IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司の特許一覧

特許7047131電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体
<>
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図1
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図2
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図3
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図4
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図5
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図6
  • 特許-電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体 図7
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2022-03-25
(45)【発行日】2022-04-04
(54)【発明の名称】電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体
(51)【国際特許分類】
   G01R 31/382 20190101AFI20220328BHJP
   G01R 31/388 20190101ALI20220328BHJP
   G01R 31/367 20190101ALI20220328BHJP
   H01M 10/48 20060101ALI20220328BHJP
【FI】
G01R31/382
G01R31/388
G01R31/367
H01M10/48 P
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2020560456
(86)(22)【出願日】2020-04-14
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-25
(86)【国際出願番号】 CN2020084708
(87)【国際公開番号】W WO2020259008
(87)【国際公開日】2020-12-30
【審査請求日】2020-10-28
(31)【優先権主張番号】201910547687.3
(32)【優先日】2019-06-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】513196256
【氏名又は名称】寧徳時代新能源科技股▲分▼有限公司
【氏名又は名称原語表記】Contemporary Amperex Technology Co., Limited
【住所又は居所原語表記】No.2,Xingang Road,Zhangwan Town,Jiaocheng District,Ningde City,Fujian Province,P.R.China 352100
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】杜明樹
(72)【発明者】
【氏名】李世超
(72)【発明者】
【氏名】湯慎之
(72)【発明者】
【氏名】阮見
(72)【発明者】
【氏名】盧艷華
(72)【発明者】
【氏名】張偉
【審査官】永井 皓喜
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2019/0178948(US,A1)
【文献】国際公開第2014/045706(WO,A1)
【文献】米国特許出願公開第2009/0210179(US,A1)
【文献】特開2018-185259(JP,A)
【文献】特開2018-185260(JP,A)
【文献】国際公開第2013/136559(WO,A1)
【文献】国際公開第2014/132491(WO,A1)
【文献】国際公開第2013/133113(WO,A1)
【文献】国際公開第2018/181620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01R 31/382
G01R 31/385
G01R 31/367
H01M 10/48
H02J 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電池の荷電状態の修正方法であって、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、前記現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、前記ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、前記電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、前記充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、前記放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たすことと、
前記現在開路電圧測定値が前記ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定すること、
前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、前記電池の現在荷電状態を修正することと、
を含
現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の下境界値未満である場合、前記荷電状態修正目標値は前記下境界値であり、
前記現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、前記荷電状態修正目標値は前記上境界値であり、
ここで、前記下境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの小さい値であり、前記上境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの大きい値である、
電池の荷電状態の修正方法。
【請求項2】
前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定することは、
現在荷電状態値及び履歴荷電状態値で形成される荷電状態変化経路を確定し、開路電圧推定モデル組立体に基づいて前記荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得することと、
前記現在開路電圧推定値及び前記現在開路電圧測定値で形成される電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値以上である場合、前記荷電状態信頼区間及び予め設定された誤差範囲等分パラメータに基づいて、修正毎の荷電状態修正変化量を確定することと、
前記荷電状態修正変化量及び前記電圧差分値の正負に基づいて、前記現在荷電状態値を修正して、前記現在荷電状態値の修正値を取得することと、
前記現在荷電状態値の修正値及び前記履歴荷電状態値で形成される新たな荷電状態変化経路を確定し、前記電圧差分値の絶対値が前記電圧差分値の閾値未満になると、前記現在荷電状態値の修正値を前記荷電状態修正目標値とすることと、
を含む、請求項1に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項3】
前記開路電圧推定モデル組立体に基づいて前記荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得することは、
