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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】電子ベイピング装置用の電気コネクター
(51)【国際特許分類】
   A24F 40/40 20200101AFI20220328BHJP
【FI】
A24F40/40
【請求項の数】 20
(21)【出願番号】P 2019520539
(86)(22)【出願日】2017-10-31
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2019-11-21
(86)【国際出願番号】 EP2017077915
(87)【国際公開番号】W WO2018078183
(87)【国際公開日】2018-05-03
【審査請求日】2020-10-20
(31)【優先権主張番号】15/339,018
(32)【優先日】2016-10-31
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】デンディ チャールズ
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン ジェフリー ブランドン
(72)【発明者】
【氏名】スミス バリー エス
【審査官】石黒 雄一
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0296889(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2016/0242468(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0272221(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261489(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2014/0261493(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0327597(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A24F 40/00-47/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項2】
前記オスコネクターが前記メスコネクターと係合している時、前記オス陽極部分および前記メス陽極部分が前記電子ベイピング装置の陽極を形成し、前記オス陰極部分および前記メス陰極部分が前記電子ベイピング装置の陰極を形成する、請求項1に記載の電子ベイピング装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の電子ベイピング装置であって、前記オスコネクターが、
前記オスコネクターの端部領域のネックと、
前記ネック内の開口部であって、前記開口部が、前記メスコネクター内部の圧力を解放するように構成されている開口部とをさらに備える、電子ベイピング装置。
【請求項4】
前記オスコネクターが、前記オスコネクターの中心軸から約30度~60度の角度が付けられた少なくとも一つの空気吸込み口通路をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項5】
前記少なくとも一つの空気吸込み口通路が、前記オスコネクターの中心軸から約45度の角度が付けられた、請求項4のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項6】
前記オスコネクターが内側円筒面を画定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項7】
前記メス陽極部分および前記メス陰極部分が相互に実質的に同軸である、請求項6に記載の電子ベイピング装置。
【請求項8】
前記メス陰極部分が前記メス陽極部分に包含されている、請求項7に記載の電子ベイピング装置。
【請求項9】
前記メス陽極部分が前記メス陰極部分に包含されている、請求項7に記載の電子ベイピング装置。
【請求項10】
前記メス陽極部分または前記メス陰極部分のうち一つが内側円筒面によって包含されている、請求項6に記載の電子ベイピング装置。
【請求項11】
前記第一のセクションが気化器組立品であり、前記第二のセクションが電池組立品である、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項12】
前記第一のセクションが電池組立品であり、前記第二のセクションが気化器組立品である、請求項1~10のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置であって、
前記メス陽極または前記メス陰極のうち一つを少なくとも部分的に囲むメス絶縁部材であって、前記メス絶縁部材が弾性材料から成り、前記内部窪み内に突出しているものと、
前記オス陽極または前記オス陰極のうちの一つを少なくとも部分的に囲むオス絶縁部材であって、前記オス絶縁部材が弾性材料から成るものとをさらに備える、電子ベイピング装置。
【請求項14】
前記メス絶縁部材が前記メス陽極を前記メス陰極から絶縁する、請求項13に記載の電子ベイピング装置。
【請求項15】
前記オス絶縁部材が前記オス陽極を前記オス陰極から絶縁する、請求項13に記載の電子ベイピング装置。
【請求項16】
前記少なくとも一つのフランジが、複数の実質的に平面の割線面をさらに含み、前記割線面が前記オスコネクターの軸に平行な平面を有する、請求項1~15のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項17】
前記メスコネクターが複数の割線フランジをさらに含む、請求項1~16のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【請求項18】
前記オスコネクターが、複数の実質的に平面の割線面をさらに含み、前記割線面が前記オスコネクターの軸に平行な平面を有する、請求項17に記載の電子ベイピング装置。
