(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】無線充電式電池装置
(51)【国際特許分類】
H02J 7/00 20060101AFI20220328BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20220328BHJP
H01Q 1/24 20060101ALI20220328BHJP
H01Q 1/38 20060101ALI20220328BHJP
H02J 50/20 20160101ALI20220328BHJP
H02J 50/40 20160101ALI20220328BHJP
【FI】
H02J7/00 301D
H01M10/44 Q
H01Q1/24 Z
H01Q1/38
H02J7/00 301E
H02J50/20
H02J50/40
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020109328
(22)【出願日】2020-06-25
(62)【分割の表示】P 2017552036の分割
【原出願日】2016-04-04
【審査請求日】2020-07-27
(32)【優先日】2015-04-10
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-01-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2016-02-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】515213630
【氏名又は名称】オシア インク.
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】特許業務法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ゼイン,ハテム イブラヒム
(72)【発明者】
【氏名】エバディ,シアマク
(72)【発明者】
【氏名】サガティ,アリレザ
(72)【発明者】
【氏名】アルファラ,アナス
(72)【発明者】
【氏名】ノイゲバウアー,クリス
【審査官】下林 義明
(56)【参考文献】
【文献】特表2009-530964(JP,A)
【文献】特開2005-117748(JP,A)
【文献】特開平10-295043(JP,A)
【文献】特開2004-102898(JP,A)
【文献】特開2010-193701(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00 - 7/12
H02J 7/34 - 7/36
H02J 50/00 - 50/90
H01M 10/42 - 10/48
H01M 50/20 - 50/298
H01Q 1/00 - 1/10
H01Q 1/27 - 1/52
H01Q 1/12 - 1/26
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線充電式電池装置
(500,1800)であって、
筐体
(505)と、
ワイヤレス無線周波数(RF)電力を受信するように構成された1つ以上のアンテナ
(510,1804a,1804b)と、
前記筐体内に位置し
且つ前記1つ以上のアンテナに結合されており、ワイヤレス無線周波数(RF)電力を直流(DC)電力に変換するように構成された1つ以上の電子回路基板
(520,1810)と、
前記筐体内に配置され、前記1つ以上の電子回路基板に結合され、前記
直流(DC)電力を蓄電するように構成された1つ以上の電池モジュール
(530,1825)と、
前記無線充電式電池装置を受けいれることができる電池駆動式機器(102)が複数の電池構成を使用することを検出し、前記複数の電池構成に基づいて、前記無線充電式電池装置の出力電圧を動的に設定するように動作可能な、電圧設定モジュール(1820)と、
前記電池駆動式機器の電池接触部分と接触している場合に、前記出力電圧を前記電池駆動式機器に供給するように構成された端子キャップ(540)と、
を含む、無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項2】
前記複数の電池構成は、電池の種類、電池の数、1つ以上の電池モジュールの数、および電池駆動式機器に並列または直列に接続された電池の数、のそれぞれによって前記電池駆動式装置を駆動するための電圧が異なることの中の1つ以上を含む、請求項1に記載の無線充電式電池装置(500,1800)。
【請求項3】
前記筐体
(505)は、前記1つ以上のアンテナ
(510,1804a,1804b)を含む、請求項1に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項4】
前記1つ以上のアンテナ
(510,1804a,1804b)の少なくとも1つは、薄膜、銅テープまたは印刷された金属を使用して構成された3次元アンテナを含む、請求項1に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項5】
前記筐体
(505)の内面または外面に位置する1つ以上の反射面または導波面をさらに含む、請求項1に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項6】
前記1つ以上の電池モジュールを前記1つ以上のアンテナ
(510,1804a,1804b)のうちの少なくとも1つから分離するように構成された誘電体をさらに含
む、請求項1に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項7】
前記誘電体が可撓性材料で構成されている、請求項6に記載の無線充電式電池装置(500,1800)。
【請求項8】
前記筐体
(505)は、
無線周波数透過性材料で構成される、請求項1に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項9】
前記電圧設定モジュール
(1820)は、
さらに、前記複数の電池構成
を示すユーザ
からの入力
を受信して動作可能である、請求項
1に記載の無線電池装置
(500,1800)。
【請求項10】
前記電圧設定モジュール(1820)は、さらに、前記複数の電池構成を示す充電器からの入力を受信して動作可能である、請求項1に記載の無線電池装置(500,1800)。
【請求項11】
前記電圧設定モジュール(1820)は、さらに、前記複数の電池構成を決定する1つ以上のダミー電池からの入力を受信して動作可能である、請求項1に記載の無線電池装置(500,1800)。
【請求項12】
前記1つ以上の反射面または導波面の少なくとも1つは、薄膜、銅テープまたは印刷された金属を使用して構成される、請求項
5に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項13】
前記筐体(505)は、規格化された電池のフォームファクタに適合する寸法で構成される、請求項1に記載の無線電池装置。
【請求項14】
前記規格化された電池のフォームファクタは、円筒形
の電池、非円筒形の電池、カメラ電池、
若しくはボタン電池のうちの1つを含む、請求項
13に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【請求項15】
前記規格化された電池のフォームファクタは、単三形(AA)、単四形(AAA)、単二形(C)、単一形(D)、4.5ボルト、9ボルト、ランタン(バネ)用の電池のうちの1つを含む、請求項
13に記載の無線充電式電池装置
(500,1800)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2015年4月10日に出願された米国仮特許出願第62/146,233号「SYSTEMS AND METHODS FOR WIRELESS CHARGING」、2016年1月6日に出願された米国仮特許出願第62/275,383号「WIRELESS CHARGING SYSTEMS FOR HANDHELD AND CONSUMER ELECTRONIC DEVICES」、および2016年2月19日に出願された米国非仮特許出願第15/048,982号「WIRESSLY
CHARGEABLE BATTERY APPARATUS」の優先権および利益を主張するものであり、その内容は参照により本明細書に明示的に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
携帯情報端末(PDA)、セルラ電話(スマートフォンまたは携帯電話を含む)、およびタブレット型コンピュータなどのモバイル通信機器(またはモバイル機器)の使用は普及している。これらの機器は、機能するための電気を供給されなければならず、典型的には携帯性を可能にする充電式電池を含む。充電式電池は、典型的には、モバイル機器のポートおよび電気コンセントに差し込んで電力の転送を容易にする電池充電器を使用して再充電される。さらに、充電式単三(AA)電池などの場合には、電池を取り出して外部充電器に置いたときに、機器が完全に機能しなくなることがある。その結果、モバイル機器が充電中である場合、または電池が充電中である場合、機器は本質的に壁に拘束され、電池が充電されている期間は携帯性の態様が失われる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
オシア(Ossia)社が製造し設計したものなどの、様々な無線電力受信構成要素を使用して無線充電機能を機器に追加することができる。残念なことに、機能強化が内部および/または外部の広範な再設計を必要とする可能性があるため、無線充電機能などの製品強化を既存の無線機器に統合するには時間がかかり、困難かつ費用がかかる。
【課題を解決するための手段】
【0004】
したがって、上述の問題を克服する技術、および付加的な利益を提供する技術に対する必要性がある。いくつかの先行するまたは関連するシステムの本明細書で提供される例およびそれらに関連する制限は、例示的であり排他的ではないことが意図される。既存または従来のシステムの他の制限は、以下の発明を実施するための形態を読むことによって当業者には明らかになるであろう。
本発明の1つ以上の実施形態は例として示されており、添付の図面の図に限定されるものではない。添付の図面では、同様の参照符号が同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0005】
【
図1】1つ以上の無線充電器から無線電力供給環境内の様々な無線機器への無線電力供給を示す例示的な無線電力供給環境を示すブロック図である。
【
図2】いくつかの実施形態による、無線電力供給を開始するための無線充電器と無線受信機との間の例示的な動作を示すシーケンス図である。
【
図3】いくつかの実施形態による、無線電力送信機(充電器または無線電力供給システム)の例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図4】いくつかの実施形態による、無線電力受信機(クライアント)の例示的な構成要素を示すブロック図を示している。
【
