IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社ジャパンディスプレイの特許一覧

<>
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図1
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図2
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図3
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図4
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図5
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図6
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図7
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図8
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図9
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図10
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図11
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図12
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図13
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図14
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図15
  • 特許-タッチパネル付き表示装置 図16
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】タッチパネル付き表示装置
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20220328BHJP
   G06F 3/044 20060101ALI20220328BHJP
   G09F 9/00 20060101ALI20220328BHJP
   G02F 1/1345 20060101ALI20220328BHJP
   G02F 1/1333 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G06F3/041 430
G06F3/041 412
G06F3/041 422
G06F3/044 124
G09F9/00 366A
G02F1/1345
G02F1/1333
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2017218360
(22)【出願日】2017-11-13
(65)【公開番号】P2019091159
(43)【公開日】2019-06-13
【審査請求日】2020-10-08
(73)【特許権者】
【識別番号】502356528
【氏名又は名称】株式会社ジャパンディスプレイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】青木 義典
(72)【発明者】
【氏名】阿部 裕行
【審査官】円子 英紀
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-164752(JP,A)
【文献】国際公開第2016/136272(WO,A1)
【文献】特開2016-197402(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第107247921(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
G06F 3/044
G09F 9/00
G02F 1/1345
G02F 1/1333
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示領域内にマトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、
前記表示領域を囲む周辺領域に配置された電極ドライバと、
前記電極ドライバと前記複数のセンサ電極とを接続するための複数の配線と、
を備えたタッチパネル付き表示装置であって、
前記複数のセンサ電極は第1センサ電極と第2センサ電極とを含み、
前記複数の配線は前記第1センサ電極に接続される第1配線と、前記第2センサ電極に接続される第2配線と、を含み、
前記第2配線は前記電極ドライバが位置する端子方向とは逆の方向に引き出される複数の第1引出配線部と、前記端子方向に引き出される第2引出配線部と、を含み、
前記第1配線は前記端子方向に引き出される第2引出配線部を含み、
前記複数の第1引出配線部は連結部を介して互いに接続され
前記第2配線の前記第2引出配線部は前記複数の前記第1引出配線部の少なくとも1本を介して前記連結部に接続され、
前記第2配線の前記第2引出配線部は第1コンタクトを介して前記第2センサ電極に接続されており、
前記第2配線の前記複数の第1引出配線部は、前記第1コンタクトを介して前記第2センサ電極に接続される第1線と、複数の第2コンタクトを夫々介して前記第2センサ電極に接続される複数の第2線と、を含むタッチパネル付き表示装置。
【請求項2】
前記連結部は前記周辺領域に形成され
前記連結部及び前記複数の第1引出配線部は前記電極ドライバに接続される請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項3】
前記連結部は前記周辺領域に形成され、
前記第1線は前記第2配線の前記第2引出配線部を介して前記電極ドライバに接続され、前記複数の第2線は前記連結部、前記第1線、及び前記第2配線の前記第2引出配線部を介して前記電極ドライバに接続される請求項1記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項4】
前記第1センサ電極と前記第2センサ電極は形状又は面積が異なり、
前記第2センサ電極において、前記第1コンタクトの数と前記複数の第2コンタクトの数は異なる請求項1乃至請求項3のいずれか一項記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項5】
前記表示領域は少なくとも2個の角部が丸められた矩形領域であり、
前記第2センサ電極は前記表示領域の丸められた角部に配置され、前記第2センサ電極の形状は該角部に対応する角部が丸められている形状であり、
前記第2センサ電極において、前記複数の第2コンタクトのうち少なくとも1つと前記第1コンタクトとは、第1方向に間隔を置いて並び、
前記第1センサ電極と前記第2センサ電極は前記第1方向に交差する第2方向に間隔を置いて並ぶ、請求項1乃至請求項のいずれか一項記載のタッチパネル付き表示装置。
【請求項6】
前記第2配線の前記複数の第1引出配線部は互いに平行であり、
前記第2配線の前記複数の第1引出配線部の中の1つの第1引出配線部と前記第2引出配線部は、同一直線上に配置される、請求項5記載のタッチパネル付き表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態はタッチパネル付き表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スマートフォン、タブレットパーソナルコンピュータ又はノート型パーソナルコンピュータ等の携帯端末が普及している。このような携帯端末はタッチパネル付き表示装置を備えることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-102454号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
タッチパネル付き表示装置はタッチ検出のためのセンサ電極が必要である。センサ電極にはドライバからの配線が接続される。センサ電極の形状によっては、配線が接続できないことがある。
本発明の目的はセンサ電極の形状によらずセンサ電極に配線を接続することができるタッチパネル付き表示装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態によれば、タッチパネル付き表示装置は、表示領域内にマトリクス状に配置された複数のセンサ電極と、表示領域を囲む周辺領域に配置された電極ドライバと、電極ドライバと複数のセンサ電極とを接続するための複数の配線とを備える。
【0006】
複数のセンサ電極は第1センサ電極と第2センサ電極とを含む。複数の配線は第1センサ電極に接続される第1配線と、第2センサ電極に接続される第2配線と、を含む。第2配線は電極ドライバが位置する端子方向とは逆の方向に引き出される複数の第1引出配線部と、端子方向に引き出される第2引出配線部と、を含む。第1配線は端子方向に引き出される第2引出配線部を含む。複数の第1引出配線部は連結部を介して互いに接続されている。第2配線の第2引出配線部は複数の第1引出配線部の少なくとも1本を介して連結部に接続されている。第2配線の第2引出配線部は第1コンタクトを介して第2センサ電極に接続されている。第2配線の複数の第1引出配線部は第1コンタクトを介して第2センサ電極に接続される第1線と、複数の第2コンタクトを夫々介して第2センサ電極に接続される複数の第2線と、を含む
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1図1は実施形態のタッチパネル付き表示装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は表示パネルの構成の一例を示す概略断面図である。
図3図3は画素の等価回路の一例を示す。
図4図4は第1実施形態の表示のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図5図5は第1実施形態のタッチ検出のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図6図6図5の一部拡大図の一例である。
図7図7(a)は図6のセンサ電極COM(8,4)の拡大図、図7(b)は図6のセンサ電極COM(1,1)の拡大図である。
図8図8は第2実施形態のタッチ検出のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図9図9は第3実施形態のタッチ検出のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図10図10(a)は第3実施形態のセンサ電極COM(8,6)の一例の拡大図、図10(b)は図10(a)のB-B´線に沿った断面図である。
図11図11(a)は第3実施形態のセンサ電極COM(8,6)の他の例の拡大図、図11(b)は図11(a)のB-B´線に沿った断面図である。
図12図12は第4実施形態のタッチ検出のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図13図13は第5実施形態のタッチ検出のためのドライバと表示パネルとの接続例を示す。
図14図14(a)、図14(b)は第1、第3及び第4実施形態における周辺領域の配線接続例を示す。
図15図15図14(b)を拡大して示す。
図16図16(a)は図15のA-A´線に沿った断面図であり、図16(b)は図15のB-B´線に沿った断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、実施の形態について図面を参照して説明する。開示はあくまで一例にすぎず、以下の実施形態に記載した内容により発明が限定されるものではない。当業者が容易に想到し得る変形は、当然に開示の範囲に含まれる。いくつかの要素に複数の呼称を付しているが、これら呼称の例はあくまで例示であり、これらの要素に他の呼称を付すことを否定するものではない。また、複数の呼称が付されていない要素についても、他の呼称を付すことを否定するものではない。説明をより明確にするため、図面において、各部分のサイズ、厚み、平面寸法又は形状等を実際の実施態様に対して変更して模式的に表す場合もある。また、図面相互間において互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれることもある。複数の図面において、対応する要素には同じ参照数字を付して詳細な説明を省略する場合もある。
【0009】
タッチパネル付き表示装置は、表示装置とタッチ検出機能を実現するタッチパネルが別々に製造され、表示装置の画面にタッチパネルが貼り付けられるオンセルタイプ(外付けタイプとも称する)と、表示装置とタッチパネルが一体化されているインセルタイプ(内蔵タイプとも称する)を含む。インセルタイプの表示装置は、タッチ検出機能を有する部品の一部若しくは全部が表示機能を有する部品の一部若しくは全部と兼用される装置、又はタッチ検出機能を有する部品と表示機能を有する部品が互いに兼用されない装置を含む。インセルタイプの表示装置では、例えばカラーフィルタと偏光板の間にセンサ電極が形成され、TFT基板上に形成される表示のための共通電極がタッチ検出のための駆動電極としても使用されることがある。インセルタイプの表示装置については、外付けタッチパネルが無いので、全体が薄型・軽量化するとともに、表示の視認性も向上する。実施形態はインセルタイプの表示装置を説明するが、本発明はオンセルタイプの表示装置にも適用可能である。
【0010】
タッチ検出方式には光学式、抵抗式、静電容量方式又は電磁誘導方式等の種々の方式がある。静電容量方式は一対の電極(駆動電極とセンサ電極と称する)間の静電容量が物体の近接又は接触により変化することを利用する検出方式であり、比較的単純な構造であることと、消費電力が少ない利点がある。実施形態として、静電容量方式のタッチパネル付きの表示装置を説明する。
