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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
   H05B 33/04 20060101AFI20220328BHJP
   H01L 27/32 20060101ALI20220328BHJP
   H01L 51/50 20060101ALI20220328BHJP
   H05B 33/26 20060101ALI20220328BHJP
   H05B 33/12 20060101ALI20220328BHJP
   H05B 33/02 20060101ALI20220328BHJP
   G09F 9/30 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H05B33/04
H01L27/32
H05B33/14 A
H05B33/26 Z
H05B33/12 B
H05B33/02
G09F9/30 365
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017143433
(22)【出願日】2017-07-25
(65)【公開番号】P2018018822
(43)【公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-06-05
(31)【優先権主張番号】10-2016-0094799
(32)【優先日】2016-07-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2017-0031945
(32)【優先日】2017-03-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】512187343
【氏名又は名称】三星ディスプレイ株式會社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Display Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】1, Samsung-ro, Giheung-gu, Yongin-si, Gyeonggi-do, Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】李 元 世
(72)【発明者】
【氏名】郭 源 奎
(72)【発明者】
【氏名】金 東 ▲ウク▼
(72)【発明者】
【氏名】申 愛
(72)【発明者】
【氏名】呉 相 憲
(72)【発明者】
【氏名】林 莊 奎
(72)【発明者】
【氏名】崔 俊 呼
【審査官】酒井 康博
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-034849(JP,A)
【文献】特開2009-187730(JP,A)
【文献】特開2012-113934(JP,A)
【文献】特開2015-079758(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 33/04
H01L 27/32
H01L 51/50
H05B 33/26
H05B 33/12
H05B 33/02
G09F 9/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示単位がマトリクス状に配列され、各表示単位中に第1画素領域を含む基板と、
前記基板上に位置し、画素領域ごとに設けられる第1電極と、
前記基板と前記第1電極との間に位置する保護膜と、
前記第1電極上に位置する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機発光層とを含み、
前記各表示単位中にあって、前記第1画素領域は、一つのみの発光領域、および、前記発光領域によって囲まれている非発光領域を含み、
前記第1画素領域中にて、前記発光領域は、前記非発光領域によって分割されずに連続している表示装置。
【請求項2】
前記第1画素領域の縁から、前記第1画素領域の非発光領域までの距離が50μm以下であり、
前記非発光領域は、前記発光領域により、四方から囲まれているか、または、一方の側を除く三方から囲まれている請求項1に記載の表示装置。
【請求項3】
前記第1電極および前記有機発光層は、前記第1画素領域の発光領域内に位置するとともに前記非発光領域にて省かれている請求項2に記載の表示装置。
【請求項4】
前記基板は、前記各表示単位中に、第2画素領域および第3画素領域をさらに含み、
前記第2画素領域および前記第3画素領域は、いずれも、一つのみの発光領域、および、前記発光領域によって囲まれている非発光領域を含み、
前記第2画素領域の縁から前記第2画素領域の非発光領域までの距離が50μm以下であり、
前記第3画素領域の縁から前記第3画素領域の非発光領域までの距離が50μm以下であり、
前記第1電極および前記有機発光層は、前記第2画素領域の発光領域内、および、前記第3画素領域の発光領域内に位置し、
前記第2画素領域中、及び前記第3画素領域中にて、前記発光領域は、前記非発光領域によって分割されずに連続しており、
前記非発光領域は、前記発光領域により、四方から囲まれているか、または、一方の側を除く三方から囲まれている請求項3に記載の表示装置。
【請求項5】
前記各表示単位中に、透過領域が含まれ、
前記各表示単位中、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域は、マトリクスの列方向に沿って配置されており、前記透過領域は、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域と行方向に隣接する請求項4に記載の表示装置。
【請求項6】
前記第1画素領域の非発光領域内に位置する埋立パターンをさらに含み、
前記第1画素領域の縁を囲む画素定義膜をさらに含み、
前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなり、同じ層に位置する請求項に記載の表示装置。
【請求項7】
前記第1電極は、透明な導電物質からなる層と反射性金属からなる層とを含む積層膜からなる請求項に記載の表示装置。
【請求項8】
前記第1画素領域の面積に対する前記第1画素領域の非発光領域の面積の比率は、5%以上であり、20%以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項9】
前記第1画素領域の非発光領域は、平面上で、直線状、ドット状、四角形、円形、および十字形のうちの少なくともいずれか一つからなる請求項1に記載の表示装置。
【請求項10】
前記第1画素領域は、複数の非発光領域を含み、
互いに隣接した前記複数の非発光領域の間の距離は、50μm以下である請求項1に記載の表示装置。
【請求項11】
第1画素領域を含む基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記基板と前記第1電極との間に位置する保護膜と、
前記第1電極上に位置する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機発光層とを含み、
前記第1画素領域は、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれており、
前記保護膜は、第1高さを有する第1部分と、前記第1高さより高い第2高さを有する第2の部分とを含み、
前記保護膜の第2部分は、前記第1画素領域の縁部に位置し、
前記第1電極は、前記保護膜の前記第1部分と前記第2部分との間で段差を有する表示装置。
【請求項12】
第1画素領域を含む基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記基板と前記第1電極との間に位置する保護膜と、
前記第1電極上に位置する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機発光層とを含み、
前記第1画素領域は、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれており、
前記保護膜に形成されている溝、
前記第1画素領域の非発光領域内に位置する埋立パターン、及び、
前記第1画素領域の縁を囲む画素定義膜をさらに含み、
前記溝は、前記第1画素領域の非発光領域内に位置し、
前記溝の幅は、前記非発光領域の幅より小さく、
前記埋立パターンは、前記溝内に位置し、
前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなり、同じ層に位置する表示装置。
【請求項13】
第1画素領域を含む基板と、
前記基板上に位置する第1電極と、
前記基板と前記第1電極との間に位置する保護膜と、
前記第1電極上に位置する第2電極と、
前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機発光層とを含み、
前記第1画素領域は、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれており、
前記保護膜に形成されている溝、
前記溝内に位置する埋立パターン、及び、
前記第1画素領域の縁を囲み、前記埋立パターンと一体に形成された画素定義膜をさらに含み、
前記溝は、前記第1画素領域の縁と隣接するように位置し、
前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなる表示装置。
【請求項14】
前記第1電極と連結されている薄膜トランジスタをさらに含み、
前記薄膜トランジスタは、前記第1画素領域内に位置し、
前記薄膜トランジスタは、前記第1画素領域の非発光領域と、少なくとも一部重複する請求項1及び11~13のいずれかに記載の表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は表示装置に関し、より詳細には有機発光層の発光特性の低下を防止できる表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
有機発光表示装置は、二つの電極とその間に位置する有機発光層を含み、一つの電極から注入された電子(electron)と、他の電極から注入された正孔(hole)が、有機発光層で結合して励起子(exciton)を形成する。励起子が、励起状態(excited state)から基底状態(ground state)に変わりながら、エネルギを放出して発光する。
【0003】
