(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群
(51)【国際特許分類】
A47B 96/06 20060101AFI20220328BHJP
F16B 12/10 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
A47B96/06 C
F16B12/10 A
A47B96/06 B
A47B96/06 E
A47B96/06 Q
(21)【出願番号】P 2019518524
(86)(22)【出願日】2017-10-04
(86)【国際出願番号】 EP2017075151
(87)【国際公開番号】W WO2018069099
(87)【国際公開日】2018-04-19
【審査請求日】2020-08-11
(31)【優先権主張番号】102016000103544
(32)【優先日】2016-10-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】516162951
【氏名又は名称】レオナルド エス.アール.エル.
(74)【代理人】
【識別番号】110000198
【氏名又は名称】特許業務法人湘洋内外特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カッタネオ,カルロ
【審査官】広瀬 杏奈
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202015103519(DE,U1)
【文献】特開2014-033828(JP,A)
【文献】独国実用新案第000020314821(DE,U1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47B 96/06
F16B 12/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
壁戸棚(M)の壁組立用の調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
プレート要素(11)であって、
前記壁戸棚(M)の肩部(S)に形成された孔と結合可能であり、前記プレート要素(11)の少なくとも一つの側辺から延びる複数の固定ピン(12、12’、12’’)と、
前記プレート要素(11)とその前面で深さ(K)および高さ(H)方向に調整可能に結合し、上部フック状部分(15)を有し、壁に固定された支持要素(50)を備えた前記吊り下げ用ブラケットのフック要素(14)と、を有するプレート要素(11)と、
前記フック要素(14)を前記プレート要素(11)に関して水平および垂直に移動させる手段(16、17)と、
同じく備えられた前記吊り下げ用ブラケットの外れ防止手段(18)と、を有し、
前記プレート要素(11)に要素(24、57、57’)が備えられ、前記要素(24、57、57’)は、深さ調節のグラブねじ(26)用のねじ孔(25、58、58’)と、スクリュードライバ用のガイド(47)と、同じく備えられた前記スクリュードライバ(42)の先端部用の止め具(48)とを有する、
壁戸棚(M)の壁組立用の調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群(10)において、
前記要素は、前記プレート要素(11)に窓(23)を半打ち抜き工程によって製造する付属物(24)であって、前記付属物(24)はいったん半打ち抜きされると、前記プレート要素の前部で前記移動手段(16、17)の少なくとも一部の収容ケーシングを形成するように箱折りされ、
前記収容ケーシングは、材料を追加することなく製造され、単に前記付属物(24)をC字形に折り曲げて前記プレート要素(11)上で閉じることによって製造されていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群。
【請求項2】
壁戸棚(M)の壁組立用の調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
プレート要素(11)であって、
前記壁戸棚(M)の肩部(S)に形成された孔と結合可能であり、前記プレート要素(11)の少なくとも一つの側辺から延びる複数の固定ピン(12、12’、12’’)と、
前記プレート要素(11)とその前面で深さ(K)および高さ(H)方向に調整可能に結合し、上部フック状部分(15)を有し、壁に固定された支持要素(50)を備えた前記吊り下げ用ブラケットのフック要素(14)と、を有するプレート要素(11)と、
前記フック要素(14)を前記プレート要素(11)に関して水平および垂直に移動させる手段(16、17)と、
同じく備えられた前記吊り下げ用ブラケットの外れ防止手段(18)と、を有し、
前記プレート要素(11)に要素(24、57、57’)が備えられ、前記要素(24、57、57’)は、深さ調節のグラブねじ(26)用のねじ孔(25、58、58’)と、スクリュードライバ用のガイド(47)と、同じく備えられた前記スクリュードライバ(42)の先端部用の止め具(48)とを有する、
壁戸棚(M)の壁組立用の調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群(10)において、
