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7046552ナビゲーション装置、目的地案内システム、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】ナビゲーション装置、目的地案内システム、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G01C 21/26 20060101AFI20220328BHJP
   G08G 1/0969 20060101ALI20220328BHJP
   G08G 1/09 20060101ALI20220328BHJP
   G09B 29/00 20060101ALI20220328BHJP
   G09B 29/10 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G01C21/26 C
G08G1/0969
G08G1/09 F
G09B29/00 F
G09B29/10 A
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2017195131
(22)【出願日】2017-10-05
(65)【公開番号】P2019066440
(43)【公開日】2019-04-25
【審査請求日】2020-08-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000101732
【氏名又は名称】アルパイン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 浩之
【審査官】高島 壮基
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-009913(JP,A)
【文献】特開2002-296062(JP,A)
【文献】特開2011-215049(JP,A)
【文献】特開2001-091280(JP,A)
【文献】特開2011-191169(JP,A)
【文献】特開2016-125851(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01C 21/00-21/36
G08G 1/00-99/00
G09B 29/00-29/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第一の移動体を目的地まで案内するナビゲーション装置であって、
前記第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地が駐車場である場合、
前記駐車場の入り口に表示された満車である旨を撮像装置が撮像した画像データから文字を認識して抽出する認識手段と、を有し、
前記第二の判断手段は、前記駐車場の入り口に満車である旨が表示されている場合、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項2】
自動運転により移動する第一の移動体を目的地である駐車場まで案内するナビゲーション装置であって、
前記第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段と、を有し、
前記第一の判断手段が前記目的地に到達したと判断した場合であって、前記第一の移動体が急停止した場合、前記第二の判断手段は前記目的地に進入できないと判断することを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項3】
周囲の状況を把握しながら行動計画を立て前記第一の移動体を制御して前記第一の移動体を前記目的地まで移動させる自動運転装置が前記第一の移動体に搭載されており、
前記自動運転装置が前記第一の移動体を前記目的地に進入させることができるか否かを前記第二の判断手段が判断することを特徴とする請求項1又は2に記載のナビゲーション装置。
【請求項4】
前記第二の判断手段は、前記目的地の入り口に設置された前記目的地への進入を禁止する立入禁止部材が検出された場合に、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項5】
前記第二の判断手段は撮像装置が撮像した画像データに前記立入禁止部材が撮像されているか否かに基づき、前記目的地に進入できるか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記第二の判断手段は障害物を検出する障害物検出装置が前記立入禁止部材として障害物を検出したか否かに基づき、前記目的地に進入できるか否かを判断することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
前記認識手段は、前記撮像装置が撮像した画像データに文字認識を行って立入禁止部材に記載された文字を認識し、
前記第二の判断手段は、前記文字が進入を禁止する旨である場合に、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とする請求項1に記載のナビゲーション装置。
【請求項8】
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に進入できない旨をネットワークを介して情報処理装置に送信する送信手段と、
第二の移動体の前記目的地が設定された場合、前記目的地に進入できるか否かを前記情報処理装置に問い合わせる問い合わせ手段と、を有し、
前記問い合わせ手段が前記目的地に進入できないという回答を前記情報処理装置から取得した場合、前記目的地設定手段は運転者が設定した前記目的地に代わる前記代替目的地を設定することを特徴とする請求項1~7のいずれか1項に記載のナビゲーション装置。
【請求項9】
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した後に前記第一の移動体が駐車した場合に、代わりに駐車した位置を前記ネットワークを介して情報処理装置に送信する駐車位置送信手段を有し、
前記第二の移動体が有する前記問い合わせ手段は前記目的地に進入できないという回答及び前記代わりに駐車した位置を前記情報処理装置から取得し、前記第二の移動体が有する前記目的地設定手段は前記代わりに駐車した位置を前記代替目的地として設定することを特徴とする請求項8に記載のナビゲーション装置。
【請求項10】
前記第二の移動体が有する前記問い合わせ手段が前記目的地に進入できないという回答及び前記代わりに駐車した位置を前記情報処理装置から取得した場合、
前記第二の移動体は、前記目的地に進入できない旨及び前記代わりに駐車した位置の電子地図を表示装置に表示し、前記目的地に代わる前記代替目的地を設定するか否かを受け付ける受付手段を有する請求項9に記載のナビゲーション装置。
【請求項11】
第一の移動体を目的地まで案内する目的地案内システムであって、
前記第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地が駐車場である場合、
前記駐車場の入り口に表示された満車である旨を撮像装置が撮像した画像データから文字を認識して抽出する認識手段と、を有し、
前記第二の判断手段は、前記駐車場の入り口に満車である旨が表示されている場合、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とする目的地案内システム。
【請求項12】
自動運転により移動する第一の移動体を目的地である駐車場まで案内する目的地案内システムであって、
