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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】玩具用テーブル
(51)【国際特許分類】
   A63H 3/50 20060101AFI20220328BHJP
   A63H 31/08 20060101ALI20220328BHJP
   A47F 5/025 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A63H3/50 C
A63H31/08 A
A47F5/025
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2017056709
(22)【出願日】2017-03-22
(65)【公開番号】P2018157946
(43)【公開日】2018-10-11
【審査請求日】2020-03-12
(73)【特許権者】
【識別番号】510302618
【氏名又は名称】デジタルファクトリー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100090169
【弁理士】
【氏名又は名称】松浦 孝
(74)【代理人】
【識別番号】100124497
【弁理士】
【氏名又は名称】小倉 洋樹
(72)【発明者】
【氏名】樋口 裕二
(72)【発明者】
【氏名】中野 浩之
【審査官】鈴木 崇雅
(56)【参考文献】
【文献】登録実用新案第3003440(JP,U)
【文献】実開昭58-073293(JP,U)
【文献】米国特許第05601471(US,A)
【文献】特開2002-301276(JP,A)
【文献】特開昭62-277985(JP,A)
【文献】実開平02-035784(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63H 1/00-37/00
A47F 5/00-16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状のハウジング構造である矩形の基台と、
基台上面側の側面に、玩具を支持する支持部材を設置可能な環状展示面を形成した被駆動歯車と、
基台上面側の側面に、手動操作される回転操作面を形成した駆動歯車とを備え、
前記回転操作面と前記環状展示面とが、基台上面の一部を構成し、
前記環状展示面が、手動操作による前記回転操作面の軸回転に応じて、軸回転することを特徴とする玩具用テーブル。
【請求項2】
前記被駆動歯車が、基台上面側の側面に、前記環状展示面に囲まれる凹部を有し、
基台上面の一部を構成し、前記支持部材を取り付け可能な装着部が設けられた円状展示面を形成した円板体が、前記凹部に収容されることを特徴とする請求項1に記載の玩具用テーブル。
【請求項3】
前記環状展示面に、前記支持部材を取り付け可能な複数の装着部が設けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の玩具用テーブル。
【請求項4】
前記環状展示面が、同軸的な複数の環状面で構成されることを特徴とする請求項3に記
載の玩具用テーブル。
【請求項5】
前記円板体が、基台上面に対して固定されていることを特徴とする請求項2に記載の玩
具用テーブル。
【請求項6】
前記円板体が、基台上面に対して軸回転することを特徴とする請求項2に記載の玩具用
テーブル。
【請求項7】
前記円板体が、前記基台に対して取り外し可能であることを特徴とする請求項2、5、
6のいずれかに記載の玩具用テーブル。
【請求項8】
前記回転操作面に、指を掛ける操作穴が設けられていることを特徴とする請求項1乃至
7のいずれかに記載の玩具用テーブル。
【請求項9】
前記駆動歯車および前記被駆動歯車と噛み合う中間歯車をさらに備えることを特徴とす
る請求項1乃至8のいずれかに記載の玩具用テーブル。
【請求項10】
請求項1乃至9のいずれかに記載の玩具用テーブルを複数備え、互いに連結可能な玩具
用テーブルキット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィギュア、模型といった玩具などを展示、設置等するテーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
