(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系FTO阻害剤、その製造方法およびその使用
(51)【国際特許分類】
C07C 229/58 20060101AFI20220328BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20220328BHJP
A61P 3/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 3/10 20060101ALI20220328BHJP
A61P 15/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 11/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 1/18 20060101ALI20220328BHJP
A61P 21/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20220328BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20220328BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20220328BHJP
A61K 45/00 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/42 20060101ALI20220328BHJP
C07D 261/08 20060101ALI20220328BHJP
C07D 231/12 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/415 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/196 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/4409 20060101ALI20220328BHJP
C07D 213/38 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/381 20060101ALI20220328BHJP
C07D 333/20 20060101ALI20220328BHJP
C07D 333/40 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/505 20060101ALI20220328BHJP
C07D 239/26 20060101ALI20220328BHJP
C07D 239/42 20060101ALI20220328BHJP
C07D 211/70 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/404 20060101ALI20220328BHJP
C07D 209/08 20060101ALI20220328BHJP
C07D 233/64 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/4164 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/41 20060101ALI20220328BHJP
C07D 257/04 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/443 20060101ALI20220328BHJP
C07D 407/12 20060101ALI20220328BHJP
C07D 413/12 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/497 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/4439 20060101ALI20220328BHJP
C07D 401/12 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/444 20060101ALI20220328BHJP
C07D 213/79 20060101ALI20220328BHJP
C07D 213/82 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/496 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/5377 20060101ALI20220328BHJP
A61K 31/166 20060101ALI20220328BHJP
C07C 237/34 20060101ALI20220328BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20220328BHJP
【FI】
C07C229/58 CSP
A61P43/00 111
A61P3/04
A61P3/00
A61P3/10
A61P15/00
A61P11/00
A61P1/18
A61P21/00
A61P25/00
A61P25/28
A61P35/00
A61K45/00
A61K31/42
C07D261/08
C07D231/12 A
A61K31/415
A61K31/196
A61K31/4409
C07D213/38
A61K31/381
C07D333/20
C07D333/40
A61K31/505
C07D239/26
C07D239/42 Z
C07D211/70
A61K31/404
C07D209/08
C07D231/12 E
C07D233/64
A61K31/4164
A61K31/41
C07D257/04 C
C07D231/12
A61K31/443
C07D407/12
C07D413/12
A61K31/497
A61K31/4439
C07D401/12
A61K31/444
C07D213/79
C07D213/82
A61K31/496
A61K31/5377
A61K31/166
C07C237/34
C07B61/00 300
(21)【出願番号】P 2019548071
(86)(22)【出願日】2018-03-01
(86)【国際出願番号】 CN2018077795
(87)【国際公開番号】W WO2018157843
(87)【国際公開日】2018-09-07
【審査請求日】2019-11-01
(31)【優先権主張番号】201710121318.9
(32)【優先日】2017-03-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513299225
【氏名又は名称】上海 インスティテュート オブ マテリア メディカ、チャイニーズ アカデミー オブ サイエンシーズ
【氏名又は名称原語表記】SHANGHAI INSTITUTE OF MATERIA MEDICA, CHINESE ACADEMY OF SCIENCES
【住所又は居所原語表記】555 Zuchongzhi Road, Zhangjiang, Pudong, Shanghai 201203 China
(74)【代理人】
【識別番号】100102842
【氏名又は名称】葛和 清司
(72)【発明者】
【氏名】ヤン,ツァイグアン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン,ユエ
(72)【発明者】
【氏名】ドン,ゾー
(72)【発明者】
【氏名】ジャン,タオ
(72)【発明者】
【氏名】シュー,ホンジアオ
【審査官】池上 佳菜子
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-527170(JP,A)
【文献】特表2006-507336(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第104069092(CN,A)
【文献】特表2009-545556(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D
A61P
A61K
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、
【化1】
(ただし、
A
1、A
2、A
3、A
4はそれぞれ独立にCR'またはNであり;
MはCR'
2、NH、OまたはSからなる群から選ばれ;R'はH、ハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、置換または無置換のC
1-C
6アシルアミノ基、C
2-C
12エステル基、あるいは置換または無置換のC
1-C
10アルキル基からなる群から選ばれ;
Xはカルボキシ基、ヒドロキサム酸基、置換または無置換のC
2-C
12エステル基、置換または無置換のアミド基、置換または無置換の3-12員複素環基
からなる群から選ばれる構造を有し;
Yは置換または無置換のC
6-C
12アリール基、置換または無置換の3-12員複素環基からなる群から選ばれ;
R
a、R
bはそれぞれ独立にハロゲン、-OH、置換または無置換のC
1-C
6アルキル基、置換または無置換のC
1-C
6アルコキシ基からなる群から選ばれ;
R
c、R
dはそれぞれ独立にH、ハロゲンからなる群から選ばれ;
前記の置換とは基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、C
2-C
12エステル基、置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
2-C
10アルケニル基、置換または無置換のC
2-C
10アルキニル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基、あるいは置換または無置換の5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいい;ここで、前記の置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基の置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C
1-C
6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基からなる群から選ばれる。)
【請求項2】
下記式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、
【化2】
(ただし、
Xはカルボキシ基、置換または無置換のC
2-C
12エステル基、置換または無置換のアミド基、置換または無置換の5-9員複素環基
からなる群から選ばれる構造を有し;
Yは置換または無置換のC
6-C
12アリール基、置換または無置換の3-12員複素環基からなる群から選ばれ;
前記の置換とは基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいい;ここで、前記の置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基の置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C
1-C
6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる。)
【請求項3】
