(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】遮断回路のための電源供給回路
(51)【国際特許分類】
H02J 1/00 20060101AFI20220328BHJP
H02M 7/06 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H02J1/00 303
H02M7/06 E
(21)【出願番号】P 2019539299
(86)(22)【出願日】2017-12-22
(86)【国際出願番号】 SE2017051343
(87)【国際公開番号】W WO2018135987
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2020-12-16
(31)【優先権主張番号】PCT/SE2017/050046
(32)【優先日】2017-01-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2017-04-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(73)【特許権者】
【識別番号】518232261
【氏名又は名称】ブリクトテック アーベー
【氏名又は名称原語表記】BLIXT TECH AB
【住所又は居所原語表記】c/o Epicenter, Master Samuelsgatan 36, 111 57 Stockholm SWEDEN
(74)【代理人】
【識別番号】110001461
【氏名又は名称】特許業務法人きさ特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン,ヤン
(72)【発明者】
【氏名】ボリー,ヘンリク
【審査官】鈴木 大輔
(56)【参考文献】
【文献】特表2008-541407(JP,A)
【文献】特開2014-121241(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2010/0270982(US,A1)
【文献】米国特許第05629607(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 1/00-1/16
H02J 3/00-5/00
H02M 7/00-7/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
遮断回路(100)のための電源供給回路(400)であって、
前記遮断回路(100)の入力(102)に接続されるように構成された第1の接続ポイント(CP1)、および前記遮断回路(100)の出力(104)に接続されるように構成された第2の接続ポイント(CP2)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間で直列に、かつ互いに逆方向に接続された第1の整流器(416)および第2の整流器(418)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間で直列に接続された第1のスイッチ(412)および第2のスイッチ(414)であって、前記第1の整流器(416)および前記第2の整流器(418)に並列に接続される第1のスイッチ(412)および第2のスイッチ(414)と、
前記第1の整流器(416)と前記第2の整流器(418)の間に接続された第1の接続ポイント(CP1
C1)と、前記第1のスイッチ(412)と前記第2のスイッチ(414)の間に接続された第2の接続ポイント(CP2
C1)とを有する第1のキャパシタ(C1)であって、第1のキャパシタ(C1)の前記第1の接続ポイント(CP1
C1)は、前記遮断回路(100)の電力コンシューマ(110a、110b、...、110n)に接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタ(C1)と
を備え、
前記入力(102)から前記出力(104)に流れる電流が、前記第1の整流器(416)、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第2のスイッチ(414)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第1のスイッチ(412)を開くこと、および
前記出力(104)から前記入力(102)に流れる電流が、前記第2の整流器(418)、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第1のスイッチ(412)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第2のスイッチ(414)を開くことのうちの少なくとも1つを行うように構成される電源供給回路(400)。
【請求項2】
前記入力(102)から前記出力(104)に流れる前記電流が前記第1の整流器(416)、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第2のスイッチ(414)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第1のスイッチ(412)を開き、かつ前記第2のスイッチ(414)を閉じること、および
前記出力(104)から前記入力(102)に流れる前記電流が、前記第2の整流器(418)、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第1のスイッチ(412)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第1のスイッチ(412)を閉じ、かつ前記第2のスイッチ(414)を開くことのうちの少なくとも1つを行うように構成された請求項1に記載の電源供給回路(400)。
【請求項3】
前記第1の整流器(416)は、第3のスイッチであり、かつ前記第2の整流器(418)は、第4のスイッチである、電源供給回路(400)であって、
前記入力(102)から前記出力(104)に流れる前記電流が、前記第3のスイッチ、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第2のスイッチ(414)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第1のスイッチ(412)を開き、かつその後、前記第3のスイッチを閉じること、および
前記出力(104)から前記入力(102)に流れる前記電流が、前記第4のスイッチ、前記第1のキャパシタ(C1)、および前記第1のスイッチ(412)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第2のスイッチ(414)を開き、かつその後、前記第4のスイッチを閉じることのうちの少なくとも1つを行うように構成された請求項1または2に記載の電源供給回路(400)。
【請求項4】
前記第1の整流器(416)は、第1のダイオードであり、かつ前記第2の整流器(418)は、第2のダイオードであり、前記第1のダイオードは、前記出力(104)に向かう方向で構成され、かつ前記第2のダイオードは、前記入力(102)に向かう方向で構成される、請求項1または2に記載の電源供給回路(400)。
【請求項5】
前記遮断回路(100)の前記入力(102)と第1のスイッチ(106)の間に接続されるように構成された第3の接続ポイント(CP3)、および前記遮断回路(100)の前記出力(104)と第2のスイッチ(108)の間に接続されるように構成された第4の接続ポイント(CP4)と、
前記第3の接続ポイント(CP3)と前記第4の接続ポイント(CP4)の間で直列に、かつ互いに逆方向に接続された第3の整流器(432)および第4の整流器(433)とをさらに備える電源供給回路(400)であって、
前記第1のキャパシタ(C1)の前記第1の接続ポイント(CP1
C1)は、前記第3の整流器(432)と前記第4の整流器(433)の間に接続される、請求項1から4のいずれか一項に記載の電源供給回路(400)。
【請求項6】
前記第3の整流器(432)は、第5のスイッチであり、かつ前記第4の整流器(433)は、第6のスイッチである、請求項5に記載の電源供給回路(400)。
【請求項7】
前記第3の整流器(432)は、前記出力(104)に向かう方向で構成された第3のダイオードであり、かつ前記第4の整流器(433)は、前記入力(102)に向かう方向で構成された第4のダイオードである、請求項5に記載の電源供給回路(400)。
【請求項8】
前記第3の整流器(432)、前記第4の整流器(433)、および前記第1のキャパシタ(C1)の前記第1の接続ポイント(CP1
C1)の間に接続された電流制限器(434)をさらに備える請求項5から7のいずれか一項に記載の電源供給回路(400)。
【請求項9】
前記第3の整流器(432)と前記第4の整流器(433)の間に接続された第1の接続ポイント(CP1
C2)と、電源供給回路(400)の前記第1のスイッチ(412)と前記第2のスイッチ(414)の間に接続された第2の接続ポイント(CP2
C2)とを有する第2のキャパシタ(C2)をさらに備える請求項5から8のいずれか一項に記載の電源供給回路(400)。
【請求項10】
前記第1のキャパシタ(C1)の前記第2の接続ポイント(CP2
C1)と前記第2のキャパシタ(C2)の前記第2の接続ポイント(CP2
C2)のうちの少なくとも1つは、前記遮断回路(100)の基準接地(REF)に接続される、請求項
9に記載の電源供給回路(400)。
【請求項11】
遮断回路(100)のための電源供給回路(400)であって、
