(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールもしくは装置
(51)【国際特許分類】
E04D 1/30 20060101AFI20220328BHJP
E04F 13/08 20060101ALI20220328BHJP
E04B 1/70 20060101ALI20220328BHJP
E04B 1/76 20060101ALI20220328BHJP
H02S 20/23 20140101ALI20220328BHJP
E04D 13/18 20180101ALN20220328BHJP
【FI】
E04D1/30 603G
E04F13/08 Z
E04B1/70 E
E04B1/76 200A
H02S20/23 Z
E04D13/18 ETD
(21)【出願番号】P 2019518487
(86)(22)【出願日】2017-10-12
(86)【国際出願番号】 IB2017056298
(87)【国際公開番号】W WO2018073698
(87)【国際公開日】2018-04-26
【審査請求日】2020-09-16
(32)【優先日】2016-10-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】514124964
【氏名又は名称】ジニアテック リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001416
【氏名又は名称】特許業務法人 信栄特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ヘインズ,アンドリュー レオ
(72)【発明者】
【氏名】バッキンガム,サミュエル グウィン
【審査官】前田 敏行
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2015/132756(WO,A1)
【文献】特表2015-505920(JP,A)
【文献】米国特許第05615527(US,A)
【文献】英国特許出願公開第02344836(GB,A)
【文献】米国特許第07596919(US,B1)
【文献】特開2003-293536(JP,A)
【文献】特開昭61-169562(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04D 1/30
E04F 13/08
E04B 1/70
E04B 1/76
H02S 20/23
E04D 13/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールであって、
傾斜した建物表面に設置されたとき、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域によって実質的に覆われるように適合されているアンダーラップ領域と、
前記アンダーラップ領域の下側に形成された複数の突起と、
を備え、
前記複数の突起は
(i)前記モジュールと前記
傾斜した建物表面との間に隙間を設けるために前記モジュールを前記
傾斜した建物表面上で支持する足部であり、およ
び
(ii)前記モジュールと前記
傾斜した建物表面との間に空気流の経路を画定するために前記アンダーラップ領域の前記下側にプロファイル部分を設け、
前記複数の突起の各々は、前記アンダーラップ領域の上側に対応するキャビティを備えた前記アンダーラップ領域の下方突出部分によって形成されており、
前記キャビティは、前記キャビティ内に水が溜まるのを防止するまたは最小限に抑えるように成形され、
前記傾斜した建物表面に前記モジュールが配置されているとき、前記キャビティのベース部(底部)と前記キャビティの前部との間に延びる前記キャビティの表面は水が前記キャビティから流れるように傾斜しており、
前記モジュールが前記傾斜した建物表面に配置された状態で、前記キャビティの前記表面と前記傾斜した建物表面との間の角度が、前記傾斜した建物表面の傾斜角度よりも小さい、
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュール。
【請求項2】
各突起が前記足部であり、前記キャビティの表面と前記足部のベース部との間の角度が、前記
傾斜した建物表面の傾斜角よりも小さい、請求項
1に記載のモジュール。
【請求項3】
各突起が前記足部であり、前記キャビティの表面と前記足部のベース部に隣接する平面との間の角度が、前記
傾斜した建物表面の傾斜角度よりも小さい、請求項1
または2に記載のモジュール。
【請求項4】
前記キャビティの前記表面の傾斜角度が、30度未満、または25度未満、または20度未満、または15度未満、または10度~15度である、請求項
1~3のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項5】
前記キャビティのベース部と前記キャビティの後部との間に延びる前記キャビティの表面の角度が、前記キャビティの前記ベース部と前記キャビティの前部との間に延びる前記キャビティの前記表面の
前記角度よりも大きい、請求項1~
4のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項6】
前記キャビティの前記ベース部と前記キャビティの
前記後部との間に延在する前記キャビティの前記表面と、前記キャビティの前記ベース部と前記キャビティの前記前部との間に延在する前記表面との間の角度が120度未満である、請求項
5に記載のモジュール。
【請求項7】
前記1つまたは複数の角度が、前記キャビティの前後中心線に関連する、請求項
1~6のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項8】
前記キャビティが前記キャビティの
前記前部に向かって幅が狭くなり、前記キャビティの前記前部に向かって水の流れを狭める、請求項1~
7のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項9】
前記キャビティが、前記キャビティの
前記ベース部と前記キャビティの
前記前部との間で幅が狭くなる、請求項
8に記載のモジュール。
【請求項10】
平面図において、前記キャビティがほぼ涙滴形であり、前記涙滴形の頂部が前記キャビティの前部を形成している、請求項1~
9のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項11】
各突起が前記足部であり、前記足部のベース部が
、前記
傾斜した建物表面に載るための平坦な部分を含む、請求項1~
10のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項12】
前記キャビティの対応するベース部が平坦な部分を含む、請求項
11に記載のモジュール。
【請求項13】
前記モジュールが少なくとも2列の前記突起を含み、前記列は前記アンダーラップ領域の前部と後部との間でずれているかまたは食い違い状になっている、請求項1~
12のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項14】
前記突起が、前記
傾斜した建物表面と前記モジュールとの間に空気流のための曲がりくねった経路を作り出す、請求項1~
13のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項15】
前記モジュールが、前記
傾斜した建物表面の下縁部で使用するためのスターターモジュールであり、前記モジュールが、隣接する屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールの露出領域によって実質的に完全にオーバーラップされる、請求項1~
14のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項16】
前記モジュールが、前記
傾斜した建物表面に設置されたときに、隣接するモジュールの前記アンダーラップ領域を覆うように適合されている露出領域を含む、請求項1~
14のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項17】
前記露出領域の上面が光起電力セルまたはデバイスを含む、請求項
16に記載のモジュール。
【請求項18】
前記モジュールが熱エネルギー回収システムの一部としての使用に適している、請求項1~
17のいずれか一項に記載のモジュール。
【請求項19】
前記露出領域の下面に面する支持面を提供するために前記露出領域から延びる突起と、
前記傾斜した建物表面に設置されたときに、隣接するオーバーラップモジュールの前記露出領域の前記支持面と前記下面との間に受け入れられるように適合された舌状部を含むクリップをそれぞれ受け入れるための前記アンダーラップ領域の1つまたは複数の位置決めディティールと、
を含む、請求項
16または
17に記載のモジュール。
【請求項20】
請求項1~
19のいずれか一項に記載の屋根葺き、外装、またはサイディング用モジュールを含む屋根葺き、外装、またはサイディング用装置であって、
前記
傾斜した建物表面に設置されたときに、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域の支持面と下面との間に受け入れられるように適合された舌状部を提供するために前記アンダーラップ領域に取り付け可能な1つまたは複数のクリップを含む、屋根葺き、外装、またはサイディング用装置。
【請求項21】
建物表面から熱エネルギーを除去または回収するためのシステムであって、
各モジュールが請求項1~
19のいずれか一項に記載のモジュールである、前記建物表面を実質的に覆う複数の部分的にオーバーラップするモジュールを含む屋根葺き、外装、またはサイディング用アセンブリと、
空気流を誘導するように適合されたファンと、
を含むシステム。
【請求項22】
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールであって、
傾斜した建物表面に設置されたとき、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域によって実質的に覆われるように適合されているアンダーラップ領域と、
前記モジュールと前記
傾斜した建物表面との間に隙間を設けるために前記アンダーラップ領域の下面から突出する足部であって、前記アンダーラップ領域の上面に対応するキャビティを形成する前記アンダーラップ領域の下方突出部分によってそれぞれ形成された足部と、
を含み、
前記傾斜した建物表面上に前記モジュールが位置するとき、前記キャビティのベース部と前記キャビティの前部との間に延びる前記キャビティの表面が傾斜し、前記キャビティから水が流れることを可能にし、前記キャビティに水が溜まるのを防止するまたは最小限に抑
え、
前記モジュールが前記傾斜した建物表面に配置された状態で、前記キャビティの前記表面と前記建物表面との間の角度が、前記傾斜した建物表面の傾斜角度よりも小さい、
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、建物表面に被覆材を提供するための屋根葺き、外装および/またはサイディング用製品に関する。
【背景技術】
【0002】
環境上の懸念および持続可能性の懸念から代替または再生可能エネルギーシステムが必要とされている。太陽エネルギーは再生可能エネルギー源の一種であり、太陽のエネルギーは様々な方法で集めることができる。1つは空気または水などの流体を加熱するために太陽エネルギーを熱エネルギーに変換することである。もう1つは、光起電力セルを使用して太陽エネルギーを電気に変換することである。適切にサイズを決められ設置された太陽エネルギー収集システムは、エネルギー需要を獲得するための実用的な代替手段となり得る。
