(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-24
(45)【発行日】2022-04-01
(54)【発明の名称】長距離光学装置、特にテレスコピックサイト
(51)【国際特許分類】
F41G 1/38 20060101AFI20220325BHJP
【FI】
F41G1/38
(21)【出願番号】P 2020562133
(86)(22)【出願日】2019-02-18
(86)【国際出願番号】 EP2019053992
(87)【国際公開番号】W WO2019214860
(87)【国際公開日】2019-11-14
【審査請求日】2021-01-07
(32)【優先日】2018-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500099559
【氏名又は名称】シュタイナー・オプティーク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング
(74)【代理人】
【識別番号】110003063
【氏名又は名称】特許業務法人牛木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ハーク,ペーター
(72)【発明者】
【氏名】ルックデシェル,マティアス
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202008008630(DE,U1)
【文献】米国特許出願公開第2003/0025994(US,A1)
【文献】独国特許出願公開第102016112879(DE,A1)
【文献】特表2019-526069(JP,A)
【文献】独国実用新案第202016103781(DE,U1)
【文献】実開昭63-109896(JP,U)
【文献】米国特許出願公開第2018/0313633(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F41G 1/16
F41G 1/38
F41G 3/00
F41G 11/00
G02B 23/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
位置が調整可能なレチクル(6)と、レチクル(6)の位置を調整するために関連付けられたレチクル調整装置(7)を備えた長距離光学装置(1)、特にテレスコピックサイトにおいて、
複数の磁気要素(16a、16b)を備えた磁気装置(16)
を備え、磁気装置(16)は、磁気要素(16a、16b)が上側および/または下側に配置または形成されたベース本体(17)を備え、
磁気装置(16)に関連付けられた検出装置(18)を備え、磁気装置(16)は、検出装置(18)に対して移動可能であるように取り付けられ、および/または、検出装置(18)は、磁気装置(16)に対して移動可能であるように取り付けられ、
検出装置(18)は、磁気装置(16)と検出装置(18)との間の相対運動を検出し、磁気装置(16)と検出装置(18)との間の検出された相対運動に基づいて、レチクル(6)の位置を記述するレチクル位置情報を生成するように構成され
、
検出装置(18)は、少なくとも2つの別個の検出要素(18a、18b)を備え、
検出要素(18a)は、磁気装置(16)の動きに基づいて、角位置情報を生成するように構成され、
角位置情報は、レチクル位置情報の確認に組み込まれることができ、または組み込まれており、回転可能に取り付けられた作動要素(11)の角位置を記述し、
作動要素(11)の動きは、レチクル(6)の動きに結合され、作動要素(11)は、レチクル(6)を調整するためにオペレーターによって作動されるようになっていて、
検出要素(18b)は、磁気装置(16)の動きに基づいて、回転面位置情報を生成するように構成され、
回転面位置情報は、レチクル位置情報の確認に組み込まれることができ、または組み込まれており、回転可能に取り付けられた作動要素(11)の回転面位置を記述し、
作動要素(11)の動きは、レチクル(6)の動きに結合され、作動要素(11)は、レチクル(6)を調整するためにオペレーターによって作動されるようになっていることを特徴とする長距離光学装置。
【請求項2】
移動可能、特に回転可能に取り付けられた磁気装置(16)の動きは、レチクル調整装置(7)の少なくとも1つの構成要素(12)の動きと結合され、磁気装置(16)の動きは、レチクル(6)の動きと結合され、磁気装置(16)は、複数の磁気要素(16a、16b)を備え、
検出装置(18)は、検出装置(18)に対する磁気装置(16)の動きを検出し、検出装置(18)に対する磁気装置(16)の検出された動きに基づいて、レチクル(6)の位置を記述するレチクル位置情報を生成するように構成されていることを特徴とする請求項1記載の長距離光学装置。
【請求項3】
ベース本体(17)は、ディスク形状または環状ディスク形状の形態を有し、磁気要素(16a、16b)は、ディスク形状または環状ディスク形状のベース本体(17)の上側および/または下側に配置または形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の長距離光学装置。
【請求項4】
磁気要素(16a、16b)は、少なくとも1つのリング様の配置で個々の環状セグメントとして配置または形成されていることを特徴とする請求項3記載の長距離光学装置。
【請求項5】
磁気要素(16a、16b)は、複数のリング様の配置、特に少なくとも1つの半径方向内側および少なくとも1つの半径方向外側のリング様配置で配置または形成されていることを特徴とする請求項4記載の長距離光学装置。
【請求項6】
磁気要素(16a、16b)は、互いに隣接して配置または形成され、第1の極性の各磁気要素(16a、16b)は、第2の極性の磁気要素(16a、16b)に直接隣接して配置または形成されていることを特徴とする請求項1~5のいずれか記載の長距離光学装置。
