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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】ロールスクリーン及びサイドカバー
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/42 20060101AFI20220328BHJP
【FI】
E06B9/42 Z
E06B9/42 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2016257386
(22)【出願日】2016-12-29
(65)【公開番号】P2018109291
(43)【公開日】2018-07-12
【審査請求日】2019-12-24
(73)【特許権者】
【識別番号】000250672
【氏名又は名称】立川ブラインド工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100143568
【弁理士】
【氏名又は名称】英 貢
(72)【発明者】
【氏名】山岸 万人
(72)【発明者】
【氏名】中村 元
(72)【発明者】
【氏名】江上 達也
【審査官】兼丸 弘道
(56)【参考文献】
【文献】特開2015-187372(JP,A)
【文献】特開2016-211361(JP,A)
【文献】実公平04-048316(JP,Y2)
【文献】特開2013-136900(JP,A)
【文献】特開2016-205011(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/42
E06B 9/264
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スクリーンを昇降可能とするロールスクリーンであって、
所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンと、
前記フィンの側端部を覆うように、前記フィンの側端部に取着されているサイドカバーと、を備え、
前記スクリーンを巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプが、所定の支持部材を介して前記所定の枠体に支持され、
前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆う部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位と、が連なって形成されるとともに、前記フィンの側端部を、相対移動を規制した状態で収容可能な収容部を有することを特徴とするロールスクリーン。
【請求項2】
前記フィンは、前記所定の支持部材の範囲外となる前記巻取パイプの前方に位置するよう構成され、
前記サイドカバーは、前記巻取パイプと前記所定の支持部材との間の隙間からの光漏れを防止可能に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載のロールスクリーン。
【請求項3】
前記サイドカバーは、前記所定の枠体に可動支持される当該フィンが所定可動位置でのみ着脱可能となるよう構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載のロールスクリーン。
【請求項4】
前記サイドカバーは、前記所定の枠体に可動支持される当該フィンに対し、該フィンと一体となって可動するよう構成されていることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【請求項5】
前記サイドカバーは、外力に対する耐性を持つよう前記フィンの側端部の一部を押さえ付けて係合する外れ防止手段を有することを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【請求項6】
前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆うとともに、前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うことが可能に構成されていることを特徴とする、請求項2から5のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【請求項7】
当該フィンが回動可能に前記所定の枠体に支持され、
前記サイドカバーは、該フィンの回動範囲を規制する規制手段を有することを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【請求項8】
前記フィンの前面に所定の生地を備え、
前記サイドカバーは、前記収容部に、前記所定の生地に対する生地止めが設けられていることを特徴とする、請求項1から7のいずれか一項に記載のロールスクリーン。
【請求項9】
スクリーンを昇降可能とするロールスクリーンであって、
所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンと、
前記フィンの側端部を覆うサイドカバーと、を備え、
前記スクリーンを巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプが、所定の支持部材を介して前記所定の枠体に支持され、
前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆う第1の部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う第2の部位と、が連なって形成され、
前記第2の部位は、前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うカバーとして機能するよう前記所定の支持部材と係合し、
前記第1の部位は、前記フィン及び前記所定の支持部材とは非係合として構成されていることを特徴とするロールスクリーン。
【請求項10】
遮蔽装置における所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィン用のサイドカバーであって、
前記所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンの側端部に取着して、前記フィンの側端部を覆うよう構成され、
前記所定の枠体の側部に所定の支持部材が接続され、
前記フィンの側端部を覆う部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位と、が連なって形成されるとともに、前記フィンの側端部を、相対移動を規制した状態で収容可能な収容部を有することを特徴とするサイドカバー。
【請求項11】
前記フィンに取着される所定の生地に対して生地ずれを抑制するための生地抑制手段を有することを特徴とする、請求項10に記載のサイドカバー。
【請求項12】
前記フィンが前記所定の枠体に回動可能に支持され、
前記フィンの回動状態によって、前記所定の枠体又はこれに接続される部材に対し、前記フィンからの外れ防止となるよう係合する係合モードと、該係合を解除する非係合モードとを切替可能とする外れ防止用の返し部を備えていることを特徴とする、請求項11に記載のサイドカバー。
【請求項13】
前記フィンの側端部を覆う部位を第1の部位とし、前記第1の部位に連なって形成される少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位を第2の部位としたとき、
前記第2の部位は、前記第1の部位における前記フィンの側端部を覆う面積よりも大きい面積を有することを特徴とする、請求項11又は12に記載のサイドカバー。
【請求項14】
遮蔽装置における所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィン用のサイドカバーであって、
前記所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンの側端部を覆うよう構成され、
前記所定の枠体の側部に所定の支持部材が接続され、
前記フィンの側端部を覆う第1の部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う第2の部位と、が連なって形成され、
前記第2の部位は、前記所定の枠体の側部に接続される前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うカバーとして機能するよう前記所定の支持部材と係合し、
前記第1の部位は、前記フィン及び前記所定の支持部材とは非係合として構成されていることを特徴とするサイドカバー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、巻取パイプによりスクリーンを巻き取り又は巻き戻してスクリーンを昇降可能とするロールスクリーン、及び遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置に設けられるフィン用のサイドカバーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、遮蔽材の開閉を可能とする遮蔽装置として、ロールスクリーンや横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン等がある。
【0003】
