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特許7046336軟性尿管鏡の導入装置及び腎盂尿管鏡システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】軟性尿管鏡の導入装置及び腎盂尿管鏡システム
(51)【国際特許分類】
   A61M 25/06 20060101AFI20220328BHJP
   A61M 25/14 20060101ALI20220328BHJP
   A61B 17/94 20060101ALI20220328BHJP
   A61B 1/307 20060101ALI20220328BHJP
   A61B 1/01 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A61M25/06 556
A61M25/14
A61B17/94
A61B1/307
A61B1/01 511
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020079664
(22)【出願日】2020-04-28
(65)【公開番号】P2020182840
(43)【公開日】2020-11-12
【審査請求日】2020-04-28
(31)【優先権主張番号】201910353948.8
(32)【優先日】2019-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911263637.9
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】201911270216.9
(32)【優先日】2019-12-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(31)【優先権主張番号】202020641284.3
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】518186539
【氏名又は名称】珠海市司邁科技有限公司
【氏名又は名称原語表記】SIMAI CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】Unit 7-A,7-B, No.4 Building,CECT High Technology Industrial Park,No. 1, Technology Seven Road,High-tech Zone,Tangjia,Zhuhai, Guangdong,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001139
【氏名又は名称】SK特許業務法人
(74)【代理人】
【識別番号】100130328
【弁理士】
【氏名又は名称】奥野 彰彦
(74)【代理人】
【識別番号】100130672
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 寛之
(72)【発明者】
【氏名】林敏
(72)【発明者】
【氏名】楊長勝
(72)【発明者】
【氏名】王沐
【審査官】竹下 晋司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2017/0215707(US,A1)
【文献】特表2017-535314(JP,A)
【文献】特開2018-175291(JP,A)
【文献】特開2015-181940(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/00
A61B 1/01
A61B 1/307
A61M 25/06
A61M 25/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軟性尿管鏡の導入装置であって、前記導入装置は、導入シースユニット(20)を備え、前記導入シースユニット(20)は、弾性を有する導入シース(200)を含み、前記導入シース(200)は、前記軟性尿管鏡に合わせた長尺状管体であり、