人、動物、あるいはアニメキャラクタなどのフィギュア、または飛行機といった模型などの玩具は、テーブル(スタンド)などに置いた状態で室内に保管されることが多い。例えば、フィギュアなどの玩具を様々な角度から鑑賞するため、テーブルが自動回転するターンテーブルが使用される(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
また、フィギュアを様々な姿勢で鑑賞するため、揺動自在な複数の連結部を設けた支柱でフィギュアを保持し、支柱をテーブルに設置することも可能である(特許文献2参照)。連結部の角度を変えることにより、フィギュアを好みの姿勢、位置に定めることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実用新案登録第3085233号公報
【文献】実用新案登録第3165309号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィギュアなどの玩具を鑑賞するときの好みの角度(方向)、姿勢は、ユーザによって様々であり、一つに限らない。しかしながら、ターンテーブルでは玩具が自動的に回転し続けるため、所望する方向で暫くの間眺めることができない。また、支柱の連結部の角度を調整する作業は煩雑な作業となる。
【0006】
したがって、フィギュア、模型といった玩具などをテーブル上で思いのままに操ることが求められる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の玩具用テーブルは、基台と、基台上面に設けられ、玩具を支持する支持部材を設置可能な可動部と、基台上面もしくは基台側面に設けられ、手動操作される入力操作部と、入力操作部と可動部とを連結する駆動機構とを備え、可動部が、入力操作部に対する手動操作に応じて連動する。
【0008】
可動部は、基台上面の一部領域で軸回転することができる。また、駆動機構は、基台上面より下で入力操作部と可動部とを連結することが可能である。可動部および入力操作部の少なくともいずれか一方が、駆動機構の一部として構成することが可能である。
【0009】
可動部が軸回転する場合、例えば可動部は、支持部材を取り付け可能な装着部を設けた円板体を設けることができる。また、可動部は、支持部材を設置可能な装着部を設けた環状体を設けることができる。この場合、複数の装着部が環状体に設けられる構成にすることができる。また、環状体は、同軸配置される複数の環状体で構成することができる。
【0010】
円板体は、基台上面に固定されていてもよく、あるいは円板体は軸回転することができる。例えば円板体は、基台に対して取り外し可能であって、固定式あるいは回転式円板体を選択的に装着すればよい。装着部は、環状体もしくは円板体の軸回転に応じて自身の軸回りに回転する、すなわち自転することができる。あるいは装着部は、入力操作部に対する手動操作に応じて昇降することが可能である。
【0011】
可動部は、入力操作部と同じ方向に軸回転することができる。また、入力操作部は、基台上面で軸回転する回転操作面を設けることが可能である。可動部は、基台上面で回転操作面と対向配置させることができる。
【0012】
駆動機構は、基台の長手方向に沿って配置された複数の歯車を備えた構成にすることができる。例えば駆動機構は、入力操作部と連結する駆動歯車と、駆動歯車と連結する中間歯車と、中間歯車と連結し、可動部と連結する被駆動歯車とを備える。駆動歯車と被駆動歯車とを、基台の中央ライン上に沿って配置することができる。
【0013】
中間歯車および被駆動歯車は、2つの歯車を同軸配置させた二重構造にすることができる。また、被駆動歯車が、その側面において波状表面を形成することも可能である。
【0014】
一方、可動部は、基台に対して昇降するように構成することが可能である。例えば駆動機構は、入力操作部と連結する駆動歯車と、駆動歯車と連結する中間歯車と、中間歯車に対して基台上方へ延びるように取り付けられ、ネジ部を形成した回転軸とを備え、可動部が、ネジ部と螺合する。
【0015】
本発明の他の態様における玩具用テーブルは、板状基台と基台上面に設けられ、玩具を支持する支持部材を設置可能な可動部と、基台内部に設けられ、可動部を動かす被駆動歯車とを備え、被駆動歯車の歯部が、基台側面方向に向けて部分的に露出している、あるいは部分的に露出可能である。
【0016】
