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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】プログラム及び画像表示方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 29/00 20060101AFI20220328BHJP
   G06F 3/04845 20220101ALI20220328BHJP
   G06F 16/54 20190101ALI20220328BHJP
   G06F 16/587 20190101ALI20220328BHJP
   G09G 5/00 20060101ALI20220328BHJP
   G09G 5/36 20060101ALI20220328BHJP
   G09G 5/377 20060101ALI20220328BHJP
   G01C 21/26 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G09B29/00 A
G09B29/00 F
G06F3/0484 150
G06F16/54
G06F16/587
G09G5/00 510H
G09G5/36 510B
G09G5/36 520M
G09G5/00 530T
G01C21/26 C
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2019086712
(22)【出願日】2019-04-26
(62)【分割の表示】P 2018205551の分割
【原出願日】2012-12-28
(65)【公開番号】P2019179241
(43)【公開日】2019-10-17
【審査請求日】2019-04-26
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】321011767
【氏名又は名称】ジオテクノロジーズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000637
【氏名又は名称】特許業務法人樹之下知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】高山 保
(72)【発明者】
【氏名】宮田 貴大
【審査官】赤坂 祐樹
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-072868(JP,A)
【文献】特開2012-093652(JP,A)
【文献】特開2009-300245(JP,A)
【文献】特開昭62-098500(JP,A)
【文献】特開2004-126035(JP,A)
【文献】片岡義明,第126回:「インドアGoogleマップ」で東京の百貨店めぐり、その精度は?,趣味のインターネット地図ウォッチ[online],2011年12月22日,https://internet.watch.impress.co.jp/docs/column/chizu/501002.html,[2020年11月27日検索]
【文献】宇宙から自宅前へ直行できるGoogle Earth 6,RESEMOM[online],RBBTODAY,2010年11月30日,URL:<https://resemom.jp/article/2010/11/30/506.html>,[令和4年3月1日検索日]
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09B 29/00 -29/14
G06F 3/04845
G06F 16/54 -16/587
G09G 5/00 - 5/377
G01C 21/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像を表示する表示手段と、前記表示手段の表面に配置されて操作を受け付けるタッチパネルと、を備える画像表示装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、
前記表示手段に予め設定された縮尺にて地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちのフロアマップが関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて表示させるとともに、選択対象を指定するためのオブジェクトを表示させるためのマークを表示させ
前記表示手段に前記情報が表示されている際に、前記マークがタップ操作されると、前記オブジェクトを前記地図画像上に表示させ、
前記地図画像上にて前記オブジェクトをドラッグ操作に応じて移動させ、
前記オブジェクトと前記対象施設とが重なって表示されている状態において、前記対象施設に対応するフロアマップを表示させるための前記オブジェクトに対するタップ操作が前記タッチパネルによって受け付けられると前記表示手段に前記対象施設のフロアマップと当該フロアマップの階を切り換えるための操作シンボルと同時に表示さるように、前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
