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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】包装箱
(51)【国際特許分類】
   B65D 5/54 20060101AFI20220328BHJP
   B65D 5/468 20060101ALI20220328BHJP
   B65D 5/42 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
B65D5/54 301A
B65D5/54 BSD
B65D5/468 100
B65D5/42 J BRP
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2018135790
(22)【出願日】2018-07-19
(65)【公開番号】P2020011758
(43)【公開日】2020-01-23
【審査請求日】2021-04-27
(73)【特許権者】
【識別番号】000115980
【氏名又は名称】レンゴー株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100111202
【弁理士】
【氏名又は名称】北村 周彦
(74)【代理人】
【識別番号】100177644
【弁理士】
【氏名又は名称】児玉 和樹
(72)【発明者】
【氏名】長田 真一郎
(72)【発明者】
【氏名】渡辺 純一
【審査官】種子島 貴裕
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-002260(JP,A)
【文献】特開2011-016571(JP,A)
【文献】特開2000-255561(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 5/54
B65D 5/468
B65D 5/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包装する包装箱(1~3)であって、
第1方向に対向して配置される一対の第1壁部(14,15,30)と、
第1方向に交差する第2方向に対向して配置される一対の第2壁部(12,31)と、
第1方向と第2方向とに交差する第3方向に対向して配置される一対の第3壁部(10,11,33~36)と、
各々の前記第1壁部にて第3方向に延設される第1切断線(20)と、
各々の前記第1壁部と各々の前記第3壁部との境界に設けられる第2切断線(21)と、
各々の前記第1壁部に形成される手掛部(22)と、を備え、
各々の前記手掛部は、前記第1壁部に形成された手掛折曲線(23)と手掛切断線(24)とで区画され、前記手掛切断線に沿って切断されて前記手掛折曲線で折り曲げられることでユーザが手を掛けるための手掛穴(22H)を形成し、
前記包装箱は、前記手掛穴を利用して前記第1壁部を前記第1切断線に沿って二分割し、且つ前記第2切断線に沿って前記一対の第3壁部から分離することで開封され、
開封後の前記包装箱を折り畳んだ状態または展開した状態として複数重ねた場合に、1つの前記包装箱に形成された前記手掛部が前記手掛折曲線で折り曲げられて他の前記包装箱に形成された前記手掛穴に挿入されることで、1つの前記包装箱が他の前記包装箱に連結されることを特徴とする包装箱。
【請求項2】
前記手掛部は、前記手掛折曲線の側よりも先端側の方が幅広く形成されていることを特徴とする請求項1に記載の包装箱。
【請求項3】
前記手掛部には、複数の前記手掛折曲線が互いに平行に形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の包装箱。
【請求項4】
前記手掛部の前記手掛折曲線の両端近傍には、1つの前記包装箱の前記手掛部が他の前記包装箱の前記手掛穴を貫通した状態で、他の前記包装箱の前記手掛穴の縁部に押し当てられる一対の押圧突起部(27)が形成されていることを特徴とする請求項3に記載の包装箱。
【請求項5】
前記一対の第2壁部と前記一対の第3壁部とは、交互に連設されて筒状の周壁(1W,3W)を形成し、
各々の前記第1壁部は、
前記一対の第2壁部の第1方向端部に連設された一対の内フラップ(14)と、
前記一対の第3壁部の第1方向端部に連設され、先端を離間させた状態で前記一対の内フラップに固定される一対の外フラップ(15)と、を含み、
前記第1切断線は、前記外フラップに形成され、
前記第2切断線は、前記外フラップと前記第3壁部との境界に形成され、
前記手掛部は、前記内フラップに形成され、前記一対の外フラップの間に露出していることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の包装箱。
【請求項6】
前記一対の第1壁部と前記一対の第2壁部とは、交互に連設されて筒状の周壁(2W)を形成し、
各々の前記第3壁部は、
前記一対の第1壁部の第3方向端部に連設された一対の内フラップ(33,35)と、
前記一対の第2壁部の第3方向端部に連設され、前記一対の内フラップに固定される一対の外フラップ(34,36)と、を含み、
前記第1切断線および前記手掛部は、前記第1壁部に形成され、
前記第2切断線は、前記第1壁部と前記一対の内フラップとの境界に形成されていることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載の包装箱。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、包装箱に関する。
