(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】イベント信号処理方法及びその方法を遂行するイベント基盤センサー
(51)【国際特許分類】
G06F 3/01 20060101AFI20220328BHJP
G06F 3/042 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G06F3/01 570
G06F3/042 471
(21)【出願番号】P 2017149339
(22)【出願日】2017-08-01
【審査請求日】2020-07-07
(31)【優先権主張番号】10-2016-0098087
(32)【優先日】2016-08-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】390019839
【氏名又は名称】三星電子株式会社
【氏名又は名称原語表記】Samsung Electronics Co.,Ltd.
【住所又は居所原語表記】129,Samsung-ro,Yeongtong-gu,Suwon-si,Gyeonggi-do,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】李 賢 九
(72)【発明者】
【氏名】柳 賢 錫
(72)【発明者】
【氏名】朴 根 柱
(72)【発明者】
【氏名】朴 晋 滿
【審査官】岩橋 龍太郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2007-163892(JP,A)
【文献】特開2015-197564(JP,A)
【文献】特開2008-262548(JP,A)
【文献】特開2007-067736(JP,A)
【文献】特表2017-501627(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/0346
G06F 3/041-3/047
G06T 7/20
H04N 5/222-5/257
H04N 5/30-5/378
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリープ(sleep)モードで動作するセンサーアレイからイベントの感知を指示する活性化信号を受信する段階と、
センサーアレイのセンシング領域の中で、前記活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する段階と、
前記活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断によって、センサーアレイをスリープモードからアクティブ(active)モードにスイッチする段階と、
を含む、イベント信号処理方法。
【請求項2】
前記活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する段階は、
前記センサーアレイのセンシング領域の中で、前記活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させる段階と、
少なくとも1つのパラメーターに基づいて、前記センシング領域の累積イベント数を減少させる段階と、
前記センシング領域の中で、累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として
判断する段階と、
を含む、請求項1に記載のイベント信号処理方法。
【請求項3】
前記センシング領域の累積イベント数を減少させるための前記少なくとも1つのパラメーターは、スリープモード及びアクティブモードで互いに異なる、請求項2に記載のイベント信号処理方法。
【請求項4】
累積イベント数との比較のための前記臨界値は、スリープモード及びアクティブモードで互いに異なる、請求項2または3に記載のイベント信号処理方法。
【請求項5】
前記センサーアレイは、スリープモードでセンシング領域に含まれるピクセルの中で一部のピクセルに関する活性化信号を出力する、請求項3に記載のイベント信号処理方法。
【請求項6】
前記センサーアレイは、アクティブモードでセンシング領域に含まれるすべてのピクセルに関する活性化信号を出力する、請求項3に記載のイベント信号処理方法。
【請求項7】
イベントの感知を指示する活性化信号を出力する
、スリープ(sleep)モードで動作するセンサーアレイと、
前記活性化信号に対応するセンシング領域
がフリッカーリング領域であるか否かを判断し、かつ、前記活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断に基づいて、センサーアレイをスリープモードからアクティブ(active)モードにスイッチする、ように構成されている信号処理部と、
を含む、イベント基盤センサー。
【請求項8】
前記信号処理部は、
前記センサーアレイのセンシング領域の中で、前記活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させ、
少なくとも1つのパラメーターに基づいて、前記センシング領域の累積イベント数を減少させ、
前記センシング領域の中で、累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として判断する、請求項7に記載のイベント基盤センサー。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパラメーターは、
前記累積イベント数を減少させる周期に関する第1パラメーターと、
前記累積イベント数を減少させる程度に関する第2パラメーターと、
を含む、請求項
8に記載のイベント基盤センサー。
【請求項10】
前記活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域である場合、前記信号処理部は、活性化信号を捨てるか、或いは、活性化信号がフリッカーリング領域で感知されたことを指示するフラグを出力する、請求項
7乃至9いずれか一項に記載のイベント基盤センサー。
【請求項11】
フリッカーリング領域に関する前記累積イベント数が前記臨界値未満に減少する場合、前記信号処理部は、フリッカーリング領域をノーマル領域にスイッチする、請求項
8に記載のイベント基盤センサー。
【請求項12】
前記信号処理部は、