請求項1に記載のプログラムにおいて、
前記表示手段に前記情報が表示され、前記オブジェクトと前記対象施設とが重なって表示されている状態において、前記対象施設に対応する前記フロアマップを表示させるためのタップ操作が前記タッチパネルによって受け付けられない場合には、前記表示手段に前記フロアマップを表示させないように、前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に載のプログラムにおいて、
前記地図画像の縮尺を拡大又は縮小することによって予め設定された縮尺にて前記地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちの施設内部画像が関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて前記表示手段に表示させるように、前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項4】
請求項1又は請求項2に記載のプログラムにおいて、
前記地図画像の縮尺を拡大することによって予め設定された縮尺にて前記地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちの施設内部画像が関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて前記表示手段に表示させるように、前記コンピュータを機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項5】
画像を表示する表示手段と、前記表示手段の表面に配置されて操作を受け付けるタッチパネルと、を備える画像表示装置において実行される画像表示方法において、
前記表示手段に予め設定された縮尺にて地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちのフロアマップが関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて表示させるとともに、選択対象を指定するためのオブジェクトを表示させるためのマークを表示させるステップと、
前記表示手段に前記情報が表示されている際に、前記マークがタップ操作されると、前記オブジェクトを前記地図画像上に表示させるステップと、
前記地図画像上にて前記オブジェクトをドラッグ操作に応じて移動させるステップと、
前記オブジェクトと前記対象施設とが重なって表示されている状態において、前記対象施設に対応するフロアマップを表示させるための前記オブジェクトに対するタップ操作が前記タッチパネルによって受け付けられると前記表示手段に前記対象施設のフロアマップと当該フロアマップの階を切り換えるための操作シンボルと同時に表示さるステップと、を含むことを特徴とする画像表示方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、プログラム及び画像表示方法の技術分野に属する。より詳細には、種々の情報を表示させるプログラム及び画像表示方法の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
近年、いわゆるスマートフォンに代表される携帯型の端末装置等においては、その軽便性から、液晶パネル等の表示部の表面に設置されたタッチパネルを用いて当該端末装置等の操作をすることが広く行われている。このような従来技術の一例としては、例えば下記特許文献1に開示されている技術がある。
【0003】
この特許文献1に記載されている技術では、表示部に表示されている地図を拡大又は縮小する場合に、地図データを表示している表示部に対して人の手の接近が検知されたとき、表示されている地図データとは異なる縮尺の地図データを取得し、表示部の表面に配置されたタッチパネルに手が接触したことを検出した時点で、当該取得した縮尺の地図データに相当する地図を表示することとされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2011-118007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記特許文献1に開示された技術では、取得した縮尺の地図データに相当する地図を元の地図と入れ換えて表示することになり、結果として、拡大又は縮小した後の地図が直前の縮尺から拡大したものなのか、或いは縮小したものなのかを、拡大又は縮小した後の状態からはユーザが容易に認識することができない。よってこの場合には、ユーザが所望の縮尺の地図が表示されるまで、例えば拡大→縮小→拡大のように複数回の操作を繰り返さなければならない場合があり、不便であるという問題点があった。
【0006】
また、上記特許文献1に開示された技術では、変更後の縮尺の地図データに対応する地図が表示されるのみであり、それ以上の詳細な情報等を表示することは考慮されていない。
