(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】履物用のソールならびにソールを設計し製造するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
A43B 5/00 20220101AFI20220328BHJP
【FI】
A43B5/00
(21)【出願番号】P 2016568494
(86)(22)【出願日】2015-02-12
(86)【国際出願番号】 US2015015572
(87)【国際公開番号】W WO2015123395
(87)【国際公開日】2015-08-20
【審査請求日】2017-12-08
【審判番号】
【審判請求日】2020-03-30
(32)【優先日】2014-02-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500262119
【氏名又は名称】ニュー バランス アスレティックス,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】New Balance Athletics,Inc.
【住所又は居所原語表記】100 Guest Street,Boston,MA 02135 U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】ウォーロウセク、クリス
(72)【発明者】
【氏名】マーフィー、ショーン・ビー
(72)【発明者】
【氏名】ダンバー、マシュー
(72)【発明者】
【氏名】フラム、ジャン-フランソワ
(72)【発明者】
【氏名】テンブローク、トランパサ
(72)【発明者】
【氏名】ロドリゲス、ペドロ
【合議体】
【審判長】佐々木 芳枝
【審判官】田合 弘幸
【審判官】長馬 望
(56)【参考文献】
【文献】米国特許第5353526(US,A)
【文献】米国特許第7096603(US,B2)
【文献】米国特許出願公開第2011/0258883(US,A1)
【文献】特開2000-83704(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43B 1/00-23/30
A43C 1/00-19/00
A43D 1/00-999/00
B29D35/00-35/14
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
履物製品のアッパーの底部に取り付け可能なソール部材であって、
前記ソール部材は、内側部と外側部と前足部領域と中足部領域とかかと領域とを有するミッドソールを備え、
前記ミッドソールは、
前記履物製品の内部の方に面する上面と、
前記履物製品が地面と接触するときに地面の方に面する下面であって、1つ以上のトラクション要素を随意に含む下面と、
前記ミッドソールの周縁部の周囲に延在する側壁と
を備え、
前記側壁は、
(i)前記側壁から延出する複数の凸状要素の分布を備えた第1の壁部分であって、前記複数の凸状要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凸状要素は、同一の凸面
を有し、前記複数の凸状要素は、
前記ミッドソールの前記第1の壁部分に近接する
領域においてさらなる耐圧縮性を提供する、第1の壁部分と、
(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状要素の分布を備えた第2の壁部分であって、前記複数の凹状要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凹状要素は、同一の凹面
を有し
、前記複数の凹状要素は、
前記ミッドソールの前記第2の壁部分に近接する
領域において材料の体積を低減させる、第2の壁部分と、
(iii)前記第1の壁部分と前記第2の壁部分との間に延在する移行領域であって、前記移行領域は、複数の移行壁要素の分布を備え、前記複数の移行壁要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の移行壁要素は、前記第1の壁部分から前記第2の壁部分に向かって形状が凸状から凹状に変化する、移行領域と
を備え
、
前記複数の凸状要素および前記複数の凹状要素は、前記ミッドソールの前記第1の壁部分に近接する前記領域および前記ミッドソールの前記第2の壁部分に近接する前記領域に対してそれぞれ異なる構造的特性を与える、ソール部材。
【請求項2】
前記複数の凹状要素および前記複数の凸状要素のうちの少なくとも一方は、回転楕円体または多面体のうちの少なくとも一方の一部を備える、請求項1に記載のソール部材。
【請求項3】
前記複数の凹状要素および前記複数の凸状要素のうちの少なくとも一方は、扁球または長球または球形の回転楕円体のうちの少なくとも1つの一部を備える、請求項1に記載のソール部材。
【請求項4】
前記複数の凹状要素および前記複数の凸状要素のうちの少なくとも一方は、三角形、正方形、矩形、五角形または六角形の多面体のうちの少なくとも1つの一部を備える、請求項1に記載のソール部材。
【請求項5】
前記第1の壁部分は、前記前足部領域の少なくとも一部を含み、前記第2の壁部分は、前記かかと領域の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のソール部材。
【請求項6】
前記第1の壁部分は、前記かかと領域の少なくとも一部を含み、前記第2の壁部分は、前記前足部領域の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のソール部材。
【請求項7】
前記第1の壁部分は、前記内側部の少なくとも一部を含み、前記第2の壁部分は、前記外側部の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のソール部材。
【請求項8】
前記第1の壁部分は、前記外側部の少なくとも一部を含み、前記第2の壁部分は、前記内側部の少なくとも一部を含む、請求項1に記載のソール部材。
【請求項9】
前記ミッドソールの前記第2の壁部分に近接する
前記領域は、
前記ミッドソールの前記第1の壁部分に近接する
前記領域よりも低い剛性を有する、請求項1に記載のソール部材。
【請求項10】
前記ミッドソールの前記下面の少なくとも一部に取り付けられた接地アウトソールをさらに備え、前記接地アウトソールは、前記接地アウトソールから延在する複数のトラクション要素を備える、請求項1に記載のソール部材。
【請求項11】
履物製品のミッドソールの少なくとも一部を製造する方法であって、前記ミッドソールは、上面と下面と側壁とを有し、前記方法は、
使用者または運動活動のうちの少なくとも一方に関連する少なくとも1つの入力パラメータを決定するステップと、
前記少なくとも1つの入力パラメータを分析することにより、少なくとも1つのパフォーマンスメトリックを決定するステップと、
前記少なくとも1つのパフォーマンスメトリックに基づいて、前記側壁の
複数の構造的特徴を決定するステップであって、前記
複数の構造的特徴は、(i)前記側壁から延出する複数の凸状要素の分布を備えた第1の壁部分であって、前記複数の凸状要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凸状要素は、同一の凸面
を有
し、前記複数の凸状要素は、
前記ミッドソールの前記第1の壁部分
に近接する
領域においてさらなる耐圧縮性を提供
する、第1の壁部分と、(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状要素の分布を備えた第2の壁部分であって、前記第2の壁部分は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凹状要素は、同一の凹面
を有し、前記複数の凹状要素は、
前記ミッドソールの前記第2の壁部分
