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  • 特許-店のための盗難防止システム 図1
  • 特許-店のための盗難防止システム 図2a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】店のための盗難防止システム
(51)【国際特許分類】
   G08B 13/22 20060101AFI20220328BHJP
   G06K 19/07 20060101ALI20220328BHJP
   G06K 19/073 20060101ALI20220328BHJP
   G06K 19/077 20060101ALI20220328BHJP
   G08B 25/04 20060101ALI20220328BHJP
   H04W 4/35 20180101ALI20220328BHJP
   H04W 88/06 20090101ALI20220328BHJP
   H04W 84/10 20090101ALI20220328BHJP
   H04W 4/029 20180101ALI20220328BHJP
【FI】
G08B13/22
G06K19/07 160
G06K19/07 060
G06K19/073 018
G06K19/077 220
G08B25/04 G
H04W4/35
H04W88/06
H04W84/10 110
H04W4/029
【請求項の数】 7
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2020126159
(22)【出願日】2020-07-27
(65)【公開番号】P2021034033
(43)【公開日】2021-03-01
【審査請求日】2020-07-27
(31)【優先権主張番号】19193624.4
(32)【優先日】2019-08-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】506425538
【氏名又は名称】ザ・スウォッチ・グループ・リサーチ・アンド・ディベロップメント・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100098394
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 茂樹
(74)【代理人】
【識別番号】100064621
【弁理士】
【氏名又は名称】山川 政樹
(72)【発明者】
【氏名】アレクサンドル・ラモンターニュ
(72)【発明者】
【氏名】ジョナタン・ブレナール
(72)【発明者】
【氏名】セドリック・ニコラ
【審査官】山田 倍司
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0122519(US,A1)
【文献】特許第6528891(JP,B1)
【文献】米国特許第05151684(US,A)
【文献】特開2016-218919(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2012/0242481(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2015/0221194(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2007/0120669(US,A1)
【文献】特表2018-525694(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06K 19/00-19/18
G08B 13/00-15/02
19/00-31/00
H04B 7/24- 7/26
H04W 4/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画定した空間(1)内部の製品を守る盗難防止システムであって、前記システムは、
-第1の信号を繰り返し送信することができ、第1の技術で生成する電子チップ(16)を含む少なくとも1つのタグ(4)であって、前記第1の信号は、前記タグ(4)周囲の限られた周辺部内でのみ受信することができ、前記タグは、分離可能な機械式接続部によって展示中の製品に接続し、前記第1の信号は、製品の識別を可能にする情報及びタイムスタンプを含む、少なくとも1つのタグ(4)と、