例えば、ロールスクリーンは、天井面や壁面等の取付面に対してブラケットを介して取着された取付フレームにより支持部材(サイドブラケット)を介して巻取パイプを支持し、スクリーンの上縁部を巻取パイプに取着して垂下させ、巻取パイプによってスクリーンの巻き取り又は巻き戻しを行うことにより室内への採光量を調節可能に構成される。
【0004】
一般的なロールスクリーンでは、取付フレームの両端に支持部材(サイドブラケット)が固定され、左右両側の支持部材間に円筒状の巻取パイプが回転可能に支持される。
【0005】
ところで、取付フレームと巻取パイプとの間の隙間を防止するため、カバー材を配置するよう構成したロールスクリーンが開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2016-199986号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
前述したように、特許文献1には、取付フレームと巻取パイプとの間の隙間を防止するため、巻取パイプの前方にカバー材を配置するよう構成したロールスクリーンが開示されている。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示される技法では、当該カバー材と巻取パイプを支持する支持部材との間に隙間が生じる為、光漏れが生じるという問題がある。
【0009】
また、このようなカバー材(以下、「フィン」と称する)は、ロールスクリーン以外にも枠体の下方の遮光性や遮風性を高める用途に利用できるものであるが、係着又は貼着等でフィンに所定の生地を取着することで正面視の意匠性をより向上させることができる。
【0010】
ただし、フィンの設置で遮蔽装置の正面視の意匠性を向上させることができても、側面視した場合、フィンがあることで却って側面視の意匠性を損なう結果となることがある。
【0011】
特に、特許文献1に開示される技法では、当該カバー材と巻取パイプを支持する支持部材との間に隙間が生じる構成となっており、ロールスクリーンの側面視においての意匠性に改善の余地がある。
【0012】
また、当該フィンの端部(端縁)を保護することが安全面や破損抑止等の品質上の観点から望ましいが、特許文献1に開示される技法ではフィンの端部(端縁)の保護が為されていないため、この観点からも改善の余地がある。
【0013】
本発明の目的は、上述の問題に鑑みて、光漏れを抑制し、尚且つ正面視及び側面視の双方でその意匠性を向上させるとともに、フィンに係わる品質を向上可能としたロールスクリーン及びサイドカバーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明のロールスクリーンは、スクリーンを昇降可能とするロールスクリーンであって、所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンと、前記フィンの側端部を覆うように、前記フィンの側端部に取着されているサイドカバーと、を備え、前記スクリーンを巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプが、所定の支持部材を介して前記所定の枠体に支持され、前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆う部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位と、が連なって形成されるとともに、前記フィンの側端部を、相対移動を規制した状態で収容可能な収容部を有することを特徴とする。
【0015】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、記フィンは、前記所定の支持部材の範囲外となる前記巻取パイプの前方に位置するよう構成され、前記サイドカバーは、前記巻取パイプと前記所定の支持部材との間の隙間からの光漏れを防止可能に構成されていることを特徴とする。
【0016】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、前記サイドカバーは、前記所定の枠体に可動支持される当該フィンが所定可動位置でのみ着脱可能となるよう構成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、前記サイドカバーは、前記所定の枠体に可動支持される当該フィンに対し、該フィンと一体となって可動するよう構成されていることを特徴とする。
【0018】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、前記サイドカバーは、外力に対する耐性を持つよう前記フィンの側端部の一部を押さえ付けて係合する外れ防止手段を有することを特徴とする。
【0021】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆うとともに、前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うことが可能に構成されていることを特徴とする。
【0022】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、当該フィンが回動可能に前記所定の枠体に支持され、前記サイドカバーは、該フィンの回動範囲を規制する規制手段を有することを特徴とする。
【0024】
また、本発明のロールスクリーンにおいて、前記フィンの前面に所定の生地を備え、前記サイドカバーは、前記収容部に、前記所定の生地に対する生地止めが設けられていることを特徴とする。
【0028】
また、本発明のロールスクリーンスクリーンを昇降可能とするロールスクリーンであって、所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンと、前記フィンの側端部を覆うサイドカバーと、を備え、前記スクリーンを巻き取り、或いは巻き戻し可能とする巻取パイプが、所定の支持部材を介して前記所定の枠体に支持され、前記サイドカバーは、前記フィンの側端部を覆う第1の部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う第2の部位と、が連なって形成され、前記第2の部位は、前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うカバーとして機能するよう前記所定の支持部材と係合し、前記第1の部位は、前記フィン及び前記所定の支持部材とは非係合として構成されていることを特徴とする。
【0031】
更に、本発明のサイドカバーは、遮蔽装置における所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィン用のサイドカバーであって、前記所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンの側端部に取着して、前記フィンの側端部を覆うよう構成され、前記所定の枠体の側部に所定の支持部材が接続され、前記フィンの側端部を覆う部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位と、が連なって形成されるとともに、前記フィンの側端部を、相対移動を規制した状態で収容可能な収容部を有することを特徴とする。
【0032】
また、本発明のサイドカバーにおいて、前記フィンに取着される所定の生地に対して生地ずれを抑制するための生地抑制手段を有することを特徴とする。
【0033】
また、本発明のサイドカバーにおいて、前記フィンが前記所定の枠体に回動可能に支持され、前記フィンの回動状態によって、前記所定の枠体又はこれに接続される部材に対し、前記フィンからの外れ防止となるよう係合する係合モードと、該係合を解除する非係合モードとを切替可能とする外れ防止用の返し部を備えていることを特徴とする。
【0034】
また、本発明のサイドカバーにおいて、前記フィンの側端部を覆う部位を第1の部位とし、前記第1の部位に連なって形成される少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う部位を第2の部位としたとき、前記第2の部位は、前記第1の部位における前記フィンの側端部を覆う面積よりも大きい面積を有することを特徴とする。
【0035】
また、本発明のサイドカバーは、遮蔽装置における所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィン用のサイドカバーであって、前記所定の枠体に固定又は可動に支持されるフィンの側端部を覆うよう構成され、前記所定の枠体の側部に所定の支持部材が接続され、前記フィンの側端部を覆う第1の部位と、少なくとも所定の基本姿勢にある前記フィンと前記所定の支持部材との間の隙間を覆う第2の部位と、が連なって形成され、前記第2の部位は、前記所定の枠体の側部に接続される前記所定の支持部材における一側面の全部又は一部を覆うカバーとして機能するよう前記所定の支持部材と係合し、前記第1の部位は、前記フィン及び前記所定の支持部材とは非係合として構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0038】
本発明によれば、光漏れを抑制し、尚且つ正面視及び側面視の双方で一体感を持たせ、その意匠性を向上させるとともに、フィンに係わる品質を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