フリッカーリング領域からノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の前記累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは、初期化する、請求項
11に記載のイベント基盤センサー。
【請求項13】
前記信号処理部は、
スイッチされたセンシング領域が予め定められた時間区間以内にフリッカーリング領域であるか、又はノーマル領域であるかに基づいて、追加減少又は初期化の可否を決定する、請求項
12に記載のイベント基盤センサー。
【請求項14】
前記信号処理部は、
累積イベント数の最大累積臨界値に基づいて、活性化信号に対応する領域の累積イベント数を増加させる、請求項7に記載のイベント基盤センサー。
【請求項15】
前記信号処理部は、
センシング領域の各々に対応して設定された個別パラメーターに基づいて、センシング領域の各々の累積イベント数を減少させる、請求項7に記載のイベント基盤センサー。
【請求項16】
前記信号処理部は、
フリッカーリング客体を指示するユーザーのフィードバックに基づいて、少なくとも1つのセンシング領域の前記個別パラメーターを設定する、請求項
15に記載のイベント基盤センサー。
【請求項17】
前記信号処理部は、
予め定められた時間区間の間にセンシング領域の各々の累積イベント数の変化量に基づいて、前記個別パラメーターを設定する、請求項
15に記載のイベント基盤センサー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はイベント信号処理方法及びその方法を遂行するイベント基盤センサーに関する。
【背景技術】
【0002】
人間とコンピュータとの間の相互作用(Human-computer interaction、HCI)はユーザーインターフェイスにより実現されて作動する。ユーザー入力を認識する多様なユーザーインターフェイスは人間とコンピュータとの間の自然な相互作用を提供することができる。ユーザー入力を認識するために多様なセンサーが利用され得る。自然な相互作用を提供するために、ユーザー入力に対する応答速度が速いセンサーが必要である。また、多様なモバイル機器の場合、ユーザーインターフェイスを通じた様々なスマート機能を遂行しながら、電力の消耗を少なくする必要性が存在する。したがって、電力消耗は低く、応答速度は速く、センシング目的に合う信頼度が高いセンサーが要求される。また、センサーによって感知される多様なイベントの中で不必要なイベントに関する処理方案が要求される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】米国特許第8,988,551号公報
【文献】米国特許第8,432,460号公報
【文献】米国特許第8,543,241号公報
【文献】米国特許第8,570,378号公報
【文献】米国特許第5,204,741号公報
【文献】特許第5311922号公報
【文献】特許第4992618号公報
【文献】特許第3776094号公報
【文献】特許第3200950号公報
【文献】特許第4992618号公報
【文献】韓国特許第10-0855469号公報
【文献】米国特許公開第2015/0234472号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的は、センサーによって感知される多様なイベントの中で不必要なイベントを処理することができるイベント信号処理方法及びその方法を遂行するイベント基盤センサーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
一つの側によれば、イベント信号処理方法は、センサーアレイからイベントの感知を指示する活性化信号を受信する段階と、センサーアレイのセンシング領域の中で、活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させる段階と、少なくとも1つのパラメーターに基づいて、センシング領域の累積イベント数を減少させる段階と、センシング領域の中で累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定する段階と、を含む。
【0006】
少なくとも1つのパラメーターは、累積イベント数を減少させる周期に関する第1パラメーター、及び、累積イベント数を減少させる程度に関する第2パラメーターを含んでよい。イベント信号処理方法は、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域である場合、活性化信号を捨てる(discard)段階と活性化信号がフリッカーリング領域で感知されたことを指示するフラグを出力する段階のうちで少なくとも1つをさらに含むことができる。
【0007】
イベント信号処理方法は、フリッカーリング領域に関する累積イベント数が臨界値未満に減少する場合、フリッカーリング領域をノーマル領域にスイッチする段階をさらに含んでよい。イベント信号処理方法は、フリッカーリング領域でノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を追加的に減少させる段階と、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域に関する累積イベント数を初期化する段階のうちで少なくとも1つをさらに含むことができる。イベント信号処理方法は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域が予め定められた時間区間以内にフリッカーリング領域であるか、又は、ノーマル領域であるかに基づいて、追加減少又は初期化の可否を決定する段階、をさらに含むことができる。
【0008】
累積イベント数を増加させる段階は、累積イベント数の最大累積臨界値に基づいて、活性化信号に対応する領域の累積イベント数を増加させる段階を含んでよい。累積イベント数を減少させる段階は、センシング領域の各々に対応して設定された個別パラメーターに基づいて、センシング領域の各々の累積イベント数を減少させる段階を含んでよい。イベント信号処理方法は、フリッカーリング客体を指示するユーザーのフィードバックに基づいて、少なくとも1つのセンシング領域の個別パラメーターを設定する段階をさらに含んでよい。イベント信号処理方法は、予め定められた時間区間の間にセンシング領域の各々の累積イベント数の変化量に基づいて、個別パラメーターを設定する段階、をさらに含むことができる。センシング領域の各々は、センサーアレイに含まれる少なくとも1つのセンシングピクセルに対応することができる。