前記現在荷電状態値、及び充電状態時の前記電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、前記現在荷電状態値に対応する第1の開路電圧値を確定することと、
前記現在荷電状態値、及び放電状態時の前記電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、前記現在荷電状態値に対応する第2の開路電圧値を確定することと、
開路電圧推定モデル組立体に基づいて前記荷電状態変化経路を処理して、開路電圧重み係数を確定し、前記開路電圧重み係数を用いて、前記第1の開路電圧値と前記第2の開路電圧値とを重み付け融合して、前記現在開路電圧推定値を取得することと、
を含む、請求項に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項4】
前記履歴荷電状態値は、予め順に記録されている前記電池のN回の電流方向の変化時の対応するN個の荷電状態値を含み、N番目の荷電状態値は、前記現在荷電状態の前回の電流方向の変化時の荷電状態値であり、Nは1以上であり、
前記荷電状態変化経路は、記録タイミングの前後に取得された前記履歴荷電状態値中の各荷電状態値及び前記現在荷電状態値を含む、
請求項に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項5】
前記開路電圧推定モデル組立体に基づいて前記荷電状態変化経路を処理して、開路電圧重み係数を確定することは、
前記荷電状態変化経路における荷電状態値の記録タイミングの前後に応じて、毎回の電流方向の変化、及び毎回の前記電流方向の変化に対応する荷電状態変化量を順に確定することと、
初回の電流方向の変化、及び初回の電流方向の変化に対応する荷電状態変化量に基づいて、ヒステリシス演算子の初期値を確定することと、
初回以外の電流方向の変化、及び初回以外の電流方向の変化時の荷電状態変化量に基づいて、前記ヒステリシス演算子を更新することと、
予めキャリブレーションされた前記ヒステリシス演算子の重み係数を用いて、更新後の前記ヒステリシス演算子に重み付け融合を行い、開路電圧重み係数を取得することと、
を含む、請求項に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項6】
前記荷電状態信頼区間及び予め設定された誤差範囲等分パラメータに基づいて、修正毎の荷電状態修正変化量を確定することは、
荷電状態信頼区間における下境界値と前記現在荷電状態との差分値を、前記現在荷電状態の誤差範囲の下境界値とすること、
荷電状態信頼区間における上境界値と前記現在荷電状態との差分値を、前記現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とすること、
前記誤差範囲等分パラメータを用いて、前記現在荷電状態の誤差範囲の下境界値と前記現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とによって確定される現在荷電状態の誤差範囲を等分し、前記修正毎の荷電状態修正変化量を取得すること、
を含む、請求項に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項7】
前記現在開路電圧測定値が前記ヒステリシス電圧区間外の非ヒステリシス電圧区間内にある場合、前記充電荷電状態値又は前記放電荷電状態値に基づいて、前記荷電状態修正目標値を確定し、前記現在荷電状態を修正すること、
を更に含む、請求項1に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項8】
前記現在荷電状態が前記荷電状態信頼区間の下境界値より大きく且つ前記荷電状態信頼区間の上境界値より小さい場合、前記荷電状態修正目標値を前記現在荷電状態として確定すること、
を更に含む、請求項に記載の荷電状態の修正方法。
【請求項9】
電池の荷電状態修正装置であって、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、前記現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、前記ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、前記電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、前記充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、前記放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たす電圧測定値判定モジュールと、
前記現在開路電圧測定値が前記ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定する荷電状態確定モジュールと、
前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、前記電池の現在荷電状態を修正する荷電状態修正モジュールと、
を含
現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の下境界値未満である場合、前記荷電状態修正目標値は前記下境界値であり、
前記現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、前記荷電状態修正目標値は前記上境界値であり、
ここで、前記下境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの小さい値であり、前記上境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの大きい値である、
電池の荷電状態修正装置。
【請求項10】
電池の荷電状態修正システムであって、
実行可能なプログラムコードを記憶するのに用いられるメモリと、
前記メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、電池の荷電状態の修正方法を実行するのに用いられるプロセッサと、
を含
前記電池の荷電状態の修正方法は、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、前記現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、前記ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、前記電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、前記充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、前記放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たすことと、
前記現在開路電圧測定値が前記ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定すること、
前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、前記電池の現在荷電状態を修正することと、
を含み、
現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の下境界値未満である場合、前記荷電状態修正目標値は前記下境界値であり、
前記現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、前記荷電状態修正目標値は前記上境界値であり、
