(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】振れ補正機能付き光学ユニット
(51)【国際特許分類】
G03B 5/00 20210101AFI20220328BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220328BHJP
G03B 30/00 20210101ALI20220328BHJP
【FI】
G03B5/00 J
G03B15/00 P
G03B30/00
(21)【出願番号】P 2018039357
(22)【出願日】2018-03-06
【審査請求日】2021-02-18
(73)【特許権者】
【識別番号】000002233
【氏名又は名称】日本電産サンキョー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101465
【氏名又は名称】青山 正和
(74)【代理人】
【識別番号】100104204
【氏名又は名称】峯岸 武司
(72)【発明者】
【氏名】南澤 伸司
【審査官】越河 勉
(56)【参考文献】
【文献】特開2013-113961(JP,A)
【文献】特開2017-116579(JP,A)
【文献】特開2017-181864(JP,A)
【文献】特開2016-061958(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0136437(US,A1)
【文献】中国特許出願公開第103135313(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03B 5/00-5/08
G03B 15/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、該光学モジュールを保持する可動体と、前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、該揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、前記可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構と、前記可動体が前記光軸方向に移動したときの移動範囲を規制するストッパ機構とを備え、
前記ストッパ機構は、前記可動体に設けられ、前記撮像素子よりも前記光軸方向の被写体とは反対側に延びるストッパ用凸部を有するスペーサ部材と、前記可動体が前記光軸方向に沿って前記被写体とは反対側に移動したときに前記スペーサ部材の前記ストッパ用凸部を当接するストッパ部材とを有し、前記スペーサ部材は、前記可動体における前記光学モジュールとは別部材に固定されて
おり、
前記ストッパ用凸部において前記ストッパ部材に向けた先端は、光軸方向と直交する方向に視たときに前記揺動支持機構の揺動中心位置を中心とする円弧形状に形成されていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項2】
前記ストッパ用凸部は、前記光軸方向と直交する方向に離間する第1凸部と第2凸部とを有し、これら第1凸部と第2凸部とは前記撮像素子を間に挟んで配置されていることを特徴とする請求項
1に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項3】
光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、該光学モジュールを保持する可動体と、前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、該揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、前記可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構と、前記可動体が前記光軸方向に移動したときの移動範囲を規制するストッパ機構とを備え、
前記ストッパ機構は、前記可動体に設けられ、前記撮像素子よりも前記光軸方向の被写体とは反対側に延びるストッパ用凸部を有するスペーサ部材と、前記可動体が前記光軸方向に沿って前記被写体とは反対側に移動したときに前記スペーサ部材の前記ストッパ用凸部を当接するストッパ部材とを有し、前記スペーサ部材は、前記可動体における前記光学モジュールとは別部材に固定されて
おり、
前記ストッパ用凸部は、前記光軸方向と直交する方向に離間する第1凸部と第2凸部とを有し、これら第1凸部と第2凸部とは前記撮像素子を間に挟んで配置されていることを特徴とする振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項4】
前記光軸方向に視たときに、前記ストッパ用凸部は前記撮像素子とは重ならない位置に設けられていることを特徴とする請求項
1から3のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項5】
前記振れ補正用駆動機構は、磁石とコイルとにより構成され、前記可動体に、前記振れ補正用駆動機構の磁石又はコイルの一方を保持するホルダフレームが設けられ、前記スペーサ部材は、前記ホルダフレームに前記光軸方向と交差する面で当接していることを特徴とする請求項
1から4のいずれか一項に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項6】
前記第1凸部及び前記第2凸部の先端の前記円弧形状は、同じ向きに形成されることを特徴とする請求項
2に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項7】
前記第1凸部と前記第2凸部とは、前記撮像素子よりも光軸方向の被写体側とは反対側でブリッジ部により連結されていることを特徴とする請求項
6に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項8】
前記撮像素子に電気的に接続されるフレキシブル配線基板を有し、前記フレキシブル配線基板は、前記第1凸部と前記第2凸部との間を経由して配線されていることを特徴とする請求項7
に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項9】
前記スペーサ部材に前記フレキシブル配線基板を保持する基板保持部が設けられていることを特徴とする請求項8
に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項10】
前記基板保持部には、前記スペーサ部材の前記第1凸部側及び前記第2凸部側に、前記フレキシブル配線基板を載置状態に支持する基板受け部が設けられており、該基板受け部により支持された前記フレキシブル配線基板は、前記ブリッジ部の下面に沿って配線されることを特徴とする請求項9
に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【請求項11】
前記スペーサ部材において前記ホルダフレームに当接している部分の外側面に、前記固定体に設けられる磁石又はコイルへの揺動時の接触を回避する面取り部が設けられていることを特徴とする請求項
5に記載の振れ補正機能付き光学ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カメラ付き携帯端末等に搭載される光学モジュールの振れ補正を行う振れ補正機能付き光学ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器に用いられる光学ユニットにおいては、振れによる撮影画像の乱れを抑制するために、振れを打ち消すように光学モジュールを揺動させて振れを補正する機能が開発されている。この振れ補正機能においては、光学機器の筐体からなる固定体に対して、光学素子を備える光学モジュールを揺動可能に支持し、その光学モジュールを振れ補正用駆動機構により振れに応じて揺動させる構成が採用されている。