前記遮断回路(100)の入力(102)に接続されるように構成された第1の接続ポイント(CP1)、および前記遮断回路(100)の出力(104)に接続されるように構成された第2の接続ポイント(CP2)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間に接続された第1の整流器(416)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間に接続された第1のスイッチ(412)であって、前記第1の整流器(416)に並列に接続される、第1のスイッチ(412)と、
前記第1の整流器(416)に接続された第1の接続ポイント(CP1
C1)と、前記第1のスイッチ(412)に接続された第2の接続ポイント(CP2
C1)とを有する第1のキャパシタ(C1)であって、第1のキャパシタ(C1)の前記第1の接続ポイント(CP1
C1)は、前記遮断回路(100)の電力コンシューマ(110)に接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタと(C1)を備え、
前記入力(102)から前記出力(104)に流れる電流が、前記第1の整流器(416)および前記第1のキャパシタ(C1)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第1のスイッチ(412)を開くように構成される電源供給回路(400)。
【請求項12】
遮断回路(100)のための電源供給回路(400)であって、
前記遮断回路(100)の入力(102)に接続されるように構成された第1の接続ポイント(CP1)、および前記遮断回路(100)の出力(104)に接続されるように構成された第2の接続ポイント(CP2)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間に接続された第2の整流器(418)と、
前記第1の接続ポイント(CP1)と前記第2の接続ポイント(CP2)の間に接続された第2のスイッチ(414)であって、前記第2の整流器(418)に並列に接続される、第2のスイッチ(414)と、
前記第2の整流器(418)に接続された第1の接続ポイント(CP1C1)と、前記第2のスイッチ(414)に接続された第2の接続ポイント(CP2
C1)とを有する第1のキャパシタ(C1)であって、第1のキャパシタ(C1)の前記第1の接続ポイント(CP1
C1)は、前記遮断回路(100)の電力コンシューマ(110)に接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタ(C1)とを備え、
前記出力(104)から前記入力(102)に流れる電流が、前記第2の整流器(418)および前記第1のキャパシタ(C1)を通り、その結果、前記第1のキャパシタ(C1)に帯電させるように前記第2のスイッチ(414)を開くように構成される電源供給回路(400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遮断回路のための電源供給回路に関する。
【背景技術】
【0002】
交流電流(AC)を遮断するための回路が、当技術分野において知られている。
【0003】
知られている1つのソリューションは、印加された電流が、或る期間にわたって定格値より大きい、すなわち、過電流である場合、電流を遮断する、よく知られたヒューズである。印加された電流は、過電流に起因してヒューズの金属線または金属片が溶融すると、遮断される。
【0004】
当技術分野において知られる別のソリューションが、過電流によって生じる損傷から、電気負荷を含む電気回路を保護するように構成された回路遮断器である。ヒューズ・ソリューションとは異なり、知られている回路遮断器は、通常の動作を再開するように手動で、または自動でリセットされ得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の実施形態の目的は、知られているソリューションの欠点および問題のうちの少なくともいくつかを、少なくとも部分的に軽減する、または解決するソリューションを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前述の目的、およびその他の目的が、独立クレームの主題によって実現される。本発明のさらなる有利な実装形態が、従属クレーム、および他の実施形態によって規定される。
【0007】
本発明の第1の態様によれば、前述の目的、およびその他の目的が、遮断回路のための電源供給回路で実現され、電源供給回路は、
遮断回路の入力に接続されるように構成された第1の接続ポイント、および遮断回路の出力に接続されるように構成された第2の接続ポイントと、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間で直列に、かつ互いに逆方向に接続された第1の整流器および第2の整流器と、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間で直列に接続された第1のスイッチおよび第2のスイッチであって、第1の整流器および第2の整流器に並列に接続される第1のスイッチおよび第2のスイッチと、
第1の整流器と第2の整流器の間に接続された第1の接続ポイントと、第1のスイッチと第2のスイッチの間に接続された第2の接続ポイントとを有する第1のキャパシタであって、第1のキャパシタの第1の接続ポイントは、遮断回路の電力コンシューマに接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタとを備え、
電源供給回路は、
入力から出力に流れる電流が、第1の整流器、第1のキャパシタ、および第2のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを開くこと、および
出力から入力に流れる電流が、第2の整流器、第1のキャパシタ、および第1のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第2のスイッチを開くこと
のうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0008】
整流器は、本開示において、電流が1つの方向で流れるのを永久に、または一時的に防止する電気デバイスを広く意味するように解釈され得る。整流器は、電流が1つの方向で流れるのを永久に防止するダイオードなどの受動電気デバイスであること、または電流が1つの方向で流れるのを防止すべく一時的に開かれ得るスイッチなどの能動電気デバイスであることが可能である。
【0009】
電力コンシューマは、本開示において、電力によって駆動される、すなわち、そのデバイスの機能を実行するときに電力を使用する任意のデバイスを意味するものと理解され得る。電力コンシューマは、例えば、ソフトウェアに基づくコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)、ハードウェアに基づくコントローラ(例えば、論理回路)、および通信デバイスであり得る。
【0010】
スイッチが閉じているとは、本開示において、スイッチが、電流がスイッチを通って流れることが可能な導通/オン・モードにあることを意味するものと理解され得る。スイッチが開いているとは、本開示において、スイッチが、電流がスイッチを通って流れることが可能でない非導通/オフ・モードにあることを意味するものと理解され得る。
【0011】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、電源供給回路は、
入力から出力に流れる電流が第1の整流器、第1のキャパシタ、および第2のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを開き、かつ第2のスイッチを閉じること、および
出力から入力に流れる電流が、第2の整流器、第1のキャパシタ、および第1のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを閉じ、かつ第2のスイッチを開くこと
のうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0012】
しかし、第1のスイッチおよび第2のスイッチは、実施形態において、これらのスイッチのデフォルトの状態にて閉じられるように構成されることに留意されたい。このことは、この実施形態によれば、電源供給回路は、
入力から出力に流れる電流が第1の整流器、第1のキャパシタ、および第2のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを開くこと、および
出力から入力に流れる電流が、第2の整流器、第1のキャパシタ、および第1のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第2のスイッチを開くこと
のうちの少なくとも1つを行うように構成されることを暗示する。
【0013】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第1の整流器は、第3のスイッチであり、かつ第2の整流器は、第4のスイッチであり、かつ電源供給回路は、
入力から出力に流れる電流が、第3のスイッチ、第1のキャパシタ、および第2のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを開き、かつその後、第3のスイッチを閉じること、および
出力から入力に流れる電流が、第4のスイッチ、第1のキャパシタ、および第1のスイッチを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第2のスイッチを開き、かつその後、第4のスイッチを閉じること
のうちの少なくとも1つを行うように構成される。
