(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】導体温度検出器
(51)【国際特許分類】
H02M 3/00 20060101AFI20220328BHJP
H02M 7/48 20070101ALI20220328BHJP
【FI】
H02M3/00 C
H02M7/48 M
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2017051973
(22)【出願日】2017-03-16
【審査請求日】2020-03-09
(32)【優先日】2016-03-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-08-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】517094840
【氏名又は名称】ソーラーエッジ テクノロジーズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】龍華国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】ガリン、ヨアブ
(72)【発明者】
【氏名】アデスト、メイアー
(72)【発明者】
【氏名】ガーシュマン、イスラエル
(72)【発明者】
【氏名】セラ、ガイ
【審査官】石坂 知樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-032395(JP,A)
【文献】特開平09-327178(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2015/0288329(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 3/00
H02M 7/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装置であって、
容器内にある
1つ以上の端子を有する第1電子回路と、
前記1つ以上の端子のうちの第1端子に電気的に結合され、前記第1電子回路と異なる第2電子回路の1つの端子またはコネクタに接続するための第1機械的コネクタと、
前記容器から伸びる第1出力導体であって、前記第1出力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第1出力導体の前記第1端部は、
前記第1端子を介して前記
第1電子回路に電気的に接続され、前記第2端部は、
前記第1機械的コネクタに接続される、第1出力導体と、
前記第1出力導体の前記第1端部に隣接し、前記第1機械的コネクタ
内もしくは前記第1機械的コネクタに隣接する温度の上昇に応答するための過熱条件を検出するように構成された第1温度検知デバイスと、
前記第1温度検知デバイスから測定値を受信し、過熱を示唆する前記測定値に応答して過熱応答動作を起動するように構成されたコントローラと、を備える、装置。
【請求項2】
前記
第1電子回路はさらに、第1導電路および第2導電路を含み、前記第1温度検知デバイスは前記第1導電路に隣接し、前記装置はさらに、前記第2導電路に隣接し、前記第2導電路に結合される少なくとも1つの導体上またはその付近の温度上昇を検出するように構成される第2温度検知デバイスを含む、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記容器から伸び、前記第1出力導体より長い第2出力導体であって、前記第2出力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第2出力導体の前記第1端部は、
前記1つ以上の端子のうちの第2端子を介して前記
第1電子回路に電気的に接続され、前記第2出力導体の前記第2端部は、前記第1機械的コネクタと同じ型の第2機械的コネクタに接続される、第2出力導体をさらに備える、請求項1または2に記載の装置。
【請求項4】
前記
第1電子回路は、直流(DC)電源に結合されるように構成された電力コンバータを備える、請求項1から3の何れか1つに記載の装置。
【請求項5】
前記電力コンバータは、DC-DCコンバータである、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記電力コンバータは、DC-ACコンバータである、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
過熱応答動作は、前記
第1電子回路の1つ以上の部分を電気的に切断することを含む、請求項1から請求項6の何れか一項に記載の装置。
【請求項8】
方法であって、
容器内にある1つ以上の端子を有する第1電子回路を内蔵する
前記容器から伸び
、第1端部及び第2端部を有する第1出力導体の前記第1端部に隣接して配置される第1温度検知デバイスを使用して、
前記1つ以上の端子のうちの第1端子に電気的に結合され、かつ前記第1電子回路と異なる第2電子回路の1つの端子またはコネクタに接続するための第1機械的コネクタ
内もしくは前記第1機械的コネクタに隣接する温度の上昇に応答するための過熱条件を検知することと、
コントローラにより、前記第1温度検知デバイスから測定値を受信することと、
前記コントローラにより、過熱を示唆する前記測定値に応答して過熱応答動作を起動することと、を含
み、
前記第1出力導体の前記第1端部は、前記第1端子を介して前記第1電子回路に電気的に接続され、前記第2端部は、前記第1機械的コネクタに接続される、方法。
【請求項9】
システムであって、
第1PVデバイスと、
第2PVデバイスと、
請求項1から7の何れか1つに記載の装置と
を備え、
前記第1PVデバイスと、前記第2PVデバイスとは、前記第1出力導体を介して電気的に接続される、システム。
【請求項10】
第1太陽光発電パネルと、
前記第1太陽光発電パネルに結合される第1電力デバイスと、
第2太陽光発電パネルと、
前記第2太陽光発電パネルに結合される第2電力デバイスと
を備え、
前記第1電力デバイスは、
第1容器内にある
1つ以上の端子を有する第1電子回路と、
前記第1容器から伸びる第1入力導体であって、前記第1入力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第1入力導体の前記第1端部は、
前記1つ以上の端子のうちの第1端子を介して前記第1電子回路に電気的に接続され、前記第1入力導体の前記第2端部は、第1機械的コネクタに接続され、前記第1太陽光発電パネルからの電力を受け取る第1入力導体と、
前記1つ以上の端子のうちの第2端子に電気的に結合され、前記第1電子回路と異なる第2電子回路の1つの端子またはコネクタに接続するための第2機械的コネクタと、
前記第1容器から伸びる第1出力導体であって、前記第1出力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第1出力導体の前記第1端部は、
前記第2端子を介して前記第1電子回路に電気的に接続され、前記第1出力導体の前記第2端部は、
前記第2機械的コネクタに接続され、前記第1太陽光発電パネルからの電力を出力する前記第1出力導体と、
を有し、
前記第2電力デバイスは、
第2容器内にある
1つ以上の端子を有する前記第2電子回路と、
前記第2太陽光発電パネルからの電力を受け取る第2入力導体と、
前記第2電子回路の前記1つ以上の端子のうちの第3端子に電気的に結合され、前記第2機械的コネクタに接続するための第3機械的コネクタと、
前記第2容器から伸びる第2出力導体であって、前記第2出力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第2出力導体の前記第1端部は、
前記第3端子を介して前記第2電子回路に電気的に接続され、前記第2出力導体の前記第2端部は、前記第2機械的コネクタと結合される
前記第3機械的コネクタに接続され、前記第1太陽光発電パネルからの電力を受け取る前記第2出力導体と、
前記第2容器から伸びる第3出力導体であって、前記第3出力導体が第1端部および第2端部を有し、前記第3出力導体の前記第1端部は、
前記第2電子回路の前記1つ以上の端子のうちの第4端子を介して前記第2電子回路に電気的に接続され、前記第3出力導体の前記第2端部は、第4機械的コネクタに接続され、前記第1太陽光発電パネル及び前記第2太陽光発電パネルからの電力を出力する前記第3出力導体と、
前記第2出力導体の前記第1端部に隣接し、前記第3機械的コネクタ
内もしくは前記第3機械的コネクタに隣接する温度の上昇に応答するための過熱条件を検出するように構成された第2温度検知デバイスと、