【0003】
これらの目的のための伝統的な製品の不利な点は、それらが重くそして設置が困難であり、多くが良好な耐久性および耐環境性を持たず、そして多くが経済的に大量生産することが難しいということである。さらに、伝統的な製品は、屋根葺きタイルまたは同様のものなどの屋根基材を貫通する結合具を使用して屋根表面に取り付けられ得る。そのような結合具の貫通は、屋根葺き用基材の耐候性を損なう可能性がある。
【0004】
屋根葺きおよび外装用表面は、日光に曝されている期間にわたって加熱する傾向があり、次いで熱は建物の内部に伝達され得る。これは、空調および環境制御の費用を増大させる可能性がある。したがって、例えば反射面を設けることによって熱をそらす様々な方法も知られている。
【0005】
国際公開第2015/132756号パンフレットは、建物構造物の下に横たわる支持材料と共にキャビティを形成する外側外装材からなる太陽熱制御システム100を開示している。このシステムは、キャビティから空気を抽出することによって太陽エネルギーから熱を集めるように構成されている。
【0006】
特許明細書、他の外部文書、または他の情報源を参照した本明細書において、これは一般に、本発明の特徴を考察するための文脈を提供することを目的としている。特に明記しない限り、そのような外部文書への言及は、そのような文書またはそのような情報源がいかなる管轄においても先行技術であること、または当技術分野における共通の一般知識の一部をなすことの承認として解釈されるべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、前述の問題のうちの1つまたは複数に対処するのに少なくとも役立つか、または有用な選択肢を一般社会に少なくとも提供する屋根葺き、外装、またはサイディング用装置、または屋根葺き、外装、またはサイディング用構成要素を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の態様において、本発明は、屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールであって、
建物の表面に設置されたとき、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域によって実質的に覆われるように適合されているアンダーラップ領域と、
アンダーラップ領域の下側に形成された複数の突起と、
を備え、
前記複数の突起は、
(i)モジュールと建物表面との間に隙間を設けるためにモジュールを建物表面上で支持する足部であり、および/または
(ii)モジュールと建物表面との間に空気流の経路を画定するためにアンダーラップ領域の下側にプロファイル部分を設け、
前記複数の突起の各々は、前記アンダーラップ領域の上側に対応するキャビティを備えた前記アンダーラップ領域の下方突出部分によって形成されており、
キャビティは、キャビティ内に水が溜まるのを防止または最小限に抑えるように成形されている、
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールに含まれる。
【0009】
いくつかの実施形態において、モジュールが傾斜した建物表面に配置されているとき、キャビティのベース部(底部)とキャビティの前部との間に延びるキャビティの表面は水がキャビティから流れるように傾斜している。
【0010】
いくつかの実施形態において、各突起は前記足部であり、キャビティの表面と足部のベース部との間の角度は傾斜した建物表面の傾斜角よりも小さい。
【0011】
いくつかの実施形態において、各突起は前記足部であり、キャビティの表面と足部のベース部に隣接する平面との間の角度は、傾斜した建物表面の傾斜角度よりも小さい。
【0012】
いくつかの実施形態において、モジュールが建物表面に配置された状態で、キャビティの表面と建物表面との間の角度は、傾斜した建物表面の傾斜角度よりも小さい。
【0013】
いくつかの実施形態において、キャビティの表面の角度は、30度未満、または25度未満、または20度未満、または15度未満、または10度~15度である。
【0014】
いくつかの実施形態において、キャビティのベース部とキャビティの後部との間に延びるキャビティの表面の角度は、キャビティのベース部とキャビティの前部との間に延びるキャビティの表面の角度よりも大きい。
【0015】
いくつかの実施形態において、キャビティのベース部とキャビティの後部との間に延在するキャビティの表面と、キャビティのベース部とキャビティの前部との間に延在する表面との間の角度は120度未満である。
【0016】
いくつかの実施形態において、1つまたは複数の角度は、キャビティの前後中心線に関連する。
【0017】
いくつかの実施形態において、キャビティは、キャビティの前部に向かって幅が狭くなり、キャビティの前部に向かって水の流れを狭める。
【0018】
いくつかの実施形態において、キャビティは、キャビティのベース部とキャビティの前部との間で幅が狭くなる。
【0019】
いくつかの実施形態において、平面図において、キャビティはほぼ涙滴形であり、涙滴形の頂部がキャビティの前部を形成している。
【0020】
いくつかの実施形態において、各突起は前記足部であり、足部のベース部は建物表面に載るための平坦な部分を含む。
【0021】
いくつかの実施形態において、キャビティの対応するベース部は平坦な部分を含む。
【0022】
いくつかの実施形態において、モジュールは少なくとも2列の前記突起を含み、それらの列はアンダーラップ領域の前部と後部との間でずれているかまたは食い違い状になっている。
【0023】
いくつかの実施形態において、突起は、建物表面とモジュールとの間に空気流のための曲がりくねった経路を作り出す。
【0024】
