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特許7046191紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法
(51)【国際特許分類】
   A01K 61/30 20170101AFI20220325BHJP
   A23K 50/80 20160101ALI20220325BHJP
   C12N 1/16 20060101ALN20220325BHJP
【FI】
A01K61/30
A23K50/80
C12N1/16 G
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020534986
(86)(22)【出願日】2019-06-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-07-26
(86)【国際出願番号】 CN2019091464
(87)【国際公開番号】W WO2020177236
(87)【国際公開日】2020-09-10
【審査請求日】2020-06-17
(31)【優先権主張番号】201910159309.8
(32)【優先日】2019-03-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】519303601
【氏名又は名称】山東省海洋生物研究院
【氏名又は名称原語表記】MARINE BIOLOGY INSTITUTE OF SHANDONG PROVINCE
(74)【代理人】
【識別番号】100121441
【弁理士】
【氏名又は名称】西村 竜平
(74)【代理人】
【識別番号】100154704
【弁理士】
【氏名又は名称】齊藤 真大
(74)【代理人】
【識別番号】100129702
【弁理士】
【氏名又は名称】上村 喜永
(74)【代理人】
【識別番号】100206151
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 惇志
(74)【代理人】
【識別番号】100218187
【弁理士】
【氏名又は名称】前田 治子
(72)【発明者】
【氏名】▲ザオ▼ 斌
(72)【発明者】
【氏名】李 成林
(72)【発明者】
【氏名】▲ハン▼ 莎
(72)【発明者】
【氏名】胡 ▲ウェイ▼
【審査官】竹中 靖典
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-176017(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105613383(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106962241(CN,A)
【文献】中国特許出願公開第106962242(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A01K 61/00 - 63/10
A23K 50/80
C12N 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法であって、それは、以下のステップを含むことを特徴とする。
1)オスとメスの紫ナマコの産卵を誘発し、得られた精子と卵子を体外受精させ、受精卵を得る。
2)前記受精卵を21.4~22.6℃で孵化させ、浮遊性幼生期に成長させる。
3)浮遊性幼生期に小さなアウリキュラリア幼生からそれぞれの池で大きなアウリキュラリア幼生まで培養し、培養プロセス中に、培養池の水域にファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を添加する。
4)大きなアウリキュラリア幼生の後期に水管システムの分化に発育する時、付着ベースとして消毒処理済みの紫色の波板フレームを敷設し、付着変態期に入り、前記付着変態期に減光培養を用い、減光培養プロセス中の光強度は5~50Lxである。
5)紫ナマコ幼生が付着した後、人工配合飼料を給餌して少年期ナマコまで培養する。
前記人工配合飼料には、少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末及びファフィア・ロドザイマがある。前記少年期ナマコの飼料、昆布粉末及びスピルリナ粉末の質量比は6:3:1、前記キログラム当たりの人工配合飼料に添加されるファフィア・ロドザイマの量は15~20ml、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
6)前記少年期ナマコを紫ナマコの成長期まで培養する。
少年期ナマコの培養プロセス中に、光強度は2000~2500Lx、光周期は12L~14L:10D~12Dである。
少年期ナマコの培養プロセス中に、給餌された飼料は少年期ナマコ飼料及びファフィア・ロドザイマを含み、前記ファフィア・ロドザイマの体積と少年期ナマコ飼料との質量比は15~20ml:1kg、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
【請求項2】
