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特許7046959チエノピリミジン誘導体及び医薬におけるその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】チエノピリミジン誘導体及び医薬におけるその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 495/04 20060101AFI20220328BHJP
   C07D 519/00 20060101ALI20220328BHJP
   A61K 31/519 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 1/16 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 3/08 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 3/06 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20220328BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
C07D495/04 105Z
C07D519/00 CSP
A61K31/519
A61P1/16
A61P3/08
A61P3/06
A61P3/04
A61P35/00
A61P43/00 111
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2019538620
(86)(22)【出願日】2018-01-22
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2020-02-20
(86)【国際出願番号】 CN2018073581
(87)【国際公開番号】W WO2018133858
(87)【国際公開日】2018-07-26
【審査請求日】2021-01-06
(31)【優先権主張番号】201710052275.3
(32)【優先日】2017-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515014990
【氏名又は名称】サンシャイン・レイク・ファーマ・カンパニー・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】SUNSHINE LAKE PHARMA CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Northern Industrial Area,Songshan Lake,Dongguan,Guangdong 523000,China
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】特許業務法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】タン、ワンジュン
(72)【発明者】
【氏名】ヤン、シンイェ
(72)【発明者】
【氏名】グ、ツェン
(72)【発明者】
【氏名】リ、チェンル
(72)【発明者】
【氏名】ツァン、ゾンユアン
(72)【発明者】
【氏名】ワン、ジフ
(72)【発明者】
【氏名】ワン、シャオジュン
(72)【発明者】
【氏名】ツァン、インジュン
【審査官】三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】特表2014-533281(JP,A)
【文献】国際公開第2016/112305(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/007451(WO,A1)
【文献】国際公開第2016/096115(WO,A1)
【文献】Acta Poloniae Pharmaceutica,2013年,Vol.70(5),p.833-849
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 495/04
C07D 519/00
A61K 31/519
A61P 1/16
A61P 3/08
A61P 3/06
A61P 3/04
A61P 35/00
A61P 43/00
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)を有する化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容され得る塩:
【化1】
式中、
Hetは、3~10員のヘテロシクリル又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、3~10員のヘテロシクリル及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよく、
は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はC1-6ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NRであり、
及びRの各々は、独立に、H、D、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル又はC1-6ハロアルキルであり、
Lは、-O-、-O-メチレン-、-O-エチレン-、-S-又は-NH-であり、
は、C6-10アリール又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、C6-10アリール及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C1-6シアノアルキル又はC1-6ヒドロキシアルキルであり、
Wは、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルであり、ここで、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルは、N、O又はSから独立に選択される、0個、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的に不飽和の6~12員のシクリルであり、ここで、Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-NH-C(=NR)NR、-SOR、-SONR、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6ハロアルキル、C1-6シアノアルキル及びC1-6ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC3-8シクロアルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、3~10員のヘテロシクリルを形成し、ここで、3~10員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6ハロアルキル
で置換されていてもよい。
【請求項2】
Hetは、5~6員のヘテロシクリル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、5~6員のヘテロシクリル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
Hetは、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり、ここで、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル及びピラジニルの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい、請求項1~2の何れか1項に記載の化合物。
【請求項4】
は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又はC1-3ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NRであり、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル又はC3-6シクロアルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4~6員のヘテロシクリルを形成し、ここで、4~6員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3ハロアルキルで置換されていてもよく、
及びRの各々は、独立に、H、D、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル又はC1-3ハロアルキルである、請求項1~3の何れか1項に記載の化合物。
【請求項5】
は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルであり、
は、-OR又は-NRであり、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、式(i-a)から(i-k):
【化2】
によって表されるヘテロシクリル基から選択されるヘテロシクリルを形成し、
ここで、式(i-a)から(i-k)によって表されるヘテロシクリル基は、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルで置換されていてもよく、
及びRの各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、トリフルオロメチル又は2-フルオロエチルである、請求項1~4の何れか1項に記載の化合物。
【請求項6】
は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C1-3シアノアルキル又はC1-3ヒドロキシアルキルである、請求項1~5の何れか1項に記載の化合物。
【請求項7】
は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル又はピリダジニルであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル及びピリダジニルの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ
、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シアノメチル又はシアノエチルである、請求項1~6の何れか1項に記載の化合物。
【請求項8】
Wは、次の構造:
【化3】
のうち1つを有し、
、X及びXの各々は、独立に、結合、-CH-、-O-、-S-又は-NH-であり、
Yは、CH又はNであり、
r、s、t及びnの各々は、独立に、0、1、2又は3であり、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C1-3アルキルアミノ、C1-3ハロアルキル、C1-3シアノアルキル及びC1-3ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい、請求項1~7の何れか1項に記載の化合物。
【請求項9】
Wは、次の構造:
【化4】
のうち1つを有し、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチルアミノ、シアノメチル及びヒドロキシメチルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい、請求項1~8の何れか1項に記載の化合物。
【請求項10】
次の構造:
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
【化5-4】
【化5-5】
【化5-6】
のうち1つを有する請求項1~9の何れか1項に記載の化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、若しくは薬学的に許容され得る塩:
【請求項11】
請求項1~10の何れか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
【請求項12】
薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクル又はその組み合わせを更に含む、請求項11に記載の医薬組成物。
【請求項13】
前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減することにおける使用のための、請求項1~10の何れか1項に記載の化合物又は請求項11又は12に記載の医薬組成物。
【請求項14】
前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である、請求項13に記載の化合物又は医薬組成物。
【請求項15】
前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む、請求項13に記載の化合物又は医薬組成物。
【請求項16】
前記新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む、請求項14に記載の化合物又は医薬組成物。
【発明の詳細な説明】
【関連出願の相互参照】
【0001】
本出願は、参照によりその全体が本明細書に援用される、2017年1月22日に中華人民共和国国家知識産権局に出願された中国特許出願第201710052275.3号の優先権と利益を主張する。
【発明の分野】
【0002】
本発明は、酵素阻害活性を有するチエノピリミジン誘導体及びその医薬組成物に関し、本化合物及び組成物はアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を治療するための医薬の製造において使用され得る。
【発明の背景】
【0003】
アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)は、脂肪酸の合成プロセスの最初の工程における制限酵素であり、ATP及びMg2+の存在下でHCO -カルボキシ供与体によりアセチルCoAのカルボキシル化が起こり、ビオチン依存酵素であるマロニル補酵素Aを生成する。
【0004】
この酵素は、ヒト及び他の哺乳動物における特定の組織酵素に関係し、それは2つのサブタイプACC1及びACC2を有し、この2つのサブタイプ間には、組織分布及び機能において幾らかの違いがあり、ACC1は一般的に全ての組織において発現し、その発現量は脂質生成組織(例えば、肝臓及び脂肪組織)において最も高く、ACC2は骨格筋及び心臓において最も高い発現量、肝臓において少ない発現量を有する。長鎖脂肪酸の生合成はACC1によって触媒され、アセチルCoAはそれがカルボキシル化されてマロニル補酵素Aを生成しない場合はクレブス回路で代謝され、ミトコンドリアの細胞質表面上でのマロニル補酵素Aの産生はACC2によって触媒され、β酸化のために用いられる脂肪酸の量はカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ(CPT-1)を阻害することによって制御される。
【0005】
研究は、ACC阻害剤がACC1を阻害して脂肪酸の合成を低減させることができ、またACC2を阻害して肝臓における脂肪酸の酸化を促進し、次いでインビボにおける脂質の蓄積を低減させることができ、これは肥満、高血圧、糖尿病、腫瘍、脂質異常症及び高脂血症、並びに肝臓における脂質の蓄積、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)及び非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に起因する肝臓インスリン耐性によって誘発されるII型糖尿病に関連する疾患及び障害を効果的に治療できることが示されている。
【0006】
非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)は、肝臓における脂質の蓄積によって誘発される慢性進行性疾患であり、これは、肝硬変、肝不全及び肝細胞癌を引き起こしうる。例えば、年齢、肥満、ボディマス指数(BMI)、インスリン感受性、脂質異常症、高血圧及びの異常に活発な肝臓の機能に関連する酵素(例えば、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)及びアスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST))等の多くのNASHの誘導因子が存在する。罹患体がメタボリックシンドロームの症状(主に求心性肥満、高血圧、インスリン抵抗性、高トリグリセリド、及び低密度リポタンパク)を有することは、NASHの危険性と正の関係にあることが報告されている。肝臓のバイオプシーの結果は、50歳を超えた糖尿病又は肥満の罹患体の66%において、NASHは深刻な線維症を伴うことが示されている。米国においては約12%の人がこの疾患に深く影響を受けて、糖尿病においてはその比率が22%増加し、より重要なことには、約15~25%のNASHの罹患体は肝硬変を患うであろうし、これはウイルス性肝炎及びアルコール性肝炎に次ぐ肝臓がんのもう1つの原因である。肝硬変は、肝臓疾患による死の主な理由であり、それは肝代償不全及び毎年約4%の死亡率の直接的な原因となる。
【0007】
肥満、高血圧、糖尿病、脂質異常症のための他の代替治療法が依然として必要であるが、NASHについては、現在の治療法は限られている。
【発明の概要】
【0008】
本発明は、アセチルCoAカルボキシラーゼ(ACC)阻害剤としての化合物及び本化合物を含む医薬組成物に関する。本発明は、更に、ACC活性を阻害して障害及び疾患を治療するための医薬の製造における本化合物又はその組成物の使用に関する。本発明は、更に、本化合物の合成方法を記載する。本発明の化合物は、良好な生体活性及び薬物動態学的活性を示す。
【0009】
本明細書に使用するとき、ACCの阻害とは、ACC1の阻害のみ、ACC2の阻害のみ又はACC1及びACC2の同時阻害をいう。ACCサブタイプの何れか1つの阻害は、メタボリックシンドロームを伴う障害に有利な影響を与えるべきものである。最適化したACC阻害剤は、この酵素のイソ酵素の両方を阻害するべきものである。
【0010】
具体的には、
1つの側面において、本明細書には、式(I)
【化1】

(式中、
Hetは、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-NH-C(=NR)NR、3~10員のヘテロシクリル又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、3~10員のヘテロシクリル及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよく、
は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はC1-6ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NRであり、
及びRの各々は、独立に、H、D、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル又はC1-6ハロアルキルであり、
Lは、-O-、-O-メチレン-、-O-エチレン-、-S-又は-NH-であり、
は、C6-10アリール又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、C6-10アリール及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C1-6シアノアルキル又はC1-6ヒドロキシアルキルであり、
Wは、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルであり、ここで、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルは、N、O又はSから独立に選択される、0個、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的に不飽和の6~12員のシクリルであり、ここで、Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-NH-C(=NR)NR、-SOR、-SONR、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6ハロアルキル、C1-6シアノアルキル及びC1-6ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC3-8シクロアルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、3~10員のヘテロシクリルを形成し、ここで、3~10員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6ハロアルキルで置換されていてもよい)
を有する化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグが提供される。
【0011】
幾つかの実施形態において、Hetは、5~6員のヘテロシクリル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、5~6員のヘテロシクリル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい。
【0012】
幾つかの実施形態において、Hetは、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり、ここで、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル及びピラジニルの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい。
【0013】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又はC1-3ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NRであり、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル又はC3-6シクロアルキルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、4~6員のヘテロシクリルを形成し、ここで、4~6員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3ハロアルキルで置換されていてもよく、
及びRの各々は、独立に、H、D、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル又はC1-3ハロアルキルである。
【0014】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルであり、
は、-OR又は-NRであり、
ここで、R、R及びRの各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであるか、又はR及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、式(I-a)から(i-k):
【化2】

によって表されるヘテロシクリル基から選択されるヘテロシクリルを形成し、
ここで、式(i-a)から(i-k)によって表されるヘテロシクリル基は、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルで置換されていてもよく、
及びRの各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、トリフルオロメチル又は2-フルオロエチルである。
【0015】
幾つかの実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C1-3シアノアルキル又はC1-3ヒドロキシアルキルである。
【0016】
他の実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル又はピリダジニルであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル及びピリダジニルの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シアノメチル又はシアノエチルである。
【0017】
幾つかの実施形態において、Wは、次の構造:
【化3】

のうち1つを有し、
、X及びXの各々は、独立に、結合、-CH-、-O-、-S-又は-NH-であり、
Yは、CH又はNであり、
r、s、t及びnの各々は、独立に、0、1、2又は3であり、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C1-3アルキルアミノ、C1-3ハロアルキル、C1-3シアノアルキル及びC1-3ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい。
【0018】
他の実施形態において、Wは、次の構造:
【化4】