-前記周辺部内の固定位置に据え付けた電子送信デバイス(5)であって、前記デバイスは、前記デバイスが前記周辺部内に位置する際に前記第1の信号を受信し、第2の信号を繰り返し送信することができ、前記第2の信号は、前記周辺部外側で受信することができ、前記第1の技術とは異なる第2の技術で生成し、前記第2の信号は、前記製品、及び前記タグと前記送信デバイスとの間の距離に関連する値を識別する少なくとも1つの情報を含む、電子送信デバイス(5)と、
-前記第2の信号を受信するように構成し、デジタル・アプリケーションを備える少なくとも1つの固定又は可搬コンピュータ(6)と
を備え、前記デジタル・アプリケーションは、前記第2の信号に基づき、前記送信デバイス(5)周囲の画定したセキュリティ区域(10)内の前記タグの存在を管理するように構成し、前記固定又は可搬コンピュータ(6)は、前記電子チップ(16)をいわゆる接続可能様式で動作させる際に、前記電子送信デバイス(5)を介さず、前記第1の技術による前記タグ(4)との直接リンクを生成することによって前記タグ(4)をペアリングする手順を実行するように更に構成し、
前記第1の信号は、一部分が暗号化され、暗号化される前記一部分は、前記タイムスタンプを含み、前記第1の信号の他の部分は暗号化されない、盗難防止システム。
【請求項2】
前記デジタル・アプリケーションは、前記タグ(4)が前記セキュリティ区域の外側に移動した際に警告を生成することを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止システム。
【請求項3】
前記盗難防止システムは、別個のセキュリティ区域(10)が前記電子送信デバイス(5)に割り当てられるように前記空間(1)内に分散する複数の前記電子送信デバイス(5)を備え、各前記デバイス(5)は、それぞれの前記区域内で展示中の前記製品に接続した1つ又は複数のタグ(4)と連続的に通信し、前記1つ又は複数のコンピュータは、前記デバイス(5)のそれぞれと連続的に通信することを特徴とする、請求項1に記載の盗難防止システム。
【請求項4】
前記デジタル・アプリケーション、及び前記タグ(4)を前記製品(3)に接続する前記分離可能な機械式接続部(20)は、前記接続部の取り外し又は前記接続部の権限のない分離により、前記固定又は可搬コンピュータ上に警告を生成するように構成する、請求項1から3のいずれか一項に記載の盗難防止システム。
【請求項5】
前記タグ(4)は、
-前記チップ(16)及び前記チップに電力供給する電気エネルギー源を収容する筐体(15、18)と、
-前記チップ(16)のための電源回路と、
-前記タグ(4)を製品(3)に取り付けるために開閉することができるループ(19)と
を備え、前記ループは、電線を備えるか又は前記電線から構成した2つの部品(19a、19b)を備え、前記ループは、閉鎖状態では、前記チップ(16)に接続する回路の一部を形成する、請求項1に記載の盗難防止システム。
【請求項6】
-前記タグ(4)の少なくとも1つは、前記セキュリティ区域(10)内の前記タグの移動に関連するデータを記録するように構成した加速度計を備え、
-前記タグ(4)は、前記データを前記第1の信号で前記電子送信デバイス(5)に送信するように構成し、
-前記電子送信デバイス(5)は、前記データを前記第2の信号で前記コンピュータ(6)に送信するように構成し、
-前記デジタル・アプリケーションは、前記タグ(4)の移動に関連するデータを記録し、任意で、権限のない移動を記録した際に警告を生成するように構成する、請求項1から5のいずれか一項に記載の盗難防止システム。
【請求項7】
前記第1の技術は、BLE(Bluetooth Low Energy)技術であり、前記第1の信号は、BLEフォーマットで一連のアドバタイジング・フレームから構成する、請求項1からのいずれか一項に記載の盗難防止システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、眼鏡店又は時計店等の高級品店に適用可能なセキュリティ・システムに関する。
【背景技術】
【0002】
店内に展示中の製品を保護するため、製品に取り付けたRFID(無線自動識別)チップを使用するシステムが公知である。これらのシステムは、購入の間に特殊なデバイス又ははさみを使用して精算時に取り外される、かさばる機械式チップ締結器の使用、及びかさばるインフラストラクチャ、特に店の出口に据え付けられるゲートの据え付けを必要とする。
【0003】