前記のXは下記式で表される構造を有することを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、
【化3】
(ただし、各R
0はそれぞれ独立に水素、置換または無置換のC
1-C
6アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基、置換または無置換のC
3-C
10シクロアルキル基(単環、多環、橋架け環の構造を含む)、置換または無置換のC
2-C
6アルケニル基、置換または無置換のC
2-C
6アルキニル基、-OR''からなる群から選ばれ、R''はハロ原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、C
2-C
12エステル基、置換または無置換のC
1-C
4アルキル-C
6-C
10アリール基、置換または無置換のC
1-C
4アルキル-5-9員複素環基、あるいは置換または無置換の5員または6員ヘテロアリール基からなる群から選ばれ;
Yは置換または無置換のベンゼン、置換または無置換のピリジン、置換または無置換のピリミジン、置換または無置換のピリダジン、置換または無置換のテトラジン、置換または無置換のトリアジン、置換または無置換のピロール、置換または無置換のチオフェン、置換または無置換のフラン、置換または無置換のテトラゾール、置換または無置換のトリアゾール、置換または無置換のイミダゾール、置換または無置換のチアゾール、置換または無置換のオキサゾール、置換または無置換のピラゾール、置換または無置換のイソチアゾール、置換または無置換のイソオキサゾール、置換または無置換のオキサジアゾール、置換または無置換のチアジアゾール、置換または無置換のナフタレン、置換または無置換のインドール、置換または無置換のインダゾール、置換または無置換のキノリン、置換または無置換のイソキノリン、置換または無置換のベンゾフラン、置換または無置換のベンゾチオフェン、置換または無置換のベンゾイミダゾール、置換または無置換のベンゾオキサゾール、置換または無置換のベンゾチアゾール、置換または無置換のベンゾイソチアゾール、置換または無置換のベンゾイソオキサゾール、置換または無置換のベンゾトリアゾール、置換または無置換のモルホリン、置換または無置換のジヒドロピペリジン、置換または無置換のチオモルホリン、置換または無置換のピペリジン、置換または無置換のピペラジン、置換または無置換のテトラヒドロピラン、置換または無置換のジヒドロピラン、置換または無置換のピロリン、置換または無置換のテトラヒドロチオフェン、置換または無置換のテトラヒドロフラン、置換または無置換のオキセタン、置換または無置換のチエタン、置換または無置換のアゼチジンである。)
【請求項4】
前記のYは以下の群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、
【化4】
(R、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6はそれぞれ独立に水素、カルボニル基(=O)、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基であり;。
ここで、置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基から選ばれる。)
【請求項5】
R
aとR
b、R
cとR
dはそれぞれ独立にF、Cl、OH、メチル基、メトキシ基からなる群から選ばれ、およびR
cとR
dは、それぞれ独立にHから選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物。
【請求項6】
A
2、A
3はそれぞれ独立にCR'であることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物。
【請求項7】
前記の式I化合物は以下の群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物:
【化5】
【化6】
。
【請求項8】
前記の薬学的に許容される塩は無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、または有機塩基塩からなる群から選ばれることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物。
【請求項9】
前記の薬学的に許容される塩はアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項1に記載の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物。
【請求項10】
請求項1に記載の式I化合物およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物の使用であって、以下の群から選ばれる用途に使用されることを特徴とする使用:
(a) FTOタンパク質の活性または発現量に関連する疾患を治療する薬物の製造、
(b) FTOタンパク質活性選択的阻害剤の製造、および/または
(c) 体外における FTOタンパク質の活性に対する非治療的な阻害。
【請求項11】
前記の疾患は、肥満、代謝症候群(metabolic syndrome、MS)、2型糖尿病(Type 2 diabetes、T2D)、アルツハイマー病、乳癌、小細胞肺癌、ヒト骨髄横紋筋肉腫、膵臓癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの癌からなる群から選ばれることを特徴とする請求項10に記載の使用。
【請求項12】
(i)治療有効量の請求項1に記載の式I化合物、またはその薬学的に許容される塩、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物と、(ii)薬学的に許容される担体とを含むことを特徴とする薬物組成物。
【請求項13】
前記の薬物組成物はさらに第二の治療剤を含むことを特徴とする請求項12に記載の薬物組成物。
【請求項14】
以下の工程を含むことを特徴とする請求項1に記載の式I化合物の製造方法:
【化7】
不活性溶媒において、上記の式II化合物を用いてカップリング試薬と反応させ、式(I)化合物を得る工程。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物化合物の分野に関し、具体的に、以下のような一般式で示される2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物およびその薬学的に許容される塩またはその薬学的に許容される溶媒合物、FTOを標的とする阻害剤として、FTOを標的とする疾患、たとえば肥満、代謝症候群(metabolic syndrome、MS)、2型糖尿病(Type 2 diabetes、T2D)、アルツハイマー病、乳癌などの癌を治療することができることを公開する。
【背景技術】
【0002】
脂肪量および肥満関連タンパク質(fat mass and obesity associated protein)FTOは、初めて発見された、m6A(N6-methyl adenosine、N6-メチルアデノシン)のRNA脱メチル化酵素活性を有しながら、体内における代謝過程を調節することができるタンパク質で、Fto遺伝子のノックアウトは深刻な成長障害および多発奇形につながる。直接肥満に関連する以外、FTOは代謝症候群(metabolic syndrome、MS)、2型糖尿病、アルツハイマー病などの疾患に密接に関連する。最新の研究では、Ftoは乳癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの固形腫瘍の発症過程における重要な癌遺伝子で、Fto遺伝子のノックダウンまたはFTOタンパク質の発現の降下は乳癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの腫瘍細胞の増殖を有効に抑制することができることが示された。
上記のように、本分野では、特異的にFTOを標的とする小分子阻害剤を開発し、そして関連疾患の治療・研究に使用することが切望されている。
【発明の概要】
【0003】
本発明の目的は、一連の特異的にFTOを標的とする阻害剤を設計・合成して検証し、FTOの酵素学的機能またはFTOタンパク質が介するシグナル伝達過程を抑制することによって小細胞肺癌、ヒト骨髄横紋筋肉腫、膵臓癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの癌を治療することである。
本発明の第一の側面では、以下のような式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
【化1】
(ただし、
A
1、A
2、A
3、A
4はそれぞれ独立にCR'またはNである。
【0004】
MはCR'2、NH、OまたはSからなる群から選ばれる。R'はH、ハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、置換または無置換のC1-C6アシルアミノ基、C2-C12エステル基、あるいは置換または無置換のC1-C10アルキル基からなる群から選ばれる。
【0005】
Xはカルボキシ基、ヒドロキサム酸基、置換または無置換のC2-C12エステル基、置換または無置換のアミド基、置換または無置換の3-12員複素環基のような構造を有する。
Yは置換または無置換のC6-C12アリール基、置換または無置換の3-12員複素環基からなる群から選ばれる。
【0006】
Ra、Rb、Rc、Rdはそれぞれ独立にH、ハロゲン、-OH、CN、NO2、NH2、置換または無置換のC1-C6アルキル基、置換または無置換のC1-C6アルコキシ基からなる群から選ばれる。
【0007】
前記の置換とは基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、C
2-C
12エステル基、置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
2-C
10アルケニル基、置換または無置換のC
2-C
10アルキニル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基、あるいは置換または無置換の5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基、好ましくはC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基またはC
1-C
6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。ここで、前記の置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基の置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C
1-C
6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基、好ましくはハロゲン原子、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基またはフェニル基、5-6員複素環基からなる群から選ばれる。)
本発明の第二の側面では、以下のような式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグを提供する。
【化2】
(ただし、
Xはカルボキシ基、置換または無置換のC
2-C
12エステル基、置換または無置換のアミド基、置換または無置換の5-9員複素環基のような構造を有する。
