(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】ペットを保護する運搬構造
(51)【国際特許分類】
A45C 11/00 20060101AFI20220328BHJP
A01K 1/035 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A45C11/00 D
A01K1/035 Z
(21)【出願番号】P 2019518985
(86)(22)【出願日】2017-11-13
(86)【国際出願番号】 SE2017051121
(87)【国際公開番号】W WO2018093319
(87)【国際公開日】2018-05-24
【審査請求日】2019-10-07
(32)【優先日】2016-11-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】519121670
【氏名又は名称】ミム コンストラクション エービー
(74)【復代理人】
【識別番号】100208292
【氏名又は名称】清原 直己
(74)【復代理人】
【識別番号】100224775
【氏名又は名称】南 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ビョルネタン,マッツ
【審査官】土屋 正志
(56)【参考文献】
【文献】特開2006-333753(JP,A)
【文献】実開昭58-046783(JP,U)
【文献】特開2002-159236(JP,A)
【文献】特開2012-147755(JP,A)
【文献】特開2005-348700(JP,A)
【文献】特開2005-245388(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0057968(US,A1)
【文献】特開2015-000738(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2015-0056456(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45C 11/00
A01K 1/035
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
基本的にポータブルケージ(1)の形状の安全なペット運搬装置であって、
本体(2)、2つの反対に取り付けられた側壁(3A、3B)、少なくとも1枚のドア(4A、4B)、ハンドル(5)および少なくとも4つの安全構造(6A-6D)を含み、
前記本体(2)は下部分(20)と、前記ハンドル(5)を伴う上部分(24)と、前および後部分(23、25)とを有し、ここで、少なくとも1つの前記前および後部分(23、25)が、前記少なくとも1枚のドア(4A、4B)の取り付けのための1つの開口部(28)を伴って配置され、ここで、前記安全構造(6A-6D)は安全ベルトホルダーであり、前記側壁(3A、3B)の
少なくとも1つは複数の前記安全ベルトホルダー(6A-6D)を伴って配置された周辺固体部分(30)を有し、前記複数の安全ベルトホルダーは前記安全ベルトホルダーのうち4つ(6A-6D)を含み、2つ
の下部の安全ベルトホルダー(6A、6B)は
、2つの下部コーナー領域の各々に隣接して位置され、2つ
の上部の安全ベルトホルダー(6C、6D)は
、2つの上部コーナー領域の各々に隣接して位置され、その結果、前記複数の安全ベルトホルダー(6A-6D)は前記側壁(3A、3B)の垂直中心線に対し対称に位置され
、前記下部の安全ベルトホルダー(6A、6B)はほぼ垂直に延び
、前記上部の安全ベルトホルダー(6C、6D)は垂直に対してある角度(α)をなして延びていることを特徴とする、安全なペット運搬装置。
【請求項2】
前記角度(α)
が、120°<α<150°であることを特徴とする、請求項1に記載の安全なペット運搬装置。
【請求項3】
前記周辺固体部分(30)は概して凸面形状を有する、請求項1または2に記載の安全なペット運搬装置。
【請求項4】
2つの同一の側壁(3A,3B)が配置された、請求項1から3のいずれか1つに記載の安全なペット運搬装置。
【請求項5】
前記本体(2)は垂直線に対し対称に形成され、前記前および後部分(23、25)は異なる角度を成した部分(25A-25C)を含む、請求項1から4のいずれか1つに記載の安全なペット運搬装置。
【請求項6】
中央部位(23A)は前記開口部(28)を伴って配置され、ここで、好ましくは、前記中央部位(23A)がほぼ平らで主に垂直であるが前記少なくとも1枚のドア(4A)、(4B)をケージ(1)の中心の内側へ傾けるため、垂直に対しある角度(γ)で延びる、請求項5に記載の安全なペット運搬装置。
