(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】自給型カメラ洗浄システム及びその方法
(51)【国際特許分類】
H04N 5/225 20060101AFI20220328BHJP
B60S 1/50 20060101ALI20220328BHJP
B60S 1/52 20060101ALI20220328BHJP
B64D 47/08 20060101ALI20220328BHJP
B64C 39/02 20060101ALI20220328BHJP
B64C 27/08 20060101ALI20220328BHJP
B05B 9/04 20060101ALI20220328BHJP
B05B 1/10 20060101ALI20220328BHJP
G03B 15/00 20210101ALI20220328BHJP
G03B 17/02 20210101ALI20220328BHJP
G03B 17/56 20210101ALI20220328BHJP
【FI】
H04N5/225 430
B60S1/50
B60S1/52
B64D47/08
B64C39/02
B64C27/08
B05B9/04
B05B1/10
G03B15/00 U
G03B15/00 V
G03B17/02
G03B17/56 Z
(21)【出願番号】P 2019504768
(86)(22)【出願日】2017-07-28
(86)【国際出願番号】 US2017044506
(87)【国際公開番号】W WO2018023067
(87)【国際公開日】2018-02-01
【審査請求日】2020-07-20
(32)【優先日】2016-07-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516300944
【氏名又は名称】ディエルエイチ・ボウルズ・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】dlhBOWLES Inc.
(74)【代理人】
【識別番号】100101454
【氏名又は名称】山田 卓二
(72)【発明者】
【氏名】ラッセル・ヘスター
【審査官】津幡 貴生
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0185592(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0138357(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0353024(US,A1)
【文献】特開2015-156212(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0000024(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 5/222-5/257
B60S 1/50
B60S 1/60
B60S 1/52
B64D 47/08
B64C 39/02
B64C 27/08
B05B 9/04
B05B 1/10
G03B 15/00
G03B 17/02
G03B 17/56
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像センサ又はカメラのレンズを選択的に洗浄する画像センサ又はカメラのレンズ洗浄システムのキットであって、前記キットは、
作動装置と、
遠隔で生成された信号を受信するように構成された受信機と、
前記受信機に電気接続するよう構成され、前記遠隔で生成された信号の前記受信機における受信に応答して制御信号を前記作動装置に提供するように構成されたコントローラと、
カメラレンズの洗浄に適した高圧洗浄液の容器と、を含み、
前記容器は5ミリリットルから100ミリリットルの範囲の液貯蔵容量を有するエアゾール容器であり、
前記作動装置は前記制御信号に応答して前記容器から高圧洗浄液を選択的に解放するように構成され、
前記キットは、
前記作動装置により前記容器から選択的に解放された高圧洗浄液を受けるために連結されるように、そし
て前記高圧洗浄液を設定されたスプレーパターンで放出するように構成されたノズルを含み、
前記ノズルは、前記画像センサ又はカメラのレンズ全体に、
前記画像センサ又はカメラのレンズのカメラレンズ視野を概ね横切って前記設定されたスプレーパターンが放出される方向で取り付けられるように構成された、
前記キットはドローン機のカメラのレンズを選択的に洗浄するように構成され、
前記キットはさらに、前記ドローン機に取り付けられるように構成されたハウジングを含み、前記ハウジングの内部に少なくとも前記容器と前記コントローラとが配置される、
キット。
【請求項2】
前記受信機による受信のために前記遠隔で生成された信号を発信するように選択的に作動可能な発信機をさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項3】
前記キットを組み立てるための、及び前記システムを動作させるための使用説明書をさらに含む、請求項2に記載のキット。
【請求項4】
前記ノズルが前記洗浄液の振動する噴流を放出するように構成された流体オシレータノズルであり、前記設定されたスプレーパターンは前記振動する噴流が分散してできた液滴の扇状パターンである、請求項1に記載のキット。
【請求項5】
前記システムはカメラを選択的に洗浄するためのアフターマーケットシステムとしての使用を意図している、請求項1に記載のキット。
【請求項6】
アクセス用開口部が、前記ハウジングの壁を通って画定され、前記容器を前記ハウジングへ挿入及び前記ハウジングから除去することが選択的に行えるように構成された、請求項1に記載のキット。
【請求項7】
前記ハウジングの中に前記受信機が収納可能なように前記ハウジングがさらに構成された、請求項1に記載のキット。
【請求項8】
前記受信機及び前記作動装置の動作に使用される電圧源をさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項9】