前記第2温度検知デバイスから測定値を受信し、過熱を示唆する前記測定値に応答して過熱応答動作を起動するように構成された第2コントローラと、を有する、システム。
【請求項11】
前記第2出力導体は、前記第3出力導体より短い、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1電力デバイスは、
前記第1入力導体の前記第1端部に隣接し、前記第1機械的コネクタ
内もしくは前記第1機械的コネクタに隣接する温度の上昇に応答するための過熱条件を検出するように構成された第1温度検知デバイスと、
前記第1温度検知デバイスから測定値を受信し、過熱を示唆する前記測定値に応答して過熱応答動作を起動するように構成された第1コントローラと
をさらに有する、請求項10または11に記載のシステム。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
コネクタ及び/または導体に欠陥があると、電気システムにおける構成要素が過熱することがあり、場合によってはさらに火災の原因となることもある。過熱の際に、アーク検出回路が常に起動されるとは限らない。導体の過熱は、発電及び変換中の太陽の暴露及び構成要素の加熱のために、システム構成要素の温度が既に高い可能性がある再生可能な電力システム(例えば、太陽光発電及び風力発電システム)において特に重大な問題であり得る。さらに、コネクタは、経時的な電気的接触機構の侵食のために過熱する傾向があり得る。論理回路(例えば、システムセンサ及び/またはデバイスに隣接しないコネクタまたは導体領域)を含む構成要素に隣接しない電力システムの部分の過熱の費用効果的な検出は、特に困難な作業であり得る。このようなシステムにおける構成要素の過熱を迅速に検出するための効果的な解決法が必要とされている。
【発明の概要】
【0002】
以下の概要は、例示のみの目的のための本発明の概念のいくつかの簡単な要約であり、詳細な説明において本発明及び実施例を制限または制約するものではない。当業者であれば、詳細な説明から他の新規の組み合わせ及び特徴を認識するであろう。
【0003】
本明細書の実施形態は、電力システム内の構成要素の過熱を検出するように構成された温度検知デバイスを用いることができる。
【0004】
例示的な電気システムでは、温度センサは、接続点のような過熱の影響を受けやすいと考えられる点から一定の距離を置いて配置されてもよい。物理媒体を通って移動するときに熱が急速に消散する可能性があるので、電気システムの要素を切断するような予防処置を起動可能とするため、温度の上昇を測定する手段として、感度の高い観測点に十分近接した場所にセンサを配置するようにシステムを設計してもよい。一部のシステムでは、過熱を検出するために温度センサを敏感な点に十分近接して配置することは、好都合ではないか、もしくコスト効率が悪い場合がある。これらのシステムでは、熱電対(TC)または線形熱検出(LHD)ケーブルを標準システム導体と組み合わせて、より長い距離で過度の熱を検出できるようにすることが望ましい場合がある。
【0005】
多くの電気システム、特に気象条件に晒されている電気システムでは、接続点は、電気インピーダンスの増加と潜在的な過熱につながる可能性がある、水分や汚れの侵入に最も影響を受けやすい可能性がある。いくつかの太陽光発電システムでは、故障したコネクタが過熱し、破壊的な火災に至る。したがって、多くの例示的な実施形態は、接続点またはその近くの過熱を検出すること(例えば、接続点の20cm内または20cm以内に温度センサを配置すること)を含むが、本開示はこれに限定されず、他の位置における過熱検出にも適用される。
【0006】
いくつかの例示的な実施形態では、温度センサ付近にコネクタ位置を設計することにより、高温を検出するのに役立つことがある。例えば、いくつかの太陽光発電(PV)設備のような特定のシステムでは、接続点は、接続点を回路(例えば、DC-ACマイクロインバータのような直流-交流(DC-AC)インバータ、または直流-直流(DC-DC)コンバータ)に近接させながら、2つのケーブルを接続することによって形成されてもよい。ケーブルの長さが著しく長い場合、非対称な長さのケーブルを設計することによって、各接続点の電力デバイスへの近接性を達成することができる。例えば、各電力デバイスは、1本のケーブルが長さ0.8メートル、1本のケーブルが長さ0.2メートルであることを特徴とすることができる。この場合、複数の電力デバイスが互いに結合されている場合、各接続点は電力デバイスからわずか0.2メートルしか離れておらず、その比較的短い距離では電力デバイスに隣接する温度センサが接続点の過熱を検出することができる。
【0007】
いくつかの実施形態では、コネクタ位置付近にない場合がある位置で導電体の過熱を検出することが望ましい場合がある。例えば、いくつかの太陽光発電設備では、導電体の一部が金属物体(例えば、高温に達する屋外金属取付構造)と接触していてもよく、及び/または可燃性物質(例えば木造屋根)に隣接する可能性があり、及び/または動物に噛まれて損傷を受け、過熱の危険性が増す可能性がある。例示的な実施形態は、導電体を、接続位置によって配置された熱センサに隣接しない位置で過熱を検出し得る熱検出デバイス(例えば、熱電対及びLHDデバイス)と組み合わせた、統合型電気ケーブルを含む。
【0008】
過熱検出システム及びデバイスの構成は、システムの特性及び要件によって異なる場合がある。例えば、いくつかの実施形態では、温度閾値を設定して、導電体の絶縁の溶融を防止する応答動作を起動することができる。いくつかの実施形態では、異なる温度閾値を設定して、木製の屋根が火災またはタール屋根コーティングが溶融するのを防止する応答を誘発することができる。
【0009】
いくつかの実施形態では、過熱し易い位置で特定温度に至る過熱を防止するために温度センサにおいて温度閾値を設定することができる。センサ設置位置における温度センサによって測定された温度と過熱しやすい位置の温度との間の関係は、2つの場所、物理媒体及び電気システムの構成要素を含む材料の間の距離に応じて異なってもよい。
【0010】
潜在的に安全でない過熱状態への対応が異なる場合がある。いくつかの実施形態では、潜在的に安全でない過熱状態は、他の回路から過熱点を切断するよう安全スイッチを開放するなどの自動アクションを起動することができる。いくつかの実施形態では、潜在的に安全でない過熱状態は、警報システムを起動し及び/またはシステムの所有者及び/またはシステムの保守要員によって監視されるユーザインターフェースを更新することができる。
【0011】
いくつかのシステムでは、過熱の以前の事例の分析は、過熱事象の予測を役立てることができる。例えば、システムは、過熱の初期段階に先立ってまたは初期段階に、システムの異なる部分における電圧及び電流レベルの特定のパターンを特徴付けることができる。多くのシステムは動作パラメータ(例えば、電圧、電流、周波数、高調波成分、太陽放射照度など)のデータロギングを含むので、温度以外の測定に基づいて過熱を予測し、予防処置を取ることが可能な場合もある。
【0012】
上記のように、この概要は、本明細書に記載されている特徴の一部の概要に過ぎない。それは網羅的ではなく、特許請求の範囲を限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示のこれら及び他の特徴、態様、及び利点は、以下の説明、特許請求の範囲及び、図面に関してよりよく理解されるであろう。本開示は、例として示され、添付の図面によって限定されるものではない。
【0014】
【
図1】本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱検出方法のフロー図である。
【
図2】本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱検出システムの部分概略図、部分ブロック図である。
【
図3】本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱検出システムの部分概略図、部分ブロック図である。
【
図4】本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱検出システムの部分概略図、部分ブロック図である。
【
図5】本開示の1つ以上の例示的な態様による太陽光発電ストリングの一部を示す。
【
図6】本開示の1つ以上の例示的な態様による太陽光発電パネルを示す。
【
図7】本開示の1つ以上の例示的な態様による太陽光発電ストリングの一部を示す。
【
図8A】本開示の1つ以上の例示的な態様による統合型熱検出導電体を示す。
【
図8B】本開示の1つ以上の例示的な態様による熱検出電気コネクタを示す。
【
