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特許7046469ケーソンの状態予測システム及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】ケーソンの状態予測システム及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   E02D 23/04 20060101AFI20220328BHJP
   E02D 23/08 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
E02D23/04 Z
E02D23/08 Z
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020201749
(22)【出願日】2020-12-04
【審査請求日】2021-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000103769
【氏名又は名称】オリエンタル白石株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100120868
【弁理士】
【氏名又は名称】安彦 元
(72)【発明者】
【氏名】進藤 匡浩
(72)【発明者】
【氏名】倉知 禎直
(72)【発明者】
【氏名】近藤 俊宏
(72)【発明者】
【氏名】速水 悟
【審査官】高橋 雅明
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-065639(JP,A)
【文献】特開2019-159675(JP,A)
【文献】特開2019-183783(JP,A)
【文献】特開2015-066569(JP,A)
【文献】特開2020-090796(JP,A)
【文献】特開2020-090798(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02D 23/04
E02D 23/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力とした予測モデルを生成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えること
を特徴とするケーソンの状態予測システム。
【請求項2】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、機械学習により予測モデルを生成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えること
を特徴とするケーソンの状態予測システム。
【請求項3】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、
前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、非線形力学系により予測モデルを生成するモデル生成手段と、
前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えること
を特徴とするケーソンの状態予測システム。
【請求項4】
前記探索手段は、前記探索手段により出力された躯体情報を含める2以上の各時点における前記躯体情報を入力として、前記予測モデルを用いて、次時点における前記躯体情報を出力することを複数回繰り返すこと
を特徴とする請求項1~3の何れか1項に記載のケーソンの状態予測システム。
【請求項5】
前記探索手段は、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された次時点における前記躯体情報を出力として、前記予測モデルを生成すること
を特徴とする請求項1~4の何れか1項に記載のケーソンの状態予測システム。
【請求項6】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力とした予測モデルを生成するモデル生成ステップと、
前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とするケーソンの状態予測プログラム。
【請求項7】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、機械学習により予測モデルを生成するモデル生成ステップと、
前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とするケーソンの状態予測プログラム。
【請求項8】
ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、
以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、
前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、非線形力学系により予測モデルを生成するモデル生成ステップと、
前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させること
を特徴とするケーソンの状態予測プログラム。
【請求項9】
前記探索ステップは、前記探索ステップにより出力された躯体情報を含める2以上の各時点における前記躯体情報を入力として、前記予測モデルを用いて、次時点における前記躯体情報を出力することを複数回繰り返すこと
を特徴とする請求項6~8の何れか1項に記載のケーソンの状態予測プログラム。
【請求項10】
前記探索ステップは、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された次時点における前記躯体情報を出力として、前記予測モデルを生成すること
を特徴とする請求項6~9の何れか1項に記載のケーソンの状態予測プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を予測するケーソンの状態予測システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ケーソンは、コンクリート製又は鋼製で全体が略筒状をなし、例えば、立坑等の地下構造物や橋梁基礎等の水中構造物に用いられる。ケーソンは、地下構造物として用いる場合には、地盤を掘削しながら、自重や圧入力により地中に沈設される。ケーソンを地盤中に沈設する工法には、大きくオープンケーソン工法とニューマチックケーソン工法の二つに分けられる。オープンケーソン工法は、両端に蓋のない筒として掘削する工法であるのに対して、ニューマチックケーソン工法は、ケーソンの下部に気密にした作業室を設け、そこに圧縮空気を送り込んで地下水の浸入を防ぎ、地上と同じ状態で掘削を行う工法である。
【0003】
ニューマチックケーソン工法の作業室の気圧は、原則として地盤の間隙水圧に見合った気圧にするため、一般的に周辺地盤の地下水位を下げることがなく、周辺地盤の地盤沈下や井戸涸れなどの心配がなく優れた工法と言われる。
【0004】