【0009】
他の一つの側によれば、イベント信号処理方法は、スリープ(sleep)モードで動作するセンサーアレイからイベントの感知を指示する活性化信号を受信する段階と、センサーアレイのセンシング領域の中で、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する段階と、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断によって、センサーアレイをスリープモードからアクティブ(active)モードにスイッチする段階と、を含む。
【0010】
活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する段階は、センサーアレイのセンシング領域の中で、活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させる段階と、少なくとも1つのパラメーターに基づいて、センシング領域の累積イベント数を減少させる段階と、センシング領域の中で累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定する段階と、を含んでよい。
【0011】
センシング領域の累積イベント数を減少させるための少なくとも1つのパラメーターは、スリープモード及びアクティブモードで互いに異なってよい。累積イベント数との比較のための臨界値は、スリープモード及びアクティブモードで互いに異なってよい。センサーアレイは、スリープモードでセンシング領域に含まれるセンシングピクセルの中で一部のセンシングピクセルに関する活性化信号を出力することができる。センサーアレイは、アクティブモードでセンサーアレイに含まれるすべてのセンシングピクセルに関する活性化信号を出力することができる。
【0012】
一つの側によれば、イベント基盤センサーは、イベントの感知を指示する活性化信号を出力するセンサーアレイと、センサーアレイのセンシング領域の中で、活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させ、少なくとも1つのパラメーターに基づいて、センシング領域の累積イベント数を減少させ、センシング領域の中で、累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定する信号処理部と、を含む。
【0013】
活性化信号に対応するセンシング領域が、フリッカーリング領域である場合、信号処理部は、活性化信号を捨てるか、或いは、活性化信号がフリッカーリング領域で感知されたことを指示するフラグを出力することができる。フリッカーリング領域に関する累積イベント数が臨界値未満に減少する場合、信号処理部は、フリッカーリング領域をノーマル領域にスイッチすることができる。信号処理部は、フリッカーリング領域でノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは、初期化することができる。信号処理部は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域が、予め定められた時間区間以内にフリッカーリング領域であるか、又は、ノーマル領域であるかに基づいて、追加減少又は初期化の可否を決定することができる。
【0014】
信号処理部は、累積イベント数の最大累積臨界値に基づいて、活性化信号に対応する領域の累積イベント数を増加させることができる。信号処理部は、センシング領域の各々に対応して設定された個別パラメーターに基づいて、センシング領域の各々の累積イベント数を減少させることができる。信号処理部は、フリッカーリング客体を指示するユーザーのフィードバックに基づいて、少なくとも1つのセンシング領域の個別パラメーターを設定することができる。信号処理部は、予め定められた時間区間の間にセンシング領域の各々の累積イベント数の変化量に基づいて、個別パラメーターを設定することができる。
【0015】
他の一つの側によれば、イベント基盤センサーは、スリープ(sleep)モード又はアクティブ(active)モードで動作し、スリープモードでセンシング領域に含まれるセンシングピクセルの中で一部のセンシングピクセルに関する活性化信号を出力するセンサーアレイと、センサーアレイから活性化信号を受信し、センサーアレイのセンシング領域の中で活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断し、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断によって、センサーアレイをスリープモードからアクティブモードにスイッチさせる信号処理部と、を含む。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、センサーによって感知される多様なイベントの中で不必要なイベントを処理することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】一実施形態に係るイベント基盤センサーを示したブロック図である。
【
図2】一実施形態に係るセンサーアレイ及び信号処理部を示した図面である。
【
図3】一実施形態に係る活性化信号及びイベント信号による画像を示した図面である。
【
図4】一実施形態に係るカウントされたイベントの数及び累積されたイベントの数を示した図面である。
【
図5】一実施形態に係るフリッカーリング領域及びノーマル領域でのイベントの数を示した図面である。
【
図6】一実施形態に係る累積イベント数の初期化を示した図面である。
【
図7】一実施形態に係る個別パラメーターに従って、累積イベント数の減少を示した図面である。
【
図8】一実施形態に係る最大累積臨界値に従って、累積イベント数を示した図面である。
【
図9】一実施形態に係るイベント信号による出力画像を示した図面である。
【
図10】一実施形態に係るスリープモード及びアクティブモードを示した図面である。
【