静電容量方式は、互いに離間した状態で対向配置された駆動電極とセンサ電極の間の静電容量を検出する相互容量方式(Mutual Capacitive Sensing)及び一つのセンサ電極と例えば接地電位等の基準電位との間の静電容量を検出する自己容量方式(Self Capacitive Sensing)を含む。タッチ検出機能を有する表示装置は入力装置の一態様であり、指又はタッチペン等の物体がタッチ面に近づく又は接触すると入力信号を検出しタッチ位置を算出する。タッチ位置はタッチ面の入力信号を検出した点の座標である。
【0011】
本明細書において、接触状態は物体が表示面に接触した状態又は接触と見なすことができる距離まで表示面に近接した状態を意味する。このため、非接触状態は物体が表示面に接触していない状態又は接触と見なすことができる距離まで表示面に近接していない状態を意味する。物体の接触状態を検出することをタッチ検出とも称する。
【0012】
表示装置は液晶表示装置、自発光型の有機EL表示装置、プラズマディスプレイ表示装置、電気泳動素子等を有する電子ペーパ型の表示装置、MEMS(Micro Electro Mechanical System)を応用した表示装置又はエレクトロクロミズムを応用した表示装置等を利用することができるが、一例として、液晶表示装置を用いた実施形態を説明するが、有機EL表示装置又はプラズマディスプレイ表示装置等を用いた実施形態も可能である。液晶表示装置の表示モードは、表示機能層である液晶層の液晶分子の配向を変化させるための電界の印加方向により大きく2つに分類される。第1は表示装置の厚さ方向(あるいは面外方向)に電界が印加される所謂縦電界モードである。縦電界モードは例えばTN(Twisted Nematic)モードやVA(Vertical Alignment)モード等を含む。第2は表示装置の平面方向(あるいは面内方向)に電界が印加される所謂横電界モードである。横電界モードは例えばIPS(In-Plane Switching:インプレーンスイッチング)モード又はIPSモードの一つであるFFS(Fringe Field Switching:フリンジフィールドスイッチング)モード等を含む。以下で説明する技術は縦電界モード及び横電界モードのいずれにも適用できる。実施形態としては横電界モードの表示装置を説明するが、本発明は縦電界モードの表示装置にも適用可能である。
【0013】
タッチパネル付き液晶表示装置は、例えば、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話端末、ノートブックタイプのパーソナルコンピュータ、車載機器又はゲーム機器等の種々の装置に用いることができる。
[第1実施形態]
[概略構成]
図1は第1実施形態のタッチパネル付き表示装置の電気的な構成の一例を示すブロック図である。表示装置は表示部14とタッチセンサ16を備える表示パネル12を含む。図1では、表示部14とタッチセンサ16とは別体のように示されているが、両者は一体化されてもよい。両者が一体化される場合、表示部14の電極や基板等がタッチセンサ16の電極や基板等に兼用される。表示部14は表示素子として液晶表示素子又は有機EL素子等を用いてもよい。表示部14は表示素子を有する複数の画素を備えるとともに、複数の画素に対向する表示面を有する。図示しないホスト装置等から映像信号Vdispがコントローラ18に供給される。コントローラ18は映像信号Vdispに基づいてゲートドライバ22、ソースドライバ24、センサ電極ドライバ26及び検出タイミング制御回路32に制御信号を供給し、表示部14に映像信号Vdispに基づいた表示を行わせる。コントローラ18は表示装置の表示動作及びタッチ検出動作を制御する。
【0014】
ゲートドライバ24は、コントローラ18から供給される制御信号に基づいて、表示部14の表示駆動の対象となる1水平ライン又は複数の水平ラインに走査信号Vscanを順次供給する。これにより、表示駆動の対象となる1水平ライン又は複数の水平ラインが順次選択される。図1では、ゲートドライバ24は表示部14の1水平ラインの一端(左端)の外側に設けられているが、他方の一端(右端)又は左右両端の外側に設けられてもよい。
【0015】
ソースドライブ24は、コントローラ18から供給される制御信号に基づいて、表示部14の各副画素s-PIX(図3参照)に画素信号Vpixを供給する。ソースドライバ24の機能の一部は、表示パネル12に搭載されてもよい。この場合、コントローラ18は画素信号Vpixを生成し、この画素信号Vpixをソースドライバ24に供給してもよい。また、ソースドライブ24の機能の一部はコントローラ18に搭載されてもよい。
【0016】
センサ電極ドライバ26はコントローラ18から供給される制御信号に基づいて表示の際、表示パネル12のセンサ電極COM(図4参照)に表示用の一定の電圧信号である駆動信号Vcomdcを供給するとともに、タッチ検出の際、センサ電極COM(図5参照)に検出用の高周波のパルス信号である駆動信号Vcomを供給する。センサ電極ドライバ26の機能の一部はコントローラ18に搭載されてもよい。コントローラ18は、表示部14により表示を行う表示動作とタッチセンサ16により物体の接触状態を検出するタッチ検出動作とを時分割で行う。
【0017】
タッチセンサ16は公知の自己容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいてタッチ検出を行うことができる。タッチセンサ16は公知の自己容量方式による検出信号Vdet2を検出部34に出力する。また、タッチセンサ16は相互容量方式によるタッチ検出の基本原理に基づいてタッチ検出を行うこともできる。タッチセンサ16は相互容量方式による検出信号Vdet1を検出部34に出力する。タッチセンサ16は自己容量式、相互容量式のいずれかの方式を用いてもよいし、期間的に両方式を切替えて両方式を併用してもよい。
【0018】
検出部34は、コントローラ18から供給される制御信号と相互容量方式のタッチ検出を行うタッチセンサ16から出力される検出信号Vdet1とに基づいて、表示パネル12の表示面への物体の接触状態を検出する。検出部34は、コントローラ18から供給される制御信号と、自己容量方式のタッチ検出を行うタッチセンサ16から出力される検出信号Vdet2とに基づいて、表示パネル12の表示面への物体の接触状態を検出する。検出部34は検出信号Vdet1、Vdet2のいずれかに基づいて物体の接触状態を検出してもよいし、両検出信号Vdet1、Vdet2に基づいて物体の接触状態を検出してもよい。検出部34は接触状態を検出した場合、表示面上の物体の接触位置の座標などを求める。
【0019】
タッチ検出の原理を簡単に説明する。相互容量方式のセンサは誘電体を挟んで互いに対向配置された駆動電極とセンサ電極により形成される。駆動電極に駆動パルスVcomを加えると、駆動電極とセンサ電極の間に電界が発生し、電界に応じた信号が発生する。物体の接触状態時はセンサ電極と物体の間で電界が発生するため、電極間の電界は減少し、発生する信号の振幅は減少する。この動作を駆動パルスの間繰り返し、発生する信号の振幅に基づき物体の接触状態が検出される。
【0020】
自己容量方式のセンサはセンサ電極からなる。非接触時にセンサ電極には寄生容量が発生している。物体の接触状態時はセンサ電極と物体の間に静電容量が発生し、センサ電極の容量は増加する。センサ電極に駆動パルスVcomを加えると、センサ電極は充電と放電を繰り返し、センサ電極の容量の差により充放電特性が接触状態と非接触状態とで異なる。この動作を駆動パルスの間繰り返し、充放電特性に基づいて物体の接触状態が検出される。
【0021】
検出部34は、アナログフロントエンド部(以下、AFEと称する)36と信号処理回路42と位置検出回路44と検出タイミング制御回路32とを備える。AFE36は増幅器38とアナログ/デジタル変換器40(以下A/D変換器)を含む。AFE36は検出信号Vdet1、Vdet2をデジタル信号に変換して信号処理回路42に出力するアナログ信号処理回路である。検出タイミング制御回路32はコントローラ18から供給される制御信号に基づいて、A/D変換器40と信号処理回路42と位置検出回路44とを同期して動作するように制御する。
【0022】
タッチ検出において、増幅器38はタッチセンサ16から供給された検出信号Vdet1を増幅する。A/D変換器40は駆動信号Vcomに同期したタイミングで増幅器38から出力されるアナログ信号をそれぞれサンプリングしてデジタル信号に変換する。
【0023】
信号処理回路42はA/D変換器40の出力信号に基づいて表示パネル12に対するタッチの有無を検出する論理回路である。信号処理回路42は、指又はスライラスペン等の物体の有無による検出信号を所定のしきい値電圧と比較し、比較結果に応じて物体が非接触状態である又は接触状態であると判断する。
【0024】
位置検出回路44は信号処理回路42において接触状態であることが検出されたとき、表示パネル12の表示面上の座標を求める論理回路である。位置検出回路44は座標を出力信号Voutとして出力する。位置検出回路44は出力信号Voutをコントローラ18に出力してもよい。コントローラ18は出力信号Voutに基づいて所定の表示動作又は検出動作を実行することができる。
【0025】
検出部34の増幅器38、A/D変換器40、信号処理回路42、位置検出回路44及び検出タイミング制御回路32は、表示パネル12に搭載されてもよい。ただし、これに限定されず、検出部34の全部又は一部の機能は外部の制御基板又はプロセッサ等に搭載されてもよい。例えば、位置検出回路44は表示パネル12とは別の外部プロセッサに搭載されてもよい。この場合、検出部34は信号処理回路42が信号処理した信号を出力信号Voutとして出力してもよい。あるいは、AFE38は表示パネル12に搭載され、信号処理回路42及び位置検出回路44は外部プロセッサに搭載されてもよい。この場合、検出部34はA/D変換器40が信号処理したデジタル信号を出力信号Voutとして出力してもよい。
【0026】
図2は表示パネル12の構成の一例を示す概略断面図である。表示パネル12は、第1基板52と、第1基板52に対向配置された第2基板54と、第1基板52と第2基板54との間に配置された液晶層56とを備える。第2基板54は第1基板52の表面に垂直な方向に対向して配置される。後述するように、第1基板52には画素電極64が2次元アレイ状(マトリクス状とも称する)に配置されるので、第1基板52は画素基板又はアレイ基板とも称する。第2基板54は対向基板とも称する。表示パネル12は第2基板54側から観察される。このため、第2基板54は上側基板、第1基板52は下側基板と称することもある。
【0027】
第1基板52は、ガラス基板又は樹脂基板等の透明な第1基材62と、複数の画素電極64と、複数のセンサ電極COMと、偏光板66Bとを備える。画素電極64、センサ電極COMは透光性(光透過性)の導電性材料、例えばITO(Indium Tin Oxide)からなる。透光性の導電性材料としては、ITO以外にも、例えばインジウム(In)、スズ(Sn)及び亜鉛(Zn)のそれぞれの酸化物の中の少なくとも1種類から形成される酸化物導電膜を用いることができる。図2では図示省略するが、ゲートドライバ22に含まれるゲートスキャナ等の回路、TFT(Thin Film Transistor)等のスイッチング素子、走査線又は信号線等の各種配線は第1基材62に設けられる。
【0028】
複数の画素電極64と複数のセンサ電極COMは第1基材62上にマトリクス状に設けられる。複数の画素電極64は絶縁層68を介してセンサ電極COMの上部に設けられる。このように、画素電極64は平面視ではセンサ電極COMと重なって配置されるが、画素電極64はセンサ電極COMとは異なる層に設けられる。画素電極64とセンサ電極COMは1対1ではなく、複数の画素電極64が一つのセンサ電極COMに対応していてもよい。図2では、画素電極64はセンサ電極COMの上側に設けられるが、これに限らず、センサ電極COMを画素電極64の上側に設けてもよい。すなわち、画素電極64とセンサ電極COMは絶縁層68を挟んで第1基材62の表面に垂直な方向に隔離して設けられていればよく、どちらが上でもよい。
【0029】
第1基板52の表面に垂直な方向(Z方向とも称する)において、第1基板52から第2基板54に向かう向きを上向き、第2基板54から第1基板52に向かう向きを下向きと称する。すなわち、第2基板54は第1基板52の上にある。平面視とは、第1基板52の表面に垂直な方向で上から見ることを意味する。偏光板66Bは第1基材62のセンサ電極COMとは反対側の下面に設けられる。
【0030】
第2基板54は、ガラス基板又は樹脂基板等の第2基材72と、第2基材72の一方の面に形成されたカラーフィルタ74と、第2基材72の他方の面に形成された偏光板66Aとを備える。カラーフィルタ74は第1基板52に垂直な方向において液晶層56と対向する。カラーフィルタ74は第1基材62の上に配置してもよい。
【0031】
第1基板52と第2基板54とは所定の間隔を空けて対向して配置され、その間に液晶層56が設けられる。液晶層56は通過する光を電界の状態に応じて変調する。
図2では図示を省略するが、液晶層56と第1基板52との間及び液晶層56と第2基板54との間にそれぞれ配向膜が配置される。第1基板52の下には照明部(バックライト)が設けられる。照明部は、例えばLED等の光源を備え、光源からの光を第1基板52に向けて照射する。光源からの光は第1基板52を通過し、各画素に対応する液晶層56の部分の状態に応じて変調され、表示面への光透過状態は画素によって異なる。これにより、表示面に画像が表示される。
【0032】
図3は表示部14の画素の等価回路の一例を示す。表示部14はマトリクス状に配列された複数の副画素s-PIXを有する。副画素s-PIXはそれぞれスイッチング素子Trと液晶素子56aを備える。スイッチング素子Trは薄膜トランジスタにより構成され、例えばnチャネルのMOS(Metal Oxide Semiconductor)型のTFTにより構成される。画素電極64とセンサ電極COMとの間に絶縁層68が設けられ、これらによって保持容量56bが形成される。
【0033】
画素電極64は表示パネル12の各画素PIXを構成する副画素s-PIXに対応している。各副画素s-PIXのスイッチング素子Tr、信号線(ソース線とも称する)S又は走査線(ゲート線とも称する)G等は第1基板52に形成される。信号線S、走査線Gはスイッチング素子Trに電気的に接続される。スイッチング素子Trは信号線Sと走査線Gの交点(電気的には絶縁)に配置される。信号線Sはソースドライバ24から各画素電極64に画素信号Vpixを供給するための配線である。