図1】本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーンの概略構成を示す正面図である。
図2】本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーンにおけるフィンの構成例を示す側面図である。
図3】(a),(b)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーンにおけるフィンの動作を説明する側面図である。
図4】(a),(b),(c)は、それぞれ本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーンにおけるフィンの動作例を個別に説明する側面図である。
図5】(a),(b),(c)は、それぞれフィンを別の実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーンに適用した際の構成を示すとともにそのフィンの動作を説明する側面図である。
図6】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの周辺構成を部分的に示す斜視図と、サイドカバー10の組み付け位置を示す斜視図である。
図7】本発明による実施例1のサイドカバーについて、フィンに対し取り付け可能とする詳細な構造を示す斜視図である。
図8】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの構成を示す側面図及び平面図である。
図9】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの動作と着脱方法を示す側面図である。
図10】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの適用例を示す側面図である。
図11】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの着脱方法を説明するための斜視図である。
図12】本発明による実施例1のサイドカバーの構造及び作用・効果を補足説明するための斜視図である。
図13】本発明による実施例1のサイドカバーの構造及び作用・効果を補足説明するための部分的な正面図である。
図14】本発明による実施例1のサイドカバーの構造及び作用・効果を更に補足説明するための部分的な正面図である。
図15】本発明による変形例のサイドカバーの概略構造を示す斜視図である。
図16】(a),(b)は、それぞれ本発明による更なる変形例のサイドカバーの周辺構成を部分的に示す斜視図と、当該変形例のサイドカバーの組み付け位置を示す斜視図である。
図17】(a),(b)は、それぞれ本発明による更なる変形例のサイドカバーの周辺構成を部分的に示す斜視図と、当該変形例のサイドカバーの組み付け位置を示す斜視図である。
図18】本発明による実施例2のサイドカバーの周辺構成を部分的に示し、そのサイドカバーの組み付け位置を示す斜視図である。
図19】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例2のサイドカバーの詳細な構造と、その変形例を示す斜視図である。
図20】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例2のサイドカバーの動作と着脱方法を示す側面図である。
図21】(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例2のサイドカバーの構造及び作用・効果、並びに着脱方法を補足説明するための斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0040】
以下、図面を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1を説明する。尚、本願明細書中、図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、図示上方及び図示下方をスクリーン4の吊り下げ方向に準じてそれぞれ上方向(又は上側)及び下方向(又は下側)と定義し、図示左方向をロールスクリーン1の左側、及び、図示右方向をロールスクリーン1の右側と定義して説明する。また、以下に説明する例では、図1に示すロールスクリーン1の正面図に対して、視認する側を前側(又は室内側)、その反対側を後側(又は室外側)とする。
【0041】
(全体構成)
まず、図1を参照して、本発明による一実施形態の遮蔽装置としてのロールスクリーン1の構成を説明する。図1は、本発明に係るロールスクリーン1の概略構成を示す正面図である。
【0042】
図1に示すロールスクリーン1では、取付フレーム2の両端に支持部材2a,2bが固定され、その支持部材2a,2bには軸部材(図示せず)が固定されており、この軸部材から延びる固定軸(図示せず)によって、支持部材2a,2b間に円筒状の巻取パイプ3が回転可能に支持される。取付フレーム2は、ブラケット6により取着面に固定される。各支持部材2a,2bは、サイドカバー10によって収容され、後述するが、その意匠性と、フィン9の回動動作に関する機能性を向上させている。
【0043】
巻取パイプ3の右端部には操作プーリー(図示せず)が設けられ、この操作プーリーに掛回される無端状の操作コード7が垂下されている。本例では、この操作コード7をボールチェーンで構成し、このボールチェーンが掛回される当該操作プーリーの表面を、そのボールチェーンのボール部に適合する形状の凹凸を有するように構成している。そして、操作コード7の操作により巻取パイプ3を回転操作可能としている。尚、操作コード7を紐状とし、この操作コード7が掛回される当該操作プーリーの表面を高摩擦性の表面形状としてもよい。
【0044】
巻取パイプ3は、スクリーン4の一端を取着してスクリーン4を巻き取り、又は巻き戻し可能に吊下支持している。スクリーン4の他端は、錘部材として機能するウェイトバー5に取着されている。従って、スクリーン4はウェイトバー5の重量に基づいて張設される。尚、本実施形態の例では、スクリーン4は巻取パイプ3の室外側から垂下されている。
【0045】
そして、操作コード7を操作して巻取パイプ3をスクリーン巻取り方向へ回転させるとウェイトバー5が上昇し、巻取パイプ3をスクリーン巻戻し方向へ回転させるとウェイトバー5が下降する。
【0046】
また、巻取パイプ3内において、その左端側にはスクリーン4の巻上時の操作力を軽減するスプリングモーター、右端側にはスクリーン4の自重降下を防止するストッパー装置等が収容されている(図示せず)。
【0047】
ここで、本発明に係るロールスクリーン1では、所定の生地13を容易に取着可能とした構造を有するフィン9が、取付フレーム2の前側(正面側)に取着され、巻取パイプ3と取付フレーム2との間で生じる隙間からの光漏れ等を効果的に遮蔽するようになっている。
【0048】
(フィンの構成)
図2には、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例のフィン9の構成を示している。図2に示すように、取付フレーム2の正面側に設けられている軸受部20にフィン9の軸部91が係合しており、これによりフィン9は、取付フレーム2の前側(正面側)で所定の範囲内で回動可能に支持される。
【0049】
フィン9は、全体として略L字状の断面形状を有しており、取付フレーム2の前側(正面側)で回動可能に係止される。フィン9は遮光性の高い合成樹脂やアルミニウム等により形成するのが好適であるが、本例のように生地13を取着する場合には透明又は半透明の合成樹脂とすることもできる。
【0050】
そして、フィン9の左右方向幅は、取付フレーム2の左右方向幅と略同一の長さを有し、より正確には取付フレーム2の左右方向幅よりもわずかに短い構成となっており、例えばフィン9が合成樹脂で形成されているときに熱膨張等で左右方向幅が変化しても、スムーズに回動可能に係止されるようになっている。
【0051】
取付フレーム2の正面下方には、その長手方向に延在する略C字断面形状の軸受部20が形成されている。この軸受部20にフィン9の軸部91が係合しており、これによりフィン9は、取付フレーム2の背面側で回動可能に支持される。取付フレーム2の長手方向の両端部には支持部材2a,2bが取着されている。
【0052】
尚、支持部材2a,2bは、同一形状で構成され、取付フレーム2の軸受部20の略C字断面形状とほぼ合致する大きさの切欠き(図示せず)が設けられている。この切欠きは、支持部材2a,2bを取付フレーム2へ固定した後で、フィン9の軸部91を左右方向からスライドさせて軸受部20に挿入して支持可能にするために設けられる。そして、フィン9をスライドさせて取り外し可能とし、このスライド以外は取り外し不可としてフィン9に外力が加わっても取付フレーム2から外れないようになっている。
【0053】
図2に示すように、取付フレーム2の正面下方には、その長手方向に延在する略C字断面形状の軸受部20が形成されている。より具体的には、軸受部20は、取付フレーム2の底部から上方に延びる回動規制片20aの先端に折曲軸20fを形成し、フィン9の軸部91を支持可能にしている。回動規制片20aは、フィン9の下方への回動を規制する機能を有する。また、取付フレーム2の背面における軸受部20の上方には、フィン9の上方への回動を規制する回動規制片20bが形成されている。図示する例では、回動規制片20aは取付フレーム2の本体正面から前方に突出する略C字状で形成され、回動規制片20bは後方に突出する略板状で形成されている。そして、フィン9の軸部91が軸受部20に係止されている状態では、フィン9の上下方向への回動が規制され、フィン9をどのように回動させても背面方向へ軸受部20から外れないようになっている。