このような有機発光表示装置は、自発光素子である有機発光ダイオードを含む複数の画素を含み、各画素には、有機発光ダイオードを駆動するための複数のトランジスタ、および一つ以上のキャパシタ(Capacitor)が形成されている。複数のトランジスタは、基本的にスイッチングトランジスタおよび駆動トランジスタを含む。
【0004】
このようなトランジスタと電極との間には、保護膜が位置する。保護膜は有機物質からなり、このような有機物質をベーキングする過程で、保護膜の内部に気体が発生する。発生した気体は、保護膜の上面へ移動し、保護膜の上に位置する電極によって遮蔽されて排出できないことがある。有機発光層は、透湿に弱い特性を有し、保護膜で発生した気体によって有機発光層の縁部が影響を受けて、発光特性が低下するという問題点がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特開2010-175987
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
実施形態はこのような問題点を解決するためになされたものであって、有機発光層の発光特性の低下を防止できる表示装置を提供するためのものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決するため、本発明の一実施形態による表示装置は、第1画素領域を含む基板と、前記基板上に位置する第1電極と、前記基板と前記第1電極との間に位置する保護膜と、前記第1電極上に位置する第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に位置する有機発光層を含み、前記第1画素領域は、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれている非発光領域を含む。
【0008】
前記第1画素領域の縁から、前記第1画素領域の非発光領域までの距離が、50μm以下であり得る。
【0009】
前記第1電極および前記有機発光層は、前記第1画素領域の発光領域内に位置し得る。
【0010】
前記基板は、第2画素領域および第3画素領域をさらに含み、前記第2画素領域および前記第3画素領域は、いずれも、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれている非発光領域を含み、前記第2画素領域の縁から前記第2画素領域の非発光領域までの距離が50μm以下であり、前記第3画素領域の縁から前記第3画素領域の非発光領域までの距離が50μm以下であり、前記第1電極および前記有機発光層は、前記第2画素領域の発光領域内、および前記第3画素領域の発光領域内に位置し得る。
【0011】
前記基板は、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に隣接した透過領域をさらに含み得る。
【0012】
前記第1電極および前記有機発光層は、前記透過領域内に位置しなくてもよい。
【0013】
前記第2電極は、前記第1画素領域、前記第2画素領域、前記第3画素領域および前記透過領域内に位置し得る。
【0014】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記基板上に位置するバッファー層と、前記バッファー層上に位置し、前記第1電極と連結されている薄膜トランジスタをさらに含み、前記透過領域内で前記第2電極は前記バッファー層と接触し得る。
【0015】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1画素領域の非発光領域内に位置する埋立パターンをさらに含み得る。
【0016】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1画素領域の縁を囲む画素定義膜(画素区画用バンク)をさらに含み、前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなり、同じ層に位置し得る。
【0017】
前記第1電極は、透明な導電物質からなる層と、反射性金属からなる層とを含む積層膜からなり得る。
【0018】
前記第1画素領域の面積に対する前記第1画素領域の非発光領域の面積の比率は、5%以上、かつ、20%以下であり得る。
【0019】
前記第1画素領域の非発光領域は、平面上で、四角形、円形、および十字形のうちの少なくともいずれか一つからなり得る。
【0020】
前記第1画素は複数の非発光領域を含み、互いに隣接した前記複数の非発光領域の間の距離は50μm以下であり得る。
【0021】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1電極と連結されている薄膜トランジスタをさらに含み、前記薄膜トランジスタは、前記第1画素領域内に位置し得る。
【0022】
前記薄膜トランジスタは、前記第1画素領域の非発光領域と、少なくとも一部重複し得る。
【0023】
前記保護膜は、第1高さを有する第1部分と、前記第1高さより高い第2高さを有する第2部分とを含み得る。
【0024】
前記保護膜の第2部分は、前記第1画素領域の縁部に位置し得る。
【0025】
前記第1電極は、前記保護膜の前記第1部分と前記第2部分との間で段差を有し得る。
【0026】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記保護膜に形成されている溝をさらに含み、前記溝は、前記第1画素領域の非発光領域内に位置し得る。
【0027】
前記溝の幅は、前記非発光領域の幅より小さくてもよい。
【0028】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1画素領域の非発光領域内に位置する埋立パターンをさらに含み、前記埋立パターンは、前記溝内に位置し得る。
【0029】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1画素領域の縁を囲む画素定義膜をさらに含み、前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなり、同じ層に位置するのであり得る。
【0030】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記保護膜に形成されている溝をさらに含み、前記溝は、前記第1画素領域の縁と隣接するように位置し得る。
【0031】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記溝内に位置する埋立パターンをさらに含み得る。
【0032】
本発明の一実施形態による表示装置は、前記第1画素領域の縁を囲み、前記埋立パターンと一体に形成された画素定義膜をさらに含み、前記埋立パターンは、前記画素定義膜と同じ物質からなるのであり得る。
【0033】
前記基板は、第2画素領域、第3画素領域、並びに、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域に隣接した透過領域をさらに含み、前記第2画素領域および前記第3画素領域は、いずれも、発光領域、および、前記発光領域によって囲まれている非発光領域を含み得る。
【0034】
前記第1電極および前記有機発光層は、前記透過領域内に位置せず、前記第2電極は、前記第1画素領域、前記第2画素領域、前記第3画素領域および前記透過領域の中に位置し得る。
【0035】
前記第2画素領域は、前記第1画素領域と前記第3画素領域との間に位置しており、前記第2画素領域と隣接した箇所にて、前記透過領域の第1縁に、これが部分的に押し込まれた形に形成されている第1凹部をさらに含み得る。
【0036】
前記第2画素領域の幅は、前記第1画素領域の幅より広く、前記第3画素領域の幅より広くてもよい。
【0037】
前記透過領域の第1縁と対向する第2縁に、同様に形成されている第2凹部をさらに含み得る。
【0038】
前記第1画素領域は青色画素領域で、前記第2画素領域は緑色画素領域で、前記第3画素領域は赤色画素領域であり得る。
【0039】
前記第1画素領域の一部および前記第2画素領域の幅は、前記第3画素領域の幅より広くてもよい。
【0040】
前記第1凹部は、前記第1画素領域の一部および前記第2画素領域に隣接した、前記透過領域の第1縁に形成され得る。
【0041】
前記透過領域の第1縁と対向する第2縁に、同様に形成されている第2凹部をさらに含み得る。
【0042】
前記第1画素領域は青色画素領域で、前記第2画素領域は緑色画素領域で、前記第3画素領域は赤色画素領域であり得る。
【0043】
前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域と、前記透過領域とを含む表示単位がマトリクス状に配列されており、各表示単位中、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域は、マトリクスの列方向に沿って配置されており、前記透過領域は、前記第1画素領域、前記第2画素領域および前記第3画素領域と行方向に隣接するのであり得る。
【0044】
前記透過領域の奥側縁(図の紙面の上側縁)から手前側縁(下側縁)までの長さは、前記第1画素領域の奥側縁(上側縁)から前記第3画素領域の手前側縁(下側縁)までの長さより短くてもよい。
【発明の効果】
【0045】
実施形態によれば、有機発光層の発光特性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
図1】一実施形態による表示装置の配置図である。
図2】一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図である。
図3】一実施形態による表示装置の第1画素領域の断面図である。
図4】一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図である。
図5】一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
図6】一実施形態による表示装置の配置図である。
図7】一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図である。
図8】一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図である。
図9】一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
図10】一実施形態による表示装置の配置図である。
図11】一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図である。
図12】一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図である。