【請求項7】
装置(1)の電気エネルギー消費機能要素に供給するように構成された電気エネルギー供給装置(19)と、エネルギー供給装置(19)を介して装置(1)のそれぞれの電気エネルギー消費機能構成要素への供給を制御するように制御可能であって、エネルギー供給装置(19)に関連付けられた制御装置(20)を備えたことを特徴とする請求項1~
6のいずれか記載の長距離光学装置。
【請求項8】
制御装置(20)は、検出装置(18)の検出要素(18a、18b)のうちの1つ、特に、レチクル位置情報の確認に組み込まれることができる、または組み込まれている回転面位置情報を生成するように構成された、検出要素(18b)のエネルギー供給の制御を制御するように構成され、この検出要素は、装置(1)の他の電気消費体とは無関係に、電気エネルギーが継続的に供給されるようになっていることを特徴とする請求項
7記載の長距離光学装置。
【請求項9】
磁気装置(16)は、レチクル(6)の調整に関係なく、検出装置(18)に対して固定された、特に、垂直な位置に配置されていることを特徴とする請求項1~
8のいずれか記載の長距離光学装置。
【請求項10】
通信装置(25)を備え、通信装置(25)は、データ、特に、確認されたレチクル位置情報を、少なくとも1つの外部通信パートナーに、特に、無線ベースの方法で、双方向に送信するように構成されていることを特徴とする請求項1~
9のいずれか記載の長距離光学装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、位置が調整可能なレチクル、およびレチクルの位置を調整するために関連付けられたレチクル調整装置を備えた、長距離光学装置、特にテレスコピックサイトに関する。
【背景技術】
【0002】
長距離光学装置は、例えば、銃器に取り付け可能なまたは取り付けられるテレスコピックサイトの形でもともと知られている。対応する長距離光学装置は、必須の構成要素として、対物レンズと接眼レンズとの間に配置された複数の光学要素、すなわち、特に光チャネルを形成するレンズ要素を含む。レチクル、すなわちターゲットマーキングは、通常、光チャネルに設けられる。
【0003】
光チャネル内に設けられたレチクルの位置は調整可能であり、レチクルを特定の射撃状況、すなわち、特に所与のターゲット距離、およびそれに関連した実際のターゲットポイントに設定することができる。
【0004】
レチクル調整装置は、ユーザーによる操作に対応してレチクルの位置を調整するものであるが、レチクルを設定または調整するためにレチクルに関連付けられている。
【0005】
レチクルの位置を正確に検出することは、長距離光学装置を介して達成可能な射撃のために特に重要である。レチクルの位置を正確に検出するための従来技術から様々な原理を導き出すことができる。これらの原理は時々複雑な設計を有しているため、改善が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、関連する先行技術と比較して改善された長距離光学装置、特に、関連する先行技術と比較して改善されたテレスコピックサイトを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、請求項1に記載の長距離光学装置によって達成される。関連する従属請求項は、長距離光学装置の実施可能な形態に関する。
【0008】
本明細書に記載の長距離光学装置(「装置」)は、特に、装置を通して見える遠くの物体を光学的に拡大するために使用される。この装置は、例えば、銃や銃器に取り付け可能な、または取り付けられる予定のテレスコピックサイトとして設計可能である。したがって、具体的には、装置は、例えば、ライフルなどの銃や銃器に取り付け可能な、または取り付けられる予定のテレスコピックサイトであってもよい。
【0009】
装置は、対物レンズと接眼レンズとの間に配置された複数の光学要素、すなわち、特に光学的に拡大する要素または要素の組立部品を備えている。例えば、レンズ要素またはプリズムなどの光学要素は、光チャネルを形成している。
【0010】
装置はさらに、少なくとも1つのレチクル、すなわち、ターゲットマーキングを含んでいる。レチクルは、光学要素によって形成された装置の光チャネルに配置されている。レチクル(光チャネル内)の位置は調整可能であり、レチクルを特定の射撃状況、すなわち、特に所与のターゲット距離、およびそれに関連した実際のターゲットポイントに設定することができる。レチクルの位置の調整は、特に開始位置または基準位置である水平位置および/または垂直位置に関して、特にレチクルの水平位置および/または垂直位置の調整を意味すると理解されるべきである。
【0011】
レチクルの位置を調整するために、装置は、レチクルに関連付けられた少なくとも1つのレチクル調整装置を備えている。対応するレチクル調整装置は、その動きがレチクルの動きに結合されている少なくとも1つの可動に取り付けられた部分を含んでいる。その動きがレチクルの動きに結合されている可動に取り付けられた部分は、レチクル調整装置に関連する設定装置の構成要素を形成することができる。したがって、対応するレチクル調整装置は、通常、少なくとも1つの設定装置を含み、設定装置は、通常は垂直または水平の、少なくとも1つの設定方向でレチクルの位置を調整するように構成されている。
【0012】