に近接する
領域において材料の体積を低減させる、第2の壁部分と、(iii)前記第1の壁部分と前記第2の壁部分との間に延在する移行領域であって、前記移行領域は、複数の移行壁要素の分布を備え、前記複数の移行壁要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の移行壁要素は、前記第1の壁部分から前記第2の壁部分に向かって形状が凸状から凹状に変化する、ステップと、
前記複数の構造的特徴を備えた前記側壁を有する前記ミッドソールを形成するステップと
を含
み、
前記複数の凸状要素および前記複数の凹状要素は、前記ミッドソールの前記第1の壁部分に近接する前記領域および前記ミッドソールの前記第2の壁部分に近接する前記領域に対してそれぞれ異なる構造的特性を与える、方法。
【請求項12】
前記パフォーマンスメトリックは、前記複数の凸状要素および前記複数の凹状要素のサイズまたは形状のうちの少なくとも1つを決定するために使用される、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
足を受け入れるように構成されたアッパーと、前記アッパーの底部に取り付け可能なソール部材とを備える履物製品であって、
前記ソール部材は、内側部と外側部と前足部領域と中足部領域とかかと領域とを有するミッドソールを備え、
前記ミッドソールは、
前記履物製品の内部の方に面する上面と、
前記履物製品が地面と接触するときに地面の方に面する下面であって、1つ以上のトラクション要素を随意に含む下面と、
前記ミッドソールの周縁部の周囲に延在する側壁と
を備え、
前記側壁は、
(i)前記側壁から延出する複数の凸状六角形要素の分布を備えた第1の壁部分であって、前記複数の凸状六角形要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凸状六角形要素は、同一の凸面
を有
する、第1の壁部分と、
(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状六角形要素の分布を備えた第2の壁部分であって、前記複数の凹状六角形要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の凹状六角形要素は、同一の凹面
を有
する、第2の壁部分と、
(iii)前記第1の壁部分と前記第2の壁部分との間に延在する移行領域であって、前記移行領域は、複数の移行壁要素の分布を備え、前記複数の移行壁要素は、地面に対して垂直な複数の列に積層され
、前記複数の移行壁要素は、前記第1の壁部分から前記第2の壁部分に向かって形状が凸状から凹状に変化する、移行領域と
を備え
る、履物製品。
【請求項14】
前記複数の凸状六角形要素および前記複数の凹状六角形要素は、
前記ミッドソールの前記第1の壁部分
に近接する
前記領域および前記ミッドソールの前記第2の壁部分
に近接する
前記領域に対してそれぞれ異なる構造的特性を与える、請求項13に記載の履物製品。
【請求項15】
前記第1の壁部分は、前記内側部の少なくとも一部を含み、前記第2の壁部分は、前記外側部の少なくとも一部を含む、請求項13に記載の履物製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2014年2月12日に出願された米国仮特許出願第61/938,999号明細書に対する優先権およびその出願の利益を主張し、その出願の開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して履物の分野に関し、より詳細には、凸状要素および/または凹状要素を有する履物およびその一部と、そうした履物およびその一部を設計し製造する関連システムおよび方法とに関する。
【背景技術】
【0003】
履物製品の性能および快適さの多くの態様は、履物の着用者のさまざまなパフォーマンスおよび身体的特徴によって決まる。たとえば、ストライド長(歩幅)、ピッチ(歩数頻度)、着地位置、回内/回外、走り方および走る速さは、着用する履物の要素によって影響を受ける可能性がある。さらに、身長、体重、靴のサイズ、足の形状、脚の形状およびサイズ等、アスリートの身体的特徴が、アスリートのパフォーマンスおよび着用する履物製品の性能に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
異なるアスリートおよび異なる運動活動に対して、パフォーマンスおよび身体的要件の組が異なることが多いが、複雑で、多くの場合高価な構造的要素、材料および/または他の特徴を組み込む必要なしに、所定のアスリートおよび/または運動活動の異なるパフォーマンス要件を最適に支援する履物を設計し製造することは困難であることが多い。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、履物およびその一部であって、履物に複雑な多部品構造および/または多材料構造を組み込む必要なしに、履物に対して最適化された性能特性を提供する、壁に組み込まれた凸状要素および/または凹状要素を有する履物およびその一部に関する。
【0006】
本発明の一態様は、足を受け入れるように構成されたアッパーとアッパーの底部に取り付けられたソール部材とを有する履物製品用のソールまたはその一部に関する。ソール部材は、内側(ないそく)部(medial side)、外側(がいそく)部(lateral side)、前足部領域(forefoot region)、中足部領域(midfoot region)およびかかと領域(heel region)を有するミッドソールを含む。ミッドソールは、上面、下面および側壁を含み、側壁は、側壁から延出する複数の凸状構造を含む第1壁部分と、側壁内に延在する複数の凹状構造を含む第2壁部分とを含む。一実施形態では、凸状部分および凹状部分は、第1壁部分および第2壁部分の少なくとも一部に近接するミッドソールの領域に対して異なる構造的特性を与える。
【0007】
凹状構造および/または凸状構造は、少なくとも1つの回転楕円体の一部(たとえば、扁円、扁長もしくは球形の回転楕円体の一部)および/または少なくとも1つの多面体の一部(たとえば、三角形、正方形、矩形、五角形もしくは六角形の多面体のうちの少なくとも1つの一部)を含むかまたは本質的にそれから構成され得る。
【0008】
一実施形態では、第1部分は前足部領域の少なくとも一部を含み、第2部分はかかと領域の少なくとも一部を含む。一実施形態では、第1部分はかかと領域の少なくとも一部を含み、第2部分は前足部領域の少なくとも一部を含む。一実施形態では、第1部分は内側部の少なくとも一部を含み、第2部分は外側部の少なくとも一部を含む。一実施形態では、第1部分は外側部の少なくとも一部を含み、第2部分は内側部の少なくとも一部を含む。
【0009】
凸状構造および/または凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つは、側壁の少なくとも一部にわたって変化することができる。一実施形態では、第2壁部分に近接するミッドソールの領域は、第1壁部分に近接するミッドソールの領域より剛性が低い。一実施形態では、凸状構造および凹状構造の位置、サイズ、形状、向きおよび/または分布のうちの少なくとも1つは、所定の運動活動に対するパフォーマンス基準および/または所定のアスリートまたはアスリートのグループに対するパフォーマンス基準に基づいて選択されている。
【0010】
一実施形態では、履物製品は、ミッドソールの下面の少なくとも一部に取り付けられた接地アウトソールを含む。接地アウトソールの下面は、そこから延在する複数のトラクション要素を含むことができる。トラクション要素のうちの少なくとも1つのサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つは、所定の運動活動に対するパフォーマンス基準および/または所定のアスリートもしくはアスリートのグループに対するパフォーマンス基準に基づいて選択することができる。