【背景技術】
【0002】
物品を包装する包装箱が知られている。
【0003】
特許文献1に記載の包装用箱は、一対の側パネルと、底パネルと、上パネルと、を備え、一対の側パネルから延設された一対の端内フラップを折り曲げ、底パネルと上パネルから延設された端外フラップを折り曲げて端内フラップに重ねて接着することで、端面を閉じるように構成されている。各々の端外フラップの両側部と中央部との間には、切断補助線が設けられている。端外フラップの両側部のみが端内フラップに接着され、端外フラップの中央部は端内フラップに接着されていない。また、各々の端外フラップの両側部と上下のパネルとの間にも切断補助線が設けられている。この包装用箱を開封する場合、上下の端外フラップの中央部を切断補助線に沿って切断した後、一対の端内フラップを開いて、上下の端外フラップの両側部を切断補助線に沿って上下のパネルから切り離す。また、商品が取り出された包装用箱は折り畳まれ、一方の端内フラップのタブ状の切出し部が他方の端内フラップの切欠きに差し込まれる。これにより、包装用箱が折り畳まれた状態に仮固定される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-16571号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記の包装用箱では、合計6箇所(上下の端外フラップの中央部(2箇所)、それらの両側部(4箇所))を切断補助線に沿って切断しなければ端面を開くことができず、包装用箱を簡単且つ迅速に開封にすることができなかった。
【0006】
また、開封後の包装用箱は折り畳まれ、複数枚積み重ねられて保管され、一定量溜まった場合または定期的に回収されることがある。上記の包装用箱は単独で折り畳まれた状態に保持することができるが、折り畳んだ包装用箱を複数積み重ねることについては考慮されていなかった。
【0007】
本発明は、上記課題を解決するために、簡単且つ迅速に開封することができ、更に開封後に折り畳んだ(展開した)包装箱を複数重ねた状態に保持することができる包装箱を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明は、物品を包装する包装箱であって、第1方向に対向して配置される一対の第1壁部と、第1方向に交差する第2方向に対向して配置される一対の第2壁部と、第1方向と第2方向とに交差する第3方向に対向して配置される一対の第3壁部と、各々の前記第1壁部にて第3方向に延設される第1切断線と、各々の前記第1壁部と各々の前記第3壁部との境界に設けられる第2切断線と、各々の前記第1壁部に形成される手掛部と、を備え、各々の前記手掛部は、前記第1壁部に形成された手掛折曲線と手掛切断線とで区画され、前記手掛切断線に沿って切断されて前記手掛折曲線で折り曲げられることでユーザが手を掛けるための手掛穴を形成し、前記包装箱は、前記手掛穴を利用して前記第1壁部を前記第1切断線に沿って二分割し、且つ前記第2切断線に沿って前記一対の第3壁部から分離することで開封され、開封後の前記包装箱を折り畳んだ状態または展開した状態として複数重ねた場合に、1つの前記包装箱に形成された前記手掛部が前記手掛折曲線で折り曲げられて他の前記包装箱に形成された前記手掛穴に挿入されることで、1つの前記包装箱が他の前記包装箱に連結される。
【0009】
この場合、前記手掛部は、前記手掛折曲線の側よりも先端側の方が幅広く形成されていることが好ましい。
【0010】
この場合、前記手掛部には、複数の前記手掛折曲線が互いに平行に形成されていることが好ましい。
【0011】
この場合、前記手掛部の前記手掛折曲線の両端近傍には、1つの前記包装箱の前記手掛部が他の前記包装箱の前記手掛穴を貫通した状態で、他の前記包装箱の前記手掛穴の縁部に押し当てられる一対の押圧突起部が形成されていることが好ましい。
【0012】
この場合、前記一対の第2壁部と前記一対の第3壁部とは、交互に連設されて筒状の周壁を形成し、各々の前記第1壁部は、前記一対の第2壁部の第1方向端部に連設された一対の内フラップと、前記一対の第3壁部の第1方向端部に連設され、先端を離間させた状態で前記一対の内フラップに固定される一対の外フラップと、を含み、前記第1切断線は、前記外フラップに形成され、前記第2切断線は、前記外フラップと前記第3壁部との境界に形成され、前記手掛部は、前記内フラップに形成され、前記一対の外フラップの間に露出していることが好ましい。
【0013】
他の場合、前記一対の第1壁部と前記一対の第2壁部とは、交互に連設されて筒状の周壁を形成し、各々の前記第3壁部は、前記一対の第1壁部の第3方向端部に連設された一対の内フラップと、前記一対の第2壁部の第3方向端部に連設され、前記一対の内フラップに固定される一対の外フラップ(34,36)と、を含み、前記第1切断線および前記手掛部は、前記第1壁部に形成され、前記第2切断線は、前記第1壁部と前記一対の内フラップとの境界に形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、包装箱を簡単且つ迅速に開封することができる。更に開封後に折り畳んだ(展開した)包装箱を複数重ねた状態に保持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図2】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図3】本発明の第1実施形態に係る包装箱のブランクの一部を拡大して示す平面図である。
