(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】化合物
(51)【国際特許分類】
C09B 57/00 20060101AFI20220328BHJP
G02B 5/20 20060101ALI20220328BHJP
C09B 67/20 20060101ALI20220328BHJP
C08K 5/19 20060101ALI20220328BHJP
C08L 101/00 20060101ALI20220328BHJP
C08G 59/50 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
C09B57/00 X CSP
G02B5/20 101
C09B67/20 F
C08K5/19
C08L101/00
C08G59/50
(21)【出願番号】P 2018187785
(22)【出願日】2018-10-02
【審査請求日】2021-02-04
(73)【特許権者】
【識別番号】503454506
【氏名又は名称】東友ファインケム株式会社
【氏名又は名称原語表記】DONGWOO FINE-CHEM CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】132, YAKCHON-RO, IKSAN-SI, JEOLLABUK-DO 54631, REPUBLIC OF KOREA
(74)【代理人】
【識別番号】110002837
【氏名又は名称】特許業務法人アスフィ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】上田 俊雄
(72)【発明者】
【氏名】森脇 章太
【審査官】越本 秀幸
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2018-0026967(KR,A)
【文献】特開2009-015113(JP,A)
【文献】国際公開第2018/043829(WO,A1)
【文献】特開2015-086379(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09B 1/00-69/10
G02B 5/20
C08K 5/19
C08L 101/00
C08G 59/50
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される化合物。
【化1】
[式(I)中、
R
1~R
8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよ
く、
該炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基は、メチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基、プロペニレン基、エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基、ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、又はアダマンタン-2,6-ジイル基である。
R
11及びR
12は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環を有する炭素数6~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は置換基を有していてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R
13は、水素原子又は炭素数1~8の飽和炭化水素基を表す。]
【請求項2】
着色剤及び樹脂を含み、着色剤が請求項1記載の化合物を含む着色樹脂組成物。
【請求項3】
さらに、重合性化合物及び重合開始剤を含む請求項2記載の着色樹脂組成物。
【請求項4】
請求項2又は3記載の着色樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
【請求項5】
請求項4記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、化合物に関するものである。
【背景技術】
【0002】
液晶表示装置、エレクトロルミネッセンス表示装置及びプラズマディスプレイ等の表示装置やCCDやCMOSセンサなどの固体撮像素子に使用されるカラーフィルタは、着色樹脂組成物から製造される。このような着色樹脂組成物に用いられる着色剤として、式(x)で表される化合物が知られている。
【化1】
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来から知られる上記の化合物を含む着色樹脂組成物から形成されるカラーフィルタは、耐熱性を十分に満足できない場合があった。そこで本発明は、耐熱性に優れたカラーフィルタを形成しうる化合物を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は以下の発明を含む。
[1] 式(I)で表される化合物。
【化2】
[式(I)中、
R
1~R
8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基を表す。
R
9及びR
10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R
11及びR
12は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環を有する炭素数6~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は置換基を有していてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R
13は、水素原子又は炭素数1~8の飽和炭化水素基を表す。]
[2] 着色剤及び樹脂を含み、着色剤が[1]記載の化合物を含む着色樹脂組成物。
[3] さらに、重合性化合物及び重合開始剤を含む[2]記載の着色樹脂組成物。
[4] [2]又は[3]記載の着色樹脂組成物から形成されるカラーフィルタ。
[5] [4]記載のカラーフィルタを含む表示装置。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、耐熱性に優れたカラーフィルタを形成可能な新規な化合物が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
<化合物>
本発明に係る化合物は、式(I)で表される化合物(以下、化合物(I)ということがある)である。以下、式(I)を用いて本発明について詳述するが、化合物(I)には、式(I)の共鳴構造や、式(I)中の各基を炭素-炭素単結合の結合軸周りに回転させて得られる化合物も含まれることとする。
【0008】
【0009】
[式(I)中、
R1~R8は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、又は置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基を表す。
R9及びR10は、それぞれ独立に、置換基を有していてもよい炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基を表し、該脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R11及びR12は、それぞれ独立に、芳香族炭化水素環を有する炭素数6~20の炭化水素基を表し、該炭化水素基は置換基を有していてもよく、該炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R13は、水素原子又は炭素数1~8の飽和炭化水素基を表す。]
【0010】
R1~R8で表されるハロゲン原子としてはフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等が挙げられる。
【0011】
R1~R8で表される炭素数1~20の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ヘプタデシル基、ウンデシル基等が挙げられる。環状の飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基、2,4,6-トリメチルシクロヘキシル基、4-シクロヘキシルシクロヘキシル基等が挙げられる。
R1~R8で表される炭素数1~20の飽和炭化水素基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-NRaRb(Ra及びRbは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~20のアルキル基である);ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~10のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
【0012】
R1~R8で表される炭素数1~20のアルコキシ基としては、上記炭素数1~20の飽和炭化水素基の結合手に-O-が結合した基が挙げられる。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、イソプロポキシ基、n-ブトキシ基、sec-ブトキシ基、tert-ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2-エチルヘキシルオキシ基等が挙げられる。
R1~R8で表される炭素数1~20のアルコキシ基の置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-NRcRd(Rc及びRdは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~20のアルキル基である);ニトロ基;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~10のアルコキシ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の、アルコキシ部分の炭素数が1~10であるアルコキシカルボニル基等が挙げられる。
【0013】
R1~R8のうち、R1~R4は水素原子又はメチル基であることが好ましく、水素原子であることがより好ましい。またR1~R4が水素原子又はメチル基である場合、より好ましくはR1~R4が水素原子である場合、R5~R8は、それぞれ独立に、水素原子、ヒドロキシ基、置換基を有していてもよい炭素数1~20の飽和炭化水素基、または置換基を有していてもよい炭素数1~20のアルコキシ基であることが好ましく、水素原子またはヒドロキシ基であることがより好ましい。
【0014】
R1~R8(好ましくはR5~R8)のうち2個~4個が、それぞれ独立に、ヒドロキシ基であることが好ましい。
【0015】
R9及びR10で表される炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基は、飽和及び不飽和の何れであってもよく、飽和が好ましい。また炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れであってもよく、直鎖状または分岐鎖状が好ましい。
【0016】
炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基としては、メチレン基、エチレン基、プロパン-1,3-ジイル基、ブタン-1,4-ジイル基、ペンタン-1,5-ジイル基、ヘキサン-1,6-ジイル基、ヘプタン-1,7-ジイル基、オクタン-1,8-ジイル基、ノナン-1,9-ジイル基、デカン-1,10-ジイル基、ウンデカン-1,11-ジイル基、ドデカン-1,12-ジイル基、トリデカン-1,13-ジイル基、テトラデカン-1,14-ジイル基、ペンタデカン-1,15-ジイル基、ヘキサデカン-1,16-ジイル基、ヘプタデカン-1,17-ジイル基、プロペニレン基等の2価の直鎖状脂肪族炭化水素基;エタン-1,1-ジイル基、プロパン-1,1-ジイル基、プロパン-1,2-ジイル基、プロパン-2,2-ジイル基、ペンタン-2,4-ジイル基、2-メチルプロパン-1,3-ジイル基、2-メチルプロパン-1,2-ジイル基、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジイル基、ペンタン-1,4-ジイル基、2-メチルブタン-1,4-ジイル基等の2価の分岐鎖状脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
環状の2価の脂肪族炭化水素基は、単環でも多環でもよい。該環状の2価の脂肪族炭化水素基としては、シクロブタン-1,3-ジイル基、シクロペンタン-1,3-ジイル基、シクロヘキサン-1,4-ジイル基、シクロオクタン-1,5-ジイル基等の単環式の2価の脂肪族炭化水素基;ノルボルナン-1,4-ジイル基、ノルボルナン-2,5-ジイル基、アダマンタン-1,5-ジイル基、アダマンタン-2,6-ジイル基等の多環式の2価の脂肪族炭化水素基等が挙げられる。
【0017】
前記炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。該2価の脂肪族炭化水素基に含まれるメチレン基が-O-に置き換わっている基としては、例えば、下記式で表される基が挙げられる。下記式中、左側の*は窒素原子との結合手を表し、右側の*は酸素原子との結合手を表す。
【0018】
【0019】