あるいは、本発明の他の態様における玩具用テーブルは、板状基台と基台上面もしくは側面に設けられ、手動操作される入力操作部と、基台内部に設けられ、入力操作部を動かす駆動歯車とを備え、被駆動歯車の歯部が、基台側面方向に向けて部分的に露出している、あるいは部分的に露出可能である。また、駆動歯車と被駆動歯車および可動部と入力操作部をともに設けた玩具用テーブルを構成することも可能であり、いずれか一方の歯車に対して露出する、あるいは露出可能なように構成することができる。
【0017】
露出可能にする、すなわち外部パーツと連結可能な状態と連結できない状態との入れ替え(露出と非露出との切り替え)可能な構成として、例えば、基台側面に設けられ、取り外し可能に装着される少なくとも1つのカバー部材を設けることができる。カバー部材は、駆動歯車の歯部と最も近い側面部分に設ければよく、複数のカバー部材を、互いに対向する基台側面に設けることができる。特に、複数のカバー部材を、被駆動歯車と向かい合う3つの基台側面に設けることで縦方向、横方向の連結を可能にする。
【0018】
このような玩具用テーブルに対し、例えば、玩具用テーブル2つを隣接配置させたときに隣り合う2つの駆動歯車を連結する補助連結歯車を備えた補助連結パーツを提供することができる。また、玩具用テーブルに対して連結可能な電動歯車と、電動歯車を駆動する駆動部とを備えたことを特徴とする電動ユニットを提供することができる。さらに、玩具用テーブルの可動部に取り外し可能に装着可能であって、玩具を支持する玩具用支持部材を提供することが可能である。そして、玩具用テーブルを複数備え、互いに連結可能な玩具用テーブルキットを提供することも可能である。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、テーブル上の玩具を、ユーザの好みに合わせて動かすことができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】第1の実施形態である玩具用テーブルの正面図である。
図2】第1の実施形態である玩具用テーブルの背面図である。
図3】第1の実施形態である玩具用テーブル側面図である。
図4】第1の実施形態である玩具用テーブル底面図である。
図5】基台裏側から見たときの基台内部機構を示した平面図である。
図6】基台内部の駆動機構を示した側面図である。
図7】可動部と入力操作部の回転を示した図である
図8】玩具用テーブルの補助パーツの正面図である。
図9】円板体と図8に示した固定用円板との交換状態を示した玩具用テーブルの斜視図である。
図10】2つの玩具用テーブルを横方向に連結させた状態を示す斜視図である。
図11】2つの玩具用テーブルを縦方向に連結した状態を示す斜視図である。
図12】玩具用テーブルを電源ユニットに連結した状態を示す斜視図である。
図13】第2の実施形態における玩具用テーブルの斜視図である。
図14図13に示す玩具用テーブルを基台側面側から見た側面図である。
図15】第3の実施形態である玩具用テーブルを部分的に示した正面図である。
図16】第4の実施形態における玩具用テーブルの斜視図である。
図17】第5の実施形態である玩具用テーブルを示した斜視図である。
図18】第6の実施形態である玩具用テーブルの斜視図である。
図19】玩具用テーブルの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照して本発明の実施形態について説明する。
【0022】
図1~4は、それぞれ、第1の実施形態である玩具用テーブルの正面図、背面図、側面図、底面図である。
【0023】
玩具用テーブル10は、人、動物、アニメキャラクタなどのフィギュア、飛行機などの模型その他の玩具を設置可能な鑑賞用テーブルであり、テーブル本体となる基台20、可動部30、入力操作部40を備える。基台20は、板状のハウジング構造になっており、玩具が設置、展示される基台上面20Uとその裏側の底面20B、そして、長手方向に沿って延びる側面20S1、20S2とそれに直交する側面20S3、20S4をもつ。
【0024】
可動部30は、軸回転可能な円板体50と、その周囲に配置されて軸50Xを中心に軸回転可能な環状体60とを備え、基台側面20S3の近くに配置されている。基台上面20Uの一部領域である円板体50および環状体60は、フィギュアなどを設置する展示面30Dとして構成される。円板体50の軸50X付近には、玩具を支持/保持する支柱800(図3参照)を取り付け可能な支柱固定穴50Aが形成されている。フィギュアなどの玩具は、支柱800の先端側に設けられた保持アーム800Aによって保持される。また、環状体60には、同じく支柱800を装着可能な支柱固定穴60A、60B、60C、60Dが周方向に90度間隔で形成されている。円板体50は、基台20に対して取り外し可能である。