Yは置換または無置換のC
6-C
12アリール基、置換または無置換の3-12員複素環基からなる群から選ばれる。
【0008】
前記の置換とは基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アシルアミノ基、置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、好ましくはC
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基またはC
1-C
6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。ここで、前記の置換または無置換のC
1-C
10アルキル基、置換または無置換のC
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基の置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C
1-C
6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、好ましくはハロゲン原子、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基またはフェニル基からなる群から選ばれる。)
もう一つの好適な例において、Yは無置換のフェニル基ではない。
もう一つの好適な例において、前記のXは下記式で表される構造を有する。
【化3】
【0009】
(ただし、各R0はそれぞれ独立に水素、置換または無置換のC1-C6アルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、置換または無置換のC3-C10シクロアルキル基(単環、多環、橋架け環の構造を含む)、置換または無置換のC2-C6アルケニル基、置換または無置換のC2-C6アルキニル基、-OR''からなる群から選ばれ、R''はハロ原子、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アシルアミノ基、C2-C12エステル基、置換または無置換のC1-C4アルキル-C6-C10アリール基、置換または無置換のC1-C4アルキル-5-9員複素環基、あるいは置換または無置換の5員または6員ヘテロアリール基からなる群から選ばれる。
【0010】
Yは置換または無置換のベンゼン、置換または無置換のピリジン、置換または無置換のピリミジン、置換または無置換のピリダジン、置換または無置換のテトラジン、置換または無置換のトリアジン、置換または無置換のピロール、置換または無置換のチオフェン、置換または無置換のフラン、置換または無置換のテトラゾール、置換または無置換のトリアゾール、置換または無置換のイミダゾール、置換または無置換のチアゾール、置換または無置換のオキサゾール、置換または無置換のピラゾール、置換または無置換のイソチアゾール、置換または無置換のイソオキサゾール、置換または無置換のオキサジアゾール、置換または無置換のチアジアゾール、置換または無置換のナフタレン、置換または無置換のインドール、置換または無置換のインダゾール、置換または無置換のキノリン、置換または無置換のイソキノリン、置換または無置換のベンゾフラン、置換または無置換のベンゾチオフェン、置換または無置換のベンゾイミダゾール、置換または無置換のベンゾオキサゾール、置換または無置換のベンゾチアゾール、置換または無置換のベンゾイソチアゾール、置換または無置換のベンゾイソオキサゾール、置換または無置換のベンゾトリアゾール、置換または無置換のモルホリン、置換または無置換のジヒドロピペリジン、置換または無置換のチオモルホリン、置換または無置換のピペリジン、置換または無置換のピペラジン、置換または無置換のテトラヒドロピラン、置換または無置換のジヒドロピラン、置換または無置換のピロリン、置換または無置換のテトラヒドロチオフェン、置換または無置換のテトラヒドロフラン、置換または無置換のオキセタン、置換または無置換のチエタン、置換または無置換のアゼチジンである。)
【0011】
もう一つの好適な例において、前記の置換基はハロゲン原子、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C
1-C
6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
6-C
10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、好ましくはハロゲン原子、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、C
1-C
6アルキル基、C
1-C
6ハロアルキル基、C
1-C
6アルコキシ基またはフェニル基からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記のYは以下の群から選ばれる。
【化4】
【化5】
【0012】
(R、R1、R2、R3、R4、R5、R6はそれぞれ独立に水素、カルボニル基(=O)、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アシルアミノ基、置換または無置換のC1-C10アルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、好ましくはH、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基またはC1-C6アルキルアミノ基である。
【0013】
ここで、置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アシルアミノ基、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C6-C10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、好ましくはハロゲン原子、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基またはフェニル基から選ばれる。)
もう一つの好適な例において、Ra、Rb、Rc、Rdはそれぞれ独立にH、F、Cl、OH、メチル基、メトキシ基からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、RaおよびRbはそれぞれ独立にHであるか、RcおよびRdはそれぞれ独立にHである。
もう一つの好適な例において、RaとRbは同様である。
もう一つの好適な例において、RcとRdは同様である。
一つの好適な例において、A2、A3はそれぞれ独立にCR'である。
もう一つの好適な例において、前記のX基およびY基は具体的な実施例における化合物の相応する基である。
もう一つの好適な例において、前記のR、R1、R2、R3、R4、R5、R6は具体的な実施例における化合物の相応する基である。
もう一つの好適な例において、前記の式I化合物は化合物1-88から選ばれる。
もう一つの好適な例において、前記の薬学的に許容される塩は無機酸塩、有機酸塩、無機塩基塩、または有機塩基塩である。
もう一つの好適な例において、前記の薬学的に許容される塩はアルカリ金属塩、好ましくはリチウム塩、ナトリウム塩またはカリウム塩である。
【0014】
もう一つの好適な例において、前記無機酸塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩から選ばれ、前記有機酸塩はギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、グリコール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ピクリン酸塩、グルタミン酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩から選ばれる。
【0015】
本発明の第二の側面では、本発明の第一の側面に記載の式I化合物およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグの使用であって、以下の群から選ばれる用途における使用を提供する:
(a) FTOタンパク質の活性または発現量に関連する疾患を治療する薬物の製造、
(b) FTOタンパク質活性選択的阻害剤の製造、
(c) 体外における FTOタンパク質の活性に対する非治療的な阻害、および/または
(d) FTOの活性または発現量に関連する疾患の治療。
【0016】
もう一つの好適な例において、前記の阻害はm6A脱メチル化酵素FTOのDNA基質に作用する活性および/またはFTOのRNA基質に作用する活性に対する阻害を含む。
【0017】
もう一つの好適な例において、前記の疾患は、肥満、代謝症候群(metabolic syndrome、MS)、2型糖尿病(Type 2 diabetes、T2D)、アルツハイマー病、乳癌、小細胞肺癌、ヒト骨髄横紋筋肉腫、膵臓癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの癌からなる群から選ばれる。
もう一つの好適な例において、FTOの活性または発現量に関連する疾患を治療する場合、前記の式I化合物は第二の治療剤と併用される。
【0018】
本発明の第三の側面では、(i)有効量の式I化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物またはプロドラッグと、(ii)薬学的に許容される担体とを含む薬物組成物を提供する。
【0019】
もう一つの好適な例において、前記の担体は液体で、かつ前記の式(I)化合物の前記組成物における濃度は≦300μM、好ましくは≦200μM、より好ましくは≦100μM、最も好ましくは≦30μMである。
もう一つの好適な例において、前記の薬物組成物はさらに第二の治療剤を含む。
【0020】
本発明の第四の側面では、FTOタンパク質の活性を抑制する方法であって、抑制対象に、抑制有効量の本発明の第一に係る式I化合物またはその薬学的に許容される塩を施用する工程、あるいは抑制対象に、抑制有効量の本発明の第三の側面に係る薬物組成物を施用する工程を含む方法を提供する。
本発明の第五の側面では、式6化合物の製造方法であって、以下の工程を含む方法を提供する:
【化6】
不活性溶媒において、式II化合物を用いてカップリング試薬と反応させ、式(I)化合物を得る。
もう一つの好適な例において、前記のカップリング試薬はY-B(OH)
2である。
【0021】
もちろん、本発明の範囲内において、本発明の上記の各技術特徴および下記(たとえば実施例)の具体的に記述された各技術特徴は互いに組み合わせ、新しい、または好適な技術方案を構成できることが理解される。紙数に限りがあるため、ここで逐一説明しない。
【0022】
具体的な実施形態
本発明者は長期間にわたって深く研究したところ、式(I)で表される1種類の化合物は効率的に、高選択性でFTOタンパク質の活性を抑制し、既存のFTO阻害剤と比べ、その活性が顕著に向上したことを見出した。上記の知見に基づき、発明者らは本発明を完成させた。
用語
【0023】
特別に説明しない限り、本明細書において、用語「置換」とは基における一つまたは複数の水素原子がC1~C10アルキル基、C3~C10シクロアルキル基、C1~C10アルコキシ基、ハロゲン、ヒドロキシ基、カルボキシ基(-COOH)、C1~C10アルデヒド基、C2~C10アシル基、C2~C10エステル基、アミノ基、フェニル基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。前記のフェニル基は無置換のフェニル基または1-3個の置換基を有する置換フェニル基を含み、前記置換基はハロゲン、C1-C10アルキル基、シアノ基、OH、ニトロ基、C3~C10シクロアルキル基、C1~C10アルコキシ基、アミノ基から選ばれる。