R9及びR10で表される炭素数1~20の2価の脂肪族炭化水素基は置換基を有していてもよく、該置換基としては、フッ素原子、塩素原子、ヨウ素等のハロゲン原子;ヒドロキシ基;-NReRf(Re及びRfは、それぞれ独立に、水素原子または炭素数1~20のアルキル基である);ニトロ基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~10のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
【0020】
R11及びR12で表される芳香族炭化水素環を有する炭素数6~20の炭化水素基としては、芳香族炭化水素環に結合手を有する基(以下、芳香族炭化水素基という)、炭素数7~20のアラルキル基などが挙げられる。これらは置換基を有していてもよい。
芳香族炭化水素環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、フェナントレン環等が挙げられ、好ましくはベンゼン環である。
前記芳香族炭化水素基としては、例えば、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、フェナントリル基、トリル基、キシリル基、トリメチルフェニル基、ジイソプロピルフェニル基等が挙げられる。中でも、オルト位にアルキル基を有する芳香族炭化水素基が好ましく、例えば、2,6-ジメチルフェニル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、2,6-ジイソプロピルフェニル基等が挙げられる。さらに、オルト位のアルキル基が嵩高いと耐光性に優れる傾向がある。
芳香族炭化水素基が置換基を有する場合、該置換基を1つ有していてもよく、複数有していてもよい。芳香族炭化水素基が複数の置換基を有する場合、それぞれの置換基は、同一でもよいし、異なってもよい。該置換基としては、ヒドロキシ基;カルボキシ基;フッ素原子、塩素原子、ヨウ素原子、臭素原子等のハロゲン原子;メトキシ基、エトキシ基等の炭素数1~6のアルコキシ基;スルファモイル基;メチルスルホニル基等の炭素数1~6のアルキルスルホニル基;メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等の炭素数1~6のアルコキシカルボニル基;等が挙げられる。
前記炭素数1~14の炭化水素基は、ヒドロキシ基、カルボキシ基、ハロゲン原子、アルコキシ基等の置換基を有していてもよい。
【0021】
前記置換基を有していてもよい芳香族炭化水素基がメチレン基を有する場合、該メチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
【0022】
前記炭素数7~20のアラルキル基は、上記芳香族炭化水素基で説明した芳香族炭化水素環にメチレン基、エチレン基、プロピレン基等の炭素数1~5のアルカンジイル基が結合した基等が挙げられる。該アラルキル基としては、ベンジル基、フェニルエチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
前記炭素数7~20のアラルキル基は置換基を有していてもよく、置換基が複数ある場合は、それぞれの置換基は、同一でもよいし、異なってもよい。該置換基は前記芳香族炭化水素環に結合してもよく前記アルカンジイル基に結合してもよく、芳香族炭化水素環に結合可能な置換基としては前記芳香族炭化水素基の置換基として説明した基と同様である。
【0023】
前記置換基を有していてもよい炭素数7~20のアラルキル基がメチレン基を有する場合、該メチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
【0024】
R13で表される炭素数1~8の飽和炭化水素基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状の何れであってもよい。直鎖状又は分岐鎖状の飽和炭化水素基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル基、ブチル基、tert-ブチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が挙げられる。環状の飽和炭化水素基としては、シクロプロピル基、1-メチルシクロプロピル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、1,2-ジメチルシクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0025】
化合物(I)としては、表1~3に示す、式(I-1)~式(I-240)で表される化合物等が挙げられる。
【0026】
【0027】
【0028】
【0029】
表1~3中、A1-1~A1-4は、下記式で表される基を表す。下記式中、左側の*は窒素原子との結合手を表し、右側の*は酸素原子との結合手を表す。
【0030】
【0031】
表1~3中、A2-1~A2-5は、下記式で表される基を表す。下記式中、*は結合手を表す。
【0032】
【0033】
また、化合物(I)としては、上記式(I-1)~式(I-240)で表される化合物に加え、下記式(II)で表される化合物が挙げられ、式(II)で表される化合物であることが好ましい。式(II)で表される化合物は耐光性が良好である。
【0034】
【0035】
[式(II)中、
R1~R10は、式(I)におけるものと同じ意味を表す。
X1及びX2は、それぞれ独立に、ヒドロキシ基及びカルボキシ基からなる群から選ばれる少なくとも一つの基を有する炭素数1~14の炭化水素基、ヒドロキシ基並びにカルボキシ基を表し、該炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
R14及びR15は、それぞれ独立に、水素原子又は炭素数1~13の炭化水素基を表す。
n1及びn2は、それぞれ独立に、1~5の整数を表す。
ただし、(X1)n1と(R14)5-n1の合計炭素数、及び(X2)n2と(R15)5-n2の合計炭素数は、それぞれ14以下である。]
【0036】
X1及びX2で表される炭素数1~14の炭化水素基としては、脂肪族炭化水素基、芳香族炭化水素基及びこれらを組合せた基が挙げられる。
直鎖状の脂肪族炭化水素基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基などが挙げられる。
分岐状の脂肪族炭化水素基としては、イソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、メチルペンチル基、エチルペンチル基、メチルヘキシル基、エチルヘキシル基、プロピルヘキシル基、tert-オクチル基などが挙げられ、好ましくはイソプロピル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、エチルヘキシル基が挙げられる。
環状の脂肪族炭化水素基としては、シクロペンチル基、シクロへキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、ノルボルニル基、アダマンチル基等が挙げられる。
芳香族炭化水素基としては、フェニル基、ナフチル基、アントリル基、p-メチルフェニル基、p-tert-ブチルフェニル基、トリル基、キシリル基、クメニル基、メシチル基、ビフェニル基、2,6-ジエチルフェニル基、2-メチル-6-エチルフェニル基等が挙げられる。
これらを組合せた基としては、アルキルシクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アラルキル基等が挙げられる。
【0037】
前記炭素数1~14の炭化水素基に含まれるメチレン基は-O-に置き換わっていてもよい。
【0038】
R14及びR15で表される炭素数1~13の炭化水素基としては、上記X1及びX2で表される炭素数1~14の炭化水素基として説明した基と同様のものが挙げられる。
【0039】
n1及びn2は、それぞれ独立に、1~5の整数を表し、1~2であることがより好ましい。
【0040】
(X1)n1と(R14)5-n1の合計炭素数、及び(X2)n2と(R15)5-n2の合計炭素数は、それぞれ14以下である。X1、X2、R14及びR15が複数ある場合、それぞれのX1、X2、R14及びR15は同一でも異なっていてもよい。
【0041】
化合物(II)としては、下記式(II-a)で表される化合物が挙げられ、具体的には表4~12に示す、式(II-1)~式(II-540)で表される化合物等が挙げられる。
【0042】
【0043】
【0044】
【0045】
【0046】
【0047】
【0048】
【0049】
【0050】
【0051】
【0052】
表4~12中、A1-1~A1-4は、上記と同様の基を表す。
【0053】
表4~12中、A3-1~A3-3は、下記式で表される基を表す。下記式中、*は結合手を表す。
【化9】
【0054】
表4~12中、A4-1~A4-3は、下記式で表される基を表す。下記式中、*は結合手を表す。
【化10】
【0055】
式(I)で表される化合物は、式(pt1)で表される化合物と、式(pt2)で表される化合物と、式(pt3)で表される化合物を、反応させることにより製造できる。本反応において、式(pt1)で表される化合物及び式(pt2)で表される化合物の合計使用量は、式(pt3)で表される化合物1molに対し、1.5~2.5molであることが好ましい。
【0056】
【0057】
<着色樹脂組成物>
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)及び樹脂(B)を含み、着色剤(A)が、式(I)で表される化合物を含む。
本発明の着色樹脂組成物は、さらに重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含むことが好ましい。
本発明の着色樹脂組成物は、さらに重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、レベリング剤(F)を含んでいてもよい。
本明細書において、各成分として例示する化合物は、特に断りのない限り、単独で又は複数種を組合せて使用することができる。
【0058】
<着色剤(A)>
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)として、化合物(I)を含む。化合物(I)の含有量は、樹脂(B)100質量部に対して、0.1~150質量部であることが好ましく、0.3~100質量部であることがより好ましく、0.5~80質量部であることがさらに好ましい。
化合物(I)の含有率は、着色剤(A)の総量中、20質量%以上であることが好ましく、50質量%以上であることがより好ましく、80質量%以上であることがさらに好ましく、90質量%以上であることが特に好ましい。
【0059】
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)として、化合物(I)の他に、染料(A1)と顔料(A2)とを含んでいてもよい。
【0060】
染料(A1)は、特に限定されず公知の染料を使用することができ、例えば、溶剤染料、酸性染料、直接染料、媒染染料等が挙げられる。染料としては、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメント以外で色相を有するものに分類されている化合物や、染色ノート(色染社)に記載されている公知の染料が挙げられる。また、化学構造によれば、アゾ染料、シアニン染料、トリフェニルメタン染料、キサンテン染料、フタロシアニン染料、アントラキノン染料、ナフトキノン染料、キノンイミン染料、メチン染料、アゾメチン染料、スクアリリウム染料(ただし、化合物(I)を除く。)、アクリジン染料、スチリル染料、クマリン染料、キノリン染料及びニトロ染料等が挙げられる。これらのうち、有機溶剤可溶性染料が好ましい。
【0061】
顔料(A2)としては、特に限定されず公知の顔料を使用することができ、例えば、カラーインデックス(The Society of Dyers and Colourists出版)でピグメントに分類されている顔料が挙げられる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、15、16、17、20、24、31、53、83、86、93、94、109、110、117、125、128、137、138、139、147、148、150、153、154、166、173、194、214などの黄色顔料;
C.I.ピグメントオレンジ13、31、36、38、40、42、43、51、55、59、61、64、65、71、73などのオレンジ色顔料;
C.I.ピグメントレッド9、97、105、122、123、144、149、166、168、176、177、180、192、209、215、216、224、242、254、255、264、265などの赤色顔料;
C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、15:6、60などの青色顔料;C.I.ピグメントバイオレット1、19、23、29、32、36、38などのバイオレット色顔料;
C.I.ピグメントグリーン7、36、58などの緑色顔料;
C.I.ピグメントブラウン23、25などのブラウン色顔料;
C.I.ピグメントブラック1、7などの黒色顔料等が挙げられる。
【0062】
着色剤(A)の含有率は、着色樹脂組成物の固形分の総量に対しては、好ましくは0.1~70質量%であり、より好ましくは0.5~60質量%であり、さらに好ましくは1~50質量%である。
ここで、本明細書における「固形分の総量」とは、着色樹脂組成物の総量から溶剤の含有量を除いた量のことをいう。固形分の総量及びこれに対する各成分の含有量は、例えば、液体クロマトグラフィー又はガスクロマトグラフィーなどの公知の分析手段で測定することができる。
【0063】
<樹脂(B)>