ステップ5)に記載の人工配合飼料の毎日給餌質量はナマコ種苗体重の0.5%~3%であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ステップ6)に記載の光強度は2200~2400Lx、光周期は13L:11Dであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項4】
ステップ3)に記載のファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液の濃度は2~4ml・m-3・d-1
前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液の有効な生菌数は10CFU/ml以上、
前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液におけるファフィア・ロドザイマと光合成細菌のコロニー比率は3:5であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項5】
ステップ3)の培養プロセス中に、飼料は代用餌であり、
前記代用餌はアップルドライイーストとマリンレッドイーストを含み、
前記アップルドライイーストとマリンレッドイーストの生菌比率は2:1であることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項6】
ステップ3)に記載の代用餌の給餌量は、浮遊期のアウリキュラリア幼生の種類に応じて決定される。
小さなアウリキュラリア幼生に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は1.0×10細胞・ml-1・d-1
中間の大きさのアウリキュラリア幼生に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は2.0×10細胞・ml-1・d-1
大きなアウリキュラリア幼生に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は3.0×10細胞・ml-1・d-1であることを特徴とする請求項5に記載の方法。
【請求項7】
ステップ3)の培養プロセスでは、光強度は1000~2000Lx、光周期は10L:14Dであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項8】
ステップ3)の培養プロセス中に、前記小さなアウリキュラリア幼生の培養密度は0.12~0.15個/mlであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項9】
ステップ1)の産卵の温度は19.8~21℃、卵を取る密度は10~20個/mlであることを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項10】
ステップ1)のオス紫ナマコまたはメス紫ナマコは250g/匹以上で、成長と摂食がよく、伸びが良く、活力が強い紫ナマコ親魚であることを特徴とする請求項1~9のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2019年3月4日に中国特許庁に提出され、出願番号201910159309.8、発明の名称「紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法」の中国特許出願の優先権を要求し、その内容全体が参照により本出願に組み込まれている。
【0002】
本発明はナマコ培養の技術分野に属し、具体的には紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ナマコは現在、中国で単一種の出力値が最も高い海洋養殖品種であり、その増加養殖技術の研究は1950年代までさかのぼることができ、2003年以降、ナマコ養殖産業は急速に拡大してきて、中国における海洋養殖の第五波産業を形成している。2018年中国漁業年鑑の統計によると、現在の中国のナマコの養殖面積は約20万ヘクタールで、年間生産量は22万トンである。ナマコ養殖産業の規模の継続的な拡大に伴い、遺伝資源の革新は、中国国内の各科学研究機関および企業からますます高く評価されてきて、個体群の交配育種技術、優性形質の選択および選抜育種技術などを継続的に実施して、優れた経済特性を持つ複数の新品種を育種し、ナマコの育種産業の健全で持続可能な開発を促進した。
【0004】