前記要素は、前記プレート要素(11)に窓(23)を半打ち抜き工程によって製造する付属物(24)であって、前記付属物(24)はいったん半打ち抜きされると、前記プレート要素の前部で前記移動手段(16、17)の少なくとも一部の収容ケーシングを形成するように箱折りされ、
前記付属物(24)の下の前記プレート要素(11)の表面に、前記移動手段(16、17)にアクセスするための一対の孔(43、44)が備えられていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項3】
請求項1
または2に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記
収容ケーシングは、材料を追加することなく、単に前記付属物(24)を適切に折り曲げることによって製造されることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項4】
請求項1から
3のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記付属物(24)の下の前記プレート要素(11)の表面に、半打ち抜きにし前
記プレート要素(11)に対して角折りにして形成した高さの調整ねじ(36)の二つの付属物(32,33)をさらに有することを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項5】
請求項
4に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記
二つの付属物(32,33)のうち一方の第1の付属物(32)は、前記調整ねじ(36)を受けるため丸められかつ外側に開いた、凹部(34)を有し、
他方の第2の付属物(33)は、前記調整ねじ(36)の端部を回転自在に受けるための貫通孔(35)を有することを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項6】
請求項
5に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記調整ねじ(36)は、前
記第1の付属物(32)の前記凹部(34)に係合する外側に突出するフランジ又はカラー(39)を備えた歯付きクラウン(37)を有していることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項7】
請求項
4から
6のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記
調整ねじ(36)の中間部分は、前記フック要素(14)に対して一体的にかつ連結式につなげて配置されたプレート(30)のねじ貫通孔(40)にねじ込まれていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項8】
請求項
4から
7のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記
グラブねじ(26)は凹状ヘッド(27)とは反対側の端部に、スクリュードライバー(42)の先端部用の成形座部(41)を備えていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項9】
請求項
1から
8のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記付属物(24)の自由端が前記プレート要素(11)に溶接されていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項10】
請求項
1から
8のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記付属物(24)の自由端が前記プレート要素(11)にリベット留めされていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項11】
請求項
1から
8のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記付属物(24)の自由端が、スクリュードライバ(42)の先端部用のガイドを画定する中央端部のUボルト折り曲げ部(47)を有することを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項12】
請求項
1から
8のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記付属物(24)の自由端は、スクリュードライバー(42)の先端部のガイドと止め具(48)を確定する中央端部のU字型ボルト折り曲げ部(47)を有することを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【請求項13】
請求項1から
12のいずれか一項に記載の吊り下げ用ブラケット群(10)であって、
前記フック要素(14)は、箱状体の一つに、スクリュードライバ(42)の先端部を通して前記移動手段(16,17)にアクセスするための溝(28)を備えていることを特徴とする、吊り下げ用ブラケット群(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群に関する。
【背景技術】
【0002】