洗浄液を前記容器から前記ノズルに伝えるように構成されたチューブ及び連結管をさらに含む、請求項1に記載のキット。
【請求項10】
ドローン搭載カメラのレンズを選択的に洗浄するカメラレンズ洗浄システムであって、前記システムは、
作動装置と、
遠隔で生成された信号を受信するように構成された受信機と、
前記受信機に電気接続するよう構成され、前記遠隔で生成された信号の前記受信機における受信に応答して制御信号を前記作動装置に提供するように構成されたコントローラと、
カメラレンズの洗浄に適した高圧洗浄液の容器と、を含み、
前記容器は5ミリリットルから100ミリリットルの範囲の液貯蔵容量を有するエアゾール容器であり、
前記作動装置は前記制御信号に応答して前記容器から高圧洗浄液を選択的に解放するように構成され、
前記システムは、
前記作動装置により前記容器から選択的に解放された高圧洗浄液を受けるために連結されるように、そして前記高圧洗浄液を設定されたスプレーパターンで放出するように構成されたノズルを含み、
前記ノズルは、前記カメラのレンズ全体に前記カメラレンズ視野を概ね横切って前記設定されたスプレーパターンが放出される方向で取り付けられるように構成された、システム。
【請求項11】
前記ノズルが前記高圧洗浄液の振動する噴流を放出するように構成された流体オシレータノズルであり、前記設定されたスプレーパターンが前記振動する噴流が分散してできた液滴の扇状パターンである、請求項10に記載のシステム。
【請求項12】
飛行中にドローンのレンズを選択的に洗浄する方法であって、前記方法は、
地上の位置から前記ドローンに命令信号を発信するステップと、
前記ドローンにおいて前記命令信号を受信し、高圧洗浄液を容器から解放するステップと、を含み、
前記容器は5ミリリットルから100ミリリットルの範囲の液貯蔵容量を有するエアゾール容器であり、
前記方法はまた、
高圧洗浄液をスプレーノズルに伝送するステップと、
前記スプレーノズルから前記ドローンのレンズ全体に横向きに前記高圧洗浄液の設定されたスプレーパターンを放出するステップを含む、方法。
【請求項13】
前記スプレーノズルが流体オシレータスプレーノズルであり、前記方法は、前記設定されたスプレーパターンを、流体オシレータスプレーノズルから放出された振動する前記高圧洗浄液の噴流を分解して得られた液滴のパターンとして放出するステップをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本願は、その開示内容全てが本願に参照され援用される“Self-Contained Camera Wash System And Method”と題された、2016年7月28日付けで出願された米国特許仮出願第62/368074号公報に基づき優先権を主張するものである。
【参照され援用される他の主題】
【0002】
下記の特許文献は、その開示内容及び/又は請求の範囲全てが本願に参照され援用される。
【0003】
2014年3月6日に公開された「画像センサの外部又は対物レンズ面を洗浄するための統合車両システム、ノズルアセンブリ、及び遠隔制御方法」と題する米国特許出願番号US2014/0060582号(ハートランフトら)。
【0004】
2015年5月21日に公開された「広角画像センサの外部面を洗浄するための統合車両システム、ポップアップノズルアセンブリ、及び遠隔制御方法」と題する米国特許出願番号US2015/0138357号(ロマックら)。
【0005】
2016年1月7日に公開された「画像センサの外部又は対物レンズ面を洗浄するための統合車両システム、ノズルアセンブリ、及び遠隔制御方法」と題する米国特許出願番号US2016/0001330号(ロマックら)。
【0006】
2017年2月9日に公開された「広角画像センサの外部面を洗浄するための統合車両システム、小型薄型ノズルアセンブリ、及び小型流体回路」と題する米国特許出願番号US2017/0036650号(へスターら)。
【0007】
2017年2月9日に公開された「複数画像センサを同時に洗浄するための統合複数画像センサ、及びレンズ洗浄ノズルアセンブリ、及び方法」と題する米国特許出願番号US2017/0036647号(ジャオら)。
【0008】
2016年2月18日にPCT公開された「小型スプリットリップせん断洗浄ノズル」と題する国際特許出願番号WO2016-025930号(ゴパランら)。
【0009】
2004年11月1日に登録された米国特許第7267290号(ゴパランら)。
【技術分野】
【0010】
本願発明は、レンズ洗浄システム一般に関し、特に固体又は液体物質が露出したレンズ面に付着することによりカメラレンズの視野が妨げられ得る画像センサ又はカメラと共に使用されるように適合されたシステムに関する。
【背景技術】
【0011】
ソリッドステートの画像感知技術により、多種多様な車両、スポーツ器具、及びその他の広い品目用途に組み入れることが可能な小型かつ安価なカメラ及び画像センサが可能になっている。例えば、通称「ドローン」と呼ばれる無人飛行機は、しばしば1つ又はそれ以上のカメラを含む。ドローンがより広まるにつれて、画像の正確な取得又は公共の安全を含む様々な理由から装置の適切な制御を可能にするために使用者及び行政管理者はそれらのカメラを洗浄することの必要性の増大に対応しなければならない。
【0012】
ドローンはしばしば埃っぽい又は汚い環境で動作するから、航行制御及び画像収集のためにドローンに搭載されるカメラは洗浄が必要である。ドローンデザインからくる制限により従来の車載カメラ洗浄システムを飛行中に使用することは物理的に不可能である。したがって、ドローン使用者が飛行中にカメラレンズを洗浄するための実用的で安価で目立たないシステム及び方法が必要である。
【0013】