図9】本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱検出方法のフロー図を示す。
【
図10】本開示の1つ以上の例示的な態様による、潜在的な安全でない状態を予測する方法のフロー図を示す。
【
図11】本開示の態様による例示的な方法のうちのいくつかを実行するための例示的な分散システムのブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
様々な例示的な実施形態の以下の説明では、本明細書の一部を形成し、本開示の態様を実施することができる様々な実施形態を例示として示す添付の図面を参照する。本開示の範囲から逸脱することなく、他の実施形態を利用することができ、構造的及び機能的修正を行うことができることを理解されるべきである。
【0016】
ここで、本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱を検出する方法のフロー図を示す
図1を参照する。ステップ100において、温度センサを、過熱の影響が考えられる点(例えば、接続点、以下「CP」と呼ぶ)からx[cm]の距離に配置することができる。適切な熱微分方程式を解くことによって、CPでの温度は、センサによって測定された温度の関数として推定され得る。いくつかの実施形態では、CPにおける温度とセンサによって測定された温度との間の関係を、センサを配置し及び導体を接続点に接続する前に経験的に決定することができる。例えば、センサは、接続点x[cm]離れた状態で、研究室条件で導体に隣接して配置することができる。接続点は、様々なCP温度及び将来の参照のために記録された対応するセンサ測定値により、異なる設定温度に加熱することができる。いくつかの実施形態では、ルックアップテーブルを作成することができ、ルックアップテーブルは、CPでの温度をセンサによって測定された温度に関連する。ルックアップテーブルは、方法のステップの間、参考として
図1の方法を実行するデバイス上のメモリに保存することができ、及び/または
図1の方法を実施する前にデバイスを構成するために使用することができる。いくつかの実施形態では、CP温度及び対応するセンサ測定値を使用して、CP温度の近似値をセンサ測定値に関連する数学モデルを作成することができる。数学的モデルは、線形、高次多項式、対数、指数関数または有理関数であってもよい。例えば、温度センサとCPとの間の物理的構造が単一の材料及び/または単純な幾何学的形状を含むいくつかの実施形態では、線形近似で十分に正確なCP温度の近似を得ることができる。温度センサとCPとの間の物理的構造が複数の材料及び/または洗練された幾何学的形状を含むいくつかの実施形態では、より高次の多項式、対数または指数関数がCP温度のより正確な近似を提供し得る。
【0017】
ステップ100で配置された温度センサは、センサからの測定値を受信し、測定値を送信及び/または処理するための通信及び/または処理デバイスに結合されてもよい。例えば、センサは、インフォメーションバス上に測定値を出力することができ、測定値を、制御デバイス(例えば、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、特定用途向け集積回路(ASIC)もしくは他のデバイス)、通信デバイス(例えば、無線トランシーバ、電力線通信(PLC)装置)、及び/またはメモリデバイスよって読み取ることができる。制御デバイスは、単一のデバイス内のセンサに結合されてもよく、制御デバイスが離れていてもよく、通信デバイスによって送信された測定値を処理してもよい。
【0018】
ステップ101において、制御デバイスを、閾値を超える温度測定値に応答するように構成することができる。閾値を、CPでの温度をセンサで測定された温度に関連させる方程式を解くことによりまたはCPでの温度とセンサによって測定され上で開示したようなルックアップテーブル内に保存された温度との間に存在すると決定された関係により決定することができる。いくつかの実施形態では、閾値は絶対温度であってもよい。例えば、閾値は100℃、200℃または300℃に設定することができる。固定閾値は、CP付近の材料の可燃性に関して設定することができる。例えば、太陽光発電設備に使用される導体を、架橋ポリエチレン(XLPE)、ポリ塩化ビニル(PVC)または塩素化ポリ塩化ビニル(CPVC)を使用して絶縁してもよい。XLPE絶縁導体の定格最大導体温度は90℃、緊急定格は最大140℃、短絡定格値は250℃である。絶縁体を保護する必要がある場合は、緊急定格に関しての閾値を設定することができる。PVCまたはCPVC絶縁または他のタイプの絶縁を有するケーブルは、異なる定格を特徴とすることができ、それに応じて異なる閾値を設定することができる。
【0019】
いくつかの実施形態では、電気システムを支持する構造の可燃性に関して閾値を設定することができる。例えば、多くの太陽光発電電気システムは、木製の屋根を有する建物に取り付けられている。木材の燃焼開始温度は木材の種類によって異なるが、典型的には木材の熱分解は約250℃の温度で始まる。一部の屋根はタールで覆われており、約315℃で自己発火し始める可能性がある。いくつかの実施形態では、システムは、導体絶縁部を溶融から保護しないように構成してもよいが、支持屋根を火災から守るための応答があることが望ましい。
【0020】
いくつかの実施形態では、閾値は、以前に測定された温度または以前に測定されたシステムパラメータ値(例えば、電圧、電流、太陽放射照度)に関連して、適応可能であり設定され得る。例えば、閾値は、閾値[℃]=ベースライン[℃]+デルタ[℃]として設定することができ、ここでベースライン[℃]はある期間にわたって測定された温度であり、デルタはある期間にわたる温度上昇である。例えば、センサが1時間の定常温度100±5[℃]を測定する場合、デルタは50[℃]に等しく設定されることができ、閾値は100[℃]+50[℃]=150[℃]であり得る。定常温度が1時間90±5[℃]に低下した場合、デルタは50[℃]に等しく設定され、新閾値は90[℃]+50[℃]=140[℃]であり得る。いくつかの実施形態では、デルタはベースラインに依存してもよい。例えば、ベースライン=100[℃]の場合、デルタは50[℃]、ベースライン=90[℃]の場合、デルタは45[℃]に等しくなり得る。いくつかの実施形態では、閾値を、確率関数に関して設定してもよい。例えば、方法が接続点の温度に関心があり、接続点の温度が高い確率で一定温度以下になるように閾値を設定してもよい。例えば、経験的に得られたデータ及び/または数学モデルは、センサが100[℃]を測定するとき、20cm離れた接続点の温度は、50%の確率で、90[℃]を超え、センサが110[℃]を測定するとき、20cm離れた接続点の温度は80%の確率で90[℃]を超えることを示す。閾値は、接続点における許容可能な温度及び許容温度を超えることがある発生可能な場合に対応する応答動作を起動するように選択することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、他の外部変数に応じて異なる閾値を設定することができる。例えば、温度測定値は、電圧、電流、太陽放射照度、水分または他の測定値などの他のセンサ測定値と併せて考慮することができる。例えば、あるシステムでは、200℃の温度が電気接続部から10[cm]で測定され、接続部を流れる電流が10[A]で測定される場合、応答を誘発する第1の閾値が設定されてもよく、180℃の温度が電気接続部から10[cm]で測定され、接続部を流れる電流が12[A]で測定される場合、応答動作を起動する第2の閾値が設定される。
【0022】
いくつかの実施形態では、システムを、ある期間にわたって1つ以上の閾値を超えている温度に応答するように構成することができる。例えば、システムを、10秒間持続する200℃の第1の閾値温度に応答し、12秒間持続する160℃の第2の閾値温度に応答するように構成することができる。
【0023】
いくつかの実施形態では、温度の上昇に関して閾値を設定することができる。例えば、システムは、測定された絶対温度に関係なく、20秒以下で10℃以上の上昇に応答するように構成することができる。いくつかの実施形態では、システムを、上述のように、測定された絶対温度に依存して変動する温度の可変増加に応答するように構成してもよい。
【0024】