独特の外観を持つナマコの新品種の選抜育種の方向で、現在、トゲが多く、白、紫などの市場発見の可能性がある品種を徐々に形成しており、そのうち全体が紫であるナマコは自然界では非常に珍しく、その人工選抜育種品種は市場開発価値が非常に高い。紫ナマコの発育中に、幼虫は付着変態した後、無色から徐々に紫色に変化したという特殊なプロセスを経るが、現在では紫ナマコの繁殖と養殖は、依然として基本的には一般的なナマコの養殖生産の慣習に基づくことである。耳介幼虫期や付着変態後の少年期ナマコでは、いずれも室内の暗い光で培養されており、摂食餌は初期の酵母粉末から徐々に後期の少年期ナマコの適用配合飼料を主とすることに移行し、この方法で培養された紫ナマコの成長発育プロセスは、一般的なナマコと変わらず、その小さな耳介幼虫の発生率、付着変態率などの指標は、さらに一般的なナマコよりも低く、発育と着色のタイミングも、一般的なナマコよりも遅れている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記制約を解決し、紫ナマコの育種・育成技術の開発を促進するために、本発明は、紫ナマコの発育および着色を促進する方法を提供し、紫ナマコの発育と着色を顕著に促進し、養殖周期を短縮し、紫ナマコの選抜育種と工業化プロセスを加速することができる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の提供する、紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法は、以下のステップを含む。
1)オスとメスの紫ナマコの産卵を誘発し、得られた精子と卵子を体外受精させ、受精卵を得る。
2)前記受精卵を21.4~22.6℃で孵化させ、浮遊性幼虫期に成長させる。
3)浮遊性幼虫期では、小さな耳介幼虫からそれぞれの池で大きな耳介幼虫まで培養し、培養プロセス中に、培養池の水域にファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を添加する。
4)大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育する時、付着ベースとして消毒処理を施した紫色の波板フレームを敷設し、すると付着変態期に入り、前記付着変態期に減光培養を用い、減光培養プロセス中の光強度は5~50Lxである。
5)紫ナマコ幼虫が付着した後、人工配合飼料を給餌して少年期ナマコに培養成長する。
前記人工配合飼料には、少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末及びファフィア・ロドザイマがある。前記少年期ナマコの飼料、昆布粉末及びスピルリナ粉末の質量比は6:3:1、前記キログラム当たりの人工配合飼料に添加されるファフィア・ロドザイマの量は15~20ml、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
6)前記少年期ナマコを紫ナマコの成長期まで培養する。
少年期ナマコの培養プロセス中に、光強度は2000~2500Lx、光周期は12L~14L:10D~12Dである。
少年期ナマコの培養プロセス中に、給餌された飼料は少年期ナマコ飼料及びファフィア・ロドザイマを含み、前記ファフィア・ロドザイマの体積と少年期ナマコ飼料の質量比は15~20ml:1kg、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
【0007】
好ましくは、ステップ5)に記載の人工配合飼料の毎日給餌質量はナマコ種苗体重の0.5%~3%である。
好ましくは、ステップ6)に記載の光強度は2200~2400Lx、光周期は13L:11Dである。
好ましくは、ステップ3)に記載のファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液の濃度は2~4ml・m-3・d-1
前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液の有効な生菌数は10CFU/ml以上、
前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液におけるファフィア・ロドザイマと光合成細菌のコロニー比率は3:5である。
【0008】
好ましくは、ステップ3)の培養プロセス中に、飼料は代用餌であり、
前記代用餌はアップルドライイーストとマリンレッドイーストを含み、
前記餌におけるアップルドライイーストとマリンレッドイーストの生菌比率は2:1である。
好ましくは、ステップ3)に記載の代用餌の給餌量は、浮遊期の耳介幼虫の種類に応じて決定される。
小さな耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は1.0×10細胞・ml-1・d-1
中間の大きさの耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は2.0×10細胞・ml-1・d-1
大きな耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は3.0×10細胞・ml-1・d-1である。
好ましくは、ステップ3)の培養プロセスでは、光強度は1000~2000Lx、光周期は10L:14Dである。
好ましくは、ステップ3)の培養プロセス中に、前記小さな耳介幼虫の培養密度は0.12~0.15個/mlである。
好ましくは、ステップ1)の産卵の温度は19.8~21℃、卵を取る密度は10~20個/mlである。