【0011】
本発明の別の態様は、履物製品のソールの少なくとも一部を設計し製造する方法を含み、ソールは、上面、下面および側壁を有する。本方法は、使用者または運動活動のうちの少なくとも一方に関連する少なくとも1つの入力パラメータを求めるステップと、少なくとも1つの入力パラメータを分析して、少なくとも1つのパフォーマンスメトリックを求めるステップと、パフォーマンスメトリックに基づいて側壁の1つまたは複数の構造的特徴の少なくとも1つの特性を求めるステップとを含む。1つまたは複数の構造的特徴は、(i)側壁から延出する複数の凸状構造を備えた第1壁部分と、(ii)側壁内に延在する複数の凹状構造を備えた第2壁部分とを含むことができる。本方法は、構造的特徴を含む側壁を備えたソールを形成するステップをさらに含む。
【0012】
一実施形態では、第1壁部分および第2壁部分は、第1壁部分および第2壁部分の少なくとも一部に近接するソールの領域に対して異なる構造的特性を与える。一実施形態では、少なくとも1つの特性は、凸状構造および/または凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つを含む。
【0013】
本発明の別の態様は、内側部、外側部、前足部領域、中足部領域およびかかと領域を含む履物製品用のミッドソールを含む。ミッドソールは、上面、下面および側壁を含む。側壁は、側壁から延出する複数の凸状構造を含む第1壁部分と、側壁内に延在する複数の凹状構造を含む第2壁部分とを含む。一実施形態では、凸状構造および凹状構造は、第1壁部分および第2壁部分の少なくとも一部に近接するミッドソールの領域に対して異なる構造的特性を与える。
【0014】
本発明の別の態様は、足を受け入れるように構成されたアッパーと、アッパーの底部に取り付けられたソール部材とを備える履物製品を含む。ソール部材は、内側部、外側部、前足部領域、中足部領域およびかかと領域を有するミッドソールを含む。ミッドソールは、上面、下面および側壁を含む。側壁は、側壁から延出する複数の凸状六角形構造を含む第1壁部分であって、凸状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、第1壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、第1壁部分と、側壁内に延在する複数の凹状六角形構造を含む第2壁部分であって、凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、第2壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、第2壁部分とを含む。
【0015】
一実施形態では、第1壁部分および第2壁部分は、第1壁部分および第2壁部分の少なくとも一部に近接するミッドソールの領域に対して異なる構造的特性を与える。一実施形態では、第1部分は内側部の少なくとも一部を含み、第2部分は外側部の少なくとも一部を含む。
【0016】
これらの目的および他の目的は、本明細書に開示する本発明の利点および特徴とともに、以下の説明、添付図面および特許請求の範囲を参照することによってより明らかとなろう。さらに、本明細書に記載するさまざまな実施形態の特徴は、相互に排他的ではなく、さまざまな組合せおよび順列で存在する可能性があることが理解されるべきである。
本発明は、例えば、以下の項目を提供する。
(項目1)
内側部、外側部、前足部領域、中足部領域およびかかと領域を有する履物製品用のミッドソールであって、
上面と、
下面と、
側壁であって、
(i)前記側壁から延出する複数の凸状構造を備えた第1壁部分と、
(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状構造を備えた第2壁部と、
を備え、前記凸状構造および前記凹状構造が、前記第1壁部分および前記第2壁部分に近接する前記ミッドソールの領域に対して異なる構造的特性を与える、
側壁と、
を備えるミッドソール。
(項目2)
前記凹状構造および前記凸状構造のうちの少なくとも一方が、回転楕円体または多面体のうちの少なくとも一方の一部を備える、項目1に記載の履物。
(項目3)
前記凹状構造および前記凸状構造のうちの少なくとも一方が、扁円、扁長または球形の回転楕円体のうちの少なくとも1つの一部を備える、項目1に記載の履物。
(項目4)
前記凹状構造および前記凸状構造のうちの少なくとも一方が、三角形、正方形、矩形、五角形または六角形の多面体のうちの少なくとも1つの一部を備える、項目1に記載の履物。
(項目5)
前記第1部分が前記前足部領域の少なくとも一部を含み、前記第2部分が前記かかと領域の少なくとも一部を含む、項目1に記載の履物。
(項目6)
前記第1部分が前記かかと領域の少なくとも一部を含み、前記第2部分が前記前足部領域の少なくとも一部を含む、項目1に記載の履物。
(項目7)
前記第1部分が前記内側部の少なくとも一部を含み、前記第2部分が前記外側部の少なくとも一部を含む、項目1に記載の履物。
(項目8)
前記第1部分が前記外側部の少なくとも一部を含み、前記第2部分が前記内側部の少なくとも一部を含む、項目1に記載の履物。
(項目9)
前記凸状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、前記第1壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、項目1に記載の履物。
(項目10)
前記凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、前記第2壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、項目1に記載の履物。
(項目11)
前記第2壁部分に近接する前記ミッドソールの前記領域が、前記第1壁部分に近接する前記ミッドソールの前記領域より剛性が低い、項目1に記載の履物。
(項目12)
前記凸状構造および前記凹状構造の位置、サイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、所定の運動活動に対するパフォーマンス基準に基づいて選択されている、項目1に記載の履物。
(項目13)
前記凸状構造および前記凹状構造の位置、サイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、所定のアスリートまたはアスリートのグループに対するパフォーマンス基準に基づいて選択されている、項目1に記載の履物。
(項目14)
前記ミッドソールの前記下面の少なくとも一部に取り付けられた接地アウトソールをさらに備え、前記接地アウトソールがそこから延在する複数のトラクション要素を備える、項目1に記載の履物。
(項目15)
前記トラクション要素のうちの少なくとも1つのサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、所定の運動活動、所定のアスリートおよびアスリートの所定のグループのうちの少なくとも1つに対するパフォーマンス基準に基づいて選択されている、項目14に記載の履物。
(項目16)
履物製品のソールの少なくとも一部を製造する方法であり、前記ソールが上面、下面、側壁を有する、方法であって、
使用者または運動活動のうちの少なくとも一方に関連する少なくとも1つの入力パラメータを求めるステップと、
前記少なくとも1つの入力パラメータを分析して、少なくとも1つのパフォーマンスメトリックを求めるステップと、
前記パフォーマンスメトリックに基づいて前記側壁の1つまたは複数の構造的特徴を求めるステップであって、前記構造的特徴が、(i)前記側壁から延出する複数の凸状構造を備えた第1壁部分と、(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状構造を備えた第2壁部とを含み、前記第1壁部分および前記第2壁部分が、前記第1壁部分および前記第2壁部分の少なくとも一部に近接する前記ソールの領域に対して異なる構造的特性を与える、ステップと、