樹脂(B)は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂であることが好ましく、不飽和カルボン酸及び不飽和カルボン酸無水物からなる群から選ばれる少なくとも1種(a)(以下「(a)」という場合がある)に由来する構造単位を有する樹脂がより好ましい。樹脂(B)は、さらに、炭素数2~4の環状エーテル構造とエチレン性不飽和結合とを有する単量体(b)(以下「(b)」という場合がある)に由来する構造単位、(a)と共重合可能な単量体(c)(ただし、(a)及び(b)とは異なる。)(以下「(c)」という場合がある)に由来する構造単位、並びに、側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位からなる群から選ばれる少なくとも一種の構造単位を有することが好ましい。
【0064】
(a)としては、具体的には、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸、イタコン酸無水物、3,4,5,6-テトラヒドロフタル酸無水物、こはく酸モノ〔2-(メタ)アクリロイルオキシエチル〕等が挙げられ、好ましくは、アクリル酸、メタクリル酸、無水マレイン酸である。
【0065】
(b)は、炭素数2~4の環状エーテル構造(例えば、オキシラン環、オキセタン環及びテトラヒドロフラン環からなる群から選ばれる少なくとも1種)と(メタ)アクリロイルオキシ基とを有する単量体が好ましい。
尚、本明細書において、「(メタ)アクリル酸」とは、アクリル酸及びメタクリル酸よりなる群から選ばれる少なくとも1種を表す。「(メタ)アクリロイル」及び「(メタ)アクリレート」等の表記も、同様の意味を有する。
(b)としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、ビニルベンジルグリシジルエーテル、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタン、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート等が挙げられ、好ましくは、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デシル(メタ)アクリレート、3-エチル-3-(メタ)アクリロイルオキシメチルオキセタンである。
【0066】
(c)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレートシクロヘキシル(メタ)アクリレート、2-メチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド、スチレン、ビニルトルエン等が挙げられ、好ましくは、スチレン、ビニルトルエン、2-ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、N-フェニルマレイミド、N-シクロヘキシルマレイミド、N-ベンジルマレイミド等が好ましい。
【0067】
側鎖にエチレン性不飽和結合を有する構造単位を有する樹脂は、(a)と(c)との共重合体に(b)を付加させるか、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させることにより製造することができる。該樹脂は、(b)と(c)との共重合体に(a)を付加させさらにカルボン酸無水物を反応させた樹脂であってもよい。
【0068】
樹脂(B)のポリスチレン換算の重量平均分子量は、好ましくは3,000~100,000であり、より好ましくは5,000~50,000であり、さらに好ましくは5,000~30,000である。
樹脂(B)の分散度[重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn)]は、好ましくは1.1~6であり、より好ましくは1.2~4である。
【0069】
樹脂(B)の酸価は、固形分換算で、好ましくは20~170mg-KOH/gであり、より好ましくは30~150mg-KOH/g、さらに好ましくは40~135mg-KOH/gである。ここで酸価は樹脂(B)1gを中和するために必要な水酸化カリウムの量(mg)として測定される値であり、例えば水酸化カリウム水溶液を用いて滴定することにより求めることができる。
【0070】
樹脂(B)の含有率は、着色樹脂組成物の固形分の総量に対しては、好ましくは30~99.9質量%であり、より好ましくは50~99.5質量%であり、さらに好ましくは70~99質量%である。
本発明の着色樹脂組成物が重合性化合物(C)及び重合開始剤(D)を含む場合、樹脂(B)の含有率は、着色樹脂組成物の固形分の総量に対して、好ましくは7~70質量%であり、より好ましくは13~65質量%であり、さらに好ましくは17~60質量%である。
【0071】
<重合性化合物(C)>
重合性化合物(C)は、重合開始剤(D)から発生した活性ラジカル及び/又は酸によって重合しうる化合物であり、例えば、重合性のエチレン性不飽和結合を有する化合物等が挙げられ、好ましくは(メタ)アクリル酸エステル化合物である。
【0072】
中でも、重合性化合物(C)は、エチレン性不飽和結合を3つ以上有する重合性化合物であることが好ましい。このような重合性化合物としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0073】
重合性化合物(C)を含む場合、重合性化合物(C)の含有率は、固形分の総量に対して、5~65質量%であることが好ましく、より好ましくは13~60質量%であり、さらに好ましくは17~55質量%である。
【0074】
<重合開始剤(D)>
重合開始剤(D)は、光や熱の作用により活性ラジカル、酸等を発生し、重合を開始しうる化合物であれば特に限定されることなく、公知の重合開始剤を用いることができる。活性ラジカルを発生する重合開始剤としては、例えば、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)ブタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)オクタン-1-オン-2-イミン、N-ベンゾイルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロペンチルプロパン-1-オン-2-イミン、N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン、2-メチル-2-モルホリノ-1-(4-メチルスルファニルフェニル)プロパン-1-オン、2-ジメチルアミノ-1-(4-モルホリノフェニル)-2-ベンジルブタン-1-オン、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4-ビス(トリクロロメチル)-6-ピペロニル-1,3,5-トリアジン、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,2’-ビス(2-クロロフェニル)-4,4’,5,5’-テトラフェニルビイミダゾール等が挙げられる。
【0075】
重合開始剤(D)を含む場合、重合開始剤(D)の含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部であり、より好ましくは1~20質量部であり、さらに好ましくは2~10質量部である。重合開始剤(D)の含有量が、前記の範囲内にあると、高感度化して露光時間が短縮される傾向があるためカラーフィルタの生産性が向上する。
【0076】
<重合開始助剤(D1)>
重合開始助剤(D1)は、重合開始剤によって重合が開始された重合性化合物の重合を促進するために用いられる化合物、もしくは増感剤である。重合開始助剤(D1)を含む場合、通常、重合開始剤(D)と組み合わせて用いられる。
重合開始助剤(D1)としては、4,4’-ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン(通称ミヒラーズケトン)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、9,10-ジメトキシアントラセン、2,4-ジエチルチオキサントン、N-フェニルグリシン等が挙げられる。
【0077】
これらの重合開始助剤(D1)を用いる場合、その含有量は、樹脂(B)及び重合性化合物(C)の合計量100質量部に対して、好ましくは0.1~30質量部、より好ましくは1~20質量部である。重合開始助剤(D1)の量がこの範囲内にあると、さらに高感度で着色パターンを形成することができ、カラーフィルタの生産性が向上する傾向にある。
【0078】
<溶剤(E)>
溶剤(E)は、特に限定されず、当該分野で通常使用される溶剤を用いることができる。例えば、エステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤)、エーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤)、エーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤)、ケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤)、アルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤)、芳香族炭化水素溶剤、アミド溶剤、ハロゲン系溶剤、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
【0079】
溶剤としては、
乳酸エチル、乳酸ブチル、2-ヒドロキシイソブタン酸メチル、酢酸n-ブチル、酪酸エチル、酪酸ブチル、ピルビン酸エチル、アセト酢酸メチル、シクロヘキサノールアセテート及びγ-ブチロラクトン等のエステル溶剤(分子内に-COO-を含み、-O-を含まない溶剤);
エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、3-メトキシ-1-ブタノール、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル等のエーテル溶剤(分子内に-O-を含み、-COO-を含まない溶剤);
3-メトキシプロピオン酸メチル、3-エトキシプロピオン酸エチル、3-メトキシブチルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート等のエーテルエステル溶剤(分子内に-COO-と-O-とを含む溶剤);
4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアルコール)、ヘプタノン、4-メチル-2-ペンタノン、シクロヘキサノン等のケトン溶剤(分子内に-CO-を含み、-COO-を含まない溶剤);
ブタノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコール等のアルコール溶剤(分子内にOHを含み、-O-、-CO-及び-COO-を含まない溶剤);
N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド及びN-メチルピロリドン等のアミド溶剤;
クロロホルム、クロロベンゼン、ジクロロエチレン、トリクロロエチレン等のハロゲン系溶剤;等が挙げられる。
溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノン(ジアセトンアルコール)、N-メチルピロリドン、クロロホルム、乳酸エチル及び3-エトキシプロピオン酸エチルがより好ましい。
【0080】
溶剤(E)を含む場合、溶剤(E)の含有率は、本発明の着色樹脂組成物の総量に対して、好ましくは60~95質量%であり、より好ましくは65~92質量%である。言い換えると、着色樹脂組成物の固形分の総量は、好ましくは5~40質量%、より好ましくは8~35質量%である。溶剤(E)の含有量が前記の範囲内にあると、塗布時の平坦性が良好になり、またカラーフィルタを形成した際に色濃度が不足しないために表示特性が良好となる傾向がある。
【0081】
<レベリング剤(F)>
レベリング剤(F)としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤等が挙げられる。これらは、側鎖に重合性基を有していてもよい。
シリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、トーレシリコーンDC3PA、同SH7PA、同DC11PA、同SH21PA、同SH28PA、同SH29PA、同SH30PA、同SH8400(商品名:東レ・ダウコーニング(株)製)、KP321、KP322、KP323、KP324、KP326、KP340、KP341(信越化学工業(株)製)、TSF400、TSF401、TSF410、TSF4300、TSF4440、TSF4445、TSF4446、TSF4452及びTSF4460(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製)等が挙げられる。
【0082】
前記のフッ素系界面活性剤としては、分子内にフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、フロラード(登録商標)FC430、同FC431(住友スリーエム(株)製)、メガファック(登録商標)F142D、同F171、同F172、同F173、同F177、同F183、同F554、同R30、同RS-718-K(DIC(株)製)、エフトップ(登録商標)EF301、同EF303、同EF351、同EF352(三菱マテリアル電子化成(株)製)、サーフロン(登録商標)S381、同S382、同SC101、同SC105(旭硝子(株)製)及びE5844((株)ダイキンファインケミカル研究所製)等が挙げられる。
【0083】
前記のフッ素原子を有するシリコーン系界面活性剤としては、分子内にシロキサン結合及びフルオロカーボン鎖を有する界面活性剤等が挙げられる。具体的には、メガファック(登録商標)R08、同BL20、同F475、同F477及び同F443(DIC(株)製)等が挙げられる。