前記第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段と、を有し、
前記第一の判断手段が前記目的地に到達したと判断した場合であって、前記第一の移動体が急停止した場合、前記第二の判断手段は前記目的地に進入できないと判断することを特徴とする目的地案内システム。
【請求項13】
情報処理装置を、
第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記第一の移動体の目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段と、
前記目的地が駐車場である場合、
前記駐車場の入り口に表示された満車である旨を撮像装置が撮像した画像データから文字を認識して抽出する認識手段、として機能させ、
前記第二の判断手段は、前記駐車場の入り口に満車である旨が表示されている場合、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とするプログラム。
【請求項14】
情報処理装置を、
自動運転により移動する第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、
前記位置検出手段が検出した位置により前記第一の移動体の目的地である駐車場に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、
前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、
前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地に設定する目的地設定手段、として機能させ、
前記第一の判断手段が前記目的地に到達したと判断した場合であって、前記第一の移動体が急停止した場合、前記第二の判断手段は前記目的地に進入できないと判断することを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ナビゲーション装置、目的地案内システム、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
移動体の目的地を設定し目的地までの経路をディスプレイ等の道路地図に表示したり音声出力したりすることで案内するナビゲーション装置が知られている。また、目的施設が設定されると目的施設内又は目的施設の近くの駐車場を目的地に設定するナビゲーション装置も知られている。ナビゲーション装置が目的施設に最適な駐車場まで案内するには最新の道路地図を利用できることが好ましいため、ナビゲーション装置は最新の道路地図をサーバから定期的にダウンロードして更新する処理を行う。しかし、道路地図の更新状況等によっては、目的施設の最新の状況が道路地図に反映されていない場合がある。
【0003】
図1は、道路地図の更新に遅延が生じ得る目的施設の駐車場の変更例を示す。図1には道路地図に目的地の敷地201が示されており、駐車場202が敷地内の一部に敷設されている。しかし、敷地201の区画変更等により、敷地内に新たな建物が建てられ駐車場202の位置が変更されたり、敷地内の通路の変更に伴って駐車場202の位置が変更されたりする場合がある。このような私有地内の駐車場202の位置の変更は公道の工事とは異なり道路地図の開発メーカ等に知られにくく、道路地図の更新に時間がかかりやすい。この場合、道路地図には存在する駐車場が道路地図と同じ場所に存在しなかったり、存在していても駐車が禁止されたりしている状況が生じうる。このような状況は今後、ショッピングモールのような大規模施設の駐車場に限られず、駐車場と施設が一体の小規模施設、コインパーキング等で顕著化すると予想される。
【0004】
運転者はナビゲーション装置で案内された駐車場202まで到達するとその事実に気づき、周辺の駐車場を検索するなど余分な操作が必要になるという煩わしさがある。このような不都合に対して、操作性が改善されたナビゲーション装置が考案されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1には、車両の位置情報に基づき到達したと判断した際に、閾値時間内に再度、車両が走行を開始した場合は目的地とジャンルが同じ類似POI(Point Of Interest)を再設定するナビゲーション装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】特許第3357778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の技術では車両が停止し一定の時間が経過するまで目的地を再設定できないが、そもそも駐車場があるべき場所に存在しなかったり、存在していても駐車が禁止されたりしている場合には車両を停止できないので目的地を再設定できないという問題がある。
【0007】
ところで、近年では自動運転の研究が進められており、将来的には一般道においても自動運転による移動が可能となる見込みである。自動運転では、設定された目的地に対し自動運転装置が行動計画を生成し、行動計画に基づき自律的に目的地まで車両を走行させる。しかし、自動運転においては、駐車場があるべき場所に存在しなかったり、存在していても駐車が禁止されたりしている場合が想定されていないという問題がある。このため、例えば車両が停止したままの状態になったり、目的地付近で目的地の駐車場を探して時間を浪費したりするおそれがある。
【0008】
本発明は、上記課題に鑑み、移動体の適切な目的地を設定できるナビゲーション装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、第一の移動体を目的地まで案内するナビゲーション装置であって、前記第一の移動体の位置を検出する位置検出手段と、前記位置検出手段が検出した位置により前記目的地に到達したか否かを判断する第一の判断手段と、前記目的地に到達したと判断された場合、前記目的地に進入できるか否かを判断する第二の判断手段と、前記第二の判断手段が前記目的地に進入できないと判断した場合、前記目的地に代わる駐車場を代替目的地設定する目的地設定手段と、前記目的地が駐車場である場合、前記駐車場の入り口に表示された満車である旨を撮像装置が撮像した画像データから文字を認識して抽出する認識手段と、を有し、前記第二の判断手段は、前記駐車場の入り口に満車である旨が表示されている場合、前記目的地に進入できないと判断することを特徴とする。

【発明の効果】
【0010】
適切な目的地を設定できるナビゲーション装置を提供するができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】道路地図の更新に遅延が生じ得る目的施設の駐車場の変更例を示す図である。
図2】駐車場に駐車できない場合のナビゲーション装置の処理を説明する図の一例である。
図3】目的地案内システムの概略構成図の一例である。
図4】ナビゲーション装置及び車載システムの一例としてのハードウェア構成図である。
図5】ナビゲーション装置及び道路地図サーバの機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
図6】目的施設とその周辺の電子地図を示す図の一例である。
図7】コインパーキングの入り口に表示された「満車」の表示例を示す図である。
図8】ナビゲーション装置が目的地に運転者を案内する手順を示すフローチャート図の一例である。
図9】ナビゲーション装置のディスプレイに表示される問い合わせ画面の一例を示す図である。
図10】ナビゲーション装置が当初の目的地の設定時に目的地を変更するシーケンス図の一例である。
