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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】関節式チェーンのための接続アセンブリ
(51)【国際特許分類】
   B62D 55/21 20060101AFI20220328BHJP
   B62D 55/205 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
B62D55/21 Z
B62D55/205 A
【請求項の数】 10
(21)【出願番号】P 2020546539
(86)(22)【出願日】2017-11-27
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-05-13
(86)【国際出願番号】 IT2017000269
(87)【国際公開番号】W WO2019102503
(87)【国際公開日】2019-05-31
【審査請求日】2020-11-05
(73)【特許権者】
【識別番号】517007301
【氏名又は名称】イタルトラクトル・イティエンメ・ソチエタ・ペル・アツィオーニ
【氏名又は名称原語表記】ITALTRACTOR ITM S.p.A.
(74)【代理人】
【識別番号】110000855
【氏名又は名称】特許業務法人浅村特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】カリア、ユースタキオ
(72)【発明者】
【氏名】ハムベク、ハンス ユルゲン ホルガー
【審査官】川村 健一
(56)【参考文献】
【文献】特開平08-295268(JP,A)
【文献】米国特許第03169039(US,A)
【文献】特開2012-107682(JP,A)
【文献】実開昭64-001078(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 55/00 - 55/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1つの始点リンク(3、4)と少なくとも1つの終点リンク(5、6)との間で分割された相互に枢動されるリンク(2)を備える関節式チェーン(A)のための接続アセンブリであって、
前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)が結合構成にある場合に、相互に整列して配置されている前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)の横穴(7、8、9)と、
前記穴(7、8、9)の形状及び寸法と実質的に相補的な形状及び寸法を有し、前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)を結合するために、前記穴(7、8、9)に挿入されるように適合されたマスターピン(11)と、
少なくとも1つの弾性ペグ(12)であって、前記少なくとも1つの弾性ペグ(12)は、その弾性力で、少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネル(13)に収容されることができ、前記少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネル(13)は、その最も外側の部分が前記始点リンク(3、4)と前記終点リンク(5、6)とから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分が前記マスターピン(11)に画定される、少なくとも1つの弾性ペグ(12)と
を備えることを特徴とする、接続アセンブリ。
【請求項2】
前記ピン(11)は、前記ピン(11)のシャンクに対して突出する輪郭付けされたヘッド(14)を備え、前記ピン(11)を収容するためのそれぞれの前記穴(7)に近接する、前記リンク(3)の少なくとも1つの面(15)が、前記ヘッド(14)を収容するために、前記ピン(11)の前記ヘッド(14)の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法を有する開口(16)を含むことを特徴とする、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項3】
前記半径方向チャネル(13)は、数が少なくとも2つであり、第1のチャネル(13)は、その最も外側の部分が右側の前記始点リンク(3)と右側の前記終点リンク(5)とから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分が前記マスターピン(11)の始点端部に画定され、第2のチャネル(13)は、その最も外側の部分が左側の前記始点リンク(4)と左側の前記終点リンク(6)とから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分が前記マスターピン(11)の終点端部に画定されることを特徴とする、請求項1又は2に記載の接続アセンブリ。
【請求項4】
それぞれのリンク(4)に設けられた前記少なくとも1つのチャネル(13)の少なくとも一部は、前記弾性ペグ(12)の挿入を可能にするために外方に開いていることを特徴とする、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項5】