【0025】
入力操作部40は、基台20の長手方向に沿って可動部30と対向し、基台20の側面20S4の近くに配置されている。入力操作部40は、軸40Xを中心として軸回転可能な回転操作面40Rを備え、ユーザの指を掛ける操作穴42A、42Bが対向配置されている。円板体50の軸50X、回転操作面40の軸40Xは、基台20の幅方向中央ラインXに位置し、展示面30Dおよび回転操作面40Rは、基台上面20Uの中央ラインXに対して対称的配置となっている。
【0026】
基台20の側面20S1、20S2には、基台20を支持する補助支持パーツ22A、22Bが対向するように取り付けられている。また、基台側面20S1、20S2、20S4には、カバー部材24A、24B、24Cが取り付けられている。カバー部材24A、24B、24Cが取り外されると、基台20内の機構の一部が、基台側面20S1、20S2、20S4に沿って外部に露出される。
【0027】
図5は、基台裏側から見たときの基台内部機構を示した平面図である。ここでは基台底面20Bを図示していない。また、図6は、基台内部の駆動機構を示した側面図である。
【0028】
基台20の内部には、駆動機構60Dが設けられている。駆動機構60Dは、駆動歯車62、中間歯車64、被駆動歯車66から構成されている。駆動歯車62、中間歯車64、被駆動歯車66は、その軸が基台20の中央ラインX上に位置するように長手方向に沿って配置されている。
【0029】
駆動歯車62は、その一側面が回転操作面40Rとして構成されており、回転操作面40Rを備えた入力操作部40は、駆動歯車62に対して同軸的に配置されている。駆動歯車62の中心に取り付けられた回転軸61は、基台底面20Bに設けられた軸受け(図示せず)に対して回転自在に取り付けられている。駆動歯車62の歯部62Tと中間歯車64の歯部64Tが噛み合うことで、駆動歯車62が中間歯車64と連結する。
【0030】
被駆動歯車66は、その歯部66Tが中間歯車64の歯部64Tと噛み合うことにより、中間歯車64と連結する。被駆動歯車66の回転軸65は、基台底面20Bに設けられた軸受けに対して回転自在に取り付けられている。また、被駆動歯車66は、その一側面が環状体60として構成されており、環状体60は被駆動歯車66に対して同軸的に配置されている。さらに被駆動歯車66には、円板体65を収容する凹部21が形成されている。
【0031】
駆動機構60Dは、基台上面20Uの下方、すなわち基台20内部で回転操作面40R(入力操作部40)と展示面30D(可動部30)とを連結するとともに、回転操作面40R、展示面30Dを構成する。すなわち、駆動機構60Dの一部が可動部30および入力操作部40として構成されている。駆動機構60Dを介した可動部30、入力操作部40との連結により、入力操作部40が操作されると、可動部30の展示面30Dが連動して軸回転する。
【0032】
図7は、可動部30と入力操作部40の回転を示した図である。入力操作部40を軸回転させると、可動部30の円板体50および環状体60は、ともに回転操作面40Rと同じ方向に回転する。例えば、フィギュアを取り付けた支柱800を円板体50の支柱固定穴50Aに取り付けると、フィギュアは展示面30Dの中心で軸回転する。
【0033】
可動部30は、入力操作部40の回転に連動する。したがって、ユーザは、入力操作部40を自在に操作することで、フィギュアを任意の位置へ動かすことができる。また、入力操作部40の回転量に合わせて可動部30の回転量が定まり、入力操作部40を停止させると可動部30も停止する。したがって、フィギュアを好みの角度、姿勢となる位置まで移動させて停止させることが容易であり、その位置を保持したまま暫く鑑賞することができる。さらに、入力操作部40は時計回り、反時計回りいずれの方向にも回転するため、フィギュアの動きを両方向から眺めることができる。
【0034】
一方、支柱800を環状体60の支柱固定穴60Aに取り付けた場合、フィギュアは展示面30Dの周囲に沿って周回することになる。例えば、アニメや映画に出てくる戦闘機などの模型を支柱800で保持することにより、その模型を展示面30D上方で周回させることができる。さらに、支柱固定穴60B、60C、60Dにも模型を取り付けた他の支柱を取り付けることで、最大4つの模型を展示面30D上で周回させることが可能である。例えば、互いに敵同士の戦闘機の模型を対面するように2つの支柱に取り付けることにより、空中(あるいは宇宙空間)での追撃シーンを想起させる動きを模型に持たせることができる。