設定装置は、設定機構として設計されてもよく、または少なくともそれを含んでいてもよい。設定装置または設定機構は、通常、レチクルを調整するために協調する2つの構成要素を含んでいる。設定装置の第1の構成要素は、その動きがレチクルの動きに結合されている部分によって形成されていてもよい。その部分は通常、直線的に移動可能に取り付けられたな設定要素として設計されている。設定要素は、レチクルに対して特に(自由な)端面を移動可能なシャフト様の設定セクションを備えていてもよい。したがって、レチクルの調整は、必要に応じて、ばねなどの適切な復元要素によって形成される復元力に対して発生する、レチクルに対する設定セクションの移動によって行われてもよい。設定装置の第2の構成要素は、回転可能に取り付けられた伝達要素によって形成されていてもよく、これは、オペレーターによってレチクルを調整するために作動される回転可能に取り付けられた作動要素に、回転不可能に接続されている。伝達要素は、伝達要素の回転運動が、特にレチクルに対して、設定要素の直線運動に変換され得る、または変換されるように、設定要素に結合されている。伝達要素と設定要素との間の結合は、伝達要素側のねじ要素と設定要素側の嵌合ねじ要素との間の機械的な連携によって形成されていてもよい。伝達要素側のねじ要素は、通常は雌ねじセクションであり、これは、特に、中空円筒形伝達要素セクションの内周の領域に形成されている。設定要素側の嵌合ねじ要素は、通常は雄ねじセクションであり、これは、特に、中空円筒形伝達要素セクションに係合する円筒形設定要素セクションの外周の領域に形成されている。
【0013】
対応する設定装置は、通常はレチクル調整装置のダイヤルまたはダイヤルの構成要素によって形成されている。もちろん、装置は複数の対応するダイヤルを含んでいてもよい。その方法においては、第1のダイヤルは、レチクルの垂直位置を調整するように構成されてもよく、第2のダイヤルは、レチクルの水平位置を調整するように構成されてもよい。レチクルの位置を検出または決定するための原理は、以下でより詳細に説明するが、通常は装置のすべてのダイヤルにおいて同一である。
【0014】
レチクルの位置を正確に検出することを可能にする装置の構成要素、すなわち磁気装置および検出装置について、以下でより詳細に説明する。以下から導き出すことができるように、レチクルの位置は、レチクル調整装置の作動要素の位置または位置の変化を検出することによって間接的に検出され、作動要素の動きはレチクルの動きに結合され、作動要素は、レチクルを調整するためにオペレーターによって作動されるようになっており、回転軸の周りを回転するように取り付けられている。
【0015】
レチクルの位置を検出または決定することを可能にする装置の第1の構成要素は、複数の磁気要素を含む磁気装置である。磁気装置のそれぞれの磁気要素は、特定の磁気極性、すなわち、例えば、正または負の磁極、または2つの反対の磁極、すなわち、例えば、正の磁極および負の磁極を有していてもよい。磁気要素は、永久磁気要素(永久磁石)または通電可能な電磁要素(電磁石)であってもよい。
【0016】
磁気要素は、通常は固定された空間配置で配置され、磁気装置の磁気特性を規定する。したがって、磁気装置は、特に、磁気要素のタイプおよび配置によって定義される特定の磁気特性、すなわち、特に、特定の検出可能な磁場を有している。以下から導き出すことができるように、磁気装置は、複数の環状セグメント様または環状セグメント形状の磁気要素を含む磁気ディスク、要するに、セグメント化された磁気ディスクであってもよい。
【0017】
磁気装置の動きは、その動きがレチクルの動きに結合されている少なくとも1つの構成要素の動きに結合していてよく、これは、例えば、設定装置または設定機構に関連して言及されたレチクル調整装置の伝達要素である。この点で、磁気装置は移動可能に取り付けられてもよい。特に、磁気装置は、回転軸、すなわち、特に、前述のレチクル調整装置の作動要素も回転可能に取り付けられている回転軸の周りに回転するように取り付けられていてもよい。
【0018】
レチクルの位置を検出または決定することを可能にする装置の第2の構成要素は、ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実装され、磁気装置に関連付け可能な、または関連付けられた検出装置である。検出装置の動きはまた、その動きがレチクルの動きに結合されているレチクル調整装置の少なくとも1つの構成要素の動きに結合されてもよく、これは、例えば、設定装置または設定機構に関連して言及されたレチクル調整装置の伝達要素である。この点で、検出装置は移動可能に取り付けられてもよい。特に、検出装置は、回転軸、すなわち、特に、前述のレチクル調整装置の作動要素も回転可能に取り付けられている回転軸の周りに回転可能に取り付けられていてもよい。
【0019】
検出装置または磁気装置が移動可能に取り付けられていない場合、それは、例えば、レチクル調整装置の回転不可能に取り付けられた部分に、またはその中に、配置または形成されていてもよい。特に、磁気装置または検出装置は、レチクル調整装置の回転不可能に取り付けられたアダプター要素に、またはその中に、配置または形成されていてもよい。アダプター要素は、レチクル調整装置を嵌合アダプター要素に取り付けるように構成されていてもよい。取り付けは、特に、(取り外し可能な)ねじ接続によって行われる。
【0020】
上記のコメントから、磁気装置は、検出装置に対して移動可能であるように取り付けられてもよく、および/または、検出装置は、磁気装置に対して移動可能であるように取り付けられてもよいことが導き出される。検出装置は、相対運動を検出するように構成され、これは、特に、磁気装置と検出装置との間の相対運動であり、磁気装置と検出装置との間で検出された相対運動に基づいて、レチクルの位置を記述するレチクル位置情報を生成する。
【0021】