好ましくは、ステップ1)のオス紫ナマコまたはメス紫ナマコは250g/匹以上で、成長と摂食がよく、伸びが良く、活力が強い紫ナマコ親魚である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の提供する、紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法は、付着変態期の光制御管理、具体的には付着変態期に入る時に減光培養、5~50Lxの低光環境における光強度を維持することにより、幼虫の付着変態率を効果的に向上させることに有利である。実験は、対照群と比較して、減光培養を用いて紫ナマコの付着変態率が17.9%~19.6%増加したことを証明している。本発明は、幼虫が付着して変態した後に、人工配合飼料を移行飼料として使用し、前記人工配合飼料には、少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末及びファフィア・ロドザイマがある。ファフィア・ロドザイマは、少年期ナマコの比増殖速度と非特異的免疫酵素活性を増加させ、発育を促進することができる。昆布粉末には、糖類、ミネラル、ビタミン、遊離アミノ酸、脂肪酸、天然色素及び未知の成長因子(UCF)が含まれており、飼料効率を改善し、ナマコの幼虫の急速な成長と体重増加を促進できる。スピルリナ粉末はナマコ幼虫の免疫力を向上させる。本発明はさらに少年期ナマコの光制御管理及び給餌により少年期ナマコの成長速度を増大させる。従来の一般的な少年期ナマコの日常管理は依然として暗い光に支配されており、餌は主に藻類の粉末を主成分とする市販または自作の餌である。本発明の少年期ナマコ飼料は、15~20ml/kgでファフィア・ロドザイマを添加するものであり、ファフィア・ロドザイマは、少年期ナマコの比増殖速度と非特異的免疫酵素活性を増加させ、発育を促進することができる。合理的な光強度及び光周期は少年期ナマコの成長を促進できる。光強度は2000~2500Lx、光周期は14~12L:10~12Dである。対照群と比較して、本発明の提供する少年期ナマコの培養方法を用いて少年期ナマコの成長速度を24.4%~29.3%効果的に増大させることができる。以上から分かるように、本発明は付着変態期の光制御管理及び少年期ナマコの光制御管理と給餌により紫ナマコ発育を促進する目的を達成する。
同時に、本発明の提供する手段において紫ナマコ幼虫が付着した後に、人工配合飼料を給餌し、少年期ナマコの光強度は2000~2500Lx、光周期は12L:12D~14L:10Dに制御される。大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育する時、消毒処理済みの紫色の波板フレームを付着ベースとして事前に敷設する。水生動物の体色着色は、チトクロームの分布、生体内での色素合成、生理学的状態や環境などの要素の影響を受けている。紫ナマコ体表の色素細胞のメラノサイトの含有量は、一般的なナマコ、白ナマコ、赤ナマコなどよりも多い。本発明はそれぞれ飼料の成分添加、光制御及び環境設定により紫ナマコの着色プロセスを加速する。そのうち、添加されたファフィア・ロドザイマはアスタキサンチンを生産することができ、優れた色素沈着作用を有し且つ動物の発育を促進することができる。添加された光合成細菌は微生物天然着色剤とすることができる。昆布粉末はチロシナーゼとミネラルが豊富で、そのうちチロシナーゼはナマコでのメラニンの合成を促進できる。スピルリナ粉末はβ-カロテンを含み、着色効果を向上させることができる。適度な光強度と光周期範囲は、色素細胞の発育を刺激し、呈色を加速することができる。紫色波板フレームの付着ベースは、紫ナマコの幼虫の体色の形成を促進する環境色として使用できる。実験は、本発明によって提供される方法が事前の着色を促進し且つ着色時間を短縮でき、対照群と比較して、少年期の紫ナマコについて、紫色の着色開始時間が平均6.4d~7.2d進み、着色完了時間が平均5.2d~8.4d短縮されることを示している。
同時に、本発明の提供する方法は、さらに環境に優しくて健康で、コストが合理的であるという特徴を有する。本発明で使用される添加成分は、いずれも高品質の天然着色剤であり、人工着色料などの成分がなく、光制御設備も簡単で操作しやすい。添加された成分は紫ナマコの幼虫の着色を促進し、また成長を促進し、免疫力を向上させることができる。そのうち昆布粉末やスピルリナ粉末も配合飼料の一般的な成分であり、配合比を変えることで、発育と着色を促進する役割を果たし、コストも効果的に制御する。
さらに、本発明は、摂食餌、摂食量、光強度制御および光周期を含む、浮遊期の耳介幼虫期間にある紫ナマコを培養する、方法を定義する。本発明は、浮遊性耳介幼虫期に、光強度を1000~2000Lx、光周期を10L:14Dに制御する。同時に、餌にファフィア・ロドザイマと光合成細菌を添加する。水の生態系では、光は重要な生態学的要因であり、それは、直接的または間接的に、ナマコなどの水生動物の摂食、成長などの行動に影響を与える可能性がある。光周期は水生動物の概日リズム、移動およびクラスタなどの行動に直接影響する可能性があり、光強度が高すぎるか低すぎるとナマコ幼虫の成長と生存に直接影響する。光合成細菌などの微生物は、育苗の水域の水質を調整することができ、幼虫の摂食に使用することもできる。ファフィア・ロドザイマは、幼虫の比増殖速度と非特異的免疫酵素活性を増加させ、発育を促進し、生存率を向上させることができる。実験は、本発明の提供する方法では、浮遊期の小さな耳介幼虫の発生率を7.5%~8.9%効果的に向上させ、樽型幼虫の発生率を13.2%~15.4%向上させることができることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の提供する紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法は、以下のステップを含む。