関連した問題として、外部カメラ(例えば後退又は後方視認用)を備えた乗用車及びその他の車両の全てに車両カメラ洗浄システムが組み入れられている訳ではなく、それらの車両の所有者はカメラレンズ面を常に手作業で洗浄しなければならない。カメラは意図的に目立たないように設計されているから、車両所有者の多くはカメラを見つけることすらできない。その結果、視野が著しく妨げられるほど汚れても運転者は後方視認カメラレンズを洗浄しないかもしれない。したがって、便利で、適応性があり、安価、かつ目立たないシステム、及び工場出荷時にカメラ洗浄システムを備えない車両にカメラレンズ洗浄システムをドライバが改造取り付けするための方法が必要である。
【発明の概要】
【0014】
小型で、経済的で、取付けが容易な画像センサ又はカメラの自給型洗浄システムを提供することにより上述の問題及び困難を克服することが本願発明の目的であり、少なくとも2つの実施形態又は構成で説明される。
【0015】
本願発明の自給型画像センサ又はカメラ洗浄システムの第一の実施形態は、遠隔制御される飛行カメラのプラットホーム、すなわち小型無人飛行機システム(sUAS)又はドローンで使用される構成を有し、高圧の洗浄液を洗浄ノズルに供給する交換可能な洗浄液の加圧容器(例えば通常のエアゾール缶)を含む。選択的な遠隔操作により缶に高圧洗浄液を放出させて流体ノズルへ流す方法は、多く存在する。例えば、操作手段は、電気機械的であって、遠隔で発信されて近くで受信された電気信号により缶の出口チューブが機械的に動作することでもよい。代わりに、遠隔で生成された信号が電磁バルブ(又はソレノイド)を制御し、容器から缶への高圧液の流れを選択的に許容することでもよい。遠隔操作可能なソレノイドバルブは、液体スプレーを制御下で分配するためのエアゾール缶内に配置されるタイプでもよく、又は、ソレノイドバルブもしくはその他の制御手段が缶外に配置され、そこから液体を分配するように構成されてもよい。液体分配器の作動は、その作動時刻、及び/又は個々のスプレー時間がランダムに選択される、又は自動で行われてもよい。流体供給容器又は缶は、重量及びスペースの考慮が最重要であるドローン上のカメラとの使用に搭載され得るように十分に小型かつ軽量であり、そして単一のコンパクトなアセンブリ内に容易にパッケージされ得る。代わりに、ドローン搭載の自給型カメラ洗浄システムのノズルは柔軟性がある管又はチューブを介して流体を供給する容器から離れて取り付けられてもよく、それにより(a)異なる位置の複数のカメラの取付け柔軟性が提供され、(b)ドローン機体における重量分布が有利となる。
【0016】
洗浄ノズルは、横方向に振動する洗浄液の噴霧を排出するタイプの流体スプレーノズルであることが望ましく、その振動の効果により均一に効率よく、この場合画像センサ又はカメラのレンズであるターゲット領域に衝突して覆う液滴のパターンに分散する。液滴の被覆が均一であれば、個々のレンズ洗浄事象で使用される流体を他のタイプのノズルで必要とされる量よりも少なくでき、それにより、ドローン飛行ごとに実用的に適切な回数の洗浄操作を可能にするために機上容器に貯蔵される必要液体量が少なくなる。その結果、洗浄流体容器のサイズ及び重量の要求が減少する。この目的で多くの流体スプレーノズルが使用可能であるが、特に適した例が米国特許第7267290号明細書(Gopalanら)、及び国際特許出願番号WO2016-025930号公報(Bowles)であり、その両方がここに参照され援用される。
【0017】
ドローン搭載の自給型画像センサ又はカメラ洗浄システムは、ドローン操作に使われるドローン操縦者の手持ちコントローラ、PDA、タブレット、又はノートコンピュータに取り付けられた又は組み入れられたトリガ/スイッチから無線で作動させられることが望ましい。本願発明による自給型カメラ洗浄システムは、小型で軽量のドローンにおいて、命令に応答して洗浄する方法が提供され、例えばドローンが目標物を視認中又は目標物に向かっている途中などの飛行中随時に実行可能である有利な点を有する。低電圧の制御信号がドローン搭載の電源から導かれ、バルブを作動させ、それにより高圧の洗浄流体が容器からスプレーノズルに送られることを可能にするために選択的にソレノイドに適用され得る。高圧容器は必要に応じて容易に交換できる。
【0018】
ドローン搭載の画像センサ又はカメラ洗浄システムは、ドローンの工場出荷時に取り付けられ得る、又は、部品のキットとして出荷後に取り付けられるようにアフターマーケットで提供され得る。
【0019】
本願発明の自給型画像センサ又はカメラ洗浄システムの第二の実施形態は、洗浄液容器の大きさに関してドローンで要求されるほど重量とスペースの制限がない自動車アフターマーケット向けに構成された改造用キットとして提供される。この実施形態における、より大容量の容器は、例えば750ミリリットルでもよい。部品群が自給独立しており、かつ小型である特徴により、取付けが容易であり、容器は容易に交換可能(エアゾールタイプの場合)、又は洗浄液が再充填可能(選択的加圧タイプの場合)である。自動車の改造又はアフターマーケットの自給型カメラ洗浄システムの洗浄器は、望ましくは車両内部又は乗員客室内に取り付けられた又はその他の方法で配置された無線のトリガ/スイッチコントローラから無線で作動させられてもよい。スプレーノズルは、容器から離れて配置可能であり、カメラが広い範囲から選ばれた位置で使用可能となる。
【0020】
自給型カメラ洗浄システムの流体容器及び制御ハードウェアの一部又は全体は、車両への取付けに適合した一体型の箱又はハウジングに組み入れられてもよく、取り外し可能でハウジングを車両のナンバープレートの裏に取り付けるように構成されたファスナ付きのキットに含まれてもよい。これによれば、ナンバープレートの裏又は下に取付けられ、内部部品が保護された視覚的に目立たないハウジングが提供され、ナンバープレートは事実上数センチメートル車両から離れる。車のモデルによっては、工場取り付けの後方視認カメラはしばしば車両のナンバープレートの近くに取り付けられるから、ナンバープレートの裏という位置はノズルにとって有利な位置である。制御信号受信及び処理の回路、ソレノイドバルブ、又はその他の作動装置及び関連制御電子部品を動作させるエネルギーは、包含されたバッテリから又は車両の一般のバッテリから提供され得る。自動車アフターマーケットの自給型カメラ洗浄システムの構成部品群は、単一のハウジング又は箱に組み入れられてもよく、又は、ノズルは弾力性のある管又はチューブで連結され、流体供給貯蔵アセンブリから離れて取り付けられ得て、カメラの個数及び設置場所選択に柔軟性が得られる。