図11】道路地図サーバが目的地の駐車場の利用可能性を判断する手順を示すフローチャート図の一例である。
図12】ナビゲーション装置のディスプレイに表示される目的地変更受付画面の一例を示す図である。
図13】ナビゲーション装置のディスプレイに表示される代替目的地表示画面の一例を示す図である。
図14】目的地が再設定される際にナビゲーション装置のディスプレイに表示される目的地再設定画面の一例を示す図である。
図15】自動運転の概略を説明する図である。
図16】ナビゲーション装置が目的地に運転者を案内する手順を示すフローチャート図の一例である。
図17】目的地が再設定される際にナビゲーション装置のディスプレイに表示される目的地再設定画面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。
【実施例1】
【0013】
まず、図2を用いて本実施例におけるナビゲーション装置の動作の概略を説明する。図2は駐車場に駐車できない場合のナビゲーション装置の処理を説明する図の一例である。まず、ナビゲーション装置の案内により運転者が車両を目的地である駐車場まで移動させたものとする。
【0014】
図2(a)に示すように、看板やフェンスなどの立入禁止部材60を、センサを利用して検出することでナビゲーション装置は車両が駐車場に駐車できないと判断する。図2(a)では駐車場の入り口に看板とフェンスが設置されており、車両が進入するスペースがないことが検出される。
【0015】
図2(b)に示すように、当初の目的地である駐車場P0に駐車できないことを検出したナビゲーション装置は、目的施設の敷地内の駐車場P1を新しい目的地に再設定する。敷地内にない場合は駐車場P0の周囲の駐車場でよい。これにより運転者は目的地を再設定する操作を行うことなく、新たな目的地に向けて車両を移動させることができる。
【0016】
このように本実施例のナビゲーション装置は目的地として設定されていた駐車場に車両が駐車できないことを自動的に検出して目的地を再設定するので、運転者はより少ない操作で目的施設に近い駐車場に到達でき、利便性及び操作性を向上させることができる。
【0017】
<用語について>
特許請求の範囲の移動体とは、動力又は人力により移動する物をいう。例えば、自動車、軽車両、動力付き二輪車(自動二輪車という)等が該当する。本実施形態では四輪で走行する車両を例にして説明する。
【0018】
また、「進入できない」とは移動体が障害物と接触するおそれがあり進入できないことの他、進入できない旨の情報の取得により進入できないと判断される場合を含む。また、進入することの具体的な目的は様々であり、駐車場であれば駐車できないことを意味する。
【0019】
立入禁止部材60とは、目的地への進入を禁止する機能を有する物である。禁止には、完全に妨害されること以外に、進入の抑制、進入を躊躇させること、進入を阻害することなどを含む。進入とは進み入ることをいうが、立ち入る、入り込む、越境する等と言ってもよい。
【0020】
<構成例>
図3は目的地案内システム100の概略構成図の一例である。目的地案内システム100は、道路地図サーバ50、及び、道路地図サーバ50とネットワークNを介して通信するナビゲーション装置10を有する。ネットワークNは携帯電話網、無線LAN網、又は、WiMAX通信網などの通信事業者が提供する公衆回線とプロバイダ(インターネットに接続するためのサービスを提供する企業)が提供するプロバイダネットワークとを有している。通信事業者の公衆回線にナビゲーション装置10が接続するためにネットワークNには基地局9が接続されている。
【0021】
道路地図サーバは、最新の道路地図をナビゲーション装置10に提供する情報処理装置である。このため、道路地図サーバ50は最新の道路地図を保持する。しかしながら、ナビゲーション装置10が道路地図を有していれば図2にて説明した目的地の再設定を行うことができるため、道路地図サーバ50は必ずしも必須ではなく、ナビゲーション装置10が手軽に道路地図を更新し最新の道路地図で目的地まで案内するために使用される。
【0022】
ナビゲーション装置10は出発地から目的地までの経路を検索して道路地図に設定し、ディスプレイに表示された電子地図に経路と現在地を表示したり、経路に基づいて進路変更の手前で音声案内や電子地図上のアニメーションなどで適切な進路を案内したりする。この他、AV(Audio Visual)の再生機能、インターネットとの通信機能等を有していてよい。運転者は案内にしたがって車両8を操作することで目的地まで到達できる。このナビゲーション装置10の機能のうち経路の検索を道路地図サーバ50が行い経路をナビゲーション装置10に提供してもよい。更に、車両8の位置情報をナビゲーション装置10が道路地図サーバ50に送信することで、道路地図サーバ50が経路の検索と進路の案内を行ってもよい。
【0023】
ナビゲーション装置10は、汎用的な情報処理端末である場合とナビゲーション専用端末(PND(Portable Navigation Device)とも呼ばれる。)の場合がある。汎用的な情報処理端末として、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話、PDA(Personal Digital Assistant)、ノートPC、及び、ウェアラブルPC(例えば、腕時計型、サングラス型など)などがある。これらの装置は、普段は情報処理端末として利用されるが、ナビゲーションのためのアプリケーションソフトウェアを実行すると、ナビゲーション専用端末と同様、経路検索及び経路案内等を行う。
【0024】
また、ナビゲーション装置10は、汎用的な情報処理端末とナビゲーション専用端末の連携(通信)により実現されてもよい。汎用的な情報処理端末に搭載される地図アプリが実質的なナビゲーションの機能を提供し、この地図アプリが生成する画面をナビゲーション専用端末が通信で取得して表示する。このような地図アプリとしてCarPlay(登録商標)、Android Auto(登録商標)等が知られている。
【0025】
このように汎用的な情報処理端末と連携する場合、ナビゲーション装置10はディスプレイオーディオ(又はコネクティッドオーディオ)と呼ばれる装置であってもよい。ディスプレイオーディオはナビゲーションの機能を搭載せずに主にAV機能と通信機能を提供する装置である。
【0026】
ナビゲーション装置10は、汎用的な情報処理端末とナビゲーション専用端末のどちらの場合でも、車載された状態と携帯可能な状態の切り替えが可能であってもよい。つまり、ナビゲーション装置10は、車両8に脱着可能であってよい。
【0027】
<装置のハードウェア構成>
図4は、ナビゲーション装置10及び車載システム7の一例としてのハードウェア構成図である。ナビゲーション装置10は制御部23により制御され、制御部23には、カメラ11を制御したり画像処理を行ったりするカメラ制御部12、GPS受信機13、自律航法用センサ14、道路地図DB15、ハードキー16、タッチパネル18付きのディスプレイ17、スピーカ19、マイク20、HUD(Head Up Display)21、及び、通信装置22が接続されている。ただし、図示されたハードウェア要素は説明のためのものであって、ナビゲーション装置10が有する一例のハードウェア要素であるにすぎない。
【0028】
また、車載システム7は、DCM(Data Communication Module)25、及び車速センサ26を有する。DCM25は、携帯電話会社などの通信事業者の基地局9と通信する通信装置である。車速センサ26は車輪の回転をパルス信号により検出するセンサであり、制御部23は単位時間当たりのパルス信号の数から車輪の回転速度を検出する。車載システム7についても本実施形態の説明上、図示がなくても支障がないハードウェア要素は省略されている。