ところで、このニューマチックケーソン工法に基づいてケーソンを地盤に掘削しつつコンクリート躯体を沈設していく過程において、特にこのコンクリート躯体を鉛直方向に向けてまっすぐに沈下させていくことが求められる。しかしながら、掘削順序やコンクリート躯体周囲の地盤に対する摩擦力、地盤特性や、コンクリート躯体の形状等の各要因に応じてケーソンの位置や姿勢が変化してしまう場合が多々あることから、その沈下方向は必ずしも鉛直方向にならず、場合によっては斜め方向に沈下させてしまう場合もある。このため、これら各要因に基づいてケーソンの位置や姿勢を微調整しながらコンクリート躯体を地盤中に沈下させる必要があるが、実際にこれを高精度に行うためには相当の熟練が必要になり、また工事にともなう労力の負担が過大になっている。このため、これらケーソン躯体を自動的に鉛直方向に向けて沈設制御を行うことが可能な技術が従来より望まれていた。
【0005】
このようなケーソン躯体の鉛直方向への自動的な沈設制御を行う上では、現時点におけるケーソン躯体の各種状態から、次時点におけるケーソン躯体の各種状態を予測することが重要となる。つまり、現時点におけるケーソン躯体の位置や姿勢等の各種状態においてある掘削方法に基づいて掘削を行った場合、次時点においてケーソン躯体がどのような位置や姿勢等の各種状態に遷移するのかを予測することができれば、逆にケーソン躯体の鉛直方向への沈設を行う上で必要な掘削方法を見出すことが可能となり、ひいてはケーソン躯体の鉛直方向への自動的な沈設制御にもつながる(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
特許文献1では、躯体現在情報と、掘り残し土に基づく函内地形情報とに対する次時点における躯体将来情報との3段階以上の連関度を参照し、次時点における躯体将来情報を探索するケーソンの状態予測システムが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】特開2019-65639号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ここで、現時点におけるケーソン躯体の位置や姿勢等の各種状態においてある掘削方法に基づいて掘削を行った場合、次時点においてケーソン躯体がどのような位置や姿勢等の各種状態に遷移するかを予想するためには、実際に掘削を行ってから、ケーソン躯体が遷移するまでに次時点におけるケーソン躯体の各種情報の予測をする必要がある。
【0009】
一方、特許文献1では、次時点における躯体将来情報を探索のために、躯体現在情報と、掘り残し土に基づく函内地形情報とに対する次時点における躯体将来情報との予め記憶された3段階以上の連関度を参照している。予め記憶された3段階以上の連関度には、過去の様々な状況下でのケーソンの躯体現在情報と、掘り残し土に基づく函内地形情報とに対する次時点における躯体将来情報とに基づく学習データが扱われている。このため、特許文献1では、実際にケーソン躯体の各種情報の予測のために、関連性の低い学習データとの連関度まで考慮される。このため、特許文献1では、次時点における躯体将来情報の探索を行うには、膨大な計算が必要となり、探索を行うのに時間が必要となる。このため、特許文献1の開示技術では、掘削を行ってから、ケーソン躯体が遷移するまでに次時点におけるケーソン躯体の各種情報の予測が間に合わないことが問題とされていた。
【0010】
また、特許文献1では、次時点における躯体将来情報の探索のために、躯体現在情報と、掘り残し土に基づく函内地形情報とに対する次時点における躯体将来情報との予め記憶された3段階以上の連関度を参照している。このため、特許文献1では、現在の躯体情報を、連関度に反映することができない。このことから、次時点における躯体将来情報の探索の予測精度が低いことが問題とされていた。
【0011】
そこで本発明は、上述した問題に鑑みて案出されたものであり、その目的とするところは、計算に時間を必要としない予測精度の高いケーソンの状態予測システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
第1発明に係るケーソンの状態予測システムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力とした予測モデルを生成するモデル生成手段と、前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
第2発明に係るケーソンの状態予測システムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、機械学習により予測モデルを生成するモデル生成手段と、前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0014】
第3発明に係るケーソンの状態予測システムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、前記取得手段により取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、非線形力学系により予測モデルを生成するモデル生成手段と、前記モデル生成手段により生成された予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備えることを特徴とする。
【0015】
第4発明に係るケーソンの状態予測システムは、第1発明~第3発明の何れかにおいて、前記探索手段は、前記探索手段により出力された躯体情報を含める2以上の各時点における前記躯体情報を入力として、前記予測モデルを用いて、次時点における前記躯体情報を出力することを複数回繰り返すことを特徴とする。
【0016】
第5発明に係るケーソンの状態予測システムは、第1発明~第4発明の何れかにおいて、前記探索手段は、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された次時点における前記躯体情報を出力として、前記予測モデルを生成することを特徴とする。
【0017】
第6発明に係るケーソンの状態予測プログラムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力とした予測モデルを生成するモデル生成ステップと、前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0018】
第7発明に係るケーソンの状態予測プログラムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、機械学習により予測モデルを生成するモデル生成ステップと、前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0019】
第8発明に係るケーソンの状態予測プログラムは、ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測プログラムにおいて、以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得ステップと、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記取得ステップにより取得された前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力として、非線形力学系により予測モデルを生成するモデル生成ステップと、前記モデル生成ステップにより生成された予測モデルを用いて、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索ステップとをコンピュータに実行させることを特徴とする。