【0021】
自給型画像センサ又はカメラ洗浄システムの自動車アフターマーケット用実施形態の有利点は、既存の車両洗浄システムのホース及びポンプに割り込むのではなく、このシステムを車両に単に物理的な(すなわち機械的な)連結だけで車両のドライバ又は使用者がより容易に取り付け可能であることである。選択的に、いくつかのモデルでは、例えば後方視認カメラへの接続から電源を得たり、洗浄の制御信号を後方カメラに供給される信号と同期させるなどにより、車両の既存の電気配線への連結が提供され得る。
【0022】
本願発明の上記の及びさらなる特徴及び有利点は、ここに開示されている定義、記述、及び特定の実施形態の図面により明確となる。下記の詳細な説明において、様々な図面で、類似した部品や構成要素には類似した符号が使われ、多くの実施形態を通じて類似した又は対応する部品には、類似した用語が使われる。これらの説明は発明の特定の詳細に及ぶが、下記の説明を鑑みて、そのバリエーションが存在し得ることは、当業者には明白であると理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】
図1は、本願発明によって洗浄可能なタイプのレンズを有する後方画像視認システム又は後進カメラを備えた車両の後方斜視図である。
【
図2】
図2は、本願発明による画像システムの外部対物レンズ面を洗浄するための流体ノズルから放出される流体スプレーパターンを示す模式斜視図である。
【
図3】
図3は、
図2のスプレーパターン及びノズルの模式側面図である。
【
図4】
図4は、本願発明によるカメラの対物レンズ面を洗浄するように構成された流体ノズルアセンブリからのスプレーパターンの方向を示す斜視図である。
【
図5】
図5は、
図4のノズル及びレンズ面の側面図であり、レンズ面におけるスプレーパターンの入射角度を示す。
【
図6】
図6は、
図4及び5のスプレーパターンのレンジを示す斜視図である。
【
図7】
図7は、本願発明のカメラレンズ洗浄システムで採用されるスプレーノズルで使用される流体オシレータの例を示す斜視図である。
【
図9】
図9は、本願発明の自給型車両画像センサ又はカメラ洗浄システムの一実施形態を表す模式図である。
【
図10】
図10は、ドローンで使用される本願発明の自給型車両画像センサ又はカメラ洗浄システムの使用例を表す模式図である。
【
図11】
図11は、車両のナンバープレートの後ろに取り付けられた本願発明の自給型車両画像センサ又はカメラ洗浄システムの模式的斜視図である。
【
図13】
図13は、本願発明の自給型車両画像センサ又はカメラ洗浄システムの部品を含むキットの平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1を参照して、画像取得システム、又は画像センサもしくはカメラ7は、車両後ろ向きの外面8aなどで車両8に配置される。カメラ7は、車両の後方で発生しているシーンの画像を取得可能であり、その画像をドライバ又は車両乗員から見える表示器9で表示可能である。例えばカメラ7のようなカメラと共に機能するように本願発明の自給型車両カメラ洗浄システムは設計される。具体的には、通常の運転条件下で、カメラ7のレンズは泥、ごみ、雪、氷、等が接触、堆積することにより視野が妨げられ得る。
【0025】
図2及び3を参照して、上で参照された米国特許出願番号US2016/0001330号公報(Romackら)により詳細に説明されるとおり、
図1のカメラ7と同様な位置にあるカメラ212のレンズ222は、例えば
図7及び8に示され、構造の詳細が下に説明されるタイプのノズル230などの流体オシレータノズルを使って選択的に又は定期的に洗浄される。具体的には、レンズ222の表面にレンズ視野に横向きに向けられたノズル230が流れ方向に横向きに所定の扇角度内のパターン236で高速振動する液体噴流を放出し、噴流は大きい液滴に分散してレンズ面に衝突し効率よく濡らす。望ましいスプレー流量は、流体圧力が1平方インチ当たり18ポンドにおいてノズル1つ当たり毎分約200ミリリットルであり、スプレーの平面厚み255(すなわち
図3に示されているスプレー平面の厚み)は約2°が望ましい。その結果のレンズ222の表面への動的衝突効果により横向きに流れる排水238に交じってゴミが押し流される。
【0026】
サイズ及び重量の制約があり、かつ洗浄流体使用量の低減が望ましい状況の場合、流体オシレータスプレーノズルの液滴のスプレーパターンが可能とする効率よい濡れのため、下に説明される本願発明を使用することが最適である。しかし、そのような制約がない場合、他のノズルの使用も考えられる。例えば、横にオフセットされた洗浄ノズル230は振動せず、例えば45°の扇角度、又は15°から120°の範囲から選択される他の扇角度を有する実質的にフラットな扇型スプレーを発するように構成された剪断ノズルでもよい。代わりに、洗浄ノズルは、少なくとも1つの実質的に連続的な流体噴流(すなわち扇角度を持たない実質的に連続的な流体流)を発するように構成された振動しない丸く飛び出たノズルでもよい。
【0027】
次に
図4-6に進み、これらは、上で参照した米国特許出願番号US2016/0001330号公報(Romackら)の
図9-11に対応し、
図2及び3で示されている通常タイプの流体洗浄ノズルの取り付け及び操作の模範例としての外部レンズ洗浄システムが示されている。
図4に示されているとおり、外部レンズ洗浄システム310は、遠位側311D及び近位側311Pを有する実質的に固定された照準ブラケット又はフィクスチャ311を含む(
図5の断面図に最もわかりやすく示されている)。フィクスチャ又はブラケット311は、カメラモジュール312を支持するよう作成構成された硬く丈夫な保持具であり、アセンブリ310の遠位側に向かって露出したカメラ外部レンズを方向付けて拘束する。カメラレンズは外部レンズ面322を有し、レンズ外縁及びレンズ中心軸350がレンズ面322から遠方に突き出ており、レンズの視野は遠位に投影される固定角度で定義される(例えば、画像信号を生成する円錐台又はピラミッド型)。視野(FOV、field of view)は通常90度から170度の角度幅を有する。カメラ又は画像センサ312はレンズ外縁内の中心に位置するレンズ中心軸350を有し、レンズFOVは通常レンズ中心軸350に関して対称である。