【0035】
図8は、玩具用テーブル10の補助パーツの正面図である。玩具用テーブル10は、一部パーツを交換可能であり、パーツ交換によって鑑賞のバリエーションを持たせている。図8には、補助連結パーツ70、連結用支持部材80、固定用円板体90を示している。
【0036】
図9は、円板体50と図8に示した固定用円板体90との交換状態を示した玩具用テーブル10の斜視図である。
【0037】
円板体50が装着される基台20の凹部21には、差し込み穴23が形成されている。円板体50の軸50Xに設けられた凸部(図示せず)は、被駆動歯車66と一体的な差し込み穴23に嵌合する。これによって、円板体50が被駆動歯車66に連動して軸回転する。一方、固定用円板体90には、凹部21に形成された係止部25に嵌る切欠き部25Aが形成されており、固定用円板体90は基台20に固定される。これによって、固定用円板体90は被駆動歯車66に連動せず、支柱固定穴90Aに装着された支柱に保持される玩具は、軸回転しない。
【0038】
環状体60が軸回りに回転する一方で固定用円板体90が静止していることで、フィギュアなどの玩具をアニメ、特撮テレビドラマ、映画などの一シーンに見立てて鑑賞することができる。例えば、ヒーローキャラクタのフィギュアを固定用円板体90上に展示し、悪役キャラクタのフィギュアを環状体60上で複数展示して環状体60を軸回転させることにより、戦闘シーンを再現することができる。
【0039】
一方、固定用円板体90に差し込む支柱800は、フィギュアなどの玩具だけでなく、電源付ライト(LEDなど)を取り付けることができる。ライトを取り付けた支柱800を固定用円板体90に設置することにより、展示面30D上で周回する模型に対して照明効果を与えることが可能となる。あるいは、環状体60にライト付き支柱を設置することにより、固定用円板体90上に設置されたフィギュアに向けて照明光を当てることが可能となる。特に、色の異なる複数のライトを環状体60上に設置することによって、環状体60が回転したときにフィギュアに当たる照明光が次々と変化し、照明効果を高めることができる。
【0040】
図10は、2つの玩具用テーブルを横方向に連結させた状態を示す斜視図である。玩具用テーブル10は、横方向に連結することによって可動部の軸回転を連動させることが可能である。玩具用テーブル10から補助支持パーツ22A、22Bおよびカバー部材24A~24Cを玩具用テーブル10から取り外すと、駆動歯車62が基台側面方向に沿って露出し、外部パーツと連結可能となる。そして、図8に示す補助連結パーツ70および連結用支持部材80を、連結側面に合わせて装着する。そして、同じ構成である玩具用テーブル10’を隣り合わせで設置する。
【0041】
補助連結パーツ70の中心部に設けられた回転軸71に取り付けられた補助歯車70Aは、カバー部材24A(もしくはカバー部材24B)を取り外した状態で装着すると、入力操作部40を回転させる駆動歯車62と噛み合い、連結する。玩具用テーブル10’も同様である。したがって、玩具用テーブル10、10’間に補助連結パーツ70を装着させることで、玩具用テーブル10’の可動部30’は、玩具用テーブル10の入力操作部40と連結する。
【0042】
入力操作部40が手動操作されると、玩具用テーブル10’の可動部30’が連動して可動部30と同方向に軸回転する。これにより、ユーザは、より多くのフィギュアなど玩具を展示し、横並びで同時に回転させることができる。また、一方の玩具用テーブルにライトを取り付け、他方の玩具用テーブル上に設置されたフィギュア、模型などを照らすようにすることもできる。
【0043】
図11は、2つの玩具用テーブルを縦方向に連結した状態を示す斜視図である。補助連結パーツ70をカバー部材24Cの取り外した箇所に設置し、玩具用テーブル10’を縦方向に隣り合わせで設置することにより、玩具用テーブル10の入力操作部40と、玩具用テーブル10’の可動部30’とを連結させることができる。ユーザは、比較的離れた位置に設置されるフィギュア、模型などを同方向に軸回転させることができる。
【0044】
図12は、玩具用テーブルを電源ユニットに連結した状態を示す斜視図である。電源ユニット95は、電動歯車96とモータなどの駆動部97を備える。カバー部材24Cを外し、電源ユニット95を基台側面20S4に隣接配置することにより、駆動部97が可動部30と連結する。これにより、自動で可動部30を回転させることができる。
【0045】
