IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッドの特許一覧

特許7046836分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ
<>
  • 特許-分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ 図1
  • 特許-分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ 図2
  • 特許-分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ 図3
  • 特許-分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ 図4
  • 特許-分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ 図5
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】分散型発電装置を使用するためのユーティリティメータ
(51)【国際特許分類】
   H02J 13/00 20060101AFI20220328BHJP
   H02J 3/38 20060101ALI20220328BHJP
   G08C 15/00 20060101ALI20220328BHJP
   G08C 19/00 20060101ALI20220328BHJP
   H04Q 9/00 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
H02J13/00 311A
H02J3/38 110
H02J3/38 130
H02J3/38 160
H02J13/00 301A
G08C15/00 B
G08C19/00 U
H04Q9/00 311H
【請求項の数】 14
(21)【出願番号】P 2018560877
(86)(22)【出願日】2017-05-26
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-08-29
(86)【国際出願番号】 US2017034653
(87)【国際公開番号】W WO2017205724
(87)【国際公開日】2017-11-30
【審査請求日】2020-05-21
(31)【優先権主張番号】62/342,005
(32)【優先日】2016-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513113895
【氏名又は名称】ランディス・ギア イノベーションズ インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LANDIS+GYR INNOVATIONS, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100145403
【弁理士】
【氏名又は名称】山尾 憲人
(72)【発明者】
【氏名】スティーブン・ジョン・シャンバー
(72)【発明者】
【氏名】プラサナ・ベンカテサン
【審査官】辻丸 詔
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-230454(JP,A)
【文献】国際公開第2014/002798(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/192015(WO,A2)
【文献】米国特許出願公開第2015/0061644(US,A1)
【文献】特開平06-153527(JP,A)
【文献】特開2001-090296(JP,A)
【文献】特開2012-244665(JP,A)
【文献】特開2012-228043(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 13/00
H02J 3/38
G08C 15/00
G08C 19/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
グリッドインターフェースと、
施設インターフェースと、
分散型発電装置インターフェースと、
前記分散型発電装置インターフェースに接続されたレギュレータ(208,308)と、
前記レギュレータ(208,308)の出力及び前記グリッドインターフェースに接続された転送スイッチ(210,310)であって、前記分散型発電装置インターフェースから前記グリッドインターフェースに対するエネルギーの流れを制御する転送スイッチ(210,310)と、
前記グリッドインターフェースに接続される計測モジュール(204)であって、分散型発電装置(132,134,136,230,330)から前記グリッドインターフェースに供給されるエネルギーと、前記グリッドインターフェースから前記施設インターフェースに供給されるエネルギーとを測定して、前記転送スイッチ(210,310)をスイッチ制御装置(206)を介して制御する計測モジュール(204)と、
外部ネットワーク(100,140)を介して前記レギュレータ(208,308)又は前記転送スイッチ(210,310)を制御するための命令を受信するように構成された通信モジュール(202)とを備える統合化されたメータリング装置(200,300,400)であって、
前記レギュレータ(208,308)、前記転送スイッチ(210,310)、前記計測モジュール(204)及び前記通信モジュール(202)はハウジング内に配置されており、
前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)は前記グリッドインターフェースに接続された端子(402,404)を含み、