図5】いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置500の例示的な構成要素を示すブロック図である。
【
図6A】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された無線充電式電池装置を示す図である。
【
図6B】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された無線充電式電池装置を示す図である。
【
図6C】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された無線充電式電池装置を示す図である。
【
図7A】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図7B】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図8A】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された他の例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図8B】いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された他の例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図9A】いくつかの実施形態による、様々な例示的無線充電式電池装置を示す正面斜視図である。
【
図9B】いくつかの実施形態による、様々な例示的無線充電式電池装置を示す正面斜視図である。
【
図9C】いくつかの実施形態による、様々な例示的無線充電式電池装置を示す正面斜視図である。
【
図10A】いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置の様々な追加の例示的接続形態を示す正面斜視図である。
【
図10B】いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置の様々な追加の例示的接続形態を示す正面斜視図である。
【
図10C】いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置の様々な追加の例示的接続形態を示す正面斜視図である。
【
図11A】いくつかの実施形態による、フレキシブルプリント回路基板を有する例示的な無線充電式電池装置を示す断面上面図である。
【
図11B】いくつかの実施形態による、フレキシブルプリント回路基板を有する例示的な無線充電式電池装置を示す正面斜視図である。
【
図12A】いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置の正面斜視図である。
【
図12B】いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置の断面上面図である。
【
図12C】いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置の断面上面図である。
【
図13A】
いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置のパッケー
ジ1300Aの正面斜視図である。
【
図13B】
いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置のパッケー
ジ1300Bの正面斜視図である。
【
図13C】
いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置のパッケー
ジ1300Cの正面斜視図である。
【
図13D】いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置のパッケージ1300Dの断面上面図である。
【
図14A】いくつかの実施形態による、標準的な単三電池に適合する寸法で構成された例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図14B】いくつかの実施形態による、標準的な単三電池に適合する寸法で構成された例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図14C】いくつかの実施形態による、標準的な単三電池に適合する寸法で構成された例示的な無線充電式電池装置を示す図である。
【
図15】いくつかの実施形態による、最適なアンテナ極性を動的に選択する例示的なプロセスを示すフロー図である。
【
図16】
いくつかの実施形態による、標準的な電池のフォームファクタで実装された例
示的なクライアント(無線電力受信機)の様々な図である。
【
図17A】いくつかの実施形態による、複数の電池構成の様々な例を示す図である。
【
図17B】いくつかの実施形態による、複数の電池構成の様々な例を示す図である。
【
図17C】いくつかの実施形態による、複数の電池構成の様々な例を示す図である。
【
図17D】いくつかの実施形態による、複数の電池構成の様々な例を示す図である。
【
図18】一実施形態による、無線充電機能が内蔵され、可変出力電圧を有する例示的な電池を示す図である。
【
図19A】統合型無線充電モジュールおよび蓄電モジュール内の1つ以上の蓄電セルを有する例示的な電池を示す図である。
【
図19B】統合型無線充電モジュールおよび蓄電モジュール内の1つ以上の蓄電セルを有する例示的な電池を示す図である。
【
図20】いくつかの実施形態による、モバイル(またはスマート)電話またはタブレット型コンピュータ機器の形態の無線電力受信機またはクライアントを含む代表的なモバイル機器またはタブレット型コンピュータの例示的な構成要素を示すブロック図を示す。
【
図21】本明細書で説明する任意の1つ以上の方法を機械に実行させるための1組の命令が実行されることのできる、コンピュータシステムの例示的な形態の機械の図式的な表示を示している。
【発明を実施するための形態】
【0006】
以下の説明および図面は例示的なものであり、限定するものとして解釈されるべきではない。開示の完全な理解を提供するために、多数の具体的な詳細を記載する。しかし、特定の例では、説明を不明瞭にすることを回避するために周知または従来の詳細を記載しない。本開示の一実施形態または実施形態への言及は、同じ実施形態への言及であってもよいが必ずしもそうである必要はなく、このような言及は実施形態の少なくとも1つを意味する。
【0007】
本明細書において、「一実施形態」または「実施形態」とは、実施形態に関連して説明した特定の特徴、構造または特性が本開示の少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。本明細書の様々な場所において「一実施形態では」という句が出現するが、必ずしも全てが同じ実施形態を指しているわけではなく、この句は、他の実施形態と相互排他的な別個の実施形態または代替の実施形態でもない。さらに、いくつかの実施形態によって示されるが他の実施形態によって示されない様々な特徴を記載する。同様に、いくつかの実施形態の要件であるが他の実施形態の要件ではない様々な要件を記載する。
【0008】
本明細書中で使用される用語は一般に、本開示の文脈において、および各用語が使用される特定の文脈において、当技術分野における通常の意味を有する。本開示の説明に関して技術者に追加の指針を提供するために、本開示を説明するために使用される特定の用語を以下または本明細書の他の箇所で説明する。便宜上、斜体および/または引用符などを使用して特定の用語を強調表示することができる。強調表示の使用は用語の範囲および意味に影響を与えず、用語の範囲および意味は、強調表示されているか否かに関わらず、同じ文脈において同一である。同じことが、複数の方法において同様に言えることが理解されるであろう。
【0009】
したがって、代替的な言語および同義語を、本明細書で説明する用語のいずれか1つ以上に使用してもよく、用語が本明細書で説明するか否かに関わらず特別に重視しない。特定の用語の同義語を提供する。1つ以上の同義語の詳説は、他の同義語の使用を排除するものではない。本明細書で説明する任意の用語の例を含む例を本明細書の任意の場所で使用することは、例示的であるに過ぎず、本開示の範囲および意味または任意の例示される用語の範囲および意味をさらに限定することを意図するものではない。同様に、本開示は、本明細書に記載の様々な実施形態に限定されない。
【0010】
本開示の範囲をさらに限定しようとすることなく、本開示の実施形態による器具、装置、方法およびそれらの関連する結果の例を以下に記載する。なお、例において表題または副題を読者の便宜のために使用する場合があるが、これは決して開示の範囲を限定するものではない。他に定義されない限り、本明細書で使用される全ての技術用語および科学用語は、本開示が関係する当業者によって一般的に理解される用語と同じ意味を有する。競合する場合には、定義を含む本文書が支配する。
【0011】
本開示の実施形態は、無線電力供給環境において携帯型の家庭用電化製品を無線で充電するためのシステム、方法、装置を記載する。いくつかの実施形態では、例えば無線で電力供給される電池装置を介して無線電力受信機を既存の機器に後付けする技術を記載している。例えば、本明細書で説明する装置は、標準的なフォームファクタの電池を受け入れる任意の機器を無線で電力供給される機器に変換することを可能にする。無線充電式電池装置は、携帯電話、ラップトップコンピュータ、タブレット型コンピュータなどのカスタムまたはセミカスタム電池のフォームファクタを含む任意の電池のフォームファクタに適用することができる。有利には、他の利点の中でも、本明細書で説明する装置は上述した製品統合の課題を克服する。
【0012】
いくつかの実施形態では、無線充電機能が内蔵された電池は、1つ以上のアンテナを含むことができる。電池内のアンテナ配置を、受電性能のために最適化することができ、電池のフォームファクタの形式に基づいて変更することができる。いくつかの実施形態では、最適な性能のために電池デバイスの端部または外部にアンテナを配置することができる。
【0013】
本明細書に記載の実施形態を、主に単三電池(AA battery)のフォームファクタを参照して説明する。しかし、無線電池装置は、任意の電池のフォームファクタで構成可能であり、充電式または非充電式電池を必要とする任意のデバイスで使用することができることが理解される。
【0014】
I.無線電力供給システムの概要/構造の例
【0015】
図1は、無線電力供給環境100内の、1つ以上の無線充電器101から無線電力供給環境100内の様々な無線機器102への無線電力供給を示す、例示的な無線電力供給環境100を示す図である。より具体的には、
図1は、無線電力および/またはデータを、(本明細書では「無線電力受信機」または「無線電力クライアント」とも呼ばれる)1つ以上の電力受信クライアント103.1~103.nを有する利用可能な無線機器102.1~102.nに供給することができる、例示的な無線電力供給環境100を示している。無線電力受信機は、分離された無線電力を1つ以上の無線充電器101から受信するように構成される。
【0016】