【0034】
ゲートドライバ22は走査線Gを順次選択する。ゲートドライバ22は走査信号Vscanを選択された走査線Gを介して副画素s-PIXのスイッチング素子Trのゲートに印加する。これにより、副画素s-PIXの中の1行(1水平ライン)が表示駆動の対象として選択される。ソースドライバ24は画素信号Vpixを選択された副画素s-PIXに信号線Sを介して供給する。そして、これらの副画素s-PIXでは供給された画素信号Vpixに応じて1水平ラインずつ表示が行われる。
【0035】
この表示動作を行う際、センサ電極ドライバ26はセンサ電極COMに対して一定の電圧信号である表示用の駆動信号Vcomdcを印加する。表示用の駆動信号Vcomdcは複数の副画素s-PIXに対する共通電位となる電圧信号である。これにより、各センサ電極COMは表示動作において画素電極64に対する共通電極として機能する。信号線Sと走査線Gは第1基材62の表面と平行な平面に設けられる。
【0036】
カラーフィルタ74は例えば赤(R)、緑(G)、青(B)の3色に着色された色領域74R、74G、74Bが周期的に配列されてなる。各副画素s-PIXは一つの色領域74R、74G又は74Bに対応付けられる。画素PIXは3色の色領域74R、74G、74Bに対応する3個の副画素s-PIXから構成される。カラーフィルタ64は3色以上の色領域、例えば白(W)領域を含んでもよい。
【0037】
[センサ電極とコントローラCT(検出ドライバR2)との接続配線]
図4は本実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPの表示のための画素電極とゲートドライバ、ソースドライバとの接続例を示す。図5は本実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPのタッチ検出のためのセンサ電極COMとセンサ電極ドライバ26との接続例を示す。図6図5の各配線群L12の中の8本の配線L1~L8とセンサ電極COMとの接続の詳細の一例を示す。図4の配線(G、S)と図5の配線(L1~L8)は異なる層により形成される。図中において、表示パネルPNLの面を規定する第1方向(X方向と称する)及び第2方向(Y方向と称する)は互いに交差する方向であり、第3方向(Z方向と称する)はX方向及びY方向と交差する方向である。一例では、X方向、Y方向およびZ方向は互いに直交しているが、互いに90度以外の角度で交差してもよい。
【0038】
図4に示すように、表示装置DSPは、表示パネルPNL(図1の表示部14に対応する)と、配線基板Fと、コントローラCTとを備える。IC化されているコントローラCTは配線基板Fに実装されている。配線基板Fはフレキシブル基板等からなり、図示しないホスト装置と表示パネルPNLとを接続する。
【0039】
表示パネルPNLは、第1基板SUB1(図2の第1基板52に対応する)と、第2基板SUB2(図2の第2基板54に対応する)とを備える。図4図5には示さないが、第1基板SUB1と第2基板SUB2との間に液晶層(図2の液晶層56に対応する)が形成される。表示パネルPNLは、画像を表示する表示領域(表示面とも称する)DAと、それ以外の周辺領域SAを有する。表示領域DAは複数の画素PIX(あるいは副画素s-PIX)が配置された領域である。周辺領域SAは第1基板SUB1の外周よりも内側で、かつ表示領域DAよりも外側の領域である。周辺領域SAは表示領域DAを囲む枠状であってもよく、その場合、周辺領域SAは額縁領域とも称する。
【0040】
表示パネルPNLは、表示領域DAにおいて、複数の走査線Gと複数の信号線Sとを備える。複数の走査線Gは、それぞれX方向に沿って延びており、Y方向に間隔をおいて配置される。複数の信号線Sは、それぞれY方向に沿って延びており、X方向に間隔をおいて配置される。表示領域DAはX方向およびY方向に沿って配列された複数の画素PIX(図3参照)を有する。複数の画素PIXはセンサ電極COMに対応する。大部分のセンサ電極COMの平面視形状は一定の形状、例えば正方形又は矩形であるが、後述するように、いくつかのセンサ電極の平面視形状は異形である。一定の形状は図4図5の例では正方形である。アレイ状に配置される図4の破線及び図5の実線の正方形はセンサ電極COMを示す。
【0041】
表示パネルPNLは5個の端部E1、E2、E3、E4、E5を有する。端部E1、E5は表示領域DAに対して同じ側に位置する。端部E2は表示領域DAに対して端部E1の反対側に位置する。端部E4は表示領域DAに対して端部E3の反対側に位置する。端部E1、E2、E5はX方向に沿って延び、端部E3、E4はY方向に沿って延びている。各端部E2、E3、E4において、第1基板SUB1及び第2基板SUB2のそれぞれの縁部は揃っている。端部E1は第1基板SUB1の縁部に相当する。端部E5は第2基板SUB2の縁部に相当する。端部E5は端部E1よりも表示領域DAの側に位置している。表示パネルPNLは、端部E1、E5の間において、第1基板SUB1は第2基板SUB2と対向しない非対向領域NA(あるいは端子領域)を有する。配線基板Fは第1基板SUB1の非対向領域NAに接続される。
【0042】
第1基板SUB1、第2基板SUB2は平面視でほぼ矩形である。第1基板SUB1は端部E1、E3が交差する角部C11と、端部E1、E4が交差する角部C12と、端部E2、E3が交差する角部C13と、端部E2、E4が交差する角部C14とを有する。第2基板SUB2は角部C11の近傍に位置する角部であり端部E5、E3が交差する角部C21と、角部C12の近傍に位置する角部であり端部E5、E4が交差する角部C22と、角部C13と重なる角部であり端部E2、E3が交差する角部C23と、角部C14と重なる角部であり端部E2、E4が交差する角部C24とを有する。表示領域DAは、角部C21の近傍内側に位置する角部C31と、角部C22の近傍内側に位置する角部C32と、角部C23、C13の近傍内側の角部C33と、角部C24、C14の近傍内側の角部C34とを有する。図中の一点鎖線は、表示領域DAの縁部に相当し、この縁部は角部C31、C32、C33、C34を含む。
一般的な表示装置と同様に、第1基板SUB1、第2基板SUB2の形状は、平面視において、矩形であるが、矩形に限らず、正方形等の他の形状でもよいし、角部が円弧状に変形されていてもよいし、一部に凹部、凸部が備えられていてもよい。例えば、第1基板SUB1の配線基板Fに近い端部E1の両端の角部C11、C12と、第2基板SUB2の配線基板Fに近い端部E5の両端の角部C21、C22と、表示領域DAの配線基板Fに近い端部の両端の角部C31、C32はいずれも直角な角部である。第1基板SUB1の配線基板Fに遠い端部E2の両端の角部C13、C14と、第2基板SUB2の配線基板Fに遠い端部E2の両端の角部C23、C24と、表示領域DAの配線基板Fに遠い端部の両端の角部C33、C34はいずれも円弧状であり、ラウンド部と呼ぶことがある。このように第1基板SUB1、第2基板SUB2の形状は、平面視において、下辺の両端の2角部は直角な角部であり、上辺の両端の2角部は円弧状に丸められた角部であるが、上辺の2角部を除くと略矩形である。このラウンド部は必須ではなく、第1基板SUB1、第2基板SUB2の形状は直角な4角部を含む矩形であってもよい。
【0043】
また、電子部品の実装上の理由等により、表示パネルPNLの端部E2の一部に凹部が形成されることがあり、図4図5は凹部98を含む例を示す。しかし、凹部98は本発明に必須ではなく、凹部98を含まない表示パネルの実施形態も本発明に含まれる。図4図5は端部E2の中央に一つの凹部98が形成される例を示すが、凹部98の数は複数でもよいし、形成箇所も中央に限定されない。凹部98は第1基板SUB1、第2基板SUB2に形成される例を示したが、凹部98は第1基板SUB1のみに形成され、第2基板SUB2には凹部98が形成されなくてもよい。
凹部98は第1基板SUB1、第2基板SUB2の外周から表示領域DAに向かって湾曲する形で第1基板SUB1、第2基板SUB2を切り取っている。湾曲部の形状は任意であり、図4の例では矩形である。しかし、これに限らず、半円形でもよいし、三角形、五角形等の多角形でもよいし、アーチ形状でもよいし、矩形や多角形の先端が円弧状になっている形状でもよい。
ラウンド部と凹部98の少なくとも一方が存在する場合、表示パネルPNLの平面視形状は異形と称する。図5を参照して後述するように、ラウンド部が設けられた部分では、センサ電極COMもラウンド部の形状に応じた異形であり、凹部98が設けられた部分では、センサ電極COMも凹部98の形状に応じた異形である。
【0044】
図4に示すように、表示パネルPNLは、周辺領域SAにおいて、各走査線Gが接続された走査線ドライバGD1、GD2(図1のゲートドライバ22に対応する)と、各信号線Sが接続された信号線ドライバSD(図1のソースドライバ24に対応する)とを備える。走査線ドライバGD1は第1基板SUB1の表示領域DAと端部E3との間に配置され、走査線ドライバGD2は第1基板SUB1の表示領域DAと端部E4との間に配置される。走査線ドライバGD1、GD2の一方を省略してもよい。信号線ドライバSDは、第1基板SUB1の表示領域DAと端部E5との間に配置される。
【0045】
走査線ドライバGD1、GD2と、信号線ドライバSDは表示領域DAに沿って配置されるので、走査線ドライバGD1は角部C33の近傍において角部C33と同様に円弧状に曲がった領域に設けられ、角部C34の近傍において走査線ドライバGD2は角部C34と同様に円弧状に曲がった領域に設けられている。信号線ドライバSDは直線状の領域に設けられる。走査線ドライバGD1、GD2は、各走査線Gに対して走査信号Vscanを供給する。信号線ドライバSDは、各信号線Sに対して映像信号Vpixを供給する。あるスイッチング素子Trに対応する走査線Gに走査信号Vscanが供給され、かつこのスイッチング素子Trに接続された信号線Sに映像信号Vpixが供給されると、この映像信号Vpixに応じた電圧が画素電極64(図4には示さないが、図3に示すように共通電極COM内に多数ある)に印加される。一方、センサ電極COMには表示のための駆動信号Vcomdcが印加される。このとき、画素電極64とセンサ電極COMとの間に生じる電界の大きさに応じて、液晶層56に含まれる液晶分子の配向状態は変化する。このような動作により、表示領域DAに画像が表示される。
【0046】
非対向領域NAには端部E1に沿って接続端子Tが設けられている。接続端子Tに配線基板Fの一端が接続されている。配線基板Fの他端はホスト装置に接続される。配線基板Fに実装されているコントローラCT(図1のコントローラ18に対応する)は、走査線ドライバGD1、GD2および信号線ドライバSDを制御する表示ドライバR1(図1のゲートドライバ22及びソースドライバ24に対応する)と、タッチ検出用の検出ドライバR2(図1のセンサ電極ドライバ26及び検出部34に対応する)とを備える。表示ドライバR1と検出ドライバR2はコントローラCTとは別で、それぞれ別パッケージでIC化されていてもよいし、コントローラCTとともに1パッケージでIC化されていてもよい。接続端子Tの中の表示ドライバR1に接続される端子群は配線群L10を介して走査線ドライバGD1、GD2および信号線ドライバSDに接続される。表示ドライバR1および検出ドライバR2の実装態様はこれに限られず、例えば第1基板SUB1に実装されてもよい。また、表示ドライバR1および検出ドライバR2は異なる部材に実装されてもよい。
【0047】
図5に示すように、接続端子Tの中の検出ドライバR2に接続される端子群は配線群L12を介してセンサ電極COMに接続される。端子群を構成する端子の数とセンサ電極COMの数は等しい。図5図6図7を参照してセンサ電極COMと検出ドライバR2との接続例を説明する。複数のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,6)(総称するときはCOMと称する)は第1基板SUB1の表示領域DAにマトリクス状に配置される。言い換えると、複数のセンサ電極COMはX方向に沿って配列されるとともに、複数のセンサ電極COMはY方向に沿っても配列される。ここでは、説明の便宜上、センサ電極COMのマトリクスは8行×6列であるとする。すなわち、Y方向に8行のセンサ電極COMが配列され、X方向に6列のセンサ電極COMが配列される。各センサ電極COMはマトリクス配置された複数の副画素s-PIXに対応する。
【0048】
大部分のセンサ電極COMの平面視形状は一定の形状、図5図6の例では正方形であるが、表示領域DAの角部C33に対応するセンサ電極COM(1,1)の形状は基板の形状に対応して正方形の一部(左上角部)が角部C33の形状に応じて丸められている異形である。センサ電極COMはマトリクス配置された多数の副画素に対応するので、実際には正方形の一部が副画素単位で階段状に欠けるが、図5図6では説明の便宜上角部が円弧状に丸められているセンサ電極COMを示す。表示領域DAの角部C34に対応するセンサ電極COM(1,6)の形状は正方形の一部(右上角部)が角部C34の形状に応じて円弧状に丸められた形状である。さらに、凹部98の両側のセンサ電極COM(1,3)とセンサ電極COM(1,4)は他のセンサ電極COMよりも幅が狭い縦長の矩形状である。凹部98の先端の左側のセンサ電極COM(2,3)の形状は正方形の一部(右上)が矩形的に欠けている形状である。凹部98の先端の右側のセンサ電極COM(2,4)の形状は正方形の一部(左上)が矩形的に欠けている形状である。これらのセンサ電極COM(1,1)、COM(1,3)、COM(1,4)、COM(1,6)、COM(2,3)、COM(2,4)の形状は正方形とは異なる異形である。異形のセンサ電極COMは他のセンサ電極に比べて面積が小さい。後述するように、面積が小さいセンサ電極は十分な数の配線とのコンタクトを確保できないこともある。凹部98の先端が丸められている場合は、センサ電極COM(2,3)の形状は正方形の一部(右上)が内側に向かって円弧状に湾曲している形状であり、センサ電極COM(2,4)の形状は正方形の一部(左上)が内側に向かって円弧状に湾曲している形状である。
【0049】