【0014】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第1の整流器は、第1のダイオードであり、かつ第2の整流器は、第2のダイオードであり、第1のダイオードは、出力に向かう方向で構成され、かつ第2のダイオードは、入力に向かう方向で構成される。
【0015】
第1のダイオードが出力に向かう方向で構成されるとは、電流が、第1のダイオードを通って出力に向かう方向でのみ流れることが可能であることを意味する。第2のダイオードが入力に向かう方向で構成されるとは、電流が、第2のダイオードを通って入力に向かう方向でのみ流れることが可能であることを意味する。
【0016】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、電源供給回路は、
遮断回路の入力と第1のスイッチの間に接続されるように構成された第3の接続ポイント、および遮断回路の出力と第2のスイッチの間に接続されるように構成された第4の接続ポイントと、
第3の接続ポイントと第4の接続ポイントの間で直列に、かつ互いに逆方向に接続された第3の整流器および第4の整流器とをさらに備え、
第1のキャパシタの第1の接続ポイントは、第3の整流器と第4の整流器の間に接続される。
【0017】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第3の整流器は、第5のスイッチであり、かつ第4の整流器は、第6のスイッチである。
【0018】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第3の整流器は、出力に向かう方向で構成された第3のダイオードであり、かつ第4の整流器は、入力に向かう方向で構成された第4のダイオードである。
【0019】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、電源供給回路は、第3の整流器、第4の整流器、および第1のキャパシタの第1の接続ポイントの間に接続された電流制限器をさらに備える。
【0020】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、電源供給は、
第3の整流器と第4の整流器の間に接続された第1の接続ポイントと、電源供給回路の第1のスイッチと第2のスイッチの間に接続された第2の接続ポイントとを有する第2のキャパシタをさらに備える。
【0021】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第1のキャパシタの値の第2のキャパシタの値に対する比は、100より大きい。
【0022】
本発明の第1の態様の実施形態によれば、第1のキャパシタの第2の接続ポイントと第2のキャパシタの第2のポイントのうちの少なくとも1つが、遮断回路の基準接地に接続される。
【0023】
本発明の第2の態様によれば、前述の目的、およびその他の目的が、遮断回路のための電源供給回路で実現され、電源供給回路は、
遮断回路の入力に接続されるように構成された第1の接続ポイント、および遮断回路の出力に接続されるように構成された第2の接続ポイントと、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間に接続された第1の整流器と、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間に接続された第1のスイッチであって、第1の整流器に並列に接続される、第1のスイッチと、
第1の整流器に接続された第1の接続ポイントと、第1のスイッチに接続された第2の接続ポイントとを有する第1のキャパシタであって、第1のキャパシタの第1の接続ポイントは、遮断回路の電力コンシューマに接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタとを備え、
電源供給回路は、
入力から出力に流れる電流が、第1の整流器および第1のキャパシタを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第1のスイッチを開くように構成される。
【0024】
第1のキャパシタの第2の接続ポイントは、第1のキャパシタが第1の整流器と出力の間に接続されるように電源供給回路の第2の接続ポイントに接続されるようにさらに構成される。
【0025】
本発明の第3の態様によれば、前述の目的、およびその他の目的が、遮断回路のための電源供給回路で実現され、電源供給回路は、
遮断回路の入力に接続されるように構成された第1の接続ポイント、および遮断回路の出力に接続されるように構成された第2の接続ポイントと、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間に接続された第2の整流器と、
第1の接続ポイントと第2の接続ポイントの間に接続された第2のスイッチであって、第2の整流器に並列に接続される、第2のスイッチと、
第2の整流器に接続された第1の接続ポイントと、第2のスイッチに接続された第2の接続ポイントとを有する第1のキャパシタであって、第1のキャパシタの第1の接続ポイントは、遮断回路の電力コンシューマに接続されるようにさらに構成される、第1のキャパシタとを備え、
電源供給回路は、
出力から入力に流れる電流が、第2の整流器および第1のキャパシタを通り、その結果、第1のキャパシタに帯電させるように第2のスイッチを開くように構成される。
【0026】
第1のキャパシタの第2の接続ポイントは、第1のキャパシタが入力と第2の整流器の間に接続されるように電源供給回路の第1の接続ポイントに接続されるようにさらに構成される。
【0027】
本発明の第4の態様によれば、前述の目的、およびその他の目的が、先行するクレームのうちのいずれかによる電源供給回路を備える遮断回路で実現される。
【0028】
本発明の第4の態様の実施形態によれば、電力コンシューマは、遮断回路の少なくとも1つのスイッチを制御するように構成されたコントローラである。
【0029】
本発明の第4の態様の実施形態によれば、コントローラは、
電源供給回路の少なくとも1つのスイッチを制御するようにさらに構成される。
【0030】
本発明の第4の態様の実施形態によれば、コントローラは、基準接地に接続される。
【0031】
本発明の第4の態様の実施形態によれば、電力コンシューマは、通信デバイスである。
【0032】
通信デバイスは、本開示において、有線通信システムまたは無線通信システム上で有線通信または無線通信を実行することができるデバイスを意味するものと理解され得る。
【0033】
本発明の第4の態様の実施形態によれば、遮断回路は、交流電流遮断回路である。
【0034】
本発明による電源供給回路は、遮断回路に対する確実な電源供給を可能にし、したがって、遮断回路の確実な機能も可能にする。さらに、電源供給回路は、外部電源供給が必要とされないので、遮断回路の設置をより容易にする。
【0035】
電源供給回路は、遮断回路が導通/オン・モードにある場合と遮断回路が非導通/オフ・モードにある場合の両方において、電源供給をさらに確実に提供する。さらに、電源供給回路は、交流電流構成と直流電流構成の両方において使用され得る。
【0036】
さらに、本発明による電源供給回路は、構成が従来の回路遮断器/ヒューズ/ヒューズ・ボックスにおいて結合されること、および/または取り付けられることが可能であるようにサイズが小さくされることが可能である。
【0037】
電源供給回路のアーキテクチャは、チップとして実装されるのに適している。その結果、電源供給回路および/または遮断回路をより安価に、より小さく、かつ製造するのをより容易にする。
【0038】
遮断回路は、非常に控えめな供給される電力で駆動され得るので、本明細書において提示される電源供給回路は、遮断回路に十分かつ確実な電源供給を常に提供することができる。
【0039】
本発明のさらなる用途および利点が、後段の詳細な説明から明白となろう。
【0040】
添付の図面は、本発明の様々な実施形態を明らかにすること、および説明することを意図している。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【
図1a】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図1b】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図1c】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図2a】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図2b】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図2c】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図2d】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図3a】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図3b】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図3c】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図4】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【
図5】本発明の一部の実施形態による構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本発明による電源供給回路は、いわゆる電源交流電流ACまたは電源直流電流DCから電力を抽出すべく/とるべくエネルギー・ハーベスティングを実行するように構成され得る。抽出された電力は、遮断回路を駆動するのに、例えば、動作するのに電力を必要とする遮断回路に含められた構成要素/デバイスを駆動するのに使用されてよい。以降、電力コンシューマと呼ばれる、そのような構成要素の例が、ソフトウェアに基づくコントローラ(例えば、マイクロコントローラ)、ハードウェアに基づくコントローラ(例えば、論理回路)、および通信デバイスである。