その振れ補正用駆動機構は、磁石とコイルとを備え、磁石の磁場内でコイルに電流を流すことにより光学モジュールに電磁力を作用させて駆動する構成とされている。
【0003】
そして、例えば特許文献1では、光学モジュールの光軸方向に対して直交する二方向に支点を設けた板状ばねを用いたジンバル機構によって光学モジュールを揺動可能に支持し、光学モジュール(可動体)を揺動させることにより振れを補正する構成が提案されている。
【0004】
ところで、この種の振れ補正機能付き光学ユニットにおいて、振れに応じて揺動する光学モジュールを備えた可動体が過度に揺動すると、ジンバル機構等の変形が生じて、その後の動作に支障が生じることがある。
そこで、特許文献1では、可動体の揺動許容範囲を規制するストッパが設けられている。この場合、コイルを保持するホルダの上端に上方に突出するように凸部(第1凸部及び第2凸部)が設けられるとともに、そのホルダ等を覆う固定体のカバーの裏面にクッション部材が設けられており、このクッション部材がホルダの凸部の上方に配置されることにより、可動体としてのホルダが揺動した際に、ホルダの凸部がクッション部材に当接して揺動許容範囲が規制される構成である。この凸部のうち、第1凸部は、外力によって可動体が光軸方向の一方(被写体)側に変位したときにもクッション部材に当接して、移動範囲を規制するようになっている。また、被写体側とは反対側に可動体が変位したときに、ストッパ部材に当接して、その移動範囲を規制するための第3凸部も設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、ホルダの光軸方向の被写体側とは反対側には撮像素子が設けられており、被写体側とは反対側に設けられる第3凸部は撮像素子の近辺に設けられることになる。このため、衝撃を受けたときに撮像素子に衝撃が伝わるおそれがある。この場合、撮像素子を囲むレンズホルダよりもさらに外側に離間させて第3凸部を設ければよいが、揺動時の第3凸部の可動範囲が大きくなるため、大型化を招く。特に、近年では、4K対応などで大型の撮像素子が用いられてきており、ますます大型化する傾向にある。
【0007】
本発明は、このような事情に鑑みてなされたもので、落下衝撃等の際の可動体の光軸方向の移動を確実に規制しつつ、撮像素子への衝撃の伝達を抑制し、かつ、小型化を図ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、該光学モジュールを保持する可動体と、前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、該揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、前記可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構と、前記可動体が前記光軸方向に移動したときの移動範囲を規制するストッパ機構とを備え、
前記ストッパ機構は、前記可動体に設けられ、前記撮像素子よりも前記光軸方向の被写体とは反対側に延びるストッパ用凸部を有するスペーサ部材と、前記可動体が前記光軸方向に沿って前記被写体とは反対側に移動したときに前記スペーサ部材の前記ストッパ用凸部を当接するストッパ部材とを有し、前記スペーサ部材は、前記可動体における前記光学モジュールとは別部材に固定されており、前記ストッパ用凸部において前記ストッパ部材に向けた先端は、光軸方向と直交する方向に視たときに前記揺動支持機構の揺動中心位置を中心とする円弧形状に形成されている。
【0009】
衝撃等により可動体が光軸方向の被写体側とは反対方向に移動した際に、ストッパ用凸部がストッパ部材に当接して、可動体の移動範囲を規制する。この場合、ストッパ用凸部は、光学モジュールとは別部材に固定されたスペーサ部材に設けられているので、ストッパ部材に当接したときの衝撃力は光学モジュールに直接伝達することはない。このため、光学モジュールを衝撃から有効に保護することができる。したがって、スペーサ部材を光学モジュールに接近させることが可能になり、小型化に有利である。
ストッパ用凸部の先端が揺動支点を中心とする円弧形状に形成されるので、振れ補正時にはストッパ用凸部がストッパ部材に接触することがなく、振れ補正に伴う可動体の揺動を妨げない。
また、本発明の振れ補正機能付き光学ユニットは、光学素子及び該光学素子の光軸上に位置する撮像素子を有する光学モジュールと、該光学モジュールを保持する可動体と、前記可動体を揺動可能に支持する揺動支持機構と、該揺動支持機構を介して前記可動体を支持する固定体と、前記可動体を揺動させる振れ補正用駆動機構と、前記可動体が前記光軸方向に移動したときの移動範囲を規制するストッパ機構とを備え、前記ストッパ機構は、前記可動体に設けられ、前記撮像素子よりも前記光軸方向の被写体とは反対側に延びるストッパ用凸部を有するスペーサ部材と、前記可動体が前記光軸方向に沿って前記被写体とは反対側に移動したときに前記スペーサ部材の前記ストッパ用凸部を当接するストッパ部材とを有し、前記スペーサ部材は、前記可動体における前記光学モジュールとは別部材に固定されており、前記ストッパ用凸部は、前記光軸方向と直交する方向に離間する第1凸部と第2凸部とを有し、これら第1凸部と第2凸部とは前記撮像素子を間に挟んで配置されている。
このような配置とすることにより、ストッパ用凸部がストッパ部材に当接したときに、その衝撃が、直接、撮像素子に伝わることがなく、撮像素子の破損等を確実に防止することができる。
この場合、前記第1凸部及び前記第2凸部の先端の前記円弧形状は、同じ向きに形成されるとよい。
【0010】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記光軸方向に視たときに、前記ストッパ用凸部は前記撮像素子とは重ならない位置に設けられているとよい。
【0011】
ストッパ用凸部と撮像素子とが光軸方向に重ならない配置とされるので、万一、ストッパ用凸部が衝撃によって変形したとしても、撮像素子に影響を及ぼすことが抑制される。
なお、ストッパ用凸部と撮像素子とは光軸方向に重ならない配置とされるが、光学モジュールにおいて撮像素子の外側に配置される部分とは重なっていてもよい。その場合でも、撮像素子よりも外側位置でストッパ用凸部が重なるので、衝撃力が撮像素子に直接影響することは防止できる。
【0012】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記振れ補正用駆動機構は、磁石とコイルとにより構成され、前記可動体に、前記振れ補正用駆動機構の磁石又はコイルの一方を保持するホルダフレームが設けられ、前記スペーサ部材は、前記ホルダフレームに前記光軸方向と交差する面で当接している。
【0013】
衝撃力は光学モジュールには作用せずにスペーサ部材を介してホルダフレームに伝達されるので、光学モジュールの保護を確実にすることができる。
【0018】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記第1凸部と前記第2凸部とは、前記撮像素子よりも光軸方向の被写体側とは反対側でブリッジ部により連結されている。
第1凸部及び第2凸部をブリッジ部により補強することができ、衝撃に耐える強度を確保することができる。
【0019】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記撮像素子に電気的に接続されるフレキシブル配線基板を有し、前記フレキシブル配線基板は、前記第1凸部と前記第2凸部との間を経由して配線されている。