図1の例に示すように、無線機器102.1~102.nは、それぞれ携帯電話機器102.2および102.nであり、無線ゲームコントローラ102.1であるが、無線機
器102.1~102.nは、電力を必要とし、かつ1つ以上の統合型電力受信クライアント103.1~103.nを介して無線電力を受信することができる任意の(スマート型またはダム型)無線機器またはシステムであってもよい。本明細書で説明するように、1つ以上の統合型電力受信クライアントまたは「無線電力受信機」は、1つ以上の送信機/充電器101.a~101.nから電力を受信して処理し、動作のために電力を無線機器102.1~102.nに提供する。
【0017】
各充電器101(本明細書では「送信機」、「アンテナのアレイ」または「アンテナアレイシステム」とも呼ばれる)は、例えば数百または数千のアンテナを含むアンテナアレイなどの複数のアンテナ104を含むことができ、これらのアンテナは、無線機器102へ無線電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、アンテナは、適応的に位相調整された無線周波数アンテナである。充電器101は、コヒーレントな電力伝送信号を電力受信クライアント103に伝達するために適切な位相を決定することができる。アレイは、互いに対して特定の位相で複数のアンテナから信号(例えば連続波信号またはパルス電力伝送信号)を発するように構成される。用語「アレイ」の使用は、必ずしもアンテナアレイを特定のアレイ構造に限定するものではないことが理解される。すなわち、アンテナアレイは、特定の「アレイ」形状または幾何学的形状で構成される必要はない。さらに、本明細書で使用されるように、「アレイ」または「アレイシステム」という用語は、無線機、デジタル論理およびモデムなどの信号の生成、受信、送信のための関連する周辺回路を含むように使用されてもよい。いくつかの実施形態では、充電器101は、内蔵型のWi-Fiハブを有することができる。
【0018】
無線機器102は、1つ以上の電力受信クライアント103を含むことができる。
図1の例に示すように、電力供給アンテナ104aおよびデータ通信アンテナ104bが示されている。電力供給アンテナ104aは、無線電力供給環境において無線周波数電力を供給するように構成される。データ通信アンテナは、電力受信クライアント103.1~103および/または無線機器102.1~102.nとデータ通信を送受信するように構成される。いくつかの実施形態では、データ通信アンテナは、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBeeなどを介して通信することができる。
【0019】
各電力受信クライアント103.1~103.nは、充電器101から信号を受信するための1つ以上のアンテナ(図示せず)を含む。同様に、各充電器101.a~101.nは、互いに対して特定の位相で連続波信号を発することができる1つ以上のアンテナおよび/またはアンテナの組を有するアンテナアレイを含む。上述のように、各アレイは、コヒーレント信号を電力受信クライアント102.1~102.nに伝達するために適切な位相を決定することができる。例えば、アレイの各アンテナにおける受信ビーコン信号の複素共役を計算することによって、コヒーレント信号を決定することができ、これにより、コヒーレント信号が、ビーコン信号を送信した特定の電力受信クライアントについて適切に位相調整される。
【0020】
図示されていないが、例えば無線電力受信機、充電器などの環境の各構成要素は、データ通信同期モジュールなどの制御および同期のための機構を含むことができる。充電器101.a~101.nは、例えば建物内の標準または一次の交流(AC)電源に充電器を接続する電源コンセントまたは電源などの電源に接続することができる。代替的にまたは追加的に、1つ以上の充電器101.a~101.nには、電池によって、または他の機構を介して電力を供給することができる。
【0021】
いくつかの実施形態では、電力受信クライアント102.1~102.nおよび/または充電器101.a~101.nは、例えば、ビーコン信号を送信する範囲内の壁または他のRF反射障害物などの反射物体106を利用し、無線電力供給環境内で無線電力およ
び/またはデータを供給および/または受信する。反射物体106は、妨害する物体が充電器と電力受信クライアントとの間の見通し線内にあるかどうかにかかわらず、多方向の信号通信に利用することができる。
【0022】
本明細書で説明するように、各無線機器102.1~102.nは、例示的な環境100内の他の装置、サーバおよび/または他のシステムとの接続を確立することができる任意のシステムおよび/または装置、および/または装置/システムの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、無線機器102.1~102.nは、ユーザにデータを提示するための表示(ディスプレイ、Display)または他の出力機能、および/または、ユーザからデータを受信するための入力機能を含む。一例として、無線機器102は、ビデオゲームコントローラ、サーバデスクトップ、デスクトップコンピュータ、計算機クラスタ、例えばノートブック、ラップトップコンピュータ、携帯型コンピュータ、携帯電話、スマートフォン、PDA、Blackberry端末、Treoおよび/またはiPhone(登録商標)などのモバイルコンピューティング機器であってもよいが、これらに限定されない。無線機器102は、時計、ネックレス、指輪、または顧客に組み込まれた端末などの任意のウェアラブル端末であってもよい。無線機器102の他の例には、(例えば火または一酸化炭素の)安全センサ、電動歯ブラシ、電子ドアロック/ハンドル、電灯スイッチコントローラ、電気シェーバなどが含まれるが、これらに限定されない。
【0023】
図1の例には示されていないが、充電器101および電力受信クライアント103.1~103.nは、それぞれ、データチャネルを介して通信するためのデータ通信モジュールを含むことができる。代替的にまたは追加的に、電力受信クライアント103.1~103.nは、既存のデータ通信モジュールを介して充電器と通信するように無線機器102.1~102.nに指示することができる。さらに、いくつかの実施形態では、本明細書では主に連続波形と呼ばれるビーコン信号は、代替的にまたは追加的に変調信号の形態を取ることができる。
【0024】
図2は、一実施形態による、分離された無線電力の供給を開始するための無線充電器101と電力受信クライアント103との間の例示的な動作を示すシーケンス
図200である。まず、充電器101と電力受信クライアント103との間で通信が確立される。その後、充電器101は、ビーコンスケジュール情報および送信コードを電力受信クライアント103に送信して、充電器がその後に分離された無線電力を供給するための電力受信クライアント103によるビーコン信号の符号化を容易にする。充電器101はまた、電力伝送スケジューリング情報を送信することができ、これにより、電力受信クライアント103が充電器からの無線電力を予期する時期を把握することができる。本明細書で説明するように、電力受信クライアント103は、送信コードを使用して符号化ビーコン信号を生成し、例えばBBSサイクルなどのビーコンスケジュール情報によって示されるビーコン送信割り当て中に符号化ビーコンを送信する。
【0025】
図示されるように、充電器101は電力受信クライアント103からビーコンを受信し、クライアント103に提供された送信コードを使用して符号化ビーコン信号を復号して、クライアント103が許可されたクライアントまたは選択されたクライアントであることを保証する。充電器101はまた、ビーコン信号を受信した位相(または方向)を検出し、クライアントが許可されていると充電器が判断すると、受信ビーコンの位相(または方向)に基づいて、無線電力および/またはデータを電力受信クライアント103に供給する。いくつかの実施形態では、充電器101は位相の複素共役を決定し、この複素共役を使用して、電力受信クライアント103からビーコン信号を受信した同じ方向(または位相)に、無線電力を電力受信クライアント103に供給することができ、および/または別の態様では無線電力を電力受信クライアント103に送ることができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、充電器101は多くのアンテナを含み、これらのアンテナのうちの1つ以上は、電力受信クライアント103に電力を供給するために使用される。充電器101は、ビーコン信号が各アンテナで受信される位相を検出することができる。多数のアンテナにより、異なる符号化ビーコン信号が充電器101の各アンテナで受信されることになる。次に、充電器は、各アンテナで受信されたビーコン信号の複素共役を決定することができる。複素共役を使用して、1つ以上のアンテナは、充電器101内の多数のアンテナの影響を考慮する信号を発することができる。換言すれば、充電器101は、ビーコンの波形を反対方向に近似的に再現するアンテナの1つ以上から集合信号を生成するように、1つ以上のアンテナから信号を発する。
【0027】
本明細書で説明するように、無線電力は、電力スケジュール情報によって定義される電力サイクルで供給することができる。次に、無線電力供給を開始するのに必要なシグナリングのより詳細な例を、
図3を参照して説明する。
【0028】
図3は、一実施形態による、無線充電器300の例示的な構成要素を示すブロック図である。
図3の例に示すように、無線充電器300は、マスタバスコントローラ(MBC)ボードと、アンテナアレイを集合的に構成する複数のメザニンボードを含む。MBCは、制御論理回路310(Control Logic)、外部データインタフェース(I/F)315、外部電力インタフェース(I/F)320、通信ブロック330、およびプロキシ340を含む。メザニン(またはアンテナアレイボード350)はそれぞれ、複数のアンテナ360a~360nを含む。いくつかの実施形態では、構成要素の一部または全部を省略することができる。追加の構成要素もまた可能である。
【0029】
制御論理回路310は、制御および知能をアレイ構成要素に提供するように構成される。制御論理回路310は、1つ以上のプロセッサ、FPGA、メモリユニットなどを含み、様々なデータおよび電力の通信を指示および制御することができる。通信ブロック330は、クロック同期のためのベース信号クロックなどのデータキャリア周波数上でデータ通信を指示することができる。データ通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBeeなどであってもよい。同様に、プロキシ340は、本明細書で説明するようなデータ通信を介してクライアントと通信することができる。データ通信は、Bluetooth(登録商標)、Wi-Fi、ZigBeeなどであってもよい。
【0030】