【0043】
最初に、交流電流ACシナリオにおける電源供給回路400の機能および原理が、
図1a~
図2dを参照して説明される。電源供給回路400は、遮断回路100の入力102と遮断回路100の出力104の間に構成されてよく、かつ遮断回路100を流れる交流電流ACから寄生電圧を抽出するようにさらに構成されてよい。遮断回路100のモード、および負荷が遮断回路100に接続されているか否かに依存して、遮断回路100を流れる交流電流ACは、高いこと、低いこと、または0に近いことさえあり得る。電源供給回路400は、前述したすべての電流状況において寄生電圧を抽出するように構成される。遮断回路100が導通/オン・モードにあるとき、電源供給回路400は、
図1a~
図1cを参照して説明されるとおり、第1の寄生電圧V
par1を抽出するように構成される。他方、遮断回路100が非導通/オフ・モードにあるとき、電源供給回路400は、
図2a~
図2dを参照して説明されるとおり、第2の寄生電圧V
par2を抽出するように構成される。
【0044】
図1a~
図2dにおいて、より太い線は、交流電流ACが電源供給回路400を流れるのに辿る経路を示す。
【0045】
図1a~
図1cは、遮断回路100が導通/オン・モードにあるときの本発明の実施形態による電源供給回路400を概略で示す。電源供給回路400は、非抽出モードまたは抽出モードで動作していることが可能である。非抽出モードにおいて、交流電流ACは、交流電流ACから電力がまったく抽出されないような様態で電源供給回路400を通って流れている。抽出モードにおいて、交流電流ACは、代わりに、交流電流ACから電力が抽出され、かつ遮断回路100に供給され得るような様態で電源供給回路400を通って流れている。
【0046】
図1aは、非抽出モードにおける本発明の実施形態による電源供給回路400を概略で示す。電源供給回路400は、
図1aに示されるとおり、遮断回路100の入力102に接続されるように構成された第1の接続ポイントCP1と、遮断回路100の出力104に接続されるように構成された第2の接続ポイントCP2とを備える。遮断回路100の出力104は、1つまたは複数の電気負荷200a、200b、...200N(
図1aに示されない)に結合されてよい。交流電流ACが、遮断回路100の入力102に供給され、遮断回路100の出力104を経由して負荷200a、200b、...200Nに送られる。負荷200a、200b、...200Nは、家庭用電気製品および/または電気ヒータ、および/または他の家庭用電子機器、ならびに/あるいは、基本的に、交流電流ACを供給されるように構成された他の任意のデバイスを備えてよい。
【0047】
電源供給回路400は、第1の接続ポイントCP1と第2の接続ポイントCP2の間で直列に、かつ互いに逆方向に接続された第1の整流器416および第2の整流器418、ならびに第1の接続ポイントCP1と第2の接続ポイントCP2の間で直列に接続された第1のスイッチ412および第2のスイッチ414をさらに備える。第1のスイッチ412および第2のスイッチ414は、
図1aに示されるとおり、第1の整流器416および第2の整流器418に並列に接続される。さらに、電源供給回路400は、第1の整流器416と第2の整流器418の間に接続された第1の接続ポイントCP1
C1と、第1のスイッチ412と第2のスイッチ414の間に接続された第2の接続ポイントCP2
C1とを有する第1のキャパシタC1を備える。第1のキャパシタC1の第1の接続ポイントCP1
C1は、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに接続されるようにさらに構成される。図において、電力コンシューマ110a、110b、...、110nは、コントローラ110として例示される。しかし、異なるタイプの電力コンシューマ110a、110b、...、110n、ならびに任意の数の電力コンシューマ110a、110b、...、110nが、本発明の範囲を逸脱することなく第1の接続ポイントCP1
C1に接続され得る。第1のキャパシタC1の第2の接続ポイントCP2
C1は、遮断回路100の基準接地REF
GNDに接続され得る。
【0048】
図1aにおいて、電源供給回路400が、非抽出モードにおいて示される。このことは、第1のスイッチ412と第2のスイッチ414がともに閉じられていることを意味する。このため、遮断回路100の入力102と遮断回路100の出力104の間の交流電流ACは、
図1aにおけるより太い線によって示されるとおり、第1のスイッチ412および第2のスイッチ414を通って流れている。電源供給回路400は、電源供給回路400を通って流れる交流電流ACにごくわずかな損失しか生じさせない。
【0049】
電源供給回路400の抽出モードは、
図1bおよび
図1cを参照して次に説明されるとおり、第1のスイッチ412または第2のスイッチ414を開くことによって達せられる。
図1bは、交流電流ACの正の半周期中に、すなわち、
図1bにおける大きい矢印によって示されるとおり、電流が、遮断回路100の入力102から遮断回路100の出力104に流れているときに、抽出モードにある電源供給回路400を示す。正の半周期中に電力を抽出することを開始すべく、第1のスイッチ412が開かれ、かつ第2のスイッチ414が閉じられることが可能である(既に閉じられていない場合)。第1のスイッチ412は、正の半周期の少なくとも一部分の間、例えば、初期部分の間、開かれてよい。実施形態によれば、第1のスイッチ412は、正の半周期の少なくとも一部分の後、例えば、その半周期の残りの間、閉じられてよい。このことは、すると、遮断回路100の出力104に接続された負荷200nにごくわずかな影響しか生じさせることなく、エネルギーがハーベストされ得るので、有利である。第1のスイッチ412が開かれ、かつ第2のスイッチ414が閉じられている間、入力102から出力104に流れる電流は、
図1bにおけるより太い線によって示されるとおり、第1の整流器416、第1のキャパシタC1、および第2のスイッチ414を通る。その結果、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第1の寄生電圧V
par1が、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。本発明の実施形態によれば、第1の寄生電圧V
par1は、第1の整流器416と基準接地REF
GNDの間に配置された第1のキャパシタC1によって生じさせられる。第1のキャパシタC1に帯電させたとき、第1の寄生電圧V
par1は、第1のキャパシタC1に対する電位差として生じる。
【0050】
図1cは、交流電流ACの負の半周期中に、すなわち、
図1cにおける大きい矢印によって示されるとおり、電流が、遮断回路100の出力104から遮断回路100の入力102に流れているときに、抽出モードにある電源供給回路400を示す。負の半周期中に電力を抽出することを開始すべく、第2のスイッチ414が開かれ、かつ第1のスイッチ412が閉じられることが可能である(既に閉じられていない場合)。第2のスイッチ414は、負の半周期の少なくとも一部分の間、例えば、初期部分の間、開かれてよい。実施形態によれば、第2のスイッチ414は、負の半周期の少なくとも一部分の後、例えば、その半周期の残りの間、閉じられてよい。このことは、すると、遮断回路の出力104に接続された負荷200nにごくわずかな影響しか生じさせることなく、エネルギーがハーベストされ得るので、有利である。第1のスイッチ412が閉じられ、かつ第2のスイッチ414が開かれている間、出力104から入力102に流れる電流は、
図1cにおけるより太い線によって示されるとおり、第2の整流器418、第1のキャパシタC1、および第1のスイッチ412を通る。その結果、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第1の寄生電圧V
par1が、
図1bを参照して前述したとおり、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。
【0051】
第1の整流器416および第2の整流器418は、本発明の実施形態によれば、ダイオードであってよい。この事例において、第1の整流器416は、第1のダイオードであってよく、第2の整流器418は、第2のダイオードであってよい。第1のダイオードは、出力104に向かう方向で構成され、第2のダイオードは、入力102に向かう方向で構成される(
図4に示されるとおり)。しかし、本発明の実施形態において、第1の整流器416および第2の整流器418は、代わりに、スイッチであってよい(図に示されない)。そのような実施形態において、第1の整流器416は、第3のスイッチであってよく、第2の整流器418は、第4のスイッチであってよい。さらに、電源供給回路400は、そのような実施形態において、入力102から出力104に流れる電流が第3のスイッチ、第1のキャパシタC1、および第2のスイッチ414を通り、その結果、第1のキャパシタC1に帯電させるように第1のスイッチ412を開き、かつその後、第3のスイッチを閉じること、および出力104から入力102に流れる電流が、第4のスイッチ、第1のキャパシタC1、および第1のスイッチ412を通り、その結果、第1のキャパシタC1に帯電させるように第2のスイッチ414を開き、かつその後、第4のスイッチを閉じることのうちの少なくとも1つを行うように構成されてよい。
【0052】
次に、遮断回路100が非導通/オフ・モードにあるときに第2の寄生電圧V