本明細書に記載される閾値は、異なるシステムで使用され得る例示的な例に過ぎない。これらの様々な組み合わせは、システムの特性及び要件に応じて様々な電気システムに適用されてもよい。ステップ102において、温度センサは、制御デバイス及び/またはメモリデバイスへの送信のために周期的な温度測定を開始することができる。ステップ103において、制御デバイスは、測定された温度をステップ101で得られた閾値と比較することができる。温度が閾値未満である場合、動作条件は安全であると仮定され、正常なシステム動作を継続することができ、方法はステップ102に戻る。いくつかの実施形態では、本方法は、ステップ101に周期的に戻り、現在の温度測定値に基づいて閾値を再計算することができる。ステップ103において、閾値以上の温度が測定された場合、方法はステップ104に進み、「高温プロトコル」(HTP)が起動される。いくつかの実施形態では、HTPは、電流から接続点を自動的に切断するコントローラを備えることができる。いくつかの実施形態では、コントローラを、通信デバイスを介して、有線及び/または無線ネットワーク(複数含む)/インターネット/イントラネット、及び/またはコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの任意の数のエンドユーザ装置(複数含む)及び/またはネットワークオペレーションセンター及び/またはモニタリングセンターに載置され得るサーバなどの他のデバイスに結合することができる。これらのデバイスを、危険状態の警告を生成し、危険状態がいつ起こるかを決定し、危険状態のタイプを検出し、及び/またはシステムの特定の部分を退化または消滅させる動作を行うために利用することができる。これらの警告は、音声及び/または視覚的であり得る。それらは、例えば、ビープ音、トーン、サイレン、LED、及び/または高ルーメンLEDであってもよい。
【0025】
ここで、本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱を検出するためのシステムの一部を示す
図2を参照する。電力デバイス200を、電力源(例えば、PV発電機、風力タービン、電池、燃料電池など)から入力電力を受け取り、電気デバイス、グリッド、家庭、もしくは電池などの負荷に電力を出力するように構成することができる。電力デバイス200は、電力を受け取るための入力導体203と、電力を出力するための出力導体204とを備えることができる。電力デバイス200は、電力処理、制御、監視、安全性、及び通信のための回路202を備えることができる。回路202を含む様々な要素については、本開示において後でより詳細に説明する。回路202は、入力導体203から電力を受け取り、出力導体204を介して電力を出力することができる。
【0026】
さらに
図2を参照すると、容器207は、電力デバイス200を含む電気部品を物理的に収容することができる。容器207は、閉鎖された区画または部分的に閉鎖された区画であってもよい。いくつかの実施形態では、容器207は、太陽光発電モジュールのためのジャンクションボックスの一部を含むことができ、または太陽光発電モジュールのジャンクションボックスに適合するように構成された蓋を含むことができる。入力導体203は、この例示的な実施形態ではネジ206のような適切な接続方法を使用して容器207に物理的に接続することができる。いくつかの実施形態では、入力導体を、はんだ付け、クランプまたは他の方法によって容器に固定することができる。入力導体203と回路202との間の電気接続を、ネジ206と回路202との間に配置された導電路によって提供することができる。同様に、出力導体204を、この例示的な実施形態では、ネジ205のような適切な接続方法を使用して容器207に物理的に接続することができる。いくつかの実施形態では、出力導体を、はんだ付け、クランプもしくは他の方法によって容器に固定することができる。出力導体204と回路202との間の電気接続は、ネジ205と回路202との間に配置された導電路によって供給することができる。
【0027】
さらに
図2を参照すると、温度センサ201は、ネジ205に隣接して配置されてもよく、コントローラまたは通信デバイス(例えば、回路202に含まれるコントローラまたは通信デバイス)に温度測定値を転送するように構成されてもよい。出力導体204の1つが過熱した場合、温度センサ201によって測定された温度が上昇することがある。同様に、温度センサ210は、温度センサ201と類似もしくは同一であってもよく、ネジ206の近くに配置されてもよく、入力導体203上またはその近くの温度上昇を測定してもよい。温度センサ201及び/または210は、熱電対デバイス、IC温度センサ、シリコンバンドギャップ温度センサ、サーミスタ、または任意の他の適切な温度センサであってもよい。
【0028】
ここで、例示的な一実施形態による、電力デバイス200などの電力デバイスに見られる回路のような回路302を示す
図3を参照する。回路302は、
図2に示す回路202と類似または同一であってもよい。いくつかの実施形態では、回路302は電力コンバータ300を含むことができる。電力コンバータ300は、バック、ブースト、バック/ブースト、バック+ブースト、Cuk、フライバック及び/またはフォワードコンバータのような直流-直流(DC/DC)コンバータを備えることができる。いくつかの実施形態では、電力コンバータ300は、例えばマイクロインバータのような、直流-交流(DC/AC)コンバータ(インバータとしても知られている)を備えていてもよい。いくつかの実施形態では、回路302は、電力デバイスが結合される電源から最大パワーを抽出するように構成された最大パワーポイントトラッキング(MPPT)回路306を含むことができる。いくつかの実施形態では、電力コンバータ300は、MPPT機能を含むことができる。回路302は、マイクロプロセッサ、デジタル信号プロセッサ(DSP)、特定用途向け集積回路(ASIC)及び/またはフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの制御デバイス305をさらに含むことができる。
【0029】
さらに
図3を参照すると、制御デバイス305は、共通バス320上の回路302の他の要素を制御及び/または、その要素と通信することができる。いくつかの実施形態では、回路302は、直接的にパラメータを測定しまたは接続されたセンサから測定されたパラメータを受信するように構成された回路及び/またはセンサ(複数含む)/インターフェース304、及び/または電源による電圧及び/または電流出力及び/または電源により出力された電力のような電源上もしくはその付近のパラメータを測定するように構成されたセンサインターフェース304を含んでもよい。いくつかの実施形態では、電源はPVモジュールであってもよく、センサまたはセンサインターフェースは、モジュールによって受信される放射照度の測定値及び/またはモジュール上またはその付近の温度を直接測定または受信してもよい。いくつかの実施形態では、センサ301はセンサ(複数含む)/センサインターフェース304の一部であってもよく、いくつかの実施形態では、センサ301は別個のセンサであってもよい。センサ301は、
図2の温度センサ201と類似または同一であってもよい。例えば、センサ301は、導体への接続部の付近に配置され、潜在的な過熱を検出するために導体上または導体付近の温度を監視する温度センサとすることができる。
【0030】
さらに
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、回路302は、他のデバイスからデータ及び/またはコマンドを送信及び/または受信するように構成された通信デバイス303を含むことができる。通信デバイス303は、電力線通信(PLC)技術、またはZigBee(登録商標)、Wi-Fi、セルラ通信、または他の無線方法などの無線技術を使用して通信することができる。いくつかの実施形態では、回路302は、コード、動作プロトコルまたは他の動作情報を格納するために、センサ(複数含む)/センサインターフェース304及び/またはセンサ301によって行われた測定を記録するためのメモリデバイス309を含むことができる。メモリデバイス309は、フラッシュ、電気的消去可能プログラマブル読み出し専用メモリ(EEPROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、ソリッドステートデバイス(SSD)、または他のタイプの適切なメモリデバイスであってもよい。
【0031】
さらに