図13】一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
図14】一実施形態による表示装置の配置図である。
図15】一実施形態による表示装置の配置図である。
図16】一実施形態による表示装置の配置図である。
図17】一実施形態による表示装置の断面図である。
図18】一実施形態による表示装置の断面図である。
図19】一実施形態による表示装置の断面図である。
図20】一実施形態による表示装置の断面図である。
図21】一実施形態による表示装置の配置図である。
図22】一実施形態による表示装置の配置図である。
図23】一実施形態による表示装置の配置図である。
図24】一実施形態による表示装置の配置図である。
【発明を実施するための形態】
【0047】
以下、添付する図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明が属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。本発明は様々な相異する形態に具現され得、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0048】
本発明を明確に説明するために説明上不要な部分は省略し、明細書全体にわたって同一または類似の構成要素に対しては同じ参照符号を付す。
【0049】
また、図面に示す各構成の大きさおよび厚さは、説明の便宜上任意に示したものであり、本発明は必ずしも示されたものに限定されない。図面から複数層および領域を明確に表現するために厚さを拡大して示した。そして、図面において、説明の便宜上、一部層および領域の厚さを誇張して示した。
【0050】
また、層、膜、領域、板等の部分が他の部分の「上」にあるという時、これは他の部分の「直上」にある場合だけでなく、その中間にまた他の部分がある場合も含む。逆に、ある部分が他の部分の「直上」にあるという時には、中間に他の部分がないことを意味する。また、基準となる部分の「上」にあるということは、基準となる部分の上または下に位置することであり、必ずしも重力と反対方向の「上」に位置することを意味するものではない。
【0051】
また、明細書全体において、ある部分がある構成要素を「含む」という時、これは、特に反対になる記載がない限り、他の構成要素を除くのではなく、他の構成要素をさらに含み得ることを意味する。
【0052】
また、明細書全体において、「平面上」とする時、これは対象の部分を上から見た時を意味し、「断面上」とする時は、対象の部分を垂直に切断した断面を横から見た時を意味する。
【0053】
まず、図1乃至図5を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0054】
図1は一実施形態による表示装置の配置図であり、図2は一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図であり、図3は一実施形態による表示装置の第1画素領域の断面図である。図4は一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図であり、図5は一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
【0055】
図1に示すように、一実施形態による表示装置は、映像を表示する画素領域PAと、光が透過する透過領域TAとを含む。
【0056】
画素領域PAは、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3を含み得る。第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3は互いに異なる色を表示し得る。例えば、第1画素領域PX1は青色を表示し得、第2画素領域PX2は緑色を表示し得、第3画素領域PX3は赤色を表示し得る。ただし、本発明はこれに限定されず、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3は、それぞれ多様な他の色を表示し得る。また、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3以外に他の色を表示する画素領域をさらに含むこともできる。
【0057】
第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3は互いに異なる大きさを有し得る。図1において、第1画素領域PX1が最も大きく、第3画素領域PX3が最も小さい場合を示しているが、本発明はこれに限定されない。第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3の大きさは、多様に変更され得る。また、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3の大きさは実質的に同じであり得る。
【0058】
一実施形態による表示装置は、車両用表示装置に用いられることができる。一例において、フロントガラス(windshield)などに備え付けられた透明表示装置(透過型ディスプレイ)として、道路情報などを表示するのに用いられることができる。このような車両用表示装置の場合、各画素領域の大きさが、TV、モニター、携帯電話用表示装置に比べて大きいのが一般的である。一例において、図1に示す表示単位は、略正方形の各辺の寸法が、300~1000μmであり、各画素領域における長方形の短辺の寸法が、50μmより大きく、例えば、60~500μm、または60~300μmである。
【0059】
第1画素領域PX1は、第1発光領域EA1および第1非発光領域NA1を含む。第1画素領域PX1および第1非発光領域NA1は、略四角形からなる。第1非発光領域NA1は、第1発光領域EA1によって、左側(透過領域の側)、右側及び奥側(図の紙面の上方)の三方から囲まれている。第1発光領域EA1は、第1非発光領域NA1の四つの縁(四角形の辺)のうち三つの縁を、第1発光領域EA1と、第1非発光領域NA1との境界とするようにして、第1非発光領域NA1を取り囲んでいる。例えば、平面上で第1発光領域EA1が、第1非発光領域NA1の左側縁、上側縁および右側縁を境界として三方から囲む形態を有し得る。
【0060】
第2画素領域PX2は、第2発光領域EA2および第2非発光領域NA2を含む。第2画素領域PX2および第2非発光領域NA2は、いずれも略四角形からなる。第2非発光領域NA2は第2発光領域EA2によって四方から囲まれている。第2発光領域EA2が第2非発光領域NA2を、その四つの縁を境界として四方から完全に取り囲んでいる。
【0061】
第3画素領域PX3は第3発光領域EA3および第3非発光領域NA3を含む。第3画素領域PX3および第3非発光領域NA3は略四角形からなる。第3非発光領域NA3は第3発光領域EA3によって囲まれている。第3発光領域EA3が、第3非発光領域NA3を、その四つの縁のうち三つの縁を境界として三方から囲んでいる。例えば、平面上で第3発光領域EA3が第3非発光領域NA3の上側縁、左側縁および下側縁を境界として三方から囲む形態を有し得る。
【0062】
ただし、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3の形状、第1発光領域EA1、第2発光領域EA2および第3発光領域EA3の形状、並びに、第1非発光領域NA1、第2非発光領域NA2および第3非発光領域NA3の形状は、多様に変更し得る。図1において、各領域の平面形状が多角形からなるが、これに限定されず、円形、楕円形等のように曲線を含む形状からなるのでありうる。また、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3内にて、それぞれの発光領域(EA1、EA2、EA3)と非発光領域(NA1、NA2、NA3)の配置は、多様に変更し得る。
【0063】
透過領域TAは外部の光がそのまま透過する領域である。このような透過領域TAによって一実施形態による表示装置は透明表示装置(透過型ディスプレイ)であり得る。すなわち、複数の表示単位がマトリクス状に配列された表示装置において、図1に示すような各表示単位中に、画素領域PXとともに、透過領域TAが備えられる。そのため、各表示単位中の画素領域により画像や情報を表示しつつ、各表示単位中の透過領域TAにより、表示装置の背面側が透けて見えるようにすることができる。なお、各表示単位は、図1のように正方形または長方形でありうるが、これに限定されず、台形、三角形などであってもよい。図1においては、一つの透過領域TAが、ほぼ正方形の表示単位における左側に位置し、この右側に縦に並んだ、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3と、隣接している。ただし、本発明はこれに限定されず、三つの分離された透過領域が、それぞれ、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3と、例えば交互に配置されて、隣接するように位置することもできる。また、3個以上の画素領域と隣接するように一つの透過領域が位置することもできる。
【0064】
画素領域PAと透過領域TAのトータルの面積に対する透過領域TAの面積の比率は、約20%以上であり得、約70%以下であり得る。第1画素領域PX1の面積に対する第1非発光領域NA1の面積の比率は、約5%以上であり得、約20%以下であり得る。第2画素領域PX2の面積に対する第2非発光領域NA2の面積の比率は、約5%以上であり得、約20%以下であり得る。第3画素領域PX3の面積に対する第3非発光領域NA3の面積の比率は、約5%以上であり得、約20%以下であり得る。
【0065】
図2に示すように、第1画素領域PX1において、第1発光領域EA1は第1非発光領域NA1を囲んでいる。ここで、第1画素領域PX1の左側縁の下部に位置する地点a1から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、距離は最短距離を意味し、以下においても同様である。第1画素領域PX1の左側縁の中間部に位置する地点a2から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。第1画素領域PX1の左側縁と上側縁が接する頂点a3から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。第1画素領域PX1の上側縁の中間部に位置する地点a4から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。第1画素領域PX1の上側縁と右側縁が接する頂点a5から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。第1画素領域PX1の右側縁の中間部に位置する地点a6から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。第1画素領域PX1の右側縁の下部に位置する地点a7から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。つまり、第1画素領域PX1のすべての縁のあらゆる地点から第1非発光領域NA1までの距離は、約50μm以下であり得る。