【0020】
第9発明に係るケーソンの状態予測プログラムは、第6発明~第8発明の何れかにおいて、前記探索ステップは、前記探索ステップにより出力された躯体情報を含める2以上の各時点における前記躯体情報を入力として、前記予測モデルを用いて、次時点における前記躯体情報を出力することを複数回繰り返すことを特徴とするケーソンの状態予測プログラム。
【0021】
第10発明に係るケーソンの状態予測プログラムは、第6発明~第9発明の何れかにおいて、前記探索ステップは、前記取得ステップにより取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、前記取得手段により取得された次時点における前記躯体情報を出力として、前記予測モデルを生成することを特徴とするケーソンの状態予測プログラム。
【発明の効果】
【0022】
第1発明~第5発明によれば、本発明のケーソンの状態予測システムは、2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における躯体情報を出力する。これによって、関連性の低いデータを用いることなく、予測モデルを生成できるため、短い計算時間での精度の高い予測が可能となる。
【0023】
特に第4発明によれば、本発明のケーソンの状態予測システムは、探索手段により出力された躯体情報を含める2以上の各時点における躯体情報を入力として、次時点における躯体情報を出力することを複数回繰り返す。これによって、同じ予測モデルを用いて、さらに次の時点の予測が可能となり、短い計算時間で、さらに次の時点の精度の高い予測ができる。
【0024】
第5発明によれば、本発明のケーソンの状態予測システムは、取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、取得手段により取得された次時点における躯体情報を出力として、予測モデルを生成する。これによって、実際に施工するケーソンの躯体情報を用いて、予測モデルを生成することができるため、短い計算時間で、施工環境の変化に応じた精度の高い予測が可能となる。
【0025】
第6発明~第10発明によれば、本発明のケーソンの状態予測プログラムは、2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における躯体情報を出力する。これによって、関連性の低いデータを用いることなく、予測モデルを生成できるため、短い計算時間での精度の高い予測が可能となる。
【0026】
特に第9発明によれば、本発明のケーソンの状態予測プログラムは、探索手段により出力された躯体情報を含める2以上の各時点における躯体情報を入力として、次時点における躯体情報を出力することを複数回繰り返す。これによって、同じ予測モデルを用いて、さらに次の時点の予測が可能となり短い計算時間で、さらに次の時点の精度の高い予測ができる。
【0027】
第10発明によれば、本発明のケーソンの状態予測プログラムは、取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とし、取得手段により取得された次時点における躯体情報を出力として、予測モデルを生成する。これによって、実際に施工するケーソンの躯体情報を用いて、予測モデルを生成することができるため、短い計算時間で、施工環境の変化に応じた精度の高い予測が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1図1は、ニューマチックケーソン工法の主要設備を示す縦断面図である。
図2図2は、刃口部を示す縦断面図である。
図3図3は、本発明に係る作業機の一例である掘削機の側面図である。
図4図4は、掘削機における制御系統を示すブロック図である。
図5図5は、ケーソンの傾きを示す図である。
図6図6は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第1実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図7図7は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第1実施形態の動作についてのフローチャートである。
図8図8は、自己回帰モデルの生成を示す図である。
図9図9は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第2実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図10図10は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第2実施形態の動作についてのフローチャートである。
図11図11は、非線形力学系モデルの生成の一例を示す図である。
図12図12は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第3実施形態の全体構成を示すブロック図である。
図13図13は、本発明を適用したケーソンの状態予測システムの第3実施形態の動作についてのフローチャートである。
図14図14は、Deep Learningモデルの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1は、本発明に係るケーソンの状態予測システムが用いられるニューマチックケーソン工法の主要設備の一例を示す図である。図1では、ケーソン1の構築途中の状態が示されている。詳しくは、ケーソン1のうちの大半が地盤8内に沈下して静止している状態が示されている。ニューマチックケーソン工法は、掘削設備E1、艤装設備E2、排土設備E3、送気設備E4及び予備・安全設備E5を用いて、鉄筋コンクリート製のケーソン1を地中に沈下させていくことにより、地下構造物を構築するように構成されている。
【0030】
掘削設備E1は、例えば、掘削機100(以下、ケーソンショベル100という)と、土砂自動積込装置11と、地上遠隔操作室13とを備える。ケーソンショベル100は、ケーソン1の底部に設けられた刃口部7の内側に設けられる作業室2内に設置される。土砂自動積込装置11は、ケーソンショベル100により掘削された土砂を円筒状のアースバケット31に積み込む。地上遠隔操作室13は、ケーソンショベル100の作動を地上から遠隔操作する遠隔操作装置12を備える。
【0031】
艤装設備E2は、例えば、マンシャフト21と、マンロック22(エアロック)と、マテリアルシャフト23と、マテリアルロック24(エアロック)とを備える。マンシャフト21は、作業者が作業室2へ出入りするために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状の通路であり、例えば、螺旋階段25が設けられている。マンロック22は、マンシャフト21に設けられ地上の大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マテリアルシャフト23は、土砂自動積込装置11により土砂が積み込まれたアースバケット31を地上に運び出すために地上と作業室2とを繋ぐ円筒状の通路である。マテリアルロック24は、マテリアルシャフト23と、材料等を搬出入するためのマテリアルシャフト23に設けられた地上の大気圧と作業室2内の圧力差を調節する二重扉構造の気密扉である。マンロック22およびマテリアルロック24は、作業室2内の気圧が変化することを抑えて作業者やアースバケット31を作業室2へ出入りさせることが可能になるように構成されている。