ここで、前記下境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの小さい値であり、前記上境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの大きい値である、
電池の荷電状態修正システム。
【請求項11】
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、
コンピュータで実行される場合、電池の荷電状態の修正方法をコンピュータに実行させる指令
を含み、
前記電池の荷電状態の修正方法は、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、前記現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、前記ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、前記電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、前記充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、前記放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たすことと、
前記現在開路電圧測定値が前記ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定すること、
前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、前記電池の現在荷電状態を修正することと、
を含み、
現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の下境界値未満である場合、前記荷電状態修正目標値は前記下境界値であり、
前記現在荷電状態値が前記荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、前記荷電状態修正目標値は前記上境界値であり、
ここで、前記下境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの小さい値であり、前記上境界値は、前記充電荷電状態値及び前記放電荷電状態値のうちの大きい値である、
コンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2019年6月24日に提出された、発明名称が「電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体」である中国特許出願201910547687.3の優先権を主張し、この出願の全ての内容が本明細書に援用される。
【0002】
本願は、電池の技術分野に関し、特に、電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体に関する。
【背景技術】
【0003】
電気自動車の電池管理システムにおいて、電池の荷電状態(State of Charge、SOCと略称する)は、電池の残量状態を反映するためのものであり、SOCは、バランス制御技術、急速充放電管理、安全運転等における電池性能の重要なパラメータでもある。そのため、正確なSOC推定は、電池管理システムの電池残量の指し示し、残りの走行距離、過充電過放電の保護、電池バランス、充電制御、及び電池の健康状態の予測等を実現する時に重要な役割を果す。
【0004】
現在、常用のSOC修正方法は、例えば開路電圧法であって、開路電圧(Open-Circuit Voltage、OCV)とSOCとの対応関係を利用することによって安定状態の電池SOCを取得できる。しかしながら、ヒステリシス特性を有するセル系において、OCVとSOCとの対応関係を表すOCV曲線が履歴動作状態に影響され、OCV曲線の変化によって開路電圧法の誤差が比較的大きくなって、SOC修正の正確性が低下される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、ヒステリシス特性を有する電池の荷電状態を修正し、電池の荷電状態値を推定する正確性を向上できる電池の荷電状態の修正方法、装置、システム、及びプログラムを提供する。
【0006】
本願の実施例の一態様によれば、荷電状態の修正方法であって、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たすことと、
現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の前記現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定すること、
充電荷電状態値及び放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、電池の現在荷電状態を修正することと、
を含む荷電状態の修正方法を提供する。
【0007】
本願の実施例の他の態様によれば、荷電状態修正装置であって、
電池の現在開路電圧測定値を確定し、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値が、放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なることを満たす電圧測定値判定モジュールと、
現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定する荷電状態確定モジュールと、
充電荷電状態値及び放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、電池の現在荷電状態を修正する荷電状態修正モジュールと、
を含む荷電状態修正装置を提供する。
本願の実施例の更に別の態様によれば、荷電状態修正システムであって、
実行可能なプログラムコードを記憶するのに用いられるメモリと、
メモリに記憶された実行可能なプログラムコードを読み取って、上記の荷電状態の修正方法を実行するのに用いられるプロセッサと、
を含む荷電状態修正システムを提供する。
【0008】
本願の実施例のまた別の態様によれば、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体であって、コンピュータで実行される場合、上記の各様態の荷電状態の修正方法をコンピュータに実行させる指令を含むコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【発明の効果】
【0009】
本願の実施例における電池の荷電状態の修正方法、装置、システム及び記憶媒体によれば、電池の荷電状態に対するヒステリシス特性の影響を考慮して、電池の開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを用いて、荷電状態修正目標値を確定して、現在荷電状態を修正でき、開路電圧値をそのまま利用して荷電状態を推定することと比べると、より正確な電池の荷電状態を取得できる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
以下、本願の実施例の技術案をより明確に説明するために、本願の実施例で必要な図面を簡単に説明するが、クリエイティブな労力がない状況下で、このような図面に基づいて他の図面を取得できることは、当業者にとって自明である。
図1図1は、電池のOCVヒステリシス特性を示すグラフである。
図2図2は、本願の一実施例に係る電池の荷電状態の修正方法を示すフローチャートである。
図3図3は、本願の一実施例に係るプライザッハ(Preisach)モデルを示すメッシュ三角形の模式図である。
図4図4は、本願の一実施例に係るプライザッハ(Preisach)モデルの訓練を示すフローチャートである。
図5図5は、本願の他の実施例に係るプライザッハ(Preisach)モデルの訓練を示すフローチャートである。