【0029】
ナビゲーション装置10と車載システム7は例えばCAN(Controller Area Network)バス29を介して接続され、ナビゲーション装置10は車速や通信機能を利用できる。ただし、このような構成は一例に過ぎず、ナビゲーション装置10が車速検出機能を有していてもよい。また、ナビゲーション装置10が通信装置を有している場合には、車載システム7がDCMを有していなくてもよい。
【0030】
制御部23は、マイコン、情報処理装置、又は、コンピュータと呼ばれる機能を有し、ナビゲーション装置10の全体を制御すると共に情報の入力、処理(加工)及び出力を行う。制御部23は、CPU23a、RAM23b、ROM23c、及びフラッシュメモリ23d等を有するが、この他、CANコントローラ、タイマ、I/Oポートなど一般的なECU(Electronic Control Unit)と同様の機能を備えている。また、フラッシュメモリ23dの容量不足を補うためにHDD(Hard Disk Drive)が制御部23に接続されていてもよい。
【0031】
カメラ11は入射した光をCCDやCMOSなどの光電変換素子により輝度情報を有する画像データに変換する撮像装置である。カメラ11は定期的に画像データをカメラ制御部12に送出する。カメラ11は少なくとも車両8の例えば前方を撮像できるように車両8に設置されている。更に、車両8の側方、後方などを撮像できるように車体の周囲に設置されていてよい。カメラ11は駐車場の入り口に設置された看板等の立入禁止部材60を撮像するため等に使用されるセンサの一例となる。
【0032】
カメラ制御部12はカメラが撮像した画像データに画像処理を施すICである。本実施例では立入禁止部材(看板、工事用フェンス、柵、三角ポール(コーンバー)等)60を検出する。カメラ制御部12は、ディープラーニング、サポートベクターマシン、ニューラルネットワーク、ランダムフォレストなどの機械学習のアルゴリズムで、これら立入禁止部材60の特徴を学習しており、画像データに何が写ったのかを検出できる。なお、立入禁止部材60として、駐車場整理係を画像データで認識してもよい。
【0033】
立入禁止部材60を検出する方法は画像データの画像処理に限られない。例えば、ミリ波レーダ、LIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)、超音波センサなどの障害物検出装置により駐車場の入り口から車両8が進入できないことを検出してもよい。障害物検出装置もまた駐車場の入り口に設置された立入禁止部材60を検出するセンサの一例である。障害物検出装置はカメラ制御部12とは異なり、立入禁止部材60がどのようなものであるかまでは分からない可能性があるが、障害物により車両8が駐車場に駐車できないことを検出できる。
【0034】
GPS受信機13はGPS衛星を利用して自車位置を測位する。自律航法用センサ14は加速度センサ、ジャイロセンサ及び地磁気センサ等、自律航法で自車位置や姿勢を推定するためのセンサである。自律航法用センサ14は加速度センサから車速を算出することもでき、車速センサ26の車速の代わりに利用できる。
【0035】
道路地図DB15は道路地図データを記憶するハードディスクドライブなどの記憶装置である。道路地図DB15の道路地図データは道路地図サーバ50からダウンロードされた物である。道路地図データは道路形状をノードとリンクを結合して表すデータである。ノードとリンクはそれぞれ座標を有しており、車両8が道路地図のどこを走行しているかが分かるようになっている。道路地図データは駐車場などの施設の位置情報を保持しており、ナビゲーション装置10は場所を指定して駐車場を検出できるようになっている。なお、道路地図データはディスプレイに電子地図を描画するためのポリライン、ポリゴン、ポイントの描画情報を有している。
【0036】
ハードキー16は、運転者による使用頻度が高いスイッチ、ボタン又はタッチセンサ類であり、例えば、電源ボタン、音量の増減ボタン、CD/DVDの取り出しボタン等である。ディスプレイ17は、例えばLCD(Liquid Cristal Display)や有機ELなどの表示装置である。ディスプレイ17はタッチパネル18を一体に有しており、タッチパネル18はユーザの手指などが接触した座標を検知し制御部23に出力する。
【0037】
スピーカ19は音声案内を出力し、マイク20は運転者の音声を認識するために音声を集音する。音声認識は車両と任意のサーバのどちらで行われてもよい。HUD21は運転者の視界に設置された半透明のコンバイナー(フロントガラス)に情報を表示する表示装置である。通信装置22はDCM25と同様に基地局9と通信する機能を有する。
【0038】
なお、道路地図サーバ50のハードウェア構成は、一般的な情報処理装置のハードウェア構成と同様とする。すなわち、一般的な構成としてCPU、RAM、ROM、HDD(Hard Disk Drive)、ネットワークカード、入力装置、及び、出力装置を有するため、図示は省略した。なお、道路地図サーバ50はクラウドコンピューティングに対応していてもよい。また、道路地図サーバ50はナビゲーションサーバ、目的地案内サーバ等、任意の名称で呼ばれてよい。
【0039】
<機能について>
図5は、本実施例のナビゲーション装置10及び道路地図サーバ50の機能をブロック状に示す機能ブロック図の一例である。
【0040】
<<ナビゲーション装置>>
ナビゲーション装置10は目的地判断部31、進入判断部32、目的地設定部34、駐車判断部35、代替目的地送信部36、表示部/操作受付部37、目的地問い合わせ部38、及び、駐車場情報送信部39を有する。これらは、図4に示した制御部23がフラッシュメモリ23dに記憶されRAM23bに展開されたプログラムを実行してナビゲーション装置10のハードウェアと協働することで実現される機能又は手段である。これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。
【0041】
目的地判断部31は、GPS受信機13が検出する車両8の位置情報に基づいて目的地に到達したか否かを判断する。なお、目的施設がコンビニエンスストアやコインパーキングなどの小規模な施設である場合、目的施設が目的地そのものになる。目的施設がショッピングモールなどの大規模な施設である場合、目的施設の敷地内にある駐車場が目的地になる。本実施例の目的地はこのいずれでもよく、道路地図サーバ50又はナビゲーション装置10が道路地図において目的施設に対応付けられた駐車場を目的地としてもよいし、目的施設に対応付けられた駐車場がない場合は目的施設に近い駐車場を目的地に設定してもよい。
【0042】
目的地に到達したか否かは、車両8の位置情報が目的地に対し所定距離内に接近していること、又は、更に、目的地の入り口が接するリンクを走行していることを車両8の位置情報が示すことを条件としてよい。目的地判断部31は目的地に到達したと判断するとその旨を進入判断部32に送出する。
【0043】
進入判断部32は目的地に到達したと判断された状態で、車両8が駐車場に駐車できるか(進入できるか)否かを判断する。上記のように、画像データやレーダなどにより立入禁止部材60が検出されたか否かにより判断する。すなわち、車両8が目的地に進入しようとしても立入禁止部材60があるために進入できない場合、進入判断部32は駐車場に駐車できないと判断する。進入判断部32は、駐車場に駐車できないと判断すると目的地設定部34に目的地の再設定要求を送出し、駐車場情報送信部39に駐車場利用不可を通知する。