【0084】
レベリング剤(F)を含む場合、レベリング剤(F)の含有量は、着色樹脂組成物の総量に対して、好ましくは0.001~0.2質量%であり、より好ましくは0.002~0.1質量%である。尚、この含有量に、顔料分散剤の含有量は含まれない。レベリング剤(F)の含有量が前記の範囲内にあると、カラーフィルタの平坦性を良好にすることができる。
【0085】
<その他の成分>
本発明の着色樹脂組成物は、必要に応じて、充填剤、他の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、光安定剤、連鎖移動剤等、当該技術分野で公知の添加剤を含んでもよい。
【0086】
<着色樹脂組成物の製造方法>
本発明の着色樹脂組成物は、着色剤(A)及び樹脂(B)、並びに必要に応じて用いられる重合性化合物(C)、重合開始剤(D)、重合開始助剤(D1)、溶剤(E)、レベリング剤(F)及びその他の成分を混合することにより調製できる。
【0087】
<カラーフィルタの製造方法>
本発明の着色樹脂組成物から着色パターンを製造する方法としては、フォトリソグラフ法、インクジェット法、印刷法等が挙げられる。中でも、フォトリソグラフ法が好ましい。
【0088】
着色樹脂組成物が、式(I)で表される化合物を含むことにより、特に耐熱性及び耐光性に優れたカラーフィルタを作製することができる。該カラーフィルタは、表示装置(例えば、液晶表示装置、有機EL装置、電子ペーパー等)及び固体撮像素子に用いられるカラーフィルタとして有用である。
【実施例】
【0089】
以下、実施例によって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。例中、含有量ないし使用量を表す%および部は、特に断らないかぎり質量基準である。
以下において、化合物の構造は質量分析(LC;Agilent製1200型、MASS;Agilent製LC/MSD型)で確認した。
【0090】
(合成例1)
3-ブロモアニソール(東京化成工業(株)製)50部を2,4,6-トリメチルアニリン(東京化成工業(株)製)36.1部とトルエン(関東化学(株)製)434部に溶解させ、この溶液に水酸化カリウム(関東化学(株)製)30部、水25部、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)2部、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業(株)製)1.4部を混合した。90℃に昇温して5時間撹拌した後、有機層を抽出により取得し、溶媒を留去し粗生成物を52.1部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-1)で表される化合物を50.2部得た。
【0091】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+242.3
Exact Mass:+241.2
【0092】
【0093】
(合成例2)
式(1-1)で表される化合物33部、4-クロロ-4-オキソ酪酸メチル(東京化成工業(株)製)26.8部及びトルエン(関東化学(株)製)286部を混合し、100℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-2)で表される化合物を30.7部得た。
【0094】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]
+356.2
Exact Mass:+355.2
【化13】
【0095】
(合成例3)
式(1-2)で表される化合物10部を塩化メチレン(関東化学(株)製)95部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。撹拌しながら三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)28.2部を滴下投入した。滴下終了後、徐々に昇温し10℃で4時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去し、水-有機溶媒抽出操作を施し、溶媒を留去して9.1部の粗生成物を得た。この中に式(1-3)で表される化合物が48%、式(1-4)で表される化合物が36%含まれていた。
【0096】
【化14】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]
+342.2
Exact Mass:+341.2
【化15】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]
+328.1
Exact Mass:+327.2
【0097】
(合成例4)
チオニルクロライド(東京化成工業(株)製)13.2部を72部のメタノール(関東化学(株)製)に溶かした溶液を0℃に冷却し撹拌しながら、合成例3で得られた式(1-3)で表される化合物と式(1-4)で表される化合物とを含む粗生成物9.1部を投入した。室温まで昇温し16時間反応させた。溶媒を減圧留去し、式(1-3)で表される化合物を含む8.3部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-3)で表される化合物を7.4部得た。
【0098】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+342.2
Exact Mass:+341.2
【0099】
(合成例5)
式(1-3)で表される化合物2部、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)26.3部、テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)18部を0℃で混合し10℃まで昇温し5時間撹拌した。反応終了後、水を加えてクエンチし、有機溶媒で抽出した。溶媒を留去して得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-5)で表される化合物を1.64部得た。
【0100】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+300.2
Exact Mass:+299.2
【0101】
【0102】
(実施例1)
式(1-5)で表される化合物2.5部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.55部をトルエン(関東化学(株)製)50部、n-ブタノール(関東化学(株)製)50部に溶解させ、110℃で6時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(I-147)で表される化合物を2.7部得た。
【0103】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+677.4
Exact Mass:+676.4
【0104】
【0105】
(合成例6)
式(1-1)で表される化合物10部、メチルマロニルクロリド(東京化成工業(株)製)7.4部及びトルエン(関東化学(株)製)87部を混合し、100℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-6)で表される化合物を9.1部得た。
【0106】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]
+342.2
Exact Mass:+341.2
【化18】
【0107】
(合成例7)
式(1-6)で表される化合物8.1部を塩化メチレン(関東化学(株)製)107部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。撹拌しながら三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)24部を滴下投入した。滴下終了後、徐々に昇温し23℃で3時間撹拌した。反応終了後有機層を抽出して濃縮し、式(1-7)で表される化合物を7.2部得た。
【0108】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+314.1
Exact Mass:+313.1
【0109】
【0110】
(合成例8)
チオニルクロライド(東京化成工業(株)製)10.6部を55.5部のメタノール(関東化学(株)製)に溶かした溶液を0℃に冷却し撹拌しながら、式(1-7)で表される化合物を5部投入した。23℃まで昇温し16時間反応させた。溶媒を減圧留去し式(1-8)で表される化合物を含む6.8部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-8)で表される化合物を5.6部得た。
【0111】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+328.2
Exact Mass:+327.15
【0112】
【0113】
(合成例9)
式(1-8)で表される化合物5.5部、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)92.3部、テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)49部を0℃で混合し23℃まで昇温し3時間撹拌した。反応終了後、水を加えてクエンチし、有機溶媒で抽出した。溶媒を留去して、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-9)で表される化合物を2.6部得た。
【0114】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+286.2
Exact Mass:+285.2
【0115】
【0116】
(実施例2)
式(1-9)で表される化合物2部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.4部をトルエン(関東化学(株)製)69部、n-ブタノール(関東化学(株)製)16部に溶解させ、120℃で4時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(I-27)で表される化合物を1.3部得た。
【0117】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+649.7
Exact Mass:+648.3
【0118】
【0119】
(合成例10)
メシチルブロミド(東京化成工業(株)製)7部、5-メトキシ-2-メチルアニリン(東京化成工業(株)製)4.8部、酢酸パラジウム(東京化成工業(株)製)0.39部、4,5'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9'-ジメチルキサンテン(東京化成工業(株)製)0.84部、ナトリウム-tert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)6.8部をトルエン(関東化学(株)製)126部に溶解させ、105℃で1時間加熱還流を行った。反応終了後水を加え有機層を抽出し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(1-15)で表される化合物を7部得た。
【0120】
【0121】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+256.2
Exact Mass:+255.2
【0122】
(合成例11)
式(1-15)で表される化合物6部とこはく酸モノエチルクロリド(東京化成工業(株)製)33部をトルエン(関東化学(株)製)20部に溶解させ、90℃で8時間加熱した。反応終了後、水を加えて有機層を抽出し、ヘキサン(関東化学(株)製)300部でリパルプ洗浄を行い、式(1-16)で表される化合物を4部得た。
【0123】
【0124】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+384.0
Exact Mass:+383.2
【0125】
(合成例12)
式(1-16)で表される化合物4.2部を塩化メチレン(関東化学(株)製)20部に溶解させ、三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)46部を投入して撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を加えてクエンチし、酢酸エチル溶媒で抽出後濃縮して、式(1-17)で表される化合物を5部得た。
【0126】
【0127】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+370.3
Exact Mass:+369.2
【0128】
(合成例13)
式(1-17)で表される化合物4部を脱水テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)40部に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌しながらボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)105部を投入した。23℃まで昇温しさらに20時間撹拌した後、水を加えてクエンチし、有機溶媒で抽出した。溶媒を留去して、式(1-18)で表される化合物を2.8部得た。
【0129】
【0130】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+314.3
Exact Mass:+313.2
【0131】
(実施例3)