1)オスとメスの紫ナマコの産卵を誘発し、得られた精子と卵子を体外受精させ、受精卵を得る。
2)前記受精卵を21.4~22.6℃で孵化させ、浮遊性幼虫期に成長させる。
3)浮遊性幼虫期において、小さな耳介幼虫からそれぞれの池で大きな耳介幼虫まで培養し、培養プロセス中に、培養池の水域にファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を添加する。
4)大きな耳介幼虫の後期において水管システムの分化に発育する時、付着ベースとして消毒処理済みの紫色の波板フレームを敷設し、付着変態期に入り、前記付着変態期に減光培養を用い、減光培養プロセス中の光強度は5~50Lxである。
5)紫ナマコ幼虫が付着した後、人工配合飼料を給餌して少年期ナマコに培養成長する。
前記人工配合飼料には、少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末及びファフィア・ロドザイマがある。前記少年期ナマコの飼料、昆布粉末及びスピルリナ粉末の質量比は6:3:1、前記キログラム当たりの人工配合飼料に添加されるファフィア・ロドザイマの量は15~20ml、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
6)前記少年期ナマコを紫ナマコの成長期まで培養する。
少年期ナマコの培養プロセス中に、光強度は2000~2500Lx、光周期は14L~12L:10D~12Dである。
少年期ナマコの培養プロセス中に、給餌された飼料は少年期ナマコ飼料及びファフィア・ロドザイマを含み、前記ファフィア・ロドザイマの体積と少年期ナマコ飼料の質量との比は15~20ml:1kg、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
【0011】
本発明はオスとメスの紫ナマコの産卵を誘発し、得られた精子と卵子を体外受精させ、受精卵を得る。
本発明は前記オスとメスの紫ナマコの供給源について特別な制限はなく、本分野によく知られているオスとメスの紫ナマコを用いた。本発明の実施例において、前記オスとメスのナマコは煙台海益苗業有限公司から購入した。
本発明において、前記オス紫ナマコまたはメス紫ナマコは、好ましくは250g/匹以上で、成長と摂食がよく、伸びが良く、活力が強い紫ナマコ親魚である。前記産卵を誘発する方法は、好ましくは、選出されたナマコ親魚を臨時養殖した池から水を全部放出して、一定の時間後で水流を再び入れる方法である陰乾プラス流水刺激方法でナマコの産卵を誘発する。メス紫ナマコ産卵の温度は、好ましくは19.8~21℃、より好ましくは20℃である。卵を取る密度は、好ましくは10~20個/ml、より好ましくは12~18個/ml、最も好ましくは15個/mlである。前記精子の密度は、好ましくは30~50個/ml、より好ましくは45個/mlである。前記体外受精の時、卵子と精子の数の比が好ましくは1:3である。
本発明は、受精卵を得た後に、前記受精卵を21.4~22.6℃で孵化させ、浮遊性幼虫期に成長させる。
本発明において、前記孵化の温度が好ましくは21℃である。前記孵化プロセス中に好ましくは、受精卵を均一に分散させるようにわずかな膨張を維持し、これは孵化率を向上させることに有利である。
浮遊性幼虫期に入ると、本発明は、小さな耳介幼虫からそれぞれの池で大きな耳介幼虫まで培養する。
【0012】
本発明において、培養プロセス中に、好ましくは、培養池の水域にファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を入れる。前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液の濃度は、好ましくは2~4ml・m-3・d-1、前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液の有効な生菌数は、好ましくは10CFU/ml以上、前記ファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液におけるファフィア・ロドザイマと光合成細菌のコロニー比率は、好ましくは3:5である。本発明において、前記ファフィア・ロドザイマおよび光合成細菌の菌株の種類および供給源について特別な制限はなく、本分野によく知られているファフィア・ロドザイマおよび光合成細菌を用いればよい。本発明の実施例において、前記ファフィア・ロドザイマは陝西金潤生物技術有限公司から購入した。前記光合成細菌は好当家集団有限公司から購入した。