図6図6は、本願の一実施例に係る電池の荷電状態修正装置の構成図である。
図7図7は、本願の一実施例に係る荷電状態の修正方法及び装置に基づく演算デバイスを実現可能な例示的なハードウェアアーキテクチャを示す構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本願の各態様の特徴及び例示的な実施例を詳細に説明する。以下、本願の目的、技術案及び利点をより明確に理解させるために、図面及び実施例と組み合わせて、本願をさらに詳細に説明する。なお、ここに記載の具体的な実施例は本願を解釈するためのみであって、本願を限定するものではないことは、理解すべきである。本願がこれらの具体的な詳細の一部を要せずに実施できることは、当業者にとって自明である。下記に記載の実施例は、本願を例示することによって本願をより良く理解させるためのみである。
【0012】
なお、本文において、第1及び第2のような関係用語は、一のエンティティ又は動作と他のエンティティ又は動作とを区別することにのみ用いられ、これらのエンティティ又は動作の間にこのような実際的な関係又は順序が存在するとは限られない。また、「有する」、「備える」、「含む」、又はその他の変形のような用語は、非排他的な包含を意図し、一連の要素を含むプロセス、方法、物品、又はデバイスがそれらの要素だけでなく、明示的に列挙されていない他の要素を含んでもよく、或いは、このようなプロセス、方法、物品又はデバイスにおける固有の要素を含んでもよい。より多くの制限がない限り、「…を有する」、「…を備える」、「…を含む」のような語句で限定される要素は、上記要素を含むプロセス、方法、物品又はデバイスがさらに他の同一な要素を有することを排除するものではない。
【0013】
本願の実施例における電池は、正極及び負極がいずれも脱離可能であり、且つ、キャリア粒子を受け入れることが可能である電池であってもよく、ここでは限定されない。この電池は、電池の種類から、リン酸鉄リチウム系電池又はケイ素添加系電池であるがこれらに限定されず、リン酸鉄リチウム系電池は、リン酸鉄リチウム含有正極活物質のリチウムイオン電池であり、ケイ素添加系電池は、ケイ素含有負極活物質のリチウムイオン電池である。この電池は、電池のスケールから、セル単体であってもよいし、電池モジュール又は電池パックであってもよく、本願の実施例では特に限定されない。
【0014】
本願の実施例において、電池の充電特性と放電特性とが異なるため、ヒステリシス特性とは、電池が同じ電流でそれぞれ充電及び放電が終了した後、同じ荷電状態に対応する充電後の開路電圧と放電後の開路電圧とが異なる現象である。この現象は、電池のヒステリシス特性と呼ばれている。このため、ヒステリシス特性によって、電池のOCV曲線が履歴動作状態の影響を受ける特性を説明でき、開路電圧を用いて電池の荷電状態を推定する場合、電池の荷電状態に対するヒステリシス特性の影響を考慮する必要がある。
【0015】
一実施例において、OCV曲線は、電池のOCVとSOCとの対応関係を説明するのに用いられる。OCV曲線は、充電OCV曲線と放電OCV曲線とを含んでもよい。充電OCV曲線は、充電状態下の電池のOCVとSOCとの対応関係を説明するのに用いられ、放電OCV曲線は、放電状態下の電池のOCVとSOCとの対応関係を説明するのに用いられてもよい。
【0016】
常用のSOC推定方法、例えば開路電圧法において、電池のOCV曲線は、履歴動作状態の影響を受けず、即ち、電池のOCVが現在の温度及びSOCのみに関連し、電池が安定状態に静置された後にSOCを取得できる。しかしながら、ヒステリシス特性を有する電池において、OCV曲線の変化によって開路電圧法の誤差が大きくなり、開路電圧法の適用性が低下される。
【0017】
本願の実施例において、修正された現在荷電状態値として、荷電状態の演算装置によって予め設定された荷電状態の演算方法を用いて演算して取得できる。従って、本願の実施例は、荷電状態の演算方法を限定するものではない。
【0018】
以下、本願をより分かりやすく説明するために、本願の実施例に係る電池の荷電状態の修正方法について、図面を参照して詳細に説明するが、これらの実施例は本願の開示された範囲を限定するものではないことに留意すべきである。
【0019】
本願の実施例は、ヒステリシス特性を有する電池の荷電状態値を修正し、電池の荷電状態値を推定する正確性を向上させることができる電池の荷電状態の修正方法、装置、デバイス及びコンピュータ読み取り可能な記憶媒体を提供する。
【0020】
図1は、電池のOCVヒステリシス特性を示すグラフである。図1に示すように、充電OCV曲線と放電OCV曲線の差異により、電池のOCV区間をヒステリシス電圧区間と非ヒステリシス電圧区間に区分することができる。ここで、ヒステリシス電圧区間において、充電OCV曲線と放電OCV曲線とが重ならず、非ヒステリシス電圧区間において、充電OCV曲線と放電OCV曲線とが重なっている。そこで、以下の実施例の説明では、非ヒステリシス電圧区間の充電OCV曲線と放電OCV曲線とが重なる曲線を、非ヒステリシスのOCV-SOC曲線と呼ぶ。
【0021】
即ち、非ヒステリシスのOCV-SOC曲線は、充電状態で非ヒステリシス電圧区間における電池のOCVとSOCとの対応関係を示し、放電状態で非ヒステリシス電圧区間における電池のOCVとSOCとの対応関係を示す。
【0022】
図2は、本願の一実施例に係る電池の荷電状態の修正方法を示すフローチャートである。図2に示すように、一実施例において、荷電状態の修正方法100は、以下のステップを含み取得する。
【0023】
ステップS110において、電池の現在開路電圧測定値を確定し、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間にあるか否かを確定し、ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、以下を満たす。
【0024】
電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい時に、充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値は、放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なる。
【0025】
一実施例において、非ヒステリシス電圧区間の開路電圧値は、以下の要件を満たす。電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい場合、充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値は、放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と等しい。
【0026】
ステップS120において、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値、及び放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値を確定する。
【0027】
ステップS130において、充電荷電状態値及び放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、電池の現在荷電状態を修正する。
【0028】
本願の一実施例の電池の荷電状態の修正方法によれば、電池の開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値、及び放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値を用いて、荷電状態修正目標値を確定して、現在荷電状態を修正でき、比較的正確な電池の荷電状態を取得できる。
【0029】