【0044】
進入判断部32は文字認識部33を有している。文字認識部33は画像データにOCR(Optical Character Reader)という画像処理を施し文字を認識する。看板に文章が掲示されている場合、文字認識部33がこの文字を認識して文章の意味を解析する。例えば「駐車できない」という文章に対し、形態素解析により「駐車」が不可能であることを「できない」という文字から抽出する。これにより、進入判断部32はより確実に駐車場に駐車できないということを判断できる。進入判断部32は文字認識部33が抽出した情報を駐車場に駐車できるか否かの判断のために補足的に使用してもよい。すなわち、立入禁止部材60が検出されたが車両8が進入するスペースがある場合、文字の認識結果により駐車できないこと又は駐車できることを判断できる。
【0045】
また、文字認識部33は意味の抽出によりいつからいつまで駐車できないのかという駐車不可期間(又は駐車可能期間でもよい)を抽出することもできる。例えば「20時までは駐車できません。」という文章から「20時まで」という駐車不可期間を抽出したり、「10月1日から12月5日まで駐車できません」という文章から「12月5日まで」という駐車不可期間を抽出したりする。後述するように、駐車不可期間は駐車場に駐車できない旨の駐車場利用不可情報と共に道路地図サーバ50に送信される。
【0046】
駐車場情報送信部39は駐車場が利用できない旨を道路地図サーバ50に送信する。すなわち、駐車場の位置情報(施設IDを送信してもよい)と駐車場が利用不可である旨を送信する。駐車不可期間が抽出された場合はこれも送信する。これにより道路地図サーバ50には駐車場に駐車できない旨が登録されるので、車両8よりも後に同じ駐車場を目的地とする車両が、最初から駐車可能な駐車場を目的地に設定できる。
【0047】
目的地設定部34は、道路地図DB15を参照し目的施設に基づいて目的地を再設定する。目的地の再設定については図6にて説明する。道路地図サーバ50に駐車できない目的地の周囲の駐車場を問い合わせてもよい。なお、目的地の再設定の前に再設定するかどうかを運転者に問い合わせてもよい。また、再設定された目的地を代替目的地と称することにする。より詳細には車両8が実際に駐車した駐車場が代替目的地であるが、本実施例では説明を容易にするため再設定された目的地に駐車する場合を想定し、実際に駐車したか否かが確定しなくても再設定された目的地も含め代替目的地と称する。
【0048】
目的地の再設定の前に再設定するかどうかを運転者に問い合わせる場合、目的地が再設定される前に表示部/操作受付部37は「目的地を再設定しますか?」等のメッセージをディスプレイ17等に表示し、運転者の回答を受け付ける。
【0049】
駐車判断部35は目的地設定部34が再設定した目的地又は駐車できないと判断された当初の駐車場の周囲の駐車場に車両8が駐車したか否かを判断する。例えば、車速がゼロ又はゼロと見なせる値以下に低下したこと、パーキングブレーキがONになったこと、シフトレバーがP(パーキング)にセットされたこと、IGがOFFになったこと、の1つ以上を組み合わせて判断する。
【0050】
代替目的地送信部36は駐車判断部35が駐車したと判断すると、代替目的地を道路地図サーバ50に送信する。代替目的地を特定する情報は位置情報でもよいし施設IDでもよい。上記のように目的地設定部34が設定した目的地でない場所に運転者が車両8を駐車させる場合があるが、この場合も実際に駐車した場所を代替目的地としてよい。
【0051】
<<道路地図サーバ>>
道路地図サーバ50は情報受信部51、施設情報登録部52、利用可能性判断部53、施設情報提供部54、及び、施設情報DB55を有する。これらは、道路地図サーバ50のCPUがプログラムを実行してナビゲーション装置10のハードウェアと協働することで実現される機能又は手段である。これらの機能の一部又は全てがICなどのハードウェア回路により実現されてもよい。
【0052】
情報受信部51は駐車場を特定する情報と共に駐車場利用不可情報、及びその理由を受信する。駐車不可期間がある場合はこれも受信する。更に、車両8が代替目的地に駐車した場合は代替目的地を受信する。情報受信部51はこれらを施設情報登録部52に送出する。施設情報登録部52は駐車場利用不可情報、その理由、駐車不可期間、及び、代替目的地を施設に対応付けて施設情報DB55に登録する。施設情報DB55に関しては表1にて説明する。
【0053】
利用可能性判断部53は、車両8(これから出発したり、経路を探索したりするフェーズの車両)が目的地を設定した場合に施設情報DB55を参照してこの目的地を利用できるか、すなわち駐車できるか否かを判断する。また、代替目的地が登録されている目的地については代替目的地を車両の運転者に提案する。
【0054】
施設情報提供部54は車両8から送信された目的地に駐車できるかという問い合わせを受信し、また、利用可能性判断部53が判断した駐車場の利用可能性及び代替目的地がある場合は代替目的地をナビゲーション装置10に送信する。
【0055】
【表1】
表1は施設情報DB55に構築された情報をテーブル形式に示す。表1の情報を施設情報テーブルと称することにする。施設情報テーブルには施設IDに対応付けて、座標、ジャンル、利用可、理由、及び、代替目的地の各項目を有する。施設IDは駐車場などの施設を特定又は識別する情報である。IDはIdentificationの略である。座標は緯度又は経度で施設の位置を指し示す。座標の代わりに住所が登録されていてもよい(住所と座標は相互に変換可能である)。ジャンルは施設の種類であり、本実施例では駐車場やコンビニエンスストアなどである。利用可の項目には施設が利用できるか否かが設定される。Trueは利用できることを意味し、Falseは利用できないことを意味する。なお、初期状態はTrueである。理由の項目には、利用可の項目がFalseの場合にその理由が設定される。例えば、進入不可又は満車という理由が設定される。代替目的地は当初の駐車場P0に駐車できないが、運転者が代替の駐車場として実際に駐車した別の駐車場の施設ID(座標でもよい)である。
【0056】
<目的地の再設定>
図6を用いて、目的地の再設定について説明する。施設情報DB55に代替目的地が登録されている場合、再設定される目的地としては代替目的地が多いと考えられる。したがって、図6の処理は施設情報DB55に代替目的地が登録されていない場合に行われるが、運転者が代替目的地とは別の目的地を設定したい場合にも行われてもよい。
【0057】
図6は目的施設とその周辺の電子地図を示す。図6(a)において駐車場P0は当初、目的地に設定された駐車場である。車両8が駐車場P0に駐車できない場合、ナビゲーション装置10が同じ目的施設の駐車場P1に誘導することで降車後に運転者が歩く距離が短くて済む。このため、目的地設定部34は、道路地図DB15において目的施設に対応付けられた駐車場P0以外の他の駐車場P1がある場合は、駐車場P1を目的地に設定する。
【0058】
目的施設が小規模であるため目的施設と駐車場が同一視される場合、目的地設定部34は当初の目的施設と同じジャンルの目的施設を目的地に設定する。図6(b)では目的施設211が当初、目的地に設定された駐車場である。道路地図DB15には目的施設211に駐車場が対応付けられていないので、目的地設定部34は目的施設211と同じジャンルで最寄りの目的施設212を目的地に設定する。なお、目的施設211と同じジャンルで運転者がよく行く目的施設のブランドが分かっている場合は最寄りの目的施設よりも運転者が好むブランドの目的施設を設定してよい。