図4】本発明の第1実施形態に係る包装箱を開封した状態を示す斜視図である。
図5】本発明の第1実施形態に係る包装箱の両端面を開いた状態を示す斜視図である。
図6】本発明の第1実施形態に係る包装箱を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
図7】本発明の第1実施形態に係る包装箱の連結作用を説明する断面図である。
図8】本発明の第1実施形態に係る包装箱の手掛部等の一方を示す斜視図である。
図9】本発明の第1実施形態に係る包装箱の手掛部等の他方を示す斜視図である。
図10】本発明の第2実施形態に係る包装箱を示す斜視図である。
図11】本発明の第2実施形態に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
図12】本発明の第1実施形態の変形例に係る包装箱を示す斜視図である。
図13】本発明の第1実施形態の変形例に係る包装箱のブランクを示す平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。なお、各図に示す「Fr」は「前」を示し、「Rr」は「後」を示し、「L」は「左」を示し、「R」は「右」を示し、「U」は「上」を示し、「D」は「下」を示している。また、左右方向(第1方向)は前後方向(第2方向)に直交し、上下方向(第3方向)は左右方向と前後方向とに直交している。また、本明細書では方向や位置を示す用語を用いるが、それらの用語は説明の便宜のために用いるものであって、本発明の技術的範囲を限定するものではない。
【0017】
[第1実施形態]
図1ないし図3を参照して、第1実施形態に係る包装箱1について説明する。図1は包装箱1を示す斜視図である。図2は包装箱1のブランク5を示す平面図である。図3はブランク5の一部を拡大して示す平面図である。
【0018】
[包装箱の概要]
図1に示すように、包装箱1は、略直方体状に形成されている。包装箱1は、例えば飲料入りの容器等の物品(図示せず)を巻き込むように包装するラップアラウンドケースである。包装箱1は、図2に示すブランク5を組み立てることで形成される。ブランク5は、例えば、一枚の紙製の段ボールシートを抜型等で打ち抜いて形成されている。段ボールシートは、例えば、波状の中しん9Aの表裏に表ライナ9Bと裏ライナ9C(図4参照)とを貼り合せた両面段ボールシートである。なお、図2は、表ライナ9B側(包装箱1の外側)を示している。本明細書では、段ボールシートの中しん9Aと平行な方向を「段方向」と呼び、段方向に直交する方向を「流れ方向」と呼ぶこととする。図面に示す「X」は「段方向」を示し、「Y」は「流れ方向」を示している。
【0019】
[ブランク]
図2に示すように、ブランク5は、天壁10(第3壁部)と、底壁11(第3壁部)と、一対の側壁12(第2壁部)と、継代片13と、4つの内フラップ14と、4つの外フラップ15と、を含んでいる。
【0020】
<天壁、底壁、側壁、継代片>
天壁10、一方の側壁12、底壁11、他方の側壁12および継代片13は、この順番で段方向に一列に並べられ、第1折曲線L1を介して連設されている。天壁10、底壁11、側壁12および継代片13は、流れ方向に略同一寸法となる略長方形状に形成されている。天壁10および底壁11は、各側壁12よりも段方向に短い略長方形状に形成されている。継代片13は、天壁10よりも段方向に短い略長方形状に形成されている。
【0021】
<内フラップ>
4つの内フラップ14は、一対の側壁12の流れ方向両端部に第2折曲線L2を介して連設されている。内フラップ14は、側壁12の段方向に略同一寸法となる略長方形状に形成されている。内フラップ14の流れ方向の寸法(延出寸法)は、天壁10(底壁11)の段方向の寸法の半分程度に設定されている。
【0022】
<外フラップ>
4つの外フラップ15は、天壁10と底壁11との流れ方向両端部に第2折曲線L2を介して連設されている。外フラップ15は、天壁10等の段方向に略同一寸法となる略長方形状に形成されている。外フラップ15の流れ方向の寸法(延出寸法)は、内フラップ14の延出寸法と同一に設定されている。
【0023】
なお、第1折曲線L1および第2折曲線L2は、段ボールシートを裏ライナ9C側から厚み方向に直線状に潰した汎用罫線である。第1および第2折曲線L1,L2は、裏ライナ9Cを内側に向けるように段ボールシートを折曲させる機能を有している。なお、第1および第2折曲線L1,L2は、汎用罫線に限らず、汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に並べたリード罫線等、段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0024】
<開封構造>
図2に示すように、各々の内フラップ14および各々の外フラップ15には、封緘した包装箱1を容易に開封するための開封構造16が形成されている。開封構造16は、4つの第1切断線20と、4つの第2切断線21と、4つの手掛部22と、を含んでいる。4つの第1切断線20は、4つの外フラップ15に形成されている。4つの第2切断線21は、天壁10とそれに連設された2つの外フラップ15との境界、および底壁11とそれに連設された2つの外フラップ15との境界に形成されている。4つの手掛部22は、4つの内フラップ14に形成されている。なお、4つの第1切断線20は略同一(対称)の形状であるため、以下、1つの第1切断線20について説明する。また、これと同様の理由により、以下、1つの第2切断線21および1つの手掛部22について説明する。