前記導入シースユニット(20)は、前記導入シース(200)に接続されるガイドシース本体(210)を更に含み、前記軟性尿管鏡は、前記ガイドシース本体(210)を貫通して前記導入シース(200)に挿入することができ、前記ガイドシース本体(210)における前記導入シース(200)に近接する一端にガイドシース通路(211)が設けられ、前記ガイドシース本体(210)に排水通路(214)が更に設けられ、前記排水通路(214)は、前記ガイドシース通路(211)と連通し、
前記導入シースユニット(20)は、前記軟性尿管鏡を固定するための固定ホルダ(220)を更に含み、前記固定ホルダ(220)は、前記ガイドシース本体(210)における前記導入シース(200)から離れる一端に取り外し可能に係合し、前記軟性尿管鏡の内端部は、前記固定ホルダ(220)に取り外し可能に固定される、前記導入装置。
【請求項2】
前記ガイドシース本体(210)の他端に、前記軟性鏡が貫通する凹溝(212)が設けられ、前記凹溝(212)は、前記ガイドシース通路(211)と連通し、前記ガイドシース通路(211)は、前記導入シース(200)と連通することを特徴とする
請求項に記載の軟性尿管鏡の導入装置。
【請求項3】
腎盂尿管鏡システムであって、前記腎盂尿管鏡システムは、軟性尿管鏡(10)と請求項1に記載の導入装置とを備え、前記軟性尿管鏡(10)は、前記導入シース(200)内に挿着され、前記軟性尿管鏡(10)の外端部は、前記導入シース(200)の外端部と面一であるか又は前記導入シース(200)の外端部から突出しており、
前記軟性尿管鏡(10)は、軟性鏡本体(100)と、軟性鏡ハンドル(110)とを備え、前記軟性鏡本体(100)の内端部は、前記軟性鏡ハンドル(110)に固定接続され、前記軟性鏡本体(100)は、ホース(102)と、屈曲部材(120)を介して前記ホース(102)の外端部に接続されるレンズユニットとを含み、
前記ホース(102)の外径寸法は、前記導入シース(200)の内径寸法及び前記ガイドシース通路(211)の径方向寸法よりも小さく、前記ホース(102)と前記導入シース(200)との間、前記ホース(102)と前記ガイドシース通路(211)の内壁との間にいずれも通水隙間が形成される、前記腎盂尿管鏡システム。
【請求項4】
前記屈曲部材(120)とレンズユニットの外径寸法は、いずれも前記ホース(102)の外径寸法よりも大きいことを特徴とする
請求項に記載の腎盂尿管鏡システム。
【請求項5】
記軟性鏡ハンドル(110)は、前記固定ホルダ(220)に取り外し可能に設けられ、前記軟性鏡本体(100)は、前記導入シース(200)内に設けられ、前記レンズユニットの外端部は、前記導入シース(200)の外端部と面一であるか又は前記導入シース(200)の外端部から突出していることを特徴とする
請求項に記載の腎盂尿管鏡システム。
【請求項6】
前記レンズユニットは、レンズホルダ(130)を含み、前記軟性尿管鏡(10)内に、作業通路(101)が設けられ、前記作業通路(101)は、前記軟性鏡ハンドル(110)から順に前記ホース(102)及び屈曲部材(120)を貫通し、前記レンズホルダ(130)内に入り込み、前記レンズホルダ(130)に、前記作業通路(101)と連通するための貫通孔(131)が設けられ、前記レンズユニットは、前記レンズホルダ(130)内に設けられる撮像通路(132)及び照明通路(133)を更に含み、前記撮像通路(132)内に、カメラ装置が設けられ、前記照明通路(133)内に、照明通路が設けられ、前記屈曲部材(120)は、スネークボーンユニットと、前記スネークボーンユニットの端部を固定するための固定ラック(121)とを含み、前記スネークボーンユニットの一端部は、前記固定ラック(121)を介して前記ホース(102)に接続され、前記スネークボーンユニットのもう1つの端部は、前記レンズホルダ(130)に接続されることを特徴とする
請求項に記載の腎盂尿管鏡システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、医療器具技術分野に関し、具体的には、使い捨て軟性尿管鏡の導入装置及びその使用方法並びに腎盂尿管鏡システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年来、腎盂尿管鏡は、腎結石のような腎疾患の診断や治療のための通常の補助器具となっていた。それは、従来から、尿管を目視検査しにくく、尿管疾患について切開手術で治療しなければならないという状況を変える。現在、別体の軟性尿管鏡及び硬性尿管鏡が市販されている。硬性尿管鏡は、操作しやすく、尿管を通して腎盂に到達しやすいが、硬性尿管鏡の先端が屈曲不可能であるため、腎盂に入ってから方向を調節して各組の腎杯に入って様々な診断及び治療を行うことができない。軟性尿管鏡は、先端が単一方向や複数の方向に大角度で屈曲、転向することができるが、尿管を通して腎盂及び腎杯に入ることが困難である。x線による案内で腎盂及び腎杯に入ることができるが、x線の医者及び患者への損傷が大きい。