【請求項19】
前記少なくとも一つのフランジが、前記内部窪み表面の少なくとも一部分のプロファイルと実質的に対応するプロファイルを備える、請求項18に記載の電子ベイピング装置。
【請求項20】
前記少なくとも一つのフランジが、前記内部窪み表面の少なくとも一部分のプロファイルと実質的に対応するプロファイルを備える、請求項1~19のいずれか一項に記載の電子ベイピング装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、電子ベイピング装置用の電気コネクターに関する。
【背景技術】
【0002】
電子ベイピング装置(eベイピング装置)は、プレベイパー製剤を蒸発させて、eベイピング装置の出口を通して引き出されるベイパー(蒸気)または分散体を生成するヒーター要素を含む。電子ベイパー装置は、eベイパー装置またはeベイピング装置と呼ばれる場合がある。eベイピング装置は、eベイピング装置内に配置された電池などの電源を含む。電池はヒーターに電気的に接続され、これによってヒーターはプレベイパー製剤をベイパーに変えるのに十分な温度まで加熱する。ベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウス端ピースを通って、eベイピング装置から出る。
【0003】
本セクションは、本開示の概要を提供するものであり、その全範囲またはその全機能の包括的な開示ではない。
【発明の概要】
【0004】
少なくとも一つの例示的な実施形態は、eベイピング装置に関する。
【0005】
一部の例示的な実施形態は、気化器組立品と、気化器組立品に電力を供給するように構成された電源と、気化器組立品または電源に接続されたオスコネクターと、気化器組立品または電源に接続されたメスコネクターとを含む。
【0006】
オスコネクターの例示的な実施形態には、内部円筒状表面を画定する第一のオス電極と、第一のオス電極に包含される第二のオス電極と、オスコネクターの近位端領域にある少なくとも一つのフランジとが含まれる。フランジの少なくとも一部分は、実質的に平面の割線面である。
【0007】
メスコネクターの例示的な実施形態には、窪みを画定する第一のメス電極と、第一のメス電極に包含される第二のメス電極とが含まれる。少なくとも一つの割線フランジは、窪み内の第一のメス電極に接続されている。フランジを受ける少なくとも一つのチャネルは、メス電極の外部表面にある。
【0008】
本明細書で提供される説明から、適用可能なさらなる分野が明らかになるであろう。この要約での説明および具体的な実施例は、例証することのみが意図されており、本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【0009】
本明細書で説明される図面は、選択された実施形態を例証する目的のみで提供されており、すべての考えられる実施を例証するものではなく、また本開示の範囲を制限することは意図されていない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1A図1Aは、電子ベイピング装置の第一の例示的な実施形態を図示する。
図1B図1Bは、電子ベイピング装置のさらなる例示的な実施形態を図示する。
図2図2は、図1Aおよび図1Bに示す電子ベイピング装置のコネクターの例示的な実施形態を図示する。
図3A図3Aは、図1Aに示す第一の例示的な実施形態による電池組立品の断面図を示す。
図3B図3Bは、図3Aの電池組立品の分解斜視図を示す。
図4A図4Aは、図1Bに示すさらなる例示的な実施形態による電池組立品の断面図を示す。
図4B図4Bは、図4Aの電池組立品の分解斜視図を示す。
図5A図5Aは、図1Aに示す第一の例示的な実施形態による気化器組立品の断面図を示す。
図5B図5Bは、図5Aの電池組立品の分解斜視図を示す。
図6図6は、図2に示すコネクターの分解図を示す。
図7A図7Aは、メスコネクター部分の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図7B図7Bは、図7Aに示すメスコネクター部分の平面図を示す。
図7C図7Cは、図7Aに示すメスコネクターの右側面図を示す。
図7D図7Dは、線7D~7Dに沿って切り取られた図7Aに示すメスコネクター部分の断面図を示す。
図7E図7Eは、図7Aに示す実施形態の正面図を示す。
図7F図7Fは、線7F~7Fに沿って切り取られた図7Aに示す実施形態の断面図を示す。
図8A図8Aは、オスコネクター部分の例示的な実施形態の斜視図を示す。
図8B図8Bは、図8Aに示すオスコネクターの断面図を示す。
図8C図8Cは、図8Aに示すオスコネクターの正面図を示す。
図8D図8Dは、図8Aに示すオスコネクターの右側面図を示す。
図8E図8Eは、線8E~8Eに沿って切り取られた図8Bに示すオスコネクターの断面図を示す。
図9図9は、メスコネクターがオスコネクターと嵌合された例示的な実施形態を示す。
図10図10は、メスコネクターがオスコネクターと嵌合された図9の例示的な実施形態の断面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0011】
対応する参照符号は、図面の幾つかの図の全体にわたって対応する部品を示す。
【0012】
ここで、例示的な実施形態は、添付図面を参照しながら、より完全に詳細に説明される。
【0013】
例示的な実施形態は、本開示が徹底していて、かつその範囲を当業者に完全に伝えるように提供される。本開示の実施形態の徹底的な理解のために、具体的な品目、装置、および方法の実施例などの多数の具体的な詳細が規定されている。特定の詳細を採用する必要はないこと、例示的な実施形態は数多くの異なる形態で具体化されてもよいこと、およびこれらのことのどちらも本開示の範囲を制限すると解釈されないことが当業者に明らかとなる。一部の例示的な実施形態において、周知のプロセス、周知の装置構造、および周知の技術が詳細に説明されていない。
【0014】