一実施例において、ステップS110における電池の現在開路電圧測定値を確定するステップは、
電池の静置時間と静置時の温度分布に基づいて、電池が十分な静置条件を満たすか否かを判断し、電池が十分な静置条件を満たす場合、電池の現在電圧値を電池の現在開路電圧測定値として記録することを含むことができる。
【0030】
一例として、電池を十分な静置条件に達させるために、静置最低温度が25℃である場合、静置時間の下限値は例えば1時間であり、即ち静置時間が1時間以上であり、静置最低温度が0℃である場合、静置時間の下限値は例えば2時間であり、静置最低温度が-20℃である場合、静置時間の下限値は例えば3時間であってもよい。
【0031】
本明細書の実施例において、オフラインキャリブレーションの実験値及び/又は実動作状態における経験値により、電池の静置時間及び静置時の温度分布を確定できる。なお、電池間にセル系等の差異があり、異なる電池の十分な静置条件が異なるが、これらの実施例は、示されている範囲を制限するものではない。
【0032】
一実施例において、電池の開路電圧の電圧範囲をヒステリシス電圧区間と非ヒステリシス電圧区間とに区分でき、実験測定により電池のヒステリシス電圧区間及び非ヒステリシス電圧区間を確定でき、ヒステリシス電圧区間内の電圧値と非ヒステリシス電圧区間内の電圧値とを調査することにより、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間又は非ヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定できる。
【0033】
一実施例において、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間外の非ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値又は放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値に基づいて荷電状態修正目標値を確定し、現在荷電状態を修正する。
【0034】
即ち、非ヒステリシス電圧区間内の現在開路電圧測定値は、充電OCV曲線と放電OCV曲線とが重なるため、充電OCV曲線に記述された充電状態時の開路電圧と荷電状態との対応関係に基づいて、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値を、荷電状態修正目標値として確定してもよいし、放電OCV曲線に記述された放電状態時の開路電圧と荷電状態との対応関係に基づいて、放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値を、荷電状態修正目標値として確定してもよい。
【0035】
当該実施例において、現在開路電圧測定値が非ヒステリシス電圧区間内にある場合、非ヒステリシスのOCV-SOC曲線と現在開路電圧測定値とに基づいて荷電状態修正目標値、例えばSOC0を確定し、現在荷電状態をSOC0に修正する。
【0036】
一実施例において、現在荷電状態値が荷電状態信頼区間の下境界値未満である場合、荷電状態修正目標値は下境界値であり、現在荷電状態値が荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、荷電状態修正目標値は上境界値である。
【0037】
ここで、下境界値は、充電荷電状態値及び放電荷電状態値のうちの最小値であり、上境界値は、充電荷電状態値及び放電荷電状態値のうちの最大値である。
【0038】
当該実施例において、充電OCV曲線における現在開路電圧測定値に対応する荷電状態値である例えばSOC1、及び放電OCV曲線における現在開路電圧測定値に対応する荷電状態値である例えばSOC2は、現在SOCの信頼区間範囲を形成する。SOC1がSOC2より小さい場合、現在SOCの信頼区間範囲は[SOC1,SOC2]で表される。現在荷電状態値がSOC1未満である場合、現在荷電状態をSOC1に修正し、現在荷電状態値がSOC2より大きい場合、現在荷電状態をSOC2に修正する。即ち、現在荷電状態がSOCの信頼区間範囲を超える場合、現在荷電状態を接近の信頼範囲の境界値に修正する。
【0039】
一実施例において、現在荷電状態が荷電状態の下境界値より大きく、且つ、荷電状態の上境界値より小さい場合、荷電状態修正目標値が現在荷電状態であると確定される。
【0040】
当該実施例において、現在SOCがSOC信頼区間範囲を超えていない場合、荷電状態修正目標値は現在荷電状態であり、即ち、現在SOCを修正する必要がない。
【0041】
本願の実施例の荷電状態の修正方法によれば、現在測定の開路電圧に基づいて、現在非ヒステリシス電圧区間内又はヒステリシス電圧区間内にあるか否かを判断できるため、ヒステリシスOCV区間及び非ヒステリシスOCV区間のそれぞれについて異なる開路電圧修正SOC技術案を提出して、電池の荷電状態の修正精度を効果的に向上させることができる。
【0042】
以下、図面を参照して、本願の実施例における開路電圧推定モデルに基づいて荷電状態を修正する具体的なフローを説明する。一実施例において、現在荷電状態、例えばSOCrをリアルタイムで算出し、予め記録されている現在荷電状態から直近のN次電流方向が変化した時の荷電状態を取得してもよい。この直近のN次電流方向が変化した時の荷電状態を履歴荷電状態値とすると、履歴荷電状態[SOC1,SOC2,・・・,SOCN]と現在荷電状態SOCrとが共通に構成するSOC変化経路リストは、例えば、[SOC1,SOC2,...,SOCN,SOCr]と表すことができる。
【0043】
本実施例において、記録されたSOC変化経路リストを入力とし、既にパラメータがキャリブレーションされた開路電圧推定モデルにより、現在開路電圧推定値を出力する。以下、理解し易くするために、開路電圧推定モデルで使用されるヒステリシスモデル組立体プライザッハ(Preisach)モデルを例に、図面を参照して、開路電圧推定モデルで荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得する具体的な過程を説明する。
【0044】
図3は、本願の実施例に係るプライザッハモデルのメッシュ三角形の模式図を示し、図4は、本願の一実施例に係るプライザッハモデルの訓練のフローチャートを示し、図5は、本願の他の実施例に係るプライザッハモデルの訓練のフローのフローチャートを示す。
【0045】
図3に示すように、SOCα(X軸)及びSOCβ(Y軸)は、プライザッハ三角(左上隅の太実線で構成される直角二等辺三角形部分)を構成し、プライザッハ三角形を離散化処理し、例えば、X軸方向及びY軸方向に沿って三角形を分けて、複数の矩形メッシュ、例えばL×Lの正方メッシュからなるメッシュ三角形を形成する。
【0046】
一実施例において、プライザッハモデルは、ヒステリシス演算子γαβ(i)で重畳して構成されている。全てのプライザッハ演算子(α,β)は二次元平面における一つの直角三角形を構成し、ヒステリシス特性の履歴情報は当該三角形における記憶曲線により表すことができ,記憶曲線は階段状曲線である(図中の破線部分)。
【0047】
記録開始時SOCの初期値がSOC0であると想定すると、プライザッハ三角の斜辺でSOC0を起点とし、即ち(SOC0,SOC0)座標点を始点とする。荷電状態変化経路における毎回の電流方向の変化と電流方向が変化する毎に対応する荷電状態変化量とに基づいて、電池が充電されていると判断された場合、充電された荷電状態の変化量に応じて、階段状の曲線が三角形内で水平に上昇するセグメントとして反映され、電池が放電していると判断される場合、放出された荷電状態の変化量に応じて、階段状の曲線が三角形内で垂直に左へに移動するセグメントとして反映される。上記の電池の履歴充放電過程によりヒステリシス演算子境界を確定する。
【0048】