磁気装置が移動可能に取り付けられる、すなわち、位置的に固定された検出装置に対して特に回転可能に取り付けられる好ましい実施形態の場合、-この目的のために、前述のように、磁気装置の動きをレチクル調整装置の設定装置の伝達要素の動きに対して特に結合してもよく、-検出装置は、検出装置に対する磁気装置の動き、特に磁気装置の回転運動を検出するように構成されるようになっている。したがって、検出装置を介して、検出装置に対する磁気装置、または磁気装置に関連する磁気要素の動きを検出することが可能である。検出装置に対する磁気装置の動きの検出は、例えば、検出装置の検出要素によって定義された、検出装置の少なくとも1つの特定の検出位置に沿って、検出装置に対する磁気装置の対応する動きの範囲内で、例えば、移動中または移動した磁気要素の数を数えることに基づいて行うことができる。検出位置に対する磁気装置の相対的な動きごとに移動する磁気要素の数により、相対的な動きによって引き起こされる絶対的な動き、したがってレチクルの位置を推測することができる。同じことが、検出装置が移動可能に、すなわち、特に回転可能に、磁気装置に対して取り付けられる実施形態と同様に当てはまる。
【0022】
検出装置はさらに、磁気装置と検出装置との間の検出された相対運動に基づいて、すなわち、特に、検出装置に対する磁気装置の検出された動きに基づいて、またはその逆に基づいて、レチクルの位置を記述するレチクル位置情報を生成するように構成されている。したがって、レチクル位置情報は、磁気装置と検出装置との間の相対的な動きに基づいて、すなわち、特に、検出装置に対する磁気装置の動きに基づいて生成される。レチクル位置情報は、通常、リアルタイムで生成される。この目的のために、検出装置は、適切な処理装置を含むか、またはそれと通信することができる。
【0023】
レチクル位置情報の生成は、通常、可動に取り付けられた磁気装置の動き、または存在する場合は可動に取り付けられた検出装置の動きが、その動きがレチクルに結合されているレチクル調整装置の構成要素の動きに結合されており、磁気装置または検出装置のその動きに応じて、常に、その動きがそのレチクルに結合されている構成要素の動きから相関し、したがって、レチクルの動きと相関することを利用している。このようにして、レチクルの位置の正確な検出または決定が可能である。
【0024】
磁気装置は、例えば、板様または板形状であり、例えば、その上に複数の磁気要素が配置または形成されるベース本体を備えていてもよい。対応する磁気要素は、ベース本体の上側および/または下側に配置または形成されてもよい。
【0025】
前述のように、磁気装置は、複数の環状セグメント様または環状セグメント形状の磁気要素を含む磁気ディスク、要するに、セグメント化された磁気ディスクであってもよい。したがって、ベース本体は、ディスク形状または環状ディスク形状の形態を有していてもよく、したがって、環状セグメント様または環状セグメント形状の設計を有する磁気要素は、ディスク形状または環状ディスク形状のベース本体の上側および/または下側に配置または形成されている。その方法において、磁気要素は、通常は、個々の環状セグメントとして配置または設計され、それはリング様の配置、または複数のリング様の配置、特に少なくとも1つの半径方向内側のリング様の配置および少なくとも1つの半径方向外側のリング様の配置で配置または形成されていてもよい。対応するリング様の配置は、開放または閉鎖されるように設計されていてもよく、円周方向に互いに直接隣接して配置または形成される磁性要素は、互いに接触しないように配置または形成されていてもよく(開放設計)、互いに接触するように配置または形成されていてもよい(閉鎖設計)。リング様の配置での磁気要素の配置は、通常、第1の極性の各磁気要素が第2の極性の磁気要素に直接隣接して配置または形成されているという条件で生じる。
【0026】
検出装置の少なくとも1つの検出位置に関連して述べたように、検出装置は、対応する検出位置を規定する少なくとも1つの検出要素を備えていてもよい。対応する検出要素は、例えば、磁気センサー要素として設計または構成されてもよい。
【0027】
検出装置は、有利には、複数の、すなわち、少なくとも2つの別個の検出要素を備えている。検出要素は、通常は、磁気装置に対して1つまたは複数の平面内の特定の検出位置で互いに空間的に分離されるように配置または形成されている。検出要素は、通常、磁気装置または磁気要素の上または下に(直接)配置または形成されている。以下から導き出すことができるように、各検出要素は、磁気装置と検出装置との間の相対的な動き、すなわち、特に、検出装置に対する磁気装置の動き、すなわち、特に、それぞれの検出要素に基づいて、レチクルの位置に関する特定の情報を生成するように構成されている。
【0028】
第1の検出要素は、磁気装置と検出装置との間の相対運動に基づいて、レチクル位置情報の検出に組み込まれることができる、または組み込まれている角位置情報を生成するように構成されてもよい。角位置情報は、例えば、回転可能に取り付けられた作動要素の(回転面内の)基準値に基づく角位置を記述し、その動きは、レチクルの動きに結合され、それは、レチクルを調整するためにオペレーターによって作動されるようになっている。具体的には、角度位置情報により、例えば、特定の回転面に基づいて、作動要素は、例えば、特定の回転方向にその回転軸を中心に45°回転した後、例えば、(基準値または基準位置に基づいて)45°回転した位置にあると言うことができる。角位置情報は、通常、作動要素の回転運動によって引き起こされる作動要素の対応するクリックにリンクされている。
【0029】
第2の検出要素は、磁気装置と検出装置との間の相対運動に基づいて、レチクル位置情報の検出に組み込まれることができる、または組み込まれている回転面位置情報を生成するように構成されてもよい。回転面位置情報は、例えば、回転可能に取り付けられた作動要素の基準値に基づく回転面位置を記述し、その動きは、レチクルの動きに結合され、それはオペレーターによってレチクルの調整のために作動される。したがって、回転面位置情報により、作動要素の所与の円周位置について、作動要素の回転面を推測することができる。具体的には、回転面位置情報によって、例えば、作動要素の特定の角度位置に基づいて、作動要素は、例えば、第1の回転面に位置している、またはその完全な回転の後、第2の回転面に位置していると言うことができる。したがって、回転面位置情報は、その回転軸の周りの作動要素の完全な回転数を表している。回転軸に沿った作動要素の実際の軸上の動きは、この目的のために絶対に必要ではない。
