液を排出してタイヤ補修作業を実施するのに適するようになる。
【0058】
図12において、タイヤ補修液接続管210と弁体220の接続には、本発明の上記実施形態における接続アセンブリを有効に用いており、接続部品240がタイヤ補修液接続管210と弁体220の間に接続されている。タイヤ補修液接続管と弁体を密封で着脱するためのこのような簡易的構造設計によれば、タイヤ補修機のような製品を小さなスペースで着脱するのに便利である。
【0059】
本明細書では、タイヤ補修機の場合を例示して接続部品及び接続アセンブリの適用について記載したが、本願に係る接続部品及び接続アセンブリはタイヤ補修機に限らず、軸方向の接続を必要とする任意のデバイスに適用されると解釈できる。
【0060】
本発明の技術的範囲は上記で説明した内容に限らない。当業者であれば、本発明の技術思想を逸脱しないことを前提に、上記実施形態について様々な変形及び変更が可能である。又、これらの変形及び変更はいずれも本発明の範囲に属するものとする。