のうち1つを有し、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチルアミノ、シアノメチル及びヒドロキシメチルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい。
【0019】
1つの側面において、本明細書には、式(I)の化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグ、或いは薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクル又はその組み合わせを含む医薬組成物が提供される。
【0020】
1つの側面において、本明細書には、アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減するための医薬の製造における式(I)の化合物又はその医薬組成物の使用が提供される。
【0021】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である。
【0022】
他の実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む。
【0023】
他の実施形態において、本明細書に開示される新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む。
【0024】
1つの側面において、本明細書には、アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減することにおける使用のための式(I)の化合物又はその医薬組成物が提供される。
【0025】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である。
【0026】
他の実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む。
【0027】
他の実施形態において、本明細書に開示される新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む。
【0028】
1つの側面において、本明細書には、式(I)の化合物又はその医薬組成物の治療有効量を罹患体に投与することを含む、罹患体におけるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減する方法が提供される。
【0029】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である。
【0030】
他の実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む。
【0031】
他の実施形態において、本明細書に開示される新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む。
【0032】
他の側面において、本明細書には、式(I)の化合物を調製し、分離し、又は精製する方法が提供される。
【0033】
上記は、単に本明細書に開示された特定の側面を要約するものであり、当然限定されることを企図しない。これらの側面及び他の側面並びに実施形態は、以下に、より十分に記載される。
【発明を実施するための形態】
【0034】
発明の詳細な説明
定義及び一般的な用語
ここに、本発明のある実施形態を詳細に参照するが、その例は、付随する構造及び式に例解されている。本発明は、特許請求の範囲により規定される本発明の範囲内に含まれ得るすべての代替、修飾及び均等物をカバーすることを意図している。当業者は、本明細書に記載されたものと類似するか、又は等価の多くの方法及び物質を認識するであろうし、それらは、本発明の実施において使用することができるであろう。本発明は、本明細書に記載された方法及び物質に限定されるものではまったくない。組み込まれた文献、特許及び同様の資料の1つ以上が、限定されるものではないが、定義された用語、用語の使用、記載した技術等を含んで、本出願と異なるか、又は矛盾する場合、本出願が支配する。
【0035】
本明細書で用いるとき、別段指示しない限り、以下の定義が適用される。本発明に開示される目的のために、化学元素は、元素の周期表CAS版、及びHandbook of Chemistry and Physics, 75th Ed. 1994に従って特定される。さらに、有機化学の一般原理は、Sorrell et al.,「Organic Chemistry”, University Science Books, Sausalito: 1999、及びMichael B. Smith et al.,「March’s Advanced Organic Chemistry”, John Wiley & Sons, New York: 2007に記載されており、参照によりこれらの全内容を本明細書に援用する。
【0036】
用語「含む」は、開放式であることを意味しており、示された構成要素を含むが、他の要素を排除するのではない。
【0037】
本明細書に記載されるとき、本明細書に開示される化合物は、任意に1つ以上の置換基、例えば、一般的に以下に例示されるか、或いは本発明の特定のクラス、サブクラス及びスピーシーズによって例示されるもので置換されていてもよい。語句「任意に置換されていてもよい」は、語句「置換されているか、又は置換されていない」と互換可能に用いられることが理解されるであろう。一般に、用語「置換される」は、与えられた構造中の1つ以上の水素基を特定の置換基の基で置換することをいう。別段明記しない限り、任意に置換されていてもよい基は、基の各置換可能な位置に置換基を有していてもよい。与えられた構造中の2つ以上の位置が、特定の基から選択される2つ以上の置換基で置換され得る場合、置換基は、各位置で同じであるか、又は異なっている。本明細書に記載の置換基は、限定されるものではないが、H、F、Cl、Br、I、ニトロ、シアノ、オキソ(=O)、ヒドロキシ、アルキル、ヒドロキシアルキル、アルキルアミノ、アミノアルキル、ハロアルコキシ、シクロアルキル、アミノ、アリール、ヘテロシクリル、ヘテロアリール、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル-オキシ、アルコキシ、アルコキシアルキル、ハロアルキル、-COOH、-アルキレン-C(=O)O-アルキル、-アルキレン-S(=O)-アルキル、-アルキレン-S(=O)-アミノ、-S(=O)-アルキル、-S(=O)-アミノ、-S(=O)OH、-O-アルキレン-C(=O)O-アルキル、-O-アルキレン-S(=O)-アルキル、-O-アルキレン-S(=O)-アミノ、-O-アルキレン-S(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=O)NH-アルキル、-C(=O)N(アルキル)-アルキル、-C(=O)NHS(=O)-アルキル、-C(=O)NHS(=O)-アミノ、-C(=O)NHS(=O)OH、-N(ハロアルキル)-アルキル、-N(アルキル)-S(=O)-アルキル、-NHS(=O)-アルキル、-NHS(=O)-ハロアルキル、-N(アルキル)S(=O)-ハロアルキル、-N(アルキル)S(=O)-アルキルアミノ、-NHC(=O)-アルキル、-NHC(=O)-ハロアルキル、-N(アルキル)C(=O)-ハロアルキル、-N(アルキル)C(=O)-アルキルアミノ、-N(アルキル)C(=O)O-アルキル、-NHC(=O)O-アルキル、-NHC(=O)O-ハロアルキル、-N(アルキル)C(=O)O-ハロアルキル、-N(アルキル)C(=O)O-アミノアルキル、-NHC(=O)-NH、-NHC(=O)NH-(アルキル)、-NHC(=O)NH(ハロアルキル)、-NHC(=O)N(アルキル)-アルキル、-OC(=O)-アルキル、-OC(=O)-アミノ、-OC(=O)-アルキルアミノ、-OC(=O)-アミノアルキル、-OC(=O)-アルコキシ、-C(=O)N(アルキル)S(=O)-アルキル、-C(=O)N(アルキル)S(=O)-アミノ、-C(=O)NH-S(=O)OH、-C(=NH)NH、-C(=NH)NH-アルキル、-C(=NH)N(アルキル)-アルキル、-C(=N-アルキル)-NH、-C(=O)NH-アルキレン-S(=O)OH、-C(=O)NHC(=O)OH、-C(=O)NHC(=O)O-アルキル、-C(=O)N(アルキル)C(=O)O-アルキル、-C(=O)NH-アルキレン-C(=O)OH及び-C(=O)NH-アルキレン-C(=O)O-アルキル等であり得る。
【0038】
用語「アルキル」又は「アルキル基」は、1個から20個までの炭素原子、又は1~10個の炭素原子、又は1~6個の炭素原子、又は1~4個の炭素原子、又は1~3個の炭素原子、又は1~2個の炭素原子の飽和直鎖又は分枝鎖一価炭化水素基をいい、アルキル基は、任意に及び独立に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されていてもよい。アルキル基の非限定的な例は、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、n-プロピル(n-Pr、-CHCHCH)、イソプロピル(i-Pr、-CH(CH)、n-ブチル(n-Bu、-CHCHCHCH)、イソブチル(i-Bu、-CHCH(CH)、sec-ブチル(s-Bu、-CH(CH)CHCH)、tert-ブチル(t-Bu、-C(CH)、n-ペンチル(-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)2)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-l-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-l-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、n-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)2)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、n-ヘプチル及びn-オクチル等を更に含む。用語「アルキル」又は接頭語「アルカ-」は、直鎖及び分岐飽和炭素鎖の両方を含む。本明細書で用いられる用語「アルキリデン」又は「アルキレン」は、直鎖又は分枝鎖の飽和炭化水素から、2つの水素原子の除去によって誘導される飽和二価炭化水素基をいう。アルキレン基の例は、限定されるものではないが、メチレン、エチレン、イソプロピレン等を含む。
【0039】
用語「アルケニル」は、少なくとも1つの不飽和、即ち、炭素-炭素、sp二重結合を有する、2個から12個までの炭素原子、又は2個から8個までの炭素原子、又は2個から6個までの炭素原子、又は2個から4個までの炭素原子の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基をいい、ここで、アルケニル基は、独立に、無置換であるか、又は本明細書に開示された1つ以上の置換基で置換されていてもよく、「シス」及び「トランス」配置、或いは代わりに「E」及び「Z」配置を有する基を含む。アルケニル基の例は、限定されるものではないが、ビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)及びブテニル(-CHCHCH=CH)等を含む。
【0040】
用語「アルキニル」は、少なくとも1つの不飽和の部位、即ち、炭素-炭素、sp三重結合を有する、2個から12個炭素原子、又は2個から8個までの炭素原子、又は2個から6個までの炭素原子、又は2個から4個までの炭素原子の直鎖又は分岐鎖の一価炭化水素基をいい、ここで、アルキニル基は、独立に、無置換であるか、又は本明細書に開示された1つ以上の置換基で置換されていてもよい。アルキニル基の具体例は、限定されるものではないが、エチニル(-C≡CH)、プロパルギル(-CHC≡CH)を含む。
【0041】
用語「ヘテロ原子」は、酸素(O)、硫黄(S)、窒素(N)、リン(P)及びケイ素(Si)の1つ以上をいい、窒素(N)、硫黄(S)、又はリン(P)の何れかの酸化された形態;第一級、第二級、第三級又は第四級アンモニウム塩;或いはヘテロ環式環の置換可能な窒素、例えば、N(3,4-ジヒドロ-2H-ピロリル内のもの)、NH(ピロリジニル内のもの)又はNR(N-置換ピロリジニル内のもの);或いは-CH-から酸化された複素環の-C(=O)-を含む。
【0042】
用語「ハロゲン」は、F(フッ素)、Cl(塩素)、Br(臭素)、又はI(ヨウ素)をいう。
【0043】
用語「不飽和」は、1つ以上の不飽和の単位を有する基をいう。
【0044】
用語「アルコキシ」又は「アルキル-オキシ」は、本明細書で規定されるとおり、酸素原子を介して化合物の分子の他の基に結合しているアルキル基をいう。幾つかの実施形態において、アルコキシ基は、C1-4アルコキシである。アルコキシ基の非限定的な例は、メトキシ、エトキシ、プロポキシ及びブトキシ等を含む。アルコキシ基は、任意に及び独立に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0045】
用語「アルコキシアルキル」は、1つ以上のアルコキシ基で置換されたアルキル基をいい、ここで、アルコキシ及びアルキルは、本明細書に定義したとおりである。幾つかの実施形態において、アルコキシアルキルは、C1-6アルコキシ-C1-6-アルキルである。他の実施形態において、アルコキシアルキルは、C1-3アルコキシ-C1-3-アルキルである。「アルコキシアルキル」基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0046】
用語「ハロアルキル」、「ハロアルケニル」又は「ハロアルコキシ」は、場合により1つ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいアルキル、アルケニル又はアルコキシをいう。幾つかの実施形態において、ハロアルキルは、ハロC1-6アルキルである。他の実施形態において、ハロアルキルは、ハロC1-3アルキルである。幾つかの実施形態において、ハロアルキル-オキシ又はハロアルコキシは、ハロC1-6アルキル-オキシ又はハロC1-6アルコキシ。他の実施形態において、ハロアルキル-オキシ又はハロアルコキシは、ハロC1-3アルキル-オキシ又はハロC1-3アルコキシ。そのような基の幾つかの非限定的な例は、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、2-クロロ-ビニル、2,2-ジフルオロエチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ等を含む。また、任意に、ハロアルキル、ハロアルケニル又はハロアルコキシの各々は、任意に及び独立に、本明細書に記載の1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0047】
用語「ヒドロキシアルキル」は、1つ以上のヒドロキシ基で置換されたアルキル基をいう。幾つかの実施形態において、ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシC1-6アルキルである。他の実施形態において、ヒドロキシアルキルは、ヒドロキシC1-3アルキルである。幾つかの非限定的な例は、ヒドロキシメチル、2-ヒドロキシエチル、3-ヒドロキシプロピル等を含む。「ヒドロキシアルキル」基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0048】
用語「シアノアルキル」は、1つ以上のシアノ基で置換されたアルキル基をいう。幾つかの実施形態において、シアノアルキルは、シアノC1-6アルキルである。他の実施形態において、シアノアルキルは、シアノC1-3アルキルである。幾つかの非限定的な例は、シアノメチル、2-シアノエチル、3-シアノプロピル等を含む。「シアノアルキル」基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0049】
用語「アルキルアミノ」は、「N-アルキルアミノ」及び「N,N-ジアルキルアミノ」をいい、アミノ基は、独立に、1つのアルキル基又は2つのアルキル基でそれぞれ置換されている。幾つかの実施形態において、アルキルアミノは、C1-6アルキルアミノ基である。他の実施形態において、アルキルアミノは、C1-3アルキルアミノ基である。そのような基の幾つかの非限定的な例は、N-メチルアミノ、N-エチルアミノ、N,N-ジメチルアミノ、N,N-ジエチルアミノ等を含む。また、アルキルアミノ基は、任意に、1つ以上の本明細書に記載の置換基で置換されていてもよい。
【0050】
用語「シクロアルキル」又は「シクロアルカン」は、単環式、二環式、又は三環式環系として3から12個の炭素原子を有するが、芳香環を含まない一価又は多価飽和環をいう。幾つかの実施形態において、シクロアルキル基は、3から10個の炭素原子を含む。他の実施形態において、シクロアルキル基は、3から8個の炭素原子を含む。更に他の実施形態において、シクロアルキル基は、3から6個の炭素原子を含む。そのような基の幾つかの非限定的な例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシル等を含む。シクロアルキル基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0051】
用語「シクロアルキルオキシ」は、酸素原子を介して分子の残りの部分に結合したシクロアルキル基をいう。シクロアルキル基は、本明細書に定義したとおりである。
【0052】
用語「シクロアルキルアルキル」は、アルキル基を介して分子の残りに結合したシクロアルキル基をいい、シクロアルキル及びアルキルは、本明細書に定義したとおりである。
【0053】
用語「カルボシクリル」、「炭素環」又は「炭素環式環」は、単環式、二環式又は三環式炭化水素として3から12個の炭素原子を有する一価又は多価、非芳香性の、飽和又は部分的に不飽和の環をいう。カルボビシクリル基は、スピロカルボビシクリル基又は縮合カルボビシクリル基を含む。適切なカルボシクリル基は、限定されるものではないが、シクロアルキル、シクロアルケニル及びシクロアルキニルを含む。1つの実施形態において、シクロアルキル基は、4から8個の炭素原子を含む。他の実施形態において、シクロアルキル基は、4から6個の炭素原子を含む。カルボシクリル基の更なる例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、1-シクロペンタ-l-エニル、l-シクロペンタ-2-エニル、l-シクロペンタ-3-エニル、シクロヘキシル、1-シクロヘキサ-l-エニル、l-シクロヘキサ-2-エニル、l-シクロヘキサ-3-エニル、シクロヘキサジエニル、シクロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル、シクロウンデシル、シクロドデシル等を含み、シクロアルキル基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0054】
用語「ヘテロ環」、「ヘテロシクリル」、又は「ヘテロ環式環」は、本明細書において互換可能に用いられ、少なくとも1つの原子がヘテロ原子であるが芳香環を含まない3~12個の環原子を含む飽和又は部分的に不飽和の単環式、二環式又は三環式環をいう。幾つかの実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、3~10個の環原子を含み、幾つかの実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、3~8個の環原子を含み、他の実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、5~8個の環原子を含み、更に他の実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、3~6個の環原子を含み、更に他の実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、5~6個の環原子を含み、更に他の実施形態において、「ヘテロシクリル」又は「ヘテロ環」は、4~6個の環原子を含み、別段指定しない限り、ヘテロシクリル炭素基又はヘテロ原子基であり得、ヘテロ原子は、本明細書に定義したとおりである。ヘテロシクリル基の非限定的な例は、オキシラニル、アゼチジニル、オキセタニル、チエタニル、ピロリジニル、2-ピロリニル、3-ピロリニル、ピラゾリニル、ピラゾリジニル、イミダゾリニル、イミダゾリジニル、テトラヒドロフラニル、ジヒドロフラニル、テトラヒドロチエニル、ジヒドロチエニル、1,3-ジオキソラニル、ジチオラニル、テトラヒドロピラニル、ジヒドロピラニル、2H-ピラニル、4H-ピラニル、テトラヒドロチオピラニル、ピペリジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、ジオキサニル、ジチアニル、チオキサニル、ホモピペラジニル、ホモピペリジニル、オキセパニル、チエパニル、オキサゼピニル、ジアゼピニル、チアゼピニル、2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタ-5-イルを含む。-CH-基が-C(=O)-基に置き換えられているヘテロシクリルの幾つかの非限定的な例は、2-オキソピロリジニル、オキソ-1,3-チアゾリジニル、2-ピペリジノニル、3,5-ジオキソピペリジニル、ピリミジンジオン-イル等を含む。環硫黄原子が酸化されているヘテロシクリルの幾つかの非限定的な例は、スルホラニル及び1,1-ジオキソ-チオモルホリニルである。ヘテロシクリル基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0055】
用語「ヘテロシクリルアルキル」は、アルキル基を介して分子の残りに結合したヘテロシクリル基をいい、ヘテロシクリル及びアルキルは、本明細書に定義したとおりである。
【0056】
用語「アリール」は、合計で6から14の環員、又は6から12の環員、又は6から10の環員を有する単環式、二環式及び三環式炭素環式環系をいい、ここで系内の少なくとも1つの環は、芳香間であり、系内の各環は、3から7の環員を含み、分子の残りへの1つの結合部又は複数の結合部を有する。用語「アリール」は、用語「アリール環」又は「芳香」と互換可能に用いられ得る。アリール環の例は、フェニル、ナフチル及びアントラセンを含み得る。アリール基は、任意に及び独立に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。
【0057】
用語「ヘテロアリール」は、合計で5から12の環員、又は5から10の環員、又は5から6の環員を有する単環式、二環式及び三環式炭素環式環系をいい、ここで系内の少なくとも1つの環は芳香族であり、少なくとも1の環員はヘテロ原子から選択され、当該系内の各環は、5個から7個までの環員を含み、当該分子の残りと接続した1つ又は複数の結合部位を有する。用語「ヘテロアリール」及び「芳香族ヘテロ環」又は「ヘテロ芳香族化合物」は、本明細書で互換可能に用いられ得る。ヘテロアリール基は、任意に、本明細書に開示される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。1つの実施形態において、5~10員のヘテロアリールは、O、S及びNから独立に選択される1、2、3又は4個のヘテロ原子を含み、Nは酸化されていてもよい。
【0058】
ヘテロアリール環の幾つかの非限定的な例は、フラニル、イミダゾリル(例えばN-イミダゾリル、2-イミダゾリル、4-イミダゾリル、5-イミダゾリル)、イソキサゾリル、オキサゾリル(例えば2-オキサゾリル、4-オキサゾリル、5-オキサゾリル)、ピロリル(例えばN-ピロリル、2-ピロリル、3-ピロリル)、ピリジル、ピリミジニル(例えば2-ピリミジニル、4-ピリミジニル、5-ピリミジニル)、ピリダジニル、チアゾリル(例えば2-チアゾリル、4-チアゾリル、5-チアゾリル)、テトラゾリル(例えば5-テトラゾリル)、トリアゾリル、チエニル(例えば2-チエニル、3-チエニル)、ピラゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,2,5-オキサジアゾリル、1、2、4-オキサジアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、1,2,5-チアジアゾリル、ピラジニル、1,3,5-トリアジニル、及び以下の二環:ベンゾイミダゾリル、ベンゾフリル、ベンゾチエニル、インドリル(例えば2-インドリル)、プリニル、キノリニル(例えば2-キノリニル、3-キノリニル、4-キノリニル)、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリニル、1,3-ベンゾジオキソリル、インドリニル、イソキノリニル(例えば1-イソキノリニル、3-イソキノリニル又は4-イソキノリニル)、イミダゾ[1,2-a]ピリジル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジル、ピラゾロ[1,5-a]ピリミジル、イミダゾ[1,2-b]ピリダジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-b]ピリダジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジニル、又は[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジル等を含む。
【0059】
用語「縮合環」又は「縮合シクリル」は、一価又は多価飽和又は部分的に不飽和の縮合環系をいい、それは非芳香族二環式環系をいう。縮合環系は、縮合炭素環であってもよく、また縮合ヘテロ環であってもよい。そのような系は、そのコア構造に単独又は共役不飽和であるが、芳香環でないものを含み得る。縮合シクリルの非限定的な例は、オクタヒドロシクロペンタジエニル、ヘキサヒドロ-1H-ピロリジニル、ヘキサヒドロピロロ[2,1-b]オキサゾリル、ヘキサヒドロピロロ[2、1-c]オキサゾリル、オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロリル、ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フリル、ヘキサヒドロ-1H-フロ[3,4-c]ピロリル、ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フリル、テトラヒドロ-3aH-シクロペンテノ[d][1,3]ジオキソリル、オクタヒドロ-1H-インデニル、ヘキサヒドロ-2H-オキサゾロ[3,2-a]ピリジル、デカヒドロナフチル、デカヒドロイソキノリル、デカヒドロキノリル、オクタヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジニル等を含む。また、ここで縮合シクリル基は、任意に、1つ以上の本明細書に記載の置換基で置換されていてもよい。
【0060】
用語「スピロシクリル」又は「スピロ環」は、一価又は多価飽和又は部分的に不飽和の環系をいい、他の環の特定の環状炭素に由来する環である。スピロ環系は、縮合炭素環であってもよく、また縮合ヘテロ環でもあってもよい。スピロシクリルの非限定的な例は、スピロ[3.3]ヘプチル、2-アザスピロ[3.3]ヘプチル、2、6-ジアザスピロ[3.3]ヘプチル、2-オキサスピロ[3.3]ヘプチル、2-オキサ-6-アザスピロ[3.3]ヘプチル、スピロ[4.4]ノニル、2-オキサスピロ[4.4]ノニル、1,4-ジオキサスピロ[4.4]ノニル、スピロ[4.5]デシル、2-オキサ-7-アザスピロ[4.5]デシル、2,7-ジオキサスピロ[4.4]ノニル等を含む。また、スピロシクリル基は、任意に、1つ以上の本明細書に記載の置換基で置換されていてもよい。
【0061】
用語「架橋シクリル」又は「架橋環」は、飽和又は不飽和架橋環系をいい、それは芳香族ではない二環式環系をいう。このような系はコア構造に単独又は共役不飽和であるが、芳香族でないものを含み得る。「架橋シクリル」又は「架橋環」は、架橋炭素環又は架橋ヘテロ環であり得、ヘテロ原子はN、O、P及びSから選択され、S又はPは、任意に、1つ以上のオキソで置換され、基SO又はSO、PO又はPOを提供してもよい。架橋シクリルの非限定的な例は、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、(1r、4r)-ビシクロ[2.1.1]ヘキシル、(1R、5S)-ビシクロ[3.2.1]オクチル、(1R、5S)-8-アザビシクロ[3.2.1]オクチル、アダマンチル等を含む。「架橋シクリル」又は「架橋環」本明細書に開示される置換基で置換されていてもよい。
【0062】
本明細書に記載されるとき、置換基から環系内の1つの環の中心へに引かれた結合は、環上の何れかの置換可能又は妥当な位置での置換基の置換を示す。例えば、式(a)は、ピリジン環上の何れかの置換可能又は妥当な位置における置換基Rの単一又は複数の置換を意味する。
【化5】

本明細書に記載されるとき、環系内の1つの環の中心に接続する結合(式(b)に示す)は、環の何れかの妥当で結合可能な位置における結合が、分子の残りに接続できることを示す。式(b)は、オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロール環の何れかの妥当で結合可能な位置が、分子の残りと接続可能であることを示す。
【化6】

更に、別段指示のない限り、語句「…の各々は独立に」は、語句「各…及び…は独立に」と互換可能に用いられる。同じ記号により表された具体的な選択肢が、異なる基においてそれぞれ独立しているか、又は同じ記号によって表される具体的な選択肢が同じ群において独立していることが広く理解されるべきである。
【0063】
別段指示のない限り、本明細書に記載の構造は、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、アトロプ異性体、幾何又は立体配座異性体)の形態;例えば、各不斉中心についてのR及びS配座、(Z)及び(E)二重結合異性体、及び(Z)及び(E)配座異性体も意味する。したがって、本化合物の単一立体化学異性体並びにエナンチオマー、ジアステレオマー、又は幾何異性体の混合物は、本明細書に開示された範囲に含まれる。
【0064】
別段記載のない限り、本明細書に記載の構造及び化合物は、構造の全ての異性体(例えば、エナンチオマー、ジアステレオマー、幾何異性体(立体配座異性体))の形態、そのN-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩又はプロドラッグを含むことが企図される。したがって、本化合物の単一の立体化学異性体、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、幾何異性体、立体配座異性体、そのN-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝物、薬学的に許容される塩又はプロドラッグは、本明細書に開示される範囲に含まれる。加えて、別段記載のない限り、本明細書に記載された構造は、1つ以上の同位体富化原子の存在においてのみ異なる化合物を含むことも企図される。
【0065】
インビボ又はインビトロにおける式(I)の化合物と類似の活性を示す本明細書に記載した「代謝産物」は、特定の化合物又はその薬学的に許容され得る塩、類似体又は派生物の体内における代謝により生産された生成物である。化合物の代謝産物は、当該分野で知られたルーチン技術を用いて同定することができ、その活性は、本明細書に記載したもののような試験を用いて決定される。このような生成物は、例えば、投与された化合物の酸化、還元、加水分解、アミド化、脱アミド、エステル化、エステル分解、酵素切断等から生じ得る。従って、本発明は、本明細書に開示した化合物を、十分な時間、哺乳動物と接触させることによって生成された代謝産物を含む本明細書に開示した化合物の代謝産物を含む。
【0066】
本明細書で使用している立体化学の定義及び約束事は、一般に、S. P. Parker, Ed., McGraw-Hill Dictionary of Chemical Terms (1984) McGraw-Hill Book Company, New York、及びEliel, E.とWilen, S., "Stereochemistry of Organic Conpounds", John Wiley & Sons, Inc., New York, 1994に従っている。本明細書に開示された化合物は、不斉中心又はキラル中心を含み得、従って、異なる立体異性体で存在し得る。限定されるものではないが、ジアステレオマー、エナンチオマー及びアトロプ異性体、並びに例えばラセミ混合物のようなそれらの混合物を含むがこれらに限定されるものではない本明細書に開示された化合物の全ての立体異性体形態が本発明の一部を形成することが企図される。多くの有機化合物は、光学活性な形態で存在する、即ち、それらは、平面偏光の面を回転させる能力を有する。光学活性化合物を記述するに際し、接頭辞D及びL、又はR及びSは、分子の、そのキラル中心について、分子の絶対配置を表示するために用いられる。接頭辞d及びl、又は(+)及び(-)は、化合物による平面偏光の回転の記号を示すために使用され、(-)又はlは化合物が左旋性であることを意味する。(+)又はdが前に付された化合物は、右旋性である。与えられた化学構造に対して、それらが互いの鏡像であることを除いて、これらの立体異性体は同一である。特定の立体異性体は、エナンチオマーをいうこともあり得るが、そのような立体異性体の混合物は鏡像異性混合物と呼ばれる。特定の立体異性体は、エナンチオマーといわれ、そのような異性体の混合物はしばしばエナンチオマー混合物と呼ばれる。エナンチオマーの50:50の混合物は、ラセミ混合物又はラセミ体をいい、これは、化学反応又はプロセスにおいて立体選択性又は立体特異性が存在しなかった場合に生じ得る。用語「ラセミ混合物」又は「ラセミ体」は、2つの鏡像異性体種で光学活性を欠く等モル混合物をいう。
【0067】
用語「互変異性体」又は「互変異性形態」は、低エネルギー障壁を介して相互変換可能な異なるエネルギーの構造異性体をいう。プロトン互変異性体(プロトトロピー互変異性体としても知られている)の幾つかの非限定的な例は、プロトンの移動を介する相互変換、例えばケト-エノール及びイミン-エナミン異性化を含む。原子価互変異性体は、幾つかの結合電子の再編による相互変換を含む。
【0068】
「薬学的に許容され得る塩」は、本明細書に開示する化合物の有機塩又は無機塩をいう。薬学的に許容され得る塩は、当該分野でよく知られている。例えば、Bergeらは、参照により本明細書に組み込まれるJ. Pharmaceutical Sciences, 1977, 66: 1-19に、薬学的に許容され得る塩を詳細に記載している。薬学的に許容され得る非毒性塩の幾つかの非限定的な例は、塩酸、臭化水素酸、リン酸、硫酸及び過塩素酸のような無機塩とともに、又は酢酸、シュウ酸、マレイン酸、酒石酸、クエン酸、コハク酸及びマロン酸のような有機酸とともに、或いは例えばイオン交換のような当該分野で使用される他の方法を用いることによって生成されたアミノ基の塩を含む。他の薬学的に許容され得る塩は、アジピン酸塩、リンゴ酸塩、2-プロピオン酸塩、アルギン酸塩、アスコルビン酸塩、アスパラギン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、安息香酸塩、硫酸水素塩、ホウ酸塩、酪酸塩、樟脳塩、カンファースルホン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコンサン塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルコへプトン酸塩、グリセロリン酸塩、グルコン酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、ヨウ化水素酸塩、2-ヒドロキシ-エタンスルホン酸塩、ラクトビオン酸塩、乳酸塩、ラウリン酸塩、ラウリル硫酸塩、リンゴ酸塩、マロン酸塩、メタンスルホン酸塩、2-ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オレイン酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、ペクチン酸塩、過硫酸塩、3-フェニルプロピオン酸塩、ピクリン酸塩、ピバル酸塩、プロピオン酸塩、ステアリン酸塩、チオシアン酸塩、p-トルエンスルホン酸、ウンデカン酸塩、吉草酸塩等を含む。適切な塩基に由来する塩は、アルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム及びN(C1-4アルキル)塩を含む。この発明は、本明細書に開示した化合物の何れもの塩基性窒素含有基の四級化も想定している。水又は油溶性或いは分散性生成物は、そのような四級化により得えられ得る。塩の形成に使われる代表的なアルカリ若しくはアルカリ土類金属は、ナトリウム、リチウム、カリウム、カルシウム、マグネシウム等を含む。更に、薬学的に許容され得る塩は、適切な場合、ハライド、ヒドロキシド、カルボキシラート、スルファート、ホスファート、ニトラート、C1-8スルホナート又はアリールスルホナートのような対イオンを用いて生成される無毒性のアンモニウム、四級アンモニウム、及びアミンカチオンを含む。
【0069】
用語「水和物」は、溶媒分子が水である混合物をいう。
【0070】
用語「溶媒和物」は、1種以上の溶媒分子と本明細書に開示される化合物との会合体又は複合体をいう。溶媒和物を生成する溶媒の非限定的な例は、水、イソプロパノール、エタノール、メタノール、ジメチルスルホキシド(DMSO)、酢酸エチル、酢酸及びエタノールアミンを含む。
【0071】
「エステル」は、ヒドロキシ基を含み、インビボにおいて加水分解性の式(I)の化合物のエステル、例えば、ヒト又は動物の体内で加水分解してペアレントアルコールを生成する薬学的に許容され得るエステルをいう。インビボにおいてヒドロキシのための基を生成する加水分解性のエステルの幾つかの非限定的な例は、ホスフェート、アセトキシメトキシ、2,2-ジメチルプロピオニルオキシメトキシ、アルカノイル、ベンゾイル、フェニルアセチル、アルコキシカルボニル、ジアルキルカルバモイル、N-(ジアルキルアミノエチル)-N-アルキルカルバモイル等を含む。
【0072】
「N-オキシド」は、酸化されてN-オキシドを生成する1つ又はそれ以上の窒素原子をいい、ここで、化合物は、幾つかのアミン官能基を含む。N-オキシドの具体例は、三級アミン又は窒素含有ヘテロ環の窒素原子のN-オキシドである。N-オキシドは、対応するアミンの、例えば過酸化水素又は過酸(例えば、ペルオキシカルボン酸)のような酸化剤との処理により生成することができる(Advanced Organic Chemistiy, by Jerry March, 4th Edition, Wiley Interscience, pagesを参照のこと)。より詳細には、N-オキシドは、L. W. Deady(Syn. Comm. 1977, 7, 509-514)の手順によって作製することができ、そこにおいては、アミン化合物を、例えば、ジクロロメタンのような不活性溶媒中で、m-クロロメタクロロ過安息香酸(MCPBA)と反応させる。
【0073】
用語「プロドラッグ」は、式(I)の化合物へとインビボで変換される化合物をいう。そのような変換は、例えば、血中でのプロドラッグ形態の加水分解又は血液若しくは組織中での元の形態への酵素的な変換によって影響を受ける可能性がある。本明細書で開示された化合物のプロドラッグは、例えば、エステルであり得る。プロドラッグとして用いられる幾つかの通常のエステルは、フェニルエステル、脂肪族(C1-24)エステル、アシルオキシメチルエステル、カーボネート、カルバメート、及びアミノ酸エステルである。例えば、ヒドロキシ基を含む本明細書に開示された化合物は、この位置でそのプロドラッグ形態でアシル化され得る。他のプロドラッグ形態は、例えば、親化合物のヒドロキシ基のリン酸化から誘導されるホスフェート化合物のようなホスフェートを含む。プロドラッグの徹底的な議論は、T. HiguchiとV. Stella, Pro-drugs as Novel Delivery Systems, Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series、Edward B. Roche, ed., Bioreversible Carriers in Drug Design, American Pharmaceutical Association and Pergamon Press, 1987、J. Rautio et al., Prodrugs: Design and Clinical Applications, Nature Review Drug Discovery, 2008, 7, 255-270、及びS. J. Hecker et al., Prodrugs of Phosphates and Phosphonates, Journal of Medicinal Chemistry, 2008, 51, 2328-2345において提供され、これらの全ては、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0074】
用語「保護基」又は「PG」は、化合物の他の官能基と反応している間に、特定の官能性をブロック又は保護するために通常使用される置換基をいう。例えば、「アミノ保護基」は、化合物におけるアミノ官能性をブロック又は保護するアミノ基に結合した置換基である。好適なアミノ保護基は、アセチル、トリフルオロアセチル、t-ブトキシ-カルボニル(BOC、Boc)、ベンジルオキシカルボニル(CBZ、Cbz)及び9-フルオレニルメチレンオキシカルボニル(Fmoc)を含む。同様に、「ヒドロキシ保護基」は、ヒドロキシ官能性をブロック又は保護するヒドロキシ基の置換基をいう。好適な保護基は、メチル、メトキシメチル、アセチル及びシリル等を含む。「カルボキシ保護基」は、カルボキシ官能性をブロック又は保護する、カルボキシ基の置換基をいう。一般的なカルボキシ保護基は、-CHCHSOPh、シアノエチル、2-(トリメチルシリル)エチル、2-(トリメチルシリル)エトキシ-メチル-l、2-(p-トルエンスルホン酸)エチル、2-(p-ニトロフェニルスルフェニル)-エチル、2-(ジフェニルホスフィノ)-エチル、ニトロエチル等を含む。保護基の一般的な記述及びその使用については、T. W. Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York, 1991、及びP. J. Kocienski, Protecting Groups, Thieme, Stuttgart, 2005を参照のこと。
【0075】
用語「治療有効量」は、記載された効果を達成するために十分な式(I)の化合物の量をいいう。したがって、ACCによって制御される疾病の治療のために使用される式(I)の化合物の治療有効量は、ACCによって制御される疾病の治療に十分な量であろう。
【0076】
本明細書で用いられる用語「非アルコール性脂肪性肝(NAFLD)」は、単純な脂肪肝(SFL)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、脂肪性肝線維症及び肝硬変を含むインスリン抵抗性と関連する代謝性疾患をいう。
【0077】
本明細書で用いられる用語「ACC阻害剤」は、ACCと結合し、且つその活性を阻害し得る置換基をいう。
【0078】
本発明の文脈中で(特に特許請求の範囲の文脈中で)使われている「1つの(a)」、「1つの(an)」、「その(the)」及び類似の用語は、本明細書で別段指定しない限り又は文脈と明らかに矛盾しない限り、単数の及び複数の両方を包含することが企図されている。
【0079】
本発明の化合物の説明
本発明は、化合物又はその医薬組成物を提供し、それはACC阻害剤であり得る。本発明は、更に、ACC活性を阻害して障害又は疾患を治療するための医薬の製造における、化合物又はその組成物の使用に関する。本発明は、化合物の合成方法を更に記載する。本発明の化合物は、良好な生体活性及び薬物動態学的特性を示す。
【0080】
1つの側面において、本明細書には、式(I)
【化7】