技術分野は、壁戸棚に関して後部外側位置に固定するのに適した、隠蔽された吊り下げ用ブラケットに関する。特に、この種の吊り下げ用ブラケットは、一般に、壁戸棚の裏張りに近く、天板下の肩部と結合されているので、一旦壁に拘束されると、吊り下げ用ブラケットはよく隠蔽される。これらの群はまた、壁から外れるような衝撃を受けた場合に壁戸棚が誤って外れるのを防止するための外れ防止構造も備えている。
【0003】
これらの吊り下げ用ブラケットは、一般に、組み立て段階において壁戸棚の後肩部に形成された孔と結合される様々な側部突起(ピン)を備える単一のプレート要素から成る。これらの吊り下げ用ブラケットはまた、吊り下げ用ブラケットを壁に固定するために相対プレートに接続される可動フック要素を備える。
【0004】
壁戸棚が取り付けられている壁から、壁戸棚が誤って外れることを防ぐように介在している外れ防止システムもまた提供される。
【0005】
吊り下げ用ブラケットの一例は、国際特許出願WO2004/032681 A1に記載されている。
【0006】
吊り下げ用ブラケットにある高さと深さのさまざまな調整へのアクセスは、家具の後部または裏張りに形成された一対の孔によって提供される。
【0007】
家具の裏張りにおける開孔表面を減らすために、一定の大きさを有する単一の孔が設けられ、そこから吊り下げ用ブラケットの両調整にアクセスすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
この解決策は、欧州特許出願第1008316号の目的であるが、この解決策では、所定の構造上の複雑さもある。その理由は、いくつかの要素が別々の金型から製造されるため、ベースプレートに結合する必要があり、したがって異なる部品の製造に関連する製造コストの増加、およびそれらを家具に取り付ける前にそれらを互いに一体化させるための組み立てコストの増加を必要とするためである。
【0009】
ドイツ登録実用新案203 14 821 U1号およびドイツ登録実用新案202015 103519 U1号は、請求項1の前文に記載された吊り下げ用ブラケット群を示す。
【0010】
本発明の概括的な目的は、極めて簡単で経済的なそして特に機能的な方法で上記の既知の技術の欠点を解決することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、可能な限り少ない部品で容易かつ安定した組立、および想定外の応力が生じた場合でも確実な付着を保証する、外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群を提供することである。
【0012】
本発明の他の目的は、吊り下げ用ブラケットを形成するためにベースプレートに結合される別個の成型品を最小限に抑えた、外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上記の目的に鑑みて、本発明によれば、添付の特許請求の範囲に規定された特徴を有する、調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群が考案された。
【0014】
本発明の構造上および機能上の特徴ならびに既知の技術に対するその利点は、本発明に従って製造された壁戸棚を壁に取り付けるための隠蔽された調節可能な吊り下げ用ブラケットを示す添付の図面を参照しながら行う以下の説明からさらに明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】本発明により製造された、壁戸棚を壁に取り付けるための外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群の実施形態の縦断面図を示す。
【
図2】家具の内側から見た
図1の吊り下げ用ブラケットの図である。
【
図3】第1の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの正面図を示す。
【
図4】第1の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの背面図を示す。
【
図5】シートが折り曲げられた状態の
図3および
図4の吊り下げ用ブラケットの断面図である。
【
図6】
図3、4および5の吊り下げ用ブラケットの分解斜視図である。
【
図7】第2の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの正面図を示す。
【
図8】第2の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの背面図を示す。
【
図9】取り付け要素が追加された
図7および
図8の吊り下げ用ブラケットの断面図である。
【
図10】
図7、8および9の吊り下げ用ブラケットの分解斜視図である。
【
図11】第3の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの正面図を示す。
【
図12】第3の実施形態における
図1の吊り下げ用ブラケットのプレートのみの背面図を示す。
【
図13】取り付け要素がリベット留めされるように追加された
図11および
図12の吊り下げ用ブラケットの断面図である。
【
図14】
図11、12および13の吊り下げ用ブラケットの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