【0054】
フィン9は、その概略構成として、先端に略C字状の軸部91を有し取付フレーム2の前側面から前方へ所定長さで屈曲して突出する支持板部93と、この支持板部93から下方へ所定長さで延びる遮蔽板部94とにより、全体として略L字状の断面形状を有し、スクリーン4(或いは後述するウェイトバー5)との干渉による衝突力や接触音を回避又は緩和するよう複曲面形状の部材(単一部材でも復号部材でもよい)で形成されている。
【0055】
より具体的には、支持板部93は概ね略L字状に屈曲した形状を有し、その先端に略C字状の軸部91が形成されている。軸部91は軸受部20における折曲軸20fによって回動可能に係止される部位である。軸部91の先端は鋭角に屈折した略鉤形状で形成され、軸受部20に対して空間的余裕を持たせた状態で係合させることで、フィン9が軸受部20から外れにくくするとともに、フィン9の回動自由度を高めている。
【0056】
一方、このように回動自由度を高めた態様でフィン9の軸部91を軸受部20に係止させると、フィン9と回動規制片20bの回動干渉により不快な干渉音(接触音)を生じさせることから、軸部91には、厚みを変化させ回動範囲で肉厚を持たせた曲部92を形成している。
【0057】
また、支持板部93の先端に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されている。当接部97は、詳細は後述するが回動規制片20bと当接することで、フィン9の上方への回動を規制する部位である。
【0058】
このような軸部91の形状とすることで、フィン9が軸受部20から外れにくくするとともに、ガタツキを抑制してその干渉音を軽減させつつフィン9の回動を許容するものとなっている。これにより、当接部97と回動規制片20bとの回動干渉に起因する不快な干渉音(接触音)も無視できるほど軽減させることができる。
【0059】
また、支持板部93の先端に設けられている軸部91の下方には、突起部98が形成されており、突起部98は軸部91と並んで支持板部93から突出している。突起部98は、詳細は後述するが、取付フレーム2における軸受部20の回動規制片20aと当接する位置でフィン9の下方への回動を規制する部位である。特に、突起部98の先端は図示するように凹凸段差を持つ形状で構成され、回動規制片20aとの当接時の接触音や衝突力を緩和するよう作用する機能を持たせている。尚、本例の突起部98は支持板部93の左右方向へ延在して突出するよう形成されているが、支持板部93の左右方向へ部分的に突出する形態でもよい。
【0060】
そして、この支持板部93から下方へ延びる遮蔽板部94の下端には、曲面形状の干渉緩和部95が形成されている。干渉緩和部95は、スクリーン4(或いは後述する実施形態ではウェイトバー5)との接触が有るときでも、その接触音や衝突力を緩和するようスクリーン4(又はウェイトバー5)から遠ざかる方向に反り返る形状を有する。
【0061】
また、遮蔽板部94の前面上端及び下端には、それぞれ略鉤断面形状で突出する突起片96a,96bが設けられ、生地13の上端及び下端を係合させる凹部を形成している。特に、遮蔽板部94の前面上端には、突起片96aの内側に位置する爪部99が形成されており、突起片96a及び爪部99は生地押さえとして機能する掴持手段として構成される。一方、遮蔽板部94の前面下端における突起片96bは、生地13のバタツキを抑えるための部位であり、バタツキを抑制且つ圧接しない凹部が形成される。
【0062】
図3(a),(b)は、本実施形態のロールスクリーン1における一実施例のフィン9の動作を説明する側面図であり、特に、図3(a)にはフィン9の下側回動規制に関して、図3(b)にはフィン9の上側回動規制に関して図示している。
【0063】
図3(a)に示すように、支持板部93の先端に設けられている軸部91の下方には、突起部98が形成されており、突起部98は軸部91と並んで支持板部93から突出している。フィン9は、軸部91により軸受部20における折曲軸20fによって回動可能に係止される。フィン9に設けられる突起部98は、取付フレーム2における軸受部20の回動規制片20aと当接する位置でフィン9の下方への回動を規制する機能を有する。このとき、フィン9は、その基本姿勢として、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)になるように規制されている。このように、フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けたときの基本姿勢としてフィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)となるため、その意匠性を向上させている。
【0064】
また、図3(b)に示すように、フィン9に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されている。当接部97は、当該基本姿勢からフィン9が回動した際に回動規制片20bと当接することでフィン9の上方への回動を規制する部位である。これにより、フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となるようになっている。このように、フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けた場合の操作性を損なうことなく、その品質を維持することができる。
【0065】
そして、フィン9には、遮蔽板部94の前面上端及び下端に、それぞれ略鉤断面形状で突出する突起片96a,96bが設けられ、生地13の上端及び下端を係合させる凹部を形成している。特に、遮蔽板部94の前面上端には、突起片96aの内側に爪部99が形成されており、突起片96a及び爪部99は生地押さえとして機能する掴持手段として構成される。一方、遮蔽板部94の前面下端における突起片96bは、生地13のバタツキを抑えるための部位であり、バタツキを抑制且つ圧接しない凹部が形成される。
【0066】
このように、フィン9は、生地13の上端のみを係着させる構造とすることで、生地13に撓みを生じさせることなく容易に取り付けることができる。
【0067】
図4(a),(b),(c)は、それぞれ本実施形態のロールスクリーン1における一実施例のフィン9の動作例を個別に説明する側面図である。
【0068】
図4(a)に示すように、本実施例のフィン9は、取付フレーム2の前側面から前方へ長さaで屈曲して突出する支持板部93と、支持板部93から下方へ長さbで延びる遮蔽板部94とにより、全体として略L字状の断面形状を有している。
【0069】
遮蔽板部94の長さbは、取付フレーム2と巻取パイプ3との間の隙間から生じる光漏れを防ぐ長さで形成されている。支持板部93の長さaは、操作コード7の操作に悪影響を与えない範囲に設定されている。仮に、本実施例のフィン9に操作コード7が接触するように操作する場合でも、フィン9は回動するため操作負担を生じさせないようになっている。
【0070】
また、図4(b)に示すように、本実施例のフィン9を、スクリーン4の最大巻取径Sが比較的小さいロールスクリーン1に適用する場合では、スクリーン4とフィン9とが接触することが無く、その基本姿勢として、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)を維持しつつ遮光機能を保持できる。
【0071】
一方、図4(c)に示すように、本実施例のフィン9を、スクリーン4の最大巻取径Sが比較的大きいロールスクリーン1に適用する場合では、スクリーン4とフィン9とが接触する場合でも、スクリーン4の巻太りに倣ってフィン9を回動させることができ、その遮光機能を保持できる。
【0072】
また、図5(a),(b),(c)には、フィン9を別の実施形態のロールスクリーン1に適用した際の構成を示している。
【0073】
図5(a)に示す例では、本実施例のフィン9側に巻取パイプ3からスクリーン4を垂下し、フィン9と巻取パイプ3との間にウェイトバー5が位置する例である。このような場合、本実施例のフィン9には、支持板部93から下方へ延びる遮蔽板部94の下端に曲面形状の干渉緩和部95が形成されているため、ウェイトバー5との干渉で引っ掛かりを生じることがない。
【0074】
また、図5(b)に示すように、ウェイトバー5の上限位置が取付フレーム2へ当接する位置に設定されている場合でも、フィン9における干渉緩和部95から遮蔽板部94にかけてウェイトバー5がスムーズに移動してフィン9が回動するため、その操作性を損ねることが無い。また、図3(b)を参照して説明したように、フィン9に設けられる軸部91の付け根近傍には、当接部97が形成されており、当接部97は、当該基本姿勢からフィン9が回動した際に回動規制片20bと当接することでフィン9の上方への回動を規制している。これにより、フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となり、ウェイトバー5の衝突でフィン9が破損するおそれもない。従って、フィン9をロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けた場合の操作性を損なうことなく、その品質を維持することができる。