図11】他の実施形態に係るイベント基盤センサーを示したブロック図である。
【
図12】一実施形態に係るイベント信号処理方法を示した動作流れ図である。
【
図13】他の実施形態に係るイベント信号処理方法を示した動作流れ図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書で開示される特定な構造的又は機能的説明は、単なる技術的概念に従って実施形態を説明する目的のために例示されたものであって、実施形態は、多様な他の形態において実施されるものであり、本明細書に説明された実施形態に限定されない。
【0019】
第1又は第2等の用語は、多様な構成要素を説明するために使用され得るが、このような用語は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみに理解されなければならない。例えば、第1構成要素は第2構成要素と称され、同様に第2構成要素も第1構成要素と称されてよい。
【0020】
単数の表現は文脈の上に明確に異なるものと表現されない限り、複数の表現を含む。本明細書で、“含む”等の用語は明細書上に記載された特徴、数字、段階、動作、構成要素、部品又はこれらの組み合せが存在することを表現しようするものであり、1つ又はその以上の他の特徴や数字、段階、動作、構成要素、部分品、又は、これらの組み合せの存在又は付加可能性を予め排除しないものとして理解されるべきである。
【0021】
異なるものと定義されない限り、技術的であるか、或いは科学的な用語を含んでここで使用されるすべての用語は実施形態が属する技術分野で通常の知識を有する者によって一般的に理解されるものと同一の意味を有する。一般的に使用される事前に定義されているような用語は、関連技術の文脈上で有する意味と一致する意味を有するものと解釈されなければならなく、本明細書で明確に定義しない限り、理想的であるか、或いは過度に形式的な意味として解釈されない。
【0022】
以下、実施形態を添付された図面を参照して詳細に説明する。各図面に提示された同一の参照符号は同一の部材を示す。
【0023】
図1は、一実施形態に係るイベント基盤センサーを示したブロック図である。
図1を参照すると、イベント基盤センサー100はセンサーアレイ110及び信号処理部120を含む。センサーアレイ110はセンシングピクセルに入射される光の強度(intensity)を変化させるイベントを感知し、イベントの感知を指示する活性化信号を出力する。イベントは客体の動き、イベント基盤センサー100を含むカメラの動き及び光の変化の中で少なくとも1つによって発生することができる。例えば、センサーアレイ110はユーザーの手の動きによるイベントを感知することができ、手の動きによるイベントの感知を指示する活性化信号を出力することができる。該当活性化信号は、ユーザーのジェスチャー認識に活用されることができる。
【0024】
このようなイベントは意味の有るイベント(meaningful events)と意味の無いイベント(meaningless events)とに分類され得る。例えば、蛍光灯、ディスプレイ画面、震える葉、雪、雨、及び太陽等のようなフリッカーリング客体(flickering object)の動きはユーザーの手の動きのような意味の有る情報を含まない。したがって、フリッカーリング客体によるイベントは意味の無いイベントに分類され得る。センシングピクセルはフリッカーリング客体によるイベントにも反応するので、フリッカーリング客体によって意味の無いイベントに関する活性化信号が出力される。このような意味の無いイベントに対する追加的な資源の消耗を防止するためには、意味の無いイベントに対する適切な処理を必要とする。
【0025】
信号処理部120は活性化信号が意味の有るイベントによるものであるかを判断し、判断結果に基づいてイベント信号を出力する。信号処理部120は、少なくとも1つの素子を含む回路又は少なくとも1つのプロセッサで具現され得る。以下で詳細に説明されるが、信号処理部120はセンシング領域の中で活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させ、少なくとも1つのパラメーターに基づいてセンシング領域の累積イベント数を減少させ、センシング領域の中で累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定することができる。信号処理部120は、フリッカーリング領域に関する活性化信号は意味の無いイベントによるものと看做し、該当活性化信号を捨てる(discard)か、或いは、該当活性化信号が意味の無いイベントによるものであることを指示するフラグを出力する。即ち、意味の無いイベントによるものと判断されたセンシング領域は濾され得る。信号処理部120は、ノーマル領域に関する活性化信号は意味の有るイベントによるものと看做し、該当イベントに関するイベント信号を外部装置に伝達する。
【0026】
図2は、一実施形態に係るセンサーアレイ及び信号処理部を示した図面である。
図2を参照すると、センサーアレイ210は複数のセンシングピクセルを含む。複数のセンシングピクセルの中でイベントを感知したセンシングピクセルは、活性ピクセルであると称される。活性ピクセルはイベントを感知したことに反応して、反応信号を発生する。センサーアレイ210は、活性ピクセルの反応信号に基づいて活性化信号を出力する。活性化信号は、活性ピクセルを指示するアドレス(address)を含んでよい。センサーアレイ210は、複数のセンシング領域に区分される。センシング領域は、
図2に図示された長方形を含む多様な形態を有することができる。各々のセンシング領域は少なくとも1つのセンシングピクセルを含んでよい。各々のセンシング領域は、同一な数のセンシングピクセルを含むか、或いは、互いに異なる数のセンシングピクセルを含んでよい。
【0027】
信号処理部220は、センサーアレイ210から活性化信号を受信する。信号処理部220は、活性化信号に基づいてセンシング領域別にイベントの数を増加させることができる。例えば、信号処理部220は、センシング領域215に含まれる活性ピクセルによる活性化信号を受信すると、センシング領域215に対するイベントの数を増加させる。信号処理部220は、活性化信号に含まれた活性ピクセルのアドレスに基づいて活性化信号に対応するセンシング領域を識別し、識別されたセンシング領域に対するイベントの数を増加させることができる。累積イベント数には最大累積臨界値が設定され得る。信号処理部220は、累積イベント数が最大累積臨界値まで増加された場合、それ以上に累積イベントの数を増加させない。一定なセンシング領域でフリッカーリングが終了されても、累積イベント数があまりにも多ければ、該当センシング領域は持続的にフリッカーリング領域として認識され得るためである。したがって、最大累積臨界値によって、フリッカーリング領域の認識率が向上され得る。