【請求項7】
前記本体(2)は、好ましくはスクリューアタッチメント(37)用にも使用される補強材(26A、B、27A、B)を伴って配置される、請求項5または6に記載の安全なペット運搬装置。
【請求項8】
前記少なくとも1枚のドア(4A、4B)の大部分が格子(41)を含む、請求項1から7のいずれか1つに記載の安全なペット運搬装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全なペットの運搬装置に関し、基本的にポータブルケージの形状をしており、ここで少なくとも1つの部分がドアの取り付けのための開口部を伴って配置され、安全ベルトホルダーが乗り物内での装置の固定を促すために配置される。
【背景技術】
【0002】
運搬に関連して、安全性がますます注目されている。人間のために、数十年間で著しい改善が成し遂げられた。ペットについても、著しい発展がある。しかしながら今日のほとんどの安全対策は、あるサイズのペット例えば犬、猫について使用することが比較的厄介である。たいてい、既存の安全装置を組み立てるにはかなり多くの手作業を必要とする。よって、もっと容易にペットを安全に運搬し易くするための改善が必要である。
【0003】
特許文献1は、車輪が付いている、手で運搬される、もしくは自動車シート上で拘束することができる、多目的なペット運搬装置を開示する。車輪を引いて動かすためのハンドルは伸縮自在で、格納可能で、使用しない際は引っ込められ、自動車内での装置のハンドルのいかなる危険も回避する。シートベルトは6つの異なるフランジを通り、運搬装置をカーシートへ全方向に据え付ける。運搬装置は猫用トイレおよび容易に交換できるゴミ袋、扇風機、サウンドモニターおよび他の機能が備えられる場合がある。
【0004】
特許文献2は、ペットの所有者によって運搬されることが可能であり、運搬のために車両の中で固定されることが可能な可撓性のあるペットの囲いを形成する、一連の相互に連結したパネルおよび取り外し可能な補強部材を有するペットキャリーを開示する。支持部材が半固定であるため、キャリーを旅客機シートの下に置く際など、必要に応じて囲いの屋根は弾力的に変形される場合がある。支持部材の撤去は、使用者がペットキャリーをほぼ平らな形態へ折り畳むことを可能にする。ペットキャリーは、使用中にキャリーを水平にすることができる6点肩ストラップシステムを介してペットの所有者によって運ばれる場合がある。ペットキャリーはまた、通気を提供するためのいくつかの開口部、および空調パッドの挿入ための、キャリーの内部と連通するコンパートメントも有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】US2016057968
【文献】US2003127060
【発明の概要】
【0006】
本発明は上記の状況を改善することを目的とし、それは請求項に従ったペットを保護する運搬構造を用いて達成される。
【0007】
本発明のおかげで、時間を節約し、ペットの所有者が安全な運搬を行うことをより一層容易にする非常に容易に取り扱える安全構造が達成される。さらに、ペットにとってより快適な状態を可能にする。
【0008】
本発明のさらに好ましい態様によって;
- 前記安全ベルトホルダーのうち4つを含む複数の安全ベルトホルダーが配置され、2つは2つの下部コーナー領域の各々に隣接して位置され、2つは2つの上部コーナー領域の各々に隣接して位置され、これは可撓性が高められるという利点を提供する。
- 前記複数の安全ベルトホルダーは前記側壁の垂直中心線に対し対称に位置され、下部の安全ベルトホルダーはほぼ垂直に延び、上部の安全ベルトホルダーは垂直に対して角度をつけて延び、ここで好ましくはその角度が120°から150°の間であり、これはさらなる使いやすさと共に高められた可撓性が達成されるという利点を提供する。
- 安全ベルトホルダーが配置される周辺固体部分には概して凸面形状があり、これは使いやすさの向上が達成され、強度に優れた特徴を持つという利点を提供する。
- 2つの同一の側壁は装置を形成するために本体に取り付けられており、これは高められた可撓性および、費用効果という利点を提供する。
- 本体は垂直線に対し対象に形成され、好ましくは前記前および後部分は異なった角度を成した部位を含み、これは費用効果と鋭いコーナーが除去されるというさらなる利点を提供する。
- 壁の中央部位はドアのための開口部を伴って配置され、ここで好ましくは、前記中央部位はほぼ平らで主に垂直に、けれども前記少なくとも1枚のドアをケージの中心の内側へ傾けるために垂直に対しある角度で延びており、これは費用効果が達成されえ、カーシートに好適、および重力によってドアが閉まる方向に働きかけられるという利点を提供する。