本発明において、培養プロセス中に、飼料は、好ましくは代用餌である。前記代用餌は、好ましくはアップルドライイーストとマリンレッドイーストを含む。前記アップルドライイーストとマリンレッドイーストの生菌比率は、好ましくは4~8:3、より好ましくは2:1である。本発明において、前記アップルドライイーストおよびマリンレッドイーストの菌株の種類および供給源について特別な制限はなく、本分野によく知られているアップルドライイーストとマリンレッドイーストを用いればよい。前記代用餌の給餌量は、浮遊期の耳介幼虫の種類に応じて決定される。小さな耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は1.0×10細胞・ml-1・d-1、中間の大きさの耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は2.0×10細胞・ml-1・d-1、大きな耳介幼虫に給餌する場合、前記代用餌の給餌量は3.0×10細胞・ml-1・d-1である。
本発明において、培養プロセス中に、光強度および光周期を制御する。光強度が好ましくは1000~2000Lx、より好ましくは1200~1800Lx、さらに好ましくは1500Lxである。光周期が好ましくは10L:14Dである。
本発明において、培養プロセス中に、培養の密度を制御する。前記小さな耳介幼虫の培養密度が好ましくは0.12~0.15個/ml、より好ましくは0.13個/mlである。
大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育する時、本発明において、付着ベースとして消毒処理済みの紫色の波板フレームを敷設し、そして付着変態期に入り、前記付着変態期に減光培養を用い、減光培養プロセス中の光強度は5~50Lxである。
【0013】
本発明において、前記紫色の波板フレームの数は、好ましくは5~8個/m/単位水体である。前記減光培養プロセス中の光強度が好ましくは10~40Lx、より好ましくは20~30Lx、最も好ましくは25Lxである。低光環境は、ナマコの幼虫の付着変態率を効果的に改善できる。
紫ナマコ幼虫が付着した後に、人工配合飼料を給餌して少年期ナマコに培養成長する。前記人工配合飼料には、少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末及びファフィア・ロドザイマがある。前記少年期ナマコの飼料、昆布粉末及びスピルリナ粉末の質量比は6:3:1、前記キログラム当たりの人工配合飼料に添加されるファフィア・ロドザイマの量は15~20ml、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
本発明において、前記少年期ナマコの飼料、昆布粉末、スピルリナ粉末の供給源について特別な制限はなく、本分野によく知られている原料を用いればよい。前記人工配合飼料の毎日給餌質量が好ましくはナマコ種苗体重の0.5%~3%、より好ましくはナマコ種苗体重の1%~2.5%、最も好ましくは1.5~2.0%である。人工配合飼料の給餌量は摂食状況に応じて適切に調整される。従来の一般的な少年期ナマコの日常管理は依然として暗い光に支配されており、餌は主に藻類の粉末を主成分とする市販または自作の餌である。本発明において、給餌された配合飼料にファフィア・ロドザイマが添加された。光強度は2000~2500Lxに制御され、光周期は12L:12D~14L:10Dに制御される。ファフィア・ロドザイマは、少年期ナマコの比増殖速度と非特異的免疫酵素活性を増加させ、発育を促進することができる。合理的な光強度及び光周期は少年期ナマコの成長を促進できる。
本発明において、前記少年期ナマコを紫ナマコの成長期まで培養する。少年期ナマコの培養プロセス中に、光強度は2000~2500Lx、光周期は12L~14L:10D~12D、培養密度は0.12~0.18個/mlである。少年期ナマコの培養プロセス中に、給餌された飼料は少年期ナマコ飼料及びファフィア・ロドザイマを含み、前記ファフィア・ロドザイマの体積と少年期ナマコ飼料の質量比は15~20ml:1kg、前記ファフィア・ロドザイマの生菌濃度は(6~8)×10CFU/mlである。
本発明において、前記光強度が好ましくは2200~2400Lx、より好ましくは2300Lxである。光周期が好ましくは13L:11Dである。培養密度が好ましくは0.15個/mlである。前記ファフィア・ロドザイマの体積と少年期ナマコ飼料の質量比が好ましくは18ml:1kgである。前記少年期ナマコの培養時間が好ましくは130~145dである。
【0014】
以下に実施例を参照しながら本発明の提供する紫ナマコの成長と発育及び体色の着色促進方法を詳しく説明するが、それらを本発明の保護範囲への制限として理解することができない。
【実施例1】
【0015】
2016年5月に山東省煙台市にある育苗会社に紫ナマコの育苗と比較実験を行った。5月3日に、体重が260g/匹を超え、正常に摂食成長し、活力が強かったという紫ナマコ親魚と対照群であった一般的なナマコ親魚を選出し、ナマコを陰乾プラス流水刺激方法でその産卵を誘発し、産卵水温が20℃であり、卵を取る密度を20個/mlに制御し、且つ池水の温度を22℃に制御して孵化させ、孵化期間に受精卵を均一に分布させるためにわずかな膨張を維持した。