このように本実施形態では、玩具用テーブル10が、展示面30Dを含む可動部30と回転操作面40Rを含む入力操作部40とを備え、基台20内部には、回転操作面40Rを軸回転させる駆動歯車62と、中間歯車64と、展示面30Dを軸回転させる被駆動歯車66から成る駆動機構60Dが設けられている。そして、入力操作部40が回転操作されると、展示面30D(円板体50と環状体60)が、連動して同方向に軸回転する。
【0046】
基台上面20Uの一部領域を玩具展示領域として定め、展示面に対向する位置に入力操作部を設けることにより、フィギュアの位置決め、移動が容易となる。また、入力操作時の回転方向と同じ方向に展示面30Dが軸回転し、違和感が生じず、玩具を動かしやすい。特に、回転操作面40Rを設けることにより、微妙な入力操作を可能にする。
【0047】
駆動機構60Dは、基台上面20Uの下で入力操作部40と可動部30とを連結させるため、基台上面20U全体を平面状に形成することが可能であり、フィギュアなどの玩具を設置するときに障害とならない。また、支柱アームの長さ、取付方向を変えることで、展示面30Dの領域を超えて周回させ、あるいは基台上面20U間近で玩具を周回させることができる。
【0048】
本実施形態の玩具用テーブル10は、左右対称性のある板状の基台20で構成されている。そのため、ユーザは、スマートフォンなどの携帯機器と同じ感覚で基台20を保持し、手動操作することによって、水平ではない斜め方向に玩具を回転させることができる。さらに、回転操作面40R、展示面30Dは、それぞれ、駆動歯車62、被駆動歯車66の一部として構成され、一体的になっている。これにより、部品点数を減らすことができる。
【0049】
一方、玩具用テーブル10は、横方向、あるいは縦方向に連結することが可能であり、テーブルキットとして構成することも可能である。カバー部材24A~24Cを取り外して駆動歯車62を基台側面3方向から部分的に露出させ、補助連結パーツ70を設置することにより、互いの入力操作部および可動部が互いに連結する。
【0050】
駆動機構60Dを中央ラインXに沿って対称的に配置することにより、同じ形状、構造の補助連結パーツは、いずれの方向からも駆動歯車62と連結する。特に、3つの基台側面に対して補助連結パーツを取り付け可能なことから、玩具用テーブルの横方向の連結、縦方向の連結を可能にする。特に、横方向に関しては、多数の玩具用テーブルを連結することが可能となる。また、電動ユニットを連結することで自動回転させることもできる。なお、カバー部材を設けず、常時側面方向に向けて部分的に露出させてもよい。
【0051】
可動部30については、環状体60を被駆動歯車66と連動させずに固定し、円板体50のみを回転させるようにしてもよい。また、可動部30と被駆動歯車66を別々の部材として構成してもよい。基台20は板状に限定されず、六角形状など他の形にすることも可能である。また、駆動機構については、より多くの中間歯車で連結することも可能であり、ギア比を調整することで重量の大きな玩具などを回転させることができる。また、入力操作部と反対方向に可動部を回転させることもできる。
【0052】
本実施形態では、可動部と入力操作部が1つの基台に設けられているが、いずれか一方のみ設けられた連結専用の玩具用テーブルを設け、入力操作部のみのテーブルあるいは可動部のみのテーブルを組み合わせて連結させてもよい。また、被駆動歯車に対して補助連結パーツを介したテーブル間の連結を実現してもよく、あるいは、被駆動歯車と駆動歯車とを補助連結パーツによって連結する構成にしてもよい。この場合、カバー部材が可動部付近の側面に設けられる。さらに、横方向、縦方向連結だけでなく、補助支持パーツ22A、22B、補助連結パーツ70、連結用支持部材80の構造を変え、テーブル間で角度をもたせた連結構造にしてもよく、これによって複数の玩具用テーブルを周方向に並べることも可能となる。
【0053】
支柱以外の支持部材で玩具を支持するように構成してもよく、それに合わせて展示面上に支持部材を取り付ける装着部を構成すればよい。さらに、模型に取り付けられた支持部材を直接展示面に固定するようにすることも可能である。入力操作部については、基台側面に設ける構成(例えばダイヤル式操作部)にしてもよい。展示面については、円板体だけ、あるいは環状体だけで構成して軸回転させてもよい。さらに、支柱をあらかじめ基台に取り付けた構成にすることも可能である。補助連結パーツを介せずに互いに連結するように被駆動歯車のサイズを定めてもよい。なお、上述したように玩具以外のライト、アクセサリーなどの備品を支柱に取り付けることが可能であり、玩具以外の対象物に対してテーブル上に展示し、観察するようにすることもできる。