(式中、Het、R、R、R、R、R、L及びWは、本明細書に定義したとおりである)
を有する化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグが提供される。
【0081】
幾つかの実施形態において、Hetは、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-NH-C(=NR)NR、3~10員のヘテロシクリル又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、3~10員のヘテロシクリル及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよく、R及びRは、本明細書に定義したとおりである。
【0082】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ又はC1-6ハロアルキルである。
【0083】
幾つかの実施形態において、Rは、-OR又は-NRであり、R、R及びRは、本明細書に定義したとおりである。
【0084】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC3-8シクロアルキルである。
【0085】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC3-8シクロアルキルである。
【0086】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-6アルキル、C1-6ハロアルキル又はC3-8シクロアルキルである。
【0087】
幾つかの実施形態において、R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、3~10員のヘテロシクリルを形成し、ここで、3~10員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ及びC1-6ハロアルキルで置換されていてもよい。
【0088】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル又はC1-6ハロアルキルである。
【0089】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-6アルキル、C1-6ヒドロキシアルキル又はC1-6ハロアルキルである。
【0090】
幾つかの実施形態において、Lは、-O-、-O-メチレン-、-O-エチレン-、-S-又は-NH-である。
【0091】
幾つかの実施形態において、Rは、C6-10アリール又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、C6-10アリール及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-6アルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルキル、C1-6ハロアルコキシ、C1-6シアノアルキル又はC1-6ヒドロキシアルキルである。
【0092】
幾つかの実施形態において、Wは、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルであり、ここで、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルは、N、O又はSから独立に選択される、0個、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的に不飽和の6~12員のシクリルであり、ここで、Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OR、-C(=O)NR、-C(=NR)NR、-NH-C(=NR)NR、-SOR、-SONR、C1-6アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-6アルコキシ、C1-6ハロアルコキシ、C1-6アルキルアミノ、C1-6ハロアルキル、C1-6シアノアルキル及びC1-6ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよく、R、R及びRは、本明細書に定義したとおりである。
【0093】
他の実施形態において、Hetは、5~6員のヘテロシクリル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、5~6員のヘテロシクリル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい。
【0094】
他の実施形態において、Hetは、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり、ここで、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル及びピラジニルの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、カルボキシ及び-C(=O)NHで置換されていてもよい。
【0095】
他の実施形態において、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ又はC1-3ハロアルキルである。
【0096】
他の実施形態において、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルである。
【0097】
他の実施形態において、Rは、H、D、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル又はC3-6シクロアルキルである。
【0098】
他の実施形態において、Rは、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0099】
他の実施形態において、Rは、H、D、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル又はC3-6シクロアルキルである。
【0100】
他の実施形態において、Rは、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0101】
他の実施形態において、Rは、H、D、C1-3アルキル、C1-3ハロアルキル又はC3-6シクロアルキルである。
【0102】
他の実施形態において、Rは、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロヘキシル、シクロペンチル又はシクロヘキシルである。
【0103】
他の実施形態において、R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、3~6員のヘテロシクリルを形成し、ここで、3~6員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ及びC1-3ハロアルキルで置換されていてもよい。
【0104】
他の実施形態において、R及びRは、それらが結合しているN原子と一緒に、式(I-a)から(i-k):
【化8】

によって表されるヘテロシクリル基から選択されるヘテロシクリルを形成し、
ここで、式(i-a)から(i-k)によって表されるヘテロシクリル基は、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルで置換されていてもよい。
【0105】
他の実施形態において、Rは、H、D、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル又はC1-3ハロアルキルである。
【0106】
他の実施形態において、Rは、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、トリフルオロメチル又は2-フルオロエチルである。
【0107】
幾つかの実施形態において、Rは、H、D、C1-3アルキル、C1-3ヒドロキシアルキル又はC1-3ハロアルキルである。
【0108】
他の実施形態において、Rは、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、トリフルオロメチル又は2-フルオロエチルである。
【0109】
他の実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C1-3アルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルキル、C1-3ハロアルコキシ、C1-3シアノアルキル又はC1-3ヒドロキシアルキルである。
【0110】
他の実施形態において、Rは、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル又はピリダジニルであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル又はピリダジニルの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のRで置換されていてもよく、ここで、Rは、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シアノメチル又はシアノエチルである。
【0111】
他の実施形態において、Wは、次の構造:
【化9】

のうち1つを有し、
、X及びXの各々は、独立に、結合、-CH-、-O-、-S-又は-NH-であり、
Yは、CH又はNであり、
r、s、t及びnの各々は、独立に、0、1、2又は3であり、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、C1-3アルキル、C3-6シクロアルキル、C1-3アルコキシ、C1-3ハロアルコキシ、C1-3アルキルアミノ、C1-3ハロアルキル、C1-3シアノアルキル及びC1-3ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい。
【0112】
幾つかの実施形態において、Wは、次の構造:
【化10】

のうち1つを有し、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH、-C(=NH)NH、-NH-C(=NH)NH、-SOCH、-SO、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチルアミノ、シアノメチル及びヒドロキシメチルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい。
【0113】
更なる幾つかの実施形態において、本明細書には、次の構造:
【化11-1】

【化11-2】

【化11-3】

【化11-4】

【化11-5】

【化11-6】

のうち1つを有する化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、溶媒和物、水和物、代謝産物、エステル、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグが提供されるが、これらの化合物に限定されるものではない。
【0114】
1つの側面において、本明細書には、式(I)の化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグ、或いは薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクル又はその組み合わせを含む医薬組成物が提供される。
【0115】
1つの側面において、本明細書には、ACCによって制御される障害又は疾患を予防し、治療し、又は軽減するための医薬の製造における式(I)の化合物又はその医薬組成物の使用が提供される。
【0116】
幾つかの実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である。
【0117】
他の実施形態において、本明細書に開示されるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む。
【0118】
他の実施形態において、本明細書に開示される新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む。
【0119】
他の側面において、本発明は、罹患体に本化合物の薬学的に許容され得る有効量の治療有効量を投与することを含む、罹患体におけるACCによって制御される疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減する方法に関する。
【0120】
他の側面において、本明細書には、式(I)の化合物を調製し、分離し、又は精製する方法が提供される。
【0121】
本発明の化合物の医薬組成物、並びに化合物及び医薬組成物の調製及び投与及び使用
本発明の医薬組成物の特徴は、式(I)で表される化合物及び本明細書に掲げた化合物、並びに薬学的に許容され得る担体、アジュバント、又は賦形剤を含む。本発明の組成物における化合物の量は、ACCによって制御される疾患を効果的且つ検出可能に治療し又は低減し得る。
【0122】
本明細書に開示されるある化合物は、治療のための自由な形態、又は適切な場合、その薬学的に許容され得る誘導体として存在し得ることが理解されるであろう。本明細書に提供されるように、薬学的に許容され得る誘導体の幾つかの非限定的な例は、薬学的に許容され得るプロドラッグ、塩、エステル、そのようなエステルの塩、或いは必要とする罹患体への投与が直接的又は間接的に、本明細書に別段記載した化合物、又は代謝産物若しくはその残分を提供することができる何れかの他の付加物又は誘導体を含む。
【0123】
上記のように、本明細書に開示される薬学的に許容され得る組成物は、薬学的に許容される担体、アジュバント、又はビヒクルを更に含み、本明細書で使用される場合、本組成物は、所望の特定の剤形に適した、任意の及び全ての溶媒、希釈剤又は他の液体ビヒクル、分散又は懸濁助剤、界面活性剤、等張剤、増粘剤又は乳化剤、保存剤、固体結合剤、潤滑剤等を含む。参照によって本明細書に各内容が援用される、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 21st edition, 2005, ed. D.B. Troy, Lippincott Williams & Wilkins, Philadelphia, and Encyclopedia of Pharmaceutical Technology, eds. J. Swarbrick and J. C. Boylan, 1988-1999, Marcel Dekker, New Yorkは、薬学的に許容され得る組成物の調製に用いられる種々の担体及びその製造のための既知の技術が開示されている。何れの従来の担体媒体も、例えば何れかの望ましくない生物学的効果を生じさせること、又は薬学的に許容される組成物の何れかの他の成分と有害な様式で相互作用すること等によって本発明の化合物と適合しない場合を除く限り、その使用は本発明の範囲に含まれると企図される。
【0124】
本発明の化合物は活性成分として、従来の薬物配合技術に従って親和な混合物中において薬学的担体と組み合わせられ得る。担体は、投与、例えば、経口又は非経口(静脈内を含む)に所望される調製物の形態に依存して広く様々な形態をとってもよい。経口投与形態のための組成物の調製において、一般的な薬学的媒体の何れかが採用され得、それは例えば、懸濁液、エリキシル剤及び溶液の経口液体調製物の場合、例えば、水、グリコール、油、アルコール、風味剤、保存料、着色料等;又は、例えば、粉末、硬質又は軟質カプセル及び錠剤の経口固形調製物の場合、担体、例えば、でんぷん、糖、微結晶セルロース、希釈剤、顆粒化剤、湿潤剤、結合剤、崩壊剤等であり、固体経口製剤が、液体調製物よりも好ましい。
【0125】
錠剤及びカプセルは、それらの投与の容易さのために、固体の薬学的担体が明らかに採用された場合最も有利な経口投与単位形態を表す。必要であれば、錠剤は、標準的な水性又は非水性技術によってコーティングされてもよい。そのような組成物及び調製物は、少なくとも0.1パーセントの活性化合物を含むべきである。これらの組成物中の活性化合物の割合は、もちろん変化し得るが、好都合には単位の重さの約2パーセントから約60パーセントまでであり得る。そのような治療的に有効な組成物における活性化合物の量は、効果投与量が得られるであろう量である。活性化合物は、例えば、液滴又はスプレーとして鼻腔内に投与されてもよい。
【0126】
錠剤、丸剤、カプセル等は、結合剤は、例えば、ガムトラガント、アカシア、コーンスターチ又はゼラチン;賦形剤、例えば、リン酸二カルシウム;崩壊剤、例えば、コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸;湿潤剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム;及び甘味料、例えば、スクロース、ラクトース又はサッカリンもまた含み得る。投与単位形態がカプセルである場合、それは上記の種類の材料に加えて、液体担体、例えば、脂肪油を含む。
【0127】
コーティング又は投与単位の物理的形態を変えるための様々な他の材料が存在し得る。例えば、錠剤は、シェラック、糖又は両方によりコーティングされ得る。シロップ又はエリキシル剤は、有効成分に加えて、甘味料としてスクロース、保存料としてメチル及びプロピルパラベン、着色剤並びに風味剤、例えば、チェリー又はオレンジ味を含み得る。
【0128】
眼科用製剤、眼用の軟膏、粉末及び溶液等も本発明の範囲に含まれると企図される。
【0129】
本発明の化合物は、非経口的にも投与され得る。これらの活性化合物の溶液又は懸濁液は、界面活性剤、例えば、ヒドロキシ-プロピルセルロースと適切に混合されて水中に調製され得る。グリセロール、液体ポリエチレン グリコール及びその油中における混合物中に分散液が調製されてもよい。一般的な保存及び仕様の条件下において、これらの調製物は、微生物の増殖を防ぐために保存料を含む。
【0130】
注射可能な用途のための適切な薬学的形態は、滅菌水溶液又は分散液及び滅菌注射可能な溶液又は分散液の即時調製のための滅菌粉末を含む。すべての場合で、当該形態は、滅菌されている必要があり、また容易な注射可能性が存在する程度に流動的である必要がある。それは、製造及び保存の条件下で安定である必要があり、また微生物、例えば、細菌及び菌類の汚染活作用に対して保護される必要がある。担体は、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール及び液体ポリエチレングリコール)、適切なそれらの混合物、及び植物油を含む溶媒又は分散媒体で有り得る。
【0131】
哺乳動物、特にヒトに本発明の化合物の効果投与量を与えるのに適切な投与経路が用いられ得る。例えば、経口、直腸内、局所、非経口、眼内、肺内、鼻腔内等が用いられ得る。投与形態は、錠剤、トローチ剤、分散液、懸濁液、溶液、カプセル、クリーム、軟膏、エアロゾル等を含み得る。好ましくは本発明の化合物は、経口的に投与され得る。
【0132】
化合物、医薬組成物、又はその組み合わせの治療有効量は治療対象体の種、体重、年齢及び個別の状態、治療される障害若しくは疾患又はその重症度に依存する。通常の技量の医師、臨床医又は獣医は、障害又は疾患を予防し、治療し又は進行を阻害するのに必要な各活性成分の効果量を容易に決定することができる。
【0133】
本発明の化合物が企図されるACC制御疾病を治療又は予防する場合、本発明の化合物が動物の体重のキログラムあたり約0.1ミリグラムから約100ミリグラムまでの1日の投与量で投与され、好ましくは、1回の1日投与量、又は1日2回から6回までの分割投与量、又は持続放出形態として投与されるとき、一般に満足のいく効果が得られる。ほとんどの大型動物に関しては、一日の総投与量は約1.0ミリグラムから約1000ミリグラム、好ましくは約1ミリグラムから約50ミリグラムである。70kgの成人の場合、一日の総投与量は、一般に約7ミリグラムから約350ミリグラムまでであろう。この投与計画は、最適な治療応答が与えられるように調節され得る。
【0134】
化合物、組成物又は薬学的に許容され得る塩又は水和物は、アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される疾患、特に、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を効果的に予防し、処置し、治療し又は低減することができる。
【0135】
一般的な合成手順
一般に、本明細書に開示される化合物は、本明細書に記載の方法によって調製され得、置換基は、さらに明記される場合を除いて、上記式(I)で定義したとおりである。以下の幾つかの非限定的なスキーム及び例は、本発明をさらに例示するために示される。
【0136】
当業者は、記載された化学反応が、本明細書中に開示された多くの他の化合物を調製するために容易に適合され得ること、及び本明細書に開示された化合物を調製するための代替方法が本明細書に開示される範囲内であるとみなすことを認識するであろう。例えば、本発明に従って例示されていない化合物の合成は、当業者に明らかな改変、例えば、妨害基を適切に保護することにより、記載されたもの以外の当技術分野で知られた他の適切な試薬を利用することにより、及び/又は反応条件の通常の変更を行うことによって、成功裏に達成され得る。あるいは、本明細書に開示された、又は当該分野で知られた他の反応は、本明細書に開示された他の化合物を調製するための適用性を有すると認識されるであろう。
【0137】
以下に記載される各例において、別段明記しない限り、全ての温度は摂氏で説明される。試薬は、Aldrich Chemical Company、Arco Chemical Company、Alfa Chemical Company及びJ&K Scientific Ltd.のような商業的供給元から購入し、別段明記しない限り、更なる精製を行わずに使用した。一般的な溶剤は、Shantou XiLong Chemical Factory、Guangdong Guanghua Reagent Chemical Factory Co. Ltd.、Guangzhou Reagent Chemical Factory、Tianjin YuYu Fine Chemical Ltd.、Qingdao Tenglong Reagent Chemical Ltd.、Qingdao Ocean Chemical Factoryのような商業的供給元から購入した。
【0138】
溶媒をナトリウムで還流することによって、無水THF、ジオキサン、トルエン、及びエーテルを得た。溶媒をCaHで還流することによって、無水CHCl及びCHClを得た。EtOAc、PE、ヘキサン、DMAC及びDMFを使用の前に無水NaSOで処理した。
【0139】
以下に示す反応は、一般に、窒素又はアルゴンの陽圧下で、又は無水溶媒中の乾燥管(別段明記しない限り)で行い、反応フラスコには、典型的には、シリンジで基質及び試薬を導入するためのゴムセプタムを取り付けた。ガラス器具はオーブン乾燥及び/又は加熱乾燥した。ガラス器具はオーブン乾燥及び/又は加熱乾燥した。
【0140】
カラムクロマトグラフィーは、シリカゲルカラムを用いて行った。シリカゲル(300~400メッシュ)はQingdao Ocean Chemical Factoryから購入した。H NMRスペクトルは、溶液としてCDCl、d-DMSO、CDOD又はd-アセトン(ppmで報告)を用いて、また参照標準としてTMS(0ppm)又はクロロホルム(7.25ppm)を用いて、Bruker 400MHz又は600MHz分光計でrtで記録した。ピーク多重度が報告されたとき、以下の略語を使用される:s(一重線)、d(二重線)、t(三重線)、m(多重線)、br(広幅化)、dd(二重線の二重線)、q(四重線)、dt(三重線の二重線)、tt(三重線の三重線)、dddd(二重線の二重線の二重線の二重線)、qd(二重線の四重線)、ddd(二重線の二重線の二重線)、td(二重線の三重線)、dq(四重線の二重線)、ddt(三重線の二重線の二重線)、tdd(二重線の二重線の三重線)、dtd(二重線の三重線の二重線)。結合定数は、与えられた場合、ヘルツ(Hz)で報告する。
【0141】
G1312Aバイナリーポンプ及びG1316ATCC(カラムは、30℃で操作した)を備えるAgilent 6320 Series LC-MS分光器で、低分解能マススペクトル(MS)データを測定した。G1329Aオートサンプラー及びG1315B DAD検出器を分析に適用し、ESI源をLC-MS分光器において用いた。
【0142】
G1311Aバイナリーポンプ及びG1316ATCC(カラムは、30℃で操作した)を備えるAgilent 6320 Series LC-MS分光器で、低分解能マススペクトル(MS)データを測定した。G1329Aオートサンプラー及びG1315B DAD検出器を分析に適用し、ESI源をLC-MS分光器において用いた。
【0143】
両LC-MS分光器は、Agilent Zorbax SB-C18、2.1×30mm、5μmカラムを備えていた。注入量を試料濃度によって決定した。流量は0.6mL/分であった。HPLCのピークは210nm及び254nmのUV-Vis波長によって記録した。移動相は、アセトニトリル中の0.1%ギ酸(相A)及び超純水中の0.1%ギ酸(相B)であった。勾配溶出条件を表1に示す。
【0144】
【表1】

化合物の純度は、Agilent 1100 Series高速液体クロマトグラフィー(HPLC)、210nm及び254nmにおけるUV検出(Zorbax SB-C18、2.1×30mm、4ミクロン、10min、0.6mL/min流速、(HO中の0.1%ギ酸)中の5から95%(CHCN中の0.1%ギ酸))で評価した。カラムは40℃で操作した。
【0145】
以下の略語を本明細書全体で使用した:
CDC1 クロロホルム-d
CDOD メチルアルコール-d4
DMF N,N-ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
DMSO-d ジメチルスルホキシド-d
DCM ジクロロメタン
EA、EtOAc 酢酸エチル
g グラム
O 水
HCl 塩化水素/塩酸
PE 石油エーテル
Pd/C、Pd-C パラジウム-活性炭素
mg ミリグラム
M モル/リットル
MeOH メタノール
mol モル
mmol ミリモル
MPa メガパスカル
mL ミリリットル
NaOH 水酸化ナトリウム
THF テトラヒドロフラン
TBDPS tert-ブチルジフェニルシリル
TBS tert-ブチルジメチルシリル
μL マイクロリットル。
【0146】
スキーム
本発明の開示された化合物を調製するための典型的な合成手順を以下の合成スキームに示す。別段指定しない限り,Het、R、R、R、R、R、L及びWは、本明細書に定義したとおりである。
【化12】

Xは、限定されるものではないが、ハロ原子、メチルスルホニルオキシ、p-メチルフェニルスルホニルオキシ等を含む脱離基であり、化合物Qは、化合物M及び化合物Pの光延反応により得られ得る。化合物(I)は、化合物Qのカップリング反応により得られ得る。
【化13】

化合物M3は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物M1、化合物M2及び硫黄華の環化反応によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、モルホリンを含み、溶媒は、限定されるものではないが、エタノールを含む。
【0147】
化合物M5は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物M3、化合物M4及びN,N’-カルボニルジイミダゾールの反応によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、トリエチルアミンを含み、溶媒は、限定されるものではないが、DCMを含む。
【0148】
化合物M6は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物M5の縮合反応によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、ナトリウムエトキシドを含み、溶媒は、限定されるものではないが、エタノールを含む。
【0149】
化合物M7は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物M6の加水分解によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、水酸化ナトリウムを含み、溶媒は、限定されるものではないが、メタノール及び水の混合溶媒を含む。
【0150】
化合物M8は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物M7及び酢酸銀の脱炭素反応によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、炭酸カルシウムを含み、溶媒は、限定されるものではないが、N-メチルモルホリンを含む。
【0151】
化合物Mは、適切な溶媒中で、化合物M8のハロゲン化反応によって得られ得る。溶媒は、限定されるものではないが、メタノール、氷酢酸等を含む。
【化14】