図3を参照すると、いくつかの実施形態では、回路302は、安全デバイス307(例えば、ヒューズ、回路遮断器及び残留電流検出器)を含むことができる。安全デバイス307は受動的でも能動的でもよい。例えば、安全デバイス307は、回路302内に載置され、回路302の一部を切断して損傷を避けるために一定の電流が流れたときに溶融するように設計された1つ以上の受動ヒューズを含むことができる。いくつかの実施形態では、安全デバイス307は、回路302の一部を切断するようコントローラ(例えば、制御デバイス305または外部コントローラ)からコマンドを受信するように構成され、またはセンサ(例えば、センサ301またはセンサ(複数含む)/センサインターフェース304によって測定された測定値)によって測定された測定値に応答して回路302の一部を切断するように構成されたアクティブ切断スイッチを含んでもよい。いくつかの実施形態では、回路302は、回路302に結合された電源から電力を受け取り、他の回路構成要素(例えば、制御デバイス305、通信デバイス303など)を動作させるのに適した電力を出力するように構成される補助電源ユニット308を備えることができる。回路302の様々な構成要素間の通信、電気的結合及び/またはデータ共有は、共通バス320を介して実行することができる。
【0032】
ここで、例示的な実施形態の態様を示す
図4を参照する。電力デバイス400は、本明細書で開示された他の実施形態に関して図示された同様の構成要素と同様または類似のケーシング407、回路402、入力導体403、出力導体404a及び404b、ならびに固定ネジ405を備えることができる。例えば、回路402は、
図2に示す回路202の構成要素の一部または全部を含むことができる。温度センサ401は、
図2のセンサ201及び210と類似または同一であってもよい。
図4に示す例示的な実施形態では、入力導体403に隣接してセンサを配置していないが、代替の実施形態は、入力導体403及び/または追加のセンサに隣接して載置されたセンサを含むことができる。コネクタ408a及び408bを、それぞれ、出力導体404a及び404bの端部に接続してもよく、それらに接続できるように取り付けられた他の導体のコネクタに接続するように構成されてもよい。例えば、コネクタ408bは雄コネクタとすることができ、コネクタ408aは雌コネクタとすることができる。コネクタ408bを、コネクタ408aと類似の雌コネクタに接続するように設計することができ、コネクタ408aを、コネクタ408bと類似の雄コネクタに接続するように設計することができる。
【0033】
コネクタ408a及び408bと類似のコネクタを用いるいくつかの電気システムでは、コネクタに欠陥があると、コネクタのアーク及び/または過熱を引き起こす可能性のある電気接続不良を引き起こす可能性がある。コネクタが結合されている導体に過剰な熱が伝わることがある。いくつかのシステムでは、コネクタ及び/または導体のゆるやかな過熱を検出できないと、導体の絶縁が発火し、重大な損傷及び/または危険な状況が発生することがある。
【0034】
出力導体404a及び404bは、電気設備に配置されたときに、400などの複数の電力デバイスを接続するのに適切な長さのものであってもよい。例えば、電力デバイス400は、太陽光発電(PV)モジュール(例えば、PV発電機)に結合されるように設計されてもよく、電力デバイス400と類似もしくは同一の複数の電力デバイスは、複数のPVモジュールからの電力を運ぶ太陽光発電ストリングを形成するよう直列または並列に結合されてもよい。いくつかの実施形態では、400などの結合された電力デバイスは、相互にある距離離れて配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態では、隣接する電力デバイスは、相互に1メートルまたは2メートル離れて配置されてもよい。いくつかの実施形態では、各電力デバイスは、ほぼ等しい長さの出力導体を含むことができ、導体の長さの合計は電力デバイス間の距離とほぼ同じである。例えば、2つの電力デバイス(例えば、電力デバイス400のようなデバイス)が約1メートル間隔で配置されている場合、各デバイスは、約0.5メートルの2つの出力ケーブルを含むことができ、1つのデバイスの出力導体の雄コネクタを、他の装置の出力導体の雌コネクタと結合することができる。
【0035】
いくつかの太陽光発電システムでは、システム温度センサと接続点位置との間の距離がかなり離れているため、接続点での温度上昇を検出することが困難な場合がある。例えば、一般的なPV電力デバイスは、約50[cm]から約100[cm]の間の長さのケーブルを含む。2つのPV電力デバイスが結合されている場合、コネクタ位置は、PV電力デバイスに配置された温度センサから50[cm]から100[cm]の間にあり、これは、コネクタ位置での過熱を効果的に検出するには大き過ぎる距離であり得る。いくつかの実施形態では、設計されたコネクタの位置をPV電力デバイスの温度センサに近づけることによって、向上した過熱検出を得ることができる。
【0036】
図4の例示的実施形態では、出力導体404aは、例示的に、出力導体404bよりも著しく短い。数値実施例として、出力導体404aの長さは0.2メートルであり得、出力導体404bの長さは0.8メートルであり得る。非対称サイズの出力導体を備えた電力デバイスが相互に結合されている場合、導体間の接続点は他の装置よりも1つの装置に近くてもよい。数値例として、出力導体404aの長さが0.2メートルであり、出力導体404bの長さが0.8メートルであるなら、2つの電力デバイス(例えば、電力デバイス400などのデバイス)が相互に接続されている場合、接続位置は一方の電力デバイスから約0.8メートル、他方の電力デバイスからは0.2メートルである。一方の出力導体が非常に短く、他方が非常に長い場合、接続位置は、回路が接続点での熱の増加を検出するための回路(例えば、温度センサ401)に十分に近くてもよい。いくつかの実施形態では、熱電対またはLHDデバイスは、導電体の横に並んで配置され、入力または出力導体(例えば、導体403、404a及び/または404b)に組み込まれ、回路402に配置されたコントローラ及び/または通信デバイスに結合され導体に沿った任意の点で過熱を検出することができる。
【0037】
ここで、例示的な実施形態の態様による太陽光発電システムの一部を示す
図5を参照する。PVパネル510a、510b及び510cは、直列PVストリングの一部であってもよい。PVパネルは、PVセル(一般にPVセルが接合ボックスとは反対側のパネルに配置されているので、明示されていない)から電力を受け取るように設計されたジャンクションボックス(例えば、PVパネル510aはジャンクションボックス511aを含む)を含むことができる。導体は、ジャンクションボックスから出力された電力を運ぶことができる。いくつかの実施形態では、電力デバイスは、パネルによる電力出力を監視及び/または制御するために、または他の動作または安全のために太陽光発電パネルに結合されてもよい。例えば、電力デバイス500a及び500bを、PVパネル510a及び510bにそれぞれ結合してもよい。電力デバイス(例えば、電力デバイス500a、500b及び500c)を、直列のPVストリングを形成するために、直列に結合してもよい。導体520は、ストリング内の第1のパネル(この例示的な実施形態では、PVパネル510aに結合された電力デバイス500a)に結合された電力デバイスの低電圧出力導体端子に結合され、低電圧ストリングラインを形成することができる。高電圧ストリングラインを、ストリングを構成する電力デバイスの残りの出力導体を直列に接続することによって形成することができる。低電圧及び高電圧ストリングラインは、PVパネルによって生成されたDC電力を負荷(例えば、家庭、グリッドまたは電池)により消費される交流電力(AC)に変換するように設計された直流(DC)コンバイナボックス、電池充電回路またはPVインバータのような適切なデバイスに入力されるように設計されてもよい。
【0038】
図5に示す例示的実施形態のように、電力デバイス500aは、PVパネル510aに結合される。電力デバイス500aは、入力導体503aを介してパネル導体512aから電力を受け取る。電力デバイス500aは、出力導体504aa及び504baを介して電力を出力する。同様に、電力デバイス500bは、PVパネル510bに結合される。電力デバイス500bは、入力導体503bを介してパネル導体512bから電力を受け取る。電力デバイス500aは、出力導体504ab及び504bbを介して電力を出力する。出力導体504ba及び504abは、電力デバイス500bに隣接し得る接続点CPで接続される。出力導体504baと504abとの間の接続に欠陥がある場合、接続点CPの温度が上昇し、電力デバイス500bに含まれる温度センサ(例えば、本明細書に記載したような、センサ201、210または410と類似もしくは同一のセンサ)によって検出することができる。複数の電力デバイスを同様の方法で相互に結合することができ、温度の上昇を検出するように構成された電力デバイスに接続点を隣接させることが可能になる。
【0039】