【0030】
別々の検出要素によって角度位置情報と回転面位置情報を別々に検出するオプションは、レチクルの位置を検出するためのロバストな原理を提供する。これは、特に、角度位置情報と回転面位置情報が、原則として、互いに独立して検出可能であるという事実に起因する。データ処理の観点から、角位置情報と回転面位置情報をそれぞれの検出要素によって別々に検出可能または検出されることを組み合わせたりリンクしたりすることにより、どの回転面に、およびこの回転面内のどの角度位置に、その動きがレチクルの動きに結合されている作動要素が位置するかを正確に述べることが可能である。検出装置を介して、作動要素の動きとレチクルの動きとの所与の既知の結合により、作動要素の位置からレチクルの位置を正確に推測することが可能である。
【0031】
磁気装置は、通常、レチクルの調整に関係なく、検出装置に対して固定された、特に垂直な位置に配置されている。したがって、磁気装置と検出装置との間の相対的な動きによって変化させることができない定義された(垂直)距離は、通常、磁気装置と検出装置との間に存在する。このようにして、レチクルの位置の検出の精度を高めることが可能である。
【0032】
装置は、装置の電気エネルギー消費機能要素(電気消費体)に供給するために、例えば、電気エネルギー貯蔵器(バッテリー)の形態の電気エネルギー供給装置を備えていてもよい。ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実装され、エネルギー供給装置を介して装置のそれぞれの電気消費体への供給を制御するように構成された制御装置は、エネルギー供給装置に関連付けられてもよい。装置の対応する電気消費体の例は、通常、検出装置の検出要素でもある。制御装置は、特に、検出装置の検出要素のうちの1つ、すなわち、特に第2の検出要素、すなわち、レチクル位置情報の確認に組み込まれることができ、または組み込まれている回転面位置情報を生成するように構成された検出要素のエネルギー供給の制御を制御するように構成されていてもよく、検出要素は、例えばスタンバイモードで、装置の他の電気消費体とは無関係に、一定量の電気エネルギーが継続的に供給されるようになっている。原則として、これは、検出要素の別個のエネルギー供給装置、すなわち、検出要素に別個に関連付けられたさらなるエネルギー供給装置を介して行うこともできる。
【0033】
装置は、音響的および/または視覚的および/または触覚的に確認されたレチクル位置情報、ならびに任意選択でさらなる情報を出力するように構成された出力装置を備えていてもよい。音響情報を出力するための出力装置は、音声出力装置を備えていてもよく、視覚情報を出力するための出力装置は、例えば、OLEDディスプレイの形態の表示装置を備えていてもよく、触覚情報を出力するための出力装置は、振動装置を備えていてもよい。これは、視覚情報を出力するための出力装置に関係し、これは、装置の光チャネルに有利に統合されている。その結果、装置を意図したとおりに取り扱う場合、すなわち、光チャネルを通して見る場合、ユーザーは、実際に視覚的に観察または拡大された物体だけでなく、出力装置またはそれによって視覚的に出力される情報、すなわち、例えば、画像および/またはテキスト情報も識別することができる。
【0034】
装置は、装置の前述の構成要素のすべてをその上に、またはその中に配置または形成することができる、ワンピースまたはマルチピースのハウジング部分を備えていてもよい。装置に結合することができる少なくとも1つの、特に電子的な外部機能構成要素を装置に接続することができる少なくとも1つの接続装置を、装置に接続してもよく、対応するハウジング部分に配置または形成してもよい。したがって、装置は、特に必要に応じて、ターゲット距離測定装置(距離計)などの種々の外部機能構成要素に結合されていてもよい。接続装置は、装置と外部機能構成要素との間で、特に双方向にデータを送信(送信および/または受信)するように構成された適切な通信インターフェースを備えていてもよい。
【0035】
対応する接続装置側通信インターフェースに関係なく、装置はさらに通信装置を備えていてもよい。通信装置は、例えば、確認されたレチクル位置情報のデータを、少なくとも1つの外部通信パートナーに、特に、無線または無線ベースの方法で、必要に応じてデータを暗号化して、双方向に送信するように構成されている。この目的のために、通信装置は、特に、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに適した無線ベースの双方向データ送信プロトコルを備えており、これにより、例えば、ブルートゥースまたはWLAN通信が可能になる。通信装置は、無線ベースのブルートゥースまたはWLAN接続を確立するように構成されていてもよい。外部通信パートナーは、例えば、さらなる装置、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック、またはイントラネットまたはインターネットなどのローカルまたはグローバルのデータネットワークであってもよい。
【0036】
もちろん、通信装置はまた、装置のハウジング部分またはその中に配置または形成されていてもよい。同様に、しかしながら、または、場合によってはさらに、通信装置を、装置のハウジング部分とは別のハウジング部分に配置または形成することが可能である。この場合、対応する接続装置は、装置のハウジング部分に配置または形成され、それを介して、または、場合によってはさらに、通信装置を装置に接続してもよい。したがって、上記の接続装置の原理により、必要に応じて外部通信装置を装置に接続することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0037】