化合物P2は、適切な溶媒中で触媒存在下、化合物P1及びN-ブロモスクシンイミドのフリーラジカル反応によって得られ得る。触媒は、限定されるものではないが、アゾジイソブチロニトリルを含み、溶媒は、限定されるものではないが、テトラクロロメタンを含む。
【0152】
化合物P4は、適切な溶媒中で塩基の存在下、化合物P2及び化合物P3の置換反応によって得られ得る。塩基は、限定されるものではないが、水素化ナトリウムを含み、溶媒は、限定されるものではないが、テトラヒドロフランを含む。
【0153】
化合物Pは、適切な溶媒中で還元剤の存在下、化合物P4の還元反応によって得られ得る。還元剤は、限定されるものではないが水酸化アルミニウムリチウムを含み、溶媒は、限定されるものではないが、テトラヒドロフランを含む。
【0154】

例1:2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化15】

工程1)5-アミノ-3-メチル-チオフェン-2,4-ジカルボン酸ジエチル
シアノ酢酸エチル(30.00g、260.0mmol)、アセト酢酸エチル(33.83g、260.0mmol)及び硫黄華(8.36g、260.0mmol)を無水エタノール(60mL)にrtで溶解した。溶液を45℃まで加熱し、次いで、モルホリン(34.0mL、390mmol)をゆっくりと滴下した。滴下の後、得られた混合物を60℃まで加熱し、4時間撹拌した。反応を水(360mL)でクエンチし、混合物を撹拌しながらrtまで冷却した。多量の固体が沈殿した後、混合物を吸引濾過により濾過した。濾過ケークを30%エタノール水溶液(100mL)で洗浄し、真空乾燥して、標題化合物を黄色固体として得た(54.10g、80.9%)。
【0155】
MS(ESI,pos.ion)m/z:258.2[M+H]
【0156】
工程2)5-[(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)アミノホルムアミド]-3-メチル-チオフェン-2,4-ジカルボン酸ジエチル
5-アミノ-3-メチル-チオフェン-2,4-ジカルボン酸ジエチル(20.00g、77.73mmol)を、DCM(160mL)にrtで溶解し、次いで、トリエチルアミン(43.2mL、311mmol)及びN,N’-カルボニルジイミダゾール(25.72g、155.4mmol)を添加した。混合物を3時間撹拌し、次いで、2-アミノ-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル塩酸塩(16.30g、81.63mmol)を一部ずつ添加した。得られた混合物を更に5時間撹拌した。反応を水(300mL)でクエンチした。得られた混合物を分配した。有機層を水(300mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をPE及び酢酸エチル(V/V=15/1)ですりつぶして、標題化合物を淡黄色の固体として得た(29.10g、84.6%)。
【0157】
工程3)3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-ギ酸エチル
5-[(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)アミノホルムアミド]-3-メチル-チオフェン-2,4-ジカルボン酸ジエチル(58.00g、131.1mmol)を無水エタノール(550mL)に溶解し、次いで、ナトリウムエトキシド(36.41g、524.3mmol)を添加した。混合物を80℃で一晩撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分に、水(600mL)を添加した。得られた混合物を希塩酸(2N)で約pH5に調節した。多量の固体が沈殿した。混合物を30分間撹拌し、吸引濾過により濾過した。濾過ケークを水(100mL)で洗浄し、真空乾燥して、標題化合物を淡黄色固体として得た(51.97g、100%)。生成物を更なる精製無しで次の工程に用いた。
【0158】
MS(ESI,neg.ion)m/z:395.1[M-H]
【0159】
工程4)3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-ギ酸
3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-ギ酸エチル(51.97g、131.1mmol)をメタノール(250mL)及びテトラヒドロフラン(100mL)にrtで溶解し、次いで、水(120mL)中の水酸化ナトリウム溶液(21.40g、524.3mmol)及び臭化テトラブチルアンモニウム(4.23g、13.1mmol)を添加した。混合物を65℃まで加熱し、2.5時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分に、水(600mL)を添加した。得られた混合物を希塩酸(2N)で約pH3に調節した。多量の固体が沈殿した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾過ケークを水(100mL)で洗浄し、真空乾燥して、標題化合物を灰色の固体として得た(46.74g、96.8%)。
【0160】
MS(ESI,neg.ion)m/z:367.1[M-H]
【0161】
工程5)2-メチル-2-(5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-6-プロピオン酸t-ブチル
3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル)-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミジン-6-ギ酸(48.80g、132.5mmol)をN-メチルピロリドン(900mL)にrtで溶解し、次いで、炭酸カリウム(22.00g、159.2mmol)及び酢酸銀(27.07g、158.9mmol)を添加した。混合物を110℃まで加熱し、2時間撹拌した。得られた混合物をrtまで冷却し吸引濾過により濾過した。濾液を水(2L)で希釈した。得られた混合物を酢酸エチル(500mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩化アンモニウム溶液(500mL)及び飽和含水NaCl(200mL)で順に洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮した。残分をPE及び酢酸エチル(V/V=10/1)ですりつぶして、標題化合物を灰色固体として得た(20.54g、47.8%)。
【0162】
MS(ESI,neg.ion)m/z:323.1[M-H]
【0163】
工程6)2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-メチル-2-(5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(20.54g、63.32mmol)及び酢酸ナトリウム三水和物(18.96g、139.3mmol)を氷酢酸(300mL)に溶解し、次いで、臭素(3.57mL、69.7mmol)をゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtで1時間撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチした。多量の固体が沈殿した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾過ケークを酢酸エチル(500mL)に溶解した。溶液を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(100mL)及び飽和含水NaCl(200mL)で順に洗浄し、次いで、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をPE及び酢酸エチル(V/V=10/1)ですりつぶして、標題化合物を白色固体として得た(25.00g、92.2%)。
【0164】
MS(ESI,pos.ion)m/z:426.0[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ10.66(s,1H)、2.39(s,3H)、1.81(s,6H)、1.48(s,9H)。
【0165】
工程7)(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン]-2’-オール
無水メタノール(40mL)中の(3aR,6aS)-5’,5’-ジメチルスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン(24.50g、109.2mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.78g、150.0mmol)を一部ずつ氷浴上でN下、添加した。混合物を氷浴上で2時間撹拌した。混合物を水(50mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(18.00g、72.8%)。
【0166】
工程8)2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサンl-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン]-2’-オール(3.09g、13.7mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.95g、48.8mmol)を氷浴上でN下、一部ずつ添加した。氷浴上で15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(3.00g、12.2mmol)の溶液を混合物にゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、更に4時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約3に調節し、次いで、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(2.20g、46.0%)。生成物を更なる精製無しで次の工程に用いた。
【0167】
工程9)2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(2.20g、5.63mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.44g、11.0mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を水(0.44mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。次いで、混合物に、水酸化ナトリウム溶液(0.44mL、15%)及び水(1.32mL)を順に添加した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(1.30g、61.3%)。
【0168】
MS(ESI,pos.ion)m/z:399.3[M+Na]
【0169】
工程10)2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.45g、3.60mmol)、2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(1.30g、3.45mmol)、トリフェニルホスフィン(1.80g、6.79mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)にrtで溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.40g、6.79mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.70g、64.6%)。
【0170】
工程11)2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.70g、2.23mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(4.00g、11.2mmol)をトルエン(20mL)にrt、N下で溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(1.30g、1.12mmol)を添加した。混合物を110℃で8時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.75g、45.0%)。
【0171】
工程12)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキサ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.75g、1.0mmol)をDCM(10mL)にrtで溶解し、次いで、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。混合物を4時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(0.500g、82.0%)。
【0172】
MS(ESI,pos.ion)m/z:608.3[M+H]
【0173】
工程13)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
無水メタノール(10mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキサ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸(0.500g、0.82mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.10g、2.6mmol)を氷浴上でN下、一部ずつ添加した。混合物をrtで6時間撹拌した。混合物を水(10mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.43g、86.0%)。
【0174】
MS(ESI,pos.ion)m/z:632.2[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.54(d,J=6.4Hz、1H)、7.32(t,J=6.8Hz、1H)、7.25(s,1H)、7.04(t,J=7.4Hz、1H)、6.90(d,J=8.2Hz、1H)、5.34-5.29(m,1H)、4.34-4.26(m,1H)、4.25-4.20(m,1H)、4.01-3.95(m,1H)、3.93(s,3H)、3.84-3.80(m,1H)、2.86(s,3H)、2.33-2.25(m,2H)、2.06-1.92(m,4H)、1.89(s,3H)、1.84(s,3H)、1.75-1.68(m,1H)、1.60-1.56(m,1H)、1.55-1.50(m,2H)。
【0175】
例2:2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化16】

2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸を2-ブロモ-2-フェニル酢酸(0.800g、3.72mmol)から例1に記載の方法に従って調製した。標題化合物を白色固体として得た(0.22g、95.0%)。
【0176】
MS(ESI,pos.ion)m/z:580.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70(d,J=0.5Hz、1H)、7.47-7.44(m,2H)、7.43-7.37(m,2H)、7.36-7.31(m,1H)、7.22(d,J=0.6Hz、1H)、4.98-4.92(m,1H)、4.15-4.05(m,2H)、3.96-3.89(m,1H)、3.84-3.76(m,1H)、2.84(s,3H)、2.30-2.18(m,2H)、2.03-1.91(m,2H)、1.89(s,3H)、1.85(s,3H)、1.83-1.76(m,2H)、1.66-1.59(m,1H)、1.58-1.51(m,1H)、1.39-1.31(m,2H)。
【0177】
例3:2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化17】

工程1)2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)酢酸
無水テトラヒドロフラン(22mL)中の6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オール(0.86g、7.5mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.10g、27.5mmol)を氷浴上でN下、一部ずつ添加した。30分間氷浴上で撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(1.68g、6.86mmol)の溶液を混合物に滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、更に4時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた水層を希塩酸(1N)でpH約3に調節し、次いで、イソプロピルエーテル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.91g、100%)。生成物を更なる精製無しで次の工程に用いた。
【0178】
工程2)2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エタノール
無水テトラヒドロフラン(30mL)中の2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)酢酸(1.91g、6.86mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.39g、10mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、40分間撹拌した。混合物を水(10mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.700g、38.6%)。
【0179】
工程3)2-[6-ブロモ-1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.12g、2.78mmol)、2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エタノール(0.610g、2.31mmol)及びトリフェニルホスフィン(1.24g、4.63mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶解し、系内の空気をNに置換した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.95mL、4.7mmol)を混合物に滴下した。得られた混合物をrtで22.5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.05g、70.0%)。
【0180】
工程4)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[6-ブロモ-1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.05g、1.62mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(1.16g、3.24mmol)をトルエン(10mL)にrt、N下で溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(0.56g、0.48mmol)を添加した。混合物を110℃で23.5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.470g、46.0%)。
【0181】
MS(ESI,pos.ion)m/z:660.2[M+Na]
【0182】
工程5)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-(6-オキサスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.270g、0.423mmol)をDCM(12mL)にrtで溶解し、次いで、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。混合物を3時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.050g、20.0%)。
【0183】
MS(ESI,pos.ion)m/z:582.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.50-7.46(m,1H)、7.33-7.28(m,1H)、7.25(s,1H)、7.02(t,J=7.4Hz、1H)、6.86(d,J=8.2Hz、1H)、5.18-5.12(m,1H)、4.61-4.51(m,4H)、4.21-4.12(m,1H)、4.12-4.03(m,1H)、3.86(s,3H)、3.77-3.68(m,1H)、2.87(s,3H)、2.48-2.37(m,2H)、2.12-2.06(m,1H)、1.95-1.89(m,1H)、1.87(s,3H)、1.84(s,3H)。
【0184】
例4:2-[1-[2-[[(3S,6S)-3-ヒドロキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-6-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化18】

工程1)(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3-オール
DCM(20mL)中の(3S,6S)-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3,6-ジオール(4.00g、27.4mmol)の溶液に、t-ブチルジメチルシリルクロリド(4.60g、30.5mmol)をゆっくりとN下で添加し、次いで、イミダゾール(2.90g、42.2mmol)を添加した。混合物をrtで22時間撹拌した。混合物を水(100mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(3.20g、47.8%)。
【0185】
工程2)2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-酢酸
無水テトラヒドロフラン(25mL)中の(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン-3-オール(2.00g、7.68mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.30g、30.7mmol)を一部ずつ氷浴上でN下で添加した。15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-フェニル酢酸(1.85g、8.45mmol)の溶液を混合物に滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、更に12時間撹拌した。混合物を水(20mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約5に調節し、次いで、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.80g、59.4%)。生成物を更なる精製無しで次の工程に用いた。
【0186】
MS(ESI,pos.ion)m/z:417.2[M+Na]
【0187】
工程3)2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-酢酸(2.48g、6.29mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.50g、13.0mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を水(0.50mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。次いで、混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(0.50mL、15%)及び水(1.50mL)を順に添加した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.60g、25.0%)。
【0188】
MS(ESI,pos.ion)m/z:403.1[M+Na]
【0189】
工程4)2-[6-ブロモ-1-[2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.58g、1.4mmol)、2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エタノール(0.53g、1.4mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.75g、2.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)にrtで溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.56g、2.7mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.71g、67.0%)。
【0190】
工程5)2-[1-[2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[6-ブロモ-1-[2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.17g、0.22mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(0.29g、0.67mmol)をトルエン(10mL)にrt、N下で溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(0.12g、0.11mmol)を添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.10g、60.0%)。
【0191】
MS(ESI,pos.ion)m/z:777.2[M+Na]
【0192】
工程6)2-[1-[2-[[(3S,6S)-3-ヒドロキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン6-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[[(3S,6S)-6-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラ-3-イル]オキシ]-2-フェニル-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.42g、0.56mmol)をDCM(8mL)にrtで溶解し、次いで、2,2,2-トリフルオロ酢酸(4mL)を添加した。混合物を4時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(0.22g、68.0%)。
【0193】
MS(ESI,pos.ion)m/z:584.2[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(s,1H)、7.50-7.35(m,5H)、7.25(s,1H)、5.15-5.10(m,1H)、4.45(t,J=4.8Hz、1H)、4.35(t,J=5.1Hz、1H)、4.25(d,J=14.4Hz、1H)、4.18-4.11(m,1H)、4.04-3.96(m,1H)、3.95-3.87(m,1H)、3.86-3.82(m,1H)、3.82-3.77(m,1H)、3.47(t,J=8.2Hz、1H)、3.04(t,J=8.4Hz、1H)、2.87(s,3H)、1.90(s,3H)、1.87(s,3H)。
【0194】
例5:2-[1-[2-[[(3S,6S)-3-ヒドロキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン6-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化19】

2-[1-[2-[[(3S,6S)-3-ヒドロキシ-2,3,3a,5,6,6a-ヘキサヒドロフロ[3,2-b]フラン6-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸を2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(1.35g、5.51mmol)から例4に記載の方法に従って調製した。標題化合物を淡黄色の固体として得た(0.45g、74.0%)。
【0195】
MS(ESI,pos.ion)m/z:636.1[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.52-7.45(m,1H)、7.37-7.31(m,1H)、7.25(s,1H)、7.04(t,J=7.5Hz、1H)、6.93(d,J=8.2Hz、1H)、5.55-5.46(m,1H)、4.45(t,J=4.7Hz、1H)、4.36(t,J=5.1Hz、1H)、4.22-4.06(m,3H)、4.01-3.93(m,2H)、3.92(s,3H)、3.84-3.78(m,1H)、3.55(t,J=8.0Hz、1H)、3.24(t,J=8.1Hz、1H)、2.87(s,3H)、1.88(s,3H)、1.87(s,3H)。
【0196】
例6:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化20】

工程1)(3aR,6aS)-5’,5’-ジメチルスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン
1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-2,5-ジオン(20.00g、144.8mmol)及び2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(16.00g、153.6mmol)をトルエン(100.00mL)に溶解し、次いで、p-トルエンスルホン酸(2.50g、14.4mmol)を添加した。混合物を115℃まで加熱し、一晩撹拌した。反応を停止し、混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(13.60g、41.89%)。
【0197】
工程2)(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-オール
無水メタノール(40mL)中の(3aR,6aS)-5’,5’-ジメチルスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン(24.50g、109.2mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(5.78g、150.0mmol)を一部ずつ氷浴上でN下、添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を水(50mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(18.00g、72.8%)。
【0198】
工程3)2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-オール(3.09g、13.7mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.95g、48.8mmol)を一部ずつ氷浴上でN下、添加した。15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(3.00g、12.2mmol)の溶液を混合物に添加した。添加の後、混合物をrtに移し、更に4時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約3に調節し、次いで、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(2.20g、46.0%)。
【0199】
工程4)2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(2.20g、5.63mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.44g、11.0mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物に、水(0.44mL)、水酸化ナトリウム水溶液(0.44mL、10%)及び水(1.32mL)を順に氷浴上でゆっくりと滴下した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(1.30g、61.3%)。
【0200】
MS(ESI,pos.ion)m/z:399.3[M+Na]
【0201】
工程5)2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.45g、3.60mmol)(例1の工程6に記載の方法に従って調製した)、2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(1.30g、3.45mmol)、トリフェニルホスフィン(1.80g、6.79mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)にrtで溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(1.40g、6.79mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.70g、64.6%)。
【0202】
工程6)2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.70g、2.23mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(4.00g、11.2mmol)をトルエン(20mL)にrtでN下、溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(1.30g、1.12mmol)を添加した。混合物を110℃で8時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.75g、45.0%)。
【0203】
工程7)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.75g、1.0mmol)をDCM(10mL)にrtで溶解し、次いで、2,2,2-トリフルオロ酢酸(2mL)を添加した。混合物を4時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(0.500g、82.0%)。
【0204】
MS(ESI,pos.ion)m/z:608.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71(s,1H)、7.49(d,J=6.9Hz、1H)、7.34-7.28(m,1H)、7.23(s,1H)、7.05(d,J=7.1Hz、1H)、6.85(d,J=7.7Hz、1H)、5.31(t,J=5.5Hz、1H)、4.18-4.03(m,2H)、3.96-3.90(m,1H)、3.82(s,3H)、2.86(s,3H)、2.70-2.58(m,2H)、2.50-2.33(m,2H)、2.27-2.09(m,2H)、2.06-1.98(m,2H)、1.89(s,3H)、1.84(s,3H)、1.64-1.52(m,2H)。
【0205】
例7:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-3a,6a-ジメチル-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロペンタレニル-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル-2-メチル-プロパン酸
【化21】

工程1)(3aR,6aS)-3a,5’,5’,6a-テトラメチルスピロ[1,3,4,6-テトラヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン
3a,6a-ジメチル-1,3,4,6-テトラヒドロペンタレニル-2,5-ジオン(3.00g、18.0mmol)、2,2-ジメチルプロパン-1,3-ジオール(1.90g、18.2mmol)及びp-トルエンスルホン酸(0.40g、2.3mmol)をトルエン(20mL)にN下、溶解した。混合物を115℃まで加熱し、12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(3.00g、65.9%)。
【0206】
工程2)(3’aR,6’aS)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレン]-2’-オール
無水メタノール(15mL)中の(3aR,6aS)-3a,5’,5’,6a-テトラメチルスピロ[1,3,4,6-テトラヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン(3.00g、11.9mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.60g、16.0mmol)を一部ずつ氷浴上でN下で添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を水(50mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(2.26g、74.7%)。
【0207】
工程3)2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3’aR,6’aS)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレン]-2’-オール(2.30g、9.04mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.20g、30.0mmol、60%)を一部ずつ氷浴上でN下で添加した。15分間氷浴上で撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(1.80g、7.34mmol)の溶液を混合物に添加した。添加の後、混合物をrtに移し、更に4時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約3に調節し、次いで、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.60g、52.1%)。
【0208】
MS(ESI,pos.ion)m/z:419.3[M+H]
【0209】
工程4)2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.90g、4.54mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.45g、12.0mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を水(0.45mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。次いで、混合物に、水酸化ナトリウム水溶液(0.45mL、15%)及び水(1.35mL)を順に添加した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.55g、30.1%)。
【0210】
MS(ESI,pos.ion)m/z:427.3[M+Na]
【0211】
工程5)2-[1-[2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.60g、1.5mmol)、2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(0.54g、1.3mmol)、トリフェニルホスフィン(0.75g、2.8mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)にrt、N下、溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.56g、2.7mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(1.10g、99.0%)。
【0212】
工程6)2-[1-[2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(1.10g、1.39mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(1.50g、4.19mmol)をトルエン(20mL)にrt、N下で溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(0.80g、0.69mmol)を添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.61g、56.0%)。
【0213】
工程7)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-3a,6a-ジメチル-5-オキサ-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[(3’aS,6’aR)-3’a,5,5,6’a-テトラメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.61g、0.78mmol)をDCM(15mL)にrtで溶解し、次いで、2,2,2-トリフルオロ酢酸(5mL)を添加した。混合物を4時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(0.36g、72.0%)。
【0214】
MS(ESI,pos.ion)m/z:636.2[M+H]
【0215】
工程8)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-3a,6a-ジメチル-1,2,3,4,5,6-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
無水メタノール(10mL)中の2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-3a,6a-ジメチル-5-オキサ-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸(0.36g、0.57mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.08g、2.0mmol)を一部ずつ氷浴上でN下で添加した。混合物をrtで5時間撹拌した。混合物を水(10mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.32g、89.0%)。
【0216】
MS(ESI,pos.ion)m/z:638.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.52(d,J=6.7Hz、1H)、7.33-7.29(m,1H)、7.25(s,1H)、7.03(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.29-5.22(m,1H)、4.22-4.01(s,3H)、3.87(s,3H)、3.75-3.69(m,1H)、2.85(s,3H)、1.90(s,3H)、1.85(s,3H)、1.83-1.76(m,2H)、1.76-1.68(m,2H)、1.53-1.51(m,1H)、1.43-1.35(m,3H)、0.98(s,3H)、0.96(s,3H)。
【0217】
例8:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アミノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
【化22】