【0032】
排土設備E3は、例えば、アースバケット31と、キャリア装置32と、土砂ホッパー33とを備える。アースバケット31は、ケーソンショベル100により掘削された土砂が積み込まれる有底円筒状の筒容器である。キャリア装置32は、アースバケット31を、マテリアルシャフト23を介して地上まで引き上げて運び出す装置である。土砂ホッパー33は、アースバケット31及びキャリア装置32により地上に運び出された土砂を一時的に貯めておく設備である。
【0033】
送気設備E4は、例えば、空気圧縮機42と、空気清浄装置43と、送気圧力調整装置44と、自動減圧装置45とを備える。空気圧縮機42は、送気管41及びケーソン1に形成された送気路3を介して作業室2内に圧縮空気を送る装置である。空気清浄装置43は、空気圧縮機42により送り込む圧縮空気を浄化する装置である。送気圧力調整装置44は、作業室2内の気圧が地下水圧と等しくなるように空気圧縮機42から作業室2内へ送る圧縮空気の量(圧力)を調整する装置である。自動減圧装置45は、マンロック22内の気圧を減圧する装置である。
【0034】
予備・安全設備E5は、例えば、非常用空気圧縮機51と、ホスピタルロック53とを備える。非常用空気圧縮機51は、空気圧縮機42の故障又は点検などの時に空気圧縮機42に代わって作業室2内に圧縮空気を送ることが可能な装置である。ホスピタルロック53は、作業室2内で作業を行った作業者が入り、当該作業者の身体を徐々に大気圧に慣らしていくための減圧室である。
【0035】
次に、本発明における刃口部7について、図2を用いて説明する。刃口部7は、ケーソン1の下端部の備えられるものである。刃口部7は、図2に示すように、ケーソン沈下時に地盤8に貫入する部位であり、概ね円筒状に形成されている。刃口部7の内周面71は、刃口部先端72から上方に向かうほどケーソン1の中心側に近づくように傾斜したテーパー状に形成されている。詳しくは、刃口部7の最下端部における内周面71の傾斜角は、その上側の内周面71における上述した傾斜角よりも大きくなるように設定されている。
【0036】
ここで、ケーソン沈設施工の際に、刃口部7は、図2に示すように、掘り残し土80に貫入する。掘り残し土80は、刃口部7に掛かる地盤反力を弱めてケーソン1の沈降を制限する目的で刃口部7近傍に設ける土砂の掘り残しである。掘り残し土80が内周面71に達しているときには内周面71が地盤反力を受けるため、ケーソン1の沈降を抑えることができる。特に軟弱地盤においては、掘り残し土80を大きくすることにより刃口部7が受ける地盤反力を低減させることにより、ケーソン1の沈降を抑えることができる。また、刃口境界部70は、刃口部7の内周面71のうちの作業室2に露出している部分と内周面71のうちの掘り残し土80内に貫入している部分との境界である。刃口境界部70を判定することにより、掘り残し土幅81の算出が可能となる。また、刃口境界部70から、刃口部先端72までの高さHが刃口深度となる。
【0037】
次に、本発明に係るケーソンショベル100について図3図4を用いて説明する。ケーソンショベル100は、図3に示すように、例えば、走行体110と、ブーム130と、バケットアタッチメント150とを備える。走行体110は、作業室2の天井部に設けられた左右一対の走行レール4に取り付けられ、左右の走行レール4に懸下された状態で走行レール4に沿って走行移動する。ブーム130は、走行体110の旋回フレーム121に上下方向に揺動可能に枢結される。バケットアタッチメント150は、ブーム130の先端部に取り付けられる。
【0038】
走行体110は、走行フレーム111と、旋回フレーム121と、走行ローラ113とを備える。旋回フレーム121は、走行フレーム111の下面側に旋回自在に設けられる。走行ローラ113は、走行フレーム111の上面側前後に、設けられている前後左右の4個のローラである。走行体110は、前後左右の走行ローラ113を回転駆動させて左右の走行レール4に沿って走行移動するように構成されている。
【0039】
ブーム130は、例えば、基端ブーム131と、先端ブーム132と、伸縮シリンダ133と、起伏シリンダ134とを備える。基端ブーム131は、旋回フレーム121に起伏自在又は上下方向に揺動自在に取り付けられる。先端ブーム132は、基端ブーム131に入れ子式に組み合わされ、構成される。伸縮シリンダ133は、基端ブーム131内に設けられている。起伏シリンダ134は、基端ブーム131の左右に2個設けられている。ブーム130は、伸縮シリンダ133を伸縮させると、基端ブーム131に対して先端ブーム132が長手方向に移動し、これによりブーム130が伸縮するように構成されている。2個の起伏シリンダ134の基端部は基端ブーム131の左右側部にそれぞれ回動自在に取り付けられている。
【0040】
バケットアタッチメント150は、ベース部材151と、バケット152と、バケットシリンダ153とを備える。ベース部材151は、先端ブーム132に取り付けられる。バケット152は、ベース部材151の先端部に上下揺動自在に取り付けられる。バケットシリンダ153は、ベース部材151に対してバケット152を上下揺動させるように構成される。
【0041】
コントロールユニット165は、図4に示すように、メインコントローラ165aと、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとを備える。また、コントロールユニット165は、ケーソンショベル100と、遠隔操作装置12と接続されていてもよい。コントロールユニット165は、遠隔操作装置12に内蔵されていてもよい。メインコントローラ165aは、走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに接続され、遠隔操作装置12からの操作信号を受けて、その操作信号に応じた駆動制御信号を走行体用コントローラ165bと、ブーム・バケット用コントローラ165cとに出力する。走行体用コントローラ165bは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、走行体110を駆動させるように構成されている。メインコントローラ165aおよび走行体用コントローラ165bは、走行体110の旋回フレーム121に配設されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、メインコントローラ165aから出力された駆動制御信号に応じて、ブーム130及びバケットアタッチメント150を駆動させるように構成されている。ブーム・バケット用コントローラ165cは、ブーム130の基端ブーム131の側部に配設されている。
【0042】