いくつかの実施形態では、電力デバイス入力及び/または出力導体の一部または全部は、上昇する温度に応答するかまたは測定するように設計された熱デバイスを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、システム導体の一部または全部は、電力を運ぶように設計された導体に横に並んで配置された熱電対線を含むことができる。いくつかの実施形態では、各システム導体は、電力デバイス(例えば、電力デバイス500a)内のセンサに接続された熱電対線を含み、電力デバイスが導体に沿った任意の点での温度上昇を検出することを可能にする。いくつかの実施形態では、短導体(例えば、入力導体503a、503b及び出力導体504aa、504ab)にのみ熱電対線を配置することによって、コストを低減することができる。いくつかの実施形態では、各システム導体は、電力デバイス(例えば、電力デバイス500a)内のコントローラに結合された線形熱検出器(LHD)を含むことができる。いくつかの実施形態では、導体に沿った任意の点における温度の上昇は、LHDワイヤを相互に接触させ、パルスの受信に応答して動作するように構成されたコントローラによって検出され得る電気パルスを誘発する。いくつかの実施形態では、短導体(例えば、入力導体503a、503b及び出力導体504aa、504ab)にのみLHD線を配置することによって、コストを低減することができる。
【0040】
図5は、PVパネルに結合されたアドオン電力デバイスを含むシステムを示す。いくつかの実施形態では、電力デバイス機能の一部または全部をPVパネルジャンクションボックスに埋め込むことができる。
【0041】
ここで、例示的な実施形態による統合型太陽光発電パネルを示す
図6を参照する。PVパネル610は、PVセル(明示されていない)と、PVセルから電力を受け取るように構成されたジャンクションボックス607とを備える。ジャンクションボックス607は、例示的な電力デバイス(例えば、
図3に関して記載された回路302の要素のいくつかまたはすべて)に関して本明細書で説明される機能要素の一部または全部を含む統合型電力デバイスを特徴とすることができる。例えば、ジャンクションボックス607は、センサ201及び210と類似もしくは同一の温度センサ、制御デバイス305と類似もしくは同一のコントローラ、及び出力導体604a及び604bを切断するように構成されたスイッチ(例えば、MOSFET)などの安全デバイスを含むことができる。いくつかの実施形態では、ジャンクションボックス607は、電力コンバータ300、通信デバイス303及びMPPT回路306とそれぞれ類似もしくは同一の電力コンバータ、通信デバイス及びMPPT回路を含むことができる。出力導体604a及び604bは、ジャンクションボックス607から出力された電力を運ぶように設計され、コネクタ608a及び608bにそれぞれ固定されてもよい。多くの一般的な太陽光発電パネルは、ほぼ同一の長さの出力導体を特徴とし、隣接するPVパネルが相互に接続されるのに適切な長さであり得る。
図6に示す実施形態のように、本開示のいくつかの実施形態では、一方の導体は他方の導体よりも長くてもよい。例えば、出力導体604bは、出力導体604aよりもかなり長くすることができる。数値例として、出力導体604bの長さは約1.8メートルであり、出力導体604aの長さは約0.2メートルであり得る。
【0042】
非対称導体を使用してPVパネルを接続することは、いくつかの実施形態では、接続不良による温度上昇を検出する可能性を高める可能性がある。ここで、例示的な実施形態によるPVストリングの一部を示す
図7を参照する。PVパネル710a、710b、及び710cは、直列に接続されて、PVストリングの一部を形成することができる。PVパネルは、PVセル(ジャンクションボックスとは反対側のパネルにPVセルが配置されているので、明示されていない)からの電力を受け取るように設計されたジャンクションボックス(例えば、PVパネル710aは、ジャンクションボックス711aを含む)を含んでもよい。導体は、ジャンクションボックスから出力された電力を運ぶことができる。導体720を、ストリング内の第1のパネルの低電圧出力導体(この例示的な実施形態ではPVパネル710a)に結合され、低電圧ストリングラインを形成することができる。高電圧ストリングラインを、ストリングを構成するPVパネルの出力導体の残りの部分を直列に接続することによって形成することができる。低電圧及び高電圧ストリングラインを、PVパネルによって生成されたDC電力を負荷(例えば、家庭、グリッドまたは電池)による消費される交流(AC)電力に変換するように設計された直流(DC)コンバイナボックス、MPPT回路、電池充電回路またはPVインバータのような適切なデバイスに入力するように設計することができる。
【0043】
図7に示す例示的な実施形態では、PVパネル710aがPVパネル710bに結合されている。導体720を、接続点CPaでパネル710aの低電圧導体704aaに結合することができる。PVパネル710aを、パネル710aの出力導体704baをパネル710bの出力導体704abに接続点CPbで接続することによってPVパネル710bに結合することができる。出力導体704baと704abとの間の接続に欠陥がある場合、接続点CPbの温度が上昇し、ジャンクションボックス711bに配置された温度センサ(例えば、本明細書に記載したように、センサ201、210または410と類似もしくは同一のセンサ)によって検出することができる。複数のPVパネルを類似の方法で相互に結合することができ、温度上昇を検出するように構成されたPVパネルに接続点を隣接することを可能にする。
【0044】
いくつかの実施形態では、PVパネル出力導体の一部または全部は、上昇する温度に応答するかまたは測定するように設計された熱デバイスを含むことができる。例えば、いくつかの実施形態では、出力導体の一部または全部は、電力を運ぶように設計された導体に横に並んで配置された熱電対線を含むことができる。いくつかの実施形態では、各システム導体は、ジャンクションボックス(例えばジャンクションボックス711a)内のセンサに接続された熱電対線を含み、センサが導体に沿った任意の点での温度上昇を検出することを可能にする。いくつかの実施形態では、短導体(例えば、出力導体704aa、704ab)にのみ熱電対線を配置することによって、コストを低減することができる。いくつかの実施形態では、各システム導体は、ジャンクションボックス(例えばジャンクションボックス711a)内のコントローラに結合された線形熱検出(LHD)を含むことができる。いくつかの実施形態では、導体に沿った任意の点における温度の上昇は、LHD線を相互に接触させ、パルスの受信に応答して動作するように構成されたコントローラによって検出され得る電気パルスを誘発することができる。いくつかの実施形態では、短導体(例えば出力導体704aa、704ab)にのみLHD線を配置することによってコストを低減することができる。
【0045】
ここで、例示的な実施形態による統合型電気ケーブルを示す
図8Aを参照する。統合型ケーブル800は、導体(複数含む)801及び熱検出器802を含むことができる。導体(複数含む)801は、銅、アルミニウムまたは他の適切な導電性材料でできていてもよい。
図8Aの例示的な実施形態では、単一の導体を有する導体(複数含む)801が示されている。いくつかの実施形態では、導体(複数含む)801は、それぞれ適切な導電性材料で作られた複数の別個の導体(例えば、2、3、4、5、10、20またはさらには40本の導体)を含むことができる。熱検出器802は、線803及び804を含むことができる。いくつかの実施形態では、線803及び804を一緒に巻き付けて、接触点の温度を測定するように構成された熱電対のペアを形成することができる。例えば、線803及び804の端部を、PVストリングの接続点で熱電対のペアを介して接触点の温度を測定するよう電力デバイス内に載置された温度センサ(例えば、電力デバイス400の温度センサ401)またはPVジャンクションボックス(例えば、ジャンクションボックス711a)に結合することができる。特定の閾値を超える温度が測定された場合、センサに結合されたコントローラ及び/または通信デバイスは、本明細書で開示された実施形態に従って、行動(例えば、潜在的に危険な状況を報告するかまたは回路を切断する)をとることができる。
【0046】
さらに
図8Aを参照すると、いくつかの実施形態では、熱検出器802は線形熱検出器(LHD)であってもよい。線803と804との間の絶縁体は、線803と804との間の電気的接触を生じさせるように、特定の温度で溶融するように設計された絶縁体を用いて断熱されてもよい。例えば、線803と804との間の絶縁体は、本明細書で記載したように、基準に対して設定された閾値で溶融するように設計されてもよい。一般的なLHDデバイスは、約90℃、105℃、135℃及び180℃で溶融するように設計された絶縁体を特徴とする。統合型ケーブル800の任意の点で過熱する場合には、局所温度が閾値温度を超えて上昇し、線803及び804を電気接触させて短絡を生じさせることができる。線803及び804は、短絡を検出するように設計された回路を含む電力デバイス(例えば電力デバイス400の温度センサ401)またはPVジャンクションボックス(例えばジャンクションボックス711a)に結合され、検出時に結合されたコントローラ及び/または通信デバイスは、本明細書に開示された実施形態に従って行動(例えば、潜在的に危険な状況を報告する、または回路を切断する)をとることができる。