par2を抽出するようにさらに構成された電源供給回路400の機能および原理が、
図2a~
図2d)を参照して説明される。
図2a~
図2d)に示される実施形態において、遮断回路100は、第1のスイッチ106と、第2のスイッチ108とを備える。さらに、電源供給回路400は、遮断回路100の入力102と第1のスイッチ106の間に接続されるように構成された第3の接続ポイントCP3と、遮断回路100の出力104と第2のスイッチ108の間に接続されるように構成された第4の接続ポイントCP4とを備える。第3の整流器432および第4の整流器433が、第3の接続ポイントCP3と第4の接続ポイントCP4の間で直列に、かつ互いに逆方向に接続される。
図2a~
図2dに示されるとおり、第1のキャパシタC1の第1の接続ポイントCP1
C1が、第3の整流器432と第4の整流器433の間に接続される。このことは、遮断回路100の第1のスイッチ106および/または第2の108が交流電流ACを遮断するときも、すなわち、第1のスイッチ106および第2の108のうちの1つまたは複数が開いているときも、第1のキャパシタC1に帯電させることが可能であることをもたらす。
【0053】
図2a~
図2dに示される実施形態において、電源供給回路400は、第1のキャパシタC1に供給されている電流を制限するように構成された1つまたは複数の電流制限器434をさらに備える。
図2a~
図2dは、第3の整流器432、第4の整流器433、および第1のキャパシタC1の第1の接続ポイントCP1
C1の間に接続された電流制限器434を示す。電流制限器434は、電流を事前設定された値に制限してよく、かつ不変であっても、制御可能であってもよい。その結果、第1のキャパシタC1が、過電圧保護され得る。電流制限器434は、当技術分野において知られるソリューションにより実装されてよい。
【0054】
図2aは、遮断回路100が依然として導通/オン・モードにあるとき、すなわち、遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108が依然として閉じられているときに第2の寄生電圧V
par2を抽出するように構成された電源供給400を示す。電源供給回路400の第1のスイッチ412および第2のスイッチ414も閉じられている。
図2aにおけるより太い線によって示されるとおり、したがって、交流電流ACは、遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108を通って流れるとともに、電源供給回路400の第1のスイッチ412および第2のスイッチ414も通って流れている。
【0055】
遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108のうちの1つまたは複数が開いているとき、第3の整流器432または第4の整流器433を介して第1のキャパシタC1に帯電させることが可能である。実施形態において、遮断回路100の第1のスイッチ106と第2のスイッチ108は、同時に開かれてよい。遮断回路100の第1のスイッチ106および/または第2のスイッチ108は、遮断回路100に接続された負荷200nを、例えば、過電流から保護すべく、または特にキャパシタC1に帯電させるべく、遮断回路100におけるコントローラによって開かれてよい。キャパシタC1に帯電させるべく開かれる場合、遮断回路100の第1のスイッチ106および/または第2のスイッチ108は、
図1bおよび
図1c)を参照して前述したとおり、正/負の半周期の少なくとも一部分の間、例えば、初期部分の間、開かれてよい。
【0056】
図2bにおいて、遮断回路100の第1のスイッチ106が、交流電流ACの正の半周期中に開いている。このため、電流は、入力102から、第3の整流器432を通り、電流制限器434を通り、第1のキャパシタC1を通り、電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108をさらに通って流れる。その結果、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第2の寄生電圧V
par2が、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。
図2bにおいて、電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108が、閉じられるように示される。しかし、状況に依存して、電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108のそれぞれは、開いていても、閉じられていてもよい。電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108は、
図4を参照して後段で説明されるとおり、内部ボディ・ダイオードを有するスイッチ、例えば、電界効果トランジスタ(FET)であってよい。この事例において、電源供給回路400の第2のスイッチ414が閉じられているとき、電流は、第2のスイッチ414を通って流れる一方で、第2のスイッチ414が開かれている場合、電流は、
図2bに示される正の半周期中、第2のスイッチ414のボディ・ダイオードを通って流れる。同様に、遮断回路100の第2のスイッチ108が閉じられているとき、電流は、第2のスイッチ108を通って流れる一方で、第2のスイッチ108が開かれている場合、電流は、
図2bに示される正の半周期中、第2のスイッチ108のボディ・ダイオードを通って流れる。
【0057】
図2cにおいて、遮断回路100の第2のスイッチ108が、交流電流ACの負の半周期中に開いている。このため、電流は、出力104から、少なくとも1つの第3の充電ダイオード433を通り、電流制限器434を通り、第1のキャパシタC1を通り、電源供給回路400の第1のスイッチ412、および遮断回路100の第1のスイッチ106をさらに通って流れる。その結果、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第2の寄生電圧V
par2が、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108に関して
図2bを参照して説明されるのと同様に、電源供給回路400の第1のスイッチ412、および遮断回路100の第1のスイッチ106は、状況に依存して、互いに独立に開いていても、閉じられていてもよい。
【0058】
図2a~
図2dに示される実施形態による電源供給回路400は、遮断回路100の第1のスイッチ106と第2のスイッチ108のうちの少なくとも1つが開いているとき、交流電流ACの正の半周期中と負の半周期中の両方で第1のキャパシタC1に帯電させることを可能にする。実施形態によれば、遮断回路100の第1のスイッチ106および/または第2のスイッチ108は半周期の少なくとも一部分の間、開かれたままである。このようにして、第1のキャパシタC1に、正の半周期および/または負の半周期全体のうちの少なくとも一部分の間に帯電させることが可能である。したがって、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nを実行する電力を遮断回路100に供給するために十分な抽出される電力が常に存在することが確実にされる。
【0059】
さらに、本発明による電源供給回路400を使用しているとき、交流電流ACは、交流電流ACの正の半周期と負の半周期の両方に関してまったく同一の方向で第1のキャパシタC1を通って流れるようにされる。
【0060】
図2dは、第2のキャパシタC2を備える電源供給回路400をさらに示す。第2のキャパシタC2は、第3の整流器432と第4の整流器433の間に接続された第1の接続ポイントCP1
C2と、電源供給回路400の第1のスイッチ412と第2のスイッチ414の間に接続された第2の接続ポイントCP2
C2とを有する。
図2dに示されるとおり、第2のキャパシタC2の第2の接続ポイントCP2
C2は、遮断回路100の基準接地REF
GNDに接続され得る。実施形態において、第1のキャパシタC1の値の第2のキャパシタC2の値に対する比は、100より大きい。例えば、第2のキャパシタC2は、高電圧キャパシタであってよい一方で、第1のキャパシタC1は、低電圧キャパシタであってよい。遮断回路100が、非導通/オフ・モードにあるとき、電流は、第2のキャパシタC2を通って流れ、その結果、第2のキャパシタC2に帯電させる。このことは、帯電が、第2のキャパシタC2において増大し、蓄えられることをもたらす。第2のキャパシタC2に蓄えられたエネルギーは、電流制限器/スイッチ434を経由して第1のキャパシタC1に送られてよい。したがって、第2の寄生電圧V
par2が、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。第2のキャパシタC2は、第1の整流器416と第2の整流器418の間には接続されないことに留意されたい。
【0061】
第3の整流器432および第4の整流器433は、本発明の実施形態によれば、ダイオードであってよい。この事例において、第3の整流器432は、出力104に向かう方向で構成された第3のダイオードであってよく、第4の整流器433は、入力102に向かう方向で構成された第4のダイオードであってよい(