いくつかの実施形態において、モジュールは、建物表面の下縁部で使用するためのスターターモジュールであり、このモジュールは、隣接する屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールの露出領域によって実質的に完全にオーバーラップされる。
【0025】
いくつかの実施形態において、モジュールは、建物表面に設置されたときに、隣接するモジュールのアンダーラップ領域を覆うように適合されている露出領域を含む。
【0026】
いくつかの実施形態において、露出領域の上面は光起電力セルまたはデバイスを含む。
【0027】
いくつかの実施形態において、モジュールは熱エネルギー回収システムの一部としての使用に適している。
【0028】
いくつかの実施形態において、モジュールは、
露出領域の下面に面する支持面を提供するために露出領域から延びる突起と、
建物表面に設置されたときに、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域の支持面と下面との間に受け入れられるように適合された舌状部を含むクリップをそれぞれ受け入れるためのアンダーラップ領域の1つまたは複数の位置決めディティールと
を含む。
【0029】
第2の態様において、本発明は、上記のいずれか1つまたは複数に記載の屋根葺き、外装、またはサイディング用モジュールと、建物表面に設置されたときに、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域の支持面と下面との間に受け入れられるように適合された舌状部を提供するためにアンダーラップ領域に取り付け可能な1つまたは複数のクリップとを含む屋根葺き、外装、またはサイディング用装置に含まれる。
【0030】
第3の態様において、本発明は、建物表面から熱エネルギーを除去または回収するためのシステムであって、
各モジュールが上記のいずれか1つまたは複数に記載されたようなモジュールである、建物表面を実質的に覆う複数の部分的にオーバーラップするモジュールを含む屋根葺き、外装、またはサイディング用アセンブリと、空気流を誘導するように適合されたファンと
を含むシステムに含まれる。
【0031】
第4の態様において、本発明は、
建物表面に設置されたとき、隣接するオーバーラップモジュールの露出領域によって実質的に覆われるように適合されているアンダーラップ領域と、
モジュールと建物表面との間に隙間を設けるためにアンダーラップ領域の下面から突出する足部であって、アンダーラップ領域の上面に対応するキャビティを形成するアンダーラップ領域の下方突出部分によってそれぞれ形成された足部とを含み、
傾斜した建物表面上にモジュールが位置するとき、キャビティのベース部とキャビティの前部との間に延びるキャビティの表面が傾斜し、キャビティから水が流れることを可能にし、キャビティに水が溜まるのを防止するまたは最小限に抑える、
屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールに含まれる。
【0032】
「より下」または「底」、「より上」または「上」および「前」または「後」などの相対用語は、図に示されている1つの要素の別の要素に対する関係性を説明するために本明細書で使用され得る。相対用語は、図面に描かれている向きに加えて、装置の異なる向きを包含することが意図されていることが理解されるであろう。例えば、図の1つの中のデバイスまたは装置がひっくり返された場合、他の要素の「より下」側にあると説明された要素は、他の要素の「より上」側に向けられる。したがって、例示的な用語「より下」は、図の特定の向きに依存して、「より下」および「より上」の向きの両方を包含する。同様に、図の1つの中のデバイスがひっくり返された場合、他の要素の「下」または「真下」として記載された要素は、他の要素の「上」に向けられる。したがって、例示的な用語「下」または「真下」は、上方向および下方向の両方の方向を含むことができる。さらに、文脈が別に示唆しない限り、「前」は、傾斜した建物表面に向かってより低い隣接する屋根葺きモジュールと重なる屋根葺きモジュールの「前」に関連していることが意図される。
【0033】
本明細書で使用される場合、「建物表面」という用語は、特に明記しない限り、例えば外壁、屋根、天井など、建物の壁面または上面などを指す。屋根の文脈において、建物表面は、典型的には、屋根の庇に隣接して屋根デッキに取り付けられた、風で吹き付けられる雨または屋根上の水の蓄積による屋根デッキおよび建物内部への水害を防止するための防水屋根葺き膜を含む。屋根デッキは、通常、合板などの下地材から作られる。防水膜は、限定するものではないが、瀝青質防水膜、変性瀝青質屋根葺き膜、自己接着性屋根葺き膜、または単層防水屋根葺き膜(例えば、EPDM防水屋根葺き膜、PVC防水屋根葺き膜、TPO防水屋根葺き膜)など、当技術分野で公知の多数の防水屋根葺き膜のいずれであってもよい。1つの例示的な膜シートは、GAF Corp.(Wayne,New Jersey)によって製造されたDeck-Armor(商標)Roof Protectionである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「屋根葺き」という用語は、建物の屋根表面上の保護カバーを意味する。限定されるものではないが、このような保護カバーは、屋根板、タイル、パネル、本板、厚板、板、成型品またはシートの形態をとり得る。
【0035】
本明細書で使用される場合、「外装」および/または「サイディング」という用語は、建物の側面または他の表面上の保護カバーを意味する。限定されるものではないが、このような保護カバーは、屋根板、タイル、パネル、本板、厚板、板、成型品またはシートの形態をとり得る。
【0036】