【0007】
そこで本願は、上記の各問題点に鑑みて為されたもので、その課題の一例は、より詳細な情報を簡易且つ直感的に表示させることが可能なプログラム及び画像表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するために、請求項1に記載の発明は、画像を表示する表示手段と、操作を受け付ける受付手段と、を備える画像表示装置のコンピュータにより実行されるプログラムであって、前記表示手段に予め設定された縮尺にて地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちのフロアマップが関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて表示させ、前記表示手段に前記情報が表示されている際に、選択対象を指定するためのオブジェクトと前記対象施設とが重なって表示されている状態において、前記対象施設に対応するフロアマップを表示させるための操作が前記受付手段によって受け付けられた場合には、前記対象施設のフロアマップと当該フロアマップの階を切り換えるための操作シンボルとが同時に表示された状態とするように、前記コンピュータを機能させる。
【0010】
上記の課題を解決するために、請求項に記載の発明は、画像を表示する表示手段と、操作を受け付ける受付手段と、を備える画像表示装置において実行される画像表示方法において、前記表示手段に予め設定された縮尺にて地図画像を表示する際に、前記地図画像内の施設のうちのフロアマップが関連付けられた対象施設を識別可能とする情報を、前記地図画像が示す地図上の当該対象施設の位置に対応させて表示させるステップと、前記表示手段に前記情報が表示されている際に、選択対象を指定するためのオブジェクトと前記対象施設とが重なって表示されている状態において、前記対象施設に対応するフロアマップを表示させるための操作が前記受付手段によって受け付けられた場合には、前記対象施設のフロアマップと当該フロアマップの階を切り換えるための操作シンボルとが同時に表示された状態とするステップと、を含む。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施形態に係る画像表示装置の概要構成を示すブロック図である。
図2】実施例に係るスマートフォンを含む画像表示システムの概要構成を示すブロック図等であり、(a)は当該ブロック図であり、(b)は実施例に係るスマートフォンに記憶されている地図データの内容を例示する図である。
図3】実施例に係る画像表示処理を示すフローチャートである。
図4】実施例に係る画像表示例を示す図(1)であり、(a)は第1例を示す図であり、(b)は第2例を示す図である。
図5】実施例に係る画像表示例を示す図(2)であり、(a)は第3例を示す図であり、(b)は第4例を示す図である。
図6】実施例に係る画像表示例を示す図(3)であり、(a)は第5例を示す図であり、(b)は第6例を示す図である。
図7】実施例に係る画像表示例を示す図(4)であり、(a)は第7例を示す図であり、(b)は第8例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に、本願を実施するための形態について、図1を用いて説明する。
【0013】
図1に示すように、実施形態に係る画像表示装置Sは、画像を表示する画像表示装置Sであり、操作手段1と、表示手段2と、判断手段3と、表示制御手段4と、を備えて構成されている。このとき操作手段1は、例えばタッチパネル或いは所定の操作ボタン等により構成されている。また表示手段2は、例えばディスプレイ等からなる。
【0014】
この構成において表示手段2は、オブジェクトを上記画像に重畳して表示させる。
【0015】
一方操作手段1は、表示されているオブジェクトを、ユーザの操作によって画像に重畳させつつ移動させる。
【0016】
そして判断手段3は、操作によって移動されたオブジェクトが、表示された画像上における予め設定された所定位置にあるか否かを判断する。
【0017】
これにより表示制御手段4は、所定位置にあると判断されたオブジェクトを拡大表示すると共に、当該所定位置における画像よりも詳細な詳細情報を、当該拡大表示されたオブジェクトを利用して表示させる。
【0018】
以上説明したように、実施形態に係る画像表示装置Sの動作によれば、画像上における所定位置までユーザの操作によって移動されたと判断されたオブジェクトを拡大表示すると共に、当該所定位置における画像よりも詳細な情報を、拡大表示されたオブジェクトを利用して表示させるので、より詳細な情報を簡易且つ直感的に表示させることができる。
【実施例
【0019】
次に、上述した実施形態に対応する具体的な実施例について、図2乃至図7を用いて説明する。なお以下に説明する実施例は、いわゆるスマートフォンを含む画像表示システムに含まれる当該スマートフォンにおける画面表示の制御に対して実施形態を適用した場合の実施例である。
【0020】