【0047】
いくつかの例示的な実施形態では、導体(複数含む)801から追加の分離及び絶縁を作り出すよう、線803及び804を絶縁体806内に封入することができる。統合型ケーブル800は、迅速かつ容易に配置するため導体(複数含む)801及び熱検出器802を封入するケーシング805を含むことができる。
【0048】
いくつかの実施形態では、熱検出器802は、過熱の可能性がある抵抗の変化を検出するために周期的に測定される線抵抗を有する単一線に直列に結合されたサーミスタまたは抵抗温度計を含むことができる。線抵抗は、線端部と測定電流との間に電圧を供給するなど、様々な方法で測定することができる。
【0049】
統合型ケーブル800と類似もしくは同一の統合型ケーブルは、様々なシステムで使用され得る。いくつかの実施形態では、PVパネルまたは他の電源は、熱検出能力とともに電気接続を提供する1つ以上の統合型ケーブルを含むことができる。例えば、PVパネル(例えば、PVパネル610)は、「規則的な」導体、及び統合型ケーブル800と同様のまたは類似の統合型ケーブルを含む1つの出力導体(例えば、出力導体604a)とすることができる出力導体(例えば、出力導体604b)を含むことができる。いくつかの実施形態では、PV電力デバイス(例えば、電力デバイス400)は、1つ以上の統合型ケーブルを備えてもよい。例えば、PV電力デバイス(例えば、電力デバイス400)は、「規則的な」導体、及び統合型ケーブル800と類似のまたは同一の統合型ケーブルを含む1つの出力導体(例えば出力導体404a)とすることができる1つの出力導体(例えば出力導体404b)を特徴とすることができる。いくつかの実施形態では、PV電力デバイスは、統合型ケーブルを含む1つ以上の入力導体(例えば、入力導体403)を有することができる。いくつかの実施形態では、統合型ケーブルは、熱検出能力が電気安全性を向上させることができる、家庭、工場、ショッピングモールまたは任意の他の電気システムに配置することができる。統合型ケーブルを、電気システムの特に敏感な部分に、またはより広範囲にわたってシステム全体に配置することができる。
【0050】
ここで、本開示の1つ以上の例示的な態様による統合型熱検出電気コネクタを示す
図8Bを参照する。統合型コネクタ811は、外部815、導体ピン812及び温度デバイスピン813及び814を含むことができる。いくつかの実施形態では、統合型ケーブル810を、統合型コネクタ811に結合することができる。統合型ケーブル810は、導体ピン812に結合された導体(複数含む)801と類似のもしくは同一の導体と、温度デバイスピン813及び814に結合された線803及び804と類似のもしくは同一の線とともに、
図8Aの統合型ケーブル800と類似または同一あってもよい。いくつかの実施形態では、統合型コネクタ811と類似のもしくは同一のコネクタは、電気デバイス内部または外部に電流を運ぶ導体ピン812、及び適切な制御デバイスに結合された温度デバイスピン813及び814とともに、PV電力デバイス(例えば、DC/DCコンバータまたはDC/ACインバータ)などの電気デバイスの一部であってもよい。
【0051】
さらに
図8Bを参照すると、統合型コネクタ821は、外部825、導体室822及び温度デバイス室823及び824を含むことができる。いくつかの実施形態では、統合型ケーブル820を、統合型コネクタ821に結合することができる。統合型ケーブル820は、導体室822に結合された導体(複数含む)801と類似もしくは同一の導体及び温度デバイス室823及び824に結合された線803及び804と類似のもしくは同一の線とともに、
図8Aの統合型ケーブル800と類似のもしくは同一であってもよい。いくつかの実施形態では、統合型コネクタ821と類似のもしくは同一のコネクタは、電気デバイスの内部または外部に入力電流を運ぶ導体室822、及び適切な制御デバイスに結合された温度デバイス室823及び824とともに、PV電気デバイス(例えば、DC/DCコンバータまたはDC/ACインバータ)のような電気デバイスの一部であってもよい。
【0052】
統合型コネクタ811及び821は、相互に接続するために互いに嵌合するように設計することができる。導体ピン812を、導体室822に嵌合するように設計し、温度デバイスピン813及び814を、温度デバイス室823及び824に適合するように設計することができる。統合型コネクタ811及び821と類似のもしくは同一の統合型コネクタが相互に接続されたとき、それらのそれぞれの導電性及び温度検出要素は、導電性及び温度検出要素の直列ストリングのために、相互に結合されてもよい。
【0053】
図7に戻ると、いくつかの実施形態では、接続点CPa及びCPbは、統合型コネクタ811及び821と類似のもしくは同一の統合型コネクタを備えてもよい。導体720及び/または導体704aa、704ba、704ab及び704bbは、統合型ケーブル800と類似もしくは同一であってもよい。いくつかの実施形態では1つの(
図7には明示されていない)システム制御デバイスは、高電圧と低電圧の電力ラインの間に結合された電気デバイス(例えば、DC/DCコンバータ、DC/ACインバータ、及び/または複数の太陽光発電ストリングを並列に結合するため使用された太陽光発電コンバイナボックス)の一部あってもよい。統合型コネクタを使用して統合型ケーブル(例えば、導体720、704aa、704ba、704ab、及び704bb)を接続すると、熱デバイス(例えば、熱電対、LHD)に結合することができ、コントローラを複数の場所に配置することなく、
図7に示すPVストリングの一部の任意の点でシステム制御デバイスが過熱を検出することが可能になる。
【0054】
ここで、本開示の1つ以上の例示的な態様による、導電体における過熱を検出する方法のフロー図を示す
図9を参照する。ステップ900において、熱検知デバイスが構成される。熱検知デバイスは、熱電対、LHDまたは類似の熱検出デバイスであってもよい。熱検知デバイスを構成することは、1つ以上の設計ステップを含むことができる。例えば、熱検出デバイスがLHDである場合、デバイスを構成することは、適切な温度で溶融する絶縁体を選択することを含むことができる。熱検出デバイスが熱電対デバイスである場合、デバイスを構成することは、デバイスをコントローラに接続し、コントローラが潜在的に安全でない温度として解釈する可能性のある閾値温度を設定することを含むことができる。ステップ901では、熱検知デバイスは、統合型ケーブル800と類似もしくは同一の統合型ケーブルで、導体と一緒に配置することができる。デバイスを配置することは、PV設備のような電気システムの構造の一部として、統合型ケーブルを他のシステムデバイスに物理的に接続することを含むことができる。ステップ902~904は、
図1のステップ102~104と類似もしくは同一であってもよい。
【0055】
いくつかの実施形態では、リアルタイムの動作情報を提供し、将来のシステム事象を予測するために、「通常の」システム動作中に温度測定値を記録することが望ましい場合がある。例えば、
図3に戻ると、回路302は、共通バス320を介してメモリデバイス309、通信デバイス303、及び制御デバイス305に結合されたセンサ301を含むことができる。センサ301によって測定された測定値は、メモリデバイス309に格納され、制御デバイス305によって処理され、及び/または通信デバイス303を介して外部メモリまたは制御デバイスと通信される。センサ301及び/またはセンサ(複数含む)/センサインターフェース304によって行われる測定を、潜在的に危険な状況の早期検出または予測を可能にする統計的パターンのため1つ以上の制御/処理デバイスによって分析することができる。多くのデバイスに配置された多くのセンサによって行われた測定は、大きな測定データベースを生成することができる。場合によっては、後に安全でない状態を経験したシステムから得られた測定値を、類似のシステムに現れ、今後の安全でない状態を示すことができる傾向を検出するよう分析してすることができる。
【0056】