式(1-18)で表される化合物0.7部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.12部をトルエン(関東化学(株)製)2部、n-ブタノール(関東化学(株)製)3部に溶解させ、110℃で13時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(I-150)で表される化合物を0.1部得た。
【0132】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+705.8
Exact Mass:+704.4
【0133】
【0134】
(合成例14)
2,6-ジイソプロピルアニリン(東京化成工業(株)製)20部、3-ブロモアニソール(東京化成工業(株)製)22.4部、酢酸パラジウム(東京化成工業(株)製)0.6部、1mol/L トリ-tert-ブチルホスフィン・ヘキサン溶液(富士フイルム和光純薬(株)製)0.9部、ナトリウム tert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)21.7部をトルエン(関東化学(株)製)228部に溶解させ、110℃で5時間加熱還流を行った。反応終了後水を加え有機層を抽出し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(1-19)で表される化合物を32部得た。
【0135】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+284.2
Exact Mass:+283.2
【0136】
【0137】
(合成例15)
式(1-19)で表される化合物5部をジメチルホルムアミド(富士フイルム和光純薬(株)製)85部に氷浴下で溶解させた。そこへ水素化ナトリウム(富士フイルム和光純薬(株)製)3.5部をゆっくりと加えた。10分間攪拌したのち、1-ブロモ-4-メトキシブタン(東京化成工業(株)製)3.8部をゆっくり加えたのち、120℃に昇温し加熱還流を行った。反応終了後、再び氷浴下でゆっくりと水を加えクエンチしたのち、有機層を抽出し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(1-20)で表される化合物を6.5部得た。
【0138】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+370.5
Exact Mass:+369.5
【0139】
【0140】
(合成例16)
式(1-20)で表される化合物5部を塩化メチレン(関東化学(株)製)100部に溶解させ、三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)147部を投入して撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を加えてクエンチし、酢酸エチルで抽出後濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムで分離し、式(1-21-1)で表される化合物を78%、式(1-21-2)で表される化合物を22%含む混合物(以下、混合物(1-21)という場合がある。)を3.8部得た。
【0141】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+342.4
Exact Mass:+341.2
【0142】
【0143】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+356.5
Exact Mass:+355.3
【0144】
【0145】
(実施例4~5)
混合物(1-21)4.5部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.45部をトルエン(関東化学(株)製)30部、n-ブタノール(関東化学(株)製)30部に溶解させ、120℃で3.5時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去しシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(I―171)で表される化合物を1部、式(I-177)で表される化合物を1部それぞれ得た。
【0146】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+761.4
Exact Mass:+760.5
【0147】
【0148】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+775.7
Exact Mass:+774.5
【0149】
【0150】
(合成例17)
2,4,6-トリメチルアニリン(東京化成工業(株)製)10部、1-ブロモ-3,5-ジメトキシベンゼン(東京化成工業(株)製)16部、酢酸パラジウム(東京化成工業(株)製)0.83部、4,5'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9'-ジメチルキサンテン(東京化成工業(株)製)2.1部、ナトリウムtert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)14.2部をトルエン(関東化学(株)製)180部に溶解させ、105℃で3時間加熱還流を行った。反応終了後水を加え有機層を抽出し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(1-22)で表される化合物を19部得た。
【0151】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+272.5
Exact Mass:+271.2
【0152】
【0153】
(合成例18)
式(1-22)で表される化合物7.5部とこはく酸モノエチルクロリド(東京化成工業(株)製)13.6部をトルエン(関東化学(株)製)150部に溶解させ、100℃で5時間加熱した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製して式(1-23)で表される化合物を10部得た。
【0154】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+400.5
Exact Mass:+399.2
【0155】
【0156】
(合成例19)
式(1-23)で表される化合物2.7部を塩化メチレン(関東化学(株)製)30部に溶解させ、三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)7.7部を投入して撹拌した。反応終了後、反応混合物に水を加えてクエンチし、酢酸エチル溶媒で抽出後濃縮して、式(1-24)で表される化合物を2.2部得た。
【0157】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+372.3
Exact Mass:+371.2
【0158】
【0159】
(合成例20)
式(1-24)で表される化合物0.25部を脱水テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)7部に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌しながらボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)0.4部を投入した。23℃まで昇温しさらに20時間撹拌した後、水を加えてクエンチしたのち有機溶媒を濃縮し式(1-25)で表される化合物を0.12部得た。
【0160】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+316.3
Exact Mass:+315.2
【0161】
【0162】
(実施例6)
式(1-25)で表される化合物0.4部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.07部をトルエン(関東化学(株)製)3部、n-ブタノール(関東化学(株)製)4.5部に溶解させ、110℃で3時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物を水およびアセトンで洗浄し、式(I―145)で表される化合物を0.22部得た。
【0163】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+709.7
Exact Mass:+708.3
【0164】
【0165】
(合成例21)
2,2-ジメチル-マロン酸モノメチルエステル(Alfa chemistry(株)製)62部を塩化メチレン(関東化学(株)製)413部に溶解させ、0℃に冷却して撹拌しながら、ジメチルホルムアミド(関東化学(株)製)5部とオキサリルクロリド(東京化成工業(株)製)81部を滴下投入した。その後、23℃まで昇温し1時間撹拌した。反応終了後、反応混合液を濃縮し、式(1-26)で表される化合物を54部得た。
【0166】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+165.1
Exact Mass:+164.0
【0167】
【0168】
(合成例22)
2,4,6-トリメチルアニリン(東京化成工業(株)製)46部をジメチルホルムアミド(関東化学(株)製)219部に溶解させた。この溶液を23℃で撹拌しながら上記の式(1-26)で表される化合物50.4部を滴下投入した。滴下投入が終了したのち1時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去して下記式(1-27)で表される化合物を含む粗生成物46部得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-27)で表される化合物を40部得た。
【0169】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+264.1
Exact Mass:+263.2
【0170】
【0171】
(合成例23)
水素化リチウムアルミニウム(粉末)(東京化成工業(株)製)14.4部をジメチルエーテル(関東化学(株)製)40部に投入して撹拌した。この混合溶液を0℃に冷却した。一方、上記の式(1-27)で表される化合物10部をジメチルエーテル(関東化学(株)製)40部に投入して撹拌し溶解させた。この式(1-27)で表される化合物を含む溶液を上記の水素化リチウムアルミニウム(粉末)を含む溶液の中に0℃に冷却し撹拌しながら15分間かけて滴下投入した。その後、徐々に80℃まで昇温し80℃で3日間反応させた。反応終了後、反応混合物を水200部の中へ投入し水とトルエンで抽出し濃縮して粗生成物7.0部を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-28)で表される化合物を2.9部得た。
【0172】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+222.1
Exact Mass:+221.2
【0173】
【0174】
(合成例24)
式(1-28)で表される化合物7.8部を塩化メチレン(関東化学(株)製)108部に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌しながらイミダゾール(東京化成工業(株)製)3.6部とtert-ブチルジメチルクロロシラン(東京化成工業(株)製)6.4部を投入した。23℃まで昇温し、さらに16時間撹拌した。反応終了後、水と有機溶媒による抽出操作を施し粗生成物7.8部を得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-29)で表される化合物を7.2部得た。
【0175】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+336.4
Exact Mass:+335.3
【0176】
【0177】
(合成例25)
m-ブロモフェノール(東京化成工業(株)製)50部及びイミダゾール(東京化成工業(株)製)30部をジクロロメタン(関東化学(株)製)500部に溶解させ0℃に冷却後、tert-ブチルジメチルクロロシラン(東京化成工業(株)製)48部を滴下した。滴下終了後23℃へ昇温し16時間撹拌した。反応終了後水を加えて有機層を抽出し、溶媒を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-10)で表される化合物を74部得た。
【0178】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+287.0
Exact Mass:+286.0
【0179】
【0180】
(合成例26)
式(1-10)で表される化合物20部を1,4-ジオキサン(関東化学(株)製)31部に投入し溶解させた。さらにこの溶液にN,N-ジメチルエチレンジアミン(東京化成工業(株)製)3.2部、よう化ナトリウム(東京化成工業(株)製)20.9部、よう化銅(I)(富士フイルム和光純薬(株)製)2.7部を混合した。これを加圧容器に入れ120℃、6時間反応させた。反応終了後、水とトルエン溶媒で抽出し濃縮して粗生成物20部を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-30)で表される化合物を10.5部得た。
【0181】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+335.1
Exact Mass:+334.0
【0182】
【0183】
(合成例27)