フレキシブル配線基板が第1凸部又は第2凸部と干渉しないので、可動体と固定体との間に挟まれて損傷を受けることがない。
【0020】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記スペーサ部材に前記フレキシブル配線基板を保持する基板保持部が設けられている。
フレキシブル配線基板が可動体の一部であるスペーサ部材に保持されるので、揺動時の動きを円滑に行わせることができる。
【0021】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記基板保持部には、前記スペーサ部材の前記第1凸部側及び前記第2凸部側に、前記フレキシブル配線基板を載置状態に支持する基板受け部が設けられており、該基板受け部により支持された前記フレキシブル配線基板は、前記ブリッジ部の下面に沿って配線される。
【0022】
フレキシブル配線基板は、その両側部が基板受け部に支持された状態でブリッジ部の下面に沿って配線されるので、基板受け部とブリッジ部とにより表裏が挟まれた状態に支持され、スペーサ部材により確実に保持される。
【0023】
本発明の振れ補正機能付き光学ユニットの好ましい実施形態として、前記スペーサ部材において前記ホルダフレームに当接している部分の外側面に、前記固定体に設けられる磁石又はコイルへの揺動時の接触を回避する面取り部が設けられている。
【0024】
ホルダフレームと固定体とは、これらが保持する磁石とコイルとが接近して配置される。このため、ホルダに当接状態とされるスペーサ部材も固定体が保持している磁石又はコイルに接近することになるが、面取り部を有するため、揺動時の移動を妨げない。
【発明の効果】
【0025】
本発明によれば、落下衝撃等の際の可動体の光軸方向の移動を確実に規制しつつ、撮像素子への衝撃の伝達を抑制し、かつ、小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本発明の一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの組立状態の斜視図である。
【
図2】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの平面図である。
【
図3】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの側面図である。
【
図4】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの分解斜視図である。
【
図5】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットにおける可動体の可動体の斜視図である。
【
図6】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットの要部の被写体側から視た分解斜視図である。
【
図7】
図6に対して反対側から視た分解斜視図である。
【
図8】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットにおけるジンバル機構及びホルダフレームを示す斜視図である。
【
図9】一実施形態の振れ補正機能付き光学ユニットにおける固定体の一部を除去した状態の被写体とは反対側から視た斜視図である。
【
図10】
図9に示す状態からさらにフレキシブル配線基板を除去し、スペーサ部材を分離した状態を示す斜視図である。
【
図11】スペーサ部材の被写体側から視た斜視図である。
【
図12】スペーサ部材の光軸を通る縦断面図である。
【
図16】
図14の要部の拡大断面図であり、(a)は無励磁状態、(b)は可動体の最大揺動時の状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明に係る振れ補正機能付き光学ユニットの実施形態について図面を参照しながら説明する。
以下の説明では、互いに直交する3方向を各々X軸方向、Y軸方向、Z軸方向とし、静置状態においては、Z軸方向に光軸L(レンズ光軸/光学素子の光軸)が配置されるものとする。また、各方向の振れのうち、X軸周りの回転は、いわゆるピッチング(縦揺れ)に相当し、Y軸周りの回転は、いわゆるヨーイング(横揺れ)に相当する。また、X軸方向の一方側には+Xを付し、他方側には-Xを付し、Y軸方向の一方側には+Yを付し、他方側には-Yを付し、Z軸方向の一方側(被写体側/光軸方向前側)には+Zを付し、他方側(被写体側とは反対側/光軸方向後側)には-Zを付して説明する。また、
図1~
図14では、Z軸の一方+Zを上方に向けて配置した状態を静置状態とする。以下では、特に断らない限り、この静置状態で説明する。
【0028】
(振れ補正機能付き光学ユニット101の概略構成)
図1~
図3は振れ補正機能付き光学ユニット(以下、光学ユニットと省略する。)101の組立状態の外観を示している。
図4は光学ユニット101を光軸L方向に沿って分解して示す。
図5は光学ユニット101の後述する可動体20の分解斜視図である。
図6~
図10は、それぞれ要部の斜視図である。
図11はスペーサ部材の斜視図であり、
図12はスペーサ部材の光軸を通る縦断面図である。
図13~
図15は光学ユニットの各方向の断面図である。
【0029】
これらの図に示す光学ユニット101は、携帯端末、ドライブレコーダ、無人ヘリコプター等に搭載される撮像装置等の光学機器(図示略)に組み込まれる薄型カメラであって、光学機器のシャーシ(機器本体)に支持された状態で搭載される。この種の光学ユニット101では、撮影時に光学機器に手振れ等の振れが発生すると、撮像画像に乱れが発生する。そこで、本実施形態の光学ユニット101においては、Z軸方向に沿って光軸Lが延在する光学モジュール(光学素子)210を備えた可動体20を、ジャイロスコープ等の振れ検出センサ(図示略)によって振れを検出した結果に基づいて揺動させ、ピッチング及びヨーイングを補正できるようにしている。
【0030】
図1~
図4において、本実施形態の光学ユニット101は、固定体10と、光学モジュール210を備える可動体20と、固定体10に対して可動体20を揺動可能に支持された状態とする揺動支持機構としてのジンバル機構30と、可動体20を揺動させる振れ補正用駆動機構40とを備える。また、
図15に示すように、可動体20は、固定体10に対してジンバル機構30を介して光軸L方向と直交する2つの軸線R1,R2周りに揺動可能に支持されている。2つの軸線の一方を第1軸線R1、他方を第2軸線R2とする。これら第1軸線R1及び第2軸線R2は相互に直交しており、かつX軸及びY軸に対して45°の角度に配置されている。
なお、本実施形態の光学ユニット101では、固定体10は、光軸L方向(+Z方向)から視たときに、八角形状をなしている。
【0031】
(固定体10の構成)
図1~
図4等に示すように、固定体10は、可動体20の周りを囲む角筒状のケース110と、ケース110の上(Z軸方向の一方側+Z)に固定されたカバー枠120と、ケース110の下(Z軸方向の他端側-Z)に配置されたボトムカバー130とを有している。
本実施形態では、ケース110は、複数の側板部111,112により角筒状(図示例では横断面八角形の筒状)に形成され、その上端(Z軸方向の一方+Z)に内向きフランジ113が一体に形成されている。
【0032】
カバー枠120は、平面視の外形がケース110の外形に沿う八角形状に形成され、ケース110のZ軸方向の一方側+Zの端部から径方向内側に張り出した矩形枠形状に形成されている。そして、カバー枠120の中央部には円形の開口窓121が形成されており、開口窓121を通して被写体からの光を光学モジュール210に導くようになっている。また、