【0028】
信号処理部220は、少なくとも1つのパラメーターに基づいてセンシング領域の累積イベント数を減少させる。少なくとも1つのパラメーターは、累積イベント数を減少させる周期に関する第1パラメーター、及び累積イベント数を減少させる程度に関する第2パラメーターを含む。信号処理部220は第1パラメーターに応じた周期毎に第2パラメーターに応じた減少量又は減少比率にセンシング領域の累積イベント数を減少させる。以下で詳細に説明されるが、信号処理部220は、個別パラメーターを利用してセンシング領域の各々に異なる減少量又は減少比率を適用することができる。個別パラメーターを通じてセンシング領域には感知された客体の特性に合う減少量又は減少比率を適用することができ、フリッカーリング領域の認識率が向上され得る。
【0029】
信号処理部220は、センシング領域の中で累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定する。一つの側によれば、信号処理部220は、フリッカーリング領域で発生する活性化信号を捨てることができる。他の一つの側によれば、信号処理部220は、フリッカーリング領域で発生する活性化信号に対応するイベント信号を出力し、イベント信号がフリッカーリングイベントによるものであることを指示することができる。例えば、信号処理部220は、イベント信号と共にイベント信号に対応する活性化信号がフリッカーリング領域で感知されたことを示すフラグを出力することができる。又は、信号処理部220はイベント信号に対応する活性化信号がフリッカーリング領域で感知されたものであることを指示するフラグをイベント信号に表示することができる。臨界値はユーザーのフィードバックによって決定されるか、或いは、製造過程で実験的に決定され得る。以下で詳細に説明されるが、ユーザーのフィードバックによってセンシング領域別に個別パラメーターを決定することができ、臨界値を個別パラメーターによって決定することができる。
【0030】
信号処理部220は、フリッカーリング領域に関する累積イベント数が臨界値未満に減少する場合、フリッカーリング領域をノーマル領域にスイッチする。信号処理部220は、ノーマル領域で発生する活性化信号を受信すれば、該当活性化信号に対応するイベント信号を出力する。イベント信号は、活性ピクセルのアドレス(address)及び活性ピクセルがイベントを感知した時間に関するタイムスタンプ(time stamp)を含んでよい。また、イベント信号は、イベント信号に対応する活性化信号がノーマル領域で感知されたことを指示するフラグを含んでよい。
【0031】
フリッカーリング領域がノーマル領域にスイッチされた後には、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を十分に低下させる必要がある。フリッカーリングの終了によってフリッカーリング領域がノーマル領域にスイッチされたが、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域に関する累積イベント数が意味の有るイベントによって臨界値を超過するためである。したがって、信号処理部220は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは、初期化することができる。
【0032】
信号処理部220は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域が予め定められた時間区間以内にフリッカーリング領域であるか、又はノーマル領域であるかに基づいて、追加減少又は初期化の可否を決定することができる。例えば、信号処理部220は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域が予め定められた周期より長い間にフリッカーリング領域であった場合、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは、初期化することができる。短い周期(例えば、1周期)の間に累積イベント数が臨界値を超過した後に再び臨界値未満に減少する場合、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域の累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは、初期化することは、フリッカーリング領域が識別される正確度を低下させるためである。
【0033】
信号処理部220は、カウンター230を利用して累積イベント数を増加させるか、或いは減少させることができる。また、信号処理部220は、カウンター230に格納されたセンシング領域の累積イベント数を参照してフリッカーリング領域を決定することができる。カウンター230は、少なくとも1つの素子を含む回路又はメモリにより具現され得る。
【0034】
図3は、一実施形態に係る活性化信号及びイベント信号による画像を示した図面である。
図3を参照すると、活性化信号による画像310及びイベント信号による画像320が図示されている。画像310はユーザーの手303及びフリッカーリング客体305を含む。ユーザーの手303はジェスチャー等の意味の有るイベントを発生させる。しかし、フリッカーリング客体305はプロセッサやメモリ資源を意味が無く消耗し得るので、フリッカーリング客体305に対応する活性化信号は除去される必要がある。フリッカーリング客体305は蛍光灯、ディスプレイ画面、震える葉、雪、雨、及び太陽等を含むことができる。実施形態に係るイベント基盤センサーはフリッカーリング客体305に対応する活性化信号を除去するので、イベント信号によって画像320が獲得されることができる。
【0035】
図4は、一実施形態に係るカウントされたイベントの数及び累積されたイベントの数を示した図面である。