前記グリッドインターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)をユーティリティグリッドに接続するように構成され、
前記施設インターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)を施設に接続するように構成され、
前記分散型発電装置インターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)を前記分散型発電装置(132,134,136,230,330)に接続するように構成されることを特徴とする、
統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項2】
電気メータソケットに接続するためのソケットインターフェースをさらに備える請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項3】
ネットワークインターフェースをさらに備え、
前記通信モジュール(202)は、前記計測モジュール(204)と通信し、前記分散型発電装置の発電情報をネットワークインターフェースを介して遠隔システムに伝送するようにさらに構成される請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項4】
前記通信モジュール(202)はさらに、前記分散型発電装置からのエネルギーがグリッドインターフェースを通過することを防止するように前記転送スイッチ(210,310)を制御する命令を受信するように構成される請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項5】
前記ハウジングは金属フィンをさらに含む請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項6】
前記計測モジュール(204)は、前記レギュレータ(208,308)の電圧出力を制御するように前記レギュレータ(208,308)を制御するようにさらに構成される請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項7】
前記計測モジュール(204)は、前記施設インターフェースから負荷を切断するようにさらに構成される請求項1に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項8】
グリッドインターフェースと、
施設インターフェースと、
分散型発電装置インターフェースと、
ネットワークインターフェースと、
前記分散型発電装置インターフェースに接続されたインバータ(208,308)と、
前記インバータ(208,308)の出力及び前記グリッドインターフェースに接続された転送スイッチ(210,310)であって、前記分散型発電装置インターフェースから前記グリッドインターフェースに対するエネルギーの流れを制御する転送スイッチ(210,310)と、
前記グリッドインターフェースに接続される計測モジュール(204)であって、分散型発電装置(132,134,136,230,330)から前記グリッドインターフェースに供給されるエネルギーと、前記グリッドインターフェースから前記施設インターフェースに供給されるエネルギーとを測定して、前記転送スイッチ(210,310)をスイッチ制御装置(206)を介して制御する計測モジュール(204)と、
前記ネットワークインターフェースに接続された通信モジュール(202)であって、外部ネットワーク(100,140)を介して前記インバータ(208,308)又は前記転送スイッチ(210,310)を制御するための命令を受信するように構成される通信モジュール(202)とを備える統合化されたメータリング装置(200,300,400)であって、
前記インバータ(208,308)、前記転送スイッチ(210,310)、前記計測モジュール(204)及び前記通信モジュール(202)はハウジング内に配置されており、
前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)は前記グリッドインターフェースに接続された端子(402,404)を含み、
前記グリッドインターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)をユーティリティグリッドに接続するように構成され、
前記施設インターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)を施設に接続するように構成され、
前記分散型発電装置インターフェースは前記統合化されたメータリング装置(200,300,400)を前記分散型発電装置(132,134,136,230,330)に接続するように構成されることを特徴とする、統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項9】
電気メータソケットに接続するためのソケットインターフェースをさらに備える請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項10】
前記通信モジュール(202)は、前記計測モジュール(204)と通信し、前記計測モジュール(204)から受信した情報を、ネットワークインターフェースを介してリモートシステムに通信するようにさらに構成される請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項11】
前記通信モジュール(202)はさらに、前記転送スイッチ(210,310)を制御して、前記分散型発電装置(132,134,136,230,330)によって生成されたエネルギーが前記グリッドインターフェースを通過することを防止する命令を受信するように構成される請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項12】