また、図2は実施例に係る画像表示システムの概要構成を示すブロック図等であり、図3は実施例に係る画像表示処理を示すフローチャートである。また図4乃至図7は、実施例に係る画像表示例をそれぞれ示す図である。このとき図2では、図1に示した実施形態に係る画像表示装置Sにおける各構成部材に対応する実施例の構成部材それぞれについて、当該画像表示装置Sにおける各構成部材と同一の部材番号を用いている。
【0021】
図2(a)に示すように、実施例に係る画像表示システムGSは、サーバSVと、複数のスマートフォンT1、スマートフォンT2、…、スマートフォンTnと、サーバSVと各端末装置Tとを接続して情報の授受を行うための通信回線NWと、により構成されている。なお以下の説明において、スマートフォンT1、スマートフォンT2、…、スマートフォンTnについて共通的に説明する場合は、単に「スマートフォンT」と称する。
【0022】
このときサーバSVは、インターフェース10と、CPU、RAM(Random Access Memory)及びROM(Read Only Memory)等を含む処理部11と、HDD(Hard Disc Drive)又は不揮発性のメモリ等からなる記憶部12と、により構成されている。このとき記憶部12には、実施例に係る各スマートフォンTに対して通信回線NWを介して配信される施設データDが不揮発性に記憶されている。この施設データDとしては、図2(a)に例示するように、施設名称に対応付けられて、その施設名称を有する施設の各階の簡略化された平面図であるフロア画像データからなる施設フロアデータと、当該施設の地図上の位置を例えば緯度/経度又は例えば所定の座標軸上の座標により示す施設位置データと、当該施設の各階に設置されている休憩施設の位置を例えば所定の座標軸上の座標により示す休憩施設位置データと、が蓄積されている。なおこの場合の休憩施設とは、例えば、休憩用の椅子、又はトイレを除く休憩室等が該当する。そしてこれら施設データDは、各スマートフォンTからの要求情報に応じて当該スマートフォンTに配信される。
【0023】
これに対して、各スマートフォンTはそれぞれ、インターフェース6と、実施形態に係る操作手段1の一例としてのタッチパネル及び操作ボタン等を含む操作部1と、実施形態に係る表示手段2の一例としてのディスプレイ2と、実施形態に係る判断手段3の一例及び表示制御手段4の一例としてのCPU3と、地図記憶部5と、により構成されている。このとき操作部1を構成するタッチパネルはディスプレイ2の表面に配置されている。また図2(a)において破線で示すように、操作部1、ディスプレイ2及びCPU3により、実施形態に係る画像表示装置Sに相当する実施例が構成される。
【0024】
図2(a)に示す構成においてサーバSVのインターフェース10は、処理部11の制御の下、通信回線NWを介した各スマートフォンTとの間における情報の入出力制御処理等を実行する。
【0025】
次に処理部11は、各スマートフォンTからの上記要求情報により要求されている施設に対応するフロア画像データや休憩施設位置データ等を記憶部12の施設データDの中から抽出する。その後処理部11は、当該抽出したデータをインターフェース10及び通信回線NWを介して、上記要求情報を送信してきたスマートフォンTに送信する。
【0026】
一方各スマートフォンTのインターフェース6は、CPU3の制御の下、通信回線NWを介したサーバSVとの間における情報の入出力制御処理等を実行する。また操作部1を構成する上記タッチパネルは、スマートフォンTのユーザが指等により触れることにより、当該触れた位置を示す位置情報等をCPU3に出力する。これによりCPU3は、実施例に係る画像表示処理として、地図記憶部5に後述する地図データを用いて、操作部1における操作(上記タッチパネルを用いたドラッグ操作等を含む)に対応した地図や施設図等をディスプレイ2上に表示する。この実施例に係る画像表示処理については、後ほど図3乃至図7等を用いて詳説する。
【0027】
ここで、地図記憶部5に記憶されている地図データについて、図2(b)を用いてそのデータ構造等を説明する。
【0028】
図2(b)に例示するように、実施例に係る地図データは、既定の縮尺毎且つ地域的又は領域的な所定区分(いわゆるメッシュ)毎の道路データ、背景データ及び地名等の名称データ等から構成されている。また地図記憶部5に記憶されている実施例に係る施設のフロア画像データ等は、当該施設を示す施設名称データ又は当該施設の位置を示す施設位置データをリンク(紐付け)として、例えばサーバSVの地図データD内から抽出されて取得されたデータである。このとき、一つの施設に複数のフロア(階)が存在する場合には、当該階毎の複数の施設フロアデータとしてのフロア画像データが、いわゆるレコードとして地図記憶部5内にそれぞれ記憶されている。この施設フロアデータ内には、上記休憩施設を示す休憩施設位置データ及び当該休憩施設を示す画像データが含まれている。
【0029】
次に、CPU3を中心として各スマートフォンTにおいて実行される実施例に係る画像表示処理について、具体的に図3乃至図7を用いて説明する。
【0030】