特に
図1および
図2を参照すると、これらは、本発明による調整のための容易なアクセスを有する外れ防止構造を備えた隠蔽された吊り下げ用ブラケット群の一実施形態を示している。
【0017】
前記吊り下げ用ブラケット群は調節可能なタイプであり、壁戸棚M上の隠蔽された位置の後部で組み立てられるのに適している。
【0018】
吊り下げ用ブラケット群は、一方の側(および/または他方の側)で外側に向かって延びる複数の固定ピン12、12’、12’’を備えた吊り下げ用ブラケット10のプレート要素11と、支持要素50のような壁に固定された支持要素を有する実際の吊り下げ用ブラケットを拘束するためにプレート要素11に前面で結合するフック要素14とを有している。複数の固定ピン12、12’、12’’は、壁戸棚Mの肩部Sに形成された孔に結合することができるが、例えば、吊下げブラケット10が拘束される壁に固定された支持要素50を共通バー70とすることができる。既知の吊り下げ用ブラケットと同様に、本発明の目的である吊り下げ用ブラケット10においても、フック要素14は、相対的なプレート要素11に対して深さおよび高さを調整することができ、合いくぎ51によって壁に固定された上述のバー70と結合するための上部フック状部分15(フック)が設けられている。
【0019】
この深さ方向および高さ方向の調整を進めるために、水平方向および垂直方向の移動手段16、17、例えば角度戻り要素を備え得る2つの公知のねじ-ナット-ねじ機構、および外れ防止手段18などが設けられている。本発明による前記移動手段および外れ防止手段は、組み立て段階および吊り下げ用ブラケット10が取り付けられた時の双方で、使用者が家具Mの後部の裏張りFに形成された一対の孔21、21’から容易に接近可能である。
【0020】
プレート要素11は、その上部に、プレート要素11自体を壁戸棚M(裏張りFおよび天板C)にねじ結合するための少なくとも一対の孔20、20’を備えていることにも留意されたい。
【0021】
プレート11の傾斜側壁19には、固定ピン12、12’、12’’が挿入される壁戸棚Mの肩部Sとねじ結合するための少なくとも1つの貫通孔22が設けられている。
【0022】
本発明によると、プレート11は単一の成型シートから製造され、水平方向および垂直方向の移動および調整の手段16、17、ならびに外れ防止手段18のための固定構造を提供する。
【0023】
プレート11は、実際には、半打ち抜き工程によって製造された窓23を有し、その一端部から付属物24が延びており、該付属物24は箱折りされている。前記付属物24は、プレート11に平行な一つの側部に、凹状ヘッド27を備えた調整ねじ26またはグラブねじを受容するのに適したねじ孔25を有している。凹状ヘッド27は、フック要素14の箱状体に設けられた溝28に挿入される。
【0024】
フック要素14は、フック状部分15とは反対側の端部に、プレート11に対し一体的にかつ連結式につなげるプレートレット30のピン端部31を受容するのに適したスロット29を有することを指摘すべきである。
【0025】
プレート11はまた、窓23の下に半打ち抜きによって得られた2つの追加の付属物32および33を有する。2つの追加の付属物32および33は、プレート11の表面に対して直角に折り曲げられている。第1の追加の付属物32は、丸められて外側に向かって開放している凹部34を有する。他方、第2の追加の付属物33は、貫通孔35を有する。
【0026】
ねじ36は、一方の端部に歯付きクラウン37と細い円柱状部分38とが設けられており、2つの追加の付属物32と33の間に配置される。歯付きクラウン37の下のねじ36は、外側に突出するフランジまたはカラー39を有し、該カラー39は第1の追加の付属物32の丸められた外側に向かって開放している凹部34に係合する。さらに、ねじ36の細い円柱状部分38は第2の付属物33の貫通孔35に係合する。したがって、ねじ36は、歯付きクラウン37によって駆動されると自由に回転する。
【0027】
ねじ36の中間部分は、プレートレット30のねじ付き貫通孔40内にねじ込まれ、該プレートレット30はフック要素14を一体的にかつ連結式につなげて担持していることに留意されたい。
【0028】
最後に、調整ねじ26は、凹状ヘッド27とは反対側の端部に、スクリュードライバ42の先端部用の成形座部41を備えていることもまた指摘されるべきである。
【0029】
また、プレート11の窓23はスロット49内に延び、該スロット49から外れ防止手段18を作動させることができることにも留意されたい。さらに、窓23の下のプレート11は、家具Mの裏張りFに形成された孔21と位置整合する一対の貫通孔43および44を有する。
【0030】
孔21に挿入され、その直後にプレート11の孔43に挿入されたスクリュードライバ42の先端部を使用してネジ26を回転させると、矢印Kに従って吊り下げ用ブラケットの深さが調整される。
【0031】
スクリュードライバ42の先端部は、孔21に挿入された直後にプレートの孔44に挿入されると、ねじ36の歯付きクラウン37に係合する。前記ねじ36の回転は、フック要素14を一体的にかつ連結式につなげて支持するプレート30を強制的に上方に移動させ、矢印Hに従って壁戸棚の高さを調整する。
【0032】