前記少なくとも1つのチャネル(13)の外方に開いている前記少なくとも一部は、閉鎖ストッパを収容することを特徴とする、請求項4に記載の接続アセンブリ。
【請求項6】
前記少なくとも1つのチャネル(13)の外方に開いている前記少なくとも一部は、ボルト、ねじ山付きグラブスクリュー(17)、等のようなねじ山付き閉鎖要素を収容するためにねじ山が付けられていることを特徴とする、請求項5に記載の接続アセンブリ。
【請求項7】
前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)の前記横穴(7、8、9)の直径は、表示的に0.005~0.1mm分増加した前記ピン(11)の直径に対応する直径を有することを特徴とする、請求項1に記載の接続アセンブリ。
【請求項8】
前記ピン(11)に画定される前記チャネル(13)の一部が、前記ピン(11)を前記リンク(3、4、5、6)の前記穴(7、8、9)に完全に挿入する際に、前記チャネル(13)の外側部分との正確な位置合わせのために、前記ピン(11)の前記輪郭付けされたヘッド(14)に対して所定の角度傾斜を有することを特徴とする、請求項に記載の接続アセンブリ。
【請求項9】
前記相互に枢動されるリンク(A)は、それぞれが少なくとも1つのそれぞれの始点リンク(3、4)と少なくとも1つのそれぞれの終点リンク(5、6)との間に画定される、少なくとも2つの分割部の影響を受け、各分割部に、前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)が結合構成にある場合に相互に整列して配置されているそれぞれの前記始点リンク(3、4)及びそれぞれの前記終点リンク(5、6)のそれぞれの横穴(7、8、9)があり、マスターピン(11)は、前記穴(7、8、9)の形状及び寸法と実質的に相補的な形状及び寸法を有し、それぞれの前記始点リンク(3、4)及び前記終点リンク(5、6)を結合するために、前記穴(7、8、9)に収容されるように適合され、少なくとも1つの弾性ペグ(12)は、その弾性力で、その最も外側の部分がそれぞれの前記始点リンク(3、4)とそれぞれの前記終点リンク(5、6)とから選択される少なくとも1つのそれぞれのリンクに、及びその最も内側の部分が前記マスターピン(11)に画定される少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネル13に収容されることができることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の接続アセンブリ。
【請求項10】
前記弾性ペグ(12)は、少なくとも部分的に円筒形である形状を画定するために、便利には巻かれたばね用の鋼板によって構成された実質的に円筒形の本体のタイプのものであることを特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の接続アセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、関節式チェーン、特に履帯のチェーンのための接続アセンブリに関する。
【背景技術】
【0002】
土工用に設計された作業車両及び一部の特殊車両は、車輪の代わりに履帯を使用する。
【0003】
簡潔には、履帯を提供するための従来のチェーンは、互いに対して回転することができる複数の関節式接合部から構成され、この結果、チェーンに閉鎖形状を前提とする特徴を与える。接合部は、位置合わせされた横穴が設けられた相互に対向する対のリンクによって構成され、二対のリンクは、結合ピンを収容するブッシュをよって相互に関節接合される。
【0004】
結合ピンは、通常、接合部の外側に位置するリンクに強固に結合され、一方、ブッシュの内側で自由に回転することができる。
【0005】
第1の対のリンクと第2の対のリンクとの間の相互回転を可能にする他の結合方法がまた知られている(しかし、それらは同じ原理に基づいている)。
【0006】
ピンと外側リンクのそれぞれの穴との間の強固な結合は、一般的に締まり嵌めによって得られ、基本的に、ピンは、高出力プレスを使用して、又は関連する構成要素の熱膨張/収縮を利用することによって、リンクに挿入される。
【0007】
このようにして、2つの接合部は、互いに対して回転する能力を保持しながら互いに結合される。このような組立操作を繰り返すことによって、全体としてチェーンを形成する複数の相互に結合された接合部が製造される。このようなリンクは、地面との接触のための実質的に平坦な要素(この分野では「パッド」として知られている)を支持し、それは、一般的に、ねじ山付き要素によってチェーンの接合部に結合される。
【0008】
操作中、このチェーンは、連続構造を形成して作業車両に搭載され、このために、履帯を提供するための関節式チェーンは、決定された中心距離で配置された2つの車輪の間に巻き付けられた閉鎖形状を有する連続構造を形成してそれ自体が閉鎖される。
【0009】
現在の技術水準においては、チェーンの閉鎖は、典型的には、マスターピン又はマスタースプリットリンクという2つの従来の技術を使用して行われる。
【0010】
マスターピン技術は、それぞれ「プレス嵌め」及び「ソリッドピン」と呼ばれる2つのタイプに分けられることができる。