本明細書で使用される用語は、特定の例示的な実施形態のみを説明するためのものであり、制限することは意図されていない。単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は本明細書で使用される場合、複数形も含むことが意図されうるが、文脈によって明らかにそうではないことが示される場合はその限りではない。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は包括的であり、そのため、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素または品目の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、品目、またはこれらの群の存在または追加を除外しない。本明細書で説明される方法の工程、プロセス、および動作は、実行の順序として明確に特定されない限り、述べられたまたは例証されたその特定の順序での実行を必ず必要とするとは解釈されない。追加的または代替的工程を採用してもよいことも理解される。
【0015】
要素もしくは層が、別の要素もしくは層「の上にある(on)」、「に係合される(engaged to)」、「に接続される(connected to)」、または「に連結される(coupled to)」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に係合されてもよく、それに直接的に接続されてもよく、またはそれに直接的に連結されてもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、一つの要素が別の要素もしくは層「の上に直接的にある」、「に直接的に係合される」、「に直接的に接続される」、または「に直接的に連結される」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない場合がある。要素の間の関係を説明するために使用される他の語は、同様に解釈されるべきである(例えば、「の間に」に対して「の間に直接的に」、「隣接した」に対して「直接的に隣接して」等々)。
【0016】
第一の、第二の、第三の、等々の用語は、様々な要素、品目、領域、層、およびセクションを説明するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、品目、領域、層、およびセクションはこれらの用語によって制限されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、品目、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用されてもよい。「第一の」、「第二の」、およびその他の数に関する用語などの用語は、本明細書で使用される時、その文脈によって明確に示されていない限り、配列または順序を暗示しない。従って、以下で説明される第一の要素、品目、領域、層、またはセクションは、例示的な実施形態の教示から逸脱することなく、第二の要素、品目、領域、層、またはセクションと呼ぶこともできる。
【0017】
空間的関係の用語(例えば、「内側」、「外側」、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するものなど)は、図中で図示する際に、別の要素または特徴に対する一つの要素または特徴の関係を説明しやすくするために本明細書で使用されてもよい。空間的関係の用語は、図に図示されている方向に加えて、使用時または動作時における装置の異なる方向を包含することが意図されている場合がある。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴の「下方に」または「下に」と説明されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」方向付けられることになる。従って、例示的な用語「下方に」は上方および下方の両方の方向を包含しうる。装置は、別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きが決められる場合があり、本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0018】
プレベイパー製剤は、ベイパーへと変わる材料または材料の組み合わせである。例えば、プレベイパー製剤は、水、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、天然風味または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体を含むが、これらに限定されない、液体製剤、固体製剤、またはゲル製剤であってもよい。米国特許出願第14/602,099号(公開番号2015/0313275)、米国特許出願第14/333,212号(公開番号第2015/0020823号)および米国特許出願第13/756,127号(公開番号2013/0192623)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれ、製剤混合物の例を開示している。
【0019】
プレベイパー製剤は、ニコチンを含んでもよく、またはニコチンを含まなくてもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味を含んでもよい。プレベイパー製剤は、一つ以上のたばこ風味とは別の一つ以上の風味を含んでもよい。
【0020】
一部の例示的な実施形態において、ニコチンを含むプレベイパー製剤はまた、一つ以上の酸も含んでもよい。一つ以上の酸は、ピルビン酸、ギ酸、シュウ酸、グリコール酸、酢酸、イソ吉草酸、吉草酸、プロピオン酸、オクタン酸、乳酸、レブリン酸、ソルビン酸、リンゴ酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、安息香酸、オレイン酸、アコニット酸、酪酸、ケイ皮酸、デカン酸、3,7-ジメチル-6-オクテン酸、1-グルタミン酸、ヘプタン酸、ヘキサン酸、3-ヘキサン酸、トランス-2-ヘキサン酸、イソ酪酸、ラウリン酸、2-メチル酪酸、2-メチル吉草酸、ミリスチン酸、ノナン酸、パルミチン酸、4-ペンテン酸、フェニル酢酸、3-フェニルプロピオン酸、塩酸、リン酸、硫酸およびこれらの組み合わせのうちの一つ以上であってもよい。
【0021】