前記1つまたは複数の構造的特徴を備えた前記側壁を有する前記ソールを形成するステップと、
を含む方法。
(項目17)
前記少なくとも1つの構造的特徴が、凸状構造および凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つを含む、項目16に記載の方法。
(項目18)
足を受け入れるように構成されたアッパーと、前記アッパーの底部に取り付けられたソール部材とを備える履物製品であって、前記ソール部材が、
内側部、外側部、前足部領域、中足部領域およびかかと領域を有するミッドソールであって、
上面と、
下面と、
側壁であって、
(i)前記側壁から延出する複数の凸状六角形構造を備えた第1壁部分であって、前記凸状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、前記第1壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、第1壁部分と、
(ii)前記側壁内に延在する複数の凹状六角形構造を備えた第2壁部であって、前記凹状構造のサイズ、形状、向きおよび分布のうちの少なくとも1つが、前記第2壁部分の少なくとも一部にわたって変化する、第2壁部分と、
を備える側壁と、
を備えるミッドソール
を備える、履物製品。
(項目19)
前記凸状構造および前記凹状構造が、前記第1壁部分および前記第2壁部分の少なくとも一部に近接する前記ミッドソールの前記領域に対して異なる構造的特性を与える、項目18に記載の履物。
(項目20)
前記第1壁部分が前記内側部の少なくとも一部を含み、前記第2壁部分が前記外側部の少なくとも一部を含む、項目18に記載の履物。
【0017】
図面において、同様の参照符号は、概して、それぞれの図を通して同じ部分を指している。また、図面は、必ずしも正確な尺度で描かれているとは限らず、代わりに、概して、本発明の原理を例示することに重きが置かれている。以下の説明では、本発明のさまざまな実施形態について以下の図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1A】本発明の一実施形態による、靴のソールの側壁に凹状要素および凸状要素を有する靴の側面図である。
【
図4A】本発明の一実施形態による、靴のソールの側壁に複数の凹状要素および凸状要素を有する靴の側面図である。
【
図5A】
図4Aの靴に対する複数の凹状要素のさまざまな図である。
【
図5B】
図4Aの靴に対する複数の凹状要素のさまざまな図である。
【
図5C】
図4Aの靴に対する複数の凹状要素のさまざまな図である。
【
図6A】
図4Aの靴に対する複数の凸状要素のさまざまな図である。
【
図6B】
図4Aの靴に対する複数の凸状要素のさまざまな図である。
【
図6C】
図4Aの靴に対する複数の凸状要素のさまざまな図である。
【
図6D】
図4Aの靴に対する複数の凸状要素のさまざまな図である。
【
図7A】本発明の一実施形態による、靴のソールの平面図である。
【
図7B】
図7Aのソールの(断面A-Aの)さまざまな断面端面図例である。
【
図7C】
図7Aのソールの(断面A-Aの)さまざまな断面端面図例である。
【
図7D】
図7Aのソールの(断面A-Aの)さまざまな断面端面図例である。
【
図7E】
図7Aのソールの(断面A-Aの)さまざまな断面端面図例である。
【
図7F】
図7Aのソールの(断面A-Aの)さまざまな断面端面図例である。
【
図8】本発明の一実施形態による、ソールに凹状要素および/または凸状要素を有する別の靴の側面図である。
【
図9】本発明の一実施形態による、ソールに凹状要素および/または凸状要素を有する別の靴の側面図である。
【
図10A】本発明の一実施形態による、靴のソール例の平面図である。
【
図11A】本発明の一実施形態による、別の靴のソール例の平面図である。
【
図12A】本発明の一実施形態による、別の靴のソール例の平面図である。
【
図13A】本発明の一実施形態による、別の靴のソール例の平面図である。
【
図14A】本発明の一実施形態による、ソールにトラクション要素を有する靴の斜視図である。
【
図15A】本発明の一実施形態による、別の靴のソール例の平面図である。
【
図16】本発明の一実施形態による、靴のソールに色付けする方法の(断面A-Aの)断面端面図である。
【
図17】本発明の一実施形態による、靴のソールに色付けする方法の(断面A-Aの)平面図である。
【
図18】本発明の一実施形態による、多色の靴のソールの斜視図である。
【
図19】本発明の一実施形態による、別の多色の靴のソールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
靴のソール、特に運動靴用の靴のソールに構造的制御を提供し性能特性を追加する従来の方法では、多くの場合、ソールに複数の材料および/または複雑な機械的構造を追加することが必要である。
これは、多くの場合、時間がかかり、コストがかかり、靴製造の複雑性を著しく増幅させる可能性がある。
したがって、複数の材料および/もしくは複雑な機械的構造から、または複雑かつ費用のかかる製造技法によって、ソールを製造する必要なしに、ソールに対して優れた性能特性および制御を提供する構造的要素を有する靴のソールが必要とされている。
【0020】
本明細書に記載する発明は、追加の材料または別個の構造的要素を組み込む必要なしに、改善された性能特性を提供する、靴およびその要素を提供する。
これは、ソールの1つまたは複数の面に注意深く配置されかつ成形された構造的特徴を追加することによって達成され、その特徴は、たとえば従来の成形法によって、ソールの形状に追加される。
その結果、費用効果が高くかつ効率的に特定の使用者および/または特定の運動活動に対して最適化された性能特性を備えた、単純な一枚のミッドソール(または、他の簡単なソール構造を有するミッドソール)を形成することができる。
【0021】
本明細書に記載するソールまたはソール要素(たとえばミッドソール)は、任意の適切な技法から製造することができ、たとえば、限定されないが、発泡成形、打抜き、発泡材の彫刻、圧縮成形および/または3Dプリントもしくは付加製造(たとえば、選択的レーザー焼結による)等の成形法から製造することができる。
本明細書に記載するソールおよびソール要素に使用される材料としては、限定されないが、ポリマー、エラストマーおよび/または熱可塑性樹脂を含むかまたは本質的にそれから構成され得るポリマー材料を挙げることができる。たとえば、ポリマー材料は、エチレンビニルアセテート(EVA)、EVAコポリマー、ポリエチレン(PE)、塩素化ポリエチレン(CPE)、ポリウレタン(PU)、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、DuPonTMSurlyn(登録商標)、ブロー成形ゴムまたは熱可塑性ゴム(TPR)であり得る。
一実施形態例では、ポリマー材料は、グランドコンタクトEVA(すなわち、靴のソールの接地面として使用することができるように適切な性能特性、摩耗特性および耐久特性を提供するように特に開発されたEVA)である。
【0022】
いくつかの性能特性を提供する構造的壁要素を有する靴のソールを形成することにより、運動活動中にアスリートのパフォーマンスを向上させかつ/または着用時の履物製品の快適さを向上させるように、運動活動および/または所定のアスリートもしくはアスリートのグループの1つまたは複数の必要を満たすように特にカスタマイズされた、履物または履物要素の生成が可能になる。