無数の予測モデリング及び/または検出技術を使用して、上昇しているまたは高い導体温度に起因する安全でない状態を検出または予測することができる。部分リストには、ベイジアン解析、機械学習、人工ニューラルネットワーク(ANN)、回帰分析、最大事後検定(MAP)が含まれる。例えば、いくつかの実施形態では、線形回帰を使用して、導体位置における温度及び他のシステム位置で測定された温度、電圧及び電流レベル、現在の高調波成分、太陽放射照度及び/または周囲湿度レベルのような他の測定可能システム変数との間の関係をモデリングすることができる。いくつかの実施形態では、ANNは、システム安全事象(例えば、過熱、火災など)の前に測定された履歴システムデータを使用して訓練されることによって、非線形関数をエミュレートし、導体過熱の次の事例を識別するように訓練することができる。
【0057】
例示的な非限定的な例として、過去のデータは、接続点から20[cm]以下に配置された温度センサによって測定された温度が10[秒]間以上100℃を超え、温度が1℃/秒以上で上昇し、接続点に流れる電流が10[A]以上であると、接続点が過熱して火災が発生する可能性が高い。実際の閾値は、システムによって異なる可能性があり、上記の閾値は、例示的な例である。
【0058】
ここで、例示的な実施形態の一態様によるフローチャートを示す
図10を参照する。ステップ110では、センサからデータを収集し、「システム事象」を記録することができる。ステップ110は、1日、1ヶ月、1年または数年などの期間にわたって行われてもよい。いくつかの実施形態では、ステップ110は、データベースからデータを購入することを含むことができる。センサデータは、これに限定されないが、電圧センサ、電流センサ、放射照度センサ、温度センサ、湿度センサ、及び/または風センサによって測定された測定値を含むことができる。システム事象には、通常の安全な動作条件の期間が含まれ、アーク、過熱、火災、システム障害、及び/または短絡状態などの安全でない条件も含まれる(ただしこれに限定されない)。ステップ111において、データ測定値のグループを特定のシステム事象と相関させるように設計されたパターン認識方法を使用して、パターンについてデータを分析することができる。パターン認識方法は、教師付き学習法及び教師なし学習法を含むことができ、統計的及び/または機械学習技術の様々な一群を含むことができる。
【0059】
ステップ112において、本方法はシステムセンサ測定値の監視を開始する。測定値を、ステップ111で検出されたパターンに関して解釈することができる。いくつかの実施形態では、方法は、新しいサンプルが受信されるたびにステップ113に進むことができ、いくつかの実施形態では、周期的な時間間隔で、または一連のサンプルが受信された後に、ステップ113に進むことができる。いくつかの実施形態では、ステップ112で得られた測定値をシステムデータベースに追加することができ、この方法は、周期的にステップ110~111に戻り、最新のサンプルをセンサデータの集合に追加し、パターンを認識するためのセンサデータの収集を反復的に分析することができる。
【0060】
ステップ113において、本方法は、以前の測定値及びシステムを特徴付けるために開発されたモデルに基づいてシステム状態を評価することができる。例えば、この方法は、温度センサ(例えば、温度センサ401または
図4)によって測定された100℃の温度測定値が、システムが潜在的に安全でない状態にある可能性があることを示すと判定することができる。
図4に示される実施形態に関連する別の例のように、本方法は、センサによる85℃の以前の温度測定とコネクタ408aを流れる10[A]の電流測定(例えば、回路402を含む電流センサにより測定された)との組み合わせで、温度センサ401による90℃の温度測定値は、コネクタ408aと対応するコネクタとの間の潜在的に安全でない接続を示すことができると判定することができる。
【0061】
ステップ113において、システムが安全に動作していると判定された場合、本方法は、センサ測定の継続的な監視のためにステップ112に戻ることができる。潜在的に安全でない状態がステップ113で検出された場合、方法はステップ114に進むことができる。ステップ114において、「潜在的に安全でない状態」のプロトコルに従うことができる。いくつかの実施形態では、「潜在的に危険な状態」のプロトコルは、システムの一部を電流から自動的に切断するコントローラを含むことができる。いくつかの実施形態では、コントローラは、通信デバイスを介して、有線及び/または無線ネットワーク(複数含む)/インターネット/イントラネット、及び/またはコンピュータ、スマートフォン、タブレットなどの任意の数のエンドユーザデバイス(複数含む)及び/またはネットワークオペレーションセンター及び/またはモニタリングセンターに位置することができるサーバなどの他のデバイスを含むことができる。これらのデバイスを、危険状態の警告を生成し、危険状態がいつ起こるかを判定し、危険状態のタイプを検出し、及び/またはシステムの特定の部分を劣化または消滅させるよう行動するために利用することができる。これらの警告は、音声及び/または視覚的であり得る。それらは、例えば、ビープ音、トーン、サイレン、LED、及び/または高ルーメンLEDであってもよい。
【0062】
図10に示す方法は、ローカルまたはリモートのいずれかの1つ以上の制御デバイスによって実行され、データ共有及び通信は様々な制御デバイス間で行われる。
【0063】
ここで、例示的な実施形態によるシステム制御アーキテクチャを示す
図11を参照する。ローカル電気システム120は、センサ(複数含む)/センサインターフェース121、コントローラ(複数含む)122、通信デバイス123、及びローカルメモリデバイス124に結合されてもよい。様々なローカルシステムデバイス間の相互作用は、先に開示された実施形態に関して上述したものと類似であってもよい。サーバ126、データベース127及び通信デバイス128は、例えば、管理、監視、指揮統制センターにおけるように離れて配置されてもよい。通信デバイス128及び123は、セルラ通信などの有線または無線通信方法を使用して通信するように、または電力線通信を使用して通信するように構成されてもよい。いくつかの実施形態では、
図10の方法のステップは、ローカルコントローラ(複数含む)122のみによって実行され、いくつかの実施形態では、ステップは、ローカルコントローラ(複数含む)122とリモートデバイスの両方によって実行される。例えば、いくつかの実施形態では、ステップ110は、データを購入し、データをデータベース127に格納することによって実行されることができ、ステップ111は、サーバ126によって実行されることができ、ステップ112は、ローカルセンサ/センサインターフェース121及びコントローラ122(複数含む)によって実行されることができ、ステップ113はサーバ126によって実行されることができ、ステップ114はコントローラ(複数含む)122によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、ステップ110は、経時的に測定を行い、通信デバイス128及び123を介してデータをデータベース127に転送するセンサ/センサインターフェース121によって実行されることができる。いくつかの実施形態では、ステップ114において、通信デバイス128は、潜在的に危険な状態を報告して、ユーザインターフェース130に警告を送信することができる。いくつかの実施形態では、方法全体(ステップ110~114)は、ローカルデバイスによって実行されることができる。
【0064】
本明細書に開示された例示的な実施形態では、開示された新規な特徴を利用し得るエネルギー源を例示するために太陽光発電パネルが使用される。いくつかの実施形態では、エネルギー源は、太陽光発電パネルに加えて、またはその代わりに、太陽の帯状板、電池、風力または水力タービン、燃料電池または他のエネルギー源を含むことができる。本明細書で開示される温度検出方法、予測技術及び他の技術は、上に列挙したような代替エネルギー源に適用することができ、エネルギー源としての太陽光発電モジュールのほとんど排他的な言及は、この点で限定することを意図しない。
【0065】
ここでは、様々な接続が要素間に示されていることに留意されたい。これらの接続は一般的に説明されており、別段の指定がない限り、直接的または間接的である可能性があり、この明細書はこれに関して限定することを意図するものではない。さらに、一実施形態の要素は、他の実施形態の要素と適切な組み合わせまたは副次的な組み合わせで組み合わせることができる。例えば、
図8Aの統合型ケーブル800は、電力デバイス400の出力導体404aとして、またはPVパネル610の出力導体604aとして使用することができる。
図11に示され
図10の方法に関して説明されたアーキテクチャは、
図1の方法の全部または一部を実施するために使用することもできる。