図1Aおよび1Bは、eベイピング装置2および22のそれぞれの例示的な実施形態を図示する。
【0022】
図1Aに示す通り、eベイピング装置2の例示的な実施形態は、気化器組立品4と、電池組立品6と、気化器組立品4を電池組立品6に接合するコネクター8とを含んでもよい。図1Bに示されているさらなる例示的な実施形態22は、気化器組立品24と、電池組立品26と、気化器組立品24を電池組立品26に接合するコネクター8とを含んでもよい。気化器組立品4および24は、プレベイパー製剤を加熱してベイパーまたは分散体を生成する構造的特徴を含む。こうした構造的特徴を以下に詳細に説明する。
【0023】
電池組立品6および26は、気化器組立品4および24にそれぞれ電力を供給する。電子ベイピング装置2および22の電池組立品6および26はそれぞれ、再使用可能な器具であってもよい。電子ベイピング装置2および22の気化器組立品4および24はそれぞれ、交換可能な器具であってもよい。気化器組立品4または24は同様に構築されている。従って、特定の例示的な実施形態を特に参照していない限り、気化器組立品4はこれ以降、例示的な気化器組立品と呼ぶが、当業者であれば、様々な気化器組立品のいずれもが適用可能であることを理解するであろう。
【0024】
図2に示す通り、下記でさらに詳細に説明されるコネクター8は、オス接続部分(例えば、オスコネクター102)、およびメス接続部分(例えば、メスコネクター104)を含みうる。オスコネクター102は、気化器組立品4および電池組立品6または26のうちの一つに固定されてもよい。メスコネクター104は、気化器組立品4または24および電池組立品6または26のうちの他方に固定されている。例えば、オスコネクター102が気化器組立品4または24に固定されている時、メスコネクター104は電池組立品6または26に固定されている(その逆も可)。コネクター102および104は、接着剤、プレスばめ、締まりばめ、または気化器組立品および電池組立品内にコネクター部分を固定する他の任意の固定手段を介して、組立品に固定されている。メスコネクター104は長軸方向にかつ回転するようにオスコネクター102を受けて、気化器組立品4または24および電池組立品6または26を電気的に連結する。オスコネクター102およびメスコネクター104は、下記でさらに詳細に説明される。
【0025】
図3A、3B、4Aおよび4Bは、コネクター8を用いることができる、図1Aおよび1Bに示すeベイピング装置2および22の電池組立品6および26のそれぞれの例示的な実施形態の図である。図3Aは、電池組立品6の例示的な実施形態の断面図であり、図3Bは、その分解図である。図4Aは、電池組立品26の例示的な実施形態の断面図であり、図4Bは、その分解図である。
【0026】
図1A、3Aおよび3Bを参照すると、電池組立品6は、とりわけ電池312および制御回路316を中に含むハウジングシェル310を含む。図1B、4Aおよび4Bを参照すると、電池組立品26は、とりわけ電池412および制御回路416を中に含むハウジングシェル410を含む。制御回路316および416のそれぞれは、プロセッサ、マイクロプロセッサ、コントローラ、特定用途向け集積回路(ASIC)、またはそのような他のハードウェアであってもよい。
【0027】
図3Aおよび3Bを参照すると、制御回路316は、eベイピング装置内の空気圧力降下を感知し、電池組立品6から気化器組立品4内のヒーターへの電圧の印加を開始するように動作可能な吸煙センサー(図示せず)に接続しうる。制御回路316は、圧力降下を検出する吸煙センサーに応答して、ヒーターへの電力供給を制御しうる。さらに、図4Aおよび4Bに関して、制御回路416は、eベイピング装置内の空気圧力降下を感知し、電池組立品26から気化器組立品24内のヒーターへの電圧の印加を開始するように動作可能な吸煙センサー(図示せず)に接続しうる。制御回路416は、圧力降下を検出する吸煙センサーに応答して、ヒーターへの電力供給を制御しうる。
【0028】
図4Aおよび4Bをさらに参照すると、電子ベイピング装置22の例示的な実施形態において、電池組立品26の端部430(メスコネクター104に隣接)は円筒形状を有し、これは対向する端部432(第二の電気接点422に隣接)で三角形の形状に移行する。例えば、対向する端部432はルーローの三角形と似た断面形状を有してもよい。ルーローの三角形は三つの円の交点から形成される形状であり、三つの円の各々はその中心を他の二つの円の境界の上に有する。電池組立品26はまた、傾斜した端面を(電池組立品26の長軸方向軸に対して)有してもよい。しかし、当然のことながら例示的な実施形態はその他の構成を有してもよく、上記の形態に限定されない。
【0029】
電池組立品26は、端部430(メスコネクター104に隣接)から対向する端部432(第二の接点422に隣接)へとサイズを増大しうる。端部430の直径および電池組立品26の全長は、それぞれ約9.50ミリメートルおよび100.9ミリメートルとしうるが、例示的な実施形態はそれに限定されない。
【0030】
ハウジングシェル310および410はプラスチックで形成されてもよく、また随意に金属(例えば、アルミニウム)被覆を含んでもよいが、その他の適切な材料が使用されてもよい。一部の例示的な実施形態において、例えば図4Aおよび4Bに示す通り、メス接続部分104は、ハウジングシェル410の端部430に配置され、一方で端部キャップ418、第一の接点420(例えば、プラスの接点)、および第二の接点422(例えば、共通の接点)は、ハウジングシェル410の対向する端部432に配置される。
【0031】
発光物品414(例えば、発光パイプ)が電池組立品26の端部432に配置されてもよい。発光物品414は、eベイピング装置の状態に基づいて成人ベイパー吸引者に見える光を発するように構成されてもよい。例示的な実施形態において、発光物品414は、ベイピング中の第一の色の光、電池412が下がった時の第二の色の光、電池412が充電された時の第三の色の光のうち一つ以上を発しうる。色付きの光の代わりに(またはこれに加えて)、発光物品414は、ステータスインジケーターとして、点滅する光、光のパターン、またはこれらの両方を発してもよい。
【0032】