本発明は、図面の例示的な実施形態に基づいてより詳細に説明される。図面において:
図1は、1つの例示的な実施形態による長距離光学装置の代表的な図面を示し;
図2、3は、それぞれ、1つの例示的な実施形態による長距離光学装置のレチクル調整装置の代表的な図面を示し;そして
図4は、1つの例示的な実施形態による長距離光学装置の磁気装置の代表的な図面を示す。
【0038】
図1は、1つの例示的な実施形態による長距離光学装置1(「装置」)の代表的な図面を示す。装置1は、
図1の概略側面図に示されている。
【発明を実施するための形態】
【0039】
装置1は、銃または銃器(図示せず)、すなわち、例えばライフルに取り付け可能な、または取り付けられる予定であって、装置を通して見える遠くの物体またはターゲットを光学的に拡大するために使用されるテレスコピックサイトとして設計されている。この目的のために、装置1は、対物レンズ2と接眼レンズ3との間に配置された複数の光学要素、すなわち、特に光学的に拡大する要素(詳細には示されていない)を備えている。例えば、レンズ要素および/またはプリズムである光学要素は、対物レンズ2と接眼レンズ3との間の細長いワンピースまたはマルチピースのハウジング部品4を通って延びる光チャネル5を形成している。
【0040】
装置1は、レチクル6、すなわち、ターゲットマーキングを含んでいる。レチクル6は、光学要素によって形成された光チャネル5に設けられている。レチクル6(光チャネル5内)の位置は調整可能であり、レチクルを特定の射撃状況、すなわち、特定のターゲット距離、およびそれに関連した実際のターゲットポイントに設定することができる。レチクル6の位置の調整は、通常は、特に開始位置または基準位置である水平位置および/または垂直位置に関して、レチクル6の水平位置および/または垂直位置(垂直方向の二重矢印P1を参照)の調整を意味すると理解されるべきである。
【0041】
レチクル6の位置を調整するために、装置1は、レチクル6に関連付けられたレチクル調整装置7を備えている。レチクル調整装置7は、垂直又は水平の設定方向でレチクル6の位置を調整するように構成されている少なくとも1つの設定装置8を含んでいる。以下から導き出すことができるように、設定装置8は設定機構として設計されている。設定装置8は、通常はダイヤルまたはダイヤルの構成要素を形成している。
【0042】
レチクル調整装置7の切断側面図を示す
図2、およびレチクル調整装置7の半透明の斜視図を示す
図3とともに、
図2、3に基づいて導き出すことができるように、設定装置8は、レチクル6を調整するために協調する2つの構成要素を備えている。
【0043】
設定装置8の第1の構成要素は、直線的に移動可能に取り付けられた設定要素9の形態の構成要素によって形成されており、その動きはレチクル6の動きに結合されている。設定要素9は、レチクル6に対してその(自由な)端面を移動可能なシャフト様の設定セクション10を備えている。したがって、レチクル6の調整は、必要に応じて、ばねなどの適切な復元要素(図示せず)によって形成される復元力に対して発生する、レチクル6に対する設定セクション10の移動によって行なわれる。
【0044】
設定装置8の第2の構成要素は、回転可能に取り付けられた伝達要素12によって形成されており、これは、レチクルを調整するために、二重矢印P2によって示されるように、オペレーターによって作動され、回転軸Aの周りを回転するように取り付けられている作動要素11に回転不可能に接続されている。伝達要素12は、伝達要素12の回転運動が、特にレチクル6に対して、設定要素9の直線運動に変換され得る、または変換されるように、設定要素9に結合されている。伝達要素12と設定要素9との間の結合は、伝達要素側のねじ要素(図示せず)と設定要素側の嵌合ねじ要素(図示せず)との間の機械的な連携によって形成されている。伝達要素側のねじ要素は、中空円筒形伝達要素セクション13の内周の領域に形成されている雌ねじセクションである。設定要素側の嵌合ねじ要素は、中空円筒形伝達要素セクション13に係合する円筒形設定要素セクション14の外周の領域に形成されている雄ねじセクションである。
【0045】
レチクル6の位置を検出または決定することを可能にする装置1の第1の構成要素は、複数の磁気要素16a、16bを含む磁気装置16である。磁気装置16のそれぞれの磁気要素16a、16bは、特定の磁気極性、すなわち、例えば、正または負の磁極、または2つの反対の磁極、すなわち、例えば、正の磁極および負の磁極を有していてもよい。磁気要素16a、16bは、永久磁気要素(永久磁石)または通電可能な電磁要素(電磁石)であってもよい。
【0046】
斜視図における磁気装置16の代表的な図面を示す
図4に基づいて導き出すことができるように、磁気要素16a、16bは、固定された空間配置に配置され、磁気装置16の磁気特性を規定する。したがって、磁気装置16は、特に、磁気要素16a、16bのタイプおよび配置によって定義される特定の磁気特性、すなわち、特に、特定の検出可能な磁場を有している。
【0047】
図4に示される例示的な実施形態に基づいて導き出すことができるように、磁気装置16は、複数の環状セグメント様または環状セグメント形状の磁気要素16a、16bを含む磁気ディスク、要するに、セグメント化された磁気ディスクであってもよい。したがって、磁気装置16は、板様または板形状の環状ディスク様または環状ディスク形状のベース本体17を備え、その上に複数の磁性要素16a、16bが配置または形成されている。磁気要素16a、16bは、ベース本体17の上側または下側に配置または形成されている。その方法において、磁気要素16a、16bは、通常は、個々の環状セグメントとして配置され、それはリング様の配置、または