【0059】
また、図6(a)のように目的施設に複数の駐車場がある場合に最寄りの駐車場を目的地に設定してもよいが、大規模であるが目的施設に複数の駐車場がない場合に、駐車できない駐車場P0に最寄りの駐車場を目的地に設定してもよい。図6(c)では駐車場P0に対し最寄りの駐車場P2が選択されている。駐車場P2は目的施設と駐車場P0に近いので運転者は早期に車両8を駐車させ目的施設に赴くことができる。
【0060】
<駐車場が満車の場合>
駐車場が立入禁止部材60と接触するために駐車できないわけではないが、満車であるため駐車できない場合もある。本実施例のナビゲーション装置10はこの場合も同様に別の目的地を設定できる。多くの駐車場では駐車場の入り口に満車である旨が表示される。
【0061】
図7は、コインパーキングの入り口に表示された「満車」213の表示例を示す。文字認識部33がこのような表示を解析することで、満車により駐車できないと判断できる。あるいは、近距離無線通信、路車間通信などにより満車であることを検出してもよい。また、満車であるために入り口に誘導員が立ちはだかっている場合は、画像データ又はレーダによる誘導員の検出により立入禁止部材60が検出されたと判断して、進入判断部32が駐車できないと判断できる。
【0062】
なお、ネットワークを介して駐車場の満空情報が、駐車場に対し遠方にある車両8に配信される場合があるが、この場合、車両8は事前に満車であることを検出できるので、本実施例では適用の可能性が低いと考えられる。
【0063】
<動作手順>
図8は、ナビゲーション装置10が目的地に運転者を案内する手順を示すフローチャート図の一例である。図8の処理は目的地までの案内の間、繰り返し実行されてもよいし、目的施設に対し所定距離内に接近してから実行されてもよい。
【0064】
ナビゲーション装置10の目的地判断部31は目的地である駐車場に到達したか否かを判断する(S10)。駐車場に到達したと判断されると、更に、目的地判断部31は車速が閾値以下であるか否かを判断する(S20)。これは、車両8が道路から駐車場に進入しようとする場合、一般に車速が低下するので、立入禁止部材60が検出された場合にそれが目的地の駐車場に関するものであることを確実に判断するためである。ステップS20の判断がNoの場合、ステップS10の判断を繰り返す。
【0065】
ステップS20の判断がYesの場合、進入判断部32は立入禁止部材60が検出されたか否かを判断する(S30)。すなわち、看板、工事用フェンス、柵、三角ポール(コーンバー)、又は駐車場の入り口の満車という文字等が検出されたか否かを判断する。ステップS30の判断がNoの場合、処理は終了するが、運転者は目的地の駐車場に駐車すると考えられる。駐車しない場合は再度、図8のステップS10から処理を行えばよい。
【0066】
ステップS30の判断がYesの場合、駐車場情報送信部39は駐車場利用不可情報を道路地図サーバ50に送信する(S40)。駐車不可期間が抽出された場合は更に駐車不可期間も送信する。道路地図サーバ50の情報受信部51は該駐車場が利用不可である旨、理由、及び、駐車不可期間がある場合はそれらを受信し、施設情報登録部52がこれらを対応付けて施設情報DB55に登録する。
【0067】
次に、表示部/操作受付部37は目的地の再設定を行うか否かを問い合わせるメッセージをディスプレイ17に表示し、運転者の回答を受け付ける(S50)。この時の画面例を図9に示す。なお、HUD21に表示してもよいし、スピーカ19から音声で出力してもよい。
【0068】
目的地設定部34は運転者が再設定すると回答したか否かを判断する(S60)。ステップS60の判断がNoの場合、運転者が自分で駐車場を探すと考えられるので、図8の処理は終了する。目的地設定部34が目的地を再設定することなく運転者が車両8を駐車させた場合、その場所は目的施設と関連があるとは限らないので代替目的地として登録されない。しかしながら、道路地図サーバ50の施設情報登録部52は目的施設からの距離が閾値以内であるか否かを判断し、閾値以内の場合には代替目的地として登録してもよい。これにより、運転者が見つけた代替目的地を登録できる。
【0069】
ステップS60の判断がYesの場合、目的地設定部34は目的地を再設定する(S70)。すなわち、道路地図サーバ50に問い合わせて、施設情報DB55に代替目的地が設定されている場合は代替目的地を利用し、そうでない場合は図6で説明したように設定する。これにより、ナビゲーション装置10は代替目的地までの経路検索を行い(S80)、経路案内を開始する(S90)。
【0070】
経路案内を開始すると駐車判断部35は代替目的地に車両8が駐車したか否かを判断する(S100)。この代替目的地は、ステップS70で設定された代替目的地に限られず、ステップS70で代替目的地が設定されたが、運転者が探して駐車した駐車場も含まれる。ただし、目的施設又は当初の駐車場から所定距離以内であることが判断されることが好ましい。これにより、運転者が見つけた代替目的地を登録できる。
【0071】
代替目的地に車両8が駐車した場合、元の駐車場の代替の駐車場となると考えられるため代替目的地を道路地図サーバ50に送信する(S110)。道路地図サーバ50の情報受信部51は代替目的地を受信し、施設情報登録部52が施設情報DB55に登録する。なお、施設情報DB55のどの施設に対応付けて代替目的地を登録するかは、元の施設の施設ID又は座標を送信してもよいし、ステップS40とS110で車両IDを送信してもよい。
【0072】
図8の処理について補足する。ステップS40で駐車場利用不可情報が道路地図サーバ50に送信されるが、いったん利用不可が登録された駐車場は、任意の車両8が駐車したという情報により利用可に戻る。また、利用不可期間が設定されている駐車場に関しては、任意の車両8が駐車しなくても利用不可期間の途過により道路地図サーバ50が利用可に戻してよい。
【0073】
<問い合わせ画面の一例>
図9は、ナビゲーション装置10のディスプレイ17に表示される問い合わせ画面301の一例を示す。問い合わせ画面301は、「目的地の駐車場に駐車できません。代替の目的地を設定しますか?」というメッセージ302、はいボタン303、及び、いいえボタン304を有する。運転者はメッセージを確認してはいボタン303又はいいえボタン304を押下する。運転者は自分でも駐車場の状況を見ているため、ナビゲーション装置10が誤っているか否かを判断して適切なボタンを選択できる。
【0074】
<施設情報DB55に設定された利用可又は利用不可を利用した目的地の変更>
続いて、施設情報DB55に利用不可が登録された後、これを利用した目的地の変更について説明する。利用不可であるため代替目的地が登録されている場合には運転者は代替目的地に目的地を変更するかどうかを判断できる。
【0075】
図10は、ナビゲーション装置10が当初の目的地の設定時に目的地を変更するシーケンス図の一例である。すなわち、運転者は目的施設を設定し目的施設に対応付けられた駐車場が設定されたものとする。
【0076】
S101:ナビゲーション装置10の目的地問い合わせ部38は設定された目的地を道路地図サーバ50に送信する。この目的地は目的施設に基づいて設定された駐車場である。目的地は施設IDで特定されても座標で特定されてもよい。
【0077】
S102:道路地図サーバ50の施設情報提供部54は目的地を受信すると利用可能性判断部53を呼び出して、利用可能性判断部53が目的地の駐車場を車両8が利用できるか否かを判断する。詳細を図11にて説明する。
【0078】