いくつかの実施形態では、制御論理回路310はまた、インターネット・オブ・シングス(IoT)機器のデータ集約を容易にし、および/または別の方法でこのデータ集約を可能にすることができる。いくつかの実施形態では、無線電力クライアントは、無線電力受信機が内蔵されている機器に関するIoT情報にアクセスし、この情報を追跡し、および/または別の態様では取得し、データ接続を介してそのIoT情報を無線充電器300に提供することができる。このIoT情報は、データを集約し、処理することなどができる集中システムまたはクラウドベースのシステム(図示せず)に外部データインタフェース315を介して提供することができる。例えば、集中システムは、データを処理して、地理、充電器、環境、機器などの様々な傾向を識別することができる。いくつかの実施形態では、集約データおよび/または傾向データを使用して、遠隔更新などを介して機器の動作を改善することができる。代替的にまたは追加的に、いくつかの実施形態では、集約されたデータを第三者データ利用者に提供することができる。このようにして、無線充電器はIoTのゲートウェイまたはイネーブラとして機能する。限定ではなく一例として、IoT情報は、無線電力受信機が内蔵された機器の性能、機器の使用情報、機器の電力レベル、例えばセンサなどを介して機器または無線電力受信機自体が取得した情報を含むことができる。
【0031】
外部電力インタフェース320は、外部電力を受信して、様々な構成要素に電力を供給するように構成される。いくつかの実施形態では、外部電力インタフェース320は、標準的な外部の24ボルト電源を受けるように構成されてもよい。代替的な構成もまた可能である。
【0032】
次に、系統電力サイクルの一例を説明する。この一例では、充電器アレイを制御するマスタバスコントローラ(MBC)が最初に電源から電力を受け取って起動される。次いで、MBCは充電器アレイ上のプロキシアンテナ素子を作動させ、プロキシアンテナ素子は、デフォルトの「発見」モードに入って、充電器アレイの範囲内で利用可能な無線受信機クライアントを識別する。クライアントが発見されると、充電器アレイのアンテナ素子は電源がオンになり、列挙され、かつ(随意的には)較正される。
【0033】
次に、MBCは、スケジューリング処理の間、ビーコン送信スケジューリング情報および電力伝送スケジューリング情報を生成する。スケジューリング処理には、電力受信クライアントの選択が含まれる。例えば、MBCは、電力伝送のための電力受信クライアントを選択し、選択された無線電力受信クライアントのビーコンビートスケジュール(BBS)サイクルおよび電力スケジュール(PS)を生成することができる。例示的なBBSおよびPSのシグナリングの図式表現を、
図6および
図7を参照してより詳細に示して説明する。本明細書で説明するように、電力受信クライアントを、それらの対応する特性および/または要件に基づいて選択することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、MBCはまた、クライアントクエリテーブル(CQT)において状態が照会される利用可能なクライアントを識別し、および/または別の態様では選択することができる。CQTに配置されたクライアントは、例えば、充電を受けていない「待機中」のクライアントである。BBSおよびPSは、例えば電池状態、現在の活動/使用状況、電力が不足するまでにクライアントが有する時間、使用の面での優先順位などの、クライアントに関する極めて重要な情報に基づいて計算される。
【0035】
プロキシAEはBBSを全てのクライアントに送信する。本明細書で説明するように、BBSは、各クライアントがビーコンを送信すべき時期を示す。同様に、PSは、アレイが電力を伝送すべき時期およびクライアントを示す。各クライアントはビーコンの送信を開始し、BBSおよびPSごとにアレイから電力を受け取る。プロキシは、クライアントクエリテーブルを同時に照会して、他の利用可能なクライアントの状態を確認することができる。クライアントは、BBSまたはCQT(例えば待機リスト)にのみ存在することができるが、両方に存在することはできない。いくつかの実施形態では、限定された数(例えば32)のクライアントがBBSおよびPS上でサービスを受けることができる。同様に、CQTは、クライアントの数(例えば32)に限定されてもよい。したがって、例えば、64以上のクライアントが充電器の範囲内にある場合、それらクライアントのうちのいくつかは、BBSまたはCQTのいずれにおいてもアクティブではない。以前のステップで収集された情報は、BBSサイクルおよび/またはPSを連続的および/または定期的に更新する。
【0036】
図4は、いくつかの実施形態による、無線電力受信機(クライアント)の例示的な構成要素を示すブロック図である。
図4の例に示すように、受信機400は、制御論理回路410と、電池420と、IoT制御モジュール425と、通信ブロック430および関連アンテナ470と、電力計440と、整流器450と、結合器455と、ビーコン信号発生器460と、ビーコン符号化ユニット462および関連アンテナ480と、整流器450またはビーコン信号発生器460を1つ以上の関連アンテナ490a~nに接続するスイッチ465とを含む。いくつかの実施形態では、構成要素の一部または全部を省略することができる。例えば、いくつかの実施形態では、無線電力受信クライアントは自らのア
ンテナを含まない代わりに、無線電力受信機が内蔵された無線機器の1つ以上のアンテナ(例えばWi-Fiアンテナ)を利用し、および/または別の態様では共有する。追加の構成要素もまた可能である。
【0037】
結合器455は、受信機400が2つ以上のアンテナを有する場合、電力送信機から受信した電力伝送信号を受信し、かつ結合する。結合器は、整合状態を維持しながら出力ポート間の分離を達成するように構成された任意の結合器または分配回路であってもよい。例えば、結合器455は、ウィルキンソン電力分配回路であってもよい。整流器450は、存在する場合に充電のために電力計440を介して電池420に供給される、結合された電力伝送信号を結合器455から受信する。電力計440は、受信した電力信号強度を測定して、この測定値を制御論理回路410に提供する。
【0038】
制御論理回路410はまた、電池420自体から電池電力レベルを受信することもできる。制御論理回路410はまた、通信ブロック430を介して、クロック同期のためのベース信号クロックなどのデータキャリア周波数上のデータ信号を送信/受信してもよい。ビーコン信号発生器460は、ビーコン信号または較正信号を生成し、ビーコン信号が符号化された後にアンテナ480または490のいずれかを使用してビーコン信号を送信する。
【0039】
なお、電池420は、受信機400によって充電されるため、および、受信機400に電力を供給するために示されているが、受信機はまた、電力を整流器450から直接受け取ることもできる。これは、整流器450に加えて、電池420に充電を提供する代わりに充電電流を供給してもよい。また、複数のアンテナの使用は実装の一例であり、その構造を1つの共用アンテナに低減してもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、制御論理回路410および/またはIoT制御モジュール425は、無線電力受信クライアント400が内蔵された機器からのIoT情報と通信し、および/または別の態様ではこのIoT情報を得ることができる。図示されていないが、いくつかの実施形態では、無線電力受信クライアント400は、IoT情報を取得することができる無線電力受信クライアント400が内蔵された機器との1つ以上のデータ接続(有線または無線)を有することができる。代替的にまたは追加的に、IoT情報を、例えば1つ以上のセンサを介して、無線電力受信クライアント400によって決定し、および/または推定することができる。上述したように、IoT情報は、無線電力受信機が内蔵された機器の性能に関する情報、無線電力受信機が内蔵された機器の使用情報、無線電力受信機が内蔵された機器の単一または複数の電池の電力レベル、および/または、無線電力受信機が内蔵された機器または無線電力受信機自らが例えばセンサなどを介して取得したかまたは推定した情報を含むことができるが、これらに限定されない。
【0041】
いくつかの実施形態では、クライアント識別子(ID)モジュール415は、無線電力供給環境内の電力受信クライアントを一意的に識別することができるクライアントIDを記憶する。例えば、通信が確立された場合に1つ以上の充電器にIDを送信することができる。いくつかの実施形態では、電力受信クライアントは、クライアントIDに基づいて無線電力供給環境内の他の電力受信クライアントを受け付けて識別することもできる。
【0042】
随意的な動きセンサ495は動きを検出し、それに応じて制御論理回路410に信号を送信することができる。例えば、端末が例えば500MHzを超える高周波数で電力を受信している場合、端末の位置は(入射する)放射のホットスポットになる可能性がある。したがって、端末が、例えばモバイル機器に内蔵されて人に着用されている場合、放射線レベルは、連邦通信委員会(FCC)または他の医療/産業当局によって設定された許容可能な放射線レベルを超える可能性がある。潜在的な放射線の問題を回避するために、端
末は、加速度計または同等の機構などの動き検出機構を統合してもよい。端末が動作中であることを検出すると、ユーザによって扱われていると想定され、アレイへの信号をトリガして、アレイへの電力の送信を停止するか、または受信電力を許容可能な電力の一部まで低下させる。端末が自動車、列車または飛行機のような移動環境で使用される場合、端末が全ての利用可能な電力を失う寸前でない限り、間欠的にまたは低減されたレベルでのみ電力が送信されうる。
【0043】
II.無線充電式電池装置
【0044】
図5は、いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置500の例示的な構成要素を示すブロック図を示している。
【0045】
図5の例に示すように、無線電力受信装置500は、筐体505と、1つ以上のアンテナ510と、回路520と、1つ以上の電池(または電池モジュール)530と、ユーザインタフェース550と、端子キャップ540aおよび540bとを含む。回路520は、無線周波数(RF)回路522と、制御回路524と、充電電子回路526とを含む。
図5の例に示すように、1つ以上のアンテナ510は、接続部511を介して回路520に接続され、回路は、接続部521を介して1つ以上の電池530に接続される。回路はまた、接続部541を介して電力インタフェース540に接続され、接続部551を介してユーザインタフェースに接続される。接続部511、521、531、533および551は、プリント回路基板上の配線、物理的ワイヤまたは任意の他の機構であってもよい。
【0046】
筐体505は、規格化された電池寸法に適合する寸法で構成されている。したがって、無線充電式電池装置は、これらの電子機器を再設計することなく既存の携帯型電子機器に後付け可能である。本明細書で説明するように、携帯型電子機器は、例えばゲームコントローラ、リモコン装置、警報システムなどの充電式または非充電式の電池によって電力供給される、任意の携帯型またはモバイル型電子機器であってもよい。携帯型電子機器は、例えば携帯電話、タブレット型コンピュータなどの、あまり規格化されていない充電式電池を含む機器であってもよい。さらに、無線充電式電池装置は、無線電力受信クライアントの構成要素の一部または全部を含むことができ、その構成要素については、上述により詳細に説明している。
【0047】