式(1-29)で表される化合物9.6部と式(1-30)で表される化合物9.6部をトルエン(関東化学(株)製)84部に投入し溶解させた。この溶液にナトリウムtert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)6.8部、トリ-tert-ブチルホスホニウムテトラフルオロボラート(東京化成工業(株)製)0.4部、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(東京化成工業(株)製)0.52部を投入し溶解させた。この混合溶液にマイクロ波照射して140℃、1時間反応させた。その後、溶媒を減圧留去し、水を加え有機溶媒による抽出操作を施し、溶媒を留去し9.6部の粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-31)で表される化合物を含む粗生成物(以下、粗生成物(1-31)という場合がある)1.8部得た。
【0184】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+542.4
Exact Mass:+541.4
【0185】
【0186】
(合成例28)
粗生成物(1-31)1.8部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)17.8部に溶解させ0℃に冷却したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド1Mテトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)9.2部を滴下し、滴下終了後23℃で16時間撹拌した。反応終了後水を加え、テトラヒドロフランを留去して得られた粗生成物に有機溶媒による抽出操作を施して、濃縮後式(1-32)で表される化合物の粗生成物1.4部得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-32)で表される化合物を0.76部得た。
【0187】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+314.2
Exact Mass:+313.2
【0188】
【0189】
(実施例7)
式(1-32)で表される化合物0.4部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.072部をトルエン(関東化学(株)製)14部、n-ブタノール(関東化学(株)製)3.24部に溶解させ、140℃で3時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(I―87)で表される化合物を0.25部得た。
【0190】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+705.8
Exact Mass:+704.4
【0191】
【0192】
(合成例29)
4-アミノ-3,5-キシレノール(東京化成工業(株)製)45部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)400部に溶解させた。この溶液に二炭酸ジ-tert-ブチル(東京化成工業(株)製)127部を投入し溶解させた。23℃で16時間撹拌し反応させた。反応終了後溶媒を留去し粗生成物51部得た。得られた粗生成物を酢酸エチル(関東化学(株)製)90部とn-ヘキサン(関東化学(株)製)272部の混合溶媒中、23℃で2時間、撹拌精製し式(1-33)で表される化合物を47部得た。
【0193】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+238.3
Exact Mass:+237.1
【0194】
【0195】
(合成例30)
2-ブロモエタノール(東京化成工業(株)製)20部をジクロロメタン(関東化学(株)製)333部に溶解させた。この溶液にトリエチルアミン(関東化学(株)製)32.4部、4-ジメチルアミノピリジン(関東化学(株)製)0.156部を投入し、撹拌しながらtert-ブチルジメチルシリルクロリド(東京化成工業(株)製)28.95部を投入し溶解させた。23℃で16時間撹拌し反応させた。溶媒を留去し粗生成物を20部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-34)で表される化合物を20部得た。
【0196】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+239.1
Exact Mass:+238.0
【0197】
【0198】
(合成例31)
式(1-33)で表される化合物47部を式(1-34)で表されるブロモ化合物141.5部とジメチルホルムアミド(関東化学(株)製)447部に溶解させた。この溶液に炭酸カリウム(関東化学(株)製)138.2部を投入し70℃で16時間撹拌反応させた。反応終了後溶媒を留去し有機溶媒による抽出操作を施し粗生成物を49部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-35)で表される化合物を41部得た。
【0199】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H-t-Bu+]+339.2
Exact Mass:+395.3
【0200】
【0201】
(合成例32)
式(1-35)で表される化合物41部を1,4-ジオキサン(関東化学(株)製)424部に溶解させ、塩化水素(約4mol/L 1,4-ジオキサン溶液)(東京化成工業(株)製)263部を投入し、23℃で1時間撹拌し脱保護した。反応終了後溶媒を留去し粗生成物を36部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-36)で表される化合物を22部得た。
【0202】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+182.2
Exact Mass:+181.1
【0203】
【0204】
(合成例33)
式(1-36)で表される化合物22部をジクロロメタン(関東化学(株)製)293部に溶解させた。この溶液にイミダゾール(関東化学(株)製)10.8部、tert-ブチルジメチルシリルクロリド(東京化成工業(株)製)22部を投入し溶解させた。23℃で16時間撹拌し反応させた。溶媒を留去し粗生成物を23部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-37)で表される化合物を20部得た。
【0205】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+296.3
Exact Mass:+295.2
【0206】
【0207】
(合成例34)
式(1-10)で表される化合物15部を式(1-37)で表される化合物14.5部とトルエン(関東化学(株)製)130部に溶解させ、この溶液に水酸化カリウム(関東化学(株)製)5.7部、水15部、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)2部、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業(株)製)0.26部を混合した。90℃に昇温して20分間撹拌した後、有機層を抽出により取得し、溶媒を留去し粗生成物を15部得た。得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-38)で表される化合物を12部得た。
【0208】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+502.4
Exact Mass:+501.3
【0209】
【0210】
(合成例35)
式(1-38)で表される化合物12部、4-クロロ-4-オキソ酪酸メチル(東京化成工業(株)製)11.9部及びトルエン(関東化学(株)製)41.6部を混合し、90℃で1時間撹拌しながら加熱した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-39)で表される化合物を5.9部得た。
【0211】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+616.3
Exact Mass:+615.3
【0212】
【0213】
(合成例36)
式(1-39)で表される化合物5.9部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)52.4部に溶解させ0℃に冷却したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド1Mテトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)11部を滴下し、滴下終了後23℃で2時間撹拌した。反応終了後水を加え、テトラヒドロフラン溶媒を留去して得られた粗生成物に有機溶媒による抽出操作を施して、濃縮後式(1-40)で表される化合物を4.3部得た。
【0214】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+388.2
Exact Mass:+387.2
【0215】
【0216】
(合成例37)
式(1-40)で表される化合物4.3部、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)56.4部、テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)38.2部を0℃で混合し23℃まで昇温し16時間撹拌した。反応終了後、水を加えてクエンチし有機溶媒で抽出した。溶媒を留去して、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-41)で表される化合物を2.3部得た。
【0217】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+346.3
Exact Mass:+345.2
【0218】
【0219】
(実施例8)
式(1-41)で表される化合物2.3部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.38部をトルエン(関東化学(株)製)80部、n-ブタノール(関東化学(株)製)19部に溶解させ、120℃で4時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(II-135)で表される化合物を1.3部得た。
【0220】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+769.8
Exact Mass:+768.4
【0221】
【0222】
(合成例38)
3-ヨードアニソール(東京化成工業(株)製)100部と4-ブロモ-2,6-ジメチルアニリン(東京化成工業(株)製)85.5部を水72部とトルエン(関東化学(株)製)867部の混合溶媒に溶解させた。この溶液を23℃で撹拌しながら、水酸化カリウム(関東化学(株)製)48部、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)5部、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業(株)製)2.2部を投入した。この混合溶液を90℃まで昇温し16時間反応させた。反応終了後、水とトルエン溶媒で抽出し濃縮して粗生成物96.8部を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-42)で表される化合物を60.2部得た。
【0223】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+306.0
Exact Mass:+305.0
【0224】
【0225】
(合成例39)
式(1-42)で表される化合物60部と4-クロロ-4-オキソ酪酸メチル(東京化成工業(株)製)29.5部をトルエン(関東化学(株)製)520部に23℃で溶解させ、100℃まで昇温し16時間反応させた。反応終了後、水-トルエン溶媒で抽出操作して、濃縮後64.2部の粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-43)で表される化合物を55.1部得た。
【0226】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+419.9
Exact Mass:+419.1
【0227】
【0228】
(合成例40)
式(1-43)で表される化合物55部を塩化メチレン(関東化学(株)製)732部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。撹拌しながら三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)197部を滴下投入した。23℃で3時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去し、水-有機溶媒抽出操作を施し、66%の下記の式(1-44)で表される化合物と23%の下記の式(1-45)で表される化合物を含む47.3部の混合物を得た。
【0229】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+392.1
Exact Mass:+391.0
【0230】
【0231】
(合成例41)
チオニルクロライド(東京化成工業(株)製)37.9部を377部のメタノール(関東化学(株)製)に溶かした溶液を0℃に冷却し撹拌しながら、66%の上記の式(1-44)で表される化合物と23%の下記の式(1-45)で表される化合物を含む47.3部の混合物を投入した。23℃まで昇温し16時間反応させた。溶媒を減圧留去し式(1-45)で表される化合物を含む45.4部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-45)で表される化合物を40.2部得た。