限定するものではないが、建物の屋根葺き、外装またはサイディングの一部を形成する屋根葺き、外装および/またはサイディング用モジュールは、1つまたは複数の屋根板、タイル、パネル、本板、厚板、板、成型品またはシート、あるいはこれらの内の1つの一部を含み得る。例えば、いくつかの実施形態では、外装またはサイディング用モジュールは雨押さえであってもよく、屋根葺き用モジュールはタイルまたは屋根板であってもよい。好ましい実施形態では、屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールは、(層状であってもよい)1種または複数種のポリマー材料から成型される。成型された各ポリマーモジュールは、好ましくは、溶接線も射出成形点もなく接合された複数の3次元以上のプロファイル付き表面を含む。各プロファイル付き表面は、モジュールの長さに沿った成型セグメントである。いくつかの実施形態では、各成形セグメントは、連続成形機の個々のダイまたはモールドに対応し得る。いくつかの実施形態では、1種または複数種のポリマー材料は、ポリカーボネート、発泡ポリカーボネート、熱可塑性ポリウレタン(TPU)、熱可塑性オレフィン(TPO)、ポリ塩化ビニル(PVC)、アクリロニトリルブタジエンスチレン(acrylonitrite butadiene Styrene)(ABS)、スチレン-アクリロニトリル樹脂(SAN)、熱可塑性ゴム、および任意の他の非晶質もしくは結晶質ポリマーまたはポリマーの組み合わせからなる群から選択される。いくつかの実施形態において、1種または複数種のポリマー材料は難燃性である。いくつかの実施形態では、1種または複数種のポリマー材料は、耐候性、雹抵抗性、紫外線抵抗性、引裂き抵抗性、カビ抵抗性および衝撃抵抗性である。他の実施形態では、屋根葺き、外装またはサイディング用モジュールは、金属、複合材、繊維セメント、ガラス繊維、コンクリート、粘土、木材および/またはアスファルトから形成されてもよい。
【0037】
本明細書で使用される場合、「プロファイル付き」および/または「輪郭を有する」という用語は、製品の縦軸に沿って存在する概念上の平面の上または下に延在する1つまたは複数の領域を有することを意味する。これには、1つの上面または下面のみのプロファイル形成または輪郭形成、および/または、上面および下面が概念的平面の上または下に同じ相対的延在度を有するように、材料の全厚のプロファイル形成または輪郭形成が含まれる。
【0038】
本明細書で使用される場合、用語「ポリマー(polymer)」(および「ポリマーの(polymeric)」などの関連用語)は、ポリマー、ポリマーブレンド、および添加物含有を伴うまたは伴わないポリマーを含む。
【0039】
本明細書および特許請求の範囲で使用される用語「含む(comprising)」は、「~から少なくとも部分的になる」を意味する。「含む(comprising)」という用語を含む本明細書および特許請求の範囲中の各声明を解釈する場合、その用語によって前置きされたもの以外の特徴も存在し得る。「含む(comprise)」および「含む(comprises)」などの関連用語も同様に解釈されるべきである。
【0040】
本明細書に開示された数の範囲(例えば、1~10)への言及は、その範囲内のすべての有理数(例えば、1、1.1、2、3、3.9、4、5、6、6.5、7、8、9、および10)およびまたその範囲内の任意の範囲の有理数(例えば、2~8、1.5~5.5および3.1~4.7)への言及も組み込むことが意図され、したがって、本明細書に明示的に開示されるすべての範囲のすべての部分範囲がこれにより明示的に開示される。これらは、具体的に意図されたものの例に過ぎず、列挙された最低値と最高値との間の数値の全ての可能な組み合わせが本出願において同様の方法で明示的に述べられていると考えるべきである。
【0041】
特に明記しない限り、単数形「a」、「an」および「the」は複数の言及を含む。例えば、「デバイス(a device)」への言及は、複数のデバイスを含む。
【0042】
本明細書中で使用される場合、用語「および/または」は、「および」または「または」、あるいはその両方を意味する。
【0043】
本明細書において使用される場合、名詞の後に続く「(s)」は、名詞の複数形および/または単数形を意味する。
【0044】
本発明に関連する当業者には、添付の特許請求の範囲に定義された本発明の範囲から逸脱することなく、本発明の構造の様々な変更および広範に異なる実施形態および用途が示唆される。本明細書における開示および説明は、純粋に例示的なものであり、いかなる意味においても限定を意図するものではない。
【0045】
本発明は上記に含まれ、以下で例のみを提示するいくつかの構成も想定する。
【0046】
本発明の好ましい実施形態を単に例としておよび図面を参照して記載する。
【図面の簡単な説明】
【0047】
【
図2A-2E】オーバーラップモジュールの前縁部を固定するためのクリップを備えた屋根葺き用モジュールを含む屋根葺き用装置を示す。
図2Aは上からの斜視図を示し、
図2Bは下からの斜視図を示し、
図2Cは上面図を示し、
図2Dは底面図を示し、
図2Eは後面図を示す。
【
図3】屋根または屋根葺き用の膜を形成する複数のオーバーラップする屋根葺きモジュールの側面図である。
【
図4】
図2A~2Cの屋根葺きモジュールおよびクリップの断面側面図である。
【
図5】建物表面の下縁部でオーバーラップモジュールを固定するための、クリップを備えた「スターター」モジュールの様々な図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0048】
太陽熱システムが、屋根設備として
図1に示されている。しかしながら、外装または外側膜を含む太陽熱システムは、建物または構造物の何らかの下に横たわる支持材料(例えば、壁、屋根等)に取り付けるかまたは結合し、構造物で太陽エネルギーを集めるようにすることができる。
【0049】