図7に示すように、カバー枠120の裏面、つまりZ軸方向の他方側-Zには環状に突出部122が設けられており、この突出部122において、180°対向する位置には、後述するジンバル機構30の接点用ばね330を取り付けるための支持板部123がそれぞれ一体に設けられている。これら支持板部123は、Z軸方向の他方側-Zに突出し、径方向(図示例ではX軸及びY軸に45°の方向)に対向する対向面に溝部124が形成されている。
【0033】
ボトムカバー130は、
図4に示すように、平面視の外形がケース110の外形に沿う八角形状に形成されるとともに、ケース110内に嵌合する周壁部131が一体に設けられている。また、ケース110の下端に固定した状態で、ケース110内に配置される振れ補正用駆動機構40や光学モジュール210等のフレキシブル配線基板71,72を外部に引き出すための切欠部132が底板部133の一部を切除するように形成されている。フレキシブル配線基板71,72は、
図13に示すように、ボトムカバー130の切欠部132を経由して、ボトムカバー130の裏側(Z軸方向の他方側-Z)に引き出され、このボトムカバー130の裏面に固定されており、光学機器の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続される。
【0034】
(可動体20の構成)
図4及び
図5等に示すように、可動体20は、レンズ等の光学素子を備えた光学モジュール210と、光学モジュール210を保持するホルダフレーム220と、ホルダフレーム220に固定される円環状の重心調整部材250とを有している。
光学モジュール210は、
図13に示すように、レンズ(図示せず)や撮像素子(撮像部)212、フォーカシング駆動用のアクチュエータ(図示せず)等を保持するレンズホルダ213を有しており、このレンズホルダ213を介してホルダフレーム220に保持されている。
【0035】
レンズホルダ213は、レンズ群を囲む鏡筒部214と、鏡筒部214の下端に一体に形成され撮像素子212等を保持する基台部215と、鏡筒部214の前面(被写体側の面)を覆うレンズカバー216とを有している。
ホルダフレーム220は、
図5及び
図6等に示すように可動体20の外周部分を構成しており、レンズホルダ213を内側に保持する筒状のホルダ保持部221と、このホルダ保持部221の下端部(Z軸方向の他方側-Zの端部)でフランジ状に拡径するベース部222とを有している。また、ベース部222の外周部上には、ホルダ保持部221よりも径方向外側に、後述する振れ補正用駆動機構40を構成する4つのコイル42をそれぞれ保持するコイル保持部223が設けられており、これらコイル保持部223とホルダ保持部221との間には、後述するジンバル機構30の可動枠310が配置される可動枠配置空間240が形成されている。
【0036】
4つのコイル保持部223は、Z軸周りに90°間隔で配置され、X軸方向の一方側+X及び他方側-Xと、Y軸方向の一方側+Y及び他方側-Yとにそれぞれ設けられている。各コイル保持部223は、ベース部222の周縁部からZ軸方向に立設する支持板部224と、この支持板部224の一部の外面から突出し、コイル42を保持したときにコイル42の背面に当接するコイル当接部225と、コイル当接部225よりもさらに突出しコイル42の内側に嵌合する凸部226とを有している。各コイル保持部223の支持板部224は、X軸方向又はY軸方向に直交して配置されていることにより、各支持板部224の外面のコイル当接部225及び凸部226が、X軸方向の一方側+X及び他方側-X、Y軸方向の一方側+Y及び他方側-Yに向けて配置されている。
【0037】
そして、各コイル保持部223の凸部226に環状のコイル42が嵌合するように取り付けられ、コイル当接部225にコイル42の背面を当接することで、コイル42の取り付け姿勢が規制される。したがって、コイル42は、X軸方向の一方側+X及び他方側-X、Y軸方向の一方側+Y及び他方側-Yに向けてそれぞれ設けられている。
この場合、各コイル保持部223の凸部226は、コイル42が保持された状態で、コイル42の外面(後述の磁石41と対向する面)から更に外方に向けて突出する。一方、後述するように、固定体10のケース110内に設けられた磁石41が各コイル42と対向するので、可動体20が外力によってX軸方向またはY軸方向に変位した際、コイル保持部223の凸部226が磁石41に当接し、コイル42と磁石41とが接触することが防止される。
【0038】
また、周方向に隣接する2個ずつのコイル保持部223の支持板部224が連結部227により連結状態とされている。具体的には、X軸方向の一方側+XとY軸方向の一方側+Yとに設けられる2個のコイル保持部223の支持板部224が連結部227により連結状態とされ、X軸方向の他方側-XとY軸方向の他方側-Yとに設けられる2個のコイル保持部223の支持板部224が連結部227により連結状態とされている。これにより、二つの連結部227がX軸及びY軸に45°で交差する対角上、言い換えれば、第1軸線の延在する方向に180°対向した位置に配置され、その対向面に溝部228が形成される(
図5及び
図15参照)。
一方、X軸方向の一方側+XとY軸方向の他方側-Yとに設けられるコイル保持部223の間は離間しており、X軸方向の他方側-XとY軸方向の一方側+Yとに設けられるコイル保持部223の間も離間している。したがって、これらコイル保持部223の間の空所229も、X軸及びY軸に45°で交差する対角上、この場合は、第2軸線R2の延在する方向に180°対向した位置に配置されており、これら空所229に、カバー枠120の支持板部123が配置されるようになっている。
【0039】
そして、レンズホルダ213の基台部215がホルダフレーム220の下(Z軸方向の-Z)側に配置され、鏡筒部214がホルダフレーム220のホルダ保持部221を貫通してZ軸方向の+Z側に突出した状態でホルダフレーム220に保持されている。
この基台部215はZ軸方向の一方側から視た形状が正方形に形成されており、これに対して鏡筒部214は円筒状に形成される。そして、ホルダフレーム220のホルダ保持部221は円筒状に形成され、このホルダ保持部221に鏡筒部214を嵌合した状態で、レンズホルダ213の基台部215の四隅部のうちの180°対角上に配置される二つの隅部を係合する2個のコーナー保持部218がホルダフレーム220に設けられている(
図7参照)。このコーナー保持部218は、Z軸方向の他方側から視たときにL字状に屈曲形成されており、両コーナー保持部218にレンズホルダ213の基台部215の対角上の2個の隅部を係合することにより、レンズホルダ213の光軸周りの回転を拘束することができる。
また、ホルダフレーム220の筒状のホルダ保持部221の上端部(Z軸方向の一方側+Zの端部)に、その周りを囲むように環状の重心調整部材250が取り付けられている。この重心調整部材250は、可動体20の重心位置を光軸方向に調整するためのもので、可動体20の重心位置を後述する揺動中心位置35と一致させるように設けられる。
この場合、ホルダ保持部221の外周部には段部221aが形成されており、この段部221aの上に載置するように重心調整部材250が取り付けられ、接着等により固定される。
なお、本実施形態では、ホルダフレーム220が合成樹脂により形成されており、ホルダ保持部221、ベース部222、コイル保持部223が一体に形成されている。
【0040】
また、可動体20に設けられた撮像素子212やフォーカシング駆動用のアクチュエータ等は、信号出力(通信)用のフレキシブル配線基板72に接続されている。撮像素子212は、
図13及び