検出ドライバR2は各センサ電極COMに接続される端子を備え、タッチ検出期間にこれらの端子から配線群L12を介してセンサ電極ドライバ26からの検出用の駆動電圧Vcomを各センサ電極COMに供給する。また、タッチ検出期間に各センサ電極COMから出力される検出信号Vdet1、Vdet2はこれらの端子を介して検出ドライバR2内の検出部34に入力される。
【0050】
図6に示すように、マトリクス状に配列されたセンサ電極COMは列毎にグループ化される。言い換えると、Y方向に沿って一次元的に配列された8個のセンサ電極COM(1,n)~COM(8,n)(n=1~6の整数)は1グループを構成する。センサ電極グループCOM(1,n)~COM(8,n)は配線群L12を介して検出ドライバR2の端子に接続される。
【0051】
各配線群L12は8個のセンサ電極COMにそれぞれ接続される8本の配線L1~L8を含む。配線L1~L8はセンサ電極COM上に配置される本体部と、本体部と一体であり周辺領域SAに引き出される引出配線部とを含む。以下、本体部を配線L1~L8と称することもある。引出配線部は、1行目のセンサ電極COM(1,1)~COM(1,6)から検出ドライバR2とは反対側の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部と、8行目のセンサ電極COM(8,1)~COM(8,6)から検出ドライバR2側の周辺領域SAに引き出される第2引出配線部とを含む。各配線群L12において、配線L1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に接続される配線であり、配線L2は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に接続される配線であり、配線L3は配線基板Fから3番目に遠いセンサ電極COM(3,n)に接続される配線であり、以下同様に、配線L8は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に接続される配線である。すなわち、配線L1は最も長く、次いで配線L2、L3、…の順に長く、L8は最も短い。
【0052】
接続端子Tの中の検出ドライバR2に接続される端子群はセンサ電極COMにそれぞれ対応するセンサ電極COMと等しい数の端子t~t48を備える。端子tは接続群の中で最も左に位置し、端子t48は最も右に位置し、端子t~端子t47は端子tと端子t48の間にこの順番で左から右に位置する。端子t~t48も列毎のセンサ電極COMグループに対応してグループ化されている。例えば、端子t~tからなる端子グループTはセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループに対応し、端子t~t16からなる端子グループTはセンサ電極COM(1,2)~COM(8,2)グループに対応し、以下同様に端子t42~t48からなる端子グループTはセンサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループに対応する。
【0053】
各端子グループT内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8それぞれはセンサ電極グループの各センサ電極COM(1,n)~COM(8,n)に対応している。この対応関係(マッピングとも称する)は検出ドライバR2により決まっている。この対応関係に応じて各端子グループT内の8個の端子t8(n-1)+1~端子t8(n-1)+8とセンサ電極グループ内の各センサ電極COM(1,n)~COM(8,n)に接続される配線L1~L8との接続は決まる。
【0054】
マッピングのいくつかの例を説明する。
第1のマッピングでは、
各端子グループT内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応し、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に対応し、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線基板Fから3番目に遠いセンサ電極COM(3,n)に対応し、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線基板Fから4番目に遠いセンサ電極COM(4,n)に対応し、
左から5番目の端子t8(n-1)+5は配線基板Fから5番目に遠いセンサ電極COM(5,n)に対応し、
左から6番目の端子t8(n-1)+6は配線基板Fから6番目に遠いセンサ電極COM(6,n)に対応し、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fから7番目に遠いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線基板Fから8番目に遠い(配線基板Fに最も近い)センサ電極COM(8,n)に対応する。
【0055】
第1のマッピング例とは逆の対応関係を規定する第2マッピングでは、
各端子グループT内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線基板Fに3番目に近いセンサ電極COM(6,n)に対応し、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線基板Fに4番目に近いセンサ電極COM(5,n)に対応し、
左から5番目の端子t8(n-1)+5は配線基板Fに5番目に近いセンサ電極COM(4,n)に対応し、
左から6番目の端子t8(n-1)+6は配線基板Fに6番目に近いセンサ電極COM(3,n)に対応し、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fに7番目に近いセンサ電極COM(2,n)に対応し、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに8番目に近い(配線基板Fから最も遠い)センサ電極COM(1,n)に対応する。
【0056】
上記の2例は、端子の位置が左から右へ変化するにつれてセンサ電極の位置が遠から近又は近から遠へ一様に変化するように対応づけられている例であるが、端子の位置が右から左へ変化するにつれてセンサ電極の位置が遠から近へ交互に(例えば、第2遠、第2近、第3遠、第3近、…等)変化する第3マッピング例もある。第3マッピングについては図13を参照して第5実施形態で説明する。
【0057】
第1実施形態では、検出ドライバR2の端子とセンサ電極との対応関係は第1マッピングであるとする。このため、
各端子グループ内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に接続される配線L1に接続され、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に接続される配線L2に接続され、以下同様に、
左から7番目の端子8(n-1)+7は配線基板Fから7番目に遠いセンサ電極COM(7,n)に接続される配線L7に接続され、
左から8番目(最も右)の端子8(n-1)+8は配線基板Fから8番目に遠い(配線基板Fに最も近い)センサ電極COM(8,n)に接続される配線L8に接続される。
【0058】
これにより、凹部98にある左から4列目のセンサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループ以外については、配線L1は端子t8(n-1)+1に接続されるので、各配線群L12の中の最も左に位置し、配線L8は端子t8(n-1)+8に接続されるので、各配線群L12の中の最も右に位置する。配線L1とL8の間に、配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)及び端子t8(n-1)+2に接続される配線L2、配線基板Fから3番目に遠いセンサ電極COM(3,n)及び端子t8(n-1)+3に接続されるL3、…センサ電極COM(7,n)及び端子t8(n-1)+7に接続されるL7がこの順番に位置する。各配線L1~L8は各センサ電極COM(1,n)~(8,n)と所定数(図6の例では6個)のコンタクト(図中、黒点)を介して接続される。
【0059】
図7(a)はセンサ電極COM(8,4)の拡大平面図、図7(b)はセンサ電極COM(1,1)の拡大平面図である。後述する理由により、センサ電極COM(8,4)から検出ドライバR2(端子群)側の周辺領域SAに引き出される配線L1~L8の第2引出配線部は、図7(a)に示すように途中でコンタクトホール(図7の白丸)を介して他の層の配線に接続され、2個の層の配線を介して端子群Tに接続される。第2引出配線部の中のセンサ電極COM(8,4)からコンタクトホールまでの部分を第2A引出配線部L12a~L82aと称し、コンタクトホールから端子群Tまでの部分を第2B引出配線部L12b~L82bと称する。左から4列目のセンサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについては、凹部98の影響により配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,4)は左側が欠けている。このため、センサ電極COM(1,4)に接続される配線L1は配線群L12の中の最も右に配置される。各端子グループTを構成する8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応しているので、配線L1の配線基板F側の第2A引出配線部L12aの端部は周辺領域SA内でX方向に沿って延びているブリッジ配線Br1を介して検出ドライバR2の端子t25(センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループに対応する端子グループTを構成する8個の端子の中の最も左の端子)からY方向に沿って延びている配線L1の第2B引出配線部L12bに接続される。これにより、配線基板F側の周辺領域SAで配線L1の位置を最も右から最も左に入れ替えることができ、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループに対応する端子グループTを構成する8個の端子の中の最も左の端子t25と配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,4)とを配線L1により接続することができる。すなわち、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについての配線L1~L8の配置は、表示領域DA内では左から順番に配線L2、L3~L8、L1である。配線L2、L3~L8はそれぞれセンサ電極COM(2,4)、COM(3,4)~COM(8,4)と接続され、配線L1はセンサ電極COM(1,4)と接続される。各センサ電極に形成される6個のコンタクトのY方向の位置は揃っていてもよい。
ブリッジ配線Brは第2B引出配線部L22b~L82bと交差するので、第2B引出配線部L12b~L82bが形成される層と異なる層に形成される場合がある。例えば、図7(a)の場合、配線L1~L8、第2A引出配線部L12a~L82a、ブリッジ配線Brを同じ金属層で形成し、第2B引出配線部L12b~L82bを他の金属層により形成してもよいし、第2A引出配線部L12a~L82a及び第2B引出配線部L12b~L82bを同じ金属層により形成してもよいし、配線L1~L8とブリッジ配線Brを他の金属層により形成してもよい。表示装置の層構造は第2実施形態に関して詳細に説明するが、後述する図15及び図16に示すように、第1基板SUB1(図2)は多数の層からなる。例えば基材の上にポリシリコン層からなる半導体層が形成され、半導体層の上に無機膜からなる絶縁層を介して例えばモリブデンタングステン合金(MoW)からなる走査線層(ゲート線層とも称する)が形成される。走査線層の上に無機膜からなる絶縁層を介して例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)からなる信号線層(ソース線層とも称する)が形成される。信号線層の上に有機膜からなる第1絶縁層(第1HRC層)を介して例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)層からなる金属配線層が形成されることがある。走査線層を第1金属層、信号線層を第2金属層、信号線層の上のTiN/Ti/AL/Ti層からなる金属配線層を第3金属層と称することもある。第3金属層の上に有機膜からなる第2絶縁層(第2HRC層)を介して第1ITO層が形成される。また、第2HRC層は無機膜であっても良い。表示領域DAにおいて、第3金属層の金属配線は配線L1~L8を形成し、第1ITO層はセンサ電極COMを形成する。第1ITO層の上に例えば窒化ケイ素(SiNx)からなる絶縁層を介して第2ITO層が形成される。第2ITO層は画素電極64(図2)を形成する。配線L1~L8はそれぞれ第2HRC層に形成されたコンタクトホールを介してセンサ電極COMに接続されている。
例えば、ブリッジ配線Brを第1HRC層の下層、例えば第2金属層又は第1金属層により形成してもよいし、第3金属層により形成してもよい。さらに、ブリッジ配線Brを第2HRC層の絶縁像の上層の第1ITO又は第2ITOを用いて形成してもよい。
ブリッジ配線Brを用いて配置を入れ替える配線の数は1に限定されない。例えば、凹部の深さ(Y方向の長さ)が深く、検出ドライバR2の端子t26に接続されY方向に延びる配線がセンサ電極COM(2,4)と十分な数のコンタクトを形成できない場合、センサ電極COM(2,4)に接続される配線L2も配線群L12の中の右から2番目、すなわち配線L1の左に配置し、配線L2の配線基板F側の第2A引出配線部L22aの端部を周辺領域SA内でX方向に沿って延びている第2のブリッジ配線を介して検出ドライバR2の端子t26からY方向に沿って延びている配線L2の第2B引出配線部L22bと接続してもよい。
【0060】