【0232】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+406.1
Exact Mass:+405.1
【0233】
【0234】
(合成例42)
式(1-45)で表される化合物40部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)355部に溶解させ撹拌した。0℃に冷却して、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)442部を滴下した。滴下終了後10℃に昇温して3時間撹拌した後、水を加えて有機層を抽出により取得し、溶媒を留去し式(1-46)で表される化合物37.3部を得た。
【0235】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+364.1
Exact Mass:+363.08
【0236】
【0237】
(合成例43)
式(1-46)で表される化合物32部を塩化メチレン(関東化学(株)製)638部に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌しながらイミダゾール(東京化成工業(株)製)17.9部とtert-ブチルジメチルクロロシラン(東京化成工業(株)製)29.1部を投入した。23℃まで昇温しさらに16時間撹拌してシリル化した。反応終了後、水と有機溶媒による抽出操作を施し粗生成物45.8部を得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-47)で表される化合物を40.9部得た。
【0238】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+592.3
Exact Mass:+591.3
【0239】
【0240】
(合成例44)
式(1-47)で表される化合物20部とアクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)29部をジメチルホルムアミド(関東化学(株)製)475部に溶解させた。この溶液にジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業(株)製)26.2部、トリ(オルト-トリル)ホスフィン(東京化成工業(株)製)2.05部、酢酸パラジウム(II)(東京化成工業(株)製)0.758部を投入し23℃で30分間撹拌した。140℃に昇温し32時間撹拌し反応させた。ここで、アクリル酸メチル(東京化成工業(株)製)14.5部とジイソプロピルエチルアミン(東京化成工業(株)製)26.2部を追加投入した。さらに140℃で2日間反応させた。その後、溶媒を減圧留去し、水を加え有機溶媒による抽出操作を施し、溶媒を留去し17.2部の粗生成物(以下、粗生成物(1-48)という場合がある。)を得た。この粗生成物には、式(1-48-1)で表される化合物が40%、式(1-48-2)で表される化合物が40%含まれていた。
【0241】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+484.5
Exact Mass:+483.3
【0242】
【0243】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+598.3
Exact Mass:+597.4
【0244】
【0245】
(合成例45)
粗生成物(1-48)17.2部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)155.4部に溶解させ0℃に冷却したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド1Mテトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)62.6部を滴下し、滴下終了後23℃で16時間撹拌した。反応終了後水を加え、テトラヒドロフラン溶媒を留去して得られた粗生成物に有機溶媒による抽出操作を施して、濃縮後、式(1-49)で表される化合物の粗生成物13.72部得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-49)で表される化合物を8.1部得た。
【0246】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+370.2
Exact Mass:+369.2
【0247】
【0248】
(合成例46)
式(1-49)で表される化合物6.87部をメタノール(関東化学(株)製)59.5部に溶解させ、常圧の水素気流下、パラジウム/炭素(Pd 10%)(富士フイルム和光純薬(株)製)0.69部を投入し23℃で16時間撹拌した。反応終了後、反応混合液をろ過し溶媒を留去し5.49部の粗生成物を得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-50)で表される化合物を4.26部得た。
【0249】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+372.1
Exact Mass:+371.2
【0250】
【0251】
(合成例47)
式(1-50)で表される化合物4.2部、水酸化リチウム一水和物(富士フイルム和光純薬(株)製)2.85部、メタノール(関東化学(株)製)33.3部及びテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)37.3部、水21部を混合し、23℃で16時間撹拌した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-51)で表される化合物を3.11部得た。
【0252】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+358.0
Exact Mass:+357.2
【0253】
【0254】
(実施例9)
式(1-51)で表される化合物3部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.48部をトルエン(関東化学(株)製)104部、n-ブタノール(関東化学(株)製)24.3部に溶解させ、120℃で4時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(II-129)で表される化合物を0.70部得た。
【0255】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+793.7
Exact Mass:+792.4
【0256】
【0257】
(合成例48)
1,3-ジメトキシベンゼン(東京化成工業(株)製)100部を塩化メチレン(関東化学(株)製)1330部に溶解させ0℃に冷却した。この溶液を撹拌しながら、臭素(東京化成工業(株)製)463部を滴下投入した。滴下終了後、23℃まで昇温し3時間撹拌した。反応終了後、水と塩化メチレン溶媒で抽出し濃縮して式(1-52)で表される化合物を110部得た。
【0258】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+295.0
Exact Mass:+293.9
【0259】
【0260】
(合成例49)
式(1-52)で表される化合物25部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)111部に溶解させ-78℃に冷却し撹拌しながらn-ブチルリチウム2.5Mヘキサン溶液(アルドリッチ(株)製)234.2部を滴下投入した。投入後、-78℃のまま45分間撹拌し、-78℃に冷却したままヨードメタン(東京化成工業(株)製)156部を滴下投入した。投入後、23℃まで昇温して5時間撹拌した。反応終了後、この反応混合液を氷水500部の中へ少しずつ投入した。その後水-トルエン溶媒で抽出操作して、濃縮後21部の粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-53)で表される化合物を17部得た。
【0261】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+167.1
Exact Mass:+166.1
【0262】
【0263】
(合成例50)
式(1-53)で表される化合物13.5部を塩化メチレン(関東化学(株)製)200部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。撹拌しながら臭素(東京化成工業(株)製)65部を滴下投入した。その後、23℃まで昇温し16時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去し、水-塩化メチレン溶媒抽出操作を施し、式(1-54)で表される化合物を含む粗生成物21部を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-54)で表される化合物を15部得た。
【0264】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+323.0
Exact Mass:+321.9
【0265】
【0266】
(合成例51)
式(1-54)で表される化合物14部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)124部に溶解させ-78℃に冷却し撹拌しながらブチルリチウム1.6Mヘキサン溶液(アルドリッチ(株)製)22部を滴下投入した。投入後、-78℃のまま1時間撹拌した。その後、-78℃のまま撹拌しながら水50部を滴下投入した。その後水-トルエン溶媒で抽出操作して、濃縮後、式(1-55)で表される化合物を含む12.5部の粗生成物を得た。この粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-55)で表される化合物を10.4部得た。
【0267】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+245.1
Exact Mass:+244.0
【0268】
【0269】
(合成例52)
式(1-55)で表される化合物10.4部を塩化メチレン(関東化学(株)製)200部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。撹拌しながら三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)64部を滴下投入した。23℃で3時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去し、水-有機溶媒抽出操作を施し、式(1-56)で表される化合物を含む11部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-56)で表される化合物を8.9部得た。
【0270】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+217.0
Exact Mass:+216.0
【0271】
【0272】
(合成例53)
式(1-56)で表される化合物8.9部をジメチルホルムアミド(関東化学(株)製)50部に溶解させ、この溶液を撹拌しながら炭酸カリウム(関東化学(株)製)28.3部を投入した。さらに、(2-ブロモエトキシ)-tert-ブチルジメチルシラン(アルドリッチ(株)製)29.4部を投入した。この溶液を70℃まで昇温し16時間撹拌した。反応終了後溶媒を減圧留去し、水-有機溶媒抽出操作を施し、式(1-57)で表される化合物を含む20.6部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-57)で表される化合物を15.7部得た。
【0273】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+533.2
Exact Mass:+532.2
【0274】
【0275】
(合成例54)
3-アミノフェノール(東京化成工業(株)製)25部を塩化メチレン(関東化学(株)製)333部に溶解させ撹拌しながら0℃に冷却した。この溶液を0℃で撹拌しながら、イミダゾール(東京化成工業(株)製)20.3部を投入し、さらにtert-ブチルジメチルクロロシラン(東京化成工業(株)製)41.4部を投入した。その後23℃まで昇温し16時間撹拌した。反応終了後水-有機溶媒抽出操作を施し、式(1-58)で表される化合物を含む48部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-58)で表される化合物を42部得た。
【0276】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+224.1
Exact Mass:+223.1
【0277】
【0278】
(合成例55)
式(1-57)で表される化合物12.9部と式(1-58)で表される化合物4.5部をトルエン(関東化学(株)製)312部に溶解させた。この溶液に水18部を投入し、撹拌しながら、水酸化カリウム(関東化学(株)製)3.4部、テトラブチルアンモニウムブロミド(東京化成工業(株)製)0.5部、ビス(トリ-tert-ブチルホスフィン)パラジウム(0)(東京化成工業(株)製)0.51部、を加え30分間23℃で撹拌した。その後、105℃まで昇温し3時間反応させた。その後、水を加え有機溶媒による抽出操作を施し、溶媒を留去し12.8部の粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(1-59)で表される化合物を10.2部得た。