上述したように、筐体505は、規格化された電池寸法に適合する寸法で構成されている。端子キャップ540aおよび540bを含む
図5の例は、縮尺通りには示されていない。筐体505は、円筒形または非円筒形の電池のフォームファクタ、カメラ電池のフォームファクタ、ボタン電池のフォームファクタなどに構成することができる。例えば、標準的なフォームファクタは、他のフォームファクタの中でも、単三形(AA)、単四形(AAA)、単二形(C)、単一形(D)、4.5ボルト、9ボルト、ランタン(バネ)用の電池(Lantern(spring)battery)のフォームファクタであってもよい。さらに、いくつかの実施形態では、標準的なフォームファクタは、携帯電話の電池、タブレット型コンピュータの電池などを含むがこれに限定されないモバイル機器に電力供給するように構成されたフォームファクタであってもよい。例示的な無線充電式電池装置を、円筒形フォームファクタで示して説明する。しかし、本明細書で説明するように、無線充電式電池装置は、円筒形フォームファクタに限定されない。
【0048】
1つ以上のアンテナ510は、例えば無線充電器などの無線充電システムから無線電力信号を受信するように構成される。本明細書で説明するように、無線電力信号は、交流(AC)電力を含むことができる。
【0049】
図5の例に示すように、回路520は、RF回路522と、制御回路524と、充電電子回路526とを含む。1つ以上のアンテナは、筐体505の内面上または内面内に内蔵された、および/または、筐体505の外面上または外面内に内蔵された、それらの組み合わせおよび/または変形を含む1つ以上のプリント回路基板(PCB)またはフレキシブルPCBの筐体内に位置することができる。
【0050】
他の機能の中でも、RF回路522および制御回路524は、
図4を参照して上述に詳細に説明したように、無線電力受信機の様々な制御機能を実行することができる。例えば、RF回路522および/または回路520の他の構成要素は、1つ以上のアンテナ510を介して受信した無線電力を処理して、受信した無線RF電力を直流(DC)電力に変換することができる。いくつかの実施形態では、RF電力は交流(AC)電力である。充電電子回路526は、他の機能の中でも、筐体が取り付けられている携帯型電子機器の1つ以上の電池530および/または1つ以上の内蔵電池の状態情報を検出し、この情報に基づいて1つ以上の電池530の充電を制御することができる。本明細書で説明するように、1つ以上の電池530は、DC電力を蓄電することができる。いくつかの実施形態では、1つ以上の電池の代わりに、または1つ以上の電池に加えて、他の蓄電技術を使用することができる。代替的に、いくつかの実施形態では、無線充電式電池装置は、電池を含まない代わりに、携帯型電子機器に取り外し可能に取り付けられた1つ以上の電池を直接充電することができる。
【0051】
無線充電式電池装置500は、無線充電式電池装置500がワイヤレス式に携帯型電子機器の電池凹部に挿入された場合に、電池530および/または回路520と携帯型電子機器との間で電力を交換することができる端子キャップ540aおよび540bを含むことができる。
【0052】
ユーザインタフェース550は、携帯型電子機器のユーザに情報を提供するように構成されたインタフェース、および/または、携帯型電子機器のユーザが無線充電式電池装置500に情報を提供することができるように構成されたインタフェースを含むことができる。いくつかの実施形態では、発光ダイオード(LED)を使用して、無線充電式電池装置500の様々な状態を示すことができる。例えば、LEDは特定の色を表示して、電池530の各電池の充電状態(例えば、低、中、高)を示すことができる。ユーザインタフェース550はまた、1つ以上のユーザボタンまたはスイッチを含むことができる。例えば、無線充電式電池装置500にON/OFFスイッチを設けて、装置が無線電力を処理するべきか否かを制御することができる。他の例では、一度押すと、無線充電式電池装置500の1つ以上の電池530に蓄積されたエネルギーを使用して携帯型電子機器の1つ以上の電池の充電を開始するボタンを設けることができる。他のユーザインタフェースの実施形態も可能である。
【0053】
図6A~
図6Cは、いくつかの実施形態による、円筒形フォームファクタに実装された無線充電式電池装置600を示している。より具体的には、
図6A~
図6Cの例は、標準的な単三電池に適合する寸法で構成された筐体605内に実装された例示的な無線充電式電池装置600の正面斜視図および側面断面図および上面図を示している。代替的な構成も可能であるが、無線充電式電池装置600は、
図5の無線充電式電池装置500であってもよい。
【0054】
無線充電式電池装置600は、アンテナ610と、回路基板622および624と、電池630と、端子キャップ640aおよび640bとを含む。
図6A~
図6Cの例に示すように、基板対基板コネクタ611は、回路基板622と624とを接続する。本明細書で説明するように、いくつかの実施形態では単一の基板が利用されるため、基板対基板コネクタ611は不要である。さらに、回路基板622および624は、分離を提供するよ
うに構成された1つ以上の誘電体615を含むことができる。いくつかの実施形態では、回路基板622および624は、誘電材料を含むプリント回路基板(PCB)を含む。端子キャップ640aおよび640bは、それぞれ、ワイヤ631および633を介して電池630に接続されるように示されている。
【0055】
図7Aおよび
図7Bは、いくつかの実施形態による円筒形フォームファクタに実装された例示的な無線充電式電池装置を示している。より具体的には、
図7Aおよび7Bの例は、筐体705の外側および筐体705の内側にそれぞれ導波面(director plane)または反射面725を有する例示的な無線充電式電池装置700aおよび700bを示している。
図7Aおよび
図7Bの例に示すように、無線充電式電池装置700aおよび700bは、筐体705と、少なくとも1つのアンテナ710と、制御回路およびアンテナ/RF回路720と、電池730と、および導波面または反射面725とを含む。
【0056】
導波面または反射面725は、アンテナ送信および/または受信放射パターンを方向付け、および/または別の態様では反射するかまたは変更して、アンテナ効率を高めることができる。本明細書で説明するように、アンテナ効率には、より強力なビーコン信号を無線電力伝送システムへ送信する能力、および、例えばより強力な信号などのより多くの電力を無線伝送システムから受信する能力の両方が含まれる。さらに、導波面または反射面725は、筐体705の上部に位置するように示されているが、導波面または反射面725は、筐体705の上または内部の任意の場所に位置することができる。
【0057】
より具体的には、
図8Aおよび8Bは、いくつかの実施形態による円筒形フォームファクタに実装された別の例示的な無線充電式電池装置を示している。より具体的には、
図8Aおよび8Bの例は、筐体805の外側および筐体805の内側にそれぞれ複数の導波面または反射面825を有する例示的な無線充電式電池装置800aおよび800bを示している。
図8Aおよび
図8Bの例に示すように、無線充電式電池装置800aおよび800bは、筐体705と、少なくとも1つのアンテナ810と、制御回路およびアンテナ/RF回路820と、電池830と、および複数の導波面または反射面825とを含む。
【0058】
上述したように、導波面または反射面825は、アンテナ送信および/または受信放射パターンを方向付け、および/または別の態様では反射するかまたは変更して、アンテナ効率を高めることができる。
図8Aおよび
図8Bの例では、複数の導波面または反射面825が筐体805の外側または内側のいずれかに示されているが、筐体805の内側および外側の両方に配置され、および/または、別の態様では筐体805の内側および外側の両方に位置する導波面または反射面825を含むことができる。
【0059】
いくつかの実施形態では、1つ以上の導波面または反射面825を、無線充電式電池装置に適合するスリーブ(sleeve)またはケーシング(casing、筐体)に含めることができる。スリーブまたはケーシングは、その組み合わせおよび/または変形を含むスリーブまたはケーシングの内側または外側に1つ以上の導波面または反射面825を含むことができる。
【0060】
図9A~
図9Cは、いくつかの実施形態による、様々な例示的な無線充電式電池装置の正面斜視図を示している。より具体的には、
図9A~
図9Cの例は、いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置の上または内部で使用することができる様々な例示的なアンテナの構成または型を示している。より具体的には、
図9A~9Cの例は、いくつかの実施形態によるボウタイアンテナ構成(bowtieantenna configuration)910aと、スロットアンテナ構成910bと、ダイポールアンテナ構成910cとを示している。
図9A~
図9Cの例は、円筒形フォームファクタに実装されるように示されているが、他のフォームファクタでもまた可能であることが理解される。
【0061】
図9A~
図9Cの例は、筐体905a~905Cと、アンテナ910a~910cと、制御回路およびアンテナ/RF回路920a~920cと、電池930a~930cとを含む。なお、例示的なアンテナの構成または型を、筐体905の外側に構成および/または別の態様では内蔵することができ、または、筐体905の内側に位置付けおよび/または別の態様では内蔵してもよい。
図9A~9Cに関して示した構成は、例示的な構成である。実施形態は、それらの組み合わせおよび/または変形を含むことができる。例えば、
図9Bのスロットアンテナ構成は、幅に対して筐体905bの長さに沿って位置することができる。
【0062】
図10A~10Cは、いくつかの実施形態による、無線充電式電池装置の様々な追加の例示的接続形態を示している。より具体的には、
図10A~
図10Cの例は、筐体1005に実装された例示的な無線充電式電池装置1000a~1000cを示す上面断面図である。
図10A~
図10Cの例では、筐体1005は、標準的な単三電池に適合する寸法で構成されている。
【0063】
図10A~
図10Cの例は、例えばアンテナ1010a~1010cおよび1012a~1012cなどの複数の放射器を有する無線充電式電池装置の実施形態を示しており、アンテナ1012a~1012cは電池1030a~1030c側に、アンテナ1010a~1010cはアンテナ/RF基板1022a~1022cと通信するRF側にある。さらに、
図10A~
図10Cの例は、アンテナ1012a~1012cを電池1030a~1030cからそれぞれ分離するように構成された可撓性誘電体(flexible dielectric)1015a~1015cを示している。いくつかの実施形態では、誘電体1015a~1015cおよび/または他の誘電体を、アンテナの送信パターンおよび/または受信パターンを分離して方向付けるように設計し、および/または別の態様では構成することができる。いくつかの実施形態では、PCB基板は、片側に例えば接地面として作用する銅板などの接地面を含む。
図10A~