工程1)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキサ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[(3’aR,6’aS)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル]-2’-イル]オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(300mg、0.40mmol)(例6に従って調製した)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、次いで、塩酸水溶液(6.0mL、2N)をrtで添加した。混合物を24時間撹拌した。混合物に酢酸エチル(30mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(260mg、97.9%)。
【0218】
MS(ESI,pos.ion)m/z:664.2[M+H]
【0219】
工程2)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキサ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(260mg、0.39mmol)を酢酸エチル(10.0mL)に溶解し、溶液を0℃まで冷却した。次いで、水素化ホウ素ナトリウム(30mg、0.78mmol)を一部ずつ添加した。混合物を0℃で10分間、次いでrtで30分間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、飽和含水塩化アンモニウム(0.5mL)でクエンチした。混合物に水(10mL)及び酢酸エチル(20mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を灰白色の固体として得た(246mg、94.3%)。
【0220】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(240mg、0.36mmol)をDCM(5.0mL)に溶解し、次いで、トリエチルアミン(0.1mL、0.70mmol)を添加した。溶液を0℃まで冷却した。次いで、メチルスルホニルクロリド(62mg、0.54mmol)を滴下した。混合物を0℃で1時間撹拌した。混合物を水(5.0mL)でクエンチし、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後。水相をDCM(10.0mL)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=7/3)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(220mg、82.0%)。
【0221】
MS(ESI,pos.ion)m/z:774.2[M+H]
【0222】
工程4)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アジド-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(220mg、0.30mmol)をN,N-ジメチルホルムアミド(3.0mL)に溶解し、次いで、アジ化ナトリウム(23mg、0.35mmol)を添加した。混合物を60℃で23時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチし、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後。水相をDCM(20mL)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=7/3)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(200mg、97.9%)。
【0223】
工程5)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アミノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アジド-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(200mg、0.29mmol)をメタノール(5.0mL)に溶解し、次いで、パラジウム炭素(20mg、0.19mmol、10%)を添加した。混合物をrtでH下、1.5時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークをメタノール(20mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を灰白色の固体として得た(165mg、85.7%)。
【0224】
MS(ESI,pos.ion)m/z:665.3[M+H]
【0225】
工程6)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アミノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-アミノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(165mg、0.25mmol)を酢酸エチル(5.0mL)中の塩化水素の溶液に溶解した。混合物をrtで10時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(7.0mg、4.4%)。
【0226】
MS(ESI,pos.ion)m/z:609.2[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD)δ7.98(s,1H)、7.46(d,J=7.3Hz、1H)、7.29(d,J=11.9Hz、2H)、7.08-6.89(m,2H)、5.36-5.29(m,1H)、4.25-3.85(m,2H)、3.82(s,3H)、3.80-3.72(m,1H)、3.56-3.43(m,1H)、2.79(s,3H)、2.65-2.50(m,2H)、1.95(m,2H)、1.81(s,3H)、1.77(s,3H)、1.77-1.54(m,5H)。
【0227】
例9:2-[1-[2-(1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロール-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
【化23】

工程1)5-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル
無水メタノール(15mL)中の5-オキソ-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロシクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(2.50g、11.1mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.56g、15.0mmol)を一部ずつ氷浴上でN下、添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を水(50mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(2.50g、99.1%)。
【0228】
工程2)2-[(2-t-ブチルオキシカルボリル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の5-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(2.50g、11.0mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.00g、25.0mmol、60%)を一部ずつ氷浴上でN下で添加した。15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(2.00g、8.16mmol)の溶液を混合物に添加した。添加の後、混合物をrtに移し、更に4時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約5に調節し、次いで、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(2.80g、87.6%)。
【0229】
工程3)5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[(2-t-ブチルオキシカルボリル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.00g、2.55mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.17g、4.3mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を水(0.17mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。次いで、混合物に、水酸化ナトリウム溶液(0.17mL、15%)及び水(0.51mL)を順に添加した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.32g、33.1%)。
【0230】
MS(ESI,pos.ion)m/z:400.3[M+Na]
【0231】
工程4)5-[2-[3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル
2-(6-ブロモ-5-メチル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.95g、2.4mmol)、5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(0.80g、2.1mmol)、トリフェニルホスフィン(1.10g、4.15mmol)を無水テトラヒドロフラン(25mL)にrtでN下、溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.90g、4.4mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.78g、48.0%)。
【0232】
MS(ESI,pos.ion)m/z:785.2[M+Na]
【0233】
工程5)5-[2-[3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル
5-[2-[3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(0.78g、1.0mmol)及び2-トリブチルスタンニルオキサゾール(1.10g、3.07mmol)をトルエン(20mL)にrt、N下で溶解し、次いで、テトラキスパラジウム-(トリフェニルホスフィン)(0.60g、0.52mmol)を添加した。混合物を110℃で12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.31g、40.0%)。
【0234】
MS(ESI,pos.ion)m/z:773.3[M+Na]
【0235】
工程6)2-[1-[2-(1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロール-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
5-[2-[3-(2-t-ブトキシ-1,1-ジメチル-2-オキソ-エチル)-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(0.27g、1.0mmol)を酢酸エチル(5mL)にrtでに溶解し、次いで、EtOAc中のHClの溶液(5mL)を添加した。混合物をrtで4時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色固体として得た(0.21g、98.0%)。
【0236】
MS(ESI,pos.ion)m/z:595.8[M-HCl+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ10.34(s,1H)、7.72(s,1H)、7.39-7.33(m,2H)、7.22(s,1H)、7.06-6.94(m,2H)、5.25(m,1H)、4.80(m,1H)、3.98(s,3H)、3.85(m,1H)、3.78(m,1H)、3.59(m,1H)、3.45(s,1H)、2.94(m,2H)、2.85(s,3H)、1.96(s,3H)、1.85(s,3H)、1.77(m,2H)、1.60(m,1H)、1.28-1.22(m,3H)。
【0237】
例10:2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化24】

工程1)5-ベンジルオキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル
5-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチル(2.60g、11.4mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。溶液を0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.686g、17.15mmol、60%)を一部ずつ添加した。添加の後、混合物をrtに移し、30分間撹拌し、次いで、臭化ベンジル(2.54g、14.9mmol)をゆっくりと添加した。混合物をrtで一晩撹拌した。混合物を氷水に注ぎ入れた。得られた混合物を酢酸エチル(300mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を黄色の油として得た(2.63g、72.4%)。
【0238】
MS(ESI,pos.ion)m/z:340.5[M+Na]
【0239】
工程2)5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロール塩酸塩
5-ベンジルオキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-2-カルボン酸t-ブチルを、EtOAc中のHClの溶液(15mL)に溶解した。混合物を1時間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをEtOAc(3mL×3)で洗浄し、真空乾燥して、標題化合物を黄色の固体として得た(1.20g、100%)。この粗生成物を更なる精製をすることなく次の工程に用いた。
【0240】
MS(ESI,pos.ion)m/z:218.4[M+H]
【0241】
工程3)5-ベンジルオキシ-2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール
5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロシクロペンテノ[c]ピロール塩酸塩(1.52g、6.99mmol)をDCM(30mL)に溶解し、次いで、トリエチルアミン(2.95mL、0.70mmol)を添加した。溶液を0℃まで冷却した。次いで、メチルスルホニルクロリド(1.20g、10.49mmol)を滴下した。混合物をrtで2.5時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチし、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後。水相をDCM(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(1.76g、85.2%)。
【0242】
MS(ESI,pos.ion)m/z:296.3[M+H]
【0243】
工程4)2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-オール
5-ベンジルオキシ-2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール(1.76g、5.96mmol)をメタノール(50mL)に溶解し、次いで、水酸化パラジウム(176mg、1.25mmol)及び氷酢酸(2.0mL)を添加した。系を水素ガスで3回置換し、混合物をrtで4.0Mpaの水素圧下、24時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.16g、94.8%)。
【0244】
MS(ESI,pos.ion)m/z:206.1[M+H]
【0245】
工程5)2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]酢酸
2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-オール(1.16g、5.65mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。混合物をN下、0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(678mg、16.95mmol、60%)を添加した。混合物を10分間撹拌し、更にrtで30分間撹拌し、次いで、2-ブロモ-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(1.52g、6.22mmol)を添加した。得られた混合物をrtで18時間撹拌した。混合物を氷水(50g)に注ぎ入れ反応をクエンチし、次いで、酢酸エチル(50mL)を添加した。混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を希塩酸(1N)でpH約2に調節し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.96g、93.9%)。
【0246】
MS(ESI,pos.ion)m/z:370.2[M+H]
【0247】
工程6)2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]エタノール
2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]酢酸(1.96g、5.31mmol)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解した。混合物をN下で-5℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(0.519g、13.26mmol)を一部ずつ添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物に、水(0.3mL)、水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL、10%)及び水(1.0mL)をゆっくりと順に滴下した。次いで、無水硫酸ナトリウムを添加し、得られた混合物をrtで30分間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをEtOAc(10mL×4)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(0.340g、18.0%)。
【0248】
MS(ESI,pos.ion)m/z:378.2[M+Na]
【0249】
工程7)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]エタノール(130mg、0.36mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(143mg、0.69mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.34mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物にトリフェニルホスフィン(184mg、0.69mmol)をN下で一部ずつ添加した。混合物をrtで13時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=15/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(300mg、94.4%)。
【0250】
工程8)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(2-メチルスルホニル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]ピロール-5-イル)オキシ]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(300mg、0.33mmol)をテトラヒドロフラン(2.0mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、0.45mL、0.45mmol)を添加した。混合物をrtで20分間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(51mg、23.0%)。
【0251】
MS(ESI,pos.ion)m/z:673.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71(d,J=16.2Hz、1H)、7.47-7.28(m,2H)、7.04-6.94(m,1H)、6.90-6.85(m,1H)、4.58-4.55(m,1H)、3.92-3.86(m,3H)、3.85(s,3H)、3.38-3.29(m,2H)、3.25-3.18(m,2H)、2.95-2.91(m,3H)、2.90-2.61(m,3H)、2.59-2.55(m,2H)、2.24-1.98(m,2H)、1.91(s,3H)、1.81(s,3H)、1.69-1.52(m,2H)。
【0252】
例11:2-[1-[2-(6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
【化25】

工程1)2-ヒドロキシ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル
2-オキソ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル(2.00g、9.47mmol)をEtOAc(40mL)に溶解した。混合物を0℃まで冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(548mg、14.19mmol)を一部ずつ添加し、混合物を10分間0℃で撹拌し、次いで、更にrtで30分間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、飽和含水塩化アンモニウム(2.0mL)でクエンチした。混合物を30分間撹拌し、水(20mL)及び酢酸エチル(50mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を灰白色の固体として得た(1.80g、89.2%)。
【0253】
MS(ESI,pos.ion)m/z:236.1[M+H]
【0254】
工程2)2-[(6-t-ブトキシカルボニル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
2-ヒドロキシ-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル(1.80g、8.44mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(1.01g、25.3mmol、60%)を添加した。混合物を10分間撹拌し、更にrtで30分間撹拌し、次いで、2-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.86g、7.59mmol)を添加した。得られた混合物をrtで18時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、飽和含水塩化アンモニウム(0.5mL)でクエンチした。混合物を30分間撹拌し、水(10mL)及び酢酸エチル(20mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を希塩酸(1N)でpH約3に調節し、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を赤色の油として得た(2.9g、90.9%)。
【0255】
MS(ESI,pos.ion)m/z:400.1[M+Na]
【0256】
工程3)2-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル
2-[(6-t-ブトキシカルボニル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.00g、2.65mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(207mg、5.29mmol)を一部ずつ添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物に、水(0.3mL)、水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL、10%)及び水(1.0mL)をゆっくりと順に滴下した。次いで、混合物をrtで撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、得られた混合物を更にrtで30分間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをEtOAc(10mL×4)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=7/3)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(416mg、43.1%)。
【0257】
MS(ESI,pos.ion)m/z:386.5[M+Na]
【0258】
工程4)2-[2-[3-[2-t-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル
2-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル(209mg、0.57mmol)、トリフェニルホスフィン(278mg、1.05mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(300mg、0.52mmol)(WO2013071169A1に記載の化合物95.4の方法に従って調製した)をテトラヒドロフラン(6mL)に添加し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(216mg、1.05mmol)をN下で滴下した。混合物をrtで15時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=79/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(244mg、50.7%)。
【0259】
工程5)2-[1-[2-(6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸塩酸塩
2-[2-[3-[2-t-ブチル(ジフェニル)シリル]オキシ-1,1-ジメチル-2-オキサ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-1-イル]-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-6-カルボン酸t-ブチル(244mg、1.0mmol)をEtOAc中のHClの溶液(5.0mL)に溶解した。混合物をrtで1時間撹拌した。混合物を濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(54mg、32.9%)。
【0260】
MS(ESI,pos.ion)m/z:581.1[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD)δ7.98(s,1H)、7.46-7.41(m,1H)、7.32-7.25(m,2H)、7.01(t,J=7.4Hz、1H)、6.94(d,J=8.2Hz、1H)、5.21-5.15(m,1H)、4.11-4.06(m,1H)、4.05-4.02(m,1H)、3.95(s,2H)、3.92(d,J=2.5Hz、2H)、3.86-3.80(m,4H)、2.79(s,3H)、2.53-2.41(m,2H)、2.18-2.11(m,1H)、2.07-2.00(m,1H)、1.80(s,3H)、1.77(s,3H)。
【0261】
例12:2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化26】

工程1)2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エタノール
2-[(6-t-ブトキシカルボニル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(800mg、2.12mmol)(例11の工程2に従って調製した)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(248mg、6.34mmol)を一部ずつ添加した。混合物を40℃で30分間撹拌した。混合物に、水(0.3mL)、水酸化ナトリウム水溶液(0.3mL、10%)及び水(1.0mL)をゆっくりと順に滴下した。次いで、混合物をrtで撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、得られた混合物を更にrtで30分間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをEtOAc(10mL×4)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(MeOH/DCM(V/V)=1/9)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(330mg、56.1%)。
【0262】
MS(ESI,pos.ion)m/z:278.1[M+H]
【0263】
工程2)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エタノール(265mg、0.95mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(260mg、1.74mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(500mg、0.87mmol)(WO2013071169A1に記載の化合物95.4の調製方法に従って調製した)をテトラヒドロフラン(20.0mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン(3.0mL)中のトリフェニルホスフィン(462mg、1.74mmol)の溶液をN下で滴下した。混合物をrtで4時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分を(メタノール/ジクロロメタン(V/V)=1/9)で溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(500mg、68.8%)。
【0264】
MS(ESI,pos.ion)m/z:595.1[M-TBDPS+H]
【0265】
工程3)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2-[(6-メチル-6-アザスピロ[3.3]ヘプタン-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(500mg、0.60mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物にを添加しテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mmol/L、3.6mL、3.60mmol)。混合物をrtで3時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(120mg、33.6%)。
【0266】
MS(ESI,pos.ion)m/z:595.1[M+H]
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ8.22(s,1H)、7.44-7.34(m,2H)、7.32-7.25(m,1H)、7.30-6.96(m,2H)、5.08-4.96(m,1H)、4.12-4.03(m,1H)、4.02-3.92(m,1H)、3.77(s,3H)、3.75-3.70(m,1H)、3.69-3.66(m,2H)、3.65-3.60(m,2H)、2.74(s,3H)、2.51(s,3H)、2.35-2.29(m,2H)、1.95-1.91(m,1H)、1.83-1.78(m,1H)、1.67(s,3H)、1.64(s,3H)。
【0267】
例13:2-[1-[2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化27】

工程1)4-オキソシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル
メタノール(150mL)中の4-オキソシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸(20.00g、58.09mmol)の溶液に、塩化チオニル(25.3mL、349mmol)をrtで滴下した。混合物を66℃で2時間撹拌した。混合物をrtまで冷却し水(200mL)でクエンチした。得られた混合物をEtOAc(300mL)で抽出した。有機層を飽和重炭酸ナトリウム溶液(100mL)及び塩化ナトリウム溶液(100mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、真空濃縮して、標題化合物を白色の固体として得た(23.26g、100%)。
【0268】
工程2)4-ヒドロキシシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル
メタノール(50mL)中の4-オキソシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル(10.00g、49.95mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(2.32g、60.1mmol)を-5℃で添加した。添加の後、混合物を2時間撹拌した。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(10mL)でクエンチした。次いで、無水硫酸ナトリウム(10g)を添加し、得られた混合物を10分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾過ケークをEtOAc(10mL×2)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(6.14g、60.77%)。
【0269】
工程3)4-ベンジルオキシシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル
無水N,N-ジメチルホルムアミド(60mL)中の4-ヒドロキシシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル(6.13g、30.3mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.82g、45.5mmol、60%)を一部ずつ氷浴上でを添加した。混合物をrtで30分間撹拌し、次いで、臭化ベンジル(7.2mL、61mmol)をゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtで2時間撹拌した。混合物を水(40mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(3.84g、43.3%)。
【0270】
MS(ESI,pos.ion)m/z:293.2[M+H]
【0271】
工程4)[4-ベンジルオキシ-2-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]メタノール
無水テトラヒドロフラン(40mL)中の4-ベンジルオキシシクロペンタン-1,2-ジカルボン酸ジメチル(3.84g、13.1mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(2.00g、51mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物をrtに移し、一晩撹拌した。混合物を水(100mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を塩酸(4N)でpH約3に調節し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/2)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.60g、52%)。
【0272】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.38-7.27(m,5H)、4.47(s,2H)、4.03-3.97(m,1H)、3.74-3.66(m,2H)、3.47(t,J=9.7Hz、1H)、3.34(t,J=9.9Hz、1H)、2.23-2.05(m,2H)、2.05-1.96(m,1H)、1.96-1.84(m,1H)、1.53-1.38(m,2H)。
【0273】
工程5)5-ベンジルオキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン
無水テトラヒドロフラン(40mL)中の[4-ベンジルオキシ-2-(ヒドロキシメチル)シクロペンチル]メタノール(1.54g、6.52mmol)の溶液に、n-ブチルリチウム(2.9mL、7.3mmol、2.5mol/L)を-20℃でN下、ゆっくりと滴下した。混合物を30分間撹拌し、無水テトラヒドロフラン(10mL)中のp-トルエンスルホクロリド(1.38g、7.17mmol)の溶液を添加した。混合物をrtに移し、1時間撹拌した。混合物を-20℃まで冷却し、n-ブチルリチウム(2.9mL、7.3mmol、2.5mol/L)をゆっくりと滴下した。得られた混合物を10分間撹拌し、70℃まで加熱し、一晩撹拌した。混合物を水(50mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(1.22g、85.8%)。
【0274】
MS(ESI,pos.ion)m/z:219.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.41-7.28(m,5H)、4.55(dd,J=13.2、6.6Hz、1H)、4.50(s,2H)、3.90(dt,J=11.3、6.9Hz、2H)、3.38(dd,J=10.9、7.1Hz、1H)、3.30(dd,J=10.9、7.1Hz、1H)、2.50-2.36(m,1H)、2.29(dt,J=12.6、6.5Hz、1H)、2.04-1.88(m,2H)、1.55(td,J=12.7、7.7Hz、1H)、1.44(td,J=12.3、5.5Hz、1H)。
【0275】
工程6)3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オール
5-ベンジルオキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン(1.22g、5.59mmol)を無水メタノール(10mL)に溶解し、氷酢酸(6mL)及びPd/C(0.15g、10%)を添加した。混合物を5Mpaの水素圧下、rtで3時間撹拌した。反応を停止し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分を酢酸エチル(50mL)に溶解した。混合物を飽和塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.60g、83.8%)。
【0276】
工程7)2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オール(0.60g、4.68mmol)をテトラヒドロフラン(25mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.75g、19mmol、60%)を添加した。混合物を10分間撹拌し、更にrtで30分間撹拌し、次いで、2-ブロモ-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(1.15g、4.69mmol)を添加した。得られた混合物をrtで4.5時間撹拌した。混合物を氷水(50g)に注ぎ入れ反応をクエンチし、次いで、酢酸エチル(40mL)を添加した。混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を希塩酸(4N)でpH約2に調節し、酢酸エチル(50mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(1.29g、94.3%)。
【0277】
MS(ESI,neg.ion)m/z:291.3[M-H]
【0278】
工程8)2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.29g、4.41mmol)をテトラヒドロフラン(30mL)に溶解した。混合物をN下で-5℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(0.34g、9.0mmol)を一部ずつ添加した。混合物を一晩撹拌した。混合物を水(30mL)を滴下することによってクエンチした。得られた混合物を塩酸(4N)でpH約2に調節し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(0.566g、46.1%)。
【0279】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.38(t,J=6.2Hz、1H)、7.31-7.26(m,1H)、7.00(t,J=7.5Hz、1H)、6.88(d,J=8.2Hz、1H)、4.94(dd,J=8.2、3.2Hz、1H)、4.43(dd,J=32.3、6.7Hz、1H)、3.95-3.85(m,2H)、3.84(s,3H)、3.71-3.64(m,1H)、3.54(dt,J=11.4、7.7Hz、1H)、3.42-3.33(m,1H)、3.28-3.22(m,1H)、2.50-2.26(m,1H)、2.25-2.10(m,1H)、1.94-1.89(m,1H)、1.87-1.79(m,1H)、1.51-1.41(m,2H)。
【0280】
工程9)2-[1-[2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(0.212g、0.762mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.2mL、1.0mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.350g、0.61mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物にトリフェニルホスフィン(0.245mg、0.915mmol)を一部ずつN下で添加した。混合物をrtで18時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(0.390g、76.6%)。
【0281】
工程10)2-[1-[2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-シクロペンテノ[c]フラン-5-オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.190g、0.228mmol)をテトラヒドロフラン(2.0mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、0.35mL、0.35mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.071g、52%)。
【0282】
MS(ESI,pos.ion)m/z:596.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.53(t,J=7.4Hz、1H)、7.34-7.29(m,1H)、7.24(s,1H)、7.05(t,J=7.4Hz、1H)、6.88(d,J=8.2Hz、1H)、5.26(dd,J=13.1、6.0Hz、1H)、4.34-4.26(m,1H)、4.24-4.04(m,2H)、3.88(s,3H)、3.85-3.78(m,2H)、3.31-3.24(m,1H)、3.20(dd,J=10.9、7.1Hz、1H)、2.86(s,3H)、2.28-2.19(m,2H)、1.88(s,3H)、1.84(s,3H)、1.81-1.75(m,1H)、1.61(dd,J=13.1、6.2Hz、1H)、1.43-1.34(m,1H)、1.19-1.06(m,1H)。
【0283】
例14:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-メチル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化28】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-メチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(300mg、1.0mmol)を無水テトラヒドロフラン(50mL)にN下で溶解した。混合物を-10℃まで冷却し、エチルエーテル中のメチルマグネシウムブロミドの溶液(3mL、9mmol、3mol/L)を滴下した。滴下の後、混合物を0℃で1時間撹拌した。反応を飽和含水塩化アンモニウム(5mL)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残分に、水(30mL)及びEtOAc(40mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィーPE/EtOAc(V/V=1/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(180mg、57%)。
【0284】
工程2)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-メチル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-メチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(180mg、0.59mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(280mg、0.49mmol)及びトリフェニルホスフィン(310mg、1.18mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.24mL、1.2mmol)0℃でN下、ゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物を14時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=10/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(148mg、29%)。
【0285】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-メチル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-メチル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(145mg、0.17mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.5mL、1mol/L)を添加した。混合物を3時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を得た(30mg、27.5%)。
【0286】
MS(ESI,pos.ion)m/z:646.2[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71(s,1H)、7.51(dd,J=7.5、1.3Hz、1H)、7.31-7.27(m,1H)、7.24(s,1H)、7.01(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.29(dd,J=8.8、4.0Hz、1H)、4.32-4.24(m,1H)、4.01-3.96(m,1H)、3.89(s,3H)、3.81-3.71(m,1H)、2.83(s,3H)、2.28-2.37(m,2H)、1.99-1.89(m,2H)、1.86(s,3H)、1.83(s,3H)、1.80-1.75(m,2H)、1.73-1.68(m,1H)、1.66-1.63(m,2H)、1.58-1.50(m,1H)、1.24(s,3H)。
【0287】
例15:2-[1-[2-[(5-シアノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化29】