【0066】
図3に示すように、一実施形態による表示装置は、基板110、基板110の上に位置する第1電極191、基板110と第1電極191との間に位置する保護膜180、第1電極191の上に位置する第2電極270、第1電極191と第2電極270との間に位置する有機発光層370を含む。
【0067】
基板110は、ガラス、石英、セラミック、プラスチック等からなる絶縁性基板や、ステンレス鋼等からなる金属性基板であり得る。基板110は、柔軟性を有したり(flexible)、伸ばせたり(stretchable)、折り畳めたり(foldable)、曲げられたり(bendable)、巻くことができたり(rollable)するのであり得る。基板110が柔軟性を有したり(flexible)、伸ばせたり(stretchable)、折り畳めたり(foldable)、曲げられたり(bendable)、巻くことができたり(rollable)するのであり得ることによって、表示装置も柔軟性を有したり(flexible)、伸ばせたり(stretchable)、折り畳めたり(foldable)、曲げられたり(bendable)、巻くことができたり(rollable)するのであり得る。
【0068】
基板110は、第1画素領域PX1と透過領域TAとを含む。第1画素領域PX1は第1発光領域EA1と第1非発光領域NA1とを含む。
【0069】
基板110の上にはバッファー層120がさらに位置し得る。バッファー層120は、窒化ケイ素(SiNx)の単一膜、または、窒化ケイ素(SiNx)と酸化ケイ素(SiOx)が積層された積層膜構造からなる。バッファー層120は、不純物または水分といった、有機発光層370などに悪影響を及ぼしうる不要な成分の浸透を防止すると共に、基板110の表面を平坦化する役割を果たす。バッファー層120は、場合によって省略し得る。バッファー層120は、第1画素領域PX1および透過領域TAを全て含む領域にわたって位置する。バッファー層120は、基板110の上面を全て覆うように位置し得る。
【0070】
バッファー層120の上に半導体135が位置する。半導体135は、多結晶半導体物質または酸化物半導体物質からなる。また、半導体135は、不純物がドーピングされていないチャンネル領域131、チャンネル領域131と、その両側に位置して不純物がドーピングされている接触ドーピング領域132、133とを含む。接触ドーピング領域132、133は、ソース領域132とドレイン領域133とを含む。ここで、不純物の種類は薄膜トランジスタの種類によって変わる。
【0071】
半導体135の上にはゲート絶縁膜140が位置する。ゲート絶縁膜140は、窒化ケイ素(SiNx)または酸化ケイ素(SiOx)等を含む無機絶縁物質からなる。
【0072】
ゲート絶縁膜140の上にはゲート電極125が位置する。ここで、ゲート電極125は半導体135の少なくとも一部、特にチャンネル領域131と重複する。
【0073】
ゲート電極125およびゲート絶縁膜140の上には、層間絶縁膜160が位置する。層間絶縁膜160は、無機絶縁物質または有機絶縁物質からなる。
【0074】
ゲート絶縁膜140および層間絶縁膜160には半導体135の少なくとも一部と重複するコンタクトホール162、164が形成されている。コンタクトホール162、164は、特に半導体135の接触ドーピング領域132、133を露出している。
【0075】
層間絶縁膜160の上にはソース電極173およびドレイン電極175が位置する。また、ソース電極173およびドレイン電極175は、それぞれコンタクトホール162、164を介して、半導体135のソース領域132およびドレイン領域133と連結されている。
【0076】
このように、半導体135、ゲート電極125、ソース電極173およびドレイン電極175が一つの薄膜トランジスタを構成する。薄膜トランジスタの構成は、前述した例に限定されず、当該技術分野の専門家が容易に実施できる公知された構成で多様に変更することができる。有機発光表示装置は、スイッチングトランジスタおよび駆動トランジスタを含み得、前述した薄膜トランジスタは駆動トランジスタであり得る。図面に図示していないが、スイッチング薄膜トランジスタがさらに形成され得る。
【0077】
薄膜トランジスタおよび層間絶縁膜160の上には保護膜180が位置する。保護膜180はその上に形成される有機発光ダイオード(OLED)の発光効率を上げるために段差をなくし、平坦化させる役割を果たす。また、保護膜180にはドレイン電極175の少なくとも一部と重複するコンタクトホール182が形成されている。
【0078】
保護膜180は、アクリル系樹脂(acrylic resin)、エポキシ系樹脂(epoxy resin)、フェノール樹脂(phenolic resin)、ポリアミド系樹脂(polyamides resin)、ポリイミド系樹脂(polyimides resin)、不飽和ポリエステル系樹脂(unsaturated polyesters resin)、ポリフェニレン系樹脂(polyphenylene ether or oxide resin)、ポリフェニレンスルフィド系樹脂(polyphenylene sulfides resin)、およびベンゾシクロブテン(benzo cyclo butene、BCB)等からなる。
【0079】
保護膜180の上には第1電極191が位置する。第1電極191は、第1画素領域PX1の第1発光領域EA1内に位置する。第1電極191は、第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1内にはほとんど位置しない。
【0080】
第1電極191は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム酸化物(In、Indium Oxide)等の透明な導電物質や、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム/カルシウム(LiF/Ca)、フッ化リチウム/アルミニウム(LiF/Al)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、または金(Au)等の反射性金属から作られる。第1電極191は、保護膜180に形成されているコンタクトホール182を介して、薄膜トランジスタのドレイン電極175と電気的に連結されて、有機発光ダイオード(OLED)のアノード電極になる。
【0081】
図面に図示していないが、第1電極191は、透明な導電物質を含む第1透明電極と第2透明電極を含むとともに、第1透明電極と第2透明電極との間に位置し、第2電極270と共に微細共振構造(microcavity)を形成するための半透過層を含むのであり得る。つまり、第1電極191は、透明な導電物質からなる層と反射性金属からなる層を含む積層構造からなる。
【0082】
保護膜180における電極により覆われていない領域の上と、第1電極191の縁部の上には、画素定義膜(画素区画用バンク)350が位置する。画素定義膜350は、第1画素領域PX1の外縁を決めるように、第1画素領域PX1を取り囲んでいる。画素定義膜350は、ポリアクリル系(polyacrylics)またはポリイミド系(polyimides)等の樹脂、及び/またはシリカ系の無機物等を含み得る。
【0083】
保護膜180における電極により覆われていない領域の上と、第1電極191の縁部の上には、埋立パターン352がさらに位置する。埋立パターン352は、第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1内に位置する。埋立パターン352は、画素定義膜350と同じ物質からなり、同じ層に位置し得る。埋立パターン352が、第1電極191の内縁の側端面を覆うようになるので、第1電極191の側端面やその近傍が外部に露出して腐食され、暗点不良として視認されるということを防止し得る。第1非発光領域NA1の縁部に、第1電極191および有機発光層370が位置したとしても、埋立パターン352によって光が遮断され得る。埋立パターン352と、第1電極191の内縁部とが重複する幅は、実質上ゼロであり得、また、約1μm以上であり得るとともに、約5μm以下であり得る。例えば、埋立パターン352と第1電極191とが、約2~4μm、例えば約3μm重複し得る。
【0084】
第1電極191の上には有機発光層370が位置する。有機発光層370は、発光層、正孔注入層(hole-injection layer、HIL)、正孔輸送層(hole-transporting layer、HTL)、電子輸送層(electron-transporting layer、ETL)および電子注入層(electron-injection layer、EIL)のうち少なくとも一つを含み得る。
【0085】
有機発光層370は、第1画素領域PX1の第1発光領域EA1内に位置する。有機発光層370は、第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1内にも位置し得る。
【0086】
有機発光層370は、赤色を発光する赤色有機発光層、緑色を発光する緑色有機発光層および青色を発光する青色有機発光層のうちいずれか一つから形成されうる。例えば、第1画素領域PX1の第1発光領域EA1内には青色有機発光層が位置し得、第2画素領域PX2の第2発光領域EA2内には緑色有機発光層が位置し得、第3画素領域PX3の第3発光領域EA3内には赤色有機発光層が位置し得る。赤色有機発光層、緑色有機発光層および青色有機発光層は、それぞれ互いに異なる画素に位置し、これらの組み合わせによってカラー画像が実現され得る。
【0087】
また、有機発光層370は、赤色有機発光層、緑色有機発光層および青色有機発光層が、すべて、各画素に位置して積層された形態からなるのでありうる。このとき、画素種ごとに、それぞれ赤色フィルタ、緑色フィルタおよび青色フィルタを形成することでカラー画像を実現し得る。他の例として、白色を発光する白色有機発光層を各画素に形成し、各画素別にそれぞれ赤色フィルタ、緑色フィルタおよび青色フィルタを形成してカラー画像を実現することもできる。白色有機発光層と色フィルタを利用してカラー画像を実現する場合、赤色有機発光層、緑色有機発光層および青色有機発光層を、それぞれの個別の画素に、つまり、赤色画素、緑色画素および青色画素に蒸着する必要がなく、そのための蒸着マスクをそれぞれ使用しなくても良い。