電池の充電が開始され且つdSOC0が充電されると、SOC0点を経過してX軸に平行な線を作り、この線を上方へdSO0の距離を平行に移動して、ヒステリシス演算子境界を取得する。放電が開始され且つdSOC0が放出されると、SOC0点を経過してY軸に平行な線を作り、この線を左へdSOC0の距離を平行に移動して、ヒステリシス演算子境界を取得する。
【0049】
図4に示すように、ヒステリシス演算子境界とプライザッハ三角の斜辺とが交わる点(SOC1,SOC1)を始点とし、充電を継続してdSOC1を充電すると、SOC1点を経過してX軸に平行な線を作り、この線を上方へdSO1の距離を平行に移行して、この線と元のヒステリシス演算子境界とが再構成する折れ線、即ちヒステリシス演算子境界を取得する。
【0050】
図5に示すように、放電を継続してdSOC1を放出すると、SOC1点を経過してY軸に平行な線を作り、この線を左へdSO1の距離を平行に移行して、この線と元のヒステリシス演算子境界とが再構成する折れ線、即ちヒステリシス演算子境界を取得する。
【0051】
このように類推すると、充電又は放電毎にヒステリシス演算子境界が更新される。ヒステリシス演算子境界を確定すると、プライザッハ三角におけるヒステリシス演算子境界の右上隅部分のメッシュに対応するヒステリシス演算子γαβ(i)を-1と表記し、残りのメッシュのヒステリシス演算子γαβ(i)を+1と表記する。
【0052】
本願の実施例において、プライザッハモデルのヒステリシス演算子境界を確定する過程は、ヒステリシス演算子を更新する過程である。プライザッハモデルのヒステリシス演算子は、荷電状態変化経路における毎回の電流方向の変化と、電流方向が変化する毎に対応する荷電状態変化量とに基づいて更新される。
【0053】
プライザッハモデルは、更新のプライザッハモデルのヒステリシス演算子によって、次の式(1)のように表すことができる。
【0054】
【数1】
【0055】
上記式(1)において、ωOCV(t)はプライザッハモデルの出力、即ち開路電圧重み係数、Nはプライザッハ三角メッシュの個数、μαβ(i)はi番目のメッシュに対応するヒステリシス演算子、γαβ(i)はヒステリシス演算子μαβ(i)に対応する重み係数を示す。本願の実施例におけるヒステリシス演算子の重み係数は、確定の充放電フローにより予めキャリブレーションすることができる。
【0056】
開路電圧重み係数ωOCV(t)を確定する場合、下記の式(2)により、現在開路電圧推定値を算出することができる。
【0057】
【数2】
【0058】
上記式(2)において、OCV1(t)は現在荷電状態と充電OCV曲線に基づいて確定される開路電圧値を示し、OCV2(t)は現在荷電状態と放電OCV曲線に基づいて確定される開路電圧値を示し、開路電圧重み係数ωOCV(t)でOCV1(t)とOCV2(t)を重み付け融合して現在開路電圧推定値を取得する。
【0059】
一実施例において、上記ステップS130は、具体的に以下を含むことができる。
【0060】
ステップS131において、現在荷電状態値及び履歴荷電状態値で形成される荷電状態変化経路を確定し、開路電圧推定モデル組立体に基づいて荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得する。
【0061】
一実施例において、履歴荷電状態値は、予め順に記録された電池のN回の電流方向の変化時の対応するN個の荷電状態値を含み、N個目の荷電状態値は、現在荷電状態の前回の電流方向の変化時の荷電状態値であり、Nは1以上である。
【0062】
一実施例において、荷電状態変化経路は、記録タイミングの前後で取得された履歴荷電状態値中の各荷電状態値及び現在荷電状態値を含む。
【0063】
ステップS132において、現在開路電圧推定値及び現在開路電圧測定値で形成される電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値以上である場合、荷電状態信頼区間及び予め設定された誤差範囲等分パラメータに基づいて、修正毎の荷電状態修正変化量を確定する。
【0064】
一実施例において、現在開路電圧推定値及び現在開路電圧測定値で形成される電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値未満である場合、現在荷電状態値を修正しない。即ち、荷電状態修正目標値が現在荷電状態であると理解できる。
【0065】
当該ステップにおいて、荷電状態信頼区間における下境界値と現在荷電状態との差分を、現在荷電状態の誤差範囲の下境界値とし、荷電状態信頼区間における上境界値と現在荷電状態との差分を、現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とする。誤差範囲等分パラメータを用いて、現在荷電状態の誤差範囲の下境界値と現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とで確定される現在荷電状態の誤差範囲を等分し、現在荷電状態の誤差範囲に対応する修正回数の上限値及び修正毎の荷電状態修正変化量を取得できる。
【0066】
一例として、予め設定された誤差範囲等分パラメータはkであり、kは1より大きい整数である。上記実施例の説明から分かるように、充電OCV曲線における現在開路電圧測定値に対応する荷電状態値である例えばSOC1、及び放電OCV曲線における現在開路電圧測定値に対応する荷電状態値である例えばSOC2で現在SOCの信頼区間範囲[SOC1,SOC2]を形成する場合、現在荷電状態SOCrの誤差範囲は[SOC1-SOCr,SOC2-SOCr]と表すことができ、誤差範囲等分パラメータkに基づいて、現在SOC誤差範囲をk個に等分して、k個の荷電状態誤差変化量からなる誤差リスト[dSOC[1],dSOC[2],dSOC[3],…,dSOC[k]]を取得でき、この誤差リストにおけるdSOC[i]は、i回目に修正された荷電状態修正変化量を示し、iは1以上且つk以下の整数であり、修正回数の上限値は、得られた荷電状態修正変化量の総個数と等しくてもよい。
【0067】
ステップS133において、荷電状態修正変化量及び電圧差分値の正負に基づいて、現在荷電状態値を一回修正して、現在荷電状態値の修正値を取得する。
【0068】
当該ステップにおいて、現在開路電圧推定値及び現在開路電圧測定値で形成される電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値以上である場合、下記式(3)を用いて荷電状態値の修正値を算出する。
【0069】
【数3】
【0070】
上記式(3)において、iは1以上且つk以下の整数であり、dSOC[i]はi回目の現在荷電状態値を修正する時の荷電状態修正変化量であり、SOCre[i]はi回目の修正後に得られた荷電状態値の修正値である。開路電圧推定値OCVe及び現在開路電圧測定値OCVmで形成される電圧差分値が正数である場合、sign(OCVe-OCVm)の値は1であり、現在荷電状態値の修正値は、現在荷電状態値と荷電状態修正変化量で形成される荷電状態との和である。開路電圧推定値OCVe及び現在開路電圧測定値OCVmで形成される電圧差分値が負値である場合、sign(OCVe-OCVm)の値は-1であり、現在荷電状態値の修正値は、現在荷電状態値と荷電状態修正変化量で形成される荷電状態の差である。
【0071】
ステップS134において、現在荷電状態値の修正値及び履歴荷電状態値で形成される新たな荷電状態変化経路を確定し、上記電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値未満になると、現在荷電状態値の修正値を荷電状態修正目標値とする。
【0072】