図14に示すように、ジャイロスコープやキャパシタ等の電子部品が実装された実装基板73に搭載されて接続され、その実装基板73に、前述したフレキシブル配線基板72が接続されている。基台部215はZ軸方向に開放状態に形成されており、実装基板73は、基台部215の底板を構成するように、基台部215の下方(Z軸方向の-Z)に取り付けられている。
【0041】
一方、振れ補正用駆動機構40を構成するコイル42は、給電用のフレキシブル配線基板71に接続されている。これらのフレキシブル配線基板71,72は、
図13及び
図14等に示すように、レンズホルダ213の下方(Z軸方向の他方側-Z)で複数回湾曲された後に外部に引き出されるようになっている。
図5に示すように、コイル42に接続されたフレキシブル配線基板71は、光学モジュール210に接続されたフレキシブル配線基板72の2本に分割された部分の間に配置されており、2つのフレキシブル配線基板71,72は外部への引き出し方向が揃えられている。また、フレキシブル配線基板71,72は、いずれも可撓性を有しており、振れ補正用駆動機構40によるホルダフレーム220及びこのホルダフレーム220に保持されている光学モジュール210の動きを阻害しないようになっている。
【0042】
(振れ補正用駆動機構40の構成)
振れ補正用駆動機構40は、
図4及び
図6等に示すように、板状の磁石41と、磁石41の磁界内で電磁力を作用させるコイル42とを利用した磁気駆動機構である。本実施形態では、磁石41とコイル42との組み合わせが、可動体20(ホルダフレーム220)の周方向に90°ずつ間隔をおいて4組設けられる。また、
図13~
図16に示すように、各磁石41はケース110に保持され、各コイル42はホルダフレーム220に保持されており、本実施形態では、ケース110とホルダフレーム220との間に振れ補正用駆動機構40が構成されている。
【0043】
磁石41は、ケース110の周方向に90°ずつ間隔をおいて配置された4つの各側板部111の内面にそれぞれ保持されている。各側板部111はX軸方向の一方側+X、他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、他方側-Yにそれぞれ配置されている。このため、ケース110とホルダフレーム220との間では、X軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yのいずれにおいても、磁石41とコイル42とが対向している。
【0044】
本実施形態において、4つの磁石41は、外面側及び内面側が異なる極に着磁されている。また、磁石41は、光軸L方向(Z軸方向)に2つに分離して着磁されており、コイル42側(内面側)に位置する磁極411、412が光軸L方向で異なるように着磁されている(
図6、
図7、
図13及び
図14参照)。したがって、両磁極411、412を分離する着磁分極線413は、光軸Lと直交する方向に沿って配置されている。X軸方向の一方側+X及びX軸方向の他方側-Xにそれぞれ配置されている2つの磁石41は、着磁分極線413がY軸方向に沿って配置され、Y軸方向の一方側+Y及びY軸方向の他方側-Yに配置されている2つの磁石41は、着磁分極線413がX軸方向に沿って配置される。
なお、4つの磁石41は、外面側および内面側に対する着磁パターンが同一である。このため、周方向で隣り合う磁石41同士が吸着し合うことがないので、組み立て等が容易である。また、ケース110は磁性材料から構成されており、磁石41に対するヨークとして機能する。
【0045】
コイル42は、磁心(コア)を有しない空芯コイルであり、前述したように、ホルダフレーム220のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-X、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yに保持されている。このうち、ホルダフレーム220のX軸方向の一方側+X、X軸方向の他方側-Xに配置される両コイル42は、巻き線によってX軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。また、Y軸方向の一方側+Y、およびY軸方向の他方側-Yに配置される両コイル42は、巻き線によってY軸方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。したがって、いずれのコイル42も光軸L方向に直交する方向をコイルの軸心方向とする環状に形成されている。また、これら4つのコイル42は、同じ平面形状、同じ厚さ(高さ)寸法に形成される。
【0046】
なお、4つのコイル42のうち、X軸方向をコイルの軸心方向とする2つのコイル42は、Y軸方向に延びる矩形状に形成される。また、Y軸方向をコイルの軸心方向とする2つのコイル42は、X軸方向に延びる矩形状に形成される。そして、いずれのコイル42も、上下に配置される長辺部が、各磁石41の磁極411,412に対峙する有効辺として利用され、このコイル42が励磁されていない状態では、両有効辺は、対向する磁石41の着磁分極線413と平行で、着磁分極線413から上下に等しい距離に配置される(
図6及び
図7参照)。
【0047】
(ジンバル機構30の構成)
本実施形態の光学ユニット101では、ピッチング方向およびヨーイング方向の振れを補正するため、可動体20を光軸L方向に交差する第1軸線R1周りに揺動可能に支持するとともに、光軸L方向および第1軸線R1に交差する第2軸線R2周りに揺動可能に支持する。このため、固定体10と可動体20との間には、ジンバル機構(揺動支持機構)30が構成されている。
本実施形態では、ジンバル機構30は円形環状の可動枠310を有している。可動枠310は、
図5等に示すように、ホルダフレーム220の可動枠配置空間240内に配置されており、Z軸方向の配置で視ると、固定体10のカバー枠120の下面(Z軸方向の他方側-Zの面)と可動体20のホルダフレーム220のベース部222の上面(Z軸方向の一方側+Zの面)との間に配置されている。
【0048】
本実施形態において、可動枠310はバネ性を有する金属材料等で構成されており、周方向に90°間隔をおいて4箇所に、可動枠310の環状の中心に対して半径方向外側に向けた突起部311が一体に形成され、各突起部311にさらに半径方向外側方向に半球状の凸面を向けるように球体320が溶接等によって固定されている。
この可動枠310は、4つの球体320のうち、対角に位置する2つの球体320が前述した第1軸線R1の延在する方向に配置され、他の対角に位置する2つの球体320が第2軸線R2の延在する方向に配置される。
そして、第1軸線R1の延在方向に配置された2つの球体320がホルダフレーム220に設けられた接点用ばね330に支持され、第2軸線R2の延在方向に配置された2つの球体320がカバー枠120に固定された接点用ばね330に支持される。
【0049】
ホルダフレーム220のベース部222の上面には、
図5に示したように、第1軸線R1が延在する方向の対角に位置する2箇所の連結部227に、Z軸方向の一方側+Zに向けて開口する溝部228がそれぞれ形成されている。各溝部228には、接点用ばね330がそれぞれ取り付けられ、これら接点用ばね330に、第2軸線R2が延在する方向の対角に位置する2つの球体320がそれぞれ支持される。
一方、カバー枠120には、その裏面の180°対向する対角上に、一対の支持板部123がZ軸方向の-Zに向けて突出して形成されており、その支持板部123の内側の溝部124内に接点用ばねが330それぞれ取り付けられている。そして、カバー枠120の支持板部123がホルダフレーム220のコイル保持部223間の空所229に配置されることにより、第2軸線R2が延在する方向の対角に位置する2箇所に接点用ばね330が配置され、これら接点用ばね330に、第2軸線R2が延在する方向の対角に位置する2つの球体320がそれぞれ支持される。