- 前記本体は、好ましくはスクリューアタッチメント用にも使用される補強材を伴って配置され、これは強化材が費用効果的な方法、例えば押し出し、で容易に産生されるという利点を提供する。
- 前記少なくとも1枚のドアの大部分は格子(41)を含み、これは装置の有効な通気を提供する。
- ハンドルは長手方向の中心平面に対し中心からある距離離れて位置され、これは装置を運ぶことをより容易にするという利点を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
下記において、本発明は、添付の図に関して更に詳細に記述される。
【
図1】本発明に係る、好ましい実施形態の、上からの斜視図を示す。
【
図4】
図1に示される装置の上からの斜視断面図を示す。
【
図6】
図1の安全装置の中心を水平に通った水平断面図のコーナー部分を示す。
【
図7】
図1の安全装置の垂直横断面図のコーナー部分を示す。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1では、上からの斜視図で見られる本発明に従った保護運搬装置(1)が示される。概して、保護運搬装置(1)は、概してチューブ形状の本体(2)、左側壁(3A)、右側壁(3B)を含み、概してケージを形成する。本体(2)の前および後部分(23)、(25)上には、そこにはまるドア(4A)、(4B)を有する開口部(28)が配置される。さらに、本体(2)の上部分(24)上に配置される運搬ハンドル(5)がある。本体は外部に示しているジョイント(29)へ一緒に摺動されるいくつかの押し出された部分(
図7参照)から構築され、ジョイントは好ましくは下記で更に詳細に説明されるように回動可能である。さらに、側壁(3A)、(3B)の各々上に配置された安全構造(6A)-(6D)もある。
【0011】
本体(2)はほぼ平面の上部分(24)および平行するほぼ平面の下部分(20)を含む(
図2参照)。鋭いかどを避けるため、上部分(24)、下部分(20)、前/後部分(23)、(25)は、角度を成して相互に連結する部分(23B)、(23C)、(25B)、(25C)を用いて接合され、好ましくは上記角度βは30°-60°の範囲である。本体(2)は、垂直中心線Cを通り抜ける垂直平面に対し対称であるが、その中心を通り抜ける水平面に対して対称ではない。
【0012】
図3を見て明白なように、前側(23)および後側(25)は垂直線に対し、ある角度γを示す。側壁(23)、(25)の内側への傾きγのおかげで、ドア(4A)、(4B)は推進力の影響を受け(開かれる際)、それはそこに作用する重力のおかげでドア(4A)、(4B)を閉じる方向に働きかけ、これは多くの状況における利点である。この傾きのさらなる理由は主として、ケージ(1)が自動車内のシートにはめるのにより適していることである。
【0013】
図3は、側壁(23)、(25)の渡り部分(23B)、(23C)、(25B)、(25C)が垂直線に対し約45°の角度に存在しうることをより明白に示しており、これは非常に鋭い角度がなされないという利点を提供する。
【0014】
図4で見られるように、本体(2)は、別の位置で、補強するリブ(26A)、(26B)、(27A)、(27B)を伴って配置される。これらのリブは、側壁(3A)、(3B)の取り付けに使用されるスクリュー(37)の固定手段にも役立つ。さらに、これらのリブ(26A)のうちのいくつかは、本体(2)を形成する隣接部分(28A)、(28B)(
図7参照)の2つの相互に連結する部材(26A’)、(26A”)の組み合わせ形状であることが好ましい。好ましくは、これらの相互に連結する部材(26A’)、(26A”)は、一方向に回動可能なジョイント(9)を形成し、これはケージ(1)が車両の圧縮部と相互に作用しうるという利点を提供し、つまり、それらが内側には畳む/回動できないが外側には可能である。例えばケージ(1)が小さい車に設置され、運転席の後ろにぴったりとうまくはまり、その1つのドアが運転席の後ろ側に面している場合、本体は衝突で容易に潰される場合があり、その結果本体はさらなる抵抗をもたらさず、さもなければそれが運転者に首の怪我をもたらすかもしれない。
【0015】