【0075】
また、図5(c)に示すように、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)となる基本姿勢を常に維持させたい場合には、操作コード7上に取着した移動制限部材12の位置を調整することで、この移動制限部材12により操作プーリー8等に当接させてその回転を停止させ、ウェイトバー5の上限位置を定めることができる。これにより、フィン9がブラケット6やその取付面に対し非当接となり、ウェイトバー5の衝突でフィン9が破損するおそれもない。そして、常時、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直な状態(鉛直方向への垂下となる状態)となる基本姿勢を維持させることができ、その意匠性及び品質を維持することができる。
【0076】
従って、フィン9は、種々のロールスクリーン1の取付フレーム2に取り付けることが可能であり、尚且つその操作性や品質、或いは意匠性に悪影響を及ぼすことが無いものとなっている。
【0077】
また、このようなフィン9は、ロールスクリーン以外にも枠体の下方の遮光性や遮風性を高める用途に利用できる。また、フィン9に生地13を取着することで、正面視の意匠性をより向上させることができる。
【0078】
ただし、フィン9の設置でロールスクリーン1の正面視の意匠性を向上させることができても、側面視した場合、フィン9があることで却って側面視の意匠性を損なう結果となることがある。また、フィン9に生地13を取着する場合にも、物流時や操作時、或いは経時的な理由等でその生地ずれが生じ意匠性を損なうことがあり、この生地ずれを抑制する必要がある。
【0079】
そこで、本発明では、図1に示すように、フィン9の右側端部にはサイドカバー10aを設け、フィン9の左側端部にはサイドカバー10bを設けることとしている。サイドカバー10aとサイドカバー10bは、互いに対称形状をしているが同一構造であることから、区別する必要が無いときは総括してサイドカバー10と称する。
【0080】
ここで、サイドカバー10は、上述したフィン9の機能を損なうことなく、むしろ向上させ、尚且つ側面視した場合の意匠性を向上させるよう構成されている。
【0081】
以下、図面を参照して実施例1,2のサイドカバー10を順に説明する。
【0082】
(実施例1のサインドカバー)
図6(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバー10aの周辺構成を部分的に示す斜視図と、サイドカバー10aの組み付け位置を示す斜視図である。
【0083】
まず、図6(a)に示すように、実施例1のサインドカバー10は、フィン9の側端部を覆う部位110と、支持部材2aの側面を概ね覆う部位120とが連なる形状を有している。そして、詳細に後述するが、図6(b)に示すように、フィン9の側端部を覆う部位110のみがフィン9の側端部と係合し、部位120はフィン9や支持部材2aとは係合しないものとなっている。
【0084】
特に、実施例1のサインドカバー10は、フィン9の側端部を覆う部位110と、この部位110に連なる略平板状の部位120とを有して、部位120は、部位110におけるフィン9の側端部を覆う面積よりも大きい面積を有している。このため、図6(a)に示す外観は、図6(b)にて理解されるように、サインドカバー10(10a)が無いときを想定したきの外観と比較して、その意匠性が著しく向上する。
【0085】
次に、実施例1のサインドカバー10の詳細な構造について、図7及び図8を参照して説明する。図7は、本発明による実施例1のサイドカバー10について、フィンに対し取り付け可能とする詳細な構造を示す斜視図である。また、図8(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバーの構成を示す側面図及び平面図である。
【0086】
実施例1のサイドカバー10は、前述したように、フィン9の側端部を覆う部位110と、支持部材2aの側面を概ね覆う部位120とが連なる形状を有している。そして、フィン9の側端部を覆う部位110のみがフィン9の側端部と係合し、部位120はフィン9や支持部材2aとは係合しないものとなっている。
【0087】
部位120は、図示するように平板状の形状を有し、部位110と連なる形状とし、その補強のためのリブ120bや、フィン9にサイドカバー10を係合取着したときの干渉を緩和するために、フィン9における軸部91、曲部92及び曲部92の形状にほぼ合致する肉盛り部120aが適所に設けられている。尚、図8(a)(並びに後述する図9(a),(b)及び図11(b))に示すように、部位120の内面上のリブ120bの角部に、円柱補強された回動規制部121が形成されている。フィン9には、図3(a)にて説明したように、当該基本姿勢を保つためフィン9の下方への回動を規制する突起部98が設けられているが、このフィン9の回動規制部121による回動規制を補助するために、回動規制部121が形成されている。換言すれば、フィン9に回動規制部121が設けられていない場合でも、このフィン9における回動規制部121によって、フィン9の当該基本姿勢を保つことができるようになっている。
【0088】
一方、部位110は、主要な構成要素として、フィン9における遮蔽板部94の側端部と係合する収容部111と、収容部111から突出する上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114と、収容部111の上方に連なる前後一対の軸押さえ片116と、収容部111から部位120と並行して後方に突出する返し部118とを有し、これによりフィン9の側端部を収容可能としている。尚、図8(a)(並びに後述する図9(a),(b)及び図12)に示すように、前側の軸押さえ片116は、フィン9の上方への回動を規制する機能を有する。フィン9には、図3(b)にて説明したように、フィン9の上方への回動を規制するため当接部97が設けられているが、このフィン9の当接部97による回動規制を補助することができる。換言すれば、フィン9に当接部97が設けられていない場合でも、このフィン9における前側の軸押さえ片116によって、フィン9の上方への回動を規制することができるようになっている。
【0089】
収容部111内には適所に生地押さえ119が設けられ、尚且つ複数の第1係合突起部112が設けられている(図7及び図8(a)参照)。複数の第1係合突起部112は、フィン9における遮蔽板部94の上方と突起片96aとをその両側から押さえ付けるようにして係合する。これにより、フィン9に生地13を取着するとき、実施例1のサイドカバー10は、フィン9における突起片96aの内側に位置する爪部99によって生地13の上端を掴持する際の掴持力を助力することができ、例えば薄地の生地13であっても、確実に生地13をフィン9に掴持させることができる。また、生地押さえ119は、収容部111の補強作用と、フィン9に取着される生地13を押さえる機能を有し、生地13の撓みを抑制できる。このように、実施例1のサイドカバー10は、フィン9の前面に生地12が取着されているとき、フィン9の側端部を収容する収容部111に、生地押さえ119、第1係合突起部112、及び収容部111の側面形状等により、生地13に対する生地止めが設けられている。このため、実施例1のサイドカバー10は、フィン9の機能をより向上させることができる。
【0090】
また、上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114は、それぞれフィン9における支持板部93をその上下両側に位置して収容部111から突出している。上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114は、実施例1のサイドカバー10をフィン9の側端部に係合させたときに、部位120に対し左右方向に働く外力が生じてもサイドカバー10がフィン9から容易には外れにくくする機能を有する(詳細は後述する)。
【0091】
そして、本例では上側外れ防止片113の下面に複数の第2係合突起部115が設けられている。複数の第2係合突起部115は、当該上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114によって挟み込まれるフィン9における支持板部93をその上下両側から保持する機能を助力している。これにより、比較的大きいサイズの部位120と連なる部位110を有するサイドカバー10をフィン9から容易には外れにくくしている。
【0092】
前後一対の軸押さえ片116は、収容部111の上方に連なって、フィン9における軸部91の付け根近傍の当接部97と支持板部93との間の部位をその両側から挟み込み、サイドカバー10をフィン9に係合させたときのガタツキを抑制するとともに、外観としての意匠性を向上させるものとなっている。
【0093】
返し部118は、収容部111から部位120と並行して後方に突出するよう形成され、図7及び図8(b)に示すように、部位120と略平行な保持部118aと、保持部118aと連なって、部位120に対し傾斜する傾斜部118bとを有するように構成されている。
【0094】
この返し部118の機能について図9を参照して説明する。図9(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例1のサイドカバー10の動作と着脱方法を示す側面図である。尚、本発明の理解を高めるために、図9(a),(b)では、支持部材2bとサイドカバー10bとの関係を図示している。