太陽熱システムは、建築構造物の下に横たわる支持材料と共にキャビティを形成する外側外装または外部膜(例えば、1つまたは複数の屋根葺き用モジュール)からなる太陽熱集熱器を含むことができる。このシステムは、キャビティから空気を抽出することによって太陽エネルギーから熱を集めるように構成されている。太陽熱システムはまた、外部膜の下に取り付けられ、キャビティに接続されてキャビティから空気流を集めて方向付けることができる熱収集ユニット(例えばサーマルボックス)を含む。システムはまた、太陽熱システム内の空気の流れを方向付けるためのダクト(すなわち、ダクトシステム)を含み得る。本明細書に記載のシステムは、暖かい季節の間に建物または他の関連構造物への熱負荷を減らし、寒い季節の間に建物または他の構造物内で発生した熱エネルギーの漏出を減らすことによって、建物効率(例えばエネルギー効率)を提供するというさらなる利点を提供する。
【0050】
図1を参照すると、太陽熱制御システム100が示されている。システム100は、建物または他の構造物の最外面(例えば最上面)を形成するように構成されてもよい。システム100は、関連する建物の下に横たわる支持材料112(例えば、建築紙、合板、乾式壁等)を覆うように構成された屋根葺き用膜102を含む。屋根葺き用膜102は、その下に横たわる材料112を含む構造物を風雨から保護するために、少なくとも部分的に耐候性材料から作られてもよい。屋根葺き用膜102の最外面は太陽電池パネルなど、太陽光を吸収するように構成された材料から作られてもよい。例示的実施形態では、
図3に示すように、屋根葺き用膜102は、複数の重なり合う部分(例えば、屋根葺き用モジュール、タイル、屋根板等)から作られる。
【0051】
屋根葺き用膜102は、膜102とその下に横たわる材料112との間に空気が流れるためのキャビティ108を形成するように構成されている。例示的な実施形態では、キャビティ108内の空気は屋根葺き用膜102によって捕捉された太陽光(すなわち太陽エネルギー)によって加熱される。暖気は、キャビティ108からボックス104として示される熱収集ユニット内に引き込まれる。暖気の例示的な経路は、
図1の矢印によって示される。ボックス104は、キャビティ108に流体的に接続され、キャビティ108から暖気を受け取るように構成される。
【0052】
熱収集ユニット104から、空気は建物内に導かれ(
図1によれば下向きに)、建物内の水または環境を加熱するために使用されるか、または空気はシステム100の通気孔付きの隆起部106を介して外気に排出される。この実施形態または他の実施形態では、空気を建物から他の方法で(例えばダクトを介して切妻端などの外壁に)通気することもできる。通気孔付き隆起部106は、屋根葺き用膜102の一部を覆うように構成され、システム100から(例えばボックス104から)過剰な暖気を排出するための開口部114として示される少なくとも1つの抽出点を提供する。システム100は、他の実施形態では任意の数の抽出点(例えば、開口部、排出領域等)を含み得る。抽出点の数は、屋根または関連する建物のサイズおよび/または形状、ならびに/または熱制御システム100の特定の用途に依存し得る。ファンを設けて、キャビティの上へおよび/またはボックス104から空気を引くかまたは押すことができる。
【0053】
ここで
図2Aから2Eを参照すると、屋根葺き、外装またはサイディング用装置20が示されている。この実施形態では、
図3に示すように、2つ以上の屋根葺き用装置20を組み合わせて(例えば、結合して、スタックして、重ね合わせて等)、屋根葺き用膜102またはシステム100の別の同様の外側外装または被覆材を形成することができる。各屋根葺き、外装またはサイディング用装置は、屋根葺き、外装またはサイディング用モジュール200を含む。各モジュール200は、アンダーラップセクション202(例えば、底部セクション、アンダーセクション等)およびオーバーラップセクション204(例えば、上部セクション、オーバーセクション等)を含む。セクション202および204は、同様の材料から作製され得、そして好ましくは単一の一体部材として一体的に形成される。例示的な実施形態では、セクション202および204は、セクション202および204が重なり合って膜102を形成するように、類似の面積を含む類似の寸法を有する。
【0054】
各モジュールは、モジュールのアンダーラップ領域または固定領域においてモジュールを通して適用される結合具(例えば、釘またはねじ)によって屋根表面などの建築物表面に固定されてもよい。結合具がモジュールの露出したオーバーラップ領域を貫通しないように、結合具がアンダーラップ領域を通して適用され、それによって屋根葺き、外装またはサイディング用装置を漏れにくくするようにすることが好ましい。いくつかの実施形態では、アンダーラップ領域は、結合具用の穴を予め形成されてもよく、またはモジュールを貫通するために結合具を位置決めまたは補助するためのマーキングを含んでもよい。
【0055】
好ましくは、モジュールの露出領域も同じく、確実にモジュールが建物に適切に固定されるように、建物表面に固定される。好ましくは、露出領域の前縁または前縁部分は、モジュールの前縁を下に横たわるモジュールから離れるように持ち上げる風によって引き起こされるモジュールへの損傷を防止するように、建物表面に固定される。
【0056】
モジュールの露出領域を建物表面に固定するために、いくつかの実施形態による屋根葺き、外装またはサイディング用装置は、1つまたは複数のクリップ208を含む。各クリップ208は、隣接するオーバーラップモジュール200の露出領域204を、アンダーラップモジュール200に固定する。各クリップはアンダーラップ領域202において位置決め小部品内に位置決めされてもよい。アンダーラップモジュールが建物表面に固定されると、オーバーラップモジュールの露出領域204はアンダーラップモジュールを介して建物表面に固定される。いくつかの実施形態では、クリップは、アンダーラップモジュールのアンダーラップセクション202を通って延びる結合具(例えば釘またはねじ、図示せず)によって建物表面に固定され、オーバーラップモジュールの露出領域204はアンダーラップモジュールを通って延びるクリップ208および結合具によって建物表面に固定される。したがって、結合具およびクリップは、建物表面の単一箇所でアンダーラップモジュールおよびオーバーラップモジュールを建物表面に固定する。