所定のパフォーマンス要件を満たすような履物のカスタマイズは、限定されないが、(自身の履物からパフォーマンスの向上を期待する)アスリート、(自身の所定の状態に対してより優れた支援および/または治療を提供する履物を期待する)疾患のある人、または改善されかつカスタマイズされたパフォーマンスの利益および/もしくは(たとえば、装飾的要素、商標、名称等を含む)カスタマイズされた審美的外観を有する履物を期待する、気軽にランニングもしくはウォーキングする人等、個人の多くのグループに対して有益であり得る。
本明細書における記載は、概して、アスリートに対してパフォーマンス特性を改善するように設計された履物に関するが、本明細書に記載する方法および構造は、あらゆる目的に対するかつあらゆる使用者に対して要素をカスタマイズすることに等しく適用可能であることが留意されるべきである。
【0023】
本明細書に記載する本発明により、履物製品(たとえば、靴、ビーチサンダル、サンダル、ソックス、圧迫支持要素等の運動用サポーター)の生成、および/または製品およびその製造に著しいコストもしくは複雑性を追加することなく優れたパフォーマンスを提供する、完成品に組み込まれる履物製品の要素のカスタマイズが可能になる。
履物要素例としては、限定されないが、靴用のアウトソール、ミッドソールおよび/もしくはインソール、ならびに/または靴のソールの所定領域(たとえば、かかと領域、中足部領域および/または前足部領域)においてソールに(たとえば、機械的取付、接着または他の適切な取付手段により)組み込まれるかまたは取り付けられる要素等、アウトソール、ミッドソールおよび/またはインソース内に配置されるカスタマイズされた要素が挙げられる。
【0024】
ここで重要な履物または履物要素の性能特性は、個人または個人のグループに関連する複数の身体的特徴、パフォーマンス(たとえば、運動パフォーマンス)特性および/または使用者選好特性に基づくことができる。
たとえば、限定されないが、着地位置(たとえば、歩行サイクルまたは他の運動動作中の足の初期接地中のかかとでの着地、中足部での着地または前足部での着地)、ストライド長、ピッチ(すなわち、歩調)、着地時の足の回内もしくは回外、着地および足指離地中の足の旋回、走り方、走る速さおよび/または1つもしくは複数の関節の柔軟性等の所定のアスリートまたはアスリートの一部のパフォーマンス態様に対して、履物に関して注意深く選択された構造的要素の追加を通して対処することができる。所定のパフォーマンス特性は、必要に応じて、運動活動中のアスリートのパフォーマンスを向上させかつ/または運動活動中に着用されている履物の快適さを向上させるために、支持されまたは補償される。
【0025】
さらに、所定のアスリートまたはアスリートの一部のための履物ソールに対して壁要素を成形し、位置決めし、方向付けるとき、所定の運動活動のパフォーマンス要件を考慮することができる。
たとえば、ランナー(トラックランナー、ロードランナーまたはクロスカントリーランナー等)に対するパフォーマンスおよびトラクション要件は、そのランナーが短距離走者であるかもしくは長距離走者であるか、および/またはそのランナーが(たとえば、標準的な屋内または屋外の陸上競技場において)コーナーを回って走ることを考慮する履物を必要とするか、もしくは、競走が主に(たとえば、ロードレースまたはジョギング中に)直線で行われるか否かに応じて異なる可能性がある。
履物のカスタマイズはまた、そのアスリートが競技をしている天候および足元の状態によっても決まる可能性があり、たとえば、湿った/乾いた状態および/または柔らかい/硬い足元の状態に対して、異なるトラクション要件が必要である。
さらに、スポーツが異なると構造的要素の異なる形状、サイズおよび/または構成が必要である可能性があり、たとえば、サッカー、アメリカンフットボール、フィールドホッケー、野球等の靴はすべて、異なる構造的性能要件を必要とする。
【0026】
履物ソール要素をカスタマイズすることができる他の運動活動としては、著しい旋回型および/または方向転換型の動きを伴う活動(たとえば、バスケットボール、野球、ソフトボール、サッカー、アメリカンフットボール、フィールドホッケー、アイスホッケー、アイススケート、スピードスケート、ラグビー、テニス、スカッシュ、ラケットボール、スケートボード、サイクリング等)が挙げられる。そこでは、個人の技術および身体的特徴が、人によって大幅に異なる可能性があり、特別にカスタマイズされたトラクション要素および構造的壁要素が、運動の動きの個人のパフォーマンスを大幅に向上させることができる。
所定のアスリートおよび/または活動のパフォーマンス特性の一意の組合せを向上させまたは支援する構造的壁要素およびトラクション要素を生成する際に、跳躍、前かがみ、蹴り、投げ、旋回、回転等の任意の活動または活動の組合せを考慮することができる。
【0027】
図1A~
図1Cに、靴例を示す。
靴100は、アッパー105を含む。アッパー105の底部115には、ソール110が取り付けられている。靴100は、前足部領域120、中足部領域125、かかと領域130、および足を受け入れることができる開口部135を含む。靴は、外側部140および内側部145をさらに含む。
ソール110は、靴100の内部の方に面する上面210と、靴が地面と接触するときに地面の方に面する下面155とを有する、ミッドソール150を含む。
一実施形態では、ミッドソール150は、靴のソールの接地面として使用することができるように適切な性能特性、トラクション特性、摩耗特性および耐久特性を有する材料(たとえば、グランドコンタクトEVA)から形成することができる。
代替実施形態では、靴100に対して適切な接地特性を提供するように、下面155に1つまたは複数のアウトソール要素(たとえば、ゴム製のアウトソール要素)を取り付けることができる。
【0028】
ミッドソール150は、ミッドソール150の周縁部の周囲に延在する側壁160をさらに含む。
一実施形態では、側壁160およびミッドソール150のさまざまな領域に所定の構造的特性、性能特性および審美的特性を提供するように、側壁160に幾何学的な構造状の特徴を組み込むことができる。
これらの幾何学的特徴としては、たとえば、側壁160内に延在する1つもしくは複数の凹状要素165、および/または側壁160から延出する1つもしくは複数の凸状要素170を挙げることができる。
凹状要素165および凸状要素170は、任意の適切な形状、サイズおよび向きとすることができ、必要な所定の構造的特性、性能特性および審美的特性に応じて任意の適切な方法で配置することができる。
たとえば、凹状要素165および凸状要素170は、別個の回転楕円状要素の一部(たとえば、扁円、扁長または球状の回転楕円体の一部)、または側壁160内に延在するかもしくは側壁160から延出する別個の多面体要素の一部として形成することができる。
多面体要素例としては、限定されないが、四面体(すなわち、4つの三角面を有する多面体)、立方体、八面体、十二面体、二十面体等の多面体形状、およびたとえば、三角形、正方形、矩形、五角形、六角形またはそれより高次の断面を有する3次元形状を含むことができる。
【0029】
図2A~
図3Dに、
図1A~
図1Cの靴に対する例としての凹状要素165および凸状要素170を示す。この凹状要素165および凸状要素170は、細長い六角形の断面を有している。
(
図2A~
図2Cに示す)凹状要素165は、6つの傾斜壁180が側壁160から(すなわち、ミッドソール150の内部に向かって)凹状に先端壁185まで内側に延在している細長い六角形基部175を有している。
同様に、(
図3A~
図3Dに示す)凸状要素170は、6つの傾斜壁190が側壁160から凸状に先端壁195まで外側に延在している細長い六角形基部175を含む。
【0030】
さまざまな実施形態において、凹状要素165および/または凸状要素170は、任意の適切な程度まで内側および外側に延在することができ(すなわち、凹状要素165および凸状要素170は任意の適切な厚さ/深さを有することができ)、傾斜壁180、190は、任意の鋭角(たとえば、約5°から略90°の間、または10°から80°の間、または20°から70°の間)で、もしくは鈍角(たとえば、約90°から約135°の間)で延在し、または側壁160に対して垂直にもしくは実質的に垂直に延在することができる。