【0279】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+676.4
Exact Mass:+675.4
【0280】
【0281】
(合成例56)
式(1-59)で表される化合物10部と4-クロロ-4-オキソ酪酸メチル(東京化成工業(株)製)2.7部をトルエン(関東化学(株)製)87部に23℃で溶解させ、105℃まで昇温し16時間反応させた。反応終了後、水-トルエン溶媒で抽出操作して、濃縮後式(1-60)で表される化合物を含む10.3部の粗生成物を得た。
【0282】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+790.4
Exact Mass:+789.5
【0283】
【0284】
(合成例57)
式(1-60)で表される化合物を含む粗生成物10部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)26.6部に溶解させ0℃に冷却したのち、テトラブチルアンモニウムフルオリド1Mテトラヒドロフラン溶液(東京化成工業(株)製)47.4部を滴下し、滴下終了後23℃で16時間撹拌させた。反応終了後水を加え、テトラヒドロフラン溶媒を留去して得られた粗生成物に有機溶媒による抽出操作を施して、濃縮後式(1-61)で表される化合物の粗生成物7.87部得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-61)で表される化合物を4.1部得た。
【0285】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+448.3
Exact Mass:+447.2
【0286】
【0287】
(合成例58)
式(1-61)で表される化合物4部をテトラヒドロフラン(関東化学(株)製)36部に溶解させ撹拌した。0℃に冷却して、ボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)39.2部を滴下した。滴下終了後23℃まで昇温して5時間撹拌した後、水を加えて有機層を抽出により取得し、溶媒を留去し式(1-62)で表される化合物を含む粗生成物3.54部を得た。こうして得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-62)で表される化合物を2.5部得た。
【0288】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+406.2
Exact Mass:+405.2
【0289】
【0290】
(実施例10)
式(1-62)で表される化合物2.5部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.70部をトルエン(関東化学(株)製)108.4部、n-ブタノール(関東化学(株)製)40.5部に溶解させ、120℃で16時間撹拌しながら加熱した。反応終了後、溶媒を留去し得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(II-138)で表される化合物を1.81部得た。
【0291】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+889.8
Exact Mass:+888.4
【0292】
【0293】
(合成例59)
2-(1-アダマンチル)-4-ブロモアニソール(東京化成工業(株)製)10部、3-アミノアニソール(東京化成工業(株)製)4部、酢酸パラジウム(東京化成工業(株)製)0.35部、4,5'-ビス(ジフェニルホスフィノ)-9,9'-ジメチルキサンテン(東京化成工業(株)製)0.90部、ナトリウムtert-ブトキシド(東京化成工業(株)製)6部をトルエン(関東化学(株)製)180部に溶解させ、105℃で2時間加熱還流を行った。反応終了後水を加えて、有機層を抽出し、濃縮することで式(1-63)で表される化合物を25部得た。
【0294】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+364.5
Exact Mass:+363.2
【0295】
【0296】
(合成例60)
式(1-63)で表される化合物8部とこはく酸モノエチルクロリド(東京化成工業(株)製)11部をトルエン(関東化学(株)製)160部に溶解させ、90℃に加熱した。反応終了後、溶媒を濃縮し、カラムクロマトグラフィーで分離精製を行い、式(1-64)で表される化合物を8部得た。
【0297】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+492.3
Exact Mass:+491.3
【0298】
【0299】
(合成例61)
式(1-64)で表される化合物8部を塩化メチレン(関東化学(株)製)150部に溶解させ、三臭化ホウ素(富士フイルム和光純薬(株)製)195部に投入して撹拌した。反応終了後、反応混合物を水200部の中へ投入し酢酸エチル溶媒で抽出し濃縮し、式(1-65)で表される化合物を12部得た。
【0300】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+464.0
Exact Mass:+463.2
【0301】
【0302】
(合成例62)
式(1-65)で表される化合物12部を脱水テトラヒドロフラン(関東化学(株)製)70部に溶解させ、0℃に冷却し、撹拌しながらボラン1Mテトラヒドロフラン溶液(関東化学(株)製)117部を投入した。23℃まで昇温しさらに16時間撹拌した後、水を加えてクエンチしたのち有機溶媒を濃縮し、得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで分離精製を行って式(1-66)で表される化合物を2.5部得た。
【0303】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+408.0
Exact Mass:+407.3
【0304】
【0305】
(実施例11)
式(1-66)で表される化合物2.5部及び3,4-ジヒドロキシ-3-シクロブテン-1,2-ジオン(富士フイルム和光純薬(株)製)0.32部をトルエン(関東化学(株)製)8部、n-ブタノール(関東化学(株)製)10部に溶解させ、110℃で2時間撹拌しながら加熱した。反応終了後溶媒を留去し、得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、式(II-372)で表される化合物を0.5部得た。
【0306】
同定:(質量分析)イオン化モード=ESI+:m/z=[M+H]+893.0
Exact Mass:+892.5
【0307】
【0308】
(樹脂合成例1)
還流冷却器、滴下ロート及び攪拌機を備えたフラスコ内に窒素を適量流し窒素雰囲気に置換し、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート280部を入れ、攪拌しながら80℃まで加熱した。次いで、アクリル酸38部、3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-8-イルアクリレート及び3,4-エポキシトリシクロ[5.2.1.02,6]デカン-9-イルアクリレートの混合物(混合割合は1:1)289部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート125部の混合溶液を5時間かけて滴下した。一方、2,2-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)33部をプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート235部に溶解した混合溶液を6時間かけて滴下した。滴下終了後、フラスコ内を80℃で4時間保持した後、室温で冷却して、B型粘度(23℃)125mPa・s、固形分35.1%の共重合体(樹脂(B-1))溶液を得た。生成した共重合体の重量平均分子量Mwは9200、分散度2.08、固形分酸価77mg-KOH/gであった。樹脂(B-1)は下記構造単位を有する。
【0309】
【0310】
樹脂のポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)及び数平均分子量(Mn)の測定は、GPC法により以下の条件で行った。
装置 ;HLC-8120GPC(東ソー(株)製)
カラム ;TSK-GELG2000HXL
カラム温度 ;40℃
溶媒 ;THF
流速 ;1.0mL/min
被検液固形分濃度;0.001~0.01質量%
注入量 ;50μL
検出器 ;RI
校正用標準物質 ;TSK STANDARD POLYSTYRENE
F-40、F-4、F-288、A-2500、A-500
(東ソー(株)製)
上記で得られたポリスチレン換算の重量平均分子量及び数平均分子量の比(Mw/Mn)を分散度とした。
【0311】
[実施例12~22、比較例1]
[着色樹脂組成物の調製]
表13に示す組成となるように各成分を混合して着色樹脂組成物を得た。
【0312】
【0313】
表13中、各成分は以下の化合物を表す。
着色剤(A-1):式(I-147)で表される化合物
着色剤(A-2):式(I-27)で表される化合物
着色剤(A-3):式(I-150)で表される化合物
着色剤(A-4):式(I-171)で表される化合物
着色剤(A-5):式(I-177)で表される化合物
着色剤(A-6):式(I-145)で表される化合物
着色剤(A-7):式(I-87)で表される化合物
着色剤(A-8):式(II-135)で表される化合物
着色剤(A-9):式(II-129)で表される化合物
着色剤(A-10):式(II-138)で表される化合物
着色剤(A-11):式(II-372)で表される化合物
着色剤(A-x):式(x)で表される化合物
【化88】
樹脂(B-1):樹脂(B-1)(固形分換算)
溶剤(E-1):プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート
溶剤(E-2):ジアセトンアルコール
溶剤(E-3):N-メチルピロリドン
溶剤(E-4):クロロホルム
レベリング剤(F-1):ポリエーテル変性シリコーンオイル(東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンSH8400」)
【0314】
<カラーフィルタ(着色塗膜)の作製1>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色樹脂組成物を、スピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、着色塗膜を得た。
【0315】
<色度の測定>
着色塗膜の色度は、測色機(OSP-SP-200;オリンパス(株)製)を用いて測定した分光と、C光源の特性関数とから、CIEのXYZ表色系におけるxy色度座標(x、y)と刺激値Yとして求めた。
【0316】
<耐熱性評価>
得られた着色塗膜をオーブン中、230℃で2時間加熱した。
加熱前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表14に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味する。また、着色塗膜の耐熱性が良好であれば、同じ着色樹脂組成物から作製された着色パターンも、耐熱性は良好であるといえる。
【0317】
<耐光性評価>
得られた着色塗膜の上に紫外線カットフィルター(COLORED OPTICAL GLASS L38;ホヤ社製;380nm以下の光をカットする)を配置し、その上面から耐光性試験機(サンテストCPS+:東洋精機社製)にて、キセノンランプ光を48時間照射した。
照射前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表14に示した。△Eab*は小さいほど色変化が小さいことを意味する。なお表14に示すように、実施例12~22は、耐熱性だけでなく耐光性も良好であった。
【0318】
【0319】
[実施例23~33]
[着色樹脂組成物の調製]
表15に示す組成となるように各成分を混合して着色樹脂組成物を得た。
【0320】
【0321】
表15中、各成分は以下の化合物を表す。
重合性化合物(C-1):ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(カヤラッド(登録商標)DPHA;日本化薬(株)製)
重合開始剤(D-1):N-アセチルオキシ-1-(4-フェニルスルファニルフェニル)-3-シクロヘキシルプロパン-1-オン-2-イミン(PBG-327;オキシム化合物;常州強力電子新材料(株)製)
その他の符号は、上記と同じものを表す。
【0322】
<カラーフィルタ(着色塗膜)の作製2と耐熱性評価>
5cm角のガラス基板(イーグル2000;コーニング社製)上に、着色樹脂組成物をスピンコート法で塗布したのち、100℃で3分間プリベークして、着色組成物層を形成した。放冷後、基板上に形成された着色組成物層に、露光機(TME-150RSK;トプコン(株)製)を用いて、大気雰囲気下、100mJ/cm2の露光量(365nm基準)で光照射した。光照射後、オーブン中、230℃で30分間ポストベークを行い、着色塗膜を得た。
ポストベーク前後で色度の測定を行い、該測定値からJIS Z 8730:2009(7.色差の計算方法)に記載される方法で色差△Eab*を計算し、結果を表16に示した。
【0323】
【産業上の利用可能性】
【0324】
本発明の化合物によれば、耐熱性に優れるカラーフィルタを形成することができる。