最も左列のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループについては、表示領域DAのラウンド部C33の形状に応じて配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,1)は左上角部が丸められている。このため、検出ドライバR2の端子t(端子グループT内の最も左の端子)に接続されY方向に延びる配線L1がセンサ電極COM(1,1)と十分な数のコンタクトを形成できない場合がある。図6の例では1つしかコンタクトc1を形成できない。なお、センサ電極COM(1,1)のラウンド形状によってはY方向に延出する配線L1と全くコンタクトを形成できない場合もある。そのため、センサ電極COM(1,1)では配線L1とは別の箇所でコンタクトc2~c6が形成される。
【0061】
図7(b)に示すように、コンタクトc1に接続される配線L1は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L1eを含む。最も左列のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループの中のラウンド部C33に対応するセンサ電極COM(1,1)以外のセンサ電極COM(2,1)~COM(8,1)について、配線L2~L8はセンサ電極COM(2,1)~COM(8,1)とのコンタクトの箇所を含むそれぞれの配線が接続されるセンサ電極COM(2,1)~COM(8,1)までしか形成されず、検出ドライバR2と反対側に隣接する他のセンサ電極に引き出される第1引出配線部は存在しない。他の列のセンサ電極COMグループについての配線L1~L8も同様である。
【0062】
配線L1と平行に副配線L2´が形成され、副配線L2´がコンタクトc2、c3を介してセンサ電極COM(1,1)と接続される。副配線L2´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L2´eを含む。副配線L2´と平行に副配線L3´が形成され、副配線L3´がコンタクトc4、c5、c6を介してセンサ電極COM(1,1)と接続される。副配線L3´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L3´eを含む。
【0063】
第1引出配線部L1e、L2´e、L3´eの先端は周辺領域SAで連結配線Lsにより互いに接続される。これにより、検出ドライバR2の端子t(端子グループT内の最も左の端子)に接続される配線L1はセンサ電極COM(1,1)と6個のコンタクトc1~c6を介して接続される。コンタクトの数は説明の便宜上6個とするが、6個に限定されず、任意の数で良い。コンタクトの数が増えれば、副配線の数を増やせばよい。
【0064】
副配線L2´は検出ドライバR2の端子t(端子グループT内の左から2番目の端子)に接続されY方向に沿って延びている配線L2の延長線上に配線L2とは非接続状態で形成してもよく、副配線L3´は検出ドライバR2の端子t(端子グループT1内の左から3番目の端子)に接続されY方向に沿って延びている配線L3の延長線上に配線L3とは非接続状態で形成してもよい。コンタクトc1、c2、c4はY方向位置が揃っていてもよい。同様に、コンタクトc3、c5はY方向位置が揃っていてもよい。さらに、コンタクトc1~c6は同じ行のセンサ電極グループの他のセンサ電極COM(1,2)~COM(1,6)のコンタクトともY方向位置が揃っていてもよい。
【0065】
なお、凹部98は必須ではなく、凹部98が無い場合は、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについても他のセンサ電極COMグループと同様に、配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,4)に接続される配線L1を第2引出配線部を介して端子グループT内の最も左の端子t25に接続して最も左に位置させ、配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,4)に接続される配線L8を第2引出配線部を介して端子t32に接続して最も右に位置させ、配線L1とL8の間に、配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,4)及び端子t26に接続される配線L2、センサ電極COM(3,4)及び端子t27に接続されるL3、…センサ電極COM(7,n)及び端子t31に接続されるL7をこの順番に位置するように配線すればよい。
【0066】
図6の例は第1マッピングを採用したので、最も左列のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループ及び凹部98の右側である左から4列目のセンサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループが、それらの配線L1~L8の配置が他のセンサ電極COMグループの配線L1~L8の配置と異なる例外グループである。第1実施形態は第2マッピングを採用してもよい。その場合は、最も右列のセンサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループ及び凹部98の左側である左から3列目のセンサ電極COM(1,3)~COM(8,3)グループが例外グループとなる。すなわち、第2マッピングが採用される場合は、図6の配線パターンを左右反転させた配線パターンにより検出ドライバR2とセンサ電極COMとを接続する。
【0067】
第2マッピングを採用し、かつ凹部98が無い表示装置では、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについても他のセンサ電極COMグループと同様に第2マッピングに基づき接続される。この場合、ブリッジ配線Brは不要である。
このように第1実施形態によれば、表示領域DAのラウンド部C33の形状に応じて一部が丸められているため、検出ドライバR2から延びる配線と十分なコンタクトが確保できない異形のセンサ電極COMについては、センサ電極内の検出ドライバR2から延びる配線以外の箇所にもコンタクトを形成する。これらのコンタクトに接続される配線と一体的な引出配線部を検出ドライバR2に向かう方向とは反対の方向の周辺領域SAまで引き出す。これらのコンタクトから引き出された引出配線部を周辺領域SAで互いに接続する。これにより、ラウンド部を有するセンサ電極COMと検出ドライバとのコンタクトを確保することができる。
【0068】
さらに、凹部98に対応して一部が欠けているため、検出ドライバR2から延びる配線と十分なコンタクトを確保できない異形のセンサ電極COMについては、検出ドライバR2とセンサ電極との間の周辺領域SAで配線の配置を入れ替えることにより、センサ電極COMと検出ドライバとのコンタクトを確保することができる。配線の配置を入れ替えるために、センサ電極に接続されY方向に沿って延びている第2A引出配線部L12aと、検出ドライバR2に接続されY方向に沿って延びている第2B引出配線部L12bと、を配線に交差するX方向に沿って延びているブリッジ配線Brを用いて接続する。これにより、凹部によりセンサ電極の一部が欠けていても、センサ電極COMと検出ドライバとを接続することができる。
【0069】
以下、他の実施形態を説明するが、他の実施形態において先に説明した実施形態と同じ構成についての説明は省略する。
[第2実施形態]
図8は第2実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPのタッチ検出のためのセンサ電極COMとセンサ電極ドライバとの接続例を示す。第1実施形態では、表示パネルPNLの平面視形状は上辺の2角の形状は円弧状であるが、下辺の2角部は直角な角部である略矩形の異形であった。第2実施形態としては、4角部とも円弧状に丸められた略矩形の異形である表示パネルPNLを備えるタッチパネル付き表示装置を説明する。図5図6に示す第1実施形態とは異なり、第2実施形態では図8に示すように、上辺の2角部と同じように、第1基板SUB1の配線基板Fに近い端部E1の両端の角部C11、C12、第2基板SUB2の配線基板Fに近い端部E5の両端の角部C21、C22及び表示領域DAの配線基板Fに近い端部の両端の角部C31、C31も円弧状(ラウンド部とも称する)である。図8は上辺の中央部に凹部98を有する例を説明するが、第1実施形態と同様に凹部98は必須ではなく、無くてもよい。
【0070】
第2実施形態の走査線ドライバGD1は、図4に示す第1実施形態の走査線ドライバGD1に対して、角部C31の近傍においても角部C31と同様に円弧状に曲がった領域に設けられる点が異なる。同様に、第2実施形態の走査線ドライバGD2は、図4に示す第1実施形態の走査線ドライバGD2に対して、角部C32の近傍において角部C32と同様に円弧状に曲がった領域に設けられる点が異なる。
【0071】
検出ドライバR2の端子t~t48は第1実施形態と同様に列毎のセンサ電極COMグループに対応してグループ化されている。各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8とセンサ電極グループの各センサ電極COM(1,n)~COM(8,n)とのマッピングは第1実施形態とは異なる。第1実施形態は、全ての検出器グループについて第1マッピング又は第2マッピングを一様に採用したが、第2実施形態は、検出器グループ毎に第1マッピング又は第2マッピングを採用し、全体としては第1マッピング及び第2マッピングを併用する。
【0072】
左から3列目のセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)と、左から6列目(最も右列)のセンサ電極グループCOM(1,6)~COM(8,6)については、第1マッピングが採用される。最も左列のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)と、左から4列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、第2マッピングが採用される。左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)については、第1マッピング及び第2マッピングのいずれが採用されてもよいが、ここでは、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)については第2マッピングが採用され、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)については第1マッピングが採用されるとする。
【0073】
このように、最も左列のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)と、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、左から4列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、第2マッピングが採用されている。そのため、
各端子グループTn内の8個の端子の中の最も左に位置する端子t8(n-1)+1は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に接続される配線L8に接続され、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に接続される配線L7に接続され、以下同様に、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fに7番目に近い遠いセンサ電極COM(2,n)に接続される配線L2に接続され、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに8番目に近い(配線基板Fから最も遠い)センサ電極COM(1,n)に接続される配線L1に接続される。
このため、各センサ電極グループCOM(1,n)~COM(8,n)の配線群L12内では、配線L1は図8の平面視において最も右(端部E4側)に位置し、配線L8は最も左(端部E3側)に位置し、配線L1とL8の間に配線L2、L3、…L7はこの順番に右から左に位置する。
【0074】
左から3列目のセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)と、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)と、左から6列目(最も右列)のセンサ電極グループCOM(1,6)~COM(8,6)については、第1マッピングが採用されている。そのため、
各端子グループTn内の8個の端子の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に接続される配線L1に接続され、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に接続される配線L2に接続され、以下同様に、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fから7番目に遠いセンサ電極COM(7,n)に接続される配線L7に接続され、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線基板Fから8番目に遠い(配線基板Fに最も近い)センサ電極COM(8,n)に接続される配線L8に接続される。
【0075】
このため、各センサ電極グループCOM(1,n)~COM(8,n)の配線群L12では、配線L1は図8の平面視において最も左(端部E3側)に位置し、配線L8は最も右(端部E4側)に位置し、配線L1とL8の間に配線L2、L3、…L7はこの順番に左から右に位置する。
【0076】
第2実施形態によれば、左右対称な位置の異形のセンサ電極を有する検出器グループにおいて、左右でマッピングを異ならせることにより、表示領域DAのラウンド部C33、C34の形状に応じて1角部が丸められているセンサ電極COM(1,1)、COM(1,6)及び凹部98の形状に応じて少なくとも1角部が欠けているセンサ電極COM(1,3)、COM(1,4)、COM(2,3)、COM(2,4)についても検出ドライバR2に接続される配線との十分なコンタクトを確保することができる。
【0077】
図8の例とは異なり、2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)について第1マッピングが採用され、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)について第2マッピングが採用されてもよい。