【0054】
次に、図13、14を用いて、第2の実施形態である玩具用テーブルについて説明する。第2の実施形態では、可動部の円板体と環状体が異なる速度で軸回転する。
【0055】
図13は、第2の実施形態における玩具用テーブルの斜視図である。図14は、図13に示す玩具用テーブルを基台側面側から見た側面図である。ただし、図13では、基台内部の駆動機構を示すように基台上面半分を取り除いて描いている。
【0056】
玩具用テーブル100は、基台20に可動部130、入力操作部140を設け、基台上面120Uの下には可動部130と入力操作部140とを連結する駆動機構160Dが設けられている。駆動機構は、駆動歯車162、中間歯車164、被駆動歯車166を備えている。
【0057】
中間歯車164は2重ギア構造であり、中間歯車164A、164Bが回転軸163に対して連動するように同軸的に取り付けられている。中間歯車164A、164Bは、ギア比および径の大きさが異なり、中間歯車164Bの径は中間歯車164Aの径よりも小さい。
【0058】
被駆動歯車166も同様に2重ギア構造であり、被駆動歯車166A、被駆動歯車166Bから構成されている。被駆動歯車166Bは回転軸165に対して取り付けられる一方、環状に形成された被駆動歯車166Aは、回転軸165に取り付けられておらず、被駆動歯車166Bに対しその側面で摺動する。
【0059】
環状体160は、被駆動歯車166Aの側面166A1に対して固定されており、被駆動歯車166Aの回転に連動して軸回転する。一方、円板体150は、被駆動歯車166Bの回転に連動して軸回転する。その結果、円板体150は環状体160に対して異なる回転速度で回転する。これにより、例えば、戦闘機などの模型を周回スピードを変えて動かすことができる。
【0060】
次に、図15を用いて第3の実施形態である玩具用テーブルについて説明する。第3の実施形態では、可動部が複数の環状体を備えている。
【0061】
図15は、第3の実施形態である玩具用テーブルを部分的に示した正面図である。玩具用テーブル200の基台220に設けられた可動部230は、円板体250と環状体260から構成される。さらに環状体260は、環状体260Aとその周囲に配置される環状体260Bから構成されている。
【0062】
図示しない駆動機構は、中間歯車、被駆動歯車がそれぞれ3重のギア構造であり、被駆動歯車の最下層歯車(図示せず)が回転軸と連動する一方、環状体260A、260Bがそれぞれその側面で構成される2つの環状歯車(図示せず)は互いに摺動する。互いにギア比の3つの中間歯車が回転することにより、円板体250、環状体260A、260Bはそれぞれ異なる回転速度で軸回転する。
【0063】
次に、図16を用いて、第4の実施形態である玩具用テーブルについて説明する。第4の実施形態では、支柱差し込み部分が自身の軸回りに回転する。
【0064】
図16は、第4の実施形態における玩具用テーブルの斜視図である。図13と同様、基台内部の駆動機構を一部図示している。
【0065】
可動部330は、円板体350と環状体360を備え、基台320内部には駆動歯車362、中間歯車364、被駆動歯車366を備えた駆動機構360Dが配置されている。円板体350は、図7に示した固定用円板体と同様、基台上面320Uでは軸回転しない。
【0066】
環状体360は、基台上面320Uと同一高さに位置する円板体350よりも基台底面側の低い位置に配置されており、その表面には支柱800を固定する支柱差し込み部材360A~360Dが、周方向に沿って回転自在に取り付けられている。支柱差し込み部材360Aは、環状体360に設けられた穴に対し、摺動自在に嵌っている。支柱差し込み部材360Aは歯部360A1を備え、円板体350の周囲に沿って形成された歯部355と噛み合う。他の支柱差し込み部材360B~360Dも同様の構造になっている。
【0067】
入力操作部340が回転すると、被駆動歯車366が回転し、それに伴って環状体360が回転する。支柱差し込み部材360A~360Dは、静止している円板体350と噛み合うことから、自身の軸回りに軸回転する。すなわち、支柱差し込み部材360A~360Dは、遊星歯車のように自転しながら周回する。これによって、より一層の視覚効果を高めることができる。
【0068】