前記ハウジングは金属フィンをさらに含む請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項13】
前記計測モジュール(204)は、前記インバータ(208,308)の電圧出力を制御するように前記インバータ(208,308)を制御するようにさらに構成される請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【請求項14】
前記計測モジュール(204)は、前記施設インターフェースから負荷を切断するようにさらに構成される請求項8に記載の統合化されたメータリング装置(200,300,400)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ユーティリティメータに関し、特に、分散型発電装置から資源配電網への電力の流れを制御する、統合されたユーティリティメータリング装置に関する。
【0002】
関連出願
本出願は、2016年5月26日に出願された、発明の名称「分散型発電装置と共に使用するためのユーティリティメータ」を有する米国仮特許出願第62/342,005号は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
電力会社は、顧客に電力を供給する配電網を管理する。典型的には、メータは、グリッドを介して建物に供給される電力を測定し制御する顧客の施設に位置する。メータは、他のメータやユーティリティと通信する通信モジュールと組み合わせられる。通信モジュールは、RF(高周波)、セルラー(携帯端末)、PLC(電力線通信)、又は任意の他の適切な通信技術を介して通信する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
電力を供給することに加えて、グリッドは、集合的に本明細書では「分散型発電装置」と呼ばれる、風力発電機、水力発電機、及び発電機によって生成されるような、顧客施設の装置によって生成された電力を受け入れてもよい。現在、これらの分散型発電装置をグリッドに接続するために使用される装置は、顧客施設に設置された電力量計とは別個のものである。これらは追加の設置と配線が必要となり、グリッドへの接続の複雑さが増大する。このユーティリティは、分散型発電装置又はそれらのグリッドへの接続を制御する能力を有さない場合があり、グリッドの管理が難しくなる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
統合化されたメータリング装置は、インバータとレギュレータ装置、転送スイッチ、ユーティリティメータ、及び分散型発電メータの機能を、1つのデバイスに統合する。統合化されたメータリング装置は、通信モジュール、計測モジュール、インバータ及びレギュレータ装置、及び転送スイッチを備える。太陽電池パネル又は発電機のような、分散型発電装置の出力は、統合化されたメータリング装置の入力に接続される。インバータ及びレギュレータ装置は、グリッドの要件を満たすように、分散型発電装置からの出力を処理する。転送スイッチは、分散型発電装置によって発生されたエネルギーのユーティリティグリッドへの流れを制御する。
【0006】
計測モジュールは、単一のメータリング装置又は複数のメータリング装置を備える。計測モジュールは、グリッドとの間のエネルギーの流れを監視し、分散型発電装置によって提供されるエネルギーの特性を監視し、転送スイッチを制御することができる。通信モジュールは、インバータ及びレギュレータ、転送スイッチ、又は計測モジュールを制御するための命令が含む通信をネットワークを介して通信する。通信モジュールは、統合計測装置の動作に関する情報と計測モジュールが計測した計測値を、ネットワーク又は中央システム上の他の装置に送信することができる。
【0007】
これらの例示的な態様及び特徴は、本発明を限定又は定義するためではなく、本出願に開示された発明概念の理解を助けるための例を提供するために記載され、本発明の他の態様、利点、及び特徴は、出願全体を検討した後に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】統合化されたメータリング装置を含むメータリング装置の例示的なネットワークを示す。
図2】分散型発電装置を接続するための例示的な統合化されたメータリング装置を示す。
図3】分散型発電装置を接続するための従来技術のシステムを示す。
図4】統合化されたメータリング装置への例示的な接続を示す。
図5】従来のシステムメータの接続を示す。
【発明を実施するための形態】
【0009】
詳細な説明
本発明は、リソースプロバイダが、リソース分配ネットワーク又はグリッド上に分散型生成デバイスの出力を制御する統合化されたメータリング装置を提供する。統合化されたメータリング装置は、通信モジュール及び計測モジュール、並びにインバータ及びレギュレータ装置及び転送スイッチを備える。リソースプロバイダは、通信モジュールを介して統合化されたメータリング装置と通信し、インバータ及びレギュレータ装置又は転送スイッチを制御する。計測モジュールは、分散型発電装置によってグリッドに供給されるエネルギーを監視し、生成されたエネルギーに関する情報を通信モジュールを介してリソースプロバイダに送信する。統合化されたメータリング装置は、現場での配線を簡素化し、安全性を高め、ユーティリティ通信と制御の一点を提供し、認可されていない分散型発電装置の不正な接続を防止する。
【0010】
例示的な動作環境