【0025】
(第1切断線)
第1切断線20は、外フラップ15の段方向略中央にて流れ方向に沿って延設されている。第1切断線20は、複数の略Y字状の切目を所定間隔で並べたジッパーである。第1切断線20は、外フラップ15を先端から基端(第2切断線21)に向かって切断する機能を有している。なお。外フラップ15の先端部には、第1切断線20の端部に向かって三角形状の切断開始部15Aが切り欠かれている。
【0026】
(第2切断線)
第2切断線21は、天壁10(底壁11)と外フラップ15との間の第2折曲線L2上に形成されている。第2切断線21は、複数の直線状の切目を所定間隔で並べたミシン刃線である。第2切断線21の切目の間隔は、第1切断線20の側から段方向両側に向かうに従って徐々に広くなるように設定されている。第2切断線21は、第1切断線20で分割された外フラップ15を段方向中央から両側に向かって天壁10(底壁11)から切り離す機能を有している。
【0027】
(手掛部)
図3に示すように、手掛部22は、内フラップ14の段方向中央付近に形成されている。手掛部22は、内フラップ14に形成された手掛折曲線23と手掛切断線24とで区画されている。手掛部22には、3本の手掛折曲線23が互いに平行、且つ流れ方向に略等間隔に形成されている。最も基端側(第2切断線21)の手掛折曲線23は、内フラップ14の流れ方向略中央に形成されている。各々の手掛折曲線23は、第2折曲線L2と平行に延びた汎用罫線上に複数の切目を所定間隔に並べたリード罫線である。なお、手掛折曲線23は、リード罫線に限らず、汎用罫線等の段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0028】
手掛切断線24は、最も基端側の手掛折曲線23の両端部から内フラップ14の先端側を囲むように形成されている。手掛切断線24は、手掛部22の輪郭に沿って並べられた複数の切目で形成されている。手掛部22は、手掛切断線24に沿って切断されて(いずれかの)手掛折曲線23で折り曲げられることでユーザが手を掛けるための手掛穴22Hを形成する(図4参照)。
【0029】
更に詳細には、手掛部22は、手掛折曲線23同士の間に形成された2つの壁厚調整部25と、最も先端側に位置する手掛折曲線23を介して壁厚調整部25に連設された手掛本体部26と、を有している。2つの壁厚調整部25は、基端側(第2切断線21)から先端に向かって段方向に広がる略台形状に形成されている。つまり、手掛部22は、全体的に、手掛折曲線23の側よりも先端側の方が幅広く形成されている。各壁厚調整部25の流れ方向の幅(手掛折曲線23同士の間隔)は、段ボールシートの厚みよりも僅かに広く設定されている。手掛本体部26は、壁厚調整部25よりも流れ方向に幅広い略長方形状に形成されている。手掛本体部26の先端側の一辺は、基端側に凹む円弧状を成している。
【0030】
また、手掛部22の各手掛折曲線23の両端近傍には、基端側に向かって突き出すように一対の押圧突起部27が形成されている。この手掛部22では、3本の手掛折曲線23が形成されているため、一対の押圧突起部27が3組形成されている。各々の一対の押圧突起部27は、手掛折曲線23の両端付近で手掛切断線24を釣り針状に湾曲させることで略半円形状に形成されている。
【0031】
[包装箱の製函]
次に、図1を参照して、包装箱1の製函工程(封緘工程)について説明する。
【0032】
包装箱1は、裏ライナ9Cを上方に向けたブランク5(図2参照)を適宜折り曲げることで組み立てられる。包装箱1は、ユーザによって手作業で製函されてもよいし、包装装置(ラップアラウンドケーサー)によって全自動または半自動で製函されてもよい。ここでは、一例として、包装装置(図示せず)が全自動で包装箱1を製函する場合について説明する。
【0033】
包装装置は、底壁11と継代片13との間の側壁12を第1折曲線L1に沿って略直角に折り曲げ、集積された複数の物品(図示せず)を底壁11に載置する。続いて、包装装置は、継代片13を第1折曲線L1に沿って略直角に折り曲げ、継代片13の表面に接着剤を付着させる。次に、包装装置は、もう一方の側壁12および天壁10を第1折曲線L1に沿って略直角に折り曲げ、天壁10を継代片13に接着する。
【0034】
以上によって、一対の側壁12は、前後方向(第2方向)に対向して配置され、天壁10と底壁11とは、上下方向(第3方向)に対向して配置される。一対の側壁12と天壁10と底壁11とは交互に連設されて筒状の周壁1Wを形成し、複数の物品は周壁1Wにタイトに包み込まれた状態になる。
【0035】
次に、包装装置は、4つの内フラップ14を第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げ、各内フラップ14の表面に接着剤を付着させる。その後、包装装置は、4つの外フラップ15を第2折曲線L2に沿って内側に折り曲げ、各々の外フラップ15を内フラップ14に重ねて接着する。すると、一対の内フラップ14と一対の外フラップ15とが包装箱1の端面(第1壁部)を構成し、一対の端面は左右方向(第1方向)に対向して配置される。