図10Cの例では、基板アンテナ/RF回路基板1022a~1022cは、アンテナ1010a~1010cのアンテナの送信パターンおよび/または受信パターンを分離して方向付ける別の誘電体として作用する銅接地面1023a~1023cを含む。
【0064】
いくつかの実施形態では、電池1030a~1030cは、可撓性誘電体1015a~1015cを使用して接地面として使用することができる。より具体的には、
図10Bの例は、電池1030bに巻き付けられた可撓性誘電体1015bを示す。さらに、
図7A~
図8Bを参照してより詳細に説明するように、
図10Cの例は、1つ以上の導波面または反射面1025も含む。
【0065】
図11Aおよび
図11Bは、それぞれ、いくつかの実施形態による、フレキシブルプリント回路基板1120を有する例示的な無線充電式電池装置1100を示す断面上面図および正面斜視図である。より具体的には、
図11Aおよび
図11Bの例は、最適なアンテナ構成のために無線充電式電池装置1100の可動構成要素を自動的に回転させるように構成された空間コントローラ1121を含む例示的な無線充電式電池装置1100を示している。
【0066】
フレキシブルプリント回路基板1120は、制御回路およびアンテナ/RF回路の両方を含む。さらに、図示されていないが、フレキシブルプリント回路基板1120は、フレキシブルプリント回路基板1120とともに回転する1つ以上のアンテナを含むか、または1つ以上のアンテナと接触することができる。いくつかの実施形態では、電池1130は、随意的にはフレキシブルプリント回路基板1120とともに回転する。あるいは、電池1130は固定位置に留まることができる。
【0067】
いくつかの実施形態では、空間コントローラ1121は、無線充電式電池装置1100の可動構成要素を自動的に調整するコイルまたはバネを含み、これにより、電力を受信するために1つ以上のアンテナを最適に配置することができる。本明細書で説明するように、電力を受信するための最適位置は、電力伝送システムから最大電力を受信する位置である。いくつかの実施形態では、コイルまたはバネに電力供給するために受信電力を処理して使用することができる。例えば、いくつかの実施形態では、コイルまたはバネを、低電圧および/または小型センサによって制御することができる。
【0068】
いくつかの実施形態では、無線充電式電池装置1100の可動構成要素の配向を制御するために、小型モータ、液体金属などを、コイルまたはバネの代わりに、またはコイルまたはバネに加えて使用することができる。
【0069】
図12A~
図12Cは、いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置1200a~1200cの正面斜視図および2つの断面上面図をそれぞれ示している。より具体的には、
図12A~
図12Cの例に示すように、複数の無線充電式電池装置1200a~1200cは、それぞれ2つの無線充電式電池装置を含む。無線充電式電池装置は、本明細書で説明する任意の装置であってもよいが、代替の構成も可能である。
【0070】
複数の無線充電式電池装置1200a~1200cは、外装カバー1206a~1206cと、アンテナと、アンテナ/RF回路基板と、制御回路基板と、電池とを含む。
図12A~12Cの例では、複数の無線充電式電池装置1200a~1200cは、2つの標準的な単三電池に適合する寸法で構成された外装カバーを含む。より具体的には、外装カバー1206bおよび1206cは長方形のパッケージとして示される一方で、パッケージ1206は複数の規格化された電池の寸法を厳密に模倣するように構成される。
【0071】
アンテナは、内部または外部で構成することができる。いくつかの実施形態では、アンテナは、表面積を増大させるために、外装カバー1206a~1206cの上または内部に内蔵され、および/または別の態様では外装カバー1206a~1206cの上または内部に配置される。例えば、
図12Bの例は、外装カバー1206bの外側に内蔵された、および/または別の態様では外装カバー1206bの外側に配置されたアンテナ1210bおよび1212cを示しており、
図12Cの例は、外装カバー1206bの外側に内蔵された、および/または別の態様では外装カバー1206bの外側に配置されたアンテナ1210bおよび1212bを示しており、
図12Cの例は、外装カバー1206cの内側に内蔵された、および/または別の態様では外装カバー1206cの内側に配置されたアンテナ1210cおよび1212cを示している。代替的な構成もまた可能である。例えば、いくつかの実施形態では、アンテナを、外装カバー内に配置し、および/または別の態様では内蔵することができる。説明した実施形態の組み合わせおよび/または変形もまた可能である。
【0072】
図13A~
図13Dは、いくつかの実施形態による、例示的な複数の無線充電式電池装置のパッケージ1300a~1300dの様々な正面斜視図および断面上面図をそれぞれ示している。より具体的には、
図13A~
図13Dの例は、複数の無線充電式電池装置の外装カバーの上または内部に内蔵された、および/または別の態様ではこの外装カバーの上または内部に位置する様々な例示的なアンテナ構成を示している。
【0073】
【0074】
図13Dの立方体アンテナ構造の構成は、複数の無線電力受信装置のパッケージに巻き付けられた1つ以上のアンテナを含む。この型の構成は、一般に、あらゆる方向に放射するので、パッケージを特定の向きで機器に挿入するか、別の態様では機器内に配置する必要はない。いくつかの実施形態では、立方体アンテナ構造構成の各面は、動的に構成可能なアンテナであってもよい。例えば、複数無線充電式電池装置は、アンテナを監視して、最適な電力受信を提供するアンテナを動的に設定する1つ以上のコントローラを含むことができる。
【0075】
図14A~
図14Cは、いくつかの実施形態による、標準的な単三電池に適合する寸法で構成された例示的な無線充電式電池装置1400を示している。より具体的には、
図14A~
図14Cは、2ピース型の取り外し可能な筐体を含む無線充電式電池装置1400を示している。
【0076】
最初に
図14Aを参照すると、2ピース型の取り外し可能な筐体1440aおよび1440bの各々が取り付けられた無線充電式電池装置1400が示されている。
図14A~
図14Cの例に示すように、筐体1440aおよび1440bは、取り付けられた場合、一端が円形であり、反対端が六角形である。筐体1440aおよび1440bは、第1の端子キャップ1440aの付近で円形であり、第2の端子キャップ1140bの付近では六角形である。さらに、
図14A~14Cの例に示すように、端子キャップ1440aは円形であり、端子キャップ1440bは六角形である。
【0077】
図14Aの例に示すように、筐体片1440bは、インタフェース1407および1408を含む。インタフェース1407は、例えば、スリープモードまたはアウェイクモードなど、無線充電式電池装置1400を有効または無効にすることができる外部スイッチである。インタフェース1408は、例えば表示灯または発光ダイオード(LED)などのインジケータインタフェースであってもよい。いくつかの実施形態では、発光ダイオード(LED)を使用して、無線充電式電池装置500の様々な状態を示すことができる。例えば、LEDは特定の色を表示して、電池の充電状態(例えば、低、中、高)を示すことができる。他のユーザインタフェースの実施形態も可能である。
【0078】
図14Bは、2ピースの取り外し可能な筐体1440aおよび1440bが取り外された無線充電式電池装置1400の構成要素を示している。
図14Aおよび
図14Bの例に示すように、無線充電式電池装置1400は、筐体1405aおよび1405bと、アンテナ1410と、RF/アンテナボード1422と、制御基板1424と、基板対基板コネクタ1423と、(例えばRF/アンテナボード1422および/または制御基板1424上の)充電/電子回路構成要素1425と、端子キャップ1440aおよび1440bと、電池接続部1421と、電池1430とを含む。
【0079】
図14Cは無線充電式電池装置1400を示しており、より具体的には、筐体1440b上の対応するラッチに嵌め込まれて取り付けおよび/または別の態様では固定するスナップ式押出部1407を含む筐体1440aを示している。他の物理的接続機構もまた可能である。
【0080】
図15は、いくつかの実施形態による、最適なアンテナ極性を動的に選択する例示的なプロセス1500を示すフロー図を示している。より具体的には、
図15の例は、最適なアンテナ極性を決定して設定することができる例示的な極性設定サイクルを示している。無線充電式電池装置は、他の機能の中でも、例示的なプロセス1500の対応するステップを実行することができる。代替的な構成も可能であるが、無線充電式電池装置は、
図5の無線充電式電池装置500であってもよい。
【0081】
まず、ステップ1510において、無線充電式電池装置は、第1の複数のアンテナ極性の設定またはモードに基づいて1つ以上のアンテナを設定する。最初に、無線充電式電池装置は、アンテナ極性を「デフォルト」または基本モードに設定する。本明細書で説明するように、無線充電式電池装置は、設定可能な極性を有する1つ以上のアンテナを含む。いくつかの実施形態では、極性は、アンテナ給電または異なるアンテナを、例えば起動または停止するなどして調整することによって構成される。
【0082】
ステップ1512において、無線充電式電池装置は、例えば無線充電器などの無線電力伝送システムから電力を受信する。ステップ1514において、無線充電式電池装置は受信した無線電力を処理し、受信した無線電力の量または総量を測定する。代替的にまたは追加的に、無線充電式電池装置は、受信した無線電力信号の信号強度を測定してもよい。いくつかの実施形態では、無線充電式電池装置は、アンテナ極性モードと関連して、測定された電力または信号強度測定値を保存し、および/または別の態様では記憶する。
【0083】
決定ステップ1516において、無線充電式電池装置は、無線充電式電池装置が各アンテナ極性モードを繰り返したかどうかを決定する。そうでなければ、プロセスはステップ1510に進み、無線充電式電池装置は次のアンテナ極性設定を設定する。しかし、無線充電式電池装置が各アンテナ極性モードを繰り返した場合、ステップ1518において、無線充電式電池装置は、最適な極性設定またはアンテナ極性モードを選択する。本明細書で説明するように、最適なアンテナ極性は、無線充電式電池装置が無線電力供給環境内の1つ以上の充電器から最大の無線電力または最も強力な信号を受信する極性である。最後に、ステップ1520において、選択されたモードでまだ設定されていない場合、選択されたアンテナ極性設定に基づいてアンテナが設定される。
【0084】
図16A~
図16Dは、いくつかの実施形態による標準的な電池のフォームファクタに実装された例示的なクライアント(無線電力受信機)の様々な図を示している。より具体的には、
図16A~
図16Dの例は、標準的な単三電池のフォームファクタに実装された例示的なクライアント(無線電力受信機)のそれぞれ正面斜視図、上面図、側面図および底面図を示している。本明細書で説明するように、クライアント(無線電力受信機)は、円筒形および非円筒形のセルまたは電池、カメラ電池、ボタン電池などを含む任意の標準的な電池のフォームファクタに実装することができる。例として、例示的なクライアント(無線電力受信機)を、単三形(AA)、単四形(AAA)、単二形(C)、単一形(D)、4.5ボルト、9ボルト、ランタン(バネ)などに実装することができる。