【0028】
洗浄システム310は、照準フィクスチャ311により外部レンズ322に向かって照準を合わせ、支持されて構成された少なくとも第一のノズルアセンブリ330を含み、第一のノズルアセンブリは、照準フィクスチャの遠位側311Dの上に又は遠位に向かって突き出た第一の側方オフセット位置の洗浄ノズル330と流体連通した流体入口342を含む。側方オフセット位置のノズル330は、選択された厚み(例えば符号255)を有する実質的に平らなシート336の洗浄液を、約1°の第一の選択スプレー照準角度(すなわち、ある角度だけ近位へ傾いた平面内でスプレーされることが望ましい)で外部レンズ面322に向かって視野全体を狙ってスプレーするように構成される。選択照準角度は、(
図5に最もよく示されているように)レンズ外部面322の接面に対して1°から20°の範囲内でよい。ノズル330は選択された側から、すなわちレンズ外縁の選択された固定参照ポイント又はデータム351に対する第一の選択されたスプレー方位角に沿ってスプレーするように照準を合わされてスプレーするように向けられる。
【0029】
レンズ洗浄ノズル330は、流体液滴336の排出流を発生させるためにオシレータ相互反応チャンバ331の中を流れる選択的に作動させられた高圧洗浄液の流れに作用するように構成された流体オシレータ相互反応チャンバ331を含むことが望ましい。ノズルアセンブリの流体入口342は、高圧洗浄液を遠位に送る流体通路340を介して側方オフセット位置の出口ノズル330と流体連通しており、高圧洗浄液を貯蔵器290から受け入れる。ノズルは、相互作用チャンバ331から洗浄液を排出し、外部レンズ面322の視野全体に向けて照準が合わされた振動する液滴336のスプレーを発するように構成される。流体オシレータは(
図7及び8に示されているような)段差付きマッシュルーム型流体オシレータとして構成されてもよい。振動スプレー336の流量は平方インチあたり18ポンドの液圧においてノズルごとに毎分約200ミリリットルであることが望ましく、スプレー厚み(すなわち
図5に示されているようにスプレーの扇型平面を横切るスプレー面の厚み)は約2°であることが望ましい。振動動作と、このような方法により流体オシレータで発生しノズル330で照準された大きな水滴とが、レンズ面322を素早く濡らし、レンズ面222を横に流れ落ちる排水の一部としてゴミ(図示はないが、ゴミ223など)に衝突し、流し落とす動的効果を有する。
【0030】
選択的に、側方オフセット位置の洗浄ノズル330は、選択された扇形角度(例えば45°もしくは、15°から120°の範囲から選ばれるその他の角度)をもつ実質的に平らな扇形スプレーを発するように構成された振動しない剪断ノズルとして構成されてもよい。あるいは、側方オフセット位置の洗浄ノズルは、少なくとも1つの実質的に固定された流体ジェット(すなわち扇形に広がらない実質的に固定された流れ)を発するように構成された振動しない丸く飛び出たノズルとして構成されてもよい。
【0031】
側方オフセット位置の洗浄ノズル330は、スプレー336を、選択された側方オフセット長さ(ノズルのスロートもしくは出口から対物レンズの外面222の中心までの長さ)約15ミリメートルの距離から、照準を合わせてスプレーするように構成されることが望ましい。側方オフセットの長さは、全体のパッケージを可能な限りコンパクトに保つために、10ミリメートルから30ミリメートルの範囲内で選択されることが望ましい。
【0032】
このカメラ清掃システムとパッケージの設計の際に考慮すべき変数が多くあり、取り付け方法、パッケージングのスペース、視野(FOV)、さらにシステム悪影響緩和策等が含まれる。ノズル330のカメラ312との望ましい実装もしくは取り付け方法は、カメラモジュールハウジングもしくは本体への直接取り付けである。この取り付け位置では、カメラがどこに動こうが、ノズルからスプレーされる流体は常にレンズ面の中心に向かう正しい場所に照準される。カメラのデザインによっては直接取り付けが不可能であって別の取り付け方法が必要となることもあり得ると当然理解されたい。上で説明した良いノズル位置の基本は、取り付け方法にかかわらず同じである。
【0033】
一般に、車両のカメラ(例えば312)の位置は、パッケージング及び視野の目的によりある特定の領域に限定される。あいにくカメラ洗浄ノズルパッケージングに良い車両パネル外殻の取り付け場所は、後部ハッチドアハンドルや照明部品等の他の部品にとっても良い場所でありがちである。その結果、これらの車両パネル外殻の場所は非常に窮屈なパッケージング制約があり、ノズルサイズ及び、カメラからノズルまでの幅の最小化の必要性を高めている。
【0034】
多くの既存カメラの視野は角度幅120°から170°であると理解されたい(例えば
図4~6の放射状線で示されているように)。システム機能にとっての重要制約の1つは表示されるカメラ視野の中に障害物が入らないことであり、使用者がレンズ洗浄ノズル330の存在に気をとられないようにすることである。従って前記ノズル(例えば230もしくは330)はカメラの視野の外になるように横に取り付けられるべきである。これに関して、ノズル230又は330は、カメラの視野の外及び裏に位置するためにレンズとほぼ平行に固定された場所から方向づけられて照準してもよい。カメラの視野角が180°に近づき、超える場合、これが不可能となる。しかし、このような大きな視野角では、車両の他の部品もカメラの視野に入ることに留意されたい。その場合、ノズルを車両の他の部品と並べて置き、カメラ視野への目立った侵入を最小限にしつつ、車両の外面部品の輪郭からはみ出ないようにすることが必要となる。