図4を参照すると、センシング領域Sで感知されたイベント数410、センシング領域Sの累積イベント数421、及び周期的に減少されたセンシング領域Sの累積イベント数423が図示されている。先に説明されたように、信号処理部は、活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させ、少なくとも1つのパラメーターに基づいてセンシング領域の累積イベント数を減少させる。少なくとも1つのパラメーター、は累積イベント数を減少させる周期に関する第1パラメーター及び累積イベント数を減少させる程度に関する第2パラメーターを含むことができる。
図4のTi(i=0乃至9)の間隔は第1パラメーターに対応する周期を示し、
図4のβは第2パラメーターに対応する減少量を示す。累積イベント数423は、T4の以後に臨界値THを超過し、T8の以後に臨界値TH未満に減少する。領域423は、フリッカーリングを示す。信号処理部は、累積イベント数423が臨界値THを超過するT4の以後にセンシング領域Sをフリッカーリング領域として決定し、累積イベント数423が臨界値TH未満に減少するT8の以後にセンシング領域Sをノーマル領域として決定する。
【0036】
図5は、一実施形態に係るフリッカーリング領域及びノーマル領域でのイベントの数を示した図面である。
図5を参照すると、領域Aに関する累積イベント数510及び領域Bに関する累積イベント数520を示す。領域Aにはユーザーの手の動きが示され、領域Bにはフリッカーリング客体が示されている。累積イベント数510は、すべての時間区間の間に臨界値を超過しない。したがって、信号処理部は、領域Aに対応する活性化信号に基づいてイベント信号を出力することができる。累積イベント数520は、T1とT2との間で臨界値を超過する。信号処理部は、T1とT2との間で領域Bのフリッカーリング客体を認識することができる。信号処理部は、累積イベント数520が臨界値を超過することによって領域Bに対応する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定することができる。また、信号処理部は、領域Bに対応する活性化信号を捨てるか、或いは、領域Bに対応する活性化信号に基づいてイベント信号を出力し、イベント信号がフリッカーリングイベントによるものであることを指示することができる。
【0037】
図6は、一実施形態に係る最大累積臨界値にしたがう累積イベント数を示した図面である。
図6を参照すると、センシング領域Sの累積イベント数は、地点610で臨界値THを超過し、地点630で臨界値TH未満に減少する。また、センシング領域Sの累積イベント数は、領域620に対応する時間区間の間に最大累積臨界値Mに留まる。先に言及されたように、累積イベント数には最大累積臨界値Mが設定される。信号処理部は、累積イベント数が最大累積臨界値Mまで増加された場合、それ以上累積イベント数を増加させない。これはセンシング領域Sでフリッカーリングが終了されても、累積イベント数があまりにも多ければ、センシング領域Sが持続的にフリッカーリング領域に認識されるためである。最大累積臨界値Mが設定されない場合、センシング領域Sの累積イベント数は、地点630の後に臨界値TH未満に減少するようになる。したがって、T9の直後に意味の有るイベントが発生する場合にも、これはフリッカーリングイベントに認識され得る。したがって、信号処理部は、最大累積臨界値Mを設定することによって、意味の有るイベントの漏落を防止することができる。
【0038】
図7は、一実施形態に係る累積イベント数の初期化を示した図面である。
図7を参照すると、センシング領域Sの累積イベント数は、地点710で臨界値THを超過し、地点720で臨界値TH未満に減少する。信号処理部は、地点710でセンシング領域Sをフリッカーリング領域として決定し、地点720でセンシング領域Sをフリッカーリング領域でノーマル領域にスイッチすることができる。信号処理部は、センシング領域Sがノーマル領域にスイッチされることによって、センシング領域Sに関する累積イベント数を初期化することができる。地点720でフリッカーリングの終了によってセンシング領域Sがノーマル領域に設定されたが、地点720の直後にセンシング領域Sに関する累積イベント数が意味の有るイベントによって臨界値THを超過するためである。例えば、T6乃至T8で感知されたイベントは意味の有るイベントであるが、T6で累積イベント数を初期化しなければ、累積イベント数はT6乃至T8で感知されたイベントによって臨界値THを超過し得る。
【0039】
ここでは初期化を例示として説明したが、信号処理部は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域Sの累積イベント数を一定な水準まで追加的に減少させることもできる。例えば、信号処理部は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域Sの累積イベント数を0ではない予め定められた数に低下させるか、一定な量ぐらい減少させるか、或いは一定な比率に減少させることができる。
【0040】
また、先に言及されたように、信号処理部は、ノーマル領域にスイッチされたセンシング領域Sが予め定められた時間区間以内にフリッカーリング領域であるか、又はノーマル領域であるかに基づいて、追加減少又は初期化の可否を決定することができる。例えば、信号処理部は、センシング領域Sがノーマル領域にスイッチされた時点の前に2周期以上フリッカーリング領域であった場合、センシング領域Sの累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは初期化することができる。この場合、センシング領域Sは、3周期T3乃至T6の間にフリッカーリング領域であったので、信号処理部は、センシング領域Sの累積イベント数を追加的に減少させるか、或いは初期化することができる。
【0041】
図8は。一実施形態に係る個別パラメーターにしたがう累積イベント数の減少を示した図面である。
図8を参照すると、センシング領域Sの累積イベント数は、減少の時毎に異なる減少量又は異なる減少比率に減少される。減少量又は減少比率は、予め定められた時間区間の間にセンシング領域Sの累積イベント数の変化量に基づいて決定されてよい。例えば、減少量又は減少比率は、予め定められた時間区間の間に累積イベント数の増加量に関する平均に決定され得る。減少量又は減少比率は、平均以外に、他の統計的な技法によって決定されてよい。