【0088】
他の例で説明した白色有機発光層は、一つの有機発光層で形成され得ることは勿論であり、複数の有機発光層を積層して白色を発光できるようにした構成まで含む。例えば、(i)少なくとも一つの黄色有機発光層と、少なくとも一つの青色有機発光層とを組み合わせて白色発光を可能にした構成、(ii)少なくとも一つのシアン有機発光層と少なくとも一つの赤色有機発光層とを組み合わせて白色発光を可能にした構成、及び、(iii)少なくとも一つのマゼンタ有機発光層と少なくとも一つの緑色有機発光層を組み合わせて白色発光を可能にした構成等も含み得る。
【0089】
有機発光層370、画素定義膜350および埋立パターン352の上には、第2電極270が位置する。第2電極270は、第1画素領域PX1および透過領域TAの上に位置し、第1画素領域PX1と透過領域TAとの間の領域にも位置し得る。
【0090】
第2電極270は、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、酸化亜鉛(ZnO)、インジウム酸化物(In、Indium Oxide)等の透明な導電物質や、リチウム(Li)、カルシウム(Ca)、フッ化リチウム/カルシウム(LiF/Ca)、フッ化リチウム/アルミニウム(LiF/Al)、アルミニウム(Al)、銀(Ag)、マグネシウム(Mg)、または金(Au)等の反射性金属から作られる。第2電極270は、有機発光ダイオード(OLED)のカソード電極になる。第1電極191、有機発光層370および第2電極270は、組み合わさって一つの有機発光ダイオード(OLED)をなす。
【0091】
前述した薄膜トランジスタ、ゲート絶縁膜140、層間絶縁膜160、保護膜180、第1電極191、及び、有機発光層370は、第1画素領域PX1内に位置しており、透過領域TAには位置しない。基板110の透過領域TAの上にはバッファー層120が位置し、バッファー層120のすぐ上には第2電極270が位置する。したがって、第2電極270は、透過領域TA内でバッファー層120と接触する。このように、基板110の透過領域TAには、バッファー層120及び第2電極270のみを形成し、これら以外に他の層を形成しないことによって、透過領域TAの透過率を向上させることができる。だし、本発明はこれに限定されず、透過領域TAに、バッファー層120及び第2電極270だけでなく、一部の他の層がさらに位置することもできる。
【0092】
基板110と第1電極191との間には保護膜180が位置しており、第1電極191の上には有機発光層370が位置している。保護膜180は有機物質からなっており、保護膜180を形成する工程でベーキングが行われる。ベーキングの進行の過程で有機物質が硬化するとともに気体が発生し得る。例えば、ポリイミド樹脂などを含む保護膜180を、150℃以上の温度でベーキングして形成する場合、部分的な熱分解により、少量の水蒸気、酸素、アルデヒドなどが生成しうる。このような気体が全て排出される前に保護膜180の上に第1電極191を形成することがあり得、この場合、第1電極191によって保護膜180が被覆されて封鎖されることから、気体が、直ちには排出されない。保護膜180中に残った気体は、第1電極191の縁を超えて移動することで、はじめて排出され得、このような気体によって第1電極191の上に位置する有機発光層370が影響を受け得る。有機発光層370は、湿気などに弱い特性を有するので、発光特性が低下し得、発光領域の寸法及び面積が縮少する現象が発生し得る。
【0093】
本実施形態においては、第1画素領域PX1が第1発光領域EA1と第1非発光領域NA1を含み、第1非発光領域NA1には第1電極191が位置しないというのでありうる。本実施形態はこれに限定されず、有機発光層370が第1発光領域EA1および第1非発光領域NA1の全体にわたって位置することもできる。前述した通り、第1非発光領域NA1に第1電極191及び有機発光層370が位置するとしても、第1電極191はパターニングされて縁部のみが位置しており、埋立パターン352によって光が遮断されているので、第1非発光領域NA1からの発光は見られない。
【0094】
このような形態において、第1画素領域PX1のすべての縁のあらゆる地点から第1非発光領域(NA)までの距離を約50μm以下にすることにより、第1発光領域EA1に位置する第1電極191が保護膜180の上面を連続して被覆・封鎖して気体放出を阻害することを、防止し得る。本実施形態においては、第1画素領域PX1内に、第1電極191がほとんど位置しない第1非発光領域NA1を設けることによって、保護膜180中に残っている気体が、第1非発光領域NA1を介して十分に排出できるようにする。したがって、有機発光層370の発光特性が低下することを防止し得る。
【0095】
図4に示すように、第2画素領域PX2において、第2発光領域EA2は第2非発光領域NA2を囲んでいる。ここで、第2画素領域PX2の左側縁と上側縁が接する頂点b1から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、距離は最短距離を意味し、以下でも同様である。第2画素領域PX2の上側縁の中間部に位置する地点b2から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の上側縁と右側縁が接する頂点b3から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の右側縁の中間部に位置する地点b4から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の右側縁と下側縁が接する頂点b5から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の下側縁の中間部に位置する地点b6から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の下側縁と左側縁が接する頂点b7から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。第2画素領域PX2の左側縁の中間部に位置する地点b8から第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。つまり、第2画素領域PX2のすべての縁のあらゆる地点から、第2非発光領域NA2までの距離は、約50μm以下であり得る。
【0096】
図面に図示していないが、第2画素領域PX2は、第1画素領域PX1と同様に、第1電極および有機発光層が第2発光領域EA2に位置する。第1電極は、第2非発光領域NA2にはほとんど位置せず、第2非発光領域NA2の縁部に位置し得る。有機発光層は、第2非発光領域NA2内にまで位置することもできる。ここで、第2画素領域PX2のすべての縁から第2非発光領域NA2までの距離を約50μm以下にすることにより、第2発光領域EA2に位置する第1電極が、保護膜を広い面積にわたって連続して被覆・封鎖して気体放出を阻害することを、防止し得る。本実施形態においては、第2画素領域PX2内に、第1電極がほとんど位置しない第2非発光領域NA2を設けることによって、保護膜中に残っている気体が、第2非発光領域NA2を介して十分に排出できるようにする。したがって、有機発光層の発光特性が低下することを防止し得る。
【0097】
図5に示すように、第3画素領域PX3において、第3発光領域EA3は第3非発光領域NA3を囲んでいる。ここで、第3画素領域PX3の上側縁に位置する地点c1から第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、距離は最短距離を意味し、以下でも同様である。第3画素領域PX3の上側縁と左側縁が接する頂点c2から第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。第3画素領域PX3の左側縁の中間部に位置する地点c3から第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。第3画素領域PX3の左側縁と下側縁が接する頂点c4から第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。第3画素領域PX3の下側縁に位置する地点c5から第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。つまり、第3画素領域PX3のすべての縁のあらゆる地点から、第3非発光領域NA3までの距離は、約50μm以下であり得る。
【0098】
図面に図示していないが、第3画素領域PX3は第1画素領域PX1と同様に、第1電極および有機発光層が第3発光領域EA3に位置する。第1電極は、第3非発光領域NA3にはほとんど位置せず、第3非発光領域NA3の縁に位置し得る。有機発光層は第3非発光領域NA3に位置することもできる。ここで、第3画素領域PX3のすべての縁のあらゆる地点から、第3非発光領域NA3までの距離を約50μm以下にすることにより、第3発光領域EA3に位置する第1電極が保護膜を広い面積にわたって連続して被覆・封鎖して気体放出を阻害することを、防止し得る。本実施形態においては、第3画素領域PX3内に第1電極がほとんど位置しない第3非発光領域NA3を設けることによって、保護膜に残っている気体が第3非発光領域NA3を介して十分に排出できるようにする。したがって、有機発光層の発光特性が低下することを防止し得る。
【0099】
次に、図6乃至図9を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0100】
図6乃至図9に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、第1乃至第3画素領域内で発光領域および非発光領域の形状が前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0101】
図6は一実施形態による表示装置の配置図であり、図7は一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図であり、図8は一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図であり、図9は一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
【0102】