図4に例として示されているように、複数のリング様の配置、特に少なくとも1つの半径方向内側のリング様の配置および少なくとも1つの半径方向外側のリング様の配置で配置されてもよい。それぞれのリング様配置における磁気要素16a、16bの配置は、第1の極性の各磁気要素16a、16bが第2の極性の磁気要素16a、16bに直接隣接して配置されているという条件で明らかに生じる。
【0048】
磁気装置16の動きは、図に示される例示的な実施形態において、その動きがレチクル6の動き、すなわち、レチクル調整装置7の伝達要素12の動きに結合される少なくとも1つの構成要素の動きに結合されている。したがって、磁気装置16は、回転軸Aの周りに回転可能に取り付けられており、その周りに、レチクル調整装置7の前述の作動要素11も回転可能に取り付けられている。
【0049】
検出装置18は、移動可能に取り付けられていないが、レチクル調整装置8の回転不可能に取り付けられたセクション19に、またはその中に配置されている。具体的には、検出装置18は、例として、レチクル調整装置7の回転不可能に取り付けられたアダプター要素20に、またはその中に配置されている。アダプター要素20は、レチクル調整装置7を嵌合アダプター要素(図示せず)に取り付けるように構成されている。取り付けは、特に、(取り外し可能な)ねじ接続によって行われる。
【0050】
これに関連して、磁気装置16は、レチクル6の調整に関係なく、検出装置18に対して固定された垂直位置に配置されていることが言及されている。したがって、磁気装置16と検出装置18との間の相対的な動きによって変化させることができない規定された垂直距離が、磁気装置16と検出装置18との間に存在している。
【0051】
上記のコメントから、磁気装置16は、検出装置18に対して回転可能に移動可能であるように取り付けられていることが導き出される。検出装置18は、磁気装置16と検出装置18との間の相対(回転)運動を検出し、磁気装置16と検出装置18との間の検出された相対(回転)運動に基いて、レチクル6の位置を記述するレチクル位置情報を生成するように構成されている。特に、検出装置18は、検出装置18に対する磁気装置16の回転運動を検出するように構成されている。したがって、検出装置18を介して、磁気装置16、または磁気装置16に関連する磁気要素16a、16bの、検出装置18に対する動き、すなわち、特に、回転運動を検出することが可能である。検出装置18に対する磁気装置16の動きまたは回転運動の検出は、例えば、検出装置18の検出要素18a、18bによって定義された、検出装置18の少なくとも1つの特定の検出位置(
図3を参照)に沿って、検出装置18に対する磁気装置16の対応する回転運動の範囲内で、例えば、移動中または移動した磁気要素16a、16bの数を数えることに基づいて行うことができる。検出位置に対する磁気装置16の各回転運動に伴って移動する磁気要素16a、16bの数により、相対的な動きによって引き起こされる絶対的な動き、したがってレチクル6の位置を推測することができる。
【0052】
検出装置18は、検出装置18に対する磁気装置16の検出された回転運動に基づいて、レチクル6の位置を記述するレチクル位置情報を生成するように構成されている。したがって、レチクル位置情報は、検出装置18に対する磁気装置16の回転運動に基づいて生成される。レチクル位置情報は、通常、リアルタイムで生成される。この目的のために、検出装置18は、適切な処理装置(図示せず)を含むか、またはそれと通信することができる。
【0053】
レチクル位置情報の生成は、可動に取り付けられた磁気装置16の動きがレチクル調整装置8の伝達要素12の動きに結合されており、その動きがレチクル6の動きに結合されており、磁気装置16の動きに応じて、常に、その動きがレチクル6の動きに結合されている伝達要素12の動きから相関し、したがって、レチクル6の動きと相関することを利用している。このようにして、レチクル6の位置の正確な検出または決定が可能である。
【0054】
特に
図3に基づいて導き出すことができるように、検出装置18は、2つの別個の検出要素18a、18bを備えている。それぞれの検出要素18a、18bは、通常は磁気センサー要素である。検出要素18a、18bは、磁気装置16に対して(直接)、磁気装置16の下の特定の検出位置において、互いに空間的に分離された平面内に、より詳細には示されていないキャリア要素上に配置されている。
【0055】
第1の検出要素18aは、磁気装置16と検出装置18との間の相対運動に基づいて、レチクル位置情報の検出に組み込まれることのできる、または組み込まれている角度位置情報を生成するように構成されている。角位置情報は、例えば作動要素11の(回転面内の)基準値に基づく角位置を記述し、その動きは、レチクル6の動きに結合され、レチクル6を調整するためにオペレーターによって作動される。具体的には、角度位置情報によって、例えば、特定の回転面に基づいて、作動要素11は、例えば、特定の回転方向にその回転軸を中心に45°回転した後、例えば、(基準値または基準位置に基づいて)45°回転した位置にあると言うことができる。角度位置情報は、通常、作動要素11の回転運動によって引き起こされる作動要素11の対応するクリックにリンクされている。
【0056】
第2の検出要素18bは、磁気装置16と検出装置18との間の相対運動に基づいて、レチクル位置情報の検出に組み込まれることができ、または組み込まれている回転面位置情報を生成するように構成されている。回転面位置情報は、例えば、作動要素11の基準値に基づく回転面位置を記述し、その動きは、レチクル6の動きに結合され、それはオペレーターによってレチクル6の調整のために作動される。したがって、回転面位置情報により、作動要素11の所与の円周位置について、作動要素11の回転面を推測することができる。具体的には、回転面位置情報によって、例えば、作動要素11の特定の角度位置に基づいて、作動要素11は、例えば、第1の回転面に位置している、またはその完全な回転の後、第2の回転面に位置していると言うことができる。したがって、回転面位置情報は、その回転軸Aの周りの作動要素11の完全な回転数を表している。回転軸Aに沿った作動要素11の実際の軸上の動きは、この目的のために必要ではない。