対応するフローチャートを図3に示すように、実施例に係るスマートフォンTのCPU3は、実施例に係る画像表示処理が開始されると先ず、実施例に係るルーペモードを示す操作が例えば操作部1においてユーザによりなされたか否かを監視する(ステップS1)。ここで実施例に係る「ルーペモード」とは、その時点でディスプレイ2に表示されている地図上の施設の詳細情報をその地図に重畳して表示するモードである。また、上記ステップS1の監視における「ルーペモードを示す操作」とは、図4(a)に例示するように、ディスプレイ2上に地図MPと、地図MPの拡大又は縮小を指Fにより操作するための拡大/縮小キーMGと、が表示されている場合においては、当該拡大/縮小キーMGを用いて予め設定された縮尺の地図MPが表示されたとき、その縮尺の指定をもってルーペモードに移行すべき操作がなされたと認識するのが好適である。ステップS1の監視においてルーペモードを示す操作がなされない場合(ステップS1;NO)、CPU3は、その時点でなされている操作に対応する所定の処理を実行して(ステップS15)、実施例に係る画像表示処理を終了する。
【0031】
一方ステップS1の監視において、ルーペモードを示す操作がなされた場合(ステップS1;YES)、CPU3は次に、ディスプレイ2上の表示をルーペモードの表示に切り換える(ステップS2)。このステップS2の処理として具体的には、図4(a)に例示するように、ディスプレイ2上に地図MPが表示されている場合においては、ルーペモードに移行したことを示すルーペマークLMをディスプレイ2の一隅に表示すると共に、地図MP内に表示されている施設のうち、その詳細情報(例えば上記施設フロアデータ等)が存在する施設を示す位置マークMを表示する。なお図4乃至図7においては、位置マークMが「*」で例示されている。この位置マークMが表示されている施設については、上記施設フロアデータ等が地図記憶部5内に既に記憶されている場合はそれを用いて後述するフロアマップ等が表示される。一方、上記施設フロアデータ等が地図記憶部5に記憶されていない場合、CPU3は、所定のタイミングでサーバSVに対して当該施設フロアデータ等を要求する旨の上記要求情報を送信する。これによりCPU3は、当該要求情報に対応して施設フロアデータ等がサーバSVから送信されてきたら、インターフェース6を介してこれを受信して地図記憶部5に記憶させた上で、上記フロアマップ等の表示に用いる。
【0032】
ステップS2の処理によりルーペモードの表示に切り換えられたら(図4(a)参照)、次にCPU3は、表示されているルーペマークLMに対して図4(b)に例示するようにユーザの指Fによりタップ操作(即ち、ルーペマークLMの選択操作)がなされたか否かを監視する(ステップS3)。ステップS3の監視においてルーペマークLMに対してタップ操作がなされない場合(ステップS3;NO)、CPU3は所定の表示等によりルーペモードを継続するか否かをユーザに確認する(ステップS4)。ステップS4の確認においてルーペモードを継続する旨の操作が例えば操作部1においてユーザによりなされた場合(ステップS4;YES)、CPU3は上記ステップS2に戻ってルーペモードの表示を継続する。一方ステップS4の監視において、ルーペモードを継続しない旨の操作がなされた場合(ステップS4;NO)、CPU3は上記ステップS15の処理に移行する。
【0033】
他方、ステップS3の監視においてルーペマークLMに対するタップ操作がなされた場合(ステップS3;YES)、CPU3は次に、図4(b)に例示するように地図MPの中心にルーペシンボルLSを表示する(ステップS5)。このルーペシンボルLSは、当該ルーペシンボルLSに対して例えばユーザの指Fによりドラッグ操作(即ち、ルーペシンボルLSの移動操作)がなされることで、詳細情報を表示する施設をタッチパネル上において選択する際に用いられるシンボル(オブジェクト)である。このルーペシンボルLSが本願に係る「オブジェクト」の一例に相当する。またこのときCPU3は、ディスプレイ2の地図MPが表示されている領域外の位置に、図4(b)に例示するようなゴミ箱シンボルDBを表示する。このゴミ箱シンボルDBは、実施例に係るルーペモードを終了させる際に、ルーペシンボルLSがゴミ箱シンボルDBの位置まで例えばドラッグ操作により移動されることで、ルーペモードを終了させることをユーザが指定するためのシンボルである。
【0034】
ルーペシンボルLS及びゴミ箱シンボルDBが表示されたら、CPU3は次に、図5(a)に例示するように、ユーザの指FによるルーペシンボルLSに対するドラッグ操作により、当該ルーペシンボルLSが位置マークMのいずれかが表示されている位置まで移動されたか否かを監視する(ステップS6)。ステップS6の監視においてルーペシンボルLSに対してドラッグ操作がなされない場合(ステップS6;NO)、CPU3は引き続きルーペシンボルLSの表示を継続する。
【0035】
なおこのとき、ルーペシンボルLSの表示を継続することが、例えば他の操作等の邪魔になるといった事情がある場合、CPU3は例えば、予め設定された所定時間はルーペシンボルLSの表示を継続し、当該所定時間が経過してもルーペシンボルLSに対するドラッグ操作がなされない場合に、実施例に係るルーペモードを終了するように構成してもよい。