図1は、統合化されたメータリング装置のための例示的な動作環境を示す。無線メッシュネットワークのようなネットワーク100は、多数のノード102~116,120を備える。各ノード102~116は、顧客宅内でのリソース消費を測定するための計測モジュールを備える。ノードはまた、RF(高周波)、セルラー(携帯端末)、PLC(電力線通信)又は任意の他の適切な通信技術を用いてネットワーク上で通信するための通信モジュールをまた含む。いくつかのノード108,112,116は、消費電力を測定し、ネットワーク上で通信することに加えて、分散型発電装置132,134,136によって生成されたリソースの入力をユーティリティグリッド(図示せず)上に制御する統合化されたメータリング装置と関連する。一例は、電気グリッドへの電気エネルギーの入力である。図1は、ノード120がネットワーク140を介して他のデバイスとさらに通信することができることを示す。一実施態様では、ノード120は、ヘッドエンドシステム150と通信する。
【0011】
統合化されたメータリング装置
図2は、ユーティリティグリッドと共に使用する例示的な統合化されたメータリング装置200を示す。統合化されたメータリング装置200は、顧客の施設をグリッドに接続するとともに、太陽電池パネルアレイのような分散型発電装置230をグリッドに接続する。統合化されたメータリング装置は、インバータ及びレギュレータ装置、転送スイッチ、ユーティリティメータ、及び分散型発電メータの機能を1つのデバイスに統合する。
【0012】
分散型発電装置230の出力は、統合化されたメータリング装置200の入力に接続される。当該出力は、統合化されたメータリング装置に直接接続されてもよく、統合化メータが接続された電気メータソケットに設けられた別個のコネクタに接続されてもよい。例えば、分散型発電装置の出力は、ソーラーパネルのアレイからのDCインバータ出力又はAC発電機からのAC出力であってもよい。統合化メータは、統合化発電機が設置され、適切に固定された後に、分散型発電装置の出力を接続するように設計される。
【0013】
図4は、分散型発電装置を接続するための端412,416と、顧客施設又は負荷に接続するための端子410,414を含む、例示的な統合化されたメータリング装置の一部を示す。端子402及び404は、ユーティリティグリッドに接続する。図4に示す統合化されたメータリング装置は、ANSI Form 2Sメータに類似するが、図5に示すように、分散型発電装置に接続するための追加の端子及び回路を含む。図4は、統合化されたメータリング装置の全ての構成要素を示すものではないことに留意されたい。
【0014】
統合化されたメータリング装置のインバータ及びレギュレータ装置208は、グリッドの要件を満たす分散型発電装置からの出力を処理する。例えば、インバータ及びレギュレータ装置は、DC出力をACに変換し、出力の位相を調整し、グリッドの要件を満たすように出力電圧を調整したりする。インバータ及びレギュレータ装置208の出力は、転送スイッチ210に供給される。転送スイッチ210は、分散型発電装置の出力をユーティリティグリッドに接続する。また、転送スイッチは、停電の場合に、分散型発電装置からの送電電力が送電網に入ることを防止する。停電時には、バックフィード電力は、電力線の低下により電力を復旧する作業員にとって安全上の危険をもたらす可能性がある。図2は、転送スイッチがインバータ及びレギュレータ装置とグリッドの間に配置されることを示すが、分散型発電装置からグリッドへのエネルギーの流れを制御する限り、他の場所に配置することができる。
【0015】
統合化されたメータリング装置は、計測又は計量(メータリング)機能を提供する計測モジュール204を備える。例示的な計量機能は、分散型発電装置によって供給されたエネルギーをユーティリティグリッドに監視するステップと、敷地内で使用されるエネルギーを監視するステップと、ユーティリティグリッドに送達される、又はユーティリティグリッドから受信される正味エネルギーを監視するステップとを含む。計測モジュールは、単一のメータリング装置又は複数のメータリング装置を含む。分散型発電装置によって生成されるエネルギーに関する情報を含む計量情報は、通信モジュールを介してユーティリティに提供されてもよいし、メータの出力装置に表示されてもよく、表示装置などの表示装置に表示される。計測モジュールはまた、分散型発電装置又はユーティリティグリッドによって提供されるエネルギーの特性を監視することができ、その特性はワット数、VAR、又はVA、高調波又は全高調波歪みを含むが、これらに限定されない。例えば、図2は、計測モジュールが転送スイッチ210の出力を監視することを示す。計測モジュールは、スイッチ制御装置206を介して転送スイッチを制御することができる。例えば、計測モジュールが商用電源の損失を検出した場合、計測モジュールは、分散型発電装置からの電力がグリッドに入ることを防止するために、転送スイッチを制御することができる。
【0016】
計測モジュールは、インバータ及びレギュレータ装置の構成要素を制御することもできる。例示的なアクションには以下が含まれる。計測モジュールが過電圧又は過小電圧状態を感知した場合、計測モジュールは、電圧を制御するためにインバータからの出力電圧を上昇又は下降させることができる。計測モジュールが電圧が設定可能な限界を超えているか、もしくは下回っているときは、計測モジュールをグリッドから切断させてもよい。計測モジュールはまた、電圧が負荷の設定可能な限度を超えているか、又は設定可能な限度を超えているときは、顧客負荷を切断することもできる。計測モジュールは、分散型発電装置によって供給されるアンペア数に対して構成可能な限界を使用することができ、これにより、分散型発電装置によって供給されるアンペア数がグリッド又は負荷の供給限界を超える場合、計測装置は、アンペア数を制限してもよいし、分散型発電装置を停止してもよい。
【0017】