【0057】
図4に最も良く示されるように、各クリップ208は、隣接するオーバーラップモジュール200の露出領域204の対応する溝210の中に受容される舌状部209を提供する。いくつかの実施形態では、モジュールは、露出領域20
4の下面から後方に延在する突起またはリップ211を含む。リップ211は、リップ211と露出領域204の下面212との間に溝またはチャネル210を提供する。いくつかの実施形態では、溝またはチャネル210は、クリップ208の前方に延びる舌状部209を受け入れるために、モジュールの後方に対して開いている。
【0058】
モジュール200を建物表面に固定するために、アンダーラップ領域202を有するがオーバーラップ領域を有さない「スターターモジュール」を提供することができる。スターターモジュール300は、
図5に示されている。スターターモジュール300は、表面112の下縁部において、建物表面112、例えば屋根葺き用表面に固定されてもよい。建物表面の上の次のモジュール列のモジュール200は、そのオーバーラップセクション204がスターターモジュール300と重なり、その前縁部215がクリップ208を介してスターターモジュールに固定された状態で適用される。
【0059】
モジュール200、300のアンダーラップセクション202は、突起206を含む。突起のいくつかは、関連する建物の下に横たわる材料112(または別の外面)に載るように構成された足部206を形成し得、アンダーラップセクション202の残部を下に横たわる材料112の上にある距離だけ持ち上げる。足部206が下に横たわる材料112に載ると、アンダーラップセクション202と下に横たわる材料112との間(すなわち、足部206の周囲または間)にキャビティ108が形成される。
【0060】
突起206の高さは、キャビティ108を通る意図された空気流に関係し得るものであり、より高い高さはより大きな空気流をもたらす。例示的な実施形態では、突起206は、屋根葺きモジュール200とその下に横たわる材料112との間に約20ミリメートルの空隙を提供するようなサイズおよび形状である(例えば、足部206および/またはキャビティは約20ミリメートルの高さを有する)。空隙(例えば、キャビティ108)は、あるセクション(例えば、屋根葺き用モジュール200)または屋根全体(例えば、膜102)から中央に配置された熱収集ユニット(例えば、ボックス104)へ空気を引き込むことを可能にすることを目的とする。しかしながら、建築構造物の屋根は、熱エネルギー収穫を最適化するために複数の収集ユニットを含み得る。例えば、太陽熱エネルギーを第1の屋根表面から集めて(例えばダクトとダンパーのシステムを介して)第2の屋根表面に向けて、第2の屋根表面上の雪を溶かすことができる。別の実施形態では、屋根表面の第1の屋根表面またはセクションを水の加熱に利用することができ、屋根表面の第2の屋根表面またはセクションを暖房のために利用することができる。
【0061】
いくつかの実施形態では、突起206のいくつかは足部として機能しなくてもよく、キャビティを通る空気流を乱すかまたは方向付けるために設けられてもよい。例えば、いくつかの突起206は足部として、また空気流を方向付けるための突起としても作用し得、そしていくつかの突起206はモジュール200を建物表面から支持することなく空気流をもっぱら方向付けるために提供され得る。いくつかの実施形態では、
図2Cおよび
図2Dに最もよく示されるように、突起206は、食い違い(互い違い、千鳥)状にされた列で設けられてもよく、建物表面と膜との間のキャビティを上る空気流のための曲がりくねった経路を提供する。
【0062】
アンダーラップセクション202は、システム100の特定の用途に適しているように、任意の数の突起206を含み得る。例えば、キャビティ108を通るより大きな空気流が必要とされる場合(すなわち、キャビティ108内により多くの空気空間を作り出すために)、アンダーラップセクション202はより少ない突起206を含み得る。屋根葺き用モジュール200が特に重い材料から作られる場合(すなわち、屋根葺き用モジュール200の重量を支えるために)、または屋根の比較的人の良く通る領域に配置される場合(例えば、屋根の上のサービス要員または他の人の体重を支えるために)、アンダーラップセクション202はまた、より多くの突起206を含み得る。突起206は、アンダーラップセクション202を下に横たわる材料112の上に適切な距離だけ持ち上げてキャビティ108を形成するために、アンダーラップセクション202を横切ってほぼ等間隔に配置することができる。
【0063】
各突起206は、アンダーラップ領域202の上側213に対応するキャビティ214を有するアンダーラップ領域202の下方に突出した部分によって形成される。例えば、水が屋根葺き用表面の上方に向かって方向付けられ得るような極端な気象条件において、水がオーバーラップ領域の露出領域204とアンダーラップモジュールのアンダーラップ領域との間に水が到達する場合、水はモジュールの上面のキャビティ内に集まるかまたは溜まることがある。したがって、本発明によれば、各キャビティは、キャビティ内に水が溜まるのを防止または最小限に抑えるように成形されている。図3に示されるように、屋根葺き用膜102は、(水平に対して)傾斜したまたは斜めの屋根向けに特に構成されている。各キャビティは、建物表面の特定の傾斜角度に対してキャビティ内に水が溜まるのを防止または最小限に抑えるように成形されることが好ましい。モジュールが、モジュールの前部215がモジュールの後部220より下にある状態で斜めに配置されている場合、キャビティは、水がキャビティからモジュールの前部に向かって排水または流れるように成形される。