当該ステップにおいて、i回目の修正後に得られたSOCre[i]と履歴のN回SOC変化経路とで構成される新たな荷電状態変化経路[SOC1,SOC2,…,SOCN,SOCre[i]]は、プライザッハ開路電圧推定モデルの入力として、現在開路電圧を新たに推定する。新たに推定された現在開路電圧推定値と現在開路電圧測定値との電圧差分の絶対値が電圧差分値の閾値未満である場合、現在荷電状態値の修正値を出力する。新たに推定された現在開路電圧推定値と現在開路電圧測定値との差分が電圧差分値の閾値以上である場合、現在荷電状態に対してi+1回目の修正を行い、i=i+1として、上記ステップS132及びステップS133を繰り返し、現在荷電状態値の修正値を新たに算出する。
【0073】
当該ステップにおいて、現在荷電状態を修正した回数が修正回数の上限値に達すると、現在荷電状態値の修正値を出力する。
【0074】
当該実施例において、開路電圧推定モデル組立体で開路電圧を推定する方法により、現在開路電圧測定値と開路電圧推定モデル組立体で確定した現在開路電圧推定値との差分に基づいて荷電状態を修正する。
【0075】
上記実施例で説明した内容から分かるように、一実施例において、上記ステップS131では、開路電圧推定モデル組立体で荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得するステップは、具体的には、以下を含み得る。
【0076】
ステップS1311において、現在荷電状態値、及び充電状態時の電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、現在荷電状態値に対応する第1の開路電圧値を確定する。
【0077】
ステップS1312において、現在荷電状態値、及び放電状態時の電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、現在荷電状態値に対応する第2の開路電圧値を確定する。
【0078】
ステップS1313において、開路電圧推定モデル組立体で荷電状態変化経路を処理して開路電圧重み係数を確定し、開路電圧重み係数を用いて第1の開路電圧値と第2の開路電圧値とを重み付け融合して、現在開路電圧推定値を取得する。
【0079】
一実施例において、ステップS1313では、開路電圧推定モデル組立体で荷電状態変化経路を処理して開路電圧重み係数を確定するステップは、具体的には以下を含み得る。
【0080】
ステップS1313-01において、荷電状態変化経路における荷電状態値の記録タイミングの前後に従って、毎回の電流方向の変化、及び毎回の電流方向の変化に対応する荷電状態変化量を順に確定する。
【0081】
ステップS1313-02において、初回の電流方向の変化、及び初回の電流方向の変化に対応する荷電状態変化量に基づいて、ヒステリシス演算子の初期値を確定する。
【0082】
ステップS1313-03において、初回以外の電流方向の変化、及び初回以外の電流方向の変化時の荷電状態変化量に基づいて、ヒステリシス演算子を更新する。
【0083】
ステップS1313-04において、予めキャリブレーションされたヒステリシス演算子の重み係数を用いて、更新後のヒステリシス演算子を重み付け融合し、開路電圧重み係数を取得する。
【0084】
一実施例において、開路電圧推定モデルにおけるヒステリシス演算子は、履歴動作状態を反映し、例えば、履歴荷電状態の変化経路における電流方向の変化及び電流方向の変化に対応する荷電状態変化量を反映でき、開路電圧推定モデル組立体は、ヒステリシス特性を有する開路電圧と荷電状態との対応関係を反映できる。このため、開路電圧推定モデル組立体を利用して、現在荷電状態に対応する履歴荷電状態の変化経路を開路電圧推定モデル組立体の入力とし、開路電圧推定モデルを用いて開路電圧をリアルタイムで推定し、さらに、SOCを修正する方法により、ヒステリシス電圧区間内の開路電圧に対応する荷電状態の修正精度を向上させることができる。
【0085】
以下、図面を参照して、本願の実施例に係る電池の荷電状態修正装置を詳細に説明する。図6は、本出願の一実施例に係る電池の荷電状態修正装置の構成図を示す。図6に示すように、電池の荷電状態修正装置600は、電圧測定値判定モジュール610、荷電状態確定モジュール620及び荷電状態修正モジュール630を含む。
【0086】
電圧測定値判定モジュール610は、電池の現在開路電圧測定値を確定し、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にあるか否かを確定し、ヒステリシス電圧区間内の開路電圧測定値は、以下を満たす。
【0087】
電池の充電状態時の荷電状態値と放電状態時の荷電状態値とが等しい場合、充電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値は、放電状態時の荷電状態値に対応する開路電圧値と異なる。
【0088】
荷電状態確定モジュール620は、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間内にある場合、充電状態時の現在開路電圧測定値に対応する充電荷電状態値と、放電状態時の現在開路電圧測定値に対応する放電荷電状態値とを確定する。
【0089】
荷電状態修正モジュール630は、充電荷電状態値及び放電荷電状態値で形成される荷電状態信頼区間に基づいて、荷電状態修正目標値を確定し、電池の現在荷電状態を修正する。
【0090】
一実施例において、荷電状態修正モジュール630は、さらに、現在開路電圧測定値がヒステリシス電圧区間外の非ヒステリシス電圧区間内にある場合、充電荷電状態値又は放電荷電状態値から荷電状態修正目標値を確定し、現在荷電状態を修正できる。
【0091】
一実施例において、荷電状態修正モジュール630は、さらに、現在荷電状態が荷電状態の下境界値より大きく且つ荷電状態の上境界値より小さい場合、荷電状態修正目標値が現在荷電状態であると確定できる。
【0092】
一実施例において、現在荷電状態値が荷電状態信頼区間の下境界値より小さい場合、荷電状態修正目標値は、荷電状態信頼区間の下境界値である。現在荷電状態値が荷電状態信頼区間の上境界値より大きい場合、荷電状態修正目標値は、荷電状態信頼区間の上境界値である。ここで、下境界値は、充電荷電状態値及び放電荷電状態値のうちの比較的小さい値であり、上境界値は、充電荷電状態値及び放電荷電状態値のうちの比較的大きい値である。
【0093】
一実施例において、荷電状態修正モジュール630は、開路電圧推定値確定手段、荷電状態修正変化量確定手段、荷電状態修正値確定手段及び荷電状態修正目標値確定手段を含み得る。
【0094】
開路電圧推定値確定手段は、現在荷電状態値及び予め記録された履歴荷電状態値で形成される荷電状態変化経路を確定し、開路電圧推定モデル組立体に基づいて荷電状態変化経路を処理して、現在開路電圧推定値を取得する。
【0095】
荷電状態修正変化量確定手段は、現在開路電圧推定値及び現在開路電圧測定値で形成される電圧差分の絶対値が電圧差分値の閾値以上である場合、荷電状態信頼区間及び予め設定された誤差範囲等分パラメータに基づいて、荷電状態修正変化量を確定する。
【0096】
荷電状態修正値確定手段は、荷電状態修正変化量及び電圧差分値の正負に基づいて、現在荷電状態値を一回修正して、現在荷電状態値の修正値を取得する。
【0097】
荷電状態修正目標値確定手段は、現在荷電状態値の修正値及び履歴荷電状態値で形成される新たな荷電状態変化経路を確定し、電圧差分値の絶対値が電圧差分値の閾値未満になると、現在荷電状態値の修正値を荷電状態修正目標値とする。
【0098】
一実施例において、開路電圧推定値確定手段は、具体的に、
現在荷電状態値、及び充電状態時の電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、現在荷電状態値に対応する第1の開路電圧値を確定すること、
現在荷電状態値、及び放電状態時の電池の荷電状態と開路電圧との対応関係に基づいて、現在荷電状態値に対応する第2の開路電圧値を確定すること、
開路電圧推定モデル組立体に基づいて荷電状態変化経路を処理して、開路電圧重み係数を確定し、開路電圧重み係数を用いて、第1の開路電圧値及び第2の開路電圧値を重み付け融合して、現在開路電圧推定値を取得すること、に用いられる。