S103:施設情報提供部54は、目的地の駐車場の利用可能性をナビゲーション装置10に送信する。この時、代替目的地が登録済みの場合は代替目的地も送信される。目的地問い合わせ部38は道路地図サーバ50からの回答を取得する。
【0079】
S104:ナビゲーション装置10の表示部/操作受付部37は利用可能性に基づく画面を表示して、目的地の変更を受け付ける。この時の画面例を図12に示す。
【0080】
S105:ナビゲーション装置10の目的地設定部34は目的地を変更して経路案内を開始する。したがって、車両8は、例えば車両8の出発時から変更後の目的地に向かって進行でき、駐車場に着いた時点で駐車できないことを検出して別の駐車場に移動する必要がなくなる。
【0081】
図11は、道路地図サーバ50が目的地の駐車場の利用可能性を判断する手順を示すフローチャート図の一例である。
【0082】
道路地図サーバ50の利用可能性判断部53は施設ID又は座標で特定される目的地を施設情報DB55から検索する(S201)。
【0083】
利用可能性判断部53は目的地の駐車場が利用可であるかどうかを判断する(S202)。利用可である場合、運転者は目的地を変更する必要がないので、施設情報提供部54は利用可能である旨をナビゲーション装置10に送信する(S209)。
【0084】
利用不可である場合、利用可能性判断部53は利用不可の理由を確認する(S203)。そして、満車が理由であるか否かを判断する(S204)。満車が理由の場合、施設情報提供部54は満車が理由で駐車できない可能性があることをナビゲーション装置10に送信する(S208)。満車の場合、車両8が目的地に到達する頃には空きが出る可能性があるためである。なお、代替目的地が登録されている場合は代替目的地も送信する。
【0085】
満車が理由でない場合、利用可能性判断部53は利用不可期間を確認する(S205)。そして、車両8が到達する頃も利用不可であるか否かを判断する(S206)。この判断には、車両8が目的地に到達する到達予測時刻を利用すればよい。
【0086】
車両8が到達する頃には利用可である場合は、施設情報提供部54は利用可である旨をナビゲーション装置10に送信する(S209)。
【0087】
車両8が到達する頃も利用不可である場合は、施設情報提供部54は利用不可期間又は駐車場の閉鎖が理由で駐車できない旨をナビゲーション装置10に送信する(S207)。利用不可期間がある場合はナビゲーション装置10に利用不可期間を送信する。また、代替目的地が登録されている場合は代替目的地も送信する。
【0088】
このように利用不可で代替目的地が登録されている場合、代替目的地がナビゲーション装置10に送信されるので、運転者は元の目的地を代替目的地に変更するかどうかを判断しやすくなる。
【0089】
<目的地の変更の受け付け>
図12はナビゲーション装置10のディスプレイに表示される目的地変更受付画面311の一例を示す。図12(a)は駐車場が満車であるために利用できないと判断された場合の目的地変更受付画面311である。目的地変更受付画面311は「目的地の駐車場は満車のようです。目的地を変更しますか?なお、目的地には代替目的地が設定されています。」というメッセージ312、代替目的地を表示ボタン313、はいボタン314、及び、いいえボタン315を有する。代替目的地を表示ボタン313は図13のように代替目的地の位置を電子地図で表示するためのボタンである。運転者は到達する頃には空きがあると判断して目的地を変更しないことも、到達後の目的地の再設定を確実に避けるために目的地を変更することも可能になる。
【0090】
図12(b)は利用不可期間に車両8が到達するために利用できないと判断された場合の目的地変更受付画面311である。このため「到達時に目的地の駐車場は利用できません。目的地を変更しますか?なお、目的地には代替目的地が設定されています。」というメッセージ316表示されている。
【0091】
図12(c)は駐車場が閉鎖されたために利用できないと判断された場合の目的地変更受付画面311である。このため、「目的地の駐車場は閉鎖されました。目的地を変更しますか?なお、目的地には代替目的地が設定されています。」というメッセージ317が表示されている。
【0092】
図12(b)(c)いずれの目的地変更受付画面311でも代替目的地が登録されている場合は、ナビゲーション装置10が代替目的地の位置を地図で表示できるので、運転者は目的地を変更するか否かを判断しやすい。代替目的地が登録されていない場合、「目的地には代替目的地が設定されています」というメッセージと代替目的地を表示ボタン313は表示されない。図12(b)では、運転者は駐車場が閉鎖されたわけではないことを把握しつつ、今回は目的地を変更しておくことができる。図12(c)では運転者は駐車場が閉鎖されたので駐車できる可能性がないと判断し目的地を変更しておくことができる。
【0093】
図13は、ナビゲーション装置のディスプレイ17に表示される代替目的地表示画面321の一例を示す。代替目的地表示画面321では当初の目的地231と代替目的地232が強調して表示される。図13では吹き出しで示されているが、代替目的地232の輝度及び目的地231の輝度を地図の他の部分よりも大きくしたり、点滅させたりしてもよい。また、代替目的地232と目的地231を強調枠で囲んでもよい。代替目的地表示画面321により目的地と代替目的地がどのくらい離れているかを運転者が判断できるため、代替目的地に変更するか否かを判断しやすくなる。
【0094】
<目的地の再設定の変形例>
図6の説明では、再設定される目的地は目的地の周囲の駐車場であると説明したが、運転者が直接、駐車場を設定してもよい。
【0095】
図14は目的地が再設定される際にナビゲーション装置10のディスプレイに表示される目的地再設定画面331の一例を示す。ナビゲーション装置10の表示部/操作受付部37は目的施設の全体及び好ましくは周囲を含む電子地図を目的地再設定画面331に表示する。大規模な施設には複数の駐車場が設定されている場合があるので、運転者は目的地再設定画面331から別の駐車場を探して指Hでタップする。表示部/操作受付部37はタップされた位置を受け付けて目的地設定部34に送出する。これにより運転者が設定した別の駐車場を目的地に再設定できる。
【0096】
なお、運転者は目的施設に明示的に駐車場がなくてもタップしてよい。おそらくこの辺にあるだろうと予測してもかまわないためである。
【0097】
<まとめ>
以上説明したように、本実施例のナビゲーション装置10は目的地として設定されていた駐車場に車両8が駐車できないことを自動的に検出して目的地を再設定するので、運転者はより少ない操作で目的地に到達でき、利便性及び操作性を向上させることができる。また、代替目的地の登録後は代替目的地を目的地として再設定できる。代替目的地が登録されている施設を運転者が検索した場合、目的地を代替目的地に変更できるため、運転者が目的地を変更した場合は、当初の目的地に到達した後に代替目的地に移動する必要がない。
【実施例2】
【0098】
本実施例では、車両8が自動運転で目的地まで移動する場合のナビゲーション装置10について説明する。自動運転でどの程度運転が自動化されるかは自動運転レベルによる。現状ではレベル0~5まであるが、本実施例の自動運転とは一般道の駐車場まで自律的に車両が移動することができるレベルの自動運転をいう。したがって、レベル3以上が想定される。
【0099】
自動運転で目的地まで到達したが駐車できない状況を現状の自動運転技術では考慮していないため、行動計画が破綻して車両8が停止するおそれがある。あるいは、目的地付近で当初の駐車場を探して時間を浪費するおそれがある。したがって、実施例1のような目的地の再設定は自動運転する車両8にこそ好適であり、運転者が介在しなくても(又は最小限の介在で)目的地を再設定することができる。