【0011】
プレス嵌め技術においては、最初の接合部のリンクにおける穴と最後の接合部のブッシュの内側の穴との間に、マスターピンが挿入され、このようなピンは、干渉してリンクの穴に挿入される。干渉によって、このような方法は、ピンとリンクとの間の相対的な動きを相殺することができるが、それは、組立工程において油圧プレスを要求し、現場でこのような操作を実行することは困難であり、明らかに、寸法と共に、ピンを挿入するために必要な力が増加するので、このような操作の困難性は、チェーンの寸法に比例して増加し、従って、プレスの寸法及び重量が増加する。
【0012】
ソリッドピン技術の現在の技術水準は、スプリットピンによる所定の位置での軸線方向のロック、(Seegerと呼ばれるタイプの)、Cクリップの弾性ストッパリングによる所定の位置での軸線方向のロックという幾つかの異なる構造の変形を提供する。
【0013】
ソリッドピン技術においては、マスターピンは、遊びのある機械的結合によってリンクの穴を自由に通過することができ、そして、このようなマスターピンは、ペグ又は弾性リングによって一方の側において、所定の位置で軸線方向にロックされ、一方、他方の側において、ピンのベース直径より大きい直径を有する当接肩部によって所定の位置でロックされる。当接肩部は、リンクの表面と接触し、この結果、マスターピンの軸線方向の動きを防止する(場合によっては、当接肩部の代わりに、ピンの端部領域は、直径が大きくなるように作られる)。
【0014】
この方法は、油圧プレス又は専用工具を要求しないという利点を有するが、マスターピンと2つのリンクに設けられた対応する収容穴との間の遊びを完全に相殺することができないという欠点を有する。マスターピンとリンクとの間の非常に小さい動きの可能性は、適切な構成要素に対する損傷と、その結果としてのチェーンの寿命の低下の原因となる場合がある(小さい動きは、遊びの漸進的な増加に伴い、機械の故障をもたらす場合がある損傷が発生するまで、構成要素の摩耗をもたらす場合がある)。
【0015】
幾つかのマスタースプリットリンクは、好ましくは、チェーンを形成する全ての接合部を潤滑状態にする必要がある潤滑チェーンにおいて採用され、特に、このような状態は、ボルトによって相互に強固に結合された2つのハーフリンクによって構成されるマスタースプリットリンクに関連する。
【0016】
このようなシステムは、第一にチェーン接続要素の的確な潤滑をまた保証し、更に現場で取り付けるための高価な機器を要求しないという幾つかの利点を有する。
【0017】
残念ながら、この実施形態は、マスターピンを使用する結合と比較して幾つかの欠点をもたらす。実際に、各リンクは、2つの部分で構成されるので、通常のリンクとは異なる製造プロセスを要求し、従って、非常に高価である。このために、その使用は、動的用途(ブルドーザー)を対象とした潤滑チェーンでのみ正当化される。重い用途(例えば、鉱業)においては、このようなマスタースプリットリンクはチェーンの弱点であり、多くの場合、構造的な破損の影響を受ける。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
本発明の目的は、(高出力プレス等のような)専用機械を必要とすることなく容易に装着されることができる関節式チェーンのための接続アセンブリを提供することによって、上記で言及された欠点を解決することである。
【0019】
この目的内で、本発明の目標は、結合の軸線方向の遊びが最小限にされ、その結果として摩耗が減少する関節式チェーンのための接続アセンブリを提供することである。
【0020】
本発明の別の目標は、低コストである関節式チェーンのための接続アセンブリを提供することである。
【0021】
本発明の別の目標は、任意の種類の作業車両に採用され、任意の環境において使用されるように適合される関節式チェーンのための接続アセンブリを提供することである。
【0022】
本発明の更なる目標は、低コストであり、容易且つ実際に実装され、使用時に安全である関節式チェーンのための接続アセンブリを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0023】
この目的並びに以下でより明らかになるこれら及び他の目標は、少なくとも1つの始点リンクと少なくとも1つの終点リンクとの間で画定される相互に枢動されるリンクを備える関節式チェーンのための接続アセンブリであって、
始点リンク及び終点リンクが結合構成にある場合に、相互に整列して配置されている始点リンク及び終点リンクの横穴と、
穴の形状及び寸法と実質的に相補的な形状及び寸法を有し、始点リンク及び終点リンクを結合するために、穴に挿入されるように適合されたマスターピンと、
少なくとも1つの弾性ペグであって、少なくとも1つの弾性ペグは、その弾性力で、少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネルに収容されることができ、少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネルは、その最も外側の部分が始点リンクと終点リンクとから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分がマスターピンに画定される、少なくとも1つの弾性ペグと