【0024】
用語「C1~C6アルキル基」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖または分岐鎖のアルキル基で、たとえばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、t-ブチル基や類似の基が挙げられる。
【0025】
用語の「C1~C6アルコキシ基」とは、炭素原子を1~6個有する直鎖または分岐鎖のアルコキシ基を示し、たとえばメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec-ブトキシ基、t-ブトキシ基や類似の基が挙げられる。
【0026】
用語「カルボニルC1~C6アルキル基」とは、「-COO-1~6個の直鎖または分岐鎖のアルキル基」のような形の基で、たとえばカルボニル-メチル基、カルボニル-エチル基、カルボニル-プロピル基、カルボニル-イソプロピル基、カルボニル-ブチル基、カルボニル-イソブチル基、カルボニル-sec-ブチル基、カルボニル-t-ブチル基や類似の基が挙げられる。
【0027】
用語「C6~C12アリール基」とは、炭素原子を6~12個有するアリール基で、単環式または二環式のアリール基を含み、たとえばフェニル基、ナフチル基や類似の基が挙げられる。
【0028】
用語「3-12員複素環基」とは、3-12員の環系にO、S、NまたはPから選ばれる一つまたは複数のヘテロ原子を有する飽和または非飽和(芳香族のものを含む)環系置換基で、たとえばピリジル基、チエニル基、ピペリジル基や類似の基が挙げられるが、4-9員の複素環基が好ましい。
用語「ハロゲン」とは、F、Cl、BrおよびIをいう。
【0029】
本発明において、用語の「含有」、「包含」または「含む」は、各種の成分が一緒に本発明の混合物或いは組成物に用いられることを指す。そのため、用語「主に~からなる」および「~からなる」は、用語「含有」に含まれる。
【0030】
本発明において、用語「薬学的に許容される」成分とは、ヒトおよび/または動物に適用する場合、過度の不良な副反応(たとえば毒性、刺激とアレルギー反応)がない、すなわち、合理的なベネフィット/リスク比を持つ物質である。
【0031】
本発明において、用語の「有効量」とは、治療剤として目的の疾患や病状を治療、緩和または予防できる量、あるいは検出できる治療または予防の効果を示す量を指す。ある対象に対する正確な有効量は、その対象の体型や健康状況、病症の性質や程度、及び選ばれる治療剤および/または治療剤の組み合わせにもよる。そのため、予め指定される精確な有効量は意味がない。しかしながら、ある指定された状況に対して、臨床の医師は、通常の実験で有効量を確定し、判断することができる。
【0032】
本明細書において、特別に説明しない限り、用語「置換」とは、基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン、無置換またはハロゲン置換のC1-C6アルキル基、無置換またはハロゲン置換のC2-C6アシル基、無置換またはハロゲン置換のC1-C6アルキル基-ヒドロキシ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることである。
【0033】
特別に説明しない限り、本発明において、記載されたすべての化合物はいずれもすべての可能な光学異性体、たとえば単一のキラル化合物、または様々な異なるキラル化合物の混合物(すなわちラセミ体)を含む。本発明のすべての化合物において、各キラル炭素原子は任意にR配置またはS配置でもよく、あるいはR配置とS配置の混合物でもよい。
【0034】
ここで用いられるように、用語「本発明化合物」とは式Iで表される化合物である。この用語は、さらに、式I化合物の各種の結晶型、薬学的に許容される塩、水和物または溶媒和物を含む。
【0035】
式I化合物
本発明は、下記式(I)で表される化合物、およびその薬学的に許容される塩およびそのプロドラッグを提供する。
【化7】
(ただし、
A
1、A
2、A
3、A
4はそれぞれ独立にCR'またはNである。
MはCR'
2、NH、OまたはSからなる群から選ばれる。R'はH、ハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C
1-C
6アルコキシ基、C
1-C
6アルキルアミノ基、C
1-C
6アルコキシカルボニル基、置換または無置換のC
1-C
6アシルアミノ基、C
2-C
12エステル基、あるいは置換または無置換のC
1-C
10アルキル基からなる群から選ばれる。
【0036】
Xはカルボキシ基およびその生物電子等価体、ヒドロキサム酸基、置換または無置換のC2-C12エステル基、置換または無置換のアミド基、置換または無置換の3-12員複素環基のような構造を有する。
Yは置換または無置換のC6-C12アリール基、置換または無置換の3-12員複素環基からなる群から選ばれる。
【0037】
Ra、Rb、Rc、Rdはそれぞれ独立にH、ハロゲン、-OH、CN、NO2、NH2、置換または無置換のC1-C6アルキル基、置換または無置換のC1-C6アルコキシ基からなる群から選ばれる。
【0038】
前記の置換とは基における一つまたは複数の水素原子がハロゲン原子、カルボニル基(=O)、カルボキシ基、ヒドロキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アシルアミノ基、C2-C12エステル基、置換または無置換のC1-C10アルキル基、置換または無置換のC2-C10アルケニル基、置換または無置換のC2-C10アルキニル基、置換または無置換のC6-C10アリール基、あるいは置換または無置換の5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基、好ましくはC1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基またはC1-C6アルキルアミノ基からなる群から選ばれる置換基で置換されることをいう。ここで、前記の置換または無置換のC1-C10アルキル基、置換または無置換のC6-C10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基の置換基はハロゲン原子、カルボニル基(=O)、ヒドロキシ基、カルボキシ基、C1-C6アルコキシカルボニル基、アミノ基、C1-C6アシルアミノ基、ニトロ基、シアノ基、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基、C1-C6アルキルアミノ基、C6-C10アリール基あるいは5員または6員ヘテロアリール基、3-12員複素環基、3-12員シクロアルキル基、好ましくはハロゲン原子、C1-C6アルコキシカルボニル基、C1-C6アルキル基、C1-C6ハロアルキル基、C1-C6アルコキシ基またはフェニル基、5-6員複素環基からなる群から選ばれる。)
【0039】
本発明において、好適な前記式I化合物は、以下の群から選ばれる。
【化8】
【化9】
【化10】
【0040】
前記の薬学的に許容される塩は無機酸塩または有機酸塩が好ましく、かつ前記無機酸塩は塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、硫酸水素塩、硝酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩から選ばれ、前記有機酸塩はギ酸塩、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、プロピオン酸塩、ピルビン酸塩、グリコール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、フマル酸塩、マレイン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、サリチル酸塩、ピクリン酸塩、グルタミン酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩、カンファー酸塩、カンファースルホン酸塩から選ばれる。
【0041】
薬物組成物および施用方法
本発明化合物は、優れたFTOタンパク質に対する抑制活性を有するため、本発明化合物およびその各種の結晶型、薬学的に許容される無機・有機塩、水和物もしくは溶媒和物、並びに本発明化合物を主要活性成分として含有する薬物組成物はFTOの活性または発現量に関連する疾患の治療、予防および緩和に有用である。既存技術によれば、本発明の化合物は、肥満、代謝症候群(metabolic syndrome、MS)、2型糖尿病(Type 2 diabetes、T2D)、アルツハイマー病、乳癌、小細胞肺癌、ヒト骨髄横紋筋肉腫、膵臓癌、悪性神経膠芽細胞脳腫などの癌のような疾患の治療に使用することができる。
【0042】
本発明の薬物組成物は、安全な有効量の範囲にある本発明化合物または薬学的に許容される塩と、薬学的に許容される賦形剤または担体と含む。ここで、「安全有効量」とは、化合物の量が病状の顕著な改善に充分で、重度な副作用が生じないことを指す。通常、薬物組成物は、本発明化合物を1~2000mg/製剤で、好ましくは5~200mg/製剤で含有する。好ましくは、前記の「製剤」は、カプセルまたは錠である。
【0043】
「薬学的に許容される担体」とは、ヒトに適用でき、且つ十分な純度および充分に低い毒性を持たなければならない、一種または複数種の相溶性固体または液体フィラーまたはゲル物質を指す。「相溶性」とは、組成物における各成分が本発明の化合物と、またその同士の間で配合することができ、化合物の効果を顕著に低下させないことを指す。薬学的に許容される担体の例の一部として、セルロースおよびその誘導体(たとえばカルボキシメチルセルロースナトリウム、エチルセルロースナトリウム、セルロースアセテートなど)、ゼラチン、タルク、固体潤滑剤(たとえばステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム)、硫酸カルシウム、植物油(たとえば大豆油、ゴマ油、落花生油、オリーブオイルなど)、多価アルコール(たとえばプロピレングリコール、グリセリン、マンニトール、ソルビトールなど)、乳化剤(たとえばツイン(登録商標))、湿潤剤(たとえばドデシル硫酸ナトリウム)、着色剤、調味剤、安定剤、酸化防止剤、防腐剤、発熱性物質除去蒸留水などがある。
【0044】
本発明の薬物組成物の施用様態は、特に限定されないが、代表的な施用様態は、経口投与、腫瘍内、直腸、胃腸外(静脈内、筋肉内、または皮下)投与、および局部投与を含むが、これらに限定されない。
【0045】
経口投与に用いられる固体剤形は、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤および顆粒剤を含む。これらの固体剤形において、活性化合物は通常、少なくとも一種の不活性賦形剤(または担体)、たとえばクエン酸ナトリウムまたはリン酸二カルシウムと混合されるが、あるいは、(a)フィラーまたは相溶剤、たとえば、でん粉、乳糖、ショ糖、グルコース、マンニトールやケイ酸、(b)バインダー、たとえば、ヒドロメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ショ糖やアラビアゴム、(c)保湿剤、たとえば、グリセリン、(d)崩壊剤、たとえば、寒天、炭酸カルシウム、馬鈴薯澱粉やタピオカ澱粉、アルギン酸、ある複合ケイ酸塩や炭酸ナトリウム、(e)溶液遅延剤、たとえばパラフィン、(f)吸収促進剤、たとえば、アンモニウム化合物、(g)湿潤剤、たとえばセタノール、グリセリンモノステアレート、(h)吸着剤、たとえば、カオリン、また(i)潤滑剤、たとえば、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ドデシル硫酸ナトリウム、またはこれらの混合物、のような成分と混合される。カプセル剤、錠剤および丸剤において、剤形に緩衝剤を含んでもよい。