工程1)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-オキサ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレニル-2-イル)オキシ]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(例8の工程1に従って調製した)(0.47g、0.71mmol)、p-トルエンスルホニルメチルイソシアニド(0.32g、1.8mmol)及びエタノール(0.20mL、3.4mmol)をエチレングリコールジメチルエーテル(10mL)に溶解した。次いで、カリウムt-ブトキシド(0.25g、2.2mmol)を一部ずつ添加した。混合物をrtで4時間撹拌し、反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.15g、31.2%)。
【0288】
工程2)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(0.25g、0.37mmol)をEtOAc(5mL)にrtで溶解し、酢酸エチル中の塩化水素の溶液(10mL)を添加した。混合物を6時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.21g、92.0%)。
【0289】
MS(ESI,pos.ion)m/z:619.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(s,1H)、7.49(d,J=6.6Hz、1H)、7.34-7.29(m,1H)、7.24(s,1H)、7.04(t,J=7.7Hz、1H)、6.87(d,J=8.0Hz、1H)、5.33-5.26(m,1H)、4.13-4.02(m,2H)、3.85(s,3H)、3.75-3.70(m,1H)、2.87(s,3H)、2.85-2.76(m,1H)、2.52-2.50(m,2H)、2.00-1.92(m,5H)、1.88(s,3H)、1.86(s,3H)、1.77-1.70(m,3H)。
【0290】
例16:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチルプロパン酸
【化30】

工程1)[2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチルジメチルシラン
[2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(1.00g、2.61mmol)をDCM(20mL)に溶解し、次いで、イミダゾール(360mg、5.23mmol)を添加した。溶液を0℃まで冷却した。次いで、t-ブチルジメチルシリルクロリド(591mg、3.92mmol)を滴下した。混合物を0℃で35分間撹拌した。混合物に水(10mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後。水相をDCM(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(EtOAc/PE(V/V)=1/12)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(1.23g、94.7%)。
【0291】
MS(ESI,pos.ion)m/z:519.2[M+Na]
【0292】
工程2)(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール
[2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチルジメチルシラン(1.23g、2.48mmol)をメタノール(20.0mL)に溶解し、次いで、パラジウム炭素(123mg、0.12mmol、10%)を添加した。混合物をrtでH下、3時間撹拌した。混合物を濾過し、濾過ケークをメタノール(20.0mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc/PE(V/V)=1/12)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(0.88g、87.4%)。
【0293】
MS(ESI,pos.ion)m/z:429.3[M+Na]
【0294】
工程3)2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチルジメチルシラン
(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール(200mg、0.49mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(24mg、0.60mmol、60%)を一部ずつ添加した。混合物を0.5時間撹拌した。混合物にヨードメタン(77.2mg、0.54mmol)ゆっくりと滴下し、混合物をrtで24時間撹拌した。次いで、混合物に水(10mL)を添加し、混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後。水相をDCM(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=15/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(178mg、86.0%)。
【0295】
MS(ESI,pos.ion)m/z:443.4[M+Na]
【0296】
工程4)2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチルジメチルシラン(178mg、0.42mmol)をテトラヒドロフラン(2.0mL)に溶解し、次いで、フッ化テトラブチルアンモニウム(1.3mL、1.30mmol)を添加した。混合物をrtで3時間撹拌した。混合物を水(50mL)でクエンチし、EtOAc(30mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(125mg、96.4%)。
【0297】
MS(ESI,pos.ion)m/z:329.2[M+Na]
【0298】
工程5)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(337mg、1.10mmol)、トリフェニルホスフィン(555mg、2.09mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(600mg、1.05mmol)をテトラヒドロフラン(20.0mL)に添加した。混合物をN下、5分間撹拌し、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(432mg、2.09mmol)を滴下した。混合物をrtで3.5時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(450mg、49.9%)。
【0299】
工程6)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチルプロパン酸
2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メトキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(450mg、0.52mmol)をテトラヒドロフラン(5.0mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、3.2mL、3.20mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(30mg、9.2%)。
【0300】
MS(ESI,pos.ion)m/z:624.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.66(s,1H)、7.59-7.52(m,1H)、7.29-7.25(m,1H)、7.21(s,1H)、7.00(t,J=7.4Hz、1H)、6.86(d,J=8.2Hz、1H)、5.17-5.15(m,1H)、4.63-4.59(m,1H)、4.50-4.47(m,1H)、3.85(s,3H)、3.83-3.76(m,2H)、3.31(s,3H)、2.84(s,3H)、2.38-2.26(m,2H)、2.11-2.07(m,1H)、2.01-1.95(m,2H)、1.90-1.86(m,5H)、1.76(s,3H)、1.73-1.68(m,2H)。
【0301】
例17:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化31】

工程1)(3’aS,6’aR)-2’-フルオロ-5,5-ジメチル-スピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン]
DCM(10mL)中の(3a’R,6a’S)-5,5-ジメチルスピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン]-5’-オール(2.0g、8.8mmol)の溶液に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(2.3mL、18mmol)をゆっくりと0℃で滴下した。混合物をrtに移し、17時間撹拌した。混合物を氷水(100mL)に注ぎ入れ、反応をクエンチし、次いで、DCM(50mL)で抽出し、次いで、真空濃縮して、標題化合物を黒色の油として得た(2.0g、99%)。
【0302】
工程2)(3aS,6aR)-5-フルオロ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン
テトラヒドロフラン(20mL)中の(3’aS,6’aR)-2’-フルオロ-5,5-ジメチル-スピロ[1,3-ジオキサン-2,5’-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン](2.0g、8.8mmol)の溶液に、濃塩酸(2mL、36%)をrtで添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層をpH約中性に調節し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を褐色の油として得た(0.77g、62%)。
【0303】
工程3)(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール
メタノール(5mL)中の(3aS,6aR)-5-フルオロ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(0.77g、5.4mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.31g、8.2mmol)を0℃で添加した。混合物を30分間撹拌した。反応物を水(2mL)でクエンチした。混合物を濃縮した。残分に、水(40mL)及びEtOAc(40mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(530mg、68%)。
【0304】
H NMR(400MHz,CDCl)δ5.28-5.15(m,1H)、4.37-4.32(m,1H)、2.76-2.62(m,2H)、2.30-2.16(m,2H)、2.12-2.03(m,2H)、1.79-1.73(m,1H)、1.69-1.62(m,1H)。
【0305】
工程4)2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール(300mg、2.1mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(340mg、60%)を0℃で添加した。混合物を1時間撹拌し、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の2-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(510mg、2.1mmol)の溶液をゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、16時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水(5mL)でクエンチした。混合物を濃縮し、残分に、水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を添加し、得られた混合物を分配した。併せた水層を塩酸(4N)でpH約2に調節し、次いで、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機層を飽和塩水(100mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(350mg、54.56%)。
【0306】
LC-MS(ES/API,pos.ion)m/z:331.0[M+Na]
【0307】
工程5)2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(350mg、1.14mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(26mg、0.68mmol)を0℃で添加した。添加の後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し水(1mL)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、塩酸(100mL、4N)を添加し、混合物を5分間撹拌し、EtOAc(100mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(210mg、62.83%)。
【0308】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:317.1[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.35(dd,J=7.5、1.4Hz、1H)、7.26(dd,J=15.7、1.7Hz、1H)、6.97(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.20(d,J=53.0Hz、1H)、4.94(dd,J=7.9、3.3Hz、1H)、3.95-3.85(m,1H)、3.82(s,3H)、3.66-3.53(m,1H)、3.52-3.47(m,1H)、2.68-2.47(m,2H)、2.25-2.15(m,2H)、2.15-2.06(m,2H)、2.04-1.95(m,1H)、1.77-1.69(m,1H)、1.52-1.40(m,2H)。
【0309】
工程6)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(130mg、0.44mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(250mg、0.43mmol)及びトリフェニルホスフィン(230mg、0.88mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.18mL、0.91mmol)ゆっくりと0℃、N下で滴下した。滴下の後、混合物をrtで12時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(235mg、62.6%)。
【0310】
工程7)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-フルオロ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(235mg、0.28mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.3mL、1mol/L)をrtで添加した。混合物を1.5時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(109mg、33.0%)。
【0311】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:612.2[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70(s,1H)、7.48(dd,J=7.5、1.3Hz、1H)、7.30-7.27(m,1H)、7.22(s,1H)、7.02(t,J=7.4Hz、1H)、6.85(d,J=8.2Hz、1H)、5.35-5.29(m,1H)、4.90(d,J=53.1Hz、1H)、4.19-4.10(m,1H)、3.99-3.90(m,1H)、3.84(s,3H)、3.82-3.79(m,1H)、2.84(s,3H)、2.61-2.46(m,2H)、2.16-1.95(m,2H)、1.86(s,3H)、1.83(s,3H)、1.83-1.76(m,2H)、1.51-1.37(m,4H)。
【0312】
例18:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化32】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-(トリフルオロメチル)-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
テトラヒドロフラン(50mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(100mg、0.34mmol)の溶液に、トリフルオロメチルトリエチルシラン(0.15mL、1.0mmol)をrtでN下添加した。混合物を0℃まで冷却し、THF中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1.0mL、1mol/L)の溶液を添加した。添加の後、混合物を12時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(30mL)及びEtOAc(30mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=3/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(88mg、71%)。
【0313】
MS(ES/API,neg.ion)m/z:405.1[M+HCOO]
【0314】
工程2)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(5mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-(トリフルオロメチル)-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(85mg、0.24mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(150mg、0.26mmol)及びトリフェニルホスフィン(125mg、0.47mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.1mL、0.5mmol)ゆっくりと0℃、N下で滴下した。滴下の後、混合物をrtで5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(140mg、65%)。
【0315】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-(トリフルオロメチル)-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-5-トリフルオロメチル-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(140mg、0.15mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.5mL、1mol/L)をrtで添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(21mg、20%)。
【0316】
MS(ES/API,neg.ion)m/z:676.0[M-H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70(s,1H)、7.52(d,J=6.8Hz、1H)、7.29-7.31(m,1H)、7.21(s,1H)、7.01(t,J=7.4Hz、1H)、6.89(d,J=8.2Hz、1H)、5.28-5.32(m,1H)、4.30-4.36(m,1H)、3.98-4.01(m 、1H)、3.93(s,3H)、3.75-3.80(m,1H)、2.81(s,3H)、2.46-2.38(m,2H)、2.17-1.90(m,6H)、1.81(s,3H)、1.79(s,3H)、1.63-1.69(m,2H)。
【0317】
例19:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-エチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化33】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-エチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(230mg、0.57mmol)の溶液に、エチルエーテル中の臭化エチルマグネシウム(3.4mL、3.4mmol、1mol/L)の溶液をN下、氷浴上で滴下した。滴下の後、混合物をrtで1時間撹拌した。反応物を水(2mL)により氷浴上でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(30mL)及びEtOAc(30mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色のシロップとして得た(240mg、97.12%)。
【0318】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:457.1[M+Na]
【0319】
工程2)(3aR,6aS)-2-エチル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-エチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(240mg、0.55mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/L)の溶液(1.2mL、3mol/L)をrtで添加した。添加の後、混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(50mL)及びEtOAc(50mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=2/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(110mg、62%)。
【0320】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:343.3[M+Na]
【0321】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-エチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-2-エチル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(110mg、0.34mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.35mmol)及びトリフェニルホスフィン(180mg、0.69mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.15mL、0.76mmol)ゆっくりとN下で滴下した。滴下の後、混合物を3時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の固体として得た(240mg、80%)。
【0322】
工程4)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-エチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-エチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(240mg、0.27mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(2.0mL、1mol/L)をrtで添加した。混合物を1時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。混合物に水(50mL)及び酢酸エチル(50mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層を飽和塩水(40mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(59mg、27%)。
【0323】
MS(ES/API,neg.ion)m/z:636.2[M-H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70(s,1H)、7.53(d,J=6.5Hz、1H)、7.30(d,J=7.1Hz、1H)、7.22(s,1H)、7.02(t,J=7.5Hz、1H)、6.88(d,J=8.2Hz、1H)、5.27-5.30(m,1H)、4.30-4.34(m,1H)、3.91(s,3H)、3.90-3.83(m,1H)、3.78-3.68(m,1H)、2.85(s,3H)、2.32-2.28(m,2H)、2.00-1.95(m,2H)、1.88(s,3H)、1.83(s,3H)、1.82-1.71(m,4H)、1.58-1.61(m,2H)、1.47-1.53(m,2H)、0.89(t、3H)。
【0324】
例20:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-フルオロフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化34】

標題化合物を例1に記載の方法に従って2-ブロモ-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(165mg、0.84mmol)から調製した。標題化合物を灰白色の固体として得た(30mg、23.2%)。
【0325】
MS(ESI,pos.ion)m/z:598.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.70(s,1H)、7.55(t,J=6.8Hz、1H)、7.34-7.29(m,6.8Hz、1H)、7.24-7.18(m,2H)、7.07(t,J=9.2Hz、1H)、5.28(t,J=6.4Hz、1H)、4.16-4.11(m,3H)、3.83-3.74(m,1H)、2.84(s,3H)、2.28-2.23(m,2H)、2.07-1.91(m,4H)、1.87(s,3H)、1.83(s,3H)、1.68-1.61(m,2H)、1.60-1.53(m,2H)。
【0326】
例21:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化35】

工程1)(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-5’,5’-ジメチル-スピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-2,2’-1,3-ジオキサン]
DCM(10mL)中の(3aR,6aS)-5’,5’-ジメチルスピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-5,2’-1,3-ジオキサン]-2-オン(2.0g、8.9mmol)の溶液に、三フッ化ジエチルアミノ硫黄(4.0mL、31mmol)をゆっくりと0℃で滴下した。混合物をrtに移し、16時間撹拌した。混合物を氷水(100mL)に注ぎ入れ反応をクエンチし、次いで、DCM(50mL)で抽出し、次いで、真空濃縮して、標題化合物を黒色の油として得た(2.1g、96%)。
【0327】
工程2)(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-オン
テトラヒドロフラン(20mL)中の(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-5’,5’-ジメチル-スピロ[1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレニル-2,2’-1,3-ジオキサン](2.1g、8.5mmol)の溶液に、濃塩酸(2mL、36%)をrtで添加した。混合物をrtで1時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(100mL)及び酢酸エチル(100mL)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層をpH約中性に調節し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を褐色の油として得た(0.96g、70%)。
【0328】
工程3)(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
メタノール(10mL)中の(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-1,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-オン(0.96g、6.0mmol)の溶液に、水素化ホウ素ナトリウム(0.35g、9.3mmol)を0℃で添加した。混合物を15分間撹拌した。反応物を水(2mL)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残分に、水(40mL)及びEtOAc(40mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(360mg、37%)。
【0329】
H NMR(400MHz,CDCl)δ4.34-4.26(m,1H)、2.68-2.55(m,2H)、2.22-2.34(m,2H)、2.15-1.99(m,4H)、1.59-1.51(m,2H)。
【0330】
工程4)2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(350mg、2.16mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(340mg、8.5mmol、60%)を0℃で添加した。混合物を1時間撹拌し、無水テトラヒドロフラン(5mL)中の2-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(530mg、2.16mmol)の溶液をゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、17時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水(5mL)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去し、残分に、水(30mL)及び酢酸エチル(30mL)を添加し、得られた混合物を分配した。併せた水層を塩酸(4N)でpH約2に調節し、次いで、酢酸エチル(40mL)で抽出した。有機層を飽和塩水(30mL×2)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(610mg、86.6%)。
【0331】
工程5)2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(610mg、1.87mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(280mg、7.38mmol)を0℃で添加した。添加の後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。混合物を水(5mL)でクエンチした。混合物を真空濃縮して溶媒を除去した。残分に、塩酸(50mL、4N)を添加し、混合物を5分間撹拌し、EtOAc(50mL)で抽出した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(320mg、55%)。
【0332】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.36(d,J=7.5Hz、1H)、7.24-2.29(m,1H)、6.98(t,J=7.3Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、4.94-4.97(m,1H)、3.83-3.88(m,1H)、3.82(s,3H)、3.70-3.62(m,1H)、3.51-3.57(m,1H)、2.59-2.44(m,2H)、2.32-2.19(m,2H)、2.16-2.09(m,2H)、2.04-1.93(m,2H)、1.69-1.60(m,2H)。
【0333】
工程6)2-[1-[2-[[3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(320mg、1.0mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(580mg、1.0mmol)及びトリフェニルホスフィン(540mg、2.06mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.40mL、2.0mmol)0℃、N下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtで15時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を淡黄色のシロップとして得た(736mg、83%)。
【0334】
工程7)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[1-[2-[[3aR,6aS)-5,5-ジフルオロ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(736mg、0.85mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(2.5mL、1mol/L)をrtで添加した。混合物をrtで1時間撹拌した。混合物を濃縮した。残分に、水(100mL)及びEtOAc(100mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(118mg、22%)。
【0335】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:630.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.69(s,1H)、7.50(d,J=6.4Hz、1H)、7.30-7.23(m,1H)、7.21(s,1H)、7.02(t,J=7.4Hz、1H)、6.84(d,J=8.2Hz、1H)、5.33-5.28(m,1H)、4.16-4.11(m,1H)、4.04-4.00(m,1H)、3.82(s,3H)、3.83-3.78(m,1H)、2.83(s,3H)、2.49-2.41(m,2H)、2.23-2.03(m,6H)、1.87(s,3H)、1.83(s,3H)、1.55-1.46(m,2H)。
【0336】
例22:2-[1-[2-[[(2S,3aS,6aR)-4,5-ジヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化36】

工程1)[2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチル-ジメチルシラン
DCM(30mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(2.60g、6.80mmol)の溶液に、イミダゾール(1.17g、17.0mmol)及びt-ブチルジメチルシリルクロリド(2.09g、13.6mmol)を順に氷浴上で添加した。系が安定した後、混合物をrtに移し、2時間撹拌した。反応を停止し、吸引濾過により濾過し、濾過ケークをDCM(10mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(3.20g、94.8%)。
【0337】
工程2)(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール
[2-[[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチルジメチルシラン(3.20g、6.44mmol)をメタノール(20mL)及びテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、次いで、パラジウム炭素(0.32g、10%)を添加した。混合物をrtでH下、2時間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を無色の油として得た(2.62g、100%)。
【0338】
工程3)[(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]メシレート
アセトン(30mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール(2.62g、6.44mmol)及びトリエチルアミン(3mL、21.4mmol)の溶液に、メチルスルホニルクロリド(1mL、12.9mmol)をゆっくりと氷浴上で滴下した。混合物をrtで一晩撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過し、濾液を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(1.884g、60.3%)。
【0339】
MS(ESI,pos.ion)m/z:507.3[M+Na]
【0340】
工程4)[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチル-ジメチルシラン
トルエン(20mL)中の[(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]メシレート(1.88g、3.88mmol)の溶液に、1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]-7-ウンデセン(1.2mL、12.9mmol)ゆっくりとrtで滴下した。混合物を120℃で一晩撹拌した。混合物をrtまで冷却し、希塩酸(2N)でpH約5に調節し、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機相を水(100mL)及び飽和塩水(100mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.693g、46.0%)。
【0341】
MS(ESI,pos.ion)m/z:411.1[M+Na]
【0342】
工程5)2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-t-ブチル-ジメチルシラン(0.693g、1.78mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、次いで、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mmol/L)の溶液(2.7mL、2.7mmol)を添加した。混合物をrtで3時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.334g、68.3%)。
【0343】
MS(ESI,pos.ion)m/z:297.1[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.40(dd,J=7.5、1.4Hz、1H)、7.30-7.24(m,1H)、6.99(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.79-5.74(m,1H)、5.68-5.64(m,1H)、4.92(dd,J=9.0、3.1Hz、1H)、3.90-3.85(m,1H)、3.84(s,3H)、3.66-3.59(m,1H)、3.43-3.34(m,1H)、3.22-3.15(m,1H)、2.78-2.64(m,2H)、2.64-2.55(m,1H)、2.41-2.33(m,1H)、2.00-1.90(m,1H)、1.89-1.82(m,1H)、1.79-1.71(m,1H)、1.69-1.65(m,1H)。
【0344】
工程6)2-[1-[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(6mL)中の2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(0.147g、0.536mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.338g、0.589mmol)及びトリフェニルホスフィン(0.287g、1.07mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.22mL、1.10mmol)をN下、ゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtで一晩撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=9/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.346g、77.8%)。
【0345】
工程7)2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-(((1bS,3S,4aS)-オクタヒドロペンタレン[1,2-b]エポキシビン-3-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミド-3(4H)-イル)-2-メチルプロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
DCM(6mL)中の2-[1-[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.346g、0.417mmol)の溶液に、3-クロロペルオキシ安息香酸(0.089g、0.44mmol)をrtで添加した。混合物を6時間撹拌した。反応物を飽和チオ硫酸ナトリウム溶液(20mL)でクエンチした。有機層を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(20mL)及び飽和含水塩化ナトリウム(20mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=5/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.276g、78.3%)。
【0346】
工程8)2-[1-[2-[[(2S,3aS,6aR)-4,5-ジヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(4mL)中の2-(1-(2-(2-メトキシフェニル)-2-(((1bS,3S,4aS)-オクタヒドロペンタレン[1,2-b]エポキシビン-3-イル)オキシ)エチル)-5-メチル-6-(オキサゾール-2-イル)-2,4-ジオキソ-1,2-ジヒドロチエノ[2,3-d]ピリミド-3(4H)-イル)-2-メチルプロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.276g、0.326mmol)の溶液に、希硫酸(1.2mL、3mol/L)をrtで添加した。混合物を40℃で一晩撹拌した。混合物を濃縮し、残分に、水を添加した。固体が沈殿した。混合物を吸引濾過により濾過し、濾過ケークを水(10mL)で洗浄しpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.035g、17%)。
【0347】
MS(ESI,pos.ion)m/z:626.3[M+H]
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ12.38(s,1H)、8.21(s,1H)、7.41(d,J=7.5Hz、1H)、7.38(s,1H)、7.34-7.27(m,1H)、7.07-6.96(m,2H)、5.20-5.13(m,1H)、4.54-4.44(m,2H)、3.83(s,3H)、3.80-3.75(m,1H)、3.69-3.63(m,1H)、3.62-3.58(m,1H)、2.76(s,3H)、2.25-2.15(m,1H)、2.04-1.95(m,2H)、1.93-1.86(m,1H)、1.85-1.76(m,1H)、1.74-1.70(m,1H)、1.68(s,3H)、1.64(s,3H)、1.49-1.37(m,2H)、1.37-1.26(m,2H)。
【0348】
例23:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シクロプロピル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化37】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-シクロプロピル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(20mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(400mg、0.99mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のシクロプロピルマグネシウムブロミド(3.0mL、3.0mmol、1mol/L)の溶液をN下、氷浴上で滴下した。滴下の後、混合物をrtで21時間撹拌した。混合物を水(2mL)により氷浴上でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(198mg、44.8%)。
【0349】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:469.4[M+Na]
【0350】
工程2)(3aR,6aS)-2-シクロプロピル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-シクロプロピル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(198mg、0.44mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/L)の溶液(0.9mL、0.9mmol)をrtで添加した。添加の後、混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(50mL)を添加して反応をクエンチし、混合物をEtOAc(30mL×2)で抽出し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=3/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(125mg、84.8%)。
【0351】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:355.3[M+Na]
【0352】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シクロプロピル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-2-シクロプロピル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(121mg、0.36mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.35mmol)及びトリフェニルホスフィン(184mg、0.69mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(143mg、0.69mmol)N下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物を21時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(245mg、97.1%)。
【0353】
工程4)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シクロプロピル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(2.0mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シクロプロピル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(245mg、0.27mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.8mL、0.8mmol、1mol/L)をrtで添加した。混合物を2時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチし、酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。得られた混合物を分配した。有機層を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(52mg、29.0%)。
【0354】
MS(ES/API,neg.ion)m/z:648.3[M-H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.69(s,1H)、7.54-7.52(m,1H)、7.31-7.26(m,1H)、7.21(s,1H)、7.01(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.29-5.26(m,1H)、4.32-4.26(m,1H)、3.99-3.93(m,1H)、3.89(s,3H)、3.76-3.68(m,1H)、2.84(s,3H)、2.31-2.27(m,2H)、2.02-1.91(m,2H)、1.86(s,3H)、1.83(s,3H)、1.77-1.66(m,3H)、1.57-1.51(m,3H)、1.00-0.93(m,1H)、0.37-0.31(m,2H)、0.28-0.25(m,2H)。
【0355】
例24:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ヒドロキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-[2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化38】