【0003】
従来技術において、腎盂尿管鏡は、ヒトの尿道から体内に入り、軟性鏡を所定の位置に配置するために、複数回操作を繰り返しなければならない。第1ステップにおいて、レンズを有する硬性尿管鏡をヒトの尿道から挿入して所定の位置を見付ける。該位置は、一般的には、病巣が所在する位置又は病巣に近接する位置であり、例えば、尿管内に到達する。第2ステップにおいて、硬性尿管鏡の作業通路を通してゼブラガイドワイヤを腎盂位置(レンズによって見つけることができる)に送入する。第3ステップにおいて、硬性尿管鏡を引き出し、硬性尿管鏡が完全に引き出されるまで、ゼブラガイドワイヤを腎盂位置に保留し続ける。第4ステップにおいて、細かい円頭部を有する導入シースユニットをゼブラガイドワイヤに沿って腎盂位置に押し進める(この場合、監視用レンズがないため、ブラインド挿入を行う)。第5ステップにおいて、導入シースユニット内部の案内シースを抜き出すと同時に、ゼブラガイドワイヤを抜き出し、導入シースを体内に保留する。第6ステップにおいて、軟性尿管鏡を導入シースに沿って腎盂部に挿入する。このような方法は、医者の操作工程を大幅に増加させ、患者の臓器の損傷程度を大幅に向上させ、操作しにくく、作業効率が低く、手術コストが高く、使用上の効果が高くない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来技術の欠点を解消するために、本発明は、手術の操作工程を減少させて作業効率を向上させることができる軟性尿管鏡の導入装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明が用いる技術的解決手段は以下のとおりである。
【0006】
軟性尿管鏡の導入装置であって、前記導入装置は、導入シースユニットを備え、前記導入シースユニットは、弾性を有する導入シースを含み、前記導入シースは、前記軟性尿管鏡に合わせた長尺状管体であり、前記軟性尿管鏡は、前記導入シース内に挿着される場合、前記軟性尿管鏡の外端部は、前記導入シースの外端部と面一であるか又は前記導入シースの外端部から僅かに突出している。
【0007】
本導入装置において、軟性尿管鏡は、硬性尿管鏡の機能を有し、軟性尿管鏡を搭載している導入シースは、尿道を経由して順に尿管に入って腎盂口に到達し、続いて、導入シースの推し進めが中止され、軟性尿管鏡は、腎盂内に到達するまで、推し進められて続ける。
【0008】
好ましくは、前記導入シースの外径は、2-8mmである。
【0009】
好ましくは、前記導入シースユニットは、前記導入シースユニットに接続されるガイドシース本体を更に含み、前記軟性尿管鏡は、前記ガイドシース本体を貫通して前記導入シースに挿入されることが可能であり、前記軟性尿管鏡の外端部は、前記導入シースの外端部と面一であるか又は前記導入シースの外端部から僅かに突出しており、前記導入シースユニットは、前記軟性尿管鏡を固定するための固定ホルダを更に含み、前記固定ホルダは前記ガイドシースの他端に接続され、前記軟性尿管鏡の内端部は、前記固定ホルダに取り外し可能に設けられる。
【0010】
好ましくは、前記ガイドシース本体における前記導入シースに近接する一端にガイドシース通路が設けられ、前記ガイドシース本体の他端に、前記軟性鏡が貫通する凹溝が設けられ、前記凹溝は、前記ガイドシース通路と連通し、前記ガイドシース通路は、前記導入シースと連通する。
【0011】
好ましくは、前記ガイドシース本体に排水通路が更に設けられ、前記排水通路は、前記ガイドシース通路と連通する。
【0012】
好ましくは、前記ガイドシース通路における前記凹溝に近接する箇所に、前記軟性鏡及び前記ガイドシース通路を封止するためのガイドシース封止部材が設けられ、前記ガイドシース封止部材は、前記ガイドシース通路と締まりばめされる。
【0013】
好ましくは、前記ガイドシース本体の端部に固定リブが設けられ、前記固定ホルダの対応する端部に、前記固定リブに合わせた固定バックルが設けられ、前記固定ホルダは、固定リブと固定バックスとの係合によって、前記ガイドシース本体に取り外し可能に接続される。