図4Aおよび4Bをさらに参照すると、端キャップ418は半透明材料で形成されてもよく、またはそうでなければ発光物品414によって放射される光が見えるように構成されてもよい。第一の接点420および第二の接点422は、ニッケルシルバー被覆を用いてステンレス鋼で形成されうるが、例示的な実施形態はそれに限定されない。
【0033】
電池組立品6および26は、電池312および412に限定されず、他の任意の電源でもよい。電源は、リチウムイオン電池またはその変形物のうちの一つ、例えばリチウムイオンポリマー電池であってもよい。別の方法として、電源は、ニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池、リチウムマンガン電池、リチウムコバルト電池、または燃料電池であってもよい。eベイピング装置は、電源のエネルギーが枯渇されるまで、またはリチウムポリマー電池の場合には、最小の電圧カットオフレベルが達成されるまで、成人ベイパー吸引者によって動作可能であってもよい。
【0034】
少なくとも一つの例示的な実施形態において、電源は再充電可能であってもよく、外部充電装置(表示せず)によって電源が充電されることを可能にするように構成された回路を含んでもよい。eベイピング装置を再充電するために、ユニバーサルシリアルバス(USB)充電器または他の適切な充電器組立品が使用されてもよい。
【0035】
図5Aは、eベイピング装置2の気化器組立品4の例示的な実施形態の断面図であり、図5Bはその分解図である。電池組立品と同様に、異なる気化器組立品を本コネクター8と併用することができる。説明の目的で、本開示は気化器組立品4のみに言及する。しかし、当業者であれば、様々な気化器組立品のいずれもが適用可能であることを理解するであろう。
【0036】
図5Aを参照すると、気化器組立品4は、端部領域504と、対向する端部領域506とを有するハウジング502を含む。ハウジング502は、金属(例えば、ステンレス鋼)で形成されてもよいが、他の適切な材料が使用されてもよい。口側端部分508(例えば、端部キャップ、端部領域、マウスピースなど)およびシールリング510は、ハウジング502の端部領域504に配置されていて、一方でコネクター8のオスコネクター102(例えば、気化器コネクター)は、ハウジング502の対向する端部領域506に配置されている。
【0037】
ハウジング502は、金属(例えば、ステンレス鋼)で形成されてもよいが、他の適切な材料が使用されてもよい。
【0038】
気化器組立品4は、気化器組立品4内に収容されたプレベイパー製剤を加熱して、口側端部分508内のマルチポートインサート512を通して引き出されることができるベイパーを発生する。米国特許出願番号 第13/741,254号(公開番号2013/0192619号)は、その全体が参照により本明細書に組み込まれていて、分散型マルチポートの口インサートの例を開示している。電池組立品6は気化器組立品4に電力を供給する。これに関して、および図10~13に関して下記にさらに詳細に説明する通り、気化器組立品4を電池組立品6に電気的に連結するように、オスコネクター102はメスコネクター104と係合する。
【0039】
気化器組立品4は、内側管514と、プレベイパー製剤を貯蔵または収容するためのプレベイパー製剤貯蔵部516と、気化器組立品入口518とを含む。内側管514は、ハウジング502内に、かつハウジング502と、概して同軸に位置付けられた通路を画定する。プレベイパー製剤貯蔵部516は、ハウジング502と内側管514の間の外側環状部に収容されてもよい。
【0040】
プレベイパー製剤貯蔵部516は、気化器組立品4の一部分の周りに巻かれたコットンガーゼまたは他の繊維質材料を含んでもよい。プレベイパー製剤貯蔵部516は、綿、ポリエチレン、ポリエステル、レーヨン、およびこれらの組み合わせのうちの少なくとも一つをさらに含む繊維質材料であってもよい。繊維は、約6マイクロメートル~約15マイクロメートル(例えば、約8マイクロメートル~約12マイクロメートル、または約9マイクロメートル~約11マイクロメートル)のサイズの範囲である直径を有してもよい。貯蔵媒体は、焼結材料、多孔性材料、または発泡性材料であってもよい。また、繊維は吸入できないようにサイズが決められてもよく、またY字形状、十字形状、クローバー形状、または任意の他の適切な形状の断面を有してもよい。一部の例示的な実施形態において、プレベイパー製剤貯蔵部516は、いかなる貯蔵媒体も収容せず、かつプレベイパー製剤のみを収容する、充填されたタンクを含んでもよい。
【0041】
口側端部分508は、オスコネクター部分102の(オス陽極602に延びる)内側管514と流体連通している出口を含む。下記でさらに詳細に説明するオス陽極602は、一方の端部で内側管514と流体連通していて、対向する端部で空気吸込み口と流体連通している貫通孔604を含みうる。空気吸込み口については、下記でさらに詳細に説明する。
【0042】
一部の例示的な実施形態において、気化器組立品4は、発熱体520と、芯522と、発熱体520を電源に電気的に連結するために提供されている電極リード線524aおよび524bとをさらに含んでもよい。
【0043】
図6は、取り付けられた気化器組立品または電池組立品なしで図示されたコネクター8の分解図である。コネクター8は、オスコネクター102、オス陽極602、オス絶縁部材606、メスコネクター104、メス絶縁部材608、メス陽極610を含む。
【0044】
図6をさらに参照すると、メス陽極610(例えば、電池陽極)およびメス絶縁部材608(例えば、ガスケットリング)は、メスコネクター104内に配置されうる。メス絶縁部材608は環状構造であってもよく、これを通して延びるメス陽極610を有する。例えば、メス陽極610はメスコネクター104の中に同心で配置されてもよく、一方でメス絶縁部材608を介して、これから電気的に絶縁されていてもよい。
【0045】
オス陽極602およびオス絶縁部材606(例えば、ガスケットリング)は、オスコネクター102の中に配置されてもよい。オス絶縁部材606は環状構造であってもよく、これを通して延びるオス陽極602を有する。例えば、オス陽極602はオスコネクター102の中に同心で配置されてもよく、一方でオス絶縁部材606を介して、これから電気的に絶縁されてもよい。オス絶縁部材606は、シリコーンで形成されてもよい。