【0050】
各接点用ばね330は、弾性変形可能なステンレス鋼等の金属からなる板材をプレス成型することにより縦断面U字状となるように屈曲形成されており、可動枠310に設けられた球体320との接触点に径方向外側から内側側に向けて弾性的な荷重(弾性力)を作用させる。つまり、可動枠310の4箇所の突起部311に設けられた各球体320は、固定体10のカバー枠120又は可動体20のホルダフレーム220に取り付けられた各接点用ばね330に、径方向外側から弾性的に接触させられている。
【0051】
この場合、
図15に示すように、ホルダフレーム220に固定された接点用ばね330は、第1軸線R1方向で対をなすように対向し、可動枠310の球体320との間で第1揺動支点を構成する。一方、カバー枠120に固定された接点用ばね330は、第2軸線R2方向で対をなすように対向し、可動枠310の球体320との間で第2揺動支点を構成する。したがって、可動体20の揺動中心位置(揺動支点)35は、これらの第1揺動支点と第2揺動支点とが組み合わされた第1軸線R1と第2軸線R2との交点に配置される。
【0052】
このように、接点用ばね330に可動枠310の各球体320が揺動可能に接触していることにより、固定体10のカバー枠120に対して、可動体20のホルダフレーム220が揺動可能に支持されている。また、このように構成したジンバル機構30において、各接点用ばね330の付勢力は等しく設定される。なお、本実施形態では、振れ補正用駆動機構40に磁気駆動機構が用いられていることから、ジンバル機構30に用いた可動枠310、接点用ばね330はいずれも、非磁性材料からなる。
【0053】
また、本実施形態において、可動枠310は、光軸L方向に対して直交する方向から視たとき、ジンバル機構30が振れ補正用駆動機構40と重なる位置に配置されている。特に本実施形態では、
図13及び
図14に示すように、光軸L方向に対して直交する方向から視たときに、ジンバル機構30が、振れ補正用駆動機構40のZ軸方向の中心位置と重なる位置に配置されている。より詳細には、振れ補正用駆動機構40の無励磁状態においては、ジンバル機構30が、Z軸方向において磁石41の着磁分極線413と同じ高さ位置に設けられている。したがって、ジンバル機構30の第1揺動支点及び第2揺動支点は、Z軸方向において振れ補正用駆動機構40の中心位置と重なる位置に配置され、可動体20の揺動中心位置35も振れ補正用駆動機構40の中心位置と重なる位置に配置されている。
【0054】
(揺動許容範囲、光軸方向移動範囲の規制機構)
前述したように、本実施形態の光学ユニット101において、可動体20は、揺動中心位置35を中心として揺動可能であり、また、ジンバル機構30の可動枠310が弾性材料により形成されているので、その弾性範囲で光軸方向にも移動可能である。そして、その揺動又は光軸方向の移動に対する許容範囲を規制するための機構が設けられている。
【0055】
揺動許容範囲規制機構
可動体20のホルダフレーム220の各コイル保持部223において、支持板部224は、コイル42が装着された状態で、コイル42よりもZ軸方向の一方+Zに突出する大きさに形成されている。その突出端部は、支持板部224の延在方向に沿って形成されており、その両端の角部224a,224bが揺動許容範囲の最大位置でカバー枠120の突出部122の表面122aに当接するようになっている。この場合、各支持板部224が4枚設けられていることにより、Z軸方向の+Z側から視た平面視で、第1軸線R1を挟んでその左右に4個ずつ、また第2軸線R2を挟んでその左右に4個ずつ、合計8個の角部224a,224bが配置される。これら各角部224a,224bはZ軸方向の位置が等しく設定されている。
【0056】
また、各支持板部224は、2枚ずつが連結部227により連結状態とされ、両連結部227を結ぶ方向の第1軸線R1及びこれと直交する方向の第2軸線R2に対して45°の配置で形成されているため、
図5に示すように、第1軸線R1を挟んで左右に配置される4個ずつの角部224a,224bのうち、第1軸線R1から遠い位置に配置される2個ずつの角部を符号224aで示し、第2軸線R2から遠い位置に配置される2個ずつの角部を符号224bで示すと、第1軸線R1から遠い位置に配置される2個ずつの角部224aは第1軸線R1からの距離が等しく、また、第2軸線R2から遠い位置に配置される2個ずつの角部224bは第2軸線R2からの距離が等しく設定される。
【0057】
そして、揺動許容範囲の最大位置において、第1軸線R1周りの揺動に対しては、第1軸線R1から遠い位置に配置される2個ずつの角部224aがカバー枠120の突出部122の表面122aに当接し、第2軸線R2周りの揺動に対しては、第2軸線R2から遠い位置に配置される2個ずつの角部224bがカバー枠120の突出部122の表面122aに当接する。
つまり、カバー枠120の突出部122の表面(Z軸方向の他方-Zの面)122aが最大揺動範囲で支持板部224の角部224a,224bを当接して、それ以上の揺動を規制するようになっている。つまり、この支持板部224の8個の角部224a,224bと、カバー枠120の突出部122の表面122aとにより揺動許容範囲規制機構が構成される。
【0058】
光軸方向移動範囲規制機構
可動体20の光軸方向の移動範囲を規制する光軸方向移動範囲規制機構としては、被写体側への移動に対するストッパ機構と、被写体とは反対側への移動に対するストッパ機構とが備えられる。
【0059】
a.被写体側への移動に対するストッパ機構
ホルダフレーム220におけるホルダ保持部221の上端部(Z軸方向の一方側+Zの端部)には、環状の重心調整部材250が設けられている。この重心調整部材250は、
図13及び
図14に示すように、Z軸方向に沿う縦断面が五角形に形成され、Z軸方向の一方側+Zに、半径方向外側に向かうにしたがって漸次Z軸方向の厚みを小さくするように、言い換えれば、光軸方向に沿って被写体側に向かうにしたがって光軸Lに接近する方向に傾斜する傾斜面251が形成されている。また、固定体10におけるカバー枠120の内周部が重心調整部材250の外周面よりも半径方向内方に張り出しており、その内周部の裏面側、つまりZ軸方向の他方側-Zに、半径方向外側に向かうにしたがって漸次Z軸方向の厚みを大きくするように(光軸方向に沿って被写体側に向かうにしたがって光軸Lに接近する方向に傾斜する)傾斜面125が形成されている。そして、重心調整部材250の傾斜面251とカバー枠120の傾斜面125とが対向しており、その対向部間に、一様の厚さの隙間が形成されている。そして、重心調整部材250を含む可動体20が外力によってZ軸方向(光軸方向)の一方側+Zに移動した際に、重心調整部材250の傾斜面251がカバー枠120の傾斜面125に当接して、それ以上の移動を規制することができるようになっている。すなわち、重心調整部材250の傾斜面251と、カバー枠120の傾斜面125とにより、可動体20が光軸方向の被写体側に移動したときのストッパ機構を構成している。
【0060】
この場合、カバー枠120の傾斜面125と重心調整部材250の傾斜面251との間の隙間のZ軸方向(光軸方向)の離間距離H1は、前述したホルダフレーム220における支持板部224の角部224a,224bとカバー枠120の突出部122との間のZ軸方向(光軸方向)の離間距離H2よりも小さく設定されており、可動体20がZ軸方向に所定量以上移動した際には、ホルダフレーム220における支持板部224の角部224a,224bとカバー枠120の突出部122とが当接することなく、カバー枠120の傾斜面125と重心調整部材250の傾斜面251とが当接するようになっている。