を備えることを特徴とする、接続アセンブリによって達成される。
【0024】
本発明の更なる特徴及び利点は、添付の図面において非限定的な例として示される、本発明による関節式チェーンのための接続アセンブリの好ましいが排他的ではない実施形態の以下の詳細な説明からより明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1】本発明による関節式チェーンのための接続アセンブリの分解斜視図である。
図2図1におけるアセンブリの横断面に沿った上方からの断面図である。
図3】本発明による関節式チェーンのための接続アセンブリの可能な変形の横断面に沿った上からの断面図である。
図4】本発明による関節式チェーンのための接続アセンブリの追加の変形の詳細の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
特に図面を参照すると、参照番号1は、一般的に、関節式チェーンAのための接続アセンブリを指す。
【0027】
関節式チェーンAは、少なくとも1つの始点リンク3、4(ハーフリンク3及びハーフリンク4)と少なくとも1つの終点リンク5、6(ハーフリンク5及びハーフリンク6)との間で分割される相互に枢動するリンク2を備える。
【0028】
この議論においては、「リンク」3、4、又は5、6と呼ばれるものは、通常、「チェーン接合部」と呼ばれる分野の専門用語にあり、その分野の専門家ではない場合がある読者による解釈をより容易にするために、分野の専門用語の代わりに一般的な技術用語を使用することが好ましいと考えられる。従って、この議論の目的のために、構成要素3及び4、又は5及び6のセットを指す「リンク」という用語は、「チェーン接合部」という用語と実質的に同等であると考えられる。
【0029】
本発明によるアセンブリ1の始点リンク3、4及び終点リンク5、6は、リンク3、4、及び5、6が相互結合構成にある場合に相互に整列して配置される、横穴7、8、9(特に、ハーフリンク3における穴7、ハーフリンク4における穴8、順番に、ハーフリンク5及びハーフリンク6に収容されるブッシュ10における穴9)を含む。
【0030】
アセンブリ1は更に、穴7、8、9の形状及び寸法と実質的に相補的な形状及び寸法を有し、リンク3、4、5、6を結合するためにこのような穴7、8、9に挿入及び収容されるように適合されたマスターピン11を備える。
【0031】
接続アセンブリ1は、最後に、少なくとも1つの弾性ペグ12を備え、それは、その弾性力で、少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネル13に収容されることができ、それは、その最も外側の部分が始点リンク3、4と終点リンク5、6とから選択される少なくとも1つのリンク(特に、ハーフリンク3)に、及びその最も内側の部分がマスターピン11に画定される。
【0032】
疑いのない実用的な関心の特定の実施形態によれば、ピン11は、有利には、そのピン11のシャンクに対して突出する輪郭付けされたヘッド14を備えることができる。
【0033】
このような場合、ピン11を収容するためのそれぞれの穴7に近接する、対応するリンク3の少なくとも1つの面15は、便利には、ピン11のヘッド14の形状及び寸法と相補的な形状及び寸法を有する開口16を含む。
【0034】
組み立てられた構成においては、ピン11のヘッド14は、開口16に最小限の遊びで収容され、この結果、ハーフリンク3に対するピン11の起こり得る望ましくない回転を防止する。
【0035】
図1に示される場合においては、輪郭付けされたヘッド14は、所定の方向に従って提供される、ピン11のシャンクの形状からの突出を提示する。多角形に輪郭付けされたヘッド、又は対応するハーフリンク3の面15のそれぞれの開口16での遊びを最小限に減少させることを可能にする特定の形状を有するヘッドを提供する可能性は排除されない。
【0036】
(適切な寸法を指定することによって)組立工程においてヘッド14が開口16に容易にアクセスすることを保証する必要があるので、明らかに、ヘッド14と開口16との間の遊びを完全に排除することはできない。
【0037】
(ヘッド14と開口16との間の)このような遊びに帰する場合がある任意の動きは、何れの場合も、チャネル13に挿入された弾性ペグ12の弾性挙動によって予防される。
【0038】
疑いのない実用的な関心の実施形態を特に参照し、上記で説明された実施形態の代替として、半径方向チャネル13は、便利には、数が少なくとも2つであることができ、このような場合には、第1のチャネルは、その最も外側の部分が右側の始点ハーフリンク3と右側の終点ハーフリンク5とから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分がマスターピン11の始点端部に画定され、代わりに、第2のチャネルは、その最も外側の部分が左側の始点ハーフリンク4と左側の終点ハーフリンク6とから選択される少なくとも1つのリンクに、及びその最も内側の部分がマスターピン11の終点端部に画定される。
【0039】
明らかに、この特定のバージョンの各チャネルは、少なくとも1つのそれぞれの弾性ペグ12を収容する。
【0040】
(ハーフリンク4の例に従って)それぞれのリンクに設けられた少なくとも1つのチャネル(例えば、チャネル13)の少なくとも一部は、組立工程における弾性ペグ12の挿入を可能にするために、外方に開いていることに留意することは適切である。