【0036】
以上によって、包装箱1が製函(封緘)された状態になる(図1参照)。この状態で、前後一対の内フラップ14は、先端を突き合せている。上下一対の外フラップ15は、先端を離間させた状態で前後一対の内フラップ14に固定されている。また、この状態で、第1切断線20は、各々の外フラップ15にて上下方向(第3方向)に延設されている。第1切断線20は、一対の内フラップ14の突き合せ部と略同一直線状に配置されている。第2切断線21は、外フラップ15と天壁10の境界、および外フラップ15と底壁11との境界に設けられている。前後一対の手掛部22は、各々の内フラップ14にて第1切断線20(の延長線)を挟んで形成され、上下一対の外フラップ15の間に露出している。前後一対の手掛部22は、手掛本体部26を第1切断線20側に向け、湾曲した一辺を向き合わせるように形成されている。
【0037】
[包装箱の開封]
次に、図4を参照して、包装箱1の開封工程について説明する。図4は包装箱1を開封した状態を示す斜視図である。
【0038】
包装箱1は、左右一対の端面の少なくとも何れかを開放することで開封される。ここでは、一例として、包装箱1の左端面を開く場合について説明する。
【0039】
まず、ユーザは、一対の手掛部22を両手で押し込み、各々の手掛部22を手掛切断線24で切断しつつ手掛折曲線23で内部に折り曲げて手掛穴22Hを開ける。ユーザは、一対の手掛穴22Hに入れた両手の指を一対の内フラップ14の先端裏面に掛け、一対の内フラップ14を手前に引っ張る。すると、一対の内フラップ14に接着された上下一対の外フラップ15は、上下方向中央側から上下両側に向かって第1切断線20に沿って切断され、且つ上下一対の第2切断線21に沿って前後方向中央側から前後両側に向かって切断される。すなわち、一対の外フラップ15は、第1切断線20で二分割にされ、且つ天壁10および底壁11から分離され、一対の内フラップ14と一体となって第2折曲線L2を支点に観音開きにされる。
【0040】
以上によって、包装箱1が開封された状態になる。これにより、ユーザは、包装箱1の端面開口から物品を取り出すことができる。なお、上記した包装箱1の開封工程では、ユーザが両手で一対の内フラップ14を略同時に手前に引く場合について説明したが、本発明はこれに限定されない。例えば、ユーザは、片手で一方の手掛穴22Hを開けて一方の内フラップ14を引いて上下一対の外フラップ15を第1および第2切断線20,21で切断した後、他方の手掛穴22Hを開けて他方の内フラップ14を引いて上下一対の外フラップ15を第2切断線21で切断してもよい。
【0041】
[包装箱の廃棄]
次に、図5および図6を参照して、包装箱1の廃棄工程について説明する。図5は包装箱1の両端面を開いた状態を示す斜視図である。図6は包装箱1を折り畳んだ状態を示す斜視図である。
【0042】
物品を取り出して空になった包装箱1は、嵩張らないように、折り畳まれる。具体的には、図5に示すように、ユーザは、上記の開封工程と同様の手順で包装箱1の右端面を開く。その後、図6に示すように、ユーザは、底壁11と平行になるように一対の側壁12を同一方向に倒すことで包装箱1を平坦に折り畳む。
【0043】
折り畳まれた包装箱1は、複数枚重ねられて一時的に保管され、一定量溜まった場合または定期的に回収(廃棄)される。ところで、折り畳まれた包装箱1を1つ1つ積み重ねた場合、積層状態が安定せず崩れてしまう虞があった。また、折り畳まれた包装箱1を複数積み重ねた状態で搬送(回収)する際、1つの包装箱1上に載せた他の包装箱1が滑り落ちてしまうこともあり、回収時の作業性が悪化することもあった。そこで、第1実施形態に係る包装箱1では、使用後に折り畳まれた複数の包装箱1を連結する構成を備えている。
【0044】
<包装箱の連結工程>
図7ないし図9を参照して、複数の包装箱1の連結工程について説明する。図7は包装箱1の連結作用を説明する断面図である。図8は手掛部22等の一方を示す斜視図である。図9は手掛部22等の他方を示す斜視図である。なお、ここでは、一例として、折り畳まれた2枚の包装箱1を連結する工程について説明する。また、以下、説明の便宜上、一方の包装箱1およびこの構成に符号「(A)」を付加し、他方の包装箱1およびこの構成に符号「(B)」を付加することとする。また、両方の包装箱1に共通する説明では、上記の(A)、(B)を付加しない。
【0045】
まず、図7に示すように、ユーザは、折り畳まれた2枚の包装箱1を、各々の内フラップ14の位置を合わせながら重ねる。なお、図7ないし図9では、折り畳まれた2枚の包装箱1を表裏同じ向きに重ねたが、これに限らず、2枚の包装箱1を表裏異なる向きに重ねてもよい(図示せず)。
【0046】
次に、図8および図9示すように、ユーザは、一方の包装箱1(A)の手掛部22(A)を最も基端側の手掛折曲線23(A)で折り曲げながら、他方の包装箱1(B)の手掛穴22H(B)に押し込む。すると、手掛部22(A)は、手掛部22(B)を押し出しながら手掛穴22H(B)を貫通する。
【0047】
図9に示すように、手掛部22(A)が手掛穴22H(B)を貫通した状態で、手掛部22(B)は、最も基端側の手掛折曲線23(B)で折れ曲がり、手掛部22(A)は、最も基端側の手掛折曲線23(A)で折れ曲がって手掛部22(B)上に重なる。また、この状態で、一対の押圧突起部27(A)が手掛穴22H(B)の縁部に押し当てられる。詳細には、基端側の壁厚調整部25(A)は手掛穴22H(B)の内部に配置され、先端側の壁厚調整部25(A)および手掛本体部26(A)は手掛穴22H(B)から突き出ている。また、先端側の壁厚調整部25(A)の左右両端部に形成された一対の押圧突起部27は、手掛穴22H(B)の縁部(内フラップ14)に食い込むように接している。