【0014】
好ましくは、前記ガイドシース本体の側面に、ガイドシースハンドルが設けられる。
【0015】
本発明の別の目的は、上記導入装置の使用方法を提供することにある。
【0016】
該方法は
潅流液を流し始めるステップ1)と、
前記軟性尿管鏡を搭載している導入シースユニットの導入シースをヒトの尿道口から尿道に挿入するステップ2)と、
軟性尿管鏡を搭載している導入シースを、尿道を経由して順に尿管及び腎盂口に進入させ、続いて前記導入シースの推し進めを中止し、前記軟性尿管鏡を、腎盂内に到達するまで、推し進めて続けるステップ3)とを含む。
【0017】
本発明の別の目的は、腎盂尿管鏡システムを提供することにある。
【0018】
本腎盂尿管鏡システムは、軟性尿管鏡と上記導入装置とを備え、前記軟性尿管鏡は、前記導入シース内に挿着され、前記軟性尿管鏡の外端部は、前記導入シースの外端部と面一であるか又は前記導入シースの外端部から僅かに突出している。
【0019】
本腎盂尿管鏡システムにおいて、前記導入シースは、前記軟性尿管鏡を搭載して、尿道を経由して順に尿管に入って腎盂口に到達し、続いて、前記導入シースの推し進めが中止され、前記軟性尿管鏡は、腎盂内に到達するまで、推し進められて続ける。
【0020】
好ましくは、前記軟性尿管鏡は、軟性鏡本体と、軟性鏡ハンドルとを備え、前記軟性鏡本体は、ホースと、屈曲部材を介して前記ホースの外端部に接続されるレンズユニットとを含み、前記ホースの内端部は、前記軟性鏡ハンドルに固定接続され、前記レンズユニットは、前記軟性尿管鏡の外端部に位置する。
【0021】
好ましくは、前記導入シースの内径寸法は、均一であり、前記屈曲部材とレンズユニットの外径寸法は、いずれも前記ホースの外径寸法よりも大きく、前記ホースの外径寸法は、前記導入シースの内径寸法及び前記ガイドシース通路の径方向寸法よりも小さく、前記ホースと前記導入シースとの間、前記ホースと前記ガイドシース通路の内壁との間にいずれも通水隙間が形成され、腎盂内の液体と手術残渣は、前記通水隙間及び前記排水通路を経由して排出される。好ましくは、前記屈曲部材及びレンズユニットの外径寸法は、2.5-4.5mmであり、前記ホースの外径寸法は、1.5-4.0mmである。
【0022】
好ましくは、前記導入シースユニットが前記固定ホルダを含む場合、前記軟性鏡ハンドルは、前記固定ホルダに取り外し可能に設けられ、前記軟性鏡本体は、前記導入シース内に設けられ、前記レンズユニットの外端部は、前記導入シースの外端部と面一であるか又は前記導入シースの外端部から僅かに突出している。
【0023】
好ましくは、前記レンズユニットは、レンズホルダを含み、前記軟性尿管鏡内に、作業通路が設けられ、前記作業通路は、前記軟性鏡ハンドルから順に前記ホース及び屈曲部材を貫通し、前記レンズホルダ内に入り込み、前記レンズホルダに、前記作業通路と連通するための貫通孔が設けられ、貫通孔は、潅流液を送り込むためのものであり、前記レンズユニットは、前記レンズホルダ内に設けられる撮像通路及び照明通路を更に含み、前記撮像通路内に、カメラ装置が設けられ、前記照明通路内に、照明通路が設けられ、前記屈曲部材は、スネークボーンユニットと、前記スネークボーンユニットの端部を固定するための固定ラックとを含み、前記スネークボーンユニットの一端部は、前記固定ラックを介して前記ホースに接続され、前記スネークボーンユニットのもう1つの端部は、前記レンズホルダに接続される。
【発明の効果】
【0024】
従来技術に比べて、本発明の有益な効果は以下のとおりである。
【0025】
本発明は、腎盂尿管鏡システムを提供し、軟性尿管鏡を硬性導入シースユニットに固定することで、軟性尿管鏡に硬性尿管鏡の硬度及び機能を持たせ、軟性尿管鏡を迅速に腎盂位置に到達させると共に、軟性尿管鏡の先端のカメラ等のレンズユニットを利用してリアルタイムで観察し、挿入プロセスを内視方式で行い、操作の正確性及び信頼性を更に確保することができる。前記軟性尿管鏡を搭載している硬性導入シースユニットが、腎盂口に入ってから、軟性尿管鏡の先端の制御可能な屈曲という特徴を利用して、軟性尿管鏡は、構造が複雑である腎盂内に入って検査及び治療を行い、全過程において、医者は1つのステップのみの操作を行い、手術器具の変更を必要とせず、手術が簡単で迅速であり、作業効率が高く、使用される装置が少なく、消毒工程が少なく、損失が少なく、手術コストが大幅に低下し、手術時間が減少され、患者の体への損傷及び交互汚染の発生確率が大幅に低下する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】本腎盂尿管鏡システムの構成を示す概略図である。