【0046】
ここで図7A~7Fを参照すると、図7Aは、図1Aの電池組立品のメスコネクター104の斜視図である。図7Bは、メスコネクター104の上面図を示す。メスコネクター104は、メスコネクター外側本体702を含みうる。メスコネクター外側本体702は、陰極の一部であってもよい。例えば、電池組立品が気化器組立品内のヒーターに電力を供給するために、気化器組立品(上述)内の電極524aおよび524bは、陰極および陽極を介して電池組立品の電源に接続されうる。そのため、ヒーターと電源の間の回路を完成するために、メスコネクター外側本体702(例えば、陰極の二つの部分のうちの一つ)は、オスコネクターの対応する陰極部分(例えば、陰極の二つの部分のうちの一つ)と接続し、またメスコネクターの陽極(例えば、陽極の二つの部分のうちの一つ)は、オスコネクターの対応する陰極部分(例えば、陽極の二つの部分のうちの第二の部分)と接続する。
【0047】
図7A~7Bを参照すると、メスコネクター104は、概して円筒状の構造であってもよい。メスコネクター104は、本体702、内部窪み706、割線フランジ708、外表面408、近位端領域712、遠位端領域714、および少なくとも一つのフランジ受けスロット716を含みうる。
【0048】
メスコネクター外側本体702は、モノリシック構造であってもよい。メスコネクター外側本体702は、導電性材料で形成されうる。例えば、メスコネクター外側本体702は、黄銅H59GB/37800 ASTMまたはニッケル(1~2マイクロメートル)と銀(0.08~0.20マイクロメートル)で被覆された黄銅の単一片で形成されうる。こうした非限定的な実施形態において、黄銅はニッケル銀被覆を随意に含みうる。一つの例において、ニッケル銀被覆は、ニッケルのベースめっき(例えば、約1~2マイクロメートル)、および銀のトップめっき(例えば、約0.08~0.2マイクロメートル)を含みうる。メス絶縁部材608は、シリコーン、ゴム、ガラス繊維または他の任意の絶縁材料で形成されうる。
【0049】
実質的に円形のリッジ718は、遠位端領域714にあり、本体702の外表面710に取り付けられている。リッジ718は、本体702の外表面710よりも大きい外周を有する。図7C~7Fを参照しながら下記でさらに詳細に説明するフランジ受けスロット716を除き、本体702の外表面710は実質的に連続的である。
【0050】
内部窪み706は、オスコネクター102と係合するように構成されることができ、これは図8A~8Eに関して下記でさらに詳細に説明される。メスコネクターとオスコネクター部分との間の例示的な係合は、図9および10に関して下記でさらに詳細に説明される。
【0051】
図7Bに示す通り、内部窪み706は、実質的に円筒状であり、本体702と実質的に同軸でありうる内部窪み表面720によって画定されている。少なくとも一つの割線フランジ708は、内部窪み表面720上に位置付けられている。割線フランジ708は、メスコネクター104の遠位領域に、またはその近くに位置付けられたフランジであってもよい。
【0052】
図7A~7Fに示す通り、内部窪み表面720は実質的に円形である。割線フランジ708は、割線(例えば、実質的に円形の内部窪み表面720の二つの点と交差する実質的に真っすぐな線)を実質的に形成する。そのため、割線フランジ708は、内部窪み表面720と組み合わせて、オスコネクターの対応する形状のセクションと係合するためのキー溝を形成する。
【0053】
例えば、図7Bに示す通り、割線フランジ708での内部窪み706の断面は、対向する割線フランジによって切り取られた楕円または円である。一部の例示的な実施形態において、単一の割線フランジのみが存在する。他の例示的な実施形態において、複数の割線フランジが存在してもよい。二つのフランジが相互に平行である必要はない。内部窪み表面上の各々の割線フランジの位置は、対応する構成を有するオスコネクターが内部窪み706に入ることを可能にする。逆に、および下記でさらに詳細に説明する通り、図9および10に関して、オスコネクターの構成は、オスコネクターがキーとして機能して、メスコネクター104の内部窪み706にアクセスすることを可能にし、このメスコネクターはオスコネクターの構成に相当する構成(例えば、相互の構成)を有しうる。
【0054】
図7C~7Eを参照すると、フランジ受けスロット716は、メスコネクター104の外側から内部窪み706へのアクセスを提供する貫通孔である。しかしながら、フランジ受けスロット716は、上述のアクセスを提供する貫通孔である必要はない。フランジ受けスロット716は、メスコネクター104の本体702の近位端領域712と遠位端領域714の間にある。フランジ受けスロット716は、オスコネクターのフランジのためのリリーフ領域を提供するように意図されており、この領域は例えば、オスコネクターとメスコネクターが相互に接続されている時にオスコネクターのフランジが係合する領域である。このように、フランジ受けスロット716は窪みでありうるが、貫通孔よりもむしろ内部窪み表面720の閉じた部分であってもよい。
【0055】
図8A~8Fを参照すると、オスコネクター102は、端部領域802および対向する端部領域804を有しうる。オスコネクター102はまた、本体部分808、外側リッジ810、ネック812、フランジ814を含んでもよい。
【0056】
本体部分808は、ネック812に接続されうる外側リッジ810に接続されてもよい。また、ネック812はフランジ814に接続されてもよい。オスコネクター102は、黄銅、銅または任意のタイプの金属またはプラスチックで作製されうる。ネック812は細長くてもよく、リッジ810をフランジ814に接続してもよい。
【0057】
幾つかの例示的な実施形態において、オスコネクター102はモノリシック体であってもよい。他の例示的な実施形態において、オスコネクター102の部分の幾つか、またはオスコネクター102のそれぞれの部分は別個に製造されて、組み立てられ、コネクター全体を形成してもよい。オスコネクター102の部分が別個に製造されて、組み立てられる場合、オスコネクター102の部分は合わせて溶接されうる。