ケーソンショベル100は、図4に示すように、走行体位置センサ201と、旋回角度センサ202と、ブーム起伏角度センサ203と、ブーム伸長量センサ204と、バケット揺動角度センサ205と、外界センサ206とを備える。走行体位置センサ201は、走行体110が走行レール4の何処の位置に位置しているかを検出する。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回角度を検出する。ブーム起伏角度センサ203は、旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度を検出する。ブーム伸長量センサ204は、ブーム130の伸長量を検出する。バケット揺動角度センサ205は、ブーム130又はバケットアタッチメント150のベース部材151に対するバケット152の揺動角度を検出する。外界センサ206は、走行体110に設けられて作業室2内の掘削地面までの距離、地面の形状などの情報を取得する。また、ケーソンショベル100は、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165と通信を行い、各センサ201~206で得たデータを、遠隔操作装置12と、コントロールユニット165とに送信してもよい。
【0043】
走行体位置センサ201は、例えば、走行体110の走行フレーム111に配設されたレーザセンサによって構成される。走行体位置センサ201は、レーザ光を走行レール4の端部又は作業室2の壁部に向けて照射して走行レール4の端部又は作業室2の壁部において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。走行体位置センサ201は、この時間に基づいて走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離を検出する。旋回角度センサ202は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設された光学式のロータリーエンコーダによって構成される。旋回角度センサ202は、走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回量を電気信号に変換する。旋回角度センサ202は、その信号を演算処理して旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度を検出する。なお、走行体位置センサ201及び旋回角度センサ202は一例を説明したもので、走行体110の二次元的な位置を検出する他のセンサ、旋回フレーム121の旋回角度を検出する他のセンサをそれぞれ用いてもよい。
【0044】
ブーム起伏角度センサ203は、例えば、起伏シリンダ134のシリンダボトムの側部に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム起伏角度センサ203は、レーザ光を旋回フレーム121に向けて照射して旋回フレーム121において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム起伏角度センサ203は、この時間に基づいて起伏シリンダ134の伸長量を検出し、その起伏シリンダ134の伸長量に基づいて旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置を検出する。ブーム起伏角度センサ203も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりブーム130の起伏角を直接検出する他のセンサを用いてもよい。
【0045】
ブーム伸長量センサ204は、例えば、ブーム130の基端ブーム131に配設されたレーザセンサによって構成される。ブーム伸長量センサ204は、レーザ光を先端ブーム132の先端部に取り付けられたバケットアタッチメント150のベース部材151に向けて照射してベース部材151において反射して戻ってくるまでの時間を測定する。ブーム伸長量センサ204は、この時間に基づいて、ブーム130の伸長量として基端ブーム131に対する先端ブーム132の伸長量を検出する。ブーム伸長量センサ204も一例を説明したものであり、ブーム伸縮と共に伸縮するケーブルの伸長量を直接測定する他のセンサを用いてもよい。
【0046】
バケット揺動角度センサ205は、例えば、バケットシリンダ153の油路に配設された流量センサによって構成される。バケット揺動角度センサ205は、バケットシリンダ153に供給される作動油の流量を検出し、その流量の積分値を算出する。バケット揺動角度センサ205は、この流量積分値に基づいてバケットシリンダ153のピストンロッドの伸長量を求め、そのバケットシリンダ153の伸長量に基づいて、バケットアタッチメント150のベース部材151又はブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置を検出する。バケット揺動角度センサ205も一例を説明したものであり、光学式ロータリーエンコーダ、ポテンショメータなどによりバケット152の揺動角度を直接検出他のセンサや、レーザセンサによりバケットシリンダ153の伸長量を求める他のセンサを用いてもよい。
【0047】
外界センサ206は、例えば、走行体110の旋回フレーム121に配設されたRGB-Dセンサによって構成される。外界センサ206は、掘削地面のRGB画像又はカラー画像、及び距離画像又は点群データを取得し、それらの画像に基づいて掘削地面までの距離情報、掘削地面の形状情報を取得する。外界センサ206は、RGB-Dセンサの他の例として、ステレオカメラや超音波距離計、レーザセンサなどを用いてもよい。
【0048】
走行体位置センサ201、旋回角度センサ202、ブーム起伏角度センサ203、ブーム伸長量センサ204、バケット揺動角度センサ205及び外界センサ206により検出されたそれぞれの情報は、コントロールユニット165のメインコントローラ165aに送信される。メインコントローラ165aは、走行体位置測定部211と、バケット位置測定部212と、地盤形状測定部213とを備える。
【0049】
走行体位置測定部211は、走行体位置センサ201により検出された走行レール4の端部又は作業室2の壁部から走行体110までの距離情報と、当該走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報とを用いて、走行体110が作業室2内のどこに位置しているかを算出する。また、走行レール4が作業室2内の何処の位置に設けられた走行レールであるかという情報は、走行体110が取り付けられた走行レール4の情報であり、走行体110が取り付けられたときに走行体位置測定部211に設定されてもよい。また、走行体位置センサ201による距離情報の検出を周囲複数箇所に対して検出することにより、走行体110の天井内における二次元的な位置又は走行体110の向きを含む位置を検出してもよい。
【0050】
バケット位置測定部212は、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向及び位置を含める旋回角度と、ブーム起伏角度センサ203により検出された旋回フレーム121に対するブーム130の起伏角度又は起伏位置と、ブーム伸長量センサ204により検出されたブーム130の伸長量と、バケット揺動角度センサ205により検出されたブーム130に対するバケット152の揺動角度又は揺動位置とを用いて、走行体110の走行フレーム111に対するバケット152の位置を算出する。
【0051】