例1に記載の方法に従って2-[2-(ジフルオロメトキシ)フェニル]酢酸(3.00g、14.8mmol)から標題化合物を調製した。標題化合物を灰色の固体として得た(0.80g、8.4%)。
【0356】
MS(ESI,neg.ion)m/z:644.3[M-H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(d,J=5.9Hz、1H)、7.62(d,J=6.1Hz、1H)、7.35(t,J=9.5Hz、1H)、7.31(t,J=8.1Hz、1H)、7.24(s,1H)、7.19(d,J=7.7Hz、1H)、6.71(d,J=2.2Hz、1H)、5.32-5.28(m,1H)、4.25-4.16(m,2H)、4.07(d,J=12.9Hz、1H)、3.81-3.77(m,1H)、2.86(s,3H)、2.30-2.20(m,2H)、1.94-1.90(m,2H)、1.85(s,3H)、1.81(s,3H)、1.71-1.64(m,2H)、1.64-1.56(m,2H)、1.52-1.50(m,1H)、1.49-1.47(m,1H)。
【0357】
例25:2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化39】

工程1)2-[(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イリデン]アセトニトリル
テトラヒドロフラン(20.0mL)中のシアノメチルリン酸ジメチル(197mg、1.11mmol)の溶液をN下で-20℃まで冷却した。溶液にn-ヘキサン中のn-ブチルリチウムの溶液(0.9mL、2.0mmol、2.5mol/L)を滴下した。滴下の後、混合物をrtで30分間撹拌した。溶液にテトラヒドロフラン(1.0mL)中の(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(300mg、0.74mmol)の溶液を0℃で滴下した。滴下の後、混合物をrtで21時間撹拌した。混合物を水(10.0mL)によって0℃でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(310mg、97.8%)。
【0358】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:314.3[M-TBS+H]
【0359】
工程2)2-[(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]アセトニトリル
2-[(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イリデン]アセトニトリル(310mg、0.72mmol)をメタノール(10.0mL)に溶解し、次いで、パラジウム炭素(31mg、0.29mmol、10%)を添加した。系のガスをHで3回置換し、混合物をrtでH下、30分間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをメタノール(10mL)で洗浄した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(310mg、99.5%)。
【0360】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:452.4[M+Na]
【0361】
工程3)2-[(3aS,6aR)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]アセトニトリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]アセトニトリル(310mg、0.72mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(2.1mL、2.0mmol,1.0mol/L)をrtで添加した。添加の後、混合物を30分間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(120mg、80.7%)。
【0362】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:316.3[M+H]
【0363】
工程4)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[(3aS,6aR)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]アセトニトリル(115mg、0.36mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.35mmol)及びトリフェニルホスフィン(184mg、0.69mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(144mg、0.69mmol)N下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物を2.5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(200mg、65.8%)。
【0364】
工程5)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.23mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、0.7mL、0.7mmol)をrtで添加した。混合物をrtで1.5時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(12mg、8.3%)。
【0365】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:633.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.69(s,1H)、7.50(d,J=7.3Hz、1H)、7.28-7.22(m,2H)、7.01(t,J=7.4Hz、1H)、6.82(d,J=8.2Hz、1H)、5.30-5.27(m,1H)、4.09-4.04(m,2H)、3.86-3.82(m,1H)、3.80(s,3H)、2.84(s,3H)、2.37-2.29(m,2H)、2.25-2.20(m,1H)、2.09-1.98(m,3H)、1.93-1.86(m,2H)、1.84(s,3H)、1.81(s,3H)、1.41-1.33(m,2H)、1.17-1.04(m,3H)。
【0366】
例26:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化40】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(1.00g、2.50mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/L)の溶液(3.7mL、3.70mmol)をrtで添加した。添加の後、混合物を40分間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒を除去した。残分に、水(100mL)及びEtOAc(100mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc(V/V=10/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.52g、70%)。
【0367】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:313.1[M+Na]
【0368】
工程2)(3aR,6aS)-2-ヒドロキシ-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-カルボニトリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(900mg、3.10mmol)の溶液に、トリメチルシリルシアニド(0.85mL、6.2mmol)及びテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(6.0mL、6.0mmol、1mol/L)を順にN下、rtで添加した。添加の後、混合物をrtで15時間撹拌した。反応物を希塩酸(1mL、2N)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(20mL)及びEtOAc(20mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V=3/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(190mg、19.32%)。
【0369】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:318.3[M+H]
H NMR(400MHz、CDOD)δ7.31-7.35(m,1H)、7.28-7.21(m,1H)、6.91-6.98(m,2H)、3.96-3.89(m,1H)、3.84(m,3H)、3.56-3.43(m,2H)、2.87-2.71(m,2H)、2.63-2.46(m,2H)、2.41-2.32(m,1H)、2.23-2.27(m,1H)、2.10-1.95(m,2H)、1.80-1.84(m,1H)、1.67-1.58(m,1H)。
【0370】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-2-ヒドロキシ-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-カルボニトリル(91mg、0.29mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(150mg、0.26mmol)及びトリフェニルホスフィン(105mg、0.39mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.08mL、0.40mmol)をN下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物をrtで一晩撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(228mg、99.9%)。
【0371】
工程4)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(6mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-シアノ-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(228mg、0.26mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.4mL、0.4mmol、1mol/L)をrtで添加した。混合物を30分間撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分を(DCM/MeOH(V/V)=8/1)で溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(40mg、24%)。
【0372】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:635.0[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71(s,1H)、7.49(d,J=7.4Hz、1H)、7.32-7.25(m,1H)、7.23(s,1H)、7.04(t,J=7.4Hz、1H)、6.84(d,J=8.1Hz、1H)、5.31(dd,J=8.8、4.6Hz、1H)、4.12-4.06(m,2H)、4.00-3.88(m,1H)、3.82(s,3H)、2.86(s,3H)、2.68-2.59(m,2H)、2.50-2.42(m,1H)、2.41-2.33(m,1H)、2.20-2.11(m,1H)、2.09-1.97(m,3H)、1.88(s,3H)、1.84(s,3H)、1.64-1.59(m,1H)、1.58-1.52(m,1H)。
【0373】
例27:2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化41】

工程1)2-[(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]アセトニトリル
アセトニトリル(5.0mL)をN下で-78℃まで冷却した。溶液に、n-ヘキサン中のn-ブチルリチウムの溶液(0.3mL、0.8mmol、2.5mol/L)を滴下した。滴下の後、混合物を10分間撹拌し、更にrtで30分間撹拌した。系に、アセトニトリル(1.0mL)中の(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(100mg、0.25mmol)の溶液を-78℃で滴下した。滴下の後、混合物をrtで19時間撹拌した。混合物を水(10.0mL)によって-10℃でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(35mg、31.8%)。
【0374】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:468.4[M+Na]
【0375】
工程2)2-[(3aS,6aR)-2-ヒドロキシ-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]アセトニトリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-ヒドロキシ-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]アセトニトリル(200mg、0.45mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/L)の溶液(1.4mL、1.4mol/L)をrtで添加した。添加の後、混合物を17時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(120mg、80.7%)。
【0376】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:332.3[M+Na]
【0377】
工程3)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の、2-[(3aS,6aR)-2-ヒドロキシ-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]アセトニトリル(120mg、0.36mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(200mg、0.35mmol)及びトリフェニルホスフィン(184mg、0.69mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(143mg、0.69mmol)N下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物を18時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(240mg、77.6%)。
【0378】
工程4)2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(20mL)中の2-[1-[2-[[(3aS,6aR)-5-(シアノメチル)-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(240mg、0.27mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.8mL、0.8mmol,1mol/L)をrtでを添加した。混合物を4.5時間撹拌した。混合物を水(10mL)でクエンチし、EtOAc(20mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(59mg、27%)。
【0379】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:649.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.71(s,1H)、7.46(d,J=6.5Hz、1H)、7.31-7.26(m,2H)、7.00(t,J=7.4Hz、1H)、6.87(d,J=8.2Hz、1H)、5.31-5.28(m,1H)、4.37-4.23(m,1H)、4.07-4.01(m,1H)、3.89(s,3H)、3.83-3.76(m,1H)、2.82(s,3H)、2.54(s,2H)、2.46-2.34(m,2H)、2.02-1.97(m,1H)、1.94-1.89(m,2H)、1.87-1.83(m,2H)、1.81(s,3H)、1.80(s,3H)、1.78-1.57(m,3H)。
【0380】
例28:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ブチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化42】

工程1)(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-エチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(5mL)中の(3aS,6aR)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オン(650mg、1.607mmol)の溶液に、n-ヘキサン中のn-ブチルリチウムの溶液(1.2mL、3.0mmol、2.5mol/L)をN下、氷浴上で滴下した。滴下の後、混合物を4時間撹拌した。反応物を飽和含水塩化アンモニウム(3mL)でクエンチした。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(50mL)及びEtOAc(50mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を無色の油として得た(410mg、55.16%)。
【0381】
工程2)(3aR,6aS)-2-ブチル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-[2-[t-ブチル(ジメチル)シリル]オキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-2-エチル-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(410mg、0.886mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/L)の溶液(1.0mL、1.0mmol)をrtで添加した。添加の後、混合物を1時間撹拌した。混合物を濃縮して溶媒の大半を除去した。残分に、水(50mL)及びEtOAc(50mL)を添加し、混合物を分配した。有機層を無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(DCM/EtOAc(V/V=10/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(230mg、74.48%)。
【0382】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:371.3[M+Na]
【0383】
工程3)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ブチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
無水テトラヒドロフラン(6mL)中の(3aR,6aS)-2-ブチル-5-[2-ヒドロキシ-1-(2-メトキシフェニル)エトキシ]-3,3a,4,5,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-オール(107mg、0.307mmol)、2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(160mg、0.279mmol)及びトリフェニルホスフィン(150mg、0.56mmol)の溶液に、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.12mL、0.56mmol)をN下でゆっくりと滴下した。滴下の後、混合物を19時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(252mg、100%)。
【0384】
工程4)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ブチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(5mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-ブチル-5-ヒドロキシ-2,3,3a,4,6,6a-ヘキサヒドロ-1H-ペンタレン-2-イル)オキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(252mg、0.279mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(0.42mL、0.42mmol、1mol/L)をrtでを加した。混合物を2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(35mg、19%)。
【0385】
MS(ESI,pos.ion)m/z:688.1[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.56(d,J=6.6Hz、1H)、7.33-7.29(m,1H)、7.23(s,1H)、7.04(t,J=7.4Hz、1H)、6.90(d,J=8.2Hz、1H)、5.30(dd,J=9.1、3.5Hz、1H)、4.36-4.29(m,1H)、3.94(s,3H)、3.86-3.80(m,1H)、3.78-3.70(m,1H)、2.87(s,3H)、2.34-2.30(m,2H)、2.05-1.95(m,4H)、1.91(s,3H)、1.85(s,3H)、1.82-1.73(m,3H)、1.68-1.55(m,4H)、1.53-1.41(m,3H)、0.91(t,J=6.5Hz、3H)。
【0386】
例29:2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化43】

工程1)[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]メシレート
アセトン(60mL)中の(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール(4.00g、17.2mmol)及びトリエチルアミン(4.9mL、35mmol)の溶液に、メチルスルホニルクロリド(1.73mL、22.4mmol)ゆっくりと氷浴上で滴下した。混合物をrtで3時間撹拌した。反応物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分を酢酸エチル(80mL)に溶解した。混合物を水(50mL)及び飽和塩水(50mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を黄褐色の油として得た(5.34g、100%)。この粗生成物を更なる精製をすることなく次の工程に用いた。
【0387】
工程2)(3aR,6aS)-2-ベンジルオキシ-5-メチルチオ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン
無水N,N-ジメチルホルムアミド(50mL)中の[(3aR,6aS)-5-ベンジルオキシ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]メシレート(5.34g、17.2mmol)の溶液に、無水メチルメルカプタンナトリウム(1.52g、20.6mmol)を添加した。混合物を80℃で一晩撹拌し、次いで、rtまで冷却し、水(200mmol)でクエンチし、酢酸エチル(100mL)で抽出した。有機相を水(100mL)及び飽和塩水(100mL)で順に洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(2.00g、44.3%)。
【0388】
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.37-7.28(m,5H)、4.51(s,2H)、3.90-3.81(m,1H)、3.27-3.20(m,1H)、2.59-2.52(m,2H)、2.21-2.13(m,2H)、2.11(s,3H)、1.90-1.85(m,2H)、1.75-1.68(m,3H)、1.42-1.33(m,2H)。
【0389】
工程3)(3aR,6aS)-2-ベンジルオキシ-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン
DCM(20mL)中の(3aR,6aS)-2-ベンジルオキシ-5-メチルチオ-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン(1.70g、6.48mmol)の溶液に、3-クロロペルオキシ安息香酸(4.50g、25.8mmol)を一部ずつ氷浴上でN下、添加した。混合物をrtで8時間撹拌した。混合物を亜硫酸ナトリウム溶液(20mL)を滴下することによってクエンチし、次いで、飽和重炭酸ナトリウム溶液(20mL)を更に添加した。得られた混合物を酢酸エチル(120mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、次いで、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=4/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(1.80g、94.4%)。
【0390】
工程4)(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール
無水メタノール(15mL)中の(3aR,6aS)-2-ベンジルオキシ-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン(0.80g、2.7mmol)の溶液に、パラジウム炭素(0.10g、10%)をrtで添加した。混合物をH下、8時間撹拌した。反応混合物を吸引濾過により濾過し、濾液を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.40g、72.0%)。
【0391】
工程5)2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-オール(0.40g、2.0mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(0.30g、7.5mmol、60%)をN下、一部ずつ氷浴上で添加した。15分間撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(0.50g、2.0mmol)の溶液を混合物に添加した。添加の後、混合物をrtに移し、更に8時間撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を酢酸エチル(30mL×2)で洗浄した。併せた水層を希塩酸(2N)でpH約3に調節し、次いで、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(0.70g、97.0%)。この粗生成物を更なる精製をすることなく次の工程に用いた。
【0392】
MS(ESI,neg.ion)m/z:345.1[M-H]
【0393】
工程6)2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
無水テトラヒドロフラン(10mL)中の2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(2.20g、5.63mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(0.15g、4.0mmol)を一部ずつ氷浴上で添加した。混合物が安定した後、混合物をrtに移し、4時間撹拌した。混合物を水(0.15mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。次いで、混合物に、水酸化ナトリウム溶液(0.15mL、15%)及び水(0.45mL)を順に添加した。得られた混合物をrtで更に15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、混合物を更に15分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.30g、45.0%)。
【0394】
MS(ESI,pos.ion)m/z:355.0[M+H]
【0395】
工程7)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾリル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.25g、0.44mmol)、2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(0.16g、0.45mmol)、トリフェニルホスフィン(0.25g、0.95mmol)を無水テトラヒドロフラン(10mL)にrtで溶解した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.21g、0.20mmol)を混合物にN下で添加し、得られた混合物をrtで12時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を黄色の油として得た(0.15g、37.0%)。
【0396】
工程8)2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
テトラヒドロフラン(4mL)中の2-[1-[2-[[(3aR,6aS)-5-メチルスルホニル-1,2,3,3a,4,5,6,6a-オクタヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.11g、0.12mmol)の溶液に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(4mL、1mol/L)をrtで添加した。混合物を1時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製して、標題化合物を淡赤色の固体として得た(0.060g、74.0%)。
【0397】
MS(ESI,pos.ion)m/z:672.2[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.56-7.49(m,1H)、7.35(t,J=7.0Hz 1H)、7.24(d,J=6.2Hz 1H)、7.05(t,J=7.5Hz、1H)、6.89(d,J=8.0Hz、1H)、5.32-5.24(m,1H)、4.20-4.12(m,1H)、4.08-4.06(m,1H)、3.89(s,3H)、3.77-3.71(m,1H)、3.59-3.52(m,1H)、2.87(s,3H)、2.86(s,3H)、2.54-2.48(m,2H)、2.14-2.01(m,4H)、1.88(s,3H)、1.88(s,3H)、1.85-1.65(m,4H)。
【0398】
例30:2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2[(1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化44】

工程1)2-(2-メトキシフェニル)-2-[(1S,2R,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-酢酸
無水テトラヒドロフラン(40mL)中の2-ノルネオール(3.90g、12.2mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(1.96g、49.0mmol)をN下、一部ずつ氷浴上で添加した。1時間rtで撹拌した後、無水テトラヒドロフラン(50mL)中の2-ブロモ-2-(メトキシフェニル)酢酸(3.00g、12.2mmol)の溶液を混合物に滴下した。滴下の後、混合物をrtに移し、更に8時間撹拌した。混合物を水(40mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチし、得られた混合物を濃縮して溶媒の大半を除去し、水相を酢酸エチル(40mL×2)で洗浄した。併せた水層を希塩酸(4N)でpH約3に調節し、次いで、酢酸エチル(40mL×2)で抽出した。併せた有機層を飽和塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡黄色の油として得た(3.90g、100%)。この粗生成物を更なる精製をすることなく次の工程に用いた。
【0399】
MS(ESI,neg.ion)m/z:317.3[M-H]
【0400】
工程2)2-(2-メトキシフェニル)-2-[(1S,2R,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エタノール
2-(2-メトキシフェニル)-2-[(1S,2R,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-酢酸(3.90g、12.2mmol)をテトラヒドロフラン(40mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(0.93g、25.0mmol)を一部ずつ添加した。混合物をrtで一晩撹拌した。混合物を水(30mL)を氷浴上で滴下することによってクエンチした。得られた混合物を塩酸(4N)でpH約2に調節し、酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和塩水(50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=6/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.100g、2.68%)。
【0401】
MS(ESI,pos.ion)m/z:327.1[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.47-7.39(m,1H)、7.30-7.24(m,1H)、7.02-6.96(m,1H)、6.90-6.85(m,1H)、4.97-4.89(m,1H)、3.84(d,J=1.1Hz、3H)、3.77-3.69(m,1H)、3.68-3.61(m,1H)、3.60-3.48(m,1H)、2.33-2.29(m,1H)、2.20-2.10(m,1H)、1.81-1.67(m,2H)、1.37-1.23(m,3H)、1.00(s,1H)、0.94-0.90(m,1H)、0.89-0.87(m,2H)、0.86(d,J=2.6Hz、3H)、0.77(d,J=19.0Hz、3H)。
【0402】
工程3)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2[(1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-(2-メトキシフェニル)-2-[(1S,2R,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エタノール(0.14g、0.46mmol)、トリフェニルホスフィン(0.25mg、0.92mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.29g、0.51mmol)をテトラヒドロフラン(5mL)に添加した。アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.19mL、0.95mmol)を混合物にN下で滴下した。混合物をrtで一晩撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=8/1)で精製して、標題化合物を無色の油として得た(0.38g、96.3%)。
【0403】
工程4)2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2[(1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(2-メトキシフェニル)-2[(1S,2S,4S)-1,7,7-トリメチルノルボルン-2-イル]オキシ-エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(0.38g、0.44mmol)をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、0.70mL、0.67mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(0.90mg、31.5%)。
【0404】
MS(ESI,pos.ion)m/z:622.4[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.72(s,1H)、7.59-7.54(m,1H)、7.34-7.29(m,1H)、7.24(s,1H)、7.04(t,J=7.5Hz、1H)、6.90(d,J=8.2Hz、1H)、5.31-5.26(m,1H)、4.23-3.90(m,2H)、3.91(s,3H)、3.50(d,J=8.3Hz、1H)、2.87(s,3H)、2.04-1.95(m,1H)、1.92(s,3H)、1.87(s,3H)、1.83-1.74(m,1H)、1.66-1.57(m,1H)、1.13-1.03(m,1H)、0.92-0.84(m,2H)、0.81(s,3H)、0.75(s,3H)、0.65(s,3H)、0.64-0.58(m,1H)。
【0405】
例31:2-[1-[2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化45】

工程1)2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
1-アダマンタンメタノール(1.00g、6.01mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(722mg、18.05mmol)を添加した。混合物を10分間撹拌し、更にrtで30分間撹拌し、次いで、2-ブロモ-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(1.40g、5.70mmol)を添加した。得られた混合物をrtで2時間撹拌した。混合物を0℃まで冷却し、水(50mL)でクエンチした。混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を希塩酸(1N)でpH約3に調節し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaClで洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を赤色の油として得た(1.30g、65.3%)。
【0406】
MS(ESI,neg.ion)m/z:329.1[M-H]
【0407】
工程2)2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(500mg、1.51mmol)をテトラヒドロフラン(20mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(118mg、3.02mmol)を一部ずつ添加した。混合物をrtで9時間撹拌した。混合物に、水(0.1mL)、水酸化ナトリウム水溶液(0.1mL、10%)及び水(0.3mL)をゆっくりと順に滴下して反応をクエンチした。次いで、混合物をrtで15分間撹拌し、無水硫酸ナトリウムを添加し、得られた混合物を更にrtで30分間撹拌した。混合物を濾過した。濾過ケークをEtOAc(10mL×4)で洗浄した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=7/3)で精製して、標題化合物を淡黄色の油として得た(60mg、12.5%)。
【0408】
MS(ESI,pos.ion)m/z:339.1[M+Na]
【0409】
工程3)2-[1-[2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(169mg、0.53mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(202mg、0.98mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(280mg、0.49mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に添加した。テトラヒドロフラン(1.0mL)中のトリフェニルホスフィン(295mg、0.98mmol)の溶液を混合物にN下で滴下した。混合物をrtで22時間撹拌し、真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=15/1)で精製して、標題化合物を灰白色の油として得た(292mg、68.6%)。
【0410】
工程4)2-[1-[2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-(1-アダマンチルメトキシ)-2-(2-メトキシフェニル)エチル]-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(280mg、0.32mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物に、テトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mmol/L、2.0mL、2.00mmol)を添加した。混合物をrtで5時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(78mg、38.3%)。
【0411】
MS(ESI,pos.ion)m/z:634.2[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.68(d,J=8.1Hz、1H)、7.46-7.44(m,1H)、7.31-7.27(m,1H)、7.22(s,1H)、7.03-6.99(m,1H)、6.90-6.85(m,1H)、5.19-5.15(m,1H)、4.20-1.16(m,1H)、4.07-3.95(m,1H)、3.85(s,3H)、3.06-3.00(m,1H)、2.83(s,3H)、2.66(d,J=9.0Hz、1H)、1.90-1.87(m,3H)、1.86-1.80(m,6H)、1.63-1.56(m,4H)、1.52-1.47(m,2H)、1.43-1.38(m,3H)、1.36-1.30(m,3H)。
【0412】
例32: 2-[1-[2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化46】