【0036】
一方、ステップS6の監視においてルーペシンボルLSに対してドラッグ操作がなされた場合(ステップS6;YES)、CPU3は次に、当該ドラック操作の終了時におけるルーペシンボルLSの位置を確認する(ステップS7)。そしてCPU3は、当該確認した位置がいずれかの位置マークMが表示されている位置か否かを判定する(ステップS8)。ステップS8の判定において、いずれかの位置マークMの位置までルーペシンボルLSがドラッグ操作された場合(ステップS8;YES)、CPU3は次に、図5(a)に例示するように、ルーペシンボルLSに対してその位置で例えばユーザの指Fによりタップ操作がなされたか否かを監視する(ステップS9)。ステップS9の判定において当該タップ操作がなされない場合(ステップS9;NO)、CPU3は上記ステップS8の判定に戻る。一方ステップS9の判定において当該タップ操作がなされた場合(ステップS9;YES)、CPU3は、その時のルーペシンボルLSの位置に対応する位置マークMにより示される施設の詳細情報を、図5(b)に例示するように地図MPに重畳して表示する(ステップS10)。図5(b)に例示する場合は、ルーペシンボルLSの位置に対応する位置マークMにより示される施設が「〇〇ビル」であり、その施設のある階のフロアマップFMが上記施設フロアデータを地図記憶部5から読み出して表示されている。なお図5(b)に例示するように、他の階のフロアマップFMを表示させる際にタップ操作される矢印シンボルA1及び矢印シンボルA2をフロアマップFMに隣接させて表示し、これらのいずれかに対してユーザによるタップ操作がなされることにより、タップ操作に対応した他の階のフロアマップFMに表示を切り替えるように構成するのが好ましい。また図5(b)に例示するフロアマップFMにおいては、上記休憩施設位置データにより示される例えば休憩用の椅子等の位置に、黒色長方形表示により椅子等の休憩施設が表示されている。またこの場合には、フロアマップFMと地図MPの境界部分に、図5(b)に例示するようなルーペ様の枠Wを併せて表示するように構成するのが好適である。
【0037】
そしてフロアマップFMを用いた詳細情報の表示中においては、図6(a)に例示するようにCPU3は、当該フロアマップFMに係る拡大表示内のいずれかの位置に対して例えばユーザの指Fによりタップ操作がなされたか否かを監視している(ステップS11)。ステップS11の判定において当該タップ操作がなされない場合(ステップS11;NO)、CPU3は上記ステップS10の判定に戻る。一方ステップS11の判定において当該タップ操作がなされた場合(ステップS11;YES)、CPU3は、その時に表示されていたフロアマップFMを消去することにより詳細情報の表示を終了させる(ステップS12)。その後CPU3は、上記ステップS6の監視に移行する。
【0038】
他方、ルーペシンボルLSに対するドラッグ操作が終了した位置がいずれの位置マークMの位置でない場合(ステップS8;NO)、次にCPU3は、図6(b)に例示するように、ルーペシンボルLSがゴミ箱シンボルDBの位置までドラック操作されたか否かを判定する(ステップS13)。ステップS13の判定においてゴミ箱シンボルDBの位置までドラッグ操作されていない場合(ステップS13;NO)、CPU3は上記ステップS6の監視に移行する。一方ステップS13の判定において、ルーペシンボルLSが図6(b)に例示するようにゴミ箱シンボルDBの位置までドラッグ操作されている場合(ステップS13;YES)、CPU3は、ルーペモードを終了させるべく当該ルーペシンボルLS及びルーペマークLMをディスプレイ2上から消去し(ステップS14)、その後実施例に係る画像表示処理を終了する。
【0039】
以上それぞれ説明したように、実施例に係る画像表示処理によれば、地図MP上における位置マークMの位置までユーザの操作によって移動されたと判断されたルーペシンボルLSを拡大表示すると共に、位置マークMの位置における画像よりも詳細な情報を、ルーペシンボルLSを利用して(即ち、拡大表示されたルーペ様の枠Wと共に)表示させるので、より詳細な情報を簡易且つ直感的に表示させることができる。
【0040】
また、ルーペシンボルLSがルーペ様の形状を有し(図4(b)及び図5(a)参照)、フロアマップFM等の詳細情報をルーペシンボルLSに対応した枠Wと共に表示するので、詳細情報が表示されていることを興味深く且つ効果的に演出することができる。なおこの場合のシンボルとしては、物を拡大して見る際に使用される道具を模したものであれば、ルーペシンボルLSの他、例えば双眼鏡を模した形状のシンボルであってもよい。
【0041】
更に、フロアマップFM等の詳細情報の内容を地図MPに対応させて変更させるための操作が操作部1においてなされたとき(図5(b)及び図6(a)参照)、当該操作に対応させて詳細情報の内容を変更して表示させるので、詳細情報をより利便性よく表示させることができる。