【0057】
別々の検出要素18a、18bによって角位置情報および回転面位置情報を別々に検出するオプションは、レチクル6の位置を検出するためのロバストな原理を提供する。これは、特に、角位置情報および回転面位置情報が、原則として、互いに独立して検出可能であるという事実に起因する。データ処理の観点から、角位置情報および回転面位置情報をそれぞれの検出要素18a、18bによって別々に検出可能または検出されることを組み合わせたりリンクしたりすることにより、どの回転面に、およびこの回転面内のどの角度位置に、その動きがレチクル6の動きに結合されている作動要素11が位置するかを正確に述べることが可能である。検出装置18を介して、作動要素11の動きとレチクル6の動きとの所与の既知の結合により、作動要素11の位置からレチクル6の位置を正確に推測することが可能である。
【0058】
図1に基づいて導き出すことができるように、装置1は、装置1の電気エネルギー消費機能要素(電気消費体)に供給するために、例えば、電気エネルギー貯蔵器(バッテリー)の形態の電気エネルギー供給装置19を備えていてもよい。ハードウェアおよび/またはソフトウェアとして実装され、エネルギー供給装置19を介して装置1のそれぞれの電気消費体への供給を制御するように構成された装置1のおそらく中央の制御装置20は、エネルギー供給装置19に関連付けられている。装置1の対応する電気消費体の例は、検出装置18の検出要素18a、18bでもある。制御装置20は、検出要素18a、18bのうちの1つ、すなわち、特に、レチクル位置情報の確認に組み込まれることができる、または組み込まれている回転面位置情報を生成するように構成された、第2の検出要素18bのエネルギー供給の制御を制御するように構成されており、検出要素は、例えばスタンバイモードで、装置1の他の電気消費体とは無関係に、一定量の電気エネルギーが継続的に供給されるようになっている。原則として、これは、検出要素18bの別個のエネルギー供給装置(図示せず)を介して行うこともできる。
【0059】
同様に
図1に基づいて導き出すことができるように、装置1は、音響的および/または視覚的および/または触覚的に確認されたレチクル位置情報、ならびに任意選択でさらなる情報を出力するように構成された出力装置21を備えていてもよい。出力装置21は、例えば、装置1の光チャネル5に統合された、例えば、OLEDディスプレイの形態の表示装置を備えていてもよい。その結果、装置1を意図したように取り扱う場合、すなわち、光チャネル5を通して見る場合、ユーザーは、実際に視覚的に観察または拡大された物体だけでなく、出力装置21またはそれによって視覚的に出力される情報、例えば、画像および/またはテキスト情報も識別することができる。
【0060】
装置1の前述の構成要素を、装置1のハウジング部分4に、またはその中に配置または形成することができることは、
図1に基づいて導き出すことができる。ハウジング部分4はまた、レチクル調整デバイス7を備えたダイヤルを備えている。装置1に結合することができる少なくとも1つの、特に電子的な外部機能構成要素を装置1に接続することができる少なくとも1つの接続装置23を、装置1に接続してもよく、ハウジング部分4に配置または形成してもよい。したがって、装置1は、特に必要に応じて、ターゲット距離測定装置(距離計)などの種々の外部機能構成要素に結合されていてもよい。接続装置23は、装置1と外部機能構成要素との間で、特に双方向にデータを送信(送信および/または受信)するように構成された適切な通信インターフェース24を備えていてもよい。
【0061】
対応する接続装置側通信インターフェース24に関係なく、装置1はさらに通信装置25を備えていてもよい。通信装置25は、例えば、確認されたレチクル位置情報のデータを、少なくとも1つの外部通信パートナーに、特に、無線または無線ベースの方法で、必要に応じてデータを暗号化して、双方向に送信するように構成されている。この目的のために、通信装置25は、特に、ハードウェアおよび/またはソフトウェアに適した無線ベースの双方向データ送信プロトコルを備えており、これにより、例えば、ブルートゥースまたはWLAN通信が可能になる。通信装置25は、無線ベースのブルートゥースまたはWLAN接続を確立するように構成されていてもよい。外部通信パートナーは、例えば、さらなる装置、携帯電話、スマートフォン、タブレットPC、ノートブック、またはイントラネットまたはインターネットなどのローカルまたはグローバルのデータネットワークであってもよい。
【0062】
図1に例として示されているように、通信装置25はまた、装置1のハウジング部分4またはその中に配置されていてもよい。同様に、しかしながら、または、場合によってはさらに、通信装置25を、装置1のハウジング部分4とは別のハウジング部分(図示せず)に配置することが可能である。この場合、対応する接続装置(図示せず)は、装置1のハウジング部分4に配置され、それを介して、または、場合によってはさらに、通信装置を装置1に接続してもよい。したがって、上記の接続装置23の原理により、必要に応じて外部通信装置を装置1に接続することも可能である。
【0063】
これは、図に示される例示的な実施形態には示されていないが、原理的には逆の構成も考えられ、それによれば、検出装置18が対応する方法で移動可能に取り付けられ、磁気装置16は移動可能に取り付けられない。