図2】本腎盂尿管鏡システムを示す断面図である。
図3】軟性尿管鏡の構成を示す概略図である。
図4】レンズホルダと軟性鏡本体との接続構成を示す概略図である。
図5図4のA部を示す拡大図である。
図6】レンズホルダの構成を示す概略図である。
図7】ホースとホース封止部材との接続構成を示す概略図である。
図8】屈曲部材とレンズホルダとの接続構成を示す概略図である。
図9】給水継手の構成を示す概略図である。
図10】作業通路と給水継手との接続構成を示す概略図である。
図11】導入シースユニットを示す分解図である。
図12】導入シースユニットを示す断面図である。
図13】ガイドシース本体の構成を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面及び発明を実施するための形態を参照しながら本発明を更に詳しく説明する。
【0028】
図1及び図2を参照すると、本実施例が提供する使い捨て軟性腎盂尿管鏡システムは、軟性尿管鏡1と、導入ユニットとした導入シースユニット20とを備え、軟性尿管鏡10は、導入シースユニット20に搭載されて固定されて腎盂組織に入る。
【0029】
具体的には、図3に示すように、軟性尿管鏡10は、軟性鏡本体100と、軟性鏡本体100に接続される軟性鏡ハンドル110とを含み、軟性鏡本体100は、順に接続されるホース102、屈曲部材120及びレンズホルダ130を含む。
【0030】
図4及び図5に示すように、軟性尿管鏡10の構成は以下のとおりである。軟性鏡本体100内に作業通路101が設けられ、軟性鏡本体100の一端(即ち、ホース102の一端)は、軟性鏡ハンドル110を貫通して軟性鏡ハンドル110に固定接続され、作業通路101は、軟性鏡ハンドル110の自由端からホース102に挿入され、ホース102内を貫通してから、更に屈曲部材120を貫通してレンズホルダ130の内部に入る。
【0031】
図6に示すように、レンズホルダ130の内部に、作業通路101と連通するための貫通孔131が設けられ、潅流液を送り込むために、貫通孔131が設けられる。レンズホルダ130における、貫通孔131に対応する下方の位置に、撮像通路132が設けられ、撮像通路132内に、手術過程をリアルタイムでモニタリングするためのカメラ装置が設けられる。レンズホルダ130における、貫通孔131に対応する片側の位置に、照明通路133が設けられ、照明通路133内に、ガイドビームによって照明するための照明装置が設けられ、照明通路133に対向する他方側に、屈曲部材120の転向ワイヤを取り付けるための2つのブラインドビア134が設けられる。レンズホルダ130、カメラ装置及び照明装置は、レンズユニットを構成する。レンズユニットの外径寸法は、レンズホルダ130の外径寸法である。
【0032】
図11及び図12に示すように、尿管導入シースユニット20は、主に、順に接続される導入シース200と、ガイドシース本体210と、軟性尿管鏡10を固定するための固定ホルダ220とを含む。導入シース200は、長尺状管体であり、その構造は、真っ直ぐに張った軟性鏡本体100の構造に適合し、導入シース200の材質は、金属又はプラスチックであり、剛性が高く、また一定の弾性を有し、外力で弾性変形が可能である。導入シース200の一端は、ガイドシース本体210内に固定される。軟性尿管鏡10と硬性尿管導入シースユニット20を組み合わせて使用する場合、軟性鏡本体100は、ガイドシース本体210を経由して導入シース200内に挿入され、且つ軟性鏡本体100の先端は、導入シース200の先端と面一であるか又はほぼ面一である。軟性鏡ハンドル110は、取り外し可能に固定ホルダ220に設けられる。ここで、ほぼ面一であることとは、軟性鏡本体100の先端が導入シース200の先端から0-3mm突出してもよく、肉眼で観察すれば、面一であり、尿道や尿管の内壁の損傷を避けるために、導入シース200の先端が、軟性鏡本体100の先端から突出していないことを指す。
【0033】