また、カバー枠120の傾斜面125と重心調整部材250の傾斜面251とは、揺動時の接線方向にほぼ沿う傾斜形状に形成され、かつ、これらの離間距離H1及び両傾斜面125,251の対向面の大きさ等は、可動体20の揺動を阻害しない程度に設定されており、可動体20の揺動許容範囲の最大位置においても、両傾斜面251,125が接触しない寸法に設定されている。
【0061】
b.被写体とは反対側への移動に対するストッパ機構
ホルダフレーム220のZ軸方向の他方側-Zには、
図13及び
図14に示すように、レンズホルダ213の基台部215より下方(Z軸方向の他方側-Z)に延びるスペーサ部材140が設けられている。
このスペーサ部材140は、
図10及び
図11に示すように、そのZ軸方向の一方側+Zに一対の柱部141,142が設けられ、これら柱部141,142のZ軸方向の他方側-Zを連結するようにブリッジ部143が一体に形成され、このブリッジ部143よりもさらにZ軸方向の他方側-Zに、柱部141,142の一部をZ軸方向の他方側-Zにそれぞれ延長するように一対のストッパ用凸部144,145が一体に設けられている。この場合、レンズホルダ213の基台部215は、ホルダフレーム220の下端からZ軸方向の他方側-Zに突出するように配置されており、スペーサ部材140の柱部141,142は、このホルダフレーム220から突出する基台部215よりもさらにZ軸方向の他方側-Zに突出する長さに形成されている。
【0062】
そして、スペーサ部材140は、両柱部141,142のZ軸方向の一方側+Zの表面が、レンズホルダ213の基台部215の外側でホルダフレーム220のZ軸方向の他方側-Zの表面に当接した状態に固定されることにより、レンズホルダ213の基台部215をZ軸方向の他方側-Zからまたぐようにして取り付けられている。
具体的には、ホルダフレーム220のZ軸方向の他方側-Zには、
図6等に示す例ではX軸方向に180°対向する位置のコイル保持部223の下方に取付部230が一体に形成されている。この取付部230は下端面がZ軸方向と直交する平坦面に形成されており、その下端面にZ軸方向の他方側-Zに向けて突出するピン231が形成されている。一方、スペーサ部材140の両柱部141,142の上端面はZ軸方向と直交する平坦面に形成されており、その上端面にホルダフレーム220のピン231を嵌合する穴部146が形成されている。そして、スペーサ部材140は、ホルダフレーム220の取付部230の下端面に柱部141,142の上端面を当接させ、ピン231を穴部146に嵌合した状態で固定される。この固定状態で、ブリッジ部143は、基台部215の下方(Z軸方向の-Z)で両柱部141,142を連結している。
【0063】
スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145は、ブリッジ部143の両端に配置された第1凸部144と第2凸部145とからなり、これら第1凸部144及び第2凸部145は、それぞれ板状のブリッジ部143に直交するY軸方向に沿う板状に形成されており、その下端がスペーサ部材140において最もZ軸方向の他方側-Zに配置され、ボトムカバー130の上面に対向している。そして、可動体20がZ軸方向の他方側-Zに向けて移動したときに第1凸部144及び第2凸部145がボトムカバー130の底板部133に当接して、それ以上の移動が規制されるようになっている。つまり、この実施形態では、ボトムカバー130の底板部133が本発明のストッパ部材であり、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145とボトムカバー130の底板部133とにより、光軸方向における被写体側とは反対側への移動に対するストッパ機構を構成している。
【0064】
また、このストッパ用凸部の第1凸部144及び第2凸部145は、
図14に示すように、撮像素子212よりも外側に配置されており、このため、Z軸方向(光軸方向)に視たときに、撮像素子212と重ならないように配置されている。
また、これら第1凸部144及び第2凸部145においてボトムカバー130に向けた下端面は、光軸方向と直交する方向(
図12及び
図13に示す例ではX軸方向)に視たときに、揺動中心位置35を中心とする円弧形状に形成されており、可動体20のX軸周りの揺動の際にはボトムカバー130の底板部133に円弧面144a,145aが接触しないように設定され、揺動を妨げないように形成される。なお、可動体20のY軸周りの揺動の際に第1凸部144及び第2凸部145がボトムカバー130の底板部133に当接しないように、これら凸部144,145と底板部133との間には十分な隙間が形成される。
また、スペーサ部材140の両柱部141,142は、ホルダフレーム220下端の取付部230に取り付けられ、
図9等に示すように、振れ補正用駆動機構40の磁石41に接近して配置される。このため、揺動時に柱部141,142が磁石41に接触しないように、柱部141,142においてホルダフレーム220に当接している部分の下部外側面に、これを斜めに切除するように面取り部149が形成されている。
【0065】
(フレキシブル配線基板の支持構造)
スペーサ部材140ブリッジ部143は、板状に形成されており、基台部215の底板を構成している実装基板73の下方(Z軸方向の-Z)に実装基板73と平行に配置される。実装基板73の下面には、撮像素子212等に接続されたコネクタ75が設けられており、このコネクタ75にフレキシブル配線基板72が接続されている。
また、ブリッジ部413のY軸方向の他方側-Yには、ブリッジ部143の幅方向の両端部を除き、幅方向の中央部をY軸方向の他方側-Yに延長するように突出させた突出板部143aが一体に形成されている。
【0066】
そして、スペーサ部材140のブリッジ部143の下面(Z軸方向の他方側-Zの面)に、ホルダフレーム220の下面から引き出されるフレキシブル配線基板71と、実装基板73から引き出されるフレキシブル配線基板72との途中位置をブリッジ部143の突出板部143aとの間で保持する基板受け部147が設けられている。この基板受け部147は、ブリッジ部143の幅方向の両端部の下方位置で、両ストッパ用凸部144,145からY軸方向の他方側-Yに向けて板状に突出して形成されている。
【0067】
また、両フレキシブル配線基板71,72には、その途中位置にプレートにより補強された幅広部74が形成されている。一方、基板受け部147とブリッジ部143の突出板部143aとは、Z軸方向(光軸方向)には重ならない配置とされるが、基板受け部147の上面とブリッジ部143の突出板部143aの下面とのZ軸方向の離間距離G(
図12参照)は、両フレキシブル配線基板71.72の幅広部74を重ねた厚さよりわずかに大きい寸法に設定される。
【0068】
そして、両フレキシブル配線基板71,72は、幅広部74が重ねられた状態で、その幅方向の中央部が突出板部143aの下方に配置され、幅方向の両端部が基板受け部147の上面に載置状態に支持される。両フレキシブル配線基板71,72は、突出板部143aの下面と基板受け部147の上面との間で支持された後、ブリッジ部143の下面に沿って引き出される。
【0069】
一方、ブリッジ部143の突出板部143aの下面の中央部には、Z軸方向の他方側-Zに向けて突出するピン状の基板止め部148が形成されている。また、両フレキシブル配線基板71,72の幅広部74の中央部には、この基板止め部148が挿入される貫通孔76が形成されており、この貫通孔76に基板止め部148が挿入されることにより、突出板部143aの下面と基板受け部147の上面との間で支持された両フレキシブル配線基板71,72の面方向(X軸方向及びY軸方向)の移動が拘束される。