【0085】
無線充電機能を既存の無線機器に後付けする際の1つの課題は、各無線機器が異なる複数の電池構成を有することができることである。いくつかの例では、無線充電機能が内蔵された単一の電池を、2つの電池(例えば2つの単三電池)を必要とする装置用のダミーセルとともに利用することができる。しかしながら、複数の電池構成は、電池の型、電池の数、および構成(例えば、並列の電池の数および直列の電池の数)に応じて、異なる電圧を必要とする可能性がある。
【0086】
図17A~
図17Dは、いくつかの実施形態による、複数の電池構成の様々な例を示している。上述したように、各無線装置は、無線機器に電力供給するために異なる電圧を必要とする異なる複数の電池構成を有することができる。一例として、
図17Aは、標準的な1.5Vの単三電池を示している。
図17Bおよび
図17Cは、それぞれ、正の接点と負の接点とが整列していない状態、および、正の接点と負の接点とが整列している状態の、2つの並んでいる標準的な1.5Vの単三電池の2つの構成を示している。最後に、
図17Dは、2つの標準的な直列の1.5Vの単三電池の例を示しており、この構成では、両端で測定した場合に3ボルトが得られる。
【0087】
図18は、一実施形態による、無線充電機能が内蔵され、可変出力電圧を有する例示的な電池1800を示している。例示的な電池1800は、アンテナ1804aおよび1804bと、無線電力受信回路(例えばクライアント)1810と、電圧設定モジュール1820と、複数の蓄電セル1825とを含む。いくつかの実施形態では、例示的な電池1800の出力電圧は、蓄電セル1825の構成に基づいて変化する可能性がある。蓄電セル1825を、電圧設定モジュール1820によって設定可能および/または再設定可能とすることができる。無線電力受信回路(例えばクライアント)1810は、本明細書で説明するように、クライアント(無線電力受信機)の1つ以上の構成要素を含むことができる。
【0088】
いくつかの実施形態では、電圧設定モジュール1820は、ダミーセルから受信した情報に基づいて電圧を自動的に設定することができる。あるいは、電圧設定モジュール1820を、ユーザによって構成可能/再構成可能とすることができる。他の設定方法もまた可能である。
【0089】
図19Aおよび
図19Bは、統合型無線充電モジュール1915および蓄電モジュール1925内の1つ以上の蓄電セルを有する例示的な電池1910を示している。
図19Aおよび
図19Bの例によれば、無線充電モジュール1915および蓄電モジュール1925を、9ボルトの電池に実装することができる。前面カバー1930が底部に嵌め込まれ、構成要素を9ボルトの電池用パッケージ内に保持する。いくつかの実施形態では、これらの構成要素は取り外し可能および/または交換可能とすることができる。
【0090】
いくつかの実施形態では、複数の電池構成は、無線充電機能が内蔵された複数の電池を含むことができる。複数の電池構成は、1つ以上の無線充電機能が内蔵された複数の電池、および、1つ以上の無線充電機能が内蔵されることによって充電可能/再充電可能な電池を含む1つ以上の電池を含むことができる。
【0091】
III.例示的なシステム
【0092】
図20は、一実施形態による、モバイル(またはスマート)電話またはタブレット型コンピュータ機器の形態の無線電力受信機またはクライアントを含む代表的なモバイル機器またはタブレット型コンピュータ2000の例示的な構成要素を示すブロック図を示している。様々なインタフェースおよびモジュールが
図20を参照して示されているが、モバイル機器またはタブレット型コンピュータは、本明細書に記載の機能を実行するために全てのモジュールまたは機能を必要としない。多くの実施形態では、カテゴリコントローラの動作には、様々な構成要素が含まれておらず、および/またはこれらの構成要素は必要でないことが理解される。例えば、GPS無線機、セルラ無線機、加速度計などの構成要素は、コストや複雑さを軽減するためにコントローラに含まれていない場合がある。さらに、ZigBee無線機やRFID送受信機などの構成要素は、アンテナとともにプリント回路基板に装着することができる。
【0093】
無線電力受信クライアントは、代替的な構成も可能であるが
図1の電力受信クライアント103であってもよい。さらに、無線電力受信クライアントは、
図1の充電器101などの充電器から電力および/またはデータ信号を受信するための1つ以上のRFアンテナを含むことができる。
【0094】
図21は、本明細書で説明する任意の1つ以上の方法を機械に実行させるための1組の命令が実行されることのできる、コンピュータシステムの例示的な形態の機械の図式的な表示を示している。
【0095】
図21の例では、コンピュータシステムは、プロセッサ、メモリ、不揮発性メモリおよびインタフェース機器を含む。説明の簡略化のために、様々な一般的な構成要素(例えばキャッシュメモリ)は省略されている。コンピュータシステム2100は、
図1の例に示した構成要素のいずれか(および本明細書に記載の任意の他の構成要素)を実装することができるハードウェア装置を示すことを意図している。例えば、コンピュータシステムは、任意の放射物体またはアンテナアレイシステムであってもよい。コンピュータシステムは、任意の適用可能な既知の型または好都合な型のものであってもよい。コンピュータシステムの構成要素を、バスを介して、または他の既知の機器または好都合な機器を介して一体に接続することができる。
【0096】
プロセッサは、例えば、インテル ペンティアム(登録商標)(Intel Pentium)マイクロプロセッサまたはモトローラパワーPC(Motorola Power PC)マイクロプロセッサなどの従来のマイクロプロセッサであってもよい。当業者は、「機械可読(記憶)媒体」または「コンピュータ可読(記憶)媒体」という用語は、プロセッサによってアクセス可能な任意の型の機器を含むことを認識するであろう。
【0097】
メモリは、例えばバスによってプロセッサに接続される。メモリは、限定ではなく一例として、ダイナミックRAM(DRAM)およびスタティックRAM(SRAM)などのランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。メモリは、ローカルメモリ、遠隔メモリ、または分散メモリであってもよい。
【0098】
バスはまた、プロセッサを不揮発性メモリおよび駆動ユニットに接続する。不揮発性メモリは、多くの場合、磁気フロッピーまたはハードディスク、磁気光学ディスク、光ディスク、CD-ROM、EPROMまたはEEPROMなどの読み出し専用メモリ(ROM)、磁気カードまたは光カード、または大量のデータ用の別の形式の記憶装置である。このデータのいくつかは、多くの場合、コンピュータ2100内のソフトウェアの実行中に直接メモリアクセスプロセスによってメモリに書き込まれる。不揮発性記憶装置は、ローカル型、遠隔型、または分散型であってもよい。メモリ内で使用可能な全ての適用可能なデータを使用してシステムを構築することができるので、不揮発性メモリは随意選択である。典型的なコンピュータシステムは、通常、少なくともプロセッサ、メモリ、およびメモリをプロセッサに接続する機器(例えば、バス)を含む。
【0099】
ソフトウェアは、一般的には不揮発性メモリおよび/または駆動ユニットに記憶される。実際、大規模なプログラムの場合、プログラム全体をメモリに記憶することさえ不可能な場合がある。それにもかかわらず、ソフトウェアを実行するために、必要に応じて、処理に適したコンピュータ読み取り可能な場所にソフトウェアを移動させること、および、例示を目的として、その場所は本明細書ではメモリと呼ばれることが理解されるべきである。ソフトウェアが実行のためにメモリに移動された場合であっても、プロセッサは一般的に、ソフトウェアに関連付けられた値を記憶するハードウェアレジスタと、理想的に実行を高速化するローカルキャッシュとを使用する。本明細書で使用されるように、ソフトウェアプログラムが「コンピュータ可読媒体に実装される」と言及される場合、ソフトウェアプログラムは、(不揮発性記憶装置からハードウェアレジスタへの)任意の既知の場所または好都合な場所に記憶されると想定される。プロセッサは、プログラムに関連付けられた少なくとも1つの値がプロセッサによって読み取り可能なレジスタに記憶されている場合に、「プログラムを実行するように構成されている」とみなされる。
【0100】
バスはまた、プロセッサをネットワークインタフェース機器に接続する。インタフェースは、1つ以上のモデムまたはネットワークインタフェースを含むことができる。モデムまたはネットワークインタフェースは、コンピュータシステムの一部であるとみなすことができることが理解されるであろう。インタフェースは、アナログモデム、ISDNモデ
ム、ケーブルモデム、トークンリングインタフェース、衛星伝送インタフェース(例えば「ダイレクトPC」)、またはコンピュータシステムを他のコンピュータシステムに接続するための他のインタフェースを含むことができる。インタフェースは、1つ以上の入力機器および/または出力機器を含むことができる。入出力装置は、限定ではなく一例として、キーボード、マウスまたは他のポインティングデバイス、ディスクドライブ、プリンタ、スキャナ、および表示装置を含む他の入力装置および/または出力装置を含むことができる。表示装置は、限定ではなく一例として、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、または他の適用可能な既知の表示装置または好都合な表示装置を含むことができる。簡略化のために、
図21の例に示されていない任意の機器のコントローラがインタフェースに存在していると仮定する。
【0101】
動作中、コンピュータシステム2100を、ディスクオペレーティングシステムなどのファイル管理システムを含むオペレーティングシステムソフトウェアによって制御することができる。関連するファイル管理システムソフトウェアを含むオペレーティングシステムソフトウェアの一例は、ワシントン州レドモンドのマイクロソフト社のWindows(登録商標)として知られているオペレーティングシステムの系列およびそれらに関連するファイル管理システムである。関連するファイル管理システムソフトウェアを含むオペレーティングシステムソフトウェアの別の例は、Linux(登録商標)オペレーティングシステムおよびそれに関連するファイル管理システムである。ファイル管理システムは、一般的には不揮発性メモリおよび/または駆動ユニットに記憶され、オペレーティングシステムがデータを入出力するために必要な様々な動作をプロセッサに実行させて、不揮発性メモリおよび/または駆動ユニットにファイルを記憶するなどを含み、データをメモリに記憶する。
【0102】