図6に示すように、一実施形態による表示装置は、画素領域PAと透過領域TAとを含む。画素領域PAaは、第1画素領域PX1a、第2画素領域PX2aおよび第3画素領域PX3aを含み得る。第1画素領域PX1a、第2画素領域PX2aおよび第3画素領域PX3aは、互いに異なる色を表示し得、互いに異なる大きさを有し得る。
【0103】
図7に示すように、第1画素領域PX1aは、第1発光領域EA1aと、第1非発光領域NA1aとを含み、第1非発光領域NA1aは、第1発光領域EA1aによって左側(透過領域の側)、奥側(図の紙面の上方)及び手前側(図の紙面の下方)の三方から囲まれている。第1画素領域PX1の縁に位置する複数の地点(d1、d2、d3、d4、d5)のいずれからも、第1非発光領域NA1aまでの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、距離は最短距離を意味し、以下でも同様である。第1画素領域PX1aのすべての縁のあらゆる地点から、第1非発光領域NA1aまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0104】
図8に示すように、第2画素領域PX2aは、第2発光領域EA2aおよび第2非発光領域NA2aを含み、第2非発光領域NA2aは第2発光領域EA2aによって四方から囲まれている。第2画素領域PX2aの縁に位置する複数の地点(e1、e2、e3、e4、e5、e6、e7、e8)のいずれからも、第2非発光領域NA2aまでの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、第2画素領域PX2aのすべての縁のあらゆる地点から、第2非発光領域NA2aまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0105】
図9に示すように、第3画素領域PX3aは第3発光領域EA3aおよび第3非発光領域NA3aを含み、第3非発光領域NA3aは第3発光領域EA3aによって、左側(透過領域の側)、右側及び奥側(図の紙面の上方)の三方から囲まれている。第3画素領域PX3aの縁に位置する複数の地点(f1、f2、f3、f4、f5)のいずれからも、第3非発光領域NA3aまでの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、第3画素領域PX3aのすべての縁のあらゆる地点から、第3非発光領域NA3aまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0106】
次に、図10乃至図13を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0107】
図10乃至図13に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、一つの画素領域内に複数の非発光領域が位置するという点で、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0108】
図10は一実施形態による表示装置の配置図であり、図11は一実施形態による表示装置の第1画素領域の配置図であり、図12は一実施形態による表示装置の第2画素領域の配置図であり、図13は一実施形態による表示装置の第3画素領域の配置図である。
【0109】
図10に示すように、一実施形態による表示装置は、画素領域PAbと透過領域TAとを含む。画素領域PAbは、第1画素領域PX1b、第2画素領域PX2bおよび第3画素領域PX3bを含み得る。第1画素領域PX1b、第2画素領域PX2bおよび第3画素領域PX3bは、互いに異なる色を表示し得、互いに異なる大きさを有し得る。
【0110】
図11に示すように、第1画素領域PX1bは、第1発光領域EA1bおよび複数の第1非発光領域NA1bを含み、複数の第1非発光領域NA1bは、いずれも、第1発光領域EA1bによって四方から囲まれている。複数の第1非発光領域NA1bは、いずれも円形からなるものである場合を示しているが、本発明はこれに限定されず、第1非発光領域NA1bは多様な形状に変更され得る。
【0111】
第1画素領域PX1bの縁に位置する複数の地点(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7、g8、g9、g10、g11、g12)のいずれからも、第1非発光領域NA1bまでの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、距離は、各地点(g1、g2、g3、g4、g5、g6、g7、g8、g9、g10、g11、g12)から、それぞれ最も近い第1非発光領域NA1bまでの最短距離を意味し、以下でも同様である。第1画素領域PX1bのすべての縁のあらゆる地点から、第1非発光領域NA1bまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0112】
また、互いに隣り合う複数の第1非発光領域NA1bの間の距離は、いずれも、約50μm以下であり得る。例えば、複数の第1非発光領域NA1bはマトリックス形態に配置され得、最初の行、最初の列に位置した第1非発光領域NA1bと、最初の行、第2列に位置した第1非発光領域NA1bとの間の距離は、約50μm以下であり得る。また、最初の行、最初の列に位置する第1非発光領域NA1bと、第2行、最初の列に位置する第1非発光領域NA1bとの間の距離は、約50μm以下であり得る。また、最初の行、最初の列に位置する第1非発光領域NA1bと、第2行、第2列に位置する第1非発光領域NA1bとの間の距離は、約50μm以下であり得る。画素領域中における、非発光領域同士の距離をこのように設定することについては、第2画素領域PX2b中および第3画素領域PX3b中などでも同様である。
【0113】
図12に示すように、第2画素領域PX2bは、第2発光領域EA2bおよび複数の第2非発光領域NA2bを含み、複数の第2非発光領域NA2bは、いずれも、第2発光領域EA2bによって四方から囲まれている。複数の第2画素領域PX2bの縁に位置する複数の地点(h1、h2、h3、h4、h5、h6、h7、h8、h9、h10)のいずれからも、第2非発光領域NA2bまでの距離は、約50μm以下であり得る。ここで、第2画素領域PX2bのすべての縁のあらゆる地点から、第2非発光領域NA2bまでの距離は、約50μm以下であり得る。また、互いに隣り合う複数の第2非発光領域NA2bの間の距離は、約50μm以下であり得る。
【0114】
図13に示すように、第3画素領域PX3bは、第3発光領域EA3bおよび複数の第3非発光領域NA3bを含み、複数の第3非発光領域NA3bは、第3発光領域EA3bによって囲まれている。複数の第3画素領域PX3bの縁に位置する複数の地点(i1、i2、i3、i4、i5)から第3非発光領域NA3bまでの距離は、約50μm以下であり得る。この時、第3画素領域PX3bのすべての縁のあらゆる地点から第3非発光領域NA3bまでの距離は、約50μm以下であり得る。また、互いに隣接した複数の第3非発光領域NA3bの間の距離は、約50μm以下であり得る。
【0115】
次に、図14を参照して一実施形態による表示装置について説明する。図14に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、第1乃至第3画素領域内で発光領域および非発光領域の形状が、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0116】
図14は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0117】
図14に示すように、一実施形態による表示装置は画素領域PAcと透過領域TAとを含む。画素領域PAcは、第1画素領域PX1c、第2画素領域PX2cおよび第3画素領域PX3cを含み得る。第1画素領域PX1c、第2画素領域PX2cおよび第3画素領域PX3cは互いに異なる色を表示し得、互いに異なる大きさを有し得る。
【0118】
第1画素領域PX1cは、第1発光領域EA1cおよび第1非発光領域NA1cを含み、第1非発光領域NA1cは、第1発光領域EA1cによって全周を囲まれている。第1非発光領域NA1cは平面上で十字形からなっている。第1画素領域PX1cのすべての縁のあらゆる地点から、第1非発光領域NA1cまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0119】
第2画素領域PX2cは、第2発光領域EA2cおよび第2非発光領域NA2cを含み、第2非発光領域NA2cは、第2発光領域EA2cによって三方から囲まれている。第2非発光領域NA2cは、平面上で細長い四角形からなる場合を示しているが、本実施形態はこれに限定されず、第2非発光領域NA2cは平面上で十字形からなる。第2画素領域PX2cのすべての縁のあらゆる地点から、第2非発光領域NA2cまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0120】
第3画素領域PX3cは第3発光領域EA3cおよび第3非発光領域NA3cを含み、第3非発光領域NA3cは第3発光領域EA3cによって三方から囲まれている。第3非発光領域NA3cは平面上で細長い四角形からなる場合を示しているが、本実施形態はこれに限定されず、第3非発光領域NA3cは平面上で十字形からなる。第3画素領域PX3cのすべての縁のあらゆる地点から、第3非発光領域NA3cまでの距離は、約50μm以下であり得る。
【0121】
次に、図15を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0122】
図15に示す一実施形態による表示装置は、図14に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、第1画素領域内で発光領域および非発光領域の形状が、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0123】
図15は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0124】
図15に示すように、第1画素領域PX1dは、第1発光領域EA1dおよび第1非発光領域NA1dを含み、第1非発光領域NA1dは、平面上で十字形からなっている。
【0125】
前述した実施形態において、第1発光領域EA1dは、平面上で下側縁部(手前側の縁部)の中央部に連結されていたが、本実施形態において、第1発光領域EA1dは、平面上で下側縁部の中央部で断絶されている。つまり、第1画素領域PX1dの下側縁部の中央部で、第1発光領域EA1dは、第1非発光領域NA1dによって分離されている。第1画素領域PX1dの左側縁部、上側縁部(奥側縁部)、右側縁部では、第1発光領域EA1dが連結されている。