最後に、スクリュードライバ42の先端部が、孔21’に挿入され、その直後にプレート11の窓23のスロット49に至ると、バー50のアンダーカット53にグラブねじ52を係合させて外れ防止群を形成する。
【0033】
本発明では、移動手段16、17および水平方向および垂直方向の吊り下げ用ブラケットの調整は、基本的にプレート11の付属物24の内側に含まれることに留意されたい。プレート11の窓23の半打ち抜き工程によって得られたこの付属物24は、(図に見られるように)プレートの前部に直角に折り曲げられており、前記調整または移動手段16、17の少なくとも一部の格納ケーシングを形成する。前記ケーシングは、材料を追加することなく製造され、単に付属物24をプレート11上で閉じられるように「C」の形(コの字形)に折り曲げることによって製造される。
【0034】
本発明による群は、要素24がプレート要素11に設けられていることを特徴とし、該要素24は深さ調整のためのグラブねじ26用のねじ孔25と、スクリュードライバ用のガイド47と、同じく前記要素24に設けられている同スクリュードライバ42の先端部のための止め具48を有している。
【0035】
外れ防止用グラブねじ52は、本発明の吊り下げ用ブラケット群のさらなる特徴である単純な構成を提供し、吊り下げ用ブラケット群を完璧かつ機能的にする。
【0036】
図7から
図10は、
図1のフック要素と同様のフック要素を備えた第2の実施形態における吊り下げ用ブラケットのプレートの正面図、断面図、分解斜視図である。この実施形態では、同じ要素は同じ参照番号で示されている。
【0037】
図7から
図10において、それ自体の上で折り曲げられて
図1から
図6の付属物24を形成するシートの代替として、この例はプレート11のシートが、深さを調整するためのグラブねじ26用のねじ孔58を有するザマ(zama)からなる要素57を保持する深絞りシート55をいかに有しているかを示していることのみが指摘されるべきである。組み立て方向は矢印54にしたがっており、この場合、スクリュードライバのためのガイド47(両側に47’にも)は、同スクリュードライバの先端部のための止め具48と共に提供される。また、ザマ(zama)からなる要素57には、プレート11の孔60に挿入されるようになっており、かつ、後方からプレート11のシートにいったん挿入されるとリベット留めされるピン59が設けられていることにも留意されたい。
【0038】
この場合も、深さを調整するためのグラブねじ26用のねじ孔58を有する要素57がプレート要素11内に設けられていることを特徴としており、スクリュードライバのためのガイド47も、同スクリュードライバ42の先端部のための止め具48と共に、要素57内に設けられている。
【0039】
最後に、
図11から
図14は第3の実施形態を示し、同じ要素に対して同じ参照番号を有する。この例では、プレート11のシートは、深さを調整するためのグラブねじ26用のねじ孔58’と、スクリュードライバ42用のガイド67(両側に67’にも)と、スクリュードライバ42の先端部用の止め具68を有するザマ(zama)の要素57’を受けるようになっている。前記要素57’はリベット留めされ、プレート11のシートに前方から挿入されるフラップ69を備えている。
【0040】
一実施形態では、本発明の吊り下げ用ブラケット群は、本体(半打ち抜きの付属物24)またはプレート11のシートがそれ自体の上に折り曲げられ、グラブねじ26または深さ調整用ねじを受けるねじ孔25のための座部を形成することを特徴とすることに留意されたい。この操作により、中央端部のUボルト折り曲げ部47もまた画定され、これもやはり半打ち抜きにされており、ドライバー42の先端部のためのガイドとして作用する。同時に、突合せまたは止め具48も形成され、前のUボルトの折り曲げ部47の場合のように、加工および追加の部品なしで半打ち抜き加工によってもたらされる。
【0041】
高さ調整をもたらすスクリュードライバの先端部とねじ36の歯付きクラウン37との間の運動伝達を可能にするために、ガイド溝47および止め具48の存在のおかげで、スクリュードライバ42の先端部を非常に正確な位置(
図1)に配置することが不可欠である。
【0042】
スクリュードライバ42の先端部は、プレート11に形成された孔44、Uボルト47、および先端部42の止め具または突合せ48によるガイドに保持されている。
【0043】
高さ調整のためのスクリュードライバ42の先端部のアクセスは、さらに、吊り下げ用ブラケット10の反対側からも提供することができ、したがって開口部44’を通して家具Mの裏張りFの後ろ側からも提供することができる。
【0044】
図面を参照して上述したことから、本発明による隠蔽された吊り下げ用ブラケットが特に有用かつ有利であることは明らかである。したがって、説明の前文で述べた目的は達成された。
【0045】
本発明による壁戸棚の壁組立用の隠蔽された調整可能な吊り下げ用ブラケットは、実際に、上部パネルと下部パネルが同一平面に整合しているか、上部パネルと側面パネルが同一平面に整合しているかにかかわらず、あらゆるタイプの壁戸棚への簡単で安定した組み立てが保証される。
【0046】
本発明による壁戸棚の壁組立用の隠蔽された調整可能な吊り下げ用ブラケットの形態および材料は、図面において単に非限定的な例示目的のために示されたものと当然異なることがあり得る。
【0047】
したがって、本発明の保護範囲は添付の特許請求の範囲によって定義される。