【0064】
図4を参照すると、キャビティ214は、ベース部または底部218を有する。キャビティの深さは、キャビティのベース部または底部で最大である。いくつかの実施形態によれば、キャビティのベース部218とキャビティの前部との間に延在するキャビティの表面219は、モジュールが傾斜した建物表面に位置するときに、キャビティから水が流れることを可能にするように傾斜している。建物表面112からモジュール200を支持するための足部を形成する突起206は、建物表面に接触する底部またはベース部217を含む。足部206のベース部217は、好ましくは、建物表面112に載るための平坦部分を含む。キャビティのベース部218は、それに対応して平坦であり得る。いくつかの実施形態では、キャビティ214の表面219と足部のベース部217との間の角度A
sは、(水平線に対して)傾斜した建物表面112の傾斜角度A
iより小さく、その結果、水がキャビティ214からモジュールの前部215に向かって排出される。複数の足部206のベース部217はある平面上で境界を共有するので、それらはすべてモジュールを支持するために建物表面112に接触する。キャビティ214の表面219と足部のベース部217と隣接する平面との間の角度A
sは、傾斜した建物表面の傾斜角度A
iより小さい。モジュール200が傾斜した建物表面112上に配置された状態で、キャビティの表面219と建物表面112との間の角度A
sは、傾斜した建物表面の傾斜角度A
iよりも小さい。いくつかの実施形態では、上記の角度A
sは、30度未満、または25度未満、または20度未満、または15度未満、または10度~15度である。例えば、15度未満の角度A
sは、15度の最小屋根傾斜角度A
iを可能にして、水がキャビティから排水されることを可能にする。一実施形態では、角度A
sは約11度である。
【0065】
いくつかの実施形態では、キャビティ214のベース部218とキャビティの後部222(
図2C)との間に延在するキャビティ214の表面223の角度A
rは、キャビティのベース部218とキャビティの前部221(
図2C)との間に延在するキャビティの表面219の角度A
sよりも大きい。いくつかの実施形態では、キャビティのベース部218とキャビティの後部222との間に延在するキャビティの表面223と、キャビティのベース部218とキャビティの前部221との間に延在する表面219との間の角度は120度より小さい。
【0066】
図4の断面は、キャビティ214のうちの1つの中心線に沿ってとられている。したがって、上述の角度A
sおよびA
rは、キャビティの前後中心線に関連し得る。
【0067】
図2Cの平面図に最もよく示されているように、いくつかの実施形態では、キャビティ214はキャビティの前部に向かって幅が狭くなり、それによってキャビティはキャビティの前部221に向かって水の流れを狭める。キャビティは、キャビティ214のベース部218とキャビティの前部221との間の幅が狭くなっている。示されるように、いくつかの実施形態では、キャビティは平面図でほぼ涙滴形であり、涙滴形の頂部221はキャビティ214の前部221を形成する。
【0068】
いくつかの実施形態では、モジュール200は、太陽エネルギーから電気エネルギーを生成するシステムに使用するように適合されてもよい。このような製品は、一般に、建物一体型光起電力製品(「BIPV」)と呼ばれる。光起電力セルの列またはアレイは、建物表面112に設置されたときに光子を捕捉するようにモジュール200の露出領域204上に支持されてもよい。例えば、エネルギー生成モジュールは、1つまたは複数の成型材料層、接続された光起電力セルのソーラーアレイ層、および任意の透明な表面ラミネート層を含むことができる。エネルギー生成モジュールはまた、PV層の前面および/または背面にボンディング/カプセル化/結合層を含むことができ、また、例えばポリエチレン、EFTE等、PV層の腐食を止めるための層を含むこともできる。モジュールに設置された光起電力セルは、列状に配置され、モジュールの全長に延びる2つのバスストリップを介して接続されてもよく、2つのバスストリップの1つはセルの上縁全体に延び、もう1つは下縁全体に延びるので、設置時にモジュール毎に電気的接続部を1つだけ主電源取出し部に接続すればよい。さらなる選択肢は、成形プロセス中にバスストリップ材料をモジュールに一体に成形することである。モジュールは、光起電力システムの様々な構成要素を受け入れるように成型されてもよい。例えば、
図2Aに示すように、アンダーラップ領域の上面は、光起電力アレイのケーブルまたはワイヤを受け入れるように構成されたチャネル224を含むことができる。さらに、アンダーラップ領域の上面は、光起電力アレイの接続箱、プリント回路基板(PCB)、通信デバイス、ケーブル、ワイヤ、バス、コンポーネント、セル、またはダイオードなどを収容するように構成された成形キャビティを含んでもよい。したがって、モジュールは、PVセルを接続および調整するために必要なハードウェアおよびソフトウェアのすべてを含むことができる。例示的な熱エネルギー回収モジュールおよび電気エネルギー生成のための太陽電池のアレイを含むモジュール、ならびにそのようなモジュールを製造するための連続形成プロセスの方法は、国際公開第2013/081477号パンフレットに記載され、その内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0069】
本発明の上記記載は、その好ましい形態を含む。本発明の範囲から逸脱することなく変更を加えることができる。