【0046】
固体剤形、たとえば錠剤、ピル、カプセル剤、丸剤や顆粒剤は、コーディングやシェル剤、たとえば、腸衣および他の本分野で公知の材料で製造することができる。不透明剤を含んでもよく、且つこのような組成物において、活性物または化合物の放出は遅延の様態で消化管のある部分で放出してもよい。使用できる包埋成分の実例として、重合物質やワックス系物質が挙げられる。必要な場合、活性化合部も上記賦形剤のうちの一種または複数種とマイクロカプセルの様態に形成してもよい。
【0047】
経口投与に用いられる液体剤形は、薬学的に許容される乳液、溶液、懸濁液、シロップまたはチンキ剤を含む。活性化合物の他、液体剤形は、本分野で通常使用される不活性希釈剤、たとえば、水または他の溶媒、相溶剤および乳化剤、たとえば、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、プロピレングリコール、1,3-ブタンジオール、ジメチルホルムアミドおよび油、特に、綿実油、落花生油、コーン油、オリーブ油、ヒマシ油やゴマ油またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
これらの不活性希釈剤の他、組成物は助剤、たとえば、湿潤剤、乳化剤、懸濁剤、甘味料、矯味剤や香料を含んでもよい。
【0048】
活性化合物の他、懸濁液は、懸濁剤、たとえば、エトキシ化イソオクタデカノール、ポリオキシエチレンソルビトールやソルビタンエステル、微晶質セルロース、メトキシアルミニウムや寒天またはこれらの物質の混合物などを含んでもよい。
【0049】
胃腸外注射用組成物は、生理的に許容される無菌の水含有または無水溶液、分散液、懸濁液や乳液、および再溶解して無菌の注射可能な溶液または分散液にするための無菌粉末を含む。適切な水含有または非水性担体、希釈剤、溶媒または賦形剤は、水、エタノール、多価アルコールおよびその適切な混合物を含む。
【0050】
局部投与のための本発明化合物の剤形は、軟膏剤、散剤、湿布剤、噴霧剤や吸入剤を含む。活性成分は、無菌条件で生理学的に許容される担体および任意の防腐剤、緩衝剤、または必要よって駆出剤と一緒に混合される。
本発明化合物は、単独で投与してもよいし、あるいは他の薬学的に許容される化合物と併用して投与してもよい。
【0051】
薬物組成物を使用する場合、安全な有効量の本発明化合物を治療の必要のある哺乳動物(たとえばヒト)に使用し、使用の際の用量は薬学上で効果があるとされる投与量で、体重60kgのヒトの場合、毎日の投与量は、通常1~2000mg、好ましくは5~500mgである。勿論、具体的な投与量は、さらに投与の様態、患者の健康状況などの要素を考えるべきで、すべて熟練の医者の技能範囲以内である。
【0052】
本発明の主な利点は以下の通りである。
(1) 本発明は非常に低い濃度(IC50値は通常30μM未満である)でFTOタンパク質の活性を抑制することができる、斬新な脱メチル化酵素FTO阻害剤を提供する。
(2) 前記のFTO阻害剤は優れた安全性を有する。
【0053】
(3) 前記のFTO阻害剤は高い選択性を有し、FTO脱メチル化酵素のみに抑制効果があり、ほかの同ファミリーまたはスーパーファミリーのジオキシゲナーゼに抑制作用が生じない。
(4) 前記のFTO阻害剤は細胞レベルでFTO選択性を有する。
(5) 前記のFTO阻害剤は血漿安定性を有する。
(6) 本発明のFTOタンパク質活性阻害剤はマウスモデルにおいて優れた薬物動態学的効果が現れる。
【0054】
以下、具体的な実施例によって、さらに本発明を説明する。これらの実施例は本発明を説明するために用いられるものだけで、本発明の範囲の制限にはならないと理解されるものである。以下の実施例で具体的な条件が示されていない実験方法は、通常、たとえばSambrookら、「モレキュラー・クローニング:研究室マニュアル」(ニューヨーク、コールド・スプリング・ハーバー研究所出版社、1989) に記載の条件などの通常の条件に、あるいは、メーカーのお薦めの条件に従う。特に説明しない限り、百分率および部は重量百分率および重量部である。
実験における実験試薬は主に中国国薬グループ、sigma社および上海生工社から購入された。
【0055】
実施例に記載される化合物の番号は、以下のとおりである。
【化11】
【化12】
【化13】
以下は一般式(I)で表される2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物のFTO酵素活性抑制実験である。
【0056】
実施例1
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物15および化合物25の製造
化合物25の合成は、下記図に示すように、o-ヨード安息香酸および4-ブロモ-2,6-ジクロロアニリンを出発原料とし、無水酢酸銅およびN-メチルモルホリンの作用においてウルマンカップリングをさせ、エステル化、鈴木カップリング反応を経て、加水分解して化合物15が得られたが、これに基づいてヒドロキサム酸化して化合物25が得られた。
【化14】
【0057】
工程1:o-ヨード安息香酸30 g (120 mmol, 1.2 eq)、2,6-ジクロロ-4-ブロモアニリン24 g (100 mmol, 1.0 eq)、トリエチルアミン (150 mmol, 1.5 eq)および無水酢酸銅9 g (5.0 mmol, 0.5 eq)をDMF 500mLに溶解させ、アルゴンガスの保護下において120℃に加熱して24h反応させた。反応終了後、室温に降温させ、等体積の水を入れ、母液をDCM(300mL×3)で抽出し、水でDMFを洗浄し、有機相を回転乾燥し、カラムの通過比率はPE:EA=20:1からPE:EA=1:1へとし、黄色固体9.8 gが得られた。
【0058】
工程2:2-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)アミノ)安息香酸3.6 gを無水エタノール200 mLに溶解させ、氷水浴で冷却しながら、それに濃硫酸を20 mL入れ、100℃に加熱して12時間還流しながら反応させた。反応終了後、反応系を室温に冷却し、回転蒸発で濃縮してエタノールを除去し、反応系に水を100 mL入れ、泡がなくなるまで飽和炭酸ナトリウムで中和した。酢酸エチル(50 mL×3)で有機相を抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(10 mL×3)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーカラムによって分離し、白色固体の2-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)アミノ)安息香酸エチルを3.1 g得た。
【0059】
工程3:2-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)アミノ)安息香酸エチル3.0 g (8.0 mmol, 1.0 eq)、2,5-ジメチルイソオキサゾール-4-ホウ酸1.36 g (9.6 mmol, 1.2 eq)、触媒Pd(dppf)Cl2 584 mg (0.8 mmol, 0.1 eq)、炭酸カリウム1.68 g (12.0 mmol, 1.5 eq)をジオキサンと水の混合溶媒160 mL (4:1/v:v)に溶解させ、100℃に加熱して24時間反応させた。室温に冷却し、回転蒸発で1/2の溶媒を除去し、酢酸エチル(50 mL×3)で抽出し、有機相を合併して飽和食塩水(10 mL×3)で洗浄した。無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、ろ過し、ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーカラム(石油エーテル:酢酸エチル=20:1)によって分離し、白色固体の2-((2,6-ジクロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾリル)フェニル)アミノ)安息香酸エチルを1.98 g得た。
【0060】
工程4:2-((2,6-ジクロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾリル)フェニル)アミノ)安息香酸エチル 1.98 g (4.4 mmol, 1.0 eq)をテトラヒドロフラン36 mLと無水エタノール72 mLの混合溶媒に溶解させ、氷水浴で冷却しながら、それにゆっくり水酸化ナトリウム880 mg (22 mmol, 5.0 eq)の水9 mLの溶液を滴下した。45℃に加熱して一晩反応させ、反応終了後、反応系を室温に冷却し、濃縮して有機溶媒を除去し、水を20 mL入れ、氷水浴に置き、2 M希塩酸でpHが3になるようにに調整し、得られた懸濁液を続いて室温で30 min撹拌した。吸引ろ過し、固体を水で洗浄し、白色固体の2-((2,6-ジクロロ-4-(3,5-ジメチルイソオキサゾリル)フェニル)アミノ)安息香酸エチル、すなわち、化合物15を1.6 g得た。
【0061】
工程5:2-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)アミノ)安息香酸844 mg(2.2 mmol, 1.0 eq)を塩化チオニル22 mLに溶解させ、65℃に加熱して2時間反応させた。反応液をサンプリングして無水メタノールに入れ、反応が終了したことがTLCによるモニタリングで確認されたら、乾燥するまで回転蒸発して黄色固体のアシルクロリドを得、使用に備えた。塩酸ヒドロキシアミンを152 mg (2.2 mmol, 1.0 eq)量って酢酸エチルと水の混合液33 mL(2:1/v:v)に溶解させ、氷水浴に置き、それに無水炭酸カリウム608 mg (4.4 mmol, 2.0 eq)を入れ、室温で1時間反応させた。新しく調製されたヒドロキシアミン溶液を氷水浴に置き、恒圧滴下漏斗でゆっくりアシルクロリド(2.2 mmol, 1.0 eq)の酢酸エチル10 mL溶液を入れ、室温で2時間反応させた。回転蒸発で濃縮し、撹拌・混合して褐色固体を623 mg得た。
ほかのピリジン、ピラジン母核の2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物を実施例1に類似する合成方法によって、相応する出発原料で製造した。
【0062】
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物のNMR水素スペクトルのデータ:
【0063】
【化15】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.12 (s, 1H), 9.52 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.73 (s, 2H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.53 (s, 2H), 6.31 (d, J = 4.3 Hz, 2H).