【0126】
そのため、第1画素領域PX1dにおいて、第1電極は、第1画素領域PX1dの左側縁部、上側縁部、右側縁部では連結されており、下側縁部の中央部で分離される形態からなる。
【0127】
次に、図16を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0128】
図16に示す一実施形態による表示装置は、図15に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、第1画素領域内で発光領域および非発光領域の形状が、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0129】
図16は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0130】
図16に示すように、第1画素領域PX1eは、第1発光領域EA1eおよび第1非発光領域NA1eを含み、第1非発光領域NA1eは平面上で十字形からなっている。
【0131】
前述した実施形態にて第1画素領域PX1eの左側縁部、上側縁部、右側縁部で第1発光領域EA1eは連結されていたのであるが、本実施形態では第1画素領域PX1eの左側縁部、上側縁部、右側縁部で、第1発光領域EA1eは断絶されている。つまり、第1画素領域PX1eの左側縁部の中央部、上側縁部の中央部、右側縁部の中央部、下側縁部の中央部で、第1発光領域EA1eは、第1非発光領域NA1eによって分離されている。
【0132】
そのため、第1画素領域PX1eで第1電極は、第1画素領域PX1eの左側縁部、上側縁部、右側縁部、下側縁部の中央部で分離される形態で構成される。ここで、第1電極が四つの部分に分かれ、それぞれ互いに異なるコンタクトホールを介してドレイン電極と連結され得る。
【0133】
同様に第2画素領域PX2eの上側縁部及び下側縁で、第2発光領域EA2eは断絶されている。つまり、第2画素領域PX2eの上側縁部の中央部、及び下側縁部の中央部で、第2発光領域EA2eは、第2非発光領域NA2eによって分離されている。
【0134】
また、第3画素領域PX3eの上側縁部及び下側縁部で、第3発光領域EA3eは断絶されている。つまり、第3画素領域PX3eの上側縁部の中央部、及び、下側縁部の中央部で、第3発光領域EA3eは、第3非発光領域NA3eによって分離されている。
【0135】
次に、図17を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0136】
図17に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、薄膜トランジスタが画素領域内に位置するという点で前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0137】
図17は一実施形態による表示装置の断面図である。
【0138】
図17に示すように、一実施形態による表示装置は、基板110、基板110の上に位置する第1電極191、基板110と第1電極191との間に位置する保護膜180、第1電極191の上に位置する第2電極270、及び、第1電極191と第2電極270との間に位置する有機発光層370を含む。
【0139】
基板110は第1画素領域PX1と透過領域TAとを含む。第1画素領域PX1は、第1発光領域EA1と第1非発光領域NA1とを含む。
【0140】
前述した実施形態で薄膜トランジスタの一部は、第1画素領域PX1内に位置し、ほとんどは第1画素領域PX1の外に位置する。本実施形態においては、薄膜トランジスタの全体が第1画素領域PX1内に位置している。つまり、半導体135、ゲート電極125、ソース電極173、及びドレイン電極175が、全て第1画素領域PX1内に位置する。特に、薄膜トランジスタの一部は、第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1と重複し得る。第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1には、埋立パターン352が形成され得、埋立パターン352は薄膜トランジスタと重り合い得る。
【0141】
薄膜トランジスタの上には保護膜180が位置する。薄膜トランジスタの上に位置する保護膜180の部分は他の部分に比べて相対的に薄い厚さを有する。保護膜180の厚さが薄ければ、ベーキング工程で気体が排出する時間が短くなる。本実施形態においては、薄膜トランジスタが第1画素領域PX1内に位置することにより、第1電極191によって被覆される保護膜180の部分の厚さが相対的に薄くなる。したがって、保護膜180中に残っている気体の量は減り、有機発光層370に及ぼす影響も減る。
【0142】
前記では第1画素領域PX1について説明したが、本実施形態は第2画素領域PX2および第3画素領域PX3にも同様に適用することができる。つまり、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3内にも薄膜トランジスタが位置し得る。
【0143】
次に、図18を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0144】
図18に示す一実施形態による表示装置は、図17に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、基板から保護膜の上部面までの高さが一定でないという点で、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0145】
図18は一実施形態による表示装置の断面図である。
【0146】
図18に示すように、一実施形態による表示装置は、基板110、基板110の上に位置する第1電極191、基板110と第1電極191との間に位置する保護膜180、第1電極191の上に位置する第2電極270、及び、第1電極191と第2電極270との間に位置する有機発光層370を含む。
【0147】
基板110は、第1画素領域PX1と透過領域TAとを含む。第1画素領域PX1は、第1発光領域EA1と第1非発光領域NA1とを含む。
【0148】
前述した実施形態で保護膜180の上部面は平坦であり、基板110から保護膜180の上部面までの距離は一定である。本実施形態においては、保護膜180の上面が平坦でない。
【0149】
保護膜180は、第1高さd1を有する第1部分180aと、第2高さd2を有する第2部分180bとを含む。ここで、第1高さd1および第2高さd2は、それぞれ、基板110から保護膜180の上面までの距離を意味する。第2高さd2は第1高さd1より高い。第1部分180aは、第1画素領域PX1の中心部に位置し、第2部分180bは、第1画素領域PX1の縁部に位置する。
【0150】
保護膜180の上には第1電極191が位置し、第1電極191は、保護膜180の第1部分180aと第2部分180bとの間で段差を有する。
【0151】
第1画素領域PX1の中心部に位置する保護膜180の厚さを相対的に薄く形成することにより、保護膜180のベーキング工程で気体が排出する時間を減らし得る。したがって、有機発光層370が気体により受ける影響が少なくなるようにして、発光特性を向上させることができる。
【0152】
また、第1画素領域PX1の縁部に位置する保護膜180の厚さを相対的に厚く形成し、第1電極191に段差を形成することによって、保護膜180で発生した気体が、有機発光層370にまで至る距離がについて、遠くなるようにし得る。つまり、第1画素領域PX1の縁部に位置する第1電極191が、バリアの役割を果たすようにして、有機発光層370に気体が到達することを防止し得る。したがって、有機発光層370が気体により受ける影響が少なくなるようにして、発光特性を向上させることができる。
【0153】
次に、図19を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0154】
図19に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、保護膜に溝が形成されるという点で、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0155】
図19は一実施形態による表示装置の断面図である。
【0156】
図19に示すように、一実施形態による表示装置は、基板110、基板110の上に位置する第1電極191、基板110と第1電極191との間に位置する保護膜180、第1電極191の上に位置する第2電極270、及び、第1電極191と第2電極270との間に位置する有機発光層370を含む。
【0157】
基板110は第1画素領域PX1と透過領域TAとを含む。第1画素領域PX1は第1発光領域EA1と第1非発光領域NA1とを含む。
【0158】
本実施形態で、保護膜180には溝184が形成されている。溝184が形成されている部分を介して、保護膜180のベーキング工程で発生した気体が、さらによく排出され得る。
【0159】
溝184は、第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1内に位置し得る。埋立パターン352は第1非発光領域NA1内に位置し、埋立パターン352は溝184内に位置し得る。
【0160】
溝184の幅Wgは、第1非発光領域NA1の幅より小さいことが好ましい。第1電極191は、第1非発光領域NA1にはほとんど形成されず、第1発光領域EA1に形成される。特に、溝184の幅Wgは、第1非発光領域NA1において、第1電極191が存在しない部分の幅Wnより小さいことが好ましい。溝184の幅Wgが、第1非発光領域NA1において、第1電極191が存在しない領域の幅Wnより広い場合、第1電極191が溝184内に形成されてもよい。保護膜180の下には薄膜トランジスタをはじめとする多様な電極層が形成されており、第1電極191が溝184内にも形成される場合、このような電極層と短絡される恐れがある。本実施形態においては、溝184の幅Wgを、第1非発光領域NA1において第1電極191が存在しない領域の幅Wnより小さく形成し、このような短絡を防止し得る。
【0161】
次に、図20を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0162】
図20に示す一実施形態による表示装置は、図19に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、溝が画素領域の縁の近傍にさらに形成されているという点で、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0163】