図4に示されるとおり)。しかし、本発明の実施形態において、第3の整流器432および第4の整流器433は、代わりに、スイッチであってよい(図に示されない)。そのような実施形態において、第3の整流器432は、第5のスイッチであってよく、第4の整流器433は、第6のスイッチであってよい。さらに、電源供給回路400は、そのような実施形態において、第5のスイッチおよび第6のスイッチを開閉することによって、第1のキャパシタC1に帯電させるように構成されてよい。電源供給回路400は、入力102から出力104に流れる電流が、抽出モードにおいて、電源供給回路400の第5のスイッチ、第1のキャパシタC1、および第2のスイッチ414、ならびに遮断回路100の第2のスイッチ108を通るように、例えば第5のスイッチを閉じ、かつ第6のスイッチを開いてよい。さらに、電源供給回路400は、出力104から入力102に流れる電流が、抽出モードにおいて、電源供給回路400の第6のスイッチ、第1のキャパシタC1、および第1のスイッチ412、ならびに遮断回路の第1のスイッチ106を通るように第5のスイッチを開き、かつ第6のスイッチを閉じてよい。
【0062】
本発明の実施形態によれば、電源供給回路400は、直流電流DCを遮断するために遮断回路100と一緒にさらに使用されてよい。
図3a~
図3bは、そのような実施形態による電源供給回路400を示す。
図3a~
図3bに示される実施形態において、電源供給回路400は、遮断回路100の入力102から出力104に流れる直流電流DCから電力を抽出することが可能である。電源供給回路400は、遮断回路100の入力102に接続されるように構成された第1の接続ポイントCP1と、遮断回路100の出力104に接続されるように構成された第2の接続ポイントCP2とを備える。電源供給回路400は、第1の接続ポイントCP1および第2の接続ポイントCP2の間に接続された第1の整流器416と、第1の接続ポイントCP1および第2の接続ポイントCP2の間に接続された第1のスイッチ412とをさらに備える。第1のスイッチ412は、
図3a~
図3bに示されるとおり、第1の整流器416と並列に接続される。電源供給回路400は、第1の整流器416に接続された第1の接続ポイントCP1
C1と、第1のスイッチ412に接続された第2の接続ポイントCP2
C1とを有する第1のキャパシタC1をさらに備える。第1のキャパシタC1の第2の接続ポイントCP2
C1は、第1のキャパシタC1が第1の整流器416と出力104の間に接続されるように電源供給回路400の第2の接続ポイントCP2に接続されるようにさらに構成される。第1のキャパシタC1の第1の接続ポイントCP1
C1は、遮断回路100の電力コンシューマ110に接続されるようにさらに構成される。第1のキャパシタC1の第2の接続ポイントCP2
C1は、遮断回路100の基準接地REF
GNDに接続され得る。
【0063】
図3aにおいて、電源供給回路400が、第1のスイッチ412が閉じられているときに非抽出モードにあるように示される。このため、遮断回路100の入力102から遮断回路100の出力104への直流電流DCは、
図3aにおける大きい矢印およびより太い線によって示されるとおり、第1のスイッチ412を通って流れる。
【0064】
電源供給回路400の抽出モードは、
図3bを参照して次に説明されるとおり、第1のスイッチ412を開くことによって達せられる。電力を抽出することを開始すべく、第1のスイッチ412が開かれる。第1のスイッチ412が開いている間、入力102から出力104に流れる電流は、
図3bにおけるより太い線によって示されるとおり、第1の整流器416および第1のキャパシタC1を通る。その結果、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第1の寄生電圧V
par1が、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに対する電源供給として提供され得る。本発明の実施形態によれば、第1の寄生電圧V
par1は、第1の整流器416と基準接地REF
GNDの間に配置された第1の充電キャパシタC1によって生じさせられる。第1の充電キャパシタC1に帯電させたとき、第1の寄生電圧V
par1は、第1の充電キャパシタC1の帯電によって蓄積された第1の充電キャパシタC1に対する電位差として生じる。
【0065】
図3cは、直流電流DCを遮断するために遮断回路100と一緒に使用される電源供給回路400のさらなる実施形態を示す。
図3cに示される実施形態において、電源供給回路400が、遮断回路100の出力104から入力102に流れる直流電流DCから電力を抽出することが可能である。電源供給回路400は、遮断回路100の入力102に接続されるように構成された第1の接続ポイントCP1と、遮断回路100の出力104に接続されるように構成された第2の接続ポイントCP2とを備える。電源供給回路400は、第1の接続ポイントCP1と第2の接続ポイントCP2の間に接続された第2の整流器418と、第1の接続ポイントCP1と第2の接続ポイントCP2の間に接続された第2のスイッチ414とをさらに備える。第2のスイッチ414は、
図3cに示されるとおり、第2の整流器418と並列に接続される。電源供給回路400は、第2の整流器418に接続された第1の接続ポイントCP1
C1と、第2のスイッチ414に接続された第2の接続ポイントCP2
C1とを有する第1のキャパシタC1をさらに備える。第1のキャパシタC1の第2の接続ポイントCP2
C1は、第1のキャパシタC1が入力102と第2の整流器418の間に接続されるように電源供給回路400の第1の接続ポイントCP1に接続されるようにさらに構成される。第1のキャパシタC1の第1の接続ポイントCP1
C1は、遮断回路100の電力コンシューマ110に接続されるようにさらに構成される。第1のキャパシタC1の第2の接続ポイントCP2
C1は、遮断回路100の基準接地REF
GNDに接続され得る。
図3cにおいて、電源供給回路100が、抽出モードにあるように示される。このことは、出力104から入力102に流れる電流が第2の整流器418および第1のキャパシタC1を通るように第2のスイッチ414が開いていることを意味する。その結果、例えば、
図3bを参照して前述したとおり、第1のキャパシタC1に帯電させ、かつ第1の寄生電圧V
par1が、電力コンシューマ110に提供され得る。
【0066】
本発明の実施形態によれば、遮断回路100および電源供給回路400のスイッチのうちの1つまたは複数は、電界効果トランジスタ(FET)であってよい。
図4は、遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108、ならびに電源供給回路400の第1のスイッチ412および第2のスイッチ414がFETである実施形態を示す。
図4に示されるとおり、遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108は、入力102と出力104の間で逆方向に直列に結合される。FETは、1つの方向で電流を阻止することができ、このため、この実施形態における2つのFETは、電流の方向に対して逆方向に結合される。2つのFETは、実施形態において、1つの構成要素において統合される。FETは、高速の/短い切換え時間(すなわち、スイッチを開くため、または閉じるための時間)を有し、このことは、FETを通る電流が、過電流が検出されたときに非常に迅速に遮断されることが可能であり、その結果、出力104に結合された回路および負荷に対する潜在的な損傷を限定する、または解消することを意味する。さらに、電源供給回路400の第1のスイッチ412および第2のスイッチ414は、入力102と出力104の間で逆方向に直列に結合される。FET、およびその他の切換えデバイス/構成要素も、FETのソース(S)コネクタとドレイン(D)コネクタの間などの、コネクタの間に内部ボディ・ダイオードを備えてよく、ボディ・ダイオードは、FETの物理特性からもたらされる。これらのボディ・ダイオードが、
図4におけるFET106、108、412、414に隣接して概略で示される。
【0067】
図4は、
図4における大きい矢印によって示されるとおり、電流が遮断回路100の入力102から遮断回路104の出力104に流れている、交流電流ACの正の半周期を示す。さらに、遮断回路100は、導通/オン・モードにあり、かつ電源供給回路400は、非抽出モードにある。したがって、遮断回路100の第1のスイッチ106および第2のスイッチ108、ならびに第1のスイッチ412および第2のスイッチ414は、閉じられている。電流の方向のため、このことは、電流が、
図4に示されるとおり、入力102から、遮断回路100の第1のスイッチ106、電源供給回路400の第1のスイッチ412、電源供給回路400の第2のスイッチ414、および遮断回路100の第2のスイッチ108を通って出力104に流れていることを意味する。
【0068】
本発明の実施形態によれば、本開示において説明される遮断回路100および電源供給回路400のスイッチのいずれも、例えば、切換え制御信号に基づいて、遮断回路100のコントローラ110によって制御されてよい。したがって、
図4に示されるFET106、108、412、414のそれぞれは、1つまたは複数の切換え制御信号S
switchに基づいて制御される/切り換えられるように構成されてよい。
図4において、遮断回路100の第1のスイッチ106は、第1の切換え制御信号S
switch1に基づいて切り換えられ、電源供給回路400の第1のスイッチ412は、第2の切換え制御信号S
switch2に基づいて切り換えられ、電源供給回路400の第2のスイッチ414は、第3の切換え制御信号S
switch3に基づいて切り換えられ、遮断回路100の第2のスイッチ108は、第4の切換え制御信号S
switch1に基づいて切り換えられる。切換え制御信号S
switch1、S
switch2、S
switch3、S
switch4は、場合により、共通のゲート電圧を使用することによって1つまたは複数のコントローラ110から伝送されてよく、その結果、回路アーキテクチャを簡素化する。切換え制御信号S
switch1、S
switch2、S
switch3、S
switch4を伝送するのに使用されるコントローラ110からのFET106、108、412、414に対する接続は、