欧州特許出願EP2575112A1は、RFIDチップを備えるトランスポンダ(タグ)を使用する在庫管理及び盗難防止システムを開示しており、トランスポンダは、RFID読み取り器によってその場限り又は連続的に照会され、データをデータベースに送信する。トランスポンダ又はタグは、販売時点で開放される結合機構を備える。チップは、タグが開閉された回数を記録する。この情報は、送信データの一部を形成する。権限のない開放は、こうして検出される。このシステムは、ゲート、及び特殊なデバイスによる精算時のタグの開放を依然として必要とする。店内での製品の移動は検出されない。
【0004】
有線型盗難防止システムも公知であり、この有線型盗難防止システムは、製品と展示器との間にワイヤを使用して、展示器上に据え付けた製品が、前記展示器から持ち出されないようにする。これらのシステムは、展示器上の製品の存在の管理もすることができる。しかし、こうしたシステムはかさばり、顧客が製品を試着するのに妨げとなることが多い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【文献】欧州特許出願EP2575112A1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、あまり高額なインフラストラクチャを必要とせず、製品の存在の管理を可能にし、ロックを備えるタグ又は他のかさばる機構を必要としない盗難防止システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、添付の特許請求の範囲に記載のシステムによって達成される。本発明は、時計店等の商業環境において適用し得る盗難防止システムに関する。店内に展示中の製品は、製品に取り付けた電子タグによって守られる。タグは、第1の信号を発するチップを備え、第1の信号は、チップ周囲の画定された周辺部内でのみ受信することができる。電子送信デバイスは、この周辺部内に位置し、第1の信号内で送信されたデータを第2の信号の形態で送信し、第2の信号は、タグと送信デバイスとの間の距離に対する値を更に含む。第2の信号は、デジタル・アプリケーションを含む1つ又は複数のコンピュータ、好ましくは、可搬型コンピュータによって管理され、デジタル・アプリケーションは、第2の信号を分析し、特に、送信デバイス周囲に画定されたセキュリティ区域内のタグの存在を確認するように構成される。
【0008】
本発明の他の特徴及び利点は、添付の図面を参照しながら好ましい実施形態に対して与えられる以下の説明を読めば明らかになるであろう。これらの好ましい実施形態は、非限定的な例として提供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明によるセキュリティ・システムを一体化した環境の概略図である。
図2a】本発明によるセキュリティ・システム内で使用し得る電子タグ(トランスポンダ)の図である。
図2b】本発明によるセキュリティ・システム内で使用し得る電子タグ(トランスポンダ)の図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、本発明による盗難防止システムの典型的な構成を示す。時計店内の空間は、長方形部1として示す。テーブル2は店内に位置し、テーブル2の上に、複数の時計3が展示されている。電子タグ4は、時計3に取り付けられている。各タグ(トランスポンダ)は、BLE(Bluetooth Low Energy)チップを備える。BLE技術自体は公知であり、BLEチップが、アドバタイジング・フレームと呼ばれるデータ・パケットを送信することを可能にする。こうした連続的な一連のアドバタイジング・フレームは、添付の特許請求の範囲内に挙げる「第1の信号」を表す。BLE技術を特徴とする様式で、第1の信号は、タグ4周囲の限られた周辺部内のみで受信することができる。
【0011】
タグが送信するアドバタイジング・フレームは、各時計3に固有の符号を含み、これにより、展示中の時計の識別を可能にする。テーブルに対し固定した、全てのタグ4の周辺部内の位置において、時計3をテーブル2上の指定位置に配置する際、電子送信デバイス5(「BLE/WiFiゲートウェイ」型接続ゲートウェイ)を据え付け、この電子送信デバイス5は、様々なタグ4からアドバタイジング・フレームを受信する。接続ゲートウェイ(「BLE/WiFiゲートウェイ」)自体は、周知であり、アドバタイジング・フレーム内で符号化した情報をWiFiリンク上で送信可能にする。本発明内で使用される接続ゲートウェイ5は、各タグに関する、接続ゲートウェイ5が受信したBLE信号の強度を示すいわゆるRSSI(受信信号強度インジケーション)値を更に送信する。