つまり、両フレキシブル配線基板71,72は、その幅広部74の幅方向の両端部が基板受け部147の上面に載置され、幅広部74の貫通孔76に基板止め部148が挿入することにより、幅広部74の幅方向の中央部がブリッジ部143の突出板部143aの下面に当接した状態とされ、その後、ブリッジ部143の下面に沿って引き出される。この実施形態では、これら基板受け部147、突出板部143a、基板止め部148により、本発明の基板保持部が構成される。
【0070】
このように、両フレキシブル配線基板71,72は、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145の間を経由して配線されているので、可動体20の移動(揺動又は光軸方向の移動)時に、可動体20と固定体10との間に挟まれて損傷を受けることがないようになっている。
そして、これらフレキシブル配線基板71,72は、前述したようにボトムカバー130の切欠部132から外部に引き出され、光学機器の本体側に設けられた上位の制御部等に電気的に接続される。
【0071】
(作用効果)
以上のように構成した振れ補正機能付き光学ユニット101においては、ピッチング及びヨーイングに対して、ジンバル機構(揺動支持機構)30及び振れ補正用駆動機構40により、第1軸線R1又は第2軸線R2周りに可動体20を揺動させて振れを補正できる。この振れの補正制御において、可動体20が
図16(b)の矢印で示すように揺動してホルダフレーム220の各支持板部224における角部224a,224bがカバー枠120の突出部122の表面122aに当接すると、それ以上の揺動が規制される。この支持板部224の角部224a,224bがカバー枠120の突出部122に当接したときの角度θは例えば10°に設定され、その角度範囲に揺動範囲が規制される。
【0072】
このとき、ホルダフレーム220と一体に重心調整部材250も揺動するが、その外周の傾斜面251とカバー枠120の内周の傾斜面125とは、前述したように接触することがなく、揺動を阻害しない。また、固定体10の磁石41に対向しているホルダフレーム220の凸部226も磁石41との間に所定の間隔があけられており、揺動時に磁石41に接触することがないようになっている。
また、スペーサ部材140の柱部141,142がホルダフレーム220に取り付けられているため、この柱部141,142も磁石41に接近するが、面取り部149が設けられていることにより、
図16(b)に示すように揺動時に磁石41に接触することはない。
さらに、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145も先端が円弧形状に形成されており、ボトムカバー130の底板部133から離間しているので、揺動時に接触することはない。
【0073】
一方、落下衝撃等の際に可動体20が光軸方向の被写体側に移動する場合、重心調整部材250の傾斜面251がカバー枠120の内周の傾斜面125に当接すると、それ以上の移動が規制される。このとき、ホルダフレーム220の支持板部224の角部224a,224bを有する上端(Z軸方向の+Zの先端)はカバー枠120の突出部122の表面122aにまでは到達しない。
逆に、可動体20が光軸方向の被写体とは反対側に移動する場合、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145がボトムカバー130の底板部133に当接して、それ以上の移動が規制される。
【0074】
これら落下衝撃等による光軸方向の移動では、重心調整部材250とカバー枠120との衝撃、あるいはスペーサ部材140のストッパ用凸部144,145とボトムカバー130の底板部133との衝撃が大きいが、いずれも光学モジュールとは別部材同士の接触であるため、その衝撃力が光学モジュール210に直接伝達することはない。しかも、重心調整部材250やスペーサ部材140のストッパ用凸部144,145は、光学モジュール210(特に撮像素子212)とは光軸方向に重ならない配置であるため、万一衝撃によって変形したとしても、光学モジュール210に影響を及ぼすことが抑制される。なお、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145はブリッジ部143によって連結状態とされているので、衝撃に耐える強度を確保することができる。
【0075】
このように、この実施形態の振れ補正機能付き光学ユニット101は、ホルダフレーム220の支持板部224の角部224a,224bとカバー枠120の突出部122の表面122aとにより可動体20の揺動許容範囲を規制し、また、落下等により衝撃が加わった際には、重心調整部材250の傾斜面251とカバー枠120の傾斜面125とにより可動体20の光軸方向の被写体側への飛び出しを規制し、スペーサ部材140のストッパ用凸部144,145とボトムカバー130の底板部133とにより可動体20の被写体とは反対側への移動を規制することができる。また、可動体20が光軸Lと直交する方向に移動する場合は、ホルダフレーム220の凸部226と磁石41とが当接して、それ以上の移動を規制することができる。したがって、この光学ユニットは、ジンバル機構30の可動枠310等の過度の変形を防止し、耐久性を向上させることができる。
【0076】
本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。
例えば、ジンバル機構30では、可動枠310に固定した球体320を接点用ばね330に接触させる構造としたが、必ずしも球体でなくてもよく、棒状部材等の先端面を球状に形成してなる球状先端面を接点用ばねに接触させる構造としてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、ピッチング及びヨーイングの補正機能を有する光学ユニットについて説明を行ったが、ピッチング及びヨーイングに加えて、ローリングに対する補正機能を有する構造としてもよい。
また、振れ補正用駆動機構40の磁石41を固定体10のケース110に、コイル42を可動体20のホルダフレーム220に設けたが、逆に、磁石41を可動体20のホルダフレーム220に、コイル42を固定体10のケース110に設けてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10…固定体、20…可動体、30…ジンバル機構、35…揺動中心位置、40…振れ補正用駆動機構、41…磁石、42…コイル、71,72…フレキシブル配線基板、73…実装基板、74…幅広部、75…コネクタ、76…貫通孔、101…補正機能付き光学ユニット、110…ケース、111,112…側板部、113…フランジ、120…カバー枠、121…開口窓、122…突出部、122a…表面、123…支持板部、124…溝部、125…傾斜面、130…ボトムカバー、131…周壁部、132…切欠部、140…スペーサ部材、141,142…柱部、143…ブリッジ部、144,145…ストッパ用凸部、146…穴部、147…基板受け部、148…基板止め部、149…面取り部、210…光学モジュール、212…撮像素子、213…レンズホルダ、214…鏡筒部、215…基台部、216…レンズカバー、218…コーナー保持部、220…ホルダフレーム、221…ホルダ保持部、221a…段部、222…ベース部、223…コイル保持部、224…支持板部、224a,224b…角部(第1当接部)、225…コイル当接部、226…凸部、227…連結部、228…溝部、229…空所、230…取付部、231…ピン、250…重心調整部材、251…傾斜面(第2当接部)、240…可動枠配置空間、310…可動枠、311…突起部、320…球体、330…接点用ばね、411,412…磁極、413…着磁分極線、L…光軸、R1…第1軸線、R2…第2軸線。