詳細な説明のいくつかの部分は、コンピュータメモリ内のデータビットに対する演算のアルゴリズムおよび記号表現に関して提示することができる。これらのアルゴリズム記述および表現は、データ処理分野の当業者が、それらの研究の内容を他の当業者に最も効果的に伝えるために使用される手段である。アルゴリズムは、本明細書では一般的に所望の結果を導く動作の自己矛盾のないシーケンスであると考えられる。動作は、物理量の物理的操作を必要とする動作である。通常、必ずしも必要ではないが、これらの量は記憶、転送、結合、比較、およびその他の方法での操作が可能な電気信号または磁気信号の形態を取る。これらの信号をビット、値、素子、記号、文字、用語、数字などとしてみなすことは、主に共通使用の理由から時には好都合であることが判明している。
【0103】
しかし、これらの用語および類似の用語は全て、適切な物理量に関連し、これらの量に適用される好都合な標識に過ぎないことに留意すべきである。特に記載のない限り、以下の説明から明らかなように、明細書を通して、「処理する」、「計算する」、「算出する」、「決定する」、または「表示する」などの用語を使用する議論は、コンピュータシステムのレジスタおよびメモリ内の物理(電子)量として表されるデータを操作し、コンピュータシステムのメモリまたはレジスタあるいはそのような情報記憶装置、伝送装置または表示装置内の物理量として同様に表される他のデータに変換するコンピュータシステムまたは類似の電子計算装置の動作および処理に言及している。
【0104】
本明細書で提示されるアルゴリズムおよび表示装置は、特定のコンピュータまたは他の装置に本質的に関連するものではない。様々な汎用システムを、本明細書の教示によってプログラムと共に使用してもよく、または、より特殊化された装置を構築していくつかの実施形態の方法を実行することが好都合であることが判明する可能性もある。様々なこれらのシステムに必要な構造は、以下の説明から明らかになるであろう。さらに、これらの技術は、任意の特定のプログラミング言語を参照して記載されておらず、したがって、様々なプログラミング言語を使用して様々な実施形態を実装することができる。
【0105】
代替的な実施形態では、機械はスタンドアロン型装置として動作するか、または他の機械に接続(例えばネットワーク接続)されてもよい。ネットワーク配置では、機械はクライアント-サーバネットワーク環境内のサーバまたはクライアントマシンの容量で動作してもよく、ピアツーピア(または分散)ネットワーク環境内のピアマシンとして動作してもよい。
【0106】
機械は、サーバコンピュータ、クライアントコンピュータ、パーソナルコンピュータ(PC)、タブレットPC、ラップトップコンピュータ、セットトップボックス(STB)、携帯情報端末(PDA)、携帯電話、iPhone(登録商標)、Blackberry、プロセッサ、電話、ウェブアプライアンス、ネットワークルータ、スイッチもしくはブリッジ、またはその機械が取るべき動作を指定する(順次またはその他の)一連の命令を実行することができる任意の機械であってもよい。
【0107】
機械可読媒体または機械可読記憶媒体は、単一の媒体であるように例示的な実施形態で示されているが、「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語は、1つ以上の一連の命令を記憶する単一の媒体または複数の媒体(例えば集中型または分散型のデータベース、および/または関連するキャッシュおよびサーバ)を含むものと解釈されるべきである。「機械可読媒体」および「機械可読記憶媒体」という用語は、機械が実行するための一連の命令を記憶し、符号化しまたは搬送することが可能であり、かつ、現在開示されている技術および技術革新のいずれか1つ以上の方法を機械に実行させる任意の媒体を含むものと解釈されるべきである。
【0108】
一般に、本開示の実施形態を実装するために実行されるルーチンは、オペレーティングシステムまたは特定のアプリケーション、構成要素、プログラム、物体、モジュールまたは「コンピュータプログラム」と呼ばれる命令のシーケンスの一部として実装されてもよい。コンピュータプログラムは、一般的にはコンピュータの様々なメモリおよび記憶装置に何度も設定された1つ以上の命令を含み、コンピュータの1つ以上の処理装置またはプロセッサによって読み取られて実行された場合、本開示の様々な態様を含む要素を実行するための動作をコンピュータに行わせる。
【0109】
さらに、実施形態は完全に機能するコンピュータおよびコンピュータシステムの文脈において説明されているが、当業者であれば、様々な実施形態が様々な形態のプログラム製品として配布可能であり、かつ、本開示は、実際に配布を行うのに使用される機械またはコンピュータ可読媒体の特定の型に関わらず同等に適用されることを理解するであろう。
【0110】
機械可読記憶媒体、機械可読媒体、またはコンピュータ可読(記憶)媒体のさらなる例は、とりわけ、揮発性メモリ装置および不揮発性メモリ装置、フロッピーディスクおよび他の着脱式ディスク、ハードディスクドライブ、光ディスク(例えば読み取り専用コンパクトディスク(CD-ROM)、デジタル多用途ディスク(DVD)など)、および、デジタルおよびアナログ式の通信リンクなどの伝達型媒体などの記録可能型媒体を含むが、これらに限定されない。
【0111】
文脈上明白に他の意味に解釈すべき場合を除いて、明細書および特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprising)」などの語は排他的または網羅的な意味とは対照的に包括的な意味で解釈されるべきであり、すなわち、「含むが、これに限定されない」という意味で解釈されるべきである。本明細書で使用するように、「接続された」、「結合された」という用語またはその任意の変形は、2つ以上の要素間の任意の直接的または間接的な接続または結合を意味し、要素間の接続の結合は、物理的、論理的、またはそれらの組み合わせであってもよい。さらに、「本明細書」、
「上述」、「以下」および類似の意味の用語は、本明細書で使用する場合、本出願全体に言及するものとし、本出願の任意の特定部分に言及しているわけではないものとする。文脈が許す限り、単数または複数の数字を用いた上述の発明を実施するための形態の単語は、それぞれ複数または単数の数字を含んでもよい。2つ以上の項目のリストに関して、「または」という単語は、リスト内の項目のいずれか、リスト内の項目の全て、およびリスト内の項目の任意の組み合わせなどの、その単語の解釈の全てを包含する。
【0112】
本開示の実施形態の上述の詳細な説明は、網羅的であることを意図するものでも、教示を上で開示した正確な形態に限定するものでもない。本開示の特定の実施形態および実施例は、例示を目的として上述しているが、関連する当業者が認識するように、開示の範囲内で様々な等価の変更が可能である。例えば、処理またはブロックが所定の順序で提示されている一方で、代替の実施形態は、ステップを有するルーチンを実行してもよく、ブロックを有するシステムを異なる順序で使用してもよく、代替またはサブコンビネーションを提供するようにいくつかの処理またはブロックを削除し、移動し、追加し、分類し、組み合わせ、および/または変更してもよい。これらの処理またはブロックの各々を、様々な異なる方法で実施してもよい。また、時折、処理またはブロックは連続して実行されるものとして示されているが、これらの処理またはブロックは代わりに並行して実行してもよく、異なる時間に実行してもよい。さらに、本明細書に記載の任意の特定の数字は単なる例であり、代替的な実施形態は、異なる値または範囲を使用してもよい。
【0113】
本明細書で提供する開示の教示は、必ずしも上述のシステムではなく、他のシステムにも適用することができる。上述した様々な実施形態の要素および動作は、さらなる実施形態を提供するように組み合わせることができる。
【0114】
添付の提出書類に記載のものを含む上述の任意の特許および出願ならびに他の参考文献は、参照により本明細書に組み込まれる。本開示の態様を必要に応じて変更し、上述の様々な参考文献のシステム、機能および概念を使用して、本開示のさらなる実施形態を提供することができる。
【0115】
上述の発明を実施するための形態に照らして、本開示に対してこれらの変更および他の変更を行うことができる。上述の説明は、本開示の特定の実施形態を説明し、意図された最良の形態を説明しているが、上述の内容がいかに詳細に示されたとしても、多くの方法で本教示を実施することができる。システムの詳細は、その実施の詳細においてかなり変化する場合があるが、依然として本明細書に開示の主題に包含される。上述したように、本開示の特定の特徴または態様を説明する際に使用される特定の用語は、その用語が関連している開示の任意の特定の特性、特徴または態様に限定されるように本明細書において再定義されるものであると暗示するものと捉えるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、上述の発明を実施するための形態の節がそのような用語を明示的に定義していない限り、本開示を本明細書に開示される特定の実施形態に限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本開示の実際の範囲は、開示された実施形態だけでなく特許請求の範囲の下で開示を実施または実装する全ての等価な方法を包含する。
【0116】
本開示の特定の態様は特定の請求様式で以下に提示されるが、本発明者は、任意の数の請求様式において本開示の様々な態様を企図する。例えば、本開示の1つの態様のみが米国特許法第112条第6パラグラフの下でミーンズ・プラス・ファンクション・クレームとして記載されているが、他の態様も同様に、ミーンズ・プラス・ファンクション・クレームとして、またはコンピュータ可読媒体に具体化されるような他の形態で実施されてもよい。(米国特許法第112条第6パラグラフの下で扱われることが意図されている全ての請求項は、「手段」という語で始まる)。したがって、出願人は、開示の他の態様につ
いてそのような追加の請求様式を追求するために、出願後に追加の請求を加える権利を留保する。
【0117】
本明細書で提供する詳細な説明を、必ずしも上述のシステムだけでなく他のシステムにも適用してもよい。上述した様々な例の要素および動作は、本発明のさらなる実装を提供するために組み合わせることができる。本発明のいくつかの代替的な実装は、上述の実装に追加の要素を含むだけでなく、より少ない要素を含んでもよい。上述の発明を実施するための形態に照らして、本発明に対してこれらの変更および他の変更を行うことができる。上述の説明は、本発明の特定の例を定義し、意図された最良の形態を説明しているが、上述の内容がいかに詳細に示されたとしても、多くの方法で本発明を実施することができる。システムの詳細は、その特定の実施においてかなり変化する場合があるが、依然として本明細書に開示した発明に包含される。上述したように、本発明の特定の特徴または態様を説明する際に使用される特定の用語は、その用語が関連している発明の任意の特定の特性、特徴または態様に限定されるように本明細書において再定義されるものであると暗示するものと捉えるべきではない。一般に、以下の特許請求の範囲で使用される用語は、上述の発明を実施するための形態の節がそのような用語を明示的に定義していない限り、本発明を本明細書に開示される特定の例に限定するものと解釈されるべきではない。したがって、本発明の実際の範囲は、開示された例だけでなく本発明を実施または実装する全ての等価な方法を包含する。