図8で、累積イベント数は、T4でβ1ぐらい減少し、T5でβ2ぐらい減少する。β1は、時間区間P1の間のセンシング領域Sの累積イベント数の平均であり、β2は、時間区間P2の間のセンシング領域Sの累積イベント数の平均である。予め定められた時間区間の間の累積イベント数の変化量は、センシング領域毎に異なるので、個別パラメーターは、センシング領域毎に異なってよい。信号処理部は、個別パラメーターを利用してセンシング領域の各々に異なる減少量又は減少比率を適用することができる。
【0042】
図9は、一実施形態に係るイベント信号にしたがう出力画像を示した図面である。
図9を参照すると、出力画像は、イベント信号にしたがう客体910乃至930を含む。客体920及び930は、フリッカーリング客体を示し、客体910は意味の有る客体を示す。電子装置は、イベント基盤センサーからイベント信号を獲得し、獲得したイベント信号に応じた出力画像をディスプレイすることができる。ユーザーは、出力画像を見て、フリッカーリング客体を指示するフィードバックを電子装置に入力することができる。電子装置は、ユーザーのフィードバックに対応するフィードバック信号を信号処理部に伝達することができる。フィードバック信号は、ユーザーのフィードバックが入力された位置情報を含んでよい。信号処理部は、ユーザーのフィードバックに基づいて、少なくとも1つのセンシング領域の個別パラメーターを設定することができる。例えば、信号処理部は、フィードバック信号に含まれた位置情報に基づいてフリッカーリング客体が存在する少なくとも1つのセンシング領域を識別し、識別された少なくとも1つのセンシング領域の個別パラメーターを設定することができる。
【0043】
図9で、ユーザーは、出力画像で客体920及び930がフリッカーリング客体であることを確認し、領域1乃至7の中で少なくとも1つにフィードバックを入力することができる。例えば、ユーザーは、領域1にフィードバックを入力することができる。信号処理部は、フィードバック信号に基づいて、領域1に対応するセンシング領域Sを識別し、センシング領域Sの累積イベント数に基づいて、センシング領域Sの個別パラメーターを設定することができる。例えば、信号処理部は、臨界値をセンシング領域Sの累積イベント数より小さく設定することができる。また、信号処理部は、予め定められた時間区間の間のセンシング領域Sの累積イベント数の変化量に基づいてセンシング領域Sの減少量又は減少比率を決定することができる。信号処理部は、領域2乃至7に関するユーザーのフィードバックにしたがって領域2乃至7に対応する少なくとも1つのセンシング領域にもセンシング領域Sと同一な方法で個別パラメーターを設定することができる。
【0044】
図10は、一実施形態に係るスリープモード及びアクティブモードを示した図面である。
図10を参照すると、スリープ(sleep)モードに動作するピクセルアレイ及びアクティブ(active)モードに動作するピクセルアレイが図示されている。ピクセルアレイはスリープモードでアクティブモードに比べて低い解像度に動作することができる。例えば、ピクセルアレイは、スリープモードでセンシング領域に含まれたセンシングピクセルの中に一部のピクセルに関する活性化信号を出力することができる。
図10を参照すると、スリープモードに動作するピクセルアレイのセンシング領域に含まれた点は、活性化信号を出力するピクセルを示す。
【0045】
センシング領域Sで活性化信号を出力するピクセルOは、センシング領域Sで任意に選択され得る。センサーアレイは、ピクセルOで出力された活性化信号に基づいて、センシング領域Sがフリッカーリング領域であるか否かを決定することができる。フリッカーリング領域の決定過程に関しては先に説明された内容が適用され得る。具体的に、信号処理部は、センシング領域Sで出力された活性化信号を受信することによって、センシング領域Sの累積イベント数を増加させ、少なくとも1つのパラメーターに基づいてセンシング領域Sの累積イベント数を減少させ、センシング領域Sの累積イベント数が臨界値を超過することによって、センシング領域Sをフリッカーリング領域として決定することができる。
【0046】
ピクセルアレイは、センシング領域Sがフリッカーリング領域ではないという判断によって、動作モードをスリープモードからアクティブモードにスイッチすることができる。センサーアレイはモードスイッチのための制御信号に基づいてスリープモードからアクティブモードにスイッチされ得る。センサーアレイは、アクティブモードでセンサーアレイに含まれるすべてのセンシングピクセルに関する活性化信号を出力することができる。したがって、センサーアレイは、アクティブモードで
図10に図示されたユーザーの手のような意味の有るイベントによる客体に関して活性化信号を出力することができる。
【0047】
図11は、他の実施形態に係るイベント基盤センサーを示したブロック図である。
図11を参照すると、イベント基盤センサー1100は、センサーアレイ1110及び信号処理部1120を含む。信号処理部1120は、少なくとも1つの素子を含む回路又は少なくとも1つのプロセッサで具現され得る。センサーアレイ1110は、スリープモード又はアクティブモードに動作し、スリープモードでセンシング領域に含まれたセンシングピクセルの中に一部のセンシングピクセルに関する活性化信号を出力する。信号処理部1120は、センサーアレイ1110から活性化信号を受信し、センサーアレイ1110のセンシング領域の中で活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する。信号処理部1120は、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断によって、センサーアレイ1110をスリープモードからアクティブモードにスイッチさせる。その他に、イベント基盤センサー1100には、先に説明された動作が適用され得るので、より詳細な説明は省略する。
【0048】
図12は、一実施形態に係るイベント信号処理方法を示した動作流れ図である。