凹部98が無い場合は、最も左又は右のセンサ電極グループについては、第2実施形態と同様なマッピングが採用されるが、それ以外は第1マッピング及び第2マッピングのいずれが採用されてもよい。
【0078】
[第3実施形態]
図9は第3実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPのタッチ検出のためのセンサ電極COMとセンサ電極ドライバとの接続例を示す。第3実施形態のタッチパネル付き表示装置も第2実施形態と同様に4角部とも円弧である略矩形の異形である表示パネルPNLを備える。
【0079】
検出ドライバR2の端子t~t48は第1実施形態と同様に列毎のセンサ電極COMグループに対応してグループ化されている。各端子グループ内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8とセンサ電極グループの各センサ電極COM(1,n)~COM(8,n)とのマッピングは第1実施形態と同様に、全ての検出器グループについて一様に第1マッピング又は第2マッピングが採用される。図9は第1マッピングが採用される例を示す。
【0080】
第3実施形態では、凹部98にある左から4列目のセンサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループ以外については、配線L1は端子t8(n-1)+1に接続されるので、配線群L12の中で最も左に位置し、配線L8は端子t8(n-1)+8に接続されるので、最も右に位置する。配線L1とL8の間に、配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)及び端子t8(n-1)+2に接続される配線L2、センサ電極COM(3,n)及び端子t8(n-1)+3に接続されるL3、…センサ電極COM(7,n)及び端子t8(n-1)+7に接続されるL7がこの順番に位置する。各配線L1~L8は各センサ電極COM(1,n)~(8,n)と所定数(図5の例では6個)のコンタクト(図中、黒点)を介して接続される。
【0081】
左から4列目のセンサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについては、図6図7(a)に示した第1実施形態と同様に、センサ電極COM(1,4)に接続される配線L1は各配線群L12の中の最も右に配置される。各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応しているので、配線L1の配線基板F側の第2A引出配線部L12aの端部は周辺領域SA内でX方向に沿って延びているブリッジ配線Br1を介して検出ドライバR2の端子t25(センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループに対応する端子グループT4内の最も左の端子)からY方向に沿って延びている配線L1の第2B引出配線部L12bと接続される。
【0082】
これにより、周辺領域SAで配線の配置を入れ替えることができ、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループに対応する端子グループT4内の最も左の端子t25と配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,4)とを接続することができる。すなわち、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについての配線L1~L8の配置は、表示領域DA内では左から順番に配線L2、L3~L8、L1である。配線L2、L3~L8はそれぞれセンサ電極COM(2,4)、COM(3,4)~COM(8,4)と接続され、配線L1はセンサ電極COM(1,4)と接続される。各センサ電極に形成される6個のコンタクトのY方向の位置は揃っていてもよい。
【0083】
センサ電極グループCOM(1,4)~(8,4)においてブリッジ配線を用いて配置を入れ替える配線の数は1に限定されない。例えば、凹部の深さ(Y方向の長さ)が深く、センサ電極COM(2,4)に端子t26と接続されY方向に延びている配線上で十分な数のコンタクトを形成できない場合、センサ電極COM(2,4)に接続される配線L2も配線群L12の中の右から2番目、すなわち配線L1の左に配置し、配線L2の配線基板F側の第2A引出配線部L22aの端部を周辺領域SA内でX方向に沿って延びている第2のブリッジ配線を介して検出ドライバR2の端子t26からY方向に沿って延びている配線L2の第2B引出配線部L22bと接続してもよい。
【0084】
最も左列のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループについても、図6図7(b)に示した第1実施形態と同様に、センサ電極COM(1,1)では、配線L1とのコンタクトc1以外に、配線L1とは別の箇所でコンタクトc2~c6が形成される。
これらのコンタクトc1~c6を接続するために、コンタクトc1に接続される配線L1は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L1eを含む。コンタクトc2、c3に接続される副配線L2´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L2´eを含む。コンタクトc4、c5、c6に接続される副配線L3´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L3´eを含む。
【0085】
第1引出配線部L1e、L2´e、L3´eの先端は周辺領域SAで連結配線Lsにより互いに接続される。これにより、検出ドライバR2の端子t(端子グループT1内の最も左の端子)に接続される配線L1はセンサ電極COM(1,1)と6個のコンタクトc1~c6を介して接続される。
【0086】
最も右列のセンサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループについては、表示領域DAのラウンド部34の形状に応じて配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,6)は右下角部が丸められている。このため、センサ電極COM(8,6)に接続される配線L8は各配線群L12の中の最も左に配置される。図10(a)はセンサ電極COM(8,6)の拡大平面図である。各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応しているので、配線L8の配線基板F側の周辺領域SAの第2A引出配線部L82aの端部はX方向に沿って延びているブリッジ配線Br2を介して検出ドライバR2の端子t48(センサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループに対応する端子グループT6内の最も右の端子)からY方向に沿って延びている配線L8の第2B引出配線部L82bと接続される。ブリッジ配線Br2と第2B引出配線部L82bとは別の層により形成され、ブリッジ配線Br2と第2B引出配線部L82bとはコンタクトホール(図10の白丸)を介して接続される。他の配線L1~L7ではブリッジ配線Brは含まれず、配線基板F側の周辺領域SAの第2A引出配線部L12a~L72aの端部は検出ドライバR2の端子グループに接続される第2B引出配線部L12b~L72bにコンタクトホールを介して接続される。
第1実施形態で説明したように、ブリッジ配線Brを形成する層は第2B引出配線層L12b~L82bと異なる層の中から任意に選ぶことができる。一例として、図10(b)は第3金属層128によりブリッジ配線Brを形成する場合の図10(a)のB-B´線に沿った断面図である。基材104の上に無機膜からなる絶縁層106が形成される。図10(b)以外の箇所で、基材104と絶縁層106の間にポリシリコン層からなる半導体層が形成される。絶縁層106の上に無機膜からなる絶縁層108が形成される。図10(b)以外の箇所で、絶縁層106と絶縁層108の間に例えばモリブデンタングステン合金(MoW)からなる走査線層(ゲート線層、第1金属層とも称する)が形成される。
絶縁層108の上に例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)からなる信号線層(ソース線層、第2金属層とも称する)112、114、116が形成される。信号線層112は配線L8の第2B引出配線部L82bを形成し、信号線層114は配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bを形成し、信号線層116はソース線SLを形成する。信号線層112、114、116の上に有機膜からなる第1絶縁層(第1HRC層)122が形成される。第1HRC層122の上に同じく有機膜からなる第2絶縁層(第2HRC層)126が形成される。第1HRC層122と第2HRC層126の間に例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)層からなる第3金属層128が形成される。第3金属層128は、配線L8を形成する第1部分128aと、配線L8の第2A引出配線部L82aを形成する第1部分128bと、ブリッジ配線Br2を形成する第3部分128cとを含む。図10(b)以外の箇所で、第3金属層128は、配線L1~L7と、配線L1~L7の第2A引出配線部L12a~L72aを形成する。第3金属層の第1部分128b(配線L8の第2A引出配線部L82a)の先端は第1HRC層122内に形成されたコンタクトホール124を介して信号線層112(配線L8の第2B引出配線部L82b)に接続される。
第2HRC層126の上に無機膜からなる絶縁層134が形成される。第2HRC層126と絶縁層134の間にセンサ電極COMを形成する第1ITO層132が形成される。センサ電極COM132は第2HRC層126に形成されたコンタクトホール138を介して第3金属層の第1部分128a(配線L8)に接続される。配線L8は端子部側の周辺領域SAに引き出された第2A引出配線部L82a、第2B引出配線部L82b、第2A引出配線部L82aと第2B引出配線部L82bとを接続するブリッジ配線Br2を備える。図示しないが、他の配線L1~L7についても同様であり端子部側の周辺領域SAに引き出された第2A引出配線部と第2B引出配線部を備える。
このように第2A引出配線部L82a及びブリッジ配線Br2は第3金属層128で形成され、第2B引出配線部L12b~L82bは信号線層114、112で形成される。このため、図10(b)以外の箇所で、配線L1~L7の第2A引出配線部L12a~L72aと配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bは第1HRC層122に形成されたコンタクトホールを介して接続されている。配線L8の第2A引出配線部L82aと第2B引出配線部L82bとの間には配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bが位置する。ブリッジBr2は第3金属層128により配線L8の第2A引出配線部L82aと一体的に形成され、第1引出配線部L82aの端部からX方向へ屈曲し、第1HRC層122のコンタクトホール124を介して信号線層112により形成される第2B引出配線部L82bに接続される。ブリッジBr2と配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bは第1HRC層122を介して絶縁されており、ブリッジBr2は配線L1~L7の複数の第2B引出配線部L12b~L72bと重畳する。
なお、センサ電極COM132に接続される映像信号線は、ソース線116に重畳し、ソースドライバ24に向かって引き出されているが、本願はセンサ電極COMに接続されるタッチ検出のための配線群に着目しているので、理解のしやすさの為、映像信号線についての詳細な引き回し配線構造の図示は省略する。
図11はセンサ電極COM(8,6)の他の例を示す。図11(a)はセンサ電極COM(8,6)の他の例の拡大平面図である。この例では、配線L8の第2A引出配線部L82aはコンタクトホールを介して互いに接続される第1領域L82a1と第2領域L82a2とを含む。これ以外は図10(a)と同じである。図11(b)は絶縁層106と絶縁層108との間の第1金属層によりブリッジ配線Brを形成する場合の図11(a)のB-B´線に沿った断面図である。基材104の上に無機膜からなる絶縁層106が形成される。図11(b)以外の箇所で、基材104と絶縁層106の間にポリシリコン層からなる半導体層が形成される。絶縁層106の上に無機膜からなる絶縁層108が形成される。絶縁層106と絶縁層108の間に例えばモリブデンタングステン合金(MoW)からなる走査線層(ゲート線層、第1金属層とも称する)152が形成される。走査線層152はブリッジ配線Br2を形成する。
絶縁層108の上に例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)からなる信号線層(ソース線層、第2金属層とも称する)112、114、158、116が形成される。信号線層112は配線L8の第2B引出配線部L82bを形成し、信号線層114は配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bを形成し、信号線層158は配線L8の第2A引出配線部の第2領域L82a2を形成し、信号線層116はソース線SLを形成する。信号線112(配線L8の第2B引出配線部L82b)が絶縁層108に形成されたコンタクトホール154を介して走査線層(ブリッジ配線Br2)152の一端に接続され、信号線158(配線L8の第2A引出配線部の第2領域L82a2)が絶縁層108に形成されたコンタクトホール156を介して走査線層(ブリッジ配線Br2)152の他端に接続される。