【0041】
(例えば、チャネル13の)少なくとも1つのチャネルの外方に開いている少なくとも一部は、確実に閉鎖ストッパを収容することができる。
【0042】
特に、(例えば、チャネル13の)少なくとも1つのチャネルの外方に開いている少なくとも一部は、ボルト、ねじ山付きグラブスクリュー17、等のようなねじ山付き閉鎖要素を収容するために、確実にねじ山が付けられることができる。
【0043】
更に、始点リンク(ハーフリンク3及びハーフリンク4)並びに終点リンク(ハーフリンク5及びハーフリンク6)の横穴7、8、9の直径は、ピン11の直径に加えて、表示上、0.005~0.1mmに等しい直径を有することに留意すべきである。通常、数百分の1ミリ程度の遊びがある。
【0044】
実装の観点から、ピン11に画定されるチャネル13の一部が、ピン11をリンク3、4、5、6(及びブッシュ10)の穴7、8、9に完全に挿入する際に、リンク(例えば、ハーフリンク4)に画定されるチャネル13の対応する外側部分との正確な位置合わせのために、そのピンの輪郭付けされたヘッド14に対して所定の角度傾斜を有することを強調する必要がある。
【0045】
相互に枢動されるリンク2はまた、それぞれが少なくとも1つのそれぞれの始点リンク3、4と少なくとも1つのそれぞれの終点リンク5、6との間に画定される、少なくとも2つの分割部の影響を受ける場合があることに留意すべきである。
【0046】
この場合には、各分割部に、このようなリンク3、4、5、6が結合構成にある場合に相互に整列して配置されるそれぞれの始点リンク3、4及びそれぞれの終点リンク5、6のそれぞれの横穴7、8、9がある。
【0047】
穴7、8、9の形状及び寸法と実質的に相補的な形状及び寸法を有するそれぞれのマスターピン11は、それぞれのリンク3、4、5、6を結合するために、このような穴7、8、9に収容されるように適合され、少なくとも1つのそれぞれの弾性ペグ12は、その弾性力で、その最も外側の部分がそれぞれの始点リンク(例えば、ハーフリンク4)とそれぞれの終点リンクとから選択される少なくとも1つのそれぞれのリンクに、及びその最も内側の部分がそれぞれのマスターピン11に画定される少なくとも1つのそれぞれの半径方向チャネル13に収容可能である。
【0048】
実際には、履帯の同じチェーンAは、その適合された閉鎖構成を提供するために、その別々の部分に配置された幾つかの接続アセンブリ1を備えることができる。
【0049】
最後に、弾性ペグ12は、好ましくは、少なくとも部分的に円筒形である形状を画定するために、便利には巻かれたばね用の鋼板によって提供される実質的に円筒形の本体によって構成されることに留意すべきである。従って、ペグ12は、その直径の収縮を決定するその力に弾性的に反応することによって、その非アクティブ構成に対応する直径を前提とする傾向がある。このような弾性挙動は、穴7、8、9におけるピン11の軸線方向の動きを排除し、この結果、接続の安定性及び対応する寿命に有利に働く。
【0050】
2つの別個のペグ12がまたチャネル13に挿入されることができる。
【0051】
有利には、本発明は、(高出力プレス等のような)専用機械を必要とすることなく容易に装着されることができる関節式チェーンAのための接続アセンブリ1を提供することによって、上記の課題を解決する。弾性ペグ12の採用及び構成要素の特定の構成が、実際に、操作者に手動工具のみを使用して任意の場所で組立を行わせることを可能にする。
【0052】
便利には、本発明によるアセンブリ1は、結合の軸線方向の遊びが最小限にされ、その結果として摩耗が減少することを保証する。
【0053】
有利には、本発明によるアセンブリ1は、非常に低コストである。
【0054】
便利には、本発明によるアセンブリ1は、任意の種類の作業車両に採用され、任意の環境において使用されるように適合される。
【0055】
確実に、本発明によるアセンブリ1は、容易且つ実際に実装され、使用時に安全である。
【0056】
このように創作された本発明は、多数の変更及び変形が可能であり、それらの全てが添付の特許請求の範囲の範囲内にある。その上、全ての詳細が、他の技術的に等価の要素によって置き換えられてもよい。
【0057】
例えば、チャネル13はまた、(図4に示されるように)外方に開いているスロットによって構成されることができ、何れの場合でも、このようなバージョンにおいては、少なくとも1つの弾性ペグ12の存在がまた、ハーフリンク3及び4に対するピン11の軸線方向及び回転方向の遊びを排除することを可能にし、この結果、誤作動及び摩耗の発生を減少させる。
【0058】
示された実施形態においては、特定の例に関連して示された個々の特徴は、実際には、他の実施形態に存在する他の異なる特徴と交換されてもよい。
【0059】
実際には、使用される材料及び寸法は、要件及び技術水準に応じて任意であってもよい。
【0060】
何れかの請求項で言及される技術的特徴に参照番号及び/又は記号が続く場合、これらの参照番号及び/又は記号は、請求項の理解度を高めることのみを目的とするために含まれ、よって、このような参照番号及び/又は記号は、このような参照番号及び/又は記号によって例として特定された各要素の解釈に限定的な影響を与えない。
図1
図2
図3
図4