【0100】
<自動運転について>
図15は、自動運転の概略を説明する図である。なお、各社が様々な自動運転の実現方法を開発しているため、図15の説明は一例に過ぎない。
【0101】
自動運転装置70は状況の把握71、行動計画の生成72、及び、行動計画の実行73を繰り返す。状況の把握71は、ダイナミックマップをベースにして各種のセンサを用いて、地図上の位置情報(緯度、経度、標高)、何番目の車線に居るか、車の移動速度、車の移動方向、車の加速度、車の角速度、他の車・自転車・歩行者等の障害物の運動状態(位置、移動方向、移動速度)、信号機の状態等を検出する。状況の把握により、現実世界に想定した仮想世界を構築できる。なお、ダイナミックマップとは自動運転用に開発された高精度な3次元地図データである。
【0102】
行動計画の生成72では、仮想世界の中における行動計画を立案する。具体的には、目的地までの経路の決定、障害物の状況を基にした詳細な走行ラインの決定、車速の決定等を行う。精密な仮想世界が得られているため、仮想世界の中に一本の線で走行ラインを表すことができる。
【0103】
行動計画の実行73では、決定した走行ラインと車速で走行するようにステアリングの角度、アクセル量(スロットル開度)、ブレーキ量、をフィードバック制御する。つまり、行動計画を実現するための物理的な制御量を算出し実際にアクチュエータを制御する。
【0104】
自動運転装置70は、状況の把握71、行動計画の生成72、及び、行動計画の実行73を繰り返しながら、目的地まで走行する。
【0105】
<マニュアル運転との相違1>
本明細書において、同一の符号を付した構成要素については、同様の機能を果たすので、一度説明した構成要素の説明を省略あるいは相違点についてのみ説明する場合がある。本実施例の目的地案内システム100では車両8が自動運転装置70の機能を有する点で実施例1の図5の機能ブロック図とは異なる構成を有するが、自動運転に必要な機能は自動運転装置70が有するものとする。また、本実施例では実施例1との相違を主に説明するものとする。
【0106】
自動運転の場合、駐車場が利用不可か否かの判断方法が異なる。すなわち、立入禁止部材60の検出により駐車場に駐車できないと進入判断部32が判断するのは同じだが、この他、以下の2点で判断してよい。
(i) 駐車場の近くでの急停車
(ii) 駐車場を通過しても目的地の駐車場が見つからない
自動運転の場合、目的地である駐車場が見つからないと行動計画が破綻して自動運転装置が車両8を急停止させる場合があると考えられる。このため(i)のような判断が可能になる。また、目的地の座標に駐車場がない場合、駐車場を探すために自動運転装置が走行を継続する場合も想定される。交通の流れに対し急停車が好ましくない場合もある。このため、(ii)のような判断が可能になる。
【0107】
<動作手順>
図16は、ナビゲーション装置10が目的地に運転者を案内する手順を示すフローチャート図の一例である。なお、図16の説明では図8との相違を主に説明する。
【0108】
ステップS10で駐車場に到達したと判断されると、進入判断部32は急停車があったか否かを判断する(S16-1)。急停車があった場合、処理はステップS40に進み駐車場利用不可情報が道路地図サーバ50に送信される。
【0109】
また、ステップS30で立入禁止部材60がないと判断された場合、進入判断部32は位置情報に基づいて目的地を通過したか否かを判断する(S16-2)。車両8の位置情報の誤差を考慮して、例えば目的地を数十メートル以上、通過した場合に目的地を通過したと判断する。目的地を通過するまでの間、処理はステップS20に戻る。目的地を通過した場合、処理はステップS40に進み駐車場利用不可情報が道路地図サーバ50に送信される。以降の処理は実施例1と同様でよい。
【0110】
このように自動運転で目的地まで移動する場合、より多様な判断方法で駐車場に駐車できないことを判断できる。
【0111】
また、ステップS70で再設定された目的地に向けて自動運転装置70が経路案内を開始してから代替目的地に駐車するまでの間に駐車場が検出された場合は、該駐車場に駐車してよい。駐車場の検出には図7のような「P」と記載された看板を画像認識などで検出する。更に、目的施設のロゴや商標を検出することも有効である。この場合、該駐車場の目的施設からの距離が閾値内であること等を条件にしてよい。
【0112】
<マニュアル運転との相違2>
自動運転することができる場合、道路地図に目的地までの経路がなくても運転者がおよその経路を指示することで目的地まで到達できる可能性がある。したがって、目的地の再設定の際の自由度が増す。
【0113】
図17は目的地が再設定される際にナビゲーション装置10のディスプレイに表示される目的地再設定画面331の一例を示す。道路地図の更新が間に合わないため、図17の電子地図には車両8の現在地241から目的地242までの経路が道路地図には反映されていない。しかし、車両8の近くの看板などで駐車場の位置が案内されている場合、運転者が目的地242と経路243を指示することで、自動運転装置70が目的地242まで自動運転できる。経路の指示方法としては運転者が指Hで経路243に沿ってなぞればよい。この経路243は正確でなくてもよい。自動運転装置70が状況を把握した結果に応じて障害物を避けながら走行するためである。
【0114】
このように、自動運転装置70が自動運転する場合、目的地の再設定の自由度が増す可能性がある。
【0115】
<まとめ>
以上説明したように、本実施例のナビゲーション装置10によれば、車両が自動運転により駐車できない駐車場まで移動した場合でも、運転者による介在なく(又は最小限の介在で)、別の駐車場を再設定して移動することができる。
【0116】
<その他の好適な適用例>
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の変形及び置換を加えることができる。
【0117】
例えば、駐車できないと判断された駐車場と同じ駐車場が再設定されてもよい。これは例えば、駐車場の位置には変更がないが入り口が変更されている場合、進入判断部32が立入禁止部材60を誤って検出した場合などに有効になる。この場合にはユーザが介在して地図から同じ駐車場を再度、目的地に設定する。
【0118】
また、図5などの構成例は、ナビゲーション装置10、及び道路地図サーバ50の処理の理解を容易にするために、主な機能に応じて分割したものである。処理単位の分割の仕方や名称によって本願発明が制限されることはない。また、ナビゲーション装置10、及び道路地図サーバ50の処理は、処理内容に応じて更に多くの処理単位に分割することもできる。また、1つの処理単位が更に多くの処理を含むように分割することもできる。
【0119】
なお、GPS受信機13は位置検出手段の一例であり、目的地判断部31は第一の判断手段の一例であり、進入判断部32は第二の判断手段の一例であり、目的地設定部34は目的地設定手段の一例であり、駐車場情報送信部39は送信手段の一例であり、目的地問い合わせ部38は問い合わせ手段の一例であり、代替目的地送信部36は駐車位置送信手段の一例であり、表示部/操作受付部37は受付手段の一例であり、文字認識部33は認識手段の一例である。
【符号の説明】
【0120】
7 車載システム
8 車両
10 ナビゲーション装置
50 道路地図サーバ
70 自動運転装置
100 目的地案内システム
図1
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