【0048】
以上のように、手掛部22(A)を手掛穴22H(B)に掛合させることで、2枚の折り畳まれた包装箱1が連結された状態になる。なお、ユーザは、以上と同様の手順で、他の手掛部22(A)を他の手掛穴22H(B)に掛合させてもよいが、2枚(複数)の包装箱1を連結するには、4つの手掛部22(A)のうち少なくとも1つの手掛部22(A)を1つの手掛穴22H(B)に掛合させればよい。また、手掛穴22H(B)から突き出た壁厚調整部25(A)や手掛本体部26(A)を手掛折曲線23(A)で折り曲げてもよい(図示せず)。
【0049】
以上説明した第1実施形態に係る包装箱1は、手掛穴22Hを利用して外フラップ15を第1切断線20に沿って二分割し、且つ第2切断線21に沿って天壁10および底壁11から分離することで開封される構成とされていた。この構成によれば、ユーザが一対の手掛穴22Hに手を掛けて一対の内フラップ14を手前に引くことで、包装箱1を簡単且つ迅速に開封することができる。また、開封後の包装箱1を折り畳んだ状態として複数重ねた場合に、1つの包装箱1(A)に形成された手掛部22(A)が手掛折曲線23(A)で折り曲げられて他の包装箱1(B)に形成された手掛穴22H(B)に挿入されることで、1つの包装箱1(A)が他の包装箱1(B)に連結される構成とした。この構成によれば、折り畳んだ包装箱1を複数重ねた状態に保持することができる。また、ユーザ(作業者)は、手掛穴22Hに手を入れて複数重ねられた包装箱1を持ち運ぶことができる。これにより、使用済みの複数の包装箱1をまとめて効率良く回収することができる。
【0050】
また、第1実施形態に係る包装箱1によれば、手掛部22の先端側が基端側よりも幅広く(長く)形成されているため、包装箱1(B)の手掛穴22H(B)に挿入された包装箱1(A)の手掛部22(A)を抜け出し難くすることができる。これにより、折り畳んだ包装箱1同士の連結状態を維持することができる。
【0051】
また、包装箱1の連結工程では、折り畳まれた2枚の包装箱1を連結する場合について説明したが、折り畳まれた3枚以上の包装箱1が上記と同様の工程(手順)で連結されてもよい。第1実施形態に係る包装箱1では、3本の手掛折曲線23(2つの壁厚調整部25)が形成されているため、折り畳んだ包装箱1を重ねる枚数に応じて手掛部22を折り曲げる位置を調整することができる。これにより、手掛穴22H(B)を貫通する位置で手掛部22(A)を折り曲げることができ、略台形状の手掛部22(A)を手掛穴22H(B)の縁部に確りと引っ掛けることができる。その結果、包装箱1同士を密着した状態で重ねることができ、複数の包装箱1を確りとひとまとめにすることができる。
【0052】
また、第1実施形態に係る包装箱1によれば、手掛部22(A)の一対の押圧突起部27(A)が手掛穴22H(B)の縁部に押し当てられるため、手掛部22(A)を手掛穴22H(B)の縁部に確りと引っ掛けることができる。これにより、手掛穴22H(B)から手掛部22(A)が抜け出し難くなり、折り畳んだ包装箱1同士の連結状態を適切に維持することができる。
【0053】
なお、以上説明した第1実施形態に係る包装箱1では、開封構造16が、包装箱1の端面(内フラップ14および外フラップ15)に形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、開封構造16は、一対の側壁12に形成されていてもよい(図示せず)。
【0054】
また、以上の包装箱1の連結工程の説明では、一方の包装箱1(A)の手掛部22(A)が、他方の包装箱1(B)の手掛穴22H(B)に押し込まれていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、他方の包装箱1(B)の手掛部22(B)が、一方の包装箱1(A)の手掛穴22H(A)に押し込まれてもよい。また、4つの手掛部22は、同じ向きに折り曲げられてもよいし、各々異なる方向に折り曲げられてもよい。
【0055】
[第2実施形態]
次に、図10および図11を参照して、第2実施形態に係る包装箱2について説明する。図10は包装箱2を示す斜視図である。図11は包装箱2のブランク6を示す平面図である。なお、以下の説明では、第1実施形態に係る包装箱1と同一または対応する構成には同一の符号を付し、それらの説明は省略する。
【0056】
図10に示すように、包装箱2は、略角筒状の周壁2Wの上端面および下端面を閉じることで封緘されるA式の箱である。包装箱2は、図11に示すブランク6(紙製の段ボールシート)を組み立てることで形成される。
【0057】
[ブランク]
図11に示すように、ブランク6は、一対の端壁30(第1壁部)と、一対の側壁31(第2壁部)と、継代片32と、一対の上内フラップ33と、一対の上外フラップ34と、一対の下内フラップ35と、一対の下外フラップ36と、を含んでいる。
【0058】
<端壁,側壁>
一対の端壁30と一対の側壁31とは、第1折曲線L11を介して交互に連設されている。側壁31は、端壁30よりも流れ方向に幅広い略長方形状に形成されている。継代片32は、流れ方向一方に位置する側壁31の流れ方向端部に第1折曲線L11を介して連設されている。