図4~6の実施形態においてはノズル330が、レンズの全面もしくは可能な限り大きな部分を流体で覆うような分布を生み出し、マイナス1°からマイナス20°の角度(「照準角度」)でレンズに当たるようになる位まで、ノズルヘッドがカメラ視野には入らない。レンズ322へのスプレー336の衝突がほぼ平行であることのもう1つの優位性は、液が直接衝突により、ゴミを瞬時にレンズの向こう側へ落とす、もしくは横に押しのけることであり、より高い角度からでは斜めの衝突により跳ね返ってしまう可能性が高い。照準角度が大きくなるにつれて、ノズルはカメラから離れ、視野の中に向かってより遠くに移動せざるを得ず、見栄えのよいパッケージ作りが難しくなる。従って、見栄えの良いパッケージを達成可能にするために、ノズルは10°以内(レンズに向かって下向きの照準角度)に保つべきである。
【0035】
照準角度の検討に加え、レンズ中心からノズルまでの距離(
図6に示すとおり)も重要である。レンズ全体を覆うには、ノズル330がレンズ中心322に近いほど、液の分布(及びスプレーの扇形の角度)が広くなければいけない。広いスプレー角度は、比較的低い流量で広い洗浄面積に分散させることになり、異なる分布形状や流量を高めることが必要となり得る。側方オフセットの長さは18ミリメートルと28ミリメートルの間でもよいが、これは本願発明の使用を限定する要素ではないことは明らかである。
【0036】
ここで説明した理由から、レンズ洗浄のための液の流量及び液量を最低限にすることが望ましい。
図7及び8で示された実施形態の流体オシレータスプレーノズルは、1平方インチあたり18ポンドの液圧で毎分200+/-40ミリリットルの流量で機能し、レンズ322などのレンズを効果的に洗浄できることが分かった。この流体回路501は0.06ミリメートルの段差で寒冷天候条件でも良好に機能し、スプレー336の扇形角度50°、毎分200ミリリットルの流量で、5ミリメートルx0.5ミリメートルという非常に小さいパッケージングサイズが可能である。最も重要なこととして、このデザインのパワーノズル寸法は最低0.014インチを保て、これは詰まりへの耐性に必要である。これより小さいパワーノズルは車両走行中に詰まる可能性がある。前記流体回路はまた内部フィルター(例えば、ポスト522)付きである。このオシレータ設計はさらに約3.3ミリメートルx2.5ミリメートルという小さな相互作用部331(
図5)を可能にし、最大50°の扇形角度を支え、それでもなお目標のパッケージング空間内に収まった。
【0037】
図7及び8で示された流体オシレータは、その全体がここに参照して援用される米国特許第7267290号に記述された段差付きマッシュルーム流体オシレータである。この流体オシレータは、チップ501の水不浸透性の面とノズルアセンブリのチップを受ける内壁とにより形成される振動チャンバを持ち、取り外し可能な流体チップ501として構成されてもよい(
図5の断面図で示されている)。ノズルアセンブリ310に構成された相互反応チャンバ331を有する流体オシレータは、液滴の振動スプレー336としての出流の低温における使用に適しており、高圧液の移動を加速するように構成された一対のパワーノズル514と、吸水口512とパワーノズル514をつないで高圧液を流す流体流路と、ノズルに取り付けられノズルからの流れを受ける相互反応チャンバ518と、相互反応チャンバからのスプレーが排出される流体スプレー放出口520と、パワーノズルからの流れの不安定性を生み出す構造物を有し、その構造物は流路のいずれかの場所、もしくはパワーノズルの近辺のいずれかの場所からなるグループから選択された場所に位置する。流れの不安定性を生み出す形状としては、流路の各横壁506から内向きに突き出すもので、突き出しの下流域で流れの分離領域を生じさせるものが望ましいが、パワーノズル514の床に、
図8が最もよく示すとおり、相互反応チャンバの床に比べて高さを持たせた段差524Aを含んでもよい。
【0038】
図9を参照して、本願発明の一態様によれば、自給型車両画像センサ又はカメラ洗浄システム1000は、乗用車、トラック、ドローン、又はその他の車両に通常元々含まれる画像センサ(例えばLIDARセンサ)又はカメラの定期的に洗浄されるレンズ1040に対して取り付けられるように構成される。このシステムは
図2-8で示されたカメラ洗浄装置の多くの特徴を採用するが、ドローン及び陸上車両に元々の装備として取り付けられたカメラ用の改造に適した小さいパッケージ内で提供され得る。この点で、システム1000は通常アフターマーケットキットとして提供される。システムは、洗浄液の加圧容器1002を使用し、容器は通常のエアゾール缶又はその他の、高圧洗浄液を貯蔵し選択的に放出するために適当な容器である。システムの応用法に依存して、容器1002は通常10から1000ミリリットルの範囲の一定容量の液を、平方インチあたり通常5から80ポンドの圧力で保持する。高圧洗浄液は、洗浄ノズルアセンブリ1020に流体コネクタ1013及びチューブ1012を介して選択的に放出され、容器1002とノズルアセンブリ1020との間の流れは遠隔操作のバルブ又はその他の適切な手段で作動させられ得る。例えば、作動手段は電気機械的な性質のものでよく、それは遠隔で発信されて近くで受信された電気信号により缶の出口チューブ1018がオープン位置又は流出位置に機械的に動くものであり、例えば、それら全体がここで援用される米国特許第8500039号(アレンジュニア)、又は米国特許第5531344号(ウィナー)に記述され図示された構成などがある。代わりに、遠隔で生成された信号が電磁バルブ1010を制御し、容器から缶への高圧液の流れを選択的に許容するようにしてもよい。遠隔作動可能なソレノイドバルブは、液体スプレーを制御下で分配するためにエアゾール缶の中に配置されるタイプでもよく、例えば、ここで全体が参照され援用される米国特許出願番号2008/0277501号(エバレットら)により開示されている。代わりにソレノイドバルブ又はその他の制御手段は缶の外に配置されて液体を制御下で分配するように構成されてもよく、例えば、ここで全体が参照され援用される米国特許第5709321号(スマート)及び米国特許第6216925号(ギャロン)により開示されている。液体分配器の各作動の回数及び期間は操作者により手動で選択されてもよく、又は所定の時間に、及び/又は、所定の期間自動的に発生してもよい。