紫ナマコと対照群であった一般的なナマコを、小さな耳介幼虫まで孵化させた時に約0.15個/mlの密度でそれぞれの池で培養し、アップルドライイーストとマリンレッドイーストなどの代用餌を給餌し、毎日の給餌量は小さな耳介幼虫1.0×10cell/ml、中間の大きさの耳介幼虫2.0×10cell/ml、大きな耳介幼虫3.0×10cell/mlであった。同時に、紫ナマコ浮遊幼虫の培養水域において毎日2ml/mのファフィア・ロドザイマと光合成細菌混合液(ファフィア・ロドザイマと光合成細菌の生菌比率が3:5)を添加し、その有効な生菌数は10CFU/ml以上であった。培養現場で室内の白色光照明により紫ナマコの幼虫を培養するための光条件を制御し、Fluke 941照度計を使用して光強度を1500Lx、光周期を10L:14Dに制御した。対照群であった一般的なナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した(暗い光の強度は0、餌はアップルドライイースト)。
紫ナマコが大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育する時、消毒処理済の紫色の波板フレームを付着ベースとして事前に敷設した。対照群であった一般的なナマコでは、従来の透明波板を付着ベースとして敷設した。紫ナマコ幼虫が付着変態期に入った時に減光培養し、光強度を20Lxに制御した。対照群であった一般的なナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した(暗い光の強度は0)。
ナマコ幼虫が付着した後に給餌は酵母から人工配合飼料に徐々に移行していた。同時に、紫ナマコの人工配合飼料は市販の少年期ナマコ飼料に昆布粉末とスピルリナ粉末が添加され、添加された質量比は市販の飼料:昆布粉末:スピルリナ粉末=6:3:1であり、且つ配合飼料に18ml/kgのファフィア・ロドザイマを添加した。対照群であった一般的なナマコに前記添加された成分を給餌しなかった飼料給餌量は約ナマコ種苗体重の2.5%であり、且つ摂食状況に応じて適切に調整した。
現場の室内光を調整することにより付着変態後の少年期紫ナマコ培養段階の光強度と光周期を制御した。光強度を2300Lx、光周期を13L:11Dに制御した。対照群であった一般的なナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養し(暗い光の強度は0)、給餌された餌は市販の飼料で、そのうち藻粉を主成分とした。
【0016】
140dの培養後の試験結果を表1~3に示している。
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】
【表3】
【0020】
上記結果から分かるように、本方法で培養した紫ナマコは、一般的なナマコよりも小さな耳介幼虫発生率が4.9%向上し、樽型幼虫発生率が6.5%向上し、付着変態率が6.7%向上し、3ヶ月齢の少年期ナマコ身長の毎日成長が16.6%向上し、体重の毎日成長が16.0%向上し、紫ナマコの着色開始時間は一般的なナマコより平均3d早く、着色完了時間は平均4.5d短縮した。
【実施例2】
【0021】
2017年4月に山東省煙台市にあるナマコ育苗会社に紫ナマコの育苗と比較実験を行った。4月28日に、体重が250g/匹を超え、正常に摂食成長し、活力が強かったという紫ナマコ親魚と対照群であった紫ナマコ親魚を選出し、ナマコを陰乾プラス流水刺激方法でその産卵を誘発し、産卵水温が19.8℃であり、卵を取る密度を15個/mlに制御し、且つ池水の温度を22.1℃に上げて孵化させ、孵化期間に受精卵を均一に分布させるためにわずかな膨張を維持した。
実験群と対照群であった紫ナマコを、小さな耳介幼虫まで孵化させた時に約0.15個/mlの密度でそれぞれの池で培養し、アップルドライイーストとマリンレッドイーストなどの代用餌を給餌し、毎日の給餌量は小さな耳介幼虫1.0×10cell/ml、中間の大きさの耳介幼虫2.0×10cell/ml、大きな耳介幼虫3.0×10cell/mlであった。同時に、実験群であった紫ナマコ浮遊幼虫の培養水域において毎日3ml/mのファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を添加し、その有効な生菌数は10CFU/ml以上であった。培養現場で室内の白色光照明により紫ナマコの幼虫を培養したための光条件を制御し、Victor 1010A照度計を使用して光強度を1000Lx、光周期を10L:14Dに制御した。対照群である紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
実験群であった紫ナマコが大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育した時、消毒処理済みの紫色の波板フレームを付着ベースとして事前に敷設した。対照群であった紫ナマコでは、従来の透明波板を付着ベースとして敷設した。実験群であった紫ナマコ幼虫が付着変態期に入った時に減光培養し、光強度を50Lxに制御した。対照群であった紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
ナマコ幼虫が付着した後に給餌は酵母から人工配合飼料に徐々に移行していた。同時に、実験群である紫ナマコの人工配合飼料は市販の少年期ナマコ飼料に昆布粉末とスピルリナ粉末が添加されてなるもので、添加された質量比は市販の飼料:昆布粉末:スピルリナ粉末=6:3:1で、且つ配合飼料に18ml/kgのファフィア・ロドザイマを添加した。対照群であった紫ナマコに添加された成分を給餌しなかった。飼料給餌量は約ナマコ種苗体重の2%であり、且つ摂食状況に応じて適切に調整した。