信号線層112、114、158、116の上に有機膜からなる第1絶縁層(第1HRC層)122が形成される。第1HRC層122の上に同じく有機膜からなる第2絶縁層(第2HRC層)126が形成される。第1HRC層122と第2HRC層126の間に例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)層からなる第3金属層128が形成される。第3金属層128は、配線L8を形成する第1部分128aと、配線L8の第2A引出配線部の第1領域L82a1を形成する第2部分128bとを含む。第3金属層128の第2部分128b(L82a1)は第1HRC層122に形成されたコンタクトホール160を介して信号線158(L82a2)に接続される。図11(b)以外の箇所で、第3金属層128は、配線L1~L7と、配線L1~L7の第2A引出配線部L12a~L72aを形成する。
第2HRC層126の上に無機膜からなる絶縁層134が形成される。第2HRC層126と絶縁層134の間にセンサ電極COMを形成する第1ITO層132が形成される。センサ電極COM132は第2HRC層126に形成されたコンタクトホール138を介して第3金属層の第1部分128a(配線L8)に接続される。配線L8は端子部側の周辺領域SAに引き出された第2A引出配線部L82a1、L82a2、第2B引出配線部L82b、第2A引出配線部L82a2と第2B引出配線部L82bとを接続するブリッジ配線Br2を備える。図示しないが、他の配線L1~L7についても同様であり端子部側の周辺領域SAに引き出された第2A引出配線部と第2B引出配線部を備える。
配線L1~L7の第2A引出配線部L12a~L72aは第3金属層128で形成され、第2B引出配線部L12b~L72bは信号線層114で形成される。このため、図11(b)以外の箇所で、配線L1~L7の第2A引出配線部L12a~L72aと配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bは第1HRC層122に形成されたコンタクトホールを介して接続されている。配線L8の第2A引出配線部の第2領域L82a2と第2B引出配線部L82bとの間には配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bが位置する。ブリッジBr2はX方向に延びる走査線層152により形成される。ブリッジBr2と配線L1~L7の第2B引出配線部L12b~L72bは絶縁層108を介して絶縁されており、ブリッジBr2は配線L1~L7の複数の第2B引出配線部L12b~L72bと重畳する。
なお、センサ電極COM132に接続される映像信号線は、ソース線116に重畳し、ソースドライバ24に向かって引き出されているが、本願はセンサ電極COMに接続されるタッチ検出のための配線群に着目しているので、理解のしやすさの為、映像信号線についての詳細な引き回し配線構造の図示は省略する。
【0087】
これにより、配線基板F側の周辺領域SAで配線L8の位置を最も左から最も右に入れ替えることができ、センサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループに対応する端子グループT6内の最も右の端子t48と配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,6)とを接続することができる。すなわち、センサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループについての配線L1~L8の配置は、表示領域DA内では左から順番に配線L8、L1、L2~L6、L7である。配線L1~L7はそれぞれセンサ電極COM(1,6)~COM(7,6)と接続され、配線L8はセンサ電極COM(8,6)と接続される。各センサ電極に形成される6個のコンタクトのY方向の位置は揃っていてもよい。
【0088】
センサ電極グループCOM(1,6)~(8,6)においてもブリッジ配線を用いて入れ替える配線の数は1に限定されない。
凹部98が無い場合は、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについても他のセンサ電極COMグループと同様に、第1マッピングに基づき接続すればよい。この場合、ブリッジ配線Br1は不要である。
【0089】
図9は第1マッピングが採用される例を示したが、第1実施形態と同様に第2マッピングが採用されてもよい。その場合、図9の配線パターンを左右反転させた配線パターンにより検出ドライバR2とセンサ電極COMとが接続される。
第2マッピングを採用し凹部98が無い表示装置では、センサ電極COM(1,4)~COM(8,4)グループについても他のセンサ電極COMグループと同様に、第2マッピングに基づき接続される。
【0090】
このように第3実施形態によれば、4角部がラウンド部であり、かつ上辺中央部に凹部がある異形の表示パネルにおいても、左右でマッピングを異ならせることや、配線基板から遠い周辺領域でラウンド部を有するセンサ電極の複数列のコンタクトを接続する副配線を設けることや、配線基板側の周辺領域で配線を入れ替えることにより、ラウンド部や凹部98の形状に応じて異形のセンサ電極COMが存在していていも、検出ドライバR2に接続される配線とセンサ電極COMとを接続することができる。
【0091】
[第4実施形態]
図12は第4実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPのタッチ検出のためのセンサ電極COMとセンサ電極ドライバとの接続例を示す。第4実施形態のタッチパネル付き表示装置も第2実施形態と同様に4角部とも円弧である略矩形の異形である表示パネルPNLを備える。ただし、凹部98の形状は矩形ではなく、Y方向の位置が進むにつれてX方向の幅が狭くなるアーチ状である。このため、センサ電極COM(1,3)、COM(1,4)の対抗する辺とセンサ電極COM(2,3)、COM(2,4)の対抗する辺は平面視において放物線を描いている。
【0092】
検出ドライバR2の端子t~t48は第1実施形態と同様に列毎のセンサ電極COMグループに対応してグループ化されている。各端子グループ内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8とセンサ電極グループの各センサ電極COM(1,n)~COM(8,n)とのマッピングは左半分と右半分のセンサ電極グループで異なる。最も左列のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)と、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、左から3列目のセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)については、第1マッピングが採用される。最も右列のセンサ電極グループCOM(1,6)~COM(8,6)と、右から2列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)と、右から3列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、第2マッピングが採用される。
【0093】
なお、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、右から2列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、第1マッピングが採用されてもよい。
第1マッピングが採用されている左側3列のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)、COM(1,2)~COM(8,2)、COM(1,3)~COM(8,3)については、各配線群L12内で配線L1は図8の平面視において最も左(端部E3側)に位置し、配線L8は最も右(端部E4側)に位置し、配線L1とL8の間に配線L2、L3、…L7はこの順番に左から右に位置する。
【0094】
第2マッピングが採用されている右側3列のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)、COM(1,5)~COM(8,5)、COM(1,6)~COM(8,6)については、各配線群L12内で配線L1は図8の平面視において最も右(端部E4側)に位置し、配線L8は最も左(端部E3側)に位置し、配線L1とL8の間に配線L2、L3、…L7はこの順番に右から左に位置する。
【0095】
最も左列のセンサ電極COM(1,1)~COM(8,1)グループについては、図6図7(b)に示した第1実施形態と同様に、コンタクトc1に接続される配線L1の第1引出配線L1e、コンタクトc2、c3に接続される副配線L2´の第1引出配線L2´e、コンタクトc4、c5、c6に接続される副配線L3´の第1引出配線L3´eは周辺領域SA内で連結配線Lsにより接続される。これにより、検出ドライバR2の端子t(端子グループT1内の最も左の端子)からY方向に沿って延びている配線L1は6個のコンタクトc1~c6を介してセンサ電極COM(1,1)に接続される。
【0096】
最も右列のセンサ電極COM(1,6)~COM(8,6)グループについては、表示領域DAのラウンド部C33の形状に応じて配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,6)は右上角部が丸められている。このため、センサ電極COM(1,6)は検出ドライバR2の端子t48(端子グループT6内の最も右の端子)に接続される配線L1とは十分な数のコンタクトを形成できない場合がある。図12の例では1つしかコンタクトc1を形成できない。そのため、センサ電極COM(1,6)では配線L1とは別の箇所でコンタクトc2~c6が形成される。
【0097】
これらのコンタクトc1~c6を接続するために、コンタクトc1に接続される配線L1は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L1eを含む。コンタクトc2、c3に接続される副配線L2´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L2´eを含む。コンタクトc4、c5、c6に接続される副配線L3´は検出ドライバR2とは反対側(Y方向のマイナス側)の周辺領域SAに引き出される第1引出配線部L3´eを含む。
【0098】
第1引出配線部L1e、L2´e、L3´eの先端は周辺領域SAで連結配線Lsにより互いに接続される。これにより、検出ドライバR2の端子t48(端子グループT6内の最も右の端子)に接続される配線L1はセンサ電極COM(1,1)と6個のコンタクトc1~c6を介して接続される。
【0099】
副配線L2´は検出ドライバR2の端子t47(端子グループT6内の右から2番目の端子)に接続されY方向に沿って延びている配線L2の延長線上に配線L2とは非接続状態で形成してもよく、副配線L3´は検出ドライバR2の端子t46(端子グループT6内の右から3番目の端子)に接続されY方向に沿って延びている配線L3の延長線上に配線L3とは非接続状態で形成してもよい。コンタクトc1、c2、c4はY方向位置が揃っていてもよい。同様に、コンタクトc3、c5はY方向位置が揃っていてもよい。さらに、コンタクトc1~c6は同じ行のセンサ電極グループの他のセンサ電極COM(1,1)~COM(1,5)のコンタクトともY方向位置が揃っていてもよい。
【0100】
第4実施形態によれば、右半分と左半分でマッピングを異ならせているので、ラウンド部や凹部の形状に応じた異形のセンサ電極COMが左右対称な位置に存在している場合、検出ドライバR2に接続される配線とセンサ電極COMとを接続することができる。
【0101】
凹部98が無い場合、凹部98に関するセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)については図12と同様に第1マッピングが採用されてもよいし、第2マップングが採用されてもよい。同様に、凹部98に関するセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)についても図12と同様に第2マッピングが採用されてもよいし、第1マップングが採用されてもよい。
【0102】
[第5実施形態]
図13は第5実施形態に係るタッチパネル付き表示装置DSPのタッチ検出のためのセンサ電極COMとセンサ電極ドライバとの接続例を示す。第5実施形態でも、凹部98の形状は矩形ではなく、Y方向の位置が進むにつれてX方向の幅が狭くなるアーチ状である。上述の実施形態では第1マッピング又は第2マッピングが採用されたが、第3実施形態では第3マッピングが採用される。第3マッピングでは、検出ドライバR2の端子の位置が左から右へ変化することにつれてセンサ電極の位置が遠から近へ交互に変化する。第3マッピングは配線基板Fから最も遠いセンサ電極が端子グループ内の右端の端子に対応するか、あるいは左端の端子に対応するかにより、第3Aマッピングと第3Bマッピングとに細分される。
【0103】
例えば、第3Aマッピングでは、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応し、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に対応し、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
左から5番目の端子t8(n-1)+5は配線基板Fから3番目に遠いセンサ電極COM(3,n)に対応し、
左から6番目の端子t8(n-1)+6は配線基板Fに3番目に近いセンサ電極COM(6,n)に対応し、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fから4番目に遠いセンサ電極COM(4,n)に対応し、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+6は配線基板Fに4番目に近いセンサ電極COM(5,n)に対応する。
【0104】
第3Bマッピングは第3Aマッピングの左右を反転したものであり、第3Bマッピングでは、
各端子グループ内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応し、
右から2番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、
右から3番目の端子t8(n-1)+6は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に対応し、