一実施形態では、凹状要素165および/または凸状要素170の断面形状は、要素の厚さ/深さにわたって実質的に一定のままであり得る。
代替実施形態では、断面形状は、(要素の厚さ/深さにわたる断面の面積の変化に加えてまたはその代わりに)要素の厚さ/深さにわたって変化することができる。
【0031】
一実施形態では、側壁160に1つまたは複数の凹状要素165を配置することにより、側壁160のその部分における材料の体積を低減させ、それによりその側壁160部分にわたる材料の全体的な密度を低減させることにより、その部分における側壁160の剛性を低減させることができる。
したがって、これにより、側壁160のその部分の圧縮率を増大させ、したがって、その領域に、より大きいかまたはより柔らかい緩衝の局所領域をもたらすことができる。
凹状要素165が、凹状要素165の位置に近接してミッドソール150の緩衝を変化させることができる程度は、限定されないが、側壁160領域内の凹状要素165のサイズ、厚さ/深さ、形状、向きおよび/または分布等の要素によって決まる可能性がある。
さらに、限定されないが、皮革層の構造的特性(たとえば、皮革層の厚さ、層の剛性、および/またはミッドソール150の内部発泡体に対する皮革層の剛性の相違)等、ミッドソール150で使用される材料の特性は、凹状要素165が要素165に近接してミッドソール150の緩衝特性を変化させる程度に影響を与える可能性がある。
一実施形態では、凹状要素165の厚さ/深さを増大させる(すなわち、凹状要素165が延在するミッドソール150内の距離を増大させる)ことにより、凹状要素165の周囲のミッドソールの剛性が低減し、それにより、ミッドソール150がその領域において有効により柔らかくなる。
【0032】
同様に、側壁160の一部における1つまたは複数の凸状要素170のサイズ、厚さ/深さ、形状、向きおよび/または分布は、凸状要素170に近接するミッドソール150の緩衝特性に影響を与える可能性がある。
たとえば、凸状要素170の追加(およびいくつかの実施形態では、凸状構造をソールの中心部分からさらに延出させる楔形または隆起したミッドソール材料の追加等、凸状要素170に近接するさらなるミッドソール材料の追加)が、さらなる耐圧縮性を提供し、したがって、凸状要素170が追加される領域における側壁160(および側壁160のその部分に近接するミッドソール150)の構造的特性に影響を与える。
【0033】
一実施形態では、構造的凹状要素165および/または凸状要素170を組み込むことに加えて、側壁160の表面の凹凸化を適用することができる。
凹凸化(すなわち、審美的目的のための壁の表面への浅い表面パターンまたは起伏の追加)は、凹状要素165および/または凸状要素170の周囲またはそこから離れる側壁160の領域のみに適用することができ、または周囲の側壁160に加えてまたはその代わりに凹状要素165および/または凸状要素170の表面の上に適用することができる。
本明細書に記載した構造的凸状要素および凹状要素とは異なり、表面凹凸化は、側壁の表面に限定され、ミッドソールの構造的変化に影響を与えるのに十分な深さまで壁内に延在しない。
一実施形態では、たとえば、凹凸化は、側壁の表面内に0.5mmを越えて延在せず、たとえば、側壁の表面内に0mmから0.1mmまたは0.2mmの間で延在することができる。
対照的に、構造的凸状要素および凹状要素は、必要な適切な構造的特徴および性能特徴を提供するために必要な任意の適切な距離、側壁の表面から延出しかつ(必要に応じて)表面内に延在することができる。
一実施形態では、凹状構造および凸状構造は、側壁の表面から0mmから2mmの間、または0mmから1mmの間、または0mmから0.5mmの間、延在することができる。代替実施形態では、任意の適切な距離/深さまたは深さの範囲を利用することができる。
【0034】
一実施形態では、凹状要素165および/または凸状要素170の向きを変更することは、側壁160のその領域の周囲のミッドソールの緩衝特性に影響を与えることができる。
たとえば、一実施形態では、細長い断面輪郭を有する凹状要素165および/または凸状要素170を形成することにより、負荷が、要素の長軸に沿って加えられるか、要素の長軸に対して垂直に加えられるか、または要素の長軸に対してある角度で加えられるかに応じて異なるように変形する要素がもたらされる。
これは、たとえば、ミッドソールを、負荷が第1方向に加えられるときは相対的に柔らかくするが、負荷が第2方向に加えられるときは相対的に硬くすることができる構造を生成することにおいて、有益であり得る。
これにより、歩行サイクルのさまざまな段階中にミッドソールによって提供される緩衝を制御することを可能にすることができる。
それは、アスリートがミッドソールに負荷をかける角度が、歩行サイクルの接地段階にわたって変化する(負荷の水平成分は、概して、最初の着地中は前方向に、足指離地中は後方向にかけられる)ためである。
一実施形態では、ミッドソール150が、足(たとえば、かかと)が地面を蹴るときは相対的に柔らかい(それにより、着地中の緩衝が増大する)が、足が押し離れるときは相対的に堅く見える(それにより、足指離地中にアスリートによって生成される力を増大させる)ように、細長い要素(たとえば、細長い凹状要素165)を方向付けることができる。
さらに、負荷の角度に応じてミッドソールの剛性を制御することは、所定の運動の動きおよび/または活動中に最適な運動技術を促進するという点で有益であり得る。
【0035】
図8に、異なるように方向付けられた要素を有する靴例を示す。
この実施形態では、
長軸215を有する(凹状要素165または凸状要素170であり得る)第1要素220が、水平面225に対して第1角度「a」で向けられており、
(凹状要素165または凸状要素170でもあり得る)第2要素230が、水平面225に対して第2角度「b」で向けられている。
さまざまな実施形態では、ソールの所定の構造的要件に応じて、凹状要素および/または凸状要素に対する向きの角度の任意の適切な範囲および組合せを利用することができる。
【0036】
さまざまな実施形態では、靴の異なる部分におけるミッドソール150の性能特性を制御するために、側壁160の異なる領域に、任意の適切な数および分布の凹状要素165および/または凸状要素170を配置することができる。
たとえば、靴の各側に異なる緩衝特性および安定特性を提供するために、内側部145および外側部140に、凹状要素165および/または凸状要素170の異なる配置を位置付けることができる(たとえば、過回内を制御するために、かかとの内側部における剛性を高くし、かかとの外側部における剛性を低くし、かつ/または方向転換運動を促進するために、前足部の外側部における剛性を高くし、前足部の内側部における剛性を低くする)。
さらにまたは別法として、前足部領域120、中足部領域125およびかかと領域130において、それらの領域におけるミッドソール150の性能特性を制御するために、凹状要素165および/または凸状要素170の異なる配置を位置付けることができる。
図4A~
図4Cに、靴100における凹状要素165および/または凸状要素170の配置例を見ることができ、
図5A~
図5Cに凹状要素165の配置を示し、
図6A~
図6Dに凸状要素170の配置を示す。
図示するように、凹状要素165および/または凸状要素170は、小さい側壁領域200によって分離された規則的な繰返しパターンで示されている。
凹状要素165が互いに近接していること(同様に、凸状要素170が互いに近接していること)を使用して、側壁160(および側壁160に近接するミットソール50)の性能特性を制御することも可能である。凹状要素165および/または凸状要素170の密度が高くなることは、側壁160の特性により大きく影響を与える。