【0059】
<上内フラップ,上外フラップ>
一対の上内フラップ33は、一対の端壁30の段方向一端部(周壁2Wの上端部)に第2折曲線L12を介して連設されている。上内フラップ33は、端壁30の流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。上内フラップ33の段方向の寸法(延出寸法)は、端壁30の流れ方向の寸法の略半分に設定されている。一対の上外フラップ34は、一対の側壁31の段方向一端部に第2折曲線L12を介して連設されている。上外フラップ34は、側壁31の流れ方向の寸法と略同一幅を有する略長方形状に形成されている。上外フラップ34の段方向の寸法(延出寸法)は、上内フラップ33の延出寸法と略同一である。
【0060】
<下内フラップ,下外フラップ>
一対の下内フラップ35は、一対の端壁30の段方向他端部(周壁2Wの下端部)に第3折曲線L13を介して連設されている。一対の下外フラップ36は、一対の側壁31の段方向他端部に第3折曲線L13を介して連設されている。下内フラップ35は上内フラップ33と略同一形状に形成され、下外フラップ36は上外フラップ34と略同一形状に形成されている。
【0061】
なお、第1~第3折曲線L11~L13は、汎用罫線であるが、これに限らず、リード罫等の段ボールシートを折り曲げるための線であれば如何なるものでもよい。
【0062】
<開封構造>
開封構造37は、2つの第1切断線20と、4つの第2切断線21と、4つの手掛部22と、を含んでいる。2つの第1切断線20は、一対の端壁30に形成されている。4つの第2切断線21は、一対の端壁30と一対の上内フラップ33との境界、および一対の端壁30と一対の下内フラップ35との境界に形成されている。4つの手掛部22は、一対の端壁30に形成されている。なお、2つの第1切断線20は略同一(対称)の形状であるため、以下、1つの端壁30に形成された1つの第1切断線20について説明する。また、これと同様の理由により、以下、1つの端壁30に形成された一対の第2切断線21および一対の手掛部22について説明する。
【0063】
(第1切断線)
第1切断線20は、端壁30の流れ方向略中央にて段方向に沿って延設されている。第1切断線20の段方向中央部は3つの直線状の切目で構成され、第1切断線20の段方向両側(上下両側)は複数の略Y字状の切目で構成されている。第1切断線20の略Y字状の切目は、上下対称に形成されている。第1切断線20は、端壁30を段方向中央部から両側に向かって切断する機能を有している。
【0064】
(第2切断線)
一対の第2切断線21は、端壁30と上下の内フラップ33,35の間の第2および第3折曲線L12,L13上に形成されている。第2切断線21は、複数の略L字状の切目を所定間隔で並べたジッパーである。第2切断線21の略L字状の切目は、第1切断線20を中心として対称に形成されている。一対の第2切断線21は、第1切断線20で分割された端壁30を流れ方向中央から両側に向かって各内フラップ33,35から切り離す機能を有している。
【0065】
(手掛部)
一対の手掛部22は、端壁30にて第1切断線20を中心として対称に形成されている。
【0066】
[包装箱の製函]
次に、図10を参照して、包装箱2の製函工程(封緘工程)について説明する。なお、包装箱2は、継代片32を端壁30の内面に接着し、折り畳まれた状態になっているものとする。また、包装箱2は、作業者によって手作業で組み立てられてもよいし、製函機によって自動または半自動で組み立てられてもよい。ここでは、一例として、作業者が包装箱2を組み立てる場合について説明する。
【0067】
作業者は、一対の端壁30と一対の側壁31とを第1折曲線L11で略直角に折り曲げる。一対の端壁30と一対の側壁31とは、交互に連設されて略角筒状の周壁2Wを形成する。次に、作業者は、一対の下内フラップ35を第3折曲線L13で周壁2Wの内側に折り曲げた後、一対の下外フラップ36を第3折曲線L13で周壁2Wの内側に折り曲げ、一対の下外フラップ36を一対の下内フラップ35に接着(固定)する。以上のように、一対の下外フラップ36と一対の下内フラップ35とによって包装箱2の底面(第3壁部)が形成される。
【0068】
次に、作業者は、周壁2Wの上端面から内部(底面上)に複数の物品を入れる。続いて、作業者は、一対の上内フラップ33を第2折曲線L12で周壁2Wの内側に折り曲げた後、一対の上外フラップ34を第2折曲線L12で周壁2Wの内側に折り曲げ、一対の上外フラップ34を一対の上内フラップ33に接着する。以上のように、一対の上外フラップ34と一対の上内フラップ33とによって包装箱2の天面(第3壁部)が形成される。
【0069】
以上によって、包装箱2が封緘された状態になる(図10参照)。なお、包装箱2は、第1実施形態に係る包装箱1と同様に、開封構造37(第1切断線20、第2切断線21および手掛部22)を利用して開封することができる。また、包装箱2は、第1実施形態に係る包装箱1と同様に、使用後に折り畳まれ、開封構造37の手掛部22を利用して、他の包装箱2と連結することができる。なお、包装箱2は、上方のフラップ33,34または下方のフラップ35,36を開くことで開封されてもよい。
【0070】
なお、以上説明した第2実施形態に係る包装箱2では、開封構造37が、包装箱2の一対の端壁30に形成されていたが、これに限らず、例えば、一対の側壁31に形成されていてもよい(図示せず)。