右から4番目の端子t8(n-1)+5は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
右から5番目の端子t8(n-1)+4は配線基板Fから3番目に遠いセンサ電極COM(3,n)に対応し、
右から6番目の端子t8(n-1)+3は配線基板Fに3番目に近いセンサ電極COM(6,n)に対応し、
右から7番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fから4番目に遠いセンサ電極COM(4,n)に対応し、
右から8番目(最も左)の端子t8(n-1)+1は配線基板Fに4番目に近いセンサ電極COM(5,n)に対応する。
【0105】
第5実施形態では、検出器グループ毎に第3Aマッピング又は第3Bマッピングが採用される。左から3列目のセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)と、左から6列目(最も右列)のセンサ電極グループCOM(1,6)~COM(8,6)については、第3Aマッピングが採用される。最も左列のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)と、左から4列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、第3Bマッピングが採用される。左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)については、第3Aマッピング及び第3Bマッピングのいずれが採用されてもよいが、ここでは、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)については第3Bマッピングが採用され、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)については第3Aマッピングが採用されるとする。
【0106】
このため、第3Aマッピングが採用される左から3列目のセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)と、左から5列目のセンサ電極グループCOM(1,5)~COM(8,5)と、左から6列目(最も右列)のセンサ電極グループCOM(1,6)~COM(8,6)については、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線L1に接続され、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線L8に接続され、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線L2に接続され、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線L7に接続され、
左から5番目の端子t8(n-1)+5は配線L3に接続され、
左から6番目の端子t8(n-1)+6は配線L6に接続され、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線L4に接続され、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線L5に接続される。
【0107】
第3Bマッピングが採用される最も左のセンサ電極グループCOM(1,1)~COM(8,1)と、左から2列目のセンサ電極グループCOM(1,2)~COM(8,2)と、左から4列目のセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)については、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線L1に接続され、
右から2番目の端子t8(n-1)+7は配線L8に接続され、
右から3番目の端子t8(n-1)+6は配線L2に接続され、
右から4番目の端子t8(n-1)+5は配線L7に接続され、
右から5番目の端子t8(n-1)+4は配線L3に接続され、
右から6番目の端子t8(n-1)+3は配線L6に接続され、
右から7番目の端子t8(n-1)+2は配線L4に接続され、
右から8番目(最も左)の端子t8(n-1)+1は配線L5に接続される。
【0108】
第5実施形態によれば、ラウンド部や凹部の形状に応じた異形のセンサ電極COMが存在していていも、センサ電極上でコンタクトを形成できる箇所に配線を形成するので、検出ドライバR2に接続される配線とセンサ電極COMとを接続することができる。
【0109】
凹部98が無い場合、凹部98に関するセンサ電極グループCOM(1,3)~COM(8,3)については図13と同様に第3Aマッピングが採用されてもよいし、第3Bマップングが採用されてもよい。同様に、凹部98に関するセンサ電極グループCOM(1,4)~COM(8,4)についても図12と同様に第3Bマッピングが採用されてもよいが、第3Aマップングが採用されてもよい。
【0110】
センサ電極COM(8,3)、COM(7,3)についてコンタクトは左側に形成されており、センサ電極COM(8,4)、COM(7,4)についてコンタクトは右側に形成されているので、下辺中央部に凹部を設けることも可能である。
第3Aマッピング、第3Bマッピングでは、配線基板Fから最も遠いセンサ電極は端子グループ内の右端あるいは左端の端子に対応するが、配線基板Fに最も近いセンサ電極が端子グループ内の右端あるいは左端の端子に対応するように変形してもよい。すなわち、第3Aマッピング、第3Bマッピングにおいてセンサ電極の遠、近を入れ替えて次のように変形してもよい。
【0111】
変形第3Aマッピングでは、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応し、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に対応し、以下同様に、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fに4番目に近いセンサ電極COM(5,n)に対応し、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+6は配線基板Fから4番目に遠いセンサ電極COM(4,n)に対応する。
【0112】
このため、変形第3Aマッピングが採用されるセンサ電極グループについては、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も左の端子t8(n-1)+1は配線L8に接続され、
左から2番目の端子t8(n-1)+2は配線L1に接続され、
左から3番目の端子t8(n-1)+3は配線L7に接続され、
左から4番目の端子t8(n-1)+4は配線L2に接続され、以下同様に、
左から7番目の端子t8(n-1)+7は配線L5に接続され、
左から8番目(最も右)の端子t8(n-1)+8は配線L4に接続される。
【0113】
変形第3Bマッピングでは、
各端子グループ内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線基板Fに最も近いセンサ電極COM(8,n)に対応し、
右から2番目の端子t8(n-1)+7は配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,n)に対応し、
右から3番目の端子t8(n-1)+6は配線基板Fに2番目に近いセンサ電極COM(7,n)に対応し、
右から4番目の端子t8(n-1)+5は配線基板Fから2番目に遠いセンサ電極COM(2,n)に対応し、以下同様に、
右から7番目の端子t8(n-1)+2は配線基板Fに4番目に近いセンサ電極COM(5,n)に対応し、
右から8番目(最も左)の端子t8(n-1)+1は配線基板Fから4番目に遠いセンサ電極COM(4,n)に対応する。
【0114】
このため、変形第3Bマッピングが採用されるセンサ電極グループCOMについては、
各端子グループTn内の8個の端子t8(n-1)+1~端子8(n-1)+8の中の最も右の端子t8(n-1)+8は配線L8に接続され、
右から2番目の端子t8(n-1)+7は配線L1に接続され、
右から3番目の端子t8(n-1)+6は配線L7に接続され、
右から4番目の端子t8(n-1)+5は配線L2に接続され、以下同様に、
右から7番目の端子t8(n-1)+2は配線L5に接続され、
右から8番目(最も左)の端子t8(n-1)+1は配線L4に接続される。
【0115】
[実施形態に共通な配線接続]
図14は第1、第3、第4実施形態における周辺領域SAでの引出配線の接続例を示す。第1、第3、第4実施形態においてはラウンド部を有するセンサ電極COM(1,1)は左上角部が丸められている。図6図9図12ではラウンド部は円弧状である例を示したが、実際には、センサ電極COM(1,1)のラウンド部の輪郭は画素PIX単位で規定されるので、図14(a)に示すように、センサ電極COM(1,1)のラウンド部は画素に沿った階段状のジグザグ形状である。図14(a)は図6のセンサ電極COM(1,1)の拡大図であり、図14(b)は図14(a)の拡大図である。
【0116】
説明の便宜上、図6では6個のコンタクトを示したが、一つのセンサ電極に対して図14に示すように多数のコンタクトが形成される。検出ドライバR2によるセンサ電極の駆動能力はセンサ電極までの距離に反比例する。検出ドライバR2から離れれば離れる程センサ電極は駆動能力が弱くなるので、検出ドライバR2から遠いセンサ電極はコンタクトの数を増やす場合もある。そのため、図14(a)に示すように、検出ドライバR2から近い(図14のより左側の)画素のセンサ電極についてはコンタクトに接続され周辺領域SAまで引き出される引出配線L1e、L2´e、L3´eの数を少なく(例えば、2本)し、検出ドライバR2から遠い(図14のより右側の)画素のセンサ電極については引出配線L1e、L2´e、L3´eの数を多く(例えば、4本)している。
【0117】
図15は画素領域の平面図の一例であり、図16(a)は図15のA-A´線に沿った第1基板SUB1の断面図、図16(b)は図15のB-B´線に沿った第1基板SUB1の断面図である。
図16に示すように、基材80の上に無機膜からなる絶縁層81が形成される。図16以外の箇所で、基材80と絶縁層81の間にポリシリコン層からなる半導体層が形成される。絶縁層81の上に無機膜からなる絶縁層82が形成される。図16以外の箇所で、絶縁層81と絶縁層82の間に例えばモリブデンタングステン合金(MoW)からなる走査線層(ゲート線層とも称する)が形成される。絶縁層82の上に有機膜からなる第1HRC層86が形成される。絶縁層82と第1HRC層86の間に例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)からなる信号線層(ソース線層とも称する)84が形成される。信号線84に対応する第1HRC層86上の箇所に第3金属層からなる配線88が形成される。第3金属層は例えば窒化チタン/チタン/アルミニウム/チタン(TiN/Ti/AL/Ti)からなる。配線88は配線L1~L8と引出配線部L1、L2´e、L3´eを形成する。配線88の上に有機膜からなる第2HRC層90を介して第1ITO層92が形成される。第1ITO層92はセンサ電極COMを形成する。図16(a)に示すように、第1ITO層92(センサ電極COM)が配線88(配線L1~L8、引出配線部L1e、L2´e、L3´e)の一部と接続される。なお、第1、第2HRC層は無機膜であってもよい。
【0118】
第1ITO層92の上に層間絶縁層94を介して第2ITO層96が形成される。第2ITO層96は画素電極64(図2)を形成する。図16(b)に示すように、第2ITO層96(画素電極64)は第1ITO層92(センサ電極COM)と、配線88(配線L1~L8、引出配線L1e、L2´e、L3´e)と、信号線84に電気的に接続される。
【0119】
[全実施形態に共通な変形例]
センサ電極COMを表示領域DAに設けたが、周辺領域SAにも検出のための周辺電極を設けてもよい。この場合、周辺領域SAと接触状態である物体と周辺電極との距離は、物体と表示領域DAに設けたセンサ電極との距離より短い。これにより、周辺領域SAと接触状態である物体による周辺電極の静電容量変化は大きくなり、周辺領域SAでの検出感度は向上する。
【0120】
検出ドライバR2の端子をセンサ電極COMに直接接続し、検出ドライバR2の端子とセンサ電極COMとを1対1で対応させているが、検出ドライバR2とセンサ電極COMとの間にマルチプレクサ等の接続回路を接続してもよい。接続回路は検出ドライバR2の端子を時分割でいずれかのセンサ電極COMグループと接続する。これにより、検出ドライバR2の端子数を減らすことができる。
【0121】
センサ電極COMの配線L1~L8の形成エリアをセンサ電極とのコンタクトまでとし、配線のL1~L8の長さが異なるとしたが、全ての配線L1~L8を配線基板Fから最も遠いセンサ電極COM(1,1)~COM(1,6)まで形成してもよい。これにより、配線L1~L8が表示領域DAの全面に均一に設けられるので、光透過率のバラつきが生じることがなく、良好な視認性が実現される。
凹部98は表示領域DAの上辺に設けたが、下辺にあるいは上辺と下辺の両方にも設けてもよい。さらに、上下辺に限らず、左右辺の少なくとも一方に設けてもよい。凹部は何処に設けてもよく、凹部の位置は限定されない。
【0122】
さらに、異形の表示パネルは4角部の中の少なくとも2角部がラウンド部であるとともにいずれかの辺に凹部が設けられている必要は無い。異形の表示パネルは4角部の中の少なくとも2角部がラウンド部であるだけ、あるいはいずれかの辺に凹部が設けられているだけでもよい。
【0123】
本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。更に、異なる実施形態に亘る構成要素を適宜組み合せてもよい。
【符号の説明】
【0124】
26…センサ電極ドライバ、COM…センサ電極、52…第1基板、54…第2基板、56…液晶層、64…画素電極、PIX…画素、74…カラーフィルタ、DA…表示領域、SA…周辺領域、R2…検出ドライバ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16