具体的には、図13に示すように、ガイドシース本体210における導入シース200に近接する一端にガイドシース通路211が設けられ、ガイドシース本体210の他端に、軟性鏡本体100が貫通する凹溝212が設けられ、該凹溝212は、ガイドシース通路211と連通する。導入シース200の端部は、ガイドシース通路211内に封止方式で挿着され、ガイドシース通路211における導入シース200から離れる一端の内径は、凹溝212に近接する方向へ次第に増大する。ガイドシース通路211における凹溝212に近接する位置に、ガイドシース封止部材213が設けられ、該ガイドシース封止部材213は、軟性鏡本体100及びガイドシース通路211を封止するためのものであり、ガイドシース封止部材213は、ガイドシース通路211と締まりばめされ、潅流液の漏れを効果的に防止することができる。ガイドシース本体210におけるガイドシース通路211の上方に対応する位置にガイドシースハンドル215が設けられ、該ガイドシースハンドルは、医者によって簡単に把持され、従来の使用習慣を変える必要もない。ガイドシース本体210における凹溝212に近接する端部に固定リブ216が設けられる。これに対応して、固定ホルダ220の端部に、固定リブ216に合わせた固定バックル221が設けられ、固定ホルダ220は、固定リブ216と固定バックル221との係合によって、ガイドシース本体210に取り外し可能に接続される。固定ホルダ220に軟性鏡バックル222が設けられ、軟性鏡ハンドル110は、軟性鏡バックル222に係着され、軟性尿管鏡10を好適に固定して位置決めする。また、図1及び図2を参照すると、軟性鏡本体100を、凹溝212及びガイドシース通路211を介して導入シース200内に挿入し、軟性鏡本体100の先端と導入シース200の先端を面一にし、軟性鏡ハンドル110を固定ホルダ200の軟性鏡バックル222に係着することで、軟性尿管鏡10を硬性導入シースユニット20に固定する。
【0034】
前記ホース102は、好ましくは、金属硬性管を弾性体に切断することで製造されたものであり、即ち、金属硬性管の外表面でその軸方向に沿ってらせん状にノッチングしてから軟性金属管を形成し、ホース102が一定の構造強度を確保すると同時に、優れた柔軟性を持たせ、軟性鏡本体100が連続的に屈曲することができるようにする。軟性鏡本体100は、ホース封止部材103を更に含む。該ホース封止部材103は、ホース102の外表面に設けられ、ホース102を封止して保護する。ホース102とホース封止部材103とは、接着剤による接着で密封して固定してもよいし、熱収縮管をホース封止部材103として使用してもよい。熱収縮の方式でホース封止部材103をホース102の外表面に固定し、ホースを封止して固定し、ホース102の腐食を効果的に防止することができる。
【0035】
前記屈曲部材120は、少なくとも1つの揺動自由度を有し、転向ワイヤによってその屈曲方向を調整するようにし、作業通路101の入口を正確に腎盂位置に到達させる。従って、屈曲部材120が屈曲自在になることが求められる。本実施例において、屈曲部材120は、スネークボーンユニットと、スネークボーンユニットの端部を固定するための固定ラック121とを含み、具体的な接続関係は以下のとおりである。
【0036】
図8に示すように、スネークボーンユニットの一端部は、固定ラック121を介してホース102に接続され、スネークボーンユニットの別の端部は、レンズホルダ130に接続され、これによりレンズホルダ130と作業通路101の転向機能を実現させる。
【0037】
図3、9及び図10に示すように、本実施例において、作業通路101は、給水継手170を介して軟性鏡ハンドル110内に固定される。給水継手170は、接続チャンバ171を有する継手本体を含み、継手本体内に、作業通路101と接続するための接続通路172が設けられ、該接続通路172は、接続チャンバ171と連通する。継手本体における接続通路172に近接する一端に、支持板173が設けられ、該支持板173に、作業通路101を支持するための凹溝がもうけられる。継手本体の外周面に少なくとも1つの係止溝174が設けられ、給水継手170は、該係止溝174を介して軟性鏡ハンドル110に係着される。
【0038】