【0095】
まず、前述したように、実施例1のサイドカバー10は、フィン9の側端部を覆う部位110と、支持部材2aの側面を概ね覆う部位120とが連なる形状を有しており、部位110のみがフィン9の側端部と係合し、部位120はフィン9や支持部材2aとは係合しないものとなっている。
【0096】
そして、フィン9は、図3(a)に示したように、その基本姿勢として、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)になるように規制されている。一方で、フィン9は、図3(b)に示したように、当該基本姿勢から所定の回動角度(最大回動角度θとして図9(b)に図示)まで回動できるようになっている。特に、実施例1のサイドカバー10は、前述したように、部位120の内面上のリブ120bの角部にて円柱補強された回動規制部121と、部位110の上部にて前側の軸押さえ片116が形成されているため、フィン9の回動角度は、当該基本姿勢から最大回動角度θの間に確実に規制される。
【0097】
従って、フィン9が、図9(a)に示す基本姿勢から、図9(b)に示す最大回動角度θまで回動すると、この回動に伴って実施例1のサイドカバー10も一体となって回動する。このフィン9の回動は、主にスクリーン4の巻き取り又は巻き戻し操作時によるものであり、静止時(巻き取り操作停止時)の多くの使用状況下では、図9(a)に示す状態にある。このため、フィン9が当該基本姿勢から所定の回動角度で回動した場合でも、取付フレーム2の下面と巻取パイプ3との間からの光漏れを防止することができる。
【0098】
図9(a)に示すように、フィン9が基本姿勢にあるとき、返し部118における保持部118a(図7及び図8(b)参照)によって、支持部材2bに押さえ込まれているため、実施例1のサイドカバー10(10b)は外力が生じても容易にはフィン9から外れないようになっている。
【0099】
一方、図9(b)に示すように、本例では、フィン9が最大回動角度θで回動状態にあるとき、実施例1のサイドカバー10(10b)は、軸押さえ片116が支持部材2bと当接する状態になり外力が生じても容易にはフィン9から外れない。しかし、フィン9が最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)の状態にあるとき、返し部118における保持部118aによる支持部材2bの押さえ込みが解除され、返し部118における傾斜部118b(図7及び図8(b)参照)によって、実施例1のサイドカバー10(10b)をフィン9から意図的に取り外すことができる。従って、実施例1のサイドカバー10(10a,10b)は、フィン9の回動状態によって、取付フレーム2に接続される支持部材2a,2bに対し、フィン9からの外れ防止となるよう係合する係合モードと、該係合を解除する非係合モードとを切替可能とする外れ防止用の返し部118を備えたものとなっている。
【0100】
そして、操作上でフィン9が回動し最大回動角度θとなる場合でも、上述した上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114があるため容易には外れないものとなっている。仮に当該最大回動角度θで外れ気味になった状態でも、その操作の停止でフィン9が基本姿勢に戻ると、返し部118における傾斜部118bは保持部118aと連なっているため、自動的に安定した係合状態に戻るようになっている。
【0101】
尚、実施例1のサイドカバー10(10b)は、フィン9の側端部を覆うものであればよく、フィン9が基本姿勢にあるときに、図10(a)に示すように支持部材2bを完全に覆う形状とすることができるだけでなく、図10(b)に示すように支持部材2bの下方一部が露出する場合でも、その意匠性の向上、及びフィン9の機能の向上は保たれる。
【0102】
図11(a)にはフィン9が基本姿勢にあるときのフィン9の内側から見たサイドカバー10(10a)の概略的な斜視図を示しており、図11(b)にはフィン9が最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)の状態にあるときのフィン9の内側から見たサイドカバー10(10a)の概略的な斜視図を示している。図11(a)に示すようにフィン9が基本姿勢にあれば、サイドカバー10がフィン9から外れにくく、図11(b)に示すようにフィン9が最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)の状態にあれば、サイドカバー10をフィン9から意図的に取り外すことができることが良く理解される。
【0103】
尚、サイドカバー10をフィン9に係合させた状態では、軸押さえ片116は、図7及び図8(b)に示されるように、部位120から離れた位置(支持部材2a(2b)の厚みより僅かに大きく離れた位置)に形成され、フィン9が基本姿勢から最大回動角度θまで回動する任意の状態で、常に、支持部材2a(2b)との回動干渉を避ける干渉避け部117が設けられている(図12参照)。特に、図12に示すように、実施例1のサイドカバー10は、前述したように、部位110の上部にて前側の軸押さえ片116が形成されているため、この前側の軸押さえ片116が取付フレーム2における回動規制片20bと当接可能となっているため、フィン9の最大回動角度θは確実に規制される。
【0104】
即ち、サイドカバー10は、フィン9が基本姿勢から最大回動角度θまで回動する任意の状態で、常に、支持部材2a(2b)との回動干渉を避けるように構成されているため、上述したように意図的に取り外す以外には、操作上でサイドカバー10がフィン9から外れにくいものとしている。
【0105】
そして、実施例1のサイドカバー10には、上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114が設けられているため、図13に示すように、サイドカバー10における部位120との干渉の無い操作コード7の操作(図示A方向)の場合に限らず、サイドカバー10における部位120との干渉の有る操作コード7の操作(図示B方向)の場合にも、操作上でサイドカバー10がフィン9から外れにくいものとしている。即ち、サイドカバー10における外れ防止手段(上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114)は、操作コード7による上方・引き方向の操作時に、操作コード7との抵触部位(下端部120d)を有する。
【0106】
即ち、実施例1のサイドカバー10は、ボールチェーンなどの操作コード7を斜めに操作時(図13における図示B方向)に、サイドカバー10における部位120(特に、図12及び図13に図示する部位120の下端部120d)と干渉することがある。このような場合にも、実施例1のサイドカバー10には、上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114が設けられているため、サイドカバー10がフィン9から外れにくいものとなっている。換言すると、操作コード7をボールチェーンで構成している場合など、当該斜めに操作(図12における図示B方向)した際に、部位120の下端部120dに操作コード7が接触して音が鳴ると、この音が鳴ることによって斜め操作しているとの警告音となり、サイドカバー10やボールチェーン等の破損予防の効果が生じるようになる。即ち、部位120は、操作コード7の外向斜め操作時に操作コード7との接触部位(下端部120d)を有する。
【0107】
従って、実施例1のサイドカバー10は、フィン9の側端部の一部を押さえ付けて係合する外れ防止手段(上側外れ防止片113及び下側外れ防止片114)を有するため、特に部位120に働く外力(特に斜め方向の外力)に対する耐性を持つようになる。
【0108】
更に、実施例1のサイドカバー10は、図9(a)にも示されるように、収容部111内の適所に生地押さえ119と複数の第1係合突起部112を設ける構成とすることで、フィン9に生地13を取着するとき例え薄地の生地13であっても、確実に生地13をフィン9に掴持させるとともに生地13の撓みを抑制させることができ、フィン9の機能をより向上させることができる。
【0109】
また、実施例1のサイドカバー10は、図14(a)にも示されるように、部位110の正面視の形状として、上側保持部110bと下側保持部110cとの間に凹部110aを設けている。上側保持部110bは生地13の上端と係合するフィン9の突起片96aの掴持力を高め、下側保持部110cは生地13の下端と係合するフィン9の突起片96bによるバタツキの抑止力を高めるのに必要な幅を有している。一方、凹部110aは、サイドカバー10を設ける場合でもできる限り生地13を露出させ(図中破線は生地13の領域)、意匠性を向上させるよう形成されている。
【0110】
即ち、サイドカバー10は、フィン9による生地13の保持力を強化する観点のみを考量すれば、部位110の正面視の形状として、図14(b)にも示されるように、上側保持部110bと下側保持部110cとを直線状に連なる形状とし、凹部110aを設けない構成とすることも可能である。しかしながら、部位110の正面視の形状として凹部110aを設けることにより、図14(a)と図14(b)の比較、或いは図1を参照して理解されるように、フィン9による生地13の保持力を強化するのみならず、より一層、意匠性を向上させることができる。