【0099】
一実施例において、履歴荷電状態値は、予め順に記録された電池のN回の電流方向の変化時の対応するN個の荷電状態値を含み、N個目の荷電状態値は、現在荷電状態の前回の電流方向の変化時の荷電状態値であり、Nは1以上である。荷電状態変化経路は、記録タイミングの前後で取得された履歴荷電状態値中の各荷電状態値及び現在荷電状態値を含む。
【0100】
一実施例において、開路電圧推定値確定手段が、開路電圧推定モデル組立体に基づいて荷電状態変化経路を処理して、開路電圧重み係数を確定する時に、具体的に、
荷電状態変化経路における荷電状態値の記録タイミングの前後に従って、毎回の電流方向の変化、及び毎回の電流方向の変化に対応する荷電状態変化量を順に確定すること、
初回の電流方向の変化、及び初回の電流方向の変化に対応する荷電状態変化量に基づいて、ヒステリシス演算子の初期値を確定すること、
初回以外の電流方向の変化、及び初回以外の電流方向の変化時の荷電状態変化量に基づいて、ヒステリシス演算子を更新すること、
予めキャリブレーションされたヒステリシス演算子の重み係数を用いて、更新後のヒステリシス演算子に重み付け融合を行い、開路電圧重み係数を取得すること、に用いられる。
【0101】
一実施例において、荷電状態修正変化量確定手段が、荷電状態信頼区間及び予め設定された誤差範囲等分パラメータに基づいて、荷電状態修正変化量を確定する時に、具体的に、
荷電状態信頼区間における下境界値と現在荷電状態との差分値を、現在荷電状態の誤差範囲の下境界値とすること、
荷電状態信頼区間における上境界値と現在荷電状態との差分値を、現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とすること、
誤差範囲等分パラメータを用いて、現在荷電状態の誤差範囲の下境界値と現在荷電状態の誤差範囲の上境界値とで確定される現在荷電状態の誤差範囲を等分して、荷電状態修正変化量を取得すること、に用いられる。
【0102】
本願の実施例に係る荷電状態修正装置によれば、ヒステリシス特性を有するセル系について、ヒステリシス電圧区間の履歴動作状態の影響に応じて電池の荷電状態を修正し、電池の荷電状態値を推定する正解性を向上させる。
【0103】
なお、本願は上記実施例で説明した特定の構成及び処理に限定されるものではない。説明の便宜上、既知の方法に対する詳細な説明を省略し、上述したシステム、モジュール、及び手段の具体的な動作手順については、上記した方法の実施例における対応のプロセスを参照することが可能であるため、ここでは説明を省略する。
【0104】
図7は、本願の実施例に係る電池の荷電状態の修正方法及び装置に基づく演算デバイスを実現可能な例示的なハードウェアアーキテクチャの構成図を示す。
【0105】
図7に示すように、演算デバイス700は、入力デバイス701と、入力インタフェース702と、中央処理装置703と、メモリ704と、出力インタフェース705と、出力デバイス706とを備える。ここで、入力インタフェース702、中央処理装置703、メモリ704、及び出力インタフェース705は、バス710を介して互に接続され、入力デバイス701及び出力デバイス706は、それぞれ入力インタフェース702及び出力インタフェース705を介してバス710に接続されて、演算デバイス700の他の部材に接続されている。具体的に、入力デバイス701は、外部からの入力情報を受信し、入力インタフェース702を介して入力情報を中央処理装置703に送信し、中央処理装置703は、メモリ704に記憶されたコンピュータ実行可能指令に基づいて入力情報を処理して出力情報を生成し、出力情報をメモリ704に一時的又は永久的に格納した後、出力インタフェース705を介して出力情
報を出力デバイス706に出力し、出力デバイス706は、出力情報を演算デバイス700の外部に出力して、ユーザが使用できるようにする。
【0106】
一実施例において、図7に示す演算デバイス700は、電池の荷電状態修正システムとして実現することが可能であり、当該電池の荷電状態修正システムは、プログラムを記憶するメモリと、上記実施例に記載の電池の荷電状態の修正方法を実行するように、メモリに記憶されたプログラムを実行するプロセッサと、を含み得る。
【0107】
本願の実施例によれば、上記のフローチャートを参照して説明した過程は、コンピュータソフトウェアプログラムとして実現できる。例えば、本願の実施例は、コンピュータプログラム製品を含み、それは、機械読取可能な媒体における有形に含まれるコンピュータプログラムを含み、上記プログラムは、フローチャートに示される方法を実行するためのプログラムコードを含む。このような実施例において、当該コンピュータプログラムは、ネットワークからダウンロードされてインストールされてもよいし、及び/又は、着脱可能な記憶媒体からインストールされてもよい。
【0108】
上記実施例において、全部又は一部はソフトウェア、ハードウェア、ファームウェア、又はそれらの任意な組み合わせによって実現されてもよい。ソフトウェアを用いて実現される場合、その全部又は一部がコンピュータプログラム製品として実現されてもよい。上記コンピュータプログラム製品は、コンピュータで動作している際に、上記各実施例に記載の方法をコンピュータに実行させるための一又は複数のコンピュータ指令を含む。上記コンピュータプログラム指令がコンピュータにロードされ且つ実行されると、本願の実施例に記載のフローや機能を全部又は一部生成する。上記コンピュータは、汎用コンピュータ、専用コンピュータ、コンピュータネットワーク、又は他のプログラマブル装置であってもよい。上記コンピュータ指令は、コンピュータ読み取り可能な記憶媒体に記憶されていてもよいし、或いは、一方のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体から他方のコンピュータ読み取り可能な記憶媒体に伝送されてもよく、例えば、上記コンピュータ指令は、一方のウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタから有線(例えば、同軸ケーブル、光ファイバ、デジタル加入者線(DSL))又は無線(例えば、赤外線、無線、マイクロ波等)の方式により、他方のウェブサイトサイト、コンピュータ、サーバ又はデータセンタに伝送されてもよい。上記コンピュータ読み取り可能な記憶媒体は、コンピュータがアクセス可能な任意の利用可能な媒体であってもよく、或いは、一つ又は複数の利用可能な媒体の集積を含むサーバ、データセンタ等のデータ記憶装置であってもよい。上記利用可能な媒体は、磁気媒体(例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ)、光媒体(例えば、DVD)、又は半導体媒体(例えば、ソリッドステートドライブ)等であってもよい。
【0109】
上記で説明した装置の実施例は模式的なものであり、分離部材として説明した手段は、物理的に分離されていてもよいし、物理的に分離されていなくてもよく、手段として示された手段は物理的手段であってもよいし、物理的手段でなくてもよく、即ち、一箇所に位置してもよいし、複数のネットワーク手段に分布されてもよい。実際の需要に応じて、そのうちの一部又は全てのモジュールを選択して、本実施例の目的を達成することができる。当業者は創造的な労力を要することなく、理解しながら実施することができる。
【0110】
最後に、以上の各実施例は、本願の技術案を説明するためのものに過ぎず、これを制限するものではないことを説明すべきである。上記各実施例を参照して本願を詳細に説明したが、当業者であれば、上記各実施例に記載の技術案を修正したり、その一部又は全部の技術的特徴を均等に置換することが可能であり、それらの修正又は置換は、対応する技術案の要旨を本願の実施例の技術案の範囲から逸脱させるものではないことを理解すべきである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7