現場の室内光を調整したことにより付着変態後の実験群であった少年期紫ナマコ培養段階の光強度と光周期を制御した。光強度を2000Lx、光周期を12L:12Dに制御した。対照群であった紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
【0022】
140dの培養後の試験結果を表4~6に示している。
【0023】
【表4】
【0024】
【表5】
【0025】
【表6】
【0026】
上記結果から分かるように、本方法で培養した紫ナマコは、この方法で培養されていない紫ナマコより小さな耳介幼虫発生率が8.9%向上し、樽型幼虫発生率が15.4%向上し、付着変態率が17.9%向上し、3ヶ月齢の少年期ナマコ身長の毎日成長が25.1%向上し、体重の毎日成長が29.3%向上し、紫ナマコの着色開始時間が平均6.4d早く、着色完了時間が平均8.4d短縮した。
【実施例3】
【0027】
2018年5月に青島国家海洋科学研究センター水生種苗産業化基地に紫ナマコの育苗と比較実験を行った。5月2日に、体重が300g/匹を超え、正常に摂食成長し、活力が強かったという紫ナマコ親魚と対照群であった紫ナマコ親魚を選出し、ナマコを陰乾プラス流水刺激方法でその産卵を誘発し、産卵水温が20.2℃であり、卵を取る密度を15個/mlに制御し、且つ池水の温度を22.4℃に制御して孵化させ、孵化期間に受精卵を均一に分布させるためにわずかな膨張を維持した。
実験群と対照群であった紫ナマコを、小さな耳介幼虫まで孵化させた時に約0.15個/mlの密度でそれぞれの池で培養し、アップルドライイーストとマリンレッドイーストなどの代用餌を給餌し、毎日の給餌量は小さな耳介幼虫1.0×10cell/ml、中間の大きさの耳介幼虫2.0×10cell/ml、大きな耳介幼虫3.0×10cell/mlであった。同時に、実験群であった紫ナマコ浮遊幼虫の培養水域において毎日3ml/mのファフィア・ロドザイマと光合成細菌の混合液を添加し、その有効な生菌数は10CFU/ml以上であった。現場の頂部にあるシェードを調整したことにより紫ナマコの幼虫を培養するための光条件を制御し、Fluke 941照度計を使用して光強度を2000Lx、光周期を10L:14Dに制御した。対照群であった紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
実験群であった紫ナマコが大きな耳介幼虫の後期に水管システムの分化に発育する時、消毒処理済みの紫色の波板フレームを付着ベースとして事前に敷設した。対照群であった紫ナマコでは、従来の透明波板を付着ベースとして敷設した。実験群であった紫ナマコ幼虫が付着変態期に入る時に減光培養し、光強度を30Lxに制御した。対照群である紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
ナマコ幼虫が付着した後に給餌は酵母から人工配合飼料に徐々に移行していた。同時に、実験群であった紫ナマコの人工配合飼料は市販の少年期ナマコ飼料に昆布粉末とスピルリナ粉末が添加されてなるもので、添加された質量比は市販の飼料:昆布粉末:スピルリナ粉末=6:3:1で、且つ配合飼料に20ml/kgのファフィア・ロドザイマを添加した。対照群であった紫ナマコに添加された成分を給餌しなかった。飼料給餌量は約ナマコ種苗体重の3%であり、且つ摂食状況に応じて適切に調整した。
現場の頂部にあるシェードを調整することにより付着変態後の実験群であった少年期紫ナマコ培養段階の光強度と光周期を制御した。光強度を2500Lxに制御し、光周期を14L:10Dに制御した。対照群であった紫ナマコ幼虫に対して従来の暗い光で培養した。
【0028】
140dの培養後の試験結果を表7~9に示している。
【0029】
【表7】
【0030】
【表8】
【0031】
【表9】
【0032】
上記結果から分かるように、本方法で培養した紫ナマコは、この方法で培養されていない紫ナマコより、小さな耳介幼虫発生率7.5%向上し、樽型幼虫発生率が13.2%向上し、付着変態率が19.6%向上し、3ヶ月齢の少年期ナマコ身長の毎日成長が24.5%向上し、体重の毎日成長が24.4%向上し、紫ナマコの着色開始時間が平均7.2d早く、着色完了時間が平均5.2d短縮した。
【0033】
以上の実施例の説明は本発明の方法及びそのコアアイデアを理解するように提案したものに過ぎない。指摘すべきであるように、当業者であれば、本発明の原理から逸脱しないことを前提として、本発明に対していくつかの改良および修正を行うことができ、これらの改良および修正も本発明の特許請求の範囲の保護範囲に含まれる。当業者であれば、これらの実施例に対する複数種の修正は自明であり、本明細書で定義される一般的な原理は、本発明の精神または範囲から逸脱することなく、他の実施形態で実現することができる。それにより、本発明は本明細書に示すこれらの実施例に限定するものではなく、本明細書に開示された原理及び新規な特徴と一致する最も幅広い範囲に属する。