【0071】
[変形例]
なお、以上説明した第1および第2実施形態に係る包装箱1,2は、略直方体状の外観を有していたが、本発明はこれに限定されない。例えば、図12に示すように、変形例に係る包装箱3が、略八角柱状に形成されたラップアラウンドケースであってもよい。この包装箱3(周壁3W)を平面(または底面)から見ると、天壁10と底壁11とが、四隅部分を面取りされて略八角形状に形成されている。また、図13に示すように、この包装箱3のブランク7では、各々の側壁12と各々の内フラップ14との間に第2折曲線L2を介して角壁38が連設されている。この4つの角壁38が包装箱3の四角部分に配置されることで、略八角柱状の包装箱3が形成されることになる(図12参照)。なお、包装箱3(ブランク7)のその他の構成は、第1実施形態に係る包装箱1(ブランク5)と同様であるため、それらの説明は省略する。以上説明した略八角柱状の包装箱3に開封構造16を適用しても、第1実施形態に係る包装箱1と同様の作用、効果を得ることができる。
【0072】
また、上記した包装箱3と同様に、A式の包装箱の四隅部分に傾斜面を設け、A式の包装箱を略八角柱状に形成してもよい(図示せず)。また、他にも、周壁の上部と天面と間、および周壁の下部と底面との間に、各々傾斜面を設けて、包装箱を略八角柱状に形成してもよい(図示せず)。さらに、天面または底面と周壁との間に傾斜面を設けて、包装箱を略六角柱状に形成してもよい(図示せず)。
【0073】
なお、以上説明した第1および第2実施形態(変形例を含む。以下同じ。)に係る包装箱1~3は、折り畳まれた状態で、手掛部22を利用して他の包装箱1~3と連結されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、継代片13,32を剥がしたり、周壁1W,2W,3Wを切断したりして展開した包装箱1~3、つまり、ブランク5~7に戻した状態で、手掛部22を利用して他の包装箱1~3(ブランク5~7)と連結してもよい。
【0074】
また、以上説明した第1および第2実施形態に係る包装箱1~3では、各々の手掛部22に3本の手掛折曲線23が形成されていたが、本発明はこれに限定されない。手掛折曲線23は、段ボールシートの厚みや廃棄時の包装箱1の積層枚数に応じて、1本以上形成されていればよい。なお、手掛折曲線23が1本の場合、壁厚調整部25は存在せず、手掛部22は手掛本体部26で構成されることになる。また、手掛折曲線23同士の間隔(壁厚調整部25の幅)は、例えば、段ボールシートの厚みに応じて設定することが好ましい。
【0075】
また、以上説明した第1および第2実施形態に係る包装箱1~3では、前後一対の手掛部22が、先端側の湾曲した一辺を対向させるように形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、前後一対の手掛部22が、手掛折曲線23を第1切断線20側に向けて手掛折曲線23を向き合わせるように形成してもよい。また、例えば、手掛折曲線23が前後方向(横向き)に延びるように手掛部22が形成されてもよい。また、手掛部22は、押し込んだ時に包装箱1~3に収容した物品同士の隙間に入り込むように形成されることが好ましい。すなわち、手掛部22の形状、大きさ、形成位置、折曲方向等は、包装箱1~3に収容する物品の形状、大きさ、数等に応じて変更、調整されることが好ましい。
【0076】
また、以上説明した第1および第2実施形態に係る包装箱1~3では、一対の手掛部22が第1切断線20を挟んで前後両方に設けられていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、包装箱1~3の各々の端面(端壁30)において、1つの手掛部22が、第1切断線20よりも前方または後方に設けられていてもよい(図示せず)。この場合、手掛部22(手掛穴22H)を利用して端面(端壁30)を第1切断線20に沿って切断して端面(端壁30)の前後何れか一方を開いた後に、第1切断線20の縁部を掴んで端面(端壁30)の前後何れか他方を開くことができる。
【0077】
また、第1および第2実施形態に係る包装箱1~3は、紙製の両面段ボールシートで形成されていたが、本発明はこれに限定されない。例えば、段ボールシートは、中しん9Aの片面にライナを貼り付けた片面段ボールシートであってもよいし、片面段ボールシートを両面段ボールシートに貼り合せた複両面段ボールシートであってもよい。また、例えば、包装箱1は、紙製の段ボールシートに代えて、厚紙や樹脂製の板等で形成されていてもよい。
【0078】
なお、上記実施形態の説明は、本発明に係る包装箱における一態様を示すものであって、本発明の技術範囲は、上記実施形態に限定されるものではない。
【符号の説明】
【0079】
1,2,3 包装箱
1W,2W,3W 周壁
10 天壁(第3壁部)
11 底壁(第3壁部)
12 側壁(第2壁部)
14 内フラップ(第1壁部)
15 外フラップ(第1壁部)
20 第1切断線
21 第2切断線
22 手掛部
22H 手掛穴
23 手掛折曲線
24 手掛切断線
27 押圧突起部
30 端壁(第1壁部)
31 側壁(第2壁部)
33 上内フラップ(第3壁部)
34 上外フラップ(第3壁部)
35 下内フラップ(第3壁部)
36 下外フラップ(第3壁部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13