【0111】
また、実施例1のサイドカバー10の変形例として、例えばフィン9の回動をロックしてその側端部を覆いたいとき、又は回動不能に構成されるフィン(図示せず)の側端部を覆いたいときには、図15に示すように、部位120に支持部材2a(2b)の側端部の少なくとも一部を保持するための保持壁120cを更に設けた構成とすることもできる。
【0112】
従って、実施例1のサイドカバー10は、フィン9に係わる意匠性を向上させ、所定の生地13をフィン9に取着する際にはその生地ずれを抑制させることができる。特に、実施例1のサイドカバー10は、フィン9と支持部材2a(2b)との間を連なって覆う構成となっているため、その隙間がなく意匠性が高いものとなる。
【0113】
また、実施例1のサイドカバー10は、フィン9に対し着脱可能とし、尚且つフィン9から容易には外れないようにしており、メンテナンス性を保持しつつ操作性を妨げないものとなる。即ち、実施例1のサイドカバー10は、当該基本姿勢にあるフィン9に対しては取り外し不能とし、最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)にあるフィン9に対しては取り外し可能としているため、ロールスクリーン1の設置後の品質上の信頼性とメンテナンス性との両立が実現される。
【0114】
(更なる変形例)
尚、部位110によって基本姿勢時のフィン9の側端部を覆い、部位120によって支持部材2a(2b)の一側面を覆うことにより、その意匠性を向上させることを主目的とする観点からは、図16及び図17に示すような構成とすることができる。
【0115】
図16(a),(b)は、それぞれ本発明による更なる変形例のサイドカバー10の周辺構成を部分的に示す斜視図と、当該変形例のサイドカバー10の組み付け位置を示す斜視図である。また、その更なる変形として、図17(a),(b)は、それぞれ本発明による更なる変形例のサイドカバー10の周辺構成を部分的に示す斜視図と、当該変形例のサイドカバー10の組み付け位置を示す斜視図である。尚、同様な構成要素には同一の参照番号を付している。
【0116】
まず、図16に示す変形例のサイドカバー10について説明する。図16に示す変形例のサイドカバー10は、基本姿勢時のフィン9の側端部を覆う略平板状の部位110と、支持部材2aの側面の全部(ただし支持部材2aの一部が露出してもよい)を覆う部位120とが連なる形状を有している。そして、図16(b)に示すように、部位120のみが支持部材2aの側端部と係合し、部位110はフィン9や支持部材2aとは係合しないものとなっている。
【0117】
このため、図16(a)に示す外観は、図16(b)にて理解されるように、サインドカバー10(10a)が無いときを想定したきの外観と比較して、その意匠性が著しく向上する。
【0118】
また、図16に示す変形例のサイドカバー10を更に変形して、図17に示すようにサイドカバー10を構成することもできる。図17に示す変形例のサイドカバー10についても、基本姿勢時のフィン9の側端部を覆う略平板状の部位110と、支持部材2aの側面の全部(ただし支持部材2aの一部が露出してもよい)を覆う部位120とが連なる形状を有している。そして、図17(b)に示すように、部位120のみが支持部材2aの側端部と係合し、部位110はフィン9や支持部材2aとは係合しないものとなっている。
【0119】
このため、図17(a)に示す外観は、図17(b)にて理解されるように、サインドカバー10(10a)が無いときを想定したきの外観と比較して、その意匠性が著しく向上する。
【0120】
ただし、図17に示す例では、フィン9が当該基本姿勢から所定の回動角度θaで回動した場合でも、部位110がフィン9の側端部を覆うことができるようにしている。この回動角度θaは、最大回動角度θと同じくしてもよいが、フィン9の実用上の回動角度とすればよい(0<θa≦θ)。
【0121】
即ち、図17に示す例では、フィン9が当該基本姿勢から所定の回動角度θaで回動した場合でも、取付フレーム2の下面と巻取パイプ3との間からの光漏れを防止することができる。
【0122】
(実施例2のサインドカバー)
次に、図18乃至図21を参照して、実施例2のサインドカバー10を説明する。尚、実施例1と同様に機能する構成要素には同一の参照番号を付している。
【0123】
図18は、本発明による実施例2のサイドカバー10の周辺構成を部分的に示し、そのサイドカバー10の組み付け位置を示す斜視図である。また、図19(a)は、本発明による実施例2のサイドカバー10の詳細な構造を示す斜視図である。尚、図19(b)は、その変形例を示す斜視図であり、詳細は後述する。
【0124】
上述した実施例1のサインドカバー10では、フィン9の側端部を覆う部位110と、支持部材2aの側面を概ね覆う部位120とが連なる形状を有している例を説明したが、実施例2のサインドカバー10は、形状が異なるもののフィン9の側端部を覆う部位110と、この部位110と連なる部位130とを有している。実施例2のサインドカバー10は、実施例1の部位120の代わりに部位130が設けられる点で特に相違している。部位130は、支持部材2aの側面を覆うカバー100に対し当該基本姿勢で近接又は密着させる形状としている(図21(a)参照)。
【0125】
そして、図21(a)に示す外観は、図18にて理解されるように、サインドカバー10(10a)が無いときを想定したきの外観と比較して、その意匠性が著しく向上する。
【0126】
実施例2のサインドカバー10においても、フィン9の側端部を覆う部位110のみがフィン9の側端部と係合し、部位130はフィン9や支持部材2a、或いはカバー100とは係合しないものとなっている。
【0127】
まず、実施例2のサインドカバー10の詳細な構造について、図18及び図19(a)を参照して説明する。
【0128】
実施例2のサインドカバー10における部位130は、図19(a)に示すように平板状の形状を有し、部位110と連なる形状とし、その補強のために、縁部にリブ130bが設けられている。
【0129】
一方、部位110は、主要な構成要素として、フィン9における遮蔽板部94の側端部と係合する収容部111と、収容部111と連なって形成される上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114aと、収容部111の上方に連なって前方にのみ形成される軸押さえ片116と、収容部111から部位130と並行して後方に突出する返し部118とを有し、これによりフィン9の側端部を収容可能としている。
【0130】
尚、実施例2のサインドカバー10では、軸押さえ片116と返し部118とを縦壁で連なる形状とし、このため、図18に示すように、支持部材2a(2b)又はカバー100との干渉避ける干渉避け部117が形成される。
【0131】
実施例2のサインドカバー10においても、実施例1と同様、図19(a)に示すように、収容部111内には適所に生地押さえ119が設けられ、尚且つ複数の第1係合突起部112が設けられている。複数の第1係合突起部112は、フィン9における遮蔽板部94の上方と突起片96aとをその両側から押さえ付けるようにして係合する。これにより、フィン9に生地13を取着するとき、実施例2のサイドカバー10は、フィン9における突起片96aの内側に位置する爪部99によって生地13の上端を掴持する際の掴持力を助力することができ、例えば薄地の生地13であっても、確実に生地13をフィン9に掴持させることができる。また、生地押さえ119は、収容部111の補強作用と、フィン9に取着される生地13を押さえる機能を有し、生地13の撓みを抑制できる。このように、実施例2のサイドカバー10においても、フィン9の前面に生地12が取着されているとき、フィン9の側端部を収容する収容部111に、生地押さえ119、第1係合突起部112、及び収容部111の側面形状等により、生地13に対する生地止めが設けられている。このため、実施例1のサイドカバー10は、フィン9の機能をより向上させることができる。
【0132】
また、上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114aは、実施例1のような部位120を設ける構成ではないことから形状が異なるものの、実施例2のサイドカバー10をフィン9の側端部に係合させたときに、サイドカバー10がフィン9から容易には外れにくくする機能を有する。
【0133】
そして、本例では上側外れ防止壁113aの下面に複数の第2係合突起部115が設けられている。複数の第2係合突起部115は、当該上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114aによって挟み込まれるフィン9における支持板部93をその上下両側から保持する機能を助力している。
【0134】
尚、実施例2のサイドカバー10は、図19(a)に示すように、前述した実施例1と同様に機能する複数の第1係合突起部112及び複数の第2係合突起部115を設ける例とし、フィン9からの外れ防止機能として十分に働く好適例を示している。しかしながら、これらの第1及び第2突起部112,115は、フィン9の形状に合わせて適宜変更可能である。例えば図19(b)に示す変形例のように、図19(a)に示す実施例2とは異なる位置で複数の第1係合突起部112を適所に配設し、第2係合突起部115については設けない構造としてもよく、少なくともサイドカバー10がフィン9と係合し保持するものであればよい。この点は、実施例1のサイドカバー10についても同様である。