【0058】
上述の通り、例えばオスコネクター102とメスコネクター104同士をそれぞれ連結させている時に、気化器組立品4の一つ以上の要素を、電池組立品6内の一つ以上の電源に電気的に連結するために、メスコネクター104はメス陽極を含んでもよく、またオスコネクター102はオス陽極を含んでもよい。
【0059】
オスコネクター102は導電性材料で形成されうる。例えば、オスコネクター102は単一片の黄銅から形成されうる。こうした非限定的な例示的な実施形態において、黄銅はニッケル銀被覆を随意に含みうる。一つの例において、ニッケル銀被覆は、ニッケルのベースめっき(例えば、約1~2マイクロメートル)、および銀のトップめっき(例えば、約0.08~0.2マイクロメートル)を含みうる。さらに、オスコネクター102は陰極であってもよいが、例示的な実施形態はそれに限定されない。
【0060】
オスコネクター102は、外側リッジ810の下面がハウジング310または410の遠位端と接触するように、電池組立品6のハウジング310内に、または気化器組立品4のハウジング502内に位置するように構成されている。結果として、気化器組立品4が電池組立品6に接続されている時、例えばオスコネクター102の外側リッジ810の側縁部のみが見えるようになる。
【0061】
外側リッジ810は、オスコネクター102の近位領域802と対向する端部領域804との間のほぼ中間でありうる。外側リッジ810は、オスコネクター102の任意の部分の最大直径を有してもよい。
【0062】
図8Eを参照すると、内側円筒面824(図9)はオス陽極602のためのシートであり、例えばメス絶縁部材608とともに内側円筒面824は、メス陽極610をコネクター104内の所定位置に維持する。内側円筒面824は、外側リッジ810として端部領域802および対向する端部領域804から実質的に等距離である。内側円筒面824は、オスコネクター102の内部の周りの連続的なリングであってもよい。
【0063】
外側リッジ810の外表面816は、ハウジング310または410の外部表面と同一平面であってもよい。従って、ハウジング310または410の形状に応じて、外側リッジ810は円形、長方形、三角形などでありうる。幾つかの例示的な実施形態において、外側リッジ810は、ハウジング310または410と一致しない断面を有してもよい。例えば、ハウジング310または410は円形断面を有しうる一方、同一の電子ベイピング装置において、外側リッジ810は直線的な断面を有してもよい。
【0064】
外側リッジ810は、少なくとも一つの空気吸込み口818を含みうる。一つ以上の追加的な空気吸込み口は、外側リッジ810に含まれうる。一つ以上の追加的な空気吸込み口が出口リッジ810内にある場合、空気吸込み口は可能な限り大きい間隙を介していてもよい。例えば、二つの空気吸込み口が外側リッジ810内に存在する場合、空気吸込み口は180度離れていてもよい。同様に、3つの空気吸込み口が外側リッジ810内に存在する場合、空気吸込み口は互いに約120度離れて配置されうる。4つの空気吸込み口がリッジに存在する場合、入口は相互に90度離れている、などである。
【0065】
フランジ814は、オスコネクター102の対向する端部領域804上にあってもよい。フランジ814は、メスコネクター部分104の窪みと係合する楕円形または実質的に楕円形の断面を有しうる。メスコネクター104のオスコネクター102との係合については、図9および10に関して下記でさらに詳細に説明される。楕円形断面は、フランジ814内に存在している少なくとも一つの割線面820の結果である。図8では、二つの対向する割線面が示されている。しかしながら、より多いまたはより少ない割線面が可能である。割線面は、例えば完全に平面または部分的に平面であってもよい。平面の部分は、オスコネクター102またはメスコネクター104の軸に平行であってもよい。
【0066】
図8に示す通り、フランジ814は実質的に円形である。割線面820は割線を実質的に形成する(例えば、実質的に円形のフランジ814の二つの点と交差する実質的に真っすぐな線)。そのため、フランジ814と組み合わせた割線面820は、メスコネクター104内に、相当する形状(例えば、相互の形状)の内部窪み706と係合するためのキーを形成する。
【0067】
図8Cおよび8Dは、図8A~8Bに示すオスコネクター部分102をより詳細に図示し、図8Cはオスコネクター102の正面図を示し、図8Dはオスコネクター102の側面図を示す。図8Cおよび8Dに示す通り、ネック812は、オスコネクター102の最も狭い外側部分であってもよい。しかしながら、幾つかの例示的な実施形態において、ネック812の外側部分は本体部分808と同様に広くてもよい。ネック812は、複数の圧力リリーフ開口部830a、830b、および830cを含みうる。圧力リリーフ開口部830a、830b、および830cは、オスコネクター102がメスコネクター104に挿入された時に、空気が気化器組立品4を逃れることを可能にする。
【0068】
空気吸込み口818は、気化器組立品4の内側管514と流体連通している。空気吸込み口818は、管状であってもよく、例えば円形、正方形、三角形、多角形などの任意の形状断面を有してもよい。空気吸込み口818の各々は、気化器組立品4の中心軸806から約45度の角度が付けられてもよい。一つ以上の例示的な実施形態によると、各空気吸込み口818の角度は、中心軸806に対して約30度~約60度でありうる。複数の空気吸込み口が外側リッジ810内に提供されている場合、複数の空気吸込み口はすべて、互いに等しい角度で位置付けられてもよく、または様々な等しくない角度で位置付けられてもよい。この範囲内(例えば約30度~約60度)に位置付けられた空気吸込み口は、十分な(例えば、最適な)気流速度、乱流または気流速度と乱流の両方を気化器組立品4内に提供しうる。
【0069】
ここで、オスコネクター102およびメスコネクター部分104の例示的な実施形態の例示的な動作を、より詳細に説明する。
【0070】
図9は、メスコネクター104と結合したオスコネクター102を示す。図10は、メスコネクター104と結合したメスコネクター102の断面図を示す。
【0071】