地盤形状測定部213は、走行体位置測定部211により求められた作業室2内における走行体110の位置と、旋回角度センサ202により検出された走行フレーム111に対する旋回フレーム121の旋回方向および位置を含める旋回角度とを用いて、旋回フレーム121に設けられた外界センサ206の位置と、外界センサ206により距離情報を取得する方向と、外界センサ206により取得した距離情報を用いて、掘削地面の位置とを算出する。また、地盤形状測定部213は、掘り残し土80の形状を算出してもよい。掘り残し土80の形状とは、掘り残し土法面82と形状と、掘り残し土80が内周面71に接する面の水平面での形状との両方を含む。
【0052】
また、ケーソン1は、ケーソン1の各種状態を示す躯体情報を計測する計測装置9を備える。
【0053】
躯体情報は、ケーソン1の位置、ケーソン1の速度、ケーソン1の加速度、ケーソン1の姿勢、ケーソン1の変形量等である。ケーソン1の位置は、目標となる座標とのズレを示すものであり、基準座標(x,y,z)-誤差(x,y,z)で表される。躯体姿勢は、図5のようにケーソン1の傾きθ等を表しており、躯体の4隅のz座標の差分値で表示してもよいし、x軸方向、y軸方向、z軸方向の傾き角を介して表示してもよい。また、躯体情報には、刃口深度、函内地形情報、相対的地盤情報、ケーソン情報、固定的地盤情報及び函内圧力が含まれてもよい。
【0054】
函内地形情報は、函内地形であり、例えば掘り残し土の量や位置に応じて定量化される情報である。この函内地形情報は、函内の地盤を等間隔な格子で区切った場合に、各格子点の基準面からの高さを表したデータ等で表示するようにしてもよい。
【0055】
相対的地盤情報は、ケーソン1の受圧面積、開口率、周辺摩擦力、刃口反力、周囲地盤状況、周囲構造物状態等である。受圧面積は、食込刃口面積+未掘削面積+仮受材面積で表示される。開口率は、掘削済面積[m]/躯体底面積[m]で表される。また、受圧面積に基づいて刃口部7が、接している地面から受ける刃口反力を算出してもよい。周囲構造物状態は、ケーソン1の周囲にある構造物の位置や距離等の情報である。
【0056】
函内圧力は、作業室2内の圧力である。ケーソン情報は、ケーソン1の寸法、底面積、形状、重量等の情報が含まれる。固定的地盤情報は、掘削対象としている地盤8の地質や地下水位等の情報が含まれる。
【0057】
なお、上述した躯体情報は、函内地形情報、相対的地盤情報、函内圧力、ケーソン情報、固定的地盤情報の例に限定されるものではなく、概念的にこれらに含まれるいかなるパラメータも含まれる。そして、計測装置9は、これら各種情報を検出する上で必要ないかなるセンサやデバイス等の計測手段により具現化される。躯体情報は、常に固定的なものではなく、ケーソン1による掘削の進展に応じて変動、更新される可能性のある情報である。このため、これら躯体情報は、計測装置9を介して随時取得され、更新されることになる。計測装置9は、計測した躯体情報を遠隔操作装置12に出力する。
【0058】
〈第1実施形態〉
以下、本発明の第1実施形態について図面を参照しながら説明する。図6は、本発明の第1実施形態を適用したケーソンの状態予測システム6の全体構成を示すブロック図である。状態予測システム6は、ケーソン1の躯体の次時点における各種状態を予測する。状態予測システム6は、上述した計測装置9と、計測装置9に接続された探索部14を備えている。
【0059】
探索部14は、例えば、パーソナルコンピュータ(PC)等を始めとした電子機器で構成されているが、PC以外に、携帯電話、スマートフォン、タブレット型端末、ウェアラブル端末等、他のあらゆる電子機器で具現化されるものであってもよい。また、探索部14は、予測モデルを記憶したサーバ等に接続されていてもよい。また、探索部14は、自己回帰モデルを記憶したデータベース等を内蔵してもよい。計測装置9から入力されたデータに基づいて、探索部14は、次時点における躯体情報を予測してもよい。また、探索部14は、遠隔操作装置12に内蔵されていてもよい。
【0060】
探索部14は、予測モデルを用いて、計測装置9により取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、次時点における前記躯体情報を出力する。
【0061】
次に、本発明の第1実施形態を適用した状態予測システム6の動作について説明をする。図7に示すようにステップS11において、計測装置9は、各種センサを用いて、連続した2以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する。計測装置9は、取得した躯体情報を探索部14に出力する。
【0062】
連続した2以上の時点とは、例えばある時点がtで表されるとすると、時点tに連続する時点はt+1で表され、さらに時点t+1に連続する時点はt+2で表される。上述したように、等間隔に並んだ2つ以上の時点を連続した2以上の時点とする。また、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点は、例えば図8のように、時点t、t+1という連続した2以上の時点の中で最も後の時点t+1に連続する時点t+2のことを指す。また、時点毎の間隔は任意の時間を設定してもよい。例えば時点間の間隔を10分、又は10秒に設定してもよいが、この限りではない。また、連続した2以上の時点の躯体情報を用いて、次時点における躯体情報を求めることが好ましいが、この限りではなく、等間隔ではない複数の時点における躯体情報を用いてもよい。
【0063】
次に、ステップS12において、計測装置9から躯体情報を入力された探索部14は、計測装置9により取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を説明変数とし、躯体情報の探索のために、予測モデルを用いて次時点における躯体情報を予測する。
【0064】
予測モデルは、例えば連続した2以上の各時点における躯体情報を説明変数とし、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報を目的変数として構成される、生成方法を限定しない学習モデルである。予測モデルは、例えば機械学習によって生成される機械学習モデルや非線形力学系によって生成される非線形力学系モデルであってもよい。
【0065】
非線形力学系モデルは、例えばEDM(Empirical Dynamic Modeling)の非線形モデリング手法で生成される学習モデルである。EDM(Empirical Dynamic Modeling)は、例えばSimplex Projection、S-Map、Multi-view Embeddingを含めるモデリング手法である。
【0066】
機械学習モデルは、例えば回帰手法によって生成された回帰モデルや、Deep Learning等によって生成されたDeep Learningモデルを含める。
【0067】
回帰モデルは、例えば連続した2以上の各時点における躯体情報を説明変数とし、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報を目的変数として、説明変数が目的変数の過去の変数となるような学習モデルである。回帰モデルは、線形回帰、リッジ回帰、ラッソ回帰、ガウス過程回帰によって生成されてもよい。また、回帰モデルは、自己回帰モデル(Auto Regression)を含める。自己回帰モデルは、例えばVAR(Vector Autoregression)、ARMA(autoregressive moving average model)、ARIMA(Autoregressive Integrated Moving Average)であってもよい。