好ましい実施形態において、図13に示すように、前記ガイドシース本体21に、排水通路214が更に設けられる。前記排水通路214は、前記ガイドシース通路211と連通し、前記導入シース200の内径寸法は、均一である。前記屈曲部材120及び前記レンズユニットの外径寸法は、いずれも前記ホース102の外径寸法よりも大きく、屈曲部材120及びレンズユニットの外径寸法を、導入シース200の内径寸法と適合させる。前記ホース102の外径寸法は、前記導入シース200の内径寸法及びガイドシース通路211の径方向寸法よりも小さく、ホース102と前記導入シース200との間、ホース102とガイドシース通路211の内壁との間にいずれも通水隙間が形成され、腎盂内の液体と手術残渣は、前記通水隙間及び前記排水通路214を経由して排出される。具体的には、前記屈曲部材120及びレンズホルダ130の外径寸法は、2.5-4.5mmであり、前記ホース102の外径寸法は、1.5-4.0mmであり、屈曲部材120及びレンズユニットの長さは、35-100mmの範囲内にあり、ホース102の長さは、550-650mmの間にある。該設計の目的は以下のとおりである。屈曲部材120及びレンズユニットの外径寸法は、導入シース200の内径寸法に適合し、軟性尿管鏡の先端と導入シースの先端との径方向の隙間を小さくし、明らかな段差を形成することなく、ヒトの尿道から挿入する場合に、患者の苦痛を増加させることを避け、また、ヒトの尿道から挿入する過程において、軟性尿管鏡の先端と導入シースの先端との相対的な安定性を確保することができる。一方で、シースユニットの推し進めが中止される場合、軟性尿管鏡は、レンズユニット及び屈曲部材120が腎盂内に進入して砕石術を行うまで、推し進められて続ける。ホース102の径方向寸法が小さいため、ホース102と導入シース200やガイドシース通路211との隙間が大きく、腎盂内に注入される液体や破砕された結石を排水通路214から排出しやすくし、給水通路と対向流を形成し、水流量を調整することもでき、チャンバ内の対象物を対向流によって洗浄して砕石を排出するだけでなく、チャンバ内の圧力が大きすぎて、液体の逆流による尿性敗血症が発生して、ひいては患者の生命を脅かすという状況を避けることができる。屈曲部材120の外部にゴム層が更に嵌設される場合、ゴム層の外径寸法は、前記ホース102の外径寸法より大きい。軟性尿管鏡10と導入シースユニット20を固定した後、本導入装置の使用方法は具体的には下記ステップを含む。
【0039】
1)潅流液を流し始め、カメラ装置及び照明装置を起動し、軟性尿管鏡10に接続される表示ディスプレイに、レンズホルダ130の先端のリアルタイム画像をリアルタイムで表示する。
【0040】
2)導入シースユニット20の導入シース200を、ヒトの尿道口から尿道に挿入し、軟性鏡本体100を、導入シース200と共に人体内に配置する。医者は、手でガイドシースハンド215を手で握って導入シース200及び軟性鏡本体100を患者の体内に挿入し、挿入過程において、表示ディスプレイによって、挿入過程全体を観察し、挿入方向及び速度を適時に調整する。
【0041】
3)膀胱を通過して、尿管の下端の入口を見つけてから、引き続き尿管内に一定の距離通過して腎盂口に到達した後、導入シースユニット20の推し進めを中止し、仮固定を行い、固定ホルダ220における軟性鏡ハンドル110を取り外し、軟性鏡本体100を導入シース200に沿って前へ推し進めて続け、腎盂に入ると、検査や手術を行うことができる。
【0042】
これから分かるように、本発明は、軟性尿管鏡10を導入シースユニット20に固定することで、軟性尿管鏡10を導入シースユニット20に搭載する。従来の腎盂鏡に比べて、1つのステップのみの操作によって腎盂位置に正確に到達することができる。作業効率が大幅に向上し、ゼブラガイドワイヤ等の装置を必要とせず、使用される装置が少なく、手術のコストが効果的に低下し、手術時間を節約し、患者の損傷を減少させる。また、カメラ装置及び照明装置が常にレンズホルダ130の先端に設けられるため、挿入過程及び手術過程全体を視認可能にする。
【0043】
本発明に用いられる軟性のものと硬性のものを組み合わせた腎盂尿管鏡システムの原理及び構造は、膀胱鏡、大腸内視鏡又は子宮鏡などのような他の内視鏡に適用可能であり、適用範囲が広い。
【0044】
上記実施形態は本発明の好適な実施形態に過ぎず、本発明の保護範囲を限定するためのものではない。当業者により本発明に基づいて行われる如何なる実質的でない変更及び置換はいずれも請求された本発明の範囲内に含まれる。
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図13