【化16】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.15 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 8.03 (s, 2H), 7.91 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.81 (s, 1H), 7.33 (d, J = 7.2 Hz, 1H), 6.92 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 6.79 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0064】
【化17】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.19 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.1 Hz, 3H), 7.79 (d, J = 7.5 Hz, 2H), 7.47 (dq, J = 14.0, 7.0 Hz, 3H), 7.35 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0065】
【化18】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.14 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 7.96 - 7.85 (m, 3H), 7.40 (s, 2H), 7.35 (t, J = 7.9 Hz, 1H), 7.06 (s, 1H), 6.80 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.30 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
【0066】
【化19】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.23 (s, 1H), 9.61 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 8.10 (s, 2H), 7.92 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.85 (d, J = 5.3 Hz, 2H), 7.36 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.82 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.33 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
【0067】
【化20】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.18 (s, 1H), 9.57 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.59 (s, 2H), 7.35 (dd, J = 20.3, 8.8 Hz, 5H), 6.81 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 2.30 (s, 3H).
【0068】
【化21】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.17 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 7.91 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.88 (s, 2H), 7.73 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 5.0 Hz, 1H), 7.34 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 7.19 (dd, J = 5.0, 3.7 Hz, 1H), 6.80 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0069】
【化22】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 9.81 (s, 1H), 9.24 (d, J = 8.3 Hz, 3H), 8.14 (s, 2H), 7.93 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.33 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H).
【0070】
【化23】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.09 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 7.91 (d, J = 9.0 Hz, 3H), 7.69 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 7.33 (dd, J = 16.2, 7.9 Hz, 3H), 6.80 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 2.36 (s, 3H).
【0071】
【化24】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.24 (s, 1H), 9.57 (s, 1H), 7.98 (s, 2H), 7.91 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 7.81 - 7.69 (m, 2H), 7.35 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.32 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
【0072】
【化25】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.19 (s, 1H), 9.58 (s, 1H), 8.41 (s, 1H), 8.10 (s, 2H), 8.04 (d, J = 8.0 Hz, 2H), 8.00 - 7.85 (m, 3H), 7.63 - 7.50 (m, 2H), 7.36 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 8.5 Hz, 1H).
【0073】
【化26】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.16 (s, 1H), 9.50 (s, 1H), 8.70 (s, 2H), 7.91 (d, J = 11.1 Hz, 3H), 7.34 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.94 (s, 2H), 6.79 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
【0074】
【化27】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.35 (s, 1H), 9.52 (s, 2H), 9.48 - 9.34 (m, 1H), 7.90 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.33 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.79 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.42 (s, 1H), 6.25 (d, J = 8.4 Hz, 1H), 3.76 (s, 2H), 2.73 (s, 2H).
【0075】
【化28】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.18 (s, 1H), 11.39 (s, 1H), 9.59 (s, 1H), 7.93 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.85 (s, 2H), 7.49 (s, 2H), 7.37 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 7.21 (d, J = 6.2 Hz, 2H), 6.81 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.61 (s, 1H), 6.39 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
【0076】
【化29】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.21 (s, 1H), 9.62 (s, 1H), 7.92 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.68 (s, 2H), 7.37 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.82 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
【0077】
【化30】
1H NMR (300 MHz, d
6-DMSO) δ 13.17 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 7.95 (s, 2H), 7.92 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.84 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.55 (d, J = 8.6 Hz, 2H), 7.35 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.81 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 8.4 Hz, 1H).
【0078】
【化31】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.35 (s, 1H), δ 9.54 (s, 1H), 8.24 - 8.14 (m, 1H), 8.05 - 7.99 (m, 1H), 7.82 - 7.77 (m, 2H), 7.70 - 7.64 (m, 1H), 7.24 (dt, J = 7.0, 3.8 Hz, 1H), 2.13 - 2.00 (m, 3H), 1.82 - 1.65 (m, 3H).
【0079】
【化32】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.17 (s, 1H), δ 9.58 (s, 1H), 8.09 - 8.04 (m, 1H), 7.96 - 7.91 (m, 1H), 7.82 - 7.77 (m, 2H), 7.67 - 7.59 (m, 2H), 7.59 - 7.55 (m, 1H), 7.26 - 7.19 (m, 1H), 3.86 - 3.67 (m, 3H).
【0080】
【化33】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.20 (s, 1H), δ 9.52 (s, 1H), 8.15 - 8.08 (m, 1H), 8.00 (dd, J = 5.3, 2.2 Hz, 1H), 7.98 - 7.93 (m, 2H), 7.69 - 7.61 (m, 1H), 7.28 - 7.19 (m, 1H), 6.26 - 6.18 (m, 1H), 2.25 - 2.05 (m, 3H), 2.05 - 1.91 (m, 3H).
【0081】
【化34】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.19 (s, 1H), δ 9.57 (s, 1H), 8.11 - 8.04 (m, 1H), 8.03 - 7.97 (m, 1H), 7.83 - 7.76 (m, 2H), 7.68 - 7.58 (m, 1H), 7.25 - 7.17 (m, 1H).
【0082】
【化35】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.25 (s, 1H), δ 9.57 (s, 1H), 8.19 - 8.07 (m, 1H), 7.99 - 7.92 (m, 1H), 7.72 - 7.67 (m, 2H), 7.66 - 7.60 (m, 1H), 7.32 - 7.19 (m, 1H), 7.13 - 7.04 (m, 1H), 7.05 - 6.96 (m, 1H), 5.62 - 5.54 (m, 1H).
【0083】
【化36】
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO) δ 9.90 (s, 1 H), 8.04 (d, J
= 7.2 Hz, 1 H), 7.66 (s, 2 H), 7.21 (t, J
= 7.2 Hz, 1 H), 6.91 (t, J
= 7.2 Hz, 1 H), 6.42 (d, J
= 7.6 Hz, 1 H), 2.47 (s, 3 H), 2.29 (s, 3 H).
【0084】
【化37】
1H NMR (500 MHz, d
6-DMSO) δ 13.35 (s, 1H), δ 9.54 (s, 1H), 8.24 - 8.14 (m, 1H), 8.05 - 7.99 (m, 1H), 7.82 - 7.77 (m, 2H), 7.70 - 7.64 (m, 1H), 7.24 (dt, J = 7.0, 3.8 Hz, 1H), 2.13 - 2.00 (m, 3H), 1.82 - 1.65 (m, 3H).
【0085】
【化38】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.28 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 7.92 (dd, J = 7.9, 1.5 Hz, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.48 (dd, J = 11.0, 1.8 Hz, 1H), 7.44 - 7.36 (m, 1H), 6.84 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 8.3, 3.9 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
【0086】
【化39】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【化40】
【0087】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0088】
【化41】
1H NMR (500 MHz, クロロホルム) δ 8.38 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.62 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 6.75 - 6.67 (m, 2H), 6.20 (s, 2H), 2.30 (s, 6H).