【0039】
図9に示されている特定の例において、高圧洗浄液を放出させノズルアセンブリ1020に流すための缶の選択的な遠隔操作は、制御回路1080により電気的にオンオフされるソレノイドバルブ1010を利用する。制御回路は、受信機1070を含む、又は受信機に電気的に接続され、受信機は発信機1060から遠隔発信された制御信号(例えばRF信号)を受信するように構成される。受信機1070及び制御回路1080はスペースを最低限に留めるために1つのハウジング内に提供されることが望ましい。発信機1060は、通常車両に元々装備される後方視認カメラのレンズ1040を洗浄するために操作者により選択的に操作されるように、例えば乗用車又はトラックなどの車両の客室内に配置されてもよい。そのように使用される場合、発信機1060からの信号は、RF信号として発信されてもよく、又は発信機1060と受信機1070の間の配線を介する電気信号として提供されてもよい。代わりに、発信機1060は地上のドローン操縦者の手に持たれ、ドローンに取り付けられたカメラのレンズ1040を洗浄するように選択的に作動させられてもよい。
図2及び3に関してここで説明されるとおり、いずれの場合も、システムが配置されるとき、ノズルアセンブリは設定されたスプレーパターン1030を通常カメラレンズ1040の視野全体に流出させる方向で取り付けられる。
【0040】
ドローン用のカメラ又は画像センサ(例えばLIDARセンサ)洗浄システム1000の使用は、sUAS又はドローン800が模式的に描かれた
図10に示されている。現時点では、FAA規則はドローンの使用を「目視下(line of sight)」に限定しているが、多くの利用者はドローンをより自立的に使用したいと考えており、本願発明に係る小型のオンデマンド洗浄方法によれば、ドローンが目的地を目指して長時間、自立的に飛行することが可能となる。ドローン搭載の自給型カメラ洗浄システム1000Dは、
図9に示され上述されたように構成され、洗浄液をスプレーしドローン搭載カメラの外部レンズ1040Dの表面を洗浄する。システムは、ドローン操作に使われるドローン操縦者の手持ちコントローラ、PDA、タブレット、又はノートコンピュータに取り付けられた又は組み入れられたトリガ/スイッチ及び発信機1060から無線で作動させられることが望ましい。システム1000Dは、小型で軽量に設計されるからドローン上における使用に理想的である。流体オシレータノズルアセンブリ1020(
図9)によりレンズ洗浄機能のために準備される洗浄液の使用量が最適化されるから、洗浄液を供給する缶1002は非常に小さくできる(例えば、体積が5-25ミリリットル程度で、通常100ミリリットル以下)。より具体的には、上述のとおり、流体オシレータスプレーノズルは横方向に振動する洗浄液の噴流を放出させ、その振動の効果により均一に効率よく、この場合カメラのレンズ1040Dであるターゲット領域に衝突して覆う液滴のパターンに分散する。液滴の被覆が均一であれば、個々のレンズ洗浄事象で使用される流体を他のタイプのノズル(例えばシートスプレー)で必要とされる量よりも少なくでき、それにより、ドローン飛行ごとに実際に適切な回数の洗浄操作を可能にするために機上容器1002に貯蔵される液体量が減少する。加えて、缶は洗浄液の追加が必要な場合の交換を容易にするように構成され得る。
【0041】
制御回路1080、受信機1070、及びソレノイド1010を作動させる電力は、電気接続したドローン搭載バッテリから供給されることが望ましいが、構成によっては、洗浄システムのキットが別のバッテリ又はその他の電圧供給源を含むことも考えられる。上述のとおり、洗浄液容器からの高圧洗浄液の分配は、発信機1060を持つ使用者が起動した制御信号を受信器1070を介して受信したコントローラ1080からの動作信号に応答して瞬間的に動作して開く電磁バルブ1010(又はその類似物)の制御によって行われる。
【0042】
上述のとおり、本願発明の自給型画像センサ(例えばLIDARセンサ)又はカメラ洗浄システムは、乗用車、トラック、バス等に元々装備されている後方視認カメラ等のレンズ洗浄用として自動車アフターマーケット向けに構成してもよい。そのような構成は
図11及び12に例示され、取り外し可能に連結され、必要に応じて洗浄液を補充するために取り付け交換が容易なように適合された、より大容量の容器1002(例えば750ミリリットル)を含む。具体的には、自動車の後方視認カメラ又は後進カメラアセンブリ1040は、ナンバープレート1100取り付け位置の直ぐ上に位置する。独自の洗浄液容器又は貯蔵器を備えた自給型カメラ洗浄システム1000Aによれば、車両のドライバ又は使用者は、既に取り付けられた又は車両に元々装備された部品である洗浄液貯蔵器又はその他の構成部品に割り込む必要がない。むしろ、使用者は自給型洗浄システムを既存の後進カメラアセンブリ1040Aの近くにノズル1020Aが洗浄スプレーをレンズ全体に放出するような方向で単に設置又は取り付けするだけでよい。自給型洗浄システム又はキットがオプションとして電子制御及びソレノイドを動作させるためのバッテリを含む場合、洗浄システムは車両の電気系統に接続すること無く配置可能である。システム又はキットにバッテリが含まれない場合、例えば車両バッテリ又はその他の電圧供給源に割り込むように構成された電気コネクタ等の、車両電源(例えば後進又は後方視認カメラのための電圧供給源)への接続手段がキットと共に提供されてもよい。
【0043】
図11及び12の自給型画像センサ(例えばLIDARセンサ)又はカメラ洗浄システム1000Aは、
図9で示され、上述されたタイプであり、車両外部レンズ面1040Aを洗浄するために洗浄液をスプレーするように構成される。システムは、トリガ/スイッチ1060(
図9)から無線で作動させられることが望ましい。システム1000Aは、車両のナンバープレート1100の裏に取り付けられたハウジング1050A内に配置されて示されている。この実施形態は、