【0042】
更に、地図MPとして表示されている地域内に存在する施設の内部の詳細なフロアマップFM等を詳細情報の画像として表示するので、簡易な操作で施設の内部の詳細を表示させることができる。このとき、フロアマップFMに対して椅子等の休憩施設の位置を併せて表示させることで(図5(b)又は図6(a)参照)、よりユーザに親切な画像表示とすることができる。またこのとき、位置情報の取得が可能な端末装置を所持する人の位置を当該位置情報に基づいてフロアマップFM内に重畳して表示することで、その階又はフロアにおける人の混雑状況をも、認識可能に表示するように構成することもできる。
【0043】
なお、上述した実施例に係る画像表示処理では、地図MP内の施設の内部のフロアマップFM等をルーペモードとして表示する構成としたが、これ以外に、地図MPに対して拡大された地図をルーペモードとして表示するように構成してもよい。
【0044】
即ちより具体的には、図7(a)に破線を用いて例示するように地図MPを例えば四分割し、当該分割した四つの地域毎の中心に位置マークMをそれぞれ表示させる。そして例えば、図7(a)に例示する左上の地域の中心に表示されている位置マークMの位置までルーペシンボルLSを移動させてタップ操作することにより(図3ステップS5乃至ステップS9参照)、図7(b)に例示するように、当該左上の地域の中心付近を拡大した拡大地図AMを地図MPの中心部分に表示するように構成してもよい(図3ステップS10参照)。この場合にも図7(b)に例示するように、拡大地図AMと地図MPの境界部分にルーペ様の枠Wを併せて表示するように構成するのが好適である。更に、図7に例示する場合において、拡大地図AMを表示中において当該拡大地図AMの範囲を移動させる例えばドラッグ操作や図示しない方向キーに対するタップ操作がなされたことを検出することで、当該拡大された縮尺のまま、枠W内において拡大地図AMの表示範囲を他の地域に移動させるように構成するのが好適である。
【0045】
以上説明した通り、図7に例示する拡大地図AMの表示制御によれば、縮尺が拡大された拡大地図AMが表示されるので、簡易な操作で縮尺が拡大された地図を表示させることができる。
【0046】
また、拡大地図AMに相当する地域を地図MPに対応させて移動させるための操作が操作部1においてなされたとき、当該操作に対応させて拡大地図AMに相当する地域を移動して表示させるので、拡大地図AMの利便性を高めることができる。
【0047】
更に上述した実施例では、元々表示されていた地図MPについての詳細情報又は拡大地図AMを表示する場合について説明したが、これ以外に例えば、元々拡大地図AMが表示されており、これに対してより広い範囲の地図に表示を切り換える場合に本願を適用することも可能である。このように拡大地図AMからより広い範囲の地図に表示を切り換える場合でも、実施例と同様に異なる詳細度の画像を表示することになる。
【0048】
更にまた上述した実施例では、元々表示されていた地図MPについての詳細情報又は拡大地図AMを表示する場合について説明したが、これ以外に例えば、人の顔を表示しておき、その特定部位について拡大表示するような場合に本願を適用することも可能である。
【0049】
更に上述した実施例に係る詳細情報を、画像としてではなく例えばテキスト情報として地図MPに重ねて且つ地図MPに対して識別可能に表示するように構成することもできる。
【0050】
更にまた、上述した実施例では、スマートフォンを含む画像表示システムに対して実施形態を適用した場合について説明したが、この場合のスマートフォンは、例えば表示画面を有する携帯型無線電話機や、通話機能を有さない携帯可能な端末装置に置き換えることも可能である。即ち具体的には、上述した実施例を、例えばパーソナルコンピュータにおけるディスプレイにおける表示の制御や、タブレット端末における表示の制御等に適用することが可能である。またこの場合には、タッチパネルでのタップ操作やドラッグ操作に代えて、例えばマウスでのドラッグ操作やクリック操作を用いる場合にも実施例の適用が可能である。
【0051】
更に、図3に示したフローチャートに相当するプログラムを、フレキシブルディスク又はハードディスク等の記録媒体に記録しておき、或いはインターネット等のネットワークを介して取得しておき、これを汎用のマイクロコンピュータ等に読み出して実行することにより、当該マイクロコンピュータ等を実施例に係るCPU3として機能させることも可能である。
【符号の説明】
【0052】
1 操作手段(操作部)
2 表示手段(ディスプレイ)
3 判断手段(CPU)
4 表示制御手段
5 地図記憶部
11 処理部
12 記憶部
S 画像表示装置
T1、T2、Tn スマートフォン
SV サーバ
GS 画像表示システム
D 施設データ
F 指
LS ルーペシンボル
LM ルーペマーク
M 位置マーク
MP 地図
MG 拡大/縮小キー
AM 拡大地図
DB ゴミ箱シンボル
FM フロアマップ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7