図4に示されないことに留意されたい。
【0069】
図4において、第1の整流器416、第2の整流器418、第3の整流器432、および第4の整流器433は、ダイオードであるものとして示される。しかし、第1の整流器416、第2の整流器418、第3の整流器432、および第4の整流器433のうちの1つまたは複数がスイッチである実施形態において、これらのスイッチは、FETであってもよい。これらのFET416、418、432、433の機能および制御は、
図4を参照して既に説明したFET106、108、412、414の場合と同様に実施されてよい。
【0070】
本発明は、本発明の任意の実施形態による電源供給回路400を備える遮断回路100にさらに関する。遮断回路100は、交流電流AC遮断回路であっても、直流電流DC遮断回路であってもよい。遮断回路100に備えられる電源供給回路400は、電力を抽出し、かつその電力を、遮断回路100の電力コンシューマ110a、110b、...、110nに提供してよい。電力コンシューマ110a、110b、...、110nは、例えば、前述したとおり、遮断回路100の第1のスイッチ106および/または第2のスイッチ108を制御するように構成されたコントローラ110であってよい。実施形態において、コントローラ110は、電源供給回路400の少なくとも1つのスイッチを制御するようにさらに構成されてよい。例えば、コントローラ100は、前述したとおり、電源供給回路400の第1のスイッチ412および/または第2のスイッチ414の開閉を制御するように構成されてよい。その結果、電源供給回路400による電力の抽出は、遮断回路100のコントローラ110によって制御されてよい。電源供給回路400の第1の整流器416、第2の整流器418、第3の整流器432、および第4の整流器433のいずれかがスイッチとして実装される実施形態において、これらのスイッチの開閉もまた、コントローラ110によって制御されてよい。
【0071】
電源供給回路400によって電力を供給される電力コンシューマ110a、110b、...、110nは、さらに通信デバイスであってよい。例えば、遮断回路100を遠隔で制御するのに、または遮断回路100から、例えば、測定される電流などの情報をもたらすのに使用される通信デバイス。通信デバイスは、有線通信システムまたは無線通信システム上で、それぞれ、有線通信または無線通信を実行することができてよい。
【0072】
図5は、本発明による電源供給回路400を備える遮断回路100の実施形態を概略で示し、電源供給回路400は、遮断回路100に対する電源供給として寄生電圧V
parを提供するように構成される。遮断回路100は、本発明の一部の実施形態によれば、交流電流ACを遮断することができるように構成される。遮断回路100は、1つまたは複数の電気負荷200a、200b、...200N(インデックスn=a、b、...Nを有する)に結合されてよい。交流電流ACが、遮断回路100の入力102に供給され、かつ遮断回路100の出力104を経由して負荷200a、200b、...200Nに送られる。したがって、負荷200a、200b、...200Nは、家庭用電気製品および/または電気ヒータ、および/または他の家庭用電子機器、ならびに/あるいは、基本的に、交流電流ACを供給されるように構成された他の任意のデバイスを備えてよい。
【0073】
このため、遮断回路100は、前述したとおり、交流電流ACを受け取るように構成された入力102と、その交流電流ACを少なくとも1つの電気負荷200nに提供するように構成された出力104とを備えてよい。遮断回路100は、入力102と出力104の間に結合された少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108をさらに備える。少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108は、例えば、1つまたは複数の継電器、サイリスタ、トライアック、ゲート・ターンオフ・サイリスタ、トランジスタ、および/または他の任意のタイプの制御されるシリコン整流器もしくはシリコン・スイッチを備えてよい。
【0074】
図5に示される実施形態において、遮断回路100は、2つの制御可能なスイッチである、第1のスイッチ106および第2のスイッチ108を備える。第1のスイッチ106および第2のスイッチ108は、互いに直列に、かつ入力102と出力104の間に構成されて結合される。第1のスイッチ106および第2のスイッチ108は、実施形態によれば、入力102と出力104の間で逆方向に結合されてよい。
【0075】
第1のスイッチ106および第2のスイッチ108は、前述した実施形態によれば、入力102と出力104の間で逆方向に直列に結合されるFETであってよい。FETは、1つの方向で電流を阻止することができ、このため、この実施形態における2つのFETは、電流の方向に対して逆方向に結合される。FETは、高速の/短い切換え時間(すなわち、スイッチを開くため、または閉じるための時間)を有し、このことは、FETを通る電流が、過電流が検出されたときに非常に迅速に遮断されることが可能であり、その結果、出力104に結合された回路および負荷に対する潜在的な損傷を限定する、または解消することを意味する。2つのFETは、実施形態によれば、場合により、共通のゲート電圧を使用することによって同一の1つまたは複数のコントローラ110によって制御され、その結果、アーキテクチャを簡素化する。
【0076】
このため、遮断回路100は、出力104を経由して少なくとも1つの電気負荷200nに提供される電流の遮断を制御するように、少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を制御するように構成されたコントローラ110を備えてよい。コントローラ110は、コントローラ110および少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108に共通の基準接地REFGNDに結合されてよい。その場合、基準接地REFGNDが使用されてよく、かつ、その場合、存在する遮断回路100における1つまたは複数の電圧差を測定するための基準電位として機能してよい。実施形態によれば、基準接地REFGNDは、少なくとも1つの電気負荷200nのための接地とは異なる。負荷200nのための接地とは異なる基準接地を有することによって、遮断回路100においてより小さく、かつより安価な電気構成要素が使用されることが、前述の電気構成要素は、AC電源電圧、例えば、230ボルトおよび110ボルトなどの高い電圧に適応させられる必要がないので、可能である。
【0077】
コントローラ110は、様々な実施形態によれば、少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108の切換えを制御するように構成されたマイクロコントローラμCおよび/またはトランジスタ回路網を備えてよい。これによって、少なくとも1つの電気負荷200nに提供される交流電流ACの遮断が制御される。
【0078】
コントローラ110は、マイクロコントローラμCであってよく、かつ通信を管理するため、および少なくとも1つの制御可能なスイッチおよび/またはスレーブ・コントローラを制御するための少なくとも1つのプロセッサを備えてよい。さらに、コントローラは、本ソリューションを実行するための他の必要な能力を、例えば、機能、手段、ユニット、要素、その他の形態で備えてよいことが当業者には認識されよう。特に、本コントローラの1つまたは複数のプロセッサは、例えば、中央処理装置(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、または命令を解釈すること、および実行することが可能な他の処理ロジックのうちの1つまたは複数の実例を備えてよい。このため、「プロセッサ」という表現は、例えば、前述した、または知られている別のプロセッサのうちのいずれか、いくつか、またはすべてなどの、複数の処理回路を備える処理回路を表し得る。処理回路は、データ・バッファリング、ならびにコール処理制御、ユーザ・インターフェース制御、またはこれらに類するものなどのデバイス制御機能を備えるデータの入力、出力、および処理のためのデータ処理機能をさらに実行してよい。
【0079】
実施形態によれば、コントローラ110は、少なくとも1つの電気負荷200nの電力消費パターンを監視するように、かつ少なくとも1つの電気負荷200nの監視される電力消費パターンに基づいて少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を制御するように構成される。その結果、コントローラ110は、負荷のタイプに依存して、例えば、安全の理由で負荷をシャットダウンすること、あるいはより大きい量の、またはより小さい量の電力を提供することによって、負荷に供給される電流を適応させてよい。また、コントローラは、電力消費パターンが不合理である場合、すなわち、電力消費パターンが、例えば、過渡、ステップ、またはその他の急な変化を含め、予想外であるように、かつ/または不利であるように見える場合、交流電流ACの遮断が実施されるように少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を制御するように構成されてよい。また、コントローラは、監視される電力消費パターンに基づいて少なくとも1つの負荷200nのタイプを判定するようにさらに構成されてよい。負荷の各タイプは、識別され得る負荷のそのタイプ独自の電力消費パターンを有する。したがって、この実施形態において、コントローラは、負荷のタイプを判定する、または識別する能力を有してもよく、このことは、少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108が、負荷の判定された、または識別されたタイプに基づいて制御されてよいことを意味する。