【0012】
1つの好ましい適用様式によれば、店と提携する1人又は複数の人々は、携帯電話又はタブレット6型の可搬コンピュータを有し、可搬コンピュータは、WiFiリンク上でBLE/WiFiゲートウェイ5と連続的に通信し、したがって、特許請求の範囲内で挙げる「第2の信号」を受信する。第2の信号は、アドバタイジング・フレームを生成する技術(BLE)とは異なる技術(WiFi)によって生成される。第2の信号は、様々なタグ及びRSSI値によってアドバタイジング・フレーム内で符号化された少なくとも1つの識別情報を含む。
【0013】
構成可能なセキュリティ区域10は、接続ゲートウェイ5の位置の周囲に画定される。第2の信号は、タグ・セットが送信するアドバタイジング・フレームとセキュリティ区域内で同期される。第2の信号のフォーマットは、区域10内の全てのタグの一連のアドバタイジング・フレームから構成され、各タグに関する、全ての送信データ及びRSSI値を有する。
【0014】
各可搬コンピュータ6は、デジタル・アプリケーションを備え、デジタル・アプリケーションは、様々なタグ4に関するRSSI値をリアルタイムで確認し、タグ4のRSSIが予め定義した閾値を下回った場合に警告を生成し、予め定義した閾値を下回った場合とは、タグがセキュリティ区域10の外側に移動したことを示す。このことは、タグが、権限のない人によって区域10から離されたことを示す。アプリケーションは、可搬コンピュータ6の画面上に情報を表示し、問題のタグ及びこのタグが取り付けられた製品を識別するようにする。この情報は、タグ4が送信するアドバタイジング・フレームから得られる。
【0015】
好ましい実施形態によれば、デジタル・アプリケーションは、タグ4と接続ゲートウェイ5との間の接続が失われた際に警告を生成するように更に構成される。この目的で、タグ4は、権限のない人によってタグ4が時計3から離されると、タグ4内部のBLEチップを自動的に無効にするように時計3に取り付けられている。この種のタグ4を図2a及び図2bに示す。タグ又はトランスポンダは、BLEチップ16及びエネルギー源を中に収容するプラスチック筐体15を備え、エネルギー源は、電池17とし得る。例えばプラスチック製であるカバー18は、筐体15上に取り外し可能に組み付けられ、展示中の製品の価格を表示するラベルを含むことができる。タグ4は、ループ19によって製品に取り付けられ、ループ19は、2本の要素19a及び19bを備え、要素19a及び19bは、電線を備えるか又は電線から構成される。ループは、差し込みピン又は螺入接続器20によって開閉することができ、差し込みピン又は螺入接続器20の2つの部品20a及び20bは、2つの要素19a及び19bの端部に導電するように締結される。
【0016】
好ましい実施形態によれば、ループは、電線に関連付けた合成繊維から構成され、ナイロン糸(「E-テキスタイル」型材料)の外観を与える。一実施形態によれば、ループは、電源回路の一部を形成する電気接続部を形成し、電源回路は、ループを閉鎖した際にチップ16に電力を供給する。権限のない者が、ループ19の切断又は接続部20の開放によってタグを取り外すと、BLEチップ16は、アドバタイジング・フレームの送信を停止し、これにより、可搬コンピュータ6上に警告を生成する。警告メッセージは、アドバタイジング・フレームに一体化した符号に基づき、1つ又は複数の特定の時計を識別する。
【0017】
別の実施形態によれば、閉鎖されたループ19は、チップへの電力供給を切断するループ開放がなければ、BLEチップ16に接続する回路の一部も形成する。とはいえ、このループ開放は、回路によって検出され、これにより、チップによる、警告メッセージを含むアドバタイジング・フレームの送信を、予め定義した期間の間、例えば数分間、作動させる。このメッセージは、タグが権限なく取り外されたことを可搬コンピュータ6のユーザに警告するものである。予め定義した期間の後、BLEチップ16を無効にすることができる。
【0018】