【0135】
また、実施例2のサイドカバー10では、実施例1の部位120と比較して詳細の部位130とすることから、前方に1つの軸押さえ片116として構成しているが、実施例1と同様に、前後一対の軸押さえ片116として構成してもよい。軸押さえ片116は、サイドカバー10をフィン9に係合させたときのガタツキを抑制するとともに、外観としての意匠性を向上させるものとなっている。
【0136】
実施例2のサイドカバー10における返し部118は、実施例1の返し部118とは形状が異なるものの、実施例1のものと同様に機能する。
【0137】
実施例2における返し部118の機能について図20を参照して説明する。図20(a),(b)は、それぞれ本発明による実施例2のサイドカバー10の動作と着脱方法を示す側面図である。尚、本発明の理解を高めるために、図20(a),(b)では、支持部材2bとサイドカバー10bとの関係を図示している。
【0138】
まず、前述したように、実施例2のサイドカバー10は、フィン9の側端部を覆う部位110と、支持部材2aの側面を覆うカバー100に対し当該基本姿勢で近接又は密着させる部位130とが連なる形状を有しており、部位110のみがフィン9の側端部と係合し、部位130はフィン9や支持部材2a、或いはカバー100とは係合しないものとなっている。
【0139】
そして、フィン9は、図3(a)に示したように、その基本姿勢として、フィン9の遮蔽板部94の長手方向が取付フレーム2の前後方向に対しほぼ垂直(鉛直方向への垂下)になるように規制されている。一方で、フィン9は、図3(b)に示したように、当該基本姿勢から所定の回動角度(最大回動角度θとして図20(b)に図示)まで回動できるようになっている。
【0140】
従って、フィン9が、図20(a)に示す基本姿勢から、図20(b)に示す最大回動角度θまで回動すると、この回動に伴って実施例2のサイドカバー10も一体となって回動する。このフィン9の回動は、主にスクリーン4の巻き取り又は巻き戻し操作時によるものであり、静止時(巻き取り操作停止時)の多くの使用状況下では、図20(a)に示す状態にある。
【0141】
図20(a)に示すように、フィン9が基本姿勢にあるとき、返し部118によって、支持部材2bに押さえ込まれているため、実施例1のサイドカバー10(10b)は外力が生じても容易にはフィン9から外れないようになっている。
【0142】
一方、図20(b)に示すように、本例においても、実施例1と同様に、フィン9が最大回動角度θで回動状態にあるとき、実施例2のサイドカバー10(10b)は、軸押さえ片116が支持部材2bと当接する状態になり外力が生じても容易にはフィン9から外れない。また、実施例1と同様に、フィン9が最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)の状態にあるとき、返し部118による支持部材2bの押さえ込みが解除され、実施例2のサイドカバー10(10b)をフィン9から意図的に取り外すことができるよう構成することができる。従って、実施例2のサイドカバー10(10a,10b)においても、フィン9の回動状態によって、取付フレーム2に接続される支持部材2a,2bに対し、フィン9からの外れ防止となるよう係合する係合モードと、該係合を解除する非係合モードとを切替可能とする外れ防止用の返し部118を備えたものとすることができる。
【0143】
そして、操作上でフィン9が回動し最大回動角度θとなる場合でも、上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114aがあるため容易には外れないものとなっている。仮に当該最大回動角度θで外れ気味になった状態でも、その操作の停止でフィン9が基本姿勢に戻ると、返し部118により、自動的に安定した係合状態に戻るようになっている。従って、実施例2のサイドカバー10は、フィン9の側端部の一部を押さえ付けて係合する外れ防止手段(上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114a)を有するため、特に部位130に働く外力(特に斜め方向の外力)に対する耐性を持つようになる。
【0144】
ただし、実施例2のサイドカバー10の場合では、操作時に操作コード7が部位130と干渉する可能性が小さいため、実施例1の構成よりもサイドカバー10がフィン9から外れにくいものとなる。
【0145】
そして、実施例2のサイドカバー10をフィン9に係合させた状態では、軸押さえ片116は、図20に示されるように、フィン9が基本姿勢から最大回動角度θまで回動する任意の状態で、常に、支持部材2a(2b)やカバー100との回動干渉を避ける干渉避け部117が設けられている(図21(b)参照)。
【0146】
即ち、実施例2のサイドカバー10においても、フィン9が基本姿勢から最大回動角度θまで回動する任意の状態で、常に、支持部材2a(2b)やカバー100との回動干渉を避けるように構成されているため、上述したように意図的に取り外す以外には、操作上でサイドカバー10がフィン9から外れにくいものとしている。
【0147】
そして、実施例2のサイドカバー10には、上側外れ防止壁113a及び下側外れ防止壁114aが設けられているため、操作上で更にサイドカバー10がフィン9から外れにくいものとしている。
【0148】
また、実施例2のサイドカバー10は、図19(a)にも示されるように、収容部111内の適所に生地押さえ119と複数の第1係合突起部112を設ける構成とすることで、フィン9に生地13を取着するとき例え薄地の生地13であっても、確実に生地13をフィン9に掴持させるとともに生地13の撓みを抑制させることができ、フィン9の機能をより向上させることができる。
【0149】
従って、実施例2のサイドカバー10においても、フィン9に係わる意匠性を向上させ、所定の生地13をフィン9に取着する際にはその生地ずれを抑制させることができる。特に、実施例2のサイドカバー10は、支持部材2a(2b)用のカバー100とは分離させているため、支持部材2a(2b)のサイズに関わらず、その意匠性をほぼ同じくすることができる。
【0150】
また、実施例2のサイドカバー10においても、フィン9に対し着脱可能とし、尚且つフィン9から容易には外れないようにしており、メンテナンス性を保持しつつ操作性を妨げないものとなる。即ち、実施例2のサイドカバー10においても、当該基本姿勢にあるフィン9に対しては取り外し不能とし、最大回動角度θ近傍となる所定の回動角度(最大回動角度θより少し小さい回動角度)にあるフィン9に対しては取り外し可能とすることができるため、ロールスクリーン1の設置後の品質上の信頼性とメンテナンス性との両立が実現される。
【0151】
また、実施例2のサイドカバー10においても、部位110の正面視の形状として、実施例1のサイドカバー10における図14(a)に示すように凹部110aを設ける構成とすることができる。これにより、実施例2のサイドカバー10においても、フィン9による生地13の保持力を強化するのみならず、より一層、意匠性を向上させることができる。
【0152】
以上、特定の実施形態の例を挙げて本発明を説明したが、本発明は前述の実施形態の例に限定されるものではなく、その技術思想を逸脱しない範囲で種々変形可能である。特に、フィン9の軸部91の形状・構造や、係止する方法はその一例を説明したにすぎず、例えばフィン9の軸部91を丸軸等で形成してもよいし、フィン9の軸部91を、例えばロールスクリーンであれば、枠体としての取付フレーム2に支持するではなく支持部材2a,2bに支持する構成とすることもできる。
【0153】
また、フィン9は、枠体に対し回動可能とする構成とする以外にも回動不能に固定するものでもよい。更に、フィン9は、枠体に対し回動する形態に限らず、枠体に対しスライドする形態など、任意の可動形態とすることもできる。
【0154】
また、ロールスクリーンに限らず、横型ブラインド、たくし上げカーテン、プリーツスクリーン等の遮蔽装置に設けられるフィン9の側端部に対し、本発明に係るサイドカバー10を係着するよう構成することができる。
【産業上の利用可能性】
【0155】
本発明によれば、フィンに係わる意匠性を向上させ、所定の生地をフィンに取着する際にはその生地ずれを抑制することができるので、フィンを利用可能なロールスクリーン等の遮蔽装置の用途に有用である。
【符号の説明】
【0156】
1 ロールスクリーン
2 取付フレーム
2a,2b 支持部材
3 巻取パイプ
4 スクリーン
5 ウェイトバー
9 フィン
10 フィン用のサイドカバー
20 軸受部
20a,20b 回動規制片
91 フィンの軸部
92 フィンの曲部
93 フィンの支持板部
94 フィンの遮蔽板部
95 フィンの干渉緩和部
100 支持部材用のカバー
110,120,130 サイドカバーの部位
111 サイドカバーの収容部
112 サイドカバーの第1係合突起部
113 サイドカバーの上側外れ防止片
113a サイドカバーの上側外れ防止壁
114 サイドカバーの下側外れ防止片
114a サイドカバーの上側外れ防止壁
115 サイドカバーの第2係合突起部
116 サイドカバーの軸押さえ片
117 サイドカバーの干渉避け部
118 サイドカバーの返し部
119 サイドカバーの生地押さえ
図1
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