図20は一実施形態による表示装置の断面図である。
【0164】
図20に示すように、保護膜180には、さらなる溝186が形成されている。この溝186は、第1画素領域PX1の縁と隣接するように位置している。溝186は画素定義膜350の下に位置し得る。溝186内には、この内部を埋める埋立パターン354が形成されており、この埋立パターン354は、画素定義膜350と一体に形成しうる。すなわち、この埋立パターン354と画素定義膜350とは、同じ工程で形成され得、また、同じ物質で形成しうる。
【0165】
また、前述した実施形態と同様に、溝184が第1画素領域PX1の第1非発光領域NA1内にさらに位置し得、溝184内に埋立パターン352が位置し得る。
【0166】
次に、図21を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0167】
図21に示す一実施形態による表示装置は、図1乃至図5に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、透過領域の形状が前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0168】
図21は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0169】
図21に示すように、一実施形態による表示装置は、画素領域PAと透過領域TAとを含む。画素領域PAは、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3を含み得る。第1画素領域PX1、第2画素領域PX2および第3画素領域PX3は、互いに異なる色を表示し得、互いに異なる大きさを有し得る。例えば、第1画素領域PX1は青色を表示し得、第2画素領域PX2は緑色を表示し得、第3画素領域PX3は赤色を表示し得る。
【0170】
前述した実施形態において、透過領域TAは平面上で長方形からなるのであるが、本実施形態での透過領域TAは、平面上で略長方形からなるものの、変形されている。本実施形態においては、透過領域TAと画素領域PAとの間の距離を狭めて、透過領域TAの面積を広げている。透過領域TAの一側縁には凹部GVが形成されている。凹部GVは、第2画素領域PX2と隣接した領域にて、透過領域TAの右側縁に形成され得る。図示の例では、透過領域TAの右側縁が、第2画素領域PX2により、左側へと部分的に押し込まれて平行移動した形の、平面図における浅い凹部をなしている。
【0171】
第2画素領域PX2は、第2非発光領域NA2の形成により減った発光面積を補償するために第2画素領域PX2の面積を拡張させ得る。ここで、第1画素領域PX1と隣接した上側縁や第3画素領域PX3と隣接した下側縁を変更することは容易でないので、左側縁を移動させて第2画素領域PX2の面積を拡張させ得る。したがって、第2画素領域PX2の幅が第1画素領域PX1の幅より広くてもよく、第3画素領域PX3の幅より広くてもよい。また、透過領域TAは、第2画素領域PX2の左側縁と隣接する部分に形成された凹部GVを含み、透過領域TAは、第2画素領域PX2と隣接する部分の幅が、第1画素領域PX1、第3画素領域PX3と隣接する部分の幅より狭くてもよい。
【0172】
第1画素領域PX1は、第1非発光領域NA1の形成により減った発光面積を補償するために第1画素領域PX1の面積を拡張させ得る。この時、第2画素領域PX2と隣接した下側縁や透過領域TAと隣接した左側縁を変更することは容易でないので、上側縁をさらに上側に移動させて第1画素領域PX1の面積を拡張させ得る。同様に、第3画素領域PX3は、第3非発光領域NA3の形成により減った発光面積を補償するために第3画素領域PX3の面積を拡張させ得る。この時、第2画素領域PX2と隣接した上側縁や透過領域TAと隣接した左側縁を変更することは容易でないので、下側縁をさらに下方に移動させて第3画素領域PX3の面積を拡張させ得る。画素領域PXの縁には多様な配線が位置しており、第1画素領域PX1および第3画素領域PX3は、このような配線と重複しても発光の可否に影響を与えないので、前記のように面積の拡張が可能である。透過領域TAの場合、配線と重畳する場合、透過率に影響を与えるので、面積の拡張が容易でない。したがって、透過領域TAの上側縁から下側縁までの長さht1は、画素領域PXの上側縁から下側縁までの長さht2より短くてもよい。
【0173】
図21で第1非発光領域NA1、第2非発光領域NA2および第3非発光領域NA3の形状は、図1の第1非発光領域NA1、第2非発光領域NA2および第3非発光領域NA3の形状と類似する場合を示しているが、本実施形態はこれに限定されない。第1非発光領域NA1、第2非発光領域NA2および第3非発光領域NA3の形状は、図10図14図15図16のうちいずれか一つの第1非発光領域NA1、第2非発光領域NA2および第3非発光領域NA3の形状と類似してもよい。
【0174】
また、透過領域TA、第1画素領域PX1、第2画素領域PX2、第3画素領域PX3の形状は、多様に変形が可能である。
【0175】
次に、図22を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0176】
図22に示す一実施形態による表示装置は、図21に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、透過領域の形状が前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0177】
図22は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0178】
図22に示すように、一実施形態による表示装置は画素領域PAと透過領域TAとを含む。
【0179】
前述した実施形態と同様に、透過領域TAは、平面上で略長方形からなり、第2画素領域PX2と隣接する部分の幅が第1画素領域PX1、第3画素領域PX3と隣接する部分の幅より狭くてもよい。
【0180】
前述した実施形態では、透過領域TAの一側縁にのみ凹部(図21のGV)が形成されており、本実施形態では透過領域TAの両側縁に第1凹部GV1および第2凹部GV2が形成されている。第1凹部GV1は、第2画素領域PX2と隣接した透過領域TAの右側縁に形成されており、第2凹部GV2は、反対側に位置する透過領域TAの左側縁に形成されている。第1凹部GV1と第2凹部GV2は、透過領域TAの中心線(図の紙面における縦方向の2等分線)に対して、対称を成し得る。
【0181】
前述した実施形態では、第2画素領域PX2の左側縁を平行移動させて第2画素領域PX2の面積を拡張させたが、本実施形態では、第2画素領域PX2の左側縁および右側縁を平行移動させて第2画素領域PX2の面積を拡張させている。
【0182】
図面に図示していないが、一実施形態による表示装置は、複数の透過領域および複数の画素領域を含み得る。図22に図示されている透過領域TAの左側には、他の画素領域が位置し得る。特には、図22に示すのと同一の正方形状の表示単位が、マトリクス状に配列されるものでありうる。そのため、図示の一の表示単位に、左側から隣接する他の一の表示単位に含まれる第2画素領域が、図示の一の表示単位の透過領域TAに、左側から隣接しうる。第2凹部GV2は、このように透過領域TAの左側縁における、左側の第2画素領域と隣接する部分に形成され得る。
【0183】
次に、図23を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0184】
図23に示す一実施形態による表示装置は、図21に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、透過領域および第1画素領域の形状が、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0185】
図23は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0186】
前述した実施形態と同様に、透過領域TAは平面上で略長方形からなり、第2画素領域PX2と隣接する部分の幅が第3画素領域PX3と隣接する部分の幅より狭くてもよい。
【0187】
本実施形態においては、第1画素領域PX1と隣接する部分の一部の幅が、第3画素領域PX3と隣接する部分の幅より狭くてもよい。
【0188】
本実施形態においては、第1画素領域PX1の左側縁における下側(手前側)の一部を平行移動させて第1画素領域PX1の面積を拡張させている。したがって、第1画素領域PX1の手前側の一部、および、第2画素領域PX2での拡張に対応して、これらと隣接した透光領域TAの部分の幅が、他の部分の幅より狭くてもよい。
【0189】
次に、図24を参照して一実施形態による表示装置について説明する。
【0190】
図24に示す一実施形態による表示装置は、図23に示す一実施形態による表示装置と重複する部分が多いため、これに対する説明は省略する。本実施形態においては、透過領域の形状が、前述した実施形態と相異し、以下で詳細に説明する。
【0191】
図24は一実施形態による表示装置の配置図である。
【0192】
前述した実施形態と同様に、透過領域TAは平面上で略長方形からなり、第1画素領域PX1の一部および第2画素領域PX2と隣接する部分の幅が第3画素領域PX3と隣接する部分の幅より狭くてもよい。
【0193】
前述した実施形態では透過領域TAの一側縁にのみ溝(図23のGV)が形成されたが、本実施形態では、透過領域TAの左右の側縁に、それぞれ第1凹部GV1および第2凹部GV2が形成されている。第1凹部GV1は第1画素領域PX1および第2画素領域PX2と隣接した、透過領域TAの右側縁に形成されており、第2凹部GV2は、第1画素領域PX1および第2画素領域PX2と隣接した、透過領域TAの左側縁に形成されている。第1凹部GV1と第2凹部GV2は、透過領域TAの中心線(左右の側縁に平行の2等分線)に対して、対称を成し得る。
【0194】
本実施形態においては、第1画素領域PX1の左側縁および右側縁の一部を平行移動させて第1画素領域PX1の面積を拡張させる。
【0195】
以上で本発明の好ましい実施形態について詳細に説明したが、本発明の権利範囲はこれに限定されるものではなく、次の特許請求の範囲で定義している本発明の基本概念を利用した当業者の様々な変形および改良形態もまた、本発明の権利範囲に属する。
【符号の説明】
【0196】
110:基板
180:保護膜
184、186:溝
191:第1電極
270:第2電極
350:画素定義膜
352、354:埋立パターン
370:有機発光層
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