統合化されたメータリング装置はまた、隣接するメータ又はコレクタなどの、ネットワーク上の他の装置と通信する通信モジュール202を含む。通信モジュールは、ユーティリティ発電機によって供給されるエネルギー、施設によって使用されるエネルギー、ユーティリティグリッドに送達される又はそれから受け取られる正味のエネルギー、装置の状態、又はユーティリティ又はネットワーク上の他の装置への他の情報を送信する。通信モジュールは、インバータ及びレギュレータ、転送スイッチ、又は計測モジュールを制御するための命令を含む、ネットワークを介してユーティリティからの通信を受信する。一例では、ヘッドエンドシステムは、命令を通信モジュールに送信し、通信モジュールは、インバータ、レギュレータ、分散型発電装置によってグリッドに供給される電力を制御するスイッチコンポーネントを制御する。
【0018】
通信モジュールは、インバータ及びレギュレータ装置を制御することができる。場合によっては、制御は通信モジュールによって受信された命令に基づく。通信モジュールによって受信される例示的な命令は、以下を含む。
・レギュレータ設定の設定(レギュレータの最小及び最大出力電圧、最大出力電流制限、最小グリッド電圧及び、転送スイッチを開く前の継続時間を指定する)。
・レギュレータ設定の取得。
・レギュレータのステータスを取得する(レギュレータインバータ入力電圧、グリッド出力電圧、動作状態、電圧・電流制限状態、転送スイッチ状態)。
・レギュレータのイベント履歴を取得する。
・クリアレギュレータのイベント履歴。
・分散エネルギー応答(DER)イベント-電流をグリッド上に限定して、あらかじめ定義されたDER制限に戻す。
【0019】
通信モジュールは、レギュレータと通信、また施設のローカルインテリジェント負荷制御スイッチ又は負荷制御スイッチ及び他のインバータのグループと通信することで、所定のDER限界内でエネルギーをグリッドに戻すように局所マイクログリッドを構成する。
【0020】
統合化されたメータリング装置の通信モジュール及び計測モジュールは、1つ又は複数の処理装置及びメモリを備える。処理装置は、本明細書で説明される動作を実行するために、コンピュータ可読媒体に格納されたコンピュータ実行可能命令を実行してもよく、コンピュータ可読媒体上に格納された情報にアクセスしてもよい。通信モジュールと計測モジュールは図2では別々のモジュールとして示されるが、モジュールは、統合されてもよく、又は統合化されたメータリング装置の他の構成要素と組み合わされてもよい。統合化されたメータリング装置の他の実施形態は、図2に示されたものとは異なる、又は追加のモジュール及び構成要素を使用することができる。例えば、一実施例では、計測モジュールは3つのメータリング装置を含む。1つのメータリング装置がインバータ及びレギュレータ装置に関連付けられ、第2のメータリング装置が施設負荷に関連付けられ、第3のメータリング装置は、ユーティリティグリッドとの間で授受されるNETエネルギー(例えば、インバータ及びレギュレータ装置で測定されたエネルギーと施設負荷によって消費されたエネルギーとの間の差)を測定するNETメータリング装置に関連づけられる。各メータリング装置は、電圧、電流、ワット時、ボルトアンペア、ボルトアンペア又はその他の測定パラメータを提供することができる。いくつかの実施例では、インバータ及びレギュレータ装置は、分散型発電装置のタイプに応じて、インバータのみ又はレギュレータのみを含むことができる。
【0021】
通信モジュール及び計測モジュールは、有線又は無線接続を介して統合化されたメータリング装置の他の構成要素を制御することができる。
【0022】
統合されたメータリング装置のためのハウジングは、インバータ及びレギュレータの構成要素は、従来の電力メータの構成要素よりも多くの熱を放散し得るために、改善された熱管理を提供する。従来のユーティリティメータ用のハウジングは、典型的には、プラスチック又はガラスを使用し、これらは熱伝導率が低い。統合されたメータリング装置用のハウジングは、金属を含むことができ、追加の熱を処理するための金属フィンを含むことができる。一例では、ハウジングはアルミニウムフィンを含む。
【0023】
施設に配置された構成要素を制御することによって、分散型発電装置によって提供される電力を遠隔制御する能力は、従来技術に対する改良である。図3は、2個のメータを含む従来技術のシステムを示す。ユーティリティメータ300は、ユーティリティグリッドと顧客施設との間に接続され、分散型発電装置とユーティリティメータとの間に別個の分散型発電メータ320が接続される。
【0024】
分散型発電装置330の出力は、インバータ及びレギュレータ装置308に接続される。インバータ及びレギュレータ装置308の出力は、転送スイッチ310に接続される。転送スイッチはまた、分散型生成メータ320にも接続される。インバータ及びレギュレータ装置308の制御は、有線又は無線で行われ、電圧及び電流の設定点及び限界を満たすように装置内の構成要素を制御することを含むことができる。分散型発電メータ320の出力は、ユーティリティメータ300の施設側に接続される。ユーティリティメータ300は、ユーティリティグリッド及び施設に接続される。
【0025】
ヘッドエンドシステムは、図3のインバータ及びレギュレータ装置と通信することができない。ヘッドエンドシステムは、ユーティリティメータ300内に位置する通信モジュールに命令を送信することができるが、通信モジュールは、インバータ及びレギュレータ装置又は転送スイッチを指示し、他の方法で制御したりすることができない。図3に示す構成では、より多くの物理的なスペースが必要で、より多くの設備と追加の労力の必要性のために一般に高価である。また、改ざんや不適切な配線のリスクが高くなる。
【0026】
本発明の要旨は、その特定の態様に関して詳細に記載されるが、それは高く評価され、当業者であれば、前述のことを理解すると、このような態様に対する変更、変形、及び同等物を容易に生成することができる。したがって、本開示は、限定ではなく例として提示され、本主題に対するそのような変更、変形、及び/又は追加の包含を排除するものではなく、当業者には容易に明らかであろうことが理解されるべきである。
図1
図2
図3
図4
図5