2つの側壁、(3A)、(3B)は全く同じであり、本体にはめる結果として、各側壁(3A)、(3B)は垂直の中心平面に対し対称である。側壁は各側壁(3A)、(3B)の総面積の50%以上をカバーする格子(31)を有し、その格子(31)は均質な支持部(30)に囲まれる。さらに側壁(3A)、(3B)は、前および後壁(23)、(25)の渡し区間に対し好ましくは30°-60°の範囲で角度を成した部分(30B)、(30C)も提供する。これらの角度を成した壁(30B)、(30C)の理由は、本体(2)の角度を成した部分(23B)、(23C)、(25B)、(25C)に対する理由と同じであって、つまり鋭いコーンコーナーを避けるためである。また、これらの角度を成した部分(30B)、(30C)はそれらが側壁の主な広がりに対して約45°突き出るように好ましくは位置される。
【0016】
好ましくは側壁(3A)、(3B)の均質の頑丈な周囲部分(30)と合致するこれらの角度を成した部分(30B)、(30C)に安全運搬装置(6A)-(6D)が配置される。これらの安全装置の各々は、ほぼ平の形状で約2-8mm側壁より突き出しているL字の第1の部分(61A)(
図2参照)と、互いの方向を指すが、互いに接触しないLの足をしている第2の部分(61B)とを提供する、2つのL字型の突き出ている部材(60)、(61)の形状をしている。それらの平らな表面が互いに平行になるように、平な形状の足部分(61B)、(60B)が突き出る。
【0017】
従って、それらは、足部分の端部の間に開口部(62)を作り、安全ベルト(もしくはそのようなもの)を保持する装置を共同で形成する。よって、柔軟な安全ベルトは、隙間(62)へ容易に差し込まれても、足部分(61B)、(60B)のどちらか一方の下に入ってもよく、次にベルトの反対側は第2のL字型部材(60)によって抑えられるように隙間(62)へ押し込まれてもよい。それによって安全な保持は、そこに導入されたベルト(図示せず)によって達成される。各側壁(3A)、(3B)上には、4つのそのような安全装置(6A)-(6D)が配置される。
【0018】
これらの安全装置のうち2つ(6A)、(6B)は下部コーナーの各々の近くにある下部分(20)に隣接して配置される。これらの2つの装置(6A)、(6B)は、垂直方向に実質的に延長する足部分(60B)、(61B)の延長を有する。2つの他の(6C)、(6D)は、上部コーナーの各々の近くにある上部分(24)に隣接して位置され、垂直線に対しある角度αを示す方向に延びているそれらの足部分(60B)、(61B)を有する。上記角度αは120°―150°の範囲であり、好ましくは垂直線に対して約135°であり、これは水平線に対しおよそ45°であることを意味する。このポジショニングのおかげで、各前側は、本発明に基づいた安全運搬構造(1)への3点式安全ベルトの容易な固定を可能にする。安全装置(6A)-(6D)の対称な配置のおかげで、運搬装置(1)が1つまたは他の方向に向けられた際、もしくは左側シートまたは右側シートに置かれた際に何の違いも生じない。安全装置の構造は、安全運搬装置(1)の安全な固定を常に可能にする。
【0019】
さらに、
図3および
図2に示される、側壁(3A)、(3B)との間に形成されたスペースに囲まれた最も広い水平断面は、運搬装置の水平の中心よりわずか下に位置づけられ、これは下部でさらにスペースが利用できる利点をもたらし、また格子を伴って配置された部分(31)に物が引っかかるリスクを減らす、ほぼ平な形状である場合がある。
【0020】
本体(2)への側壁(3A)、(3B)のアタッチメントは既に上記に示されており、つまり、スクリュー(37)が側壁を本体(2)に安全に取り付けるために使用されることである。さらに、フランジ(32)および(34)が側壁(3A)、(3B)を本体(2)に安全に取り付けるために使用されることが図、例えば
図4、6および7、から明らかである。これらのフランジ(32)、(34)が、本体(2)の表面の各側面に突き出すことによって、それらは全方向に本体(2)を安全に固定する。さらに、
図2および4を参照すると、内フランジ(34)と合致する側壁の下部に配置されたくぼみ(36B)があることが示され、くぼみ(36A)、(36B)は対応する雄グリップ部材(図示せず)を装備した車両に、ケージ(1)の安全な取り付けためのグリップを提供する目的を有する。
【0021】
ドア(4A)、(4B)は、本体(2)の側壁(23)、(25)の対応する開口部に取り付けられるのに適したフレーム(44)に予め固定される。さらに、ヒンジ(43A)、(43B)と開放ノブ(42)とを有する、ドア(40)が配置される。各ドア(4A)、(4B)の大部分は格子(41)を伴って配置される。
【0022】
本体(2)の上部分(24)の上に、ハンドル(5)が配置される。上記ハンドルは把持部分(50)およびアタッチメント部分(51)を含む。アタッチメント部分(51)は、本体の中心線Cからある距離X遠ざけて位置され、それは運搬装置(1)が人によって、より容易に運ばれるという利点を提供する。