図9および10を参照すると、オスコネクター102の遠位領域804をメスコネクター104の内部窪み706に挿入することによって、オスコネクター102はメスコネクター104と係合する。オスコネクター102は、フランジ814が受けスロット716と係合するまで、メスコネクター104の内部窪み706内で回転する。
【0072】
メスコネクター104とオスコネクター102の間の係合の結果、オスコネクター102はメスコネクター104と電気的に接触し、オス陽極602はメス陽極610と電気的に接触する。オス絶縁部材606は、オスコネクター102をオス陽極602から電気的に絶縁し、一方でメス絶縁部材608はメスコネクター104をメス陽極610から電気的に絶縁する。
【0073】
絶縁部材は、メスコネクター104およびオスコネクター102の相互の接続に対抗する力をそれぞれ提供することによって、対向する軸方向力を提供する。絶縁部材によって提供される対向する力は、コネクター102とコネクター104同士を係止し、コネクター102とコネクター104の間にシールを作り出すのを助ける。例えば、メス陽極610と環状リッジ722の間にあるメス絶縁部材608は、ゴム、プラスチック、または弾性ばねとして構成された非導電性金属などの弾性材料で作製されうる。
【0074】
図10を参照すると、オス絶縁部材606およびメス絶縁部材608は、それぞれオス絶縁部材リッジ1002およびメス絶縁部材リッジ1004を有し、またそれぞれオス絶縁部材ネック1006およびメス絶縁部材ネック1008を有する。対応して、オス陽極602およびメス陽極610は、それぞれオス陽極リッジ1010およびメス陽極リッジ1012を有し、またそれぞれオス陽極ネック1014およびメス陽極ネック1016を有する。
【0075】
絶縁部材ネック1006および1008は、陽極ネックと環状リッジ722と内側円筒面824との間の電気絶縁を提供する。オスコネクター102がメスコネクター104と嵌合されている時、例えばオスコネクター内での、陽極リッジ1010、絶縁部材リッジ1002および内部円筒面824のそれぞれの構成は、陽極リッジ1010と内部円筒面824の間に位置付けられている絶縁部材リッジ1002による弾力性を提供する。メス絶縁部材リッジ1004、環状リッジ722、メス陽極リッジ1012に関して同じ構成が存在する。
【0076】
このように、メス絶縁部材608によって、メス陽極610は内部窪み706内に、その動作位置よりも遠くに突き出す。メス陽極610がオス陽極602に接続されている時、メス陽極610はメス絶縁部材608に押し付けられ、これがメス絶縁部材608内に対向する力を作り出す。逆に、オス絶縁部材606は、内側円筒面824とオス陽極602の間に位置付けられている。オス絶縁部材606は、ゴム、プラスチック、または弾性ばねとして構成された非導電性金属などの弾性材料で作製されうる。そのため、オス陽極602がメス陽極610に接続されている時、オス陽極602はオス絶縁部材606に押し付けられ、これがオス絶縁部材606内に対向する力を作り出す。また、メスコネクター104およびオスコネクター102が適切に接続されている時、メス陽極610の遠位端領域にある突出部1050は、オス陽極602の貫通孔604内に延び、陽極間の適切な接続を確保する。
【0077】
eベイピング装置の例示的な実施形態の例示的な動作は、図5Aおよび5Bを参照して以下で説明される。
【0078】
陰圧が気化器組立品4の口側端部分508に適用される時、吸煙センサー(図示せず)は空気圧力降下を感知し、電力サイクルに従って制御回路316に発熱体520を起動させるように動作可能である。発熱体520は起動されると、発熱体520によって囲まれた芯522の一部分を約10秒間未満(例えば、約7秒間未満)加熱する。従って、電力サイクル(または最大ベイピング長さ)は、約2秒~約10秒(例えば、約3秒~約9秒、約4秒~約8秒、または約5秒~約7間)の時間範囲とすることができる。しかし、様々な電力サイクルが可能である。
【0079】
陰圧が口側端部分508に適用される時、空気は空気吸込み口818を通して電子ベイピング装置に入り、内側管514を介して口側端部分508に向かって引き出される。その後、発熱体520および芯522によって生成されたベイパーは空気と混合され、その結果得られたベイパーは口側端部分508を通して排出される。
【0080】
プレベイパー製剤はその後、芯522内の毛細管作用によって、プレベイパー製剤貯蔵部516から発熱体520の近くに移動される。少なくとも一つの実施形態において、芯522は、プレベイパー製剤貯蔵部516の反対側に延びる二つの端部を有し、その中に収容されたプレベイパー製剤と接触する。発熱体520が起動された時、芯522の中央部分内のプレベイパー製剤が発熱体520によって気化されてベイパーを形成するように、発熱体520は芯522の中央部分を少なくとも部分的に包囲する。
【0081】
コネクターの特定の項目は本明細書では陽極として開示されているが、これらの構造が別の方法として、陰極として構成されてもよいことが理解されるべきである。さらに、コネクターは、オスコネクター102が電池組立品6または26に固定され、その一方でメスコネクター104が気化器組立品4または24に固定されるように置き換えられうる。
【0082】
前述の実施形態の説明は、例証および説明の目的で提供されている。また前述の実施形態の説明は網羅的であること、または本開示を制限することを意図しない。特定の実施形態の個々の要素または特徴は概して、その特定の実施形態に限定されないが、適用可能な場合には、特に示されていない、または説明されていない場合であっても、互いに交換可能であり、また選択された実施形態で用いられてもよい。特定の実施形態の個々の要素または特徴はまた、多くの方法で変わりうる。こうした変形は、本開示を逸脱するものと見なされず、すべてのこうした変更は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
図1A
図1B
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図7E
図7F
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10