【0068】
本発明の第1実施形態では、自己回帰モデルを用いた場合を説明する。自己回帰モデルは、例えば式1を用いて、式1に含まれる係数を、連続する2以上の時点における躯体情報を用いて決定することで、生成してもよい。
【数1】
また、この場合、連続する2以上の時点における躯体情報を用いることが好ましいが、この限りではない。
【0069】
式1を用いて、自己回帰モデルを生成する場合、例えばp=2であるならば、連続するn個の時点(t~t-n)における躯体情報を用いて式2のように複数の式を立てることができる。式2において、一番上の式で最小二乗法等を用いて、係数を計算し、この係数を用いて下の式を順に計算することで、式1の係数を精度よく決定することが可能となる。これによって、自己回帰モデルを生成することができる。
【数2】
また、自己回帰モデルの生成に使われる躯体情報は、予め取得され、探索部14に内蔵されたデータベース、或いは接続されたサーバ等に記憶されたものを使用することで、自己回帰モデルを予め生成しておくことが可能になる。
【0070】
また、自己回帰モデルを生成する際に、ステップS11で計測装置9を用いて取得された連続した2以上の各時点における躯体情報を使用してもよい。上述した躯体情報を使用することにより、予測対象のケーソン1躯体の各種情報を反映した自己回帰モデルを生成することができる。かかる場合には、現時点をtとすると、時点t-nから時点tまでの躯体情報を自己回帰モデルの生成に用いる。p=2の場合は、図8のように、時点t-n+1と時点t-nにおける躯体情報Yt-n+1及びYt-nとYt-n+2との関係式から係数を計算し、この係数を用いて、式2を順に計算することで自己回帰モデルを生成することができる。
【0071】
ステップS12では、上述した自己回帰モデルを用いて、ステップS11で計測装置9を用いて取得された連続した2以上の各時点における躯体情報から、次時点における躯体情報を計算する。例えば、上述した自己回帰モデルの生成によって係数が決定された式1を用いて、ステップS11で計測装置9を用いて取得された連続した2以上の各時点における躯体情報から、次時点における躯体情報を予測してもよい。また、ステップS12では、ステップS12で、自己回帰モデルを用いて、予測した上述した次時点における躯体情報から、上述した次時点のさらに次の時点における躯体情報を予測してもよい。具体的には、ステップS12で、式3のように、時点tと時点t-1における躯体情報Y、及びYt-1から、自己回帰モデルを用いて、次時点t+1における躯体情報Yt+1を予測したとすると、上述した躯体情報Yt+1及びYから、さらに次の時点t+2の躯体情報Yt+2を予測してもよい。また、ステップS12は、式3のように、上述した計算を繰り返し、躯体情報Yt+3、Yt+4、・・・Yt+nを予測してもよい。
【数3】
これによって、計算に時間を要することなく、精度の良い躯体情報の予測が可能となる。
【0072】
〈第2実施形態〉
以下、本発明の第2実施形態について図面を参照しながら説明する。第2実施形態は、第1実施形態において、自己回帰モデルを用いて予測していたものが、非線形力学系モデルを用いて予測する点で異なる。図9は、本発明の第2実施形態を適用したケーソンの状態予測システム6の全体構成を示すブロック図である。状態予測システム6は、ケーソン1の躯体の次時点における各種状態を予測する。状態予測システム6は、上述した計測装置9と、計測装置9に接続された探索部14を備えている。以下、第1実施形態と同様なものの説明は省略する。
【0073】
探索部14は、非線形力学系モデルを記憶したサーバ等に接続されていてもよい。また、探索部14は、非線形力学系モデルを記憶したデータベース等を内蔵してもよい。また、探索部14は、非線形力学系モデルを用いて、計測装置9により取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、次時点における前記躯体情報を出力する。また、この場合、連続する2以上の時点における躯体情報を用いることが好ましいが、この限りではない。
【0074】
次に、本発明の第2実施形態を適用した状態予測システム6の動作について図10を用いて説明をする。ステップS22において、探索部14は、計測装置9から取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、非線形力学系モデルを用いて、次時点における躯体情報を予測する。
【0075】
非線形力学系モデルは、例えば図11のように、連続した2以上の各時点における躯体情報に含まれる各種情報を情報毎に時系列データにしたものを、各時系列データに2以上の埋め込み次元空間の時間遅れ座標系の再構成をしたものである。時間遅れ座標系の再構成は、等間隔の時系列データをx[n](nはデータ点の数)、埋め込み次元をdとすると、式4で表すことができる。式4のように、時間遅れ座標系の再構成とは、連続するd個の等間隔データをひとつのベクトルとみなし、各々をd次元空間の1点として、表現し直すことである。
【数4】
また、非線形力学系モデルは、複数種類の時系列データx[n]、y[m](n、mはデータ点の数)を一つの埋め込み次元空間の時間遅れ座標系に再構成されたものでもよい。
【0076】
ステップS22は、上述した非線形力学系モデルを用いて、計測装置9により取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、次時点における前記躯体情報を出力する。具体的な方法として、例えば、非線形力学系モデルに対して最大リアプノフ指数解析を行う。最大リアプノフ指数解析によって得られたリアプノフ指数と、躯体情報との関係式に基づいて、次時点における躯体情報を推定する。これによって、計算に時間を要することなく、精度の良い躯体情報の予測が可能となる。他の例として、Simplex Projectionでは、時間遅れ座標系の中で最も後の時点における座標 dtについて、時間遅れ座標系における2以上の近傍点 {n(t-α), n(t-β)} を求め、それら近傍点の次時点座標 { n(t-α+1), n(t-β+1)} を探索し、dtと近傍点との距離に応じた重みによって近傍点の次時刻座標の荷重平均を取ったものを予測値として、予測値に基づいて、次時点における躯体情報を予測する。また、S-Mapは、2以上の近傍点ではなく全ての点を考慮して、次時点座標の回帰式から予測値を得ることで、次時点における躯体情報を予測する。また、Multi-view Embeddingは、様々な組み合わせの時間遅れ座標系を構成してS-MapやSimplex Projectionによる予測値を計算し,最後にそれらの平均をとって予測値とする。
【0077】
〈第3実施形態〉
以下、本発明の第3実施形態について図面を参照しながら説明する。第3実施形態は、第1実施形態において、自己回帰モデルを用いて予測していたものが、Deep Learningモデルを用いて予測する点で異なる。図12は、本発明の第3実施形態を適用したケーソンの状態予測システム6の全体構成を示すブロック図である。状態予測システム6は、ケーソン1の躯体の次時点における各種状態を予測する。状態予測システム6は、上述した計測装置9と、計測装置9に接続された探索部14を備えている。以下、第1実施形態と同様なものの説明は省略する。