【0080】
実施形態によれば、遮断回路100は、例えば、コントローラ110に備えられた少なくとも1つのドライバ回路も備える。少なくとも1つのドライバ回路は、遮断回路100および/または電源供給回路400におけるスイッチのうちのいずれかを制御するためにコントローラ110によって使用される制御信号を増強するように、かつ/または調整するように構成される。このことは、例えば、少なくとも1つの制御されるスイッチに伝送される制御電圧および/または制御電流が増強され、かつ/または調整される(例えば、電圧および/または電流を増加させて、または低減して)必要がある場合、必要とされ得る。例えば、ドライバ回路は、10~15ボルトを供給されるように、かつ少なくとも1つの制御されるスイッチのFETのゲート側に増加された電圧および/または電流を送るように構成されてよい。
【0081】
実施形態によれば、遮断回路100は、適切に動作するために低い電源供給によって駆動されてよい。このことは、遮断回路100および/または電源供給回路400における少なくとも1つのスイッチが、切換えを実行するのに非常にわずかな、例えば、マイクロアンペア近辺の、例えば、10μA未満の電流供給しか必要としないFETスイッチとして、例えば、金属酸化物半導体(MOS)FETスイッチまたは相補型金属酸化物半導体(CMOS)FETスイッチとして実装されてよいので、可能である。
【0082】
図5に示される実施形態において、遮断回路100を駆動するのに必要とされる電力は、遮断回路100に対する電源供給として第1の寄生電圧V
par1および/または第2の寄生電圧V
par2を提供するように構成された電源供給回路400によって提供される。
図5において、電源供給回路400の第1のキャパシタC1および第2のキャパシタC2が、遮断回路100のコントローラ110に対する電源供給として第1の寄生電圧V
par1および/または第2の寄生電圧V
par2を提供するように構成される。
図5に示されるとおり、電源供給回路400は、第1のスイッチ412と、第2のスイッチ414と、第1の整流器416と、第2の整流器418とを備えるとともに、第1の整流器416および第2の整流器418と、基準接地REF
GNDとの間に構成された第1のキャパシタC1とを備える。第1のキャパシタC1は、
図1a~
図1c)を参照して前述したとおり、交流電流ACから第1の寄生電圧V
par1を生成してよく、かつ遮断回路100のコントローラ110に第1の寄生電圧V
par1を提供してよい。さらに、入力102は、第1のキャパシタC1に提供されている電流を制限するように構成された電流制限器434を介して第3の整流器432によって第1のキャパシタC1に接続される。出力104は、電流制限器434を介して第4の整流器433によって第1のキャパシタC1に接続される。第1のキャパシタC1は、第3の整流器432および第4の整流器433と、基準接地REF
GNDとの間にさらに接続される。さらに、第2のキャパシタC2が、第3の整流器432および第4の整流器433と、基準接地REF
GNDとの間に接続される。第1のキャパシタC1および/または第2のキャパシタC2は、
図2a~
図2d)を参照して前述したとおり、交流電流ACから第2の寄生電圧V
par2を生成してよく、かつ遮断回路100のコントローラ110に第2の寄生電圧V
par2を提供してよい。
【0083】
実施形態によれば、電源供給回路400は、遮断回路100に電源供給として提供されている電圧を調整するために構成された1つまたは複数の電圧調整器(
図4~
図5に示されない)をさらに備えてよい。そのような1つまたは複数の電圧調整器が、例えば、第1のキャパシタC1と遮断回路100の間に、かつ/またはコントローラ110もしくは遮断回路100において構成されてよい。
【0084】
本開示において説明されるとおり、寄生電圧Vparは、1つまたは複数の負荷と直列に交流電流ACから抽出される/ハーベストされるので、電源供給回路400は、1つまたは複数の活性の負荷200nに電流が提供されるとき、遮断回路100に常に電源供給を提供することができる。また、その1つまたは複数の負荷200nが不活性であるとき、リーク電流lleakが、依然として、負荷における保護接地および/または中性線に流れ、このことが、遮断回路100を駆動するのに必要とされる寄生電圧Vparを生じさせる/生成する/ハーベストするために十分である。リーク電流lleakは、接続された負荷200nが存在しない場合も、流れることに留意されたい。前述したとおり、遮断回路100は、非常に小さい電流によって駆動され得る。このため、確実、かつ有用な寄生電圧Vparが、本明細書において説明される実施形態によって、いかなる状況において、1つまたは複数の負荷200nが電力を消費しないときも、遮断回路100に対する電源供給として提供される。
【0085】
遮断回路100は、初期に、例えば、最初に設置されるとき、非導通/オフ・モードにあってよい。前述したとおり、電源供給回路400は、遮断回路100が非導通/オフ・モードにあるときも、遮断回路100を駆動するのに使用され得る電力を抽出することが可能である。したがって、電源供給回路400は、遮断回路100が設置されたとき、電力を抽出することを開始し、十分な電力が抽出されたとき、遮断回路100が導通/オン・モードに切り換えられてよい。
【0086】
本発明の実施形態によれば、本明細書における様々な実施形態に関して説明される遮断回路100は、交流電流ACのゼロ交差ごとに、遮断回路100および/または電源供給回路400の1つまたは複数のスイッチを非導通/オフ・モードに切り換えるように、すなわち、スイッチを開くようにさらに構成される。交流電流ACは、正の半周期と、負の半周期とを有する、正弦波信号の形態を、通常、有する。これらの半周期の中間で、すなわち、正の半周期と負の半周期の間の過渡において、交流電流ACは、本明細書においてゼロ交差と呼ばれる、ゼロ(0)の値を有する。
【0087】
実施形態によれば、遮断回路100は、交流電流ACのゼロ交差の時点で、またはその前に、すなわち、遅くともその時点で遮断回路100の電力コンシューマに提供される寄生電圧Vparの値を判定するように構成される。次に、寄生電圧Vparのこの値が、寄生電圧Vpar値が寄生電圧しきい値Vpar_thより低い場合、すなわち、Vpar<Vpar_thである場合、遮断回路100および/または電源供給回路400の少なくとも1つのスイッチが非導通/オフ・モードに保たれるように、遮断回路100および/または電源供給回路400の1つまたは複数のスイッチを切り換えるための基礎として使用されてよい。しかし、寄生電圧Vpar値が寄生電圧しきい値Vpar_th以上である場合、すなわち、Vpar≧Vpar_thである場合、遮断回路100および/または電源供給回路400の少なくとも1つのスイッチは、導通/オン・モードに切り換えられる。
【0088】
実施形態によれば、遮断回路100は、交流電流ACのゼロ交差の時点で、またはその前に、すなわち、遅くともその時点で遮断回路100のコントローラ110に提供される寄生電圧Vparの値を判定するように構成される。次に、寄生電圧Vparの判定された値が、寄生電圧Vpar値が寄生電圧しきい値Vpar_th以下である場合、すなわち、Vpar≦Vpar_thである場合、遮断回路100および/または電源供給回路400の少なくとも1つのスイッチが非導通/オフ・モードのままであるように、遮断回路100および/または電源供給回路400の1つまたは複数のスイッチを切り換えるための基礎として使用されてよい。しかし、寄生電圧Vpar値が寄生電圧しきい値Vpar_thを超えている場合、すなわち、Vpar>Vpar_thである場合、遮断回路100および/または電源供給回路400の1つまたは複数のスイッチは、導通/オン・モードに切り換えられる。
【0089】
例えば、ラジエータまたは他の電気器具を負荷200nとして駆動するためなどの一部の実装形態に関して、交流電流ACのいくつかの全周期を出力104に提供することが有利であり得る。このことは、本発明の実施形態によれば、少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を、交流電流ACのゼロ交差時に導通/オン・モードに切り換えることによって、かつ少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を、交流電流ACのゼロ交差時に非導通/オフ・モードに切り換えることによって達せられる。これによって、交流電流ACの整数の全周期が、出力104によって提供され、このことは、交流電流の正の半周期の効果と負の半周期の効果が互いに相殺されるので、負荷200nおよび/または送電網における不平衡の回路に関する潜在的な問題を軽減する。
【0090】
一部の実装形態に関して、交流電流ACのいくつかの半周期を出力104に提供することが有利であり得る。したがって、遮断回路100は、実施形態によれば、少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108の1つまたは複数を、交流電流ACのゼロ交差時に導通/オン・モードに切り換えること、および少なくとも1つの制御可能なスイッチ106、108を、交流電流ACのゼロ交差時に非導通/オフ・モードに切り換えることによって、半周期を正の半周期と負の半周期の間に等しく分配することによって、交流電流ACの1つまたは複数の半周期を少なくとも1つの電気負荷200nに提供するように構成される。正の半周期と負の半周期は、等しく分配されるので、交流電流の正の半周期の効果と負の半周期の効果は、互いに相殺される。
【0091】
本発明は、前述した実施形態に限定されない。代わりに、本発明は、独立クレームの範囲に含まれる異なるすべての実施形態に関し、かつそれらの実施形態を包含する。