【0089】
【化42】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0090】
【化43】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0091】
【化44】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0092】
【化45】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.34 - 12.95 (m, 1H), 9.63 (s, 1H), 8.63 (s, 2H), 7.93 (d, J = 7.9 Hz, 1H), 7.41 (d, J = 7.2 Hz, 4H), 7.32 (s, 1H), 7.22 (s, 1H), 7.07 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 6.79 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 2.24 (d, J = 7.0 Hz, 7H).
【0093】
【化46】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0094】
【化47】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0095】
【化48】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.32 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 7.88 (dd, J = 37.0, 8.4 Hz, 5H), 7.42 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.86 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.62 (d, J = 7.7 Hz, 1H).
【0096】
【化49】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.02 (s, 1H), 7.86 (dd, J = 7.7, 1.7 Hz, 1H), 7.71 (s, 2H), 7.51 - 7.42 (m, 1H), 7.18 (t, J = 7.1 Hz, 1H), 6.59 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
【0097】
【化50】
1H NMR (300 MHz, DMSO) δ 13.34 - 13.01 (m, 1H), 8.06 - 7.96 (m, 2H), 0.00 (s, 1H), 0.00 (t, J = 5.8, 5.8 Hz, 1H), 0.00 (t, J = 7.5, 7.5 Hz, 1H), 0.00 (t, J = 7.8, 7.8 Hz, 1H).
【0098】
【化51】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.06 (s, 1H), 9.87 (s, 1H), 8.25 - 8.12 (m, 2H), 7.97 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 6.82 (dd, J = 7.6, 4.8 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H).
【0099】
【化52】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.02 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 8.21 (dd, J = 13.1, 6.2 Hz, 2H), 8.03 (s, 2H), 7.86 (s, 2H), 6.85 (dd, J = 7.6, 4.8 Hz, 1H).
【0100】
【化53】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.59 (s, 1H), 9.63 (s, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.22 (dt, J = 6.8, 1.9 Hz, 2H), 7.85 (s, 2H), 7.79 (t, J = 1.7 Hz, 1H), 7.13 (d, J = 1.1 Hz, 1H), 6.84 (dd, J = 7.6, 4.9 Hz, 1H).
【0101】
【化54】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.85 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.60 (s, 2H), 2.46 (s, 4H), 2.28 (s, 3H).
【0102】
【化55】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.79 (s, 1H), 8.70 (d, J = 6.1 Hz, 2H), 8.32 (d, J = 2.2 Hz, 1H), 8.15 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.06 (s, 2H), 7.86 (d, J = 6.1 Hz, 2H).
【0103】
【化56】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.66 (s, 1H), 8.32 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 8.13 (d, J = 2.3 Hz, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.63 (s, 2H), 2.42 (s, 1H).
【0104】
【化57】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.36 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.86 (s, 2H), 7.79 (s, 1H), 7.13 (s, 1H).
【0105】
【化58】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.87 (s, 1H), 8.69 (s, 2H), 8.09 (s, 2H), 7.86 (s, 2H), 7.64 (dd, J = 9.5, 3.0 Hz, 1H), 7.22 (td, J = 8.8, 3.1 Hz, 1H), 6.34 (dd, J = 9.0, 4.5 Hz, 1H).
【0106】
【化59】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.58 (s, 1H), 9.44 (s, 1H), 9.27 (s, 2H), 9.24 (s, 1H), 8.17 (s, 2H), 7.65 (dd, J = 9.4, 3.1 Hz, 1H), 7.35 - 7.21 (m, 1H), 6.35 (dd, J = 9.2, 4.5 Hz, 1H).
【0107】
【化60】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.60 (s, 1H), 9.37 (s, 1H), 9.28 (s, 0H), 7.93 (s, 2H), 7.89 - 7.78 (m, 2H), 7.64 (d, J = 6.7 Hz, 1H), 7.42 - 7.16 (m, 3H), 6.39 - 6.23 (m, 1H).
【0108】
【化61】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.26 (s, 1H), 9.33 (s, 1H), 8.26 (s, 2H), 7.91 (s, 2H), 7.62 (dd, J = 9.5, 3.2 Hz, 1H), 7.32 - 7.17 (m, 1H), 6.30 (dd, J = 9.2, 4.5 Hz, 1H).
【0109】
【化62】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.75 (s, 1H), 8.76 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 8.17 (dd, J = 9.3, 2.8 Hz, 1H), 7.74 (s, 2H), 6.45 (d, J = 9.3 Hz, 1H), 2.48 (s, 3H), 2.30 (s, 3H).
【0110】
【化63】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.49 - 12.92 (m, 1H), 10.48 (s, 1H), 9.51 (s, 1H), 8.35 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.68 (s, 2H), 7.64 (dd, J = 9.0, 2.6 Hz, 1H), 7.10 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 6.64 (d, J = 15.4 Hz, 1H), 6.38 (d, J = 9.0 Hz, 1H), 2.47 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
【0111】
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族ヒドロキサム酸系化合物のNMR水素スペクトル:
【化64】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.33 (s, 1H), 9.52 (s, 1H), 9.17 (s, 1H), 7.62 (s, 2H), 7.50 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.79 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 2.44 (s, 3H), 2.26 (s, 3H).
【0112】
【化65】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.32 (s, 1H), 9.43 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.66 (s, 2H), 7.52 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.26 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.78 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.31 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 2.42 (s, 3H).
【0113】
【化66】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.33 (s, 1H), 9.49 (s, 1H), 7.53 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 7.49 (s, 2H), 7.32 - 7.22 (m, 1H), 6.79 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.34 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 2.26 (s, 6H).
【0114】
【化67】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.38 (s, 1H), 9.47 (s, 1H), 9.22 (s, 1H), 7.52 (d, J = 9.3 Hz, 2H), 7.44 (d, J = 11.4 Hz, 1H), 7.32 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.84 (t, J = 7.3 Hz, 1H), 6.57 (dd, J = 8.1, 4.7 Hz, 1H), 2.46 (s, 3H), 2.29 (s, 3H).
【0115】
【化68】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 11.57 (s, 1H), 10.06 (s, 1H), 8.86 (s, 2H), 8.19 (s, 2H), 8.15 (s, 3H), 7.95 (d, J = 7.6 Hz, 1H), 6.87 (dd, J = 7.4, 5.0 Hz, 1H).
【0116】
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族アミド系化合物の合成工程およびNMR水素スペクトルのデータ:
【化69】
10 mL丸底フラスコにおいて、酸(0.2 mmoL, 1.0 eq)、HATU(0.3 mmoL, 1.5 eq)を無水DMF(2 mL)に溶解させ、室温で5 min撹拌し、順にDIEA (0.6 mmoL, 3.0 eq)、アミン(0.4 mmoL, 2.0 eq)を入れた。室温で一晩反応させ、反応系に水を入れる、白色の混濁が生じ、吸引ろ過し、水で洗浄してアミドの目的産物を得た。
【0117】
【化70】
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO) δ 10.18 (s, 1 H), 8.12 (s, 1 H), 7.74 (d, J
= 7.6 Hz, 1 H), 7.63 (s, 2 H), 7.51 (s, 1 H), 7.27 (t,
J
= 7.6 Hz, 1 H), 6.79 (t, J
= 7.6 Hz, 1 H), 6.33 (d, J
= 8.4 Hz, 1 H), 2.45 (s, 3 H), 2.27 (s, 3 H).