【0078】
探索部14は、Deep Learningモデルを記憶したサーバ等に接続されていてもよい。また、探索部14は、Deep Learningモデルを記憶したデータベース等を内蔵してもよい。探索部14は、Deep Learningモデルを用いて、計測装置9により取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、次時点における前記躯体情報を出力する。
【0079】
次に、本発明の第3実施形態を適用した状態予測システム6の動作について図13を用いて説明をする。ステップS22において、探索部14は、計測装置9から取得した連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、Deep Learningモデルを用いて、次時点における躯体情報を予測する。
【0080】
Deep Learningモデルは、連続した2以上の各時点における躯体情報と、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報とからなるデータセットを学習データとして用いて、入力を連続した2以上の各時点における躯体情報とし、出力を連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報として、Deep Learningにより生成したものである。Deep Learningモデルは、連続した2以上の各時点における躯体情報に含まれる各種情報に対して連関度を介して、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報に含まれる各種情報に紐づけされている。
【0081】
また、連関度は、図14に示すように、躯体情報に含まれる各種情報との組み合わせの集合がいわゆる隠れ層の複数のノードとして表現されることとなる。各ノードは、入力に対する重み付けと、出力に対する重み付けがそれぞれ設定されている。この重み付けが百分率やパーセントで示される3段階以上の連関度である。例えば、あるノードは、時点t-nにおける躯体情報に含まれる刃口深度が連関度80%で、躯体情報に含まれる周辺摩擦が連関度60%で、他のノードが連関度30%で連関している。
【0082】
これらの連関度は、連続した2以上の各時点における躯体情報に含まれる各種情報の組み合わせで掘削を行った結果、次時点におけるケーソン1躯体の位置や姿勢がどのように変化したかを予め調査し、これを連関度に落とし込んで探索部14に蓄積しておくようにしてもよい。また、予測する次時点よりも前の連続した時点における躯体情報を入力データとし、連続した2以上の時点の中で最も後の時点に連続する次時点における躯体情報を出力として、予測の直前に連関度を設定してもよい。この連関度は、いわゆるニューラルネットワーク又はLSTM(Long short-term memory)、CNN(Convolutional Neural Network)、RNN(Recurrent Neural Network)、Transformer、AutoEncoderにより構成されていてもよい。この連関度は、連続した2以上の各時点における躯体情報に含まれる各種情報に対する、次時点における躯体情報に含まれる各種情報を判別する上での的確性を示すものである。即ち、連関度が高ければ高いほど、より的確な判断ということになる。
【0083】
ステップS22において、探索部14は、計測装置9から入力された連続した2以上の各時点における躯体情報を入力とし、上述したDeep Learningモデルを用いて、次時点における躯体情報を予測する。例えば、入力として用いた計測装置9から入力された連続した2以上の各時点における躯体情報に最も近似した躯体情報との連関度を参照し、最も連関度の大きい出力を最適解として出力してもよい。但し、最も連関度の高いものを最適解として選択することは必須ではなく、連関度は低いものの連関性そのものは認められる躯体情報を最適解として選択するようにしてもよい。また、これ以外に矢印が繋がっていない出力解を選択してもよいことは勿論である。即ち、この躯体将来情報の選択は、連関度が高いものから順に選択される場合に限定されるものではなく、ケースに応じて連関度が低いものから順に選択されるものであってもよいし、その他いかなる優先順位で選択されるものであってもよい。また、探索部14は、予測された次時点における躯体情報を入力として、さらに次の時点における躯体情報を予測してもよい。これによって、従来の技術よりも精度が高く、計算時間の短い予測が可能となる。
【0084】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0085】
1 ケーソン
2 作業室
3 送気路
4 走行レール
6 状態予測システム
7 刃口部
8 地盤
9 計測装置
11 土砂自動積込装置
12 遠隔操作装置
13 地上遠隔操作室
14 探索部
21 マンシャフト
22 マンロック
23 マテリアルシャフト
24 マテリアルロック
25 螺旋階段
31 アースバケット
32 キャリア装置
33 土砂ホッパー
41 送気管
42 空気圧縮機
43 空気清浄装置
44 送気圧力調整装置
45 自動減圧装置
51 非常用空気圧縮機
53 ホスピタルロック
70 刃口境界部
71 内周面
72 刃口部先端
80 掘り残し土
81 掘り残し土幅
82 掘り残し土法面
100 ケーソンショベル
110 走行体
111 走行フレーム
113 走行ローラ
121 旋回フレーム
130 ブーム
131 基端ブーム
132 先端ブーム
133 伸縮シリンダ
134 起伏シリンダ
150 バケットアタッチメント
151 ベース部材
152 バケット
153 バケットシリンダ
165 コントロールユニット
165a メインコントローラ
165b 走行体用コントローラ
165c ブーム・バケット用コントローラ
201 走行体位置センサ
202 旋回角度センサ
203 ブーム起伏角度センサ
204 ブーム伸長量センサ
205 バケット揺動角度センサ
206 外界センサ
211 走行体位置測定部
212 バケット位置測定部
213 地盤形状測定部
【要約】      (修正有)
【課題】計算に時間を必要としないケーソンの状態予測システム及びプログラムを提供する。
【解決手段】ニューマチックケーソン工法に使用されるケーソン躯体の各種状態を出力するケーソンの状態予測システムにおいて、2以上の各時点におけるケーソン躯体の各種状態を示す躯体情報を取得する取得手段と、2以上の各時点における前記躯体情報を入力とし、前記2以上の時点の中で最も後の時点よりも後の次時点における前記躯体情報を出力とした予測モデルを用いて、前記取得手段により取得された2以上の各時点における躯体情報を入力とした場合、次時点における前記躯体情報を出力する探索手段とを備える。
【選択図】図4
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
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図9
図10
図11
図12
図13
図14