【0037】
代替実施形態では、側壁160のいくつかの部分にわたって、凹状要素165および/または凸状要素170のサイズ、形状、向きおよび分布を変化させることができ、たとえば、前足部領域における要素のサイズ、形状および/または向きは、かかと領域におけるものとは異なる。
一実施形態では、要素の形状(および、要素によってもたらされる側壁160の結果としての特性)を領域ごとに徐々に変化させることができる。代替実施形態では、領域ごとに要素形状の間に急峻な分割点があり得る。
【0038】
一実施形態では、複数の凹状要素を組み込んだ壁部分は、その壁部分またはその一部にわたって断面積、深さ、形状および/または向きが変化する凹状要素を含むことができる。
たとえば、壁部分は、その中心領域に相対的に大きくかつ深い凹状要素を含むことができ、相対的に小さくかつ浅い凹状要素は、その壁部分の縁まで分散配置される。
同様に、複数の凸状要素を組み込んだ壁部分は、その壁部分またはその一部にわたって断面積、深さ、形状および/または向きが変化する凸状要素を含むことができる。
【0039】
一実施形態では、凹状要素165、凸状要素170、および必要な場合はさらなる壁特徴をミッドソール150の異なる領域において注意深く配置しかつ選択することにより、側壁160の特性(したがって、側壁160に近接するミッドソール150の特性)を制御することができる。
たとえば、
図7B~
図7Fは、
図7Aに示すミッドソール150のかかと領域130の外側部140および内側部145における凹状要素165および/または凸状要素170の異なる分布を、断面A-Aで示す。
【0040】
より詳細には、
図7Bは、内側部145に分散配置された複数の浅い凹状要素165と、外側部140に分散配置された複数の浅い凸状要素170とを有するかかと領域130を示している。
図7Cは、同様であるが、より厚い(または深い)凹状要素165および凸状要素170を備えた構成を示す。
図7Dは、内側部145に分散配置された複数の凹状要素165を有するが、外側部140において側壁160に要素が分散配置されていない配置を示す。
図7Eは、ミッドソール150の上面210から下面155まで厚さが変化する、凹状要素165および凸状要素170を有する配置を示す。
図7Fは、外側部140および内側部145両方に凹状要素165を有するミッドソール150を示す。
代替実施形態では、ミッドソール150のさまざまな領域に所定の構造的特性および性能特性を提供するように、側壁160のさまざまな領域に、任意の数、サイズ、形状、向きおよび分布の凹状要素165、凸状要素170、平坦な側壁160部および/または他の構造的特徴を配置することができる。
【0041】
一実施形態では、側壁160の異なる部分に、異なる形状の凹状要素165および/または凸状要素170を配置することができる。
さらにまたは別法として、側壁160領域は、異なる凹状要素165および/または凸状要素170の配置と、たとえば、異なる形状の要素の配置および/または凹状要素165および凸状要素170両方を有する配置とを含むことができる。
たとえば、
図9は、
複数の均一に分散配置された正方形凹状要素または凸状要素250を有する配置を含む第1領域と、
複数の細長い長円形凹状要素または凸状要素255を有し、それらの間に球形の凹状要素または凸状要素260が散在している配置を含む第2領域と
を有する、靴100用のミッドソール150を示す。
【0042】
靴100用のミッドソール150の側壁160内に構造的特徴を提供することに加えて、靴の接地面(たとえば、アウトソールおよび/または接地ミッドソール)内に、トラクション要素(たとえば、凹状構造および/または凸状構造を有するトラクション要素)を組み込んで、最適化されたトラクション特性および他の性能特性(たとえば、制御された可撓性)を接地面に提供することができる。
こうしたトラクション要素を設計し、形成しかつ/または最適化する方法は、米国特許出願第14/134,948号明細書に記載されており、その開示内容は、全体として参照により本明細書に組み込まれる。
一実施形態では、接地面におけるトラクション要素は、靴の側壁における凹状要素および/または凸状要素と同じかまたは同様の形状であり得る。
別法として、接地トラクション要素は、側壁における凹状要素および/または凸状要素と異なる形状であり得る。
【0043】
図10~
図10Dに、下面にアウトソール305が位置するミッドソール150を有する靴用の例としてのソール300を示す。
ミッドソール150は、側壁160の大部分の周囲に延在する凹状要素165および凸状要素170の配置を含む。
ミッドソール150は、凹状要素165を有する内側前足部分310と、凸状要素170を有する内側かかと部分315と、凸状要素170を有する外側前足部分320と、凹状要素165を有する外側かかと部分325とを含む。
さらに、ミッドソール150は、壁要素が凹状から凸状に移行する移行領域335を含む外側中足部分330と、領域の大部分にわたって凸状要素170を有し、壁要素が凹状から凸状に移行する(内側中足部分340の前方部分における)移行領域345を備えた内側中足部分340とを含む。
代替実施形態では、側壁160の1つまたは複数の任意の部分が、必要に応じて凹状要素165および/または凸状要素170を含むことができ、必要に応じて、凹状壁要素と凸状壁要素との間に急峻なまたは拡張した移行領域がある。
【0044】
一実施形態では、アウトソール305は、ソール300と地面との間にトラクションを提供する複数のトラクション要素350(この場合、凸状トラクション要素)を含む接地面またはトレッドパターンを含む。
トラクション要素のサイズ、形状、位置、向きおよび分布は、たとえば、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/134,948号明細書に記載されているように、靴が設計される運動活動に対してかつ/または靴が設計されるアスリート(またはアスリートのタイプ)に対して最適化された、優れたトラクションを提供するように最適化することができる。
一実施形態では、アウトソール305は、トラクション要素のない連続部分355を含み、それにより、それらの領域(たとえば、限定されないが、ミッドソール150のかかと部分の縁の下方等、運動活動中に高い負荷のかかる領域の下方)において、ミッドソール150に追加の支持および安定性を提供することができる。
一実施形態では、アウトソール305に1つまたは複数の屈曲溝360を追加して、屈曲溝360に近接する領域内においてソール300に追加の可撓性を提供することができる。こうした屈曲溝は、実質的に長手方向に(すなわち、かかと領域からつま先領域まで靴の長手方向長さに実質的に平行に)、実質的に横方向に(すなわち、かかと領域からつま先領域まで靴の長手方向長さに実質的に垂直に)、または長手方向に対して任意の適切な角度で延在することができる。1つまたは複数の屈曲溝は、靴の全幅もしくは全長またはその一部のみにわたることができる。屈曲溝は、ソールの下面、ソールの上面および/またはソールの側壁に組み込むことができる。
【0045】
図11A~
図11Eに、下面にアウトソール305が位置するミッドソール150を有する靴用の別の例としてのソール300を示す。
この実施形態では、ミッドソール150は、凸状要素170を有する内側前足部分310と、凹状要素165を有する内側かかと部分315と、凸状要素170を有する外側前足部分320と、凹状要素165を有する外側かかと部分325とを含む。
ソールの底部は、運動活動中にソール300に追加の可撓性を提供するようにウェブ状形態で配置された屈曲溝360の配置を含み、屈曲溝360の周囲に複数の接地アウトソール要素305が配置されている。