なお、固定用円板体を回転用円板体に交換することも可能である。この場合、第2の実施形態のように回転速度の異なる円板体を設け、2重構造の中間歯車、被駆動歯車を備えた駆動機構を構成すればよい。
【0069】
次に、図17を用いて、第5の実施形態である玩具用テーブルについて説明する。第5の実施形態では、支柱差し込み部材がウェーブ運動しながら周回する。
【0070】
図17は、第5の実施形態である玩具用テーブルを示した斜視図である。玩具用テーブル400は、可動部430、入力操作部440を備え、基台上面420Uの下には駆動歯車462、中間歯車464、被駆動歯車466を備えた駆動機構460Dが配置されている。可動部430の円板体450は、第1の実施形態と同様に回転式円板体であり、被駆動歯車466の軸回転と連動して軸回転する。
【0071】
環状体460は、基台上面20Uと一体的であり、被駆動歯車466の回転に連動しない。また、被駆動歯車466の側面466Sは、波状の曲面で構成されている。すなわち、山と谷が交互に現れる表面が形成されている環状体460と被駆動歯車466との間には、その波形曲面に応じて空間が形成されている。支柱差し込み穴460A~460Dは、環状体460に等間隔で形成された穴に対して差し込まれている。
【0072】
入力操作部440を回転させると、被駆動歯車466が軸回転し、これに連動して環状体460が軸回転する。支柱差し込み穴460A~460Dは環状体460に固定されておらず、その軸方向長さは、その端部が被駆動歯車の波形側面466Sの基台底面側下限位置と基台上面側上限位置の中間位置となるように定められている。
【0073】
したがって、被駆動歯車466が軸回転すると、円板体450が回転する一方で環状体460は回転しない。それととともに、支柱差し込み穴460A~460Dが、被駆動歯車466の波形状の側面466Sによって周期的に上下に昇降する。
【0074】
このような構成により、円板体450上に設置され回転するフィギュアに対し、環状体460上に配置されたフィギュア、模型などが昇降する。例えば、馬などの模型を設置することで、メリーゴーランドのような動きを再現することができる。
【0075】
なお、固定式円板体を用いることも可能である。一方、第2の実施形態のように被駆動歯車466を2重同軸構造にする一方、円板体450と環状体460とを一体成形し、被駆動歯車466に対して回転速度が異なるように環状体460を軸回転させることが可能である。この場合、フィギュア、模型などが周回しながら上下に昇降する。
【0076】
次に、図18、19を用いて、第6の実施形態である玩具用テーブルについて説明する。第6の実施形態では、可動部が回転する代わりに基台に対して昇降する。
【0077】
図18は、第6の実施形態である玩具用テーブルの斜視図である。図19は、玩具用テーブルの側面図である。
【0078】
玩具用テーブル500は、可動部530、入力操作部540を備え、可動部530は、矩形状の昇降板550と4つの棒状支持部材580A~580Dとを備える。駆動機構560Dは、駆動歯車562と中間歯車564とを備え、中間歯車564には、雌ネジ575がその表面に形成された回転軸570が基台上方に向けて延びるように取り付けられている。
【0079】
支持部材580A~580Dは、可動部530の四隅に形成された穴に摺動可能に嵌合している。また、可動部530の回転軸570と向かい合う端面550Tは、雌ネジ575と螺合するように先細くなっている。昇降板550は、回転軸570との螺合、および支持部材580A~580Dの嵌合により、基台上面520上方で保持されている。
【0080】
入力操作部540を回転させると、中間歯車564の軸回転に連動して回転軸575が回転する。これに伴い、昇降板550が上昇、あるいは下降する。このような構成により、昇降板550に展示されるフィギュア、模型などの玩具をより効果的に展示することができる。例えば、アニメに登場するロボットの発進シーンや、アニメキャラクタのステージ登場シーンなどを再現させることができる。なお、玩具を支柱に取り付ける代わりに直接昇降板550に載せてもよい。
【符号の説明】
【0081】
10 玩具用テーブル
20 基台
30 可動部
30D 展示面
40 入力操作部
40R 回転操作面
50 円板体
60 環状体
60D 駆動機構
62 駆動歯車
64 中間歯車
66 被駆動歯車
70 補助連結パーツ
90 固定用円板体
800 支柱(支持部材)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19