【0118】
【化71】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 8.72 (s, 1H), 8.14 (d, J = 4.7 Hz, 1H), 8.06 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.59 (s, 2H), 6.86 (dd, J = 7.7, 4.8 Hz, 1H), 2.65 - 2.53 (m, 5H), 2.45 (s, 4H), 2.28 (s, 3H), 0.98 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
【0119】
【化72】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.85 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.65 (d, J = 9.0 Hz, 3H), 7.28 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.84 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 8.2 Hz, 1H), 3.35 (d, J = 10.2 Hz, 4H), 2.58 (d, J = 22.3 Hz, 5H), 2.46 (s, 3H), 2.28 (s, 3H), 0.99 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
【0120】
【化73】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.72 (s, 1H), 8.53 (t, J = 5.5 Hz, 1H), 7.63 (d, J = 5.6 Hz, 3H), 7.28 (t, J = 7.7 Hz, 1H), 6.84 (t, J = 7.4 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 2.46 (s, 4H), 2.28 (s, 4H), 2.11 (s, 3H).
【0121】
【化74】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 13.08 (s, 1H), 9.71 (s, 1H), 8.49 (d, J = 5.7 Hz, 1H), 8.39 (s, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.88 (s, 2H), 7.64 (d, J = 7.8 Hz, 1H), 7.24 (t, J = 7.8 Hz, 1H), 6.79 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.28 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 2.62 - 2.53 (m, 4H), 0.99 (t, J = 7.1 Hz, 6H).
【0122】
【化75】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 9.88 (s, 1H), 8.67 (d, J = 5.3 Hz, 1H), 7.67 (d, J = 6.8 Hz, 1H), 7.64 (s, 2H), 6.84 (t, J = 7.2 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 3.58 (t, J = 4.5 Hz, 4H), 3.35 - 3.27 (m, 2H), 2.46 (s, 3H), 2.36 (t, J = 7.0 Hz, 6H), 2.28 (s, 3H), 1.77 - 1.66 (m, 2H).
【0123】
【化76】
1H NMR (400 MHz, DMSO) δ 10.14 (s, 1H), 9.89 (s, 1H), 9.00 (s, 1H), 8.05 (s, 2H), 7.81 (d, J = 8.1 Hz, 1H), 7.64 (d, J = 7.0 Hz, 2H), 7.31 (t, J = 8.3 Hz, 2H), 6.87 (t, J = 7.5 Hz, 1H), 6.35 (d, J = 8.3 Hz, 1H), 3.67 (s, 2H), 3.24 (d, J = 26.4 Hz, 6H), 1.26 (d, J = 6.7 Hz, 6H).
【0124】
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族エステル系化合物の合成工程およびNMR水素スペクトルのデータ:
【化77】
10 mL丸底フラスコにおいて、酸(0.2 mmoL, 1.0 eq)、K
2CO
3(0.3 mmoL, 1.5 eq)を無水DMF(2 mL)に溶解させ、相応する臭化炭化水素を入れ、40℃に加熱して一晩撹拌した。反応系に水を入れ、酢酸エチルで反応系を抽出し、有機相を合併し、順に水、飽和食塩水で有機相を洗浄し、無水硫酸ナトリウムで有機相を乾燥し、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーによって分離し、目的産物であるエステルを得た。
【0125】
【化78】
1H NMR (500 MHz, CDCl
3) δ 9.49 (s, 1H), 8.05 (dd, J = 8.0, 1.5 Hz, 1H), 7.37 - 7.33 (m, 1H), 7.32 (s, 2H), 6.86 - 6.81 (m, 1H), 6.44 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 4.43 (q, J = 7.1 Hz, 2H), 2.49 (s, 3H), 2.34 (s, 3H), 1.46 (t, J = 7.1 Hz, 3H).
【0126】
【化79】
1H NMR (400 MHz, d
6-DMSO) δ 9.29 (s, 1H), 7.96 (d, J = 6.4 Hz, 1H), 7.68 (s, 2H), 7.51 (d, J = 7.8 Hz, 2H), 7.41-7.45 (m, 4H), 6.84 (t, J = 7.6 Hz, 1H), 6.36 (d, J = 8.0 Hz, 1H), 5.40 (s, 2H), 2.49 (s, 3H), 2.28 (s, 3H).
【0127】
【化80】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.34 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.31 (m, 3H), 6.89 - 6.81 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.35 (s, 3H).
【0128】
【化81】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.34 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.31 (m, 3H), 6.89 - 6.81 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.35 (s, 3H).
【0129】
【化82】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.34 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.31 (m, 3H), 6.89 - 6.81 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.35 (s, 3H).
【0130】
【化83】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.34 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.31 (m, 3H), 6.89 - 6.81 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.35 (s, 3H).
【0131】
【化84】
1H NMR (400 MHz, CDCl
3) δ 9.34 (s, 1H), 8.08 (dd, J = 8.1, 1.5 Hz, 1H), 7.42 - 7.31 (m, 3H), 6.89 - 6.81 (m, 1H), 6.45 (d, J = 8.5 Hz, 1H), 4.98 (d, J = 2.5 Hz, 2H), 2.57 (t, J = 2.5 Hz, 1H), 2.49 (s, 3H), 2.35 (s, 3H).
【0132】
生物実施例1 FTO抑制活性の測定
ニッケルカラムアフィニティークロマトグラフィーによって精製して高純度のFTOタンパク質を得た。
FTO酵素活性抑制反応系は、50 mM Tris・HCl、pH 7.5、0.3μM FTO、1 μM 39nt-m6Aで修飾された二本鎖DNA、300μM 2OG、280μM (NH4)2Fe(SO4)2、2 mM L-アスコルビン酸および異なる濃度の化合物で、室温で2hインキュベートした後、65℃でゆっくり加熱して不活性化させ、1μM 39ntのアンチセンス鎖DNAをアニーリングして二本鎖にした。8μlの反応液を取り、メチル化に敏感な酵素DpnIIで二本鎖基質を酵素切断し、酵素切断されたサンプルを15%非変性ポリアクリルアミド電気泳動によって検出し、Gel-Redで染色した後、ゲルイメージングシステムで撮影し、得られたバンドに対してグレイスケールによる抑制率の読み取りを行った。
【0133】
以下は一般式(I)で表される2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸およびその誘導体類の濃度50 μMにおけるFTO酵素活性に対する抑制率である。
化合物(濃度50 μM)のFTOに対する体外抑制率:
【表1-1】
【表1-2】
2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸およびその誘導体系FTO阻害剤の酵素活性に対する抑制のIC
50値:
【表2-1】
【表2-2】
既存のFTO抑制化合物と比べ、本願の化合物の抑制活性は非常に顕著に向上し、一部の化合物のFTO抑制活性はnmol級に達した。
【0134】
生物実施例2
以下は一般式(I)で表される2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸およびその誘導体系阻害剤のにおける固形腫瘍のヒト小細胞肺癌細胞系(SCLC-21H)、ヒト骨髄横紋筋肉腫細胞系(RH30)および膵臓癌細胞系(KP3)に対する細胞毒性の研究である。
【0135】
それぞれSCLC-21H、RH30、KP3などの固形腫瘍細胞系を培養し、5000個/ウェルの密度で96ウェルプレートに細胞を接種し、壁に付着するまで細胞を培養し、異なる化合物を入れて続いて72時間培養し、そのままMTS溶液を10 μL入れて4 hインキュベートし、490 nmにおける吸光度値を検出し、DMSO群を対照として抑制率を計算した。
【0136】
以下は一般式(I)で表される2-(置換フェニルヘテロ)芳香族カルボン酸系化合物のFTO阻害剤の誘導体類の濃度50 μM、72 hの時点におけるSCLC-21H、RH30、KP3細胞に対する細胞毒性、すなわち、抑制率である。
化合物の活性(濃度50 μMにおける細胞抑制率)のまとめ:
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
化合物の細胞系KP3に対する細胞毒性IC
50:
【表4】
化合物の細胞系SCLCに対する細胞毒性IC
50:
【表5】
化合物の細胞系RH30に対する細胞毒性IC
50:
【表6】
結果から、本願の化合物は各固形腫瘍細胞のいずれにも相当優れた抑制効果を有することが示された。
【0137】
各文献がそれぞれ単独に引用されるように、本発明に係るすべての文献は本出願で参考として引用する。また、本発明の上記の内容を読み終わった後、当業者が本発明を各種の変動や修正をすることができるが、それらの等価の形態のものは本発明の請求の範囲に含まれることが理解されるはずである。