代替実施形態では、靴の所定の可撓性要件に応じて、アウトソール305および/またはミッドソール150の下面に屈曲溝360の任意の適切な配置を組み込むことができる。
【0046】
図12A~
図12Gに、下面にアウトソール305が位置するミッドソール150を有する靴用の別の例としてのソール300を示す。
この実施形態では、ミッドソール150は、凸状要素170を有する内側前足部分310と、凹状要素165を有する内側かかと部分315と、凸状要素170を有する外側前足部分320と、凹状要素165を有する外側かかと部分325とを含む。
この実施形態では、側壁160は、1つまたは複数の所定の課題に対するミッドソール150の構造的要件に応じて、凹状要素165および/または凸状要素170を有する部分と、こうした要素のない壁部分370とを含む。
図12Fに示すように、1つまたは複数のトラクション要素350は、必要に応じて、選択された領域に追加のトラクション特性および/または圧縮特性を提供するように凹状構造を内部に有することができる。
【0047】
図13A~
図13Dに、下面にアウトソール305が位置するミッドソール150を有する靴用の別の例としてのソール300を示す。
この実施形態では、ミッドソール150は、凹状要素165を有する内側前足部分310と、凸状要素170を有する内側かかと部分315と、凸状要素170を有する外側前足部分320と、凹状要素165を有する外側かかと部分325とを含む。
【0048】
ソール300用のトラクション要素350は、所定の運動活動および/またはアスリートに対して最適化されたトラクション特性を提供するように、注意深く構成し方向付けることができる。
たとえば、
図14A~
図14Hにおいて詳細に示す
図13A~
図13Dの実施形態のトラクション要素350は、トレイルランニングに対して最適化されたトラクション特性および性能特性を提供するように角度が付けられかつ成形されている。
本明細書に記載する靴で使用されるトラクション要素の形状および構成と、それを設計し製造する方法とは、参照により本明細書に組み込まれる米国特許出願第14/134,948号明細書により詳細に記載されている。
さまざまな実施形態において、限定されないが、ロードランニング、トレイルランニング、ハイキング、トラックランニング(または他の任意の走り方)等、任意の運動に対して、または直線速度、方向転換パフォーマンスまたはその組合せを必要とする任意のスポーツ活動に対して最適化された、パフォーマンス特性および能力を提供するように、壁要素およびトラクション要素を構成することができる。
【0049】
図15A~
図15Eに、下面にアウトソール305が位置するミッドソール150を有する靴用の別の例としてのソール300を示す。
この実施形態では、ミッドソール150は、内側前足部分310、内側かかと部分315、外側前足部分320および外側かかと部分325を含み、それらはすべて、上に凹状要素165を有し、凹状要素165のサイズおよび形状は、側壁160の長さにわたって変化する。
さらに、トラクション要素350の形状およびサイズは、ソール300の長さおよび幅にわたって変化する。
【0050】
図15Eは、ミッドソール150の上面210を示す。
この実施形態では、上面は複数の凹状要素380を含み、それらは、凹状要素380を有する領域においてミッドソール150の剛性を低減させるように設計された方法で配置されている。
たとえば、上面210のいくつかの部分に凹状要素380を生成することにより、それらの領域において足下材料が低減し、それにより、それらの領域において足下材料の密度が低減し、それらの領域における耐荷重性が有効に低減する(それにより、それらの領域においてミッドソール150の感触が有効に柔らかくなる)。
さまざまな実施形態において、必要な所定の緩衝特性および他の性能特性に応じて任意の適切な方法で、凹状要素380に対してサイズを決め、成形し、方向付け、かつ配置することができる。
たとえば、いくつかの領域において凹状要素380の厚さを増大させることにより、その領域においてミッドソール150の剛性を低減させることができ、靴の長手方向軸に対して所定の向きで細長い凹状要素380を方向付けることにより、選択された方向において制御された緩衝および足下支持を提供することができる。
代替実施形態では、ミッドソールの上面は窪みを含むことができ、複数の凸状要素がその窪みから上面の表面まで延在し、凸状要素の形状、サイズおよび深さは、その領域におけるソールの緩衝特性および他の性能特性に影響を与える。
【0051】
一実施形態では、ソール300の側壁160における凹状要素165および凸状要素170の配置は、履物に対して一意のかつ魅力的な審美的要素を提供することができる。これは、たとえば、ソール300内の剛性が高い領域または低い領域の追加の視覚的指標を提供する一方で、履物に対して独特な審美的外観も提供するという点で、有利であり得る。
一実施形態では、多色ソール300またはその一部を提供することにより、履物の視覚的特徴をさらに強調することができ、そこでは、色の相違が、側壁160に形成された構造的要素の視覚的外観を強調する。
【0052】
一実施形態では、凹状または凸状の構造的構成要素の領域を示す2つ以上の対比色を有するソール300を形成することにより、履物製品の側壁160における凹状要素165および凸状要素170の形状および位置を目立たせることができる。
これは、たとえば、ソール300を、第1色を有する材料から全体的にまたは実質的に形成し、その後、側壁160の選択領域に第2の対比色を選択的に追加して、靴のソール300の複数の領域にわたって構造の相違を示す視覚的効果をもたらすことにより、達成することができる。
一実施形態では、より複雑な陰影および色付けをもたらすように、3つ以上の色を使用することができる。
【0053】
たとえば、側壁160に対して非垂直な角度で側壁160上に第2対比色を噴霧することができ、それにより、凹状要素165および凸状要素170の表面のいくつかの部分のみが第2色で覆われ、残りの表面部分は第1色のままである。
図16および
図17に、ソール300の複数の部分に選択的に色付けする方法例を6つの傾斜壁190が側壁160から凸状に先端壁195まで外側に延在している示し、結果としての2色の靴のソール300の例を
図18および
図19に示す。
【0054】
図16に示すように、側壁160に対して、水平面に対して鋭角に噴霧することができ、それにより、スプレーに面する側壁160の面のいくつかの部分が、噴霧された着色料(たとえば、塗料)によって色付けされ、噴霧された着色料から離れる方向に面するかまたはそこから隠れた側壁160の表面の部分は変化しないままである。
同様に、
図17に示すように、側壁160に対し、(水平面に対して鋭角に噴霧することに加えてまたはその代わりに)垂直面に対して鋭角に噴霧して、陰影または2色調色付け効果をもたらすことができる。
さまざまな実施形態において、噴霧要素400(またはスプレーガン)は、側壁160に対して任意の適切な角度で着色材(たとえば、塗料)405を向けることができ、この角度は、所望の視覚的特徴に応じて側壁160の長さにわたって一定のままであるかまたは変化する。
【0055】
代替実施形態、および/または実施形態もしくは代替実施形態の構造で使用される材料は、本明細書に記載する他のすべての実施形態に適用可能であることが理解されるべきである。
【0056】
本発明の趣旨または本質的な特徴から逸脱することなく、本発明を他の所定の形態で具現化することができる。したがって、上述した実施形態は、すべての点において、本明細書に記載した本発明を限定するのではなく例示するものとしてみなされるべきである。したがって、本発明の範囲は、上述した記載によるのではなく、添付の特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲の意味および均等の範囲内にあるすべての変更は、本発明の範囲内に包含されるように意図されている。