図12を参照すると、段階1210で、信号処理部は、センサーアレイからイベントの感知を指示する活性化信号を受信する。段階1220で、信号処理部は、センサーアレイのセンシング領域の中で活性化信号に対応するセンシング領域の累積イベント数を増加させる。段階1230で、信号処理部は、少なくとも1つのパラメーターに基づいて、センシング領域の累積イベント数を減少させる。段階1240で、信号処理部は、センシング領域の中で累積イベント数が臨界値を超過する少なくとも1つのセンシング領域をフリッカーリング領域として決定する。その他に、イベント信号処理方法には、先に説明された動作が適用され得るので、より詳細な説明は省略する。
【0049】
図13は、他の実施形態に係るイベント信号処理方法を示した動作流れ図である。
図13を参照すると、段階1310で、信号処理部は、スリープモードに動作するセンサーアレイからイベントの感知を指示する活性化信号を受信する。段階1320で、信号処理部は、センサーアレイのセンシング領域の中で活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域であるか否かを判断する。段階1330で、信号処理部は、活性化信号に対応するセンシング領域がフリッカーリング領域ではないという判断によって、センサーアレイをスリープモードからアクティブモードにスイッチさせる。その他に、イベント信号処理方法としては、先に説明された動作が適用され得るので、より詳細な説明は省略する。
【0050】
以上に説明された実施形態は、ハードウェア構成要素、ソフトウェア構成要素、及び/又はハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素の組合で具現され得る。例えば、実施形態で説明された装置、方法、及び構成要素は、例えばプロセッサ、コントローラ、ALU(Arithmetic Logic Unit)、デジタル信号プロセッサ(digital signal processor)、マイクロコンピューター、FPA(Field Programmable Array)、PLU(Programmable Logic Unit)、マイクロプロセッサ、又は命令(instruction)を実行し応答することができる他の何らかの装置のように、1つ以上の汎用コンピュータ又は特殊目的コンピュータを利用して具現され得る。処理装置は、オペレーティングシステム(OS)及びオペレーティングシステム上で遂行される1つ以上のソフトウェアアプリケーションを遂行することができる。また、処理装置は、ソフトウェアの実行に応答して、データを接近、格納、操作、処理及び生成することもできる。理解を容易にするために、処理装置は1つが使用されるものと説明された場合もあるが、該当技術分野で通常の知識を有する者は、処理装置が複数の処理要素(processing element)及び/又は複数類型の処理要素を含むことができることが分かる。例えば、処理装置は複数個のプロセッサ又は1つのプロセッサ及び1つのコントローラを含んでよい。また、並列プロセッサ(parallel processor)のような、他の処理構成(processing configuration)も可能である。
【0051】
ソフトウェアは、コンピュータプログラム(computer program)、コード(code)、命令(instruction)、又はこれらの中で1つ以上の組合を含むすることができ、望む通りに動作するように処理装置を構成するか独立的に又は結合的に(collectively)処理装置を命令することができる。ソフトウェア及び/又はデータは、処理装置によって解釈されるか、或いは処理装置に命令又はデータを提供するために、いずれの類型の機械、構成要素(component)、物理的装置、仮想装置(virtual equipment)、コンピュータ格納媒体又は装置、又は伝送される信号波(signal wave)に永久的に、又は一時的に具体化(embody)され得る。ソフトウェアはネットワークに連結されたコンピュータシステム上に分散されて、分散された方法に格納されるか、或いは実行されることもできる。ソフトウェア及びデータは1つ以上のコンピュータ読出し可能記録媒体に格納され得る。
【0052】
実施形態に係る方法は、多様なコンピュータ手段を通じて遂行され得るプログラム命令形態に具現されてコンピュータ読出し可能媒体に記録され得る。コンピュータ読出し可能媒体は、プログラム命令、データファイル、データ構造等を単独に又は組み合せて含むことができる。媒体に記録されるプログラム命令は、実施形態のために特別に設計され、構成されたものであるか、或いはコンピュータソフトウェア当業者に公知されて使用可能なものであってもよい。コンピュータ読出し可能記録媒体の例としては、ハードディスク、フロッピーディスク及び磁気テープのような磁気媒体(magnetic media)、CD-ROM、DVDのような光記録媒体(optical media)、フロプティカルディスク(floptical disk)のような磁気-光媒体(magneto-optical media)、及びリードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、フラッシュメモリ等のようなプログラム命令を格納し、遂行するように特別に構成されたハードウェア装置が含まれる。プログラム命令の例としては、コンパイラによって生成されたコードのような機械語コードのみならず、インタプリタ等を使用してコンピュータによって実行され得る高級言語コードを含む。上述されたハードウェア装置は実施形態の動作を遂行するために1つ以上のソフトウェアモジュールとして作動するように構成され得るものであり、その逆も同様である。
【0053】
以上のように、実施形態がたとえ限定された図面によって説明されてきても、該当技術分野で通常の知識を有する者であれば、上述したことに基づいて多様な技術的な修正及び変形を適用することができる。例えば、説明された技術が説明された方法と異なる順序に遂行されるか、及び/又は、説明されたシステム、構造、装置、回路等の構成要素が説明された方法と異なる形態に結合又は組み合わされるか、他の構成要素又は均等物によって置き換えるか、或いは置換されても適切な結果が達成され得る。
【符号の説明】
【0054】
100 イベント基盤センサー
110 センサーアレイ
120 信号処理部
210 センサーアレイ
215 センシング領域
220 信号処理部
230 カウンター
303 ユーザーの手
305 フリッカーリング客体