図2-8に示されたカメラ洗浄装置の多くの特徴を採用するが、小型のパッケージで提供され得る。交換可能な高圧容器1002が洗浄液をカメラ洗浄ノズル1020Aに供給する。容器1002は、普通のエアゾール缶であるか、又はそれに類似したものでもよい。交換可能な洗浄液供給容器1002は、内腔1018を備え、容易にスナップ取り付け、ねじ取り付け、又は例えば1/4回転ルアーロックモーションによる連結、又はその他の方法でシステムに取り付けできる、取り外し可能で係合可能な液密コネクタ1017を含むことが望ましく、平均的な消費者が使用済みの洗浄液容器を、容易に、時間浪費なく、洗浄液の浪費又は漏洩なく交換できる。これに関しては容器1002が、ハウジングの横エッジ壁で画定されるアクセス穴又は開口部1022を介してアクセス可能でハウジング1050A内に収納されてもよい。アクセス穴1022は取り外し可能で、設置されるとガスケット、O-リング等の手段で穴を閉鎖するタブ又はカバー部材1015等の栓により選択的にカバーされる。カバー部材1015は、ハウジングにピボット連結している、又はハウジングから完全に取り外せてもよく、穴の中にスナップはめ込みされるように構成されてもよい。カバー部材が開くと、容器1002は、使用者の指で掴むことができ、選択的に長手方向に動かしてアクセス穴1022を通って取り外せる。交換容器は次に、コネクタ1017がコネクタ1013(
図9)とハウジングの中で係合するまで穴を通って長手方向に挿入される。
【0044】
改造自動車システム1000Aに使用されるコントローラ1080は、メモリ付きプロセッサを含んでもよく、自立的に動作して12時間(又はその他の所定の洗浄間隔)ごとに一度自動で起動することにより洗浄液を節約するようにプログラムされてもよく、小型バッテリによって時間を管理するか、もしくは車両回路と定期的に連結して電荷を蓄積してゆくコンデンサを利用するかによって起動してもよい(例えば、後方視認カメラ回路が起動したときに電力を取る等)。
【0045】
自動車の改造又はアフターマーケット用自給型カメラ洗浄システムのオプションの無線(例えばブルートゥース(登録商標))発信機1060は、車両内部又は客室内に取り付け又は配置され、車両のカメラ1040Aからの画像を表示するための内部表示器の近くに選択的に配置されたスイッチによって動作する。上述のとおり、ノズル1020は、カメラの設置場所の選択肢を広げるためにアセンブリから離れて取り付けられてもよい。
【0046】
図11及び12で示されているナンバープレート支持部に取り付ける実施形態及び方法においては、自給型画像センサ又はカメラ洗浄システムの流体貯蔵及び制御ハードウェア(例えば1002、1010)の一部又は全ては、ナンバープレート取付け部品を含むフィクスチャ内に取り付けできるように延伸された第一及び第二のナンバープレート取り付けボルト1023を受け入れる貫通穴を有するハウジング1050の中に囲まれ保護される。これによれば、ナンバープレート1100が車両から数センチメートル離れるだけでナンバープレート1100裏の視覚的に目立たない場所に、パッケージのスペースが確保される。後進カメラ1040Aはしばしばナンバープレート取付け部の近くに配置されるから、この「ナンバープレート裏」のハウジング1050Aは、(車のモデルによっては)ノズル1020Aの有利な位置を提供する。洗浄システムの制御信号受信及び処理の回路1080、ソレノイドバルブ1010、及び関連制御電子部品を動作させるエネルギーは、包含されたバッテリ(図示無し)から又は車両の一般の電源から供給され得る。自動車アフターマーケットの自給型カメラ洗浄システムの構成部品群は、単一のハウジング又は箱1050Aに組み入れられてもよく、又は、それらの部品は、弾力性のある管又はチューブ(例えば1020)で連結される2個又はそれ以上のアセンブリで構成され、液容器の交換をより容易にするためにナンバープレートを取り外さずにアクセスできる場所(アクセス穴1022に関連して上述のとおり)が望ましい液供給容器アセンブリから離れて取り付けられてもよい。
【0047】
上述のとおり、本願発明に係る自給型画像センサ(例えばLIDARセンサ)又はカメラ洗浄システムは、消費者にキット形式で提供され得て、またそれが望ましい。そのようなキット1101は、
図13に示され、流体容器1002、流体オシレータノズル1020、ソレノイドバルブ1010、流体連結チューブ1012及びコネクタ1013、ハウジング1015、発信機1060、受信機1070、及び制御回路1080を含む。オプション部品としてバッテリが含まれてもよい。キットに含まれ得るその他のオプション部品は、キット部品を車両に取り付ける方法を記述した使用説明書及び洗浄システムの使用方法を説明した使用説明書である。使用説明書は印刷物として、又はディスク、フラッシュドライブ等の電子記憶媒体として提供されてもよい。キットは、システム及びその部品を連結させるための諸々のハードウェアを含んでもよい。
【0048】
上述の自給型画像センサ(例えばLIDARセンサ)又はカメラ洗浄システムは、ドローン及び車両製品と共に使用される。システムはまた、使用中に対物レンズ又は外部カバー面に存在し得てその視野を隠したりゆがめたりするほこり、泥、及び実質的にあらゆる環境物質に露出した実質的にあらゆる画像センサ又はカメラのレンズの洗浄に使用可能であると理解されたい。そのような画像センサ又はカメラの例としては、ビル又は電信柱に取り付けられた防犯カメラ又は画像センサ(例えばLIDARセンサ)、速度及び交通信号モニタカメラ等が挙げられる。
【0049】
新しくそして改良された自給型画像センサ又はカメラ清掃システム、それを採用する方法、及びそのようなシステムの部品を提供するためのキットの実施形態が説明されたが、ここに示された教授内容を考慮すれば当業の技術者には別の修正、変化、及び交替案が示唆されることと考えられる。従って、それら全ての修正、変化、及び交替は添え付けの請求項で定義されるように本発明の範囲内に帰属するものと考えると理解されたい。特定の用語がここで使用されたが、一般的な描写のために使用されたにすぎず、それに限定する目的のものではない。