工程1)[(1R,2S,3S,4R,5R)-3-ヒドロキシ-4-(p-トリルスルホニル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-2-イル]-4-メチルベンゼンスルホン酸
ピリミジン(18mL)中の(1R,2S,3S,4R,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-2,3,4-トリオール(3.00g、18.5mmol)の溶液に、p-トルエンスルホニルクロリド(7.84g、40.7mmol)を-10℃でN下で添加した。混合物を-10℃で一晩撹拌した。混合物を水(300mL)でクエンチし、20分間撹拌し、濃縮して水を取り除いた。残分をEtOAc(150mL)に溶解した。混合物を飽和塩化アンモニウム溶液(100mL)及び飽和塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=2/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(7.31g、84.0%)。
【0413】
MS(ESI,pos.ion)m/z:471.2[M+H]
H NMR(400MHz、DMSO)δ7.79(dd,J=8.2、4.8Hz、4H)、7.49(dd,J=8.2、3.0Hz、5H)、6.05(d,J=4.2Hz、1H)、5.27(s,1H)、4.54(d,J=5.3Hz、1H)、4.32(s,1H)、4.04(s,1H)、4.02(d,J=4.9Hz、1H)、3.59-3.52(m,2H)、2.46(d,J=4.7Hz、1H)、2.43(s,6H)。
【0414】
工程2)(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール
無水テトラヒドロフラン(50mL)中の[(1R,2S,3S,4R,5R)-3-ヒドロキシ-4-(p-トリルスルホニル)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-2-イル]-4-メチルベンゼンスルホン酸(6.74g、14.32mmol)の溶液に、水素化アルミニウムリチウム(5.60g、143mmol)を一部ずつ添加した。系が安定した後、混合物を70℃で一晩撹拌した。混合物を水(2mL)により-10℃でクエンチし、EtOAc(50mL)及び無水硫酸ナトリウム(10g)を添加し、混合物を10分間撹拌し吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(EtOAc)で精製して、標題化合物を白色の固体として得た(0.364g、19.5%)。
【0415】
GC-MS:130.00;
H NMR(400MHz、DMSO-d)δ5.42(s,1H)、4.44(s,1H)、4.22(d,J=6.2Hz、1H)、3.89(t,J=5.1Hz、1H)、3.54-3.48(m,1H)、3.40(s,1H)、2.04-1.98(m,1H)、1.81-1.75(m,1H)、1.73-1.64(m,2H)。
【0416】
工程3)2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸
(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタン-3-オール(0.364g、2.80mmol)を無水テトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化ナトリウム(0.29g、7.3mmol、60%)を添加した。混合物を10分間撹拌し、更にrtで1時間撹拌し、次いで、無水テトラヒドロフラン(4mL)中の2-ブロモ-2-(2-フルオロフェニル)酢酸(0.600g、2.45mmol)の溶液を添加した。得られた混合物をrtで一晩撹拌した。混合物を氷水(50g)に注ぎ入れ反応をクエンチし、次いで、酢酸エチル(10mL)を添加した。混合物を10分間撹拌した。混合物を分配した後、水相を希塩酸(1N)でpH約2に調節し、酢酸エチル(30mL×2)で抽出した。併せた有機相を飽和含水NaCl(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、濾過した。濾液を真空濃縮して、標題化合物を淡い黄褐色の油として得た(0.721g、100%)。
【0417】
工程4)2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール
2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)酢酸(0.721g、2.45mmol)を無水テトラヒドロフラン(15mL)に溶解した。混合物をN下で0℃まで冷却し、水素化アルミニウムリチウム(0.19g、5.0mmol)を一部ずつ添加した。混合物を4.5時間撹拌した。混合物を水(2mL)により0℃でクエンチした。次いで、EtOAc(50mL)及び無水硫酸ナトリウム(5g)を添加し、得られた混合物を10分間撹拌した。混合物を吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をシリカゲルクロマグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=1/1)で精製し標題化合物を得た(0.435g、63.3%)。
【0418】
MS(ESI,pos.ion)m/z:303.2[M+Na]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.42(dd,J=7.5、1.1Hz、1H)、7.30-7.24(m,1H)、6.98(t,J=7.4Hz、1H)、6.86(d,J=8.2Hz、1H)、5.66(s,1H)、4.93(dd,J=9.4、2.5Hz、1H)、4.59(s,1H)、4.53(d,J=6.5Hz、1H)、3.90-3.85(m,1H)、3.83(s,3H)、3.79(t,J=5.3Hz、1H)、3.73(d,J=10.2Hz、1H)、3.67(s,1H)、3.43(dd,J=10.9、9.6Hz、1H)、2.38(d,J=15.0Hz、1H)、2.27-2.21(m,1H)、2.01(d,J=14.6Hz、1H)、1.76-1.69(m,1H)。
【0419】
工程5)2-[1-[2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル
2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エタノール(81mg、0.29mmol)、アゾジカルボン酸ジイソプロピル(0.08mL、0.40mmol)及び2-メチル-2-(5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-1H-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル)-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(150mg、0.261mmol)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解した。混合物にトリフェニルホスフィン(105mg、0.392mmol)を一部ずつN下で添加した。混合物をrtで10時間撹拌した。反応混合物を真空濃縮して溶媒を除去し、残分をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(PE/EtOAc(V/V)=3/1)で精製して、標題化合物を灰白色の固体として得た(219mg、100%)。
【0420】
工程6)2-[1-[2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
2-[1-[2-[[(1S,3S,5R)-6,8-ジオキサビシクロ[3.2.1]オクタ-3-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(219mg、0.262mmol)をテトラヒドロフラン(4mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、0.52mL、0.52mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。混合物を真空濃縮した。残分を(DCM/MeOH(V/V)=8/1)で溶出したシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して、標題化合物を白色の固体として得た、81mg、52%)。
【0421】
MS(ESI,pos.ion)m/z:598.3[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.73(s,1H)、7.50(dd,J=7.5、1.1Hz、1H)、7.35-7.30(m,1H)、7.24(s,1H)、7.04(t,J=7.4Hz、1H)、6.91(d,J=8.2Hz、1H)、5.48(dd,J=9.7、4.3Hz、1H)、5.40(s,1H)、4.38-4.30(m,1H)、4.29-4.23(m,1H)、3.91(s,3H)、3.75-3.65(m,1H)、3.51-3.45(m,)、3.44-3.38(m,1H)、2.89(s,3H)、2.12-2.05(m,1H)、2.05-1.94(m,1H)、1.92(s,3H)、1.91(s,3H)、1.88-1.76(m,2H)、1.62-1.57(m,1H)。
【0422】
例33:2-[1-[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロパン酸
【化47】

2-[1-[2-[[(2S,3aR,6aS)-1,2,3,3a,4,6a-ヘキサヒドロペンタレン-2-イル]オキシ]-2-(2-メトキシフェニル)エチル)-5-メチル-6-オキサゾール-2-イル-2,4-ジオキソ-チエノ[2,3-d]ピリミド-3-イル]-2-メチル-プロピオン酸t-ブチル(ジフェニル)シリル(230mg、0.27mmol)をテトラヒドロフラン(10.0mL)に溶解した。混合物にテトラヒドロフラン中のフッ化テトラブチルアンモニウムの溶液(1.0mol/L、2.3mL、2.3mmol)を添加した。混合物をrtで2時間撹拌した。混合物に水(10mL)及び酢酸エチル(20mL×2)を添加した。得られた混合物を分配した。有機層を飽和塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウム上で乾燥し、吸引濾過により濾過した。濾液を真空濃縮した。残分をpre-HPLCで精製して、標題化合物を白色の固体として得た(49mg、29.0%)。
【0423】
MS(ES/API,pos.ion)m/z:592.2[M+H]
H NMR(400MHz,CDCl)δ7.69(s,1H)、7.52(d,J=7.5Hz、1H)、7.28-7.24(m,2H)、7.22(s,1H)、7.03-6.99(m,1H)、6.83(d,J=8.2Hz、1H)、5.58-5.33(m,2H)、5.32-5.25(m,1H)、4.13-3.96(m,2H)、3.83(s,3H)、3.73-3.66(m,1H)、2.95-2.86(m,1H)、2.84(s,3H)、2.50-2.36(m,2H)、2.06-1.90(m,3H)、1.86(s,3H)、1.83(s,3H)、1.35-1.26(m,2H)。
【0424】
生物学的アッセイ
1.インビトロにおけるアセチルCoAカルボキシラーゼ阻害活性アッセイ
1)試験方法
プロメガ社のADP-Clo(登録商標)キナーゼアッセイキットを用いて、ACC1又はACC2に対する化合物の阻害作用を決定した。ADP-Glo(登録商標)キナーゼアッセイは、酵素反応中に精製したADPを定量することによって酵素活性を測定する発光性ADP検出アッセイである。アッセイは、2つの工程で実行され、第1に酵素反応後、同量のADP-Glo(登録商標)試薬を添加して反応を停止させ、残っているATPを枯渇させる。第2に、キナーゼ検出試薬を添加して、同時にADPをATPに変換し、新規に合成されたATPをルシフェラーゼ/ルシフェリン反応を用いて測定する。発光は、ATP対ADP変換曲線を用いることによってADPの濃度と相関し得る。
【0425】
詳細な手順は以下のとおりである。
a.4.5μL/ウェルのACC1/ACC2ワーキング溶液(2.22nM)を384-ウェル反応プレート(パーキンエルマー社、6007290)に添加した。
b.化合物(10mM)を100%DMSOにより500倍、20μMに希釈し、希釈化合物溶液を引き続いて1:3に384-ウェル希釈プレート(3657、コーニング社)に希釈し、20、6.67、2.22、0.74、0.25、0.082、0.027、0.009、0.003、0.001、0μMの濃度勾配とした。
c.0.5μL/ウェルの化合物溶液(工程bで調製した)を384-ウェル反応プレート(工程aで調製した)に添加し、プレートを1000rpmで遠心し、25℃で15分間インキュベートした。
d.0.5μL/ウェルの基質混合物(ATP(10mM)、アセチルCoA(2mM)、NaHCO(1000mM))を384-ウェル反応プレートに移し、プレートを1000rpmで遠心し、25℃で30分間インキュベートした。反応系における化合物の最終濃度勾配は、1000、333.3、111.1、37.04、12.35、4.12、1.37、0.46、0.15、0.05、0nMであった。DMSO最終濃度は5%、ACC1/ACC2の最終濃度は1nMであった。
e.10μL/ウェルのADP-Glo溶液を384-ウェル反応プレートに移し、プレートを1000rpmで遠心し、25℃で40分間インキュベートした。
f.20μL/ウェルのキナーゼ検出試薬を384-ウェル反応プレートに移し、プレートを1000rpmで遠心し、25℃で40分間インキュベートした。
g.相対発光量(RLU)は、エンビジョンマルチファンクションプレートリーダー上で読み取った。信号の強度はACC1/ACC2キナーゼ活性のレベルを表す。
【0426】
アッセイに用いたACC1/ACC2ワーキング溶液、基質混合物、ADP-Glo溶液及びキナーゼ検出試薬は、全て1× キナーゼ反応緩衝液[ヒドロキシエチルピペラジンエタンスルホン酸(HEPES、50mM)、MgCl2(2mM)、ラウリルポリグリコールエーテル(BRIJ-35、0.01%)、クエン酸カリウム(2mM)、ウシ血清アルブミン(BSA、50μg/mL)、ジチオトレイトール(DDT、2mM)]を用いて調製した。
【0427】
各濃度、ならびにポジティブ及びネガティブコントロールのデータを平均化し、標準偏差を算出した。阻害率を式:100×(平均ネガティブコントロール-化合物)/(平均ネガティブコントロール-平均ポジティブコントロール)によって算出した。各化合物のIC50を非線形回帰方程式:Y=Bottom+(Top-Bottom)/(l+10^((LogIC50-X)xHillSlope))、(ここで、Xは化合物濃度のlogであり、Yは阻害率である)にデータを適合することにより算出した。アッセイにおいて0.1μMのND-630をポジティブコントロールとした。
【0428】
2.結果
本発明の化合物のインビトロにおけるACC1及びACC2阻害アッセイの結果を表2に示す。
【表2】

アッセイの結果は、本発明の化合物がACC1及び/又はACC2に良好な阻害活性を有することを示している。
【0429】
2.薬物動態学的試験
1)試験方法
実験動物:6匹の健康的なオスのSDラット(Hunan SJA Laboratory Animal Co.;Ltdから購入した)をランダムに2群、各群に3匹、に分け、静脈内注射又は強制飼養によって投与した。
【0430】
薬剤の調製:化合物を測量し、標的濃度の化合物を5%のDMSO、10%のKolliphor HS15及び85%の塩水(0.9%)の添加により調製した。
【0431】
投与及び試料の採取:動物を投与の前に12時間、投与後に3時間断食させ、SDラットは、後肢の脚静脈からの静脈内注射(1mg/kg)及び強制飼養(PO、5mg/kg)によって投与されただ。
【0432】
200~400μLの血液を異なる時点0、0.083、0.25、0.5、1、2、4、6、8、24hにおいてラットの尾静脈から採取した。各時点で採取された血液はK2EDTA抗凝固チューブに収容され、氷嚢と共にコーベウス(couveuse)で保存した。15分後、全ての試料を4600r/min、4℃で5分間遠心し、血漿試料を得て、血漿試料中の化合物の濃度をLC/MS/MSで測定し、薬物動態学的パラメータを薬剤濃度-時間曲線に基づいて算出した。
【0433】
本発明の化合物の薬物動態学的特性を上記例によって試験した。
【0434】
2)試験結果
ラットの本発明の化合物の血漿濃度及び暴露レベルは、本発明の化合物の経口投与の後高まり、クリアレートは低く、良好な生体利用効率であった。本発明の化合物は、良好な薬物動態学的特徴を有していた。
【0435】
最後に、本発明を実施するための他の方法が存在することに注意するべきである。したがって、本発明の実施形態は例として説明され得るが、本発明は記載された内容に限定されるものではなく、更なる変更が本発明の範囲内でなされるか、又は均等物が特許請求の範囲に追加される。本明細書に引用した全ての刊行物及び特許文献は参照により本明細書に援用される。
<付記>
以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[1] 式(I)
【化1】
(式中、
Hetは、-C(=O)NR 、-C(=NR)NR 、-NH-C(=NR)NR 、3~10員のヘテロシクリル又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、3~10員のヘテロシクリル及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NH で置換されていてもよく、
は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ又はC 1-6 ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NR であり、
及びR の各々は、独立に、H、D、C 1-6 アルキル、C 1-6 ヒドロキシアルキル又はC 1-6 ハロアルキルであり、
Lは、-O-、-O-メチレン-、-O-エチレン-、-S-又は-NH-であり、
は、C 6-10 アリール又は5~10員のヘテロアリールであり、ここで、C 6-10 アリール及び5~10員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のR で置換されていてもよく、ここで、R は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 ハロアルコキシ、C 1-6 シアノアルキル又はC 1-6 ヒドロキシアルキルであり、
Wは、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルであり、ここで、縮合シクリル、架橋シクリル又はスピロシクリルは、N、O又はSから独立に選択される、0個、1個、2個、3個又は4個のヘテロ原子を含む飽和又は部分的に不飽和の6~12員のシクリルであり、ここで、Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OR、-C(=O)NR 、-C(=NR)NR 、-NH-C(=NR)NR 、-SO R、-SO NR 、C 1-6 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-6 アルコキシ、C 1-6 ハロアルコキシ、C 1-6 アルキルアミノ、C 1-6 ハロアルキル、C 1-6 シアノアルキル及びC 1-6 ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよく、
ここで、R、R 及びR の各々は、独立に、H、D、C 1-6 アルキル、C 1-6 ハロアルキル又はC 3-8 シクロアルキルであるか、又はR 及びR は、それらが結合しているN原子と一緒に、3~10員のヘテロシクリルを形成し、ここで、3~10員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-6 アルキル、C 1-6 アルコキシ及びC 1-6 ハロアルキルで置換されていてもよい)を有する化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグ。
[2] Hetは、5~6員のヘテロシクリル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、5~6員のヘテロシクリル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-3 アルキル、C 1-3 アルコキシ、C 1-3 ハロアルキル、カルボキシ及び-C(=O)NH で置換されていてもよい、付記[1]に記載の化合物。
[3] Hetは、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル又はピラジニルであり、ここで、ピロリジル、テトラヒドロフリル、イミダゾリジニル、ピラゾリジル、テトラヒドロピラニル、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニル、チオモルホリニル、ピロリル、フリル、チエニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、チアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピリダジニル及びピラジニルの各々は、独立に及び任意に、H、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、カルボキシ及び-C(=O)NH で置換されていてもよい、付記[1]~[2]の何れか1項に記載の化合物。
[4] R は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-3 アルキル、C 1-3 アルコキシ又はC 1-3 ハロアルキルであり、
は、-OR又は-NR であり、
ここで、R、R 及びR の各々は、独立に、H、D、C 1-3 アルキル、C 1-3 ハロアルキル又はC 3-6 シクロアルキルであるか、又はR 及びR は、それらが結合しているN原子と一緒に、4~6員のヘテロシクリルを形成し、ここで、4~6員のヘテロシクリルは、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-3 アルキル、C 1-3 アルコキシ及びC 1-3 ハロアルキルで置換されていてもよく、
及びR の各々は、独立に、H、D、C 1-3 アルキル、C 1-3 ヒドロキシアルキル又はC 1-3 ハロアルキルである、付記[1]~[3]の何れか1項に記載の化合物。
[5] R は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルであり、
は、-OR又は-NR であり、
ここで、R、R 及びR の各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロエチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル又はシクロヘキシルであるか、又はR 及びR は、それらが結合しているN原子と一緒に、式(i-a)から(i-k):
【化2】
によって表されるヘテロシクリル基から選択されるヘテロシクリルを形成し、
ここで、式(i-a)から(i-k)によって表されるヘテロシクリル基は、任意に、オキソ(=O)、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル又はトリフルオロエチルで置換されていてもよく、
及びR の各々は、独立に、H、D、メチル、エチル、n-プロピル、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、トリフルオロメチル又は2-フルオロエチルである、付記[1]~[4]の何れか1項に記載の化合物。
[6] R は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル又は5~6員のヘテロアリールであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル及び5~6員のヘテロアリールの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のR で置換されていてもよく、ここで、R は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、C 1-3 アルキル、C 1-3 アルコキシ、C 1-3 ハロアルキル、C 1-3 ハロアルコキシ、C 1-3 シアノアルキル又はC 1-3 ヒドロキシアルキルである、付記[1]~[5]の何れか1項に記載の化合物。
[7] R は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル又はピリダジニルであり、ここで、フェニル、ナフチル、1,2,3,4-テトラヒドロナフチル、イミダゾリル、ピラゾリル、フリル、チエニル、オキサゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラニル及びピリダジニルの各々は、独立に及び任意に、1個、2個又は3個のR で置換されていてもよく、ここで、R は、H、D、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、メチル、エチル、n-プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、ヒドロキシメチル、ヒドロキシエチル、シアノメチル又はシアノエチルである、付記[1]~[6]の何れか1項に記載の化合物。
[8] Wは、次の構造:
【化3】
のうち1つを有し、
、X 及びX の各々は、独立に、結合、-CH -、-O-、-S-又は-NH
-であり、
Yは、CH又はNであり、
r、s、t及びnの各々は、独立に、0、1、2又は3であり、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH 、-C(=NH)NH 、-NH-C(=NH)NH 、-SO CH 、-SO 、C 1-3 アルキル、C 3-6 シクロアルキル、C 1-3 アルコキシ、C 1-3 ハロアルコキシ、C 1-3 アルキルアミノ、C 1-3 ハロアルキル、C 1-3 シアノアルキル及びC 1-3 ヒドロキシアルキルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい、付記[1]~[7]の何れか1項に記載の化合物。
[9] Wは、次の構造:
【化4】
のうち1つを有し、
各Wは、任意に、D、オキソ(=O)、F、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アミノ、ニトロ、シアノ、-C(=O)OH、-C(=O)NH 、-C(=NH)NH 、-NH-C(=NH)NH 、-SO CH 、-SO 、メチル、エチル、イソプロピル、n-ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、トリフルオロメチル、ジフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、イソプロポキシ、トリフルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、メチルアミノ、シアノメチル及びヒドロキシメチルから独立に選択される1個、2個、3個、4個又は5個の置換基で置換されていてもよい、付記[1]~[8]の何れか1項に記載の化合物。
[10] 次の構造:
【化5-1】
【化5-2】
【化5-3】
【化5-4】
【化5-5】
【化5-6】
のうち1つを有する付記[1]~[9]の何れか1項に記載の化合物又はその立体異性体、幾何異性体、互変異性体、N-オキシド、水和物、溶媒和物、代謝産物、薬学的に許容され得る塩若しくはプロドラッグ。
[11] 請求項1~10の何れか1項に記載の化合物を含む医薬組成物。
[12] 薬学的に許容され得る担体、賦形剤、希釈剤、アジュバント、ビヒクル又はその組み合わせを更に含む、請求項11に記載の医薬組成物。
[13] アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減するための医薬の製造における、付記[1]~[10]の何れか1項に記載の化合物又は付記[11]または[12]に記載の医薬組成物の使用。
[14] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である付記[13]に記載の使用。
[15] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む、付記[13]に記載の使用。
[16] 前記新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む、付記[14]に記載の使用。
[17] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減することにおける使用のための、付記[1]~[10]の何れか1項に記載の化合物又はに記載の医薬組成物。
[18] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である、付記[17]に記載の化合物又は医薬組成物。
[19] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む、付記[17]に記載の化合物又は医薬組成物。
[20] 前記新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む、付記[18]に記載の化合物又は医薬組成物。
[21] 付記[1]~[10]の何れか1項に記載の化合物又は付記[11]または[12]に記載の医薬組成物の治療有効量を罹患体に投与することを含む、罹患体におけるアセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患を予防し、処置し、治療し、又は軽減する方法。
[22] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、代謝障害又は新生物障害である、付記[21]に記載の方法。
[23] 前記アセチルCoAカルボキシラーゼによって制御される障害又は疾患は、インスリン抵抗性、肥満、脂質異常症、メタボリックシンドローム、II型糖尿病、非アルコール性脂肪性肝疾患及び非アルコール性脂肪性肝炎を含む、付記[21]に記載の方法。
[24] 前記新生物障害は、乳がん、膵がん、腎細胞がん、肝細胞がん、悪性黒色腫及び他の皮膚腫瘍、非小細胞性気管支がん、子宮内膜がん、結腸直腸がん並びに前立腺がんを含む、付記[22]に記載の方法。