一実施形態によれば、タグ4は、加速度計を備え、加速度計は、セキュリティ区域10内でのタグ4の移動に応じて信号を生成し、こうした移動に対するデータは、アドバタイジング・フレームに一体化され、可搬コンピュータ6に送信される。可搬コンピュータ6のデジタル・アプリケーションは、移動データを解釈し、可能性としては、権限のない移動である場合に警告を生成するように構成される。このことにより、製品をいくつかのレベルで守るか、又はセキュリティ・レベルを製品に適するように適合可能にする。例えば、時計が展示されている展示器から時計が動かされるとすぐに警告を生成しなければならない時計テーブル、及び顧客が時計を手に取ることができ、警告を作動させない別のテーブルを据え付ける一方で、移動に対するデータを送信することができる。このデータは、携帯電話又は中央コンピュータに保存し、例えば市場調査のための基準として使用することができる。
【0019】
セキュリティ・システムは、店内の複数の群のタグ4に関連付けた複数の接続ゲートウェイ5、例えば、時計店内の各展示テーブルに対して1つの接続ゲートウェイを備えることができる。したがって、別個のセキュリティ区域10は、それぞれの接続ゲートウェイ5に割り当てられる。各可搬コンピュータ6は、全接続ゲートウェイ5、したがって、店内で作動中の全タグ4に関する情報を受信することができる。各可搬コンピュータは、1つ又は複数のゲートウェイ5が送信する同じ情報を受信する。好ましい実施形態によれば、デジタル・アプリケーションは、各可搬コンピュータがユーザの必要性に応じて異なってフィルタ処理し得るように構成される。例えば、可搬コンピュータのユーザは、特定の保護区域10を選択する、若しくはアドバタイジング・フレームに含まれる情報の表示のみを選択し、タグの変位に関する情報の表示を選択しなくてもよい、又はその逆も同様である。
【0020】
タグをシステムに追加し得る前に、タグと1つ又は複数の可搬コンピュータとの間でペアリング手順を実行しなければならない。手順は、概して、タグと可搬コンピュータとの間の通信から構成され、通信の間、可搬コンピュータは、タグ内の符号化情報を受信し、タグ及び関連付けた製品に関する識別データに基づき、タグを登録する。BLEタグの場合、このペアリング手順は、好ましくは、可搬コンピュータとタグ4との間の直接BLEリンク、即ち、接続ゲートウェイ5を介さないリンクを生成することによって実行される。この目的で、BLEチップは、ペアリング手順の間、「接続可能な」様式で稼働する。ペアリングが完了するとすぐに、チップは「接続不可能な」様式に切り替わり、あらゆる新たな接続、したがって、あらゆる新たなペアリングを防止する。「接続可能な」様式に戻すには、例えばタグの電池を外すことによって、タグを再始動させなければならない。
【0021】
好ましくは、第1の信号は、タグと可搬コンピュータとの間の通信を守るように暗号化される。暗号化鍵は、ペアリング手順の間、可搬コンピュータの1つによってタグに伝達することができる。この鍵の使用により、可搬コンピュータは、データを復号することができる。
【0022】
好ましい実施形態によれば、アドバタイジング・フレームは、部分的に暗号化される。暗号化される部分は、特に、タイムスタンプ及び他のデータを含む。しかし、データの一部は暗号化されず、これにより、ペアリングせずにデータを読み取ることを可能にする。タイムスタンプを含む暗号化データは、暗号化鍵を知る1つ又は複数の可搬デバイス又は携帯電話のみによって読み取ることができる。この暗号化により、あらゆる権限のない者が、この情報、又は警報若しくはエラー若しくは他のデータ等の暗号化データを読み取ることができないようにする。更に、タイムスタンプを暗号化部分に追加すると、時間に応じてデータを変更することが可能になり、したがって、権限のない者がタグを不正に登録しないようにする。
【0023】
アドバタイジング・フレームに含まれる一定量の情報、例えばタグの電池の状態等は、ペアリングせずに読み取り可能であるように、暗号化されていない形態で見える。しかし、例えばタイムスタンプ及び警報等の他のデータは、暗号化しなければならない。アドバタイジング・フレームの暗号化情報は、暗号化鍵を知っている場合にのみ読み取ることができる。
【0024】
上記で示したように、タイムスタンプは、暗号化アドバタイジング・フレーム内に含まれる。このタイムスタンプは、毎秒増分する時間値とすることができる。タイムスタンプは、暗号化アドバタイジング・フレームを完全に変更することを可能にし、タグが不正に登録されないようにする。暗号化鍵及び暗号化アルゴリズムを知らずに後続のフレームを予測することは本質的に不可能である。変更を停止したフレーム又は誤ったフレームは、妨害行為による警報とみなされる。
【符号の説明】
【0025】
4 タグ
5 電子送信デバイス
6 コンピュータ
10 セキュリティ区域
16 電子チップ
図1
図2a
図2b